JPWO2014184879A1 - 携帯型情報処理装置、情報処理システム、及び情報処理方法 - Google Patents

携帯型情報処理装置、情報処理システム、及び情報処理方法 Download PDF

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Abstract

複数のセンシング部による消費電力を低減する。携帯型情報処理装置の現在位置を示す場所情報に変換可能な情報を取得し、該情報から変換により得られる場所情報に関して発生するイベントを検出する複数のセンシング部と、複数のセンシング部によって取得済みのイベント間の遷移の順序と遷移の間の経過時間との関係を示すイベント遷移情報を記憶する記憶部と、複数のセンシング部のいずれかによって検出された最新のイベントを現在のイベントとして求め、イベント遷移情報中で現在のイベントに対応するイベントから遷移する遷移先のイベントへの遷移時間と、現在のイベントが検出された時からの経過時間との関係から、イベント遷移情報中の遷移先のイベントを検出したセンシング部の動作状態を制御する制御部と、を備える携帯型情報処理装置である。

Description

本発明は、センシング部を制御する携帯型情報処理装置,情報処理システム,及び情報処理方法に関する。
図1は、場所判定センシング部の一例を示す図である。場所判定センシング部には、大別して、絶対座標を取得するもの,設置機器の検出範囲内にいることを取得するもの,設置機器の設置場所の通過を取得するもの(通過型)がある。
絶対座標を取得するセンシング部には、例えば、GPS受信機がある。GPS受信機は、GPS衛星からの信号を受信し、現在位置する緯度及び緯度を測定し、地図情報と比較して、場所の進入及び退出を検出する。緯度及び経度は絶対座標ともいう。
設置機器の検出範囲内にいることを取得するセンシング部には、例えば、Wi−Fi(Wireless Fidelity)機器,Bluethooth(登録商標)機器,マイクロフォンがある。Wi−Fi機器は、例えば、受信電波からWi−Fiアクセスポイントの識別情報であるSSID(Service Set Identifier)と、電波強度を示すRSSI(Received Signal Strength Indication)情報とから、該SSIDのアクセスポイントの検出範囲への進入又は退出を検出する。Bluetooth機器は、例えば、受信電波から設置されたBluetooth(登録商標)機器のIDを検出することによって、該IDのBluetooth機器の検出範囲の進入又は退出を検出する。マイクロフォンは、例えば、収音した音波信号の中に、可聴範囲外の音波信号からIDを検出することによって、該IDの設置機器の検出範囲の進入又は退出を検出する。
設置機器の設置場所の通過を取得するセンシング部には、例えば、NFC(Near Field Communication)機器,カメラがある。NFC機器には、例えば、NFCリーダ,ICカードがある。例えば、NFC機器としてのICカードを備える携帯端末は、NFCリーダへのタッチを検出することで、該NFCリーダの設置場所の通過を検出する。カメラは、例えば、所定の位置に設置されているQRコード(登録商標)等のマーカを撮像画像から認識することによって、該所定の位置の通過を検出する。
特開2003−264565号公報 特開2010−278564号公報 特開2010−211679号公報 特開2006−303898号公報
しかしながら、複数のセンシング部を常時動作させていると、携帯端末の消費電力が大きくなるという問題があった。
本発明の一態様は、複数のセンシング部による消費電力を低減することが可能な携帯型情報処理装置,情報処理システム,及び情報処理方法を提供することを目的とする。
本発明の態様の一つは、
携帯型情報処理装置の現在位置を示す場所情報に変換可能な情報を取得し、該情報から変換により得られる前記場所情報に関して発生するイベントを検出する複数のセンシング部と、
前記複数のセンシング部によって取得済みのイベント間の遷移の順序と前記遷移の間の経過時間との関係を示すイベント遷移情報を記憶する記憶部と、
前記複数のセンシング部のいずれかによって検出された最新のイベントを現在のイベントとして求め、前記イベント遷移情報中で前記現在のイベントに対応するイベントから遷移する遷移先のイベントへの遷移時間と、前記現在のイベントが検出された時からの経過時間との関係から、前記イベント遷移情報中の前記遷移先のイベントを検出したセンシング部の動作状態を制御する制御部と、
を備える携帯型情報処理装置である。
本発明の他の態様の一つは、上述した携帯型情報処理装置が実行する情報処理方法である。また、本発明の他の態様は、コンピュータを上述した携帯型情報処理装置として機能させる情報処理プログラム、及び当該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を含むことができる。コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体には、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。
開示の携帯型情報処理装置,情報処理システム,及び情報処理方法によれば、複数のセンシング部による消費電力を低減することができる。
場所判定センシング部の一例を示す図である。 第1実施形態に係る携帯型情報処理装置の処理の一例を示す図である。 第1実施形態に係るセンシング制御システムの構成とセンシング制御システムにおける処理の流れの一例とを示す図である。 サーバと携帯端末とのハードウェア構成の一例を示す図である。 第1実施形態に係るサーバ及び携帯端末の機能ブロックの一例を示す図である。 イベント履歴データの仕様の一例を示す図である。 有向グラフデータ格納部に含まれるデータの一例を示す図である。 各携帯端末のイベント発生率格納部に格納されるイベント発生率表である。 携帯端末によるイベント発生によるデータ更新の処理のフローチャートの一例である。 サーバによる有向グラフデータの作成処理のフローチャートの一例である。 サーバによる有向グラフデータの作成処理のフローチャートの一例である。 絶対座標を利用する仮ノードの決定処理の一例を示す図である。 絶対座標を利用する仮ノードの決定処理の一例を示す図である。 携帯端末におけるイベント未検出状態でのセンシング制御処理のフローチャートの一例である。 携帯端末におけるイベント未検出状態でのセンシング制御処理のフローチャートの一例である。 携帯端末におけるイベント検出状態におけるセンシング制御処理のフローチャートの一例である。 ノード探索処理のフローチャートの一例である。 ノード探索処理の結果に従って行われるセンシング制御処理の方法1及び方法2のフローチャートの一例である。 ノード探索処理の結果に従って行われるセンシング制御処理の方法3のフローチャートの一例である。 ノード探索処理の結果に従って行われるセンシング制御処理の方法4について説明するための図である。 ノード探索処理の結果に従って行われるセンシング制御処理の方法4のフローチャートの一例である。 ショッピングセンタにおける位置関係の例を示す図である。 第1実施形態に係るセンシング制御において作成される有向グラフの例を示す図である。
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本発明は実施形態の構成に限定されない。
<第1実施形態>
図2は、第1実施形態に係る携帯型情報処理装置の処理の一例を示す図である。第1実施形態では、携帯型情報処理装置は、複数の種別の異なるセンシング部を備える。例えば、携帯型情報処理装置は、センシング部として、GPS受信モジュール,NFCモジュール,Wi−Fiモジュール,マイクロフォン,カメラ,等を備える。
センシングとは、所定の手段から、例えば、GPS信号,所定の周波数の電波,所定の周波数の音波信号,所定のマーカ等を検知することである。所定の手段には、例えば、GPS衛星,Wi−Fiアクセスポイント,NFCリーダ,識別マーカ等がある。携帯型情報処理装置のセンシング部は、センシングを行うことによって、例えば、絶対座標,Wi−FiアクセスポイントのSSID,NFCリーダのID,識別マーカのID等を取得する。センシング部は、これらのセンシングから得られる情報に紐付けられた場所情報を保持しており、センシングによって、現在位置を示す場所情報を取得する。現在位置を示す場所情報は、例えば、地図上の公園,敷地等の領域,機器の検出範囲,設置場所等である。すなわち、第1実施形態において、センシングとは、現在位置を示す場所情報に変換可能な情報を所定の手段から取得すること、である。
センシング部は、センシングの検知状況に応じて、センシングによって得られる情報に紐付けられた場所情報に関するイベントの発生を検出する。また、場所情報に関するイベントとは、例えば、所定の場所、又は、領域、地理的範囲に対する進入(enter),退出(exit),又は存在(stay)である。第1実施形態では、イベントは、種別,場所,検出元のセンシング部の種別によって区別される。
なお、イベントは各センシング部によって検出されるため、センシング部の種別や仕様によって、検出されるイベントは異なる。例えば、絶対座標を取得するセンシング部及び設置機器の検出範囲内にいることを取得するセンシング部は、所定の場所の進入,退出,存在のイベントの種別を検出する。また、例えば、通過型のセンシング部では、所定の場所の通過、すなわち、所定の場所での存在のイベントを検出する。ただし、これに限られない。
また、イベントの種別の呼称は、進入(enter),退出(exit),又は存在(stay)に限られず、各センシング部によって異なる。例えば、図2に示される例では、通過型のセンシング部であるNFCは、NFC Bの設置場所の存在(stay)のイベントを、タッチイベントと称する。なお、イベントの種別の呼称は各センシング部によって異なるものの、第1実施形態では、イベントは、進入(enter),退出(exit),又は存在(stay)のいずれかの種別に分類されるものとする。
携帯型情報処理装置は、各センシング部によって検出されたイベントの履歴情報から生成されるイベント遷移情報を記憶する記憶部を保持する。イベント遷移情報は、各センシング部によって取得済みのイベント間の遷移の順序と、イベント間の遷移時間と、の関係を示す情報である。携帯型情報処理装置は、最新のイベントを現在のイベントとし、イベント遷移情報中で現在のイベントに対応するイベントから遷移する遷移先のイベントへの遷移時間と、最新のイベントの検出からの経過時間との関係から、遷移先のイベントを検出したセンシング部の動作状態を制御する。
より具体的には、携帯型情報処理装置は、最新のイベントを起点とするイベントの遷移を求める。第1実施形態では、該イベントの遷移は有向グラフを用いて表される。携帯型情報処理装置は、イベントをノード,イベントの遷移をアーク,イベントの発生間隔をアークの長さとし、最新のイベントを起点として有向グラフを作成する。
例えば、図2に示される例では、履歴データに、場所A enterイベント発生のt1時間後にNFC Bタッチイベント、及び、t2時間後に場所A exitイベントの発生の履歴が含まれる。すなわち、履歴データから、場所A enterイベント発生後のt1時間後にNFC Bタッチイベント、及び、t2時間後に場所A exitイベントの発生が予測される。
したがって、最新イベントが場所A enterイベントである場合には、場所A enterイベント,NFC Bタッチイベント,場所A exitイベントは、それぞれ、起点ノード51,ノード52,ノード53と設定される。さらに、起点ノード51とノード52とは、起点ノード51からノード52に向かうt1の長さのアークで接続される。起点ノード51と現在ノード53とは、起点ノード51からノード53に向かうt2の長さのアークで接続される。
さらに、履歴データからは、NFC Bタッチイベントの後に、場所A exitイベントと領域C enterイベントの発生が予測されるので、上述のように、有向グラフにノード53,54とアーク63,64とが追加される。このようにして、履歴データから有向グラフが作成される。
携帯型情報処理装置は、最新のイベントの発生からの経過時間Tと、各ノードの起点ノードからのアークの長さの合計との関係から、各ノードのイベントを検出するセンシング部の動作状態を決定する。例えば、図2では、t2<t1とすると、起点ノード51からの経過時間Tが、起点ノード51とノード53とを接続するアーク62の長さt2以上になる場合に、携帯型情報処理装置はノード53を選択し、ノード53に対応するセンシング部をオンにする。さらにイベントの発生が検出されずに時間が経過した場合、経過時間Tが起点ノード51とノード52とを接続するアーク61の長さt1(>t2)以上になる場合に、携帯型情報処理装置は、ノード52とノード53とのそれぞれに対応するセンシング部をオンにする。
すなわち、図2に示される例において、携帯型情報処理装置は、0<経過時間T<t2の間は全センシング部をオフにする。また、携帯型情報処理装置は、t2≦経過時間T<t1の間はノード53に対応するセンシング部をオン、それ以外のセンシング部をオフにする。また、携帯型情報処理装置は、t1≦経過時間T<t4の間はノード53とノード52とに対応するセンシング部をオン、それ以外のセンシング部をオフにする。ただし、センシング部の動作状態の制御は、センシング部をオンまたはオフにすることに限られず、例えば、動作インターバルの制御も含まれる。
これによって、携帯型情報処理装置は、次に発生する可能性のあるイベントのセンシング部をオンにし、それ以外のセンシング部をオフにすることによって、並列に起動しているセンシング部の数を少なくし、消費電力を低減する。
なお、携帯型情報処理装置において、有向グラフは図2に示されるような形態で作成されるとは限らない。例えば、情報処理装置は、ノードとアークとをそれぞれ定義し、遷移の順でノードとアークとの識別情報を列挙することで有向グラフとして扱ってもよい。また、以降の説明においては、ノード、アーク、という文言を用いるが、携帯型情報処理装置においては、ノード、アークとして定義されておらずともよい。例えば、イベントは、イベントとして、アークは、遷移元のイベントから遷移先のイベントへの遷移として定義されてもよい。
<システム構成>
図3は、第1実施形態に係るセンシング制御システム100の構成とセンシング制御システム100における処理の流れとの一例を示す図である。センシング制御システム100は、サーバ1と複数の携帯端末2とを含む。ただし、図3では、便宜上、1台の携帯端末2が示される。携帯端末2は、「携帯型情報処理装置」の一例である。
OP1では、各携帯端末2は、サーバ1にイベント履歴データを送信する。OP2では、サーバ1は、各携帯端末2から受信したイベント履歴データから、有向グラフデータを作成又は更新する。有向グラフデータの詳細については後述する。OP3では、サーバ1は、各携帯端末2に有向グラフデータを送信する。
OP1−OP3の処理は、サーバ1及び各携帯端末2のそれぞれのタイミング、例えば、所定の周期で実行される。所定の周期は、例えば、1日に一回等の日単位、1週間に1回等の週単位、1カ月に1回等の月単位であり、システム管理者によって設定される。
OP4では、各携帯端末2は、サーバ1から受信した有向グラフデータを用いて、最新イベントを起点とする有向グラフを作成し、有向グラフに基づいて、センシング部の制御を行う。
図4は、サーバ1と携帯端末2とのハードウェア構成の一例を示す図である。サーバ1は情報処理装置であり、例えば、専用のコンピュータ,パーソナルコンピュータ(PC)のような汎用のコンピュータである。サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)101,RAM(Random Access Memory)102,ROM(Read Only Memory)103,補助記憶装置104,通信インタフェース105を備え、これらは、電気的に接続されている。
通信インタフェース105は、例えば、有線又は無線でLANに接続するインタフェースである。サーバ1は、例えば、LANを経由して外部ネットワークに接続し、携帯端末2からのイベント履歴を受信したり、携帯端末2に有向グラフデータを送信したりする。通信インタース105は、例えば、NIC(Network Interface Card)、無線LAN(Local Area Network)である。
RAM 102及びROM 103は、主記憶装置として用いられ、CPU 101に、補助記憶装置104に格納されているプログラムをロードする記憶領域および作業領域を提供したり、バッファとして用いられたりする。RAM 102及びROM 103は、例えば、半導体メモリである。
補助記憶装置104は、例えば、EPROM(Erasable Programmable ROM)、又はハードディスクドライブ(Hard Disk Drive)等の不揮発性の記憶装置である。また、補助記憶装置104として、サーバ1に対して着脱可能に装着される可搬媒体が用いられてもよい。可搬媒体には、例えば、EEPROM等によるメモリーカード,CD(Compact Disc),DVD(Digital Versatile Disc)及びBD(Blu−ray(登録商標) Disc)等がある。可搬媒体による補助記憶装置104と、可搬型ではない補助記憶装置104とは、組み合わせて用いることも可能である。
補助記憶装置104は、例えば、オペレーティングシステム(OS),有向グラフデータ作成プログラム,その他様々なアプリケーションプログラムを保持する。有向グラフデータ作成プログラムは、各携帯端末2から受信したイベント履歴データから有向グラフデータを作成及び更新するためのプログラムである。有向グラフデータは、有向グラフを作成するためのデータであって、ノードやアークの定義情報である。
CPU 101は、補助記憶装置104に保持されるOS,有向グラフデータ作成プログラム,その他様々なアプリケーションプログラムを,RAM 102及びROM 103にロードして実行することによって、様々な処理を実行する。CPU 101は、1つに限られず、複数備えられてもよい。
サーバ1のハードウェア構成は、図5に示される例に限られず、適宜構成要素の省略や置換、追加が行われてよい。例えば、サーバ1は、キーボードやポインディングデバイス等の入力装置,ディスプレイやプリンタ等の出力装置を備えてもよい。
次に、携帯端末2は、携帯型情報処理装置であり、例えば、スマートフォン,携帯電話端末,タブレット端末,カーナビゲーションシステム,携帯型ゲーム装置等である。第1実施形態では、携帯端末2はスマートフォンと想定する。携帯端末2は、CPU 201,記憶部202,タッチパネル203,ディスプレイ204,無線部205,オーディオ入出力部206,スピーカー207,マイクロフォン208,センシング部209,アンテナ210を備え、これらは電気的に接続されている。
記憶部202は、ROM 202A,RAM 202B,及び補助記憶装置202Cを含む。ROM 202A及びRAM 202Bは、主記憶装置として用いられ、CPU 201に、補助記憶装置202Cに格納されているプログラムをロードする記憶領域および作業領域を提供したり、バッファとして用いられたりする。ROM 202A及びRAM 202Bは、例えば、半導体メモリである。
補助記憶装置202Cは、例えば、EPROM等の不揮発性の記憶装置である。また、補助記憶装置202Cとして、携帯端末2に対して着脱可能に装着される可搬媒体が用いられてもよい。可搬媒体には、例えば、EEPROM等によるメモリーカード等がある。可搬媒体による補助記憶装置202Cと、可搬型ではない補助記憶装置202Cとは、組み合わせて用いることも可能である。
補助記憶装置202Cは、例えば、OS,センシング制御プログラム,その他様々なアプリケーションプログラムを保持する。センシング制御プログラムは、センシング部209を制御するためのプログラムである。センシング制御プログラムは、「情報処理プログラム」の一例である。
CPU 201は、補助記憶装置202Cに保持されるOS,センシング制御プログラム,その他様々なアプリケーションプログラムを,ROM 202A及びRAM 202Bにロードして実行することによって、様々な処理を実行する。CPU 201は、1つに限られず、複数備えられてもよい。
タッチパネル203は、位置入力装置の1つであって、ディスプレイ204の画面に対応する指の接触位置の座標を入力する。タッチパネル204は、抵抗膜方式,表面弾性波方式,赤外線方式,電磁誘導方式,静電容量方式等のいずれの方式のものでも良い。
ディスプレイ204は、例えば、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display,LCD)である。ディスプレイ204は、CPU 201から入力される信号に従って、画面データを表示する。
無線部205は、アンテナ210と接続しており、アンテナ210を通じて受信した無線信号を電気信号に変換してCPU 201に出力したり、CPU 201から入力される電気信号を無線信号に変換してアンテナ210を通じて送信したりする。無線部205は、例えば、第3世代移動通信システム,Wi−Fi,LTE(Long Term Evolution)のうちのいずれか1つ又は複数に対応する電子回路である。
オーディオ入出力部206は、音声出力装置としてのスピーカー207と、音声入力装置としてのマイクロフォン208と、接続する。オーディオ入出力部206は、マイクロフォン208から入力された音声信号を電気信号に変換してCPU 201に出力したり、CPU 201から入力された電気信号を音声信号に変換してスピーカー207に出力したりする。
センシング部209は、センシングを行うセンサモジュールであって、複数備えられる。センシング部209には、GPS受信モジュール,Wi−Fiモジュール,Bluetooth(登録商標)モジュール,NFCモジュール,マイクロフォン,カメラ等が含まれる。第1実施形態では、NFCモジュールは、ICカードを含む。なお、センシング部209としてのWi−Fiモジュールは、無線部205に含まれるWi−Fiモジュールであってもよい。センシング部209としてのマイクロフォンは、マイクロフォン208と同一のものであってもよいし、異なるものであってもよい。
携帯端末2のハードウェア構成は、図4に示される例に限られず、適宜構成要素の省略や置換、追加が行われてよい。例えば、携帯端末2は、図4に示されるハードウェア構成に加えて、バッテリを備える。
図5は、第1実施形態に係るサーバ1及び携帯端末2の機能ブロックの一例を示す図である。サーバ1は、機能ブロックとして、履歴受信部11,データ作成部12,イベント履歴データ格納部13,有向グラフデータ格納部14を含む。
サーバ1のCPU 101は、補助記憶装置104に格納される有向グラフデータ作成プログラムを実行することによって、履歴受信部11及びデータ作成部12の処理を行う。ただし、これらの機能ブロックは、例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等のハードウェアによって実現されてもよい。
履歴受信部11は、各携帯端末2から所定の周期で送信されるイベント履歴データを受信し、イベント履歴データ格納部13に格納する。データ作成部12は、所定の周期で、イベント履歴データ格納部13に新たに格納されたイベント履歴データから有向グラフデータを作成及び更新し、更新した有向グラフデータを各携帯端末2に送信する。有向グラフデータが更新される所定の周期は、例えば、日単位,週単位,月単位で設定される。履歴受信部11は、「サーバ」の「受信部」の一例である。データ作成部12は、「生成部」,「送信部」の一例である。
イベント履歴データ格納部13及び有向グラフデータ格納部14は、補助記憶装置104の記憶領域に、予め作成又は有向グラフデータ作成プログラムの実行を通じて動的に、作成される。イベント履歴データ格納部13及び有向グラフデータ格納部14に格納されるデータの詳細については、後述される。
次に、携帯端末2は、機能ブロックとして、センシング制御部21,履歴送信部22,有向グラフデータ格納部23,イベント履歴データ格納部24,イベント発生率格納部25,センシング部26A−26F,各センシング部26A−26Fに対応する場所データ格納部27A−27F,データ受信部28,サービス実行部29を含む。以降、センシング部26A−26F、場所データ格納部27A−27Fを特に区別しない場合には、それぞれ、センシング部26、場所データ格納部27と表記する。
CPU 201は、記憶部202に格納されるセンシング制御プログラムを実行することによって、センシング制御部21,履歴送信部22,データ受信部28の処理を実行する。ただし、これらの機能ブロックは、例えば、FPGA等のハードウェアによって実現されてもよい。
センシング制御部21は、各センシング部26を制御する。具体的には、センシング制御部21は以下の処理を行う。センシング制御部21は、各センシング部26によって検出されるイベントをイベント履歴データ格納部24に格納する。また、センシング制御部21は、最新のイベントを起点として、有向グラフデータ格納部23に格納される情報から有向グラフを作成し、該有向グラフを用いて各センシング部26を制御する。センシング制御部21の処理の詳細については、後述する。センシング制御部21は、「制御部」の一例である。
履歴送信部22は、所定の周期で、該所定の周期の1周期の間にイベント履歴データ格納部24に新たに追加されたイベント履歴データを読出し、サーバ1に送信する。データ受信部28は、サーバ1から所定の周期で送信される有向グラフデータを受信し、有向グラフデータ格納部23に格納する。イベント履歴データをサーバ1に送信する所定の周期は、例えば、日単位,週単位,月単位で設定される。
センシング部26は、それぞれ、センサモジュールと、該モジュールを制御するプログラムとに相当する。センシング部26をオンまたはオフするとは、例えば、該当するセンサモジュールのプログラムを起動又は停止すること、又は、該当するセンサモジュールの電源をオンまたはオフすることのいずれか又は双方ともを示す。また、場所データ格納部27は、対応するセンシング部26の検知対象となる電波,音波信号を発信する設置機器、又はマーカの場所情報を格納する。より具体的には、以下の通りである。
センシング部26Aは、Wi−Fiモジュールを通じて所定の周期でセンシングを行い、Wi−Fi電波を検知する。スキャンの周期は、例えば、秒単位,分単位で設定される。Wi−Fi場所データ格納部27Aには、Wi−FiアクセスポイントのSSIDと、該SSIDを含む無線信号の検出範囲の場所情報との対応が格納されている。
センシング部26Aは、センシングによって、無線信号に含まれるWi−FiアクセスポイントのSSIDを取得する。センシング部26Aは、例えば、無線信号のパワー強度の所定の閾値未満から該所定の閾値以上への変化を検出する場合に、該Wi−Fiアクセスポイントの検出範囲への進入(enter)イベントを検出する。また、センシング部26Aは、例えば、無線信号のパワー強度が所定時間連続して所定の閾値を超える場合に、該Wi−Fiアクセスポイントの検出範囲内の存在(stay)イベントを検出する。また、センシング部26Aは、例えば、検出する無線信号のパワー強度の所定の閾値以上から所定の閾値未満への変化を検出する場合に、該Wi−Fiアクセスポイントの検出範囲から退出(exit)イベントを検出する。
Wi−Fiアクセスポイントから発信される無線信号には、SSIDが含まれており、センシング部26Aは、SSIDをキーとして該Wi−Fiアクセスポイントの検出範囲の場所情報をWi−Fi場所データ格納部27Aから取得する。
センシング部26Bは、Bluetooth(登録商標)モジュールを通じて所定の周期でセンシングを行い、Bluetooth機器からの電波を検知する。Bluetooth場所データ格納部27Bには、電波を発信するBluetooth機器のIDと、該Bluetooth機器が発信する電波の検出範囲の場所情報との対応が格納されている。スキャンの周期は、例えば、秒単位,分単位で設定される。
センシング部26Bのイベント検出処理については、Bluetooth規定の周波数の電波及び閾値に対して、センシング部26Aと同様に行われる。センシン部26Bは、所定の場所への進入(enter)、存在(stay)、退出(exit)イベントを検出する。
センシング部26Cは、GPS受信モジュールを通じてGPS信号をセンシングし、緯度経度を取得する。GPS場所データ格納部27Cには、緯度経度の絶対座標と場所との対応を含む地図情報が格納されている。センシング部26Cは、所定の周期で、GPS衛星の信号から緯度経度の絶対座標を取得し、GPS場所データ格納部27Cから取得した絶対座標に対応する場所を取得する。絶対座標を取得する周期は、例えば、秒単位,分単位で設定される。
センシング部26Cは、取得する緯度経度を継続して監視し、緯度経度の遷移から所定の場所への進入(enter)、存在(stay)、退出(exit)イベントを検出する。
センシング部26Dは、マイクロフォンを通じて所定の周期でセンシングし、例えば、音楽等の音声信号に重畳される可聴範囲外の所定の周波数の音波信号(超音波)を検出する。センシングの周期は、例えば、秒単位,分単位で設定される。音波場所データ格納部27Dには、可聴範囲外の音波の周波数と、該周波数の音波信号を発信する機器のIDと、該機器が発信する音波信号の検出範囲の場所情報との対応を格納する。センシング部26Dは、検出した音波信号の周波数をキーに、音波場所データ格納部27Dから、該音波信号を発信する機器のIDと該機器の検出範囲の場所情報とを取得する。
センシング部26Dのイベント検出処理については、可聴範囲外の所定の周波数の音波信号と該音波信号のパワー強度の所定の閾値に対して、センシング部26Aと同様に行われる。センシン部26Dは、所定の場所への進入(enter)、存在(stay)、退出(exit)イベントを検出する。
センシング部26Eは、NFCモジュールを通じて所定の周期でセンシングを行い、電波を検知する。なお、第1実施形態では、センシング部26Eは、ICカード及び制御回路を有するモジュールと想定する。センシング部26Eは、例えば、NFCリーダ等に携帯端末2が所定距離内まで近づけられることによって導電し、NFCの電波を検出し、NFCリーダを検出する。センシング部26Eは、検出したNFCリーダと通信を行い、該NFCリーダのIDを取得する。NFC場所データ格納部27Eは、例えば、NFCリーダ等のNFC機器のIDと該NFC機器の設置されている場所情報との対応を格納する。
センシング部26Eは、NFCリーダを検出すると、該NFCリーダへのタッチイベントを検出する。タッチイベントは、例えば、NFCリーダの設置場所での存在(stay)イベントに分類されるイベントである。
センシング部26Fは、ユーザによってカメラを通じて撮像された画像から識別マーカを検出する。識別マーカ場所データ格納部26Fには、識別マーカと該識別マーカの設置の場所情報との対応が格納されている。
センシング部26Fは、撮像画像から識別マーカを検出すると、該識別マーカの設置場所での存在(stay)イベントを検出する。識別マーカの設置の場所情報は、識別マーカ場所データ格納部26Fから取得される。
各センシング部26は、イベントを検出すると、センシング制御部21にイベントデータを通知する。センシング制御部21には、イベントデータとして、例えば、イベント,イベントの発生時刻,イベントを検出したセンシング部26の種別,イベント発生の場所情報が通知される。場所データ格納部27に格納される場所情報は、例えば、場所名,コード化されたIDであってもよい。第1実施形態では、場所情報は、システム内で統一されたIDであるとする。イベントデータは、イベント履歴データとして、センシング制御部21によってイベント履歴データ格納部24に格納される。各センシング部26は、「センシング部」の一例である。
サービス実行部29は、センシング制御部21によるセンシング部26の制御を利用するサービスを提供する。該サービスには、例えば、ショッピングセンタ内で携帯端末2のユーザの現在場所に応じた店舗情報や売り場情報を配信するサービスや、ショッピングセンタのスタッフの各エリアでの作業等を支援するサービスがある。サービス実行部29は、例えば、補助記憶装置202Cに格納されるサービス提供プログラムをCPU 201が実行することによって行われる処理である。
有向グラフデータ格納部23,イベント履歴データ格納部24,イベント発生率格納部25は、それぞれ、補助記憶装置202Cの記憶領域に、予め静的に又はセンシング制御プログラムの実行を通じて動的に、作成される。有向グラフデータ格納部23,イベント履歴データ格納部24に格納されるデータのデータ構造は、それぞれ、サーバ1の有向グラフデータ格納部14,イベント履歴データ格納部13に格納されるデータのデータ構造と同じである。
<データ>
センシング制御システム100において取り扱われる情報は、第1実施形態では、有向グラフデータ,イベント履歴データ,及びイベント発生率である。以下、これらのデータについて説明する。
図6は、イベント履歴データの仕様の一例を示す図である。サーバ1のイベント履歴データ格納部13,携帯端末2のイベント履歴データ格納部24は、それぞれ、図6に示される仕様のイベント履歴データを保持する。ただし、サーバ1のイベント履歴データ格納部13には、センシング制御システム100内の全ての携帯端末2のイベント履歴データが保持されており、携帯端末2のイベント履歴データ格納部24には、携帯端末2自身のイベント履歴データが保持されている。
イベント履歴データには、イベントの発生時刻,検出元のセンシング部,場所ID,イベント種別が含まれる。これらのデータはいずれも各センシング部26によって作成されたデータである。
なお、図6に示されるイベント履歴データの仕様は、一例であって、イベント履歴データに含まれる情報は、適宜、追加,置換,省略されてもよい。例えば、各携帯端末2がイベント履歴データをサーバ1に送る際に、携帯端末2自身のIDを含めて送信することによって、サーバ1のイベント履歴データには、イベント履歴データの作成元の携帯端末2のIDが含まれてもよい。
図7は、有向グラフデータ格納部に含まれるデータの一例を示す図である。サーバ1の有向グラフデータ格納部14と携帯端末2の有向グラフデータ格納部23とは、同じデータを格納する。有向グラフデータ格納部14、23には、ノード表,第1アーク表,第2アーク表が格納される。
ノード表は、センシング制御システム100内で用いられる有向グラフの全ノードを定義する表である。第1実施形態では、イベントは、発生場所,検出元のセンシング部の種別,イベント種別によって識別される。したがって、ノードは、発生場所,検出元のセンシング部の種別によって識別される。ノード表には、ノードID,場所ID,センシング部の種別,イベント種別,ログ発生個数が含まれる。ログ発生個数は、該ノードに対応するイベントの発生回数である。
第1アーク表は、センシング制御システム100内で用いられる有向グラフの全アークを定義する表である。アークは、遷移元のノードと遷移先のノードとによって識別される。第1アーク表には、アークID,遷移元のノードID(図中、ノードID(From)),遷移先のノードID(図中、ノードID(To)),ノード間の長さ(経過時間),ログ発生個数が対応付けられている。第1アーク表に格納されるノードの長さは、過去の履歴の中で最も短い値が格納される。ログ発生個数は、アークに対応するイベントの遷移の発生回数である。
第2アーク表は、第1アーク表で定義されるアークの長さの分布を格納する表である。第2アーク表には、各アークについて、所定時間長の単位で区切られたグループでの発生回数が格納される。図7に示される例では、アークの長さ5分毎の区切りでグループ分けされている。有向グラフデータ格納部23は、「記憶部」の一例である。また、有向グラフデータ格納部23に格納される情報は、「イベント遷移情報」の一例である。
図8は、各携帯端末2のイベント発生率格納部25に格納されるイベント発生率表である。イベント発生率表は、携帯端末2におけるセンシング部26の種別毎のイベント発生率を格納する表である。イベント発生率表は、携帯端末2が有するセンシング部26の種別と、イベント発生率と、ログ発生個数とを格納する。ログ発生個数は、携帯端末2において各センシング部26によって検出されたイベントの発生個数である。イベント発生率格納部25は、「第2の格納部」の一例である。また、イベント発生率は、「イベント検出率」の一例である。
<処理の流れ>
(有向グラフデータの作成)
図9は、携帯端末2におけるイベント発生によるデータ更新の処理のフローチャートの一例である。図9に示されるフローチャートは、携帯端末2がイベント発生を検出した場合に開始される。
OP11では、センシング制御部21は、センシング部26から通知されたイベントデータをイベント履歴データ格納部24に格納する。次に処理がOP12に進む。
OP12では、センシング制御部21は、発生したイベントのセンシング部26のイベント発生率を算出する。イベント発生率は、携帯端末2において発生したイベントの総個数に対する該当センシング部26のログ発生個数の割合で求められる。具体的には、センシング制御部21は、イベント発生率表の各センシング部26のログ発生個数を読み出し、全センシング部26のログ発生個数の総和に1加算した値で発生イベントのセンシング部26のログ発生個数に1加算した値を割って算出する。次に、OP13に処理が進む。
OP13では、センシング制御部21は、イベント発生率表を更新する。具体的には、センシング制御部21は、イベント発生率表の該当センシング部26のログ発生個数をインクリメントし、イベント発生率をOP12で算出した値に更新する。その後、図9に示される処理が終了する。
携帯端末2は、所定の周期で、該所定の周期の1周期の間に新たに格納されたイベント履歴データをサーバ1に送信する(図3、OP1)。次に、所定の周期で、サーバ1は、各携帯端末2から送信されたイベント履歴データから有向グラフデータを生成及び更新する(図3、OP2)。
図10A及び図10Bは、サーバ1による有向グラフデータの作成処理のフローチャートの一例である。図10A及び図10Bに示されるフローチャートは、例えば、所定の周期で開始される。所定の周期は、例えば、分単位,時間単位,日単位,月単位で、センシング制御システム100の管理者によって設定される。
OP21−OP28の処理は、各携帯端末2から受信される新規のイベント履歴データの総数に相当する回数実行される。変数Mは、1つの携帯端末2から受信した新規のイベント履歴データの処理対象を示すポインタであり、初期値は1である。変数Mが1であることは、該携帯端末2から受信した新規のイベント履歴データのうち、イベント発生時刻が最も古いものが処理対象であることを示す。以降、処理対象のイベント履歴データを、単に、M番目のイベント、と称する。
OP21では、データ作成部12は、M番目のイベントに該当するノードがノード表に登録されているか否かを判定する。M番目のイベントに該当するノードがノード表にある場合には(OP21:YES)、処理がOP23に進む。M番目のイベントに該当するノードがノード表にない場合には(OP21:NO)、処理がOP22に進む。
OP22では、データ作成部12は、M番目のイベントにIDを割り当て、ノード表に追加する。次に処理がOP23に進む。
OP23では、M番目のイベントが該当携帯端末2から受信された最後のイベント履歴データであるか否かを判定する。M番目のイベントが該当携帯端末2から受信された最後のイベント履歴データである場合には(OP23:YES)、データ作成部12は、次の携帯端末2のイベント履歴データの処理に移る。又は、全携帯端末2のイベント履歴データの処理が終了した場合には、処理がOP29に進む。
M番目のイベントが該当携帯端末2から受信された最後のイベント履歴データでない場合には(OP23:NO)、処理がOP24に進む。
OP24では、データ作成部12は、M番目のイベントからM+1番目のイベントへの遷移に対応するアークが第1アーク表にあるか否かを判定する。M番目のイベントからM+1番目のイベントへの遷移に対応するアークが第1アーク表にある場合には(OP24:YES)、処理がOP25に進む。M番目のイベントからM+1番目のイベントへの遷移に対応するアークが第1アーク表にない場合には(OP24:NO)、処理がOP27に進み、データ作成部12は、第1及び第2アーク表に新規アークを追加する。次に処理がOP28に進む。
OP25では、データ作成部12は、M番目のイベントとM+1番目のイベントとの時間間隔と、第1アーク表の対応アークの長さ(時間)とを比較する。M番目のイベントとM+1番目のイベントとの時間間隔が、第1アーク表の対応アークの長さ(時間)よりも短い場合には(OP25:YES)、処理がOP26に進む。OP26では、データ作成部12は、第1アーク表の対応アークの長さ(時間)をM番目のイベントとM+1番目のイベントとの時間間隔で上書きする。これによって、第1アーク表の長さは、最小値に更新される。次に処理がOP28に進む。
M番目のイベントとM+1番目のイベントとの時間間隔が、第1アーク表の対応アークの長さ(時間)以上である場合には(OP25:NO)、第1アーク表の対応アークの長さ(時間)は更新されずに、処理がOP28に進む。
OP28では、データ作成部12は、ノード表,第1アーク表,第2アーク表のM番目のイベント及びM番目のイベントからM+1番目のイベントへの遷移に対応するアークに該当するログ発生個数をそれぞれインクリメントする。
その後、変数Mはインクリメントされて、OP21−OP28の処理が繰り返し実行される。全携帯端末2の全イベント履歴データに対してOP21−OP28の処理が終了すると、処理がOP29に進む。
OP29では、データ作成部12は、全携帯端末2のOP21−OP28において処理した有向グラフデータをマージする。OP30では、データ作成部12は、有向グラフデータを各携帯端末2に送信する。その後、図10A及び図10Bに示される処理が終了する。
サーバ1から有向グラフデータを受信すると、各携帯端末2は、有向グラフデータ格納部25に格納される有向グラフデータを受信したもので更新する。
(イベント未検出状態でのセンシング制御処理)
第1実施形態では、最新のイベントのノードを有向グラフの起点とする。しかしながら、例えば、携帯端末2の起動時やセンシング制御プログラムの再起動時など、イベントが検出されていない状態では、起点となるノードが決定されていないため、有向グラフを作成することができない。そのため、最初にイベントが検出されるまでの間は、センシング制御を行うことができない。
そこで、第1実施形態では、携帯端末2は、絶対座標を取得可能なセンシング部26が携帯端末2に備えられる場合には、イベント未検出状態では、絶対座標を利用して有向グラフの起点となるノードを仮に設定して、有向グラフを作成し、センシング制御を行う。有向グラフの起点として仮に設定されるノードを、以降、仮ノード、と称する。絶対座標を取得可能なセンシング部26には、例えば、GPS受信モジュールを通じて絶対座標を取得するセンシング部26Cがある。
図11A及び図11Bは、絶対座標を利用する仮ノードの決定処理の一例を示す図である。図11Aでは、絶対座標より携帯端末2が領域A及び領域Bの範囲内に存在することが判定される場合の仮ノードの決定処理の一例が示される。
複数の領域の範囲内に携帯端末2が存在する場合には、携帯端末2のセンシング制御部21は、領域の境界が近い方の領域内の存在(stay)イベントを仮ノードに決定する。各領域の境界の情報は、例えば、GPS場所データ27Cから取得することができる。
例えば、図11Aに示される例では、絶対座標によって取得される携帯端末2の現在位置には、領域Aの境界の方が近いので、センシング制御部21は、領域Aの存在(stay)イベントに対応するノードを仮ノードに決定する。
仮ノードを決定すると、センシング制御部21は、仮ノードを起点に有向グラフを作成する。通常、領域内の存在(stay)イベントの後には、該領域からの退出(exit)イベントが発生する。そのため、仮ノードである、領域内の存在(stay)イベントのノードから、該領域からの退出(exit)イベントのノードまで、に含まれるノードのイベントは発生する確率が高い。したがって、センシング制御部21は、仮ノードから、仮ノードと同じ領域からの退出(exit)イベントに対応するノードまで、に含まれるノードに対応するセンシング部26をオンにする。
図11Aに示される例では、仮ノード55は、領域A内の存在(stay)イベントである。仮ノード55には、アーク65によってノード56が接続されており、ノード56にはアーク66によってノード57が接続されている。また、仮ノード55には、アーク67によってノード58が接続されており、ノード58にはアーク68によってノード57が接続されている。
ノード57は、領域Aの退出(exit)イベントである。したがって、図11Aに示される例では、仮ノード55からノード57までに含まれるノード56,ノード58,及びノード57に対応するセンシング部26がオンになる。
図11Bでは、絶対座標より携帯端末2がいずれの領域の範囲内にも存在していないことが判定される場合の仮ノードの決定処理の一例が示される。この場合には、携帯端末2のセンシング制御部21は、現在位置から領域境界が最も近い領域からの退出(exit)イベントに対応するノードを仮ノードに決定する。図11Bに示される例では、現在位置からは領域Bの境界が最も近いので、センシング制御部21は、領域Bからの退出(exit)イベントを仮ノードに決定する。
仮ノードを決定すると、センシング制御部21は仮ノードを起点として有向グラフを作成する。以降は、イベントが検出されるまで、センシング制御部21は、時間経過につれて、仮ノードからのアークの長さの和が経過時間T+α以下のノードのセンシング部26をオンにする。Tは仮ノード決定からの経過時間である。αは、オフセット時間である。
図11Bに示される例では、仮ノード58Aは、領域Bからの退出(exit)イベントである。仮ノード58Aには、アーク69Aによってノード58Bが接続され、ノード58Bにはアーク69Bによってノード58Cが接続される。また、仮ノード58Aには、アーク69Cによってノード58Dが接続される。
図11Bにおいて、t3<t1であるとする。経過時間T+α<t3の場合には、いずれのセンシング部26もオフである。t3≦経過時間T+α<t1の場合には、ノード58Dに対応するセンシング部26がオンになる。t1≦経過時間T+α<t2の場合には、ノード58Bとノード58Dとに対応するセンシング部26がオンになる。t2≦経過時間T+αの場合には、ノード58B,ノード58C,ノード58Dに対応するセンシング部26がオンになる。
携帯端末2が絶対座標を取得可能なセンシング部26を備えていない場合には、センシング制御部21は、イベント未検出状態において、仮ノードを決定せず、また、有向グラフも生成せずに、センシング制御を行う。センシング制御部21は、携帯端末2が絶対座標を取得可能なセンシング部26を備えていない場合には、イベント未検出状態において、イベント発生率格納部25に格納されている各センシング部26のイベント発生率に応じて、各センシング部26の動作インターバルを設定する。
図12A及び図12Bは、携帯端末2によるイベント未検出状態でのセンシング制御処理のフローチャートの一例である。図12A及び図12Bに示されるフローチャートは、例えば、携帯端末2の起動に伴うセンシング制御プログラムの起動,センシング制御プログラムの再起動,等により開始される。
OP31では、センシング制御部21は、携帯端末2に絶対座標を取得可能なセンシング部26が備えられているか否かを判定する。携帯端末2に絶対座標を取得可能なセンシング部26が備えられている場合には(OP31:YES)、処理がOP34に進む。携帯端末2に絶対座標を取得可能なセンシング部26が備えられていない場合には(OP31:NO)、処理がOP32に進む。
OP32及びOP33は、携帯端末2に絶対座標を取得可能なセンシング部26が備えられていない場合のイベント未検出状態におけるセンシング制御処理である。OP32では、センシング制御部21は、イベント発生率格納部25から、各センシング部26のイベント発生率を読出し、イベント発生率の高い順に優先順位を設定する。
OP33では、センシング制御部21は、優先順位毎にセンシング部26の動作モードを設定する。動作モードによって、センシング部26の動作インターバルが設定される。例えば、動作モードには優先モード,通常モード,待機モードがあり、それぞれ、動作インターバルは、30秒,1分,5分となる。なお、動作モードは、これに限られない。また、センシング部26の種別によって、動作モードのインターバルの値は異なる。
例えば、センシング制御部21は、優先順位が1位のセンシング部26の動作モードを優先モードに設定する。例えば、センシング部21は、優先順位が2位のセンシング部26の動作モードを通常モードに設定する。例えば、センシング部21は、優先順位が3位以下のセンシング部26の動作モードを待機モードに設定する。
なお、OP32及びOP33では、各センシング部26にイベント発生率に応じて優先順位を割り当てて、優先順位に応じて動作モードを決定するが、これに限られない。例えば、イベント発生率の閾値を設定し、該閾値とイベント発生率との関係に応じて、各センシング部26の動作モードが決定されてもよい。
OP34では、センシング制御部21は、絶対座標を取得可能なセンシング部26に対して、絶対座標の取得を指示し、絶対座標を取得する。次に処理がOP35に進む。
OP35では、センシング制御部21は、絶対座標から、携帯端末2がいずれかの領域内に存在しているか否かを判定する。携帯端末2がいずれかの領域内に存在している場合には(OP35:YES)、処理がOP36に進む。携帯端末2がいずれの領域内にも存在していない場合には(OP35:NO)、処理がOP40に進む。
OP36からOP38の処理は、携帯端末2がいずれかの領域内に存在している場合のイベント未検出状態におけるセンシング制御処理である。OP36では、センシング制御部21は、現在位置から最も境界の近い領域内の存在(stay)イベントを仮ノードに設定する。次に、処理がOP37に進む。
OP37では、センシング制御部21は、仮ノードを起点とする有向グラフに使用されるデータを有向グラフデータ格納部23から取得し、有向グラフを作成する。作成された有向グラフは、例えば、RAM 202Bの一時的な記憶領域に格納され、図12A及び図12Bの処理が終了すると削除される。次に処理がOP38に進む。
OP38では、センシング制御部21は、有向グラフにおいて、仮ノードから仮ノードと同じ領域からの退出(exit)イベントのノードまでに含まれるノードに対応するセンシング部26をオンにする。次に処理がOP39に進む。
OP39では、センシング制御部21は、センシング部26によるイベント発生の検出を待機する。いずれかのセンシング部26によってイベントの発生が検出された場合には(OP39:YES)、図12A及び図12Bに示される処理が終了し、次に、イベント検出状態におけるセンシング制御処理(後述図13)が開始される。
OP40−OP45の処理は、携帯端末2がいずれの領域内にも存在していない場合のイベント未検出状態におけるセンシング制御処理である。OP40では、センシング制御部21は、現在位置から最も境界の近い領域からの退出(exit)イベントを仮ノードに設定する。次に、処理がOP41に進む。
OP41では、センシング制御部21は、仮ノードを起点とする有向グラフに使用されるデータを有向グラフデータ格納部23から取得し、有向グラフを作成する。作成された有向グラフは、例えば、RAM 202Bの一時的な記憶領域に格納され、図12A及び図12Bの処理が終了すると削除される。次に処理がOP42に進む。
OP42では、センシング制御部21は、仮ノードからノード探索を行う。ノード探索は、各ノードが所定の条件を満たすか否かを判定する処理である。所定の条件は、例えば、仮ノード(起点ノード)からのアークの和が経過時間T+αより大きいこと、及び、ノード探索済みであること、である。所定の条件が満たされた場合には、該分岐においてノード探索は終了する。ノード探索処理の詳細については、図14において後述される。
OP43では、センシング制御部21は、ノード探索の結果に従って、センシング制御を行う。ノード探索の結果に従ったセンシング制御の詳細については、後述される。例えば、OP42のノード探索処理によって、センシング制御部21は、アークの和が経過時間T+α以下であるノードのセンシング部26をオンにすることを判定する。OP43では、センシング制御部21は、ノード探索の結果、オンにすることを判定した経過時間T+α以下であるノードに対応するセンシング部26をオンにする。次に処理がOP44に進む。
OP44では、センシング制御部21は、センシング部26によるイベント発生の検出を待機する。いずれかのセンシング部26によってイベントの発生が検出された場合には(OP44:YES)、図12A及び図12Bに示される処理が終了し、次に、イベント検出状態におけるセンシング制御処理(後述図13)が開始される。
所定時間イベントの発生が検出されない場合には(OP44:NO)、処理がOP45に進む。OP45では、センシング制御部21は、経過時間Tを更新する。その後処理がOP42に戻り、更新された経過時間Tを用いてノード探索が行われる。
なお、上述の携帯端末2がいずれかの領域内に存在している場合のイベント未検出状態におけるセンシング制御処理では、仮ノード(起点ノード)から仮ノードと同じ領域からの退出(exit)イベントのノードまでに含まれる全てのノードのセンシング部26をオンにする処理が行われる。これによって、ノード探索処理にかかる負荷を低減することができる。ただし、これに限られず、携帯端末2がいずれかの領域内に存在している場合にも、携帯端末2がいずれの領域内にも存在していない場合と同様にして、ノード探索処理が行われてもよい。
(イベント検出状態におけるセンシング制御処理)
図13は、携帯端末2におけるイベント検出状態におけるセンシング制御処理のフローチャートの一例である。イベント検出状態とは、少なくとも1つのイベントの発生が検出されている状態である。図13に示されるフローチャートは、イベント発生の検出、又は所定の周期で開始される。所定の周期は、例えば、秒単位,分単位で設定される。
OP51−OP53の処理は、イベントの発生が検出された場合の処理である。イベントの発生の検出は、各センシング部26によって行われる。
OP51では、センシング制御部21は、経過時間Tをリセットする。ここでの経過時間Tは、起点ノードのイベントが発生してからの経過時間を示す。OP52では、センシング制御部21は、有向グラフの起点ノードを、最新のイベントのノードに変更する。OP53では、センシング制御部21は、有向グラフに使用されるデータを有向グラフデータ格納部23から取得し、有向グラフを作成する。作成された有向グラフは、例えば、RAM 202Bの一時的な記憶領域に格納され、図13の処理が終了すると削除される。次に処理がOP55に進む。
OP54は、最新のイベントの検出後、次にイベントが検出されるまでの間に、所定の周期で行われる処理である。OP54では、センシング制御部21は、経過時間Tを更新する。次に処理がOP55に進む。
OP55では、センシング制御部21は、作成した有向グラフを起点ノードからノード探索する。ノード探索によって、起点ノードからのアークの和が経過時間以下のノードが抽出される。ノード探索の詳細は、後述する。
OP56では、センシング制御部21は、ノード探索結果にしたがって、センシング制御を行う。センシング制御処理の詳細は、後述する。OP56の処理が終了すると、図13に示される処理が終了する。
(ノード探索処理)
図14は、ノード探索処理のフローチャートの一例である。有向グラフは、起点ノードが決定されると、起点ノードを始点とするアークが第1アーク表から抽出され、抽出されたアークの終点に位置するノードが決定され、さらに決定されたノードを起点とするアークが第1アーク表から抽出されることが繰り返されることによって作成される。
図14に示される例では、起点ノードから1つのアークを介して接続されるノードを、1段目のノードとする。起点ノードからm個のアーク及びm−1個のノードを介して接続されるノードをm段目のノードとする。図14において、mは、ノードの段数を示す変数であり、正の整数である。変数mの初期値は、1である。
OP61からOP65の処理は、図12BのOP42,図13のOP53において作成される有向グラフ内の、m段目の全てのノードに対して実行される。以降、処理対象のノードを対象ノードとする。
OP61では、センシング制御部21は、経過時間T+αが起点ノードから対象ノードまでに含まれるアークの長さの和以上であるか否かを判定する。経過時間T+αが起点ノードから対象ノードまでに含まれるアークの長さの和以上である場合には(OP61:YES)、処理がOP62に進む。経過時間T+αが起点ノードから対象ノードまでに含まれるアークの長さの和未満である場合には(OP61:NO)、処理がOP65に進む。
OP62では、センシング制御部21は、対象ノードは未探索ノードであるか否かを判定する。対象ノードが未探索ノードである場合には(OP62:YES)、センシング制御部21は、対象ノードを探索済みとRAM 202Bの一時的な記憶領域に記録する。ノードの探索済みの記録は、ノード探索処理の終了とともに削除される。その後処理がOP63に進む。対象ノードが探索済みのノードである場合には(OP62:NO)、OP65に処理が進む。対象ノードが探索済みであるか否かは、RAM 202Bの一時的な記憶領域内の探索済みのノードの記録を参照することで判定される。
OP63では、センシング制御部21は、対象ノードのセンシング部26をオンにすることを判定する。次に処理がOP64に進む。
OP64では、センシング制御部21は、OP63でオンにすることを判定されたセンシング部26の探索回数をインクリメントする。各センシング部26の探索回数は、例えば、RAM 202Bの一時的な記憶領域に記録され、初期値は0であり、ノード探索処理開始時にリセットされる。
OP65では、起点ノードから対象ノードまでに含まれるアークの長さの和が経過時間T+αよりも大きい、又は、対象ノードが探索済みのノードであるため、センシング制御部21は、対象ノードから先の分岐については、ノード探索を行わずに、分岐終了とする。対象ノードが探索済みである場合には、分岐終了にすることによって、探索処理のループの発生を低減することができる。
OP64又はOP65の処理が終了すると、m段目の次のノードについてOP61から処理が行われる。対象ノードがm段目の最後のノードである場合には、変数mがインクリメントされて、次の段の最初ノードについて、OP61から処理が行われる。有向グラフ内の対象ノードとなり得るノードについて、OP61−OP65の処理が終了すると、図14に示されるノード探索処理が終了する。このノード探索処理の結果に基づいて、次に、センシング制御処理が実行される。なお、図14に示されるフローチャートは、一例であって、これに限られない。
(センシング制御処理)
第1実施形態では、ノード探索処理の結果に従って行われるセンシング制御処理には、以下の4つの方法がある。いずれの方法が採用されてもよい。
1つ目の方法(方法1)は、ノード探索処理によってオンにすると判定されたセンシング部26をオンにし、それ以外のセンシング部26をオフにする方法である。
2つ目の方法(方法2)は、ノード探索処理によってオンにすると判定されたセンシング部26の動作モードを通常モードにし、それ以外のセンシング部26の動作モードを待機モードにする方法である。
3つ目の方法(方法3)は、ノード探索処理によってオンにすると判定されたセンシング部26の動作モードを、ノードが探索された割合に応じて、優先モード又は通常モードにし、それ以外のセンシング部26の動作モードを待機モードにする方法である。
4つ目の方法(方法4)は、ノード探索処理によってオンにすると判定されたセンシング部26の動作モードを、イベント(ノード)の発生間隔の分布に応じて、優先モード又は通常モードに設定し、それ以外のセンシング部26の動作モードを待機モードにする方法である。
図15は、ノード探索処理の結果に従って行われるセンシング制御処理の方法1及び方法2のフローチャートの一例である。まず、方法1のフローチャートについて説明する。
OP71−OP73の処理は、携帯端末2が備える全センシング部26について実行される。OP71では、センシング制御部21は、ノード探索処理の結果、処理対象のセンシング部26はオンにすることを判定されたか否かを判定する。
処理対象のセンシング部26がノード探索処理によってオンにすることを判定されている場合には(OP71:YES)、処理がOP72に進む。OP72では、センシング制御部21は、処理対象のセンシング部26をオンにする。
処理対象のセンシング部26がノード探索処理によってオンにすることを判定されていない場合には(OP71:NO)、処理がOP73に進む。OP73では、センシング制御部21は、処理対象のセンシング部26をオフにする。
OP72又はOP73の処理が終了すると、次のセンシング部26についてOP71から処理が繰り返し行われる。処理対象のセンシング部26が最後のセンシング部である場合には、図15に示される処理が終了する。
方法2の場合には、処理対象のセンシング部26がノード探索処理によってオンにすることを判定されている場合には(OP71:YES)、OP72では、センシング制御部21は、処理対象のセンシング部26の動作モードを通常モードにする。一方、処理対象のセンシング部26がノード探索処理によってオンにすることを判定されていない場合には(OP71:NO)、OP73では、センシング制御部21は、処理対象のセンシング部26の動作モードを待機モードにする。
方法1の場合には、ノード探索処理の結果オンにすることが判定されたセンシング部26がオンになり、それ以外のセンシング部26はオフになる。そのため、オンになるセンシング部26の数を少なく抑えることができ、センシング部26による消費電力を低減することができる。
方法2の場合には、ノード探索処理の結果オンにすることが判定されたセンシング部26の動作モードが通常モードになり、それ以外のセンシング部26の動作モードは待機モードになる。待機モードの場合には、通常モードに比べてセンシング部26の動作インターバルが長い。そのため、方法2によれば、待機モードのセンシング26の動作回数を少なくすることができるため、センシング部26による消費電力を低減することができる。
図16は、ノード探索処理の結果に従って行われるセンシング制御処理の方法3のフローチャートの一例である。方法3では、各センシング部26について、対応するイベントのノードが探索された割合によって、動作モードが決定される。
OP81−OP86の処理は、携帯端末2が備える全センシング部26について実行される。OP81では、センシング制御部21は、ノード探索処理の結果、処理対象のセンシング部26はオンにすることを判定されたか否かを判定する。
処理対象のセンシング部26がノード探索処理によってオンにすることを判定されている場合には(OP81:YES)、処理がOP82に進む。OP82では、センシング制御部21は、処理対象のセンシング部26のノード探索率を算出する。
ノード探索率は、ノード探索処理における処理対象のセンシング部26の探索回数を全センシング部26の総探索回数で割った値である。ノード探索率は、各センシング部26によって検出されるイベントの発生の度合いを示す。各センシング部26の探索回数は、ノード探索処理内で、例えば、図14のOP64の処理においてカウントされる。次に処理がOP83に進む。
OP83では、センシング制御部21は、算出した処理対象のセンシング部26のノード探索率が所定の閾値より大きいか否かを判定する。この閾値は、処理対象のセンシング部26の動作モードを優先モードまたは通常モードに決定するために使用され、例えば、0から1までの値である。処理対象のセンシング部26のノード探索率が所定の閾値より大きい場合には(OP83:YES)、処理がOP84に進み、OP84では、センシング制御部21は、処理対象のセンシング部26の動作モードを優先モードに設定する。処理対象のセンシング部26のノード探索率が所定の閾値以下の場合には(OP83:NO)、処理がOP85に進み、OP85では、センシング制御部21は、処理対象のセンシング部26の動作モードを通常モードに設定する。
処理対象のセンシング部26がノード探索処理によってオンにすることを判定されていない場合には(OP81:NO)、処理がOP86に進む。OP86では、センシング制御部21は、処理対象のセンシング部26の動作モードを待機モードにする。
OP84,OP85,またはOP86の処理が終了すると、次のセンシング部26についてOP81から処理が繰り返し行われる。処理対象のセンシング部26が最後のセンシング部である場合には、図16に示される処理が終了する。
方法3の場合には、処理対象のセンシング部26のノード探索率に応じて段階的に動作モードが決定される。ノード探索率は、各センシング部26によって検出されるイベントの発生する度合いを示すので、方法3によれば、イベントの発生の確率が高いセンシング部26を優先モードで動作させることができる。
方法3では、ノード探索率はノード探索処理における各センシング部26の探索回数を用いて算出されるが、ノード探索率は、各アークの第1アーク表のログ発生個数を用いて算出されてもよい。例えば、図14のOP64において、処理対象ノードのセンシング部26の探索回数に、処理対象ノードと一段前のノードとを接続するアークの第1アーク表のログ発生個数を加算して、該センシング部26の探索回数をカウントする。ノード探索率は、この探索回数を用いて算出される。これによって、各センシング部26の探索率を、アークのログ発生個数によって重みづけして算出することができる。
図17は、ノード探索処理の結果に従って行われるセンシング制御処理の方法4について説明するための図である。方法4は、イベントの発生間隔の分布(アークの長さの分布)に応じて、センシング部26の動作モードを設定する方法である。
図17に示される有向グラフでは、起点ノード59Aには、アーク69Eによってノード59Bが接続されている。また、起点ノード59Aには、アーク69Fによってアーク59Cが接続されている。
第1アーク表には、イベントの履歴の中で、イベントの発生間隔が最も短い時間が、アークの長さとして格納されているため、携帯端末2によって作成される有向グラフでは、アークの長さは、過去のログの中で最も短いイベント間隔である。しかしながら、実際には、ノードのイベントの発生間隔は、分布を持つ。
例えば、ノード59Cは、起点ノード59Aの発生から最速でt4後に発生する履歴があるが、最もログ発生個数が多いのは、t4からさらにβ時間経過後である。例えば、ノード59Bは、起点ノード59Aの発生から最速でt2後に発生する履歴があるが、最もログ発生個数が多いのは、t2からさらにγ時間経過後である。
したがって、方法4では、所定の単位で区切られた時間帯におけるログ発生個数の分布を考慮し、ログ発生個数が少ない時間帯にはセンシング部26の動作モードは通常モードに、ログ発生個数が多い時間帯にはセンシング部26の動作モードは優先モードに設定される。所定の単位に区切られた時間帯とは、例えば、1分,5分,10分等の単位で区切られた時間帯である。ログ発生個数の時間別の分布は、第2アーク表に格納されている(図7参照)。図7では、5分単位で区切られた時間帯のログ発生の分布が格納される。
図18は、ノード探索処理の結果に従って行われるセンシング制御処理の方法4のフローチャートの一例である。
OP91−OP98の処理は、携帯端末2が備える全センシング部26について実行される。OP91では、センシング制御部21は、ノード探索処理の結果、処理対象のセンシング部26はオンにすることを判定されたか否かを判定する。
処理対象のセンシング部26がノード探索処理によってオンにすることを判定されている場合には(OP91:YES)、処理がOP92に進む。OP92では、センシング制御部21は、経過時間T+αにおいて、有向グラフ内の起点ノードからノード探索済みのノードまでに含まれる全アークのログ発生回数の総和を第1アーク表から算出する。次に処理がOP93に進む。
OP93では、センシング制御部21は、有向グラフ内の処理対象のセンシング部26のノード探索済みのノードを遷移先(第1アーク表における“ノード(to))とするアークの該当する時間帯のログ発生回数の総和を第2アーク表から算出する。該アークの該当する時間帯とは、該アークを含む起点ノードから該アークの遷移先のノードまでに含まれるアークの和を経過時間T+αから引いた時間が属する第2アーク表に定義される時間帯である。次に処理がOP94に進む。
OP94では、センシング制御部21は、OP94で第2アーク表から算出した総和をOP93で第1アーク表から算出した総和で割った比率を算出する。この比率は、有向グラフでの、経過時間T+αにおける処理対象のセンシング部26が使用される割合を示す。次に処理がOP95に進む。
OP95では、センシング制御部21は、算出した処理対象のセンシング部26の比率が所定の閾値より大きいか否かを判定する。この閾値は、処理対象のセンシング部26の動作モードを優先モードまたは通常モードに決定するために使用される。処理対象のセンシング部26の比率が所定の閾値より大きい場合には(OP95:YES)、処理がOP96に進み、OP96では、センシング制御部21は、処理対象のセンシング部26の動作モードを優先モードに設定する。処理対象のセンシング部26の比率が所定の閾値以下の場合には(OP95:NO)、処理がOP97に進み、OP97では、センシング制御部21は、処理対象のセンシング部26の動作モードを通常モードに設定する。
処理対象のセンシング部26がノード探索処理によってオンにすることを判定されていない場合には(OP91:NO)、処理がOP98に進む。OP98では、センシング制御部21は、処理対象のセンシング部26の動作モードを待機モードにする。
OP96,OP97,またはOP98の処理が終了すると、次のセンシング部26についてOP91から処理が繰り返し行われる。処理対象のセンシング部26が最後のセンシング部である場合には、図18に示される処理が終了する。
方法4の場合には、経過時間T+αにおける処理対象のセンシング部26が使用される割合に応じて段階的に動作モードが決定される。所定のイベントから次のイベントが発生するまでの時間、すなわち、イベントの発生間隔には分布があり、時間経過によってイベントの発生する可能性は変化する。すなわち、経過時間によってセンシング部26が使用される割合は変化する。したがって、方法4によれば、イベントが発生する可能性の高い時間帯には、該イベントを検出するセンシング部26が優先モードで動作しているので、イベントをより精度よく検出できる。また、イベントが発生する可能性が低い時間帯には、該イベントを検出するセンシング部26は通常モードで動作しているので、消費電力を少なく抑えることができる。
<適用例>
第1実施形態で説明されたセンシング制御処理は、例えば、顧客にショッピングセンタ内のエリアに応じた店舗情報や売り場情報を配信するサービスや、ショッピングエリアスタッフの各エリアでの作業や確認業務を支援するサービスがある。
図19は、ショッピングセンタにおける位置関係の例を示す図である。図19に示される例では、ショッピングセンタには、建屋1と建屋2とが存在する。この建屋1及び建屋2は、そのまま、GPSのセンシング部26Cによって検知される領域である。ショッピングセンタの敷地内の屋外では、GPSで位置を検出することができる。
建屋1の入退口には、NFC1がユーザへのポイント加点のため設置されている。ポイント加点を所望するユーザは、携帯端末2をNFC1に接触又は所定距離まで近づける。建屋1の1階の売り場1は、Wi−Fiアクセスポイント1に紐づく場所IDが定義されている。建屋1の1階の売り場2は、Wi−Fiアクセスポイント2に紐づく場所IDが定義されている。
建屋1の2階のテナント1は、Bluetooth機器1に紐づく場所IDが定義されている。建屋1の2階のテナント4は、Bluetooth機器4に紐づく場所IDが定義されている。建屋2のイベントスペース1では、可聴範囲外の音波信号を出力する音波信号出力機器1に紐づく場所IDが定義されている。
なお、図19に示される例では、Wi−Fiアクセスポイント1,2,NFC1,Bluetooth機器1,4,音波信号出力機器1の絶対座標は管理されておらず、これらの位置関係は、システム上では不明であるとする。
図20は、第1実施形態に係るセンシング制御において作成される有向グラフの例を示す図である。図20に示される有向グラフは、サーバ1によってイベント履歴データから作成されるものである。携帯端末2は、Wi−Fiアクセスポイント1,2,NFC1,Bluetooth機器1,2,音波信号出力機器1を検出可能なセンシング部26を備えていることとする。
例えば、有向グラフG1では、起点ノードとしてのイベントノードと入退口通過イベントノードとは、長さ1分のアークで結合されている。また、有向グラフG1では、建屋1enterのイベントノードは、売り場2enterイベントノードとは長さ2分のアークで、売り場3enterイベントノードとは長さ4分のアークで、建屋1exitイベントノードとは長さ10秒のアークで結合されている。
例えば、有向グラフG2では、起点ノードとしての入退口通過イベントノードは、売り場2enterイベントノードとは長さ1分のアークで、売り場1enterイベントノードとは長さ3分のアークで結合されている。
例えば、有向グラフG3では、起点ノードとしての売り場1exitイベントノードは、建屋1exitイベントノードとは長さ4分のアークで、テナント4enterイベントノードとは長さ2分のアークで、テナント1enterイベントとは長さ6分のアークで、売り場2enterイベントノードとは長さ2分のアークで、結合されている。
例えば、有向グラフG4では、起点ノードとしての売り場1enterイベントは、売り場1exitイベントと長さ1秒のアークで結合されている。
方法4でセンシング制御が行われる場合には、以下のようにしてセンシング制御が行われる。なお、以下の説明では、便宜上センシング部を、単に、種別で記載する。
建屋1enterイベントの発生時(T=0)には、有向グラフG1が生成され、有向グラフ1についてノード探索が行われる。経過時間のオフセット時間を1分(=α)とすると、建屋1enterイベントの発生時(T=0)には、アークの長さがT+α(=1分)以下となる入退口通過イベントノードのNFCと建屋1exitイベントノードのGPSとが優先モードで動作する。それ以外のセンシング部26は、待機モードで動作する。第2アーク表において、入退口通過イベントのログ発生個数は、時間の経過とともに少なくなっていくことが記録されているとすると、時間の経過とともに、NFCは、優先モードから通常モードへと動作モードが遷移する。
新たにイベントが検出されず経過時間が1分になる場合には、アークの長さがT+α(=2分)以下となる売り場2enterイベントノードのWi−Fiも優先モードで動作するようになる。
売り場1exitイベントが検出される場合には、1分経過後(経過時間T=1分)にはアークの長さが経過時間T+α(=2分)以下となるテナント4enterイベントのbluetoothと、売り場2enterイベントのWi−Fiとが優先モード又は通常モードで動作する。このとき、GPSは、ノード探索されずに待機モードで動作することになる。さらに2分経過すると(経過時間T=3分)、アークの長さが経過時間T+α(=4分)以下となり、建屋1exitイベントのGPSが優先モード又は通常モードで動作し始める。
例えば、動作インターバルを優先モードで10秒、通常モードで1分、待機モードで3分とする場合、優先モードは、通常モードの6倍、待機モードの18倍の動作回数となる。したがって、上述のようにセンシング部が制御されることによって、1分間複数のセンシング部26が待機モードになることによっても、全センシング部26による動作回数を減らすことができ、省電力化が図れることがわかる。
また、例えば、有向グラフG1に注目してみると、建屋1enterイベントノードに接続されるイベントノードは、建屋1の1階に含まれる場所のイベントノードであり、各場所の地理的位置関係と有向グラフG1のノードの位置関係とが類似していることが見て取れる。第1実施形態において、イベントは、携帯端末2の移動に起因して発生し、イベント発生間隔は、すなわち、場所間の移動時間である。移動時間と場所間の距離とは、速度について比例関係にあるため、イベント履歴データからイベントをノード、イベント発生間隔をアークの長さとして有向グラフを作成することによって、各設置機器又は場所のおおよその位置関係を検出することができる。
各場所の位置関係が絶対座標によって定義される場合には、例えば、電波強度の測定などの大掛かりな処理が行われたりして、準備に労力、予算等のコストがかかる。一方、第1実施形態に係るセンシング制御システムでは、場所IDと設置機器のIDとを対応付けという比較的コストのかからない処理で、おおよその位置関係を取得することでき、該位置関係を用いたサービスを提供することができる。
<第1実施形態の作用効果>
第1実施形態によれば、携帯端末2は、イベント履歴データから、イベントをノード、イベント発生間隔をアークの長さ、最新イベントを起点ノードとして有向グラフを生成する。携帯端末2は、最新イベント発生からの経過時間とアークの長さの合計に応じてノードを抽出し、抽出したノードを検出するセンシング部を選択する。携帯端末2は、選択したセンシング部をオン又は優先モード又は通常モードに設定し、選択しなかったセンシング部をオフ又は待機モードに設定する。これによって、並列に起動するセンシング部26の数、または、センシング部26の動作回数を低減することができ、複数のセンシング部26による消費電力を低減することができる。
また、第1実施形態によれば、携帯端末2は、自装置の現在位置,各設置機器の位置,設置機器の検出範囲(場所)等の情報を絶対座標で保持せずとも、設置機器と設置機器の検出範囲(場所)との対応付けの情報によって、有向グラフというおおよその位置関係を取得することができる。また、携帯端末2は、おおよその位置関係を示す有向グラフを用いて、次に発生する可能性が高いイベントのセンシング部26を選択し、制御することができる。これによって、センシングが所望される場合に携帯端末2は所望されるセンシングを行うことによって、消費電力を低減することができる。
なお、第1実施形態では、サーバ1が各携帯端末2のイベント履歴データを収集し、有向グラフデータを作成したが、これに限られない。例えば、携帯端末2は、サーバ1のデータ作成部12を備え、携帯端末2単体で、携帯端末2自身のイベント履歴データから最新のイベントを起点とする有向グラフを作成してセンシング部26を制御してもよい。
1 サーバ
2 携帯端末
11 履歴受信部
12 データ作成部
13 イベント履歴データ格納部
14 有向グラフデータ格納部
21 センシング制御部
22 履歴送信部
23 有向グラフデータ格納部
24 イベント履歴データ格納部
25 イベント発生率格納部
26 センシング部
27 場所データ格納部
設置機器の検出範囲内にいることを取得するセンシング部には、例えば、Wi−Fi(Wireless Fidelity)機器,Bluetooth(登録商標)機器,マイクロフォンがあ
る。Wi−Fi機器は、例えば、受信電波から取得されるWi−Fiアクセスポイントの識別情報であるSSID(Service Set Identifier)と、電波強度を示すRSSI(Received Signal Strength Indication)情報とから、該SSIDのアクセスポイントの検出
範囲への進入又は退出を検出する。Bluetooth機器は、例えば、受信電波から設置されたBluetooth(登録商標)機器のIDを検出することによって、該IDのBluetooth機器の検出範囲の進入又は退出を検出する。マイクロフォンは、例えば、収音した音波信号の中、可聴範囲外の音波信号からIDを検出することによって、該IDの設置機器の検出範囲の進入又は退出を検出する。
したがって、最新イベントが場所A enterイベントである場合には、場所A enterイベント,NFC Bタッチイベント,場所A exitイベントは、それぞれ、起点ノード51,ノード52,ノード53と設定される。さらに、起点ノード51とノード52とは、起点ノード51からノード52に向かうt1の長さのアークで接続される。起点ノード51とノード53とは、起点ノード51からノード53に向かうt2の長さのアークで接続される。
すなわち、図2に示される例において、携帯型情報処理装置は、0<経過時間T<t2の間は全センシング部をオフにする。また、携帯型情報処理装置は、t2≦経過時間T<t1の間はノード53に対応するセンシング部をオン、それ以外のセンシング部をオフにする。また、携帯型情報処理装置は、t1≦経過時間T<t1+t4の間はノード53とノード52とに対応するセンシング部をオン、それ以外のセンシング部をオフにする。ただし、センシング部の動作状態の制御は、センシング部をオンまたはオフにすることに限られず、例えば、動作インターバルの制御も含まれる。
サーバ1のハードウェア構成は、図に示される例に限られず、適宜構成要素の省略や置換、追加が行われてよい。例えば、サーバ1は、キーボードやポインティングデバイス等の入力装置,ディスプレイやプリンタ等の出力装置を備えてもよい。
タッチパネル203は、位置入力装置の1つであって、ディスプレイ204の画面に対応する指の接触位置の座標を入力する。タッチパネル203は、抵抗膜方式,表面弾性波方式,赤外線方式,電磁誘導方式,静電容量方式等のいずれの方式のものでも良い。
センシング部26Bのイベント検出処理については、Bluetooth規定の周波数の電波及び閾値に対して、センシング部26Aと同様に行われる。センシン部26Bは、所定の場所への進入(enter)、存在(stay)、退出(exit)イベントを検出する。
センシング部26Dのイベント検出処理については、可聴範囲外の所定の周波数の音波信号と該音波信号のパワー強度の所定の閾値に対して、センシング部26Aと同様に行わ
れる。センシン部26Dは、所定の場所への進入(enter)、存在(stay)、退出(exit)イベントを検出する。
センシング部26Fは、ユーザによってカメラを通じて撮像された画像から識別マーカを検出する。識別マーカ場所データ格納部27Fには、識別マーカと該識別マーカの設置の場所情報との対応が格納されている。
センシング部26Fは、撮像画像から識別マーカを検出すると、該識別マーカの設置場所での存在(stay)イベントを検出する。識別マーカの設置の場所情報は、識別マーカ場所データ格納部27Fから取得される。
第1アーク表は、センシング制御システム100内で用いられる有向グラフの全アークを定義する表である。アークは、遷移元のノードと遷移先のノードとによって識別される。第1アーク表には、アークID,遷移元のノードID(図中、ノードID(From)),遷移先のノードID(図中、ノードID(To)),ノード間の長さ(経過時間),ログ発生個数が対応付けられている。第1アーク表に格納されるノードの長さは、過去の履歴の中で最も短い値が格納される。ログ発生個数は、アークに対応するイベントの遷移の発生回数である。
図8は、各携帯端末2のイベント発生率格納部25に格納されるイベント発生率表である。イベント発生率表は、携帯端末2におけるセンシング部26の種別毎のイベント発生率を格納する表である。イベント発生率表は、携帯端末2が有するセンシング部26の種別と、イベント発生率と、ログ発生個数とを格納する。ログ発生個数は、携帯端末2において各センシング部26によって検出されたイベントの発生個数である。イベント発生率格納部25は、「第2の記憶部」の一例である。また、イベント発生率は、「イベント検出率」の一例である。
サーバ1から有向グラフデータを受信すると、各携帯端末2は、有向グラフデータ格納部23に格納される有向グラフデータを受信したもので更新する。
図11Bにおいて、t3<t1であるとする。経過時間T+α<t3の場合には、いずれのセンシング部26もオフである。t3≦経過時間T+α<t1の場合には、ノード58Dに対応するセンシング部26がオンになる。t1≦経過時間T+α<t1+t2の場合には、ノード58Bとノード58Dとに対応するセンシング部26がオンになる。t1+t2≦経過時間T+αの場合には、ノード58B,ノード58C,ノード58Dに対応するセンシング部26がオンになる。
例えば、センシング制御部21は、優先順位が1位のセンシング部26の動作モードを優先モードに設定する。例えば、センシング制御部21は、優先順位が2位のセンシング部26の動作モードを通常モードに設定する。例えば、センシング制御部21は、優先順位が3位以下のセンシング部26の動作モードを待機モードに設定する。
(ノード探索処理)
図14は、ノード探索処理のフローチャートの一例である。有向グラフは、起点ノードが決定されると、起点ノードを始点とするアークが第1アーク表から抽出され、抽出されたアークの終点に位置するノードが決定され、さらに決定されたノードを始点とするアークが第1アーク表から抽出されることが繰り返されることによって作成される。
OP61からOP65の処理は、図12BのOP41,図13のOP53において作成される有向グラフ内の、m段目の全てのノードに対して実行される。以降、処理対象のノードを対象ノードとする。
図17に示される有向グラフでは、起点ノード59Aには、アーク69Eによってノード59Bが接続されている。また、起点ノード59Aには、アーク69Fによってノード59Cが接続されている。
OP93では、センシング制御部21は、有向グラフ内の処理対象のセンシング部26のノード探索済みのノードを遷移先(第1アーク表における“ノードID(to))とするアークの該当する時間帯のログ発生回数の総和を第2アーク表から算出する。該アークの該当する時間帯とは、該アークを含む起点ノードから該アークの遷移先のノードまでに含まれるアークの和を経過時間T+αから引いた時間が属する第2アーク表に定義される時間帯である。次に処理がOP94に進む。
OP94では、センシング制御部21は、OP93で第2アーク表から算出した総和をOP92で第1アーク表から算出した総和で割った比率を算出する。この比率は、有向グラフでの、経過時間T+αにおける処理対象のセンシング部26が使用される割合を示す。次に処理がOP95に進む。
例えば、有向グラフG3では、起点ノードとしての売り場1exitイベントノードは、建屋1exitイベントノードとは長さ4分のアークで、テナント4enterイベントノードとは長さ2分のアークで、テナント1enterイベントノードとは長さ6分のアークで、売り場2enterイベントノードとは長さ2分のアークで、結合されている。
例えば、有向グラフG4では、起点ノードとしての売り場1enterイベントノードは、売り場1exitイベントノードと長さ10秒のアークで結合されている。
建屋1enterイベントの発生時(T=0)には、有向グラフG1が生成され、有向グラフ1についてノード探索が行われる。経過時間のオフセット時間を1分(=α)とすると、建屋1enterイベントの発生時(T=0)には、アークの長さがT+α(=1分)以下となる入退口通過イベントノードのNFCと建屋1exitイベントノードのGPSとが優先モードで動作する。それ以外のセンシング部26は、待機モードで動作する。第2アーク表において、入退口通過イベントのログ発生個数は、時間の経過とともに少なくなっていくことが記録されているとすると、時間の経過とともに、NFCは、優先モードから通常モードへと動作モードが遷移する。
売り場1exitイベントが検出される場合には、1分経過後(経過時間T=1分)にはアークの長さが経過時間T+α(=2分)以下となるテナント4enterイベントノードBluetoothと、売り場2enterイベントノードのWi−Fiとが優先モード又は通常モードで動作する。このとき、GPSは、ノード探索されずに待機モードで動作することになる。さらに2分経過すると(経過時間T=3分)、アークの長さが経過時間T+α(=4分)以下となり、建屋1exitイベントノードのGPSが優先モード又は通常モードで動作し始める。

Claims (16)

  1. 携帯型情報処理装置の現在位置を示す場所情報に変換可能な情報を取得し、該情報から変換により得られる前記場所情報に関して発生するイベントを検出する複数のセンシング部と、
    前記複数のセンシング部によって取得済みのイベント間の遷移の順序と前記遷移の間の経過時間との関係を示すイベント遷移情報を記憶する記憶部と、
    前記複数のセンシング部のいずれかによって検出された最新のイベントを現在のイベントとして求め、前記イベント遷移情報中で前記現在のイベントに対応するイベントから遷移する遷移先のイベントへの遷移時間と、前記現在のイベントが検出された時からの経過時間との関係から、前記イベント遷移情報中の前記遷移先のイベントを検出したセンシング部の動作状態を制御する制御部と、
    を備える携帯型情報処理装置。
  2. 前記制御部は、前記イベント遷移情報に基づいて、前記最新のイベントを起点とするイベントの遷移を求め、前記起点からの遷移合計時間が前記経過時間よりも小さくなるイベントを抽出し、前記イベント遷移情報中の抽出したイベントを検出したセンシング部を選択し、選択されなかったセンシング部をオフにする、又は、選択されたセンシング部よりも前記選択されなかったセンシング部の方の動作間隔を長くする、前記複数のセンシング部の制御を行う、
    請求項1に記載の携帯型情報処理装置。
  3. 前記制御部は、前記複数のセンシング部のいずれかによって新たにイベントが検出されるまでの間、所定の周期で、前記イベントの抽出と、前記複数のセンシング部の前記制御とを繰り返し実行する、
    請求項2に記載の携帯型情報処理装置。
  4. いずれのイベントも未検出状態において、前記複数のセンシング部のうちの一つによって絶対座標が取得され、前記絶対座標より得られる現在位置が所定の領域内である場合には、前記制御部は、前記起点に、前記イベント遷移情報中の前記所定の領域内での存在を示す存在イベントを設定する、
    請求項2又は3に記載の携帯型情報処理装置。
  5. 前記現在位置が複数の領域内である場合には、前記制御部は、前記現在位置から最も領域の境界が近い領域内での存在を示す存在イベントを、前記起点として設定する、
    請求項4に記載の携帯型情報処理装置。
  6. いずれのイベントも未検出状態において、前記複数のセンシング部のうちの一つによって絶対座標が取得され、前記絶対座標より得られる現在位置がいずれの領域内でもない場合には、前記制御部は、前記現在位置から最も領域の境界が近い領域からの退出を示す退出イベントを、前記起点として設定する、
    請求項2から5のいずれか一項に記載の携帯型情報処理装置。
  7. 前記複数のセンシング部のそれぞれについて、イベントの検出率を記憶する第2の記憶部をさらに備え、
    前記複数のセンシング部に絶対座標を取得可能なものが含まれない場合には、前記制御部は、いずれのイベントも未検出状態において、前記第2の記憶部から得られる各センシング部の前記イベントの検出率に応じて、各センシング部の動作インターバルを決定する、
    請求項2又は3に記載の携帯型情報処理装置。
  8. 前記制御部は、前記選択された各センシング部について、前記抽出したイベントに基づき使用確率を算出し、前記使用確率に応じて動作インターバルを決定する、
    請求項2から7のいずれか一項に記載の携帯型情報処理装置。
  9. 前記制御部は、前記選択された各センシング部の前記使用確率として、前記抽出したイベントの総数に占める前記各センシング部によって検出されるイベントの総数の割合を算出する、
    請求項8に記載の携帯型情報処理装置。
  10. 前記イベント遷移情報は、前記複数のセンシング部によって取得済みのイベント間の遷移のログ発生個数を含み、
    前記制御部は、前記選択された各センシング部の前記使用確率として、前記イベント遷移情報に基づいて、前記求めたイベントの遷移に含まれる、前記最新のイベント又は前記抽出したイベントのうちの所定のイベントから前記抽出した各イベントへの遷移のログ発生個数によって前記抽出した各イベントに重みづけを行い、前記抽出した各イベントを検出するセンシング部の重みづけ後の値を検出されるセンシング部毎に集計し、前記抽出したイベントの重みづけ後の値の総和に占める各センシング部の重みづけ後の値の総和の割合を算出する、
    請求項8に記載の携帯型情報処理装置。
  11. 前記イベント遷移情報は、前記複数のセンシング部によって取得済みのイベント間の遷移のログ発生個数と、前記イベント間の各遷移の遷移時間の分布とを含み、
    前記制御部は、前記選択された各センシング部について、前記求めたイベントの遷移に含まれる、前記イベント遷移情報中の前記最新のイベント及び前記抽出したイベントのうちの所定のイベントから前記抽出した各イベントへの遷移のログ発生個数の総数に占める、前記各センシング部によって検出されるイベントへの前記所定のイベントからの遷移時間の分布の前記経過時間におけるログ発生個数を各センシング部について集計した総数の割合を算出し、前記割合に応じて、動作インターバルを決定する、
    請求項2から7のいずれか一項に記載の携帯型情報処理装置。
  12. 携帯型情報処理装置の現在位置を示す場所情報に変換可能な情報を取得し、該情報から変換により得られる前記場所情報に関して発生するイベントを検出する複数のセンシング部を備える複数の携帯型情報処理装置と、サーバと、を備える情報処理システムであって、
    前記サーバは、
    前記複数の携帯型情報処理装置によって検出されたイベントの履歴情報を受信する受信部と、
    前記履歴情報を集計し、前記複数のセンシング部によって取得済みのイベント間の遷移の順序と前記遷移の間の経過時間との関係を示すイベント遷移情報を生成する生成部と、
    前記イベント遷移情報を前記複数の携帯型情報処理装置に送信する送信部と、
    を備え、
    前記複数の携帯型情報処理装置は、それぞれ、
    前記イベント遷移情報を受信する受信部と、
    前記イベント遷移情報を記憶する記憶部と、
    前記複数のセンシング部のいずれかによって検出された最新のイベントを現在のイベントとして求め、前記イベント遷移情報中で前記現在のイベントに対応するイベントから遷移する遷移先のイベントへの遷移時間と、前記現在のイベントが検出された時からの経過時間との関係から、前記イベント遷移情報中の前記遷移先のイベントを検出したセンシング部の動作状態を制御する制御部と、
    を備える、
    情報処理システム。
  13. 前記携帯型情報処理装置の前記制御部は、前記選択された各センシングについて、前記抽出したイベントの総数に占める前記各センシング部によって検出されるイベントの総数の割合を算出し、前記割合に応じて動作インターバルを決定する、
    請求項12に記載の情報処理システム。
  14. 前記サーバの前記生成部は、前記履歴情報について、前記複数のセンシング部によって取得済みのイベント間の遷移のログ発生個数を集計し、前記イベント遷移情報に含め、
    前記携帯型情報処理装置の前記制御部は、前記選択された各センシング部について、前記イベント遷移情報に基づいて、前記求めたイベントの遷移に含まれる、前記最新のイベント又は前記抽出したイベントのうちの所定のイベントから前記抽出した各イベントへの遷移のログ発生個数によって前記抽出した各イベントに重みづけを行い、前記抽出した各イベントを検出するセンシング部の重みづけ後の値を検出されるセンシング部毎に集計し、前記抽出したイベントの重みづけ後の値の総和に占める各センシング部の重みづけ後の値の総和の割合を算出する、
    請求項12に記載の情報処理システム。
  15. 前記サーバの前記生成部は、前記履歴情報について、前記複数のセンシング部によって取得済みのイベント間の遷移のログ発生個数と、前記イベント間の各遷移の遷移時間の分布とを集計し、前記イベント遷移情報に含め、
    前記携帯型情報処理装置の前記制御部は、前記イベント遷移情報に基づいて、前記選択された各センシング部について、前記求めたイベントの遷移に含まれる、前記最新のイベント及び前記抽出したイベントのうちの所定のイベントから前記抽出した各イベントへの遷移のログ発生個数の総数に占める、前記各センシング部によって検出されるイベントへの前記所定のイベントからの遷移時間の分布の前記経過時間におけるログ発生個数を各センシング部について集計した総数の割合を算出し、前記割合に応じて、動作インターバルを決定する、
    請求項12に記載の情報処理システム。
  16. 携帯型情報処理装置の現在位置を示す場所情報に変換可能な情報を取得し、該情報から変換により得られる前記場所情報に関して発生するイベントを検出する複数のセンシング部を備える携帯型情報処理装置が、
    前記複数のセンシング部によって取得済みのイベント間の遷移の順序と前記遷移の間の経過時間との関係を示すイベント遷移情報を記憶し、
    前記複数のセンシング部のいずれかによって検出された最新のイベントを現在のイベントとして求め、前記イベント遷移情報中で前記現在のイベントに対応するイベントから遷移する遷移先のイベントへの遷移時間と、前記現在のイベントが検出された時からの経過時間との関係から、前記イベント遷移情報中の前記遷移先のイベントを検出したセンシング部の動作状態を制御する、
    情報処理方法。
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