JPWO2014203528A1 - 光ヘッド装置及び光情報装置 - Google Patents

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文朝 山崎
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Abstract

光ヘッド装置は、光源と、対物レンズと、ホログラム素子と、光検出器とを備え、ホログラム素子は、遮蔽領域と、複数の回折領域を含み、複数の回折領域は、遮蔽領域の周辺に形成された2つの第1の回折領域及び2つの第2の回折領域と、トラック垂直方向に対応する方向に沿って2つの第2の回折領域の両側に並ぶように形成された第3の回折領域及び第4の回折領域と、トラック延伸方向に対応する方向に沿って第1乃至第4の回折領域により形成される領域の両側に並ぶように形成された2つの第5の回折領域及び2つの第6の回折領域と含み、光検出器は、4つの受光領域を持つ4分割受光領域と、4分割受光領域に対してトラック延伸方向に対応する方向に離れて形成された3つの第1の受光領域と、4分割受光領域に対してトラック垂直方向に対応する方向に離れて形成された3つの第2の受光領域とを含む。

Description

本発明は、例えば、光ディスクなどの情報媒体に対して情報の記録、再生あるいは消去を行う光ヘッド装置及び光情報装置、並びに、これらを応用したシステムに関するものである。
光ディスクなどの情報媒体を大容量化するためには、情報媒体の情報層の単位面積あたりに記録する記録量、すなわち面密度を高めることが重要である。光ディスクでは、情報を複数のトラックに沿って記録する。したがって、面密度を向上させる方法としては、第一に、トラックに沿った記録密度(線密度)を向上する方法と、第二に、トラックの間隔を狭くする狭小化の方法とがある。いずれに対しても、情報層上に収束させる光スポットをより微小にすることが有効である。線密度の向上については、波形等価やビタビ符号など電気的な処理も行われる。
また、光ディスクの大容量化には、情報層の多層化も有効である。1枚の光ディスクに複数の情報層を形成したものが既に商品化されている。
上記の多層化、狭トラック間隔化、及び高線密度化には、光ヘッド装置の進展が必要である。情報層上に収束させる光スポットの微小化も進展の一つである。さらに、光ディスク多層化のための方法が、例えば、特許文献1(以下、第1の従来例と呼ぶ)に開示されている。
図14は、第1の従来例の光ヘッド装置800の構成を示す概略図である。半導体レーザ201は、光ビームを出射する。ビームスプリッタ203は、半導体レーザ201からの出射光を反射させるとともに、光ディスク501によって反射された光ビームを光検出器820に向けて透過させる。コリメータレンズ801は、半導体レーザ201によって出射された光ビームを発散光から略平行光に変換し、光ディスク501に導く。対物レンズ204は、コリメータレンズ801によって平行光とされた光ビームを光ディスク501上に集光させるとともに、光ディスク501によって反射された光ビームを透過させ、コリメータレンズ801を介してビームスプリッタ203へ導く。
アクチュエータ207は、対物レンズ204を光軸方向及びトラック垂直方向に移動させる。ホログラム素子802は、光ディスク501によって反射された光ビームの一部を回折させる。検出レンズ803は、ホログラム素子802を透過した光ビームを光検出器820上に集光する。光検出器820は、ホログラム素子802によって回折されない0次光810を受光するとともに、ホログラム素子802によって回折された1次光811も受光する。
図15は、第1の従来例におけるホログラム素子802の回折領域を示す図である。図15における点線は、光ディスク501の所望の情報層に対物レンズ204の焦点が結ばれている時のホログラム素子802上のビーム径と、トラック構造による回折光の重なりを示している。図15において、t方向がトラック延伸方向、r方向がトラックの延伸方向に垂直なトラック垂直方向である。
ホログラム素子802は、第1の分割線231、第2の分割線232、第3の分割線235、第4の分割線236、第5の分割線233及び第6の分割線234により複数の領域に分割されている。第1の分割線231の外側の領域は、第5の分割線233により領域240と領域241とに分割される。第2の分割線232の外側の領域は、第6の分割線234により領域245と領域246とに分割される。第3の分割線235と第4の分割線236とによって、第1の分割線231と第2の分割線232との間の領域が3つの領域242〜244に分割される。
図16は、第1の従来例における光検出器820の受光領域の配置関係を示す図である。図16に示すように、受光領域251及び受光領域252は、光軸221に対して約90度をなす角度の方向(矢印Y1に示す方向)に配置され、受光領域253及び受光領域254は、光軸221に対して約90度をなす角度の方向(矢印Y2に示す方向)に配置される。中央領域243で回折された光ビーム265は、光軸221に対して矢印Y1と矢印Y2とがなす角を2等分する方向(矢印Y3に示す方向)に回折される。
また、ホログラム素子802で回折されずに透過した0次光210は、光軸221上の4分割受光領域(0次光受光領域群)250により受光される。4分割受光領域250からの光量に応じて出力される信号により、フォーカス信号(フォーカスエラー信号)とRF信号とが得られる。
受光領域251は、ホログラム素子802の領域240と領域245において回折された光ビーム261を受光し、光量に応じた信号を出力する。受光領域252は、ホログラム素子802の領域241と領域246において回折された光ビーム262を受光し、光量に応じた信号を出力する。
そして、受光領域253は、ホログラム素子802の領域242において回折された光ビーム263を受光し、光量に応じた信号を出力する。受光領域254は、ホログラム素子802の領域244で回折された光ビーム264を受光し、光量に応じた信号を出力する。減算回路270、271、273及び可変利得アンプ回路272は、受光領域251〜受光領域254の出力を演算し、オフセット補正されたトラッキングエラー信号を得る。
上記のように、光検出器820の受光領域及びホログラム素子802の領域を設定している目的は、複数の情報層を有する多層ディスクの情報再生時に再生対象の情報層と異なる情報層から反射して来る不要な迷光の悪影響を回避することである。
図17は、光ディスク501の情報層が4層である場合において、ある情報層に収束光300の焦点を結んだ時に他層から発生する迷光の様子を示す図である。光ディスク501は、光ビームの入射面に向かってL0層、L1層、L2層及びL3層の4つの情報層が積層されている。図17では、収束光300は、L2層に焦点を結んでいる。このとき、L0層、L1層及びL3層でも反射が起こるので、これらの反射光が他層迷光となる。
次に、狭トラック化を実現する技術としては、特許文献2(以下、第2の従来例と呼ぶ)が開示されている。図18は、第2の従来例と同様の構成を有する光ヘッド装置850の構成を示す概略図である。第1の従来例と共通の働きをする素子には同じ番号を付した。
図18に示す光ヘッド装置850と第1の従来例と特に異なる点は、光検出器820が光検出器821に変更され、光ディスク501から反射して帰ってきた光ビームの一部を、ビームスプリッタ213によって分岐し、分岐した光ビーム813を光検出器830によって受光する点である。
図19は、図18に示す光検出器830の光検出領域を表す図である。短冊状の光検出領域831〜833を跨ぐように光ビーム813が入射され、各領域の光量に応じて各領域から電気信号が出力される。光検出領域831〜833の出力に重み付けをしながら、加減算することによって、光ディスク501上の隣接トラックから漏れ混むノイズ、すなわちクロストークを低減したRF信号を得る。
上記の第1の従来例と第2の従来例とを組み合わせることにより、光ディスクを多層化し、かつ、狭トラック化して、より大容量の光ディスクを実現することが望まれる。2つの従来例を組み合わせるためには、図18の光ヘッド装置850において、光ディスク501から反射して戻ってきた光812を受光する部分を、図14の光ヘッド装置800のホログラム素子802から光検出器820までを含む部分に置き換えればよいと考えられる。
しかしながら、上記構成を単に組み合わせたのでは、光検出器830及び光検出器821の2個の光検出器を必要とするばかりでなく、ビームスプリッタ830も必要とするなど、部品点数が多く、コスト増を招き、また、光ヘッド装置の小型化に困難を生じるという課題を生じる。
特開2008−135151号公報 特開平5−242512号公報
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、光学部品点数を削減して光学系を簡素化することにより、装置を小型化することができるとともに、大容量の情報を再生することができる光ヘッド装置及び光情報装置を提供することを目的とする。
本発明の一局面に従う光ヘッド装置は、光ビームを出射する光源と、前記光源から出射された光ビームを情報媒体の情報層上に収束させる対物レンズと、前記情報媒体の情報層上で反射された光ビームを受けて回折光を発生させるホログラム素子と、前記ホログラム素子の回折光を受光し、受光した回折光の光量に応じて電気信号を出力する光検出器とを備え、前記ホログラム素子は、複数の回折領域を含み、前記ホログラム素子の中心部に、前記光ビームの光軸を含む遮蔽領域が形成され、前記遮蔽領域は、入射した前記光ビームを、前記複数の回折領域に入射しないように遮光又は回折させ、前記複数の回折領域は、前記遮蔽領域の周辺に形成された2つの第1の回折領域及び2つの第2の回折領域を含み、前記2つの第1の回折領域は、前記情報媒体のトラック延伸方向に対応する方向に沿って、前記遮蔽領域の両側に並ぶように形成され、前記2つの第2の回折領域は、前記トラック延伸方向と垂直なトラック垂直方向に対応する方向に沿って、前記遮蔽領域の両側に並ぶように形成され、前記2つの第1の回折領域と前記2つの第2の回折領域との境界線は、前記トラック延伸方向及び前記トラック垂直方向に対して斜めに傾斜しており、前記複数の回折領域は、前記トラック垂直方向に対応する方向に沿って、前記2つの第2の回折領域の両側に並ぶように形成された第3の回折領域及び第4の回折領域と、前記トラック延伸方向に対応する方向に沿って、前記第1乃至第4の回折領域により形成される領域の両側に並ぶように形成された2つの第5の回折領域及び2つの第6の回折領域とをさらに含み、前記2つの第5の回折領域と前記2つの第6の回折領域との境界線は、前記遮蔽領域の中心付近を通って前記トラック延伸方向に対応する方向に伸びる直線上に位置し、前記光検出器は、4つの受光領域を持つ4分割受光領域と、前記4分割受光領域に対して前記トラック延伸方向に対応する方向に離れて形成された3つの第1の受光領域と、前記4分割受光領域に対して前記トラック垂直方向に対応する方向に離れて形成された3つの第2の受光領域とを含む。
本構成によって、光学部品点数を削減して光学系を簡素化することにより、装置を小型化することができるとともに、大容量の情報を再生することができる。
本発明の実施の形態1における光ヘッド装置の構成を示す概略図 図1に示すホログラム素子の分割領域を示す図 図1に示す光検出器の受光領域の配置関係を示す図 図3に示す光検出器上の0次光、1次光及び他層迷光の状態を示す図 図1に示す光検出器上で焦点ずれ状態にある他層回折光が入射しない範囲を示す図 図1に示す光ヘッド装置に用いられる他のホログラム素子の分割領域を示す図 本発明の実施の形態1における他の光ヘッド装置の構成を示す概略図 図1に示す光ヘッド装置に用いられる他のホログラム素子の分割領域を示す図 図1に示す光ヘッド装置に用いられる他の光検出器の受光領域の配置関係を示す図 図9に示す光検出器上の0次光、1次光及び他層迷光の状態を示す図 本発明の実施の形態2における光ドライブ装置の概略構成を示す図 本発明の実施の形態3におけるコンピュータの概略構成を示す図 本発明の実施の形態4における光ディスクサーバの概略構成を示す図 従来の光ヘッド装置の構成を示す概略図 図14に示すホログラム素子の回折領域を示す図 図14に示す光検出器の受光領域の配置関係を示す図 多層ディスクにおける他層迷光の説明図 従来の他の光ヘッド装置の構成を示す概略図 図18に示す光検出器の光検出領域を表す図
以下、適宜図面を参照しながら、本発明の各実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における光ヘッド装置の構成を示す概略図である。図1に示す光ヘッド装置80は、半導体レーザ1、ビームスプリッタ2、コリメータレンズ3、対物レンズ4、ホログラム素子6、アクチュエータ7、検出レンズ8、及び光検出器20を備える。
半導体レーザ1は、光ビームを出射する。ビームスプリッタ2は、半導体レーザ1からの出射光を反射させるとともに、光ディスク5によって反射された光ビームを光検出器20に向けて透過させる。コリメータレンズ3は、半導体レーザ1によって出射された光ビームを発散光から略平行光に変換し、あるいは発散度を緩和して、光ディスク5へと導く。
図1中の拡大図に示すように、光ディスク5は、溝周期Gpの溝状のトラック(トラック溝)が形成された情報層を有し、溝の凹部L、又は溝の凹部L及び凸部Gに情報を記録可能となっている。なお、図1では、図示を容易にするために、一層の情報層のみを図示しているが、光ディスク5は、多層の情報層を有していてもよい。
対物レンズ4は、コリメータレンズ3によって略平行光とされた光ビームを光ディスク5の情報層上に集光させるとともに、光ディスク5によって反射された光ビームをビームスプリッタ2へ透過させる。アクチュエータ7は、対物レンズ4を光ビームの光軸方向及びトラック延伸方向に対して垂直なトラック垂直方向(光ディスク5の半径方向)に移動させる。
ホログラム素子6は、光ディスク5によって反射された光ビームを受けて回折光を発生させる。検出レンズ8は、ホログラム素子6を透過した光ビームに非点収差を与えるとともに、光検出器20上に集光する。光検出器20は、ホログラム素子6によって回折されない0次光10とともに、ホログラム素子6によって回折された1次光11も受光する。
図2は、図1に示すホログラム素子6の分割領域を示す図である。図2における点線は、光ディスク5の所望の情報層に対物レンズ4の焦点が結ばれている時、すなわち合焦点時におけるホログラム素子6上の光ビームの外径を示している。図2において、上下方向がトラック延伸方向t(光ディスク5のタンジェンシャル方向)、左右方向がトラック延伸方向tに垂直なトラック垂直方向r(光ディスク5のラジアル方向)である。
ホログラム素子6の中心部に、光ビームの光軸を含む遮蔽領域Bが形成され、遮蔽領域Bは、吸収膜や反射膜によって、入射した光ビームを周辺の回折領域に入射しないように遮光する。あるいは、遮蔽領域Bは、入射した光ビームを周辺の回折領域とは異なる方向へ回折させるとともに、0次光の回折効率を周辺の回折領域と同程度としてもよい。
光ディスク5が複数の情報層を持つ場合に、対物レンズ4の焦点が結ばれていない情報層からも光ビームが反射して戻ってくる。このような他層迷光は、ホログラム素子6の面内においては、図2における点線よりも顕著に小さいビーム径になるか、逆に顕著に大きいビーム径になる。
顕著に小さいビーム径になる場合は、他層迷光は、遮蔽領域Bによって遮光されるか、周辺の回折領域とは異なる方向へ回折され、信号検出光との干渉を回避できる。また、顕著に大きいビーム径になる場合、他層迷光は、遮蔽領域Bの光検出器20における射影像も大きいので、遮蔽領域Bより外側を通る光ビームは、信号検出光を受光する受光領域からはみ出して受光領域に入らず、やはり信号検出光との干渉を回避できる。
遮蔽領域Bの周辺には、回折領域DM1と回折領域DM2の2種の回折領域が形成される。2つの回折領域DM1は、トラック延伸方向tに対応する方向に沿って、遮蔽領域Bの両側に並ぶように形成される。2つの回折領域DM2は、トラック垂直方向rに対応する方向に沿って、遮蔽領域Bの両側に並ぶように形成される。したがって、回折領域DM1と回折領域DM2との境界線は、トラック延伸方向t及びトラック垂直方向rに対して斜めに傾斜している。なお、図2では、境界線を直線としたが、直線に限らず、曲線としてもよい。
トラック垂直方向rに対応する方向に沿って、2つの回折領域DM2の両側に並ぶように、回折領域DS1及び回折領域DS2が形成される。そして、トラック延伸方向tに対応する方向に沿って、回折領域DM1、DM2、DS1、DS2により形成される領域の両側に並ぶように、2つの回折領域DAPPS1と、2つの回折領域DAPPS2とが形成される。回折領域DAPPS1と回折領域DAPPS2との境界線は、遮蔽領域Bの中心付近を通ってトラック延伸方向tに対応する方向に伸びる直線上に位置する。
図3は、図1に示す光検出器20の受光領域の配置関係を示す図である。光検出器20は、4つの受光領域PQ1〜PQ4を持つ4分割受光領域(quadrant photodetector)PQと、3つの受光領域PS1、PS2、PM2と、3つの受光領域PAPPS1、PAPPS2、PM1とを備える。3つの受光領域PS1、PS2、PM2は、4分割受光領域PQに対してトラック延伸方向tに対応する方向に離れて形成される。また、3つの受光領域PAPPS1、PAPPS2、PM1は、4分割受光領域PQに対してトラック垂直方向に対応する方向に離れて形成される。
図4は、図3に示す光検出器20上のホログラム素子6を透過した0次光及び回折された1次光、並びに、光ディスク5が複数の情報層を持つ場合に発生する他層迷光の状態を示す図である。ホログラム素子6で回折されずに透過した0次光DL1は、受光領域PQ1〜PQ4に跨って入射し、右下がりの斜線で図示されている。
ここで、ホログラム素子6を透過した光ビームは、検出レンズ8によって非点収差を付与されているので、光ディスク5の情報層に対する収束スポットのフォーカス状態に応じて、焦線や最小錯乱円などの形状変化が起こる。このため、受光領域PQ1〜PQ4の各出力を受光領域の符号PQ1〜PQ4で表したとき、フォーカスエラー信号FEは、下記の演算式によって得ることができる。
FE=PQ1+PQ4−(PQ3+PQ2)
また、合焦状態では、光スポットが最小錯乱円になっており、図面上約45°の方向に遠視野像が反転している。したがって、光ディスク5のトラック溝の回折パターンも、図面上約45°の中心軸を境に反転しており、プッシュプル方によるトラッキングエラー信号TE0は、下記の演算式によって得ることができる。
TE0=PQ1+PQ3−(PQ2+PQ4)
本実施の形態では、0次光DL1から、光ディスク5から再生された情報を表す情報再生信号RFを検出せず、サーボ信号のみを検出する。このため、信号帯域を低く抑えることができ、信号対ノイズ比率(SN)を高くすることが可能である。したがって、0次光DL1の光量は、少なくてもよく、0次光DL1の透過率は、例えば、ホログラム素子6への入射光量に対して5%〜20%あればよい。
受光領域PS1に入射する光DL2、受光領域PS2に入射する光DL3、受光領域PM2に入射する光DL4、受光領域PAPPS2に入射する光DL5、受光領域PAPPS1に入射する光DL6、及び受光領域PM1に入射する光DL7は、それぞれホログラム素子6の回折領域DS1、DS2、DM2、DAPPS2、DAPPS1、DM1から回折される光ビームである。これらの回折光も、検出レンズ8によって非点収差を付与される。
そこで、ホログラム素子6の回折パターンに、検出レンズ8の与える非点収差と逆の波面を付加することによって、これらの回折光を光検出器20上に小さく絞ることも可能である。したがって、回折光を小さく集光することによって、各受光領域PS1、PS2、PM2、PAPPS2、PAPPS1、PM1の面積を小さくして、各受光領域PS1、PS2、PM2、PAPPS2、PAPPS1、PM1の電気容量を低減することができる。この結果、本実施の形態では、高帯域まで信号を検出することができ、高い転送レートで情報を再生することができる。
ここで、回折は、一般的に共役な光も生じる。回折により波面が変換される場合、共役な回折光には、互いに逆の作用の波面変換が生じる。例えば、回折光DL2を小さく絞るために、検出レンズ8による非点収差を打ち消す波面収差を与えたとき、回折光DL2の共役な回折光は、むしろ検出レンズ8による非点収差が増幅され、大きく広がることになる。したがって、小さな受光領域によってより多くの光量を受光するためには、回折光DL2の共役波の光量を小さくするとともに、回折光DL2の光量を大きくすることが望ましい。このため、ホログラム素子6は、回折領域が形成される回折格子の断面を鋸歯状など非対称な形にする、すなわちブレーズ化することが望ましい。
次に、受光領域PS1、PS2、PM2、PAPPS1、PAPPS2、PM1の各出力を受光領域の符号PS1、PS2、PM2、PAPPS1、PAPPS2、PM1で表したとき、光ヘッド装置80が再生信号生成回路(図示省略)を備え、再生信号生成回路は、情報再生信号RFを下記の演算式によって得ることができる。
RF=K1×PM1+K2×PM2+K3×PS1+K4×PS2+K5×PAPPS1+K6×PAPPS2
ここで、係数K1〜K6は、各出力に対する所定の重み付け係数である。係数K1〜K6として、予め定めた値を用いた場合でも、隣接トラックからのクロストークノイズを低減する効果を得ることができる。また、情報再生信号RFをエラーレートやジッタなどの指標で評価しながら、係数K1〜K6を可変とすれば、温度変化や再生する情報の記録状態などに応じて、より精度の高い情報再生を行うことができる。
また、係数K1〜K6の一部、あるいは全部を周波数帯域に応じて変えることにより、さらに品質のよい情報再生を行うこともできる。係数を周波数帯域に応じて変えるためには、光ヘッド装置80の再生信号生成回路が有する波形等価回路(図示省略)を係数毎に備える必要がある。したがって、回路規模を小さく押さえるために、係数K3、K4以外の係数K1、K2、K5、K6は、同一の係数又は一定の割合で変化される係数であることが好ましい。これによって、光ヘッド装置80の再生信号生成回路は、係数K3用、係数K4用、その他の係数用の3系統の波形等価回路を備えるだけで、隣接トラックからのクロストークノイズを低減する効果を得ることができるので、回路規模を小さく抑制することが可能である。
先に、プッシュプル法によるトラッキングエラー信号TE0の検出方法を示した。しかしながら、対物レンズ4がトラッキング方向(トラック垂直方向r)に大きく移動(レンズシフト)し、光検出器20上の光スポットが広がりを持っている場合、光検出器20上の光スポットは、対物レンズ4の射影になるので、同じ割合で移動する。この動きによって、トラッキングエラー信号TE0には、ずれ(オフセット)が生じる。このため、光ヘッド装置80が制御信号生成回路(図示省略)を備え、制御信号生成回路は、下記の演算式によるトラッキングエラー信号TE1をトラッキングエラー信号とすることによって、このオフセットを低減できる。
TE1=PQ1+PQ3−PQ2−PQ4−KT1(PAPPS1−PAPPS2)
ここで、係数KT1は、所定の重み付け係数であり、信号演算時に重み付けを行うための係数である。係数KT1は、レンズシフトに対してオフセットが小さくなるように定めることが望ましい。また、上記の演算式でも、受光領域PQ1〜PQ4、PAPPS1、PAPPS2の各出力を受光領域の符号PQ1〜PQ4、PM2PAPPS1、PAPPS2で表しており、以下の各演算式でも同様に受光領域の符号で各出力を表している。
さらに、光ディスク5の溝周期(ピッチ)Gpが狭い場合は、溝による回折によって、光量の変化する部分がトラック垂直方向rに沿って光軸から離れるので、光ヘッド装置80の制御信号生成回路は、下記の演算式によるトラッキングエラー信号TE2をトラッキングエラー信号とすることによって、精度の高い信号検出が可能になる。
TE2=PS1−PS2−KT2(PAPPS1−PAPPS2)
ここで、係数KT2は、所定の重み付け係数であり、信号演算時に重み付けを行うための係数である。係数KT2は、レンズシフトに対してオフセットが小さくなるように定めることが望ましい。
したがって、本実施の形態では、光ディスク5の溝周期Gpであるトラック溝のピッチが異なる光ディスクの信号を再生する際には、光ヘッド装置80の制御信号生成回路は、トラッキングエラー信号として、溝周期Gpが広い場合(溝周期Gpが第1のピッチである場合)にはトラッキングエラー信号TE1を用い、溝周期Gpが狭い場合(溝周期Gpが第1のピッチより狭い第2のピッチである場合)にはトラッキングエラー信号TE2を用い、光ディスク5の溝周期に応じてトラッキングエラー信号を切り替えて使うことにより、いずれに対しても、精度の高い制御を行うことができる。
なお、溝周期Gpとは、記録用ディスク(光ディスク5)における案内溝(トラック溝)の周期を指す。通常、案内溝は、光ディスクの表面に凸部と凹部をスパイラル状に設けて作成する。光ディスクにピットを記録する方法としては、凹部のみに記録する方法と、凹部と凸部との両方に記録する方法がある。例えば、案内溝周期(溝周期)Gpを1.5倍に広げても、凹部と凸部との両方にピットを記録すれば、案内溝周期Gpの光ディスクの凹部のみにピットを記録する場合より、ピット列の周期は短くなり、高密度にできる点に注意が必要である。したがって、トラッキングエラー信号について考える場合は、溝周期Gpとは、ピット列の周期ではなく、案内溝の周期を指す。
次に、図4において左下がりの斜線をつけて示したハッチング領域STS1、STS2、STM2、STAPPS1、STAPPS2、STM1は、光ディスク5が複数の情報層を持つ場合に、対物レンズ4の焦点が結ばれていない情報層から反射してくる他層迷光がホログラム素子6の回折領域DS1、DS2、DM2、DAPPS1、DAPPS2、DM1からそれぞれ回折される光ビームを示している。
図4から明らかなように、ハッチング領域STS1、STS2、STM2、STAPPS1、STAPPS2、STM1は、受光領域PQ1〜PQ4、PS1、PS2、PM2、PAPPS1、PAPPS2、PM1と重なっていない。このことは、ホログラム素子6の回折領域パターン及び回折位置、並びに光検出器20の受光領域の配置により、他層迷光が信号を検出する受光領域PQ1〜PQ4、PS1、PS2、PM2、PAPPS1、PAPPS2、PM1に入らない、すなわち、信号光との干渉を回避できることを示している。
また、ホログラム素子6では、0次光に対してトラック延伸方向tに回折する回折領域DM2、DS1、DS2は、光軸を含み且つトラック延伸方向tに伸びる範囲には作成されていない。このため、焦点ずれ状態にある他層回折光(他層迷光)は、光検出器20上でも、光軸を含み且つトラック延伸方向tに伸びる範囲に入射しない。また、0次光に対してトラック垂直方向rに回折する回折領域DM1、DAPPS1、DAPPS2は、光軸を含み且つトラック垂直方向rに伸びる範囲には作成されていない。このため、焦点ずれ状態にある他層回折光は、光検出器20上でも、光軸を含み且つトラック垂直方向rに伸びる範囲に入射しない。
図5は、図1に示す光検出器20上で焦点ずれ状態にある他層回折光が入射しない範囲を示す図である。図5に示す斜線をつけた範囲SAは、焦点ずれ状態にある他層回折光が入射しない範囲である。したがって、本実施の形態では、焦点ずれ状態にある他層回折光は、光検出器20上では斜線をつけた範囲SAに入射しておらず、不要な他層回折光が受光領域PQ1〜PQ4、PS1、PS2、PM2、PAPPS1、PAPPS2、PM1に入射しないことを実現できる。
なお、本実施の形態では、図2に示すホログラム素子6を用いたが、この例に特に限定されず、図6のホログラム素子61を用いてもよい。図6は、図1に示す光ヘッド装置80に用いられる他のホログラム素子61の分割領域を示す図である。
図6に示すホログラム素子61は、図2に示す回折領域DM1を回折領域DAPPS1と回折領域DAPPS2との間でトラック延伸方向tに対応する方向(図中の上下方向)に延伸させた形状を有する回折領域DM1aを有している。すなわち、2つの回折領域DM1aは、回折領域DAPPS1と回折領域DAPPS2との間にトラック延伸方向tに対応する方向に延伸された略三角形状の延伸部DM1bを有している。
このような構成によって、トラック延伸方向tに離れたホログラム素子61の両端部分も、外側、内側、外側の3領域に分別できる。ここで、延伸部DM1bは、トラック溝に沿う方向の高い空間周波数を担っており、回折領域DM1aを用いることにより、より高帯域まで隣接トラックからのクロストーク成分を低減することができる。
また、ホログラム素子61のパターン配置の場合には、回折領域DAPPS1と回折領域DAPPS2とは、それぞれ、回折領域DS1と回折領域DS2とを拡張した領域として働かせることが望ましい。このため、情報再生信号RFの演算式の係数のいくつかの関係を固定して波形等価回路の数を抑える際には、係数K3と係数K5とを同じか一定の割合にするとともに、係数K4と係数K6とを同じか一定の割合にすればよい。この場合、光検出器20と同じ半導体チップにアンプなどの内蔵回路を作り込むことが望ましいが、その内蔵回路中において、検出した信号を加算あるいは減算すればよい。
なお、ホログラム素子6やホログラム素子61は、図1のように、ビームスプリッタ2と光検出器20との間に配置するものとして説明を行ってきたが、この例に特に限定されず、図7のように、ホログラム素子62を対物レンズ4の近傍に配置してもよい。図7は、本発明の実施の形態1における他の光ヘッド装置の構成を示す概略図である。
図7に示す光ヘッド装置80aのホログラム素子62は、対物レンズ4の近傍に配置される。特に、ホログラム素子62をアクチュエータ7に搭載して対物レンズ4と一体的に駆動すれば、対物レンズ4の射影がホログラム素子62上において動くことがないので、対物レンズ4のシフトを行う際に、クロストーク抑圧効果が変動せず、安定に情報再生を行うことができるという効果を得ることができる。
但し、半導体レーザ1から光ディスク5へと至る往路において、ホログラム素子62から回折が起きると、光量の損失になり、望ましくない。そこで、ホログラム素子62としては、往路においては、ホログラム素子62に入射する直線偏光を回折せず、それと直交する方向の偏光を回折する偏光異方性のホログラムを用いることが望ましい。その場合、図7では記載を省略しているが、ホログラム素子62より対物レンズ4の側に1/4波長板を備えて、往路の直線偏光を円偏光に変換し、光ディスク5において反射する際に反対方向の回転になって戻ってきた光を、往路とは直交する方向の偏光に変換することが好ましい。
さらに、図2に示すホログラム素子6や図6に示すホログラム素子61に替えて、図8に示すホログラム素子62を用いるとともに、図3に示す光検出器20に替えて、図9に示す光検出器20aを用いてもよい。以下、図8〜図10を用いて、本例の光ヘッド装置について説明する。
図8は、図1に示す光ヘッド装置に用いられる他のホログラム素子62の分割領域を示す図である。図8における点線は、光ディスク5の所望の情報層に対物レンズ4の焦点が結ばれている時、すなわち合焦点時におけるホログラム素子62上の光ビーム外径を示している。図8において、上下方向がトラック延伸方向t、左右方向がトラック延伸方向tに垂直なトラック垂直方向rである。
ホログラム素子62の中心部、光ビームの光軸を含む遮蔽領域Bが形成され、遮蔽領域Bは、吸収膜や反射膜によって、入射した光ビームを周辺の回折領域に入射しないように遮光する。あるいは、遮蔽領域Bは、入射した光ビームを周辺の回折領域とは異なる方向へ回折させるとともに、0次光の回折効率を周辺の回折領域と同程度としてもよい。
光ディスク5が複数の情報層を持つ場合に、対物レンズ4の焦点が結ばれていない情報層からも光ビームが反射して戻ってくる。このような他層迷光は、ホログラム素子62の面内においては、図8における点線よりも顕著に小さいビーム径になるか、逆に顕著に大きいビーム径になる。
顕著に小さいビーム径になる場合は、他層迷光は、遮蔽領域Bによって遮光されるか、周辺の回折領域とは異なる方向へ回折され、信号検出光との干渉を回避できる。また、顕著に大きいビーム径になる場合、他層迷光は、遮蔽領域Bの光検出器20aにおける射影像も大きいので、遮蔽領域Bより外側を通る光ビームは、信号検出光を受光する受光領域からはみ出して受光領域に入らず、やはり信号検出光との干渉を回避できる。
遮蔽領域Bの周辺には、回折領域DM1、回折領域DM21及び回折領域DM22の3種の回折領域が形成される。2つの回折領域DM1は、トラック延伸方向tに対応する方向に沿って、遮蔽領域Bの両側に並ぶように形成される。回折領域DM21と回折領域DM22とは、トラック垂直方向rに対応する方向に沿って、遮蔽領域Bの両側に並ぶように形成される。したがって、2つの回折領域DM1と回折領域DM21及び回折領域DM22との境界線は、トラック延伸方向t及びトラック垂直方向rに対して斜めに傾斜している。なお、図8では、境界線を直線としたが、直線に限らず、曲線としてもよい。
トラック垂直方向rに対応する方向に沿って、回折領域DM21及び回折領域DM22の両側に並ぶように、回折領域DS1及び回折領域DS2が形成される。そして、トラック延伸方向tに対応する方向に沿って、回折領域DM1、DM21、DM22、DS1、DS2により形成される領域の両側に並ぶように、2つの回折領域DAPPS1と、2つの回折領域DAPPS2とが形成される。回折領域DAPPS1と回折領域DAPPS2との境界線は、遮蔽領域Bの中心付近を通ってトラック延伸方向tに対応する方向に伸びる直線上に位置する。
図9は、図1に示す光ヘッド装置に用いられる他の光検出器20aの受光領域の配置関係を示す図である。4つの受光領域PQ1〜PQ4を持つ4分割受光領域PQと、4つの受光領域PS1、PS2、PM21、PM22と、3つの受光領域PAPPS1、PAPPS2、PM1とを備える。4つの受光領域PS1、PS2、PM21、PM22は、4分割受光領域PQに対してトラック延伸方向tに対応する方向に離れて形成される。また、3つの受光領域PAPPS1、PAPPS2、PM1は、4分割受光領域PQに対してトラック垂直方向rに対応する方向に離れて形成される。
図10は、図9に示す光検出器20a上のホログラム素子62を透過した0次光及び回折された1次光、並びに、光ディスク5が複数の情報層を持つ場合に発生する他層迷光の状態を示す図である。ホログラム素子62で回折されずに透過した0次光DL1は、受光領域PQ1〜PQ4に跨って入射し、右下がりの斜線で図示されている。
ここで、ホログラム素子62を透過した光ビームは、検出レンズ8によって非点収差を付与されているので、光ディスク5の情報層に対する収束スポットのフォーカス状態に応じて、焦線や最小錯乱円などの形状変化が起こる。このため、受光領域PQ1〜PQ4の各出力を受光領域の符号PQ1〜PQ4で表したとき、フォーカスエラー信号FEは、下記の演算式によって得ることができる。
FE=PQ1+PQ4−(PQ3+PQ2)
本例でも、0次光DL1から、情報再生信号RFを検出せず、サーボ信号のみを検出する。このため、信号帯域を低く抑えることができ、信号対ノイズ比率(SN)を高くすることが可能である。したがって、0次光DL1の光量は、少なくてもよく、0次光DL1の透過率は、例えば、ホログラム素子62への入射光量に対して5%〜20%あればよい。
受光領域PS1に入射する光DL2、受光領域PS2に入射する光DL3、受光領域PM21に入射する光DL41、受光領域PM22に入射する光DL42、受光領域PAPPS2に入射する光DL5、受光領域PAPPS1に入射する光DL6、及び受光領域PM1に入射する光DL7は、それぞれホログラム素子62の回折領域DS1、DS2、DM21、DM22、DAPPS2、DAPPS1、DM1から回折される光ビームである。これらの回折光も、検出レンズ8によって非点収差を付与される。
そこで、ホログラム素子62の回折パターンに、検出レンズ8が与える非点収差と逆の波面を付加することによって、これらの回折光を光検出器20a上に小さく絞ることも可能である。したがって、回折光を小さく集光することによって、各受光領域PS1、PS2、PM21、PM22、PAPPS2、PAPPS1、PM1の面積を小さくして、各受光領域PS1、PS2、PM21、PM22、PAPPS2、PAPPS1、PM1の電気容量を低減することができる。この結果、本例でも、高帯域まで信号を検出することができ、高い転送レートで情報を再生することができる。
ここで、回折は、一般的に共役な光も生じる。回折により波面が変換される場合、共役な回折光には、互いに逆の作用の波面変換が生じる。例えば、回折光DL2を小さく絞るために、検出レンズ8による非点収差を打ち消す波面収差を与えたとき、回折光DL2の共役な回折光は、むしろ検出レンズ8による非点収差が増幅され、大きく広がることになる。したがって、小さな受光領域によってより多くの光量を受光するためには、回折光DL2の共役波の光量を小さくするとともに、回折光DL2の光量を大きくすることが望ましい。このため、ホログラム素子62は、回折領域が形成される回折格子の断面を鋸歯状など非対称な形にする、すなわちブレーズ化することが望ましい。
次に、受光領域PS1、PS2、PM21、PM22、PAPPS1、PAPPS2、PM1の各出力を受光領域の符号PS1、PS2、PM21、PM22、PAPPS1、PAPPS2、PM1で表したとき、光ヘッド装置80の再生信号生成回路は、情報再生信号RFを下記の演算式によって得ることができる。
RF=K1×PM1+K2×(PM21+PM22)+K3×PS1+K4×PS2+K5×PAPPS1+K6×PAPPS2
ここで、係数K1〜K6は、各出力に対する所定の重み付け係数である。係数K1〜K6として、予め定めた値を用いた場合でも、隣接トラックからのクロストークノイズを低減する効果を得ることができる。また、情報再生信号RFをエラーレートやジッタなどの指標で評価しながら、係数K1〜K6を可変とすれば、温度変化や再生する情報の記録状態などに応じて、より精度の高い情報再生を行うことができる。
また、係数K1〜K6の一部、あるいは全部を周波数帯域に応じて変えることにより、さらに品質のよい情報再生を行うこともできる。係数を周波数帯域に応じて変えるためには、光ヘッド装置80の再生信号生成回路が有する波形等価回路(図示省略)を係数毎に備える必要がある。したがって、回路規模を小さく押さえるために、係数K3、K4以外の係数K1、K2、K5、K6は、同一の係数又は一定の割合で変化される係数であることが好ましい。これによって、光ヘッド装置80の再生信号生成回路は、係数K3用、係数K4用、その他の係数用の3系統の波形等価回路を備えるだけで、隣接トラックからのクロストークノイズを低減する効果を得ることができるので、回路規模を小さく抑制することが可能である。
次に、トラッキングエラー信号TE2、TE3について説明する。まず、トラッキングエラー信号TE2を用いた検出方法は、光ディスク5の溝周期(ピッチ)Gpが狭い場合に適している。すなわち、溝による回折によって、光量の変化する部分がトラック垂直方向rに沿って光軸から離れるので、光ヘッド装置80の制御信号生成回路は、下記の演算式によるトラッキングエラー信号TE2をトラッキングエラー信号とすることによって、精度の高い信号検出が可能になる。
TE2=PS1−PS2−KT2(PAPPS1−PAPPS2)
ここで、係数KT2は、所定の重み付け係数であり、信号演算時に重み付けを行うための係数である。係数KT2は、レンズシフトに対してオフセットが小さくなるように定めることが望ましい。
一方、トラック溝のピッチである光ディスク5の溝周期Gpが上記の狭い溝周期より広い光ディスクも同じ光ヘッド装置を用いて再生する場合には、溝による回折によって、光量の変化する部分がトラック垂直方向rに沿って光軸へ近い範囲に広がるので、光ヘッド装置80の制御信号生成回路は、下記の演算式によるトラッキングエラー信号TE3をトラッキングエラー信号とすることによって、精度の高い信号検出が可能になる。
TE3=(PS1+PM21)−(PS2+PM22)−KT3(PAPPS1−PAPPS2)
ここで、係数KT3は、所定の重み付け係数であり、信号演算時に重み付けを行うための係数である。係数KT3は、レンズシフトに対してオフセットが小さくなるように定めることが望ましい。
したがって、本実施の形態では、光ディスク5の溝周期Gpであるトラック溝のピッチが異なる光ディスクの信号を再生する際には、光ヘッド装置80の制御信号生成回路は、トラッキングエラー信号として、溝周期Gpが広い場合(溝周期Gpが第1のピッチである場合)にはトラッキングエラー信号TE3を用い、溝周期Gpが狭い場合(溝周期Gpが第1のピッチより狭い第2のピッチである場合)にはトラッキングエラー信号TE2を用い、光ディスク5の溝周期に応じてトラッキングエラー信号を切り替えて使うことにより、いずれに対しても、精度の高い制御を行うことができる。
次に、図10において左下がりの斜線をつけて示したハッチング領域STS1、STS2、STM21、STM22、STAPPS1、STAPPS2、STM1は、光ディスク5が複数の情報層を持つ場合に、対物レンズ4の焦点が結ばれていない情報層から反射してくる他層迷光がホログラム素子62の回折領域DS1、DS2、DM21、DM22、DAPPS1、DAPPS2、DM1からそれぞれ回折される光ビームを示している。
図10から明らかなように、ハッチング領域STS1、STS2、STM21、STM22、STAPPS1、STAPPS2、STM1は、受光領域PQ1〜PQ4、PS1、PS2、PM21、PM22、PAPPS1、PAPPS2、PM1と重なっていない。このことは、ホログラム素子62の回折領域パターン及び回折位置、並びに光検出器20aの受光領域の配置により、他層迷光が信号を検出する受光領域PQ1〜PQ4、PS1、PS2、PM21、PM22、PAPPS1、PAPPS2、PM1に入り、信号光と干渉することを回避できることを示している。
また、ホログラム素子62では、0次光に対してトラック延伸方向tに回折する回折領域DM21、DM22、DS1、DS2は、光軸を含み且つトラック延伸方向tに伸びる範囲には作成されていない。このため、焦点ずれ状態にある他層回折光は、光検出器20a上でも、光軸を含み且つトラック延伸方向tに伸びる範囲に入射しない。また、0次光に対してトラック垂直方向rに回折する回折領域DM1、DAPPS1、DAPPS2は、光軸を含み且つトラック垂直方向rに伸びる範囲には作成されていない。このため、焦点ずれ状態にある他層回折光は、光検出器20a上でも、光軸を含み且つトラック垂直方向rに伸びる範囲に入射しない。
したがって、本例では、焦点ずれ状態にある他層回折光は、光検出器20a上では、受光領域PQ1〜PQ4、PS1、PS2、PM21、PM22、PAPPS1、PAPPS2、PM1に入射しないことを実現できる。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2として、上記の実施の形態1における光ヘッド装置、例えば、光ヘッド装置80を備える光ディスク装置について説明する。図11は、本発明の実施の形態2における光ディスク装置の概略構成を示す図である。光ディスク装置100は、光ヘッド装置80、駆動装置101、電気回路102、モータ104、ターンテーブル105及びクランパー106を備える。
図11において、光ディスク5は、ターンテーブル105に載置され、ターンテーブル105とクランパー106とで挟んで固定され、モータ104によって回転される。光ヘッド装置80は、実施の形態1で説明した光ヘッド装置である。駆動装置101は、光ディスク9の所望の情報の存在するトラックのところまで、光ヘッド装置103を粗動する。
光ヘッド装置80は、光ディスク5との位置関係に対応して、フォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号を電気回路102へ送る。電気回路102は、光ヘッド装置80から得られる信号を受け、フォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号に対応して、光ヘッド装置80へ、対物レンズを微動させるための対物レンズ駆動信号を送る。光ヘッド装置80は、対物レンズ駆動信号に基づいて、光ディスク5に対してフォーカス制御及びトラッキング制御を行い、光ディスク5から情報を読み出したり、光ディスク5に情報を書き込んだり(記録したり)、光ディスク5から情報を消去したりする。
本実施の形態の光ディスク装置100は、実施の形態1で上述した光ヘッド装置80を備える。したがって、少ない部品点数によって構成された、小型、安価及び軽量の光ヘッド装置80によって、大容量の光ディスクをはじめとする情報媒体から情報を再生することができるという効果を有する。
(実施の形態3)
上記の実施の形態2に記した光ディスク装置100を具備したコンピューターや、光ディスクサーバ等は、コンパクトな形状で有りながら、大容量の光ディスクを安定に記録あるいは再生できるので、広い用途に使用できるという効果を有するものとなる。これらは、いずれも光を用いて、情報媒体との間で信号をやりとりするものである。したがって、光ディスク装置100を具備したコンピュータや、光ディスクサーバ等を総称して、光情報装置と呼ぶ。これら光情報装置の具体例を以下に示す。
図12は、本発明の実施の形態3におけるコンピュータの概略構成を示す図である。図12において、コンピュータ110は、実施の形態2の光ディスク装置100と、キーボード、マウス又はタッチパネルなどの情報を入力するための入力装置112と、入力装置112から入力された情報又は光ディスク装置100から読み出した情報などに基づいて演算を行う中央演算装置(CPU)などの演算装置111と、演算装置111によって演算された結果などの情報を表示するためのブラウン管や液晶表示装置などの表示装置、又は情報を印刷するためのプリンタなどの印刷装置から構成される出力装置113とを備える。演算装置111は、光ディスク装置100に記録する情報及び/又は光ディスク装置100から再生された情報を処理する。
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4は、上記の実施の形態2に記した光ディスク装置100を具備した光ディスクサーバである。図13を用いて、実施の形態4の光ディスクサーバについて説明する。図13は、本発明の実施の形態4における光ディスクサーバの概略構成を示す図である。図13において、光ディスクサーバ120は、上記の実施の形態2に記した光ディスク装置100と、光ディスク装置100によって記録又は再生される情報の入出力を外部と行う入出力端子121とを備える。
入出力端子121は、光ディスク装置100に記録する情報を取り込んだり、光ディスク装置100によって読み出した情報を外部に出力する有線又は無線の入出力端子である。入出力端子121は、ネットワーク122を介して、コンピュータ、電話機又はテレビチューナなどの複数の機器と情報を送受信する。これにより、光ディスクサーバ120は、これら複数の機器によって共有される情報サーバとして利用することが可能となる。また、光ディスクサーバ120は、異なる種類の光ディスクに情報を安定に記録又は再生できるので、広い用途に使用できる効果を有する。
なお、光ディスクサーバ120は、情報を表示するためのブラウン管又は液晶表示装置などの表示装置、又は情報を印刷するためのプリンタなどの印刷装置から構成される出力装置113を備えてもよい。また、光ディスクサーバ120は、キーボード、マウス又はタッチパネルなどの情報を入力するための入力装置112を備えてもよい。
さらに、光ディスクサーバ120は、複数の光ディスクを光ディスク装置100に出し入れするチェンジャー123を備えてもよい。これにより、多くの情報を記録及び蓄積することができる。
なお、上述の実施の形態3、4において、図12及び図13には、出力装置113を示しているが、コンピュータ110及び光ディスクサーバ120は、それぞれ出力端子を備えて、出力装置113を持たず、別売りとする商品形態もあり得る。また、入力装置を別売りとして、入力端子のみを持った形態も可能である。
また、上記の各実施の形態の各要素は、任意に組み合わせることができ、この場合も、上記の各効果を奏することができる。
上記の各実施の形態から本発明の各態様について説明すると、以下のようになる。すなわち、本発明の一態様に係る光ヘッド装置は、光ビームを出射する光源と、前記光源から出射された光ビームを情報媒体の情報層上に収束させる対物レンズと、前記情報媒体の情報層上で反射された光ビームを受けて回折光を発生させるホログラム素子と、前記ホログラム素子の回折光を受光し、受光した回折光の光量に応じて電気信号を出力する光検出器とを備え、前記ホログラム素子は、複数の回折領域を含み、前記ホログラム素子の中心部に、前記光ビームの光軸を含む遮蔽領域が形成され、前記遮蔽領域は、入射した前記光ビームを、前記複数の回折領域に入射しないように遮光又は回折させ、前記複数の回折領域は、前記遮蔽領域の周辺に形成された2つの第1の回折領域及び2つの第2の回折領域を含み、前記2つの第1の回折領域は、前記情報媒体のトラック延伸方向に対応する方向に沿って、前記遮蔽領域の両側に並ぶように形成され、前記2つの第2の回折領域は、前記トラック延伸方向と垂直なトラック垂直方向に対応する方向に沿って、前記遮蔽領域の両側に並ぶように形成され、前記2つの第1の回折領域と前記2つの第2の回折領域との境界線は、前記トラック延伸方向及び前記トラック垂直方向に対して斜めに傾斜しており、前記複数の回折領域は、前記トラック垂直方向に対応する方向に沿って、前記2つの第2の回折領域の両側に並ぶように形成された第3の回折領域及び第4の回折領域と、前記トラック延伸方向に対応する方向に沿って、前記第1乃至第4の回折領域により形成される領域の両側に並ぶように形成された2つの第5の回折領域及び2つの第6の回折領域とをさらに含み、前記2つの第5の回折領域と前記2つの第6の回折領域との境界線は、前記遮蔽領域の中心付近を通って前記トラック延伸方向に対応する方向に伸びる直線上に位置し、前記光検出器は、4つの受光領域を持つ4分割受光領域と、前記4分割受光領域に対して前記トラック延伸方向に対応する方向に離れて形成された3つの第1の受光領域と、前記4分割受光領域に対して前記トラック垂直方向に対応する方向に離れて形成された3つの第2の受光領域とを含む。
この光ヘッド装置によれば、情報媒体から反射して戻った光を受けて回折するホログラム素子の遮蔽領域及び第1乃至第6の回折領域の配置と、その回折光を受けて電気信号に変換する光検出器の第1乃至第3の受光領域の配置とにより、簡素な光学系を用いて、他層迷光の影響を受けず、レンズシフトによるトラッキングエラー信号の変動を低減し、且つ、隣接トラックからの信号の漏れ込みを低減することができる。この結果、情報層の記録密度が高く且つ多層の情報層を有する情報媒体から、簡素な光学系によって安定に情報を再生することができるので、簡素な光学系によって装置を小型化することができるとともに、大容量の情報を再生することができる。
前記第1の回折領域は、前記第5の回折領域と前記第6の回折領域との間に前記トラック延伸方向に対応する方向に延伸された延伸部を有することが好ましい。
この場合、トラック延伸方向に離れたホログラム素子の両端部分も、外側、内側、外側の3領域に分別でき、延伸部がトラック溝に沿う方向の高い空間周波数を担っているので、延伸部を有する第1の回折領域を用いることにより、より高帯域まで隣接トラックからのクロストーク成分を低減することができる。
前記情報媒体の情報層上で反射された光ビームを前記光源とは異なる方向へ導くビームスプリッタをさらに備え、前記ホログラム素子は、前記ビームスプリッタと前記光検出器との間に配置されることが好ましい。
この場合、簡略な構成で、光量を不要に損失することなく、ホログラム素子により回折された回折光を光検出器で受光することができる。
前記情報媒体の情報層上で反射された光ビームを前記光源とは異なる方向へ導くビームスプリッタをさらに備え、前記ホログラム素子は、前記対物レンズの近傍に配置されることが好ましい。
この場合、対物レンズの射影がホログラム素子上において動くことがないので、対物レンズのシフトを行う際に、クロストーク抑圧効果が変動せず、安定に情報再生を行うことができる。
本発明の他の態様に係る光情報装置は、上記いずれかに記載の光ヘッド装置と、前記情報媒体を回転するモータと、前記光ヘッド装置から得られる信号を受ける電気回路とを備え、前記3つの第1の受光領域の各出力をPS1、PS2、PM2とし、前記3つの第2の受光領域の各出力をPAPPS1、PAPPS2、PM1とし、各出力に対する所定の重み付け係数をK1〜K6とすると、前記光ヘッド装置は、前記情報媒体から再生された情報を表す情報再生信号RFを、RF=K1×PM1+K2×PM2+K3×PS1+K4×PS2+K5×PAPPS1+K6×PAPPS2を用いて演算する。
この光情報装置によれば、簡素な光学系を用いて、他層迷光の影響を受けず、レンズシフトによるトラッキングエラー信号の変動を低減し、且つ、隣接トラックからの信号の漏れ込みを低減することができるとともに、一つの光検出器を用いて情報再生信号も演算することができるので、装置を小型化することができるとともに、大容量の情報を再生することができる。
前記重み付け係数K1、K2、K5、K6は、同一の係数又は一定の割合で変化される係数であることが好ましい。
この場合、係数K3用、係数K4用、その他の係数用の3系統の波形等価回路を光ヘッド装置が備えるだけで、隣接トラックからのクロストークノイズを低減する効果を得ることができるので、回路規模を小さく抑制することができる。
前記4分割受光領域の4つの受光領域の各出力をPQ1、PQ2、PQ3、PQ4とし、所定の重み付け係数をKT1、KT2とすると、前記光ヘッド装置は、前記情報媒体の溝周期が第1のピッチである場合、前記情報媒体のトラックに光ビームをトラッキングするためのトラッキングエラー信号TE1を、TE1=PQ1+PQ3−PQ2−PQ4−KT1(PAPPS1−PAPPS2)を用いて演算し、前記情報媒体の溝周期が前記第1のピッチより狭い第2のピッチである場合、前記情報媒体のトラックに光ビームをトラッキングするためのトラッキングエラー信号TE2を、TE2=PS1−PS2−KT2(PAPPS1−PAPPS2)を用いて演算し、前記情報媒体のトラックのピッチに応じてトラッキングエラー信号を切り替えることが好ましい。
この場合、光ディスクの溝周期であるトラック溝のピッチが異なる光ディスクの信号を再生する際には、トラッキングエラー信号として、溝周期が広い場合にはトラッキングエラー信号TE1を、溝周期が狭い場合にはトラッキングエラー信号TE2を切り替えて使うことにより、溝周期が異なる光ディスクに対して、精度の高いトラッキング制御を行うことができる。
前記光検出器は、前記3つの第1の受光領域に1つの第1の受光領域を加えた4つの第1の受光領域を含み、前記4つの第1の受光領域の各出力をPS1、PS2、PM21、PM22とし、所定の重み付け係数をKT2、KT3とすると、前記光ヘッド装置は、前記情報媒体の溝周期が第1のピッチである場合、前記情報媒体のトラックに光ビームをトラッキングするためのトラッキングエラー信号TE3を、TE3=(PS1+PM21)−(PS2+PM22)−KT3(PAPPS1−PAPPS2)を用いて演算し、前記情報媒体の溝周期が前記第1のピッチより狭い第2のピッチである場合、前記情報媒体のトラックに光ビームをトラッキングするためのトラッキングエラー信号TE2を、TE2=PS1−PS2−KT2(PAPPS1−PAPPS2)を用いて演算し、前記情報媒体のトラックのピッチに応じてトラッキングエラー信号を切り替えるようにしてもよい。
この場合、光ディスクの溝周期であるトラック溝のピッチが異なる光ディスクの信号を再生する際には、トラッキングエラー信号として、溝周期が広い場合にはトラッキングエラー信号TE3を、溝周期が狭い場合にはトラッキングエラー信号TE2を切り替えて使うことにより、溝周期が異なる光ディスクに対して、精度の高いトラッキング制御を行うことができる。
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面及び詳細な説明を提供した。
したがって、添付図面及び詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
本発明にかかる光ヘッド装置は、簡素な光学系でありながら、大容量の情報媒体の情報再生を可能である。これを用いた光情報装置は、パーソナルコンピュータから大規模なデータサーバまで、情報の蓄積及び利用に広く用いることができる。また、本発明にかかる光ヘッド装置は、光テープや光カード等の光学的メモリ用途にも応用できる。

Claims (8)

  1. 光ビームを出射する光源と、
    前記光源から出射された光ビームを情報媒体の情報層上に収束させる対物レンズと、
    前記情報媒体の情報層上で反射された光ビームを受けて回折光を発生させるホログラム素子と、
    前記ホログラム素子の回折光を受光し、受光した回折光の光量に応じて電気信号を出力する光検出器とを備え、
    前記ホログラム素子は、複数の回折領域を含み、
    前記ホログラム素子の中心部に、前記光ビームの光軸を含む遮蔽領域が形成され、
    前記遮蔽領域は、入射した前記光ビームを、前記複数の回折領域に入射しないように遮光又は回折させ、
    前記複数の回折領域は、前記遮蔽領域の周辺に形成された2つの第1の回折領域及び2つの第2の回折領域を含み、
    前記2つの第1の回折領域は、前記情報媒体のトラック延伸方向に対応する方向に沿って、前記遮蔽領域の両側に並ぶように形成され、
    前記2つの第2の回折領域は、前記トラック延伸方向と垂直なトラック垂直方向に対応する方向に沿って、前記遮蔽領域の両側に並ぶように形成され、
    前記2つの第1の回折領域と前記2つの第2の回折領域との境界線は、前記トラック延伸方向及び前記トラック垂直方向に対して斜めに傾斜しており、
    前記複数の回折領域は、
    前記トラック垂直方向に対応する方向に沿って、前記2つの第2の回折領域の両側に並ぶように形成された第3の回折領域及び第4の回折領域と、
    前記トラック延伸方向に対応する方向に沿って、前記第1乃至第4の回折領域により形成される領域の両側に並ぶように形成された2つの第5の回折領域及び2つの第6の回折領域とをさらに含み、
    前記2つの第5の回折領域と前記2つの第6の回折領域との境界線は、前記遮蔽領域の中心付近を通って前記トラック延伸方向に対応する方向に伸びる直線上に位置し、
    前記光検出器は、
    4つの受光領域を持つ4分割受光領域と、
    前記4分割受光領域に対して前記トラック延伸方向に対応する方向に離れて形成された3つの第1の受光領域と、
    前記4分割受光領域に対して前記トラック垂直方向に対応する方向に離れて形成された3つの第2の受光領域とを含むことを特徴とする光ヘッド装置。
  2. 前記第1の回折領域は、前記第5の回折領域と前記第6の回折領域との間に前記トラック延伸方向に対応する方向に延伸された延伸部を有することを特徴とする請求項1記載の光ヘッド装置。
  3. 前記情報媒体の情報層上で反射された光ビームを前記光源とは異なる方向へ導くビームスプリッタをさらに備え、
    前記ホログラム素子は、前記ビームスプリッタと前記光検出器との間に配置されることを特徴とする請求項1又は2記載の光ヘッド装置。
  4. 前記情報媒体の情報層上で反射された光ビームを前記光源とは異なる方向へ導くビームスプリッタをさらに備え、
    前記ホログラム素子は、前記対物レンズの近傍に配置されることを特徴とする請求項1又は2記載の光ヘッド装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の光ヘッド装置と、
    前記情報媒体を回転するモータと、
    前記光ヘッド装置から得られる信号を受ける電気回路とを備え、
    前記3つの第1の受光領域の各出力をPS1、PS2、PM2とし、前記3つの第2の受光領域の各出力をPAPPS1、PAPPS2、PM1とし、各出力に対する所定の重み付け係数をK1〜K6とすると、前記光ヘッド装置は、前記情報媒体から再生された情報を表す情報再生信号RFを、RF=K1×PM1+K2×PM2+K3×PS1+K4×PS2+K5×PAPPS1+K6×PAPPS2を用いて演算することを特徴とする光情報装置。
  6. 前記重み付け係数K1、K2、K5、K6は、同一の係数又は一定の割合で変化される係数であることを特徴とする請求項5記載の光情報装置。
  7. 前記4分割受光領域の4つの受光領域の各出力をPQ1、PQ2、PQ3、PQ4とし、所定の重み付け係数をKT1、KT2とすると、前記光ヘッド装置は、前記情報媒体の溝周期が第1のピッチである場合、前記情報媒体のトラックに光ビームをトラッキングするためのトラッキングエラー信号TE1を、TE1=PQ1+PQ3−PQ2−PQ4−KT1(PAPPS1−PAPPS2)を用いて演算し、前記情報媒体の溝周期が前記第1のピッチより狭い第2のピッチである場合、前記情報媒体のトラックに光ビームをトラッキングするためのトラッキングエラー信号TE2を、TE2=PS1−PS2−KT2(PAPPS1−PAPPS2)を用いて演算し、前記情報媒体のトラックのピッチに応じてトラッキングエラー信号を切り替えることを特徴とする請求項5又は6記載の光情報装置。
  8. 前記光検出器は、前記3つの第1の受光領域に1つの第1の受光領域を加えた4つの第1の受光領域を含み、
    前記4つの第1の受光領域の各出力をPS1、PS2、PM21、PM22とし、所定の重み付け係数をKT2、KT3とすると、前記光ヘッド装置は、前記情報媒体の溝周期が第1のピッチである場合、前記情報媒体のトラックに光ビームをトラッキングするためのトラッキングエラー信号TE3を、TE3=(PS1+PM21)−(PS2+PM22)−KT3(PAPPS1−PAPPS2)を用いて演算し、前記情報媒体の溝周期が前記第1のピッチより狭い第2のピッチである場合、前記情報媒体のトラックに光ビームをトラッキングするためのトラッキングエラー信号TE2を、TE2=PS1−PS2−KT2(PAPPS1−PAPPS2)を用いて演算し、前記情報媒体のトラックのピッチに応じてトラッキングエラー信号を切り替えることを特徴とする請求項5又は6記載の光情報装置。
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