JPWO2015029352A1 - 検出装置 - Google Patents
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Abstract
本出願は、励起光を出射する光源と、検体が収容された収容部と、前記励起光を受け、前記検体を照らすエバネセント光を生じさせる金属膜と、前記金属膜への前記励起光の入射角を調整する変調部と、前記変調部を駆動する駆動信号を生成する駆動部と、前記エバネセント光の照射を受けて前記検体から生じた蛍光の強度に応じた蛍光信号を出力する検出部と、前記蛍光信号から前記検体由来の信号成分を抽出する抽出部と、を備える検出装置を開示する。前記入射角は、前記駆動信号の変化に応じて変化する。前記抽出部は、前記駆動信号の前記変化に同期して変化する同期信号成分を、前記信号成分として抽出する。
Description
本発明は、表面プラズモン蛍光分光法(Surface Plasmon Fluorescence Spectroscopy:SPFS法)に基づいて、検出対象物質を検出する検出装置に関する。
バイオテクノロジの分野において、微量の物質を高感度に検出及び/又は測定するための様々な技術が提案されている。表面プラズモン共鳴によって増強された蛍光を検出する表面プラズモン蛍光分光法(以下、SPFS法と称される)は、高感度な検出技術のうち1つとして知られている。
SPFS法は、励起光としてレーザ光を出射する光源を利用する。レーザ光は、プリズムの表面に取り付けられた金属薄膜に、全反射条件下で入射する。金属薄膜へのレーザ光の入射角は、金属薄膜の表面の近傍で、表面プラズモン共鳴が生ずるように調整される。表面プラズモン共鳴の結果、エバネセント光の電場が増強される。
検出対象物質は、蛍光物質を用いて標識化される。検出対象物質を含む検体は、金属薄膜の表面の近傍に配置される。表面プラズモン共鳴の下で増強された電場は、検出対象物質から生ずる蛍光を増強することができる。SPFS法は、検出対象物質からの増強された蛍光を検出及び/又は測定する技術である。
エバネセント光の電場が最も増強される入射角は、共鳴角と称される。共鳴角は、励起光の波長、プリズムの屈折率、金属薄膜の屈折率、金属薄膜の厚さ及び金属薄膜の近傍に存在する検出対象物質の屈折率に依存する。
測定者が、金属薄膜からの反射光の強度に関する入射角依存性を測定するならば、測定者は、共鳴角の近くでの反射光の強度の急激な減衰を観察することができる。測定者が、検出対象物質からの蛍光の強度に関する入射角依存性を測定するならば、測定者は、共鳴角の近くでの蛍光の強度の急激な増大(共鳴曲線と称される)を観察することができる。これらの現象は、よく知られている。
SPFS法は、検出対象物質からの蛍光を検出する検出器が用いられる。検出器は、実際の測定において、検出対象物質に由来する蛍光だけでなく、他の因子に由来する光(不要光)をも検出する。励起光がプリズムといった光学部品を通過するときに光学部品の内部で発生する自家蛍光は、不要光を生じさせる因子として例示される。SPFS法において用いられる装置の内部で散乱した励起光が、金属薄膜の表面から離れた位置に存在する検出対象物質に照射されるならば、金属薄膜の表面から離れた位置に存在する検出対象物質から発生する蛍光も不要光になる。
上述の如く、様々な因子によって引き起こされる不要光は、測定誤差やノイズに帰結することもある。したがって、SPFS法によって検出対象物質を検出するための感度を向上させるためには、検出器へ入射する不要光を低減することが重要である。
特許文献1は、不要光の影響を低減する技術を提案する。特許文献1によれば、励起光の偏光方向が変調される。検出器から出力された蛍光信号は、偏光方向の変調信号を用いて同期検波される。
不要光が、励起光の偏光方向に依存する成分を含むならば、上述の技術は、不要光の影響を十分に排除することができない。この場合、上述の技術は、蛍光の強度を正確に測定することができない。
本発明は、蛍光の強度を正確に測定することができる検出装置を提供することを目的とする。
本発明の一の局面に係る検出装置は、励起光を出射する光源と、検体が収容された収容部と、前記励起光を受け、前記検体を照らすエバネセント光を生じさせる金属膜と、前記金属膜への前記励起光の入射角を調整する変調部と、前記変調部を駆動する駆動信号を生成する駆動部と、前記エバネセント光の照射を受けて前記検体から生じた蛍光の強度に応じた蛍光信号を出力する検出部と、前記蛍光信号から前記検体由来の信号成分を抽出する抽出部と、を備える。前記入射角は、前記駆動信号の変化に応じて変化する。前記抽出部は、前記駆動信号の変化に同期して変化する同期信号成分を、前記信号成分として抽出する。
上述の検出装置は、蛍光の強度を正確に測定することができる。
本発明の目的、特徴及び利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
例示的な検出装置の様々な実施形態が、図面を参照して説明される。以下に説明される実施形態において、同一の構成要素に対して同一の符号が付されている。説明の明瞭化のため、重複する説明は省略される。図面に示される構成、配置或いは形状並びに図面に関連する記載は、単に本実施形態の原理を容易に理解させることを目的とする。したがって、以下の実施形態の原理は、これらに何ら限定されない。「上」、「下」、「左」や「右」といった方向を表す用語は、単に、説明の明瞭化を目的とする。したがって、これらの用語は、限定的に解釈されるべきものではない。
<本発明者等によって見出された従来技術の問題点>
本発明者等は、従来の検出技術を研究し、様々な課題を見出した。後述の様々な実施形態によって説明される検出装置は、これらの課題を解消すべく開発されている。
本発明者等は、従来の検出技術を研究し、様々な課題を見出した。後述の様々な実施形態によって説明される検出装置は、これらの課題を解消すべく開発されている。
図15は、特許文献1の検出装置900の概略図である。図15を参照して、検出装置900が有する課題が説明される。
検出装置900は、光源910と、偏光変調器920と、プリズム930と、金属薄膜940と、検体セル950と、検出器960と、偏光制御部970と、信号処理部980と、を備える。光源910は、励起光PLを偏光変調器920へ出射する。励起光PLは、偏光変調器920を通過し、プリズム930に入射する。プリズム930は、励起光PLを屈折させる。金属薄膜940は、プリズム930の表面上に形成される。金属薄膜940は、プリズム930と検体セル950との間に位置する。プリズム930によって屈折された励起光PLは、金属薄膜940に向けて伝搬する。金属薄膜940は、励起光PLを全反射する。
検体セル950は、検体(図示せず)を収容する。検体は、蛍光物質(図示せず)を用いて標識化された検出対象物質(図示せず)を含む。金属薄膜940への励起光PLの照射の結果、金属薄膜940の近くに存在する検出対象物質から蛍光FLが発生する。
検出器960は、蛍光FLを受光し、蛍光FLの強度を表す蛍光信号FLSを生成する。蛍光信号FLSは、検出器960から信号処理部980へ出力される。
偏光制御部970は、偏光変調信号PMSを生成する。偏光変調信号PMSは、偏光制御部970から偏光変調器920及び信号処理部980へ出力される。偏光変調信号PMSは、正弦波、三角波や方形波状の信号波形を有してもよい。
偏光変調器920は、偏光変調信号PMSに応じて、励起光PLの偏光方向を変調する。信号処理部980は、蛍光信号FLSを、偏光変調信号PMSを用いて同期検波する。信号処理部980として、例えば、ロックインアンプが用いられてもよい。この場合、偏光変調信号PMSは、ロックインアンプの参照信号として利用される。蛍光信号FLSは、ロックインアンプの入力信号として利用される。この結果、偏光方向の変調に同期して信号する信号成分は、蛍光信号FLSから選択的に抽出されることとなる。
偏光変調器920が、偏光変調信号PMSに応じて、励起光PLの偏光方向を周波数fで変調するならば、蛍光信号FLSは、周波数fで変動する信号成分Lfと、周波数fで変動しない信号成分Lsと、を含む。信号処理部980は、信号成分Lfを選択的に抽出する。信号処理部980は、信号成分Lsを除去することができるので、検出装置900は、偏光方向の変調に無関係な不要光の影響を受けることなく、蛍光FLの強度を測定することができる。検体に含まれる検出対象物質の量は、蛍光FLの強度から算出される。
不要光は、偏光方向の変調に同期する成分を含むこともある。プリズム930の透過率が、励起光PLの偏光方向に依存するならば、プリズム930内で発生する自家蛍光も励起光PLの偏光方向の変調に同期する。したがって、信号処理部980は、プリズム930内で発生する自家蛍光に由来する信号成分を適切に除去することはできない。
図16は、信号処理部980が生成する検波信号の特性を表すグラフである。図15及び図16を参照して、従来技術の課題が更に説明される。
図16のグラフの横軸は、金属薄膜940への励起光PLの入射角を表す。図16のグラフの縦軸は、検波信号の大きさを表す。
図16のグラフは、共鳴角を、記号「θres」で表す。入射角が、共鳴角θresに一致するとき、検波信号は、ピークになる。入射角が、共鳴角θresに一致するように、プリズム930、金属薄膜940、検体セル950及び検出器960の向きは設定される。この結果、大きな検波信号が得られることになる。
図16に示される検波信号は、オフセット成分Poffを含む。オフセット成分Poffは、偏光方向の変調に同期する不要光に起因する。したがって、検波信号は、検体中の検出対象物質の量を正確に表すことができない。
<第1実施形態>
本発明者等は、オフセット成分が除去された検波信号を生成する技術を開発した。第1実施形態において、検体中の検出対象物質の量を正確に表すことができる検波信号を生成することができる検出装置が説明される。
本発明者等は、オフセット成分が除去された検波信号を生成する技術を開発した。第1実施形態において、検体中の検出対象物質の量を正確に表すことができる検波信号を生成することができる検出装置が説明される。
図1は、第1実施形態の検出装置100の概略的なブロック図である。図1を参照して、検出装置100が説明される。
検出装置100は、光源200と、入射角変調部300と、金属薄膜410と、収容部420と、検出部510と、抽出部520と、駆動部530と、を備える。光源200は、励起光PLを、入射角変調部300に向けて出射する。励起光PLは、レーザ光であってもよい。金属薄膜410からエバネセント光ELを発生させることができる様々な種類の光が励起光PLとして利用可能である。本実施形態の原理は、光源200の特定の種類に限定されない。
駆動部530は、駆動信号DRSを生成する。駆動信号DRSは、駆動部530から入射角変調部300及び抽出部520へ出力される。駆動信号DRSは、正弦波、三角波や方形波状の信号波形を有してもよい。代替的に、駆動信号DRSは、パルス信号であってもよい。本実施形態の原理は、駆動信号DRSの特定の信号波形に限定されない。
入射角変調部300は、駆動信号DRSによって駆動され、金属薄膜410への励起光PLの入射角θを変化させる。したがって、入射角θは、駆動信号DRSの変化に応じて変化する。本実施形態において、変調部は、入射角変調部300によって例示される。
入射角変調部300は、励起光PLを反射する反射部材(図示せず)、励起光PLを屈折させるレンズ部(図示せず)や他の様々な光学素子を含んでもよい。反射部材は、1つのガルバノミラーであってもよい。代替的に、反射部材は、複数のガルバノミラーであってもよい。更に代替的に、反射部材は、ポリゴンミラー、音響光学変調器、電気光学変調器や電気信号に応じて励起光PLの光路を変化させることができる他の光学素子であってもよい。レンズ部は、1つのレンズ素子を含んでもよい。代替的に、レンズ部は、複数のレンズ素子を含んでもよい。本実施形態の原理は、入射角変調部300の特定の構造に限定されない。
励起光PLは、入射角変調部300によって変調された入射角θで、金属薄膜410へ入射する。金属薄膜410は、励起光PLの照射下で、エバネセント光ELを発生させる。金属薄膜410は、エバネセント光ELを生じさせることができる様々な金属(例えば、Au、Ag、Ag合金やAl)から形成されてもよい。金属薄膜410は、エバネセント光ELを生じさせることができる厚さに形成される。金属薄膜410は、積層構造(例えば、AuとCrとの積層薄膜やAuとTiとの積層薄膜)を有してもよい。本実施形態の原理は、金属薄膜410の特定の材料、特定の寸法や特定の構造に限定されない。本実施形態において、金属膜は、金属薄膜410によって例示される。
収容部420は、検出対象物質(図示せず)を含む検体(図示せず)を収容する。検出対象物質は、蛍光物質によって蛍光標識されてもよい。収容部420は、検出対象物質から生じた蛍光に対して透明な材料から形成される。収容部420は、SPFS法による蛍光検出に利用される一般的な検体セルであってもよい。本実施形態の原理は、収容部420の特定の材質や特定の構造に限定されない。
検体は、エバネセント光ELの照射下で、蛍光FLを発することができる様々な物質であってもよい。例えば、検体は、蛍光標識処理を受けたDNAを含む溶液であってもよい。この場合、検出対象物質は、DNAであってもよい。代替的に、検出対象物質は、バイオマーカといったタンパク質や化学物質であってもよい。金属薄膜410の表面の近くに配置することができ、且つ、励起光PLの照射の下で蛍光FLを発する様々な物質が検出対象物質として利用され得る。本実施形態の原理は、検体及び検出対象物質の特定の種類に限定されない。
検出装置100を用いて検出対象物質の量を測定する使用者は、様々な技術を用いて、検出対象物質を金属薄膜410の表面の近くに配置することができる。ビオチンとストレプトビアジンとの結合、DNAのハイブリタイゼーションやタンパク質の抗原抗体反応といった結合技術は、金属薄膜410の表面の近傍への検出対象物質の配置に好適に利用可能である。代替的に、検出対象物質は、金属薄膜410の表面の近傍で浮遊していてもよい。本実施形態の原理は、検出対象物質を金属薄膜410の表面の近くに配置するための特定の技術に限定されない。
検出対象物質は、液体中に存在していてもよい。代替的に、検出対象物質は、気体中に存在してもよい。したがって、本実施形態の原理は、検出対象物質の特定の存在状態に限定されない。
エバネセント光ELの照射下で検体から生じた蛍光FLは、検出部510へ伝搬する。検出部510は、蛍光FLの強度に応じた蛍光信号FLSを生成する。蛍光FLが強いならば、蛍光信号FLSは、大きな値を示してもよい。蛍光FLが弱いならば、蛍光信号FLSは、低い値を示してもよい。蛍光信号FLSは、検出部510から抽出部520へ出力される。検出部510は、SPFS法による蛍光検出に利用される一般的なフォトマルチプライヤであってもよい。本実施形態の原理は、検出部510として用いられる特定の装置に限定されない。
抽出部520は、検出部510から蛍光信号FLSを受け取り、且つ、駆動部530から駆動信号DRSを受け取る。抽出部520は、駆動信号DRSの変化に同期して変化する同期信号成分を、検体由来の信号成分として蛍光信号FLSから抽出する。上述の従来技術とは異なり、抽出部520は、入射角の変調に同期する信号成分を抽出するので、抽出された信号成分は、検出装置100に用いられる光学素子の光学的特性(例えば、プリズムの透過率)に起因する不要光の影響を受けにくい。したがって、検出装置100は、検出対象物質を正確に検出することができる。
<第2実施形態>
第1実施形態に関連して説明された検出装置は、様々な制御の下で、検出対象物質を正確に検出することができる。第2実施形態において、検出装置の例示的な制御が説明される。
第1実施形態に関連して説明された検出装置は、様々な制御の下で、検出対象物質を正確に検出することができる。第2実施形態において、検出装置の例示的な制御が説明される。
図2Aは、駆動信号DRSの概略的なグラフである。図2Bは、抽出部520によって処理される蛍光信号FLSを概念的に表すグラフである。図2Cは、抽出部520が出力する検波信号DTSの概略的なグラフである。図1乃至図2Cを参照して、検出装置100の例示的な制御技術が説明される。
図2Aに示される如く、駆動信号DRSは、正弦波状の波形を有してもよい。駆動信号DRSの振幅は、略一定であるので、入射角θの変動範囲は、略一定である。
入射角θの変動に応じて、エバネセント光ELの強さも変化する。したがって、収容部420から発せられる蛍光FLの強さも、入射角θの変動に応じて変化する。収容部420から発せられる蛍光FLは、不要光を含むこともある。したがって、検出部510は、不要光由来の信号成分(以下、ノイズ成分と称される)を含む蛍光信号FLSを出力する。
図2Bのグラフは、入射角θの変動に起因して変化する信号成分を実線で表す。ノイズ成分は、図2Bのグラフにおいて、点として概念的に表されている。抽出部520は、駆動部530から受け取った駆動信号DRSを参照して、駆動信号DRSの変動周波数と一致する周波数で変化する信号成分(実線)を、同期信号成分として、蛍光信号FLSから抽出する。抽出部520は、他の信号成分をノイズ成分として処理する。
図2Bのグラフは、同期信号成分の振幅を記号「ΔF」で表す。抽出部520は、同期信号成分を処理し、同期信号成分の振幅ΔFを算出する。
抽出部520は、算出された振幅ΔFに所定の増幅係数Kを掛け、検波信号DTSを生成する。したがって、検波信号DTSは、入射角θの変化に起因する蛍光信号FLSの変化量に比例する大きさを表すことができる。
<第3実施形態>
設計者は、第1実施形態に関連して説明された設計原理に基づいて、様々な検出装置を設計することができる。第3実施形態において、例示的な検出装置が説明される。
設計者は、第1実施形態に関連して説明された設計原理に基づいて、様々な検出装置を設計することができる。第3実施形態において、例示的な検出装置が説明される。
図3は、第3実施形態の検出装置100Aの概略図である。図1及び図3を参照して、検出装置100Aが説明される。
検出装置100Aは、光源200Aと、変調機構300Aと、金属薄膜410Aと、検体セル420Aと、検出器510Aと、信号検波器520Aと、変調信号発生器530Aと、を備える。光源200Aは、図1を参照して説明された光源200に対応する。変調機構300Aは、図1を参照して説明された入射角変調部300に対応する。金属薄膜410Aは、図1を参照して説明された金属薄膜410に対応する。検体セル420Aは、図1を参照して説明された収容部420に対応する。検出器510Aは、図1を参照して説明された検出部510に対応する。信号検波器520Aは、図1を参照して説明された抽出部520に対応する。
検出装置100Aは、プリズム430と、算出器540と、を更に備える。第1実施形態と同様に、光源200Aは、励起光PLを出射する。プリズム430は、第1面431と、第2面432と、を含む。励起光PLは、変調機構300Aを通じて伝搬し、第1面431に入射する。
金属薄膜410Aは、第2面432上に形成されてもよい。代替的に、金属薄膜410Aは、プリズム430とは別に用意された透明部材上に形成されてもよい。この場合、透明部材は、第2面432に固定される。本実施形態の原理は、金属薄膜410Aの特定の形成技術に限定されない。
検体セル420Aは、金属薄膜410A上で固定される。励起光PLは、第1面431で屈折され、第2面432上の金属薄膜410Aに向かう。検体セル420Aと第2面432との間に形成された金属薄膜410Aが、励起光PLによって照射されると、金属薄膜410Aからエバネセント光が発生する。金属薄膜410Aの近傍に位置する検出対象物質は、エバネセント光の存在下で蛍光FLを発生させる。
検出器510Aは、蛍光FLを受ける。検出器510Aは、蛍光FLの強度を表す蛍光信号FLSを生成する。蛍光信号FLSは、検出器510Aから信号検波器520Aへ出力される。
変調信号発生器530Aは、変調信号MDSを生成する。変調信号MDSは、変調信号発生器530Aから信号検波器520A及び変調機構300Aへ出力される。変調信号MDSは、図1を参照して説明された駆動信号DRSに対応する。
信号検波器520Aは、第2実施形態に関連して説明された制御原理に基づいて、変調信号MDSを参照し、蛍光信号FLSから同期信号成分を抽出することができる。信号検波器520Aは、同期信号成分を用いて、検波信号DTSを生成する。検波信号DTSは、信号検波器520Aから算出器540へ出力される。
算出器540は、検波信号DTSから検出対象物質の量を算出する。算出器540は、検波信号DTSの大きさと検出対象物質の量との関係を表す基準データを予め格納してもよい。算出器540は、検波信号DTSと基準データとを用いて、検出対象物質の量を出力することができる。本実施形態の原理は、算出器540が実行する特定の演算処理に限定されない。検出対象物質の量の算出のために、検波信号DTSを利用した様々な演算技術が用いられてもよい。
算出器540は、一般的なコンピュータデバイスであってもよい。本実施形態の原理は、算出器540として利用される特定の装置に限定されない。
変調機構300Aは、ガルバノミラー310と、レンズ320と、を含む。光源200Aは、励起光PLをガルバノミラー310へ向けて出射する。ガルバノミラー310は、励起光PLをレンズ320へ反射する。励起光PLは、レンズ320を通過し、プリズム430の第1面431へ入射する。本実施形態において、反射部は、ガルバノミラー310によって例示される。レンズ部は、レンズ320によって例示される。
ガルバノミラー310は、反射ミラー311と、駆動モータ312と、を含む。変調信号MDSは、変調信号発生器530Aから駆動モータ312へ出力される。駆動モータ312は、変調信号MDSに応じて反射ミラー311を回転往復運動させる。励起光PLは、反射ミラー311へ入射する。励起光PLの反射方向は、反射ミラー311の回転往復運動によって変化されるので、変調機構300Aは、第1光路FOPと、第2光路SOPと、を規定することができる。励起光PLの光路は、第1光路FOPと第2光路SOPとの間で変化する。
レンズ320は、励起光PLを屈折させる。この結果、第1光路FOPと第2光路SOPとの間で位置的に変化する励起光PLは、金属薄膜410A上の所定位置へ伝搬することができる。励起光PLが、ガルバノミラー310からレンズ320に近づくにつれて、第2光路SOPは、第1光路FOPから離れる一方で、励起光PLが、レンズ320から金属薄膜410Aに近づくにつれて、第2光路SOPは、第1光路FOPに近づく。この結果、第2光路SOPは、第1光路FOPに金属薄膜410A上で合致することになる。励起光PLが、金属薄膜410A上で位置的に安定するように、検出装置100Aを設計する設計者は、レンズ320の屈折率、レンズ320とガルバノミラー310との間の位置関係や反射ミラー311の回転角といった光学的パラメータを決定する。
励起光PLの光路は、第1光路FOPと第2光路SOPとの間で変化するので、金属薄膜410Aへの励起光PLの入射角も変化する。この結果、検体セル420A内に収容された検体から発せられた蛍光FLの強さは、入射角の変化に同期して変化する。検出器510Aは、蛍光FLを受け、蛍光FLの強さを表す蛍光信号FLSを生成する。
上述の如く、変調信号MDSは、駆動モータ312だけでなく、信号検波器520Aにも出力される。したがって、信号検波器520Aは、変調信号MDSを参照し、励起光PLの入射角の変化に同期して変化する信号成分を、検出器510Aから出力された蛍光信号FLSから抽出することができる。信号検波器520Aは、励起光PLの入射角の変化に同期して変化する信号成分の振幅を表す検波信号DTSを生成する。検波信号DTSは、算出器540へ出力される。蛍光信号FLSから検波信号DTSへの変換技術は、第2実施形態の原理に依拠してもよい。
<第4実施形態>
第3実施形態に関連して説明された検出装置は、様々な光学的設定の下で動作してもよい。信号検波器が大きな値の検波信号を出力するように、検出装置を使用する使用者は、検出装置の光学的設定を決定してもよい。検波信号が大きな値を有するならば、算出器は、検出対象物質の量を正確に算出することができる。第4実施形態において、検出装置の例示的な光学的設定が説明される。
第3実施形態に関連して説明された検出装置は、様々な光学的設定の下で動作してもよい。信号検波器が大きな値の検波信号を出力するように、検出装置を使用する使用者は、検出装置の光学的設定を決定してもよい。検波信号が大きな値を有するならば、算出器は、検出対象物質の量を正確に算出することができる。第4実施形態において、検出装置の例示的な光学的設定が説明される。
図4は、プリズム430の周囲の検出装置100Aの概略的な拡大図である。図3及び図4を参照して、検出装置100Aの光学的な設定が説明される。
図4は、第1入射角θ1(θ1>0)と第2入射角θ2(θ2>0)とを示す。第1光路FOPに沿って伝搬する励起光PLは、第1入射角θ1で金属薄膜410Aに入射する。第2光路SOPに沿って伝搬する励起光PLは、第2入射角θ2で金属薄膜410Aに入射する。第2入射角θ2は、第1入射角θ1とは異なる値に設定される。図4において、第2入射角θ2は、第1入射角θ1よりも大きい。代替的に、第2入射角θ2は、第1入射角θ1よりも小さくてもよい。本実施形態の原理は、第1入射角θ1と第2入射角θ2との間の大小関係によっては何ら限定されない。
図4は、入射角の変調振幅Δθを示す。第3実施形態に関連して説明された如く、変調振幅Δθは、ガルバノミラー310の回転角によって規定される。変調振幅Δθは、以下の数式によって表されてもよい。
図4は、金属薄膜410Aに対する励起光PLの平均入射角θavを示す。平均入射角θavは、変調振幅Δθが「0」に設定されたときの基準入射角として考えられてもよい。平均入射角θavは、以下の数式によって表されてもよい。
検出対象物質からの蛍光FLは、表面プラズモン共鳴によって発生される。蛍光FLの強さは、共鳴角の近くで急激に増大する。したがって、使用者が、平均入射角θavを共鳴角の近くに設定するならば、入射角の変調に対応して、検出対象物質からの蛍光FLの強度は敏感に変化する。この場合、検波信号DTSは、大きな値を有することができる。
図5Aは、入射角と蛍光信号FLSの大きさとの関係を概略的に表すグラフである。図3乃至図5Aを参照して、検出装置100Aの光学的な設定が更に説明される。
図5Aのグラフの横軸は、入射角を示す。図5Aのグラフの縦軸は、蛍光信号FLSの大きさを示す。検出装置100Aを使用する使用者は、変調機構300Aを停止させる一方で、金属薄膜410A、検体セル420A、プリズム430及び検出器510Aを一体的に回転させてもよい。この結果、金属薄膜410Aへの入射角は変化するので、使用者は、図5Aに示されるグラフを得ることができる。
使用者は、図5Aのグラフから、蛍光信号FLSがピークとなる入射角を見極めることができる。蛍光信号FLSがピークとなる入射角は、共鳴角θresである。
図5Aのグラフから、蛍光信号FLSは、入射角の変化に無関係な信号成分Foffを含むことが分かる。検出装置100Aは、蛍光信号FLSと変調信号MDSとの間の同期検波技術を用いて、信号成分Foffを適切に除去することができる。
使用者は、図5Aのグラフにおいて、蛍光信号FLSの変化率が高い入射角の範囲に、入射角の変動範囲を設定してもよい。適切に設定された変動範囲において、入射角が、変調振幅Δθだけ変化すると、図5Aに示される如く、蛍光信号FLSの大きさは、「ΔF」だけ変化する。信号検波器520Aは、蛍光信号FLSと変調信号MDSとの間の同期検波技術を用いて、「ΔF」だけ変化する信号成分を、蛍光信号FLSから選択的に抽出することができる。測定対象物質の量に関して十分な検出精度が得られる信号成分の変化「ΔF」が生ずるように、使用者は、変調振幅Δθの大きさを設定してもよい。
図5Bは、平均入射角θavと検波信号DTSとの間の関係を概略的に表すグラフである。図3乃至図5Bを参照して、検出装置100Aの光学的な設定が更に説明される。
図5Bのグラフの横軸は、平均入射角θavを示す。図5Bのグラフの縦軸は、検波信号DTSの大きさを示す。検出装置100Aを使用する使用者は、変調振幅Δθを所定の値に設定し、変調機構300Aを作動させてもよい。この間、使用者は、金属薄膜410A、検体セル420A、プリズム430及び検出器510Aを一体的に回転させ、平均入射角θavの値を変化させてもよい。この結果、金属薄膜410Aへの平均入射角θavは変化するので、使用者は、図5Bに示されるグラフを得ることができる。
第2実施形態に関連して説明された如く、検波信号DTSの大きさは、図5Aを参照して説明された「ΔF」に略比例する。平均入射角θavが、共鳴角θresから大きく離れた値に設定されたとき、又は、平均入射角θavが、共鳴角θresに一致したとき、検波信号DTSの値は、「0」になる。
図5Bは、検波信号DTSの値が極大値になる平均入射角を記号「θmax」で示す。図5Bは、検波信号DTSの値が極小値になる平均入射角を記号「θmin」で示す。図5Bのグラフから、平均入射角θavが、「θmax」又は「θmin」に設定されるならば、検波信号DTSの絶対値は、最大化される(すなわち、入射角が平均入射角θavに近づくにつれて、検波信号の値はピーク値に近づく)。このことは、平均入射角θavが、「θmax」又は「θmin」に設定されるならば、蛍光FLの強度の変化に対する検波信号DTSの感度が最大化されることを意味する。したがって、使用者は、平均入射角θavを、「θmax」又は「θmin」に設定してもよい。
図5Bは、平均入射角θavが、「θmax」又は「θmin」に設定されたときの検波信号DTSの大きさを「±Pn1」で示す。第2実施形態に関連して説明された如く、検波信号DTSの大きさ(絶対値)は、蛍光FLの強度に比例するので、算出器540は、検出対象物質の量を、検波信号DTSに比例する値として決定してもよい。上述の如く、蛍光信号FLSと変調信号MDSとの間の同期検波技術は、図5Aを参照して説明された信号成分Foffを除去するので、信号成分Foffは、検波信号DTSの大きさ「±Pn1」に影響しない。したがって、検出装置100Aは、検出対象物質の量を正確に決定することができる。
図5Cは、算出器540が格納する検量線データを表すグラフである。図3乃至図5Cを参照して、検出対象物質の量を算出するための技術が説明される。尚、「検出対象物質の量」との用語は、検体中の検出対象物質の濃度を意味してもよい。代替的に、「検出対象物質の量」との用語は、検体中の検出対象物質の個数を意味してもよい。本実施形態の原理は、「検出対象物質の量」の特定の定義に限定されない。
使用者は、既知の量の検出対象物質を含む検体を調製する。その後、使用者は、調製された検体を検体セル420Aに収容する。使用者は、その後、図5A及び図5Bを参照して説明された平均入射角θav及び変調振幅Δθの光学的条件の下で、励起光PLを金属薄膜410Aに入射させる。この結果、信号検波器520Aは、検波信号DTSを生成することができる。この結果、使用者は、検出対象物質の量に対応する検波信号DTSの大きさを見出すことができる。
使用者は、検出対象物質の量において異なる複数の検体を用意し、これら検体それぞれに対応する検波信号DTSの大きさを調査する。この結果、図5Cに示される検量線が得られる。算出器540は、得られた検量線のデータを数学的な関数として記憶してもよい。代替的に、算出器540は、得られた検量線のデータをルックアップテーブルとして記憶してもよい。本実施形態の原理は、検量線データの特定の記憶形式に限定されない。
使用者は、その後、未知量の検出対象物質を含む検体を検体セル420Aに収容する。検波信号DTSの大きさが、「Pp」であるならば、算出器540は、検量線データを参照し、検波信号DTSの大きさ「Pp」に対応する検出対象物質の量「Dp」を算出することができる。
図5Cに示される検量線は、検波信号DTSの大きさと検出対象物質の量との間の比例関係を示す。しかしながら、検波信号DTSの大きさは、検出対象物質の量に比例しなくてもよい。例えば、検出器510Aの飽和特性に起因して、検波信号DTSの大きさが検出対象物質の量に比例しないこともある。この場合においても、上述の検量線データの作成技術に基づいて、算出器540は、検出対象物質の量を正確に決定することができる。したがって、本実施形態の原理は、特定の検量線データに限定されない。
<第5実施形態>
第3実施形態に関連して説明された検出装置は、単一のレンズ素子を利用し、光路を調整する。代替的に、検出装置は、複数のレンズ素子を有してもよい。複数のレンズ素子が利用されるならば、複数のレンズ素子それぞれは、過度に高い屈折率を有さなくてもよい。第5実施形態において、複数のレンズ素子を備える検出装置が説明される。
第3実施形態に関連して説明された検出装置は、単一のレンズ素子を利用し、光路を調整する。代替的に、検出装置は、複数のレンズ素子を有してもよい。複数のレンズ素子が利用されるならば、複数のレンズ素子それぞれは、過度に高い屈折率を有さなくてもよい。第5実施形態において、複数のレンズ素子を備える検出装置が説明される。
図6は、第5実施形態の検出装置100Bの概略図である。図1及び図6を参照して、検出装置100Bが説明される。第3実施形態及び第5実施形態の間で共通して用いられる符号は、当該共通の符号が付された要素が、第3実施形態と同一の機能を有することを意味する。したがって、第3実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
第3実施形態と同様に、検出装置100Bは、光源200Aと、金属薄膜410Aと、検体セル420Aと、プリズム430と、検出器510Aと、信号検波器520Aと、変調信号発生器530Aと、算出器540と、を備える。第3実施形態の説明は、これらの要素に対して援用される。
検出装置100Bは、変調機構300Bを更に備える。変調機構300Bは、図1を参照して説明された入射角変調部300に対応する。
第3実施形態と同様に、変調機構300Bは、ガルバノミラー310を含む。第3実施形態の説明は、ガルバノミラー310に対して援用される。
変調機構300Bは、第1レンズ321と第2レンズ322とを更に含む。第1レンズ321は、ガルバノミラー310と第2レンズ322との間に配置される。第2レンズ322は、第1レンズ321とプリズム430との間に配置される。
光源200Aは、ガルバノミラー310へ励起光PLを出射する。ガルバノミラー310は、第1レンズ321に向けて、励起光PLを反射する。励起光PLは、第1レンズ321及び第2レンズ322を順次通過し、プリズム430の第1面431に入射する。
第3実施形態と同様に、ガルバノミラー310は、変調信号MDSに応じて、励起光PLの反射方向を変える。したがって、変調機構300Bは、第1光路FOPと第2光路SOPとを規定することができる。励起光PLの光路は、第1光路FOPと第2光路SOPとの間で位置的に変化する。
第1レンズ321から第2レンズ322までの伝搬区間において、第2光路SOPは、第1光路FOPに略平行である。したがって、第1レンズ321から第2レンズ322までの伝搬区間における第1光路FOPと第2光路SOPとの間の角度差は、ガルバノミラー310から第1レンズ321までの伝搬区間における第1光路FOPと第2光路SOPとの間の角度差よりも小さくなる。第1レンズ321から第2レンズ322までの伝搬区間における第1光路FOPと第2光路SOPとの間の角度差は、第2レンズ322からプリズム430までの伝搬区間における第1光路FOPと第2光路SOPとの間の角度差よりも小さくなる。したがって、第1レンズ321及び第2レンズ322は、過度に高い屈折率を有さなくてもよい。第3実施形態と同様に、第2光路SOPが、第1光路FOPに金属薄膜410A上で合致するように、検出装置100Bを設計する設計者は、第1レンズ321及び第2レンズ322の屈折率、第1レンズ321、第2レンズ322及びガルバノミラー310の間の位置関係や反射ミラー311の回転角といった光学的パラメータを決定する。
励起光PLの光路は、第1光路FOPと第2光路SOPとの間で変化するので、金属薄膜410Aへの励起光PLの入射角も変化する。この結果、検体セル420A内に収容された検体から発せられた蛍光FLの強さは、入射角の変化に同期して変化する。検出器510Aは、蛍光FLを受け、蛍光FLの強さを表す蛍光信号FLSを生成する。
第3実施形態と同様に、変調信号MDSは、駆動モータ312だけでなく、信号検波器520Aにも出力される。したがって、信号検波器520Aは、変調信号MDSを参照し、励起光PLの入射角の変化に同期して変化する信号成分を、検出器510Aからの蛍光信号FLSから抽出することができる。信号検波器520Aは、励起光PLの入射角の変化に同期して変化する信号成分の振幅を表す検波信号DTSを生成する。検波信号DTSは、算出器540へ出力される。蛍光信号FLSから検波信号DTSへの変換技術は、第2実施形態及び/又は第4実施形態の原理に依拠してもよい。検波信号DTSから検出対象物質の量を決定するための技術は、第4実施形態の原理に依拠してもよい。
<第6実施形態>
第3実施形態に関連して説明された検出装置は、単一のレンズ素子を利用し、光路を調整する。代替的に、設計者は、レンズ素子を用いることなく、検出装置を設計してもよい。第6実施形態において、レンズ素子を用いることなく設計された検出装置が説明される。
第3実施形態に関連して説明された検出装置は、単一のレンズ素子を利用し、光路を調整する。代替的に、設計者は、レンズ素子を用いることなく、検出装置を設計してもよい。第6実施形態において、レンズ素子を用いることなく設計された検出装置が説明される。
図7は、第6実施形態の検出装置100Cの概略図である。図1、図4及び図7を参照して、検出装置100Cが説明される。第3実施形態及び第6実施形態の間で共通して用いられる符号は、当該共通の符号が付された要素が、第3実施形態と同一の機能を有することを意味する。したがって、第3実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
第3実施形態と同様に、検出装置100Cは、光源200Aと、金属薄膜410Aと、検体セル420Aと、プリズム430と、検出器510Aと、信号検波器520Aと、算出器540と、を備える。第3実施形態の説明は、これらの要素に対して援用される。
検出装置100Cは、変調機構300Cと、変調信号発生器530Cと、を更に備える。変調機構300Cは、図1を参照して説明された入射角変調部300に対応する。変調信号発生器530Cは、図1を参照して説明された駆動部530に対応する。
変調機構300Cは、第1ガルバノミラー330と、第2ガルバノミラー340と、信号調整器350と、を含む。変調信号発生器530Cは、変調信号MDSを、第1ガルバノミラー330、信号調整器350及び信号検波器520Aへ出力する。
第1ガルバノミラー330は、反射ミラー331と、駆動モータ332と、を含む。第2ガルバノミラー340は、反射ミラー341と、駆動モータ342と、を含む。信号調整器350は、変調信号MDSの振幅及び/又は位相を調整し、調整信号AJSを生成する。
変調信号MDSは、変調信号発生器530Cから第1ガルバノミラー330の駆動モータ332へ出力される。駆動モータ332は、変調信号MDSに応じて、反射ミラー331を回転往復運動させる。励起光PLは、光源200Aから反射ミラー331へ入射する。反射ミラー331は、第2ガルバノミラー340に向けて、励起光PLを反射する。本実施形態において、第1反射ミラーは、第1ガルバノミラー330によって例示される。
調整信号AJSは、信号調整器350から第2ガルバノミラー340の駆動モータ342へ出力される。駆動モータ342は、調整信号AJSに応じて、反射ミラー341を回転往復運動される。第1ガルバノミラー330によって反射された励起光PLは、第2ガルバノミラー340の反射ミラー341に入射する。第2ガルバノミラー340の反射ミラー341は、励起光PLをプリズム430の第1面431に向けて反射する。本実施形態において、第2反射ミラーは、第2ガルバノミラー340によって例示される。
励起光PLの反射方向は、反射ミラー331,341の回転往復運動によって変化されるので、変調機構300Cは、第1光路FOPと、第2光路SOPと、を規定することができる。金属薄膜410Aへの励起光PLの入射角が、第1入射角θ1に設定されたとき、第1ガルバノミラー330及び第2ガルバノミラー340は、協働して、第1光路FOPを規定する。金属薄膜410Aへの励起光PLの入射角が、第2入射角θ2に設定されたとき、第1ガルバノミラー330及び第2ガルバノミラー340は、協働して、第2光路SOPを規定する。励起光PLの光路は、第1光路FOPと第2光路SOPとの間で位置的に変化する。
励起光PLが、第1ガルバノミラー330から第2ガルバノミラー340に近づくにつれて、第2光路SOPは、第1光路FOPから離れる。励起光PLが、第2ガルバノミラー340から金属薄膜410Aに近づくにつれて、第2光路SOPは、第1光路FOPに近づく。最終的に、第2光路SOPは、第1光路FOPに金属薄膜410A上で合致する。金属薄膜410A上の励起光PLの照射位置が安定化されるように、信号調整器350は、変調信号MDSの振幅及び/又は位相を調整する。
励起光PLの光路は、第1光路FOPと第2光路SOPとの間で変化するので、金属薄膜410Aへの励起光PLの入射角も第1入射角θ1と第2入射角θ2との間で変化する。この結果、検体セル420A内に収容された検体から発せられた蛍光FLの強さは、入射角の変化に同期して変化する。検出器510Aは、蛍光FLを受け、蛍光FLの強さを表す蛍光信号FLSを生成する。
第3実施形態と同様に、変調信号MDSは、信号検波器520Aに出力される。したがって、信号検波器520Aは、変調信号MDSを参照し、励起光PLの入射角の変化に同期して変化する信号成分を、検出器510Aからの蛍光信号FLSから抽出することができる。信号検波器520Aは、励起光PLの入射角の変化に同期して変化する信号成分の振幅を表す検波信号DTSを生成する。検波信号DTSは、算出器540へ出力される。蛍光信号FLSから検波信号DTSへの変換技術は、第2実施形態及び/又は第4実施形態の原理に依拠してもよい。検波信号DTSから検出対象物質の量を決定するための技術は、第4実施形態の原理に依拠してもよい。
<第7実施形態>
第4実施形態に関連して説明された如く、入射角の変動範囲の中心値(すなわち、平均入射角)の設定は、蛍光信号から検波信号への変換処理における感度に大きく影響する。したがって、検出装置は、入射角の変動範囲の中心値を調整するための要素を有してもよい。第7実施形態において、入射角の変動範囲の中心値を調整することができる検出装置が説明される。
第4実施形態に関連して説明された如く、入射角の変動範囲の中心値(すなわち、平均入射角)の設定は、蛍光信号から検波信号への変換処理における感度に大きく影響する。したがって、検出装置は、入射角の変動範囲の中心値を調整するための要素を有してもよい。第7実施形態において、入射角の変動範囲の中心値を調整することができる検出装置が説明される。
図8は、第7実施形態の検出装置100Dの概略的なブロック図である。図3、図5A、図5B及び図8を参照して、検出装置100Dが説明される。第1実施形態、第2実施形態及び第7実施形態の間で共通して用いられる符号は、当該共通の符号が付された要素が、第1実施形態及び/又は第2実施形態と同一の機能を有することを意味する。したがって、第1実施形態及び/又は第2実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
第1実施形態と同様に、検出装置100Dは、光源200と、入射角変調部300と、金属薄膜410と、収容部420と、検出部510と、抽出部520と、駆動部530と、を備える。第1実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
検出装置100Dは、算出部540Dと、調整部600と、を更に備える。算出部540Dは、図3を参照して説明された算出器540に対応する。
調整部600は、金属薄膜410へ入射する励起光PLの平均入射角θavを調整する。本実施形態において、入射角の変動範囲の中心値は、平均入射角θavによって例示される。
調整部600は、金属薄膜410、収容部420及び検出部510を一体的に動かし、平均入射角θavを適切な値に設定してもよい。代替的に、調整部600は、駆動部530から入射角変調部300へ出力される駆動信号DRSを用いて、平均入射角θavを適切な値に設定してもよい。本実施形態の原理は、平均入射角θavを調整するための特定の技術に限定されない。
調整部600は、検出部510から出力される蛍光信号FLSを参照し、平均入射角θavの適切な値を決定してもよい。図5Aを参照して説明された如く、蛍光信号FLSの大きさの変化率が高くなる入射角を平均入射角θavとして設定してもよい。代替的に、調整部600は、抽出部520から出力される検波信号DTSを参照し、平均入射角θavの適切な値を決定してもよい。図5Bを参照して説明された如く、「θmax」又は「θmin」を平均入射角θavとして設定してもよい。本実施形態の原理は、調整部600に対する特定のフィードバック制御に限定されない。
<第8実施形態>
平均入射角は、機械的に調整されてもよい。第8実施形態において、平均入射角を機械的に調整することができる検出装置が説明される。
平均入射角は、機械的に調整されてもよい。第8実施形態において、平均入射角を機械的に調整することができる検出装置が説明される。
図9A及び図9Bは、第8実施形態の検出装置100Eの概略図である。図5B、図8乃至図9Bを参照して、検出装置100Eが説明される。第3実施形態及び第8実施形態の間で共通して用いられる符号は、当該共通の符号が付された要素が、第3実施形態と同一の機能を有することを意味する。したがって、第3実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
第3実施形態と同様に、検出装置100Eは、光源200Aと、変調機構300Aと、金属薄膜410Aと、検体セル420Aと、プリズム430と、検出器510Aと、信号検波器520Aと、変調信号発生器530Aと、算出器540と、を備える。第3実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
検出装置100Eは、調整機構600Eを更に備える。調整機構600Eは、図8を参照して説明された調整部600に対応する。
調整機構600Eは、保持板610と、駆動モータ620と、を含む。金属薄膜410A、検体セル420A、プリズム430及び検出器510Aは、保持板610に固定される。駆動モータ620は、保持板610を回転させる。保持板610の回転中心は、金属薄膜410A上の第1光路FOP及び第2光路SOPの交点に合致してもよい。本実施形態において、保持部は、保持板610によって例示される。回転部は、駆動モータ620によって例示される。
図9Aに示される検出装置100Eは、平均入射角θavを、入射角θaに設定している。図9Bに示される検出装置100Eは、平均入射角θavを、入射角θaよりも小さな入射角θbに設定している。検出装置100Eは、調整機構600Eを用いて、平均入射角θavの値を容易に変えることができる。
検出対象物質や夾雑物が金属薄膜410Aに吸着したとき、及び/又は、検出対象物質や夾雑物が金属薄膜410Aから脱離したとき、共鳴角θresが変化することもある。使用者が、平均入射角θavを入射角θaに設定し、検出対象物の量を測定している間に共鳴角θresが変化するならば、使用者は、調整機構600Eを動作させ、図5Bに示されるデータを取得してもよい。入射角θbが、図5Bに示される「θmax」又は「θmin」に相当するならば、使用者は、入射角θbを平均入射角θavとして再設定してもよい。その後、使用者は、検出対象物質の量の計測を継続することができる。
<第9実施形態>
本発明者等は、第8実施形態に関連して説明された設計原理に基づいて構築された検出装置を用いて、様々な実験を行い、変調振幅の適切な範囲を見出した。第9実施形態において、本発明者等が行った実験が説明される。
本発明者等は、第8実施形態に関連して説明された設計原理に基づいて構築された検出装置を用いて、様々な実験を行い、変調振幅の適切な範囲を見出した。第9実施形態において、本発明者等が行った実験が説明される。
図10A乃至図10Dは、実験結果に基づいて算出された検波信号を表すグラフである。図9A乃至図10Dを参照して、本発明者等が行った実験が説明される。
(検出装置)
本発明者等は、光源200Aとして、He−Neレーザを用いた。He−Neレーザの出力は、0.1mWであった。He−Neレーザは、633nmの波長を有するレーザ光を出射した。レーザ光は、励起光PLとして利用された。レーザ光は、p偏光を有する。
本発明者等は、光源200Aとして、He−Neレーザを用いた。He−Neレーザの出力は、0.1mWであった。He−Neレーザは、633nmの波長を有するレーザ光を出射した。レーザ光は、励起光PLとして利用された。レーザ光は、p偏光を有する。
本発明者等は、プリズム430として、SF11ガラス材料から形成されたプリズム素子を用いた。プリズム素子は、正三角柱形状を有する。
本発明者等は、金属薄膜410Aとして、SF11ガラス基板上に、スパッタリング法で成膜されたAu薄膜を用いた。本発明者等は、Au薄膜の形成の後、屈折率マッチングリキッドを用いて、SF11ガラス基板をプリズム素子に固着させた。Au薄膜の厚さは、45nmであった。本発明者等は、蛍光FLの消光を防ぐために、Au薄膜上にポリスチレン膜をスピンコートした。ポリスチレン膜の厚さは、20nmであった。
本発明者等は、石英ガラス製の小さな容器を、検体セル420Aとして用いた。本発明者等は、ゴムリングを用いて、容器とAu薄膜との間の隙間を封止した。この結果、容器とAu薄膜との間からの液体の漏出は適切に防止された。容器には、2つの穴部が形成された。本発明者等は、これらの穴を通じて、容器への液体の供給及び容器からの液体の排出を行った。本発明者等は、液体の供給及び排出のために、ペリスタルティックポンプ(図示せず)を用いた。
本発明者等は、検出器510Aとして、フォトマルチプライヤを用いた。本発明者等は、上述の容器とフォトマルチプライヤとの間に、バンドパスフィルタを配置した。本発明者等は、バンドパスフィルタを用いて、容器からフォトマルチプライヤへ伝搬するレーザ光を遮断した。したがって、容器内の検出対象物質から発せられた蛍光FLが、フォトマルチプライヤへ選択的に入射した。
本発明者等は、周波数カウンタを用いて、フォトマルチプライヤが検出したフォトンパルスのパルス発生頻度を測定した。
(検体)
本発明者等は、ビオチン化BSA(ウシ血清アルブミン)の炭酸バッファ溶液を、上述の容器へ供給した。この結果、ビオチン化BSAは、上述のポリスチレン膜上に固着された。
本発明者等は、ビオチン化BSA(ウシ血清アルブミン)の炭酸バッファ溶液を、上述の容器へ供給した。この結果、ビオチン化BSAは、上述のポリスチレン膜上に固着された。
本発明者等は、その後、ストレプトアビジンのPBSバッファ(リン酸緩衝生理食塩水)溶液を、上述の容器へ供給した。この結果、ストレプトアビジンは、ビオチン化BSAと結合した。
本発明者等は、Dy647蛍光剤によって標識化されたビオチン化DNAを検出対象物質として用いた。本発明者等は、ストレプトアビジンとビオチン化BSAとの結合処理の後、ビオチン化DNAのPBSバッファ溶液を上述の容器へ供給した。この結果、ビオチン化DNAは、Au薄膜の近傍において、ストレプトアビジンと結合した。ビオチン化DNAの濃度は、10nMであった。
(入射角依存性の測定)
本発明者等は、ガルバノミラー310を停止させたまま、調整機構600Eを作動し、蛍光信号FLSの大きさを測定した。保持板610が0.5deg.回転するごとに、本発明者等は、蛍光強度を測定した。本発明者等は、測定された蛍光強度を、グラフ上にプロットし、共鳴曲線を作成した。入射角が、58deg.であるとき、共鳴曲線は、最大値を表した。共鳴曲線の半値全幅wは、3.3deg.であった。共鳴曲線は、形状において、ガウシアンカーブに近似していた。
本発明者等は、ガルバノミラー310を停止させたまま、調整機構600Eを作動し、蛍光信号FLSの大きさを測定した。保持板610が0.5deg.回転するごとに、本発明者等は、蛍光強度を測定した。本発明者等は、測定された蛍光強度を、グラフ上にプロットし、共鳴曲線を作成した。入射角が、58deg.であるとき、共鳴曲線は、最大値を表した。共鳴曲線の半値全幅wは、3.3deg.であった。共鳴曲線は、形状において、ガウシアンカーブに近似していた。
(検波信号の算出)
本発明者等は、入射角依存性の測定から得られた結果に基づいて、入射角の変調下における検波信号DTSの波形を算出した。
本発明者等は、入射角依存性の測定から得られた結果に基づいて、入射角の変調下における検波信号DTSの波形を算出した。
本発明者等は、ガウシアンカーブを、共鳴曲線に近似させた。ガウシアンカーブの半値全幅wとガウシアンカーブの標準偏差σとの間の関係は、以下の数式によって表される。
ガウシアンカーブによって近似された共鳴曲線I(θ)は、以下の数式によって表される。尚、以下の数式において、記号「θ」は、入射角を表す。記号「θres」は、共鳴角を表す。
入射角の時間変化波形m(t,θav)は、以下の数式によって表される。以下の数式において、記号「Δθ」は、入射角の変調振幅を表す。記号「θav」は、平均入射角を表す。記号「f」は、変調周波数を表す。記号「t」は、時刻を表す。
本発明者等は、入射角の時間変化波形m(t,θav)を共鳴曲線I(θ)の入射角θに代入し、以下の数式で表される蛍光信号FLSの時間変化波形s(t,θav)を得た。
蛍光信号FLSの時間変化波形s(t,θav)に入射角の時間変化波形m(t,θav)を乗じて直流成分を抽出することは、変調信号MDSを用いて、蛍光信号FLSを同期検波することに等しい。検波信号の大きさPn(θav)は、変調の1周期に亘って、「s(t,θav)×m(t,θav)」を積分した値に相当する(以下の数式を参照)。
図10A乃至図10Dは、共鳴角θavが、「58deg.」の下で得られた検波信号の大きさPn(θav)を表すグラフである。図10Aのグラフは、共鳴曲線の半値全幅wが、「1deg.」の条件の下で得られている。図10Bのグラフは、共鳴曲線の半値全幅wが、「2deg.」の条件の下で得られている。図10Cのグラフは、共鳴曲線の半値全幅wが、「4deg.」の条件の下で得られている。図10Dのグラフは、共鳴曲線の半値全幅wが、「8deg.」の条件の下で得られている。
図10A乃至図10Dのグラフそれぞれは、複数の曲線を表す。複数の曲線それぞれの上に付された数値(すなわち、0.5、1、2、3、4、6、8、10、12、16、20、24)は、変調振幅Δθの値を表す。
第4実施形態に関連して説明された如く、蛍光強度を感度よく測定するためには、大きな検波信号を得ることが好ましい。図10A乃至図10Dのグラフから、大きな検波信号を得るのに、変調振幅Δθの好適な範囲が存在することが分かる。
図10Aに示される如く、半値全幅wが、「1deg.」であるならば、「1deg.≦Δθ≦3deg.」の関係の下で、検波信号の大きなピークが得られている。
図10Bに示される如く、半値全幅wが、「2deg.」であるならば、「2deg.≦Δθ≦6deg.」の関係の下で、検波信号の大きなピークが得られている。
図10Cに示される如く、半値全幅wが、「4deg.」であるならば、「4deg.≦Δθ≦12deg.」の関係の下で、検波信号の大きなピークが得られている。
図10Dに示される如く、半値全幅wが、「8deg.」であるならば、「8deg.≦Δθ≦24deg.」の関係の下で、検波信号の大きなピークが得られている。
図10A乃至図10Dから得られた知見から、変調機構300Aの停止下で、駆動モータ620が保持板610を回転させたときの蛍光信号FLSの半値全幅以上の大きさ且つ半値全幅の3倍以下で(w≦θ≦3w)、ガルバノミラー310が入射角θを変動させるならば、大きな検波信号が得られることが分かる。
<第10実施形態>
検出装置の機械的な誤差に起因して、実際の入射角が入射角に対して定められた設定値からずれることもある。実際の入射角と設定値との間の誤差は、検出対象物質の量の算出に誤差を生じさせる。第10実施形態において、実際の入射角と設定値との間の誤差が、検出対象物質の量の算出に与える影響を低減する技術が説明される。
検出装置の機械的な誤差に起因して、実際の入射角が入射角に対して定められた設定値からずれることもある。実際の入射角と設定値との間の誤差は、検出対象物質の量の算出に誤差を生じさせる。第10実施形態において、実際の入射角と設定値との間の誤差が、検出対象物質の量の算出に与える影響を低減する技術が説明される。
図11A及び図11Bは、第10実施形態の検出装置100Fの概略図である。図11A及び図11Bを参照して、検出装置100Fが説明される。第8実施形態及び第10実施形態の間で共通して用いられる符号は、当該共通の符号が付された要素が、第8実施形態と同一の機能を有することを意味する。したがって、第8実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
第8実施形態と同様に、検出装置100Fは、光源200Aと、変調機構300Aと、金属薄膜410Aと、検体セル420Aと、プリズム430と、検出器510Aと、信号検波器520Aと、変調信号発生器530Aと、調整機構600Eと、を備える。第8実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
検出装置100Fは、算出器540Fを更に備える。算出器540Fは、演算部541と決定部542とを含む。検波信号DTSは、信号検波器520Aから演算部541へ出力される。演算部541は、検波信号DTSを用いて積分演算を行う。積分演算の結果は、演算部541から決定部542へ出力される。決定部542は、積分演算の結果に基づき、検出対象物質の量を決定する。
使用者は、駆動モータ312,620をともに作動させ、検出対象物質の量を測定することができる。使用者は、駆動モータ620を作動させ、共鳴角θresから十分に離れた平均入射角θ0から所定の平均入射角θavまで平均入射角を変化させることができる。平均入射角θ0において、検波信号DTSの値は、略「0」になる。平均入射角θavにおける検波信号DTSの値が記号「Pn」で表されるならば、演算部541が算出する積分値Piは、以下の数式によって表される。
決定部542は、積分値Piと検出対象物質の量との関係を表す検量線データを予め格納してもよい。決定部542は、積分値Piを検量線データと比較し、検出対象物質の量を決定することができる。検量線データの作成技術は、第4実施形態に関連して説明された方法に準拠してもよい。本実施形態の原理は、検量線データを作成するための特定の技術に限定されない。
図12は、上述の数式から得られたグラフである。図11A乃至図12並びに図16を参照して、従来技術に対する本実施形態の原理の有利な特徴が説明される。
図12のグラフの横軸は、平均入射角を表す。図12のグラフの縦軸は、上述の数式によって表される積分値を示す。図16のグラフと同様に、積分値のピークは、共鳴角θresにおいて現れる。
図12において、曲線の半値全幅は、記号「wi」で表される。
図16のグラフの曲線の半値全幅wは、検波信号の最大値Pp2とオフセット成分Poffとの差分値の半分の値に、オフセット成分Poffが加えられた値の検波信号の大きさの位置(すなわち、((Pp2−Poff)/2+Poff))で定義される。
図12のグラフと図16のグラフとを対比すると、半値全幅wiは、半値全幅wよりも大きいことが分かる。このことは、従来技術と比べて、入射角に対して定められた設定値からの実際の入射角のずれは、検出装置100Fによって得られた測定値に影響しにくいことを意味する。
<第11実施形態>
本発明者等は、第9実施形態に関連して説明された知見を用いて、積分機能を有する検出装置にとって、適切な変調振幅範囲を見出した。第11実施形態において、入射角の変調範囲の適切な設定技術が説明される。
本発明者等は、第9実施形態に関連して説明された知見を用いて、積分機能を有する検出装置にとって、適切な変調振幅範囲を見出した。第11実施形態において、入射角の変調範囲の適切な設定技術が説明される。
図13A乃至図13Dは、実験結果に基づいて算出された検波信号を表すグラフである。図11A、図11B、図13A乃至図13Dを参照して、入射角の変調範囲の適切な設定技術が説明される。
以下の数式は、第7実施形態に関連して説明された検波信号の大きさPn(θav)の積分値Pi(θav)を表す。
図13A乃至図13Dは、共鳴角θavが、「58deg.」の下で得られた積分値Pi(θav)を表すグラフである。図13Aのグラフは、蛍光信号FLSの半値全幅wが、「1deg.」の条件の下で得られている。図13Bのグラフは、蛍光信号FLSの半値全幅wが、「2deg.」の条件の下で得られている。図13Cのグラフは、蛍光信号FLSの半値全幅wが、「4deg.」の条件の下で得られている。図13Dのグラフは、蛍光信号FLSの半値全幅wが、「8deg.」の条件の下で得られている。
図13A乃至図13Dのグラフそれぞれは、複数の曲線を表す。複数の曲線それぞれの上に付された数値(すなわち、0.5、1、2、3、4、6、8、10、12、16、20、24)は、変調振幅Δθの値を表す。
大きな積分値Pi(θav)は、蛍光強度が感度よく測定されることを意味する。図13A乃至図13Dのグラフから、大きな検波信号を得るのに、変調振幅Δθの好適な範囲が存在することが分かる。
図13Aに示される如く、半値全幅wが、「1deg.」であるならば、「Δθ≧2deg.」の関係の下で、積分値Pi(θav)の大きなピークが得られている。
図13Bに示される如く、半値全幅wが、「2deg.」であるならば、「Δθ≧4deg.」の関係の下で、積分値Pi(θav)の大きなピークが得られている。
図13Cに示される如く、半値全幅wが、「4deg.」であるならば、「Δθ≧8deg.」の関係の下で、積分値Pi(θav)の大きなピークが得られている。
図13Dに示される如く、半値全幅wが、「8deg.」であるならば、「Δθ≧16deg.」の関係の下で、積分値Pi(θav)の大きなピークが得られている。
図13A乃至図13Dのグラフから、変調振幅Δθの増加に伴って、積分値Pi(θav)の半値全幅は大きくなることが分かる。
図13A乃至図13Dから得られた知見から、変調機構300Aの停止下で、駆動モータ620が保持板610を回転させたときの蛍光信号FLSの半値全幅の2倍以上の大きさで(θ≧2w)、ガルバノミラー310が入射角θを変動させるならば、大きな検波信号が得られることが分かる。
<第12実施形態>
第8実施形態に関連して説明された検出装置は、平均入射角を機械的に調整する。代替的に、平均入射角は、電気的に調整されてもよい。この場合、検出装置の機械的構造は、第8実施形態に関連して説明された検出装置よりも簡素になる。第12実施形態において、平均入射角を電気的に調整することができる検出装置が説明される。
第8実施形態に関連して説明された検出装置は、平均入射角を機械的に調整する。代替的に、平均入射角は、電気的に調整されてもよい。この場合、検出装置の機械的構造は、第8実施形態に関連して説明された検出装置よりも簡素になる。第12実施形態において、平均入射角を電気的に調整することができる検出装置が説明される。
図14A及び図14Bは、第12実施形態の検出装置100Gの概略図である。図8、図14A及び図14Bを参照して、検出装置100Gが説明される。第3実施形態及び第12実施形態の間で共通して用いられる符号は、当該共通の符号が付された要素が、第3実施形態と同一の機能を有することを意味する。したがって、第3実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
第3実施形態と同様に、検出装置100Gは、光源200Aと、変調機構300Aと、金属薄膜410Aと、検体セル420Aと、プリズム430と、検出器510Aと、信号検波器520Aと、算出器540と、を備える。第3実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
検出装置100Gは、変調信号発生器530Gと、調整部600Gと、を更に備える。調整部600Gは、図8を参照して説明された調整部600に対応する。
調整部600Gは、オフセット信号発生器630と、加算器640と、を含む。オフセット信号発生器630は、オフセット信号OSSを生成する。オフセット信号OSSは、オフセット信号発生器630から加算器640へ出力される。
第3実施形態と同様に、変調信号発生器530Gは、変調信号MDSを信号検波器520Aへ出力する。第3実施形態とは異なり、変調信号発生器530Gは、変調信号MDSを加算器640へ出力する。
加算器640は、オフセット信号OSSを変調信号MDSに加算し、駆動信号DRSを生成する。この結果、駆動信号DRSが表す平均入射角は、変調信号MDSによって定義される平均入射角からオフセット信号OSSによって表される角度だけ増加又は減少した値となる。
駆動信号DRSは、加算器640からガルバノミラー310の駆動モータ312に出力される。駆動モータ312は、駆動信号DRSに応じて、反射ミラー311を回転往復運動させる。
検出装置100Gは、オフセット信号OSSを用いて、金属薄膜410Aへの励起光PLの平均入射角を調整することができる。
図14Aに示される如く、ガルバノミラー310への励起光PLの平均入射角が「φa」に設定されるならば、金属薄膜410Aへの励起光PLの平均入射角が「θa」になる。ガルバノミラー310への励起光PLの平均入射角が「φa」に設定されるように、図14Aに示されるオフセット信号発生器630は、オフセット信号OSSを生成する。したがって、オフセット信号OSSは、変調信号MDSと協働して、金属薄膜410Aへの平均入射角θaを中心とする入射角の変動範囲を規定することができる。本実施形態において、調整信号は、オフセット信号OSSによって例示される。調整信号生成部は、オフセット信号発生器630によって例示される。
図14Bに示される如く、ガルバノミラー310への励起光PLの平均入射角が「φb」に設定されるならば、金属薄膜410Aへの励起光PLの平均入射角が「θb」になる。ガルバノミラー310への励起光PLの平均入射角が「φb」に設定されるように、図14Bに示されるオフセット信号発生器630は、オフセット信号OSSを生成する。したがって、オフセット信号OSSは、変調信号MDSと協働して、金属薄膜410Aへの平均入射角θbを中心とする入射角の変動範囲を規定することができる。
上述の様々な実施形態の原理は、検出装置の用途に応じて、適切に組み合わされてもよい。
上述の様々な実施形態に関連して説明された例示的な検出装置に関する技術は、以下の特徴を主に備える。
上述の実施形態の一の局面に係る検出装置は、励起光を出射する光源と、検体が収容された収容部と、前記励起光を受け、前記検体を照らすエバネセント光を生じさせる金属膜と、前記金属膜への前記励起光の入射角を変調する変調部と、前記変調部を駆動する駆動信号を生成する駆動部と、前記エバネセント光の照射を受けて前記検体から生じた蛍光の強度に応じた蛍光信号を出力する検出部と、前記蛍光信号から前記検体由来の信号成分を抽出する抽出部と、を備える。前記入射角は、前記駆動信号の変化に応じて変化する。前記抽出部は、前記駆動信号の前記変化に同期して変化する同期信号成分を、前記信号成分として抽出する。
上記構成によれば、抽出部は、駆動信号の変化に同期して変化する同期信号成分を、信号成分として抽出するので、入射角の変動に影響を受けない光成分は、抽出された信号成分から排除されやすくなる。したがって、検出装置は、エバネセント光によって照らされた検体からの蛍光の強度を正確に測定することができる。
上記構成において、検出装置は、前記励起光が入射する第1面と、前記金属膜が取り付けられた第2面と、を含むプリズムを更に備えてもよい。前記金属膜は、前記収容部と前記第2面との間に配置されてもよい。
上記構成によれば、励起光は、プリズムによって、金属膜へ適切に案内される。したがって、金属膜は、エバネセント光を生じさせることができる。金属膜は、収容部と第2面との間に配置されるので、 前記反射部は、前記入射角が、第1入射角に設定されたときに、前記励起光が伝搬する第1光路と、前記入射角が、前記第1入射角とは異なる第2入射角に設定されたときに、前記励起光が伝搬する第2光路と、を規定し、エバネセント光は、検体を適切に照らすことができる。
上記構成において、前記変調部は、前記励起光を反射する反射部と、前記反射部と前記プリズムとの間に配置されたレンズ部と、を含んでもよい。前記反射部は、前記駆動信号に応じて、前記励起光の反射方向を変えてもよい。前記励起光は、前記レンズ部によって屈折され、前記金属膜上の所定の位置へ向けて伝搬してもよい。
上記構成によれば、反射部が、駆動信号に応じて、励起光の反射方向を変化させている間、励起光は、レンズ部によって屈折され、金属膜上の所定の位置へ向けて伝搬する。したがって、検出装置は、エバネセント光によって照らされた検体からの蛍光の強度を正確に測定することができる。
上記構成において、前記反射部は、前記入射角が、第1入射角に設定されたときに、前記励起光が伝搬する第1光路と、前記入射角が、前記第1入射角とは異なる第2入射角に設定されたときに、前記励起光が伝搬する第2光路と、を規定してもよい。前記第2光路は、前記励起光が前記反射部から前記レンズ部に近づくにつれて、前記第1光路から離れ、且つ、前記励起光が前記レンズ部から前記金属膜に近づくにつれて、前記第1光路に近づいてもよい。
上記構成によれば、励起光が、反射部からレンズ部に近づくにつれて、第2光路は、第1光路から離れるので、反射部は、入射角を大きく変化させることができる。励起光が、レンズ部から金属膜に近づくにつれて、第2光路は、第1光路に近づくので、励起光は、金属膜上の所定の位置へ向けて伝搬することができる。したがって、検出装置は、エバネセント光によって照らされた検体からの蛍光の強度を正確に測定することができる。
上記構成において、前記レンズ部は、前記反射部によって反射された前記励起光が入射する第1レンズと、前記第1レンズと前記プリズムとの間に配置された第2レンズと、を含んでもよい。前記反射部は、前記入射角が、第1入射角に設定されたときに、前記励起光が伝搬する第1光路と、前記入射角が、前記第1入射角とは異なる第2入射角に設定されたときに、前記励起光が伝搬する第2光路と、を規定してもよい。前記第1レンズから前記第2レンズまでの伝搬区間における前記第1光路と前記第2光路との間の角度差は、前記反射部から前記第1レンズまでの伝搬区間における前記第1光路と前記第2光路との間の角度差よりも小さくてもよい。
上記構成によれば、レンズ部は、第1レンズと第2レンズとを含むので、設計者は、過度に高い屈折率を有するレンズ素子を用いることなく、検出装置を設計することができる。
上記構成において、前記変調部は、前記光源から出射された前記励起光を反射する第1反射ミラーと、前記第1反射ミラーの後に前記励起光を反射する第2反射ミラーと、を含んでもよい。前記入射角が、第1入射角に設定されたときに、前記第1反射ミラー及び前記第2反射ミラーは、協働して、第1光路を規定してもよい。前記入射角が、前記第1入射角とは異なる第2入射角に設定されたときに、前記第1反射ミラー及び前記第2反射ミラーは、協働して、第2光路を規定してもよい。前記第2光路は、前記励起光が前記第1反射ミラーから前記第2反射ミラーに近づくにつれて、前記第1光路から離れ、且つ、前記励起光が前記第2反射ミラーから前記金属膜に近づくにつれて、前記第1光路に近づいてもよい。
上記構成によれば、励起光が、第1反射ミラーから第2反射ミラーに近づくにつれて、第2光路は、第1光路から離れるので、入射角は、大きく変化されてもよい。励起光が、第2反射ミラーから金属膜に近づくにつれて、第2光路は、第1光路に近づくので、励起光は、金属膜上の所定の位置へ向けて伝搬することができる。したがって、検出装置は、エバネセント光によって照らされた検体からの蛍光の強度を正確に測定することができる。
上記構成において、前記入射角の変動範囲の中心値を調整する調整部を更に備えてもよい。
上記構成によれば、調整部は、入射角の変動範囲の中心値を調整するので、検出装置は、エバネセント光によって照らされた検体からの蛍光の強度を正確に測定することができる。
上記構成において、前記調整部は、前記中心値を調整する調整信号を生成する調整信号生成部を含んでもよい。前記調整信号は、前記駆動信号と協働して、前記変動範囲を規定してもよい。
上記構成によれば、調整部は、入射角の変動範囲の中心値を電気的に調整するので、検出装置は、エバネセント光によって照らされた検体からの蛍光の強度を正確に測定することができる。
上記構成において、前記調整部は、前記プリズム、前記金属膜、前記収容部及び前記検出部を保持する保持部と、前記保持部を回転させる回転部と、を含んでもよい。前記回転部は、前記保持部を回転し、前記中心値を変更してもよい。
上記構成によれば、調整部は、入射角の変動範囲の中心値を機械的に調整するので、検出装置は、エバネセント光によって照らされた検体からの蛍光の強度を正確に測定することができる。
上記構成において、前記変調部の停止下で、前記回転部が前記保持部を回転させたときの前記蛍光信号の半値全幅以上の大きさの変動幅で、前記変調部は、前記入射角を変動させてもよい。
上記構成によれば、入射角は、適切な変動範囲で変動するので、検出装置は、エバネセント光によって照らされた検体からの蛍光の強度を正確に測定することができる。
上記構成において、前記変動幅は、前記半値全幅の3倍以下であってもよい。
上記構成によれば、入射角は、適切な変動範囲で変動するので、検出装置は、エバネセント光によって照らされた検体からの蛍光の強度を正確に測定することができる。
上記構成において、検出装置は、前記信号成分から前記検体中の検出対象物質の量を算出する算出部を更に備えてもよい。
上記構成によれば、検体中の検出対象物質の量は、信号成分から適切に算出される。
上記構成において、前記算出部は、前記信号成分に対して積分演算を行う演算部と、前記積分演算の結果に基づき、前記検出対象物質の前記量を決定する決定部と、を含んでもよい。
上記構成によれば、検体中の検出対象物質の量は、信号成分に対する積分演算によって適切に決定される。
上記構成において、前記変調部の停止下で、前記回転部が前記保持部を回転させたときの前記蛍光信号の半値全幅の2倍以上の大きさの変動幅で、前記変調部は、前記入射角を変動させてもよい。
上記構成によれば、入射角は、適切な変動範囲で変動するので、検出装置は、エバネセント光によって照らされた検体からの蛍光の強度を正確に測定することができる。
上記構成において、前記入射角が、前記中心値に近づくにつれて、前記信号成分は、ピーク値に近づいてもよい。
上記構成によれば、入射角が、中心値に近づくにつれて、信号成分は、ピーク値に近づくので、検出装置は、エバネセント光によって照らされた検体からの蛍光の強度を正確に測定することができる。
上述の実施形態の原理は、微量の物質の量を検出することが要求される様々な技術分野(例えば、バイオテクノロジ)に適用可能である。上述の技術原理は、バイオテクノロジの分野だけでなく、環境分野で利用される測定技術に適用されてもよい。
Claims (15)
- 励起光を出射する光源と、
検体が収容された収容部と、
前記励起光を受け、前記検体を照らすエバネセント光を生じさせる金属膜と、
前記金属膜への前記励起光の入射角を変調する変調部と、
前記変調部を駆動する駆動信号を生成する駆動部と、
前記エバネセント光の照射を受けて前記検体から生じた蛍光の強度に応じた蛍光信号を出力する検出部と、
前記蛍光信号から前記検体由来の信号成分を抽出する抽出部と、を備え、
前記入射角は、前記駆動信号の変化に応じて変化し、
前記抽出部は、前記駆動信号の前記変化に同期して変化する同期信号成分を、前記信号成分として抽出することを特徴とする検出装置。 - 前記励起光が入射する第1面と、前記金属膜が取り付けられた第2面と、を含むプリズムを更に備え、
前記金属膜は、前記収容部と前記第2面との間に配置されることを特徴とする請求項1に記載の検出装置。 - 前記変調部は、前記励起光を反射する反射部と、前記反射部と前記プリズムとの間に配置されたレンズ部と、を含み、
前記反射部は、前記駆動信号に応じて、前記励起光の反射方向を変え、
前記励起光は、前記レンズ部によって屈折され、前記金属膜上の所定の位置へ向けて伝搬することを特徴とする請求項2に記載の検出装置。 - 前記反射部は、前記入射角が、第1入射角に設定されたときに、前記励起光が伝搬する第1光路と、前記入射角が、前記第1入射角とは異なる第2入射角に設定されたときに、前記励起光が伝搬する第2光路と、を規定し、
前記第2光路は、前記励起光が前記反射部から前記レンズ部に近づくにつれて、前記第1光路から離れ、且つ、前記励起光が前記レンズ部から前記金属膜に近づくにつれて、前記第1光路に近づくことを特徴とする請求項3に記載の検出装置。 - 前記レンズ部は、前記反射部によって反射された前記励起光が入射する第1レンズと、前記第1レンズと前記プリズムとの間に配置された第2レンズと、を含み、
前記反射部は、前記入射角が、第1入射角に設定されたときに、前記励起光が伝搬する第1光路と、前記入射角が、前記第1入射角とは異なる第2入射角に設定されたときに、前記励起光が伝搬する第2光路と、を規定し、
前記第1レンズから前記第2レンズまでの伝搬区間における前記第1光路と前記第2光路との間の角度差は、前記反射部から前記第1レンズまでの伝搬区間における前記第1光路と前記第2光路との間の角度差よりも小さいことを特徴とする請求項3に記載の検出装置。 - 前記変調部は、前記光源から出射された前記励起光を反射する第1反射ミラーと、前記第1反射ミラーの後に前記励起光を反射する第2反射ミラーと、を含み、
前記入射角が、第1入射角に設定されたときに、前記第1反射ミラー及び前記第2反射ミラーは、協働して、第1光路を規定し、
前記入射角が、前記第1入射角とは異なる第2入射角に設定されたときに、前記第1反射ミラー及び前記第2反射ミラーは、協働して、第2光路を規定し、
前記第2光路は、前記励起光が前記第1反射ミラーから前記第2反射ミラーに近づくにつれて、前記第1光路から離れ、且つ、前記第2反射ミラーから前記金属膜に近づくにつれて、前記第1光路に近づくことを特徴とする請求項2に記載の検出装置。 - 前記入射角の変動範囲の中心値を調整する調整部を更に備えることを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1項に記載の検出装置。
- 前記調整部は、前記中心値を調整する調整信号を生成する調整信号生成部を含み、
前記調整信号は、前記駆動信号と協働して、前記変動範囲を規定することを特徴とする請求項7に記載の検出装置。 - 前記調整部は、前記プリズム、前記金属膜、前記収容部及び前記検出部を保持する保持部と、前記保持部を回転させる駆動部と、を含み、
前記駆動部は、前記保持部を回転し、前記中心値を変更することを特徴とする請求項7に記載の検出装置。 - 前記変調部の停止下で、前記駆動部が前記保持部を回転させたときの前記入射角の半値全幅以上の大きさの変動幅で、前記変調部は、前記入射角を変動させることを特徴とする請求項9に記載の検出装置。
- 前記変動幅は、前記半値全幅の3倍以下であることを特徴とする請求項10に記載の検出装置。
- 前記信号成分から前記検体中の検出対象物質の量を算出する算出部を更に備えることを特徴とする請求項9に記載の検出装置。
- 前記算出部は、前記信号成分に対して積分演算を行う演算部と、前記積分演算の結果に基づき、前記検出対象物質の前記量を決定する決定部と、を含むことを特徴とする請求項12に記載の検出装置。
- 前記変調部の停止下で、前記駆動部が前記保持部を回転させたときの前記入射角の半値全幅の2倍以上の大きさの変動幅で、前記変調部は、前記入射角を変動させることを特徴とする請求項13に記載の検出装置。
- 前記入射角が、前記中心値に近づくにつれて、前記信号成分は、ピーク値に近づくことを特徴とする請求項7乃至14のいずれか1項に記載の検出装置。
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