JPWO2014208507A1 - 眼内レンズの挿入器具 - Google Patents

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Abstract

眼内レンズの挿入器具に粘弾性物質を注入する際の注入場所、注入方向または注入量のばらつきを抑制し、眼内レンズの挿入器具の適切な場所に適切な量の粘弾性物質を供給することを可能にする技術を提供する。ステージ蓋部13に設けられたニードル孔13dより注射器のニードルを挿入してヒアルロン酸などの粘弾性物質をステージ部12内に注入した後に、切開創より眼球内にノズル部15を挿入し、眼球内に挿入されたノズル部15の先端10aから眼内レンズ2を眼球内に放出する眼内レンズの挿入器具において、ステージ部12の内部におけるニードル孔13dの対面に、注射器のニードルの先端を受容する凹部であるニードル当接部60を有する受容部を備える。

Description

本発明は、眼内レンズを患者の眼球内に挿入するための眼内レンズの挿入器具に関する。
従来から、白内障等の手術においては、眼球における角膜(鞏膜)や水晶体前嚢部分などの眼組織に切開創を設け、この切開創を介して嚢内の水晶体を摘出、除去し、その後に、水晶体に代替する眼内レンズを、前記切開創より眼内に挿入して嚢内に配置させる処置が行われている。
特に近年においては、眼内レンズを切開創より眼球内に挿入する際に、以下に示すような挿入器具が用いられる場合が多い。すなわち、器具本体の先端部に設けられた挿入筒部の先端開口を上述の切開創を通じて眼球内に挿し入れると共に、眼内レンズを器具本体内で小さく変形せしめた状態で挿入筒部の先端開口から棒状のプランジャによって押し出すことにより、眼内レンズを眼球内に放出して挿入する。このような挿入器具を用いることにより、水晶体の摘出除去のために形成した切開創を利用して眼内レンズを簡単に眼球内に挿入できるので、手術を簡略化することができ、手術後の乱視の発生や感染症の発生を抑制することができる。
ところで、眼内レンズを上記の挿入器具を用いて眼球内に挿入する際には、眼内レンズが挿入器具内を挿入筒部の先端開口に向けて円滑に移動可能となるように、ヒアルロン酸などの粘弾性物質を挿入器具内に注入し、眼内レンズと挿入器具の内壁の間に粘弾性物質を介在させる場合がある。これにより、眼内レンズと挿入器具の間の摩擦抵抗を低減し、眼内レンズが挿入器具内をより円滑に移動することを可能としている。また、粘弾性物質を挿入器具内に注入する際には、挿入器具に設けられた孔から注射器の針を挿入器具内に挿入し、注射器によって粘弾性物質を挿入器具内の特に眼内レンズが収納された場所に注入していた。
しかしながら、従来より、注射器の針をどの程度まで挿入器具内に進入させ、針先がどの位置にある状態で粘弾性物質を注入するかは、使用者の感覚に委ねる場合が多かった。そうすると、注入後の挿入器具内における粘弾性物質の分布も使用者に拠ってばらついてしまう場合があった。また、注射器の鈍針を挿入器具内に過剰に深く進入させた場合には、鈍針の先が挿入器具の対壁の内壁に強く当接されて塞がり、充分な量の粘弾性物質が注入できなくなる場合もあった。このように、注射器によって粘弾性物質を挿入器具内に注入する際の注入位置、注入方向や注入量がばらつき、眼内レンズの眼球内への挿入時に、眼内レンズの挿入器具内における摩擦抵抗を安定して低減することが困難な場合があった。
特開2010−273986号公報
本発明は、上記の従来技術の問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的は、眼内レンズの挿入器具に粘弾性物質を注入する際の注入場所、注入方向または注入量などのばらつきを抑制し、眼内レンズの挿入器具の適切な場所に適切な量の粘弾性物質を供給することを可能にする技術を提供することである。
上記の課題を解決するための本発明は、収納部に設けられた挿入孔より注射器の針を挿入して粘弾性物質を収納部内に注入した後に、切開創より眼球内に挿入筒部を挿入し、眼球内に挿入された挿入筒部の先端から眼内レンズを眼球内に放出する眼内レンズの挿入器具において、収納部の内部における前記挿入孔の対面に、注射器の針の先端を受容する凹部を有する受容部を備えることを最大の特徴とする。
より詳細には、眼球組織に形成された切開創に挿入される挿入筒部を有し略筒状に形成された器具本体と、
前記器具本体に一体または別体に設けられ、眼内レンズを収納することで前記眼内レンズを前記器具本体の中に配置可能な収納部と、
前記器具本体に押し込まれて前記収納部に収納された前記眼内レンズを先端で押圧することで前記眼内レンズを前記挿入筒部の先端から眼球内に放出するプランジャと、
を備え、
前記収納部に設けられた挿入孔より注射器の針を挿入して粘弾性物質を前記収納部内に注入した後に、前記切開創より眼球内に挿入された前記挿入筒部の先端から前記眼内レンズを眼球内に放出することで眼内レンズを眼球内に挿入する眼内レンズの挿入器具であって、
前記収納部の内部における前記挿入孔の対面には、前記注射器の針の先端を受容する凹部を有する受容部を備えることを特徴とする。
本発明によれば、収納部における挿入孔の対面に設けられた受容部に注射器の針を受容させた上で粘弾性物質を収納部に注入することで、粘弾性物質を注入する際の針の先端位置のばらつきを抑えることが可能となり、粘弾性物質の注入場所を安定化することが可能である。
また、本発明においては、前記受容部の凹部は、前記注射器の針の径より大きい底面外径を有する円錐状の窪みにより形成されてもよい。
すなわち、受容部の凹部の形状が注射器の針の径より大きい底面外径を有する円錐状である場合には、使用者が挿入孔から注射器の針を挿入し収納部の内部に進入させた際に、注射器の針の先端を前記円錐状の凹部が形成された範囲に当接させることで、注射器の針の先端位置を当該円錐の中心に自動的に導くことが可能となる。これにより、より簡単に、粘弾性物質の注入時の注射器の針の先端位置を安定化させることが可能となる。
また、本発明においては、前記受容部の凹部は、円筒端面の形状を有する前記注射器の針の先端を当接させた場合に、該注射器の針の先端と前記受容部の凹部の表面との間に隙間が生じる形状を有するようにしてもよい。
ここで、注射器の針が、先端が円筒端面(円筒の端面すなわち、中空の円形断面を有する端面を示す。)の形状を有する鈍針である場合は、注射器の針を平面に強く当接させたときには、粘弾性物質が排出される隙間が無くなってしまい、注射器の押子(プランジャ)を強く押しても所望量の粘弾性物質を収納部に注入することが困難になる場合があった。これに対し、受容部の凹部が注射器の針の先端と前記受容部の凹部の表面との間に隙間が生じる形状を有する場合には、使用者が注射器の針を受容部に強く当接させたとしても粘弾性物質を当該隙間から安定して注入することが可能になる。
また、本発明においては、前記受容部の凹部には、該受容部に受容された前記注射器の針の先端から排出された粘弾性物質が所定の方向に流れるように設けられた粘弾性物質の通路が接続されるようにしてもよい。
これによれば、受容部の凹部に受容された状態で注射器の針の先端から粘弾性物質が排出された場合に、この粘弾性物質を前記通路に沿って収納部内を所定の方向に流動させることができる。従って、粘弾性物質の注入後における収納部内の粘弾性物質の分布を制御することが可能となる。例えば、受容部の凹部に、断面積及び方向が異なる複数の通路が接続されるようにすれば、供給する粘弾性物質の場所及び量を詳細に制御することが可能となる。さらに、必要な場所に必要量の粘弾性物質を供給できるので粘弾性物質の無駄を低減することが可能となる。
また、本発明においては、前記収納部には一または複数の貫通孔が形成され、
前記収納部の外部から取り付けられ、前記貫通孔を貫通して前記収納部の内部に進入し該収納部に収納された眼内レンズを載置させて位置規制する位置決め部材をさらに備え、
前記受容部は前記位置決め部材に設けられるようにしてもよい。
ここで、眼内レンズの挿入器具には、使用前には収納部に収納された眼内レンズの位置を規制しており、眼内レンズを眼球内へ挿入する作業の前に、挿入器具から取り外すことにより収納部内の眼内レンズを移動可能な状態にする位置決め部材を備えるものがある。この位置決め部材を備える眼内レンズの挿入器具では、収納部に一または複数の貫通孔が形成されており、位置決め部材が取り付けられた状態では位置決め部材に設けられた位置規制用の突起がこの貫通孔を貫通して収納部の内部に進入しており、眼内レンズを載置させて位置規制するようになっている。
本発明では、このような眼内レンズの挿入器具において、受容部を上記の位置決め部材に設けてもよいこととした。これによれば、眼内レンズの眼球内への挿入作業時においては、位置決め部材が取り外されるので、受容部が眼内レンズの挿入器具内の移動やプランジャの作動に影響を及ぼすことを抑制できる。また、仮に位置決め部材を取り外してから粘弾性物質を注入しようとした場合には、受容部が収納部内に存在せず代わりに貫通孔が存在することになるので、注射器の針を受容部に当接させることができない。これにより、使用者による作業順序の誤りを自動的に報知することが可能となる。
また、本発明においては、前記位置決め部材に設けられた前記受容部は、収納部に配置された眼内レンズの光軸方向に関し、前記位置決め部材に設けられ前記眼内レンズが載置される載置面より、光軸後側に位置するようにしてもよい。
ここで、粘弾性物質は、器具本体の内壁であって、眼内レンズの移動時に眼内レンズが接する面と眼内レンズとの間に介在させることが望ましい。通常は、眼内レンズにおける光軸後側の面が器具本体の内壁に接しつつ眼内レンズは器具本体内を移動する。本発明においては、位置決め部材が挿入器具に取り付けられた状態で、粘弾性物質を収納部に注入する際に、眼内レンズが載置されている面より受容部を光軸後側に配置するので、粘弾性物質を、より確実に眼内レンズの光軸後側の面と器具本体の下面との間に供給することが可能である。従って、本発明によれば、器具本体の内壁であって眼内レンズの移動時に眼内レンズが接する面と、眼内レンズとの間に、粘弾性物質をより確実に介在させることが可能となる。
また、本発明においては、前記受容部は、前記収納部に収納された眼内レンズに対し、前記プランジャによる前記眼内レンズの押圧方向前側に設けられるようにしてもよい。
ここで、粘弾性物質は、収納部において、眼内レンズのプランジャによる押圧方向前側に供給されることが望ましい。これは、眼内レンズの眼球内への挿入作業時に、眼内レンズがプランジャにより押圧され移動を開始した際に自動的に粘弾性物質の上を通過することで、眼内レンズの移動時に眼内レンズが接する面と眼内レンズとの間に粘弾性物質が介在する状態とすることができるからである。
本発明においては、前記受容部は、前記収納部に収納された眼内レンズに対し、前記プランジャによる前記眼内レンズの押圧方向前側に設けられるようにした。これにより、より確実に、粘弾性物質を眼内レンズのプランジャによる押圧方向前側に供給することが可能となり、最終的にはより確実に、眼内レンズの移動時に眼内レンズが接する面と眼内レンズとの間に粘弾性物質が介在する状態とすることが可能となる。
なお、上記した本発明の課題を解決する手段については、可能なかぎり組み合わせて用いることができる。
本発明によれば、眼内レンズの挿入器具に粘弾性物質を注入する際の注入場所、注入方向または注入量のばらつきを抑制し、眼内レンズの挿入器具の適切な場所に適切な量の粘弾性物質を供給することができる。
従来の眼内レンズの挿入器具の概略構成を示す図である。 眼内レンズの概略構成を示す図である。 従来のノズル本体の概略構成を示す図である。 従来の位置決め部材の概略構成を示す図である。 従来のプランジャの概略構成を示す図である。 本発明の実施例1におけるニードル当接部、ニードル当接台及び溝の概略図である。 本発明の実施例1におけるニードル当接部、ニードル当接台及び溝の作用について説明するための図である。 本発明の実施例1における位置決め部材の概略構成を示す図である。 本発明の実施例1におけるノズル本体のステージ部付近の概略構成を示す図である。 本発明の実施例1におけるニードル当接部、ニードル当接台及び溝が、ノズル本体のセット面から露出した状態の平面図である。 本発明の実施例2におけるニードル当接部の各態様について示す図である。 本発明の実施例3におけるニードル当接部、ニードル当接台及び溝の概略図である。 本発明の実施例4におけるニードル当接部、ニードル当接台及び溝の概略図である。 本発明の実施例5におけるノズル本体のステージ部付近の概略構成を示す図である。
以下に、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
〔実施例1〕
図1には、従来の眼内レンズの挿入器具1(以下、単に、挿入器具1ともいう。)の概略構成を示す。図1(a)は平面図、図1(b)は側面図を示している。挿入器具1は、断面略矩形の筒状に形成されており片側は大きく開口し(以下、大きく開口した側を後端部10bという。)、別の側の端部には細く絞られた挿入筒部としてのノズル部15及び斜めに開口した先端部10aを備える器具本体としてのノズル本体10と、ノズル本体10に挿入され往復運動可能なプランジャ30とを備えている。なお、以下において、ノズル本体10の後端部10bから先端部10aへ向かう方向を前方向、その逆方向を後方向、図1(a)において紙面手前側を上方向、その逆方向を下方向、図1(b)において紙面手前方向を左方向、その逆方向を右方向とする。また、この場合、上側は後述するレンズ本体2aの光軸前側に、下側はレンズ本体2aの光軸後側に、前側はプランジャ30による押圧方向前側に、後側はプランジャ30による押圧方向後側に相当する。
ノズル本体10の後端部10b付近には、板状に迫り出し、使用者がプランジャ30をノズル本体10の先端側に押し込む際に指を掛けるホールド部11が一体的に設けられている。また、ノズル本体10におけるノズル部15の後側には、眼内レンズ2をセットする収納部としてのステージ部12が設けられている。このステージ部12は、ステージ蓋部13を開蓋することでノズル本体10の上側が開放されるようになっている。また、ステージ部12には、ノズル本体10の下側から位置決め部材50が取り付けられている。この位置決め部材50によって、使用前(輸送中)においてもステージ部12内で眼内レンズ2が安定して保持されている。
すなわち、挿入器具1においては、製造時に、ステージ蓋部13が開蓋し位置決め部材50がステージ部12に取り付けられた状態で、眼内レンズ2がステージ部12に、光軸前側が上になるようにセットされる。そして、ステージ蓋部13を閉蓋させた後出荷・販売される。さらに、使用時には使用者がステージ蓋部13を閉蓋したままで位置決め部材50を取り外し、その後プランジャ30をノズル本体10の先端側に押し込む。このことで、プランジャ30によって眼内レンズ2を押圧し、ノズル部15まで移動させた上で、先端部10aより眼内レンズ2を眼球内に放出する。なお、挿入器具1におけるノズル本体10、プランジャ30、位置決め部材50はポリプロピレンなどの樹脂の素材で形成される。ポリプロピレンは医療用機器において実績があり、耐薬品性などの信頼性も高い素材である。
図2は、眼内レンズ2の概略構成を示した図である。図2(a)は平面図、図2(b)は側面図を示す。眼内レンズ2は、所定の屈折力を有するレンズ本体2aと、レンズ本体2aと一体に設けられ、レンズ本体2aを眼球内で保持するためのヒゲ状の2本の支持部2b、2bとから形成されている。レンズ本体2a及び支持部2bは可撓性の樹脂材料から形成されている。本実施例における挿入器具1内では、2つの支持部2b、2bのうちの一つが、レンズ本体2aの後側、もう一つがレンズ本体の前側に配置されるように、眼内レンズ2がセットされる。
図3にはノズル本体10の平面図を示す。前述のようにノズル本体10においては、眼内レンズ2はステージ部12にセットされる。そして、その状態でプランジャ30によって眼内レンズ2が押圧されて先端部10aから放出される。なお、ノズル本体10の内部にはノズル本体10の外形の変化に応じて断面形状が変化する貫通孔10cが設けられている。そして、眼内レンズ2が放出される際は、眼内レンズ2は、ノズル本体10内の貫通孔10cの断面形状の変化に応じて変形し、患者の眼球に形成された切開創に入り易い形に変形した上で放出されることになる。
また、先端部10aは、ノズル部15の上側の領域が下側の領域より前側になるように斜めにカットされた形状となっている。なお、この先端部10aの斜めにカットされた形状については、左右方向から見て直線的に斜めにカットされていてもよいし、外側に膨らみを持つように、すなわち曲面形状となるように斜めにカットされていてもよい。
ステージ部12には、眼内レンズ2のレンズ本体2aの径より僅かに大きな幅を有するステージ溝12aが形成されている。ステージ溝12aの前後方向の寸法は、眼内レンズ2の両側に延びる支持部2b、2bを含む最大幅寸法よりも大きく設定されている。また、ステージ溝12aの底面によってセット面12bが形成されている。セット面12bの上下方向位置は、ノズル本体10の貫通孔10cの底面の高さ位置よりも上方に設定されており、セット面12bと貫通孔10cの底面とは底部斜面10dによって連結されている。
ステージ部12とステージ蓋部13とは一体に形成されている。ステージ蓋部13はステージ部12と同等の前後方向の寸法を有している。ステージ蓋部13は、ステージ部12の側面がステージ蓋部13側に延出して形成された薄板状の連結部14によって連結されている。連結部14は中央部で屈曲可能に形成されており、ステージ蓋部13は、連結部14を屈曲させることでステージ部12に上側から重なり閉蓋することができるようになっている。
ステージ蓋部13において、閉蓋時にセット面12bと対向する面には、ステージ蓋部13を補強し、眼内レンズ2の位置を安定させるためにリブ13a及び13bが設けられている。また、プランジャ30の上側のガイドとして案内突起13cが設けられている。また、ステージ蓋部13には、眼内レンズ2を眼球内に挿入する作業の前にステージ部12にヒアルロン酸を注射器で注入するための挿入孔としてのニードル孔13dが設けられている。使用者は、眼内レンズ2の挿入作業の前にこのニードル孔13dから注射器のニードルを挿入し、ステージ部12内の必要位置にヒアルロン酸を供給する。
ステージ部12のセット面12bの下側には、位置決め部材50が取外し可能に設けられている。図4に、位置決め部材50の概略構成を示す。図4(a)は平面図を示し、図4(b)は左側面図を示している。位置決め部材50はノズル本体10と別体として構成されており、一対の側壁部51、51が連結部52で連結された構造とされている。それぞれの側壁部51の下端には、外側に向けて延出して広がる保持部53、53が形成されている。
そして、それぞれの側壁部51、51の上端部には、上方から見た形状が円弧形状であり上側に突出した一対の第一載置部54、54が形成されている。さらに、第一載置部54、54の上端面における外周側には、第一位置決め部55、55が突出して形成されている。第一位置決め部55、55の内径どうしの距離は、眼内レンズ2のレンズ本体2aの径寸法よりも僅かに大きく設定されている。
また、連結部52の前後方向の両端には、上方から見た形状が矩形状であり上側に突出した一対の第二載置部56、56が形成されている。第二載置部56、56の上面の高さは、第一載置部54、54の上面の高さと同等になっている。更に、第二載置部56、56の上面において外側の部分には、第二載置部56、56の左右方向の全体に亘って上側にさらに突出する第二位置決め部57、57が形成されている。第二位置決め部57、57の内側どうしの離隔は、眼内レンズ2のレンズ本体2aの径寸法よりも僅かに大きく設定されている。加えて、第二載置部56、56の上端部には左右方向の全体に亘り、前後方向に僅かに突出した係止爪58、58が形成されている。
上記の位置決め部材50は、ノズル本体10のセット面12bの下側から組み付けられる。ノズル本体10のセット面12bには、厚さ方向にセット面12bを貫通するセット面貫通孔12cが形成されている。セット面貫通孔12cの外形は、位置決め部材50の第一載置部54、54および第二載置部56、56を上側から見た形状に対し僅かに大きな略相似形状とされている。そして、位置決め部材50がノズル本体10に取り付けられる際には、第一載置部54、54および第二載置部56、56が、セット面12bの下側からセット面貫通孔12cに挿入され、セット面12bの上側に突出する。
その際、第二位置決め部57、57に設けられた係止爪58、58がセット面貫通孔12cを介してセット面12bに突出し、セット面12bの上面に係止される。このことによって、位置決め部材50がノズル本体10の下側から組み付けられ、第一載置部54、54および第二載置部56、56がセット面12bから突出した状態で固定される。そして、眼内レンズ2がセット面12bにセットされる際には、レンズ本体2aの外周部底面が、第一載置部54、54および第二載置部56、56の上面に載置される。また、レンズ本体2aは第一位置決め部55、55及び第二位置決め部57、57によって水平方向に対して位置規制される。
図5には従来のプランジャ30の概略構成を示す。プランジャ30は、ノズル本体10よりもやや大きな前後方向長さを有している。そして、円柱形状を基本とした先端側の作用部31と、矩形ロッド形状を基本とした後端側の挿通部32とから形成されている。そして、作用部31は、円柱形状とされた円柱部31aと、円柱部31aの左右方向に広がる薄板状の扁平部31bとを含んで構成されている。
作用部31の先端部分には、切欠部31cが形成されている。この切欠部31cは、図5から分かるように、作用部31の上方向に開口し左右方向に貫通する溝状に形成されている。また、図5(b)から分かるように、切欠部31cの先端側の溝壁は作用部31の先端側に行くに連れて上方に向かう傾斜面で形成されている。
一方、挿通部32は、は全体的に概略H字状の断面を有しており、その左右方向および上下方向の寸法は、ノズル本体10の貫通孔10cよりも僅かに小さく設定されている。また、挿通部32の後端には、上下左右方向に広がる円板状の押圧板部33が形成されている。
挿通部32の前後方向の中央より先側の部分には、挿通部32の上側に向けて突出し、プランジャ30の素材の弾性により上下に移動可能な爪部32aが形成されている。そして、プランジャ30がノズル本体10に挿入された際には、ノズル本体10の上面において厚さ方向に設けられた図3に示す係止孔10eと爪部32aが係合し、このことにより初期状態におけるノズル本体10とプランジャ30との相対位置が決定される。なお、爪部32aと係止孔10eの形成位置は、係合状態において、作用部31の先端が、ステージ部12にセットされた眼内レンズ2のレンズ本体2aの後側に位置し、レンズ本体2aの後側の支持部2bを切欠部31cが下方から支持可能な場所に位置するよう設定されている。
上記のように構成された挿入器具1の眼内レンズ2の収納前においては、プランジャ30がノズル本体10に挿入されて初期位置に配置される。また、位置決め部材50が、前述のように、セット面12bの下方からノズル本体10に取り付けられる。これにより、位置決め部材50の第一載置部54、54および第二載置部56、56がセット面12bに突出した状態に保持される。
次に、眼内レンズ2のレンズ本体2aが支持部2b、2bをノズル本体10の前後方向に向けた状態で第一載置部54、54および第二載置部56、56の上面に載置され位置決めされる。この状態において、眼内レンズ2は、レンズ本体2aの外周部分が第一載置部54、54および第二載置部56、56に接触しているので、中央部分は非負荷状態で支持されている。また、この状態において、眼内レンズ2の後側の支持部2bは、プランジャ30の切欠部31cの底面によって支持されている。
挿入器具1を用いて眼内レンズ2を眼球内に挿入する場合には、先ず、ニードル孔13dから注射器のニードルを差し入れて必要箇所にヒアルロン酸を注入する。次に位置決め部材50をノズル本体10から取り外す。これにより、眼内レンズ2のレンズ本体2aを支持していた第一載置部54、54および第二載置部56、56がセット面12bから後退し、眼内レンズ2がセット面12b上に移動可能に載置される。
続いて、眼組織に設けた切開創に、ノズル本体10のノズル部15における先端部10aを挿入する。ここにおいて、先端部10aは斜めの開口形状を有しているので、切開創への挿入を容易に行なうことができる。そして、切開創にノズル部15を挿入した後に、その状態で、プランジャ30の押圧板部33をノズル本体10の先端側に押し込む。これにより、セット面12aにセットされた眼内レンズ2のレンズ本体2a外周にプランジャ30の作用部31の先端が当接し、プランジャ30によって眼内レンズ2が先端部10aに向けて案内される。
ところで、挿入器具1を用いて眼内レンズ2を眼球内に挿入する場合には、上述のように、ニードル孔13dから注射器のニードルを差し入れてステージ部12にヒアルロン酸を注入する。これにより、プランジャ30で眼内レンズ2を押圧した際の、眼内レンズ2と貫通孔10cの間の摩擦抵抗を低減し、より円滑に眼内レンズ2を眼球内に放出することが可能になっている。
そして、その際には、眼内レンズ2の光軸後側に充分な量のヒアルロン酸が供給されることが望ましい。これは、通常眼内レンズ2の自重は眼内レンズ2の光軸後側に作用するので、眼内レンズ2の光軸後側の面と貫通孔10cの底面との間により大きな摩擦抵抗が発生することによる。また、眼内レンズ2の、プランジャ30による押圧方向前側にも充分な量のヒアルロン酸が供給されることが望ましい。これは、眼内レンズ2の押圧方向前側にヒアルロン酸を充填することで、眼内レンズ2が前側に移動する際に自動的に眼内レンズ2の光軸後側の面と貫通孔10cの底面との間に行き渡らせることができるからである。
しかしながら、従来の眼内レンズの挿入器具1においては、ニードル孔13dから注射器のニードルを挿入し、ヒアルロン酸を注入する際のニードルの状態については使用者の感覚に委ねている場合があった。従って、例えばニードルのステージ部12への進入量が少な過ぎる場合には、ニードルの先端から排出されたヒアルロン酸は、眼内レンズ2の光軸前側にしか供給されず、眼内レンズ2のプランジャ30による押圧方向前側及び、眼内レンズ2の光軸後側の面と貫通孔10cの底面との間に充分に供給されない場合があった。そうすると、眼内レンズ2の移動時の摩擦抵抗を充分に低減できない場合があった。
また、ニードルのステージ部12への進入量が多過ぎ、ニードルの先端がセット面12bに強く当接した場合には、特にニードルが鈍針の場合にはニードル先端の穴を塞いでしまい、ヒアルロン酸を充分に注入できない場合があった。さらに、ニードル孔13dからニードルを挿入した後のニードル先端の目標がないために、ヒアルロン酸を注入する際のニードル先端の位置がばらつき、結果として、ヒアルロン酸の注入後のステージ部12における分布が眼内レンズの挿入作業毎にばらついてしまう場合があった。
これに対し、本実施例では、ニードル孔13dからステージ部12にニードルを挿入した後のニードル先端の目標であって、ニードル径より大きな底面外径を有する円錐状の窪みからなる凹部としてのニードル当接部を、貫通孔10cのセット面12b側に設けることにした。また、ニードル当接部には、ニードルから注入されたヒアルロン酸を所望の方向に導くための溝部が接続されるようにした。
図6には、本実施例における、ニードル当接部60付近の図を示す。図6(a)は平面図、図6(b)は断面A−Aによる断面図である。本実施例では、ニードル当接部60は、略直方体の形状を有するニードル当接台61にニードル径より大きな底面外径を有する円錐状の窪みを設けることで形成されている。また、本実施例では、ニードル当接台61には、3本の溝62a〜62cが形成されている。この溝62a〜62cは、円錐状の窪みであるニードル当接部60の側面の途中から放射状に形成されている。そして、深さはニードル当接部60の頂点部より深くなるように形成されている。なお、本実施例において受容部は、ニードル当接部60、ニードル当接台61及び溝62a〜62cを含んで構成される。
また、本実施例では、ニードル当接台61は後述するように位置決め部材50に設けられている。従って、位置決め部材50をノズル本体10に取り付けた際に、ニードル当接台61は、図6(b)に示すようにセット面貫通孔12dを貫通してセット面12bから突出した状態に保持される。
図7には、ヒアルロン酸の注入作業における、ニードル当接部60、ニードル当接台61及び溝62a〜62c(以下、「ニードル当接部60など」ともいう。)による作用について示す。ヒアルロン酸の注入作業においては、ステージ蓋部13に設けられたニードル孔13dから鈍針であるニードル65を侵入させる。その際、ニードル当接台61及びニードル当接部60が、通常透明なステージ部12またはステージ蓋部13を透過して外部から視認できるので、これを目標にニードル65をノズル本体10の奥まで進入させる。
そして、ニードル65の先端をニードル当接部60に当接させる。この状態において、ニードル65の先端はニードル当接部60の円錐状の側面に当接されるので、ニードル65の先端の位置は、自動的にニードル当接部60の中心付近に補正される。また、その際に、溝62a〜62cとニードル当接部60の接続部分においては、ニードル65の先端とニードル当接部60との間に隙間が生じている。そして、この状態でヒアルロン酸を注入すると、ニードル65の先端から排出されたヒアルロン酸はニードル当接部60で受容された後、溝62a〜62cに流入し、溝62a〜62cを流動してステージ部12に広がっていく。
このように、ニードル当接部60を設けたことで、先ず、ニードル65をニードル孔13dから挿入させた後の進入の目標が明確化することができる。そして、ニードル65をニードル当接部60に当接することで、ニードル65の先端位置が一定箇所に補正され位置のバラつきを抑制することができる。そして、ニードル65の先端とニードル当接部60との間に必ず隙間を生じさせることができるように構成されているので、ニードル65の先端が塞がれてヒアルロン酸が排出しづらくなるような不都合を抑制できる。さらに、溝62a〜62cを設けたことで、ニードル65の先端から注入されたヒアルロン酸を効率良く必要箇所に供給する事が可能となっている。
図8にはニードル当接部60などが設けられた位置決め部材50の概略図を示す。図8(a)は平面図、図8(b)は側面図を示す。図8(b)に示すように、ニードル当接部60の高さは、第一載置部54、54および第二載置部56、56の高さよりも低く設定されている。このことは、ニードル当接部60及びニードル当接台61の存在が眼内レンズ2の初期位置への設置に影響を及ぼさないことを示しているとともに、ニードル65から排出されたヒアルロン酸がセット面12bと眼内レンズ2の下面すなわち光軸後側の面との間に充分に供給できることを示している。なお、図8において溝の向きや本数は種々の態様があり得るもので、図8のような態様に限定されるものではない。
また、図9には、本実施例におけるノズル本体10のステージ部12付近の図を示す。4つのセット面貫通孔12cの他に、ニードル当接部60などを貫通させ露出させるためのセット面貫通孔12dが設けられている。
図10には、本実施例のニードル当接部60などが、ノズル本体10のセット面12bから露出した状態の平面図を示す。図から分かるように、ステージ部12の下側からニードル当接部60などが設けられた位置決め部材50を取り付けることで、セット面12bに設けられたセット面貫通孔12dを貫通してニードル当接部60などがセット面12b上に露出している。そして、ステージ蓋部13を閉蓋してニードル孔13dからニードル65を挿入し奥まで進入させると、ニードル65の先端がニードル当接部60に当接するようになっている。
なお、本実施例では、ニードル当接部60などは、眼内レンズ2の左前側に配置されている。そして、溝62aはニードル当接部60に対して左側、溝62b及び溝62cが右側に延びるように形成されている。これにより、ニードル65から注入されたヒアルロン酸は、主に眼内レンズ2の前側の部分に供給されることになる。
以上、説明したとおり、本実施例においては、ステージ部12の、ステージ蓋部13を閉蓋した際にニードル孔13dに対向する位置に、円錐状の窪みからなり溝62a〜62cに連結したニードル当接部60を設けた。これにより、ニードル当接部60の円錐状の側面を利用して、使用者がニードル65をニードル孔13dから挿入し奥まで進入させた場合に、ニードル65の先端位置を適宜補正することが可能になる。
また、その際、円錐状の窪みの側面が溝62a〜62cに連結しているために、必ずニードル65の先端とニードル当接部60の面との間に隙間を設けることができ、使用者がニードル65をステージ部12内に強く挿入したとしても、充分な量のヒアルロン酸をステージ部12に注入することが可能になる。また、本実施例では3本の溝62a〜62cのうち、溝62aをステージ溝12aの側面側に配置させ、溝62b及び溝62cを眼内レンズ2の前側に配置させた。また、ニードル当接部60などの高さは、第一載置部54、54および第二載置部56、56の高さよりも低く設定した。これにより、充分な量のヒアルロン酸を眼内レンズ2の前側と、眼内レンズ2の光軸後側の面とセット面12bとの間に供給することができる。
さらに、本実施例においては、ニードル当接部60などを、位置決め部材50に設け、ステージ部12から取り外し可能とした。これにより、ニードル当接部60及び、ニードル当接台61、溝62a〜62cがノズル本体10内における眼内レンズ2及びプランジャ30の作動に影響を及ぼすことを防止できる。また、例えば、使用者が位置決め部材50を取り外した後にヒアルロン酸を注入しようとした場合には、ニードル65がセット面貫通孔12dを貫通してステージ部12を突き抜けてしまうので、使用者に作業の順序が誤っていることを自動的に報知することが可能となる。
〔実施例2〕
次に、本発明の実施例2について説明する。本実施例では、ニードル当接部が、ヒアルロン酸を流動させるための溝を有さない場合について説明する。図11(a)〜図11(c)には、本実施例の異なる態様について示す。図11(a)に示すのは、円錐状の窪みからなるニードル当接部70を有する点は図6で示した例と同様であるが、溝62a〜62cの変わりに、直方体状の窪み72a〜72cをさらに配置した例である。
この窪み72a〜72cは、鈍針であるニードル65をニードル当接部70に当接させた場合に、ニードル65の先端とニードル当接部70の面との間に隙間を生じせしめ、ヒアルロン酸をニードル65から確実にステージ部12に排出させるためのものである。すなわち、ニードル65の先端から排出されたヒアルロン酸はニードル当接部70に受容され、窪み72a〜72cを経由してニードル65の外部に排出されステージ部12に供給される。
また、図11(b)に示すのは、円錐状の窪みからなるニードル当接部80が設けられるとともに、このニードル当接部80の側面の表面を意識的に荒らした例である。この荒し面にニードル65が当接された場合には、荒し面の凹凸によって、ニードル65とニードル当接部80との間には適宜隙間が生じる。そして、ニードル65から排出されたヒアルロン酸はこの隙間から外部に排出され、ステージ部12に供給される。
図11(c)に示すのは、円錐状の窪みからなるニードル当接部60の代わりに、四角錐状の窪みからなるニードル当接部90を備えた態様である。この場合は、ニードル当接部90にニードル65を当接させると、ニードル65の先端とニードル当接部90の面との間には必ず隙間が生じる。そして、ニードル65から排出されたヒアルロン酸はこの隙間から外部に排出され、ステージ部12に供給される。
以上のように本実施例では、ニードル当接部に溝が接続されていない場合について説明した。ニードル当接部に溝が接続されていない場合であっても、先ず、使用者がニードル65をニードル孔13dから挿入した後のニードル65の目標としてニードル当接部が機能することが可能である。また、ニードル当接部が錐状の窪みとして形成されることで、ニードル65の先端の位置をニードル当接部の中心部に向けて補正することが可能である。さらに、ニードル65の先端とニードル当接部との間に隙間が生じる構成とすることで、使用者がニードル65をニードル当接部に強く押し付けたような場合でもニードル65の先端からヒアルロン酸を円滑に排出させることが可能となる。
〔実施例3〕
次に、本発明の実施例3について説明する。本実施例ではニードル当接部が、円錐状でなく円柱状の窪みである例について説明する。図12には、本実施例におけるニードル当接部100及びニードル当接台101付近の概略図を示す。図12(a)は平面図、図12(b)は断面A−Aによる断面図を示す。本実施例におけるニードル当接部100は円柱状の窪みによって形成されている。
また、実施例1と同様に、ニードル当接部100には溝62a〜62cが接続されている。このニードル当接部100にニードル65の先端を当接させた場合には、その先端を窪みの中心に補正する機能こそ発揮しないが、この構成であっても使用者がニードル孔13dからニードル65をステージ部12内に挿入した後の目標としての機能を有する。また、ニードル65の先端とニードル当接部100の底面との間には溝62a〜62cによる隙間が確実に生じるので、この場合であっても、充分な量のヒアルロン酸をニードル65の先端からステージ部12に供給することが可能である。
さらに、本実施例においても、ニードル当接部100には溝62a〜62cが接続されているので、ニードル65から排出されたヒアルロン酸に溝62a〜62cを流動させ、ステージ部12における所望の場所に供給することが可能となる。
〔実施例4〕
次に、本発明の実施例4について説明する。本実施例では、ニードル当接部は円錐状の窪みによって形成されるが、溝の態様が実施例1とは異なる例について説明する。図13(a)及び図13(b)には、本実施例におけるニードル当接部付近の概略図を示す。図13(a)には、ニードル当接台111に形成された円錐状の窪みからなるニードル当接部110に対して、同じ方向に延びている3つの溝112a〜112cが接続されている態様を示す。この態様によれば、ニードル65がニードル当接部110に当接され、その先端からヒアルロン酸が排出された場合に、ヒアルロン酸に溝112a〜112cを流動させることで、全量のヒアルロン酸を同じ方向に導くことが可能である。このように、例えば、眼内レンズ2の前側に全てのヒアルロン酸を供給したい場合に、全ての溝112a〜112cを眼内レンズ2の前側に向けて延びるように形成すればよい。
そうすれば、より効率的にヒアルロン酸の供給場所を制御することが可能である。さらに、必要な場所に必要な量のヒアルロン酸を供給できるので、ヒアルロン酸の無駄を低減できる。なお、溝の形成態様は図13(a)の態様に限られないことは当然である。ステージ部12におけるニードル当接部110、ニードル当接台111と眼内レンズ2との位置関係によって、溝の延びる方向、本数は適宜定めればよい。これにより、より高い自由度で、ヒアルロン酸を所望の場所に供給することが可能となる。また、その際に各溝の断面積を変更してもよいことは当然である。
また、図13(b)には、ニードル当接台121に形成された円錐状の窪みからなるニードル当接部120が、溝ではなく横穴112a〜112cと接続されている態様について図示する。この態様では、ニードル当接部120に溝が接続されている場合と比較して、流動中のヒアルロン酸が上面から溢れることがないので、より確実にヒアルロン酸を所望の場所に供給することが可能である。
〔実施例5〕
次に、本発明の実施例5について説明する。本実施例では、ニードル当接部が、位置決め部材50に設けられるのではなくノズル本体10のセット面12bに直接設けられる例について説明する。図14には本実施例におけるニードル当接部などの配置について示す。
図14(a)は本実施例に係るステージ部12付近の平面図である。図14(b)は、ニードル当接台12fを通過する断面によるステージ部12の断面図である。本実施例のステージ部12には、プランジャ30の円柱部31aの振れを防止し、眼内レンズ2をその上に保持する、2本の土手状のガイド10f、10fが備えられている。ガイド10f、10fによって、プランジャ30の横振れが防止でき、より安定してプランジャ30を作動させることができる。
そして、本実施例ではニードル当接部12e、ニードル当接台12f及び溝は、セット面12と一体的に成型によって形成されている。そして、ニードル当接台12fの高さは、ガイド10f、10fの高さより低く設定されている。従って、本実施例ではニードル当接部12e、ニードル当接台12f及び溝を、セット面12bに直接形成しても、眼内レンズ2やプランジャ30の作動に影響を及ぼすことはない。
本実施例によれば、より簡単な構成及び方法で、ニードル当接部12e、ニードル当接台12f及び溝を、セット面12bに形成することが可能である。なお、本実施例においては、ニードル当接台12fの高さをガイド10f、10fの高さより低い状態でセット面12bから上方に突出させている。しかしながら、ニードル当接台12fの高さをセット面12bと同一の高さとしても構わない。すなわち、この場合にはセット面12b上に円錐状の窪みであるニードル当接部と溝が掘り込まれるような状態で形成される。この場合でもより簡単な構成及び方法で、ニードル当接部12e及び溝を、セット面12bに形成することが可能である。
なお、上記の実施例では、眼内レンズ2のレンズ本体2aと支持部2b、2bとが一体に成形されたワンピースタイプの眼内レンズを例にとって説明したが、支持部2b、2bをレンズ本体2aとは別部材で形成したスリーピースタイプの眼内レンズにも本発明を適用可能であることは言うまでもない。また、本発明は、眼内レンズ2がステージ部12にセットされた状態で流通するプリセットタイプの他、手術前に使用者が眼内レンズ2をステージ部12にセットして用いるタイプの眼内レンズの挿入器具にも適用可能である。また、上記の実施例では粘弾性物質の例としてヒアルロン酸を挙げて説明したが、他の粘弾性物質をステージ部12に注入する際にも本発明が適用できることは言うまでもない。
1・・・挿入器具
2・・・眼内レンズ
10・・・ノズル本体
12・・・ステージ部
13・・・ステージ蓋部
15・・・ノズル部
30・・・プランジャ
31・・・作用部
50・・・位置決め部材
60、70、80、90、100、110、120・・・ニードル当接部
61、71、81、91、101、111、121・・・ニードル当接台
62a、62b、62c・・・溝

Claims (7)

  1. 眼球組織に形成された切開創に挿入される挿入筒部を有し略筒状に形成された器具本体と、
    前記器具本体に一体または別体に設けられ、眼内レンズを収納することで前記眼内レンズを前記器具本体の中に配置可能な収納部と、
    前記器具本体に押し込まれて前記収納部に収納された前記眼内レンズを先端で押圧することで前記眼内レンズを前記挿入筒部の先端から眼球内に放出するプランジャと、
    を備え、
    前記収納部に設けられた挿入孔より注射器の針を挿入して粘弾性物質を前記収納部内に注入した後に、前記切開創より眼球内に挿入された前記挿入筒部の先端から前記眼内レンズを眼球内に放出することで眼内レンズを眼球内に挿入する眼内レンズの挿入器具であって、
    前記収納部の内部における前記挿入孔の対面には、前記注射器の針の先端を受容する凹部を有する受容部を備えることを特徴とする眼内レンズの挿入器具。
  2. 前記受容部の凹部は、前記注射器の針の径より大きい底面外径を有する円錐状の窪みにより形成されたことを特徴とする請求項1に記載の眼内レンズの挿入器具。
  3. 前記受容部の凹部は、円筒端面の形状を有する前記注射器の針の先端を当接させた場合に、該注射器の針の先端と前記受容部の凹部の表面との間に隙間が生じる形状を有することを特徴とする請求項1または2に記載の眼内レンズの挿入器具。
  4. 前記受容部の凹部には、該受容部に受容された前記注射器の針の先端から排出された粘弾性物質が所定の方向に流れるように設けられた粘弾性物質の通路が接続されたことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の眼内レンズの挿入器具。
  5. 前記収納部には一または複数の貫通孔が形成され、
    前記収納部の外部から取り付けられ、前記貫通孔を貫通して前記収納部の内部に進入し該収納部に収納された眼内レンズを載置させて位置規制する位置決め部材をさらに備え、
    前記受容部は前記位置決め部材に設けられたことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の眼内レンズの挿入器具。
  6. 前記位置決め部材に設けられた前記受容部は、収納部に配置された眼内レンズの光軸方向に関し、前記位置決め部材に設けられ前記眼内レンズが載置される載置面より、光軸後側に位置することを特徴とする請求項5に記載の眼内レンズの挿入器具。
  7. 前記受容部は、前記収納部に収納された眼内レンズに対し、前記プランジャによる前記眼内レンズの押圧方向前側に設けられたことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の眼内レンズの挿入器具。
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