JP5758740B2 - レーザガス圧の制御機能を備えたガスレーザ発振器 - Google Patents

レーザガス圧の制御機能を備えたガスレーザ発振器 Download PDF

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Description

本発明は、レーザガス圧の制御機能を備えたガスレーザ発振器に関し、特には、従来のガス圧制御より高速なガス圧制御が可能なガスレーザ発振器に関する。
通常、ガスレーザ発振器においては、容器内のレーザガス圧を所望の値に制御してレーザ発振を行う。例えば特許文献1には、ガス槽のガス圧力を制御するガス圧力制御装置が開示されており、ここでは、ガス圧力指令値と放電管内の検出ガス圧力との差分信号から、積算信号と比例信号を計算して出力し、検出圧力が指令圧力に到達したときに積算値を再設定することにより、未定常状態の影響を受けずに応答性のよい制御が可能となるとされている。
また特許文献2には、処理ガスが供給される減圧状態の処理室で複数の処理工程を行う基板処理装置が開示されており、ここでは、複数の処理工程に対応する処理ガス圧を算出する演算テーブルを複数有する演算制御機構を用いることにより、短時間で連続的に処理ガス圧力を目標値に制御できるとされている。
特開平7−38179号公報 特開2011−44446号公報
従来の制御ではガス圧をモニタし、その値がガス圧設定値に近づくようにコントロールバルブの操作電圧をPID制御してガス圧を制御していた。すなわち、コントロールバルブの操作電圧指令を、設定ガス圧とガス圧モニタ値の差分の比例量と、差分の時間積分量、差分の時間微分量によって制御していた。しかし、従来制御では設定ガス圧とガス圧モニタ値を比較して、その時々における最適なコントロールバルブの開度指令を行うことができるわけではなく、ガス圧が減衰振動する状態になり、ガス圧が一定の範囲に収束するまでに要する時間が大きいという問題があった。
また、その他のガス圧制御方式として、コントロールバルブの開度のみで供給ガス流量を調整して圧力制御を行う場合、元圧の変動やガス配管の圧損の影響によりコントロールバルブの1次圧が変動し、所望の流量を得ることが困難であった。
レーザ出力の変更時など、ガス圧が変動する際にレーザガス圧がただちに所望のガス圧に収まらないと、レーザガスの放電が安定しないため、レーザ光出力の不安定を招くことになる。また、レーザ発振開始動作時には、ガス圧変更後、ガス圧がある一定範囲に達してから、レーザ発振が行われるため、ガス圧制御が遅いと、レーザ発振開始動作の遅延となる。これらの理由で、ガス圧の制御はより高速であることが望まれる。
特許文献1に記載の技術は、PI制御のガス圧制御において積分要素をリセットできるようにしたものであるが、PI制御であることには変わりがないので、設定ガス圧に制御するための最適なコントロールバルブの開度を常時得ることは難しい。
特許文献2に記載の技術は、基板処理装置において、基板処理の各プロセスにおける設定圧力に対して、最適なバルブ制御の演算テーブルをもつことで、各プロセスに対して最適なガス圧制御を行うものである。しかし、これはPID制御を念頭に置いた制御であり、演算テーブルはPID制御のための演算テーブルである。
そこで本発明は、従来の制御より高速なレーザガス圧制御を可能とするガスレーザ発振器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本願第1の発明は、レーザガスを収容するガス容器と、前記ガス容器に供給するレーザガスのガス流量を、開度調節により調節可能なコントロールバルブと、前記コントロールバルブの1次側と2次側の圧力を検知するガス圧センサと、前記ガス容器からレーザガスを吸引排気する真空ポンプと、前記ガス容器内のレーザガスの圧力を制御するガス圧制御部と、を備え、前記ガス圧制御部は、前記1次側のガス圧と前記2次側のガス圧との差圧、前記コントロールバルブの開度、及び前記ガス容器内への供給ガス流量との関係を記憶した第1のデータテーブルと、前記2次側のガス圧及び排気ガス流量の関係を記憶した第2のテーブルデータとを備え、前記2次側の圧力を検出する装置により検出された2次側のガス圧値と設定ガス圧値の差に前記ガス容器の容積の値を乗算した値を一定時間で割ることで、該一定時間後に設定ガス圧に近づくために必要なガス量変化率を求め、該ガス量変化率と前記第1及び第2のデータテーブルから前記コントロールバルブの開度を求める、ガスレーザ発振器を提供する。
第2の発明は、第1の発明において、前記ガス圧制御部は、ガス圧制御を開始してから、一定時間後に計算で予測されるガス圧値とモニタされるガス圧値の偏差に基づいて前記第1及び第2のデータテーブルのデータを補正することによりガス圧をフィードバック制御する、レーザ発振器を提供する。
第3の発明は、第2の発明において、前記テーブルデータの初期値からの補正量があらかじめ決めた範囲を超えた場合、ガス圧の制御方法を切替えるか、アラーム信号を外部に出力する、ガスレーザ発振器を提供する。
第4の発明は、第1〜3のいずれかの1つの発明において、レーザ出力を変更する際に、ガス温度の上昇により生じる圧力増加分を予測し、予めその変化分を相殺するようにバルブを制御する、ガスレーザ発振器を提供する。
第5の発明は、第1〜4のいずれかの1つの発明において、コントロールバルブの1次側にガス温度をモニタする装置を設け、コントロールバルブの1次側のガス温度を検知し、前記第1のデータテーブルの作成時の絶対温度と、コントロールバルブの1次側の絶対温度の比を該第1のデータテーブルに掛けることにより、該第1のデータテーブルのデータを補正する、ガスレーザ発振器を提供する。
第6の発明は、第1〜5のいずれかの1つの発明において、ガス容器内の温度をモニタする装置を設け、前記第1のデータテーブルと前記第2のデータテーブルの作成時の絶対温度と、ガス容器内の絶対温度の比を該第1のデータテーブルと該第2のデータテーブルにそれぞれ掛けることにより、該第1及び第2のデータテーブルを補正する、ガスレーザ発振器を提供する。
第7の発明は、第1〜6のいずれかの1つの発明において、前記ガス容器から前記真空ポンプにより、ガスを吸引する配管に排気ガス流量を変えられる排気バルブを設け、前記ガス容器内の圧力が設定値より大きい場合には、排気ガス流量を増加させる、ガスレーザ発振器を提供する。
本発明によれば、コントロールバルブの2次側だけでなく、1次側にもガス圧センサを設け、バルブ差圧と開度に対するガス量変化率(=供給ガス流量−排気ガス流量)のテーブルデータを記憶しておくことにより、逐次的に最適なガス量変化率となるバルブ開度制御を行うことができる。また、所望のガス量変化率となるバルブ開度の調整が可能となり、設定ガス圧に到達するために必要なガスの変化量を計算し、バルブを制御することで、従来のPID制御では不可能な高速なガス圧制御が可能となる。
ガス温度の変化や、ガスの組成の誤差、コントロールバルブの経年劣化による開度の変化等が生じることにより供給ガス流量と排気ガス流量のテーブルデータと実際の流量との間に差が生じても、フィードバック制御によってテーブルデータを補正し、バルブ開度の適切な制御が可能となる。
テーブルデータの初期値からの補正量が予め定めた範囲を超えた場合に、制御方法の切替えやアラーム出力を行うことにより、ガス温度の変化や、ガスの組成の誤差、コントロールバルブの経年劣化による開度の変化等が生じても、ガス圧の制御やレーザ発振器の保護が可能となる。
ガス圧制御の際に生じる、ガス温度上昇に起因する応答遅延に対して、遅延時間分前の時点で、予測されるガス圧変動を相殺するようなバルブの制御を行うことにより、より高速なガス圧制御が可能となる。
供給ガスの温度変化により生じるガスの流量の誤差を補正することにより、供給ガスの温度が変化しても正確にガス流量を制御することが可能となる。
レーザの発振状態によりガス温度が変化しても、より正確に圧力を制御することが可能となる。
排気のためのバイパスバルブや、開度が可変のバルブを設けることで、必要な時のみ排気速度を大きくし、消費ガス量を抑えつつ、ガス圧が設定ガス圧より高い場合でもガス圧制御を速くできる。
本発明の第1の実施形態に係るレーザ発振器の主要部の概略構成を示す図である。 CV差圧と供給ガス流量との関係を示すグラフである。 容器内ガス圧と排気ガス流量との関係を示すグラフである。 ガス圧の制御方法の一例を説明するグラフである。 ガス圧の制御手順の一例を示すフローチャートである。 ガス圧の制御方法の他の例を説明するグラフである。 ガス圧の制御手順の他の例を示すフローチャートである。 ガス圧の制御方法のさらなる他の例を説明するグラフである。 本発明の第2の実施形態に係るレーザ発振器の主要部の概略構成を示す図である。 図9の排気バルブのバルブ開度と、排気ガス流量との関係を示したグラフである。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るガスレーザ発振器10の主要部の概略構成を示す図である。レーザ発振器10は、レーザガスを収容するガス容器12と、図示しないレーザガス供給源からガス容器12に供給すべきレーザガスのガス流量を、開度の変化により調節可能なコントロールバルブ(以下、CVと略称する)14と、CV14の1次側(上流側)のレーザガス圧を検出する1次ガス圧センサ16と、CV14の2次側(下流側)のレーザガス圧を検出する2次ガス圧センサ18(図示例ではガス容器12内に配置)と、ガス容器12からレーザガスを吸引排気する真空ポンプ20と、ガス容器12内のレーザガス圧を制御するガス圧制御部22と、後述するデータテーブル記憶部24とを備える。なおガス容器12と真空ポンプ20との間には、オリフィス26を設けてもよい。
データテーブル記憶部24は、CV14の1次側のガス圧と2次側のガス圧との差圧(CV差圧)と、CV14の開度と、ガス容器12への供給ガス流量との関係を記憶した第1のデータテーブルと、CV14の2次側(ガス容器12内)のガス圧と、ガス容器12からの排気ガス流量との関係を記憶した第2のテーブルデータとを記憶する。また制御部22は、2次ガス圧センサ18により検出された2次側のガス圧値と設定ガス圧値の差にガス容器12の容積の値を乗算した値を一定時間で割ることで、該一定時間後に設定ガス圧に漸近するために必要なガス量変化率を求め、該ガス量変化率を得るためのバルブ開度を第1及び第2のデータテーブルに基づいて計算し、該バルブ開度となるようにCV14の開度を調節・制御する。
第1のデータテーブルは、1次ガス圧センサ16及び2次ガス圧センサ18を用いて、レーザガス供給時に採取されるデータにより生成できる。また、第2のデータテーブルは、容器12からレーザガスを排気するときに2次ガス圧センサ18を用いて採取されるデータから生成できる。なおデータテーブル記憶部24は、第1及び第2のデータテーブルの生成機能も具備してもよいし、他の手段で生成したデータテーブルを記憶する機能のみを備えていてもよい。
図2は、CV14からの流量の測定方法、及び所望の供給ガス流量を得る方法を説明する図である。ガス容器12にCV14を通してレーザガスを充填する場合、ガス温度は一定であると仮定すれば、CV14からの流量は、CV14の1次側圧力と2次側圧力の差圧(CV差圧)と、バルブ開度とから一意的に決まる。また、バルブ開度が一定であれば、ガス流量はCV差圧によって決まる。容積が既知のガス容器12にバルブ開度一定でガスを充填するとき、図2の関係と、CV差圧とガス容器12内のガス圧曲線の微分値から、あるバルブ開度に対するCV差圧とガス供給量の関係を求めることができる。図2のように、複数のバルブ開度に対するCV差圧とガス流量の関係を求めることで、任意のCV差圧に対して、所望のガス流量を得るためのバルブ開度を求めることができる。なお図2において%はバルブ開度を表し、括弧内のVは各開度に対応するCV14の操作電圧を表す。
ここで、CV14として電磁コイル式のコントロールバルブを使用する場合は、内部で使用される鉄心の残留磁気分極の影響により、操作電圧に対するバルブ開度にヒステリシスが生じ得るが、ヒステリシスについては無視又は何らかの補正を行うものとする。一方、位置フィードバック制御を行うサーボモータを用いてバルブ開度を制御する場合は、バルブ開度を正確に制御でき、ヒステリシスの考慮は不要である。
図3は、ガス容器12からの排気ガス流量の測定方法を説明する図である。ガス容器12に設けた排気バルブからの排気ガス流量の測定は図2と同様に、ガス排気時の排気曲線の微分値とガス容器12の容積から求められる。なお、排気バルブの1次側圧力は容器12内のガス圧であり、2次側圧力は真空ポンプ20の1次圧である。真空ポンプ20の排気容量が大きい場合、2次側圧力は流量によらず一定と近似できる。すなわち、図3のように排気ガス流量はほぼ容器12内のガス圧から一意的に決まると近似できる。
図4は、ガス圧の制御方法を説明する図であり、図5は該制御方法を説明するフローチャートである。容器内のガス量(ガス質量)の変化率は、供給ガス流量と排気ガス流量との差から求められる。なお供給ガス流量は図1で求められ、排気ガス流量は図2で求められる。容器内のガス圧Pの変化は、ガス量の変化率、ガス容器の容積及び気体の状態方程式から一意的に決まる。但し、ガス温度は一定と仮定する。容器内のガス量の所望の変化率を得るには、図3からその時点でのガス圧に対する排気ガス流量を求め、図2からその時点のCV差圧に対して必要な供給ガス流量を得るために必要なバルブ開度を求め、該バルブ開度となるようにCVを制御する。
図4において、図2及び図3の供給ガス流量と排気ガス流量のテーブルデータから時間T(数ミリ秒〜数秒程度)後に最もガス圧設定値に近づくガス流量となるバルブ開度を計算で求め、該バルブ開度となるようにCVを制御する。このバルブ開度の計算とバルブ開度制御は、予め定めたガス圧モニタ周期ごとに繰り返される。
具体的には、先ず、現在の容器内ガス圧値と設定ガスP0との差を計算する(図5のステップS1)。例えば時刻Taでは、容器内ガス圧P1と設定ガス圧P0との差はΔPとなる。次に、ΔT1後に設定ガス圧P0となるガス量変化率Aを計算し(図5のステップS2)、ガス容器内のガス圧と排気ガス流量のデータテーブルから、現在の排気ガス流量Bを計算する(図5のステップS3)。さらに、排気ガス流量がBであるときにガス量変化率Aとなるための供給ガス流量C(=A−B)を計算し(図5のステップS4)、CV差圧と供給ガス流量のデータテーブルから、最も供給ガス流量Cに近いガス供給量が得られるバルブ開度を求め、該バルブ開度となるようにCVを操作・制御する(図5のステップS5)。以降、所定のガス圧モニタ周期に相当する時間待機した後、ステップS1以降の処理を繰り返す(図5のステップS6)。
図4に示す例では、時刻t=Ta以前はバルブ開度が最大の状態であり、t=Ta以降はバルブの開度が最大未満である。また時刻t=Ta以降は、バルブ開度の制御周期間隔がΔT1に対してより短いほど、ガス圧Pを示すガス圧曲線は、以下の式(1)で表されるように指数関数に近い曲線となり、設定ガス圧値P0に漸近する。
P≒P0−(P0−P1)exp{(Ta−t)/ΔT1} (1)
図6は、バルブを開いてから一定時間経過後の計算上のガス圧と、実際のガス圧との間に差がある場合のフィードバック方法を説明する図であり、図7は該フィードバック方法を説明するフローチャートである。なお図7のステップS11〜S16までは図5のステップS1〜S6と同様でよいので、詳細な説明は省略する。
図7に示すように、ステップS16の次のステップS17において、処理開始からの経過時間が、供給ガス流量のデータテーブルを補正する周期として予め定めたΔT2の整数倍の時間であるかを判定し、整数倍でなければステップS11に戻り、整数倍であればステップS18に進む。ステップS18では、ある基準時間(図6ではT0)からΔT2時間後の計算上のガス変化量ΔDaに対する実際のガス変化量がΔDbであり、さらにΔT2時間後の計算上の排気ガス量ΔEaに対して、実際のガス圧に基づいて計算した排気ガス量をΔEbとしたときに、計算上の供給ガス量ΔSaを以下の式(2)により求め、ΔT2時間後に測定されたガス圧を基にして計算したガス供給量ΔSbを、以下の式(3)により求める。
ΔSa=ΔDa+ΔEa (2)
ΔSb=ΔDb+ΔEb (3)
次に、ΔSb/ΔSaをΔT2周期毎に供給ガス流量のデータテーブルの値に乗算してテーブルデータを補正することにより、フィードバックを行う。ここで、ΔT2は図4のΔT1と等しくてもよいし、異なってもよい。
図8は、フィードバック方法の他の例を説明する図である。他のフィードバック方法として、基準時間T0に対してΔT2時間後の計算上のガス圧変化量ΔPaに対し、実際のガス圧変化がΔPbであった場合、供給ガス流量の差分(ΔPb−ΔPa)×V/ΔT2を供給ガス流量のデータテーブルの値に足して補正する。或いは他の補正の方法として、(ΔPa/ΔPb)を、供給ガス流量及び排気ガス流量のテーブルデータに掛けて補正してフィードバック制御してもよい。
ここで、ΔT2時間後における計算上のガス圧変化量ΔPaの計算について説明する。バルブ開度の制御時間間隔をΔT3=ΔT2/N(Nはある自然数)として、時刻Tにおいて計算したガス流量をF(T)とすると、ΔT3後のガス変化量はF(T)×ΔT3となるので、ΔT2後のガス変化量ΔDは、以下の式(4)で表される。
ΔD=ΣF(T0+k×ΔT3)×ΔT3 (k=0〜N) (4)
ガス変化量ΔDが求まれば、既知の容器の体積と気体の状態方程式を用いてガス圧変化量ΔPaを求めることができる。なお、ガス温度は一定と近似する。
図9は、第2の実施形態に係るレーザ発振器10′のハードウェア構成である。第2の実施形態が図1に記載した第1の実施形態と異なる点は、ガス容器12と真空ポンプ20との間の配管に、排気ガス流量を変えられる排気バルブ28を設けたことであり、図示例では排気バルブ28はオリフィス26と並列に(オリフィス26をバイパスするように)配置されている。排気バルブ28により、容器12内のガス圧が設定ガス圧より高い場合には、排気ガス流量を増加させることができ、これにより、消費ガス流量を抑えつつ、ガス圧制御を速くすることができる。
図10は、図9の排気バルブ28を可変バルブにした場合のバルブ開度と、排気ガス流量の関係を示すグラフである。なお排気バルブ28はオリフィス26と並列配置されているので、排気バルブ28のバルブ開度が0%であっても、排気ガス流量はゼロとならない。
第1及び第2の実施形態において、制御部22は、第1又は第2のテーブルデータの初期値からの補正量があらかじめ決めた範囲を超えた場合は、ガス圧の制御方法を切替えるか、アラーム信号を外部に出力するようにしてもよい。また制御部22は、レーザ出力を変更する際に、ガス温度の上昇により生じる圧力増加分を予測し、予めその変化分を相殺するようにCVを制御してもよい。
CV14の1次側にガス温度をモニタする装置(図示せず)を設け、CV14の1次側のガス温度を検知し、第1のデータテーブルの作成時の絶対温度と、CV14の1次側の絶対温度の比を第1のデータテーブルに乗算することにより、第1のデータテーブルのデータを補正するようにしてもよい。
また、ガス容器12内の温度をモニタする装置(図示せず)を設け、第1のデータテーブルと第2のデータテーブルの作成時の絶対温度と、ガス容器12内の絶対温度の比を第1のデータテーブルと第2のデータテーブルにそれぞれ乗算することにより、第1及び第2のデータテーブルを補正するようにしてもよい。
本願発明では、PI制御ではなく、設定ガス圧に到達するために必要なガス変化量を定量的に計算して制御を行うので、常時、最適なコントロールバルブの開度を得ることができ、ガス圧を高速に制御することが可能である。また本願発明はPID制御でもなく、ガスの流量を定量的に制御し、ガス圧を制御するものである。
以上、述べてきたように、CVから供給されるレーザガスの流量は、ガス温度が一定であると近似すれば、CVの1次圧と2次圧の差圧、及びCVの開度で決まるので、本発明では予め、CVの開度及び差圧とガス流量との関係をテーブルデータとして用意・記憶しておく。また、排気ポンプの排気容量と排気弁までの配管径が十分大きく、ガス温度が一定であると近似すれば、排気弁から排気されるガス流量は近似的にガス容器内の圧力で決まるので、容器内ガス圧と排気ガス流量との関係をテーブルデータとして用意・記憶しておく。この2つのテーブルデータを用いることにより、所望のガス量の変化率(=供給ガス流量−排気ガス流量)を得るために必要なバルブの開度を求めることができる。
ここで、供給ガス流量は、ガス温度が一定であると近似すれば、排気を行わないでガス供給のみを行う場合のガス圧(2次圧)変化曲線の微分値と容器の容積から求めることができる。また、複数のバルブ開度において、1次圧と2次圧の時間変化の測定を行えば、バルブ開度に対するガス供給量のテーブルデータを作成できる。また、排気ガス流量は、上記と同様にガスの供給を行わないで、ガスの排気のみを行う場合のガス圧曲線の微分値と容器の容積から求めることができ、ガス圧に対する排気ガス流量のテーブルデータを作成可能である。これらのデータはコンピュータ等を用いて自動で測定し、自動でテーブルデータを作成することも可能である。なお、テーブルデータの隣り合うデータの間は直線や適当な曲線、若しくは、3次元座標で表した場合には、平面や適当な曲面により補間するものとする。
ガス圧制御は、現在のガス圧と設定ガス圧の差に対して、一定時間後に最もガス圧設定値に近づくガス変化率となるコントロールバルブ開度をテーブルデータから計算で求め、バルブ開度を制御する。この計算・及びコントロールバルブの制御をガス圧のモニタ周期ごとに行うことで、ガス圧を高速に制御することができる。
なお、計算で予測される一定時間後のガス圧とモニタされる実際のガス圧との偏差量を供給ガス流量と排気ガス流量のテーブルデータにフィードバックして制御することや、直接コントロールバルブ開度にフィードバックして制御することもできる。この際、フィードバック値が予め定めておいた範囲から逸脱した場合、何らかの部品故障や、異常と判断してアラーム状態としても良いし、従来のPID制御に切り替えてもよい。
また、一般的に、制御部からのバルブの制御指令に対して、実際にガス圧が変化するまでには、通信遅延やその他、応答遅れの要因がある。フィードバック制御する場合、その遅延を考慮して制御すると、さらに正確な制御が可能となる。また、レーザ出力変更時のガス温度の変化に伴うガス圧の変化など、事前にガス圧変動幅が予測される場合、所望のガスの変化率を得るために必要なバルブの開度が分かるので、応答遅れを考慮して、予め、予測されるガス圧変化分を相殺するようにガス変化率を調整するようにフィードフォワード制御することも可能である。
排気弁の開度が固定の場合、排気弁の開度が大きいと、排気速度は大きいが、ガス圧を一定に保つためには、供給ガス流量を多くする必要があり、レーザ発振器の消費ガス量が多くなる問題がある。逆に、排気弁の開度を小さく設定すると、レーザ発振器の消費ガス量は小さくなるが、排気速度が小さい為、設定ガス圧よりガス圧が大きい場合、設定ガス圧に到達するまでの時間を多く要する問題がある。排気バルブの開度も可変とすれば、必要な時のみ排気速度を大きくすることで、消費ガス量を抑えつつ、ガス圧が設定ガス圧より高い場合でもガス圧制御を速くできる。
10、10’ レーザ発振器
12 ガス容器
14 コントロールバルブ
16 1次ガス圧センサ
18 2次ガス圧センサ
20 真空ポンプ
22 制御部
24 データテーブル記憶部
26 オリフィス
28 排気バルブ

Claims (7)

  1. レーザガスを収容するガス容器と、
    前記ガス容器に供給するレーザガスのガス流量を、開度調節により調節可能なコントロールバルブと、
    前記コントロールバルブの1次側と2次側の圧力を検知するガス圧センサと、
    前記ガス容器からレーザガスを吸引排気する真空ポンプと、
    前記ガス容器内のレーザガスの圧力を制御するガス圧制御部と、を備え、
    前記ガス圧制御部は、前記1次側のガス圧と前記2次側のガス圧との差圧、前記コントロールバルブの開度、及び前記ガス容器内への供給ガス流量との関係を記憶した第1のデータテーブルと、前記2次側のガス圧及び排気ガス流量の関係を記憶した第2のデータテーブルとを備え、前記2次側の圧力を検出する装置により検出された2次側のガス圧値と設定ガス圧値の差に前記ガス容器の容積の値を乗算した値を一定時間で割ることで、該一定時間後に設定ガス圧に近づくために必要なガス量変化率を求め、該ガス量変化率と前記第1及び第2のデータテーブルから前記コントロールバルブの開度を求める、ガスレーザ発振器。
  2. 前記ガス圧制御部は、ガス圧制御を開始してから、一定時間後に計算で予測されるガス圧値とモニタされるガス圧値の偏差に基づいて前記第1及び第2のデータテーブルのデータを補正するフィードバック制御によりガス圧を制御する、請求項1に記載のガスレーザ発振器。
  3. 前記第1のデータテーブルのデータ又は前記第2のデータテーブルのデータの初期値からの補正量があらかじめ決めた範囲を超えた場合、ガス圧の制御方法を切替えるか、アラーム信号を外部に出力する、請求項2に記載のガスレーザ発振器。
  4. レーザ出力を変更する際に、ガス温度の上昇により生じる圧力増加分を予測し、予めその変化分を相殺するように前記コントロールバルブを制御する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のガスレーザ発振器。
  5. 前記コントロールバルブの1次側にガス温度をモニタする装置を設け、前記コントロールバルブの1次側のガス温度を検知し、前記第1のデータテーブルの作成時の絶対温度と、前記コントロールバルブの1次側の絶対温度の比を該第1のデータテーブルに掛けることにより、該第1のデータテーブルのデータを補正する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のガスレーザ発振器。
  6. 前記ガス容器内の温度をモニタする装置を設け、前記第1のデータテーブルと前記第2のデータテーブルの作成時の絶対温度と、前記ガス容器内の絶対温度の比を該第1のデータテーブルと該第2のデータテーブルにそれぞれ掛けることにより、該第1及び第2のデータテーブルを補正する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のガスレーザ発振器。
  7. 前記ガス容器から前記真空ポンプにより、ガスを吸引する配管に排気ガス流量を変えられる排気バルブを設け、前記ガス容器内の圧力が設定値より大きい場合には、排気ガス流量を増加させる、請求項1〜6のいずれか1項に記載のガスレーザ発振器。
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