JPWO2014188996A1 - ポリアニオン系正極活物質複合体粒子の製造方法およびポリアニオン系正極活物質前駆体−酸化グラファイト複合造粒体 - Google Patents

ポリアニオン系正極活物質複合体粒子の製造方法およびポリアニオン系正極活物質前駆体−酸化グラファイト複合造粒体 Download PDF

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Abstract

従来のポリアニオン系正極活物質−グラフェン複合体粒子は、グラフェンとポリアニオン系正極活物質の接触面積が小さく、高い導電性を得ることができなかった。本発明は、工程1:ポリアニオン系正極活物質前駆体と酸化グラファイトとを混合し、酸化グラファイト中にポリアニオン系正極活物質前駆体粒子を含む前駆体複合造粒体を形成する工程;工程2:工程1で得た前駆体複合造粒体を、不活性雰囲気又は還元雰囲気下において、500℃以上で加熱する工程;を有する、ポリアニオン系正極活物質複合体粒子の製造方法であって、該前駆体複合造粒体のエックス線回折強度において、正極活物質に基づくエックス線回折ピークの最大強度が、正極活物質以外に基づくエックス線回折ピークの最大強度に対して50%未満であり、該ポリアニオン系正極活物質複合体粒子のエックス線回折強度において、正極活物質に基づくエックス線回折ピークの最大強度が、正極活物質以外に基づくエックス線回折ピークの最大強度に対して50%以上である、ポリアニオン系正極活物質複合体粒子の製造方法である。

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池の正極材として好適に用いられるポリアニオン系正極活物質複合体粒子の製造方法およびポリアニオン系正極活物質前駆体−酸化グラファイト複合造粒体に関する。
リチウムイオン二次電池は、従来のニッケルカドミウム電池やニッケル水素電池に比べて、高電圧・高エネルギー密度が得られる電池であり、小型・軽量化が図れることから、携帯電話やラップトップパソコンなどのモバイル電子機器に広く用いられている。リチウムイオン二次電池は、今後更に、電気自動車・ハイブリッド電気自動車などに搭載する車載用途あるいは電動工具などの産業用途に利用拡大が進むと見られており、更なる高容量化と高出力化が切望されている。
リチウムイオン二次電池は、少なくともリチウムイオンを可逆的に脱挿入可能な活物質を有する正極と負極、そして正極と負極を隔絶するセパレータを容器内に配置し、非水電解液を充填して構成されている。
正極は、アルミニウム等の金属箔集電体に、リチウム電池用正極活物質、導電助剤および結着剤を含有する電極剤を塗布し加圧成形したものである。現行の正極活物質としては、コバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、あるいは、コバルトをニッケル・マンガンで一部置換した三元系(LiMnxNiyCo1−x−yO2)、スピネル型マンガン酸リチウム(LiMn2O4)などのリチウムと遷移金属の複合酸化物の粉体が比較的良く用いられている。その他には、V2O5等の金属酸化物やTiS2、MoS2、NbSe2などの金属化合物等も活物質として利用されている。
近年では容量の高いポリアニオン系活物質が注目されている。ポリアニオン系活物質の中でも最も開発が進んでいるのが安全性の高いオリビン系(リン酸系)活物質である。オリビン系活物質の中でも特に資源的に豊富で安価な材料である鉄を含有したリン酸鉄リチウム(LiFePO4)が実用化され始めている。また、さらに出力エネルギーの高いリン酸マンガンリチウム(LiMnPO4)が次世代活物質として注目されている。他のポリアニオン系活物質としては、ケイ酸塩型活物質や、オリビン系活物質の中でもフッ化オリビン系活物質が注目されている。ケイ酸塩型活物質はオリビン系活物質よりもさらに重量あたりの放電容量が高い特長がある。フッ化オリビン系活物質はオリビン系活物質より電圧が高い特長がある。これらは、それぞれ次次世代の活物質として期待されている。
負極は、銅などの金属箔集電体に、正極同様に活物質や導電助剤および結着剤を含有する電極剤を塗布し加圧成形したものであり、一般に負極の活物質としては、金属リチウムやLi−Al合金、Li−Sn等のリチウム合金、SiOやSiC、SiOC等を基本構成元素とするケイ素化合物、リチウムをドープしたポリアセチレンやポリピロール等の導電性高分子、リチウムイオンを結晶中に取り込んだ層間化合物や天然黒鉛、人造黒鉛、ハードカーボンなどの炭素材料等が用いられている。
現在実用化されている活物質においては、負極の理論容量と比較して正極の理論容量の方が遥かに低く、リチウムイオン電池の高容量化のためには正極の容量密度向上が不可欠である。そこで容量が高い次世代活物質であるポリアニオン系活物質の実用化が求められている。しかし、ポリアニオン系正極活物質は非常に電子導電性が低いため、実用化が非常に困難である。そのため、ポリアニオン系正極活物質に電子導電性を付与する技術が求められている。
正極中の電子導電性を向上させるためには、電極剤中に導電助剤を添加する手法が用いられている。導電助剤として従来用いられている材料としては、黒鉛、アセチレンブラック、ケッチェンブラックなどが挙げられる。しかし、特に導電性が低い正極活物質では導電助剤を添加するだけでは不十分であり、活物質と導電助剤である導電性炭素材料を直接複合化する手法が必要となる。
特許文献1には、オリビン系正極活物質の原料溶液と、カーボン源となるポリマーを混合し、噴霧乾燥・焼成して複合体を作製する手法が開示されている。また、非特許文献1には酸化グラファイト水溶液中でリン酸マンガンリチウムを混合してから加熱乾燥する手法が開示されている。
特許文献2及び非特許文献2には、オリビン系正極活物質原料と酸化グラファイトを溶解した水溶液を加熱・乾燥する手法が開示されている。
特許文献3には、活物質原料を加熱焼成した後、酸化グラファイトと混合しその後還元する手法が開示されている。
非特許文献3には、酸化グラファイトの存在下で正極活物質を合成し、その後還元する手法が開示されている。
特許第4043852号公報 特開2013−65551号公報 特開2012−99467号公報
Qin Z., et al. Journal of Materials Chemistry, 2011, 22, 21144 Rui X., et al. Journal of Power Sources, 2012, 214, 171 Wang H., et al. Angewandte Chemie International Edition , 2011, 50, 7364
リチウムイオン電池の正極の高容量化・高出力化を実現するためには、高い電子伝導性を有する正極活物質が必要である。
特許文献1では、オリビン系正極活物質をショ糖と混合し、700℃の不活性雰囲気中で加熱することでカーボンコートしているが、この手法では、導電性炭素の原料がショ糖であるため、加熱後には、導電性炭素はアモルファスカーボンとなっており、導電性炭素の導電性が低く、高い電池性能を得ることができない。また、ショ糖のような導電性炭素の原料を導電性炭素にするためには鉄が必須であり、リン酸鉄リチウム以外の活物質でこの手法を適用するのは困難である。
また、非特許文献1では、酸化グラファイト水溶液中でリン酸マンガンリチウム粒子を混合してから加熱乾燥して複合体を合成している、この手法ではリン酸マンガンリチウム粒子を先に作製してから、酸化グラファイトを複合化しているため、酸化グラファイトとリン酸マンガンリチウム粒子表面における親和性が悪い。そのため緻密に複合化することができず、複合体中の電子伝導性が十分に得られない。
特許文献2及び非特許文献2には、オリビン系正極活物質の原料である活物質前駆体と酸化グラファイトを溶解した水溶液を加熱・乾燥する手法が開示されている。この手法では、単に混合しているだけなので、酸化グラファイトと活物質前駆体を接触面積が大きい状態で複合化することができず、複合体中の電子伝導性が十分に得られない。
特許文献3にはリン酸鉄リチウムの原料混合物を250℃〜450℃で加熱焼成し、リン酸鉄リチウムの原料焼成物と酸化グラファイトとを混合後に、酸化グラファイトを還元する手法が開示されている。この手法では、加熱焼成した時点で、リン酸鉄リチウムの原料焼成物はリン酸鉄リチウムへと変換されており、酸化グラファイトと親和性が悪くなっているため、緻密に複合化できない。
非特許文献3では、酸化グラファイトの存在下でリン酸マンガンリチウム粒子を合成してから、酸化グラファイトを還元して複合体を得ているが、これも溶液中で混合するのと同様で緻密に複合化することができない。
本発明の目的は、ポリアニオン系正極活物質とグラフェンとの接触面積が大きく、高い導電性を有する活物質と導電性炭素材料との複合体、すなわち、活物質複合粒子を得ることにあり、またこれを利用した高容量・高出力のリチウムイオン電池を得ることにある。
すなわち、本発明は、
工程1:ポリアニオン系正極活物質前駆体と酸化グラファイトとを混合し、酸化グラファイト中にポリアニオン系正極活物質前駆体粒子を含む前駆体複合造粒体を形成する工程;
工程2:工程1で得た前駆体複合造粒体を、不活性雰囲気又は還元雰囲気下において、500℃以上で加熱する工程;
を有する、ポリアニオン系正極活物質複合体粒子の製造方法であって、
該前駆体複合造粒体のエックス線回折強度において、正極活物質に基づくエックス線回折ピークの最大強度が、正極活物質以外に基づくエックス線回折ピークの最大強度に対して50%未満であり、
該ポリアニオン系正極活物質複合体粒子のエックス線回折強度において、正極活物質に基づくエックス線回折ピークの最大強度が、正極活物質以外に基づくエックス線回折ピークの最大強度に対して50%以上である、
ポリアニオン系正極活物質複合体粒子の製造方法、および、
酸化グラファイトと、5nm以上100nm以下の一次粒子径のポリアニオン系正極活物質前駆体粒子を含む、ポリアニオン系正極活物質前駆体−酸化グラファイト複合造粒体、である。
本発明により、高い電子導電性と高いイオン導電性を併せ持つ活物質複合体粒子を得ることができ、これを正極材として用いることで高容量・高出力のリチウムイオン二次電池を得ることができる。
〔ポリアニオン系正極活物質前駆体〕
本発明におけるポリアニオン系正極活物質とは、 LixMyAOz(ただし、Mはマンガン、鉄、バナジウム、ニッケル、コバルトからなる群より選択される金属元素、0.5≦x≦2、0.5≦y≦2、3≦z≦4,Aはシリコン又はリン又はホウ素のいずれか)である。ポリアニオン系正極活物質としては、オリビン系正極活物質、ケイ酸塩系正極活物質、ホウ酸塩系正極活物質、リン酸バナジウムリチウムが挙げられる。ポリアニオン系正極活物質の中でも有力な正極活物質はオリビン系正極活物質、ケイ酸塩系正極活物質である。本発明に最も適しているのはオリビン系正極活物質である。
オリビン系正極活物質とは、上記Aがリンである、LixMyPO4(ただし、Mはマンガン、鉄、ニッケル、コバルトからなる群より選択される金属元素、0.5≦x≦2、0.5≦y≦2)を指す。Mに当たる金属元素としては特に、マンガン、鉄が好ましい。
オリビン系正極活物質にはLiとMに当たる金属のほかに、リン原子に対して元素比10%以下の金属が含まれていても良い。含まれる金属は限定されないが、マンガン、鉄、バナジウム、ニッケル、コバルト、亜鉛、イットリウム、マグネシウム、ゲルマニウム、などが挙げられる。また、オリビン系正極活物質にフッ素が含まれるフッ化オリビン系正極活物質であっても良い。
ケイ酸塩系正極活物質とは、LixMySiO4(ただし、Mはマンガン、鉄、バナジウム、ニッケル、コバルトからなる群より選択される金属元素、0.5≦x≦2、0.5≦y≦2)を指すMに当たる金属元素としては特に、マンガン、鉄が好ましい。
ケイ酸塩系正極活物質にはLiとMに当たる金属のほかに、リン原子に対して元素比10%以下の金属が含まれていても良い。含まれる金属は限定されないが、マンガン、鉄、バナジウム、ニッケル、コバルト、亜鉛、イットリウム、マグネシウム、ゲルマニウム、などが挙げられる。
ホウ酸塩系正極活物質とは、LixMyBO3(ただし、Mはマンガン、鉄より選択される金属元素、0.5≦x≦2、0.5≦y≦2)を指す。ホウ酸塩系正極活物質にはLiとMに当たる金属のほかに、リン原子に対して元素比10%以下の金属が含まれていても良い。含まれる金属は限定されないが、マンガン、鉄、バナジウム、ニッケル、コバルト、亜鉛、イットリウム、マグネシウム、ゲルマニウム、などが挙げられる。
リン酸バナジウムリチウムとはLi3V2(PO4)3を指す。他のリン酸塩を含む活物質とは結晶系が異なりオリビン系活物質ではないが、本発明におけるポリアニオン系正極活物質として挙げられる。
本発明におけるポリアニオン系正極活物質前駆体(以下、単に「活物質前駆体」ということがある。)とは、500℃以上に加熱焼成することによって、ポリアニオン系正極活物質となる組成物を指す。具体的には、加熱焼成前にはX線回折測定によりLixMyAOzに特徴的な回折ピークが現れないかまたは非常に微小なピークしか現れない状態であるが、加熱焼成した後にはLixMyAOz に特徴的な回折ピークがメインピークとして現れる物質を意味する。
より具体的には、本発明のポリアニオン系正極活物質前駆体−酸化グラファイト複合造粒体は、該前駆体複合造粒体のエックス線回折強度において、正極活物質に基づくエックス線回折ピークの最大強度が、正極活物質以外に基づくエックス線回折ピークの最大強度に対して50%未満である。そして、本発明のポリアニオン系正極活物質前駆体を加熱焼成して該ポリアニオン系正極活物質とした時、本発明のポリアニオン系正極活物質複合体粒子は、該ポリアニオン系正極活物質複合体粒子のエックス線回折強度において、正極活物質に基づくエックス線回折ピークの最大強度が、正極活物質以外に基づくエックス線回折ピークの最大強度に対して50%以上になる。逆に言えば、ポリアニオン系正極活物質複合体粒子がそのようになるものを、本発明におけるポリアニオン系正極活物質前駆体とする。
ポリアニオン系正極活物質前駆体として、オリビン系正極活物質前駆体は、リチウム塩と、リン酸塩と、必要な金属塩及び必要に応じて溶媒からなる。必要に応じてさらにフッ素源となる物質が含まれても良い。ポリアニオン系正極活物質前駆体として、ケイ酸塩系正極活物質前駆体は、リチウム塩と、ケイ酸塩と、必要な金属塩及び必要に応じて溶媒からなる。
リチウム塩としては、例えば酢酸リチウム、水酸化リチウム、炭酸リチウム、リチウムアセチルアセトナートが挙げられる。リン酸塩としては、リン酸、リン酸二水素アンモニウムが挙げられる。また、リン酸塩とリチウム塩を兼ねる物質として、リン酸二水素リチウム、リン酸リチウムを使用しても良い。
ケイ酸塩としては、テトラエトキシケイ素などのアルコキシケイ素が挙げられ、リン酸塩とリチウム塩を兼ねる物質としてLi2SiO2などを使用しても良い。
ホウ酸塩としては、トリエトキシホウ素などのアルコキシホウ素が挙げられる。
金属塩は必要な金属によって異なるが、例えば鉄の場合、塩化鉄、硫酸鉄、酢酸鉄、シュウ酸鉄などが挙げられる。マンガンの場合、酢酸マンガン、硫酸マンガン、塩化マンガン、シュウ酸マンガンなどが挙げられる。
ポリアニオン系正極活物質前駆体としては、上記のリチウム塩、リン酸塩又はケイ酸塩又はホウ酸塩と、Mにあたる金属の塩とがLixMyAOzの原料として、区別できないほどに混合されてなる組成物が好ましく用いられる。区別できないほどに混合しているとは、任意のリチウム原子を選んだときに、その半径10μm以内にリン酸及びMに当る一種の金属が存在する状態を言う。
活物質前駆体の作製方法は特に限定されない。上記の塩を水などの溶媒に目的化合物のモル比で混合・溶解し、溶媒を乾燥する方法や各塩を粉砕・混合する方法などが挙げられる。
溶液にして乾燥する際の乾燥方法は特に限定されるものではない。活物質前駆体の状態を維持するため、低温で乾燥することが好ましい。具体的には200℃以下の低温で真空乾燥する方法や、噴霧乾燥する方法、凍結乾燥する方法が挙げられる。
溶液にする場合に使用する溶媒には特に制限は無いが、水・エタノール・メタノール・イソプロピルアルコール・N−メチルピロリドン・ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。例えば、水を使用する場合、水中にリチウム塩・リン酸塩、Mにあたる金属の例としてマンガン塩を溶解し、スターラーなどで十分に混合し前駆体溶液を作製する。十分に混合した前駆体溶液を噴霧乾燥により乾燥し、粉体を回収する方法が挙げられる。
pH・溶媒などの条件によっては各塩を混合した時点で沈殿が生じることもあり、この沈殿物を前駆体として利用することも可能である。作製例としては、水酸化リチウム、リン酸、硫酸マンガンをモル比3:1:1になるように水溶液中で混合することで沈殿が生じる。この沈殿物をろ過により採取し、前駆体として使用することが可能である。
粉砕・混合する手法に制限は無い。例えばブレンダー、クラッシャー、乾式ビーズミル、ロッキングミキサー、ハイブリダイザー、遊星ボールミルなどが使用できる。中でも遊星ボールミルが好ましく用いられる。遊星ボールミルを用いる方法では、ジルコニア容器中に、リチウム塩・リン酸塩、Mにあたる金属の例としてマンガン塩、及びジルコニアビーズを入れ、密閉して遊星ボールミル中で混合することにより、各塩が十分に混合されたリン酸マンガンリチウム前駆体を作成することができる。混合の促進のため、ジルコニア容器中に水やアルコールなどの溶媒を添加しても良い。
〔酸化グラファイト〕
本発明において用いられる酸化グラファイトは、黒鉛(グラファイト)を酸化することにより作製できる。黒鉛は酸化されると、グラファイト層間距離が黒鉛より長くなり、エックス線回折測定で12.5℃〜13.0℃にピークをもつ。
酸化グラファイトは公知の方法で作製することができる。また市販の酸化グラファイトを購入してもよい。酸化グラファイトの原料となる黒鉛は、人造黒鉛・天然黒鉛のどちらでも良いが、天然黒鉛が好ましく用いられる。原料黒鉛のメッシュ数は20000以下が好ましく、5000以下がさらに好ましい。
酸化グラファイトの作製法は、ハマーズ法が好ましい。その例を下記する。
黒鉛粉末に濃硫酸、硝酸ナトリウムと過マンガン酸カリウムを添加して、25〜50℃下、0.2〜5時間攪拌反応する。その後脱イオン水を加えて希釈し、懸濁液を得て、これを引き続き80〜100℃で5〜50分間反応する。最後に過酸化水素と脱イオン水を加え1〜30分間反応させた後、濾過、洗浄し、酸化グラファイト分散液を得る。
各反応物の配合の例としては、黒鉛粉末:濃硫酸:硝酸ナトリウム:過マンガン酸カリウム:過酸化水素水(30%)の比が10g:150〜300ml:2〜8g:10〜40g:40〜80gである。濃硫酸、硝酸ナトリウムと過マンガン酸カリウムを加える時は氷浴を利用して温度を制御する。過酸化水素水と脱イオン水を加える時、脱イオン水の質量は過酸化水素水質量の10〜20倍である。
酸化グラファイトの酸化度は特に限定されない。しかし、酸化度が低すぎると活物質前駆体との親和性が悪くなる場合がある。また、酸化度が高すぎると還元した後の導電性が悪くなる場合がある。本発明に用いられる酸化グラファイトにおいて、酸化グラファイト中の、酸素原子の炭素原子に対する元素割合は、0.3以上1以下であることが好ましい。酸化グラファイト中の酸素原子の炭素原子に対する割合はX線光電子分光法により測定することが可能である。
酸化グラファイトの酸化度は、黒鉛の酸化反応に用いる酸化剤の量を変化させることで調整することができる。具体的には、酸化反応の際に用いる、黒鉛に対する硝酸ナトリウム及び過マンガン酸カリウムの量が多いほど高い酸化度になり、少ないほど低い酸化度になる。酸化反応の際の黒鉛に対する硝酸ナトリウムの重量比は特に限定されるものではないが、0.2以上0.8以下であることが好ましい。黒鉛に対する過マンガン酸カリウムの重量比は特に限定されるものではないが、1以上4以下であることが好ましい。
〔工程1:ポリアニオン系正極活物質前駆体−酸化グラファイト複合造粒体を得る工程〕
本発明のポリアニオン系正極活物質前駆体−酸化グラファイト複合造粒体(以下、単に「前駆体複合造粒体」ということがある。)は、ポリアニオン系正極活物質前駆体の一次粒子が酸化グラファイトを介して複合化してなるものである。前駆体複合造粒体においては、ポリアニオン系正極活物質前駆体粒子は酸化グラファイト中に含まれており、好ましくは分散されている。
前駆体複合造粒体は、ポリアニオン系正極活物質前駆体と酸化グラファイトとを混合する方法により得られる。
酸化グラファイトは粉末状のものを用いることが好ましい。酸化グラファイト粉末は、酸化グラファイト溶液のスプレードライ又は凍結乾燥等の方法によって作製することが好ましい。
ポリアニオン系正極活物質前駆体と酸化グラファイトを混合する手法には特に制限は無く、公知のミキサー・混練機を用いることができる。具体的には、自動乳鉢、三本ロール、ビーズミル、遊星ボールミル、ホモジェナイザー、プラネタリーミキサー、二軸混練機などを利用する方法が挙げられるが、固相で混合することが好ましい様態として挙げられる。固相で混合することにより酸化グラファイトと正極活物質前駆体の間に強いせん断力がかかり、接触面積の多い緻密な複合化が可能になる。
いずれのミキサー・混練機でも粉砕を繰り返すことで前駆体複合造粒体の粒子径を微細化することが出来る。ナノスケールの粉砕をするには、物理的に接触して磨り潰すような混練機が好ましく、遊星ボールミル、乾式ビーズミル、自動乳鉢がとくに好ましい。活物質前駆体粒子及び、酸化グラファイト粉末が粉末状でなく、塊状である場合、事前にブレンダーなどで細かく粉砕すると、均一性の高い複合化が可能になる。
遊星ボールミルを使用する場合の例を挙げる。ジルコニア容器に、ジルコニアビーズと酸化グラファイト粉末と、活物質前駆体粒子とを入れる。この際の、活物質前駆体粒子と酸化グラファイトの比は、複合体が還元・焼成工程を経た後に炭素成分が複合造粒体中の重量比で1%〜10%になるようにするのが好ましい。還元・焼成工程を経ると、酸化グラファイトは炭素成分として約50%残留する。また、活物質前駆体はLixMyAOz以外の成分が無くなるため、塩の種類によって残留率が異なる。このような酸化グラファイトの炭素残留率・及び活物質前駆体焼成後の残留率などを考慮して、混合比を決める。混合の際、水・アルコールなどの溶剤を添加すると混合・粉砕が促進されることがあるので必要に応じて添加する。
遊星ボールミルを使用する場合、ジルコニアビーズの径、ジルコニア容器の容量、ボールミルの回転数、粉砕時間を調節することによって、得られる前駆体複合造粒体中の活物質前駆体粒子の一次粒子径を調整することができる。適正な条件は、酸化グラファイトの酸化度や前駆体複合造粒体によっても異なるので、一律に決めることは出来ないが、例えば実施例1の条件でフリッチュ社の遊星ボールミル(型式:P−5)を用いる場合、ジルコニアビーズ径3mm〜10mm、ジルコニア容器12mm、回転数250〜300rpm、粉体総量1〜2g、添加溶剤量、0.05g〜0.2gといった条件で混合することで、本発明の活物質前駆体複合造粒体を得ることができる。
前駆体複合造粒体中における活物質前駆体と酸化グラファイトの接触面積が十分大きくないと、焼成後に十分な導電性を得ることができないため、活物質前駆体粒子は十分微小であることが好ましい。従って、前駆体複合造粒体中の前記ポリアニオン系活物質前駆体粒子の一次粒子径は100nm以下であることが好ましく、50nm以下であることがより好ましく、30nm以下であることがさらに好ましい。一方で、活物質前駆体粒子が小さすぎると、焼成後に、ポリアニオン系正極活物質の結晶子サイズが小さくなりすぎて結晶界面の影響が大きくなり、正極活物質としての容量が小さくなってしまう。活物質前駆体粒子の一次粒子径は5nm以上であることが好ましく,8nm以上であることがより好ましく、10nm以上であることがさらに好ましい。
焼成前の前駆体においても、ポリアニオン系正極活物質は一部生成している場合がある。ポリアニオン系正極活物質前駆体のほうが、ポリアニオン系正極活物質自体と比較して酸化グラフェンとの親和性が高い。そのため、前駆体の時点でポリアニオン系正極活物質が多く生成されていると複合化効率が悪くなる傾向がある。そこで、前駆体複合体は、エックス線回折強度において、ポリアニオン系正極活物質に基づくエックス線回折ピークの最大強度が、ポリアニオン系正極活物質以外に基づくエックス線回折ピークの最大強度に対して50%未満である必要がある。30%未満であることが好ましく、10%未満であることがさらに好ましい。
例えばポリアニオン系正極活物質がリン酸マンガンリチウムの場合、リン酸マンガンリチウムのエックス線回折ピークの最大強度は26.2°付近のピーク、29.2°付近のピーク36.1°付近のピークのいずれか一つになる。これらのピークの内、最大強度のものが、リン酸マンガンリチウム以外の原料や複合塩などに基づくピークの内、最大強度のものに対して50%未満である必要がある。
活物質前駆体粒子の一次粒子径は、透過型電子顕微鏡により測定することができる。イオンミリング装置を用いて前駆体複合造粒体の断面を出し、透過型電子顕微鏡により断面観察することで、前駆体複合造粒体内にある活物質前駆体一次粒子の形状を観察できる。本発明においては、この手法により50万倍の視野で一次粒子を観察したとき、視野内の全ての粒子の粒子径の平均を、活物質前駆体一次粒子の平均粒子径とする。
加熱処理後に残るグラフェンの比率が高いほど導電性が高くなる一方で、重量あたりの電池容量は下がる。そのため、前駆体複合造粒体中に含まれる炭素成分の質量割合は10%以下であることが好ましく、8%以下であることがさらに好ましく、5%以下であることがより好ましい。また、1%以上であることが好ましく、2%以上であることがさらに好ましく、3%以上であることがより好ましい。
前駆体複合造粒体中に含まれる炭素成分の質量割合は、例えば、炭素−硫黄分析装置によって定量することが可能である。炭素−硫黄分析装置では、高周波によって複合体を空気中で加熱し、含有する炭素を完全に酸化させ、発生した二酸化炭素を赤外線により検出する。炭素成分量の分析の際には、分析の前に、前駆体複合造粒体を窒素雰囲気中で600度、6時間加熱する。この処理により溶媒を除去し、活物質前駆体を十分反応させた上で、炭素成分の分析を行う。
炭素−硫黄分析装置以外の方法としては、酸などにより複合体の無機成分を溶解・除去し、残った有機成分をX線光電子分光法によって測定する方法が挙げられる。具体的には、無機成分を溶解・除去する前後の複合体重量を測定することにより、複合体中の無機成分と有機成分の比を測定する。さらに、残った有機成分の元素比率をX線光電子分光法によって測定する。この二つの測定を組み合わせることで、複合体に含まれる炭素成分の質量割合を測定することが出来る。
本発明のポリアニオン系正極活物質前駆体−酸化グラファイト複合造粒体の粒子径は、小さすぎると、電極ペースト作製時に凝集しやすくなるため、電極塗膜作製が困難になるなどの問題が生じる場合がある。逆に、粒子径が大きすぎると電解液が内部にまで浸透するのに時間がかかり、イオン導電性が悪くなる場合がある。そのため、前駆体複合造粒体の粒子径は0.5Cm以上であることが好ましく、1μm以上であることがさらに好ましく、3μm以上であることが特に好ましい。また、20μm以下であることが好ましく、15μm以下であることがさらに好ましく、10μm以下であることが特に好ましい。ここでいう粒子径とは、前駆体複合造粒体を水中に分散した状態で循環し、測定直前に超音波分散してレーザー回折・散乱式粒径分布測定装置によって測定した時のメジアン径を指す。
〔工程2:活物質前駆体−酸化グラファイト複合造粒体を加熱する工程〕
上記工程により得られた、ポリアニオン系正極活物質前駆体−酸化グラファイト複合造粒体を500℃以上で不活性雰囲気又は還元雰囲気で加熱することにより、ポリアニオン系正極活物質−グラフェン複合体粒子、すなわち、ポリアニオン系正極活物質複合体粒子を得ることができる。前駆体複合造粒体中のポリアニオン系正極活物質前駆体は加熱によりポリアニオン系正極活物質となる。また、前駆体複合造粒体中の酸化グラファイトは不活性雰囲気又は還元雰囲気中で加熱することにより、還元されグラフェンになる。
また、ここでいう不活性雰囲気とは、窒素・アルゴン・ヘリウムなどの不活性ガス雰囲気、又は真空をいうが、炭素成分が燃焼しない程度であれば酸素が少量含まれていても良い。また、還元雰囲気とは、還元性気体で充満された雰囲気をいい、水素雰囲気であっても良いし還元性の有機物質が揮発している状態であっても良く、不活性ガスの一部を還元性気体で置換した雰囲気であっても良い。
加熱温度は高いほどポリアニオン系活物質の結晶性が高くなるため電池性能が上がりやすいが、一方で温度が高すぎると微粒子同士が焼結し活物質粒子が大きくなってしまうため、好ましい範囲がある。加熱温度は550℃以上であることが好ましく、600℃以下であることがさらに好ましい。また、加熱温度は800℃以下であることが好ましく、700℃以下であることがさらに好ましい。
加熱時間に特に制限は無いが、安定に正極活物質及びグラフェンを得るために長時間の加熱をすることが好ましい。具体的には6時間以上が好ましく、12時間以上がさらに好ましい。
加熱工程を経ることで、ポリアニオン系正極活物質前駆体はポリアニオン系正極活物質となる。ポリアニオン系正極活物質前駆体を加熱したことによりポリアニオン系正極活物質が生成されたことはエックス線回折測定により確認することができる。焼成後にポリアニオン系正極活物質以外の前駆体残留成分や不純物成分が残留していると重量当たりの活物質成分が少なくなり複合体粒子の電池性能が悪くなるため、少ないことが好ましい。前駆体残留成分や不純物成分の量はエックス線回折強度における、正極活物質以外に基づくエックス線回折ピークの最大強度に対する正極活物質に基づくエックス線回折ピークの最大強度を測定することで評価できる。
正極活物質以外に基づくエックス線回折ピークの最大強度に対する正極活物質に基づくエックス線回折ピークの最大強度は50%以上であることが必要である。200%以上であることがさらに好ましく、1000%以上であることがさらに好ましい。前駆体残留成分や不純物成分は加熱後に存在しないことが最も好ましく、正極活物質以外に基づくエックス線回折ピークが検出されないことが最も好ましい。
〔化学還元工程〕
酸化グラファイトの還元においては、化学還元の方が、加熱還元よりも高い導電性のグラフェンを得ることができる。そのため、本発明の活物質複合体粒子の製造方法においては、上記加熱工程の前に前駆体複合造粒体を化学還元する化学還元工程を設けることが好ましい。
化学還元に用いる還元剤としては、有機還元剤、無機還元剤のいずれも使用することができる。有機還元剤としてはアルデヒド系還元剤、ヒドラジン誘導体還元剤、アルコール系還元剤があげられ、有機還元剤の中でもアルコール系還元剤は比較的穏やかに還元することができるため、特に好適である。アルコール系還元剤として挙げられるのは、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ベンジルアルコール、フェノール、カテコール、エタノールアミン、ドーパミン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、などが挙げられ、特にベンジルアルコール、カテコール、ドーパミンが好適である。
無機還元剤としては亜ジチオン酸ナトリウム、亜ジチオン酸カリウム、亜リン酸、水素化ホウ素ナトリウム、ヒドラジンなどがあげられ、無機還元剤の中でも、ヒドラジン、亜ジチオン酸ナトリウム、亜ジチオン酸カリウムは、酸化グラファイトを常温でも十分に還元することが出来、高い導電性が得られるため好適に用いられる。
還元条件に制限は無いが、アルコール還元剤を使用する場合は高温で処理することが好ましく、例えばアルコール還元剤を溶媒として前駆体複合体を1〜5%程度の濃度で分散し、攪拌しながらアルコール還元剤の沸点付近で加熱還流するなどの手法が好ましく用いられる。
アルコール以外の有機還元剤、例えばカテコール、フェノールなどの還元剤では、水中に前駆体複合体を1〜5%程度の濃度で分散し、スターラーなどで攪拌しながら、無機系の還元剤を前駆体複合体の50〜100%程度の重量比で投入するのが好ましい。還元する際の好ましい温度は、還元剤の種類により異なるが、例えばカテコールの場合80〜100℃が好ましい。
無機系の還元剤を用いる場合、水中に前駆体複合体を1〜5%程度の濃度で分散し、スターラーなどで攪拌しながら、無機系の還元剤を前駆体複合体の50〜100%程度の重量比で投入するのが好ましい。還元する際の好ましい温度は、還元剤の種類により異なるが、例えば亜ジチオン酸ナトリウムの場合40〜60℃が好ましい。
(測定例1:エックス線光電子測定)
各サンプルのエックス線光電子測定は、Quantera SXM (PHI 社製)を使用して測定した。励起X線は、monochromatic Al Kα1,2 線(1486.6 eV)であり、X線径は200μm、光電子脱出角度は45°であった。酸化グラファイト中の、酸素原子の炭素原子に対する割合は、ワイドスキャンの酸素原子のピーク面積と、炭素原子のピーク面積から求めた。
(測定例2:元素分析)
炭素成分量の分析の際には、分析の前に前駆体複合造粒体を600℃窒素中で6時間加熱する。この処理により溶媒を除去し、前駆体複合造粒体を十分反応させた後、炭素−硫黄分析装置(堀場製作所製、EMIA−810W)を用いて前駆体複合造粒体中の炭素の質量割合を分析した。
(測定例3:電気化学評価)
作製したポリアニオン系正極活物質−グラフェン複合体粒子を700mg、導電助剤としてアセチレンブラックを40mg、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン60mg、溶剤としてN−メチルピロリドンを800mg、を加えたものをプラネタリーミキサーで混合して電極ペーストを得た。電極ペーストをアルミニウム箔(厚さ18μm)にドクターブレード(300μm)を用いて塗布し、80℃30分間乾燥して電極板を得た。
作製した電極板を直径15.9mmに切り出して正極とし、直径16.1mm厚さ0.2mmに切り出したリチウム箔を負極とし、直径十七mmに切り出したセルガード#2400(セルガード社製)をセパレータとして、LiPF6を1M含有するエチレンカーボネート:ジエチルカーボネート=7:3の溶媒を電解液として、2042型コイン電池を作製し、電気化学評価を行った。
充放電測定において、活物質がLiMnPO4の場合、上限電圧4.4V、下限電圧2.7V、
活物質がLiFePO4の場合、上限電圧4.0V、下限電圧2.5Vとし、レート0.1Cで3回充放電を行った後続けて3Cで3回充放電を行い、各レートの3回目の放電時の容量を放電容量とした。
活物質がLi2MnSiO4の場合、上限電圧4.5V、下限電圧2.7V、とし、レート0.1Cで3回充放電を行った後続けて0.3Cで3回充放電を行い、各レートの3回目の放電時の容量を放電容量とした。
(測定例4:エックス線回折測定)
前駆体複合造粒体及びポリアニオン系正極活物質複合体粒子のエックス線回折測定は、D8 Advance(Bruker社製)を使用して測定した。窪みの有るガラス製のサンプル台に前駆体複合造粒体又は正極活物質複合体粒子の粉末を敷き詰めてサンプル台を固定して測定した。測定した角度は5°〜70°でスキャンスピードは、6°/分とした。本発明におけるピーク最大強度は、測定した結果得られたピークの高さから求めた。
前駆体複合造粒体のエックス線回折測定:前駆体複合造粒体のエックス線回折強度において、(正極活物質に基づくエックス線回折ピークの最大強度)/(正極活物質以外に基づくエックス線回折ピークの最大強度)×100(%)を求めた。
ポリアニオン系正極活物質複合体粒子のエックス線回折測定:ポリアニオン系正極活物質複合体粒子のエックス線回折強度において、(正極活物質に基づくエックス線回折ピークの最大強度)/(正極活物質以外に基づくエックス線回折ピークの最大強度)×100(%)を求めた。正極活物質以外に基づくエックス線回折ピークが検出されない場合は、正極活物質に基づくエックス線回折ピークの最大強度が、正極活物質以外に基づくエックス線回折ピークの最大強度に対して50%以上であると判断される。
(合成例1:酸化グラファイトの作製1)
2000メッシュの天然黒鉛粉末(上海一帆石墨有限会社)を原料とした。氷浴中の10gの天然黒鉛粉末に、220mlの98%濃硫酸、3.5gの硝酸ナトリウム、21gの過マンガン酸カリウムを入れ、混合液の温度を20℃以下に保持しつつ、1時間機械攪拌した。この混合液を氷浴から取り出し、35℃水浴中で4時間攪拌反応し、その後イオン交換水500mlを加えて得られた懸濁液を90℃で更に15分反応を行った。最後に600mlのイオン交換水と50mlの過酸化水素水(濃度70%)を入れ、5分間反応を行い、酸化グラファイト分散液を得た。これを濾過し、希塩酸溶液で金属イオンを洗浄し、イオン交換水で酸を洗浄し、pHが7になるまで洗浄を繰り返し、酸化グラファイトゲルを作製した。酸化グラファイトゲルを凍結乾燥することにより、酸化グラファイト粉末を得た。得られた酸化グラファイト粉末の酸素原子の炭素原子に対する元素比を測定例1により測定したところ、0.45であった。
(合成例2:酸化グラファイトの作製2)
硝酸ナトリウムの量を2.75g、過マンガン酸カリウムを16.5gとした以外は(合成例1)と同様に作製した。得られた酸化グラファイト粉末の酸素原子の炭素原子に対する元素組成比を測定例1により測定したところ、0.41であった。
(実施例1)
正極活物質原料として、水酸化リチウム(LiOH)、硫酸第一マンガン(MnSO4)、リン酸(H3PO4)をモル比1:1:1、溶液濃度0.1mol/Kgとなる水溶液を作製した。この水溶液を、噴霧乾燥し、正極活物質であるリン酸マンガンリチウム(LiMnPO4)の活物質前駆体ゲルを作製した。
〔工程1〕
このリン酸マンガンリチウム前駆体ゲル1gと、合成例1により作製した酸化グラファイト(GO)粉末0.05gと、水0.1gとジルコニアボール(直径1cm)7個をジルコニア容器(12ml)内に入れて、遊星型ボールミル(フリッチュ社製、型式P−5)で300rpm、6時間混合し、リン酸マンガンリチウム前駆体−酸化グラファイト複合造粒体を得た。当該前駆体複合造粒体を、イオンミリング装置により断面を出して透過型電子顕微鏡により観察したところ、活物質前駆体の平均一次粒子径は36nmであった。また、酸化グラファイト前駆体複合造粒体中の炭素の質量割合を測定例2に従って分析したところ、0.033であった。測定例3に従ってリン酸マンガンリチウム前駆体-酸化グラファイト複合造粒体を測定したところ、リン酸マンガンリチウムに基づくエックス線回折ピークの最大強度が、リン酸マンガンリチウム以外に基づくエックス線回折ピークの最大強度に対して5%であった。
〔化学還元工程〕
該酸化グラファイト-リン酸マンガンリチウム前駆体複合造粒体1gを、100gの水中に分散し、亜ジチオン酸1gを加えて、40℃、1時間反応させ酸化グラファイトを還元した。還元後の粒子はろ過、洗浄した。
〔工程2〕
窒素雰囲気下で600℃、12時間加熱し、リン酸マンガンリチウム−グラフェン複合体を得た。測定例3に従ってリン酸マンガンリチウム-グラフェン複合体粒子を測定したところ、リン酸マンガンリチウムに基づくエックス線回折ピークは検出されたが、リン酸マンガンリチウム以外に基づくエックス線回折ピークは検出されなかった。測定例4に従い、放電容量を測定したところ、レート0.1Cで152mAh/g、レート3Cで、141mAh/gであった。製造条件および実験結果を表1、表2に示す。
(実施例2)~(実施例7)
使用する正極活物質原料、酸化グラファイト(カーボン)、混合量・混合比、化学還元工程の実施/不実施を表1、表2に記載のように変えた以外は実施例1と同様にして正極活物質複合体を製造し、各実験を行った。製造条件および実験結果を表1、表2に示す。
(実施例8)
正極活物質原料として、酢酸リチウム(CH3COOLi)、酢酸マンガン((CH3COO)2Mn)、テトラエトキシシラン(Si(OC2H5)4)をモル比2:1:1でエタノール中に溶解し、アルゴン雰囲気化で80℃で還流しLi2MnSiO4の前駆体を得た。
〔工程1〕
Li2MnSiO4前駆体1gと、合成例1により作製した酸化グラファイト(GO)粉末0.05gと、水0.1gとジルコニアボール(直径1cm)7個をジルコニア容器(12ml)内に入れて、遊星型ボールミル(フリッチュ社製、型式P−5)で300rpm、6時間混合し、Li2MnSiO4前駆体−酸化グラファイト複合造粒体を得た。当該前駆体複合造粒体を、イオンミリング装置により断面を出して透過型電子顕微鏡により観察したところ、活物質前駆体の平均一次粒子径は45nmであった。また、酸化グラファイト前駆体複合造粒体中の炭素の質量割合を測定例2に従って分析したところ、0.035であった。測定例3に従ってリLi2MnSiO4前駆体-酸化グラファイト複合造粒体を測定したところ、Li2MnSiO4に基づくピークは検出されなかった。
〔化学還元工程〕
該酸化グラファイト前駆体複合造粒体1gを、100gの水中に分散し、亜ジチオン酸1gを加えて、40℃、1時間反応させ酸化グラファイトを還元した。還元後の粒子はろ過、洗浄した。
〔工程2〕
窒素雰囲気下で600℃、12時間加熱し、Li2MnSiO4−グラフェン複合体を得た。測定例3に従ってLi2MnSiO4-グラフェン複合体粒子を測定したところ、Li2MnSiO4に基づくエックス線回折ピークは検出されたが、Li2MnSiO4以外に基づくエックス線回折ピークは検出されなかった。測定例4に従い、放電容量を測定したところ、レート0.1Cで180mAh/g、レート0.3Cで、132mAh/gであった。製造条件および実験結果を表1、表2に示す
(比較例1)
実施例1と同様にリン酸マンガンリチウム前駆体を作製し、酸化グラファイト粉末の代わりにグラフェン(XGScience社、XGNP-M-5)を用いて複合化し、リン酸マンガンリチウム前駆体−グラフェン複合造粒体を得た。測定例3に従ってリン酸マンガンリチウム前駆体-酸化グラファイト複合造粒体を測定したところ、リン酸マンガンリチウムに基づくエックス線回折ピークの内最大強度が、リン酸マンガンリチウム以外に基づくエックス線回折ピークの最大強度に対して5%であった。
前駆体-グラフェン複合造粒体を窒素雰囲気下で600℃、12時間加熱し、リン酸マンガンリチウム−グラフェン複合体を得た。製造条件および実験結果を表1、表2に示す。測定例3に従ってリン酸マンガンリチウム-グラフェン複合体粒子を測定したところ、リン酸マンガンリチウムに基づくエックス線回折ピークは検出されたが、リン酸マンガンリチウム以外に基づくエックス線回折ピークは検出されなかった。
(比較例2)
リチウム塩として水酸化リチウム、鉄塩としてFeCl2、リン酸塩としてリン酸を、モル比1:1:1、溶液濃度100mmとなる水溶液を作製した。この水溶液2kg中にショ糖を5.7g溶解した後、噴霧乾燥し、前駆体複合造粒体を得た。測定例3に従ってリン酸鉄リチウム前駆体-酸化グラファイト複合造粒体を測定したところ、リン酸鉄リチウムに基づくエックス線回折ピークの内最大強度が、リン酸鉄リチウム以外に基づくエックス線回折ピークの最大強度に対して16%であった。
窒素雰囲気下で700℃、24時間加熱し、リン酸鉄リチウム−グラフェン複合体を得た。製造条件および実験結果を表1、表2に示す。測定例3に従ってリン酸鉄リチウム-グラフェン複合体粒子を測定したところ、リン酸マンガンリチウムに基づくエックス線回折ピークは検出されたが、リン酸マンガンリチウム以外に基づくエックス線回折ピークは検出されなかった。
(比較例3)
リチウム塩として水酸化リチウム、鉄塩としてFeCl2、リン酸塩としてリン酸二水素アンモニウムを、モル比1:1:1、溶液濃度6mmとなる水溶液を作製した。この水溶液200mlと酸化グラファイトを730mg溶解した300mlの水溶液を混合した。混合溶液をスターラーで300rpmで攪拌しながら60℃でゲル状態になるまで乾燥し、その後120℃で12時間真空乾燥して前駆体複合造粒体を得た。測定例3に従ってリン酸鉄リチウム前駆体-酸化グラファイト複合造粒体を測定したところ、リン酸鉄リチウムに基づくエックス線回折ピークの内最大強度が、リン酸鉄リチウム以外に基づくエックス線回折ピークの最大強度に対して13%であった。
窒素雰囲気下で600℃、24時間加熱し、リン酸鉄リチウム−グラフェン複合体を得た。製造条件および実験結果を表1、表2に示す。測定例3に従ってリン酸鉄リチウム-グラフェン複合体粒子を測定したところ、リン酸鉄リチウムに基づくエックス線回折ピークは検出されたが、リン酸鉄リチウム以外に基づくエックス線回折ピークは検出されなかった。
(比較例4)
リチウム塩として炭酸リチウム、鉄塩としてFeC2O4、リン酸塩としてリン酸二水素アンモニウムを、アセトン中でボールミル混合した。得られた混合物をペレット上に圧縮成型し450℃で24時間焼成し、前駆体を得た。
〔工程1〕
リン酸鉄リチウム前駆体1gを乳鉢にて粉砕後、合成例1により作製した酸化グラファイト(GO)粉末0.05gとアセトンを1g加え、ジルコニアボール(直径1cm)7個をジルコニア容器(12ml)内に入れて、遊星型ボールミル(フリッチュ社製、型式P−5)で300rpm、6時間混合し、リン酸鉄リチウム前駆体−酸化グラファイト複合造粒体を得た。当該前駆体複合造粒体を、イオンミリング装置により断面を出して透過型電子顕微鏡により観察したところ、活物質前駆体の平均一次粒子径は80nmであった。また、酸化グラファイト前駆体複合造粒体中の炭素の質量割合を測定例2に従って分析したところ、0.036であった。測定例3に従ってリン酸鉄リチウム前駆体-酸化グラファイト複合造粒体を測定したところ、リン酸鉄リチウムに基づくエックス線回折ピークの内最大強度が、リン酸鉄リチウム以外に基づくエックス線回折ピークの最大強度に対して220%であった。
〔工程2〕
窒素雰囲気下で650℃、24時間加熱し、リン酸鉄リチウム−グラフェン複合体を得た。測定例3に従ってリン酸鉄リチウム-グラフェン複合体粒子を測定したところ、リン酸鉄リチウムに基づくエックス線回折ピークは検出されたが、リン酸鉄リチウム以外に基づくエックス線回折ピークは検出されなかった。測定例4に従い、放電容量を測定したところ、レート0.1Cで103mAh/g、レート0.3Cで、32mAh/gであった。製造条件および実験結果を表1、表2に示す
Figure 2014188996
Figure 2014188996

Claims (11)

  1. 工程1:ポリアニオン系正極活物質前駆体と酸化グラファイトとを混合し、酸化グラファイト中にポリアニオン系正極活物質前駆体粒子を含む前駆体複合造粒体を形成する工程;
    工程2:工程1で得た前駆体複合造粒体を、不活性雰囲気又は還元雰囲気下において、500℃以上で加熱する工程;
    を有する、ポリアニオン系正極活物質複合体粒子の製造方法であって、
    該前駆体複合造粒体のエックス線回折強度において、正極活物質に基づくエックス線回折ピークの最大強度が、正極活物質以外に基づくエックス線回折ピークの最大強度に対して50%未満であり、
    該ポリアニオン系正極活物質複合体粒子のエックス線回折強度において、正極活物質に基づくエックス線回折ピークの最大強度が、正極活物質以外に基づくエックス線回折ピークの最大強度に対して50%以上である、
    ポリアニオン系正極活物質複合体粒子の製造方法。
  2. 前記工程1における、ポリアニオン系正極活物質前駆体が、オリビン系正極活物質前駆体である請求項1に記載のポリアニオン系正極活物質複合体粒子の製造方法。
  3. 前記工程1における混合を、固相で行うことを特徴とする、請求項1または2に記載のポリアニオン系正極活物質複合体粒子の製造方法。
  4. 前記工程1における、複合造粒体中に含まれたポリアニオン系正極活物質前駆体の一次粒子径が5nm以上100nm以下である、請求項1〜3のいずれかに記載のポリアニオン系正極活物質複合体粒子の製造方法。
  5. 前記工程2の前に、工程1で得た複合造粒体を化学還元する工程をさらに有する、請求項1〜4のいずれかに記載のポリアニオン系正極活物質複合体粒子の製造方法。
  6. 酸化グラファイトと、5nm以上100nm以下の一次粒子径のポリアニオン系正極活物質前駆体粒子を含む、ポリアニオン系正極活物質前駆体−酸化グラファイト複合造粒体。
  7. ポリアニオン系正極活物質前駆体が、オリビン系正極活物質前駆体である、請求項6に記載のポリアニオン系正極活物質前駆体−酸化グラファイト複合造粒体。
  8. 炭素の質量割合が1質量%以上10質量%以下である請求項6または7に記載のポリアニオン系正極活物質前駆体−酸化グラファイト複合造粒体。
  9. 粒子径が0.5μm以上、10μm以下である請求項6〜8のいずれかに記載のポリアニオン系正極活物質前駆体−酸化グラファイト複合造粒体。
  10. 前記ポリアニオン系正極活物質前駆体が、マンガン塩、鉄塩およびバナジウム塩からなる群より選択される1または2以上の金属塩と、リチウム塩と、リン酸塩とを含有するものである請求項6〜9のいずれかに記載のポリアニオン系正極活物質前駆体−酸化グラファイト複合造粒体
  11. 前記リチウム塩が、水酸化リチウムまたは炭酸リチウムである請求項10に記載のポリアニオン系正極活物質前駆体−酸化グラファイト複合造粒体。
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