JPWO2014157560A1 - 被覆工具の製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、基材の表面にダイヤモンドライクカーボン皮膜を被覆した被覆工具であって、前記ダイヤモンドライクカーボン皮膜のナノインデンテーション硬度は50GPa以上100GPa以下であり、前記ダイヤモンドライクカーボン皮膜は基材側から厚み方向に向かって水素原子及び窒素原子の含有量が減少しており、前記ダイヤモンドライクカーボン皮膜の表面は水素原子の含有量が0.5原子%以下、窒素原子の含有量が2原子%以下である被覆工具を提供する。

Description

本発明は、例えばプレス加工用の金型、鍛造用の金型や、鋸刃等の切断工具、又はドリル等の切削工具などの、ダイヤモンドライクカーボン皮膜(以下、「DLC皮膜」ともいう。)を被覆した被覆工具およびその製造方法に関するものである。
アルミニウム、銅および樹脂等の被加工材を金型で成形加工する場合、被加工材の一部が金型の表面に付着することでカジリ、キズ等の製品異常が発生する場合がある。この問題を解決するために、金型の表面にDLC皮膜を被覆した被覆金型が実用されている。水素を実質的に含有しないDLC皮膜(Tetrahedral amorphous carbon皮膜:ta−C皮膜)は、高硬度で耐摩耗性に優れるため、被覆金型に広く適用されている。
しかしながら、水素を実質的に含有しない高硬度なDLC皮膜は、グラファイトターゲットを用いたアークイオンプレーティング法で形成されており、ドロップレットといわれる、大きさが数マイクロメートルの粒子(グラファイト球)が不可避的にDLC皮膜に混入し、DLC皮膜の表面粗さが悪化する。
このような課題に対して、特許文献1には、ドロップレットを捕集する機構を備えたフィルタードアークイオンプレーティング法を適用することで、平滑で高硬度な水素を実質的に含有しないDLC皮膜を被覆できることが開示されている。
特開2008−297171号公報
特許文献1のような、高硬度で平滑な表面状態のDLC皮膜を適用することで、工具特性の改善が期待される。しかしながら、高硬度なDLC皮膜は、基材との密着性が乏しい傾向にある。
本発明者の検討によると、特に、炭化物が多いSKD11等の冷間工具鋼(例えば、炭素含率が1質量%以上の高炭素鋼)等を基材に用いた場合には、マトリックスと炭化物の間に隙間が生じ、その隙間を起点にしてDLC皮膜の剥離が発生し易い傾向があり、被覆直後のDLC皮膜に剥離が発生する場合があることを確認した。
本発明は、以上のような事情に鑑みなされたものであって、密着性に優れた被覆工具およびその製造方法に関するものである。
本発明者は、高硬度のDLC皮膜の密着性を改善できる具体的な皮膜構造と、それを実現するのに有効な被覆方法があることを見出し、本発明に到達した。
前記課題を達成するための具体的手段は、以下の通りである。
すなわち、本発明は、基材の表面にDLC(ダイヤモンドライクカーボン)皮膜を被覆した被覆工具であって、前記DLC皮膜のナノインデンテーション硬度は50GPa以上100GPa以下であり、前記DLC皮膜は基材側から厚み方向(表面側)に向かって水素原子及び窒素原子の含有量が減少しており、前記DLC皮膜の表面は、水素原子の含有量が0.5原子%以下であり、窒素原子の含有量が2原子%以下である、密着性に優れる被覆工具である。
前記DLC皮膜の表面粗さは、算術平均粗さRaが0.03μm以下であり、最大高さ粗さRzが0.5μm以下であることが好ましい。
前記DLC皮膜の基材の表面は、水素原子の含有量が0.7原子%以上7原子%以下であり、窒素原子の含有量が2原子%超10原子%以下であることが好ましい。
また、ダイヤモンドライクカーボン皮膜の膜厚は、0.1μm〜1.5μmの範囲であるのが好ましい。
基材としては、炭素含率が1質量%以上の高炭素鋼又は超硬合金であることが好適である。
また、本発明の被覆工具の製造方法は、フィルタードアークイオンプレーティング法で基材の表面にDLC(ダイヤモンドライクカーボン)皮膜を被覆する被覆工具の製造方法であって、
炉内に水素原子を含む混合ガスを導入し、前記基材の表面をガスボンバード処理する工程と、次いで、ガスボンバード処理後の前記炉内に窒素ガスを導入し、炉内に導入する前記窒素ガスの流量を減少させながら、グラファイトターゲットを用いてDLC皮膜を前記基材の表面に被覆する工程と、を含む方法である。
前記混合ガスは、アルゴンガスと、混合ガス総質量に対して4質量%以上の水素ガスと、を含有する混合ガスであることが好ましい。
前記被覆する工程は、炉内に導入する前記窒素ガスの流量を減少させながらダイヤモンドライクカーボン皮膜を被覆した後、さらに窒素ガスの導入を止めて(窒素ガスの導入量を0sccmまで減少させて)ダイヤモンドライクカーボン皮膜を被覆するものであることが好ましい。
また、前記被覆する工程において、炉内に導入する窒素ガスの流量は、5sccm以上30sccm以下とすることが好ましい。
本発明によれば、密着性に優れた被覆工具およびその製造方法が提供される。
図1は、本発明例である試料No.1について、DLC皮膜のグロー放電発光分光分析結果を示すグラフである。 図2は、本発明例である試料No.2について、DLC皮膜のグロー放電発光分光分析結果を示すグラフである。 図3は、本発明例である試料No.3について、DLC皮膜のグロー放電発光分光分析結果を示すグラフである。 図4は、比較試料No.1について、DLC皮膜のグロー放電発光分光分析結果を示すグラフである。 図5は、比較試料No.2について、DLC皮膜のグロー放電発光分光分析結果を示すグラフである。 図6は、比較試料No.3について、DLC皮膜のグロー放電発光分光分析結果を示すグラフである。 図7は、本発明例である試料No.1について、DLC皮膜のオージェ電子分光分析結果を示すグラフである。 図8は、本発明例である試料No.3について、DLC皮膜のオージェ電子分光分析結果を示すグラフである。 図9は、比較試料No.3について、DLC皮膜のオージェ電子分光分析結果を示すグラフである。 図10は、実施例で用いたT字型フィルタードアーク成膜装置の概略図である。 図11は、本発明例である試料No.1〜No.3のDLC皮膜の光学顕微鏡による表面観察写真である。 図12は、比較試料No.1〜No.6のDLC皮膜の光学顕微鏡による表面観察写真である。 図13は、ボールオンディスク試験後の本発明例である各試料の光学顕微鏡による表面観察写真である。 図14は、ボールオンディスク試験後の各比較試料の光学顕微鏡による表面観察写真である。
本発明の被覆工具は、基材の表面にダイヤモンドライクカーボン皮膜を被覆した被覆工具であり、皮膜表面から測定したナノインデンテーション硬度を50GPa以上100GPa以下とする。本発明の被覆工具は、皮膜表面から測定したナノインデンテーション硬度が50GPa以上の高硬度なDLC皮膜を基材上に有するものである。ナノインデンテーション硬度が50GPaを下回る低硬度であると、耐摩耗性が低下するため、工具寿命が十分でないものとなる。一方、皮膜の硬さが100GPaよりも高硬度になると、残留応力が高くなり過ぎて、基材との密着性が低下する。
本発明におけるDLC皮膜のナノインデンテーション硬度としては、耐摩耗性が良好で基材との密着により優れたものとなる点で、55GPa以上がより好ましく、60GPa以上がさらに好ましい。また、DLC皮膜のナノインデンテーション硬度は、95GPa以下がより好ましく、90GPa以下がさらに好ましい。
ナノインデンテーション硬度とは、探針を試料(DLC皮膜)に押し込んで塑性変形させた際の塑性硬さのことであり、押し込み荷重と押し込み深さ(変位)とから荷重−変位曲線を求めて、硬度を算出する。具体的には、株式会社エリオニクス製のナノインデンテーション装置を用い、押込み荷重9.8mN、最大荷重保持時間1秒、荷重負荷後の除去速度0.49mN/秒の測定条件で皮膜表面の硬度を10点測定し、値の大きい2点と値の小さい2点を除いた6点の平均値から求められる。
高硬度なDLC皮膜は、内部応力が極めて高く基材との密着性が乏しい傾向にある。そのため、従来からDLC皮膜よりも硬度が低い中間皮膜を設けることで基材とDLC皮膜との密着性を確保する技術が提案されている。しかし、本発明者の検討によれば、基材とDLC皮膜との間に金属、炭化物または窒化物等の中間皮膜を介在させた場合、中間皮膜の表面欠陥を起点としてDLC皮膜が優先的に剥離するため、密着性を改善するには十分でないことを確認した。
一方、水素原子または窒素原子を含有するDLC皮膜は、硬度及び残留応力が低下することが知られている。DLC皮膜に含まれる水素原子の含有量が多くなると、硬度及び残留応力は低下する。例えば、DLC被膜を被覆金型の被覆用材料として適用した場合、成形中の温度上昇によってDLC皮膜に含まれる水素が蒸発し、金型に空隙等の欠陥が生じて、金型寿命が低下する。また、DLC皮膜に含まれる窒素原子の含有量が多くなる場合も、硬度及び残留応力は低下する。非鉄系材料を加工した場合、溶着が発生し易くなる。そのため、水素原子または窒素原子を過多に含有するDLC皮膜を介在させて密着性が向上させたとしても、工具特性は改善され難い。
そこで、本発明者は、基材の直上にDLC皮膜を設け、そのDLC皮膜の厚み方向における皮膜構造を連続的に変化させて残留応力を低下する手法を検討した。その結果、水素及び窒素の元素を厚み方向に均一に含有させず、DLC皮膜の基材側から表面側に向かう厚み方向に水素原子及び窒素原子の含有量を共に減少させると、残留応力が低下し、炭化物が多い冷間工具鋼を基材に用いた場合にも剥離が発生せず、密着性が改善されることを確認した。
但し、基材から離れた表面のDLC皮膜に含まれる水素原子または窒素原子の含有量が多くなると、被加工材の溶着が発生し、工具寿命が低下し易くなる。そこで、本発明の被覆工具では、DLC皮膜の基材側から表面側に向かう厚み方向に水素原子及び窒素原子の含有量を減少させていき、DLC皮膜の表面において水素原子の含有量を0.5原子%以下とし、窒素の含有量を2原子%以下とした。すなわち、これは、本発明の被覆工具は、基材側の表面の水素原子の含有量が0.5原子%を超えており、基材側の表面の窒素原子の含有量が2原子%を超えていることを示す。
このような皮膜構造を有することで、基材の直上に設けた高硬度なDLC皮膜が基材に対して高い密着性を有し、被加工材の溶着も抑制することができる。
本発明の被覆工具は、被覆金型に適用することで金型寿命を大幅に向上できるので好ましい。
中でも、上記と同様の理由から、DLC皮膜の表面での水素原子の含有量としては、0.4原子%以下が好ましく、0.3原子%以下がより好ましい。
また、DLC皮膜の表面での窒素原子の含有量としては、1.5原子%以下が好ましく、1.0原子%以下がより好ましい。
なお、本発明における皮膜の「表面」とは、被加工材と接触する表面およびその近傍のことをいう。また、本発明における「基材側の表面」とは、基材と接する皮膜の表面およびその界面近傍のことをいう。
水素原子の含有量は、弾性反跳粒子検出法(ERDA分析) により求めることができる。また、窒素原子の含有量は、オージェ電子分光法(AES分析)により求めることができる。
DLC皮膜では、基材側における水素含有量が多くなり過ぎると、基材側から表面側に向かって水素含有量を減少させても、DLC皮膜の全体に含まれる水素含有量が多くなる。結果、硬度の低下および工具使用中での水素の蒸発による工具特性の低下を招来する。基材側の水素含有量を高めるには、アセチレン(C)等の炭化水素系のガスを導入することが有効である。しかし、炭化水素系のガスを多量に導入すると、炉内に付着するススが多くなり、装置メンテナンスが困難となる。
そのため、DLC皮膜の基材側の表面は、水素含有量を0.7原子%以上7原子%以下とすることが好ましい。より好ましい水素含有量は、0.7原子%以上3原子%以下であり、更には0.7原子%以上2原子%以下である。
また、DLC皮膜では、基材側における窒素含有量が多くなり過ぎると、基材側から表面側に向かって窒素含有量を減少させても、DLC皮膜の全体に含まれる窒素含有量が多くなる。結果、硬度の低下による耐摩耗性の低下および非鉄系材料を加工した場合に溶着が発生し易くなる。
そのため、DLC皮膜の基材側の表面は、窒素含有量を2原子%超10原子%以下とすることが好ましい。より好ましい窒素含有量は、2原子%超8原子%以下であり、更には2原子%超5原子%以下である。
DLC皮膜の表面にドロップレットや不純物等が存在すると、これらを起点として被加工材が溶着してカジリ等が発生する。一般的な表面粗さである算術平均粗さRa(JIS−B−0601−2001に準拠)、最大高さ粗さRz(JIS−B−0601−2001に準拠)で測定した場合、Raが0.03μm以下、Rzが0.5μm以下の平滑性を有すると、被加工材の溶着の起点となる表面欠陥を低減することができる点で好ましい。より好ましくは、Raは0.02μm以下である。また、より好ましくは、Rzが0.3μm以下である。
DLC皮膜の膜厚が薄くなり過ぎると、工具としての耐久性が不足する。また、DLC皮膜の膜厚が厚くなり過ぎると、皮膜表面の面粗度が悪化する傾向にある。膜厚が厚くなり過ぎる場合、DLC皮膜が部分剥離する可能性も大きくなる。そのため、DLC皮膜の膜厚は、0.1μm〜1.5μmとすることが好ましく、0.1μm〜1.2μmとすることがより好ましい。被覆工具に十分な耐摩耗性を付与するには、DLC皮膜の膜厚は0.2μm以上であることが好ましい。平滑な表面粗さと優れた耐摩耗性を同時に達成するには、DLC皮膜の膜厚を0.5μm〜1.2μmにすることがより好ましい。
基材としては、特に制限されるものではなく、用途や目的等に応じて適宜選択することができる。例えば、超硬合金、冷間工具鋼、高速度工具鋼、プラスチック金型用鋼、熱間工具鋼等を適用することができる。基材の中でも、密着性の向上効果が高い点で、母材の炭化物が多くて皮膜剥離が発生し易い、炭素含有量が1質量%以上の高炭素鋼や超硬合金が好ましい。高炭素鋼の例としては、例えば、JIS−SKD11等が挙げられる。
続いて、本発明の被覆工具の製造方法について説明する。
本発明の被覆工具の製造方法は、フィルタードアークイオンプレーティング法で基材の表面にダイヤモンドライクカーボン皮膜を被覆する被覆工具の製造方法である。具体的には、本発明の被覆工具の製造方法は、炉内に水素を含む混合ガスを導入し、前記基材の表面をガスボンバード処理する工程と、ガスボンバード処理後の前記炉内に窒素ガスを導入し、炉内に導入する前記窒素ガスの流量を減少させながら、グラファイトターゲットを用いてダイヤモンドライクカーボン皮膜を前記基材の表面に被覆する工程と、を設けて構成されている。
本発明の被覆工具におけるDLC皮膜は、従来知られているフィルタードアークイオンプレーティング装置で被覆することができる。特に、T字型フィルタードアークイオンプレーティング装置を用いれば、より平滑なDLC皮膜が被覆できるので好ましい。
DLC皮膜の窒素含有量を基材側から表面側に向けて減少させるためには、炉内に導入する窒素ガスの流量を減少させながら、グラファイトターゲットを用いてDLC皮膜を被覆することで達成できる。一方、DLC皮膜の水素含有量を基材側から表面側に向けて減少させるためには、DLC皮膜を被覆する前に、水素ガスを含む混合ガスによるガスボンバード処理を実施することが有効である。
DLC皮膜を被覆する前の基材において、従来のアルゴンガスによるガスボンバード処理を行った場合、皮膜と基材との界面に酸素が多く存在してしまい密着性が劣ってしまう。この界面に存在する酸素は、専ら基材表面に最初から形成されている酸化膜に起因するものであり、アルゴンガスによるガスボンバード処理では除去しきれていない残存元素である。これに対して、水素を含んだ混合ガスを用いて基材の表面をガスボンバード処理することで、基材の表面にある酸化膜が水素イオンと反応して還元され、ガスボンバード処理により酸化膜および表面の汚れを除去することが可能となる。
水素を含んだ混合ガスで基材の表面をガスボンバード処理した後には炉内に水素が残存している。そのため、ガスボンバード処理の終了後に、窒素ガスのみを炉内に導入して、ガス流量を減少させながらグラファイトターゲットに電力を投入してDLC皮膜を被覆することで、過多の水素がDLC皮膜中に含有されず、水素及び窒素が基材側から表面側に向けて減少した皮膜構成を達成することができる。
水素ガスを含む混合ガスは、アルゴンガスと、混合ガス総質量に対して4質量%以上の水素ガスと、を含有する混合ガスであることが好ましい。水素濃度が4質量%以上であると、混合ガスによるガスボンバード処理で酸化膜を除去するのにより適している。また、ガスボンバード処理後に炉内に残留する水素が少なくなり、DLC皮膜の基材側に水素が含有され難い。
ガスボンバード処理する際には、高硬度なDLC皮膜の密着性を高める点で、基材に印加する負圧のバイアス電圧を−2500V〜−1500Vとすることが好ましい。基材に印加する負圧のバイアス電圧が小さいと、ガスイオンの衝突エネルギーが低いため、エッチング効果が小さくなり、高硬度なDLC皮膜の密着性が低下する傾向にある。また、基材に印加する負圧のバイアス電圧が大きいと、プラズマが不安定になって異常放電を起こしてしまうことがある。異常放電が発生すると、工具表面に異常放電(アーキング)痕が形成されるため、工具表面に凹凸が発生する場合がある。
基材表面の酸化物を均一に除去するためには、混合ガスによるガスボンバード処理を30分以上することが好ましい。
混合ガスによるガスボンバード処理後には、アセチレン等の炭化水素ガスを炉内に導入し、基材側の水素含有量を増加させてもよい。
DLC皮膜の被覆時は、基材温度を200℃以下とすることが好ましい。200℃よりも高温になると、DLC皮膜のグラファイト化が進むため、硬度が低下する傾向にある。
また、DLC皮膜の被覆時には、基材に印加するバイアス電圧を−300V〜−50Vとすることが好ましい。基材に印加する負圧のバイアス電圧が−50V以下であると、カーボンイオンの衝突エネルギーが小さくならず維持しやすく、DLC皮膜にボイドなどの欠陥が発生し難くなる。また、基材に印加する負圧のバイアス電圧が−300V以上であると、成膜中に異常放電が起き難くなる。
基材に印加するバイアス電圧は、−200V〜−100Vがより好ましい。

DLC皮膜の被覆時は、基材温度を200℃以下とすることが好ましい。200℃よりも高温になると、DLC皮膜のグラファイト化が進むため、硬度が低下する傾向にある。
また、DLC皮膜の被覆時には、基材に印加するバイアス電圧、絶対値で50V〜300Vとすることが好ましい。基材に印加する負圧のバイアス電圧の絶対値が50V以上であると、カーボンイオンの衝突エネルギーが大きくなり、DLC皮膜にボイドなどの欠陥が発生し難くなる。また、基材に印加する負圧のバイアス電圧の絶対値が300V以下であると、成膜中での異常放電がより抑制される。
基材に印加するバイアス電圧は、−200V〜−100Vがより好ましい。
ガスボンバード処理後に炉内に導入する窒素ガスの流量は、30sccm以下とすることが好ましい。ガスの流量が30sccmよりも大きくなると、DLC皮膜に含まれる窒素の含有量が増加して、硬度の低下による耐摩耗性の低下および非鉄系材料を加工した場合に、溶着が発生し易くなる。一方、炉内に導入する窒素ガスの流量が少なすぎると、DLC皮膜の残留圧縮応力を低下させるのに十分でない。そのため、ガスボンバード処理後に、炉内に導入する窒素ガスの流量は、DLC皮膜の残留圧縮応力の低下の観点から、5sccm以上とすることが好ましい。そして、DLC皮膜は、炉内に導入する窒素ガスの流量を段階的に減少させながら被覆し、その後窒素ガスの導入を止め、最終的には窒素ガスを導入せずにDLC皮膜を被覆することが好ましい。
本発明の被覆工具の製造方法では、フィルタードアークイオンプレーティング法で基材の表面にダイヤモンドライクカーボン皮膜を被覆する。フィルタードアークイオンプレーティング装置を用いるため、平滑なDLC皮膜が得られやすいが、膜厚が厚くなると表面粗さが低下する場合がある。その場合は、被覆後のDLC皮膜の表面を研摩処理することで、被覆工具において好ましい表面状態を達成することができる。
また、DLC皮膜を被覆する前の基材については、基材とDLC皮膜の密着性をより向上させるためにより平滑であることが好ましい。具体的には、基材の表面粗さは、一般的な表面粗さである算術平均粗さRa(JIS−B−0601−2001に準拠)、及び最大高さ粗さRz(JIS−B−0601−2001に準拠)にて測定した場合、Raが0.06μm以下、Rzが0.1μm以下に研磨されていることが好ましい。更には、基材の表面粗さは、Raが0.05μm以下、Rzが0.08μm以下であることがより好ましい。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
(実施例1)
<成膜装置>
成膜装置は、T字型フィルタードアークイオンプレーティング装置を用いた。装置の概略図を図10に示す。成膜チャンバー(6)には、グラファイトターゲットを設置したカーボン陰極(カソード)(1)を装着するアーク放電式蒸発源と、基材を搭載するための基材ホルダー(7)を有する。基材ホルダーの下には回転機構(8)があり、基材は基材ホルダーを介して、自転かつ公転する。符号(2)は、カーボン成膜ビームを示し、符号(3)は、球状グラファイト(ドロップレット)中性粒子を示す。
グラファイトターゲット表面上にアーク放電を発生させると、電荷を有するカーボンのみが磁気コイル(4)に曲げられて成膜チャンバーに到達して基材に皮膜を被覆する。電荷を有しないドロップレットは磁気コイルによって曲げられずにダクト(5)内に捕集される。
<基材>
DLC皮膜の被覆直後の剥離状態と溶着性の評価には、寸法がφ20×5mmの60HRCに調質したJIS−SKD11相当鋼材の基材を用いた。
ナノインデンター硬さ、皮膜分析、破断面による膜厚の測定には、コバルト含量が10質量%の炭化タングステン(WC−10質量%Co)からなる超硬合金製の基材(寸法:4mm×8mm×25mm、平均粒度:0.8μm、硬度:91.2HRA)を用いた。
スクラッチ試験には、寸法が21mm×17mm×2mmのJIS−SKH51相当鋼材の基材を用いた。
上記のいずれの基材も、DLC皮膜を被覆する前に、算術平均粗さRaが0.01μm以下、最大高さ粗さRzが0.07μm以下となるように研磨した。そして、研磨後、脱脂洗浄して、チャンバー内の基材ホルダーに固定した。
各基材に対しては、DLC皮膜を以下の条件で被覆した。
<実施例1(試料No.1)>
成膜チャンバーを5×10-3Paまで真空引きを行い、加熱用ヒーターにより基材を150℃付近に加熱して90分間保持した。
その後、基材に印加する負圧のバイアス電圧を−2000Vとし、アルゴンガスに5質量%の水素ガスを含有した混合ガスによるガスボンバード処理を90分実施した。混合ガスの流量は50sccm〜100sccmとした。
ガスボンバード処理後、成膜チャンバーに10sccm窒素ガスを導入し、基材に−150Vのバイアス電圧を印加して、基材温度を100℃以下とした。そして、グラファイトターゲットに50Aの電流を投入し、DLC皮膜を約10分間被覆した。
次いで、窒素ガスを5sccmとし、DLC皮膜を約10分間被覆した。次いで、窒素ガスの導入を止めて、DLC皮膜を30分間被覆した。
<実施例2(試料No.2)>
ガスボンバード処理までは試料No.1と同様とした。ガスボンバード処理後、成膜チャンバーに10sccm窒素ガスを導入し、基材に−150Vのバイアス電圧を印加して、基材温度を100℃以下とした。そして、グラファイトターゲットに投入する電流を50A〜80Aに段階的に増加させ、DLC皮膜を約30分間被覆した。
次いで、窒素ガス流量を5sccmとし、DLC皮膜を約30分間被覆した。次に、窒素ガスの導入を止めて、DLC皮膜を約70分間被覆した。
<実施例3(試料No.3)>
ガスボンバード処理までは試料No.1と同様とした。ガスボンバード処理後、成膜チャンバーに20sccm窒素ガスを導入し、基材には−150Vのバイアス電圧を印加して、基材温度を100℃以下とした。そして、グラファイトターゲットに投入する電流を50A〜80Aに段階的に増加させ、DLC皮膜を約30分間被覆した。
次いで、窒素ガス流量を20sccmから5sccmに段階的に変化させ、DLC皮膜を約30分間被覆した。次いで、窒素ガスの導入を止めて、DLC皮膜を約70分間被覆した。
<実施例4(試料No.4)>
ガスボンバード処理までは試料No.1と同様とした。ガスボンバード処理後、成膜チャンバーに5sccmのCガスを5分間導入した。その後、Cの導入を止めて、10sccm窒素ガスを導入し、基材には−150Vのバイアス電圧を印加して、基材温度を100℃以下とした。そして、グラファイトターゲットに50Aの電流を投入して、DLC皮膜を約10分間被覆した。
次いで、窒素ガスの流量を5sccmとしてDLC皮膜を約10分間被覆した。次いで、窒素ガスの導入を止めて、DLC皮膜を約30分間被覆した。
<実施例5(試料No.5)>
ガスボンバード処理までは試料No.1と同様とした。ガスボンバード処理後、成膜チャンバーに100sccmのアルゴンガスに5質量%の水素ガスを含有した混合ガスを5分間導入した。その後、混合ガスの導入を止めて、10sccm窒素ガスを導入し、基材には−150Vのバイアス電圧を印加して、基材温度を100℃以下とした。そして、グラファイトターゲットに投入する電流を50AとしてDLC皮膜を約10分間被覆した。
次いで、窒素ガス流量を5sccmとし、DLC皮膜を約10分間被覆した。次いで、窒素ガスの導入を止めて、DLC皮膜を約30分間被覆した。
<実施例6(試料No.6)>
ガスボンバード処理までは試料No.1と同様とした。ガスボンバード処理後、成膜チャンバーに10sccmのCガスを10分間導入した。その後、10sccmのCガスと15sccmの窒素ガスを同時に導入し、基材には−150Vのバイアス電圧を印加して、基材温度を100℃以下とした。そして、グラファイトターゲットに投入する電流を50A〜80Aに段階的に増加させ、DLC皮膜を約6分間被覆した。
次いで、Cガスの導入を止めて、15sccmの窒素ガス流量を導入し、DLC皮膜を約45分間被覆した。次いで、窒素ガス流量を15sccmから5sscmに段階的に変化させ、DLC皮膜を約45分間被覆した。次いで、窒素ガスの導入を止めて、DLC皮膜を約100分間被覆した。
<実施例7(試料No.7)>
ガスボンバード処理までは試料No.1と同様とした。ガスボンバード処理後、成膜チャンバーにCガスを導入した。その後、Cの導入を止めて、10sccm窒素ガスを導入し、基材には−150Vのバイアス電圧を印加して、基材温度を100℃以下とした。そして、グラファイトターゲットに投入する電流を50Aとし、DLC皮膜を約10分間被覆した。次いで、再び炉内にCガスを導入した。その後、Cガスの導入を止めて、窒素ガス流量を5sccmとして、DLC皮膜を約10分間被覆した。次いで、窒素ガスの導入を止めて、DLC皮膜を約30分間被覆した。
<比較例1(比較試料No.1)>
ガスボンバード処理までは試料No.1と同様とした。ガスボンバード処理後、窒素ガスを導入せず、基材に−150Vのバイアス電圧を印加して、基材温度を100℃以下とした。そして、グラファイトターゲットに投入する電流を50AとしてDLC皮膜を約50分間成膜した。
<比較例2(比較試料No.2)>
ガスボンバード処理は、アルゴンガスのみで行った。ガスボンバード処理後、成膜チャンバーに10sccm窒素ガスを導入し、基材に−150Vのバイアス電圧を印加し、基材温度を100℃以下とした。そして、グラファイトターゲットに投入する電流を50Aとして、DLC皮膜を約10分間被覆した。次いで、窒素ガス流量を5sccmとし、DLC皮膜を約10分間被覆した。次いで、窒素ガスの導入を止めて、DLC皮膜を約30分間被覆した。
<比較例3(比較試料No.3;従来例)>
ガスボンバード処理は、アルゴンガスのみで行った。ガスボンバード処理後、窒素ガスを導入せず、基材に−150Vのバイアス電圧を印加して、基材温度を100℃以下とした。そして、グラファイトターゲットに投入する電流を50AとしてDLC皮膜を約50分間成膜した。
<比較例4(比較試料No.4;従来例)>
DLC皮膜の被覆前に基材表面をアルゴンガスのみでガスボンバード処理して約3μmのCrNを中間皮膜として被覆した。中間皮膜の被覆後、窒素ガスを導入せず、基材に−150Vのバイアス電圧を印加して、基材温度を100℃以下とした。そして、グラファイトターゲットに投入する電流を50AとしてDLC皮膜を約50分間成膜した。
なお、上述した何れの試料も、基材の温度200℃以下になるように成膜と冷却を繰り返しながらDLC皮膜を被覆した。
DLC皮膜を被覆した各試料について、硬度測定、密着性評価、溶着性評価、構造分析を行った。以下、その測定条件について説明する。
<比較例5(比較試料No.5)>
ガスボンバード処理までは、試料No.1と同様とした。ガスボンバード処理後、成膜チャンバーに10sccm窒素ガスを導入し、基材に−150Vのバイアス電圧を印加して、基材温度を100℃以下とした。そして、グラファイトターゲットに50Aの電流を投入し、DLC皮膜を約10分間被覆した。
次いで、窒素ガスを5sccmとし、DLC皮膜を約10分間被覆した。次いで、窒素ガスの導入を止めて、20sccmのCガスを導入し、DLC皮膜を30分間被覆した。
<比較例6(比較試料No.6)>
ガスボンバード処理までは、試料No.1と同様とした。ガスボンバード処理後、成膜チャンバーに20sccm窒素ガスを導入し、基材には−150Vのバイアス電圧を印加して、基材温度を100℃以下とした。そして、グラファイトターゲットに投入する電流を50A〜80Aに段階的に増加させ、DLC皮膜を約30分間被覆した。
次いで、窒素ガス流量を20sccmから5sccmに段階的に変化させ、DLC皮膜を約30分間被覆した。次いで、5sccm窒素ガスの導入し、DLC皮膜を約70分間被覆した。
<測定および評価>
−硬度の測定−
株式会社エリオニクス製のナノインデンテーション装置を用い、皮膜表面の硬度を測定した。押込み荷重9.8mN、最大荷重保持時間1秒、荷重負荷後の除去速度0.49mN/秒の測定条件で10点測定し、値の大きい2点と値の小さい2点を除いて6点の平均値から求めた。標準試料である溶融石英の硬さが15GPa、CVDダイヤモンド皮膜の硬さが100GPaであることを確認した。
−表面粗さの測定−
株式会社東京精密製の接触式面粗さ測定器SURFCOM480Aを用いて、JIS−B−0601−2001に従って、粗さ曲線より算術平均粗さRaと最大高さ粗さRzを測定した。測定条件は、評価長さ:4.0mm、測定速度:0.3mm/s、カットオフ値:0.8mmとした。
−密着性の評価−
被覆直後の試料のDLC皮膜表面を、株式会社ミツトヨ製の光学顕微鏡を用いて約800倍の倍率で観察して剥離状況を評価した。DLC皮膜の表面剥離の評価基準は以下の通りとした。
<表面剥離の評価基準>
A:表面剥離無し
B:微小剥離有り
C:剥離有り
また、CSM社製スクラッチ試験機(REVETEST)を用いて剥離荷重を測定した。測定条件は、測定荷重:0〜100N、荷重スピード:99.25N/min、スクラッチスピード:10mm/min、スクラッチ距離:10mm、AE感度:5、圧子:ロックウェル、ダイヤモンド、先端半径:200μm、ハードウェア設定:Fnコンタクト0.9N、Fnスピード:5N/s、Fn除去スピード :10N/s、アプローチスピード:2%/sとした。
初期チッピング発生荷重をA荷重とし、スクラッチ痕底部の基材が完全に露出した時の荷重をB荷重として評価した。
−GD−OES分析−
窒素成分の分布を確認するため、DLC皮膜表面から基材にかけてグロー放電発光分析(GD−OES)による構造分析を行った。装置はHORIBA JOBIN YVON製のJY−5000RF型GD−OESを使用した。分析条件は、スパッタリング用ガスとしてArを用い、圧力:600Pa、出力:35W、モジュール:6V、フェーズ4:V、ガス置換時間:20秒、予備スパッタ時間:30秒、バックグラウンド:10秒、測定時間:90秒〜120秒とした。
窒素の発光強度が低いことから、ピーク強度を30倍にして確認した。代表例として、本発明例である試料No.1〜No.3及び比較試料No.1〜No.3のGD−OESによる強度プロファイルを図1〜図6に示す。
−AES分析−
DLC皮膜の表面から基材にかけてオージェ電子分光法(AES分析)による窒素成分の定量分析を行った。装置には、パーキン・エルマー社製のPHI650(走査型オージェ電子分光装置)を使用した。分析は、下記の分析条件にて行った。
(分析条件)
・一次電子のエネルギー:3keV
・電流:約260nA
・入射角度:試料法線に対して30度
・分析領域:約5μm×5μm
(イオンスパッタ(Ar)の条件)
・エネルギー:3keV
・電流:25mA
・入射角度:試料法線に対して約58度
・スパッタ速度:約50nm/min
代表例として、図7に本発明例である試料No.1、図8に本発明例である試料No.3、図9に比較例である比較試料No.3の測定結果を示す。
−ERDA分析−
水素成分の分布を確認するため、Elastic Recoil Detection
Analysis 弾性反跳粒子検出法(ERDA分析)により、DLC皮膜の基材側と表
面側で水素濃度分析を行った。装置はNational Electrostatics Corporation製 Pelletron 3SDHを使用した。エネルギー2.3MeVのHe++イオンを試料面の法線に対し75度の角度で入射し、反跳された水素粒子(H、H)を散乱角30度の位置で半導体検出器により検出した。
−ボールオンディスク試験−
溶着性を評価するために、ボールオンディスク試験機(CSM Instruments社製 Tribometer)を使用した。DLC皮膜を被覆した基材にアルミA5052球(直径6mm)を5Nの荷重で押し付けながら、円盤状試験片を100mm/秒の速度で回転させた。試験距離は100mとした。
試験結果を纏めて表1に示す。本発明例である試料No.1〜No.7は、被覆後の表面剥離が無く、スクラッチ試験による密着性も比較例よりも優れた。膜厚が1μm以上である本発明例である試料No.6よりも、膜厚が小さい本発明例である試料No.1〜No.5及びNo.7の方が、DLC皮膜がより平滑になる傾向にあった。
DLC皮膜を被覆直後の試料表面の光学顕微鏡観察写真について図11、図12に代表例を示す。比較試料No.1、比較試料No.2については、被覆後に直径が20μm程度の微小剥離が確認された。比較例の中でも、DLC皮膜の基材側に水素または窒素をいずれも含有させていない比較試料No.3や、基材とDLC皮膜の間に窒化物の中間皮膜を介した比較試料No.4については、DLC皮膜の被覆後に直径が100μm程度の大きな剥離が確認され、スクラッチ荷重も低くなった。
ボールオンディスク試験後の表面観察写真について、図13に本発明例の試料の代表例を、図14に比較試料の代表例を、それぞれ示す。本発明例では、いずれもボールオンディスク試験で皮膜剥離や溶着は発生してないことが確認された。一方、比較例では、いずれも皮膜剥離があり、剥離に伴う溶着も確認された。
密着性が優れるDLC皮膜の皮膜構造を確認するため、分析を行った。本発明例の試料及び比較試料No.2は、GD−OES分析から、基材側から表面側に向かって窒素濃度が減少していることが確認された。
AES分析の結果、本発明例の試料のDLC皮膜の基材側の表面には、2.8原子%〜3.7原子%の窒素が含有されていることを確認した。一方、本発明例の試料DLC皮膜の表面の窒素含有量は、検出限界以下(1.0原子%以下)であった。なお、基材側に見られるピーク(例えば、図7においてはスパッタリング深さ1000nm〜1700nm付近のピーク)は、NとWのオージェピークの干渉によるものである。
ERDA分析から、本発明例の試料のDLC皮膜は、基材側の表面に水素を1.0原子%〜7.8原子%含有し、逆に表面の水素含有量が検出限界以下(0.2原子%以下)であることを確認した。代表例として、本発明例である試料No.4〜No.7の膜厚方向の水素濃度分析の詳細を表2に示す。本発明例は、いずれもDLC皮膜の基材側から表面側に向けて水素濃度が減少していることが確認された。
以上の分析から、密着性が優れる本発明例は、基材側から表面側に向かって窒素含有量及び水素含有量が減少していることが確認された。
比較試料No.1〜比較試料No.3では、基材側から表面側に向かって窒素含有量及び水素含有量が減少している皮膜構造は確認されなかった。そのため、本発明例の試料に比べて密着性が低下して、溶着も発生した。
また、比較試料No.4では、基材とDLC皮膜との間に別途窒化物からなる中間皮膜を介在させているため、窒化物皮膜の表面欠陥を起点にDLC皮膜の表面剥離が発生し、スクラッチ試験による密着性も低くなった。
比較試料No.5では、基材側から表面側に向かって窒素含有量が減少しているが、水素含有量は増加している。そのため、本発明例の試料に比べて皮膜硬度及び密着性が低下して、溶着も発生した。
比較例6は、基材側から表面側に向かって窒素含有量及び水素含有量が減少しているが、表面の窒素含有量が多い。そのため、本発明例の試料に比べて皮膜硬度及び密着性が低下して、溶着も発生した。


日本出願2013−073617の開示はその全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、および技術規格は、個々の文献、特許出願、および技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
本発明者は、高硬度のDLC皮膜の密着性を改善できる具体的な皮膜構造と、それを実現するのに有効な被覆方法があることを見出し、本発明に到達した。
前記課題を達成するための具体的手段は、以下の通りである。
すなわち、本発明は、基材の表面にDLC(ダイヤモンドライクカーボン)皮膜を被覆した被覆工具であって、前記DLC皮膜のナノインデンテーション硬度は50GPa以上100GPa以下であり、前記DLC皮膜は基材側から厚み方向(表面側)に向かって水素原子及び窒素原子の含有量が減少しており、前記DLC皮膜の表面は、水素原子の含有量が0.5原子%以下であり、窒素原子の含有量が2原子%以下であり、前記ダイヤモンドライクカーボン皮膜の基材側の表面は、水素原子の含有量が0.7原子%以上7原子%以下であり、窒素原子の含有量が2原子%超8原子%以下である、密着性に優れる被覆工具である。
前記DLC皮膜の表面粗さは、算術平均粗さRaが0.03μm以下であり、最大高さ粗さRzが0.5μm以下であることが好ましい
また、ダイヤモンドライクカーボン皮膜の膜厚は、0.1μm〜1.5μmの範囲であるのが好ましい。
基材としては、炭素含率が1質量%以上の高炭素鋼又は超硬合金であることが好適である。
また、本発明の被覆工具の製造方法は、フィルタードアークイオンプレーティング法で基材の表面にDLC(ダイヤモンドライクカーボン)皮膜を被覆する被覆工具の製造方法であって、
炉内に水素原子を含む混合ガスを導入し、前記基材の表面をガスボンバード処理する工程と、次いで、ガスボンバード処理後の前記炉内に5sccm以上30sccm以下の窒素ガスを導入し、炉内に導入する前記窒素ガスの流量を減少させながら、グラファイトターゲットを用いてDLC皮膜を前記基材の表面に被覆する工程と、を含む方法である。
前記混合ガスは、アルゴンガスと、混合ガス総質量に対して4質量%以上の水素ガスと、を含有する混合ガスであることが好ましい。
前記被覆する工程は、炉内に導入する前記窒素ガスの流量を減少させながらダイヤモンドライクカーボン皮膜を被覆した後、さらに窒素ガスの導入を止めて(窒素ガスの導入量を0sccmまで減少させて)ダイヤモンドライクカーボン皮膜を被覆するものであることが好ましい
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。なお、実施例6は、参考例である。
本発明は、例えばプレス加工用の金型、鍛造用の金型や、鋸刃等の切断工具、又はドリル等の切削工具などの、ダイヤモンドライクカーボン皮膜(以下、「DLC皮膜」ともいう。)を被覆した被覆工具の製造方法に関するものである。

Claims (9)

  1. 基材の表面にダイヤモンドライクカーボン皮膜を被覆した被覆工具であって、
    前記ダイヤモンドライクカーボン皮膜のナノインデンテーション硬度は、50GPa以上100GPa以下であり、
    前記ダイヤモンドライクカーボン皮膜は、前記基材側から厚み方向に向かって水素原子及び窒素原子の含有量が減少しており、
    前記ダイヤモンドライクカーボン皮膜の表面は、水素原子の含有量が0.5原子%以下であり、窒素原子の含有量が2原子%以下である被覆工具。
  2. 前記ダイヤモンドライクカーボン皮膜の表面粗さは、算術平均粗さRaが0.03μm以下であり、最大高さ粗さRzが0.5μm以下である請求項1に記載の被覆工具。
  3. 前記ダイヤモンドライクカーボン皮膜の基材側の表面は、水素原子の含有量が0.7原子%以上7原子%以下であり、窒素原子の含有量が2原子%超10原子%以下である請求項1または請求項2に記載の被覆工具。
  4. 前記ダイヤモンドライクカーボン皮膜の膜厚が、0.1μm〜1.5μmである請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の被覆工具。
  5. 前記基材が、炭素含率が1質量%以上の高炭素鋼又は超硬合金である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の被覆工具。
  6. フィルタードアークイオンプレーティング法で基材の表面にダイヤモンドライクカーボン皮膜を被覆する被覆工具の製造方法であって、
    炉内に水素ガスを含む混合ガスを導入し、前記基材の表面をガスボンバード処理する工程と、
    ガスボンバード処理後の前記炉内に窒素ガスを導入し、炉内に導入する前記窒素ガスの流量を減少させながら、グラファイトターゲットを用いてダイヤモンドライクカーボン皮膜を前記基材の表面に被覆する工程と、
    を含む被覆工具の製造方法。
  7. 前記混合ガスは、アルゴンガスと、混合ガス総質量に対して4質量%以上の水素ガスと、を含有する混合ガスである請求項6に記載の被覆工具の製造方法。
  8. 前記被覆する工程は、炉内に導入する前記窒素ガスの流量を減少させながらダイヤモンドライクカーボン皮膜を被覆した後、さらに窒素ガスの導入を止めてダイヤモンドライクカーボン皮膜を被覆する請求項6または請求項7に記載の被覆工具の製造方法。
  9. 前記被覆する工程において、炉内に導入する窒素ガスの流量は、5sccm以上30sccm以下である請求項6〜請求項8のいずれか1項に記載の被覆工具の製造方法。
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