JPWO2015030097A1 - 流量制御装置及び流量制御プログラム - Google Patents

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Abstract

流量制御部が、センサモデル記憶部と、流量設定値を入力した場合に前記センサモデルが出力する流量値である流量模擬値を出力する流量模擬値出力部と、流量測定値及び流量模擬値の偏差に基づいて、流量フィードバック値を出力するフィードバック制御部と、流量設定値から算出される流量フィードフォワード値及び流量フィードバック値に基づいて、前記バルブに印加するバルブ印加電圧を制御するバルブ制御部と、から構成されており、前記流量模擬値出力部が流量設定値に対して所定の時間遅れを有した状態で流量模擬値を出力するように構成した。

Description

本発明は、流体の流量を制御するための流量制御装置及び流量制御プログラムに関するものである。
半導体製造プロセスで用いられる流量制御装置は、実流量値を、ユーザによって設定される流量設定値に対して短時間で追従させられる事が求められている。
このような要求に答えるために、例えば特許文献1に示される流量制御装置は、流量センサと、バルブと、前記バルブにより流量を制御する流量制御部を備え、前記流量制御部が、前記流量センサから出力される流量測定値によるフィードバック制御と設定される流量設定値によるフィードフォワード制御を組み合わせた2自由度制御によって前記バルブの開度を制御するよう構成されている。
すなわち、この流量制御装置はフィードバック制御によってオーバーシュート等を補償しつつ、フィードフォワード制御によって流量設定値に対して実流量値を高速で追従させることを意図している。
しかしながら、特許文献1に記載された2自由度型の流量制御装置であっても、過渡応答時における実流量値の応答特性を理想的なものに整形するのは難しい。
具体的に流量設定値としてステップ入力が入力されている場合の実流量値の応答について考えてみる。前記流量センサから出力される流量測定値は、流路に流れている流体の実流量値に対して時間遅れを有しているため、単純に流量設定値と流量測定値の偏差をフィードバックすると、過渡応答初期においては大きな偏差が発生することになる。したがって、過渡応答初期にはフィードフォワード制御により指定される本来必要な固定開度よりも大きな開度でバルブが制御されることになり、オーバーシュートが発生することになる。その後、このオーバーシュートが無くなるようにフィードバック制御によりバルブの開度が小さくなるように制御されることになる。
このように、前記流量センサで測定される流量測定値に時間遅れが存在すると、オーバーシュートが発生したり、ゲインを高くした場合に制御が不安定になったりする等、実流量値を流量設定値に追従するのが難しくなる。このような時間遅れによって生じる制御の問題は、流量センサが熱式流量センサの場合に特に顕著となる。
すなわち、2自由度型の流量制御を行う場合に適切な条件においてのみフィードバック制御が行われるようにすることは現状ではできていない。
米国公開特許公報US2011/0054702号
本発明は、上述したような問題を鑑みてなされたものであり、流量センサから出力される流量測定値の時間遅れが流量制御に与える影響を小さくし、流量設定値に対して実流量値を高速で追従させられる流量制御装置を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の流量制御装置は、流路に流れる流体の流量を測定する流量センサと、前記流路に設けられたバルブと、前記流量センサで測定される流量測定値と、流量設定値とに基づいて前記バルブにより流量を制御する流量制御部と、を備え、前記流量制御部が、前記流量センサの応答特性を模擬するセンサモデルを記憶するセンサモデル記憶部と、流量設定値及び前記センサモデルに基づいて算出される流量値である流量模擬値を出力する流量模擬値出力部と、流量測定値及び流量模擬値の偏差に基づいて、流量フィードバック値を出力するフィードバック制御部と、流量設定値から算出される流量フィードフォワード値及び流量フィードバック値に基づいて、前記バルブを制御するバルブ制御部と、から構成されており、前記流量模擬値出力部が、所定の時間遅れを含む流量模擬値の出力するように構成されていることを特徴とする。
このようなものであれば、前記流量フィードバック制御部が、時間遅れを含む流量測定値と、前記流量模擬値出力部によって時間遅れが再現される流量模擬値の偏差に基づいて、流量フィードバック値を出力するように構成されているので、出力される流量フィードバック値を流量センサの時間遅れを反映したものにできる。
したがって、過渡応答初期において流量センサの時間遅れに起因して過剰な流量フィードバック値がフィードバックされて前記バルブの開度が変更されることによるオーバーシュート等の問題を防ぐことができる。より具体的には、過渡応答初期においては前記流量フィードバック制御部からは流量フィードバック値は出力されず、前記バルブ制御部は流量フィードフォワード値で指定される流量設定値に適した電圧を前記バルブに印加し、その開度を固定させて実流量値の立ち上がり速度を高速にすることができる。
さらに、前記センサモデルについて時間遅れを含まずに簡易で正確なモデルとしつつ、時間遅れについても正確に再現できるようにするには、前記流量模擬値出力部は、前記流量センサで測定される流量測定値が所定の閾値以上となってから、前記センサモデル及び流量設定値に基づいて流量模擬値の出力を開始するように構成されていればよい。このようなものであれば、時間遅れについては流量模擬値の出力の開始タイミングで正確に再現できるので、前記流量模擬値出力部から出力される流量模擬値を簡易なモデル化だけで実際に前記流量センサから出力される流量測定値に近づけることができ、2自由度型の流量制御の応答特性を改善することができる。
外部温度の変化等の影響により前記バルブのQ−V特性が変化した場合でも、常に流量フィードフォワード値に基づいた流量制御によって流量制御開始時から必要な開度で維持されるようにし、高速応答が実現されるようにするには、前記バルブ制御部が、前記バルブ印加電圧と、前記バルブ印加電圧が前記バルブに印加された場合に前記流路に流れる流体の流量との関係であるQ−V特性を記憶するQ−V特性記憶部と、前記Q−V特性に基づいて、流量フィードフォワード値及び流量フィードバック値の和である流量入力値に対応するバルブ印加電圧を算出し、算出されたバルブ印加電圧を前記バルブに出力する電圧出力部と、から構成されており、流量フィードバック値に基づいて、前記Q−V特性記憶部に記憶されているQ−V特性を補正するQ−V特性補正部をさらに備えたものであればよい。
オーバーシュート量等が低減され、過渡応答終了時に実流量値が略流量設定値と同じ値となるようにQ−V特性が補正されるようにするには、前記Q−V特性補正部が、流量制御開始時から所定時間以内における流量フィードバック値の積分値が正の場合には前記Q−V特性をV軸正方向にオフセットさせて補正し、前記積分値が負の場合には前記Q−V特性をV軸負方向にオフセットさせて補正するように構成されていればよい。また、前記Q−V特性補正部が、流量制御開始時から所定時間以内における流量フィードバック値の積分値の絶対値に基づいて、前記Q−V特性のV軸方向のオフセット量を決定するように構成すれば、記憶されているQ−V特性と現在のQ−V特性との乖離度を反映させて補正する事が可能となる。
簡易なモデルでありながらも流量センサの応答特性を精度よく同定でき、モデル化誤差をできる限り小さくして、流量制御の精度を高めることができるようにするには、流量設定値としてステップ入力が入力され、前記流量センサから出力される流量測定値が前記閾値を超えた以降の開ループ応答特性に基づいて前記センサモデルを同定するセンサモデル同定部をさらに備えたものであればよい。
通常の電圧制御を行った場合に前記バルブのQ−V特性にヒステリシスが表れるようなものについて、ヒステリシスが表れにくくし、流量制御の応答特性を改善できるようにするには、前記バルブが、ピエゾバルブであり、前記ピエゾバルブと直列に接続されており、一端が接地された基準コンデンサをさらに備え、前記バルブ制御部が、前記ピエゾバルブに印加されている電圧を前記バルブ印加電圧で保つように構成されていればよい。
前記流量センサから出力される流量測定値の時間遅れが大きく、特に本発明の流量制御装置による流量制御の効果が表れやすいものとしては、前記流量センサが、熱式流量センサであるものが挙げられる。
既存の流量制御装置について、流量制御プログラムを上書きする等して、本発明の流量制御装置と同等の流量制御性能を実現できるようにするには、流路に流れる流体の流量を測定する流量センサと、前記流路に設けられたバルブと、を備えた流量制御装置に用いられる流量制御プログラムを記憶した流量制御プログラム記憶媒体であって、前記流量制御プログラムが、前記流量センサで測定される流量測定値と、流量設定値とに基づいて前記バルブにより流量を制御する流量制御部としての機能を発揮させるものであり、前記流量制御部が、前記流量センサの応答特性を模擬するセンサモデルを記憶するセンサモデル記憶部と、流量設定値及び前記センサモデルに基づいて算出される流量値である流量模擬値を出力する前記流量模擬値出力部と、流量測定値及び流量模擬値の偏差に基づいて、流量フィードバック値を出力するフィードバック制御部と、流量設定値から算出される流量フィードフォワード値及び流量フィードバック値に基づいて、前記バルブを制御するバルブ制御部と、から構成されており、前記流量模擬値出力部が、所定の時間遅れを含む流量模擬値を出力するように構成されていることを特徴とする流量制御プログラムを記憶した流量制御プログラム記憶媒体を用いればよい。また、このような流量制御プログラムは、CD、DVD、HDD、フラッシュメモリ等の記憶媒体に記録しておき、イントール等の際に用いても構わない。
このように本発明の流量制御装置によれば、前記フィードバック制御部が、前記センサモデルに基づいて出力され、時間遅れが反映された流量模擬値と、前記流量センサで測定される流量測定値との偏差に基づいて流量フィードバック値を出力するように構成されているので、前記流量センサの時間遅れを反映させた流量フィードバックが可能となる。したがって、流量制御開始時における流量フィードバック値は略ゼロとなり、流量フィードフォワード値のみで前記バルブの開度が制御されるので、オーバーシュート等を起こすことなく実流量値の応答を高速化することができる。さらに、時間遅れについては流量測定値が所定の閾値以上となってから、前記センサモデル及び流量設定値に基づいて流量模擬値の出力を開始することで再現するようにしているので、簡便なセンサモデルで時間遅れを精度よく再現することができ、応答特性を改善することができる。
本発明の一実施形態に係る流量制御装置を示す模式図。 同実施形態における流量制御部の詳細及び制御系を示す模式的ブロック線図。 同実施形態におけるセンサモデルの同定に使われる測定データについて示す模式的グラフ。 同実施形態における電圧出力部及びピエゾバルブの構成について示す回路図。 同実施形態におけるFF制御及びFB制御が行わる場合の1回目のステップ応答及びその各制御量ついて示す模式的グラフ。 同実施形態における1回目のステップ応答に基づいてQ−V特性が補正された後の2回目のステップ応答及びその制御量ついて示す模式的グラフ。 本発明の別の実施形態における流量制御装置を示す模式図。
100・・・マスフローコントローラ(流量制御装置)
1 ・・・ピエゾバルブ(バルブ)
11 ・・・基準コンデンサ
12 ・・・オペアンプ
2 ・・・熱式流量センサ(流量センサ)
21 ・・・層流素子(流体抵抗)
22 ・・・細管
23 ・・・発熱抵抗
24 ・・・流量測定値算出部
3 ・・・流量制御部
SM ・・・センサモデル部
31 ・・・センサモデル記憶部
32 ・・・流量模擬値出力部
33 ・・・フィードバック制御部
34 ・・・センサモデル同定部
VC ・・・バルブ制御部
35 ・・・Q−V特性記憶部
36 ・・・電圧出力部
37 ・・・Q−V特性補正部
<本実施形態の構成>
本発明の一実施形態に係る流量制御装置について各図を参照しながら説明する。
本実施形態の流量制御装置は、例えば半導体製造プロセスにおいて基板に対して蒸着される物質を含んだガスを予め定められた流量設定値Qで蒸着の行われるチャンバーを導入するために用いられるマスフローコントローラ100である。
このマスフローコントローラ100は、図1に示されるように半導体製造プロセス中においてチャンバーへと連なる流路に対して流入口及び流出口が取り付けられて、その流路を流れるガスの流量を制御するものである。より具体的には前記マスフローコントローラ100は、内部流路FCと、前記内部流路FC上に設けられたバルブ1と、前記内部流路FCを流れる流体の流量を測定する流量センサ2と、前記バルブ1の制御や各種演算を行う演算機構COMと、を備え、これらの各部が1つの筐体内に収容されてモジュール化されたものである。
各部について説明する。
前記バルブは、ピエゾバルブ1であって後述するように電圧制御ではなく、電荷制御によってその開度が制御されるものである。
前記流量センサ2は、流体の温度に基づいてその流量を測定する熱式流量センサ2であって、内部流路FC上に設けられた層流素子21(流体抵抗)と、前記層流素子21の前後をバイパスする金属製の細管22と、前記細管22の外側に巻き付けられた2つの発熱抵抗23を有し、各発熱抵抗23において温度が一定になるように保たれる定温度制御回路と、前記演算機構COMによりその機能が実現されるものであり、各発熱抵抗23に印加される電圧に基づいて流量を算出する流量測定値算出部24と、から構成してある。この熱式流量センサ2は、圧力式流量センサと比較して、出力される流量測定値Qと、実際に内部流路FC内を流れている流体の実流量値Qrealとの間には大きな時間遅れが存在している。
前記演算機構COMは、CPU、メモリ、A/D、D/Aコンバータ、各種入出力機器等を備えたいわゆるコンピュータであって、各機器が協業して前記メモリに格納されている流量制御プログラムを実行することにより、少なくとも前述した流量測定値算出部24及び前記ピエゾバルブ1によって流体の流量を制御する流量制御部3としての機能を発揮するものである。
前記流量制御部3は、前記熱式流量センサ2で測定される流量測定値Qと、ユーザにより設定される流量設定値Qとに基づいて前記ピエゾバルブ1の開度を制御し、流体の流量を制御するものである。本実施形態では、フィードバック制御(FB制御)、フィードフォワード制御(FF制御)を組み合わせた2自由度制御によって前記流量制御部3は前記ピエゾバルブ1の開度を制御するように構成してある。そして、この流量制御部3は前記熱式流量センサ2から出力される流量測定値Qの実流量値に対する時間遅れを考慮した流量制御を実現し、理想的な過渡応答特性及び定常特性を得られるようにしてある。
より具体的には図2の制御ブロック図に示すように前記流量制御部3は、ユーザにより設定される流量設定値Qと前記熱式流量センサ2で測定される流量測定値Qに基づいて流量フィードバック値QFBを生成するフィードバック制御系FBSと、流量設定値Qに基づいて流量フィードフォワード値QFFを生成するフィードフォワード制御系FFSと、流量フィードバック値QFBと、流量フィードフォワード値QFFに基づいて前記ピエゾバルブ1に印加するバルブ印加電圧VSETを制御して、当該ピエゾバルブ1の開度を制御するバルブ制御部VCと、から構成してある。
前記フィードバック制御系FBSは、流量設定値Qに基づいて前記熱式流量センサ2から現在出力されている流量測定値Qを模擬する流量模擬値QSIMを出力するセンサモデル部SMと、前記センサモデル部SMで出力される流量模擬値QSIMと、前記熱式流量センサ2で実際に測定されている流量測定値Qに基づいて流量フィードバック値QFBを出力するフィードバック制御部33と、から構成してある。
前記センサモデル部SMは、流量設定値Qを入力、流量測定値Qを出力とした場合の前記熱式流量センサ2の応答特性を模擬するセンサモデルを記憶するセンサモデル記憶部31と、流量設定値Qを入力した場合に前記センサモデルが出力する流量値である流量模擬値QSIMを出力する流量模擬値出力部32とから構成してある。
前記センサモデル記憶部31に記憶されているセンサモデルは、前記熱式流量センサ2の少なくともステップ応答特性を模擬するものであり、当該センサモデル記憶部31は、その応答特性を表す伝達関数を記憶している。ここで注意すべきは、前記センサモデルは前記熱式流量センサ2をモデル化したものであって、前記ピエゾバルブ1及び前記バルブ制御部VCはモデル化の対象となっていない点である。すなわち、時間経過や使用状態によってその応答特性が変化してしまうピエゾバルブ1をモデル内に含んでいないのでモデル化しやすく、しかも、大きなモデル化誤差を生まないようにできる。
前記センサモデル記憶部31で記憶されているセンサモデルは、センサモデル同定部34によって本実施形態のマスフローコントローラ100を開ループ制御した場合に測定される流量測定値Qに基づいて同定されるものである。より具体的には、前記センサモデル同定部34は前記マスフローコントローラ100が流量制御モードではなくモデル同定モードに設定された場合にのみ動作するものである。そして、モデル同定モードにおいて前記センサモデル同定部34は、図3(a)に示すように流量設定値Qとしてステップ入力が入力され、前記熱式流量センサ2から出力される流量測定値Qが所定の閾値THを超えた以降の開ループ応答特性を取得する。次に前記センサモデル同定部34は、図3(a)において斜線によるハッチングが施してある領域であり、太線で示している無駄時間を略省いたステップ応答特性を、図3(b)に示すように無駄時間を含まない形のステップ応答としてゼロ点へ平行移動させて、この平行移動後のステップ応答特性からセンサモデルの同定を行うように構成してある。
図2に示される前記流量模擬値出力部32は、前記熱式流量センサ2で測定される流量測定値Qが所定の閾値TH以上となってから、前記センサモデル及び流量設定値Qに基づいて流量模擬値QSIMの出力を開始するように構成してある。より具体的には、前記流量模擬値出力部32は流量設定値Qの入力が始まり、流量制御が開始されても前記熱式流量センサ2で測定される流量測定値Qが閾値THとなるまでの間は流量模擬値QSIMとしてゼロを出力し続ける。前記熱式流量センサ2で測定される流量測定値Qが閾値THを超えた場合には、流量模擬値出力部32は、流量測定値Qが閾値THとなった時刻をゼロ点として前記センサモデル及び流量設定値Qに基づいて流量模擬値QSIMを算出するようにしてある。
図2に示される前記フィードバック制御部33は、流量模擬値QSIMと流量測定値Qの偏差に対してPID演算を行い、流量フィードバック値QFBを算出するように構成してある。すなわち、前記バルブ制御部VC及び前記ピエゾバルブ1が理想的に動作しており、流量模擬値QSIMと流量測定値Qとの間に偏差がなくゼロの場合には、前記バルブ制御部VCは流量フィードフォワード値QFFのみで前記ピエゾバルブ1が制御されることになる。一方、流量フィードフォワード値QFFのみで前記ピエゾバルブ1の開度が制御されており、外乱等の影響により流量測定値Qが流量模擬値QSIMとは異なる値となった場合には流量フィードバック値QFBが何らかの値を持つことになる。したがって、想定通りに流量測定値Qが出力されていない場合のみ流量フィードフォワード値QFFが流量フィードバック値QFBによって修正されて前記ピエゾバルブ1の開度が修正される条件付フィードバック構造となっている。
前記フィードフォワード制御系FFSは、本実施形態では受け付けられた流量設定値Qをそのまま流量フィードフォワード値QFFとして前記バルブ制御部VCへと出力するように構成してある。図2のブロック線図では該当箇所にブロックを記載していないが、厳密に記載するならば、入力された流量設定値Qに対して1倍して、流量フィードフォワード値QFFとして出力するフィードフォワード制御部(図示しない)として表される。
前記バルブ制御部VCは、流量フィードフォワード値QFFと流量フィードバック値QFBの和が流量入力値QINとして入力され、その流量入力値QINを実現する前記ピエゾバルブ1の開度に対応するバルブ印加電圧VSETを前記ピエゾバルブ1へ印加するように構成してある。より具体的には前記バルブ制御部VCは、前記バルブ印加電圧VSETと、前記バルブ印加電圧VSETが印加された場合に流路に流れる流体の流量との関係であるQ−V特性を記憶するQ−V特性記憶部35と、前記Q−V特性に基づいて、流量フィードフォワード値QFF及び流量フィードバック値QFBの和である流量入力値QINに対応するバルブ印加電圧VSETを算出し、算出されたバルブ印加電圧VSETを前記ピエゾバルブ1に出力する電圧出力部36と、から構成してある。
ところで、前記ピエゾバルブ1は電圧制御した場合、そのQ−V特性にはヒステリシスが発生する事が知られている。本実施形態ではこのヒステリシスを表れにくくし、流量制御精度をより高めるために電荷制御により前記ピエゾバルブ1の開度を制御するようにしてある。すなわち、図4に示すように静電容量が温度変化等の外乱影響によって変化しにくい基準コンデンサ11の一端を前記ピエゾバルブ1に対して直列に接続するとともに、他端を接地しておき、前記バルブ制御部VCが、前記ピエゾバルブ1に印加されている電圧を前記バルブ印加電圧VSETで保つように構成してある。すなわち、前記ピエゾバルブ1の静電容量の両端において印加電圧で保たれるようにオペアンプ12によりフィードバック回路が構成してある。このように構成することで、前記ピエゾバルブ1中の静電容量が変化したとしても同じ印加電圧が印加された場合には常に同じ電荷となるため、Q−V特性のヒステリシスを略無くすことができる。以下の説明に用いられるQ−V特性を示した図においてヒステリシスが示されていないのはこのような構成を前提としているためである。
さらに図2に示すように、本実施形態では流量フィードバック値QFBに基づいて、前記Q−V特性記憶部35に記憶されているQ−V特性を補正するQ−V特性補正部37をさらに備えている。このQ−V特性補正部37は、流量フィードバック値QFBが略ゼロで維持されており、流量フィードフォワード値QFFによる流量制御のみで所望の応答特性を実現できている場合には、前記Q−V特性を補正しない。一方、流量フィードバック値QFBがゼロ以外の値が出ている場合には、この流量フィードバック値QFBの積分値により前記Q−V特性記憶部35に記憶されているQ−V特性について所定方向に平行移動させて補正し、次回のステップ応答時には流量フィードフォワード値QFFのみで所望の応答特性が得られるようにする。
より具体的には、前記Q−V特性補正部37は、流量制御開始時から所定時間以内における流量フィードバック値QFBの積分値が正の場合には前記Q−V特性をV軸正方向にオフセットさせて補正し、前記積分値が負の場合には前記Q−V特性をV軸負方向にオフセットさせて補正するように構成してある。
<本実施形態の動作>
以下に本実施形態のマスフローコントローラ100の制御動作、及び、前記Q−V特性補正部37の補正動作について具体的な流量制御例を用いながら説明する。
まず、1回のステップ応答において流量フィードフォワード値QFFだけでは理想的な応答特性が得られなかった場合について図5を参照しながら説明する。
図5(a)には、流量設定値Qとしてステップ入力が入力されている場合の実流量値Qreal、流量模擬値QSIM、流量測定値Qの応答が示してある。なお、実流量値Qrealは前記熱式流量センサ2の出力を前記センサモデルの伝達関数の逆数に通すことで得ることができる。
図5においては、何らかの原因で前記ピエゾバルブ1のQ−V特性が初期設定から変化しているため、実流量値QrealはまずFF制御によって実現される流量設定値Qよりも小さい流量で一度安定し、その後FB制御によって偏差が修正されて流量設定値Q通りに安定している。
このような流量制御となる理由は概略以下の通りである。
前記熱式流量センサ2から出力される流量測定値Qは実流量値Qrealに対して時間遅れを有しているので図5(a)に示すように流量測定値Qは実流量値Qrealの立ち上がり点から所定時間経過後に立ち上がることになる。この実流量値Qrealの立ち上がり点から流量測定値Qの立ち上がり点までの区間ある第1区間では、流量測定値Qが閾値THを超えていない状態なので前記センサモデル部SMは流量模擬値QSIMとしてゼロを出力し続けている。したがって、この第1区間においては流量模擬値QSIMと流量測定値Qの偏差はゼロであるから図5(b)に示すように前記フィードバック制御部33も流量フィードバック値QFBとしてゼロを出力し続けている。すなわち、第1区間においてはFF制御のみが行われているため流量設定値Qと実流量値Qrealに偏差が生じていてもその偏差は修正されない。また、図5(c)に示すように、この第1区間において前記バルブ制御部VCは流量フィードフォワード値QFFのみによって現在のQ−V特性から参照し、印加すべきバルブ印加電圧VSETとして電圧VSET1を取得して、その電圧VSET1を前記ピエゾバルブ1に対して印加し続けている。
次に流量測定値Qの立ち上がり点以降の区間である第2区間では、流量測定値Qが閾値THを超えた時点から前記センサモデル部SMはセンサモデルに基づいた流量模擬値QSIMの出力を開始する。すると第2区間においては図5(a)のハッチング部分に示すように流量模擬値QSIMと流量測定値Qとの間にゼロ以外の偏差が生じるので、図5(b)に示すように前記フィードバック制御部33はゼロ以外の流量フィードバック値QFBを出力してFB制御を開始する。流量フィードバック値QFBは最終的に流量模擬値QSIMと流量測定値Qの偏差が無くなった時点での値で一定となり、実流量値Qrealも流量設定値Qの通りに安定することになる。また、図5(c)に示すようにこの第2区間において前記バルブ制御部VCは、流量フィードフォワード値QFFと流量フィードバック値QFBの和によって現在のQ−V特性を参照し、印加すべきバルブ印加電圧VSETとして電圧VSET2を取得して、その電圧VSET2を印加する。
このようにFF制御だけでなくFB制御も加えられることになるのは、前記Q−V特性記憶部35に記憶されている現在のQ−V特性が図5(c)に示すように太線で示すようなものであるのに対して、実際のQ−V特性が想像線で示すような態様であり実際に印加されるべきバルブ印加電圧VSETよりも小さい値が参照されているからである。
そこで、前記Q−V特性補正部37は流量フィードフォワード値QFFのみで実際に印加されるべきバルブ印加電圧VSETがQ−V特性から取得されるようにQ−V特性を補正し前記Q−V特性記憶部35に記憶させるよう動作する。
具体的には、図5(b)のハッチング部分に示すように流量フィードバック値QFBが出力されており、所定期間内の積分値が正であった場合には、前記Q−V特性補正部37は、現在のQ−V特性をV軸正方向へ平行移動させたQ−V特性に補正する。この際の平行移動量については第2区間の安定状態で参照されていた電圧VSET2が現在の流量フィードフォワード値QFFで参照されるように設定する。
逆に流量設定値Qによりも大きな値で実流量値Qrealが安定してしまい、流量フィードバック値QFBの積分値が負になるような場合には、前記Q−V特性補正部37は現在のQ−V特性をV軸負方向へ平行移動させたQ−V特性に補正する。
このように前記Q−V特性補正部37によってQ−V特性が補正された後の2回目のステップ応答について図6を参照しながら説明する。
図6(a)の第1区間においては図5と同様に流量フィードフォワード値QFFのみが出力されるが、1回目のステップ応答により前記Q−V特性補正部37がQ−V特性を補正しているので、図6(c)に示すように流量フィードフォワード値QFFのみで前記バルブ制御部VCが取得するバルブ印加電圧VSETは電圧VSET2に変化する。このため、流量フィードフォワード値QFFのみでも目標である流量設定値Qを略達成できるので、図6(a)、図6(b)に示されるように流量模擬値QSIMと流量測定値Qの偏差は略発生せず、FB制御もほとんど行われない。すなわち、FF制御のみで実質的に流量設定値Qの通りに流量制御が実現される。
<実施形態の効果>
以上のように本実施形態のマスフローコントローラ100によれば、前記センサモデル部SMは流量測定値Qの値をトリガとして時間遅れを発生させた形でFF制御が正常に実現した場合の理想的な流量模擬値QSIMを出力できるように構成してあるので、前記熱式流量センサ2から出力される流量測定値Qの時間遅れと合わせたものにできる。したがって、流量制御開始時に流量模擬値QSIMと流量測定値Qの時間遅れが一致していないために大きな偏差が発生し、FB制御がかかり過ぎることでオーバーシュートが起こったり、制御が不安定になったりすることを防ぐことができる。
また、流量測定値Qの値をトリガとして時間遅れを実装しているので、前記センサモデル同定部34はセンサモデルを時間遅れまで含んだ形の伝達関数として同定する必要がなく、モデル化精度を高めることができる。このことによってモデル化誤差を小さくして流量制御の安定性を高めることができる。
さらに、前記Q−V特性補正部37が、流量フィードバック値QFBに基づいてQ−V特性を流量フィードフォワード値QFFのみで適正なバルブ印加電圧VSETが印加されるように適宜補正していくように構成してあるので、略常に高速な応答を実現することができる。言い換えると、このマスフローコントローラ100はQ−V特性が正常な間は略流量フィードフォワード値QFFによるFF制御のみで流量を制御し、高速応答を実現しているが、万が一、Q−V特性が外乱影響等により変化した場合にはFB制御が働き、多少の遅れは発生するものの流量設定値Qは確実に実現される。さらに、このようなQ−V特性の変化があり、FB制御が行われた場合には、併せて前記Q−V特性補正部37がQ−V特性を実際の状態を表すものとなるように補正するので、次回以降のステップ応答については再びFF制御のみで高速応答を実現できるようになる。
その他の実施形態について説明する。
前記実施形態では、バルブとしてピエゾバルブ、流量センサとして熱式流量センサを用いていたが、その他のものを用いても構わない。より具体的には、バルブとしてソレノイドバルブ等を用いてもよいし、流量センサとして圧力式流量センサを用いても構わない。また、バルブ、流量センサが内部流路上において並んでいる順番は図示されたものに限られず、様々な順番であってもよい。
例えば、前記センサモデル同定部、前記Q−V特性補正部を省略した形でマスフローコントローラを構成してもよい。すなわち前記実施形態で示した2自由度型の流量制御装置を構成し、センサモデル、Q−V特性については工場出荷時の状態を維持するようにしても構わない。また、前記流量模擬値出力部が、所定の時間遅れを含む流量模擬値を出力するように構成されていればよく、前記実施形態に示した流量測定値をトリガ−として流量模擬値の出力を開始するものに限られない。
例えば、前記センサモデル記憶部に記憶されている流量センサのセンサモデルが時間遅れ要素を含んで同定されていないものの場合、前記流量模擬値出力部が流量設定値の入力が開始されて流量制御が開始されてから、所定時間経過後に流量設定値及びセンサモデルに基づいて流量模擬値の出力を開始するように構成してもよい。あるいいは、前記センサモデル記憶部が実流量値に対する流量測定値の時間遅れを含めてモデル化されたセンサモデルを記憶している場合には、前記流量模擬値出力部は流量設定値の入力と同時に当該流量設定値とセンサモデルに基づいて流量模擬値の算出及び出力を開始するようにしてもよい。
前記実施形態では流量フィードフォワード値は、流量設定値と同じにしていたが、例えば流量設定値から時間変化率が大きすぎる部分等をS字補間する等したフィルタ後の値を流量フィードフォワード値として用いてもよい。
前記Q−V特性補正部は、流量フィードバック値の積分値に基づいてQ−V特性の補正する方向を定めていたが、その積分値に基づいて補正量まで決めても構わない。また、前記実施形態ではQ−V特性をV軸方向に平行移動させることでQ−V特性の補正を行っていたが、例えばQ軸方向に平行移動させる、流量フィードバック値に基づいた所定の係数をQ−V特性に掛ける、等様々な方法で補正しても構わない。
また、前記実施形態では平行移動によってQ−V特性の全体について補正を行うように前記Q−V特性補正部は構成されていたが、前記Q−V特性補正部は、Q−V特性の一部分のみを補正するように構成されたものであってもよい。例えば、流量設定値として設定されている流量に対応する部分のバルブ印加電圧のみをQ軸又はV軸方向に補正してもよい。
前記実施形態のバルブ制御部は、電荷制御によりバルブの開度を制御するように構成してあったが、その他の制御態様であっても構わない。例えば、図7に示すようにバルブの開度を直接測定する開度センサ38を用いて、流量測定値のフィードバックループとは別にバルブ開度制御用のマイナーループを形成したバルブ制御部VCを構成してもよい。
より具体的には、図7に示すバルブ制御部VCは、フィードフォワード制御系FFSとフィードバック制御系FBSにより算出される流量入力値QINに基づいて、設定すべき開度を算出する開度算出部40を備えている。前記開度算出部40は、前記ピエゾバルブ1の流量−開度(コンダクタンス)との関係であるQ−C特性を記憶するQ−C特性記憶部39を参照し、流量入力値QINに対応する開度設定値を算出する。前記マイナーループを構成する前記電圧出力部36は、前記実施形態とその構成が異なっており、前記開度センサ38により測定されたピエゾバルブ1の現在の開度測定値と、前記開度設定値の偏差に基づいてピエゾバルブ1に印加する印加電圧VSETを決定し、前記ピエゾバルブ1へ出力するように構成してある。このようなものであれば、前記ピエゾバルブ1の開度を直接モニタリングし、その開度が開度設定値となるようにマイナーループによるフィードバック制御が行われるので、バルブの電圧−開度間におけるヒステリシスを低減し、精度の良い流量制御を実現することができる。なお、開度については弁体の位置を直接測定し、その位置から開度を求めてもよいし、その他の手段で間接的に開度を算出しても構わない。また、弁体の位置そのものをフィードバックして、流量制御を行うように構成して構わない。
上述したような前記バルブ制御部は、電荷制御又は開度制御でバルブの開度を制御するものだけでなく、バルブに印加する電圧を制御する電圧制御や、電流を制御する電流制御によって所望の開度又は流量を得られるように構成してもよい。
また、流量入力値QINと、バルブのQ−V特性やQ−C特性に基づいて前記電圧出力部からバルブへ出力される電圧が決定していたが、さらに、バルブの上流側の圧力を考慮して、実現した流量に対応する開度がバルブで実現されるようにバルブ制御部を構成してもよい。より具体的には、前記実施形態等ではバルブの特性として2次元的なQ−V特性やQ−C特性を記憶部に記憶させていたが、さらに圧力軸を加えた3次元的なマップとなるQ−V−P特性やQ−C−P特性を記憶しておき、入力された流量入力値QINと現在のバルブ上流側の圧力に対応する電圧Vや開度Cが出力されるようにバルブ制御部を構成してもよい。また、前記実施形態のQ−V特性補正部は、流量フィードバック値に基づいてQ−V−P特性、Q−C−P特性を補正するQ−V−P特性補正部、Q−C−P特性補正部として構成してもよい。加えて、変位センサ等で測定された弁体の位置又は開度Tをフィードバックして流量Qを制御するように流量制御装置を構成している場合には、前記実施形態のQ−V特性記憶部をQ−T特性記憶部とするとともに、Q−V特性補正部を流量フィードバック値に基づいてQ−T特性を補正するQ−T特性補正部として構成すればよい。さらに、前述したように前記バルブの上流側の圧力まで考慮して制御する場合には、前記Q−T特性記憶部は圧力軸を含めた3次元の流量特性を記憶するQ−T−P特性記憶部として構成してもよい。さらに、前記Q−T特性補正部は、流量製フィードバック値に基づいてQ−T−P特性を補正するQ−T−P特性補正部として構成してもよい。
前記実施形態の2自由度型の制御系は、流量制御のために用いていたが例えば圧力制御のために用いても構わない。この場合、前記流量センサが圧力センサとなり、センサモデル部のセンサモデルは前記圧力センサの出力特性を模擬するものにすればよい。
また、前記実施形態に記載した流量制御部を構成するためのプログラムを既存の流量制御装置にインストールすれば同様の流量制御効果を得られるようにしてもよい。
その他、本発明の趣旨に反しない限りにおいて様々な変形や実施形態の組み合わせを行っても構わない。
本発明の流量制御装置を用いれば、例えば半導体製造プロセスにおいてチャンバー内に成分ガスを所定の流量で精度よく導入する事が可能となる。

Claims (9)

  1. 流路に流れる流体の流量を測定する流量センサと、
    前記流路に設けられたバルブと、
    前記流量センサで測定される流量測定値と、流量設定値とに基づいて前記バルブにより流量を制御する流量制御部と、を備え、
    前記流量制御部が、前記流量センサの応答特性を模擬するセンサモデルを記憶するセンサモデル記憶部と、
    流量設定値及び前記センサモデルに基づいて算出される流量値である流量模擬値を出力する流量模擬値出力部と、
    流量測定値及び流量模擬値の偏差に基づいて、流量フィードバック値を出力するフィードバック制御部と、
    流量設定値から算出される流量フィードフォワード値及び流量フィードバック値に基づいて、前記バルブを制御するバルブ制御部と、から構成されており、
    前記流量模擬値出力部が、所定の時間遅れを含む流量模擬値を出力するように構成されていることを特徴とする流量制御装置。
  2. 前記流量模擬値出力部が、前記流量センサで測定される流量測定値が所定の閾値以上となってから、前記センサモデル及び流量設定値に基づいて流量模擬値の出力を開始するように構成されている請求項1記載の流量制御装置。
  3. 前記バルブ制御部が、前記バルブ印加電圧と、前記バルブ印加電圧が前記バルブに印加された場合に前記流路に流れる流体の流量との関係であるQ−V特性を記憶するQ−V特性記憶部と、
    前記Q−V特性に基づいて、流量フィードフォワード値及び流量フィードバック値の和である流量入力値に対応するバルブ印加電圧を算出し、算出されたバルブ印加電圧を前記バルブに出力する電圧出力部と、から構成されており、
    流量フィードバック値に基づいて、前記Q−V特性記憶部に記憶されているQ−V特性を補正するQ−V特性補正部をさらに備えた請求項1記載の流量制御装置。
  4. 前記Q−V特性補正部が、流量制御開始時から所定時間以内における流量フィードバック値の積分値が正の場合には前記Q−V特性をV軸正方向にオフセットさせて補正し、前記積分値が負の場合には前記Q−V特性をV軸負方向にオフセットさせて補正するように構成されている請求項3記載の流量制御装置。
  5. 前記Q−V特性補正部が、流量制御開始時から所定時間以内における流量フィードバック値の積分値の絶対値に基づいて、前記Q−V特性のV軸方向のオフセット量を決定するように構成されている請求項4記載の流量制御装置。
  6. 流量設定値としてステップ入力が入力され、前記流量センサから出力される流量測定値が前記閾値を超えた以降の開ループ応答特性に基づいて前記センサモデルを同定するセンサモデル同定部をさらに備えた請求項1に記載の流量制御装置。
  7. 前記バルブが、ピエゾバルブであり、
    前記ピエゾバルブと直列に接続されており、一端が接地された基準コンデンサをさらに備え、
    前記バルブ制御部が、前記ピエゾバルブに印加されている電圧を前記バルブ印加電圧で保つように構成されている請求項1に記載の流量制御装置。
  8. 前記流量センサが、熱式流量センサである請求項1に記載の流量制御装置。
  9. 流路に流れる流体の流量を測定する流量センサと、前記流路に設けられたバルブと、を備えた流量制御装置に用いられる流量制御プログラムであって、
    前記流量制御プログラムが、前記流量センサで測定される流量測定値と、流量設定値とに基づいて前記バルブにより流量を制御する流量制御部としての機能をコンピュータに発揮させるものであり、
    前記流量制御部が、前記流量センサの応答特性を模擬するセンサモデルを記憶するセンサモデル記憶部と、
    流量設定値及び前記センサモデルに基づいて算出される流量値である流量模擬値を出力する流量模擬値出力部と、
    流量測定値及び流量模擬値の偏差に基づいて、流量フィードバック値を出力するフィードバック制御部と、
    流量設定値から算出される流量フィードフォワード値及び流量フィードバック値に基づいて、前記バルブを制御するバルブ制御部と、から構成されており、
    前記流量模擬値出力部が、所定の時間遅れを含む流量模擬値を出力するように構成されていることを特徴とする流量制御プログラム。
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