JPWO2015046569A1 - 含フッ素共重合体 - Google Patents

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專介 生越
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Abstract

本発明は、新たな含フッ素共重合体を提供することを課題とする。本発明は、式(A):[式中、環Aは、(1)1個以上の置換基を有していてもよい多環式アリール基又は(2)1個以上の置換基を有していてもよい複素環基を表す。]で表される1種以上の含フッ素化合物(A)に由来する単量体単位(a)、及びテトラフルオロエチレン、及びクロロトリフルオロエチレンからなる群より選択される1種以上の含フッ素エチレン系単量体(B)に由来する単量体単位(b)を含む共重合体を提供する。

Description

本発明は、含フッ素共重合体、特に環状基を有する含フッ素共重合体に関する。
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)に代表される含フッ素重合体は、フッ素元素の小ささ及びその電気陰性度の大きさに起因して、高い化学的安定性、高い耐熱性、非粘着性、低摩擦係数、及び撥水撥油性等のユニークな性質を有する。
また、含フッ素重合体に更に優れた性質を付与するため、テトラフルオロエチレン(TFE)及びパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)の共重合体であるPFA、テトラフルオロエチレン(TFE)及びエチレンの共重合体であるETFE等の共重合体が開発されてきた。
しかし、これらは、いずれもアリール基も複素環基を有さない重合体であり、アリール基又は複素環基を有する含フッ素共重合体は、これまでほとんど知られていない。
アリール基又は複素環基を有する含フッ素共重合体としては、例えば、特許文献1には、成形性に優れる、テトラフルオロエチレン及びトリフルオロスチレンの共重合体が記載されている。また、特許文献2には、ヒートクラック耐性に優れる、エチレン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、及びトリフルオロスチレンの共重合体が記載されている。
特公昭60−46123号公報 中国特許出願公開第102153689号公報
しかし、含フッ素重合体に要求される性能は多様化しており、更に新たな性質を有する含フッ素重合体の開発が求められている。
本発明者らは、鋭意検討の結果、(1)1個以上の置換基を有していてもよい多環式アリール基又は(2)1個以上の置換基を有していてもよい複素環基を有する、新たな含フッ素重合体が新たな性質を有することを見出した。
本発明は、次の態様を含む。
項1.
式(A):
Figure 2015046569
[式中、環Aは、
(1)1個以上の置換基を有していてもよい多環式アリール基又は
(2)1個以上の置換基を有していてもよい複素環基を表す。]
で表される
1種以上の含フッ素化合物(A)に由来する単量体単位(a)、及び
テトラフルオロエチレン、及びクロロトリフルオロエチレンからなる群より選択される1種以上の含フッ素エチレン系単量体(B)に由来する単量体単位(b)
を含む共重合体。
項2.
環Aが、1個以上の置換基を有していてもよい2環式又は3環式アリール基である項1に記載の共重合体。
項3.
前記含フッ素化合物(A)が2個以上のトリフルオロビニル基を有する項1又は2に記載の共重合体。
項4.
環Aが、1個以上の置換基を有していてもよい、酸素原子、窒素原子、及び硫黄原子からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を環構成原子として有する項1記載の共重合体。
項5.
環Aが、1個以上の置換基を有していてもよい、1個の窒素原子を環構成原子として有する項1記載の共重合体。
項6.
前記含フッ素エチレン系単量体(B)が、テトラフルオロエチレンである項1〜5のいずれか1項に記載の共重合体。
項7.
更に、へキサフルオロプロピレン、へキサフルオロイソブテン、CF=CF−ORf(式中、Rfは、炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基を表す。)で表されるパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)、CF=CF−OCH−Rf(式中、Rfは、炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基)で表されるアルキルパーフルオロビニルエーテル誘導体、トリフルオロエチレン、1,1,2−トリフルオロプロピレン、フッ化ビニル、及びフッ化ビニリデンからなる群より選択される1種以上の含フッ素エチレン系単量体(C)に由来する単量体単位(c)を含む項1〜6のいずれか1項に記載の共重合体。
項8.
全単量体単位100モル%に対する単量体単位(a)の含有量が、0.01〜99モル%の範囲内である項1〜7のいずれか1項に記載の共重合体。
項9.
全単量体単位100モル%に対する単量体単位(a)の含有量が、0.01〜10モル%の範囲内である項1〜7のいずれか1項に記載の共重合体。
項10.
式(A1):
Figure 2015046569
[式中、
環Aは、2環式、3環式、又は4環式アリール基
を表す。]
で表される化合物。
項11.
式(A2):
Figure 2015046569
[式中、
環Aは、2環式、3環式、又は4環式アリール基を表し、及び
はハロゲン原子を表す。]
で表される化合物。
項12.
式(A3):
Figure 2015046569
[式中、環Aは、1個以上の置換基を有していてもよい含窒素複素環基を表す。]
で表される化合物。
本発明によれば、本発明の含フッ素共重合体は新規な性質を有する。当該性質は、従来の含フッ素重合体が有していなかった、又は従来の含フッ素重合体が有していたが不充分であった性質であることができ、具体的には例えば、(a)他材との高い相溶性、(b)他材との高い接着性又は(c)溶媒への高い分散性、或いは(2)本発明の含フッ素共重合体から形成される膜又はフィルムの高い透明である。
本発明の含フッ素共重合体は、単量体単位(a)及び単量体単位(b)を含む。
本発明の含フッ素共重合体は、好ましくは実質的に単量体単位(a)及び単量体単位(b)からなる。
本発明の含フッ素共重合体は、より好ましくは単量体単位(a)及び単量体単位(b)からなる。
本発明の含フッ素共重合体中、単量体単位(a)は1種以上であることができる。
本発明の含フッ素共重合体中、単量体単位(b)は1種以上であることができる。
1種以上の単量体単位(a)及び1種以上の単量体単位(b)並びにその他の単量体単位の配列のタイプは限定されず、例えば、ランダムであることができる。
単量体単位(a)
前記単量体単位(a)は、
式(A):
Figure 2015046569
[式中、環Aは、
(1)1個以上の置換基を有していてもよい多環式アリール基又は
(2)1個以上の置換基を有していてもよい複素環基を表す。]
で表される
1種以上の含フッ素化合物(A)(本明細書中、単に「含フッ素エチレン系単量体(A)」と称する場合がある)」に由来する単量体単位である。
式(A)中に示されるトリフルオロビニル基の環A上の位置は特に限定されない。
前記「1個以上の置換基を有していてもよい多環式アリール基」の「多環式アリール基」は、例えば、2環式、3環式、又は4環式(好ましくは2環式又は3環式)のアリール基であることができる。
当該「多環式アリール」としては、例えば、1−ナフチル、2−ナフチル、1−アントリル、2−アントリル、及び9−アントリル等の炭素数10〜22のアリール基が挙げられる。
(1)本発明の含フッ素共重合体の、(a)他材との高い相溶性、又は(b)溶媒への高い分散性、或いは(2)本発明の含フッ素共重合体から形成される膜又はフィルムの高い透明性の観点からは、当該「アリール基」は、これを構成する環の数がより多いことが好ましい。
前記「1個以上の置換基を有していてもよい多環式アリール基」の「置換基」としては、例えば水酸基、RCO−、RCO−、R N−、ニトロ基、シアノ基、RSO−、RSO−、RO−、アルキル基、ビニル基、RS−、ハロゲン(各式中、Rは、同一又は異なって、水素、ハロゲン(例、フッ素、塩素)又は有機基である。)等が挙げられる。当該有機基としては、例えばアルキル基が挙げられる。
更に、(1)本発明の含フッ素共重合体の、(a)他材との高い相溶性の観点からは、当該置換基が、水酸基、アルキル基、RCO−、RCO−、RO−、RS−、又はハロゲンであることが好ましく、(b)他材との高い接着性の観点からは当該置換基が、水酸基、カルボキシ、R N−、ビニル基、RO−基、又はRS−基であることが好ましく、及び(c)溶媒への高い分散性の観点からは当該置換基が、水酸基、アルキル基、RCO−、RCO−、RO−、又はRS−であることが好ましい。
(2)本発明の含フッ素共重合体から形成される膜又はフィルムの高い透明性の観点からは、当該置換基が嵩高い基であることが好ましい。嵩高い基の例としては、分枝状アルキル基及びトリフルオロメチル基からなる群より選択される1個以上の置換基で置換されていてもよいフェニル基が挙げられる。
本発明の含フッ素共重合体から形成される膜又はフィルムの機械的強度が高くなる点では、前記「1個以上の置換基」のうちの1個以上が架橋性基であることが好ましい。
当該「架橋性基」としては、例えば、(メタ)アクリル基、エポキシ基、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、メチロールアミド基、シリル基、カルボジイミド基、オキサゾリン基、ブロックイソシアネート基、エチレンイミン基、シアノ基、チオール基、アルコキシカルボキシ基、酸ハライド基、及びトリフルオロビニル基等が挙げられる。
当該「架橋性基」として好ましくは、例えば、トリフルオロビニル基が挙げられる。
含フッ素化合物(A)が当該「置換基」として1個以上のトリフルオロビニル基を有する場合、含フッ素化合物(A)は、式(A)中に示されるトリフルオロビニル基とあわせて、2個以上のトリフルオロビニル基を有する。
当該置換基の数は、好ましくは、0個(すなわち無置換)又は1〜3個である。
当該置換基の多環式アリール上の位置は特に限定されない。
前記「1個以上の置換基を有していてもよい複素環基」の「複素環基」は、例えば、単環式、2環式、3環式、又は4環式(好ましくは2環式又は3環式)の複素環基であることができる。
当該「複素環基」は、非芳香族複素環基、又はヘテロアリール基であることができる。
当該「複素環基」としては、例えば、ピロリル、チエニル、ピリジル、キノリル、イソキノリル、インドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ピラジニル、キナゾリニル、ベンズイソオキサゾリル、キノキサニリル、イミダゾリル、オキサゾリル、アクリジニル、フェナントリジニル、プテリジニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、β-カルボニリル、及びプリニル等の、環構成原子として、酸素、硫黄、及び窒素からなる群より選択される1個以上(例、1〜4個)のヘテロ原子を有する5〜18員の複素環基が挙げられる。
(1)本発明の含フッ素共重合体の、(a)他材との高い相溶性、又は(b)溶媒への高い分散性、或いは(2)本発明の含フッ素共重合体から形成される膜又はフィルムの高い透明性の観点からは、当該「複素環基」は、これを構成する環の数がより多いことが好ましい。
当該「複素環基」は、酸と反応して塩になり、溶解度が高くなる点で、環構成原子として1個以上の窒素原子を有することが好ましい。
前記「1個以上の置換基を有していてもよい複素環基」の「置換基」としては、例えば水酸基、RCO−、RCO−、R N−、ニトロ基、シアノ基、RSO−、RSO−、RO−、アルキル基、ビニル基、RS−、ハロゲン(各式中、Rは、同一又は異なって、水素、ハロゲン(例、フッ素、塩素)又は有機基である。)等が挙げられる。当該有機基としては、例えばアルキル基が挙げられる。
更に、(1)本発明の含フッ素共重合体の、(a)他材との高い相溶性の観点からは、当該置換基が、水酸基、アルキル基、RCO−、RCO−、RO−、RS−、又はハロゲンであることが好ましく、(b)他材との高い接着性の観点からは当該置換基が、水酸基、カルボキシ、R N−、ビニル基、RO−基、又はRS−基であることが好ましく、及び(c)溶媒への高い分散性の観点からは当該置換基が、水酸基、アルキル基、RCO−、RCO−、RO−、又はRS−であることが好ましい。
(2)本発明の含フッ素共重合体から形成される膜又はフィルムの高い透明性の観点からは、当該置換基が嵩高い基であることが好ましい。嵩高い基の例としては、分枝状アルキル基及びトリフルオロメチル基からなる群より選択される1個以上の置換基で置換されていてもよいフェニル基が挙げられる。
本発明の含フッ素共重合体から形成される膜又はフィルムの機械的強度が高くなる点では、前記「置換基」が架橋性基であることが好ましい。
当該「架橋性基」としては、前記「アリール基」の「置換基」に関して例示したものと同様の「架橋性基」が挙げられる。
当該置換基の数は、好ましくは、0個(すなわち無置換)又は1〜3個である。
式(A)で表される含フッ素化合物の好適な一態様は、式(A1):
Figure 2015046569
[式中、
環Aは、2環式、3環式、又は4環式アリール基
を表す。]
で表される化合物である。
なかでも好ましい例としては、2,6−ビス(トリフルオロビニル)ナフタレンが挙げられる。
式(A)で表される含フッ素化合物の別の好適な一態様は、
式(A2):
Figure 2015046569
[式中、
環Aは、2環式、3環式、又は4環式アリール基を表し、及び
はハロゲン原子を表す。]
で表される化合物である。
なかでも好ましい例としては、9−(1,2,2−トリフルオロビニル)アントラセン、9−(1,2,2−トリフルオロビニル)フェナントレン、6−メトキシカルボニル−2−トリフルオロビニルナフタレン、2,6−ビス(トリフルオロビニル)ナフタレン、及び6−ブロモ−2−トリフルオロビニルナフタレンが挙げられる。
式(A)で表される含フッ素化合物の更に別の好適な一態様は、
式(A3):
Figure 2015046569
[式中、環Aは、1個以上の置換基を有していてもよい含窒素複素環基を表す。]
で表される化合物である。
なかでも好ましい例としては、トリフルオロビニルピリジン、トリフルオロビニルピロール、トリフルオロビニルインドール、トリフルオロビニルイミダゾール、トリフルオロビニルキノリン、トリフルオロビニルイソキノリン、トリフルオロビニルピリミジン、トリフルオロビニルキナゾリン、トリフルオロビニルキノキサリン、トリフルオロビニルアシリジン、及びトリフルオロビニルカルバゾールが挙げられ、より好ましい例としては、トリフルオロビニルピリジン、トリフルオロビニルキノリン、及びトリフルオロビニルイソキノリンが挙げられ、特に好ましい例としては、3−(1,2,2−トリフルオロビニル)キノリンが挙げられる。
式(A)で表される含フッ素化合物は、公知の方法又はJ. Am. Chem. Soc.2011, 133, 3256-3259に記載の方法に準じて、または市販品として入手可能である。
式(A)で表される含フッ素化合物は、また、例えば、次の工程1及び工程2を含む方法により製造できる。
工程1:ハロゲン化含フッ素アルケニル亜鉛の製造方法
工程1のハロゲン化含フッ素アルケニル亜鉛化合物の製造方法は、式(1):
Figure 2015046569
[式中、
X’は、ハロゲンを表す。]
で表されるハロゲン化含フッ素アルケニル亜鉛化合物(以下、式(1)のハロゲン化含フッ素アルケニル亜鉛化合物と称する場合がある)の製造方法であって、
テトラフルオロエチレンを、
マグネシウム及びその合金から選択される1種以上の金属の存在下で、式:ZnX’(式中の記号は前記と同意義を表す)で表されるハロゲン化亜鉛(本明細書中、単に前記ハロゲン化亜鉛と称する場合がある)と反応させる工程(工程1)を含む。
工程1
工程1は、具体的には、例えば、溶媒中にマグネシウム及びその合金から選択される1種以上の金属及び前記式:ZnX’で表されるハロゲン化亜鉛を含有する液体(本明細書中、便宜上、このような液体を溶液(例えば、前記溶媒がDMIである場合、DMI溶液)と称する場合がある。)へ、テトラフルオロエチレンを添加すること、より具体的には、例えば、溶媒中にマグネシウム及びその合金から選択される1種以上の金属を懸濁させて得られる懸濁液に、前記式:ZnX’で表されるハロゲン化亜鉛、及びテトラフルオロエチレンを添加することによって実施される。
X’で表されるハロゲンは、好ましくは、塩素、臭素又はヨウ素、特に好ましくは塩素である。
本発明で使用される、テトラフルオロエチレンは、公知の化合物であり、公知の方法で製造可能であるか、商業的に入手可能である。
工程1で用いられる式:ZnX’で表されるハロゲン化亜鉛は、好ましくは、塩化亜鉛である。
工程1で用いられる「マグネシウム及びその合金から選択される1種以上の金属」におけるマグネシウム合金としては、例えば、Mg−Al−Zn合金、Mg−Li−Al合金、Mg−Zn−Zr合金などが挙げられる。
工程1で用いられる「マグネシウム及びその合金から選択される1種以上の金属」は、好ましくは、活性化されたマグネシウムである。
マグネシウムの活性化方法は、特に限定されず、例えば、(1)金属マグネシウムを機械的に破砕し、粉末状(powders)、又は削り状(turnings)の金属マグネシウムにする方法、(2)溶媒に懸濁させた金属マグネシウムを加熱攪拌する方法、(3)金属マグネシウムを、活性化剤(例、ヨウ素、ヨウ化メチル、又は1,2−ジブロモエタン等のアルキルハライド化合物)によって活性化する方法、(4)超音波処理、及び(5)マグネシウム塩を還元して活性化された金属マグネシウムを調製する方法等が挙げられる。これらの活性化方法は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、活性化されたマグネシウムは、商業的にも入手可能である。
当該「活性化されたマグネシウム」は、好ましくは、金属マグネシウムを機械的に破砕し、粉末状、又は削り状の金属マグネシウムにする方法によって活性化されたマグネシウムである。
工程1の反応は、好ましくは、非プロトン性極性溶媒中で行われる。
当該「非プロトン性極性溶媒」としては、例えば、
N−メチルピロリドン等のラクタム化合物;
ジメチルスルホキシド(DMSO)等のジアルキルスルホキシド;
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)、ジメチルプロピレン尿素(DMU)、及びテトラメチル尿素(TMU)等のテトラアルキル尿素;並びに
ヘキサメチルリン酸アミド(HMPA)等のヘキサアルキルリン酸トリアミド
等が挙げられる。
なかでも、好ましくは、テトラアルキル尿素であり、より好ましくは、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンである。
当該「非プロトン性極性溶媒」は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
工程1における前記ハロゲン化亜鉛(特に、塩化亜鉛)/マグネシウムのモル比は、好ましくは、0.1〜5、より好ましくは、0.5〜2の範囲内である。ここでの「マグネシウム」は「マグネシウム及びその合金から選択される1種以上の金属」中のマグネシウムであることを注記する。
工程1における、テトラフルオロエチレン/マグネシウムのモル比は、好ましくは、0.01〜100、より好ましくは、0.5〜20、更に好ましくは、3〜7の範囲内である。
工程1における、テトラフルオロエチレン/前記ハロゲン化亜鉛(特に、塩化亜鉛)のモル比は、好ましくは、0.01〜100、より好ましくは、0.1〜10、更に好ましくは、1〜5の範囲内である。
工程1の反応の反応温度は、好ましくは、0〜100℃、より好ましくは、20〜60℃の範囲内である。
工程1の反応の反応時間は、通常、6〜48時間、好ましくは、12〜36時間の範囲内である。
工程1の反応は、好ましくは、アルゴン、又は窒素等の不活性ガス雰囲気下で行われる。
工程1によって得られるハロゲン化含フッ素アルケニル亜鉛化合物は、溶媒抽出等の公知の精製方法によって単離精製され得るが、単離精製せずに、すなわち、そのまま工程1の反応生成混合物の形態で、後記で説明するトリフルオロビニル基などの含フッ素(シクロ)アルケニル基を有するフッ素化合物の製造等の原料として用いることもできる。工程1によって得られるハロゲン化トリフルオロビニル亜鉛は、特に好ましくは、塩化1,1,2−トリフルオロビニル亜鉛である。
工程1は、具体的には、例えば、溶媒中にマグネシウム及びその合金から選択される1種以上の金属及び前記式:ZnX’で表されるハロゲン化亜鉛を含有する液体へ、テトラフルオロエチレンを導入すること、より具体的には、例えば、溶媒中にマグネシウム及びその合金から選択される1種以上の金属を懸濁させて得られる懸濁液に、ハロゲン化亜鉛を添加し、及びテトラフルオロエチレンを導入することによって実施される。
本発明で使用されるテトラフルオロエチレンは、公知の化合物であり、公知の方法で製造可能であるか、商業的に入手可能である。
工程2:含フッ素アルケニル基を有するフッ素化合物の製造方法
工程2の、含フッ素アルケニル基を有するフッ素化合物の製造方法は、式(2):
Figure 2015046569
[式中、環Aは前記と同意義を表す。]
で表される化合物(以下、式(2)の化合物と称する場合がある。)の製造方法であって、前記で説明した本発明の製造方法によって製造される前記式(1):
Figure 2015046569
[式中の記号は前記と同意義を表す。]
で表されるハロゲン化含フッ素アルケニル亜鉛化合物を、式:環A−X(式中、Xはハロゲンを表し;及びその他の記号は前記と同意義を表す。)で表される化合物と反応させる工程(工程2)を含む。
工程2は、ハロゲン化トリフルオロビニル亜鉛化合物を、ハロゲン化有機化合物と反応させて、トリフルオロビニル基を有するフッ素化合物を製造する、公知の方法と同様に行えばよい。
単量体単位(b)
前記単量体単位(b)は、テトラフルオロエチレン、及びクロロトリフルオロエチレンからなる群より選択される1種以上の含フッ素エチレン系単量体(B)(本明細書中、単に「含フッ素エチレン系単量体(B)」と称する場合がある)に由来する単量体単位である。
その他の単量体単位
本発明の含フッ素共重合体は、単量体単位(A)、及び単量体単位(B)以外に更に別の単量体単位を含んでもよい。
このような単量体単位は、例えば、ヘキサフルオロプロピレン、へキサフルオロイソブテン、CF=CF−ORf(式中、Rfは、炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基を表す。)で表されるパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)、CF=CF−OCH−Rf(式中、Rfは、炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基)で表されるアルキルパーフルオロビニルエーテル誘導体、トリフルオロエチレン、1,1,2−トリフルオロプロピレン、フッ化ビニル、及びフッ化ビニリデンからなる群より選択される含フッ素エチレン系単量体(C)(本明細書中、単に「含フッ素エチレン系単量体(C)」と称する場合がある)に由来する単量体単位(c)である。
含フッ素エチレン系単量体(C)は、好ましくは、例えばヘキサフルオロプロピレン(HFP)、及びパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)からなる群より選択される1種以上である。
前記パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)としては、例えばパーフルオロ(メチルビニルエーテル)(PMVE)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)(PEVE)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)、及びパーフルオロ(ブチルビニルエーテル)等が挙げられる。
本発明単量体単位(a)を構成する全単量体単位100モル%に対する単量体単位(a)の含有量は、通常0.01〜99モル%の範囲内である。その上限は、好ましくは、例えば、10モル%、7モル%、6モル%、5モル%、4モル%、3モル%、2モル%、又は1モル%である。
本発明の含フッ素共重合体の各単量体単位の含有量は、NMR、FT−IR、元素分析、蛍光X線分析を単量体の種類によって適宜組み合わせることで算出できる。
本発明の含フッ素共重合体は、本発明の含フッ素共重合体に求められる性質が失われない範囲内で、単量体単位(a)、単量体単位(b)、及び所望による単量体単位(c)以外の単量体単位等の部分を有していてもよい。このような単量体単位は、例えば、エチレン、プロピレン、及びアルキルビニルエーテル等のフッ素非含有単量体に基づく単量体単位が挙げられる。
本発明の含フッ素共重合体は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、TFE/HFP共重合体(FEP)、TFE/PAVE共重合体(PFA)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、CTFE/TFE共重合体等の重合体の鎖内に、1個以上の前記単量体単位(a)が挿入されている重合体であることができる。
なお、本明細書中、例えば、「ポリテトラフルオロエチレン」なる記載は、テトラフルオロエチレン(TFE)に由来する単量体単位(TFE単位)から本質的になる重合体であることを意味する。これには、TFE単位のみからなる重合体が包含される。また、本明細書中、例えば、「TFE/HFP共重合体」なる記載は、TFE単位と、HFPに由来する単量体単位(HFP単位)とから本質的になる共重合体であることを意味する。これには、TFE単位とHFP単位とのみからなる共重合体が包含される。他の重合体及び共重合体についての記載も、これらと同様にして、理解される。
PTFEは、TFE単独重合体であってもよいし、変性PTFEであってもよい。本明細書において、当該「変性PTFE」とは、得られる共重合体に溶融加工性を付与しない程度の少量の共単量体(変性剤)をTFEと共重合してなるものを意味する。
前記変性PTFEにおける変性剤としてはTFEとの共重合が可能なものであれば特に限定されず、例えば、HFP等のパーフルオロオレフィン;CTFE等のクロロフルオロオレフィン;トリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン(VdF)等の水素含有フルオロオレフィン;パーフルオロビニルエーテル;パーフルオロブチルエチレン等のパーフルオロアルキルエチレン;エチレン等が挙げられる。また、用いる変性剤は1種であってもよいし、複数種であってもよい。
変性剤として用いられるパーフルオロビニルエーテルとしては特に限定されず、例えば、一般式(I):
CF=CF−ORf (I)
(式中、Rfは、パーフルオロ有機基を表す。)で表されるパーフルオロ不飽和化合物等が挙げられる。本明細書において、前記「パーフルオロ有機基」とは、炭素原子に結合する水素原子が全てフッ素原子に置換されてなる有機基を意味する。前記パーフルオロ有機基は、エーテル酸素を有していてもよい。
変性剤として用いられるパーフルオロビニルエーテルとしては、例えば、前記一般式(I)において、Rfが炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基を表すものであるパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)が好ましい。前記パーフルオロアルキル基の炭素数は、1〜5であることがより好ましい。
前記変性PTFEにおいて前記変性剤が前記変性剤とTFEとの全体量に占める割合(質量%)としては、通常、5質量%以下が好ましく、0.0001〜2質量%がより好ましく、0.001質量%〜1質量%が更に好ましい。
前記FEPは、HFP単位が2質量%を超え、50質量%以下であることが好ましく、5〜20質量%であることがより好ましい。
前記PFAにおけるPAVEとしては、炭素数1〜6のアルキル基を有するものが好ましく、パーフルオロメチルビニルエーテル(PMVE)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PEVE)又はパーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)がより好ましい。前記PFAは、PAVE単位が2質量%を超え、20質量%以下であることが好ましく、2.5〜10質量%であることがより好ましい。
前記FEP又はPFAは、それぞれ前述の組成を有するものであれば、更に、その他の単量体を重合させたものであってよい。前記その他の単量体として、例えば、前記FEPである場合には、PAVEが挙げられ、前記PFAである場合、HFPが挙げられる。前記その他の単量体は、1種又は2種以上を用いることができる。
前記FEP又はPFAと重合させるその他の単量体は、その種類によって異なるが、通常、本発明の含フッ素共重合体の質量の10質量%以下であることが好ましい。より好ましい上限は5質量%であり、更に好ましい上限は1質量%である。
前記PCTFEは、重合単位が実質的にCTFE単位のみからなる重合体である。
前記CTFE/TFE共重合体は、CTFE単位とTFE単位とのモル比がCTFE:TFE=1:99〜99:1であることが好ましく、5:95〜90:10であることがより好ましく、20:80〜90:10であることが更に好ましい。
前記CTFE/TFE共重合体は、CTFE、TFE、並びに、CTFE及びTFEと共重合可能な単量体からなる共重合体であることも好ましい。CTFE及びTFEと共重合可能な単量体としては、エチレン、VdF、HFP、CH=CX(CF(式中、Xは水素原子又はフッ素原子であり、Xは水素原子、フッ素原子又は塩素原子であり、nは1〜10の整数である。)で示される単量体、PAVE、及び、CF=CF−OCH−Rf(式中、Rfは炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基を表す。)で表されるアルキルパーフルオロビニルエーテル誘導体等が挙げられ、なかでも、エチレン、VdF、HFP及びPAVEからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、PAVEであることがより好ましい。PAVEとしては、前述したものが挙げられる。CTFE単位とTFE単位とCTFE及びTFEと共重合可能な単量体単位とのモル比は、“CTFE単位及びTFE単位の合計の単量体単位”:“CTFE及びTFEと共重合可能な単量体単位”=40〜99.9:60〜0.1(モル:モル)の関係にあることが好ましい。
本発明の含フッ素共重合体の分子量は、好ましくは1万〜1000万の範囲内、より好ましくは5万〜500万の範囲内である。
架橋していない本発明の含フッ素共重合体の融点は、例えば、50〜400℃であることが好ましい。本発明の含フッ素共重合体は好ましくは樹脂であり、このことは本発明の含フッ素共重合体が融点を有することにより示される。
本明細書において、含フッ素ポリマー(a)の融点は、TG/DTA装置(TG/DTA6200(株式会社日立ハイテクサイエンス))又はその同等品を用い、10℃/分の速度で昇温したときの融解熱曲線における極大値に対応する温度として求められる。
製造方法
本発明の含フッ素共重合体は、溶液重合、懸濁重合、又は乳化重合等の通常の重合方法を用いて、例えば、重合開始剤の存在下で、1種以上の「含フッ素化合物(A)」、及び1種以上の「含フッ素エチレン系単量体(B)」を共重合させることによって、製造できる。
当該重合反応の条件は、重合方法に応じて、適宜選択できる。
当該「重合開始剤」としては、例えばジイソプロピリパーオキシジカーボネート、(IPP)、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート(NPP)等のパーオキシジカーボネート類や、t−ブチルパーオキシピバレートなどに代表される油溶性ラジカル重合開始剤、又は過硫酸アンモニウム(APS)等の過硫酸塩や、ジコハク酸パーオキシド(DSP)、ジグルタル酸パーオキシド等の有機過酸化物を、単独、又はこれらの混合物の形で使用できる。又、亜硫酸ナトリウム等の還元剤と共用し、レドックス系にしたものを用いることもできる。
含フッ素化合物(A)、及び含フッ素エチレン系単量体(B)の量は、所望する本発明の含フッ素共重合体の組成(単量体単位(b):単量体単位(a))に応じて選択できる。
また、本発明の含フッ素共重合体の製造においては、分子量の調整に通常使用される連鎖移動剤を使用してもよい。
当該連鎖移動剤として、例えばエタン、イソペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素類;トルエン、キシレン等の芳香族類;アセトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類;メタノール、エタノール等のアルコール類;メチルメルカプタン等のメルカプタン類;四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレン、塩化メチル等のハロゲン化炭化水素等からなる群より選択される少なくとも1種を使用できる。その添加量は、使用する連鎖移動剤の種類によって連鎖移動係数が異なるので、これに合わせて適宜調整すればよい。
当該共重合は、好ましくは有機溶媒中で実施される。
当該「有機溶媒」としては、前記単量体に対して不活性であり、これらを溶解できるものであれば特に限定されないが、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ペンタン、へキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メタノール、エタノール、tert−ブタノール、イソプロパノール等のアルコール類;石油エーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類;1,1,2,2−テトラクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、パークロロエチレン等の含塩素溶媒;テトラクロロジフルオロエタン、トリクロロトリフルオロエタン、HCFC−225、フルオロエーテル(HFE−7100、HFE−7200、HFE−7300)、ゼオローラH、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン等の含フッ素溶媒;ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、又はこれらの混合物等が挙げられる。
懸濁重合、及び乳化重合は、水中で実施することができる。
懸濁重合に用いられる重合開始剤としては、水溶性の過硫酸塩、亜硫酸塩、水溶性有機過酸化物が望ましい。例えば、過硫酸アンモニウム(APS)、過硫酸カリウム(KPS)等の過硫酸塩や、ジコハク酸パーオキシド(DSP)、ジ(ω−ヒドロパーフルオロヘキサノイル)パーオキサイド(DHP)等の有機過酸化物が好ましい。
乳化重合に用いられる乳化剤としては、フルオロカーボン鎖またはフルオロポリエーテル鎖を有するカルボン酸の塩類がのぞましい。乳化重合の重合開始剤としては、例えば過硫酸アンモニウム(APS)等の過硫酸塩や、ジコハク酸パーオキシド(DSP)、ジグルタル酸パーオキシド等の有機過酸化物を単独で、またはこれらの混合物の形で使用することができる。また、上記重合開始剤として、亜硫酸ナトリウム等の還元剤と共用し、レドックス系にしたものを用いてもよい。
当該共重合の反応温度は、使用する重合溶媒が気体にならない温度範囲であればよい。
当該共重合の反応時間は、使用するモノマー、重合開始剤の種類などを考慮して適宜決定すればよい。
当該共重合は、好ましくは、攪拌子等を用いて反応系を混合しながら実施される。
当該共重合は、好ましくは、酸素の不存在下で実施される。酸素の除去は、例えば、含フッ素エチレン系単量体(B)のガスによるパージにより実施できる。
前記共重合により得られた、本発明の含フッ素共重合体は、所望により、溶媒(例、メタノール、アセトン)を用いた洗浄し、及び真空乾燥等の手段により乾燥できる。
なお、含フッ素化合物(A)は単独重合も可能である。含フッ素化合物(A)の単独重合により、含フッ素化合物(A)の単独重合体が得られる。含フッ素化合物(A)の単独重合体は、有機溶媒への溶解性が高い。
適用
本発明の含フッ素共重合体は、公知の方法により、基材又は被処理物に適用することができる。
当該適用は、例えば、本発明の含フッ素共重合体を有機溶媒中に分散させ、得られた液状組成物を、浸漬塗布、スプレー塗布、泡塗布などのような既知の方法により、基材又は被処理物の表面に付着させ、及び乾燥する方法により実施できる。
当該溶媒としては、例えばn−ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、アセトニトリル、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル−ノルマル−ブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノール、ベンゼン、o−ジクロルベンゼン、トルエン、スチレン、キシレン、クレゾール、クロルベンゼン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロルエチレン、1,2−ジクロロプロパン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロメタン、テトラクロルエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、ブタノール、イソブチルアルコール、1−プロパノール、イソプロパノール、イソペンチルアルコール、シクロヘキサノール、シクロヘキサノン、1,4−ジオキサン、ジクロルメタン、N,N−ジメチルホルムアミド、ノルマルヘキサン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ノルマル−ペンチル、酢酸イソペンチル、ジメチルスルホキシド、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−ノルマル−ブチルエーテル、二硫化炭素、ガソリン、コールタールナフサ、石油エーテル、石油ベンジン、テレビン油、及びミネラルスピリット等が挙げられる。また、オリーブオイル、大豆油、牛脂、豚脂等の天然油脂も使用できる。また、シリコンオイル、フッ素系のオイル、又はフッ素系アルコールも使用できる。
これにより、基材又は被処理物の表面に、本発明の含フッ素共重合体の膜又はフィルムを形成し得る。
また、本発明の含フッ素共重合体のうち、架橋性基を有する共重合体については、公知の加工手法を用いて、パッキン、シール材、ガスケット、ホース、チューブ、ライニング、軸受け、LAN電線に適用することができる。形状としては特に限定されないが、チューブ、フィルム、シート、多孔膜、繊維などの形状が挙げられる。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例中の記号は、以下の意味で用いられる。
s:シングレット
d:ダブレット
dd:ダブルダブレット
ddd:ダブルダブルダブレット
t:トリプレット
q:カルテット
m:マルチプレット
Calcd:計算値
Found:実測値
rt:室温
合成例1
窒素雰囲気下、Mg (48.6 mg, 2.0 mmol)とZnCl2 (545.2 mg, 4.0 mmol)を1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン(DMI, 10 mL)で混合し、これをガラスのオートクレーブに移した。激しく撹拌しながら、オートクレーブ中のガスをテトラフルオロエチレン(TFE)に置換し、内圧が5 atmになるまで加圧した後、密封して室温で6時間撹拌した。その後、オートクレーブからガスを抜き、セライトろ過を行い、トリフルオロビニル亜鉛クロリドのDMI溶液を得た。
19F NMR (372 MHz, in DMI/C6D6, rt, δ/ppm): -195.2 (s, br, 1F), -132.6 (dd, JFF = 94.5, 104.1 Hz, 1F), -99.5 (s, br, 1F).
合成例2
次の合成方法Aに従って、合成例2a、2b、2c、2d、及び2eの各化合物を合成した。
[合成方法A]
出発物質(アリールブロミド)とPd(PPh3)4 (1 mol%)の混合物に、トリフルオロビニル亜鉛クロリドのDMI溶液(1.1 eq)を添加し、濾過後、所定の温度で所定時間反応させた。その後、反応溶液を室温まで冷やし、水を加えてペンタンで有機物を抽出した。有機層は硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下、濃縮後、HPLCにより精製を行い、目的物を得た。
合成例2a: 6-(1,2,2-トリフルオロビニル)-2-ナフトエ酸メチル(単量体3)
Figure 2015046569

出発物質:6-ブロモ-2-ナフトエ酸メチル
反応温度:80℃(バス温)
反応時間:30分
単離収率:75%
性状:白色固体
19F NMR (372 MHz, in CDCl3, rt, δ/ppm): -179.0 (dd, JFF = 32.5, 108.6 Hz, 1F), -115.0 (dd, JFF = 66.2, 108.6 Hz, 1F), -99.8 (dd, JFF = 32.5, 66.2 Hz, 1F). 1H NMR (400 MHz, CDCl3, rt, δ/ppm): 3.96 (s, 3H), 7.51 (d, JHH = 9.2, Hz, 1H), 7.78 (d, JHH = 8.6 Hz, 1H), 7.84 (s, 1H), 7.85 (d, JHH = 8.7 Hz, 1H), 8.03 (dd, JHH = 1.4, 8.6 Hz, 1H), 8.48 (s, 1H). 13C{1H} NMR (100.6 MHz, CDCl3, rt, δ/ppm): 52.3 (s), 122.0 (m), 123.5 (q, JCF = 6.4 Hz), 126.2 (s), 126.8 (dd, JCF = 7.0, 21.5 Hz), 128.4 (s), 128.5 (s), 128.7 (ddd, JCF = 20.0, 44.3, 226.8 Hz), 129.9 (d, JCF = 2.0 Hz), 130.6 (s), 132.0 (s), 134.9 (s), 154.3 (ddd, JCF = 49.6, 284.8, 292.5 Hz, -CF=CF2), 166.9 (s). HRMS (EI) Calcd for C14H9F3O2 266.0555, Found m/z 266.0554.
合成例2b: 9-(1,2,2-トリフルオロビニル)アントラセン(単量体1)
Figure 2015046569

出発物質:9-ブロモアントラセン
反応温度:150℃(バス温)
反応時間:30分
単離収率:73%
性状:黄色固体
19F NMR (372 MHz, in CDCl3, rt, δ/ppm): -158.8 (dd, JFF = 27.4, 118.8 Hz, 1F), -118.0 (dd, JFF = 72.7, 119.0 Hz, 1F), -102.8 (dd, JFF = 27.5, 72.9 Hz, 1F). 1H NMR (400 MHz, CDCl3, rt, δ/ppm): 7.54 (dd, JHH = 7.2, 8.0 Hz, 2H), 7.66 (dd, JHH = 7.2, 8.0 Hz, 2H), 8.01 (d, JHH = 8.4 Hz, 2H), 8.32 (d, JHH = 8.8 Hz, 2H), 8.53 (s, 1H). 13C{1H} NMR (100.6 MHz, CDCl3, rt, δ/ppm): 118.9 (dd, JCF = 3.7, 18.6 Hz), 124.2 (ddd, JCF = 20.3, 54.5, 235.0 Hz, -CF=CF2), 124.7 (s), 125.6 (s), 127.5 (s), 128.9 (s), 131.2 - 131.3 (m), 154.5 (ddd, JCF = 51.3, 276.2, 292.2 Hz, -CF=CF2). HRMS (EI) Calcd for C16H9F3 258.0656, Found m/z 258.0659.
合成例2c: 9-(1,2,2-トリフルオロビニル)フェナントレン(単量体6)
Figure 2015046569

出発物質:9-ブロモフェナントレン
反応温度:150℃(バス温)
反応時間:30分
単離収率:60%
性状:黄色液体
19F NMR (372 MHz, in CDCl3, rt, δ/ppm): -163.2 (dd, JFF = 28.3, 118.2 Hz, 1F), -119.9 (dd, JFF = 73.7, 118.2 Hz, 1F), -104.2 (dd, JFF = 28.3, 73.7 Hz, 1F).
合成例2d: 3-(1,2,2-トリフルオロビニル)キノリン(単量体2)
Figure 2015046569

反応温度:80℃(バス温)
反応時間:16時間
単離収率:50%
出発物質:3-ブロモキノリン
性状:黄色固体
19F NMR (372 MHz, in CDCl3, rt, δ/ppm): -181.1 (dd, JFF = 32.8, 109.6 Hz, 1F), -115.5 (dd, JFF = 67.1, 109.6 Hz, 1F), -99.2 (dd, JFF = 32.8, 67.1 Hz, 1F). 1H NMR (400 MHz, CDCl3, rt, δ/ppm): 7.53 (t, 7.3 Hz, 1H), 7.70 (t, 6.9 Hz, 1H), 7.76 (t, 7.3 Hz, 1H), 8.07 (d, 8.4 Hz, 1H), 8.11 (s, 1H), 8.94 (s, 1H). 13C{1H} NMR (100.6 MHz, CDCl3, rt, δ/ppm): 120.8 (dd, JCF = 7.5, 22.0 Hz), 127.4 (ddd, JCF = 20.9, 47.4, 227.6 Hz, -CF=CF2), 127.0 (s), 127.6 (s), 128.1 (s), 129.5 (s), 130.5 (s), 131.4 (q, JCF = 5.7 Hz), 145.8 (m), 147.6 (s), 154.1 (ddd, JCF = 48.9, 284.1, 293.4 Hz, -CF=CF2). HRMS (EI) Calcd for C11H6F3N1 209.0452, Found m/z 209.0454.
合成例2e: 2-ブロモ-6-トリフルオロビニルナフタレン(単量体5)
Figure 2015046569

出発物質:2,6-ジブロモナフタレン
反応温度:80℃(バス温)
反応時間:30分
単離収率:65%
性状:黄色固体
19F NMR (372 MHz, in CDCl3, rt, δ/ppm): -178.9 (dd, JFF = 32.5, 108.9 Hz, 1F), -115.9 (dd, JFF = 68.5, 108.9 Hz, 1F), -100.6 (dd, JFF = 32.5, 68.5 Hz, 1F). 1H NMR (400 MHz, CDCl3, rt, δ/ppm): 7.52-7.57 (m, 2H), 7.65 (d, 8.8 Hz, 1H), 7.70 (d, 8.8 Hz, 1H), 7.84 (s, 1H) , 7.94 (s, 1H). 13C{1H} NMR (100.6 MHz, CDCl3, rt, δ/ppm): 121.2 (s), 122.5 (s), 123.8 (q, 6.2 Hz), 125.1 (dd, JCF = 6.8, 22.0 Hz), 127.7 (d, 2.1 Hz), 128.5 (ddd, JCF = 19.9, 44.7, 226.4 Hz, -CF=CF2), 129.8 (s), 129.9 (s), 130.3 (s), 131.3 (s), 134.0 (s), 154.2 (ddd, JCF = 49.9, 283.5, 291.4 Hz, -CF=CF2). HRMS (EI) Calcd for C12H6Br1F3 287.0752, Found m/z 285.9608.
合成方法Aとはトリフルオロビニル亜鉛クロリドの量を変えて、次の合成例2fの化合物を合成した。
合成例2f: 2,6-ビストリフルオロビニルナフタレン(単量体4)
Figure 2015046569

2,6-ジブロモナフタレン(2 mmol)とPd(PPh3)4 (1 mol%)の混合物に、トリフルオロビニル亜鉛クロリドのDMI溶液(2.4eq)を添加し、バス温80℃で2時間反応させた。その後、反応溶液を室温まで冷やし、水を加えてペンタンで有機物を抽出した。有機層は硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下、濃縮後、HPLCにより精製を行い、白色固体として、目的の2,6-ビストリフルオロビニルナフタレン(239.2 g, 0.83 mmol, 42%)を得た。
19F NMR (372 MHz, in CDCl3, rt, δ/ppm): -178.9 (dd, JFF = 32.3, 108.5 Hz, 1F), -115.6 (dd, JFF = 68.2, 108.5 Hz, 1F), -100.4 (dd, JFF = 32.3, 68.2 Hz, 1F). 1H NMR (400 MHz, CDCl3, rt, δ/ppm): 7.58 (d, 8.6 Hz, 2H), 7.85 (d, 8.8 Hz, 2H), 7.90 (s, 2H). 13C{1H} NMR (100.6 MHz, CDCl3, rt, δ/ppm): 122.5 (t, 6.1 Hz), 123.7 (q, 6.3 Hz), 125.8 (dd, 7.2, 22.3 Hz), 128.9 (ddd, JCF = 20.1, 44.6, 226.3 Hz, -CF=CF2), 129.1 (s), 132.6 (s), 154.3 (ddd, JCF = 49.6, 284.2, 292.1 Hz, -CF=CF2). HRMS (EI) Calcd for C14H6F6 288.1879, Found m/z 288.0375.
比較例
内容量20mlの耐圧ガラス反応器に攪拌子を入れたものに、重合溶媒としてフルオロエーテル(HFE−7300)3.5mlと1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン 3.5mlを入れた。
次いで、反応器及び内容物を5℃まで冷却しながら、パーブチルPV(重合開始剤;t−ブチルパーオキシピバレート)(商品名、日本油脂株式会社) 31.8mgを入れ、吸引すると同時にTFE単量体でパージして反応器内の酸素を除去した。その後、攪拌子を1400rpmで回転させながら、反応器中にTFE単量体を0.48MPaの圧力となるまで加えた。
その後に、反応器及び内容物の温度を60℃まで上げたところ、内圧が0.50MPaまで上昇したが、その後、圧力の低下が起こり、重合の開始が確認された。反応器内の圧力が0.42MPaになるまで重合を続け、その後に反応器内を排気し、内容物を反応器から取り出して冷却した。
取り出した内容物は、メタノール溶液で洗浄を行った後、室温で真空乾燥した。更に、乾燥物をアセトンで洗浄し、室温で真空乾燥した。
得られた生成物は白色の粉末状であり、その収量は107mgであった。
実施例1
内容量20mlの耐圧ガラス反応器に攪拌子を入れたものに、重合溶媒としてフルオロエーテル(HFE−7300)3.5mlと1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン 3.5mlを入れ、単量体1 25.76mgを入れた。次いで、反応器及び内容物を5℃まで冷却しながら、パーブチルPV 32.9mgを入れ、吸引すると同時にTFE単量体で反応器内の気体をパージして反応器内の酸素を除去した。その後、攪拌子を1400rpmで回転させながら、反応器中にTFE単量体を0.65MPaの圧力となるまで加えた。
その後に、反応器及び内容物の温度を60℃まで上げたところ、内圧が0.68MPaまで上昇したが、その後、圧力の低下が起こり、重合の開始が確認された。反応器内の圧力が0.66MPaになるまで重合を続け、その後に反応器内を排気し、内容物を反応器から取り出して冷却した。
取り出した内容物は、メタノール溶液で洗浄を行った後、室温で真空乾燥した。更に、乾燥物をアセトンで洗浄し、室温で真空乾燥した。
得られた生成物(共重合体)は白色の粉末状であり、その収量は187mgであった。
実施例2
内容量20mlの耐圧ガラス反応器に攪拌子を入れたものに、重合溶媒としてフルオロエーテル(HFE−7300)3.5mlと1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン 3.5mlを入れ、単量体2 20.78mgを入れた。
次いで、反応器及び内容物を5℃まで冷却しながら、パーブチルPV 33.7mgを入れ、吸引すると同時にTFE単量体でパージして反応器内の酸素を除去した。その後、攪拌子を1400rpmで回転させながら、反応器中にTFE単量体を0.59MPaの圧力となるまで加えた。
その後に、反応器及び内容物の温度を60℃まで上げたところ、内圧が0.62MPaまで上昇したが、その後、圧力の低下が起こり、重合の開始が確認された。反応器内の圧力が0.52MPaになるまで重合を続け、その後に反応器内を排気し、内容物を反応器から取り出して冷却した。
取り出した内容物は、メタノール溶液で洗浄を行った後、室温で真空乾燥した。更に、乾燥物をアセトンで洗浄し、室温で真空乾燥した。
得られた生成物(共重合体)は赤色の粉末状であり、その収量は190mgであった。
実施例3
内容量20mlの耐圧ガラス反応器に攪拌子を入れたものに、重合溶媒としてフルオロエーテル(HFE−7300)3.5mlと1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン 3.5mlを入れ、単量体3 28.73mgを入れた。
次いで、反応器及び内容物を5℃まで冷却しながら、パーブチルPV 32.7mgを入れ、吸引すると同時にTFE単量体でパージして反応器内の酸素を除去した。その後、攪拌子を1400rpmで回転させながら、反応器中にTFE単量体を0.70MPaの圧力となるまで加えた。
その後に、反応器及び内容物の温度を60℃まで上げたところ、内圧が0.72MPaまで上昇したが、その後、圧力の低下が起こり、重合の開始が確認された。反応器内の圧力が0.65MPaになるまで重合を続け、その後に反応器内を排気し、内容物を反応器から取り出して冷却した。
取り出した内容物は、メタノール溶液で洗浄を行った後、室温で真空乾燥した。更に、乾燥物をアセトンで洗浄し、室温で真空乾燥した。
得られた生成物(共重合体)は淡黄色の粉末状であり、その収量は149mgであった。
実施例4
内容量20mlの耐圧ガラス反応器に攪拌子を入れたものに、重合溶媒としてフルオロエーテル(HFE−7300)3.5mlと1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン 3.5mlを入れ、単量体4 29.55mgを入れた。
次いで、反応器及び内容物を5℃まで冷却しながら、パーブチルPV 31.4mgを入れ、吸引すると同時にTFE単量体でパージして反応器内の酸素を除去した。その後、攪拌子を1400rpmで回転させながら、反応器中にTFE単量体を0.52MPaの圧力となるまで加えた。
その後に、反応器及び内容物の温度を60℃まで上げたところ、内圧が0.55MPaまで上昇したが、その後、圧力の低下が起こり、重合の開始が確認された。反応器内の圧力が0.52MPaになるまで重合を続け、その後に反応器内を排気し、内容物を反応器から取り出して冷却した。
取り出した内容物は、メタノール溶液で洗浄を行った後、室温で真空乾燥した。更に、乾燥物をアセトンで洗浄し、室温で真空乾燥した。
得られた生成物(共重合体)は淡黄色の粉末状であり、その収量は68mgであった。
実施例5
内容量20mlの耐圧ガラス反応器に攪拌子を入れたものに、重合溶媒としてフルオロエーテル(HFE−7300)3.5mlと1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン 3.5mlを入れ、単量体5 28.72mgを入れた。
次いで、反応器及び内容物を5℃まで冷却しながらパーブチルPV 33.2 mgを入れ、吸引すると同時にTFE単量体でパージして反応器内の酸素を除去した。その後、攪拌子を1400rpmで回転させながら、反応器中にTFE単量体を0.58MPaの圧力となるまで加えた。
その後に、反応器及び内容物の温度を60℃まで上げたところ、内圧が0.60MPaまで上昇したが、その後、圧力の低下が起こり、重合の開始が確認された。反応器内の圧力が0.49MPaになるまで重合を続け、その後に反応器内を排気し、内容物を反応器から取り出して冷却した。
取り出した内容物は、メタノール溶液で洗浄を行った後、室温で真空乾燥した。更に、乾燥物をアセトンで洗浄し、室温で真空乾燥した。
得られた生成物(共重合体)は白色の粉末状であり、その収量は152mgであった。
分析
実施例1〜5で得られた各共重合体について、TG/DTA測定により、融点測定を行った。融点は、融解熱曲線における極大値に対応する温度として求めた。
測定装置:TG/DTA6200(株式会社日立ハイテクサイエンス)
測定条件:サンプル量 10mg
測定温度範囲 室温〜600℃
昇温速度 10℃/min
Air雰囲気下
[測定結果(融点)]
実施例1:283.2℃
実施例2:276.2℃
実施例3:249.1℃
実施例5:243.5℃
試験例
前記で得られた比較例及び実施例1〜5の共重合体の分散液の安定性を評価した。
2mlのガラス製容器に、AK−225 1gを計量した。これに、比較例又は実施例1〜5の共重合体のいずれかを0.05g添加し、室温下で充分に攪拌し、白色の懸濁液(実施例1、3、4、及び5)、又は赤色の均一な溶液(実施例2)を得た。
評価結果を表1に示す。
(安定性評価)
室温にて1日間静置したときに、液に対する透明な上澄みの高さの割合が10%以下の場合を○(優)、10%を超え、20%以下の場合を△(良)、20%を超えた場合を×(不良)と評価した。
Figure 2015046569

Claims (12)

  1. 式(A):
    Figure 2015046569
    [式中、環Aは、
    (1)1個以上の置換基を有していてもよい多環式アリール基又は
    (2)1個以上の置換基を有していてもよい複素環基を表す。]
    で表される
    1種以上の含フッ素化合物(A)に由来する単量体単位(a)、及び
    テトラフルオロエチレン、及びクロロトリフルオロエチレンからなる群より選択される1種以上の含フッ素エチレン系単量体(B)に由来する単量体単位(b)
    を含む共重合体。
  2. 環Aが、1個以上の置換基を有していてもよい2環式又は3環式アリール基である請求項1に記載の共重合体。
  3. 前記含フッ素化合物(A)が2個以上のトリフルオロビニル基を有する請求項1又は2に記載の共重合体。
  4. 環Aが、1個以上の置換基を有していてもよい、酸素原子、窒素原子、及び硫黄原子からなる群より選択される1個以上のヘテロ原子を環構成原子として有する請求項1記載の共重合体。
  5. 環Aが、1個以上の置換基を有していてもよい、1個の窒素原子を環構成原子として有する請求項1記載の共重合体。
  6. 前記含フッ素エチレン系単量体(B)が、テトラフルオロエチレンである請求項1〜5のいずれか1項に記載の共重合体。
  7. 更に、へキサフルオロプロピレン、へキサフルオロイソブテン、CF=CF−ORf(式中、Rfは、炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基を表す。)で表されるパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)、CF=CF−OCH−Rf(式中、Rfは、炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基)で表されるアルキルパーフルオロビニルエーテル誘導体、トリフルオロエチレン、1,1,2−トリフルオロプロピレン、フッ化ビニル、及びフッ化ビニリデンからなる群より選択される1種以上の含フッ素エチレン系単量体(C)に由来する単量体単位(c)を含む請求項1〜6のいずれか1項に記載の共重合体。
  8. 全単量体単位100モル%に対する単量体単位(a)の含有量が、0.01〜99モル%の範囲内である請求項1〜7のいずれか1項に記載の共重合体。
  9. 全単量体単位100モル%に対する単量体単位(a)の含有量が、0.01〜10モル%の範囲内である請求項1〜7のいずれか1項に記載の共重合体。
  10. 式(A1):
    Figure 2015046569
    [式中、
    環Aは、2環式、3環式、又は4環式アリール基
    を表す。]
    で表される化合物。
  11. 式(A2):
    Figure 2015046569
    [式中、
    環Aは、2環式、3環式、又は4環式アリール基を表し、及び
    はハロゲン原子を表す。]
    で表される化合物。
  12. 式(A3):
    Figure 2015046569
    [式中、環Aは、1個以上の置換基を有していてもよい含窒素複素環基を表す。]
    で表される化合物。
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