JPWO2015033525A1 - 集電体用アルミニウム箔及び二次電池及び評価方法 - Google Patents

集電体用アルミニウム箔及び二次電池及び評価方法 Download PDF

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Abstract

電極プロセスの生産性向上手段を採用するに当たっては、電極シートの機械的強度が問題となる。本発明の集電体用アルミニウム箔は、反射配置により測定されたXRDスペクトルに現れる(022)回折ピークの強度IB(022)と(111)回折ピークの強度IB(111)によって表されるIB(022)/IB(111)の値が200以下である。

Description

本発明は集電体用アルミニウム箔及び二次電池及び評価方法に関し、特に破断しづらい集電体用アルミニウム箔及び二次電池及び評価方法に関する。
一般に二次電池には集電体として金属箔が用いられている。集電体に求められる性質には、電気抵抗が低いこと、電解液等に対する耐薬品性、電極材料との電気的接触が良好なこと等がある。このことに加え、近年は電極生産性の向上を図るために、電極作製プロセスの高速化がすすめられているが、これを実現するためには、上記の性質に加えて集電体箔の機械的強度の一層の向上も求められている。
電極プロセスの生産性向上の手段には、例えば以下に示す高速塗工や、いわゆる熱プレスがある。
高速塗工とは、金属箔集電体に電極スラリ(電極活物質、導電助剤、バインダ、増粘剤などで構成される)を塗布する工程において、電極シートの巻出し・巻き取りの速度を向上させるというものである。
熱プレスとは、集電体に電極スラリを塗布した後、電極シートをプレスするという工程を加温しながら行うことで、プレス圧を小さくしても電極密度等の調整や、活物質と集電体との電気的接触の確保ができるというものである。
この問題に対し特許文献1では、アルミニウム箔に不純物原子を導入しいわゆる固溶硬化によりアルミニウム箔の強度を高める技術が示されている。
特開2011−89196号公報 特開2009−245788号公報
しかし、これらの生産性向上手段を採用するに当たっては先述の通り電極シートの機械的強度が問題となる。例えば、高速塗工は巻き取り時に一般的な塗工方法より多くの引っ張り力がシートの長手方向に印加される。また、電極シートをプレスする工程では、電極厚さ方向に圧縮力が加えられるが、熱プレスでは、たとえば特許文献2に開示されているように複数対のロールを用いるので、電極厚さ方向への圧縮力のほかに、ロール間で電極シートに引っ張り力が加えられる。このため、熱プレスにおいては電極厚さ方向の加重に対する強度のほかに電極シート面圧延方向への引っ張りに対する強度も問題となる。実際、熱プレスにより電極シートが破断するという現象が一部の集電体用アルミニウム箔においてみられている。
本発明の目的は、上述の課題を解決する、集電体用アルミニウム箔及び二次電池及び評価方法を提供することにある。
本発明の第一の集電体用アルミニウム箔は、反射配置により測定されたXRDスペクトルに現れる(022)回折ピークの強度I(022)と(111)回折ピークの強度I(111)によって表されるI(022)/I(011)の値が200以下である。
本発明の第二の集電体用アルミニウム箔は、反射配置により測定されたXRDスペクトルに現れる(022)回折ピークの強度I(022)と(002)回折ピークの強度I(002)によって表されるI(022)/I(002)の値が10以下である。
本発明の第三の集電体用アルミニウム箔は、透過配置かつ2θ軸と圧延方向が90°をなすように測定されたXRDスペクトルに現れる(111)回折ピークの強度ILR(111)と、(002)回折ピークの強度ILR(002)によって表されるILR(111)/ILR(002)の値が35以上である。
本発明の第四の集電体用アルミニウム箔は、透過配置かつ2θ軸と圧延方向が90°をなすように測定されたXRDスペクトルに現れる(111)回折ピークの強度ILR(111)と、(022)回折ピークの強度ILR(022)によって表されるILR(111)/ILR(022)の値が760以上である。
本発明の第五の集電体用アルミニウム箔は、反射配置により測定されたXRDスペクトルに現れる入射X線のCuKα1線とCuKα2線にそれぞれ由来する圧延面法線方向の2つの(022)回折ピークのうち、前記CuKα1線に由来する(022)回折ピークの強度で表されるIと、前記2つの(022)回折ピークの重なった部分の谷の強度Iで表されるI/Iの値が0.22以上である。
本発明の第六の集電体用アルミニウム箔は、反射配置かつ2θ軸と圧延方向が90°をなすように測定された(022)X線ロッキングカーブが、入射X線の入射角が30°から35°の間に極小値を持ち、かつ、前記入射角が15°から20°の間、および47°から52°の間に第一の極大値および第二の極大値を持つ。
本発明の第七の集電体用アルミニウム箔は、反射配置かつ2θ軸と圧延方向が90°をなすように測定された(022)X線ロッキングカーブにおける(122)または(123)配向に対応するピーク強度が、(011)配向に対応する入射角での強度に対して2倍以上である。
本発明の集電体用アルミニウム箔の評価方法は、冷間圧延後の集電体用のアルミニウム箔に対しXRD測定を行い、
圧延方向の(111)回折ピークの強度ILR(111)と圧延方向の(002)回折ピークの強度ILR(002)によって表されるILR(111)/ILR(002)の値、
圧延方向の(111)回折ピークの強度ILR(111)と圧延方向の(022)回折ピークの強度ILR(022)によって表されるILR(111)/ILR(022)の値、
圧延面法線方向の(022)回折ピークの強度I(022)と(111)回折ピークの強度I(111)によって表されるI(022)/I(111)の値、
圧延面法線方向の(022)回折ピークの強度I(022)と圧延面法線方向の(002)回折ピークの強度I(002)によって表されるI(022)/I(002)の値、
入射X線のCuKα1線とCuKα2線にそれぞれ由来する圧延面法線方向の2つの(022)回折ピークのうち、前記CuKα1線に由来する(022)回折ピークの強度で表されるIと、前記2つの(022)回折ピークの重なった部分の谷の強度Iで表されるI/Iの値、
反射配置、かつ2θ軸と圧延方向が90°をなすように測定された(022)X線ロッキングカーブにおける(122)または(123)配向に対応するピーク強度と、(011)配向に対応する入射角での強度との比、
の6つのうち、少なくともいずれか一つの値によって、前記アルミニウム箔の強度を評価する。
本発明によれば、機械的強度の高いアルミニウム箔を提供することができる。
本発明の実施の形態におけるアルミニウム箔A1の反射配置により測定したXRDスペクトルを示す図であり、図1(a)は低角度側のXRDスペクトルを示す図であり、図1(b)は高角度側のXRDスペクトルを示す図である。 本発明の実施の形態におけるアルミニウム箔B1の反射配置により測定したXRDスペクトルを示す図であり、図2(a)は低角度側のXRDスペクトルを示す図であり、図2(b)は高角度側のXRDスペクトルを示す図である。 図3は、本発明の実施の形態における圧延面法線方向の(011)配向性を表す指標I(022)/I(111)の測定試料間の比較を示す図である。 図4は、本発明の実施の形態における圧延面法線方向の(011)配向性を表す指標I(022)/I(002)の測定試料間の比較を示す図である。 図5は、本発明の実施の形態における反射配置、かつ2θ軸と圧延方向が90°をなすようにして測定したアルミニウム箔A1とアルミニウム箔B1の(022)ロッキング曲線を示す図である。 図6は、本発明の実施の形態における反射配置、かつ2θ軸と圧延方向が90°をなすようにして測定したアルミニウム箔A1〜A4の(022)ロッキング曲線を示す図である。 図7は、本発明の実施の形態における反射配置、かつ2θ軸と圧延方向が90°をなすようにして測定したアルミニウム箔B1〜B4の(022)ロッキング曲線を示す図である。 本発明の実施の形態における透過配置、かつ2θ軸と圧延方向が90°をなすようにして測定したアルミニウム箔A1のXRDスペクトルを示す図であり、図8(a)は低角度側のXRDスペクトルを示す図であり、図8(b)は高角度側のXRDスペクトルを示す図である。 本発明の実施の形態における透過配置、かつ2θ軸と圧延方向が90°をなすようにして測定したアルミニウム箔B1のXRDスペクトルを示す図であり、図9(a)は低角度側のXRDスペクトルを示す図であり、図9(b)は高角度側のXRDスペクトルを示す図である。 図10は、本発明の実施の形態における圧延方向の(111)配向性を表す指標ILR(111)/ILR(002)の測定試料間の比較を示す図である。 図11は、本発明の実施の形態における圧延方向の(111)配向性を表す指標ILR(111)/ILR(022)の測定試料間の比較を示す図である。 図12は、分解せん断応力の説明図である。 図13は、面心立方格子のすべり系のシュミット因子の計算値の比較を示す図である。 本発明の実施の形態におけるアルミニウム箔B1からの反射配置によるXRDスペクトルの比較を示す図であり、図14(a)は熱処理前のアルミニウム箔B1のXRDスペクトルを示す図であり、図14(b)は150℃で熱処理したアルミニウム箔B1のXRDスペクトルを示す図であり、図14(c)は200℃で熱処理したアルミニウム箔B1のXRDスペクトルを示す図であり、図14(d)は270℃で熱処理したアルミニウム箔B1のXRDスペクトルを示す図である。 図15は、本発明の実施の形態における熱処理前と各温度で熱処理したアルミニウム箔B1の高分解能XRDスペクトルの(022)回折ピークを示す図である。 図16は、本発明の実施の形態におけるアルミニウム箔B1の硬さ指標の熱処理温度依存性を示す図である。 図17は、硬さ指標の説明のための模式図である。 図18は、本発明の実施の形態におけるアルミニウム箔A1とアルミニウム箔B1の硬さ指標の熱処理温度依存性を示す図である。
本発明の集電体用アルミニウム箔は、下記の特性(1)〜(7)のいずれか1つ以上、好ましくは特性(1)〜(7)の全てを有する。
(1)反射配置により測定されたXRD(X線回折:X-ray diffraction)スペクトルに現れる(022)回折ピークの強度I(022)と(111)回折ピークの強度I(111)によって表されるI(022)/I(011)の値が200以下である。
(2)反射配置により測定されたXRDスペクトルに現れる(022)回折ピークの強度I(022)と(002)回折ピークの強度I(002)によって表されるI(022)/I(002)の値が12以下である。
(3)透過配置かつ2θ軸と圧延方向が90°をなすように測定されたXRDスペクトルに現れる(111)回折ピークの強度ILR(111)と、(002)回折ピークの強度ILR(002)によって表されるILR(111)/ILR(002)の値が35以上である。
(4)透過配置かつ2θ軸と圧延方向が90°をなすように測定されたXRDスペクトルに現れる(111)回折ピークの強度ILR(111)と、(022)回折ピークの強度ILR(022)によって表されるILR(111)/ILR(022)の値が760以上である。
(5)反射配置により測定されたXRDスペクトルに現れる入射X線のCuKα1線とCuKα2線にそれぞれ由来する圧延面法線方向の2つの(022)回折ピークのうち、前記CuKα1線に由来する(022)回折ピークの強度で表されるIと、前記2つの(022)回折ピークの重なった部分の谷の強度Iで表されるI/Iの値が0.22以上である。
(6)反射配置かつ2θ軸と圧延方向が90°をなすように測定された(022)X線ロッキングカーブが、入射X線の入射角が30°から35°の間に極小値を持ち、かつ、前記入射角が15°から20°の間、および47°から52°の間に第一の極大値および第二の極大値を持つ。
(7)反射配置かつ2θ軸と圧延方向が90°をなすように測定された(022)X線ロッキングカーブにおける(122)または(123)配向に対応するピーク強度が、(011)配向に対応する入射角での強度に対して2倍以上である。
アルミニウム箔を集電体として用いるには、その物性を把握して制御する必要がある。アルミニウム箔の結晶方位やその温度依存性について、上記の特性(1)〜(7)のいずれか一つ以上、好ましくは特性(1)〜(7)の全てを有するアルミニウム箔は機械的強度が高いため、破断しづらい。なおXRD測定については、実施例において詳細に説明する。
このような本発明の集電体用アルミニウム箔は、一般的な方法で製造することができる。つまり、アルミニウムの鋳塊を均質化処理し内部の微細構造を制御することができることが知られている。具体的には、均質化処理の条件、すなわち温度や時間、昇温・降温速度等を制御することにより鋳塊内部の結晶粒径、結晶欠陥等を制御できる。
続いて、均質化処理された鋳塊に対して熱間圧延、冷間圧延を施し、所望の厚さ、強度、結晶粒径のアルミニウム箔を得る。冷間圧延後の結晶粒径を精緻に制御するために、冷間圧延を焼鈍と組み合わせて行うこともある。熱間圧延時の温度や熱間・冷間圧延時の圧延率を制御することにより、箔強度を制御することができる。
以上、本発明の集電体用アルミニウム箔を得るための製造過程には数多くの選択肢がある。よって、本発明では、上記の特性(1)〜(7)のいずれか1つ以上、好ましくは特性(1)〜(7)のすべてを有することが重要である。
次に、本発明の二次電池について説明する。本発明の二次電池は、本発明の集電体用アルミニウム箔を有し、上記の特性(1)〜(7)のいずれか1つ以上、好ましくは特性(1)〜(7)のすべてを有するアルミニウム箔を電極集電体として用いたことを特徴とするものである。
本発明の二次電池は、例えば、正極活物質を含有する層が正極集電体(本発明の集電体用アルミニウム箔)上に形成されて成る正極と、負極活物質を含有する層が負極集電体上に形成されて成る負極を備える。本発明の二次電池のこれらの正極と負極は、電解液を含む多孔質セパレータを介して対向配置される。多孔質セパレータは、負極活物質を含有する層に対して略平行に配置される。
本発明の二次電池の形状としては、特に制限はないが、例えば、円筒型、角型、コイン型、ラミネートパックなどが挙げられる。
本発明の二次電池の正極としては、例えばリチウムイオン二次電池の場合、リチウムを吸蔵、放出可能な種々の材料、例えばLiMO(ただしMは、少なくとも1つの遷移金属を表す。)等の複合酸化物を用いることができる。この複合酸化物として具体的にはLiCoO、LiNiO、LiMn、LiMnO、LiNiCo1−y等と、カーボンブラック等の導電性物質、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等の結着剤を、溶剤と分散混練する。溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等が考えられる。こうして分散混練させたものを、例えば本発明の正極集電体であるアルミニウム箔上に塗布したものを、本発明の二次電池の正極として用いることができる。
本発明の二次電池の負極としては、例えばリチウムイオン二次電池の場合、負極材料として黒鉛と、カーボンブラック等の導電性物質、PVdF等の結着剤をNMP等の溶剤と分散混練したものを、金属箔等の基体上に塗布したものを用いることができる。ここで、金属箔等の基体は負極集電体である。
本発明の二次電池は、乾燥空気または不活性ガス雰囲気において、負極および正極を、セパレータを介して積層、あるいは積層したものを捲回した後に、電池缶に収容して、製造することができる。又は、本発明の二次電池は、乾燥空気または不活性ガス雰囲気において、負極および正極を、セパレータを介して積層、あるいは積層したものを捲回した後に、合成樹脂と金属箔との積層体からなる可とう性フィルム等によって封口して、製造することができる。
なお、セパレータとしては、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン、フッ素樹脂等の多孔性フィルムを好適に用いることができる。
本発明における電解液としては、例えば、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)等の環状カーボネート類、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジプロピルカーボネート(DPC)等の鎖状カーボネート類、ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸エチル等の脂肪族カルボン酸エステル類、γ−ブチロラクトン等のγ−ラクトン類、1,2−エトキシエタン(DEE)、エトキシメトキシエタン(EME)等の鎖状エーテル類、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等の環状エーテル類、ジメチルスルホキシド、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリル、プロピルニトリル、ニトロメタン、エチルモノグライム、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、メチルスルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、エチルエーテル、1,3−プロパンサルトン、アニソール、N−メチルピロリドン、フッ素化カルボン酸エステルなどの非プロトン性有機溶媒を一種または二種以上を混合して使用し、これらの有機溶媒にリチウム塩を溶解させたものを用いることができる。リチウム塩としては、例えば、LiPF、LiAsF、LiAlCl、LiClO、LiBF、LiSbF、LiCFSO、LiCCO、LiC(CFSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiB10Cl10、低級脂肪族カルボン酸リチウム、クロロボランリチウム、四フェニルホウ酸リチウム、LiBr、LiI、LiSCN、LiCl、イミド類などが挙げられる。また、電解液に代えてポリマー電解質を用いてもよい。
なお、本発明の二次電池は、集電体が本発明の集電体用アルミニウム箔であること以外は既知の構造、材料を用いることができ、また、既知の方法を用いて製造することができる。
次に、本発明の集電体用アルミニウム箔の評価方法について説明する。本発明の集電体用アルミニウム箔の評価方法は、冷間圧延後の集電体用のアルミニウム箔に対しXRD測定を行い、次の(1)〜(6)の6つのうち、少なくともいずれか一つの値によって、前記アルミニウム箔の強度を評価することができる。
(1)圧延方向の(111)回折ピークの強度ILR(111)と圧延方向の(002)回折ピークの強度ILR(002)によって表されるILR(111)/ILR(002)の値
(2)圧延方向の(111)回折ピークの強度ILR(111)と圧延方向の(022)回折ピークの強度ILR(022)によって表されるILR(111)/ILR(022)の値
(3)圧延面法線方向の(022)回折ピークの強度I(022)と(111)回折ピークの強度I(111)によって表されるI(022)/I(011)の値
(4)圧延面法線方向の(022)回折ピークの強度I(022)と圧延面法線方向の(002)回折ピークの強度I(002)によって表されるI(022)/I(002)の値
(5)I/Iの値
(6)反射配置、かつ2θ軸と圧延方向が90°をなすように測定された(022)X線ロッキングカーブにおける(122)または(123)配向に対応するピーク強度と、(011)配向に対応する入射角での強度との比
[実施例]
[アルミニウム箔A1〜A4、B1〜B4のXRD測定]
上述のように一般的な方法で製造された集電体用アルミニウム箔の圧延面法線方向の結晶配向性を評価するために、反射配置でのXRD測定を行った。
測定試料はそれぞれ製法の異なる8種類のアルミニウム箔(厚さはいずれも15μm)である。なお、この8種類のうちの4種、アルミニウム箔A1からアルミニウム箔A4は、到達温度270℃の熱プレスを施しても破断は生じない。しかし、残りの4種のアルミニウム箔B1からアルミニウム箔B4は、到達温度270℃の熱プレスを施すと破断することが分かっている。
測定に用いたX線はCuKα線であり、波長は0.1542nmであった。
例として、アルミニウム箔A1の測定結果を図1(a)および図1(b)に示す。図1(a)は、アルミニウム箔A1の反射配置により測定した、低角度側のXRDスペクトルを示す図である。図1(b)は、アルミニウム箔A1の反射配置により測定した、高角度側のXRDスペクトルを示す図である。図1(a)では、その図中に(111)回折ピーク1付近を部分的に拡大したXRDスペクトルを重ねて示す。(111)回折ピーク1、(002)回折ピーク2、(022)回折ピーク3、(113)回折ピーク4、(222)回折ピーク5は、それぞれ面心立方格子のアルミニウムの(111)、(002)、(022)、(113)、(222)面に帰属される。
図1(a)に示すように、(022)回折ピーク3が他の回折ピーク((002)回折ピーク2や(113)回折ピーク4など)に比べて大きい。これはアルミニウム箔A1が圧延面法線方向で(011)配向していることを示している。
ここで、I(022)、I(002)、I(111)をそれぞれ反射配置での(022)回折ピーク3、(002)回折ピーク2、(111)回折ピーク1の強度を表すとする。I(022)/I(111)とI(022)/I(002)を(011)配向の程度を表す指標(以降配向性指標と呼ぶ)として採用する。アルミニウム箔A1の場合は、I(022)/I(111)=33.0、I(022)/I(002)=3.91となった。
次に、アルミニウム箔B1の測定結果を図2(a)および図2(b)に示す。図2(a)は、アルミニウム箔B1の反射配置により測定した、低角度側のXRDスペクトルを示す図である。図2(b)は、アルミニウム箔B1の反射配置により測定した、高角度側のXRDスペクトルを示す図である。図2(a)では、その図中に(111)回折ピーク1付近を部分的に拡大したXRDスペクトルを重ねて示す。図2(a)および図2(b)中の各ピークの帰属はアルミニウム箔A1と同様である。
図2(a)に示すように、図1(a)と同様、(022)回折ピーク3が他の回折ピーク((002)回折ピーク2や(113)回折ピーク4など)に比べて大きい。これはアルミニウム箔B1も圧延面法線方向で(011)配向していることを示している。
ここで、アルミニウム箔A1と同様に配向性指標を求めると、アルミニウム箔B1の場合はI(022)/I(111)=203、I(022)/I(002)=13.8となった。
アルミニウム箔A1と比較すると、I(022)/I(111)、I(022)/I(002)ともにアルミニウム箔B1の方が大きい。このことは、アルミニウム箔B1の方がアルミニウム箔A1よりも圧延面法線方向で(011)配向性が強いことを示している。具体的にはアルミニウム箔B1のほうが圧延面法線方向で(011)配向した結晶粒を多く含むこと、あるいは、アルミニウム箔B1のほうが、(011)配向した結晶粒の粒径が大きいことを示している。結晶粒径が大きいことは、その中に含まれる転位のすべりによる可動範囲が広いことを意味している。一方、転位のすべりは金属箔の破断の原因の一つである。よって、アルミニウム箔B1が到達温度270℃の熱プレスで破断するのは、結晶粒径が大きいことが原因の一つであると推測される。
高角度側スペクトル(図1(b)と図2(b))を見ると、(133)回折ピーク6、(024)回折ピーク7、(224)回折ピーク8が観測された。(224)回折ピーク8が大きいが、測定試料間のピーク強度の差異は小さかった。
図3と図4は反射配置で測定した配向性指標の測定試料間の比較を示す図である。図3はI(022)/I(111)、図4はI(022)/I(002)である。上述のアルミニウム箔A1、アルミニウム箔B1に加え、アルミニウム箔A2〜A4、およびアルミニウム箔B2〜B4の測定結果も示した。図3に示すように、到達温度270℃の熱プレスで破断するアルミニウム箔B1からB4のI(022)/I(111)の最小値は203であり、破断しないアルミニウム箔A1からA4のI(022)/I(111)の最大値は142である。破断する/しないの閾値はこれらの値の間にある。そのため、本実施形態では閾値を200とした。140以下と設定すれば、より好ましい。
同様に、図4に示すように、I(022)/I(002)に対する閾値を求めると4.89から12.1の間となる。そのため、本実施形態では閾値を12.0以下とした。10.0以下または5.00以下と設定すればより好ましい。
上記の測定結果から、アルミニウム箔A1、B1ともに(001)、(111)、(112)、(133)、(012)、(011)配向性を持った結晶粒を持つこと、また、アルミニウム箔B1の方が(011)配向性が高いことがわかった。
次に、圧延面法線方向の上記以外の配向性を調べるために、ロッキングカーブ測定を行った。試料のアルミニウム箔は2θ軸と圧延方向とが90°をなすよう配置した。ここで2θ軸とは、X線の検出器や入射X線の入射角の走査軸である。そして試料のアルミニウム箔への入射X線の入射角ωを掃引し、反射配置でロッキングカーブを測定した。
図5はアルミニウム箔A1およびB1の(022)ロッキングカーブを示す図である。アルミニウム箔A1のロッキングカーブ19は、ω=32.58°(θとする)付近に極小値を持ち、ω=θに対して線対称な形状をしている。特に、ω=15.50°および50.50°付近にそれぞれ極大値が存在する。これらの極大値はアルミニウム箔A1に(122)または(123)配向した結晶粒が存在することを示している。
これに対し、アルミニウム箔B1のロッキングカーブ20はアルミニウム箔A1とは異なり、ω=θに極大値を持ち、ω=θ付近以外には目立った極大値を持たない。このロッキングカーブの形状は、アルミニウム箔B1には(122)または(123)配向した結晶粒がアルミニウム箔A1に対して少ないことを示している。この結果から、アルミニウム箔A1の(011)配向性が低いことの原因の一つが、(122)、(123)配向性がアルミニウム箔B1よりも高いことであると推測される。
図6はアルミニウム箔A1からA4を図5と同様の条件で測定した(022)ロッキングカーブである。図6には、アルミニウム箔A1のロッキングカーブ19、アルミニウム箔A2のロッキングカーブ21、アルミニウム箔A3のロッキングカーブ22、アルミニウム箔A4のロッキングカーブ23を示す。
いずれのロッキングカーブもω=θ付近(ω=32.50°〜33.50°の範囲)に極小値を持ち、ω=16.00°〜19.00°および47.50°〜50.50°にそれぞれ極大値を持つ。つまり、(022)ロッキングカーブが図6のような形状をとることは、破断しにくいA1〜A4に共通の特徴である。言い換えると、破断しにくいアルミニウム箔A1からA4はいずれも(122)または(123)配向性が高い。
図7はアルミニウム箔B1〜B4を図5や図6と同じ条件で測定した(022)ロッキングカーブである。図7には、アルミニウム箔B1のロッキングカーブ20、アルミニウム箔B2のロッキングカーブ24、アルミニウム箔B3のロッキングカーブ25、アルミニウム箔B4のロッキングカーブ26を示す。
アルミニウム箔B1〜B4の間で強度の絶対値に違いはあるが、いずれもω=θ付近に極大値を持ち、その極大値を与えるωに対して線対称な形状をしている。このことから、いずれのアルミニウム箔B1〜B4も(011)配向性が高いことがわかる。
以上より、熱処理による破断を防ぐには図6のような形状の(022)ロッキングカーブを持つアルミニウム箔を用いることが有効であると考えられる。
すなわち、図6の、2θ軸と圧延方向が90°をなすような反射配置により測定された(022)X線ロッキングカーブから、次のことが理解される。すなわち、入射X線の入射角が30°から35°の間に極小値を持ち、かつ、入射角が15°から20°の間、および47°から52°の間に第一の極大値および第二の極大値を持つ、アルミニウム箔を用いることが好ましい。
また、入射角が16.0°から19.0°の間に第一の極大値を持ち、かつ入射角が47.5°から50.5°の間に第二の極大値を持つアルミニウム箔を用いることがより好ましい。また入射角が32.5°から33.5°の間に極小値を持つアルミニウム箔を用いることがより好ましい。
また、図6からアルミニウム箔A1からA4のロッキングカーブ19、21、22、23の(122)または(123)配向に対応する極大値は、同じ曲線の極小値に対して約2.3〜2.8倍の値であった。そのため、本実施形態では以下のように閾値を設定した。つまり、(122)または(123)配向に対応するピーク強度が、(011)配向に対応する入射角での強度に対して2倍以上である集電体用アルミニウム箔を用いることが好ましい。
次に、圧延方向の結晶配向性を評価するため、透過配置でのXRD測定を行った。
図8(a)および図8(b)は、アルミニウム箔A1に対して、透過配置かつ2θ軸と圧延方向が90°をなすようにして測定したXRDスペクトルである。図8(a)は低角度側のXRDスペクトルを示す図であり、図8(b)は高角度側のXRDスペクトルを示す図である。図8(a)では、その図中に(002)回折ピーク2付近および(022)回折ピーク3付近を部分的に拡大したXRDスペクトルを重ねて示す。この配置の測定では圧延方向の配向性が明らかになる。この圧延方向の配向性は、圧延方向への引っ張りに対する集電体アルミニウム箔の強度を示す。反射配置の測定では、(022)回折ピークが主成分であった(図1(a)、図2(a))のに対し、透過配置での測定結果である図8(a)では(111)回折ピーク1や(222)回折ピーク5が優勢である。他の回折ピークは小さい。よって、アルミニウム箔A1は圧延方向へ主として(111)配向している。
アルミニウム箔B1について同様の測定を行った結果を、図9(a)および図9(b)に示す。透過配置、かつ2θ軸と圧延方向が90°をなすようにして測定したアルミニウム箔B1のXRDスペクトルを示す図であり、図9(a)は低角度側のXRDスペクトルを示す図であり、図9(b)は高角度側のXRDスペクトルを示す図である。図8(a)と同様に、図9(a)においても(111)回折ピーク1が優勢であるが、アルミニウム箔A1に比べると他の回折ピークも同程度のオーダーで観測されている。アルミニウム箔B1も圧延方向には(111)配向が強いが、その程度はアルミニウム箔A1に比して小さい。
ここで、(111)回折ピーク1、(002)回折ピーク2、(022)回折ピーク3の強度をそれぞれ、ILR(111)、ILR(002)、ILR(022)で表すとする。ILR(111)/ILR(002)とILR(111)/ILR(022)を、圧延方向への(111)配向の配向性指標として採用する。この結果、アルミニウム箔A1の場合はILR(111)/ILR(002)=191、ILR(111)/ILR(022)=1140となる。同様にアルミニウム箔B1の場合はILR(111)/ILR(002)=6.37、ILR(111)/ILR(022)=759となる。
高角度側のスペクトル(図8(b)、図9(b))をアルミニウム箔A1とアルミニウム箔B1で比較すると、(224)回折ピーク8の強度に差異があり、アルミニウム箔B1の方が大きい。アルミニウム箔B1はアルミニウム箔A1に比べ圧延方向に(112)面を向けた結晶粒を多く含んでいることがわかる。
上記の透過配置の測定から得られた圧延方向の配向性指標を図10、11に示した。適宜アルミニウム箔A1からA4、アルミニウム箔B1からB4の値も加えてある。図10はILR(111)/ILR(002)、図11がILR(111)/ILR(022)である。図10より、到達温度270℃の熱プレスで破断するアルミニウム箔B1からB4のILR(111)/ILR(002)の最大値は32.9であり、破断しないアルミニウム箔A1、A4のILR(111)/ILR(002)の最小値は191である。そのため、本実施形態では35.0以上であれば破断しないとした。190以上とすればより好ましい。
また、図11から、到達温度270℃の熱プレスで破断するアルミニウム箔B1のILR(111)/ILR(022)の値は759であり、破断しないアルミニウム箔A1のILR(111)/ILR(022)の値は1140である。そのため、本実施形態では760以上であれば破断しないとした。1100以上とすればより好ましい。アルミニウム箔Ai(i=1−4)はアルミニウム箔Bi(i=1−4)に比べて圧延方向への(111)配向性が強い。この結果とともに、上述の高角側のXRDスペクトルの特徴を考慮するとアルミニウム箔の圧延方向の配向性を以下のようにまとめることができる。
圧延方向への配向性はアルミニウム箔Ai(i=1−4)では(111)配向が支配的であり、アルミニウム箔Bi(i=1−4)では(111)配向のほかに(001)、(113)、(112)配向した結晶粒が含まれている。
上記の圧延方向の配向性評価の結果をアルミニウム箔の強度と関連づけるために、結晶方位および転位の運動と箔の破断の関係について議論する。一般に結晶中の転位の駆動力はすべり方向に働くせん断応力である。このせん断応力は応力の方向とすべり系が指定されれば計算できる。図12を用いて説明すると、転位のすべり面(hkl)17、転位のすべり方向[uvw]18を含む結晶にx軸にそって垂直応力σxxを加えた場合に、転位の駆動力となるせん断応力(分解せん断応力)σx’y’は次の(数1)により計算される。
(数1)
Figure 2015033525
ここでαはx軸とすべり方向がなす角であり、βはx軸とすべり面法線とがなす角を表す。垂直応力σxxのせん断応力σx’y’への影響の大きさを表す因子mはシュミット因子と呼ばれる。シュミット因子m=cosαcosβである。この値が大きいほど転位は動きやすい。よって、mが大きい結晶方位に垂直応力を受けたとき、結晶は変形しやすく破断しやすいと考えられる。
結晶アルミニウムは面心立方格子をとるので、完全転位のすべり系は{111}<011>である。独立なすべり系は12個ある。図13は、いくつかの代表的な結晶方位に垂直応力を加えたときのシュミット因子を計算し、その絶対値の最大値を比較したものである。[111]方向に垂直応力を加えたときのシュミット因子が最も小さく、他の方位の場合は概ね0.40から0.45の間の値をとる。同じ大きさの垂直応力であれば、転位の運動に対する影響は[111]方向に加えたときが最も小さい。
上記の議論を用いて、アルミニウム箔Ai、Bi(i=1−4)の破断に対する強さを考えると以下のようになる。圧延方向へはアルミニウム箔Aiは(111)配向が強いため、圧延方向の垂直応力に対し転位は運動しにくく、その結果アルミニウム箔Aiは破断しにくい。これに対しアルミニウム箔Biは(111)配向した粒のほかにシュミット因子が比較的大きい(001)、(113)、(112)配向の結晶粒を含んでいる。その分アルミニウム箔Biではアルミニウム箔Aiに比べて圧延方向の垂直応力に対し転位が運動しやすく、破断しやすいと推測される。
以上から、圧延面法線方向の(011)配向性が小さく、圧延方向の(111)配向性が大きいことがアルミニウム箔Ai(i=1−4)を破断しにくくしていると言える。
次に熱処理に対する結晶性の挙動を比較するために、アルミニウム箔A1〜A4、B1〜B4を熱処理した後にXRD測定を行った。
図14(a)〜図14(d)は、本発明の実施の形態におけるアルミニウム箔B1の反射配置によるXRDスペクトルの比較を示す図である。図14(a)は、熱処理前のアルミニウム箔B1のXRDスペクトルを示す図である。図14(b)は、150℃で熱処理したアルミニウム箔B1のXRDスペクトルを示す図である。図14(c)は、200℃で熱処理したアルミニウム箔B1のXRDスペクトルを示す図である。図14(d)は、270℃で熱処理したアルミニウム箔B1のXRDスペクトルを示す図である。熱処理なし(図14(a))、150℃(図14(b))、200℃(図14(c))の3者の間には顕著な違いは見られない。しかし、270℃(図14(d))は他の3者に比べて(022)回折ピーク3の強度が大きい(約1.5倍)ことがわかる。このことは270℃の熱処理によってアルミニウム箔の(011)配向性が高められたことを意味する。
ここで、熱処理による回折ピークの変化が顕著であった(022)回折ピーク3について角度分解能を向上させて測定した結果を図15に示す。
図14(a)〜図14(d)で見られたのと同様に、270℃熱処理後の(022)回折ピーク12の強度が大きい。熱処理前の(022)回折ピーク9、150℃熱処理後の(022)回折ピーク10、200℃熱処理後の(022)回折ピーク11の3者のピークの強度の間には顕著な違いは見られない点においても、図14(a)〜図14(d)と同様である。さらに、熱処理の温度が異なるピーク間でピーク位置が異なっており、(022)面間隔に違いがあることが示唆される。
図16には、いわゆる硬さ指標の比較を示した。硬さ指標が大きいほど対象の結晶が硬く、箔として破断しにくい。以下、この硬さ指標について説明する。一般に回折ピークの幅は、結晶子サイズと結晶中の(結晶欠陥などに起因する)不均一歪の大きさで決まる。結晶子サイズが小さいほど、あるいは不均一歪が大きいほど回折ピーク幅は大きくなる。転位の運動の観点から考えると、結晶子サイズが小さいこと、不均一歪が大きいことは、ともに転位の運動を妨げる方向に働く。転位の運動が妨げられると結晶の変形、およびその結果として生じる箔の破断が抑制される。このことから、回折ピークの幅が箔の硬さを間接的に反映していると考えられる。この回折ピークの幅を簡便に評価することができる指標が硬さ指標である。
図17の模式図に示すように図15の(022)回折ピーク3は高角度分解能で測定したことにより、2本のピーク(CuKα1線に由来するピーク13とCuKα2線に由来するピーク14)に分離している。これは入射X線のCuKα線にわずかにエネルギーの異なる、CuKα1線とCuKα2線が含まれるためである。2本のピークの分離幅はCuKα1線とCuKα2線のエネルギー差のみに依存している。上述のように、2つの回折ピークの幅が結晶の硬さの変化により大きくなると、2本のピークの重なりが大きくなり、Iで示した谷の強度が大きくなる。反対に2つの回折ピークの幅が小さくなると、2本のピークの重なりが小さくなり、Iは小さくなる。よってIの大小により、回折ピークの幅が評価できる。試料間の比較が可能となるように、CuKα1特性線による回折ピークの強度Iで規格化したI、すなわちI/Iが硬さ指標である。
図16を見ると、熱処理なし、150℃熱処理後、200℃熱処理後は、いずれも硬さ指標は0.2程度であるが、熱処理270℃後では6.44×10−2に減少している。270℃熱処理後のアルミ箔は異なる温度で熱処理された他の3つのものに比べ軟らかいことがわかる。この熱処理による軟化は冷間圧延による加工硬化が熱処理に起因する再結晶過程により解除されたことが原因であると推測される。
同様に、270℃熱処理を行っても破断が生じないアルミニウム箔A1に対しても同様のXRD測定を行い、A1と同じ熱処理を行ったアルミニウム箔B1と硬さ指標を比較した。図18に結果を示す。ここで、アルミニウム箔B1の硬さ指標の値16が図16と異なっているのは、熱処理の方法が異なるためである。アルミニウム箔A1の硬さ指標15、アルミニウム箔B1の硬さ指標16ともに熱処理温度が高くなると硬さ指標が小さくなる。しかし、同じ熱処理温度で比較すると、常にアルミニウム箔A1の硬さ指標15がアルミニウム箔B1の硬さ指標16よりも大きく、アルミニウム箔A1の方が”硬い”ことがわかる。熱処理なしでの硬さ指標を比較するとアルミニウム箔A1が0.253、アルミニウム箔B1が0.212であった。
この結晶子サイズおよび結晶内の不均一歪に基づく“硬さ”が、熱プレス耐性を決定する要因の一つである。以上より、熱プレスによる破断を防ぐには硬さ指標が大きいアルミニウム箔を用いることが有効であると考えられる。
以上の結果から、下記の特性(1)〜(7)のいずれか1つ以上、好ましくは特性(1)〜(7)の全てを有する集電体用アルミニウム箔を用いれば、破断しづらい集電体用アルミニウム箔を得ることができる。
(1)反射配置により測定されたXRD(X線回折:X-ray diffraction)スペクトルに現れる(022)回折ピークの強度I(022)と(111)回折ピークの強度I(111)によって表されるI(022)/I(011)の値が200以下である。
(2)反射配置により測定されたXRDスペクトルに現れる(022)回折ピークの強度I(022)と(002)回折ピークの強度I(002)によって表されるI(022)/I(002)の値が12以下である。
(3)透過配置かつ2θ軸と圧延方向が90°をなすように測定されたXRDスペクトルに現れる(111)回折ピークの強度ILR(111)と、(002)回折ピークの強度ILR(002)によって表されるILR(111)/ILR(002)の値が35以上である。
(4)透過配置かつ2θ軸と圧延方向が90°をなすように測定されたXRDスペクトルに現れる(111)回折ピークの強度ILR(111)と、(022)回折ピークの強度ILR(022)によって表されるILR(111)/ILR(022)の値が760以上である。
(5)本発明の第五の集電体用アルミニウム箔は、反射配置により測定されたXRDスペクトルに現れる入射X線のCuKα1線とCuKα2線にそれぞれ由来する圧延面法線方向の2つの(022)回折ピークのうち、前記CuKα1線に由来する(022)回折ピークの強度で表されるIと、前記2つの(022)回折ピークの重なった部分の谷の強度Iで表されるI/Iの値が0.22以上である。
(6)反射配置かつ2θ軸と圧延方向が90°をなすように測定された(022)X線ロッキングカーブが、入射X線の入射角が30°から35°の間に極小値を持ち、かつ、前記入射角が15°から20°の間、および47°から52°の間に第一の極大値および第二の極大値を持つ。
(7)反射配置かつ2θ軸と圧延方向が90°をなすように測定された(022)X線ロッキングカーブにおける(122)または(123)配向に対応するピーク強度が、(011)配向に対応する入射角での強度に対して2倍以上である。
また、本発明の集電体用アルミニウム箔をリチウムイオン二次電池に適用することで長期信頼性が向上する。これまでに、集電体としてアルミニウム箔が使用されるリチウムイオン二次電池において、充放電動作に伴い活物質が膨張収縮することが知られている。これに伴い、集電体箔は電極シート面の面内方向に引っ張りおよび圧縮の力を受ける。これは、集電体箔にとって機械的な負荷となる。充放電サイクル回数が増えると、この力学的な負荷が集積するため電極が破断しうる(疲労破壊)。このため、電池の長期信頼性確保の観点からも集電体箔の機械的強度の向上が求められている。このため、本発明の二次電池をリチウムイオン二次電池に適用した場合には、集電体用アルミニウム箔の機械的強度の向上により、電池の長期信頼性を高めることができる。
さらに、本発明の集電体用アルミニウム箔の評価方法を利用することで、電極および二次電池の生産性を高めることができる。
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲に含まれることはいうまでもない。
上記の実施形態および実施例の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
[付記1]
反射配置により測定されたXRDスペクトルに現れる(022)回折ピークの強度I(022)と(111)回折ピークの強度I(111)によって表されるI(022)/I(111)の値が200以下である、集電体用アルミニウム箔。
[付記2]
前記I(022)/I(111)の値が140以下である、付記1に記載の集電体用アルミニウム箔。
[付記3]
反射配置により測定されたXRDスペクトルに現れる前記I(022)と(002)回折ピークの強度I(002)によって表されるI(022)/I(002)の値が12以下である、付記1または2に記載の集電体用アルミニウム箔。
[付記4]
前記I(022)/I(002)の値が10以下である、付記3に記載の集電体用アルミニウム箔。
[付記5]
前記I(022)/I(002)の値が5以下である、付記4に記載の集電体用アルミニウム箔。
[付記6]
反射配置により測定されたXRDスペクトルに現れる前記I(022)と(002)回折ピークの強度I(002)によって表されるI(022)/I(002)の値が12以下である、集電体用アルミニウム箔。
[付記7]
前記I(022)/I(002)の値が10以下である、付記6に記載の集電体用アルミニウム箔。
[付記8]
前記I(022)/I(002)の値が5以下である、付記7に記載の集電体用アルミニウム箔。
[付記9]
反射配置により測定されたXRDスペクトルに現れる(022)回折ピークの強度I(022)と(111)回折ピークの強度I(111)によって表されるI(022)/I(111)の値が200以下である、付記6から8のいずれかに記載の集電体用アルミニウム箔。
[付記10]
前記I(022)/I(111)の値が140以下である、付記9に記載の集電体用アルミニウム箔。
[付記11]
透過配置かつ2θ軸と圧延方向が90°をなすように測定されたXRDスペクトルに現れる(111)回折ピークの強度ILR(111)と、(002)回折ピークの強度ILR(002)によって表されるILR(111)/ILR(002)の値が35以上である、集電体用アルミニウム箔。
[付記12]
透過配置かつ2θ軸と圧延方向が90°をなすように測定されたXRDスペクトルに現れる(111)回折ピークの強度ILR(111)と、(002)回折ピークの強度ILR(002)によって表されるILR(111)/ILR(002)の値が190以上である、付記11に記載の集電体用アルミニウム箔。
[付記13]
透過配置かつ2θ軸と圧延方向が90°をなすように測定されたXRDスペクトルに現れる前記ILR(111)と、(022)回折ピークの強度ILR(022)によって表されるILR(111)/ILR(022)の値が760以上である、付記11または12に記載の集電体用アルミニウム箔。
[付記14]
透過配置かつ2θ軸と圧延方向が90°をなすように測定されたXRDスペクトルに現れる前記ILR(111)と、(022)回折ピークの強度ILR(022)によって表されるILR(111)/ILR(022)の値が1100以上である、付記13に記載の集電体用アルミニウム箔。
[付記15]
透過配置かつ2θ軸と圧延方向が90°をなすように測定されたXRDスペクトルに現れる前記ILR(111)と、(022)回折ピークの強度ILR(022)によって表されるILR(111)/ILR(022)の値が760以上である、集電体用アルミニウム箔。
[付記16]
透過配置かつ2θ軸と圧延方向が90°をなすように測定されたXRDスペクトルに現れる前記ILR(111)と、(022)回折ピークの強度ILR(022)によって表されるILR(111)/ILR(022)の値が1100以上である、付記15に記載の集電体用アルミニウム箔。
[付記17]
透過配置かつ2θ軸と圧延方向が90°をなすように測定されたXRDスペクトルに現れる(111)回折ピークの強度ILR(111)と、(002)回折ピークの強度ILR(002)によって表されるILR(111)/ILR(002)の値が35以上である、付記15または16に記載の集電体用アルミニウム箔。
[付記18]
透過配置かつ2θ軸と圧延方向が90°をなすように測定されたXRDスペクトルに現れる(111)回折ピークの強度ILR(111)と、(002)回折ピークの強度ILR(002)によって表されるILR(111)/ILR(002)の値が190以上である、付記17に記載の集電体用アルミニウム箔。
[付記19]
反射配置により測定されたXRDスペクトルに現れる入射X線のCuKα1線とCuKα2線にそれぞれ由来する圧延面法線方向の2つの(022)回折ピークのうち、前記CuKα1線に由来する(022)回折ピークの強度で表されるIと、前記2つの(022)回折ピークの重なった部分の谷の強度Iで表されるI/Iの値が0.22以上である、集電体用アルミニウム箔。
[付記20]
反射配置かつ2θ軸と圧延方向が90°をなすように測定された(022)X線ロッキングカーブが、入射X線の入射角が30°から35°の間に極小値を持ち、かつ、前記入射角が15°から20°の間、および47°から52°の間に第一の極大値および第二の極大値を持つ、集電体用アルミニウム箔。
[付記21]
前記入射角が16.0°から19.0°の間に前記第一の極大値を持ち、かつ前記入射角が47.5°から50.5°の間に前記第二の極大値を持つ、付記20に記載の集電体用アルミニウム箔。
[付記22]
前記入射角が32.5°から33.5°の間に極小値を持つ、付記21に記載の集電体用アルミニウム箔。
[付記23]
反射配置かつ2θ軸と圧延方向が90°をなすように測定された(022)X線ロッキングカーブにおける(122)または(123)配向に対応するピーク強度が、(011)配向に対応する入射角での強度に対して2倍以上である、集電体用アルミニウム箔。
[付記24]
付記1から23のいずれかに記載の集電体用アルミニウム箔を備える二次電池。
[付記25]
冷間圧延後の集電体用のアルミニウム箔に対しXRD測定を行い、
圧延方向の(111)回折ピークの強度ILR(111)と圧延方向の(002)回折ピークの強度ILR(002)によって表されるILR(111)/ILR(002)の値、
圧延方向の(111)回折ピークの強度ILR(111)と圧延方向の(022)回折ピークの強度ILR(022)によって表されるILR(111)/ILR(022)の値、
圧延面法線方向の(022)回折ピークの強度I(022)と(111)回折ピークの強度I(111)によって表されるI(022)/I(111)の値、
圧延面法線方向の(022)回折ピークの強度I(022)と圧延面法線方向の(002)回折ピークの強度I(002)によって表されるI(022)/I(002)の値、
入射X線のCuKα1線とCuKα2線にそれぞれ由来する圧延面法線方向の2つの(022)回折ピークのうち、前記CuKα1線に由来する(022)回折ピークの強度で表されるIと、前記2つの(022)回折ピークの重なった部分の谷の強度Iで表されるI/Iの値、
の5つの値のうち、少なくともいずれか一つの値によって、前記アルミニウム箔の強度を評価する、集電体用アルミニウム箔の評価方法。
[付記26]
前記ILR(111)/ILR(002)の値が35以上、
前記ILR(111)/ILR(022)の値が760以上、
前記I(022)/I(111)の値が200以下、
前記I(022)/I(002)の値が12以下、
前記I/Iの値が0.22以上、
の5つの値の範囲のうち、少なくともいずれか一つの値の範囲によって、前記アルミニウム箔の強度が高いと評価する、付記25に記載の集電体用アルミニウム箔の評価方法。
[付記27]
冷間圧延後の集電体用のアルミニウム箔に対しXRD測定を行い、
圧延方向の(111)回折ピークの強度ILR(111)と圧延方向の(002)回折ピークの強度ILR(002)によって表されるILR(111)/ILR(002)の値、
圧延方向の(111)回折ピークの強度ILR(111)と圧延方向の(022)回折ピークの強度ILR(022)によって表されるILR(111)/ILR(022)の値、
圧延面法線方向の(022)回折ピークの強度I(022)と(111)回折ピークの強度I(111)によって表されるI(022)/I(111)の値、
圧延面法線方向の(022)回折ピークの強度I(022)と圧延面法線方向の(002)回折ピークの強度I(002)によって表されるI(022)/I(002)の値、
入射X線のCuKα1線とCuKα2線にそれぞれ由来する圧延面法線方向の2つの(022)回折ピークのうち、前記CuKα1線に由来する(022)回折ピークの強度で表されるIと、前記2つの(022)回折ピークの重なった部分の谷の強度Iで表されるI/Iの値、
反射配置、かつ2θ軸と圧延方向が90°をなすように測定された(022)X線ロッキングカーブにおける(122)または(123)配向に対応するピーク強度と、(011)配向に対応する入射角での強度との比、
の6つのうち、少なくともいずれか一つの値によって、前記アルミニウム箔の強度を評価する、集電体用アルミニウム箔の評価方法。
この出願は、2013年9月9日に出願された日本出願特願2013−186559号および2014年3月28日に出願された日本出願特願2014−68369号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
1 (111)回折ピーク
2 (002)回折ピーク
3 (022)回折ピーク
4 (113)回折ピーク
5 (222)回折ピーク
6 (133)回折ピーク
7 (024)回折ピーク
8 (224)回折ピーク
9 熱処理前の(022)回折ピーク
10 150℃熱処理後の(022)回折ピーク
11 200℃熱処理後の(022)回折ピーク
12 270℃熱処理後の(022)回折ピーク
13 CuKα1特性X線による回折ピーク
14 CuKα2特性X線による回折ピーク
15 各温度で熱処理したアルミニウム箔A1の硬さ指標
16 各温度で熱処理したアルミニウム箔B1の硬さ指標
17 転位のすべり面(hkl)
18 転位のすべり方向[uvw]
19 アルミニウム箔A1のロッキングカーブ
20 アルミニウム箔B1のロッキングカーブ
21 アルミニウム箔A2のロッキングカーブ
22 アルミニウム箔A3のロッキングカーブ
23 アルミニウム箔A4のロッキングカーブ
24 アルミニウム箔B2のロッキングカーブ
25 アルミニウム箔B3のロッキングカーブ
26 アルミニウム箔B4のロッキングカーブ

Claims (10)

  1. 反射配置により測定されたXRDスペクトルに現れる(022)回折ピークの強度I(022)と(111)回折ピークの強度I(111)によって表されるI(022)/I(111)の値が200以下である、集電体用アルミニウム箔。
  2. 反射配置により測定されたXRDスペクトルに現れる前記I(022)と(002)回折ピークの強度I(002)によって表されるI(022)/I(002)の値が12以下である、請求項1に記載の集電体用アルミニウム箔。
  3. 反射配置により測定されたXRDスペクトルに現れる(022)回折ピークの強度I(022)と(002)回折ピークの強度I(002)によって表されるI(022)/I(002)の値が12以下である、集電体用アルミニウム箔。
  4. 反射配置により測定されたXRDスペクトルに現れる前記I(022)と(111)回折ピークの強度I(111)によって表されるI(022)/I(111)の値が200以下である、請求項3に記載の集電体用アルミニウム箔。
  5. 透過配置かつ2θ軸と圧延方向が90°をなすように測定されたXRDスペクトルに現れる(111)回折ピークの強度ILR(111)と、(002)回折ピークの強度ILR(002)によって表されるILR(111)/ILR(002)の値が35以上である、集電体用アルミニウム箔。
  6. 透過配置かつ2θ軸と圧延方向が90°をなすように測定されたXRDスペクトルに現れる前記ILR(111)と、(022)回折ピークの強度ILR(022)によって表されるILR(111)/ILR(022)の値が760以上である、請求項5に記載の集電体用アルミニウム箔。
  7. 反射配置かつ2θ軸と圧延方向が90°をなすように測定された(022)X線ロッキングカーブが、入射X線の入射角が30°から35°の間に極小値を持ち、かつ、前記入射角が15°から20°の間、および47°から52°の間に第一の極大値および第二の極大値を持つ、集電体用アルミニウム箔。
  8. 反射配置かつ2θ軸と圧延方向が90°をなすように測定された(022)X線ロッキングカーブにおける(122)または(123)配向に対応するピーク強度が、(011)配向に対応する入射角での強度に対して2倍以上である、集電体用アルミニウム箔。
  9. 反射配置により測定されたXRDスペクトルに現れる入射X線のCuKα1線とCuKα2線にそれぞれ由来する圧延面法線方向の2つの(022)回折ピークのうち、前記CuKα1線に由来する(022)回折ピークの強度で表されるIと、前記2つの(022)回折ピークの重なった部分の谷の強度Iで表されるI/Iの値が0.22以上である、集電体用アルミニウム箔。
  10. 冷間圧延後の集電体用のアルミニウム箔に対しXRD測定を行い、
    圧延方向の(111)回折ピークの強度ILR(111)と圧延方向の(002)回折ピークの強度ILR(002)によって表されるILR(111)/ILR(002)の値、
    圧延方向の(111)回折ピークの強度ILR(111)と圧延方向の(022)回折ピークの強度ILR(022)によって表されるILR(111)/ILR(022)の値、
    圧延面法線方向の(022)回折ピークの強度I(022)と(111)回折ピークの強度I(111)によって表されるI(022)/I(111)の値、
    圧延面法線方向の(022)回折ピークの強度I(022)と圧延面法線方向の(002)回折ピークの強度I(002)によって表されるI(022)/I(002)の値、
    入射X線のCuKα1線とCuKα2線にそれぞれ由来する圧延面法線方向の2つの(022)回折ピークのうち、前記CuKα1線に由来する(022)回折ピークの強度で表されるIと、前記2つの(022)回折ピークの重なった部分の谷の強度Iで表されるI/Iの値、
    反射配置、かつ2θ軸と圧延方向が90°をなすように測定された(022)X線ロッキングカーブにおける(122)または(123)配向に対応するピーク強度と、(011)配向に対応する入射角での強度との比、
    の6つのうち、少なくともいずれか一つの値によって、前記アルミニウム箔の強度を評価する、集電体用アルミニウム箔の評価方法。
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