JP6627267B2 - 眼内レンズ挿入器具 - Google Patents

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本発明は、眼内レンズ挿入器具に関する。
白内障治療においてヒト混濁水晶体の置換や屈折の補正のために水晶体の代用として挿入される眼内レンズが実用に供されている。白内障治療における眼内レンズ挿入手術においては、例えば角膜の縁に数ミリの切開の創口(切開創)が設けられ、超音波水晶体乳化吸引術などにより水晶体が粉砕されて切開創から取り除かれた後、眼内レンズが挿入及び固定される。
近年においては、眼内レンズを切開創より眼球内に挿入する際に、あらかじめ眼内レンズがカートリッジに装填された挿入器具が用いられる場合が多い。使用者は、器具本体の先端部に設けられた挿入筒部の先端開口を上述の切開創を通じて眼球内に挿し入れると共に、眼内レンズを器具本体内で小さく変形せしめた状態で挿入筒部の先端開口から棒状のプランジャーによって押し出すことにより、眼内レンズを眼球内に放出して挿入する。このような挿入器具を用いることにより、水晶体の摘出除去のために形成した切開創を利用して眼内レンズを簡単に眼球内に挿入できるので、手術を簡略化することができ、手術後の乱視の発生や感染症の発生を抑制することができる。
一般に眼内レンズは、レンズ本体とレンズ本体に接続される支持部とを有する。そして、眼内レンズを上記の挿入器具を用いて眼球内に挿入する場合、プランジャーが眼内レンズを先端開口側に移動するにつれて、眼内レンズは挿入筒部の内壁形状に合わせて折り畳まれた状態になる。このとき、単にプランジャーによって眼内レンズを押し出すだけでは、挿入筒部内で眼内レンズの位置が定まらず、眼内レンズの挙動を安定させることができない。そこで、特許文献1や特許文献2や特許文献3では、プランジャーの先端部に挿入筒部内における眼内レンズの挙動を安定させるための構成を設けることが提案されている。
特開2012−50713号公報 特開平5−103803号公報 特開2009−18009号公報
しかしながら、特許文献1や特許文献2に示された眼内レンズ挿入器具では、プランジャーの先端部に眼内レンズの支持部を受け入れるための構成が設けられているにすぎないためプランジャーの先端部が眼内レンズの支持部を受け入れた後も、依然として支持部の位置が変動して眼内レンズが異常な挙動を示す可能性がある。また、特許文献3に示された眼内レンズ挿入器具では、レンズが前に傾いてノズル先端から放出されるという、いわゆる前傾射出を起こす可能性がある。
本件開示の技術は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、眼内レンズの挙動をより安定させることができる構成をより簡易に実現することができる眼内レンズ挿入器具を提供することである。
本件開示の眼内レンズ挿入器具は、レンズ本体とレンズ本体に一端が接続されている長尺の支持部とを有する眼内レンズを折り畳んだ状態で眼内に挿入する挿入筒部を先端に有する略筒状の器具本体と、眼内レンズを器具本体内に配置可能に収納した収納部と、器具本体内を摺動して眼内レンズを挿入筒部に押し出す眼内レンズ押出部材とを備える眼内レンズ挿入器具であって、眼内レンズ押出部材の先端部の外周面に、眼内レンズが挿入筒部に移動したときに、支持部のうち少なくとも一端側の一部の眼内レンズの光軸前側方向への移動を規制して眼内レンズの光軸後側方向への移動を許容する段差を有する姿勢規制手段が設けられている。これにより、眼内レンズを挿入部から眼内に放出する際にIOLが前傾射出にならないような方向に支持部の根元部分の姿勢を規制することで眼内レンズの挙動を安定させ、前傾射出を防止することができる構造を眼内レンズ挿入器具に設けることができる。
また、眼内レンズ押出部材の先端部は、収納部に収納された眼内レンズの支持部を収納する切欠部をさらに有し、姿勢規制手段は、眼内レンズ押出部材の先端部における眼内レンズと当接する面から切欠部に至る帯状の領域内に設けられている。さらに、姿勢規制手段は、支持部の一部と当接する凸部であってもよい。
本件開示の技術によれば、眼内レンズの挙動をより安定させることができる構成をより簡易に実現することができる眼内レンズ挿入器具を提供することができる。
一実施形態における眼内レンズ挿入器具の概略構成を示す図である。 一実施形態における眼内レンズの概略構成を示す図である。 一実施形態におけるノズル本体の概略構成を示す図である。 一実施形態における位置決め部材の概略構成を示す図である。 一実施形態におけるプランジャーの概略構成を示す図である。 一実施形態におけるプランジャーの先端部の概略構成を示す図である。 一実施形態におけるプランジャーの先端部と眼内レンズを示す図である。 一実施形態におけるプランジャーの先端部と眼内レンズを示す図である。 一実施形態におけるプランジャーの先端部と眼内レンズの支持部とノズル部の位置関係を示す断面図である。 変形例におけるプランジャーの先端部の概略構成を示す図である。
以下に、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
〔実施例〕
図1に、本実施形態の挿入器具1の概略構成を示す。図1(a)はステージ蓋部13を開蓋した場合の挿入器具1の平面図、図1(b)はステージ蓋部13を閉蓋した場合の挿入器具1の側面図を示している。挿入器具1は、器具本体としてのノズル本体10と、眼内レンズの押出部材としてのプランジャー30と、眼内レンズの収納部としてのステージ部12及びステージ蓋部13を有する。ステージ部12は、ノズル本体10に一体又は別体に設けられる。ノズル本体10にはプランジャー30が挿入されている。ステージ部12には、眼内レンズ2がセットされる。ステージ部12は、ステージ蓋部13と一体に形成されている。
挿入器具1のノズル本体10は、断面略矩形の筒状に形成されており片側の端部は大きく開口し(以下、大きく開口した側を後端部10bという。)、別の側の端部には細く絞
られたノズル部15と先端部10aを備える。図1(b)に示すように、先端部10aは斜めに開口している。プランジャー30は、ノズル本体10に挿入され往復運動可能である。
以下の説明において、ノズル本体10の後端部10bから先端部10aへ向かう方向を前方向、その逆方向を後方向、図1(a)において紙面手前側を上方向、その逆方向を下方向、図1(b)において紙面手前方向を左方向、その逆方向を右方向とする。また、この場合、上側は後述するレンズ本体2aの光軸前側に、下側はレンズ本体2aの光軸後側に、前側はプランジャー30による押圧方向前側に、後側はプランジャー30による押圧方向後側に相当する。
ノズル本体10の後端部10b付近には、板状に迫り出し、使用者がプランジャー30をノズル本体10の先端側に押し込む際に指を掛けるホールド部11が一体的に設けられている。また、ノズル本体10におけるノズル部15の後側には、眼内レンズ2をセットするステージ部12が設けられている。このステージ部12は、ステージ蓋部13を開蓋することでノズル本体10の上側が開放されるようになっている。また、ステージ部12には、ノズル本体10の下側から位置決め部材50が取り付けられている。この位置決め部材50によって、使用前(輸送中)においてもステージ部12内で眼内レンズ2が安定して保持されている。
すなわち、挿入器具1においては、製造時に、ステージ蓋部13が開蓋し位置決め部材50がステージ部12に取り付けられた状態で、眼内レンズ2がステージ部12に、光軸前側が上になるようにセットされる。そして、ステージ蓋部13を閉蓋させた後出荷され、販売される。そして、使用者はステージ蓋部13を閉蓋したままで位置決め部材50を取り外し、その後プランジャー30をノズル本体10の先端側に押し込む。これにより、プランジャー30によって眼内レンズ2を押圧し、ノズル部15まで移動させた上で、先端部10aより眼内レンズ2を眼球内に放出する。なお、挿入器具1におけるノズル本体10、プランジャー30、位置決め部材50はポリプロピレンなどの樹脂の素材で形成される。ポリプロピレンは医療用機器において実績があり、耐薬品性などの信頼性も高い素材である。
図2は、眼内レンズ2の概略構成を示した図である。図2(a)は平面図、図2(b)は側面図を示す。眼内レンズ2は、いわゆるスリーピース型である。眼内レンズ2は、所定の屈折力を有するレンズ本体2aと、レンズ本体2aに連結された、レンズ本体2aを眼球内で保持するためのヒゲ状の2本の支持部2b、2bとから形成されている。レンズ本体2a及び支持部2bは可撓性の樹脂材料から形成されている。本実施例における挿入器具1内では、2つの支持部2b、2bのうちの一つが、レンズ本体2aの後側、もう一つがレンズ本体の前側に配置されるように、眼内レンズ2がセットされる。
図3にはノズル本体10の平面図を示す。前述のようにノズル本体10においては、眼内レンズ2はステージ部12にセットされる。そして、その状態でプランジャー30によって眼内レンズ2が押圧されて先端部10aから放出される。なお、ノズル本体10の内部にはノズル本体10の外形の変化に応じて断面形状が変化する貫通孔10cが設けられている。そして、眼内レンズ2が放出される際は、眼内レンズ2は、ノズル本体10内の貫通孔10cの断面形状の変化に応じて変形して折り畳まれた状態となり、患者の眼球に形成された切開創に入り易い形に変形した上で放出される。
また、先端部10aは、ノズル部15の上側の領域が下側の領域より前側になるように斜めにカットされた形状となっている。なお、この先端部10aの斜めにカットされた形状については、左右方向から見て直線的に斜めにカットされていてもよいし、外側に膨ら
みを持つように、すなわち曲面形状となるように斜めにカットされていてもよい。
ステージ部12には、眼内レンズ2のレンズ本体2aの径より僅かに大きな幅を有するステージ溝12aが形成されている。ステージ溝12aの前後方向の寸法は、眼内レンズ2の両側に延びる支持部2b、2bを含む最大幅寸法よりも大きく設定されている。また、ステージ溝12aの底面によってセット面12bが形成されている。セット面12bの上下方向位置は、ノズル本体10の貫通孔10cの底面の高さ位置よりも上方に設定されており、セット面12bと貫通孔10cの底面とは底部斜面10dによって連結されている。
ステージ部12とステージ蓋部13とは一体に形成されている。ステージ蓋部13はステージ部12と同等の前後方向の寸法を有している。ステージ蓋部13は、ステージ部12の側面がステージ蓋部13側に延出して形成された薄板状の連結部14によって連結されている。連結部14は中央部で屈曲可能に形成されており、ステージ蓋部13は、連結部14を屈曲させることでステージ部12に上側から重なり閉蓋することができる。
ステージ蓋部13において、閉蓋時にセット面12bと対向する面には、ステージ蓋部13を補強し、眼内レンズ2の位置を安定させるためにリブ13a及び13bが設けられている。また、プランジャー30の上側のガイドとして案内突起13cが設けられている。また、蓋部13には眼内レンズのノズル内の移動をスムーズにするための粘弾性物質を注入する注入穴16が設けられている。蓋部13の外側には、注入穴16の外周の一部が盛り上がっている突起部17が設けられている。突起部17は、注入される注射器の針を注入穴16にガイドして粘弾性物質を注入しやすくする機能を有する。
ステージ部12のセット面12bの下側には、位置決め部材50が取外し可能に設けられている。図4に、位置決め部材50の概略構成を示す。図4(a)は位置決め部材50の平面図を示し、図4(b)は位置決め部材50の左側面図を示している。位置決め部材50はノズル本体10と別体として構成されており、一対の側壁部51、51が連結部52で連結された構造とされている。それぞれの側壁部51の下端には、外側に向けて延出して広がる保持部53、53が形成されている。
そして、それぞれの側壁部51、51の上端部には、上側に突出した一対の第一載置部54、54が形成されている。さらに、第一載置部54、54の上端面における外周側には、第一位置決め部55、55が突出して形成されている。第一位置決め部55、55の内側どうしの離隔長さは、眼内レンズ2のレンズ本体2aの径寸法よりも僅かに大きく設定されている。
また、側壁部51、51の内側の前後方向の両端には、上側に突出した一対の第二載置部56、56が形成されている。第二載置部56、56の上面の高さは、第一載置部54、54の上面の高さと同等になっている。さらに、第二載置部56、56の上面において外側の部分には、第二載置部56、56の左右方向の全体にわたって上側にさらに突出する第二位置決め部57、57が形成されている。第二位置決め部57、57の内側どうしの離隔長さは、眼内レンズ2のレンズ本体2aの径寸法よりも僅かに大きく設定されている。加えて、第二載置部56、56の上端部には左右方向の全体にわたり、前後方向に僅かに突出した係止爪58、58が形成されている。
上記の位置決め部材50は、ノズル本体10のセット面12bの下側から組み付けられる。ノズル本体10のセット面12bには、厚さ方向にセット面12bを貫通するセット面貫通孔12cが形成されている。セット面貫通孔12cの外形は、位置決め部材50の第一載置部54、54及び第二載置部56、56を上側から見た形状に対し僅かに大きな
略相似形状とされている。そして、位置決め部材50がノズル本体10に取り付けられる際には、第一載置部54、54及び第二載置部56、56が、セット面12bの下側からセット面貫通孔12cに挿入され、セット面12bの上側に突出する。
その際、第二位置決め部57、57に設けられた係止爪58、58がセット面貫通孔12cを介してセット面12bに突出し、セット面12bの上面に係止される。このことによって、位置決め部材50がノズル本体10の下側から組み付けられ、第一載置部54、54及び第二載置部56、56がセット面12bから突出した状態で固定される。そして、眼内レンズ2がセット面12bにセットされる際には、レンズ本体2aの外周部底面が、第一載置部54、54及び第二載置部56、56の上面に載置される。また、レンズ本体2aは第一位置決め部55、55及び第二位置決め部57、57によって水平方向(セット面12bに水平な方向)に対して位置規制される。
眼内レンズ2を眼球内に挿入する際は、粘弾性物質を注入穴16から適量注入した後に位置決め部材50をノズル本体10から取り外す。これにより、眼内レンズ2のレンズ本体2aを支持していた第一載置部54、54および第二載置部56、56がセット面12bから後退し、眼内レンズ2がセット面12b上に移動可能に載置される。
続いて、眼組織に設けた切開創に、ノズル本体10のノズル部15における先端部10aを挿入する。ここにおいて、先端部10aは斜めの開口形状を有しているので、切開創への挿入を容易に行なうことができる。そして、切開創にノズル部15を挿入した後に、プランジャー30の押圧板部33をノズル本体10の先端側に押し込む。これにより、セット面12aにセットされた眼内レンズ2のレンズ本体2a外周にプランジャー30の作用部31の先端部31cが当接し、プランジャー30によって眼内レンズ2が先端部10aに向けて案内される。
図5に、本実施形態に係るプランジャー30の概略構成を示す。プランジャー30は、ノズル本体10よりもやや大きな前後方向長さを有している。そして、円柱形状を基本とした先端側の作用部31と、矩形ロッド形状を基本とした後端側の挿通部32とから形成されている。そして、作用部31は、円柱形状とされた円柱部31aと、円柱部31aの左右方向に広がる薄板状の扁平部31bとを含んで構成されている。
プランジャー30の先端部でもある作用部31の先端部31cには、切欠部31dが形成されている。この切欠部31dは、図5から分かるように、作用部31の上方向に開口し左右方向に貫通する溝状に形成されている。また、図5(b)から分かるように、切欠部31dの先端側の溝壁は作用部31の先端側に行くに連れて上方に向かう傾斜面で形成されている。なお、切欠部31dは、ステージ部12及びステージ蓋部13とで構成される収納部に収納された眼内レンズ2の光軸前側に位置する。
そして、先端部31cの左側面には、先端部31cの先端面31fから切欠部31dに至る段差31eが設けられている。段差31eは、眼内レンズ2の支持部2bのうちレンズ本体2a側の一部の姿勢を規制する手段をノズル内壁15aと共に構成するものであり、眼内レンズ2をノズル部15の先端10aに移動させたときに支持部2bの当該一部の移動を規制する手段をノズル内壁15aと共に構成するものでもある。ここで、眼内レンズ2の支持部2bの姿勢とは、先端部31cの外周面における、支持部2bの長手方向であり、支持部2bの長手方向とは垂直な方向でもある。また、段差31eは、眼内レンズ2の支持部2bの一部の、収納部に収納された眼内レンズ2の光軸後側方向への移動を許容するように構成されている。
さらに、先端部31cの両側面には円柱部31aの中心軸に向かって窪む凹部31gが
設けられている。凹部31gは、眼内レンズ2の支持部2bが段差31eと当接している状態で支持部2bがプランジャー31とノズル内壁15aとに挟み込まれないようにするための凹部である。また、先端部31cの上側の外周面には、円柱部31aの外周面から上側に向けて突出する凸部31hが設けられている。凸部31hは、眼内レンズ2の支持部2bが切欠部31dから円柱部31aの後方向に逃げることを防止するための凸部である。先端部31cの各部の構造や機能の詳細については後述する。
挿通部32は、全体的に概略H字状の断面を有しており、その左右方向及び上下方向の寸法は、ノズル本体10の貫通孔10cよりも僅かに小さく設定されている。また、挿通部32の後端には、上下左右方向に広がる円板状の押圧板部33が形成されている。
挿通部32の前後方向の中央より先側の部分には、挿通部32の上側に向けて突出し、プランジャー30の素材の弾性により上下に移動可能な爪部32aが形成されている。そして、プランジャー30がノズル本体10に挿入された際には、ノズル本体10の上面において厚さ方向に設けられた図3に示す係止孔10eと爪部32aが係合し、このことにより初期状態におけるノズル本体10とプランジャー30との相対位置が決定される。なお、爪部32aと係止孔10eの形成位置は、係合状態において、作用部31の先端が、ステージ部12にセットされた眼内レンズ2のレンズ本体2aの後側に位置し、レンズ本体2aの後側の支持部2bを切欠部31dが下方から支持可能な場所に位置するよう設定されている。
図6は、本実施形態におけるプランジャー30の作用部31の先端部31cの概略を示す拡大図である。図6(a)は上面図、図6(b)は左側面図、図6(c)は底面図、図6(d)は右側面図、図6(e)は正面図、図6(f)は図6(e)の正面図の一部拡大図をそれぞれ示す。図6(f)に示すように、先端面31fにおいて段差31eは、円柱部31aの中心軸Oを含み左右方向(水平方向)に広がる平面Pに対して中心軸Oから所定の角度をなす方向に設けられている。
後述するように、プランジャー30がノズル本体10の先端部10a側に押し込まれて、眼内レンズ2がノズル部15の先端部10aに移動する際に、眼内レンズ2の後方向側の支持部2bが段差31eに当接することで、支持部2bの姿勢が段差31eの方向(すなわち上方向)に移動しないよう規制される。また、眼内レンズ2の後方向側の支持部2bは、段差31eとノズル部15の内壁15aとで挟まれることで、支持部2bの移動が規制される。これにより、眼内レンズ2は異常な挙動を示さないよう抑制される。したがって、上記の中心軸Oからの所定の角度とは、プランジャー30により眼内レンズ2を先端部10aに移動するときに、眼内レンズ2の支持部2bが先端面31fに設けられた段差31eと当接するように適宜決定される。本実施形態において、先端面31fにおける段差31eの高さなどは、眼内レンズ2の支持部2bがプランジャー30とノズル部15の内壁15aとの間に良好に収まるように適宜設定することができる。
また、図6(b)及び図6(c)に示すように、本実施形態では、段差31eは、先端部31cの側面に形成されている。図6(b)に示すように、段差31eは、円柱部31aの中心軸Oに対して所定の傾斜角度を有する。本実施形態では、眼内レンズ2は、スリーピース型であるため、ステージ部12のセット面12bには上に凸となるようにセットされる場合がある。このように眼内レンズ2がステージ部12のセット面2bにセットされる場合は、眼内レンズ2は、プランジャー30によりノズル部15の先端部10aに移動されると折り畳まれた状態となり、このとき眼内レンズ2の支持部2bの根元部分、すなわち支持部2bのうちレンズ本体2aに近い側の部分は、図7及び図8で説明するように、先端部31cの先端面31fの下端近傍に当接する位置に移動する。ここで先端面31fの下端とは、ステージ部12及びステージ蓋部13とで構成される収納部に収納され
た眼内レンズの光軸後側に位置する端部である。
したがって、本実施形態では、図6(b)に示すように、プランジャー30の先端部31cの外周面において、段差31eは、先端面31fの下端近傍から切欠部31dに至る場所に延在する段差として形成される。本実施形態では、プランジャー30を押し込んで眼内レンズ2を挿入筒部の先端に移動する際に、眼内レンズ2の支持部2bの根元部分が、段差31eに当接し、眼内レンズ2の支持部2bが段差31eとノズル部15の内壁との間に収まることにより、先端部10aの開口から放出する際の眼内レンズ2の挙動を安定させることができる。なお、スリーピース型の眼内レンズ2の代わりに、いわゆるワンピース型の眼内レンズを用いる場合、ワンピース型の眼内レンズはステージ部12のセット面12bには下に凸になるようにセットされる場合がある。このように眼内レンズがステージ部12のセット面12bにセットされる場合は、ワンピース型の眼内レンズがノズル部15の先端部10aに移動されたときの眼内レンズの支持部とプランジャー30の先端部31cとの位置関係は上記のスリーピース型の眼内レンズ2の支持部2bとは異なる。したがって、ワンピース型の眼内レンズを用いる場合は、プランジャー30の先端部31cの外周面における段差が設けられる位置や段差が生じる方向を適宜変更すればよい。
仮に円柱部31aに段差31eが設けられていないとした場合、プランジャー30を押し込むときに支持部2bがプランジャーの円柱部31aとノズル部15の内壁とで締め付けられ、眼内レンズ2を先端部10aの開口から放出できない可能性がある。しかし、本実施形態では段差31eを設けることで、そのような現象を好適に防止し、眼内レンズ2の挙動を安定させるだけでなく、眼内レンズ2をより確実に眼内に放出できるという効果も得られる。
眼内レンズ2の支持部2bが段差31eに当接すると、支持部2bのうち段差31eに当接した部分よりも先端側の部分は、切欠部31dに延びていく。切欠部31dに延びた支持部2bは、壁部31i及び凸部31hによって円柱部31aの後方向に進行しないように切欠部31d内に収まるように屈曲する。したがって、凸部31hは、支持部2bの先端が切欠部31dから後述する段差31eとは反対側にある凹部31gに受け入れられる可能性を高める機能を有する。このため、支持部2bは屈曲した状態で切欠部31d内に収納される。
凹部31gは、切欠部31d内において凸部31hや壁部31iに当接して屈曲した支持部2bを逃がすために設けられている。凹部31gは、先端部31cにおいて、中心軸Oに対して溝31eが設けられている側とその反対側の両側面に形成されている。また、図6(a)及び図6(c)に示すように、凹部31gは、先端部31cの側面が中心軸Oに向かって窪んでいる。これにより、支持部2bのうち凹部31g内に延びた部分は、凹部31gとノズル部15の内壁15aとにより形成される隙間に収納された状態となる。
次に、図7及び図8に、眼内レンズ2がノズル部15の先端部10aに移動したときの、眼内レンズ2の支持部2bとプランジャー30の先端部31cの位置関係を示す。なお、図7及び図8において、ノズル部15は図示を省略している。プランジャー30の押し込みにより眼内レンズ2がノズル部15の先端部10aに移動すると、眼内レンズ2のレンズ本体2aは、ノズル部15の内壁の形状に合わせて折り畳まれていく。また、レンズ本体2aの後方向側の外周が、プランジャー30の先端部31cの先端面31fに当接し、眼内レンズ2の後方向側の支持部2bは、プランジャー30の先端部31cの段差31eに当接した状態となる。
図7に示すように、先端部31cの段差31eに沿って、眼内レンズ2の支持部2bの基端側、すなわちレンズ本体2a側の一部が当接する。また、支持部2bのうち段差31
eに当接している部分から先端側の部分は、凹部31gを経て切欠部31dに延びている。図8に示すように、切欠部31dに延びた支持部2bは、凸部31hや壁部31iに当接している。支持部2bのうち、凸部31hや壁部31iに当接している部分から先端側の部分は、切欠部31dとノズル部15の内壁とで囲まれる空間内で湾曲しつつ凹部31gに延びていく。仮に、凹部31gがない場合、支持部2bの先端部は、プランジャー30の先端部31cの外周面とノズル部15の内壁との間に挟み込まれてしまい、眼内レンズ2を眼内に放出できない可能性がある。これに対し、本実施形態では、凹部31gを両側面に設けることで、支持部2bの先端部がプランジャー30の先端部31cの外周面とノズル部15の内壁との間に挟み込まれることを防止している。
図9には、支持部2bが段差31eに当接しているときの中心軸Oに垂直な平面における断面の部分拡大図を示す。図9に示すように、支持部2bは段差31e及びノズル部15の内壁15aに当接している。したがって、支持部2bは段差31eに当接することで先端部31cの外周面31jとノズル部15の内壁15aとの間に移動することがないように移動が規制される。この結果、支持部2bに接続されているレンズ本体2のノズル部15内における挙動も安定する。
以上が本実施形態に関する説明であるが、上記の挿入部などの構成は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想と同一性を失わない範囲内において種々の変更が可能である。また、以下に説明する変形例と上記の実施形態とを適宜組み合わせてプランジャー30の先端部31cを構成してもよい。
以下に上記の実施形態の変形例を示す。なお、以下の説明において各構成要素は、上記の実施形態における構成要素に対応するものについては、同一の符号を付し、特に言及しない限りその説明を省略する。
〔変形例〕
図10に、変形例におけるプランジャー30の先端部31cの概略図を示す。図10に示すように、変形例では、先端部31cの外周面31jから突出する凸部31kが形成されている。また、凸部31kは、先端面31fから切欠部31dに至るまで延びている。本変形例においては、凸部31kの下面にある側壁33が、上記の実施形態における段差31eの代わりとして機能する。図10(b)は、眼内レンズ2の支持部2bが凸部31kとノズル部15の内壁15aとの間で挟まれたときの、図9と同様の断面図を示す。図10(c)は、図10(b)における先端部31cのみを示す断面図である。
図10(b)及び図10(c)からわかるように、凸部31kの下面にある側壁33と先端部31cの外周面31jのうち凸部31kの下に位置する側面34とが、支持部2bに当接してノズル部15の内壁15aとで支持部2bを挟むことで、支持部2bの移動を規制する。また、凸部31kは先端面31fから切欠部31dに至るまで延びているので、凸部31kは支持部2bが切欠部31dに延びるように支持部2bの姿勢を規制する。なお、凸部31kの形状や高さや離間する間隔、側壁33の外周面31jに対する傾斜角、側面34の面形状などは適宜変更することができる。また、上記の説明では、支持部2bがノズル部15の内壁15a、凸部31kの側壁33、先端部31cの外周面31jのいずれにも当接しているが、支持部2bがこれらすべてに当接せずすれが生じる場合でも、支持部2bの姿勢規制に支障を与えない範囲であれば当該ずれは許容できる。
なお、上述の2つの実施例では、支持部の一部をプランジャーとノズル内壁とで挟む例で説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、支持部が上方向(すなわち眼内レンズが挿入器具にセットされた時における当該眼内レンズの光軸前側方向)に挙動して、眼内レンズがノズル先端から放出される時に眼内レンズの光学部が過度に前傾になるこ
とを防ぐことが重要であるので、支持部が上方向に挙動しないように、その方向にのみ挙動を規制する構造であればよい。
1 挿入器具
2 眼内レンズ
2a レンズ本体
2b 支持部
10 ノズル本体
15 ノズル部
30 プランジャー
31a 円柱部
31c プランジャーの先端部
31d 切欠部
31e 段差
31f 先端面
31g 凹部
31h、31k 凸部
31i 壁部
31j 先端部の外周面

Claims (3)

  1. レンズ本体と前記レンズ本体に一端が接続されている長尺の支持部とを有する眼内レンズを折り畳んだ状態で眼内に挿入する挿入筒部を先端に有する略筒状の器具本体と、
    前記眼内レンズを前記器具本体内に配置可能に収納した収納部と、
    前記器具本体内を摺動して前記眼内レンズを前記挿入筒部に移動させ、眼内に押し出す眼内レンズ押出部材と、
    を備える眼内レンズ挿入器具であって、
    前記眼内レンズ押出部材の先端部の外周面に、前記眼内レンズが前記挿入筒部に移動して前記挿入筒部から放出されるまで、前記支持部のうち少なくとも前記一端側の一部の前記眼内レンズの光軸前側方向への移動を規制して前記眼内レンズの光軸後側方向への移動を許容する段差を有する姿勢規制手段が設けられている
    ことを特徴とする眼内レンズ挿入器具。
  2. 前記眼内レンズ押出部材の前記先端部は、前記収納部に収納された前記眼内レンズの前記支持部を収納する切欠部をさらに有し、
    前記姿勢規制手段は、前記眼内レンズ押出部材の前記先端部における前記眼内レンズと当接する面から前記切欠部に至る帯状の領域内に設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の眼内レンズ挿入器具。
  3. 前記姿勢規制手段は、前記支持部の前記一部と当接する凸部であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の眼内レンズ挿入器具。
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