JPWO2014184975A1 - 有機el素子 - Google Patents

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博樹 丹
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Abstract

有機EL素子(10)は、第1電極(110)、有機層(120)、及び第2電極(130)を備えている。有機層(120)は、第1電極(110)と第2電極(130)の間に位置している。そして、第2電極(130)は、有機層(120)との界面近傍にGaを含んでいる。第2電極(130)は、例えばGa含有層(132)及び導電層(134)を含んでいる。Ga含有層(132)において、最も含有率の高い元素はGaである。Ga含有層(132)は、例えば薄いGa層である。

Description

本発明は、有機EL素子に関する。
照明装置やディスプレイの光源の一つに、有機EL(Organic Electroluminescence)素子がある。有機EL素子は、たとえば陽極(正孔注入電極)と陰極(電子注入電極)の間に、有機層を設けたものである。有機EL素子に関する技術としては、たとえば特許文献1および特許文献2に記載のものが挙げられる。
特許文献1には、陰極としてGaを用いることが記載されている。また、特許文献2には、陰極に、Ga系金属と、アルカリ金属又はアルカリ土類金属とを含ませることが記載されている。
特開2006−48946号公報 特開2006−144112号公報
有機EL素子などの有機EL素子は、有機層を有しているため、封止構造が必要となる。しかし、封止構造はコストを要する。そこで、本発明者は、ガリウム(Ga)のように電子注入能力があり、化学的に安定している液体状金属を利用し、封止構造を簡略化するために、有機EL素子の構造を工夫することを検討した。
本発明が解決しようとする課題としては、有機EL素子において、封止構造を簡略化することが一例として挙げられる。
請求項1に記載の発明は、基板、第1電極、第2電極、及び前記第1電極と前記第2電極の間に位置する有機層を備え、
前記第2電極、前記有機層、及び前記第1電極は、前記基板の一面側に、この順に積層され、
前記第2電極と前記有機層との間にGa含有領域を含む有機EL素子である。
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
実施形態に係る有機EL素子の構成を示す図である。 有機層の構成の一例を示す図である。 有機層及び第2電極の界面における炭素、Ga、及び導電層を構成する導電材料の深さ方向の濃度分布を示す図である。 実施例1に係る有機EL素子の構成を示す図である。 実施例2に係る有機EL素子の構成を示す図である。 実施例3に係る有機EL素子の構成を示す図である。 実施例4に係る有機EL素子の構成を示す図である。 実施例5に係る有機EL素子の構成を示す図である。 実施例6に係る有機EL素子の構成を示す図である。 比較例に係る有機EL素子の構成を示す図である。 実施例6に係る試料と比較例の発光面積の変化を示す図である。 実施例7に係る有機EL素子の構成を示す図である。 実施例7に係る試料と比較例の発光面積の変化を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
図1は、実施形態に係る有機EL素子10の構成を示す図である。本実施形態に係る有機EL素子10は、第1電極110、有機層120、及び第2電極130を備えている。有機層120は、第1電極110と第2電極130の間に位置している。そして、第2電極130は、有機層120との界面にGaを含んでいる。本図に示す例では、第2電極130は、Ga含有層132(Ga含有領域)及び導電層134を含んでいる。Ga含有層132において、最も含有率の高い元素はGaである。Ga含有層132は、例えば0.5〜50nmほどの薄いGa層である。ただし、Ga含有層132と有機層120の境界は明確に存在していない場合もある。同様に、Ga含有層132と導電層134の境界は明確に存在していない場合もある。また、Ga含有層132の厚さは、Ga原子が数個積層された構成であってもよい。そして、Ga含有層132中のGa濃度が、有機層120側から濃度が増加し、有機層120と第2電極130の間でピークとなり、その後第2電極130側に向かって減少していくようにする。有機EL素子10は、例えば有機EL素子であるが、他の有機EL素子であってもよい。また、有機EL素子10が有機EL素子である場合、有機EL素子10は、照明装置の光源、又はディスプレイ装置として用いることができる。
第1電極110は陽極として機能し、第2電極130のうち少なくとも導電層134は陰極として機能する。第1電極110及び導電層134の一方は、光透過性を有する透明電極である。透明電極の材料は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)等の無機材料、またはポリチオフェン誘導体などの導電性高分子を含んでいる。
また、第1電極110及び導電層134の他方は、Au、Ag、Pt、Sn、Zn、及びInからなる第1群の中から選択される金属、又はこの第1群から選択される金属の合金からなる金属層を含んでいる。
有機層120は、発光層を有している。そして、第1電極110及び第2電極130の間に電源20から電圧が印加されることにより、有機層120は発光する。この発光は、第1電極110及び導電層134のうち透明電極となっている電極から外部に出射する。
第1電極110、Ga含有層132、及び導電層134は、例えば蒸着法を用いて形成される。有機層120は、蒸着法又は塗布法を用いて形成される。塗布法としては、例えば、スプレー塗布、ディスペンサー塗布、インクジェット、又は印刷を用いることができる。なお、有機層120が複数の層で形成されている場合、これらの各層は、互いに同一の方法で形成されていても良いし、少なくとも一つの層は他とは別の方法で形成されていても良い。塗布法で形成される場合、有機層120を形成するための塗布材料としては、ポリアルキルチオフェン誘導体、ポリアニリン誘導体、トリフェニルアミン、無機化合物のゾルゲル膜、ルイス酸を含む有機化合物膜、導電性高分子を用いることができる。ただし、有機層120を構成する材料は、これらに限定されない。
なお、第1電極110、有機層120、及び第2電極130は、基板を用いて形成される。基板は、例えばガラスなどの無機材料によって形成されていてもよいし、樹脂などの有機材料によって形成されていてもよい。基板は、可撓性を有していてもよい。この場合、基板の厚さは、例えば10μm以上1000μm以下である。この場合においても、基板は無機材料及び有機材料のいずれで形成されていてもよい。また、厚さ方向において、第1電極110が第2電極130よりも基板の近くに位置してもよいし、第2電極130が第1電極110よりも基板の近くに位置していてもよい。後者の場合、樹脂材料を利用した基板を用いても、基板を透過してきた水分によって有機層120が劣化することを抑制できる。
図2は、有機層120の構成の一例を示す図である。本図に示す例において、有機層120は、第1電極110に近い側から順に、正孔注入層121、正孔輸送層122、及び発光層123を有している。そして発光層123にはGa含有層132が接している。すなわち本実施形態では、Ga含有層132が電子注入層(及び電子輸送層)として機能している。正孔注入層121及び正孔輸送層122は、一つの有機層で構成されていても良い。なお、正孔注入層121を構成する有機材料、正孔輸送層122を構成する有機材料、及び発光層123を構成する有機材料は、特に制限はなく、一般的な材料を用いることができる。正孔注入層121は、酸化モリブデン(MoO)を含んでいてもよい。なお、有機層120は、Ga含有層132とは別に電子注入層及び電子輸送層の少なくとも一方を有していてもよい。
図3(a)は、有機層120及び第2電極130の界面における炭素、Ga、及び導電層134を構成する導電材料の深さ方向の濃度分布を示す図である。本図に示す例では、基板側から順に、第1電極110、有機層120、Ga含有層132、及び導電層134が積層されている。図3(b)は、基板側から順に、導電層134、Ga含有層132、有機層120、及び第1電極110が積層された場合の濃度分布を示す図である。この場合、図3(b)に示すように図3(a)とは左右逆になる。
これらの図に示すように、有機層120とGa含有層132の界面では、Ga含有層132に近づく(又は入り込む)につれて炭素の濃度が急激に低下し、その代わりにGaの濃度が急激に上昇する。そして、Ga含有層132においては、Gaが最も多くなる。そして、Ga含有層132と導電層134の界面では、導電層134に近づくにつれてGaの濃度が急激に低下し、その代わりに導電層134を構成する導電材料の濃度が急激に上昇する。なおこのような分析は、例えばTOF−SIMS(Time-of-flight secondary ion mass spectrometer)を用いて行うことができる。
本実施形態によれば、有機層120と第2電極130の界面には、Gaが含まれている。このため、このGaを含有する層(Ga含有層132)を、電子注入層として用いることができる。従って、一般的に良く使われるアルカリ金属化合物などからなる電子注入層を用いる場合と比較して、例えば第2電極130と有機層120の界面に水分や酸素などの劣化因子が浸入してきても、これら劣化因子によって有機層120の発光特性が劣化することを低減できる。従って、有機EL素子10の封止構造を簡略化することができる。なお、Ga含有層132と発光層123の間に電子輸送層が設けられていた場合においても、有機層120の発光特性の劣化を低減できる。また、Gaは常温では液体であり、流動性が高い。このため、Ga含有層132を設けることにより、第2電極130と有機層120の密着性を向上させることもできる。
(実施例1)
図4は、実施例1に係る有機EL素子10の構成を示す図である。本実施例に係る有機EL素子10は、基板100上に、第1電極110、有機層120、及び第2電極130をこの順に積層した構成を有している。そして本実施例において、有機層120からの光は、基板100側から取り出される。
基板100は、たとえば透明基板である。本実施例において、基板100は、ガラス基板とすることができる。これにより、耐熱性等に優れた有機EL素子10を安価に製造することが可能となる。
基板100は、樹脂材料により構成されるフィルム状の基板であってもよい。この場合、特にフレキシブル性の高いディスプレイを実現することが可能となる。フィルム状の基板を構成する樹脂材料は、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート又はポリカーボネートである。
そして、第1電極110は透明電極となっている。そして導電層134は、Au、Ag、Pt、Sn、Zn、及びInからなる第1群の中から選択される金属、又はこの第1群から選択される金属の合金からなる金属層を含んでいる。
次に、本実施例に係る有機EL素子10の製造方法を説明する。まず、基板100上に第1電極110を、例えば蒸着法を用いて形成する。次いで、有機層120を、蒸着法又は塗布法を用いて形成する。次いで、Ga含有層132を、例えば蒸着法を用いて形成し、その後、導電層134を、例えば蒸着法を用いて形成する。
本実施例によっても、Ga含有層132を電子注入層として用いることができる。従って、一般的に良く使われるアルカリ金属化合物などからなる電子注入層を用いる場合と比較して、有機層120に水分や酸素が浸入してきても、これら水分や酸素によって有機層120の発光特性が劣化することを抑制できる。従って、有機EL素子10の封止構造を簡略化することができる。電子機器に、有機EL素子10を一つの発光部として利用する場合、発光部の発光面積の減少(シュリンク)を抑制することができる。
なお、本実施例において、第1電極110を構成する材料と導電層134を構成する材料が逆になっても良い。この場合、有機層120からの発光は、第2電極130側から出射するように設計しても良い。
(実施例2)
図5は、実施例2に係る有機EL素子10の構成を示す図である。本実施例に係る有機EL素子10は、基板100上に、第2電極130、有機層120、及び第1電極110をこの順に積層した構成を有している。そして本実施例においても、有機層120からの光は、基板100側から取り出される。
基板100の構成は、実施例1と同様である。そして、導電層134は透明電極となっている。そして第1電極110は、Au、Ag、Pt、Sn、Zn、及びInからなる第1群の中から選択される金属、又はこの第1群から選択される金属の合金からなる金属層を含んでいる。
次に、本実施例に係る有機EL素子10の製造方法を説明する。まず、基板100上に導電層134を、例えば蒸着法を用いて形成する。次いで、Ga含有層132を、例えば蒸着法を用いて形成する。次いで、有機層120を、蒸着法又は塗布法を用いて形成する。その後、第1電極110を、例えば蒸着法を用いて形成する。
本実施例によっても、実施例1と同様に、有機材料からなる電子注入層を用いる場合と比較して、有機層120に水分や酸素が浸入してきても、これら水分や酸素によって有機層120の発光特性が劣化することを抑制できる。従って、有機EL素子10の封止構造を簡略化することができる。
なお、本実施例において、第1電極110を構成する材料と導電層134を構成する材料が逆になっても良い。この場合、有機層120からの発光は、第2電極130側から出射するように設計しても良い。
(実施例3)
図6は、実施例3に係る有機EL素子10の構成を示す図である。本実施例に係る有機EL素子10は、基板100の一面に、第1電極110、有機層120、及び第2電極130の積層体を形成し、さらにこの一面を封止部材200で封止したものである。封止部材200は、例えばガラスによって形成されている。ただし、封止部材200の内側には、乾燥剤は入っていない。第1電極110、有機層120、及び第2電極130の積層順は、実施例1と同様であっても良いし、実施例2と同様であっても良い。
本実施例によれば、封止部材200の内側には、乾燥剤は入っていない。従って、有機EL素子10の封止構造を簡略化することができる。また、実施例1と同様に、有機層120に水分や酸素が浸入してきても、これら水分や酸素によって有機層120の発光特性が劣化することを抑制できる。
また、基板100と封止基板200とを接着する接着剤も封止性能の劣る安価なものを選択することもでき、製品設計範囲を広げる効果もある。有機EL素子10を表示部として利用するフレキシブルな電子機器、などでも採用できるなど、発光面積の減少を抑制、設計自由度の向上などの効果を有する。
(実施例4)
図7は、実施例4に係る有機EL素子10の構成を示す図である。本実施例に係る有機EL素子10は、基板100の一面に、第1電極110、有機層120、及び第2電極130の積層体を形成し、さらにこの一面を封止樹脂210で封止したものである。封止樹脂210は、例えばエポキシ樹脂である。
本実施例によれば、有機EL素子10を封止樹脂210で封止している。従って、封止部材200を用いる場合と比較して、さらに有機EL素子10の封止構造が簡単になる。また、フレキシブルな材料を基板100に用いた場合など、高い封止技術を要求される構成においても本実施例における例は有効である。
(実施例5)
図8は、実施例5に係る有機EL素子10の構成を示す図である。本実施例に係る有機EL素子10は、基板100の一面に、第1電極110、有機層120、及び第2電極130の積層体を形成し、さらにこの一面を保護膜220で封止したものである。
保護膜220は、酸化物から構成された膜、例えば酸化アルミニウムで構成された膜を少なくとも有している。保護膜220の膜厚は、例えば10nm以上30nm以下である。保護膜220は単層構造であっても良いし、複数の金属酸化膜を積層させた構造であっても良い。保護膜220は、例えばALD(Atomic Layer Deposition)法を用いて形成される。
本実施例によれば、有機EL素子10を保護膜220で封止している。従って、封止部材200を用いる場合と比較して、さらに有機EL素子10の封止構造が簡単になる。なお、封止部材200の上に、さらに、図7に示した封止樹脂210を設けてもよい。このようにすると、有機EL素子10の封止能力はさらに高くなる。
(実施例6)
図9に示す構造を有する有機EL素子10を作製した(試料1)。基板100としては、ガラス基板を用いた。そして、基板100の上に、第2電極130、有機層120、及び第1電極110を、この順に形成した。第2電極130の導電層134は、厚さが155nmのITO(Indium Tin Oxide)で形成されている。また、導電層134の上には、Ga含有層132を形成した。Ga含有層132としては厚さが1nmのGa層を使用した。Ga含有層132は、電子注入層を兼ねている。また、有機層120には、発光層123及び正孔注入層121をこの順に積層した多層構造を用いた。発光層123としては厚さが50nmのAlq(aluminato-tris-8-hydroxyquinolate)を使用し、正孔注入層121としては厚さが25nmの酸化モリブデン(MoO)を使用した。そして、第1電極110として、厚さが120nmのAlを使用した。
また、第1電極110の構造を除いて試料1と同じ構造の有機EL素子10を作製した。試料2において、第1電極110として、厚さが80nmのAuを使用した。
また、図10に示す構造を有する有機EL素子10を作製した(比較例)。比較例に係る有機EL素子10は、基板100の上に、第1電極110、有機層120、及び導電層134をこの順に積層した構造を有している。第1電極110としては、厚さが155nmのITOを使用し、導電層134としては、厚さが120nmのAlを使用した。また、有機層120として、正孔輸送層122及び発光層123をこの順に積層した。正孔輸送層122としては厚さが50nmのNPB(N,N-di(naphthalene-1-yl)-N,N-diphenyl-benzidene)を使用し、発光層123としては厚さが50nmのAlq(aluminato-tris-8-hydroxyquinolate)を使用した。
そして、試料1,2及び比較例のそれぞれを、封止しない状態で駆動し、発光時間によって発光状態がどのように変化するかを調べた。
図11は、試料1,2及び比較例のそれぞれの発光面積と、発光時間の関係を示す写真である。
比較例は、発光時間が720時間を越えてから非発光領域が発生した。そしてこの非発光領域は、発光時間が長くなるにつれて増大し、発光時間が1632時間に達したときには発光領域はほぼ無くなった。これは、有機層120が水分や酸素によって劣化したため、と推定される。
これに対して試料1,2は、封止されていないにもかかわらず、発光時間が1000時間を越えた後でも発光面積に変化は無かった。ただし、試料1,2の双方において、発光領域の中に、輝度が高い線状の領域(高輝度領域)が発生した。また、発光時間が長くなると、この高輝度領域の面積が拡大し、また、同一電圧を印加しているにもかかわらず電流が減少した。これは、電子側及び正孔側の少なくとも一方において水分が浸透した結果、キャリアの再結合が抑制されたか、又はキャリアが閉じ込められたため、と推定された。
(実施例7)
図12に示す構造の有機EL素子10を作製した。この有機EL素子10は、有機層120の正孔注入層121と発光層123の間に正孔輸送層122を設けた点を除いて、試料1と同じ構造を有している。正孔輸送層122としては、厚さが50nmのNPBを使用した。なお、第1電極110としては、厚さが60nmのAl層を使用した。そして、第2電極130から第1電極110まで連続して成膜したものを試料3として、第2電極130から有機層120まで連続して成膜した後、大気に1時間暴露した後に第1電極110を成膜したものを試料4とした。なお、試料3,4のいずれも封止構造を有していない。
また、第1電極110として厚さが80nmのAu層を使用した点を除いて、試料3と同様の構造を有する有機EL素子10を作製した(試料5)。さらに、第1電極110として厚さが80nmのAu層を使用した点を除いて、試料4と同様の構造を有する有機EL素子10を作製した(試料6)。
図13は、試料3〜6のそれぞれの発光面積と、発光時間の関係を示す写真である。試料3〜6のいずれにおいても発光時間が1000時間を超えても発光面積の減少はほとんど見られなかった。また、試料4,6は、試料3,5と比較して、実施例6で説明した高輝度領域の発生が抑制された。このことから、有機層120を形成後、第1電極110を形成する前に大気暴露を行うと、高輝度領域の発生が抑制されることが分かる。
以上、図面を参照して実施形態及び実施例について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
なお、上記した実施形態及び実施例によれば、以下の発明が開示されている。
(付記1)
第1電極と、
第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極の間に位置する有機層と、
を備え、
前記第2電極は、前記有機層に接しており、かつ、前記有機層との界面にGaを含む有機EL素子。
(付記2)
第1電極と、
第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極の間に位置する有機層と、
前記有機層と前記第2電極の間に位置するGa含有層と、
を備え、
前記Ga含有層において、最も含有率の高い元素はGaである有機EL素子。
(付記3)
付記1又は2に記載の有機EL素子において、
前記第1電極は陽極であり、前記第2電極は陰極である有機EL素子。
(付記4)
付記3に記載の有機EL素子において、
基板を備え、
前記第1電極、前記有機層、及び前記第2電極は、前記基板の一面側に、この順に積層されている有機EL素子。
(付記5)
付記4に記載の有機EL素子において、
前記有機層は発光層を有しており、
前記第1電極は透光性を有しており、
前記第2電極は、Au、Ag、Pt、Sn、Zn、及びInからなる第1群の中から選択される金属、又は前記第1群から選択される金属の合金からなる金属層を含む有機EL素子。
(付記6)
付記3に記載の有機EL素子において、
基板を備え、
前記第2電極、前記有機層、及び前記第1電極は、前記基板の一面側に、この順に積層されている有機EL素子。
(付記7)
付記6に記載の有機EL素子において、
前記有機層は発光層を有しており、
前記第2電極は透光性を有しており、
前記第1電極は、Au、Ag、Pt、Sn、Zn、及びInからなる第1群の中から選択される金属、又は前記第1群から選択される金属の合金からなる金属層を含む有機EL素子。
(付記8)
付記7に記載の有機EL素子において、
前記第1電極と前記有機層の間に、正孔注入層を有する有機EL素子。
(付記9)
付記8に記載の有機EL素子において、
前記正孔注入層は、酸化モリブデンを含む有機EL素子。
この出願は、2013年5月17日に出願された日本出願特願2013−105629号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
なお、本実施例において、第1電極110を構成する材料と導電層134を構成する材料が逆になっても良い。この場合、有機層120からの発光は、第1電極110側から出射するように設計しても良い。

Claims (4)

  1. 基板、第1電極、第2電極、及び前記第1電極と前記第2電極の間に位置する有機層を備え、
    前記第2電極、前記有機層、及び前記第1電極は、前記基板の一面側に、この順に積層され、
    前記第2電極と前記有機層との間にGa含有領域を含む有機EL素子。
  2. 前記Ga含有領域で含有率の最も高い元素はGaである請求項1に記載の有機EL素子。
  3. 前記Ga含有領域において、Ga濃度のピークは、前記有機層と前記第2電極の間に存在する請求項2の有機EL素子。
  4. 前記第1電極と前記有機層の間に、モリブデン酸化物を含む有機EL素子。
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