JPWO2015025958A1 - ペースメーカー組織片の製造方法 - Google Patents

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Abstract

バイオロジカルペースメーカーとして機能しうる新たな三次元組織片の製造方法を提供する。多能性幹細胞に由来するペースメーカー細胞が積層された三次元組織片を形成することを含む、ペースメーカー組織片の製造方法であって、前記三次元組織片は、ペースメーカー細胞と細胞外マトリックス成分とを含み、前記三次元組織片の形成は、ペースメーカー細胞の表面が細胞外マトリックス成分を含む被膜で被覆された被覆細胞を積層して培養すること、又は前記ペースメーカー細胞の細胞層と前記細胞外マトリックス成分を含む層とを交互に積層して培養することを含む、ペースメーカー組織片の製造方法に関する。

Description

本開示は、ペースメーカー組織片の製造方法及びペースメーカー組織片に関する。
徐脈性不整脈とは、心臓の洞結節の機能不全又は機能停止等によって脈が非常に遅くなったり途切れたりする不整脈のことをいう。徐脈性不整脈によって十分な拍出量を維持できないと、めまいや心不全等といった様々な症状が引き起こされる。徐脈性不整脈に対する一般的な治療方法としては、心臓ペースメーカー機器の移植がある。しかしながら、ペースメーカー機器の移植は、低い生体適合性、電池寿命による再移植の必要性、破損、感染及び他機器との干渉等といった様々な問題を有している。
このため、ペースメーカー機器に代わる新たな技術が求められ、例えば、心筋への筋芽細胞や心筋細胞等の移植といった研究が行われている。しかしながら、これらの移植は、細胞の心筋への生着率が低く、また移植した細胞が心筋から流出して炎症を引き起こすという問題がある。例えば、非特許文献1には、筋芽細胞をマウスの心臓に移植したところ、移植30分後では細胞の39.2%程度が生存していたにもかかわらず、72時間後になると生着率が7%程度にまで減少することが開示されている。
一方、近年、iPS細胞などの多能性幹細胞を様々な細胞に分化誘導させ、それらを医療に用いるための研究が行われている。例えば、多能性幹細胞をペースメーカー細胞に分化誘導させ、得られたペースメーカー細胞を用いてバイオロジカルペースメーカーを作製することが試みられている。特許文献1には、胚性幹細胞にペースメーカー電流発生を担うHCN4遺伝子を導入して心筋細胞へ分化誘導させることによって胚性幹細胞由来のペースメーカー細胞を作製することが開示されている。
WO2011/040469
K.Suzuki et al.,FASEB Journal 18,1153(2004)
上記の通り、心臓ペースメーカー機器に代わりうるバイオロジカルペースメーカーの研究が行われているが、いまだ実用可能なレベルにまでは至っていない。そこで、本開示は、バイオロジカルペースメーカーとして機能しうる新たなペースメーカー組織片の製造方法及びペースメーカー組織片を提供する。
本開示は、一又は複数の実施形態において、ペースメーカー細胞が積層された三次元組織片を形成することを含むペースメーカー組織片の製造方法であって、前記三次元組織片は、ペースメーカー細胞と細胞外マトリックス成分とを含み、前記三次元組織片の形成は、ペースメーカー細胞の表面が細胞外マトリックス成分を含む被膜で被覆された被覆細胞を積層して培養すること、又は前記ペースメーカー細胞の細胞層と前記細胞外マトリックス成分を含む層とを交互に積層して培養することを含む、ペースメーカー組織片の製造方法に関する。
本開示は、一又は複数の実施形態において、ペースメーカー細胞と、細胞外マトリックス成分とを含み、前記ペースメーカー細胞が前記細胞外マトリックス成分を介して積層され三次元組織化された、ペースメーカー組織片に関する。
本開示によれば、例えば、バイオロジカルペースメーカーとして機能しうる新たな三次元組織片及びその製造方法を提供できる。
図1は、実施例1で作製したペースメーカー組織片の位相差写真の一例である。 図2は、実施例1で作製したペースメーカー組織片の薬剤添加前後の1分間あたりの拍動数の変化を示すグラフの一例である。 図3は、実施例4における心筋細胞の層数と拍動数との関係を示すグラフの一例である。
本開示は、ペースメーカー細胞を細胞外マトリックス成分を介して積層した状態で培養すると、ペースメーカー細胞が細胞層として三次元組織化され、一律な拍動を示すペースメーカー組織片が得られる、との知見に基く。また、本開示は、ペースメーカー細胞を細胞外マトリックス成分を介して積層することによって、細胞シートの形成や保持に用いる足場材料の排除が可能となり、また、細胞間の細胞外マトリックスの厚みを容易に制御できる、との知見に基く。
本開示の製造方法によって得られるペースメーカー組織片が一律な拍動を示す作用機構は明らかではないが、以下のように推察される。すなわち、ペースメーカー細胞を、細胞外マトリックスを介して積層させた状態で培養すると、ペースメーカー細胞の細胞間接着が強くなり、それにより組織片を構成する個々のペースメーカー細胞がペースメーカー細胞同士が同期して1つの組織として機能し、一律な拍動を示すと考えられる。但し、本開示はこのメカニズムに限定して解釈されなくてもよい。
本開示において「三次元組織片」とは、ペースメーカー細胞と細胞外マトリックス成分とを含み、ペースメーカー細胞が三次元的に積層された細胞の構造体をいう。
本開示において「ペースメーカー組織片」とは、自発拍動を示すことができる三次元組織片のことをいい、好ましくは多能性幹細胞に由来するペースメーカー細胞と、細胞外マトリックス成分とを含み、細胞外マトリックスを介して積層されたペースメーカー細胞が三次元的に組織化されたものをいう。本開示のペースメーカー組織片は、さらに、ペースメーカー細胞以外の細胞を含んでいてもよい。本開示において「細胞外マトリックス成分を介してペースメーカー細胞を積層する」とは、ペースメーカー細胞の表面が細胞外マトリックス成分を含む被膜で被覆された被覆細胞を積層して培養すること、又はペースメーカー細胞の細胞層と細胞外マトリックス成分を含む層とを交互に積層して培養することによって行うことができる。
本開示において「ペースメーカー細胞」とは、ペースメーカー機能を有する細胞であり、一又は複数の実施形態において、多能性を有する幹細胞を分化誘導させて得られたペースメーカー機能を有する細胞であって、活動電位を発生し、自発拍動可能な心筋細胞をいう。また、ペースメーカー細胞は、一又は複数の実施形態においてHCNチャネルが発現した心筋細胞、好ましくはHCN4チャネルが発現した心筋細胞をいう。
本開示において、「細胞外マトリックス成分」とは、生体内で細胞の外の空間を充填して骨格的役割、足場を提供する役割、及び又は生体因子を保持する役割等の機能を果たす物質をいう。また、細胞外マトリックス成分は、さらに、in vitro細胞培養において骨格的役割、足場を提供する役割及び又は生体因子を保持する役割等の機能を果たしうる物質を含んでいてもよく、また人工的に合成された物質やその一部を含んでもよい。
本開示において「多能性を有する幹細胞(以下、「多能性幹細胞」ともいう)」としては、一又は複数の実施形態において、胚性幹細胞(ES細胞)及び人工多能性幹細胞(iPS細胞)が挙げられる。本開示において、これらの由来は特に限定されず、ヒト及びマウス等が挙げられる。
[ペースメーカー組織片の製造方法]
本開示は、一又は複数の実施形態において、ペースメーカー細胞が積層された三次元組織片を形成することを含むペースメーカー組織片の製造方法(以下、「本開示の製造方法」ともいう)に関する。本開示の製造方法において、三次元組織片は、ペースメーカー細胞と細胞外マトリックス成分とを含み、三次元組織片の形成は、ペースメーカー細胞の表面が細胞外マトリックス成分を含む被膜で被覆された被覆細胞を積層して培養すること、又はペースメーカー細胞の細胞層と細胞外マトリックス成分を含む層とを交互に積層して培養することを含む。本開示の製造方法によれば、一又は複数の実施形態において、単にペースメーカー細胞を集合させた細胞塊ではなく、ペースメーカー細胞が細胞外マトリックス成分を介して三次元組織化したペースメーカー組織片を製造することができる。
本開示の製造方法は、一又は複数の実施形態において、ペースメーカー細胞を調製することを含んでいてもよい。ペースメーカー細胞は、一又は複数の実施形態において、HCNチャネルを発現可能となる処理を行った多能性幹細胞をペースメーカー細胞に分化誘導させること、及び得られたペースメーカー細胞の細胞塊を個々のペースメーカー細胞に分散させることによって調製できる。HCNチャネルを発現可能となる処理としては、一又は複数の実施形態において、HCN遺伝子の導入が挙げられる。HCN遺伝子としては、一又は複数の実施形態において、HCN1遺伝子、HCN2遺伝子、HCN3遺伝子、及びHCN4遺伝子が挙げられ、HCN4遺伝子が好ましい。HCN遺伝子の多能性幹細胞への導入及びペースメーカー細胞への分化誘導は、従来公知の方法及び/又は今後開発される方法によって行うことができ、例えば、Morikawa K., Pacing Clin Electrophysiol, 2010 Mar 33(3) 290−303及び特許文献1に記載の方法を参酌して行うことができる。
多能性幹細胞を分化誘導させて得られる胚様体は、ペースメーカー細胞の他に、未分化な幹細胞及び心筋細胞以外の細胞を含みうる。よって、本開示の製造方法は、一又は複数の実施形態において、分化誘導して得られた胚様体からペースメーカー細胞を選別することを含む。これにより、実質的にペースメーカー細胞のみによって構成される細胞塊を得ることができる。ペースメーカー細胞の選別は、従来公知の方法及び/又は今後開発される方法によって行うことができ、一又は複数の実施形態において、心筋細胞のみ生存可能な培地で胚様体を培養することにより行うことが好ましい。心筋細胞のみ生存可能な培地としては、一又は複数の実施形態において、無糖乳酸添加培地等が挙げられる。ペースメーカー細胞の選別は、例えば、Tohyama,S et al., Cell Stem Cell. 12,127−137(2013)に記載の方法を参酌して行うことができる。
本開示の製造方法において、細胞塊から個々のペースメーカー細胞への分散は、一又は複数の実施形態において、細胞解離剤を用いて行うことができる。細胞解離剤としては、一又は複数の実施形態において、トリプシン等が挙げられる。
本開示の製造方法において、培養時におけるペースメーカー細胞の組織構築を向上させる点から、細胞塊から分散させたペースメーカー細胞を分散を維持した状態で三次元組織片の形成に用いることが好ましい。同様の点から、一又は複数の実施形態において、分散させたペースメーカー細胞を接着培養することなく三次元組織片の形成に用いることが好ましく、分散後のペースメーカー細胞に剥離処理を行うことなく三次元組織片の形成に用いることがより好ましい。
本開示の製造方法は、三次元組織片を形成することを含む。三次元組織片の形成は、ペースメーカー細胞の表面が細胞外マトリックス成分を含む被膜で被覆された被覆細胞を積層して培養すること、又はペースメーカー細胞の細胞層と細胞外マトリックス成分を含む層とを交互に積層して培養することによって行う。これにより、ペースメーカー細胞が細胞外マトリックスを介して三次元的に積層される。
本開示の製造方法は、ペースメーカー組織片の機能の安定性を向上し、その機能を長期間維持させる点から、三次元組織の形成において、三次元組織内に血管網を形成することを含んでいてもよい。血管網の形成は、一又は複数の実施形態において、血管内皮細胞を上述の被覆細胞又はペースメーカー細胞の細胞層で挟んだ状態で培養することにより行うことができる。このように、細胞層間に挟まれた状態で血管内皮細胞を培養することにより、ヒトの生体内により近い緻密な血管網が形成されうる。血管内皮細胞は、細胞表面を細胞外マトリックス成分を含む被膜で被覆したものを使用してもよいし、そのまま使用してもよい。また、本開示の製造方法は、血管網以外にバイオロジカルペースメーカーとしての機能安定性を向上させる点から、一又は複数の実施形態において、その他の器官を形成することを含んでいてもよい。
<被覆細胞を用いた三次元組織片の形成>
本開示の製造方法において、三次元組織片の形成は、ペースメーカー細胞の表面が細胞外マトリックス成分を含む被膜で被覆された被覆細胞を積層して培養することによって行うことができる。被覆細胞の培養は、一又は複数の実施形態において、被覆細胞を容器内に播種すること、及び容器内で積層された状態の被覆細胞を培養することを含む。本開示の製造方法は、一又は複数の実施形態において、後述する被覆細胞の調製工程を含んでいてもよい。
被覆細胞は、ペースメーカー細胞と、ペースメーカー細胞を覆う細胞外マトリックス成分を含む被膜とを含む。細胞外マトリックス成分を含む被膜は、物質Aを含む膜と、前記物質Aと相互作用する物質Bを含む膜とを含むことが好ましい。物質Aと物質Bとの組み合わせとしては、一又は複数の実施形態において、RGD配列を有するタンパク質若しくは高分子(以下、「RGD配列を有する物質」ともいう)と前記RGD配列を有するタンパク質若しくは高分子と相互作用するタンパク質若しくは高分子(以下、「相互作用を有する物質」ともいう)との組み合わせ、又は、正の電荷を有するタンパク質若しくは高分子(以下、「正の電荷を有する物質」ともいう)と負の電荷を有するタンパク質若しくは高分子(以下、「負の電荷を有する物質」ともいう)との組み合わせである。
細胞外マトリックス成分を含む被膜の厚みは、一又は複数の実施形態において、1nm〜1×103nm、又は2nm〜1×102nmが好ましく、被覆細胞がより密に積層された三次元組織片が得られるという理由から、3nm〜1×102nmがより好ましい。細胞外マトリックス成分を含む被膜の厚みは、例えば、被膜を構成する膜の数によって適宜制御することができる。細胞外マトリックス成分を含む被膜は、特に制限されず、1層であってもよいし、一又は複数の実施形態において、例えば、3、5、7、9、11、13、15層又はそれ以上の多層であってもよい。
被覆細胞の播種は、一又は複数の実施形態において、被覆細胞が少なくとも2層以上積層されるように行えばよい。播種時の被覆細胞の密度は、一又は複数の実施形態において、目的とするペースメーカー組織片の大きさ及び厚み、培養する容器の大きさならびに積層される細胞の数等に応じて適宜決定でき、一又は複数の実施形態において、1×102個/cm3〜1×109個/cm3、1×104個/cm3〜1×108個/cm3、又は1×105個/cm3〜1×107個/cm3である。
培地は、特に制限されず、細胞に応じて適宜決定でき、例えば、Eagle’s MEM培地、Dulbecco’s Modified Eagle培地(DMEM)、Modified Eagle培地(MEM)、Minimum Essential培地、RDMI、GlutaMax培地、又は無血清培地等が挙げられる。
培養温度は、一又は複数の実施形態において、4〜60℃、20〜40℃、又は30〜37℃である。培養時間は、特に限定されるものではなく、一又は複数の実施形態において、1〜168時間、3〜24時間、又は3〜12時間である。
容器としては、取扱が容易となるという理由から、メンブレンフィルタが挙げられ、好ましくはメンブレンフィルタを備える培養プレート、より好ましくはハウジング部と基底部とを備え、基底部がメンブレンフィルタである培養プレートが挙げられる。ハウジング部は、透明であることが好ましい。該培養プレートは、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、トランスウェル(登録商標)、セルカルチャーインサート(商品名)等が挙げられる。容器の大きさは、製造するペースメーカー組織片の大きさに応じて適宜決定できる。
メンブレンフィルタの孔径は、培養した細胞がメンブレンフィルタ上に保持可能な範囲であれば特に制限されず、一又は複数の実施形態において、0.1μm〜2μm、又は0.4μm〜1.0μmである。また、メンブレンの材質は、一又は複数の実施形態において、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、又はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等が挙げられる。
<交互積層による三次元組織片の形成>
本開示の製造方法において、三次元組織片の形成は、ペースメーカー細胞の細胞層と細胞外マトリックス成分を含む層とを交互に積層して培養することによって行うことができる。
細胞層の形成は、一又は複数の実施形態において、容器にペースメーカー細胞を播種し、一定時間培養することにより行うことができる。培地、培養温度及び培養時間は被覆細胞を用いた三次元組織片の形成と同様である。
細胞外マトリックス成分を含む層の形成は、一又は複数の実施形態において、細胞層上に溶液Aと溶液Bとを配置することが挙げられ、好ましくは溶液Aと溶液Bとを交互に配置する。細胞外マトリックス成分を含む層の形成は、一又は複数の実施形態において、溶液Aと溶液Bとを交互に配置することを1セットとして、これを2セット、又は3セット以上繰返し行うことが好ましい。溶液A及び溶液Bは、被覆細胞を用いた三次元組織片の形成と同様である。
細胞層の形成後及び/又は細胞外マトリックスの形成後に洗浄液を配置し洗浄操作を行ってもよい。洗浄操作を行うことにより、細胞外マトリックスの形成に用いられなかった細胞外マトリックス成分や、細胞層の形成に用いられなかった細胞等を除去することができ、効率よく所望の細胞層及び/又は細胞外マトリックスを形成することができる。洗浄操作は、一又は複数の実施形態において、細胞層の形成後と細胞外マトリックスの形成後との双方に行うことが好ましい。また、同様の観点から、溶液Aの導入後及び/又は溶液Bの導入後に洗浄操作を行ってもよい。洗浄液は、被覆細胞を用いた三次元組織片の形成と同様である。
細胞層の形成及び細胞外マトリックス成分を含む層の形成等は、一又は複数の実施形態において、特開2007−228921号公報(特許第4919464号)に開示された方法を参酌して行うことができる。
[ペースメーカー組織片]
本開示は、一又は複数の実施形態において、ペースメーカー細胞と細胞外マトリックス成分とを含み、ペースメーカー細胞が細胞外マトリックス成分を介して積層され三次元組織化されたペースメーカー組織片(以下、「本開示のペースメーカー組織片」ともいう。)に関する。本開示のペースメーカー組織片は、一又は複数の実施形態において、単にペースメーカー細胞を集合させて細胞塊としたものではなく、ペースメーカー細胞を細胞外マトリックス成分を介して積層して三次元組織化したものであるため、個々の細胞がペースメーカー機能を発揮するのみならず、1つの組織として一律な拍動を示すことができる。また、ペースメーカー細胞が三次元マトリックス成分を介して細胞層として組織化されていることから、ペースメーカー組織片を構成するペースメーカー細胞の多くがその機能を保持した状態で生存可能であり、その結果、本開示のペースメーカー組織片は、長期間機能することができる。本開示のペースメーカー組織片は、本開示のペースメーカー組織片の製造方法により製造できる。
本開示のペースメーカー組織片は、ペースメーカー細胞及び細胞外マトリックス成分以外に、心筋細胞、洞房結節に含まれる器官を構成しうる細胞を含んでいてもよい。器官としては、例えば、血管、リンパ管、神経等が挙げられる。器官を構成する細胞としては、例えば、血管内皮細胞、脂肪細胞、筋芽細胞、線維芽細胞、間葉系幹細胞、造血幹細胞、神経細胞、癌細胞等が挙げられる。
本開示のペースメーカー組織片は、一又は複数の実施形態において、ペースメーカー細胞を1×105個以上、5×105個以上、又は1×106個以上含みうる。本開示のペースメーカー組織片の大きさは、特に限定されるものではなく目的に応じて適宜決定できるが、一又は複数の実施形態において、0.2cm2以上、0.5cm2以上、1cm2以上、又は4cm2以上、また50cm2以下、25cm2以下、又は15cm2以下である。また、ペースメーカー組織片の大きさは、一又は複数の実施形態において、洞房結節をカバーできる大きさがあればよく、また通常のペースメーカー機器と同程度の大きさであればよい。
本開示のペースメーカー組織片におけるペースメーカー細胞の密度は、一又は複数の実施形態において、1×105個/mm3以上、5×105個/mm3以上、1×106個/mm3以上、5×106個/mm3以上、又は1×107個/mm3以上であり、また、1×1010個/mm3以下、5×109個/mm3以下、又は1×109個/mm3以下である。
本開示のペースメーカー組織片は、一又は複数の実施形態において、トロポニン、コネキシン43、アクチン、ミオシン、及びE−カドヘリンの少なくとも一つが発現している。本開示のペースメーカー組織片は、一又は複数の実施形態において、トロポニンとアクチンとがほぼ同じ位置に発現している。これらの発現は、一又は複数の実施形態において、免疫蛍光染色により確認できる。
本開示のペースメーカー組織片は、一又は複数の実施形態において、バイオロジカルペースメーカーとして利用可能である。本開示のペースメーカー組織片は、一又は複数の実施形態として、心筋内部又は心筋表面に移植することによってペースメーカーとして使用することができる。本開示のペースメーカー組織片は、一又は複数の実施形態において、ペースメーカー細胞が三次元組織化されているため、移植が容易であり、また心筋に移植後の心筋からの流出を低減できる。本開示のペースメーカー組織片の移植部位は、一又は複数の実施形態において、心臓ペースメーカー機器と同様であり、洞房結節等が挙げられる。
<被覆細胞の調製>
以下に、本開示の製造方法において用いられる被覆細胞の製造方法の一例について説明する。
被覆細胞は、物質Aを含む溶液と、物質Bを含む溶液とを、ペースメーカー細胞に交互に接触させることにより調製することができる。物質Aと物質Bとの組み合わせとしては、上記の通り、RGD配列を有する物質と相互作用を有する物質との組み合わせ、又は、正の電荷を有する物質と負の電荷を有する物質との組み合わせが挙げられる。
(RGD配列を有する物質)
RGD配列を有する物質とは、細胞接着活性を担うアミノ酸配列である「Arg−Gly−Asp」(RGD)配列をするタンパク質又は高分子をいう。本明細書において「RGD配列を有する」とは、元来RGD配列を有するものでもよいし、RGD配列が化学的に結合されたものでもよい。RGD配列を有する物質は、生分解性であることが好ましい。
RGD配列を有するタンパク質としては、一又は複数の実施形態において、従来公知の接着性タンパク質、又はRGD配列を有する水溶性タンパク質等が挙げられる。接着性タンパク質としては、一又は複数の実施形態において、フィブロネクチン、ビトロネクチン、ラミニン、カドヘリン、又はコラーゲン等が挙げられる。RGD配列を有する水溶性タンパク質としては、一又は複数の実施形態において、RGD配列を結合させたコラーゲン、ゼラチン、アルブミン、グロブリン、プロテオグリカン、酵素、又は抗体等が挙げられる。
RGD配列を有する高分子としては、一又は複数の実施形態において、天然由来高分子、又は合成高分子が挙げられる。RGD配列を有する天然由来高分子としては、一又は複数の実施形態において、水溶性ポリペプチド、低分子ペプチド、α−ポリリジン又はε−ポリリジン等のポリアミノ酸、キチン又はキトサン等の糖等が挙げられる。RGD配列を有する合成高分子としては、一又は複数の実施形態において、直鎖型、グラフト型、くし型、樹状型、又は星型等のRGD配列を有するポリマー又は共重合体が挙げられる。ポリマー又は共重合体としては、一又は複数の実施形態において、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアミド、又はこれらの共重合体、ポリエステル、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド−co−ポリアクリル酸)、ポリアミドアミンデンドリマー、ポリエチレンオキサイド、ポリε−カプロラクタム、ポリアクリルアミド、又はポリ(メタクリル酸メチル−γ−ポリメタクリル酸オキシエチレン)等が挙げられる。
RGD配列を有する物質は、これらの中でも、フィブロネクチン、ビトロネクチン、ラミニン、カドヘリン、ポリリジン、エラスチン、RGD配列を結合させたコラーゲン、RGD配列を結合させたゼラチン、キチン、又はキトサンが好ましく、より好ましくはフィブロネクチン、ビトロネクチン、ラミニン、ポリリジン、RGD配列を結合させたコラーゲン、又はRGD配列を結合させたゼラチンである。
(相互作用する物質)
相互作用する物質とは、RGD配列を有する物質と相互作用するタンパク質若しくは高分子をいう。本明細書において「相互作用する」とは、一又は複数の実施形態において、静電的相互作用、疎水性相互作用、水素結合、電荷移動相互作用、共有結合形成、タンパク質間の特異的相互作用、及び又はファンデルワールス力等によって化学的及び又は物理的にRGD配列を有する物質と相互作用する物質とが結合、接着、吸着又は電子の授受が可能な程度に近接することを意味する。相互作用する物質は、生分解性であることが好ましい。
RGD配列を有する物質と相互作用するタンパク質としては、一又は複数の実施形態において、コラーゲン、ゼラチン、プロテオグリカン、インテグリン、酵素、又は抗体等が挙げられる。RGD配列を有する物質と相互作用する高分子としては、一又は複数の実施形態において、天然由来高分子、又は合成高分子が挙げられる。RGD配列を有する物質と相互作用する天然由来高分子としては、一又は複数の実施形態において、水溶性ポリペプチド、低分子ペプチド、ポリアミノ酸、エラスチン、ヘパリン、ヘパラン硫酸又はデキストラン硫酸等の糖、及びヒアルロン酸等が挙げられる。ポリアミノ酸としては、一又は複数の実施形態において、α−ポリリジン又はε−ポリリジン等のポリリジン、ポリグルタミン酸、又はポリアスパラギン酸等が挙げられる。RGD配列を有する物質と相互作用する合成高分子としては、一又は複数の実施形態において、上述のRGD配列を有する合成高分子として例示したものが挙げられる。
相互作用する物質は、これらの中でも、ゼラチン、デキストラン硫酸、ヘパリン、ヒアルロン酸、グロブリン、アルブミン、ポリグルタミン酸、コラーゲン、又はエラスチンが好ましく、より好ましくはゼラチン、デキストラン硫酸、ヘパリン、ヒアルロン酸、又はコラーゲン、さらに好ましくはゼラチン、デキストラン硫酸、ヘパリン、又はヒアルロン酸である。
RGD配列を有する物質と相互作用する物質との組み合わせは、特に制限されず、相互作用する異なる物質の組み合わせであればよく、いずれか一方がRGD配列を含む高分子又はタンパク質であり、他方がこれと相互作用する高分子又はタンパク質であればよい。RGD配列を有する物質と相互作用を有する物質との組み合わせとしては、一又は複数の実施形態において、フィブロネクチンとゼラチン、フィブロネクチンとε−ポリリジン、フィブロネクチンとヒアルロン酸、フィブロネクチンとデキストラン硫酸、フィブロネクチンとヘパリン、フィブロネクチンとコラーゲン、ラミニンとゼラチン、ラミニンとコラーゲン、ポリリジンとエラスチン、ビトロネクチンとコラーゲン、RGD結合コラーゲン又はRGD結合ゼラチンとコラーゲン又はゼラチン等が挙げられる。中でも、フィブロネクチンとゼラチン、フィブロネクチンとε−ポリリジン、フィブロネクチンとヒアルロン酸、フィブロネクチンとデキストラン硫酸、フィブロネクチンとヘパリン、又はラミニンとゼラチンが好ましく、より好ましくはフィブロネクチンとゼラチンである。なお、RGD配列を有する物質及び相互作用を有する物質は、それぞれ一種類ずつでもよいし、相互作用を示す範囲で二種類以上をそれぞれ併用してもよい。
(正の電荷を有する物質)
正の電荷を有する物質とは、正の電荷を有するタンパク質又は高分子をいう。正の電荷を有するタンパク質としては、一又は複数の実施形態において、水溶性タンパク質が好ましい。水溶性タンパク質としては、一又は複数の実施形態において、塩基性コラーゲン、塩基性ゼラチン、リゾチーム、シトクロムc、ペルオキシダーゼ、又はミオグロビン等が挙げられる。正の電荷を有する高分子としては、一又は複数の実施形態において、天然由来高分子及び合成高分子が挙げられる。天然由来高分子としては、一又は複数の実施形態において、水溶性ポリペプチド、低分子ペプチド、ポリアミノ酸、キチン又はキトサン等の糖等が挙げられる。ポリアミノ酸としては、一又は複数の実施形態において、ポリ(α−リジン)、ポリ(ε−リジン)等のポリリジン、ポリアルギニン、又はポリヒスチジン等が挙げられる。合成高分子としては、一又は複数の実施形態において、直鎖型、グラフト型、くし型、樹状型、又は星型等のポリマー又は共重合体が挙げられる。前記ポリマー又は共重合体としては、一又は複数の実施形態において、ポリウレタン、ポリアミド、ポリカーボネート、又はこれらの共重合体、ポリエステル、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(PDDA)、ポリアリルアミンハイドロクロライド、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、又はポリアミドアミンデンドリマー等が挙げられる。
(負の電荷を有する物質)
負の電荷を有する物質とは、負の電荷を有するタンパク質又は高分子をいう。負の電荷を有するタンパク質としては、一又は複数の実施形態において、水溶性タンパク質が好ましい。水溶性タンパク質としては、一又は複数の実施形態において、酸性コラーゲン、酸性ゼラチン、アルブミン、グロブリン、カタラーゼ、β−ラクトグロブリン、チログロブリン、α−ラクトアルブミン、又は卵白アルブミン等が挙げられる。負の電荷を有する高分子としては、天然由来高分子及び合成高分子が挙げられる。天然由来高分子としては、一又は複数の実施形態において、水溶性ポリペプチド、低分子ペプチド、ポリ(βリジン)等のポリアミノ酸、又はデキストラン硫酸等が挙げられる。合成高分子としては、一又は複数の実施形態において、直鎖型、グラフト型、くし型、樹状型、又は星型等のポリマー又は共重合体が挙げられる。前記ポリマー又は共重合体としては、一又は複数の実施形態において、ポリウレタン、ポリアミド、ポリカーボネート、及びこれらの共重合体、ポリエステル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリアクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、末端カルボキシ化ポリエチレングリコール、ポリジアリルジメチルアンモニウム塩、ポリアリルアミン塩、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、又はポリアミドアミンデンドリマー等が挙げられる。
正の電荷を有する物質と負の電荷を有する物質との組み合わせとしては、一又は複数の実施形態において、ε−ポリリジン塩とポリスルホン酸塩、ε−ポリリジンとポリスルホン酸塩、キトサンとデキストラン硫酸、ポリアリルアミンハイドロクロライドとポリスチレンスルホン酸塩、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドとポリスチレンスルホン酸塩、又はポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドとポリアクリル酸塩等が挙げられ、好ましくはε−ポリリジン塩とポリスルホン酸塩、又はポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドとポリアクリル酸塩である。ポリスルホン酸塩としては、一又は複数の実施形態において、ポリスルホン酸ナトリウム(PSS)等が挙げられる。なお、正の電荷を有する物質及び負の電荷を有する物質は、それぞれ、一種類ずつでもよいし、相互作用を示す範囲で二種類以上をそれぞれ併用してもよい。
以下に、被覆細胞の調製方法を好適な実施形態として、細胞に、まずRGD配列を有する物質を含有する溶液Aを接触させた後、RGD配列を有する物質に相互作用を有する物質を含有する溶液Bと接触させることにより被覆細胞を調製する方法を、例にとり説明する。但し、本開示は以下の実施形態に限定して解釈されるものではない。
まず、細胞を溶液Aと接触させる。これにより、細胞表面にRGD配列を有する物質を含む膜が形成され、細胞表面がRGD配列を有する物質を含む膜によって被覆される。細胞と溶液Aとの接触は、一又は複数の実施形態において、溶液Aを細胞に塗布又は添加すること、溶液Aに細胞を浸漬させること、溶液Aを細胞に滴下又は噴霧すること等により行うことができる。中でも、操作が容易であるという理由から、溶液Aに細胞を浸漬させることにより、細胞と接触させることが好ましい。
接触条件は、一又は複数の実施形態において、接触方法、RGD配列を有する物質及び又は細胞の種類、及び含有液の濃度等に応じて適宜決定できる。接触時間は、一又は複数の実施形態において、30秒〜24時間、1分〜60分、1分〜15分、1分〜10分、又は1分〜5分が好ましい。接触時の雰囲気温度及び又は溶液Aの温度は、一又は複数の実施形態において、4〜60℃、20〜40℃、又は30〜37℃が好ましい。
溶液Aは、RGD配列を有する物質を含んでいればよく、好ましくはRGD配列を有する物質と溶媒又は分散媒体(以下、単に「溶媒」ともいう)とを含む。溶液AにおけるRGD配列を有する物質の含有量は、一又は複数の実施形態において、0.0001〜1質量%、0.01〜0.5質量%、又は0.02〜0.1質量%が好ましい。溶媒としては、一又は複数の実施形態において、水、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)及び緩衝液等の水性溶媒が挙げられる。緩衝液としては、一又は複数の実施形態において、Tris−HCl緩衝液等のTris緩衝液、リン酸緩衝液、HEPES緩衝液、クエン酸−リン酸緩衝液、グリシルグリシン−水酸化ナトリウム緩衝液、Britton−Robinson緩衝液、又はGTA緩衝液等が挙げられる。溶媒のpHは、特に制限されず、一又は複数の実施形態において、3〜11、6〜8、又は7.2〜7.4が好ましい。
溶液Aは、一又は複数の実施形態において、塩、細胞成長因子、サイトカイン、ケモカイン、ホルモン、生理活性ペプチド、又は医薬組成物等をさらに含有してもよい。医薬組成物としては、一又は複数の実施形態において、疾患の治療剤、予防剤、抑制剤、抗菌剤、又は抗炎症剤等が挙げられる。塩としては、一又は複数の実施形態において、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、炭酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、塩化カリウム、リン酸水素ナトリウム、硫酸マグネシウム、コハク酸ナトリウム等が挙げられる。塩は、一種類でもよいし二種類以上含有していてもよい。溶液A及び溶液Bの双方が塩を含有していてもよいし、いずれか一方が塩を含有していてもよい。溶液A中の塩濃度は、特に制限されないが、一又は複数の実施形態において、1×10-6M〜2Mであり、好ましくは1×10-4M〜1M、より好ましくは1×10-4M〜0.05Mである。
ついで、RGD配列を有する物質を含む膜の形成に使用されなかった物質を除去する。除去は、一又は複数の実施形態において、遠心分離又は濾過等により行うことができる。遠心分離による除去は、一又は複数の実施形態において、溶液Aに細胞を分散させた状態で遠心分離し、ついで上澄みを除去することにより行うことができる。遠心分離条件は、細胞の種類、細胞の濃度、及び溶液Aに含まれる含有物の組成によって適宜決定できる。
上記除去に加えて、洗浄操作を行うことが好ましい。洗浄は、一又は複数の実施形態において、遠心分離又は濾過等により行うことができる。遠心分離による洗浄は、一又は複数の実施形態において、上澄みを除去された細胞に溶媒を添加し、遠心分離及び上澄みの除去をすることにより行うことができる。洗浄に用いる溶媒は、溶液Aの溶媒と同じであることが好ましい。
ついで、RGD配列を有する物質を含む膜で被覆された細胞を溶液Bと接触させる。これにより、RGD配列を有する物質を含む膜表面に相互作用をする物質を含む膜が形成され、RGD配列を有する物質を含む膜で被覆された細胞表面が相互作用をする物質を含む膜によって被覆される。溶液Bとの接触は、RGD配列を有する物質に代えて相互作用する物質を使用する以外は、溶液Aとの接触と同様に行うことができる。
溶液A又は溶液Bと細胞との接触とを交互に繰り返し行うことにより、細胞表面全体に、RGD配列を有する物質を含む膜と相互作用をする物質を含む膜とが交互に積層された細胞外マトリックス成分を含む被膜を形成することができる。溶液A又は溶液Bと細胞との接触を行う回数は、形成する細胞外マトリックス成分を含む被膜の厚み等に応じて適宜決定できる。
なお、被覆細胞及び被覆細胞の培養は、一又は複数の実施形態において、特開2012−115254号公報に開示された方法を参酌して行うことができる。
本開示は、以下の一又は複数の実施形態に関しうる。
[1] ペースメーカー細胞が積層された三次元組織片を形成することを含む、ペースメーカー組織片の製造方法であって、
前記三次元組織片は、ペースメーカー細胞と細胞外マトリックス成分とを含み、
前記三次元組織片の形成は、ペースメーカー細胞の表面が細胞外マトリックス成分を含む被膜で被覆された被覆細胞を積層して培養すること、又は前記ペースメーカー細胞の細胞層と前記細胞外マトリックス成分を含む層とを交互に積層して培養することを含む、ペースメーカー組織片の製造方法。
[2] 前記ペースメーカー細胞は、多能性を有する幹細胞に由来するペースメーカー細胞である、[1]記載の製造方法。
[3] 前記三次元組織片の形成は、前記被覆細胞を容器内に播種すること、及び前記容器内で積層された状態の前記被覆細胞を培養することを含む、[1]又は[2]記載の製造方法。
[4] 前記被覆細胞を調製することを含み、
前記被覆細胞の調製は、ペースメーカー細胞の細胞塊をトリプシン処理すること、及び前記トリプシン処理により細胞塊から分散させたペースメーカー細胞の表面に細胞外マトリックス成分を含む被膜を形成することを含む、[1]から[3]のいずれかに記載の製造方法。
[5] 前記細胞塊は、HCN遺伝子が導入された多能性幹細胞を分化誘導させて得られた胚様体を無糖乳酸添加培地で培養し、ペースメーカー細胞を選別することにより得られた細胞塊である、[4]記載の製造方法。
[6] 前記三次元組織片は、前記ペースメーカー細胞を1×105個以上含む、[1]から[5]のいずれかに記載の製造方法。
[7] ペースメーカー細胞と、細胞外マトリックス成分とを含み、
前記ペースメーカー細胞が前記細胞外マトリックス成分を介して積層され三次元組織化された、ペースメーカー組織片。
[8] [1]から[6]のいずれかに記載の製造方法によって製造される、[7]記載のペースメーカー組織片。
[9] バイオロジカルペースメーカーとして利用可能な、[7]又は[8]記載のペースメーカー組織片。
以下に、実施例を用いて本開示をさらに説明する。但し、本開示は以下の実施例に限定して解釈されない。
なお、本明細書の記載において、以下の略語を使用する。
50mM Tris−HCl(pH7.4):HCl(Nacalai Tesque社製)でpH7.4に調整した50mM Trisを、0.2μm γ−ray sterile filter(倉敷紡績株式会社製)で滅菌濾過したもの
BFN:Fibronectin from bovine plasma(SIGMA製)
BFN溶液:0.2mg BFN/1ml 50mM Tris−HCl(pH7.4)
DMEM:10% FBS(GIBCO社製)を含むDulbecco’s eagle’s medium(SIGMA社製)
Gelatin溶液:0.2mg Gelatin/1ml 50mM Tris−HCl(pH7.4)を、0.2μm γ−ray sterile filter(倉敷紡績株式会社製)で滅菌濾過したもの
(実施例1)
[mES細胞由来心筋細胞の作製]
マウスES細胞にRosa26−HCN4−IRES−AcGFP1/AAVS1−Hcn4−IRES−AcGFP1をエレクトロポレーションにより導入し、Hcn4過剰発現マウスES細胞を作製した。作製したHcn4過剰発現マウスES細胞を4日間浮遊培地して胚様体を形成させた後、分化用培地で10日間培養し、ペースメーカー機能を有する心筋細胞に分化誘導させた。分化誘導させた細胞を無糖乳酸添加培地で5日間培養することによって、Hcn4過剰発現マウスES細胞(以下、「mES細胞由来心筋細胞」ともいう)を選別し、選択的にmES細胞由来心筋細胞を細胞塊として取得した(Tohyama, S et al., Cell Stem Cell. 2012)。得られたmES細胞由来心筋細胞は、1分間当たり252回の拍動を示した。細胞の拍動数は、位相差顕微鏡観察により測定した。
[被覆細胞の作製]
得られた細胞塊をトリプシン処理(0.25%トリプシン、0.02%EDTA)(37℃、5分間)し、細胞塊から個々の細胞(mES細胞由来心筋細胞)に分散させた。得られたmES細胞由来心筋細胞をフラスコ等に接着させることなく、細胞の表面に細胞外マトリックス成分を含む被膜を形成した。被膜の形成は、以下の手順で行った。mES細胞由来心筋細胞を1×106cell/mlの濃度で0.2mg/mlのフィブロネクチンを含む50mM Tris−HCl(pH=7.4)溶液に分散させ、転倒混和によって緩やかに撹拌しながら1分間分散状態を保った後、2,500rpmの回転数で1分間の遠心分離を行った(FN浸漬操作)。ついで、上澄みを除き、50 mM Tris−HCl(pH=7.4)溶液を加え、細胞を分散させ、転倒混和によって緩やかに撹拌しながら1分間分散状態を保った後、2,500rpmの回転数で1分間の遠心分離を行った(洗浄操作)。上澄みを除き、0.2mg/mlのゼラチンを含む50mM Tris−HCl(pH=7.4)溶液に細胞を分散させ、転倒混和によって緩やかに撹拌しながら、1分間分散状態を保った後、2,500rpmの回転数で1分間の遠心分離を行い(G浸漬操作)、ついで洗浄操作を行った。そして、FN浸漬操作、洗浄操作、G浸漬操作、及び洗浄操作をこの順番で行った。FN浸漬操作及びG浸漬操作は洗浄操作とそれぞれセットで1ステップとし、最終的に、FN浸漬操作を5回、G浸漬操作を4回、計9ステップ行うことによって被覆細胞を作製した(コーティング層の厚み:7nm)。
[ペースメーカー組織片の作製]
24ウェル培養プレートに配置したトランスウェル(コーニング社製;ポアサイズ:0.4μm、表面積:0.33cm2)のメンブレンフィルタ上に4×105個の被覆細胞を播種し、10重量%FBSを含むDMEM培地を添加して37℃で5日間培養した。これによりペースメーカー細胞が4層積層されたペースメーカー組織片(厚み:およそ30μm)が得られた。得られたペースメーカー組織片におけるペースメーカー細胞の密度は4×107個/mm2であった。図1に得られたペースメーカー組織片の位相差写真を示す。得られたペースメーカー組織片は、組織片に含まれるペースメーカー細胞が同期して心筋細胞組織として一律な拍動が確認された(拍動数:約250回/分)。
参考例として、メンブレンフィルタ上に播種した被覆細胞の数を1×105個とした以外は、実施例1と同様に、1層のペースメーカー細胞層を作製した。得られたペースメーカー細胞層は、50回/分程度の拍動を示したが、細胞層として一律な拍動は見られなかった。
[ペースメーカー組織片の評価]
得られたペースメーカー組織片を通常の培地(12mL)で5日間培養後、拍動数を測定し、ついで1.0μMイソプロテレノールを添加して30分間培養した。拍動数を測定した後、PBSで3回洗浄した後通常の培地(12mL)で1日間培養して拍動数を測定し、3.0μMイバブラジンを添加して30分間培養した。拍動数を測定した後、30μMイバブラジンを添加してさらに30分間培養して拍動数を測定した。PBSで3回洗浄した後通常の培地(12mL)で30分間培養し、拍動数を測定した。その結果を図2に示す。なお、培地は、10重量%FBS及び1%抗菌剤を含むDMEM培地を用いた。
図2は、薬剤添加前後のペースメーカー組織片の1分間あたりの拍動数の変化を示すグラフの一例である。図2において左から順に、イソプロテレノール添加前(Normal)、イソプロテレノール添加30分後、通常の培地への交換後(Normal)、3.0μMイバブラジン添加30分後、30μMイバブラジン添加30分後、通常の培地への交換後(Normal)における拍動数を示す。図2に示すように、実施例1のペースメーカー組織片は、拍動促進剤であるイソプロテレノールを添加すると拍動数が大幅に上昇し、一方、Hcn4遺伝子阻害剤であるイバブラジンを添加すると拍動数が減少した。また、参考例として、Hcn4遺伝子を導入することなく心筋細胞に分化誘導させた細胞を用いた以外は実施例1と同様の手順で作製した組織片を使用して同様の実験を行ったところ、拍動数の変化はほとんど見られなかった。よって、実施例1のペースメーカー組織片に含まれるペースメーカー細胞は、Hcn4チャネルが発現し、機能していることが確認できた。
(実施例2)
[マウスへの移植実験]
実施例1と同様にしてペースメーカー移植片(大きさ:0.33cm2、細胞の密度:4×107個/mm3)を作製し、それをNOD−SCIDマウスの皮下に移植した。移植1週間後、特に強い炎症反応などは観察されず、良好な生着が確認された。
(実施例3)
被覆細胞の細胞数を1×106個とし、播種後の培養期間を20日にとした以外は実施例1と同様にしてペースメーカー組織片を作製した。ホルマリン固定後、免疫蛍光染色を行い、共焦点レーザー顕微鏡(CLSM)を用いた測定を行った。その結果を、筋細胞に特異的なトロポニンであるトロポニンTの発現、細胞間のイオン伝達をつかさどるギャップジャンクションを構成するタンパク質であるコネキシン43の発現が確認できた。また、アクチン及びミオシンの発現が確認できると共に、トロポニンとアクチンとがほぼ同じ位置に発現しており、生体における心筋組織に類似する染色パターンが確認できた。細胞間接着に関与するE−カドヘリンの発現も確認できた。
(実施例4)
被覆細胞の細胞数を1×105個、3×105個又は5×105個とし、播種後の培養期間を7日間とした以外は実施例1と同様にして細胞層の異なる3種類のペースメーカー組織片(細胞層:1層、3層又は5層)を作製し、その拍動数を計測した。また、参考例としてHcn4遺伝子を導入することなく心筋細胞に分化誘導させた細胞を用いた以外は実施例4と同様の手順で作製し、拍動数の計測を行った。それらの結果を図3に示す。
図3に示すように、細胞層数が5層のペースメーカー組織片(厚み:17±5.0μm)の拍動数が最も多く、次に3層(厚み:11±0.5μm)及び1層(厚み:4.9±1.7μm)の順番で拍動数の減少が見られた。つまり、細胞層の数及び/又は厚みが多ければ多いほど、拍動数が上昇した。

Claims (9)

  1. ペースメーカー細胞が積層された三次元組織片を形成することを含む、ペースメーカー組織片の製造方法であって、
    前記三次元組織片は、ペースメーカー細胞と細胞外マトリックス成分とを含み、
    前記三次元組織片の形成は、ペースメーカー細胞の表面が細胞外マトリックス成分を含む被膜で被覆された被覆細胞を積層して培養すること、又はペースメーカー細胞の細胞層と細胞外マトリックス成分を含む層とを交互に積層して培養することを含む、ペースメーカー組織片の製造方法。
  2. 前記ペースメーカー細胞は、多能性を有する幹細胞に由来するペースメーカー細胞である、請求項1記載の製造方法。
  3. 前記三次元組織片の形成は、前記被覆細胞を容器内に播種すること、及び前記容器内で積層された状態の前記被覆細胞を培養することを含む、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記被覆細胞を調製することを含み、
    前記被覆細胞の調製は、ペースメーカー細胞の細胞塊をトリプシン処理すること、及び前記トリプシン処理により細胞塊から分散させたペースメーカー細胞の表面に細胞外マトリックス成分を含む被膜を形成することを含む、請求項1から3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 前記細胞塊は、HCN遺伝子が導入された多能性幹細胞を分化誘導させて得られた胚様体を無糖乳酸添加培地で培養し、ペースメーカー細胞を選別することにより得られた細胞塊である、請求項4記載の製造方法。
  6. 前記三次元組織片は、前記ペースメーカー細胞を1×105個以上含む、請求項1から5のいずれかに記載の製造方法。
  7. ペースメーカー細胞と、細胞外マトリックス成分とを含み、
    前記ペースメーカー細胞が前記細胞外マトリックス成分を介して積層され三次元組織化された、ペースメーカー組織片。
  8. 請求項1から6のいずれかに記載の製造方法によって製造される、請求項7記載のペースメーカー組織片。
  9. バイオロジカルペースメーカーとして利用可能な、請求項7又は8記載のペースメーカー組織片。
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