JPWO2014178099A1 - 非調質鋼材 - Google Patents

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Abstract

この非調質鋼材は、質量%で、C:0.20〜0.60%、Si:0.50〜2.0%、Mn:0.20〜2.0%、P:0.010〜0.15%、S:0.010〜0.15%、V:0.10〜0.50%、N:0.002〜0.02%を含有し、残部がFe及び不純物よりなる鋼成分からなり、鋼材の断面での、前記鋼材中のV濃度の平均値に対する前記鋼材中のV濃度の最大値の比をVの偏析比としたとき、前記Vの偏析比が1.0以上、3.0未満である。

Description

本発明は、熱間鍛造による鋼部品成形直後の焼入れ焼戻しの調質処理を省略して使用するのに好適な非調質鋼材に関するものであって、特に破断分割して使用する鋼部品用の素材に関わるものである。
最近の自動車エンジン用鍛造部品および足廻り用鍛造部品には、調質処理の省略が可能な熱間鍛造用非調質鋼(以下、非調質鋼とする)が適用されている。非調質鋼は熱間鍛造後、空冷または風冷ままであっても、すなわち旧来の焼入れ焼戻しの調質処理を省略しても、優れた機械的性質を実現するように成分設計された鋼である。
非調質鋼が広く適用されている部品の一つとして、エンジン用コネクティングロッド(以下、コンロッドと呼ぶ)がある。コンロッドは、エンジン内のピストンの往復運動をクランクシャフトの回転運動に変換し、動力を伝達する部品であり、キャップとロッドとの2つの部品から構成されている。コンロッドは、このキャップとロッドとの間にクランクシャフトを挟んで、ボルトで締結することによって、クランクシャフトに取り付けられている。従来、コンロッドは、キャップとロッドとを別々に鍛造した後、あるいはキャップとロッドとを一体の形に鍛造したものを機械的に切断した後、キャップとロッドとの合わせ面を機械加工によって高精度に加工することによって作製されてきた。また、この合わせ面がずれないようにピン加工が行われることが多く、加工工程がさらに煩雑となり、製造コストが高くなるという問題があった。
このため、近年は、鋼材をキャップとロッドとが一体となった形状に熱間鍛造成型した後、成型品の大端部内側に切り欠き加工を施し、成型品に冷間で衝撃引張応力を与えてこれをキャップとロッドとに破断分割し、その破断面をそのまま合わせ面として利用することによってキャップとロッドとをクランクシャフトに取り付ける工法が採用されるようになっている。この工法は、合わせ面の機械加工工程が不要になる。また破面の凹凸を利用することによってずれ防止のためのピン加工も、この工法では必要に応じ省略できる。これらのことから、部品の加工コストを削減することができる。さらに、ピンの廃止によって合わせ面の面積が削減できるので、コンロッド自体の小型・軽量化を図ることも可能となる。
このような破断分割コンロッドが広く普及した欧米において、破断分割コンロッド用鋼として普及しているのは、DIN規格のC70S6である。これは0.7重量%の炭素を含む高炭素非調質鋼であり、破断分割時の寸法変化を抑えるために、組織のほぼ全てを延性及び靭性が低いパーライト組織としたものである。C70S6は、破断時の破断面近傍の塑性変形量が小さいので破断分離性に優れる一方、現行のコンロッド用鋼である中炭素非調質鋼のフェライト−パーライト組織に比べて組織が粗大であるので降伏比(=降伏強さ/引張強さ)が低く、高い座屈強度が要求される高強度コンロッドには適用できないという問題がある。
降伏比を高めるためには、炭素量を低く抑え、フェライト分率を増加させることが必要である。しかしながら、フェライト分率を増加させると延性及び靭性が向上して、破断分割時に破面近傍の塑性変形量が大きくなり、コンロッド大端部の内径の形状変形量が増大し、破断分離性が低下する問題が生じる。
上記問題点を解決するために、破断分離性に優れた中炭素非調質鋼が提案されている。例えば、特許文献1および特許文献2には、Si又はPのような脆化元素を多量に添加し、材料自体の延性及び靭性を低下させることによって破断分離性を改善する技術が記載されている。特許文献3および特許文献4には、第2相粒子の析出強化を利用してフェライトの延性及び靭性を低下させることによって破断分離性を改善する技術が記載されている。特許文献5〜8には、Mn硫化物の形態を制御することによって破断分離性を改善する技術が記載されている。特許文献9には、鋼材を固相線、又は液相線に近い超高温に加熱し、組織を顕著に粗大化させることによって破断分離性を改善する技術が記載されている。しかしながら、これら技術は破断分割した破断面の変形量を小さくする一方で、材料を脆くするので、破断分割時、あるいは破断面同士をかみ合わせた時に欠けが生じる。破断面の欠けは、破断面をかみ合わせる際に位置ずれが生じるので、精度良くかみ合わせができなくなる問題を発生させる場合がある。
日本国特許3637375号公報 日本国特許3756307号公報 日本国特許3355132号公報 日本国特許3988661号公報 日本国特許4314851号公報 日本国特許3671688号公報 日本国特許4268194号公報 国際公開第2009−107282号パンフレット 日本国特許4086734号公報 日本国特許4705740号公報
本発明は上記の事情に鑑み、破断時の破断面近傍の塑性変形量を小さくし、かつ、破断面の欠け発生を抑制した、破断分離性に優れた非調質鋼材を提供することを目的とする。
本発明者らは、従来技術と比較して多量のVを含有させて破断分割時の変形量を小さくし、且つ鋼材のVの偏析を低減することにより、破断分割後の破断面の欠けを低減できることを知見し、本発明を完成させた。本発明の要旨は、次のとおりである。
(a)本発明の一態様に係る非調質鋼材は、質量%で、
C:0.20〜0.60%、
Si:0.50〜2.0%、
Mn:0.20〜2.0%、
P:0.010〜0.15%、
S:0.010〜0.15%、
V:0.10〜0.50%、
N:0.002〜0.02%
を含有し、残部がFe及び不純物よりなる鋼成分からなり、鋼材の断面での、前記鋼材中のV濃度の平均値に対する前記鋼材中のV濃度の最大値の比をVの偏析比としたとき、前記Vの偏析比が1.0以上、3.0未満である。
(b)上記(a)記載の非調質鋼材は、さらに、質量%で、
Ca:0.005%以下、
Mg:0.005%以下、
Zr:0.005%以下
のうちの1種または2種以上を含有してもよい。
(c)上記(a)または(b)記載の非調質鋼材は、さらに、質量%で、
Cr:0.25%以下、
Ti:0.10%以下、
Nb:0.05%以下
のうちの1種または2種以上を含有してもよい。
本発明の上記態様に係る非調質鋼材は、熱間鍛造後に空冷または風冷した後破断分割を行った際に、破断面近傍の塑性変形量が小さく且つ破断面の欠け発生が少ない、優れた破断分離性を有する。破断面の塑性変形量が小さく、さらに欠け発生が少ないという特徴により、破断面のかみ合わせ時に位置ずれが生じることなく精度良く破断面をかみ合わせることができ、部品製造の歩留まりを向上させる。また、この特徴により、欠けを振るい落とす工程を省略することができ、製造コストの低減につながり、このことは産業上極めて効果が大きいものである。
破断分離性評価試験に用いたコンロッド大端部相当形状の試験片を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。 Vの偏析比と破断面の欠け発生量との関係を示した図である。
本発明者らは、破断分割後の破断面近傍の塑性変形量及び破断面の欠け発生に影響を及ぼす各種因子について鋭意検討し、以下の知見を得た。
(1)Vを多量に含有することにより、破断分割後の破断面近傍の塑性変形量を小さくすることができる。熱間鍛造後の冷却過程において、フェライト組織中にV炭化物、及びV炭窒化物が析出し、析出強化によりフェライトを強化させる。フェライト強化により、延性及び靭性が低下する。十分な低延性化及び低靭性化によって、破断分割後の変形量が小さくなる。しかしながら、一般的に低延性化及び低靭性化に伴って破断面は脆くなり、これにより破断面の欠けが発生する場合がある。
(2)鋼材のVの偏析を低減することにより、このような破断面の欠け発生が低減される。多量にVを含有することによって、Vが著しく偏析し、V量が不均一となり、これによりフェライト変態開始温度が鋼材内で不均一となるので、鋼材のミクロ組織が不均一となる。鋼材を破断分割した際、不均一な組織は亀裂の進展方向を大きく変えるとともに、亀裂を分岐させて副亀裂を生じさせ、これが多量の欠け発生の原因となる。
尚、本発明は、上記「Vの偏析」を「Vの偏析比」として規定する。この「Vの偏析比」とは、鋼材の断面における、鋼材中V濃度の平均値に対する鋼材中V濃度の最大値の比(最大値/平均値)をいう。
以下に、本実施形態に係る鋼が含有する各元素の含有量の限定理由について説明する。成分についての%は、質量%を意味する。
C:0.20〜0.60%
Cは、部品の引張強さを確保する効果と、かつ延性及び靭性が低いパーライトの体積分率(即ちパーライト分率)を増加させて破断時の破断面近傍の塑性変形量を小さくし良好な破断分離性を実現する効果とを有する。これら効果を得るためには、C含有量の下限を0.20%にする必要がある。C含有量の下限は、好ましくは0.25%であり、より好ましくは0.30%である。C含有量の上限は、破断分離性を向上させるとの観点からは規定する必要がない。しかし、Cを過剰に含有すると、パーライト分率が過大となり、組織が粗大化して降伏比が低下し、座屈強度が要求される高強度コンロッドに適用する場合には好ましくない。従って、C含有量の上限は0.60%とする。C含有量の上限は、好ましくは0.50%であり、より好ましくは0.48%である。
Si:0.50〜2.0%
Siは、固溶強化によってフェライトを強化させ、延性及び靭性を低下させる。延性及び靭性の低下は、破断時の破断面近傍の塑性変形量を小さくし良好な破断分離性を実現する効果を有する。この効果を得るためには、Si含有量の下限を0.50%にする必要がある。Siを過剰に含有すると、フェライト分率が過大となり、かえって鋼材の破断分離性が低下する場合があるので、Si含有量の上限は2.0%とする。Si含有量の上限は、好ましくは1.5%であり、より好ましくは1.25%である。
Mn:0.20〜2.0%
Mnは、固溶強化によってフェライトを強化し、延性及び靭性を低下させる。延性及び靭性の低下は、破断時の破断面近傍の塑性変形量を小さくし良好な破断分離性を実現する効果を有する。また、Mnは、Sと結合してMn硫化物を形成する。鋼材を破断分割させる際に、圧延方向に伸長したMn硫化物に沿って亀裂が伝播するので、Mnの含有は、破断面の凹凸を大きくして、破断面をかみ合わせる際に位置ずれを防止する効果がある。これら効果を得るためには、Mn含有量の下限を0.20%にする必要がある。Mn含有量の下限は、好ましくは0.30%であり、より好ましくは0.45%である。Mnを過剰に含有すると、パーライトのラメラー間隔が小さくなり、パーライトの延性及び靭性が高くなる。そのため、かえって破断時の破断面近傍の塑性変形量が大きくなり破断分離性が低下する。さらに、Mnを過剰に含有すると、ベイナイト組織が生成しやすくなり、破断分離性が大幅に低下する場合がある。従って、Mn含有量の上限は2.0%とする。好ましくは、Mn含有量の上限は1.5%であり、より好ましくは1.2%であり、さらに好ましくは1.0%である。
P:0.010〜0.15%
Pは、フェライト及びパーライトの延性及び靭性を低下させる。延性及び靭性の低下は、破断時の破断面近傍の塑性変形量を小さくし、良好な破断分離性を実現する効果を有する。この効果を得るためには、P含有量の下限を0.010%にする必要がある。好ましくは、P含有量の下限は0.030%である。Pを過剰に含有すると、熱間延性が低下し、熱間加工時に割れ又は疵が発生しやすくなる場合があるので、P含有量の上限は0.15%である。P含有量の上限は、好ましくは0.10%であり、より好ましくは0.070%である。
S:0.010〜0.15%
Sは、Mnと結合してMn硫化物を形成する。鋼材を破断分割させる際に、圧延方向に伸長したMn硫化物に沿って亀裂が伝播するので、Sの含有は、破断面の凹凸を大きくし、破断面をかみ合わせる際に位置ずれを防止する効果がある。その効果を得るためには、S含有量の下限を0.010%にする必要がある。Sを過剰に含有すると、破断分割時の破断面近傍の塑性変形量が増大し、破断分離性が低下する場合がある。また、Sを過剰に含有すると、熱間延性が低下し、熱間加工時に割れ又は疵が発生しやすくなる場合がある。従って、S含有量の上限は0.15%である。S含有量の上限は、好ましくは0.12%であり、より好ましくは0.10%である。
V:0.10〜0.50%
Vは、本実施形態に係る鋼において重要な成分である。Vは、熱間鍛造後の冷却時に主に炭化物又は炭窒化物を形成してフェライトを強化し、延性及び靭性を低下させる。延性及び靭性の低下は、破断時の破断面近傍の塑性変形量を小さくして鋼材の破断分離性を良好にする。また、Vは、炭化物又は炭窒化物の析出強化により、鋼材の降伏比を高めるという効果がある、これら効果を得るためには、V含有量の下限を0.10%にする必要がある。V含有量の下限は、好ましくは0.15%であり、より好ましくは0.20%である。一方、Vを過剰に含有しても、その効果は飽和するので、V含有量の上限は0.50%である。好ましくは、V含有量の上限は0.35%である。
N:0.002〜0.02%
Nは、熱間鍛造後の冷却時に主にV窒化物又はV炭窒化物を形成してフェライトの変態核として働くことによってフェライト変態を促進する。これにより鋼材の破断分離性を大幅に損なうベイナイト組織の生成を抑制する効果がある。この効果を得るには、N含有量の下限を0.002%にする必要がある。Nを過剰に含有すると、熱間延性が低下し、熱間加工時に割れ又は疵が発生しやすくなる場合がある。従って、N含有量の上限は0.02%である。好ましくは、N含有量の上限は0.01%である。
Ca:0.005%以下、Mg:0.005%以下、Zr:0.005%以下のうちの1種または2種以上
Ca、Mg、Zrはいずれも、酸化物を形成し、Mn硫化物の晶出核または析出核となり、Mn硫化物を均一に微細に分散させる。このMn硫化物が破断分割時の亀裂の伝播経路となり、破断面近傍の塑性変形量を小さくし破断分離性を高める効果がある。これらCa、Mg、Zrを過剰に含有しても、その効果は飽和するので、Ca、Mg、Zrの含有量の上限をそれぞれ0.005%とする。この効果を十分に発揮するためには、Ca、Mg、Zrの含有量の下限をそれぞれ0.0005%とすることが好ましい。
本実施形態に係る鋼材は、更に、Cr:0.25%以下、Ti:0.10%以下、及び、Nb:0.05%以下の内の1種または2種以上を必要に応じて含有することができる。
Cr:0.25%以下
Crは、Mnと同様に固溶強化によってフェライトを強化し、延性及び靭性を低下させる。延性及び靭性の低下は、破断時の破断面近傍の塑性変形量を小さくし、良好な破断分離性を得る効果がある。しかしながら、Crを過剰に含有すると、パーライトのラメラー間隔が小さくなり、かえってパーライトの延性及び靭性が高くなる。そのため、破断時の破断面近傍の塑性変形量が大きくなり破断分離性が低下する。さらに、Crを過剰に含有すると、ベイナイト組織が生成しやすくなり、破断分離性が大幅に低下する場合がある。従って、上述の効果を得るためにCrを含有させる場合、Cr含有量を0.25%以下とする。好ましくは、Cr含有量の上限は0.15%である。Crの効果を十分に発揮させるためには、Cr含有量の下限を0.01%とすることが好ましい。
Ti:0.10%以下
Tiは、熱間鍛造後の冷却時に主に炭化物又は炭窒化物を形成して、析出強化によりフェライトを強化し延性及び靭性を低下させる。延性及び靭性の低下は、破断時の破断面近傍の塑性変形量を小さくし、良好な破断分離性を得る効果がある。しかし、Tiを過剰に含有するとその効果が飽和するので、上述の効果を得るためにTiを含有させる場合、Ti含有量の上限を0.10%とする。Tiの効果を十分に発揮させるためには、Ti含有量の下限を0.005%とすることが好ましい。より好適なTi含有量の範囲は、0.010〜0.030%である。
Nb:0.05%以下
Nbは、熱間鍛造後の冷却時に主に炭化物又は炭窒化物を形成して、析出強化によりフェライトを強化し延性及び靭性を低下させる。延性及び靭性の低下は、破断時の破断面近傍の塑性変形量を小さくし良好な破断分離性を得る効果がある。しかし、Nbを過剰に含有するとその効果が飽和するので、上述の効果を得るためにNbを含有させる場合、Nb含有量の上限を0.05%とする。Nbの効果を十分に発揮させるにためは、Nb含有量の下限を0.005%とすることが好ましい。より好適なNb含有量の範囲は0.010〜0.030%である。
本実施形態に係る鋼材の残部は、鉄及び不純物である。不純物とは、鉱石やスクラップ等の原材料及び製造環境から混入するものをいう。さらに、本実施形態に係る鋼材は、上記成分の他、本実施形態に係る鋼の効果を損なわない範囲で、Te、Zn、及びSn等を含有することができる。
次に、鋼材のVの偏析比を1.0以上、3.0未満とした理由について説明する。
Vを多量に含有すると、鋼材が低延性及び低靭性となり、破断分割時の破断面近傍の塑性変形量が小さくなる。その一方で、Vを多量に含有すると、破断面が脆くなり、欠けが生じやすくなる。Vを多量に含有すると、著しいVの偏析が生じるので、熱間鍛造後の組織が不均一となり、このことが、鋼材を破断分割した際に、亀裂の進展方向を大きく変えるとともに、亀裂を分岐させ副亀裂を生じさせる。これは多量の欠け発生の原因となる。本発明者らは、Vの偏析比と破断面の欠け発生との関係について検討した。
C:0.38%(質量%、以下同じ)、Si:0.88%、Mn:0.69%、P:0.054%、S:0.073%、V:0.30%、N:0.0104%、残部がFe及び不純物からなる組成を有する鋼を、転炉で溶製して連続鋳造により製造し、熱間圧延によって直径が56mmの棒鋼形状とした。この際に、連続鋳造における鋳型内の電磁撹拌の実施の有無、タンディッシュ内溶鋼過熱度(13〜52℃)、又は最終凝固部での軽圧下の圧下勾配(0.0〜3.0mm/m)を調整することにより、Vの偏析比を変化させた複数の鋼材を準備した。
Vの偏析比は、Vの偏析の程度を示す指標である。ここでは電子線マイクロアナライザ(EPMA)を用いて、直径が56mmの棒鋼について、熱間圧延方向に垂直な断面内にて表面から中心、及び中心から表面まで直径方向に線分析を行い、V濃度の最大値と平均値とを測定し、その比(=V濃度の最大値/平均値)を算出した。したがって、偏析が著しい場合、偏析比の値は高く、偏析がない場合、偏析比の値は1.0となる。
破断面の欠け発生を評価するために、鍛造コンロッド相当の試験片を熱間鍛造によって作製した。具体的には、直径56mm、長さ100mmの棒鋼を1250℃に加熱し、その後棒鋼の長さ方向に垂直に鍛造して厚さ20mmとし、さらに空冷(大気中での放冷)によって室温まで冷却した。その後、この棒鋼を切削加工し、コンロッド大端部相当形状の試験片とした。試験片は、図1に示すとおり、80mm×80mm且つ厚さ18mmの板形状の中央部に、直径50mmの穴を開けたものであり、直径50mmの穴の内面上には、鍛造前の素材である棒鋼の長さ方向に対して±90度の位置2ヶ所に、深さ1mm且つ先端曲率0.5mmの45度のVノッチ加工を施した。更に、ボルト穴として直径8mmの貫通穴を、その中心線がノッチ加工側の側面から8mmの箇所に位置するように開けた。
破断分割装置は割型と落錘試験機とから構成されている。割型は、長方形の鋼材上に成型した直径46.5mmの円柱を中心線に沿って2分割した形状であり、分割された円柱の一方が固定され、他方がレール上を移動する。2つの半円柱の合わせ面には、くさび穴が加工されている。試験片を破断させる時には、試験片の直径50mmの穴をこの割型の直径46.5mmの円柱にはめ込み、くさびを入れて、落錘の上に設置する。落錘は質量200kgであり、ガイドに沿って落下する仕組みである。落錘を落とすと、くさびが打ち込まれ、試験片は2つに引張破断される。なお、破断時に試験片が割型から遊離しないように、試験片は割型に押し付けられるように周囲を固定されている。
本試験では、試験片を落錘高さ100mmで破断させた後、破断面をつき合わせて20N・mのトルクでボルト締めして組み付ける作業とボルトを緩めて破断面を放す作業とを10回繰り返し、この際に脱落した破片の総重量を破断面の欠け発生量と定義する。
図2に、Vの偏析比と破断面の欠け発生量との関係を示す。Vの偏析比の低下により破断面の欠け発生量は減少する。欠け発生量を、欠けを振るい落とす工程を省略できる目標である1.0mg以下に抑制するためには、Vの偏析比を3.0未満にする必要がある。したがって、Vの偏析比の上限は3.0未満とした。より欠け発生量を抑制するには、Vの偏析比は好ましくは2.5以下であり、より好ましくは2.0以下である。
Vの偏析比の調節は、上述のとおり、連続鋳造における鋳型内の電磁撹拌の実施の有無、タンディッシュ内溶鋼過熱度、及び最終凝固部での軽圧下の圧下勾配を調整することにより、実現できる。電磁撹拌を実施し、タンディッシュ内溶鋼過熱度を13℃以上40℃以下とし、且つ最終凝固部での軽圧下の圧下勾配を0.5mm/m以上2.0mm/m以下とすると、Vの偏析比を1.0以上、3.0未満とすることができる。
本発明を実施例によって以下に詳述する。なお、これら実施例は本発明の技術的意義、及び効果を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
表1に示す組成を有する、転炉で溶製した鋼を連続鋳造することによりブルームを製造し、このブルームを、分塊圧延工程を経て162mm角のビレットとし、さらに熱間圧延によって直径が56mmの棒鋼形状とした。なお、表中の「−」との記号は、記号が記載された箇所に係る元素の含有量が検出限界値以下であることを示している。さらに、表2に示す通り連続鋳造における鋳型内の電磁撹拌の実施の有無、タンディッシュ内溶鋼過熱度、及び最終凝固部での軽圧下量を調整することにより、Vの偏析比を変化させた鋼材を準備した。電磁撹拌を実施する際、65cm/secの流速で撹拌した。またタンディッシュ内過熱度13〜52℃の範囲で、鋼を鋳型に注入し、最終凝固部での軽圧下の圧下勾配0〜1.4mm/mの範囲で圧下した。分塊圧延前のブルームの加熱温度および加熱時間は、それぞれ1270℃、および140minであり、熱間圧延前のビレットの加熱温度および加熱時間は、それぞれ1240℃、および90minであった。表1の比較鋼の下線部分は、本発明の範囲外であることを示す。
Figure 2014178099
Figure 2014178099
次に、Vの偏析の程度を調査するため、電子線マイクロアナライザ(EPMA)を用いて、直径が56mmの棒鋼について、圧延方向に垂直な断面内で表面から中心、及び中心から表面まで直径方向に線分析を行い、Vの濃度分布を測定し、V濃度の最大値と平均値との比である偏析比を算出した。
次に、破断分離性、及び機械的特性(引張特性)を調べるために、鍛造コンロッド相当の試験片を熱間鍛造で作成した。具体的には、直径56mm、長さ100mmの素材棒鋼を、1150〜1280℃に加熱後、棒鋼の長さ方向に垂直に鍛造して厚さ20mmとし、空冷(大気中での放冷)によって室温まで冷却した。冷却後の鍛造材から、JIS4号引張試験片と、コンロッド大端部相当形状の破断分離性評価用試験片とを切削加工した。JIS4号引張試験片は、鍛造材側面から30mm位置で長手方向に沿って採取した。破断分離性評価用試験片は、図1に示すとおり、80mm×80mm且つ厚さ18mmの板形状の中央部に、直径50mmの穴を開けたものであり、直径50mmの穴の内面上には、鍛造前の素材である棒鋼の長さ方向に対して±90度の位置2ヶ所に、深さ1mm且つ先端曲率0.5mmの45度のVノッチ加工を施した。更に、ボルト穴として直径8mmの貫通穴を、その中心線がノッチ加工側の側面から8mmの箇所に位置するように開けた。
破断分離性評価の試験装置は、割型と落錘試験機とから構成されている。割型は長方形の鋼材上に成型した直径46.5mmの円柱を中心線に沿って2分割した形状で、片方が固定され、片方がレール上を移動する。2つの半円柱の合わせ面にはくさび穴が加工されている。破断試験時には、試験片の直径50mmの穴をこの割型の直径46.5mmの円柱にはめ込み、くさびを入れて落錘の上に設置する。落錘は質量200kgであり、ガイドに沿って落下する仕組みである。落錘を落とすと、くさびが打ち込まれ、試験片は2つに引張破断される。なお、破断時に試験片が割型から遊離しないように、試験片は割型に押し付けられるように周囲を固定されている。
本試験では、落錘高さ100mmで破断を行い、破断後の試験片をつき合わせてボルト締めし、破断方向の内径と、破断方向に垂直な方向の内径との差を測定し、これを破断分割による変形量とした。その後、破断面をつき合わせて20N・mのトルクでボルト締めして組み付ける作業とボルトを緩めて破断面を放す作業とを10回繰り返し、これにより脱落した破片の総重量を破断面の欠け発生量と定義した。破断分離性については、破断分割による変形量が100μmを超えるもの、又は破断面の欠け発生量が1.0mgを超えるものは目標未達とした。
また降伏比については、0.70に満たないものは目標未達とした。伸びについては、18%を超えるものは目標未達とした。
試験No.1〜22の本発明例はいずれも目標を達成しており、優れた破断分離性を有していることがわかった。一方、試験No.23〜26、28、30は、C、Si、Mn、P、V量が本発明の範囲から外れているので、フェライト分率が高く、あるいはフェライト、及びパーライト組織の延性を十分低下させることができず、高延性であったので、破断分割時の変形量が大きく破断分離性が悪かった。試験No.27、31は、Mn、Cr量が本発明の範囲から外れているので、ベイナイト組織が生成し、あるいはパーライト組織の延性を十分低下させることができず、破断分割の変形量が大きく破断分離性が悪かった。試験No.29は、S量が本発明の範囲から外れているので、アスペクト比の大きいMn硫化物の量が増えてセパレーションが発生し、Mn硫化物の伸長方向に平行な亀裂が発生したので、破断分割の変形量が大きく破断分離性が悪かった。試験No.32〜38は、鋼成分が本発明の範囲内であるが、連続鋳造における鋳型内の電磁撹拌を実施していない、タンディッシュ内溶鋼過熱度が40℃を上回って高い、または最終凝固部での軽圧下の条件が規定範囲外であったので、Vの偏析比が3.0以上であり、破断面の欠け発生量が目標未達であった。
本発明の非調質鋼材は、熱間鍛造後に空冷または風冷した後破断分割を行った際に、破断面近傍の塑性変形量が小さく且つ破断面の欠け発生が少ない、優れた破断分離性を有する。破断面の塑性変形量が小さく、さらに欠け発生が少ないという特徴により、破断面のかみ合わせ時に位置ずれが生じることなく精度良く破断面をかみ合わせることができ、部品製造の歩留まりを向上させる。また、この特徴により、欠けを振るい落とす工程を省略することができ、製造コストの低減につながり、このことは産業上極めて効果が大きい。
1 試験片
2 穴
3 Vノッチ
4 貫通穴
(a)本発明の一態様に係る、破断分割して使用する非調質鋼材は、質量%で、
C:0.20〜0.60%、
Si:0.50〜2.0%、
Mn:0.20〜2.0%、
P:0.010〜0.15%、
S:0.010〜0.15%、
V:0.0〜0.50%、
N:0.002〜0.02%
を含有し、残部がFe及び不純物よりなる鋼成分からなり、鋼材の断面での、前記鋼材中のV濃度の平均値に対する前記鋼材中のV濃度の最大値の比をVの偏析比としたとき、前記Vの偏析比が1.0以上、3.0未満である。
V:0.10〜0.50%
Vは、本実施形態に係る鋼において重要な成分である。Vは、熱間鍛造後の冷却時に主に炭化物又は炭窒化物を形成してフェライトを強化し、延性及び靭性を低下させる。延性及び靭性の低下は、破断時の破断面近傍の塑性変形量を小さくして鋼材の破断分離性を良好にする。また、Vは、炭化物又は炭窒化物の析出強化により、鋼材の降伏比を高めるという効果がある、これら効果を得るためには、V含有量の下限を0.10%にする必要がある。V含有量の下限は、好ましくは0.15%であり、より好ましくは0.20%である。一方、Vを過剰に含有しても、その効果は飽和するので、V含有量の上限は0.50%である。好ましくは、V含有量の上限は0.35%である。
本発明では、V含有量を0.20〜0.50%とする。
Figure 2014178099
Figure 2014178099
試験No.1〜4、6〜22の本発明例はいずれも目標を達成しており、優れた破断分離性を有していることがわかった。一方、試験No.23〜26、28、30は、C、Si、Mn、P、V量が本発明の範囲から外れているので、フェライト分率が高く、あるいはフェライト、及びパーライト組織の延性を十分低下させることができず、高延性であったので、破断分割時の変形量が大きく破断分離性が悪かった。試験No.27、31は、Mn、Cr量が本発明の範囲から外れているので、ベイナイト組織が生成し、あるいはパーライト組織の延性を十分低下させることができず、破断分割の変形量が大きく破断分離性が悪かった。試験No.29は、S量が本発明の範囲から外れているので、アスペクト比の大きいMn硫化物の量が増えてセパレーションが発生し、Mn硫化物の伸長方向に平行な亀裂が発生したので、破断分割の変形量が大きく破断分離性が悪かった。試験No.32〜38は、鋼成分が本発明の範囲内であるが、連続鋳造における鋳型内の電磁撹拌を実施していない、タンディッシュ内溶鋼過熱度が40℃を上回って高い、または最終凝固部での軽圧下の条件が規定範囲外であったので、Vの偏析比が3.0以上であり、破断面の欠け発生量が目標未達であった。

Claims (3)

  1. 質量%で、
    C:0.20〜0.60%、
    Si:0.50〜2.0%、
    Mn:0.20〜2.0%、
    P:0.010〜0.15%、
    S:0.010〜0.15%、
    V:0.10〜0.50%、
    N:0.002〜0.02%
    を含有し、残部がFe及び不純物よりなる鋼成分からなり、
    鋼材の断面での、前記鋼材中のV濃度の平均値に対する前記鋼材中のV濃度の最大値の比をVの偏析比としたとき、前記Vの偏析比が1.0以上、3.0未満であることを特徴とする非調質鋼材。
  2. さらに、質量%で、
    Ca:0.005%以下、
    Mg:0.005%以下、
    Zr:0.005%以下
    のうちの1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1記載の非調質鋼材。
  3. さらに、質量%で、
    Cr:0.25%以下、
    Ti:0.10%以下、
    Nb:0.05%以下
    のうちの1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1または2記載の非調質鋼材。
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