JP5199152B2 - 行動予測方法及び行動予測システム - Google Patents

行動予測方法及び行動予測システム Download PDF

Info

Publication number
JP5199152B2
JP5199152B2 JP2009059195A JP2009059195A JP5199152B2 JP 5199152 B2 JP5199152 B2 JP 5199152B2 JP 2009059195 A JP2009059195 A JP 2009059195A JP 2009059195 A JP2009059195 A JP 2009059195A JP 5199152 B2 JP5199152 B2 JP 5199152B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
behavior
action
event
sensor
content
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009059195A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010211679A (ja
Inventor
敬 鈴木
正裕 本林
裕之 栗山
隆彦 新谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2009059195A priority Critical patent/JP5199152B2/ja
Publication of JP2010211679A publication Critical patent/JP2010211679A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5199152B2 publication Critical patent/JP5199152B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)

Description

本発明は、人の行動を予測するシステムに関し、特にセンシングデバイスによって測定した被験者の行動に関するデータから任意の対象者の行動を予測する技術に関するものである。
近年、携帯電話やGPS(Global Positioning System)装置、加速度センサ等を搭載した小型のセンシングデバイス、あるいはICカード等、様々な電子デバイスにより人の行動データを長期間取得する事が可能になってきた。このような行動データを用いて対象者がどのような行動をしているかを予測する技術が研究されている。
ひとつの方向としては、センシングデバイス等で収集したデータを解析して、行動の予測または予測を行い、対象者が現在何をしているかを推測する方法である。例えば、特許文献1では、行動の推測の精度を向上させるため、個人毎の特性を加味した解析手法を開示している。また、特許文献2では、性別や年齢別に収集した行動データを基に、年齢や性別が既知の対象者が、ある期間内に何をしていたかを予測する技術を開示している。
特開2006−134080号 特開2008−123487号
上記従来例において、前者の従来例(特許文献1)は、第1の要素として行動を予測する前提として対象者自身が、行動の予測に必要な十分な量の情報が得られるセンサ類を携帯、または装着して行動していなければならない。そして、センシングデバイスで検出したデータを蓄積していかなければならない。また、後者の従来例(特許文献2)は、第2の要素として、行動の予測について十分な精度を得るためにはあらかじめ詳細な行動データを収集しておく必要があり、また、第3の要素として、対象者の属性(ここでは年齢・性別)が既知でないと予測できない。
特に、第1の要素においては、対象者は推測に必要なセンサ類を常時携帯、または装着している必要があり、そのためのデバイス、およびデータ収集にはコストがかかる、という課題がある。第2の要素においても同様であり、あらかじめ対象者の詳細な行動データを収集するためには多大なコストが必要となる。第3の要素は、上記特許文献2の手法は対象者の属性が既知の場合の予測方法であって、対象者の属性が未知の場合には対応できないという課題がある。
そこで、本発明は、情報の収集に関するコストを抑制しながらも、属性が不明の任意の対象者の行動の予測を可能にすることを目的とする。
本発明は、複数の被験者に付与した第1のセンサと、予測対象者の行動をイベントとして検出する第2のセンサと、前記第1のセンサと第2のセンサに接続された計算機と、を備えて、前記複数の被験者に付与した第1のセンサから収集した行動に関する情報と、第2のセンサが検出した予測対象者のイベントから前記予測対象者の行動を予測する行動予測方法であって、前記計算機が、前記複数の被験者に付与した第1のセンサから行動に関する情報を連続的に収集して濃いデータとして蓄積するステップと、前記計算機が、前記蓄積した濃いデータから前記被験者の行動内容を時系列的に結合した行動モデルを生成するステップと、前記計算機が、前記第2のセンサが検出したイベントを薄いデータとして収集するステップと、前記計算機が、前記収集したイベントのうち予測対象者のイベントを抽出するステップと、前記計算機が、予め設定した定義に基づいて、前記抽出したイベントに対応する行動内容を特定するステップと、前記計算機が、前記特定した行動内容と前記行動モデルとを比較して、前記イベントに対応する行動内容が一致する行動モデルを抽出するステップと、前記計算機が、前記抽出した行動モデルに含まれる行動内容を前記予測対象者の行動として選択するステップと、を含む。
さらに、前記計算機が、前記蓄積した濃いデータから前記被験者の行動内容を時系列的に結合した行動モデルを生成するステップは、前記被験者の1日の行動内容を当該行動内容の開始時刻と終了時刻を設定して時系列に結合して行動モデルを生成し、前記結合した行動モデルのうち行動内容の出現順序が異なる行動モデルから状態遷移グラフを生成し、前記計算機が、前記第2のセンサが検出したイベントを薄いデータとして収集するステップは、前記第2のセンサが検出したイベントと当該イベントの発生時刻を収集し、前記計算機が、前記収集したイベントのうち予測対象者のイベントを抽出するステップは、前記予測対象者のイベントのうち1日のイベントをイベント列として抽出し、前記計算機が、前記特定した行動内容と前記行動モデルとを比較して、前記イベントに対応する行動内容が一致する行動モデルを抽出するステップは、前記イベント列と前記状態遷移グラフを比較して、前記イベント列を構成するイベントのそれぞれについて、各イベントに対応する行動内容の開始時刻と終了時刻の間に前記イベントの発生時刻が含まれる状態遷移グラフのマッチ度数を加算し、状態遷移グラフのうち最もマッチ度数の高いものを抽出する。
したがって、本発明によれば、予め被験者の生活行動から行動モデルを作成しておくことで、行動予測を実施する対象者はコストのかかる第1のセンサを所持する必要がなく、また対象者自身の性別、年齢などの属性を公開することなく、コストのかからない第2のセンサから取得できるデータから対象者の行動を予測することが可能となる。
本発明の第1の実施の形態を示し、行動予測システムの全体的な処理を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態を示し、行動予測システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態を示し、濃いデータを採取するセンサノード10の一例を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態を示し、図2に示したサーバを含む第1のセンサネットワークシステムを示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態を示し、計算サーバの行動モデル生成部で行われる処理の一例を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態を示し、運動頻度と時刻の関係を示すグラフである。 本発明の第1の実施の形態を示し、運動頻度を算出するための説明図で加速度と時間の関係を示す。 本発明の第1の実施の形態を示し、 PCの表示部に表示される行動履歴入力画面の画面イメージである。 本発明の第1の実施の形態を示し、生活行動モデルを格納する行動内容格納テーブルの一例を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態を示し、生活行動モデルを格納する行動内容格納テーブルを1日単位で分割した例を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態を示し、行動モデル生成部が行う生活行動パターンの生成処理の一例を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態を示し、行動内容のリスト構造である。 本発明の第1の実施の形態を示し、リスト構造の説明図である。 本発明の第1の実施の形態を示し、節点が2つのシーケンスと節点が3つのシーケンス(状態遷移)のリスト構造例を示す。 本発明の第1の実施の形態を示し、節点が2つのシーケンスと節点が3つのシーケンス(状態遷移)の状態遷移グラフを示す。 本発明の第1の実施の形態を示し、状態遷移付加情報格納テーブル900の構造を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態を示し、節点に行動内容を付与した状態遷移グラフである。 本発明の第1の実施の形態を示し、節点に行動内容を付与し、行動内容の繰り返し構造を備える状態遷移グラフである。 本発明の第1の実施の形態を示し、図11のステップS103で行われる状態遷移グラフの生成処理の詳細を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態を示し、イベント内容格納テーブルの一例を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態を示し、行動マッチ度算出部で行われる処理の一例を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態を示し、図21のステップS204で行われるマッチ度算出処理の詳細を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態を示し、行動予測部で行われる処理の一例を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態を示し、同一構造のリスト(状態遷移グラフ)をひとつにまとめた結果を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態を示し、行動内容の分岐を含む状態遷移グラフである。 本発明の第1の実施の形態を示し、節点と枝の関係を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態を示し、遷移確率付き状態遷移グラフである。 本発明の第1の実施の形態を示し、各節点の行動内容と開始時刻及び終了時刻に関連する情報を含む状態遷移グラフである。 本発明の第1の実施の形態を示し、行動予測対象者の薄いデータと、当該薄いデータから行動予測を行った結果の濃いデータを示すグラフである。 本発明の第1の実施の形態を示し、行動予測対象者の薄いデータから行動予測を行った結果の濃いデータを示すグラフと状態遷移グラフ及びイベント内容格納テーブル1300の関係を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態を示し、行動予測システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態を示し、交通系ICカードの不揮発性メモリに保持されるデータの一例を示す説明図である。
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態を示し、行動予測システムの全体的な処理を示すブロック図である。
本発明の行動予測システムは、「濃いデータ」と呼ぶ単一または複数のセンサノード10により生成されたセンシングデータ101〜104から、生活行動モデルを提供する複数の人(以下、被験者)の生活行動の記録データ101〜112を採取し、記録データ101〜112から被験者の生活行動のモデルを生成し、生成した生活行動モデルを複数のパターンに分類して状態遷移グラフを生成する行動モデル生成部115と、生成した生活行動モデル116(状態遷移グラフ)と、行動の予測を行う対象者(以下、行動予測対象者)の「薄いデータ」の供給源から取得したイベントを格納する記録データ125と、濃いデータの要素(行動内容)と薄いデータ(イベント)の対応関係を定義しておき、この定義135に基づいて行動モデル116と薄いデータからなる記録データ125を比較し、生活行動モデル116の各パターンのうち薄いデータのタイミングが一致する度合いをマッチ度数(優先順位)として算出する行動マッチ度数算出部130と、算出されたマッチ度数から行動予測対象者の生活行動モデルのパターンを決定し、現時点および将来の行動を予測する行動予測部140と、及び行動の予測結果を表示する表示部150からなる。
ここで、「濃いデータ」とは、当該濃いデータを採取する際にコストはかかるが人の行動の予測をするのに適したセンサ類から得られる情報量の多いデータを示し、「薄いデータ」とは、当該薄いデータを採取する際にかかるコストが低いセンサ類から得られる情報量の少ないデータを示す。
本発明では、濃いデータを提供する被験者と、薄いデータを提供する行動予測対象者は異なる。まず、加速度センサを含むセンサノード10で複数の被験者の1日の生活行動をセンシングデータ101〜104として24時間連続的に採取し、記録データ109〜112として蓄積しておく。記録データ109〜112は、例えば、数週間分あるいは数ヶ月分といった所定の期間のセンシングデータ101〜104を蓄積する。
次に、行動モデル生成部115は、蓄積した複数の被験者の生活行動の記録データ109〜112を、複数のパターンに分類して1日単位のパターンを複数の行動モデル116(状態遷移グラフ)として生成しておく。
一方、行動予測対象者からの薄いデータとしては、例えば、交通系ICカード(または交通系ICチップを供えた携帯機器)などの使用履歴を用いる。この場合、交通系ICカードを検出するセンサとしては、駅に備えられた改札機のリーダライタ121やバスに備えられた運賃徴収機や売店に備えられた点灯端末機のリーダライタである。センサとしてのリーダライタ121は、交通系ICカードの使用履歴をイベントして扱い、このイベントを含むセンシングデータ120を、薄いデータである記録データ125として計算機に蓄積する。そして、行動予測対象者の行動を検知するセンサとしてのリーダライタ121は、既に交通機関や商店に設置されており、行動予測を行うために新たに設置する必要はない。このため、本発明の行動予測システムを実施するのに当たって、新たな設備投資が不要な低コストのセンサとして利用することができる。
次に、行動マッチ度数算出部130が、行動を予測する行動予測対象者の薄いデータである記録データ125を取得し、予め蓄積しておいた複数の被験者の生活行動モデル116と薄いデータ(イベント)の定義135に基づいて比較を行い、行動予測対象者の記録データ125に対応する行動内容が、複数の生活行動モデル116についてマッチするか否かを示すマッチ度数を求める。
そして、行動予測部140は、算出されたマッチ度数から行動予測対象者の行動パターンを予測し、現時点または将来の行動を予測する。例えば、センサとしてのリーダライタ121が駅に備えられた改札機のリーダライタの場合、ある行動予測対象者が交通系ICカードを使用したときのイベントが、生活行動モデル116の「通勤」という行動内容に対応するという定義135を予め設定しておく。また、センサとしてのリーダライタ121が商店に備えられた店頭端末機のリーダライタの場合は、交通系ICカードを使用したときのイベントが、生活行動モデル116の「買い物」という行動内容に対応するという定義135を予め設定しておく。
そして、交通系ICカードを使用した時刻(イベントの発生時刻)と行動内容が通勤である生活行動モデル116を参照し、上記時刻で通勤の行動内容を含む生活行動モデル116のマッチ度数を求める。そして、最もマッチ度数の高い生活行動モデル116のパターンを行動予測対象者の生活行動モデル116として選択し、当該行動予測対象者が次に行う行動を予測する。これにより、センサとしてのリーダライタ121を設置した駅の利用者の行動を予測するデータを構築でき、このデータを、例えば、マーケッティングなどに利用することができるのである。
図2は、本発明の第1の実施の形態を示し、行動予測システムの構成を示すブロック図である。
被験者210は、複数であり「濃いデータ」を提供する人の集合である。被験者210は生体情報を連続的に取得してセンシングデータとして送信するセンサノード10をそれぞれ装着し、生活行動のデータを収集する。センサノード10が送信したセンシングデータは、基地局を介してサーバ217、218に蓄積される。なお、センサノード10とサーバ217、218は濃いデータを収集する第1のセンサネットワークシステムとして機能する。
本実施形態では、センサノード10を被験者210の腕に装着し、被験者210の生体情報として加速度をほぼ連続的に測定し、加速度から被験者210の生活行動モデル116を生成する例を示す。
サーバ217、218は、各被験者210の生体情報を記録データ109〜112として蓄積し、所定のタイミングでデータサーバ250(記憶部)に送信する。
行動予測対象者230は、「薄いデータ」を提供する人または人の集合である。行動予測対象者230は交通系ICカード231を所持しており、駅や店舗などに設置されたセンサとしてのリーダライタ121が交通系ICカード231の使用(イベント)を検出する。センサとしてのリーダライタ121は、例えば、交通系ICカード231の読み書きを行うリーダライタで構成され、センサとしてのリーダライタ121が取得した情報を薄いデータ(センシングデータ120)としてデータサーバ250に送信し、データサーバ250はセンシングデータ120を薄い記録データ125として格納する。
行動予測対象者230の交通系ICカード231を検出して読み書きを行うセンサとしてのリーダライタ121は、薄いデータを収集する第2のセンサネットワークシステムとして機能する。
第1のセンサネットワークのサーバ217、218及び第2のセンサネットワークシステムのセンサとしてのリーダライタ121はネットワーク240を介してデータサーバ250に接続される。このネットワーク240には、データサーバ250に格納された濃いデータと薄いデータから、薄いデータを提供した行動予測対象者230の行動を予測する計算サーバ260と、計算サーバ260を制御するPC270が接続される。
計算サーバ260は、図1に示した行動モデル生成部115と、行動モデル116と、行動マッチ度数算出部130及び行動予測部140を備え、行動予測部140は予測結果をPC270に出力する。PC270は、図1に示した表示部150を備える。また図示はしないが、PC270は行動の予測を行う行動予測対象者230を指定したり、計算サーバ260の各種設定等を行う入力部を備える。
計算サーバ260は、まず、行動モデル生成部115が第1のセンサネットワークシステムのサーバ217、218から送られた濃いデータ(記録データ101〜112)から各被験者210の生活行動のモデルを生成し、生成した生活行動モデルを複数のパターンに分類して生活行動モデル116(状態遷移グラフ)を生成する。状態遷移グラフは、被験者210の行動内容を時系列的に結合した1日単位の情報として生成される。そして、PC270が指定した行動予測対象者230について、行動マッチ度数算出部130がデータサーバ250に格納された薄いデータとしての記録データ125を抽出し、行動モデル生成部115が生成した生活行動モデル116及び状態遷移グラフと薄いデータとしての記録データ125を比較し、各状態遷移グラフの行動内容のパターンと、薄いデータが示す行動内容の出現時刻の一致度をマッチ度数として算出する。次に、行動予測部140は、算出されたマッチ度数の順位で状態遷移グラフを選択し、この状態遷移グラフに対応する生活行動モデル116から当該行動予測対象者の生活行動を予測し、予測結果をPC270に送信する。なお、本実施形態では、生活行動モデル116と状態遷移グラフは等価である。
このように、本発明では、24時間連続的に採取した濃いデータとしての加速度から1日単位の生活行動モデル116を被験者毎に多数作成しておく。そして、行動予測対象者の生活行動を交通系ICカードの使用履歴から取得し、定義135により交通系ICカードの使用場所から生活行動モデル116の行動内容を特定する。そして、交通系ICカードの使用という断片的なイベントが、複数の生活行動モデル116の中から一致するものをマッチ度数を用いて抽出する。そして、抽出した生活行動モデル116の行動内容を行動予測対象者の行動としてPC270に提示するのである。
図3は、濃いデータを採取するセンサノード10の一例を示すブロック図である。
腕輪型センサノード10は、人体の腕に装着するケースの内部に基板11を設け、この基板11に電子回路が構成される。図3において、基板11には、基地局と通信を行うアンテナ5を備えた無線通信部(RF)2と、PCと有線接続するUSB通信部39と、生体情報を測定するセンサ6と及び無線通信部2を制御するマイクロコンピュータ3と、マイクロコンピュータ3を間欠的に起動するためのタイマとして機能するリアルタイムクロック(RTC)4と、各部に電力を供給する電池7と、センサ6への電力の供給を制御するスイッチ8が配置される。また、スイッチ8とセンサ6の間には、バイパスコンデンサC1が接続されてノイズの除去や、充放電の速度を低減して無駄な電力消費を防ぐ。バイパスコンデンサC1への充放電回数を減らすようにスイッチ8を制御することによって、無駄な電力消費を抑えることが可能になる。
マイクロコンピュータ3は、演算処理を実行するCPU34と、CPU34で実行するプログラムなどを格納するROM33と、データなどを格納するRAM32と、RTC4からの信号(タイマ割り込み)に基づいてCPU34に割り込みをかける割り込み制御部35と、センサ6から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバータ31と、無線通信部2及びUSB通信部39との間でシリアル信号にて信号の送受を行うシリアルコミュニケーションインターフェース(SCI)36と、無線通信部2及びUSB通信部39とスイッチ8を制御するパラレルインターフェース(PIO)37と、マイクロコンピュータ3内の上記各部へクロックを供給する発振部(OSC)30とを含んで構成される。そして、マイクロコンピュータ3内の上記各部はシステムバス38を介して接続される。RTC4は、マイクロコンピュータ3の割り込み制御部35に予め設定されている所定の周期で割り込み信号(タイマ割り込み)を出力し、また、SCI36へ基準クロックを出力する。PIO37はCPU34からの指令に応じてスイッチ8のON/OFFを制御し、センサ6への電力供給を制御する。
腕輪型のセンサノード10は、所定の周期(例えば、1分等)でマイクロコンピュータ3を起動して、センサ6からセンシングデータを取得し、取得したセンシングデータに腕輪型のセンサノード10を特定する識別子とタイムスタンプを付与して基地局またはPCへ送信する。なお、腕輪型のセンサノード10の制御の詳細は、例えば、特開2008−59058号公報等と同様にすることができる。なお、腕輪型のセンサノード10は、連続的に取得したセンシングデータを、周期的に基地局2170またはPCへ送信するようにしても良い。
なお、センサノード10が取得する濃いデータとしての生体情報は、加速度のみに限定されるものではなく、被験者210の行動や場所(移動の履歴)を特定可能な情報であればよく、例えば、脈拍などの生体情報を用いたり、被験者210が保持する携帯電話の位置情報(例えば、GPS情報)を生体情報として用いても良い。また、濃いデータとしては、携帯電話の通話やメールの履歴、パーソナルコンピュータやそれに類する電子機器の操作履歴、交通系ICカード(電子式乗車券)や流通系ICカード(電子マネー)やクレジットカードや銀行のキャッシュカード等の利用履歴、ICカードやRFIDを用いた入退室の利用履歴、時間毎の歩数を記録できる歩数計、携帯型のGPS装置やカーナビゲーションシステム上に残る自動車の走行記録、撮影時刻が電子的に記録されるデジタルカメラ、人手で入力した記入時刻入りのコメント、など、あるいはそれらの組み合わせが挙げられる。
図4は、図2に示したサーバ217、218を含む第1のセンサネットワークシステムを示すブロック図である。腕輪型センサノード10が送信したセンシングデータは、PC又は基地局2170を介してサーバ217のデータ格納部2171に蓄積される。なお、サーバ218を含むセンサネットワークシステムも図4と同様であるので、重複した説明は省略する。
サーバ217は、図示しないプロセッサとメモリ及びストレージ装置を備えて、被験者210の腕の加速度をセンサノード10で測定したセンシングデータ101〜104をデータ集計部2172で集計し、データ格納部2171へ格納しておき、所定のタイミング(例えば、1日毎など)でセンシングデータ101〜104をデータサーバ250へ送信する。データ集計部2172は、単位時間(例えば、1分間)毎のセンシングデータ101〜104の集計値を算出し、被験者210毎のセンシングデータ101〜104の集計値をデータ格納部2171に格納する。
<行動モデル生成部>
次に、図5は、計算サーバ260の行動モデル生成部115で行われる処理の一例を示すフローチャートである。行動モデル生成部115は、特願2008−321728と同様の処理であり、以下に概要を説明する。
行動モデル生成部115は、シーン分割部S2と、シーン列挙部S3と、行動獲得部S4〜S8から構成される。
シーン分割部S2は、データサーバ250に格納された記録データ109〜112を読み込んで解析を行い、被験者210の記録データ109〜112毎に個別の動作状態であるシーン領域および個々の運動状態であるシーン断片を抽出する。
シーン列挙部S3は、前記抽出したシーン領域とシーン断片に対して、過去のデータから作成したルール、または、予め登録したシーン判定ルールを適用することによって、行動内容の候補であるシーンを抽出する。
行動獲得部S4〜S8は、前記抽出したシーンを被験者210のPC270に提示し、PC270のオペレータまたは管理者が選択したシーンを被験者210が申告した行動内容と共にデータサーバ250に格納する。
なお、データサーバ250に格納される記録データ109〜112には腕輪型センサノード10の識別子が付与されている。また、行動内容、動作状態、シーン、および、行動記録のデータには被験者210を特定する識別子(例えば、腕輪型センサノード10の識別子)が付与されて、被験者210を識別することができる。
シーン分割部S2とシーン列挙部S3と行動獲得部S4〜S8は、例えば、プログラムとしてストレージ装置(記憶媒体)に格納され、所定のタイミングで計算サーバ260のメモリへロードされてプロセッサにより実行される。なお、以下では、計算サーバ260が、シーン分割部S2とシーン列挙部S3を所定の周期(例えば、5分間)毎に実行する例、および、行動獲得部S4〜S8をオペレータ(または管理者)から要求されたタイミングで実行する例を示す。
図5において、まず、ステップS1では、計算サーバ260がデータサーバ250に格納された記録データ109〜112を取得する。これらの記録データ109〜112は、図4に示したサーバ217により、センシングデータ101〜104から単位時間毎の運動頻度を算出したものである。この運動頻度(または動作頻度)の算出結果は図6で示すように単位時間毎の運動頻度を時系列的にソートしたデータとなる。運動頻度の算出方法は、後述する。
そして、図7で示すように、記録データ109〜112にフィルタ処理を施した加速度のスカラー量が所定の閾値(例えば、0.05G)となった回数をゼロクロス回数として算出する。あるいは、加速度のスカラー量が所定の閾値をよぎった回数をゼロクロス回数とする。そして、所定の時間間隔(単位時間)内のゼロクロス回数を運動頻度として求める。また、所定の時間間隔内の運動量の積分値をゼロクロス回数とスカラー量から求めて、この積分値を運動強度とする。またセンシングデータに含まれる温度についても所定の時間間隔内の平均温度を求める。なお、運動頻度は、XYZの各方向の加速度の値が、正と負に振動した回数(振動数)を各方向の所定時間内に数えて合計してもよいが、本実施形態では、計算を簡略化することができるため、ゼロクロス回数を算出する方法について説明した。
次に、ステップS2では、計算サーバ260が所定の周期になるとデータサーバ250に蓄積された記録データ109〜112から利用者の一連の動作状態であるシーン領域、および、シーン領域を構成する運動であるシーン断片を作成する。
このシーン領域の作成処理は、センシングデータまたは集計データから抽出可能である所定の動作状態(例えば、歩行、睡眠)を検出し、検出された動作状態、および、検出された動作状態と次の動作状態に挟まれた期間をシーン領域として抽出し、後述する所定の判定ルールを用いて睡眠、安静、軽作業、作業、歩行、運動の動作内容を判定し、各シーン領域に割り当てるものである。
さらに、シーン断片の作成処理は、前記抽出されたシーン領域毎に、センシングデータまたは所定時間単位のセンシングデータの集計データから時系列的なデータの変化点を検出し、変化点から次の変化点までを1つの運動単位または状態単位であるシーン断片として抽出する。センシングデータまたは集計データの変化点とは、激しく動いている状態から静かになった時点などを変化点として抽出する。シーン断片は、シーン断片の抽出方法とシーン断片のグループ分け方法に応じて断片分類が割り当てられる。シーン断片の抽出方法は、シーン断片の抽出に用いるセンシングデータの種類である。シーン断片のグループ分け方法は、シーン断片にグループの識別子である断片分類の値を割り当てるために用いたセンシングデータの内容であり、運動量の統計値を用いたグループ分け、センシングデータの類似度を用いたグループ分け、集計データの類似度を用いたグループ分けなど1以上のグループ分けからなる。そして、断片分類ごとに当該断片分類のグループ分け方法によりグループの識別子である断片分類の値を割り当てる。
このように、シーン断片の抽出のために用いるセンシングデータと、当該シーン断片のグループ分けのために用いるセンシングデータとが同じ種類のみならず、異なる種類であることを特徴とする。例えば、人が屋内から屋外へ出る場合、加速度の変化に比べて温度の変化が著しい場合を想定する。このような場合、加速度データから抽出される各シーン断片を、加速度の類似度を用いてグループ分けするよりも、温度の類似度を用いてグループ分けをした方が、その人の行動をより正確に示す指標となる。そのため、温度の類似度を用いてグループ分けをしたデータをも算出し、後述するシーン判定ルールに基づいて行動内容を判定することにより、判定精度を高めることが可能となる。
上記の処理により、シーン分割部S2は所定の周期毎にシーン領域とシーン断片を作成し、データサーバ250に格納する。
次に、計算サーバ260は、ステップS3でシーン分割部S2が抽出したシーン領域とシーン断片、および、前後の行動内容が既に確定している場合にはその行動内容を、登録されているシーン判定ルールに従って判定し、利用者の行動内容の候補であるシーンを作成し、データサーバ250に格納する。
登録されたシーン判定ルールは、被験者210毎の過去の行動内容、シーン領域、シーン断片のデータから抽出したルール、または、被験者210を含むデータサーバ250に格納された行動内容、シーン領域、シーン断片のデータから作成したルール、または、既知の知識を用いて構築したシーン判定ルールである。具体的には、行動内容、シーン領域、シーン断片、時間情報の組合せと順序パターンから作成された行動内容の候補であるシーンを判定するシーン判定ルールである。
例えば、早朝の歩行という動作内容であれば、具体的な行動内容の候補は散歩とすることができ、あるいは、「起床後30〜90分の間で歩行(10−15分)、安静(20−25分)、歩行(7−10分)であれば、その利用者の通常の生活においては定型化している「通勤」として判定する。なお、行動内容は動作内容の組合せなので、多くの場合複数のシーン領域から成り立つが、上述の散歩のように、単一の動作内容と時刻から定まる行動内容も存在する。
次に、行動獲得部S4〜S8は、データ格納部に格納されたシーンから、利用者が行った行動内容に一致する可能性の高い順に提示する優先順位を付与する(ステップS4)。
次に、計算サーバ260は、ステップS5で、上記優先順位に従って、各シーンをPC270に提示する。ステップS6では、PC270を操作するオペレータまたは管理者が、計算サーバ260が抽出したシーンに対応する行動内容を確認し、優先順位の順で提示されたシーンを選択することで、被験者210毎に日々の行動記録を生成することができる。
次に、ステップS7では、PC270で選択されたシーンを行動記録として確定する。
こうして作成された行動記録は、ステップS8で被験者210の識別子と作成日時などのタイムスタンプとともに、データサーバ250へ格納される。
図8は、PC270の表示部150に表示される行動履歴入力画面1200の画面イメージである。計算サーバ260は、PC270からユーザID等を受け付けて、指定された被験者210の記録データ109〜112と、シーン領域データおよびシーンを行動履歴入力画面1200に表示させる。なお、PC270で稼動するアプリケーションとしては、ブラウザを採用することができる。
行動履歴入力画面1200は、記録データ109〜112の運動頻度を測定日時の位置で棒グラフにて表示する運動頻度1201と、シーン領域データに格納された領域内容を表示する動作内容1202と、シーン領域データの開始日時と終了日時を表示する時刻表示1203と、行動記録を入力または表示する行動内容1204と、行動記録の入力を行う日時を設定する日時プルダウンメニュー1205と、複数のシーン領域を手動にて結合する指令を計算サーバ260へ送信するためのシーン結合ボタン1206と、マウスカーソルなどで被験者210が指定した行動内容1203を入力する行動内容入力ボタン1207と、入力の完了を指令する入力終了ボタン1208とを備える。図示の行動履歴入力画面1200では、行動内容1204の入力が完了した状態を示している。
PC270を操作するオペレータまたは管理者が、行動履歴入力画面1200の行動内容入力ボタン1207を選択した後に、行動内容1204を選択すると、上記行動獲得部S4で求めた行動内容の候補が表示される。オペレータまたは管理者は、PC270の入力部1032を構成するマウス等の操作によって、行動内容の候補を選択し、あるいは行動内容の候補に所望の項目がない場合には手動で行動内容を入力することができる。
計算サーバ260は、被験者210が行動内容1204を選択すると、上記シーン分割部300がシーンデータのエントリ毎に予測した行動内容の候補を行動内容に表示させる。
以上のように、加速度データから抽出した複数のシーン領域を結合し、時刻に対応付けた行動内容1204が被験者210毎の生活行動モデル116として生成される。例えば、3つのシーン領域が、歩行、安静、歩行という時系列で並んでいるデータについては、駅まで徒歩で移動し、電車などの交通機関で目的の駅などに移動し、さらに職場へ向けて徒歩で移動すると被験者210が申告した場合、生活行動モデル116の行動内容としては「通勤」に決定される。計算サーバ260の行動モデル生成部115では、複数の被験者210毎に生活行動モデル116を生成し、データサーバ250の行動内容格納テーブル800に格納する。なお、生活行動モデル116としては、多数の人の生活行動モデル116を作成しておくのが好ましく、例えば、学生、会社員、主婦などや、平日の生活行動モデル116及び休日の生活行動モデル116などを作成しておくことが望ましい。上記処理により、被験者210の1日の行動内容は、例えば、睡眠から起床して軽作業のシーン領域の「支度」を行い、歩行、安静、歩行のシーン領域を結合した「出勤」と、安静と軽作業のシーン領域を結合した「仕事」と、歩行、安静、歩行のシーン領域を結合した「退勤」と、「安静」、「睡眠」となる。
<行動モデル生成部>
図9は生活行動モデル116を格納する行動内容格納テーブル800の一例を示す説明図である。
生活行動モデル116の生成で得られたひとつの行動内容(例えば、「出勤」)は、図9に示すように行動内容格納テーブル800に格納される。
行動内容格納テーブル800のひとつのレコードには、行動内容の識別子を格納する行動内容ID801と、被験者210の識別子を格納するユーザID802と、当該行動内容の開始日時803と、当該行動内容の終了日時804と、当該行動内容の項目ID805と、当該行動内容を示す行動内容項目806と、当該行動内容の開始時刻の最小値807と、当該行動内容の開始時刻の最大値808と、当該行動内容の開始時刻の平均値809と、当該行動内容の開始時刻の標準偏差値810と、当該行動内容の終了時刻の最小値811と、当該行動内容の終了時刻の最大値812と、当該行動内容の終了時刻の平均値813と、当該行動内容の終了時刻の標準偏差値814と、当該行動内容の継続時間の最小値815と、当該行動内容の継続時間の最大値816と、当該行動内容の継続時間の平均値817と、当該行動内容の継続時間の標準偏差値818と、を含む。
図11は、行動モデル生成部115が行う生活行動パターンの生成処理の一例を示すフローチャートである。行動モデル生成部115は、生成した生活行動モデル116を各被験者210毎に1日単位で分割し(S101)、1日の生活行動モデル116から生活行動パターンを列挙する(S102)。そして、行動モデル生成部115は、列挙した生活行動パターンから状態遷移グラフを生成し(S103)、生活行動パターンが類似する状態遷移グラフを融合し(S104)、さらに、生成した状態遷移グラフを被験者210毎に融合し、データサーバ250に格納する。
まず、ステップS101では、行動モデル生成部115がデータサーバ250から生活行動モデル116を読み込んで、各生活行動モデル116を1日単位で分割する。
図10は生活行動モデル116を格納する行動内容格納テーブル800を1日単位で分割した例を示す説明図である。図10は、ある行動内容が継続している場合に、1日の区切りを午前3時で行う例を示す。1日の生活行動モデル116の区切りは、人が行動していないことが望ましい。このため、多くの人の行動内容が睡眠となる午前3時を1日の区切りとする。この例では、23時31分から6時5分まで当該行動内容が継続する場合であり、一つの行動内容は、23時31分から2時59分までと、3時0分から6時5分までの2つのレコード811,812に分割される。
この結果、生活行動モデル116は、1日単位で被験者210毎の行動の順序をリスト構造で表現することができる。ここで、リスト構造とは、図13で示すように、ひとつの行動内容(図9の行動内容項目)と、次の行動内容への遷移をグラフの節点601と枝(611−1,611−2,611−3,621)で表現するものである。これをデータ構造として図12に示す。
図12は行動内容のリスト構造を示し、図13に示した接点と枝で構成される、次の行動内容として3つの行動内容を持つ節点511−1〜511−3と枝512−1、512−2の構造である。節点501、511−1〜511−3自体の情報は図9に示した行動内容格納テーブル800と枝の情報511−1〜511−3をそれぞれ指す2つのポインタからなる。枝の情報511−1〜511−3は、図16に示す枝の状態遷移付加情報格納テーブル900へのポインタ513−1〜513−3と、他の枝情報へのポインタ512−1、512−2と、遷移先の節点情報へのポインタ514−1〜514−3からなる。
図16に状態遷移付加情報格納テーブル900の構造を示す。この状態遷移付加情報格納テーブル900には図12に示した状態遷移に関連する情報を格納する。状態遷移付加情報格納テーブル900に格納する情報は、ある節点から次の行動内容への遷移の総数901と、次の行動内容の枝情報が指し示す先への遷移数902と,行動内容の遷移の開始時刻903と,行動内容の遷移の終了時刻904からなる。
図14に節点が2つのシーケンスと節点が3つの状態遷移(シーケンス)の例を示す。図中701は図12に示した構造511−1と同じ枝の構造を持つ行動内容の始点を示し、図中702は節点の構造501と同じ構造を持つ終点を示す。終点702の2つのポインタ(図12に示した502,503)はどちらもNULLポインタになる。
図15は、図14に対応する状態遷移グラフである。始点701から節点500−1、500−2を経て終点702に至る経路と、始点701から節点500−3〜500−5を経て終点702に至る経路を示している。
次に、行動モデル生成部115は、図11のステップS102でパターン列挙の処理を行う。このパターン列挙の処理では、ステップS101で読み込んだ生活行動モデル116をリスト構造で比較して、行動内容のシーケンスのパターンを列挙し、同じパターンの出現頻度を求める。そして、得られた出現頻度を各シーケンスの状態遷移付加情報格納テーブル900の遷移総数901と遷移数902に格納する。なお、シーケンスとは、図17,図18で示すように、リスト構造の行動内容を上記図12〜図15で示した節点と枝で表記したものである。
次に、行動モデル生成部115は、図11のステップS103で状態遷移グラフの生成処理を実行する。
まず、ステップS102で得られた1日単位の行動内容のシーケンスの列挙から、各シーケンスの出現頻度が最も高いシーケンスを選択し、1日単位の状態遷移グラフを生成する。状態遷移グラフは同じ行動内容の繰り返しを検出して、同一の行動内容の繰り返しを一つの行動内容にまとめる。この処理は、例えば、Thompsonの手法(Ken Thompson, “Regular Expression Search Algorithm”, Communications of the ACM, Vol.11, No.6, June, 1968.)を利用することができる。なお、状態遷移グラフの生成処理については後述する。
同一の行動内容の繰り返しを一つの行動内容にまとめた場合、枝に付加する行動内容の遷移の総数と遷移数をまとめた数だけ足し合わせる。また、同じシーケンスでも各行動内容(節点)の開始時刻、終了時刻、継続時間はそれぞれ異なるため、各時刻及び継続時間について、最小値、最大値、平均値、標準偏差値を計算し、図9の行動内容格納テーブル800に格納する。そして、出現頻度の最も高いシーケンスに行動内容を設定して、図17,図18に示すような状態遷移グラフを生成する。
ここで、状態(行動内容)の遷移が繰り返し構造となる例を図18に示し、図中休憩や昼食のように、もとのデスクワークにもどる行動の場合である。なお、後の処理も含めて、平均値と標準偏差値を逐次更新せず、総和と要素数をそれぞれ計算し、全ての処理が終了した最後に一括して平均値と標準偏差値を求めるようにしてもよい。
次に、行動モデル生成部115は、図11のステップS104で状態遷移グラフの融合処理を行う。
上記ステップS103では、出現頻度の最も高いシーケンスについて状態遷移グラフを生成したので、このステップS104では、残りの総てのシーケンスについて、頻度が高い順に1つのシーケンスを選択し、上記ステップS103で生成した既存(出現頻度が最高)の状態遷移グラフにマッチするか否かを判定する。また、出現頻度が最高の状態遷移グラフにマッチしない場合には、当該シーケンスについて出現頻度が最高の状態遷移グラフに近似するか否かを判定する。
ここで、選択したシーケンスについて出現頻度が最高の状態遷移グラフにマッチするとは、図18において繰り返し構造になる部分の出現回数が異なる、あるいは行動内容の順序が異なるが状態遷移グラフとしては同型になるものである。
そして、選択したシーケンスについて出現頻度が最高の状態遷移グラフにマッチする場合は、既存の状態遷移グラフに選択したシーケンスを融合する。この場合は状態遷移グラフの形状を変更することは不要で、状態遷移付加情報格納テーブル900から、枝に付加した状態遷移付加情報の遷移総数901と遷移数902を対応する箇所で足し合わせる融合処理を行う。
一方、選択したシーケンスが出現頻度の最も高い状態遷移グラフに近似する形状とは、状態遷移グラフを構成する節点の種類の差異が少なく(例えば、0〜2個)、各節点を除去する(または無視する)、あるいはある枝を除去するとマッチする場合に両者の形状が近似すると定義する。任意の形状の状態遷移グラフではこのような判定処理は複雑であるが、本発明で処理の対象とする状態遷移グラフは、ほとんどの場合は先頭(1日の開始)と末端(1日の終了)が睡眠状態であり、多くのシーケンスでは、出勤(登校)−退勤(下校)のペアは1シーケンスに一つしか存在しない、などの前提となるルールを適用すると、状態遷移グラフの対応箇所を事前に特定でき、状態遷移グラフを分割して規模を小さくすることで容易に上記判定処理を実現することが可能になる。
上記選択したシーケンスが出現頻度の最も高い状態遷移グラフに近似する近い形状の場合は、異なる部分を既存の状態遷移グラフに追加する。この場合、状態遷移グラフの形状は変化する。また、状態遷移グラフの枝に付加した状態遷移付加情報の遷移総数901は足し合わせ、遷移数902は節点の行動内容が一致する場合には足し合わせ、節点の行動内容が異なる場合はそれぞれ元の値を保持すればよい。なお、選択したシーケンスが、出現頻度の最も高い状態遷移グラフにマッチせず、さらに近似もしない場合は、このシーケンスを上記ステップS103と同様の処理により状態遷移グラフを生成し、データサーバ250に保持しておく。
次に、行動モデル生成部115は、図11のステップS105で個人パターンの融合処理を行う。個人パターンの融合処理では、上記ステップS103で生成した出現頻度の最も高いシーケンスの状態遷移グラフと、ステップS104で生成した最も高い状態遷移グラフに他のシーケンスを融合させた状態遷移グラフとを比較して、状態遷移グラフの始点から終点までの幾つかの経路(グラフ)のそれぞれがマッチするか否かを判定する。マッチしない場合には、出現頻度の最も高いシーケンスの状態遷移グラフと、ステップS104で生成した最も高い状態遷移グラフに他のシーケンスを融合させた状態遷移グラフの形状が近似しているかを判定し、形状が近似している場合には、ステップS104で生成した状態遷移グラフと既存のグラフを上記ステップS104と同様な処理で融合する。一方、出現頻度の最も高いシーケンスの状態遷移グラフと、ステップS104で生成した最も高い状態遷移グラフに他のシーケンスを融合させた状態遷移グラフの形状がマッチもせず、近い形状でもない場合には、独立した異なるパタンとしてそれぞれデータサーバ250に保持する。
次に、上記ステップS103で行われる状態遷移グラフの生成処理の詳細について説明する。図19は、ステップS103で行われる状態遷移グラフの生成処理の詳細を示す。
行動モデル生成部115は、図19において、ステップS1031で、図12、図13で示したリスト構造で、被験者210毎に1日毎の行動内容を列挙する。この際に、各節点に行動内容と開始時刻、終了時刻を設定する。なお、各行動内容は、行動内容格納テーブル800の行動内容項目806の値であり、開始時刻は行動内容格納テーブル800の開始日時803の時刻の値であり、終了時刻は行動内容格納テーブル800の終了日時804の時刻の値である。
ステップS1032では、列挙したリストを比較して同一構造のリストがあればリストの個数Nを計数し、その後ひとつのリストにまとめる。ここで、同一構造のリストとは、節点、枝の配置及び節点の行動内容が等しいリストを指す。この結果、ある被験者210の記録データ109〜112について同一構造のリストをまとめ、個数(出現日数)Nを算出した結果が図24で示すようになる。
図24は、ある被験者210の全てのリスト(90日間の記録データ)から、同一構造のリスト(状態遷移グラフ)をひとつにまとめた結果である。図示のように、全リストのうち、47日間が始点の睡眠平日A、朝食支度、通勤、仕事午前、昼食、仕事午後、通勤退勤、夕食くつろぐ、睡眠平日Bの順で行動内容が出現するシーケンスとなった例を示す。
ステップS1033では、上記ステップS1032で、同一構造のリストが一つにまとめられた後に、複数のリストの中から一つのリストをL0として選択する。そして、この選択したリストL0を状態遷移グラフの初期値Gとし、選択したリストL0に結合するリストLiを選択する。状態遷移グラフの初期値GとするリストL0の選択は、例えば、最も出現頻度の高いリスト(図24の47日出現:N=47)を選択するなど、所定の基準で選択を行う。
次に、ステップS1034では、選択したリストL0の状態遷移グラフの初期値Gについて始点から終点までの経路を探索し、結合対象のリストLiの節点が同一の順序で、かつ、出現回数が最も多い経路Pを求める。
ステップS1035では、ステップS1034で求めた経路Pに沿って、結合対象のリストLiの節点のうち同一のものは、状態遷移グラフの初期値Gの既存の節点とし、異なる節点については新たに状態遷移グラフの初期値Gに節点を追加して結合対象のリストLiを状態遷移グラフの初期値Gに融合する。この時、各節点になった元のリストの付加情報(開始時刻、終了時刻、個数など)をすべて記録し、新しく出来た枝にはリストLiの個数Nを付加情報とし付け、初期値GGの経路を通る場合はその経路の枝の付加情報にNを加え、状態遷移グラフを生成する。
例えば、図24のN=47のリストL0を状態遷移グラフの初期値Gとした場合、図25で示すように、N=10のリストL1が「出張」を除いて初期値Gと一致するので、この「出張」の節点を初期値Gに加え、また、「出張」に至る枝の出現回数N=10をセットする。
次に、図19のステップS1036では、行動モデル生成部115が、次のリストLiを選択する。そして、ステップS1037で、行動モデル生成部115は次のリストLiの有無を判定し、次のリストLiが存在する場合は、上記ステップS1034に戻って上記処理を繰り返す。一方、次のリストLiが存在しない場合には、ステップS1038へ進む。
ステップS1038では、状態遷移グラフの初期値Gの各節点に保存されている付加情報から図9に示した行動内容格納テーブル800の行動情報を算出する。各節点の開始時刻と終了時刻は既に設定されており、全てのリストLiのn個の節点の開始時刻をTSjとし、終了時刻をTEjとすると、以下のように算出する。
開始時刻の最小値807 =min(TSj, j=1〜n)
開始時刻の最大値808 =max(TSj, j=1〜n)
開始時刻の平均値809 =(ΣTSj (j=1〜n)) / n
開始時刻の標準偏差値810
=√((Σ(TSj−開始時刻の平均値)2 (j=1〜n))/n)
終了時刻の最小値811 =min(TEj, j=1〜n)
終了時刻の最大値812 =max(TEj, j=1〜n)
終了時刻の平均値813 =(ΣTEj (j=1〜n)) / n
終了時刻の標準偏差値814
=√((Σ(TEj−終了時刻の平均値)2 (j=1〜n)/n)
持続時間の最小値815 =min(TEj−TSj, j=1〜n)
持続時間の最大値816 =max(TEj−TSj, j=1〜n)
持続時間の平均値817 =Σ(TEj−TSj) (j=1〜n))/n
持続時間の標準偏差値818
=√((Σ(TEj−TSj−持続時間の平均値)2 (j=1〜n)/n)
次に、図19のステップS1039では、状態遷移グラフの初期値Gの各枝Eiに保存されている付加情報niから各枝の遷移確率piを求める。ある節点から出る枝の付加情報の総和Σnjのとき、遷移確率piは、
pi=ni/Σnj
として求められる。
すなわち、状態遷移グラフの初期値Gに、新たに加えた節点の遷移確率を上記より求めて、状態遷移グラフに遷移確率を付加する。図26は節点と枝の関係を示す説明図である。図26の遷移確率付きの状態遷移グラフにおいて、始点Nsからある節点Nxに至る確率Psxは、節点Nxに至るすべての経路Ri∈SR (i=1〜N)について、経路Ri上の全ての枝の遷移確率Pij(ただし、j=1〜m)の積 ΠPijの総和 Σi (Πj Pij) (i=1〜N, j=1〜m)と定義する。
例えば、図26において、節点N1から節点N4に至る確率をPn1n4とすると、Pn1n4 = P11*P22 + P12*P31
として求めることができる。
この結果、行動モデル生成部115が、図25のように求めた状態遷移グラフは、図27で示すように節点(行動内容)への遷移確率Psxを付加した遷移確率付き状態遷移グラフを生成する。
行動モデル生成部115は、上記図11のステップS101〜104の処理と、図19の処理を、全ての被験者210の全ての記録データ109〜112に対して実施し、被験者210毎の状態遷移グラフを生成する。また、状態遷移グラフの各節点に遷移確率を付与した状態遷移グラフを生成する。
<薄いデータについて>
一方、行動予測対象者230からの薄いデータとしては、上述したように交通系ICカード(または交通系ICチップを供えた携帯機器)の使用履歴を用いる。
薄いデータとは、交通系ICカードの使用履歴のように、ICカードを利用したタイミング(これをイベントと呼ぶ)でのみ記録データ125が格納されているデータである。ここで交通系ICカードの使用とは、具体的には図2に示したセンサとしてのリーダライタ121に交通系ICカードをかざして当該交通系ICカードが認識される事を指す。センサとしてのリーダライタ121は、交通系ICカードから読み取った情報をイベント(センシングデータ120)として送信し、データサーバ250の記録データ125に格納される。このイベントは、交通系ICカードが認識されたその瞬間の記録である。例外としては状態変化の際に必ずそのイベントが記録されている場合である。例えば、入退室用のICカードで入室と退室の記録がすべて残っていれば対象者が部屋にいたのか、外にいたのかというイベントの前後の状態を識別することができる。
薄いデータの記録データ125としては、例えば図20に示すデータ形式でイベントを記録する。イベントを構成する情報は、イベント内容ID1301、ユーザID1302、イベント発生日時1303、行動内容1304である。例えば、ユーザID1302は交通系ICカードのIDを用い、イベント内容ID1301は行動内容1304のIDを示し、イベント発生日時1303は、センサとしてのリーダライタ121が交通系ICカードを認識した日時であり、行動内容1304としては、乗車(または下車)などの所定の項目が格納される。
<行動マッチ度数算出部>
次に、計算サーバ260の行動マッチ度数算出部130について説明する。行動マッチ度数算出部130は、薄いデータとして採取されたデータサーバ250の記録データ125のイベントが、行動モデル生成部115の状態遷移グラフの中の何れの行動内容(節点)にマッチするかを予め定義しておく。例えば、記録データ125の行動内容1304が乗車であれば、状態遷移グラフの行動内容が「出勤」または「退勤」にマッチすることを予め設定しておく。
図21は、行動マッチ度数算出部130で行われる処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートは、行動モデル生成部115の上記処理が完了した後に実行される。
まず、ステップS201では、行動マッチ度数算出部130は、PC270から行動予測対象者230の識別子を受け付けて、データサーバ250の記録データ125に格納された薄いデータから前記識別子と図20のユーザID1302が一致するデータを抽出する。そして、抽出した記録データ125について、1日の起点(例えば、午前3時)から1日単位でイベントを列挙し、これらの列挙したイベントをイベント列として保持する。
次に、ステップS202では、上記図11の行動モデル生成部115が生成した複数の状態遷移グラフを順次トレースし、イベントの発生時刻で当該イベントに対応する行動内容(節点)がある場合(マッチする)は、当該イベントを残す。一方、当該イベントが状態遷移グラフにマッチしない場合は、当該イベントを計数の対象から排除する。
ステップS203では、行動マッチ度数算出部130は、全ての状態遷移グラフについて、イベントの発生時刻が状態遷移グラフの行動内容の開始時刻〜終了時刻に一致し、状態遷移グラフの行動内容の項目が、当該イベントに対応する行動内容に一致するイベントを抽出する。
次に、ステップS203では、イベントの数を状態遷移グラフ毎のマッチ数として計数する。すなわち、状態遷移グラフ毎にマッチしたイベント列に含まれるイベントの数をカウントする。このとき複数の状態遷移グラフにマッチしたイベントは、それぞれの状態遷移グラフでマッチ数を計数する。
次に、ステップS204では、上記ステップS203で計数した状態遷移グラフ毎のマッチ数を計数する。そして、マッチ数の総和とイベント列の全日数の比をマッチ度数として求める。なお、マッチ度数は、この他、各状態遷移グラフのマッチ数をマッチ数の総和で除した値としても良い。
上記処理のステップS204の処理の詳細を図22のフローチャートに示す。図22において、まず、ステップS2041では、行動マッチ度数算出部130が、上記図11の行動モデル生成部115で生成した状態遷移グラフのうち一つをPiとして選択する。
次に、ステップS2042では、選択した状態遷移グラフ(生活行動モデル116のパターン)Piのマッチ度数NMpiを0にリセットする。ステップS2043では、行動マッチ度数算出部130が上記ステップS201で列挙したイベント列のうち、最初の1日分のイベント列をLeとして選択する。このとき、イベント列は、各イベントを時系列的に結合したものである。
次に、ステップS2044では、選択した1日分のイベント列Leのうち、状態遷移グラフの行動内容に対応する最初のイベントEiを選択する。ステップS2045では、状態遷移グラフPiを最初の節点(睡眠)から順次辿って、選択中のイベントEiに対応する行動内容のうち、開始時刻の最小値807と終了時刻の最大値812の間に当該イベントEiの発生時刻1303が含まれる行動内容Bjを探索し、ステップS2046で該当する行動内容Bjが存在するか否かを判定する。
ステップS2046では、選択したイベントEiの発生時刻を含む行動内容Bjが存在する場合にはステップS2053へ進み、存在しない場合にはステップS2047に進む。
行動内容Bjが存在するステップS2053では、イベント列Leから次のイベントEiを選択する。ステップS2054では、次のイベントEiの有無を判定し、次のイベントEiが存在すれば上記ステップS2045の処理に戻って行動内容Bjの探索を行う。
一方、次のイベントEiが存在しない場合には、ステップS2055に進んでマッチ度数NMpiをインクリメントしてステップS2047に進む。
ステップS2047では、ひとつのイベント列Leについて行動内容Bjの探索が終了したので、次のイベント列Leを選択する。ステップS2048では、次のイベント列Leの有無を判定し、次のイベント列Leが存在する場合にはステップS2044の処理に戻って、状態遷移グラフの行動内容に対応するイベントEiで行動内容Bjを探索する処理を繰り返す。
一方、次のイベント列Leが存在しない場合にはステップS2049に進んで、マッチ度数Mpiを現在のマッチ度数Mpiと全てのイベント列Leの全日数で除して求める。ステップS2050では、ひとつの状態遷移グラフPiについてイベントEiの探索が完了したので、次の状態遷移グラフPiを選択する。ステップS2051では、次の状態遷移グラフPiの有無を判定し、次の状態遷移グラフPiが存在する場合にはステップS2042へ戻って上記処理を繰り返す。一方、次の状態遷移グラフPiが存在しない場合にはステップS2052へ進んで、ステップS2049で求めたマッチ度数Mpiの順に状態遷移グラフ(生活行動モデル116のパターン)Piを列挙する。
以上の処理により、PC270から指定された行動予測対象者230の薄いデータと、複数の被験者210の生活行動モデル116から求めた状態遷移グラフから、薄いデータがマッチする行動内容のマッチ度数が得られる。そして、状態遷移グラフはマッチ度数の多い順に列挙される。
<行動予測部>
次に、計算サーバ260の行動予測部140について説明する。図23は、行動予測部140で行われる処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートは、行動マッチ度数算出部130の上記処理が完了した後に起動する。行動マッチ度数算出部130が求めたマッチ度数Mpiの大きい順で列挙された状態遷移グラフについて、行動予測部140は薄いデータを提供した行動予測対象者230の行動を予測する。
まず、ステップS301で行動予測部140は、PC270から行動予測対象者230の行動を予測する時刻Texを受け付ける。PC270では、オペレータまたは管理者が行動予測対象者230の行動を予測したい時刻Texを入力し、行動予測部140はPC270から行動予測対象者230の行動を予測する時刻Texを受け付ける。
ステップS302では、行動予測部140がマッチ度数の総和Smを0にリセットして初期化を行い、ステップS303で、行動マッチ度数算出部130が求めたマッチ度数Mpiが最も大きい状態遷移グラフをパターンPiとして選択する。次に、ステップS304では、行動予測部140がマッチ度数総和Smに、現在選択しているパターンPiのマッチ度数Mpiを加算する。
ステップS305では、現在選択したパターンPiで上記ステップS301で受け付けた時刻Texにおける節点の行動内容Biの集合を、行動内容Bitexj(j=1〜N)とし、上記図19の処理で求めた行動内容Biに至る遷移確率piをpbitexjとし、行動内容Bitexjと遷移確率pbitexjとを列挙する。
ステップS306では、行動予測部140が上記ステップS305で列挙した行動内容Bitexjの非正規化予想確率Pexbitexjを、上記マッチ度数Mpiから、
Pexbitexj = Mpi×pbitexj/100
として演算する。
ステップS307では、行動予測部140が上記ステップS306で求めた全ての行動内容の非正規化予想確率Pexbitexjの総和を非正規化予想確率総和Spexとし、
Spex = Σ(j=1〜N) Pexbitexj
により演算する。
ステップS308では、行動予測部140が上記ステップS306で求めた全ての行動内容の非正規化予想確率Pexbitexjと、ステップS307で求めた非正規化予想確率総和Spexから、各行動内容の正規化予想確率Psexbitexjを、
Psexbitexj = Pexbitexj/Spex
として演算する。
ステップS309では、行動予測部140が上記ステップS308で求めた各行動内容の正規化予想確率Psexbitexjと行動内容Biのペアを列挙する。
ステップS310では、行動予測部140が上記ステップS304で更新したマッチ度数総和Smが所定値としての50%以上であるか否かを判定する。
マッチ度数総和Smが所定値未満の場合には、ステップS311へ進んで、次の状態遷移グラフPiを選択し、ステップS304に戻って選択した状態遷移グラフのマッチ度数Mpiをマッチ度数総和Smに加算する。
一方、マッチ度数総和Smが所定値以上であれば、行動予測部140は上記ステップS309で列挙した行動内容Biと正規化予想確率Psexbitexjのペアを予測結果として出力する。
上記処理により、行動予測部140は、マッチ度数Mpiの高い順に状態遷移グラフを順次選択し、マッチ度数総和Smが所定値(50%)以上となるまで状態遷移グラフのパターンPiを選択する。そして、行動予測部140は、マッチ度数総和Smが所定値以上になったときの複数の状態遷移グラフのパターンを、指定された時刻Texにおける行動予測対象者230の予想行動パターンとして出力する。
以上の処理よって、指定した時刻Texにおける行動予測対象者230の行動の予測を行う際に、まず、行動内容に関してマッチ度数Mpiの高い状態遷移グラフのパターンを選択し、指定された時刻Texにおける行動内容Biと、この行動内容Biに至る正規化予想確率とをペアで列挙する。
ここで、指定された時刻Texにおける状態遷移グラフの行動内容は、当該行動内容が継続する時間範囲を持ち、また状態遷移グラフには複数の経路が存在するため、複数の行動内容の集合となる。更に各行動内容の遷移確率に、選択した状態遷移グラフのマッチ度数Mpiを掛け合わせ、各行動内容に至る予想確率(非正規化予想確率)とし、これらの予想確率の総和が100%となるように予想確率を正規化し、行動内容とともに列挙する。ここで列挙された行動内容と正規化された予想確率(正規化予想確率)のペアを、行動の予測結果として、PC270の表示部150に出力する。
図29は、行動予測対象者230の薄いデータから行動予測を行った結果の濃いデータを示すグラフである。図29のグラフは、ある1日の行動内容の変化を時系列で示したものである。図中上段が濃いデータを示し、下段が薄いデータを示す。
図中下段の薄いデータは、行動予測対象者230の記録データ125のから選択したイベント列である。このイベント列は、交通系ICカード231を使用したイベントを時系列的に列挙したものである。
図中上段の濃いデータは、図中下段のイベント列にマッチする状態遷移グラフを探索し、上記マッチ度数により選択した状態遷移グラフの行動内容を時系列で列挙したものである。
図中のイベント列のうち、「通勤出勤」と「通勤退勤」に対応して薄いデータの使用履歴として最寄駅入場または出場がデータサーバ250の記録データ125に蓄積されている。行動予測の対象時刻Texを現時刻=11:00とすると、濃いデータにおける「現在の行動」は「仕事午前」、「次の行動」は「昼食」となる。
なお、本実施形態では、濃いデータ(行動)と薄いデータ(イベント)の対応を、「自宅最寄入場」〜「仕事場最寄出場」なら「通勤出勤」、「仕事場最寄入場」〜「自宅最寄出場」なら「通勤退勤」と予め定義しておくものとする。この定義は図1に示した定義135として計算サーバ260のメモリやストレージ装置に記憶しておけばよい。
図30は、行動予測対象者230の薄いデータから行動予測を行った結果の濃いデータを示すグラフと状態遷移グラフ及びイベント内容格納テーブル1300の関係を示す説明図である。
1日のイベント列は図20に示したデータフォーマットで、図中5つのデータがイベント内容格納テーブル1300に格納される。上段にある状態遷移グラフを被験者210の状態遷移とする。状態遷移グラフの先頭の節点からイベント内容格納テーブル1300の行動内容と比較していくと、イベントの「自宅最寄入場」〜「仕事場最寄出場」と対応する「通勤出勤」が存在し、その時刻範囲も通勤出勤の範囲(図28参照)に入っている。更に、イベントの「仕事場最寄入場」〜「自宅最寄出場」と対応する「通勤退勤」が存在し、その時刻範囲も通勤出勤の範囲に入っている。このように、薄いデータに対応する濃いデータの行動が存在し、時刻範囲も定義内にある状態を「マッチする」と呼ぶ。図示の例では、薄いデータのすべてのイベントに対し、濃いデータの対応する節点が存在し、時刻範囲も定義内にあるため、この1日分のイベント列は「マッチした」ことになる。
上記マッチの処理を記録データ109〜112の全日分のイベント列に関して行う。例えば、100日分のイベント列があり、そのうち60日がある状態遷移グラフの生活行動モデルにマッチすれば、その生活行動モデル(状態遷移グラフ)に対するマッチ度数Mpiは60%となる。これを全ての状態遷移グラフ(パターン)に対して行い、マッチ度数Mpiの高い順に状態遷移グラフを列挙する。(ここまでが(5)行動マッチ度数算出の処理、図22)
ここで、イベント内容格納テーブル1300のイベント列は、図20に示すようにイベント内容格納テーブル1300に記録された行動予測対象者230(ユーザID)のある1日のレコードの時刻順の列になる。
図28の例において、図中状態遷移グラフのマッチ度数Mpiが60%のとき、指定時刻Tex=午前10:30の行動予測を行う例を示す。
まず、時刻Tex (=10:30)の行動は、仕事午前に至る確率は、図27より1.0×0.85×1.0=0.85となる。
また、図27より、出張に至る確率は、1.0×0.15+1.0×0.85×1.0×0.2=0.15+0.17=0.32となる。
そして、上述した非正規化予想確率は、次のようになる。
(1) 仕事午前 Pex1=0.6×0.85=0.51
(2) 出張 Pex2=0.6×0.32=0.192
上記非正規化予想確率から正規化予想確率Psexは、次のようになる。
非正規化予想確率の総和Spex = 0.51+0.192=0.702
(1) 仕事午前 Psex1=0.51/0.702=0.7265
(2) 出張 Psex2=0.192/0.702=0.2735
そして、行動予測部140から出力される行動内容と正規化予想確率のペアは、
(1)(仕事午前、72.65%)
(2)(出張、27.35%)
となる。
以上のように、本発明によれば、複数の被験者210に24時間の生活行動を採取するためのセンサノード10を付与し、濃いデータとしての記録データ109〜112を蓄積しておく。そして、濃いデータから状態遷移グラフを含む生活行動モデル116を、行動予測の以前に作成しておく。被験者210とは異なる行動予測対象者230はコストのかかるセンサノード等のセンサ類を所持する必要がなく、また行動予測対象者230の性別、年齢などの属性を公開することなく、コストの低いセンサ類(交通系ICカード及びICリーダライタ)から取得できる薄いデータのみから行動予測対象者230の行動を予測することが可能となる。
この行動予測は、例えば、濃いデータを収集するためのコストのかかるセンサ類として特開2006−312010号公報に開示されるような生体センサを用い、薄いデータを収集するためのコストのかからないセンサ類として特開平2−136990号公報に開示されるようなICカード状の乗車券の利用履歴、とすることでICカード状の乗車券の利用履歴から行動予測対象者230の行動を詳細に予測する事が可能になる。
本発明の行動予測を用いることで、次のような効果を得ることができる。
まず、行動予測対象者230がICカード状の乗車券の利用時にどのような行動内容にあり(例えば、通勤の途中等)、次にどのような行動を取るか(例えば、買い物をする等)予測することができる。
また、被験者210から収集した生活行動モデル116のパターン毎に、被験者210の嗜好(例えば、ファッション、食べ物、映画や音楽等の娯楽)や、商品購入の傾向(どのような時間帯にどのくらいの買い物をするか等)が判っていれば、行動予測対象者230の行動予測をより詳細に予測することが可能になる。これらの行動予測結果は、例えば、マーケティングや商品企画、出店計画などに用いる事ができる。
また、生活行動モデル116を特定の病気(生活習慣病等)になりやすい生活習慣の人と、そうでない人のパターンに分けて蓄積しておくことで、行動予測対象者230が特定の病気になりやすいか否かの予測を行う事が可能となるのである。
なお、上記第1の実施形態においては、加速度センサを備えたセンサノードで人の動作を検知する濃いデータを継続的に収集し、交通系ICカードのリーダライタで薄いデータを断続的に収集した。濃いデータは、これに限定されるものではなく、被験者210の行動、動作を連続的に検知して、1日の行動内容を時系列的に把握することが可能な情報であればよい。また、薄いデータは、行動予測対象者230の行動を断片的に検知することが可能な情報であればよく、イベント型の薄いデータが示すイベントと、濃いデータの特定の行動内容の対応が定義されていれば本発明を適用することができる。例えば、薄いデータの他の一例としては、携帯電話の使用履歴を用いることができ、イベントと濃いデータの関係は、自宅電話番号へ電話をするというイベントを、通勤退勤時の行動内容に対応付け、友人電話番号へ電話をするというイベントを、夕食くつろぐという行動内容に対応付け、写真を撮るというイベントを、買物という行動内容に対応付け、交通機関の乗換案内サービスを利用するというイベントを、出張または買物という行動内容に対応付けることができる。
<第2の実施形態>
図31、図32は、第2の実施形態を示し、前記第1実施形態の交通系ICカード231に対して、計算サーバ260が行動予測対象者230の行動予測結果を書き込むようにしたもので、その他の構成は前記第1実施形態と同様である。また、本第2実施形態は、濃いデータを収集する第1のセンサネットワークシステムから分離されて、生活行動モデルを保持して行動予測対象者230の行動予測を行って予測結果を交通系ICカード231に書き込むスタンドアロンの計算機286を備えたものである。
行動予測対象者230が保持する交通系ICカード231は、センサとしてのリーダライタ121と無線通信を行う無線通信制御回路2311と、制御を行うマイクロコントローラ2312と、データを保持する不揮発メモリ2313を内蔵し、不揮発メモリ2312には電子マネーとしての残高金額をデータとして記録し、また、小額決済の機能を持つ。
行動予測対象者280が保持する交通系ICカード281も同様であり、センサとしてのリーダライタ285と無線通信を行う無線通信制御回路2811と、制御を行うマイクロコントローラ2812と、データを保持する不揮発メモリ2813を内蔵し、不揮発メモリ2812には電子マネーとしての残高金額をデータとして記録し、また、小額決済の機能を持つ。なお、リーダライタ121は、駅の改札装置に含まれるもので、また、リーダライタ285は、商店等の店頭端末に含まれるものである。リーダライタ121は、前記第1実施形態と同様にネットワーク240を介してデータサーバ260及び計算サーバ260に接続されるが、リーダライタ285は、スタンドアロンの計算機286に接続される。
計算サーバ260は、前記第1実施形態の行動モデル生成部115、行動マッチ度数算出部130及び行動予測部140に加えて、行動頻度算出部264とカード情報制御部265とを備える。行動頻度算出部264は交通系ICカード231の利用履歴を解析し、利用頻度の高い駅の情報を順に列挙する。カード情報制御部265は交通系ICカード231の不揮発メモリへの情報の書込み制御を行う。
スタンドアロンの計算機286は、計算サーバ260が生成した被験者210の生活行動モデル2861を保持する記憶部を有しており、行動予測対象者280の交通系ICカード281の使用履歴(薄いデータ)を受信し、当該使用履歴から行動予測対象者280の行動を予測し、予測結果を交通系ICカード281に書き込む行動予測部2862を備える。計算サーバ260が生成した被験者210の生活行動モデル2861は、オフラインで計算機286に転送し、予め計算機286の記憶部に格納しておく。あるいは、計算サーバ260と計算機286をネットワークで接続してオンラインで生活行動モデル2861を転送した後に、計算機286をネットワークから外してスタンドアロンとしても良い。
スタンドアロンの計算機286の行動予測部2862は、計算サーバ260の行動マッチ度数算出部130及び行動予測部140を含み、生活行動モデル2861には、遷移確率付きの状態遷移グラフが予め格納されている。スタンドアロンの計算機286の行動予測部2862は、行動予測対象者280の交通系ICカードの使用履歴と生活行動モデル2861から前記第1実施形態の行動予測部140と同様の処理を行って行動予測対象者280の行動内容を予測する。なお、スタンドアロンの計算機286が保持する生活行動モデル2861は、予め計算サーバ260の行動モデル生成部115で状態遷移グラフを作成し、オフラインで計算機286のストレージ装置に書き込んでおく。
交通系ICカード231(または281)に内蔵する不揮発メモリ2313(または2813)は、図32に示す情報を格納する。図32において、交通系ICカード231が不揮発性メモリ2313に格納するデータとしては、行動予測対象者280のIDであるユーザIDと、交通系ICカード231としての本来の機能に必要なデータ(交通系非接触カード向け情報)、そして、生活行動モデル2861のパターンID及び利用頻度の高い駅の識別IDである高頻度利用駅識別ID1〜ID4(ここでは頻度の高い4つの駅を格納)を含む。
駅改札機のリーダライタ121は、行動予測対象者230が交通系ICカード231をかざすと、入場・出場などの改札機としての動作のほかに、交通系ICカード231内の不揮発メモリ2313にパターンIDと利用頻度の高い駅の識別ID(複数)を書き込む機能を有する。
計算サーバ260は、行動頻度算出部264において予め各ユーザIDの利用駅の情報を蓄積、解析し、駅の識別IDを利用頻度順に保持している。また、予め、各ユーザIDの薄いデータ(ここでは交通系非接触ICカード)の使用履歴を用いて前記第1実施形態に示した行動マッチ度数の算出を行い、最もマッチ度数の高いパターン(状態遷移グラフ)のIDを記録しておく。
行動予測対象者230が交通系ICカード231をセンサとしてのリーダライタ121にかざすと、センサとしてのリーダライタ121がユーザIDを読み込んで、利用駅の情報(すなわち駅改札機の設置駅)とともに計算サーバ260に送られる。そして、計算サーバ260ではカード情報制御部265が受信したユーザIDに対応するパターンIDと利用頻度の高い駅の識別IDのうち上位4個を取り出して駅改札機に送信し、駅改札機のリーダライタ121が受信したパターンIDと駅の識別IDを交通系ICカード231に書き込む。
また、商店などの店頭端末装置のリーダライタ285に、行動予測対象者280が交通系ICカード281をかざすと、交通系ICカード281の不揮発メモリ2813に格納されているユーザIDと、パターンIDと、高頻度利用駅識別ID1〜ID4を読み出して計算機286へ送信する。
計算機286は、リーダライタ285から受信した情報のうち、パターンIDにより予め計算サーバ260より複製しておいた生活行動モデル2861から対応するIDのパターンを読み出す。また、計算機286は、交通系ICカード281を読み込んだ店頭端末装置が設置されている場所と読み出した高頻度利用駅識別ID1〜ID4を比較して、現在行動予測対象者280の場所が高頻度利用駅か否かの判定を行う。
そして、行動予測部2862において、選択したパターンIDと、現在の時刻と、現在の場所の情報から、パターンIDに該当する生活行動モデル2861を参照して、行動予測対象者280の現在の行動と次の行動を予測する。
計算機286は、行動の予測結果に基づいて、以下のサービスを行う。
(A)行動予測対象者280に対して、行動内容や、時刻または現在の場所により予め定義しておいた広告などのメッセージを、店頭端末装置のディスプレイ装置や携帯電話のメール機能を用いて伝達する。
(B)店舗端末装置を操作する店員に対して、行動予測対象者280の行動内容や時刻または現在の場所により予め定義しておいた応対を店員が視認可能なディスプレイ装置に表示させる。
(C)計算機286内で、行動予測対象者280の属性に相当する行動内容や時刻または現在の場所に関する情報を、後のマーケティングに用いるように蓄積する。
このように、第2の実施形態によれば、行動予測対象者の交通系ICカードの使用履歴がどの生活行動モデル116のパターンに相当するかを判定し、判定したパターンのIDを交通系ICカードに書き込んでおく。これにより、ネットワークに接続していないリーダライタ285でも、予め濃いデータにより作成した生活行動モデルを計算機286に保持しておくことで、行動予測対象者のパターンIDを読み出すことにより次の行動を予測できる。
以上のように、第2の実施形態においても、行動予測対象者はコストのかかるセンサ類を所持する必要がなく、また行動予測対象者自身の性別、年齢などの属性を公開することなく、コストの低いセンサ類(リーダライタ121、285)から取得した薄いデータのみから行動予測対象者の行動を予測することが可能となる。
なお、上記各実施形態の交通系ICカード231、281は、非接触式または接触式の何れであっても良い。また、交通系ICカード231に代わって読み書き可能なICカードを採用しても良い。
また、上記各実施形態では、センサノード10からのセンシングデータを収集するサーバ217,218と計算サーバ260を分離した構成を示したが、計算サーバ260にサーバ217,218の機能を集約しても良い。
以上のように、本発明によれば、人の行動を予測してサービスやマーケティングに利用する行動予測システムに適用することができる。
10 センサノード
121 リーダライタ
231 交通系ICカード
109〜112 記録データ
125 記録データ
116 生活行動モデル116
250 データサーバ
260 計算サーバ
115 行動モデル生成部
130 行動マッチ度数算出部
140 行動予測部

Claims (6)

  1. 複数の被験者に付与した第1のセンサと、予測対象者の行動をイベントとして検出する第2のセンサと、前記第1のセンサと第2のセンサに接続された計算機と、を備えて、前記複数の被験者に付与した第1のセンサから収集した行動に関する情報と、第2のセンサが検出した予測対象者のイベントから前記予測対象者の行動を予測する行動予測方法であって、
    前記計算機が、前記複数の被験者に付与した第1のセンサから行動に関する情報を連続的に収集して濃いデータとして蓄積するステップと、
    前記計算機が、前記蓄積した濃いデータから前記被験者の行動内容を時系列的に結合した行動モデルを生成するステップと、
    前記計算機が、前記第2のセンサが検出したイベントを薄いデータとして収集するステップと、
    前記計算機が、前記収集したイベントのうち予測対象者のイベントを抽出するステップと、
    前記計算機が、予め設定した定義に基づいて、前記抽出したイベントに対応する行動内容を特定するステップと、
    前記計算機が、前記特定した行動内容と前記行動モデルとを比較して、前記イベントに対応する行動内容が一致する行動モデルを抽出するステップと、
    前記計算機が、前記抽出した行動モデルに含まれる行動内容を前記予測対象者の行動として選択するステップと、を含み、
    前記計算機が、前記蓄積した濃いデータから前記被験者の行動内容を時系列的に結合した行動モデルを生成するステップは、
    前記被験者の1日の行動内容を当該行動内容の開始時刻と終了時刻を設定して時系列に結合して行動モデルを生成し、前記結合した行動モデルのうち行動内容の出現順序が異なる行動モデルから状態遷移グラフを生成し、
    前記計算機が、前記第2のセンサが検出したイベントを薄いデータとして収集するステップは、
    前記第2のセンサが検出したイベントと当該イベントの発生時刻を収集し、
    前記計算機が、前記収集したイベントのうち予測対象者のイベントを抽出するステップは、
    前記予測対象者のイベントのうち1日のイベントをイベント列として抽出し、
    前記計算機が、前記特定した行動内容と前記行動モデルとを比較して、前記イベントに対応する行動内容が一致する行動モデルを抽出するステップは、
    前記イベント列と前記状態遷移グラフを比較して、前記イベント列を構成するイベントのそれぞれについて、各イベントに対応する行動内容の開始時刻と終了時刻の間に前記イベントの発生時刻が含まれる状態遷移グラフのマッチ度数を加算し、状態遷移グラフのうち最もマッチ度数の高いものを抽出することを特徴とする行動予測方法。
  2. 複数の被験者に付与した第1のセンサと、予測対象者の行動をイベントとして検出する第2のセンサと、前記第1のセンサと第2のセンサに接続された計算機と、を備えて、前記複数の被験者に付与した第1のセンサから収集した行動に関する情報と、第2のセンサが検出した予測対象者のイベントから前記予測対象者の行動を予測する行動予測方法であって、
    前記計算機が、前記複数の被験者に付与した第1のセンサから行動に関する情報を連続的に収集して濃いデータとして蓄積するステップと、
    前記計算機が、前記蓄積した濃いデータから前記被験者の行動内容を時系列的に結合した行動モデルを生成するステップと、
    前記計算機が、前記第2のセンサが検出したイベントを薄いデータとして収集するステップと、
    前記計算機が、前記収集したイベントのうち予測対象者のイベントを抽出するステップと、
    前記計算機が、予め設定した定義に基づいて、前記抽出したイベントに対応する行動内容を特定するステップと、
    前記計算機が、前記特定した行動内容と前記行動モデルとを比較して、前記イベントに対応する行動内容が一致する行動モデルを抽出するステップと、
    前記計算機が、前記抽出した行動モデルに含まれる行動内容を前記予測対象者の行動として選択するステップと、を含み、
    前記計算機が、前記蓄積した濃いデータから前記被験者の行動内容を時系列的に結合した行動モデルを生成するステップは、
    前記被験者の1日の行動内容を当該行動内容の開始時刻と終了時刻を設定して時系列的に結合して行動モデルを生成し、前記結合した行動モデルのうち行動内容の出現順序が異なる行動モデルから状態遷移グラフを生成するステップと、
    前記行動内容のうち、第1の行動内容から第2の行動内容へ遷移する確率を遷移確率として演算するステップと、
    前記遷移確率を状態遷移グラフに付加するステップと、
    を含み、
    前記計算機が、前記第2のセンサが検出したイベントを薄いデータとして収集するステップは、
    前記第2のセンサが検出したイベントと当該イベントの発生時刻を収集し、
    前記計算機が、前記収集したイベントのうち予測対象者のイベントを抽出するステップは、
    前記予測対象者のイベントのうち1日のイベントをイベント列として抽出し、
    前記計算機が、前記特定した行動内容と前記行動モデルとを比較して、前記イベントに対応する行動内容が一致する行動モデルを抽出するステップは、
    前記イベント列と前記状態遷移グラフを比較して、前記イベント列を構成するイベントのそれぞれについて、各イベントに対応する行動内容の開始時刻と終了時刻の間に前記イベントの発生時刻が含まれる状態遷移グラフのマッチ度数を加算し、状態遷移グラフのうち最もマッチ度数の高いものを特定し、
    前記計算機が、前記特定した行動モデルに含まれる行動内容を前記予測対象者の行動として選択するステップは、
    前記抽出した行動モデルに含まれる行動内容と、当該行動内容に遷移する遷移確率を前記予測対象者の行動として選択することを特徴とする行動予測方法。
  3. 前記第2のセンサは、
    不揮発性記憶部を備えたICカードを検出し、前記不揮発性記憶部に対して読み書きを行い、
    前記計算機が、前記抽出した行動モデルに含まれる行動内容を前記予測対象者の行動として選択するステップは、
    前記予測対象者の行動として選択した行動内容を前記第2のセンサに送信し、前記第2のセンサに前記行動内容を前記不揮発性記憶部に書き込ませることを特徴とする請求項1または請求項2の何れかひとつに記載の行動予測方法
  4. 複数の被験者に付与した第1のセンサと、
    予測対象者の行動をイベントとして検出する第2のセンサと、
    前記第1のセンサと第2のセンサに接続された計算機と、を備えて、
    前記計算機が複数の被験者に付与した第1のセンサから収集した行動に関する情報と、第2のセンサが検出した予測対象者のイベントから前記予測対象者の行動を予測する行動予測システムであって、
    前記計算機は、
    前記複数の被験者に付与した第1のセンサから行動に関する情報を連続的に収集して濃いデータとして蓄積し、前記第2のセンサが検出したイベントを薄いデータとして蓄積する記憶部と、
    前記蓄積した濃いデータから前記被験者の行動内容を時系列的に結合した行動モデルを生成する行動モデル生成部と、
    前記収集したイベントのうち予測対象者のイベントを抽出し、予め設定した定義に基づいて、前記抽出したイベントに対応する行動内容を特定し、前記特定した行動内容が一致する行動モデルを抽出する行動マッチ度算出部と、
    前記抽出した行動モデルに含まれる行動内容を前記予測対象者の行動として選択する行動推定部と、を備え、
    前記記憶部は、
    前記第2のセンサが検出したイベントと当該イベントの発生時刻を収集し、
    前記行動モデル生成部は、
    前記被験者の1日の行動内容を当該行動内容の開始時刻と終了時刻を設定して時系列に結合して行動モデルを生成し、前記結合した行動モデルのうち行動内容の出現順序が異なる行動モデルから状態遷移グラフを生成し、
    前記行動マッチ度算出部は、
    前記予測対象者のイベントのうち1日のイベントをイベント列として抽出し、
    前記イベント列と前記状態遷移グラフを比較して、前記イベント列を構成するイベントのそれぞれについて、各イベントに対応する行動内容の開始時刻と終了時刻の間に前記イベントの発生時刻が含まれる状態遷移グラフのマッチ度数を加算し、状態遷移グラフのうち最もマッチ度数の高いものを特定することを特徴とする行動予測システム。
  5. 複数の被験者に付与した第1のセンサと、
    予測対象者の行動をイベントとして検出する第2のセンサと、
    前記第1のセンサと第2のセンサに接続された計算機と、を備えて、
    前記計算機が複数の被験者に付与した第1のセンサから収集した行動に関する情報と、第2のセンサが検出した予測対象者のイベントから前記予測対象者の行動を予測する行動予測システムであって、
    前記計算機は、
    前記複数の被験者に付与した第1のセンサから行動に関する情報を連続的に収集して濃いデータとして蓄積し、前記第2のセンサが検出したイベントを薄いデータとして蓄積する記憶部と、
    前記蓄積した濃いデータから前記被験者の行動内容を時系列的に結合した行動モデルを生成する行動モデル生成部と、
    前記収集したイベントのうち予測対象者のイベントを抽出し、予め設定した定義に基づいて、前記抽出したイベントに対応する行動内容を特定し、前記特定した行動内容が一致する行動モデルを抽出する行動マッチ度算出部と、
    前記抽出した行動モデルに含まれる行動内容を前記予測対象者の行動として選択する行動推定部と、を備え、
    前記行動モデル生成部は、
    前記被験者の1日の行動内容を当該行動内容の開始時刻と終了時刻を設定して時系列に 結合して行動モデルを生成し、前記結合した行動モデルのうち行動内容の出現順序が異なる行動モデルから状態遷移グラフを生成し、前記行動内容のうち、第1の行動内容から第2の行動内容へ遷移する確率を遷移確率として演算し、前記遷移確率を状態遷移グラフに付加し、
    前記行動マッチ度算出部は、
    前記予測対象者のイベントのうち1日のイベントをイベント列として抽出し、前記イベント列と前記状態遷移グラフを比較して、前記イベント列を構成するイベントのそれぞれについて、各イベントに対応する行動内容の開始時刻と終了時刻の間に前記イベントの発生時刻が含まれる状態遷移グラフのマッチ度数を加算し、状態遷移グラフのうち最もマッチ度数の高いものを抽出し、
    前記行動推定部は、
    前記抽出した行動モデルに含まれる行動内容と、当該行動内容に遷移する遷移確率を前記予測対象者の行動として選択することを特徴とする行動予測システム。
  6. 前記第2のセンサは、
    不揮発性記憶部を備えたICカードを検出し、前記不揮発性記憶部に対して読み書きを行い、
    前記行動推定部は、
    前記予測対象者の行動として選択した行動内容を前記第2のセンサに送信し、前記第2のセンサに前記行動内容を前記不揮発性記憶部に書き込ませることを特徴とする請求項4または請求項5の何れかひとつに記載の行動予測システム。
JP2009059195A 2009-03-12 2009-03-12 行動予測方法及び行動予測システム Expired - Fee Related JP5199152B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009059195A JP5199152B2 (ja) 2009-03-12 2009-03-12 行動予測方法及び行動予測システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009059195A JP5199152B2 (ja) 2009-03-12 2009-03-12 行動予測方法及び行動予測システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010211679A JP2010211679A (ja) 2010-09-24
JP5199152B2 true JP5199152B2 (ja) 2013-05-15

Family

ID=42971733

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009059195A Expired - Fee Related JP5199152B2 (ja) 2009-03-12 2009-03-12 行動予測方法及び行動予測システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5199152B2 (ja)

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2011093475A1 (ja) * 2010-02-01 2013-06-06 日本電気株式会社 指標スケジュール抽出装置、指標スケジュール抽出プログラム記録媒体、および指標スケジュール抽出方法
JPWO2012124259A1 (ja) * 2011-03-14 2014-07-17 株式会社ニコン 装置およびプログラム
JP6025574B2 (ja) * 2013-01-08 2016-11-16 株式会社日立製作所 モニタリングシステム、及び計算機
EP2999298B1 (en) 2013-05-14 2018-12-26 Fujitsu Limited Mobile information processing device, information processing system, and information processing method
JP5654105B1 (ja) * 2013-09-05 2015-01-14 株式会社Ubic 行動解析システム、行動解析方法、および、行動解析プログラム
JP6160399B2 (ja) 2013-09-20 2017-07-12 富士通株式会社 行先情報提供プログラム、行先情報提供装置および行先情報提供方法
WO2015194270A1 (ja) * 2014-06-20 2015-12-23 ソニー株式会社 情報処理装置、情報処理方法およびプログラム
JP6129802B2 (ja) * 2014-09-19 2017-05-17 ヤフー株式会社 情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラム
JP6158859B2 (ja) * 2015-05-13 2017-07-05 ヤフー株式会社 予測装置、端末、予測方法及び予測プログラム
CN106686234B (zh) * 2016-12-28 2020-09-08 西北工业大学 基于手机传感器数据的用户年龄识别方法
JP2022018180A (ja) * 2020-07-15 2022-01-27 株式会社日立製作所 作業認識装置および作業認識方法
WO2023084609A1 (ja) * 2021-11-09 2023-05-19 日本電信電話株式会社 行動モデルのコスト推定装置、方法およびプログラム

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2003017137A1 (ja) * 2001-08-21 2004-12-09 富士通株式会社 ユーザプロファイル管理装置および推薦装置
JP2006134080A (ja) * 2004-11-05 2006-05-25 Ntt Docomo Inc 携帯端末、及び、個人適応型コンテキスト獲得方法
WO2008001550A1 (fr) * 2006-06-27 2008-01-03 Murata Kikai Kabushiki Kaisha Appareil de guidage audio, procédé de guidage audio, et programme de guidage audio

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010211679A (ja) 2010-09-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5199152B2 (ja) 行動予測方法及び行動予測システム
CN107391603B (zh) 用于移动终端的用户画像建立方法及装置
JP5466713B2 (ja) 生活パターン分類装置及び生活パターン分類システム
Park et al. Online pose classification and walking speed estimation using handheld devices
EP2687998B1 (en) Information terminal, information providing server, and control program
Yuan et al. An overview of human activity recognition based on smartphone
EP2819383B1 (en) User activity tracking system and device
JP5250827B2 (ja) 行動履歴の生成方法及び行動履歴の生成システム
US20180240328A1 (en) Information processing apparatus, information processing method and program
Choudhury et al. Towards Activity Databases: Using Sensors and Statistical Models to Summarize People's Lives.
JP5895716B2 (ja) 情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
JP5372487B2 (ja) 行動記録入力支援システム、及びサーバ
KR20150069331A (ko) 사용자 라이프 로그 생성 방법 및 시스템
CN111798260A (zh) 用户行为预测模型构建方法、装置、存储介质及电子设备
JP2010146223A (ja) 行動抽出システム、行動抽出方法、及びサーバ
CN112614578A (zh) 医生智能推荐方法、装置、电子设备及存储介质
CN111798259A (zh) 应用推荐方法、装置、存储介质及电子设备
KR20190136337A (ko) 소셜미디어 컨텐츠 기반 감정 분석 방법, 시스템 및 컴퓨터-판독가능 매체
JP2012242997A (ja) 乗換時間計算システム及び乗換時間計算方法
Sun et al. Trip purpose inference for tourists by machine learning approaches based on mobile signaling data
JP6183489B2 (ja) 情報処理システム、情報処理方法、及びプログラム
CN116028002B (zh) 一种基于物联网的显示屏数据展示方法及系统
Xu et al. Comparative studies on activity recognition of elderly people living alone
Zhang et al. Prediction of behavior and activity of patients through wearable devices based on deep learning
Choujaa et al. Activity recognition from mobile phone data: State of the art, prospects and open problems

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110627

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120309

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121018

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121030

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121218

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130115

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130207

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160215

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5199152

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees