JPWO2014136142A1 - 交流モータ駆動システム - Google Patents

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Abstract

直流母線を流れる電流量を検出する手段を設けずに、直流母線の電圧値を用いて、直流母線と蓄電デバイスとの間で電力の授受を行うことができる交流モータ駆動システムを提供する。この発明に係る交流モータ駆動システムは、充放電回路が、直流電圧値検出手段が検出する電圧値、及び充放電電流量検出手段が検出する充放電電流量に応じて、インバータから交流モータへ供給する電力のうち、第1の電力閾値を超える電力を、蓄電デバイスから放電、ないし、インバータを介して回生される交流モータの回生電力のうち、第2の電力閾値を超える電力を、蓄電デバイスに充電、をなさしめる。

Description

本発明は、交流モータの力行動作時に蓄電デバイスに蓄えられたエネルギーを使用すること、ないし、交流モータの回生動作時に蓄電デバイスにエネルギーを蓄積することによって、交流モータ駆動システムのピーク電力を抑制する交流モータ駆動システムに関する。
従来の交流モータ駆動システムにおいて、直流電源より出力された直流電力は、直流母線を介してインバータに供給される。インバータは、直交電力変換を行って適切な交流電力を交流モータに供給する。電力補償装置は、直流電源とインバータとを電気的に接続する直流母線にインバータと並列接続されており、昇降圧回路、蓄電装置、制御装置及び電圧や電流の検出器等で構成されている。そして制御装置は、各検出器から得た直流母線の電圧値と電流値及び蓄電装置の電圧値と電流値の情報に基づいて、昇降圧回路を制御するためのスイッチング指令を出力して、蓄電装置の電力を直流母線側へ放電、あるいは、蓄電装置への充電を行う。(特許文献1参照)。
また、従来の他の交流モータ駆動システムは、交流電源からの交流電力を直流電力に変換する整流回路と、整流回路からの直流電圧を平滑する平滑コンデンサと、平滑コンデンサを介して送られる直流電力を任意の周波数に変換するPWMインバータ回路と、インバータ出力電流を検出する電流検出器と、平滑コンデンサの端子電圧を検出する電圧検出回路と、停電検出中の速度指令を演算する速度指令演算回路と、停電を検出し停電検出中に通常運転時の速度指令から停電検出中の速度指令へ速度指令を選択して出力する停電検出回路と、停電検出回路から送出される速度指令をもとに出力電圧指令を演算する出力電圧指令演算回路と、停電検出回路から送出される出力信号をもとにPWMインバータ回路をPWM制御するPWM制御回路と、PWM制御回路からの出力信号をもとにPWMインバータ回路を駆動するべ一スドライブ回路と、PWMインバータ回路の出力で駆動される交流電動機とを備える。
この従来の他の交流モータ駆動システムは、交流電源が瞬時停電すると停電時の速度指令が選択され、平滑コンデンサ端子電圧の目標電圧と検出電圧とに基づいて停電時の速度指令を演算する。そして、交流電源の瞬時停電が回復すると通常運転の速度指令に切り替わり、通常運転を行う。この従来の他の交流モータ駆動システムでは、平滑コンデンサの端子電圧を用いて、瞬時停電時に運転を継続する技術が開示されている(特許文献2参照)。
WO2012/032589号公報(例えば、段落0017、段落0022及び図1)
特許4831527号公報(例えば、段落0011ないし段落0018及び図1)
特許文献1の技術では、充放電回路(昇降圧回路)を制御する指令を出力して、蓄電デバイス(蓄電装置)に蓄えられた電力を直流母線側へ放電したり、または、直流母線から蓄電デバイスへ充電するために、直流母線の電圧値(平滑コンデンサの端子電圧)と電流量を検出する手段(検出器)双方を設けていた。しかし、直流母線を流れる電流量は大きいため、直流母線の電流量を検出する手段は、直流母線の電圧値を検出する手段に比べ高価である。また、直流母線の電流量を検出する手段は、体積が大きいため、装置内に設置する場合には大きなコストが発生する。
一方、特許文献2の技術は、直流母線の電流量を検出する手段を設けていない。また、瞬時停電時、直流母線の電圧値を用いて、平滑コンデンサに蓄積されるエネルギーを制御している。しかし、瞬時停電時に運転を継続するために、減速運転を行う必要がある。このため、交流モータは所望の運転を行うことができないという問題点があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、直流母線を流れる電流量を検出する手段を設けずに、直流母線の電圧値を用いて、直流母線と蓄電デバイスとの間で電力の授受を行うことができ、かつ、直流母線に供給される電力ないし直流母線から回生される電力を予め定められた値に抑制することができる交流モータ駆動システムを提供することを目的とする。
この発明に係る交流モータ駆動システムは、直流電力を供給するコンバータと、直流電力を交流電力に変換するインバータと、コンバータとインバータとを接続する直流母線と、交流電力により駆動される交流モータと、コンバータの出力側における電圧値を検出する直流電圧値検出手段と、直流電力を直流母線から充電し、かつ、充電した直流電力を直流母線へ放電する蓄電デバイスと、直流母線に対してインバータと並列に接続され、かつ、直流母線と蓄電デバイスとの間に接続され、蓄電デバイスを充放電させる充放電回路と、蓄電デバイスの充放電電流量を検出する充放電電流量検出手段とを備え、充放電回路は、直流電圧値検出手段が検出する電圧値、及び充放電電流量検出手段が検出する充放電電流量に応じて、インバータから交流モータへ供給する電力のうち、第1の電力閾値を超える電力を、蓄電デバイスから放電、ないし、インバータを介して回生される交流モータの回生電力のうち、第2の電力閾値を超える電力を、蓄電デバイスに充電、をなさしめることを特徴とする。
本発明によれば、直流母線を流れる電流量を検出する手段を設けずに、直流母線の電圧値を用いて、直流母線と蓄電デバイスとの間で電力の授受を行うことができ、かつ、直流母線に供給される電力ないし直流母線から回生される電力を予め定められた値に抑制することができる。
実施の形態1に係る交流モータ駆動システムの全体ブロック図 実施の形態1に係るコンバータの例である抵抗回生型コンバータのブロック図 実施の形態1に係るコンバータの例である電源回生型コンバータのブロック図 実施の形態1に係る充放電回路の例である電流可逆チョッパ回路を採用した充放電回路のブロック図 実施の形態1に係る充放電回路の例である可逆昇降圧チョッパ回路を採用した充放電回路のブロック図 実施の形態1に係る交流モータの消費電力模式図 実施の形態1における充放電制御手段のブロック図 実施の形態1に係る力行動作時の交流モータ消費電力及び直流母線電圧値の振る舞いを説明する時間経過図 実施の形態1に係る力行動作時の交流モータ消費電力に対する直流母線の電圧降下を説明する概略図 実施の形態1における力行時制御部のブロック図 実施の形態1に係る回生動作時の交流モータ消費電力及び直流母線電圧値の振る舞いを説明する時間経過図 実施の形態1に係る回生動作時の交流モータ消費電力に対する直流母線の電圧上昇を説明する概略図 実施の形態1における回生時制御部のブロック図 実施の形態1に係る電力供給状態と放電電流指令値、充電電流指令値、統合電流指令値との関係を説明する概略図 実施の形態2における力行時制御部のブロック図 実施の形態2における回生時制御部のブロック図 実施の形態2における回生時制御部のブロック図 実施の形態3に係る交流モータ駆動システムの全体ブロック図 実施の形態3における充放電制御手段のブロック図 実施の形態3における充放電制御手段のブロック図 実施の形態3に係る蓄電調整処理技術を付加した場合の充放電制御手段のブロック図 実施の形態4に係る交流モータ駆動システムの全体ブロック図 実施の形態4に係る力行動作時の交流モータ消費電力に対する直流母線の電圧降下を説明する概略図 実施の形態4における力行時制御部のブロック図 実施の形態4に係る回生動作時の交流モータ消費電力に対する直流母線の電圧上昇を説明する概略図 実施の形態4における回生時制御部のブロック図 実施の形態5に係る力行動作時の交流モータ消費電力と蓄電デバイスが供給する電力と直流母線電圧値との振る舞いを説明する時間経過図 実施の形態5における力行時制御部のブロック図
実施の形態1
図1は、本発明の実施の形態1における交流モータ駆動システムの全体を示すブロック図である。図1に示す交流モータ駆動システムにおいて、発電所や工場内の変電設備などの交流電源(図示せず)は、配線R、S、Tを介して交流電力を供給する。コンバータ1は、この交流電力を直流電力に変換する。変換された直流電力は、コンバータ1から直流母線2に出力される。
コンバータ1としては、例えば、抵抗回生型コンバータ、または電源回生型コンバータなどが使用される。
抵抗回生型コンバータは、図2に示すような構成である。三相全波整流回路11は、ダイオード111a、111b、111c、111d、111e、111fで構成される。抵抗回生回路12は、三相全波整流回路11の出力側に位置し、スイッチング素子121と抵抗122から構成される。直流母線2からの回生電力により直流母線2の電圧値が予め定められた値より高電圧になった場合、図示していない制御部は、スイッチング素子121が導通状態となるように制御し、抵抗122が上記回生電力を消費する。交流リアクトル14は、配線R、S、Tと直流母線2との間における短絡を防ぐ。
電源回生型コンバータは、図3に示すような構成である。整流回路13は、三相全波整流回路と同じ各ダイオード131a、131b、131c、131d、131e、131fに対し、逆並列に、例えばIGBTなどのスイッチング素子132a、132b、132c、132d、132e、132fがそれぞれ接続された構成である。図示していない制御部は、スイッチング素子132a、132b、132c、132d、132e、132fを制御する。交流リアクトル14は、配線R、S、Tと直流母線2との間における短絡を防ぐ。
上記コンバータ1の出力部分、ないし、上記直流母線2中、ないし、後述するインバータ4の入力部分、ないし、後述する充放電回路6の上記直流母線2側の部分の、1箇所あるいは複数の箇所において、直流電力を平滑する目的で、上記直流母線2の高電位側2aと低電位側2bとの間にコンデンサが設置される。これらのコンデンサをまとめて、図1に示すように、平滑コンデンサ3として取り扱う。以後の説明のために、上記平滑コンデンサ3の静電容量をC[F]とする。
平滑コンデンサ3で平滑された直流電力は、直流母線2によりコンバータ1と接続されるインバータ4によって、交流電力に変換される。この交流電力は、上記の交流電源から供給される交流電力とは異なった電圧値や周波数である。上記インバータ4の出力である交流電力は、交流モータを駆動するために用いられる。
また、実施の形態1に係る交流モータ駆動システムは、蓄電デバイス5を備えている。蓄電デバイス5は、直流母線2を流れる電力を蓄えたり、蓄えた電力を直流母線2に放出したりする。蓄電デバイス5は、充放電回路6を介して直流母線2に接続されている。蓄電デバイス5における電力の充放電は、直流母線2に対してインバータ4と並列に接続された充放電回路6により実行される。
さらに、実施の形態1に係る交流モータ駆動システムには、直流電圧値検出手段7が設置されている。直流電圧値検出手段7は、直流母線2の高電位側2aと低電位側2bとの間の電圧値Vdc[V]を検出する。電圧値Vdc[V]は、直流電圧値検出手段7から充放電制御手段8へ出力される。充放電制御手段8は、電圧値Vdc[V]に基づいて、充放電回路6を制御するための制御信号を出力する。
一般に、充放電回路6には可逆チョッパ回路が採用される。
充放電回路6の一例として、図4に電流可逆チョッパ回路を採用した場合の充放電回路6を示す。電流可逆チョッパ回路を採用した充放電回路6は、直流母線2の高電位側2aと低電位側2bとの間に、図4に示すように、2つのダイオード61aと61bとが直列に接続されており、ダイオード61aと61bそれぞれに対し逆並列にスイッチング素子62aと62bとが接続される。ドライバ回路63aと63bとは、充放電制御手段8が出力する制御信号に従い、スイッチング素子62aと62bとをそれぞれ制御する。ダイオード61aとダイオード61bとの接続点には、リアクトル65の一方の端が接続される。リアクトル65の他方の端は、蓄電デバイス5の充放電電流量を検出する充放電電流量検出手段64を介して、蓄電デバイス5の一方の端子に接続される。また、蓄電デバイス5の他方の端子は、直流母線2の低電位側2bに接続される。充放電電流量検出手段64が検出する蓄電デバイス5の充放電電流量は、充放電制御手段8へ出力される。
充放電回路6の別の例として、直流母線2の高電位側2aと低電位側2bとの間に、図4に示す電流可逆チョッパ回路をn個多重に構成するn多重電流可逆チョッパ回路を採用する場合もある。n多重電流可逆チョッパ回路を採用する場合には、n個のリアクトルのダイオードに接続されていない方の端子は、まとめて蓄電デバイス5の一方の端子に接続され、蓄電デバイス5の他方の端子は、直流母線2の低電位側2bに接続される。n多重電流可逆チョッパ回路を採用する場合には、n個のリアクトルそれぞれに対して充放電電流量検出手段が設けられ、各充放電電流量検出手段が検出するそれぞれの電流量が、各相の充放電電流量として充放電制御手段8へ出力される。
充放電回路6のさらに別の例として、図5に可逆昇降圧チョッパ回路を採用した場合の充放電回路6を示す。可逆昇降圧チョッパ回路を採用した充放電回路6は、直流母線2の高電位側2aと低電位側2bとの間に、図5に示すように、2つのダイオード61aと61bとが直列に接続されており、ダイオード61aと61bそれぞれに対し逆並列にスイッチング素子62aと62bとが接続される。ドライバ回路63aと63bとは、充放電制御手段8が出力する制御信号に従い、スイッチング素子62aと62bとをそれぞれ制御する。ダイオード61aとダイオード61bとの接続点には、リアクトル65の一方の端が接続される。リアクトル65の他方の端は、蓄電デバイス5の充放電電流量を検出する充放電電流量検出手段64を介して、図5に示すように、さらに2つのダイオード61cと61dとの接続点に接続される。ダイオード61cの充放電電流量検出手段64に接続されていない端は、蓄電デバイス5の一方の端子に接続される。ダイオード61dの充放電電流量検出手段64に接続されていない端は、直流母線2の低電位側2bと接続され、さらに、蓄電デバイス5の他方の端子に接続される。ダイオード61cと61dには、それぞれスイッチング素子62cと62dとが逆並列に接続される。ドライバ回路63cと63dとは、充放電制御手段8が出力する制御信号に従い、スイッチング素子62cと62dとをそれぞれ制御する。充放電電流量検出手段64が検出する蓄電デバイス5の充放電電流量は、充放電制御手段8へ出力される。
充放電回路6に、可逆昇降圧チョッパ回路をn個多重に採用することも可能である。この場合、n個のリアクトルそれぞれに対して充放電電流量検出手段が設けられ、各充放電電流量検出手段が検出するそれぞれの電流量が、各相の充放電電流量として充放電制御手段8へ出力される。
以降の説明において、スイッチング素子62aと62bおよび62cと62dをまとめてスイッチング素子62とする。さらに、ドライバ回路63aと63bおよび63cと63dをまとめてドライバ回路63とする。
充放電制御手段8から充放電回路6に出力される制御信号には、パルス幅変調(PWM)信号が用いられる。PWM信号は、チョッパ回路のスイッチング素子の導通(ON)状態と遮断(OFF)状態とを切り換えるものである。
なお、充放電回路6において、リアクトル65と充放電電流量検出手段64の接続が逆であっても本発明の効果を失うものではないことは、自明である。また、充放電電流量検出手段64は充放電回路6内に設けられているが、これに限るものではなく、充放電回路6と蓄電デバイス5との間に設けてもよい。この場合においても充放電電流量検出手段64は、蓄電デバイス5の充放電電流量を検出し、充放電制御手段8へ出力する構成とする。
上述のように、一般に充放電回路6には可逆チョッパ回路が採用され、充放電制御手段8から充放電回路6に出力される制御信号にはPWM信号が多く用いられると説明した。本実施の形態においてもこの例に従って説明をするが、充放電回路6または制御信号は、必ずしもこの限りではない。
また、本明細書中における[](かぎ括弧)は物理量の単位を示している。これは、説明の際に使用する記号の判然性を向上させることが目的であり、本発明を[]の物理量に制限するものではない。
図6は、実施の形態1に係る交流モータの消費電力を表す模式図である。例えば、交流モータの消費電力Pload[W]が、図6の太線で示すように力行動作と回生動作とを繰り返して生起され、交流電源からコンバータ1を介して供給される電力は閾値PthB[W]以下、また、コンバータ1が回生する電力は、閾値PthA[W](PthA<0)以上に抑制する必要がある場合を考える。
ここで、閾値PthB[W]は、コンバータ1の電力変換能力、コンバータ1に供給される電力量の制約、電力購入に伴う経済的要求などの条件により定まる交流モータの力行状態における電力供給量の上限値である。例えば、閾値PthB[W]は、コンバータ1の定格電力値、あるいはその定格電力値より若干小さい値である。また閾値PthB[W]は、例えば、交流モータ駆動システムが設置される工場または事業所での電力供給能力値、あるいはその電力供給能力値より若干小さい値である。閾値PthB[W]は、例えば、交流モータ駆動システムが設置される工場または事業所が電力会社と契約している電力量、あるいはそこから導かれる交流モータ駆動システムが使用できる電力量としてもよい。
一方、負値である閾値PthA[W]は、コンバータ1の回生能力、蓄電デバイス5に蓄電できる電荷量の制約、次に到来する力行動作で使用する電力量などの条件により定まる交流モータの回生状態における電力回生量の下限値である。例えば、閾値PthA[W]は、コンバータ1が抵抗回生型である場合において抵抗122により消費可能な電力量の絶対値の符号を反転した値、あるいはその消費可能電力量の絶対値より若干小さい値を符号反転した値である。コンバータ1が電源回生型である場合、閾値PthA[W]は、例えば、回生電力定格値の絶対値の符号を反転した値、あるいはその定格値の絶対値より若干小さい値を符号反転した値である。また閾値PthA[W]は、例えば、蓄電デバイス5が充電可能な電荷から算出される電力の絶対値の符号を反転した値、あるいはその充電可能電力の絶対値より若干小さい値を符号反転した値である。閾値PthA[W]は、例えば、交流モータ駆動システムに対し次に到来する力行動作が使用する電力量の符号を反転した値、あるいは力行動作が使用する電力量より若干大きい値を符号反転させた値、あるいは力行動作が使用する電力量より若干小さい値を符号反転させた値としてもよい。
充放電制御手段8は、制御信号を出力して充放電回路6を制御することにより、交流モータの回生動作で生じる電力の内、閾値PthA[W]を超える電力(図6の領域Aの部分)を、蓄電デバイス5に蓄えさせる。また、充放電制御手段8は、充放電回路6を制御することにより、交流モータの力行動作に必要な電力の内、閾値PthB[W]を超える電力(図6の領域Bの部分)を、蓄電デバイス5から放電させる。
図7は、充放電制御手段8の構成を示すブロック図である。力行時制御部81は、直流電圧値検出手段7の出力である電圧値Vdc[V]に基づいて、充放電回路6を介して蓄電デバイス5から放電させる電流量の指令値である放電電流指令値Ib*[A]を生成する。回生時制御部82は、同じく直流電圧値検出手段7の出力である電圧値Vdc[V]に基づいて、充放電回路6を介して蓄電デバイス5に充電させる電流量の指令値である充電電流指令値Ia*[A]を生成する。
電流指令値統合部83は、放電電流指令値Ib*[A]と充電電流指令値Ia*[A]とを加え合わせ、蓄電デバイス5に充電または放電させる電流量の指令値である統合電流指令値Ic*[A]を出力する。
制御信号生成部84は、統合電流指令値Ic*[A]と充放電電流量検出手段64が検出する充放電回路6を流れる充放電電流量とから、充放電回路6へ出力する制御信号を生成する。
次に、交流モータが力行動作を行う場合について説明する。交流モータ駆動システムにおいて、交流電源から供給される交流電力は、無制限に供給されるわけではない。このため図8に示すように、交流モータが負荷電力Pb[W]の力行動作を行うと、コンバータ1のインピーダンスの影響から、直流母線2の電圧値Vdc[V]はVb[V]に低下する。
交流モータの力行動作時における負荷電力と電圧降下した直流母線2の電圧値との関係は、例えば、回路シミュレーションから算出することができる。また、負荷電力と直流母線2の電圧値との関係は、対象システムのコンバータの仕様及び交流リアクトルの仕様から算出することもできる。負荷電力と直流母線2の電圧値との関係は、プロト機/試作機の実測データからの推定から算出することもできる。負荷電力と直流母線2の電圧値との関係は、他の既納入大容量システムにおける実績値から算出することもできる。さらに、負荷電力と直流母線2の電圧値との関係は、上記の組み合わせ等から算出することもできる。これにより、負荷電力と直流母線2の電圧値との関係は、一対一に定まり、図9に太線で示すような電圧降下曲線を定めることができる。
この電圧降下曲線から、閾値PthB[W]に対応する直流母線2の電圧値VthB[V]を求めることができる。そこで、直流母線2の電圧値Vdc[V]をVthB[V]に制御することにより、交流電源からコンバータ1を介して供給される電力を閾値PthB[W]に抑制することを図る。そして、直流母線2の電圧値Vdc[V]をVthB[V]に制御することは、図6の領域Bの部分の電力を蓄電デバイス5から直流母線2へ供給することにより実現を図る。
一方、ラプラス変換子をsとし、平滑コンデンサ3に流れる電流量をIs[A]とすると、

Is = s×C×Vdc ・・・(式1)

の関係が成立する。よって、直流母線2の電圧値Vdc[V]を制御することは、平滑コンデンサ3に流れる電流量を制御することで実現できる。そこで、図6の領域Bの部分の電力を蓄電デバイス5から直流母線2へ供給する際、蓄電デバイス5から直流母線2へ放電する電流量を制御することにより、直流母線2の電圧値Vdc[V]をVthB[V]に制御することを図る。
上記の考えを実現するための力行時制御部81の構成及び動作を、図10を用いて説明する。力行時電力閾値格納手段811には、閾値PthB[W]が予め記録されている。力行時電力閾値格納手段811は、閾値PthB[W]を力行時電力/電圧手段812へ出力する。
力行時電力/電圧手段812には、図9に示す電圧降下曲線の特性が、近似式またはルックアップテーブル(LUT)などにより予め準備されている。力行時電力/電圧手段812は、この電圧降下曲線の特性を用いて閾値PthB[W]に対応する電圧値VthB[V]を求め、減算手段813へ出力する。
減算手段813には、直流電圧値検出手段7が検出した直流母線2の電圧値Vdc[V]と力行時電力/電圧手段812の出力である電圧値VthB[V]とが入力される。減算手段813は、電圧値Vdc[V]と電圧値VthB[V]との差を演算し、演算結果ErrB[V]を乗算手段814へ出力する。
平滑コンデンサ静電容量値格納手段815には、平滑コンデンサ3の静電容量値C[F]が予め記録されている。平滑コンデンサ静電容量値格納手段815は、平滑コンデンサ3の静電容量値C[F]を乗算手段814へ出力する。
乗算手段814は、減算手段813の出力であるErrB[V]に平滑コンデンサ3の静電容量値C[F]を乗じる演算をし、演算結果を力行時電力補償制御部816へ出力する。なお、以降の説明においては、減算手段813と乗算手段814とを合わせて力行時演算手段とする。
力行時電力補償制御部816は、乗算手段814の出力から、充放電回路6を介して流れる蓄電デバイス5の放電電流量の指令値である放電電流指令値Ib*[A]を生成する。この演算は、比例積分制御(PI制御)、積分制御(I制御)、または比例積分微分制御(PID制御)により実行される。力行時電力補償制御部816は、生成した放電電流指令値Ib*[A]を電流指令値統合部83へ出力する。
次に、交流モータが電力を回生する場合について説明する。交流モータの回転数が減少したり外部から力が加わったりしたとき、交流モータは、図11に示すようにPa[W](負値)の電力を回生する。インバータ4を介して回生される交流モータの回生電力Pa[W]は、平滑コンデンサ3に蓄えられ、直流母線2の電圧値Vdc[V]をVa[V]に上昇させる。コンバータ1が抵抗回生型の場合には、Va[V]が抵抗回生回路12が動作し始めるまでの範囲、即ち、スイッチング素子121が導通するまでの範囲では、直流母線2の電圧値Vdc[V]はVa[V]を保つ。また、コンバータ1が電源回生型の場合には、コンバータ1は、コンバータ1のインピーダンスの影響により、この電圧上昇分に基づく電力を交流電源に回生する。
交流モータの回生動作時における回生電力と電圧上昇した直流母線2の電圧値との関係は、例えば、回路シミュレーションから算出することができる。また、回生電力と直流母線2の電圧値との関係は、対象システムのコンバータの仕様及び交流リアクトルの仕様から算出することもできる。回生電力と直流母線2の電圧値との関係は、プロト機/試作機の実測データからの推定から算出することもできる。回生電力と直流母線2の電圧値との関係は、他の既納入大容量システムにおける実績値から算出することもできる。さらに、回生電力と直流母線2の電圧値との関係は、上記の組み合わせ等から算出することもできる。これにより、回生電力と直流母線2の電圧値との関係は、一対一に定まり、図12に太線で示すような電圧上昇曲線を定めることができる。
この電圧上昇曲線から、閾値PthA[W](負値)に対応する直流母線2の電圧値VthA[V]を求めることができる。そこで、直流母線2の電圧値Vdc[V]をVthA[V]に制御することにより、コンバータ1が回生する電力を閾値PthA[W]に抑制することを図る。そして、直流母線2の電圧値Vdc[V]をVthA[V]に制御することは、図6の領域Aの部分の電力を直流母線2、具体的には平滑コンデンサ3から充放電回路6を介して蓄電デバイス5へ充電することにより実現を図る。
また、回生動作時においても、力行動作時と同様に(式1)の関係が成立する。このことから、直流母線2の電圧値Vdc[V]を制御することは、平滑コンデンサ3に流れる電流量を制御することで実現できる。そこで、図6の領域Aの部分の電力を直流母線2から蓄電デバイス5へ充電する際、直流母線2から蓄電デバイス5へ充電する電流量を制御することにより、直流母線2の電圧値Vdc[V]をVthA[V]に制御することを図る。
上記の考えを実現するための回生時制御部82の構成及び動作を、図13を用いて説明する。回生時電力閾値格納手段821には、閾値PthA[W]が予め記録されている。回生時電力閾値格納手段821は、閾値PthA[W]を回生時電力/電圧手段822へ出力する。
回生時電力/電圧手段822には、図12に示す電圧上昇曲線の特性が、近似式またはLUTなどにより予め準備されている。回生時電力/電圧手段822は、この電圧上昇曲線の特性を用いて閾値PthA[W]に対応する電圧値VthA[V]を求め、減算手段823へ出力する。
減算手段823には、直流電圧値検出手段7が検出した直流母線2の電圧値Vdc[V]と回生時電力/電圧手段822の出力である電圧値VthA[V]とが入力される。減算手段823は、電圧値Vdc[V]と電圧値VthA[V]との差を演算し、演算結果ErrA[V]を乗算手段824へ出力する。
平滑コンデンサ静電容量値格納手段825には、平滑コンデンサ3の静電容量値C[F]が予め記録されている。平滑コンデンサ静電容量値格納手段825は、平滑コンデンサ3の静電容量値C[F]を乗算手段824へ出力する。
乗算手段824は、減算手段823の出力であるErrA[V]に平滑コンデンサ3の静電容量値C[F]を乗じる演算をし、演算結果を回生時電力補償制御部826へ出力する。なお、以降の説明においては、減算手段823と乗算手段824とを合わせて回生時演算手段とする。
回生時電力補償制御部826は、乗算手段824の出力から、充放電回路6を介して流れる蓄電デバイス5の充電電流量の指令値である充電電流指令値Ia*[A]を生成する。この演算は、PI制御、I制御、またはPID制御により実行される。回生時電力補償制御部826は、生成した充電電流指令値Ia*[A]を電流指令値統合部83へ出力する。
次に、力行動作時及び回生動作時における電流指令値統合部83及び制御信号生成部84の動作について説明する。電流指令値統合部83は、力行時制御部81の出力である放電電流指令値Ib*[A]と回生時制御部82の出力である充電電流指令値Ia*[A]とを加算して、統合電流指令値Ic*[A]を生成し、制御信号生成部84へ出力する。
但し、電流指令値統合部83においては、放電電流指令値Ib*[A]と充電電流指令値Ia*[A]とは互いに正負が逆の値である。
即ち、交流モータ駆動システムにおいて、蓄電デバイス5への充電電流を正と定義すれば、放電電流指令値Ib*[A]は零または負値に変換して取り扱い、充電電流指令値Ia*[A]は零または正値に変換して取り扱う。
逆に、交流モータ駆動システムにおいて、蓄電デバイス5からの放電電流を正と定義すれば、放電電流指令値Ib*[A]は零または正値に変換して取り扱い、充電電流指令値Ia*[A]は零または負値に変換して取り扱う。
図14は、実施の形態1に係る交流モータ駆動システムにおける、蓄電デバイス5への充電電流を正と定義した場合の交流モータの消費電力Pload[W]と、これに対応する放電電流指令値Ib*[A]と、充電電流指令値Ia*[A]と、統合電流指令値Ic*[A]との関係を、模式的に示したものである。
制御信号生成部84は、統合電流指令値Ic*[A]に応じた充放電電流を充放電回路6に流させるための電圧指令値(図示せず)を生成する。具体的には、充放電電流量検出手段64が検出した充放電回路6を流れる充放電電流量と統合電流指令値Ic*[A]とに基づいて、PI制御、I制御、またはPID制御を実行することにより演算される。
生成された電圧指令値は、一般的に三角波が使用されるキャリア波形と比較される。その比較結果に基づいて、制御信号生成部84は、電圧指令値をPWM信号である制御信号に変換する。制御信号生成部84は、この制御信号を充放電回路6のドライバ回路63へ出力する。充放電回路6では、制御信号に従って、スイッチング素子62のON状態とOFF状態とが切り換わり、統合電流指令値Ic*[A]に応じた充放電電流が流れる。
このように交流モータ駆動システムを構成することにより、直流母線2を流れる電流量を用いることなく、コンバータ1を介して交流電源から供給される力行時の電力を、予め定められた閾値PthB[W]に抑制することが可能となる。また、直流母線2を流れる電流量を用いることなく、コンバータ1が回生する回生時の電力を、予め定められた閾値PthA[W]に抑制することが可能となる。
本実施の形態1では、直流母線2を流れる電流量を検出する手段(以後、直流母線電流量検出手段と呼ぶ)を設ける必要がない。このため、交流モータ駆動システムを安価に製作することが可能になる。
また、直流母線電流量検出手段を設ける必要がないため、交流モータ駆動システムを小型に製造することができ、資源の節約及びコストの削減を図ることをも可能になる。また、交流モータ駆動システムの設置場所に対する自由度をも増す。
さらに、直流母線電流量検出手段は発熱する場合がある。このため、直流母線電流量検出手段を用いるとき、放熱に関しても対策を施さなければならず、交流モータ駆動システムのコスト上昇の要因になる。しかし、実施の形態1に係る交流モータ駆動システムは、直流母線電流量検出手段を設ける必要がない。このため、直流母線電流量検出手段に対する発熱対策が不要になり、交流モータ駆動システムの低価格化または小型化を図ることもできる。
加えて、直流母線電流量検出手段には、磁気飽和を発生する物もある。磁気飽和が生じると、正確な電流量を把握できなくなる。これにより、本実施の形態に示したような電力ピークカットの機能が実現できなくなり、システム全体の不具合や故障に至る可能性がある。しかし、本実施の形態によると、直流母線電流量検出手段を設ける必要がないため、磁性材料を用いた直流母線電流量検出手段で生じ得る、磁気飽和が発生することはない。このため、磁気飽和による力行時の電力または回生時の電力の誤検出の問題をも回避することが可能となる。
なお、力行時制御部81及び回生時制御部82の構成は、上述の構成に限るものではない。例えば、力行時演算手段における、減算手段813と乗算手段814の配置の順序は逆であってもよい。すなわち、電圧値Vdc[V]と平滑コンデンサ3の静電容量値C[F]とが入力される乗算手段と、電圧値VthB[V]と静電容量値C[F]が入力される乗算手段とをそれぞれ設ける。そして、各乗算手段は、電圧値Vdc[V]に静電容量値C[F]を乗じる演算と、電圧値VthB[V]に静電容量値C[F]を乗じる演算とを別個に行い、それぞれの乗算結果を減算手段813へ出力する。減算手段813は、入力された各乗算手段の乗算結果の差を演算し、演算結果ErrB[V]を力行時電力補償制御部816へと出力するようにしてもよい。
回生時演算手段においても同様であり、電圧値Vdc[V]が入力される乗算手段と、電圧値VthA[V]が入力される乗算手段とをそれぞれ設け、平滑コンデンサ3の静電容量値C[F]をそれぞれの乗算手段で乗じる演算を行うようにしてもよい。そして、それぞれの乗算結果を減算手段823へ出力し、減算手段823はその差を演算する。減算手段823は、演算結果ErrA[V]を回生時電力補償制御部826へと出力するようにしてもよい。
また、力行時制御部81及び回生時制御部82において、平滑コンデンサ静電容量値格納手段815及び平滑コンデンサ静電容量値格納手段825を設けない構成としてもよい。さらに、乗算手段814及び乗算手段824についても設けない構成としてもよい。
この場合、力行時電力補償制御部816は、静電容量値C[F]によらずに、減算手段813の出力であるErrB[V]に基づいて放電電流指令値Ib*[A]を生成する。また、力行時電力補償制御部816が演算を行う際に、静電容量値C[F]を乗じるようにしてもよい。
回生時電力補償制御部826も同様であり、静電容量値C[F]によらずに、減算手段823の出力であるErrA[V]に基づいて充電電流指令値Ia*[A]を生成するようにしてもよいし、回生時電力補償制御部826が演算する際に静電容量値C[F]を乗じるようにしてもよい。
さらに、力行時演算手段は、減算手段813を有することとしていたが、これに限るものではない。例えば、減算手段813を有する代わりに比較手段を設けることとしてもよい。この場合、比較手段には電圧値Vdc[V]及び電圧値VthB[V]が入力され、これらの比較のみを行う。比較手段は、比較結果を力行時電力補償制御部816へと出力する。力行時電力補償制御部816は、比較結果に基づき、電圧値Vdc[V]を電圧値VthB[V]以下とするための放電電流指令値Ib*[A]を生成し、電流指令値統合部83へ出力する。
回生時演算手段が有する減算手段823も同様であり、代わりに比較手段を設けることとしてもよい。この場合、比較手段は、入力された電圧値Vdc[V]と電圧値VthA[V]とを比較し、比較結果を回生時電力補償制御部826へと出力する。回生時電力補償制御部826は、比較結果に基づき、電圧値Vdc[V]を電圧値VthA[V]以上とするための充電電流指令値Ia*[A]を生成し、電流指令値統合部83へ出力する。
実施の形態2
力行時制御部81に関し、実施の形態1とは別の実施の形態について図15を用いて説明する。なお、本実施の形態において、実施の形態1と同一または同等の手段に関しては、同一の名称と符号とを用いて説明を省略する。
実施の形態2に係る力行時制御部81は、実施の形態1に係る力行時制御部81の構成に加えて、さらに力行比較手段817と、力行時電力閾値格納手段811及び平滑コンデンサ静電容量値格納手段815とは別の第3の格納手段818を備えている。
力行動作時における実施の形態2に係る交流モータ駆動システムの原理について説明する。直流電圧値検出手段7が検出した直流母線2の電圧値Vdc[V]には、ノイズが重畳することがある。特に小消費電力時において、本来は蓄電デバイス5から電力を放電させる動作(以下、電力アシスト動作)が必要でない場合でも、電力アシスト動作を行うことがある。そして、力行時電力補償制御部816または制御信号生成部84には、積分要素が存在する。このため、ノイズが去った後しばらくは、電力アシスト動作に入ってしまったならば、システムは直ちに修正をすることができず、所望の機能を発揮することができない。
反対に、電力アシスト動作が必要であるにも拘らず、ノイズの重畳により電力アシスト動作を止めてしまい、ノイズが無くなって再び電力アシスト動作を実行するまでの間、時間遅れが発生する場合もある。つまり、ノイズが去った後の時間遅れを排除し、直ちに電力アシスト動作等を実行できるようにするための予防処置が必要となる。
そこで、力行時電力補償制御部816を、その動作が停止する状態(状態a)、または力行時電力補償制御部816の出力である放電電流指令値Ib*[A]を強制的に零に変換させる状態(状態b)に制御するような力行マスク信号Fbを用いることで、ノイズの影響を軽減することを図る。
次に、図15を用いて、実施の形態2に係る力行時制御部81の動作を説明する。第3の格納手段818には、零または小さい量の負値が、閾値VbF(≦0)として予め記録されている。力行比較手段817には、減算手段813の出力ErrB[V]と第3の格納手段818に格納されている閾値VbFとが入力される。
力行比較手段817は、減算手段813の出力ErrB[V]が閾値VbF以上の場合、力行マスク信号Fbを生成する。そして力行比較手段817は、力行マスク信号Fbを力行時電力補償制御部816へ出力する。力行比較手段817は、力行マスク信号Fbにより、力行時電力補償制御部816を状態aないし状態bに制御する。
その後、減算手段813の出力ErrB[V]が閾値VbFよりも小さくなった場合、力行比較手段817は、力行マスク信号Fbを、状態aが解除され、かつ、状態bが解除される信号に変化させる。
以上のように力行時制御部81を構成することで、交流モータ駆動システムにおける小消費電力時の力行動作に対して、放電電流指令値Ib*[A]の断絶を抑制することが可能になる。これにより、スムーズな電力補償動作を実施することができる。
なお、実施の形態2に係る力行時制御部81の構成は、これに限るものではない。例えば、第3の格納手段818に、零または小さい量の負値である2つの値VbF1及びVbF2(VbF1<VbF2≦0)を、閾値として予め記録させておく構成としてもよい。この場合、力行比較手段817は、ErrB[V]がVbF1より小さくなるまで、力行時電力補償制御部816を状態aないし状態bに制御する。そして、力行比較手段817は、一度ErrB[V]がVbF1より小さくなると、力行時電力補償制御部816を動作させて零以外の放電電流指令値Ib*[A]を出力させる。その後、力行比較手段817は、次にErrB[V]がVbF2以上になった場合、力行時電力補償制御部816を再び状態aないし状態bに制御する。このような制御を実現するヒステリシスな力行マスク信号Fbを用いる場合においても、上述のような効果を得ることができる。
また、力行比較手段817は、力行マスク信号Fbを、力行時電力補償制御部816へ出力することに加えて力行時制御部81の外部(図15の点線部分)にも出力するようにしてもよい。この場合、力行比較手段817は、力行マスク信号Fbを、制御信号生成部84へ出力する。このような構成とすることにより、力行比較手段817は、力行時電力補償制御部816の状態aに対応して、制御信号生成部84の状態を、動作が停止する状態に設定するように制御することが可能となる。また、力行比較手段817は、力行時電力補償制御部816の状態bに対応して、制御信号生成部84の状態を制御することにより、その出力である制御信号について制御してもよい。この場合、制御信号のうち、蓄電デバイス5の放電に係る制御信号が、強制的にスイッチング素子62をOFF状態に設定する制御信号となるように、制御信号生成部84の状態を制御することも可能となる。
このように力行マスク信号Fbで制御信号生成部84を制御する場合、交流モータ駆動システムにおける小消費電力の力行動作時、または力行動作と回生動作とが切り換わる時において、チョッパ回路である充放電回路6のスイッチング素子62が直流母線2間で短絡する可能性を減少させることができる。これにより、充放電回路6の故障の回避またはスイッチング素子62の寿命の延長を図ることをもできる。このことにより、さらに、交流モータ駆動システムの故障回避または装置寿命延長をも期待できる。
次に、回生時制御部82に関し、実施の形態1とは別の実施の形態について、図16を用いて説明する。実施の形態2に係る回生時制御部82は、実施の形態1に係る回生時制御部82の構成に加えて、さらに回生比較手段827と、回生時電力閾値格納手段821及び平滑コンデンサ静電容量値格納手段825とは別の第4の格納手段828を備えている。
回生動作時における実施の形態2に係る交流モータ駆動システムの原理について説明する。回生動作時も力行動作時と同様に、直流電圧値検出手段7が検出した直流母線2の電圧値Vdc[V]にノイズが重畳することにより誤動作を行ってしまうことがある。このため、ノイズが去った後正常な動作を実行するまでの時間遅れを排除する必要がある。
そこで、回生時電力補償制御部826を、その動作が停止する状態(状態c)、または回生時電力補償制御部826の出力である充電電流指令値Ia*[A]を強制的に零に変換させる状態(状態d)に制御するような回生マスク信号Faを用いることで、ノイズの影響を軽減することを図る。
次に、図16を用いて、実施の形態2に係る回生時制御部82の動作を説明する。第4の格納手段828には、零または小さい量の正値が、閾値VaF(≧0)として予め記録されている。回生比較手段827には、減算手段823の出力ErrA[V]と第4の格納手段828に格納されている閾値VaFとが入力される。
回生比較手段827は、減算手段823の出力ErrA[V]が閾値VaF以下の場合、回生マスク信号Faを生成する。そして回生比較手段827は、回生マスク信号Faを回生時電力補償制御部826へ出力する。回生比較手段827は、回生マスク信号Faにより、回生時電力補償制御部826を状態cないし状態dに制御する。
その後、減算手段823の出力ErrA[V]が閾値VaFよりも大きくなった場合、回生比較手段827は、回生マスク信号Faを、状態cが解除され、かつ、状態dが解除される信号に変化させる。
以上のように回生時制御部82を構成することで、交流モータ駆動システムにおける小消費電力時の回生動作に対して、充電電流指令値Ia*[A]の断絶を抑制することが可能になる。これにより、スムーズな電力補償動作を実施することができる。
なお、実施の形態2に係る回生時制御部82の構成は、これに限るものではない。例えば、第4の格納手段828に、零または小さい量の正値である2つの値VaF1及びVaF2(VaF1>VaF2≧0)を、閾値として予め記録させておく構成としてもよい。この場合、回生比較手段827は、ErrA[V]がVaF1より大きくなるまで、回生時電力補償制御部826を状態cないし状態dに制御する。そして、回生比較手段827は、一度ErrA[V]がVaF1より大きくなると、回生時電力補償制御部826を動作させて零以外の充電電流指令値Ia*[A]を出力させる。その後、回生比較手段827は、次にErrA[V]がVaF2以下になった場合、回生時電力補償制御部826を再び状態cないし状態dに制御する。このような制御を実現するヒステリシスな回生マスク信号Faを用いる場合においても、上述のような効果を得ることができる。
また、回生比較手段827は、回生マスク信号Faを、回生時電力補償制御部826へ出力することに加えて回生時制御部82の外部(図16の点線部分)にも出力するようにしてもよい。この場合、回生比較手段827は、回生マスク信号Faを、制御信号生成部84へ出力する。このような構成とすることにより、回生比較手段827は、回生時電力補償制御部826の状態cに対応して、制御信号生成部84の状態を、動作が停止する状態に設定するように制御することが可能となる。また、回生比較手段827は、回生時電力補償制御部826の状態dに対応して、制御信号生成部84の状態を制御することにより、その出力である制御信号について制御してもよい。この場合、制御信号のうち、蓄電デバイス5の充電に係る制御信号が、強制的にスイッチング素子62をOFF状態に設定する制御信号となるように、制御信号生成部84の状態を制御することも可能となる。
このように回生マスク信号Faで制御信号生成部84を制御する場合、交流モータ駆動システムにおける小消費電力の回生動作時、または回生動作と力行動作とが切り換わる時において、チョッパ回路である充放電回路6のスイッチング素子62が直流母線2間で短絡する可能性を減少させることができる。これにより、充放電回路6の故障の回避またはスイッチング素子62の寿命の延長を図ることをもできる。このことにより、さらに、交流モータ駆動システムの故障回避または装置寿命延長をも期待できる。
さらに、第4の格納手段828は、上記閾値VaF2と共に、交流モータが力行動作及び回生動作を実行しない時の直流母線2の電圧値Vdc0[V](図8及び図11参照)を予め記録するような構成としてもよい。この場合、図17に示すように、回生比較手段827には、ErrA[V]と共に、直流母線2の電圧値Vdc[V]と、閾値VaF2と、電圧値Vdc0[V]とを入力する。
回生比較手段827は、電圧値Vdc[V]がVdc0[V]より大きくなったとき、直ちに回生マスク信号Faを、回生時電力補償制御部826を動作させる信号に変化させる。そして、回生比較手段827は、ErrA[V]がVaF2以下にならない限り、回生マスク信号Faを回生時電力補償制御部826が動作し続ける様に保持する。その後、回生比較手段827は、ErrA[V]がVaF2以下になった場合、回生時電力補償制御部826を状態cないし状態dに制御する回生マスク信号Faを生成する。回生比較手段827は、生成した回生マスク信号Faを回生時電力補償制御部826へ出力する。
このように回生時制御部82を構成することにより、蓄電デバイス5は、交流モータ駆動システムが回生動作を開始するや否や、充電を開始することができる。このため、本システムの制御遅れを小さくでき、無駄な電力を交流電源に回生することなく蓄電デバイス5に蓄えることが可能となる。
実施の形態3
実施の形態3に係る交流モータ駆動システムの全体の構成を、図18に示す。なお、本実施の形態において、実施の形態1または実施の形態2と同一または同等の手段に関しては、同一の名称と符号とを用いて説明を省略する。
図18に示すように、蓄電デバイス電圧値検出手段51は、蓄電デバイス5に接続され、蓄電デバイス5の両端電圧値Vcap[V]を検出する。蓄電デバイス電圧値検出手段51は、検出した両端電圧値Vcap[V]を充放電制御手段8へと出力する。
実施の形態1または実施の形態2においては、直流母線2の電圧値Vdc[V]がVthB[V]になるように、蓄電デバイス5から直流母線2へ放電させることにより、コンバータ1から直流母線2へ供給される電力を閾値PthB[W]に抑制できる技術を開示した。実施の形態1または実施の形態2において、力行時制御部81が出力する放電電流指令値Ib*[A]は、直流母線2と充放電回路6との間の電流量を制御の対象としている。以降の説明において、直流母線2と充放電回路6との間の電流量を、一次側電流量i1[A]とする。一方、実施の形態1または実施の形態2において、制御信号生成部84は、蓄電デバイス5と充放電回路6との間の電流量が入力され、直流母線2と充放電回路6との間を流れる電流量を制御する制御信号を、充放電回路6のドライバ回路63へ出力する。以降の説明において、蓄電デバイス5と充放電回路6との間の電流量を、二次側電流量i2[A]とする。
充放電回路6のチョッパ回路による損失が小さいと仮定すると、一次側電流量i1[A]と二次側電流量i2[A]との間には、

i1×Vdc = i2×Vcap ・・・ (式2)

の関係が成立する。コンバータ1から直流母線2へ供給される電力を閾値PthB[W]に抑制制御する場合には、Vdc=VthB、i1=Ib*と近似できることから、これらを(式2)に代入して、

i2= (VthB÷Vcap)Ib* ・・・(式3)

の関係が成立する。両端電圧値Vcap[V]の変化が小さい場合には、(VthB÷Vcap)は定数と見なせるため、制御信号生成部84内のPI制御、I制御、PID制御等で対応が可能である。しかし、蓄電デバイス5からの放電量が大きく、両端電圧値Vcap[V]が大きく変化する場合には、制御信号生成部84だけでは対応できなくなる。
そこで、(式3)を実現するべく、図19に示すように、力行時制御部81と電流指令値統合部83との間に、さらに、力行時換算手段85を設置する。力行時換算手段85は、力行時制御部81の出力である放電電流指令値Ib*[A]と、力行時制御部81内の力行時電力/電圧手段812の出力である電圧値VthB[V]と、蓄電デバイス電圧値検出手段51の検出値である両端電圧値Vcap[V]とを入力する。力行時換算手段85は、(VthB÷Vcap)Ib*を演算し、演算結果を二次側放電電流指令値Ib2*[A]として電流指令値統合部83へ出力する。
同様に、実施の形態1または実施の形態2においては、直流母線2の電圧値Vdc[V]がVthA[V]になるように、直流母線2から蓄電デバイス5へ充電させることにより、直流母線2からコンバータ1へ回生される電力を閾値PthA[W]に抑制できる技術を開示した。実施の形態1または実施の形態2において、回生時制御部82が出力する充電電流指令値Ia*[A]は、一次側電流量i1[A]を制御の対象としている。一方、実施の形態1または実施の形態2において、制御信号生成部84は、二次側電流量i2[A]を制御する制御信号を、充放電回路6のドライバ回路63へ出力する。
充放電回路6のチョッパ回路による損失が小さいと仮定すると、一次側電流量i1[A]と二次側電流量i2[A]との間には、(式2)が成立する。直流母線2からコンバータ1へ回生される電力を閾値PthA[W]に抑制制御する場合には、Vdc=VthA、i1=Ia*と近似できることから、これらを(式2)に代入して、

i2= (VthA÷Vcap)ia* ・・・(式4)

の関係が成立する。両端電圧値Vcap[V]の変化が小さい場合には、(VthA÷Vcap)は定数と見なせるため、制御信号生成部84内のPI制御、I制御、PID制御等で対応が可能である。しかし、蓄電デバイス5への充電量が大きく、両端電圧値Vcap[V]が大きく変化する場合には、制御信号生成部84だけでは対応できなくなる。
そこで、(式4)を実現するべく、図20に示すように、回生時制御部82と電流指令値統合部83との間に、さらに、回生時換算手段86を設置する。回生時換算手段86は、回生時制御部82の出力である充電電流指令値Ia*[A]と、回生時制御部82内の回生時電力/電圧手段822の出力である電圧値VthA[V]と、蓄電デバイス電圧値検出手段51の検出値である両端電圧値Vcap[V]とを入力する。回生時換算手段86は、(VthA÷Vcap)Ia*を演算し、演算結果を二次側放電電流指令値Ia2*[A]として電流指令値統合部83へ出力する。
ここまで、力行時換算手段85と回生時換算手段86とをそれぞれ単独に充放電制御手段8に設置する形態を開示した。しかし、力行時換算手段85が力行時制御部81と電流指令値統合部83との間、かつ、回生時換算手段86が回生時制御部82と電流指令値統合部83との間であって、両方とも充放電制御手段8に設置されても構わない。
このように、力行時換算手段85ないし回生時換算手段86の両方あるいはいずれか一方を充放電制御手段8に設置することにより、蓄電デバイス5の両端電圧値Vcap[V]が大きく変化した場合でも、直流母線2を流れる電流量を用いることなく、コンバータ1を介して交流電源から供給される力行時の電力を、予め定められた閾値PthB[W]に抑制することが可能となる。また同様に、蓄電デバイス5の両端電圧値Vcap[V]が大きく変化した場合でも、直流母線2を流れる電流量を用いることなく、コンバータ1が回生する回生時の電力を、予め定められた閾値PthA[W]に抑制することが可能となる。
さらに、蓄電デバイス5の両端電圧値Vcap[V]を大きく変化させて使用できることにより、蓄電デバイス5が直流母線2に対して充放電できる電力量を大きくすることが可能になる。このため、交流モータ駆動システムに設置される蓄電デバイス5の静電容量が小さくて済む。よって、交流モータ駆動システムのさらなる小型化ないし低価格化を図ることをも可能とする。
このように二次側電流量i2[A]を用いるならば、チョッパ回路をn多重に構成する場合、充放電電流量と制御信号とを多重の相毎に対応させることが可能となる。
多重構成のチョッパ回路を導入し、充放電電流量と制御信号とを相毎に対応させる場合、充放電電流のリプル成分の抑制が実現できる。これにより、良質な電力補償動作が実現できると共にノイズの低減が可能になる。つまり、交流モータ駆動システムのノイズ対策部材の削減または低性能のノイズ対策部材の利用が可能となる。よって、交流モータ駆動システムを安価に製作することができる。
また、蓄電デバイス電圧値検出手段51を設け、蓄電デバイス5の両端電圧値Vcap[V]を検出して充放電制御手段8へ出力することにより、背景技術で開示した特許文献1に記載の蓄電調整処理技術を採用することもできる。
具体的には、図21に示すように、充放電制御手段8内にさらに蓄電調整制御部87を設置する。蓄電調整制御部87には、蓄電デバイス電圧値検出手段51の出力である両端電圧値Vcap[V]を入力する。蓄電調整制御部87には、充放電電流量検出手段64の出力である充放電電流量を入力する。蓄電調整制御部87には、力行時制御部81からの出力であるErrB[V]または放電電流指令値Ib*[A]を入力する。蓄電調整制御部87には、回生時制御部82からの出力であるErrA[V]または充電電流指令値Ia*[A]を入力する。蓄電調整制御部87は、入力に基づいて、蓄電調整電流指令値Id*[A]を生成し、電流指令値統合部83へ出力する。電流指令値統合部83は、蓄電調整制御部87の出力である蓄電調整電流指令値Id*[A]と、力行時換算手段85の出力である二次側放電電流指令値Ib2*[A]と、回生時換算手段86の出力である二次側充電電流指令値Ia2*[A]とを足し合わせて、統合電流指令値Ic*[A]を生成する。電流指令値統合部83は、統合電流指令値Ic*[A]を、制御信号生成部84へ出力する。
この蓄電調整制御部87において、特許文献1に記載の定電圧制御部16Eの構成を採用する。さらに、蓄電調整制御部87において、本件の実施の形態1ないし実施の形態3に示したような、直流母線2の電力値でなく直流母線2の電圧値Vdc[V]に基づいて動作する構成を採用する。このようにして、特許文献1に記載の蓄電調整処理技術を採用することで、当該技術の効果を実現することも可能になる。
なお、図21には、充放電制御手段8に力行時換算手段85および回生時換算手段86を導入する場合を図示している。しかし、蓄電調整制御部87は、力行時換算手段85ないし回生時換算手段86のいずれか一方を採用しなくても問題はない。また、蓄電調整制御部87は、力行時換算手段85と回生時換算手段86の双方を採用しなくても問題はない。
実施の形態4
実施の形態4に係る交流モータ駆動システムの全体ブロック図を図22に示す。本実施の形態が実施の形態1(図1参照)ないし実施の形態3(図18参照)と異なる所は、コンバータ1の入力側に接続される交流線間における電圧値(以後、交流線間電圧値と呼ぶ)Vac[V]を検出し、充放電制御手段8へ出力する交流電圧値検出手段9を設けた点である。
なお、図22において点線で記載した部分は、本実施の形態に実施の形態3を適用した場合の構成を表している。また、本実施の形態において、実施の形態1ないし実施の形態3と同一または同等の手段に関しては、同一の名称と符号とを用いて説明を省略する。
実施の形態4に係る交流モータ駆動システムの原理について説明する。コンバータ1に入力される交流線間電圧値Vac[V]は、交流電源からコンバータ1までの配線の長短により異なる。また、同じ交流電源に複数の交流モータ駆動システムが接続されるような場合、一の交流モータ駆動システムのコンバータ1に入力される交流線間電圧値Vac[V]は、他の交流モータ駆動システムの稼動状態の繁閑により変動する。コンバータ1に入力される交流線間電圧値Vac[V]が変動すると、コンバータ1の出力である直流母線2の電圧値Vdc[V]も変動する。
本実施の形態では、コンバータ1の入力交流線間電圧値Vac[V]が変動しても、交流電源からコンバータ1を介して供給される力行電力を、予め定められた閾値PthB[W]に抑制することを図る。また、コンバータ1の入力交流線間電圧値Vac[V]が変動しても、コンバータ1を介して回生する回生電力を、予め定められた閾値PthA[W]に抑制することを図る。
次に、力行動作時における実施の形態4に係る交流モータ駆動システムについて説明する。交流モータが力行動作を行う場合、交流線間電圧値Vac[V]の変動に対する交流モータの消費電力Pload[W]と直流母線2の電圧値Vdc[V]との関係は、図23に示す様になる。ここで電圧値Vac0[V]は、交流線間電圧値Vac[V]について基準となる電圧値である。
実際の交流線間電圧値Vac[V]が基準となる電圧値Vac0[V]に比して高い場合、電圧降下曲線は、電圧値Vdc[V]の高い方へ凡そ平行移動する。逆に、実際の交流線間電圧値Vac[V]が基準となる電圧値Vac0[V]より低い場合、電圧降下曲線は、電圧値Vdc[V]の低い方へ凡そ平行移動する。
そこで、交流線間電圧値Vac[V]の変動に対応する構成とするために、実施の形態4に係る力行時制御部81は、図24に示す様に、基準となる電圧値Vac0[V]が予め記録されている基準時交流線間電圧値格納手段831を備える。さらに、本実施の形態は、実施の形態1ないし実施の形態3に記載した、力行時電力閾値格納手段811の出力である閾値PthB[W]のみが入力されて電圧値VthB[V]を出力する力行時電力/電圧手段812に代えて、交流線間電圧値対応力行時電力/電圧手段832を設ける。交流線間電圧値対応力行時電力/電圧手段832には、図23に示す電圧降下曲線の特性が、近似式またはLUTなどにより予め準備されている。
また、交流線間電圧値対応力行時電力/電圧手段832には、Vac=Vac0の場合の電圧降下曲線の値であるf(Pload)のみを、実施の形態1ないし実施の形態3と同様に、近似式あるいはLUTなどの形式で予め準備しておき、交流線間電圧値対応力行時電力/電圧手段832は、この関数f(Pload)に(式5)で示す演算を施すことにより、電圧値VthB[V]を算出してもよい。ここで、Kb(>0)は、電圧降下曲線が交流線間電圧値Vac[V]により平行移動する割合を調整する定数である。

VthB = Kb(Vac÷Vac0)f(Pload) ・・・(式5)
交流線間電圧値対応力行時電力/電圧手段832には、交流電圧値検出手段9で検出した交流線間電圧値Vac[V]を入力する。交流線間電圧値対応力行時電力/電圧手段832には、基準時交流線間電圧値格納手段831に予め記録されている電圧値Vac0[V]を入力する。交流線間電圧値対応力行時電力/電圧手段832には、力行時電力閾値格納手段811の出力である閾値PthB[W]を入力する。交流線間電圧値対応力行時電力/電圧手段832は、入力に基づいて、電圧値VthB[V]を出力する。
なお、交流線間電圧値対応力行時電力/電圧手段832の出力VthB[V]の出力先は、実施の形態1ないし実施の形態3と同様である。交流線間電圧値対応力行時電力/電圧手段832は、出力VthB[V]を減算手段813ないし力行時換算手段85へ出力する。
次に、回生動作時における実施の形態4に係る交流モータ駆動システムについて説明する。交流モータが回生動作を行う場合、交流線間電圧値Vac[V]の変動に対する交流モータの消費電力Pload[W]と直流母線2の電圧値Vdc[V]との関係は、図25に示す様になる。
実際の交流線間電圧値Vac[V]が基準となる電圧値Vac0[V]に比して高い場合、電圧上昇曲線は、電圧値Vdc[V]の高い方へ凡そ平行移動する。逆に、実際の交流線間電圧値Vac[V]が基準となる電圧値Vac0[V]より低い場合、電圧上昇曲線は、電圧値Vdc[V]の低い方へ凡そ平行移動する。
そこで、交流線間電圧値Vac[V]の変動に対応する構成とするために、実施の形態4に係る回生時制御部82は、図26に示す様に、基準となる電圧値Vac0[V]が予め記録されている基準時交流線間電圧値格納手段841を備える。さらに、本実施の形態は、実施の形態1ないし実施の形態3に記載した、回生時電力閾値格納手段821の出力である閾値PthA[W]のみが入力されて電圧値VthA[V]を出力する回生時電力/電圧手段822に代えて、交流線間電圧値対応回生時電力/電圧手段842を設ける。交流線間電圧値対応回生時電力/電圧手段842には、図25に示す電圧上昇曲線の特性が、近似式またはLUTなどにより予め準備されている。
また、交流線間電圧値対応回生時電力/電圧手段842には、Vac=Vac0の場合の電圧上昇曲線の値であるg(Pload)のみを、実施の形態1ないし実施の形態3と同様に、近似式あるいはLUTなどの形式で予め準備しておき、交流線間電圧値対応回生時電力/電圧手段842は、この関数g(Pload)に(式6)で示す演算を施すことにより、電圧値VthA[V]を算出してもよい。ここで、Ka(>0)は、電圧上昇曲線が交流線間電圧値Vac[V]により平行移動する割合を調整する定数である。

VthA = Ka(Vac÷Vac0)g(Pload) ・・・(式6)
交流線間電圧値対応回生時電力/電圧手段842には、交流電圧値検出手段9で検出した交流線間電圧値Vac[V]を入力する。交流線間電圧値対応回生時電力/電圧手段842には、基準時交流線間電圧値格納手段841に予め記録されている電圧値Vac0[V]を入力する。交流線間電圧値対応回生時電力/電圧手段842には、回生時電力閾値格納手段821の出力である閾値PthA[W]を入力する。交流線間電圧値対応回生時電力/電圧手段842は、入力に基づいて、電圧値VthA[V]を出力する。
なお、交流線間電圧値対応回生時電力/電圧手段842の出力VthA[V]の出力先は、実施の形態1ないし実施の形態3と同様である。交流線間電圧値対応回生時電力/電圧手段842は、出力VthA[V]を減算手段823ないし回生時換算手段86へ出力する。
本実施の形態によると、コンバータ1の入力交流線間電圧値Vac[V]が変動した場合においても、直流母線電流量検出手段を設けることなく、交流電源からコンバータ1を介して供給される力行電力を、予め定められた閾値PthB[W]に抑制することが可能になる。また、コンバータ1の入力交流線間電圧値Vac[V]が変動した場合においても、直流母線電流量検出手段を設けることなく、コンバータ1を介して回生する回生電力を、予め定められた閾値PthA[W]に抑制することが可能になる。
実施の形態5
力行時制御部81の他の実施の形態について説明する。実施の形態1ないし実施の形態4に係る交流モータ駆動システムにおいて、交流モータが消費電力Pload(t)[W]の力行動作を行う場合を考える。この場合、蓄電デバイス5から充放電回路6を介して直流母線2に供給する電力Passist(t)[W]が存在しなければ、直流母線の電圧値Vdc[V]がVload(t)[V]になると仮定する(図27参照)。ここで、tは時刻を表す。
次に、Passist(t)[W]が存在し、交流電源から供給される電力が閾値PthB[W]に制御される場合を考える。この場合の短い時間間隔Δtにおけるエネルギーの授受を考えると、(式7)が成立する。

Passist(t)・Δt = Pload(t)・Δt − PthB・Δt ・・・(式7)
直流母線の電圧値Vdc[V]は、平滑コンデンサ3に蓄えられたエネルギーの表れである。このため、(式7)は(式8)に書き換えられる。

Passist(t)・Δt= (1/2) C [Vdc0 2 −{Vload(t)}2] − (1/2)C(Vdc0 2 − VthB 2)
= −(1/2) C [{Vload(t)}2 − VthB 2 ] ・・・ (式8)
また、蓄電デバイス5から電力供給が存在する場合のVload(t)[V]は、直流電圧値検出手段7の検出値Vdc[V]に他ならない。よって、(式8)はさらに(式9)に書き改められる。

Passist(t)・Δt = −(1/2) C (Vdc 2 − VthB 2 ) ・・・ (式9)
したがって、(式9)に基づいて、電圧値Vdc[V]の二乗値と電圧値VthB[V]の二乗値との差をErrB[V]とし、このErrB[V]に−(1/2)Cを乗じた値から、放電電流指令値Ib*[A]を生成することが可能である。
図28に、実施の形態5に係る力行時制御部81のブロック図を示す。なお、図28において、点線で表した部分は、本実施の形態に実施の形態2ないし実施の形態4を適用した場合の構成を表している。また、実施の形態1ないし実施の形態4と同一または同等の手段に関しては、同一の名称と符号とを用いて説明を省略する。
図において、二乗手段833には、直流電圧値検出手段7の出力である電圧値Vdc[V]を入力する。二乗手段833は、入力に基づいてVdcを演算し、減算手段813の被減数入力へ出力する。
二乗手段834には、力行時電力/電圧手段812または交流線間電圧値対応力行時電力/電圧手段832の出力である電圧値VthB[V]を入力する。二乗手段834は、入力に基づいてVthBを演算し、減算手段813の減数入力へ出力する。
減算手段813は、入力に基づいてVdc−VthBを演算し、出力ErrB[V]として乗算手段814に出力する。
乗算手段814は、入力に基づいてC(Vdc−VthB)を演算し、乗算手段835へ出力する。乗算手段835は、入力であるC(Vdc−VthB)を−(1/2)倍して、力行時電力補償制御部816または力行時換算手段85へ出力する。以下において、二乗手段833、二乗手段834、減算手段813、乗算手段814、及び乗算手段835を合わせて、力行時演算手段とする。
力行時電力補償制御部816は、入力に基づいて放電電流指令値Ib*[A]を生成し、電流指令値統合部83へ出力する。
本実施の形態によると、(式1)を用いずに(式9)を用いることによっても、直流母線電流量検出手段を設けることなく、交流電源からコンバータ1を介して供給される力行電力を、予め定められた閾値PthB[W]に抑制することが可能になる。
なお、力行時制御部81の構成は、上述の構成に限るものではない。例えば、力行時演算手段において、乗算手段814と乗算手段835とを1つの乗算手段で実施し、一度に乗じるようにしてもよい。他にも、力行時演算手段の構成について、減算手段813、乗算手段814及び乗算手段835等の配置は、同じ結果を得られる限りにおいて、順序が逆である等の異なる配置であってもよいことは、いうまでもない。
なお、実施の形態1から実施の形態5までにおいて、交流電源からコンバータ1を介して直流母線2へ供給される電力の閾値PthB[W]を格納する力行時電力閾値格納手段811には、予め定められた閾値が格納されていると説明した。また、電圧降下曲線の特性を格納する力行時電力/電圧手段812には、予め定められた特性が格納されていると説明した。平滑コンデンサ3の静電容量値C[F]を格納する平滑コンデンサ静電容量値格納手段815、825には、予め定められた数値が格納されていると説明した。交流モータ力行時の充放電回路6の動作を制限する閾値を格納する第3の格納手段818には、予め定められた閾値が格納されていると説明した。直流母線2からコンバータ1を介して回生する電力の閾値PthA[W]を格納する回生時電力閾値格納手段821には、予め定められた閾値が格納されていると説明した。電圧上昇曲線の特性を格納する回生時電力/電圧手段822には、予め定められた特性が格納されていると説明した。交流モータ回生時の充放電回路6の動作を制限する閾値を格納する第4の格納手段828には、予め定められた閾値が格納されていると説明した。コンバータ1の入力側である交流線間における基準となる電圧値Vac0[V]を格納する基準時交流線間電圧値格納手段831、841には、予め定められた数値が格納されていると説明した。交流線間電圧値の変動に対応した電圧降下曲線の特性を格納する交流線間電圧値対応力行時電力/電圧手段832には、予め定められた特性が格納されていると説明した。交流線間電圧値の変動に対応した電圧上昇曲線の特性を格納する交流線間電圧値対応回生時電力/電圧手段842には、予め定められた特性が格納されていると説明した。これらは、交流モータ駆動システムが稼動し始めた時点及びそれ以降についての説明である。
上記の閾値、数値、または特性は、交流モータ駆動システムが稼動し始める前、即ち装置搬入時点、装置点検終了時点、毎日の始業時間前、タスクの変更時などにおいて、設定等ができるようにしてもよい。この設定等は、例えば、ダイヤル、選択ボタン、専用インターフェイス、汎用の通信インターフェイスなどの設定手段を用いて行えるようにするとよい。
そして、この設定手段は、例えば、作業の負荷状況、作業における力行または回生の連続状態、交流電源の状況、作業時間帯、騒音等の環境状態、及び蓄電デバイス5の積み替えなどによる静電容量値の変化などに応じて、設定等ができるようにしてもよい。さらに、この設定手段は、上記の閾値、数値、または特性を、設定または変更、場合によっては削除することも可能である手段とすることができる。このような設定手段を備えても、実施の形態1ないし実施の形態5に係る交流モータ駆動システムにおいて実現できる効果を妨げるものでないことは、明らかである。
1 コンバータ、11 三相全波整流回路、111a ダイオード、111b ダイオード、111c ダイオード、111d ダイオード、111e ダイオード、111f ダイオード、12 抵抗回生回路、121 スイッチング素子、122 抵抗、13 整流回路、131a ダイオード、131b ダイオード、131c ダイオード、131d ダイオード、131e ダイオード、131f ダイオード、132a スイッチング素子、132b スイッチング素子、132c スイッチング素子、132d スイッチング素子、132e スイッチング素子、132f スイッチング素子、14 交流リアクトル、2 直流母線、3 平滑コンデンサ、4 インバータ、5 蓄電デバイス、51 蓄電デバイス電圧値検出手段、6 充放電回路、61a ダイオード、61b ダイオード、61c ダイオード、61d ダイオード、62a スイッチング素子、62b スイッチング素子、62c スイッチング素子、62d スイッチング素子、63a ドライバ回路、63b ドライバ回路、63c ドライバ回路、63d ドライバ回路、64 充放電電流量検出手段、65 リアクトル、7 直流電圧値検出手段、8 充放電制御手段、81 力行時制御部、811 力行時電力閾値格納手段、812 力行時電力/電圧手段、813 減算手段、814 乗算手段、815 平滑コンデンサ静電容量値格納手段、816 力行時電力補償制御部、817 力行比較手段、818 第3の格納手段、831 基準時交流線間電圧値格納手段、832 交流線間電圧値対応力行時電力/電圧手段、833 二乗手段、834 二乗手段、835 乗算手段、82 回生時制御部、821 回生時電力閾値格納手段、822 回生時電力/電圧手段、823 減算手段、824 乗算手段、825 平滑コンデンサ静電容量値格納手段、826 回生時電力補償制御部、827 回生比較手段、828 第4の格納手段、841 基準時交流線間電圧値格納手段、842 交流線間電圧値対応回生時電力/電圧手段、83 電流指令値統合部、84 制御信号生成部、85 力行時換算手段、86 回生時換算手段、87 蓄電調整制御部、9 交流電圧値検出手段

Claims (5)

  1. 直流電力を供給するコンバータと、
    前記直流電力を交流電力に変換するインバータと、
    前記コンバータと前記インバータとを接続する直流母線と、
    前記交流電力により駆動される交流モータと、
    前記コンバータの出力側における電圧値を検出する直流電圧値検出手段と、
    前記直流電力を前記直流母線から充電し、かつ、充電した前記直流電力を前記直流母線へ放電する蓄電デバイスと、
    前記直流母線に対して前記インバータと並列に接続され、かつ、前記直流母線と前記蓄電デバイスとの間に接続され、前記蓄電デバイスを充放電させる充放電回路と、
    前記蓄電デバイスの充放電電流量を検出する充放電電流量検出手段と
    を備え、
    前記充放電回路は、
    前記直流電圧値検出手段が検出する電圧値、及び前記充放電電流量検出手段が検出する前記充放電電流量に応じて、
    前記インバータから前記交流モータへ供給する電力のうち、第1の電力閾値を超える電力を、前記蓄電デバイスから放電、
    ないし、
    前記インバータを介して回生される前記交流モータの回生電力のうち、第2の電力閾値を超える電力を、前記蓄電デバイスに充電、
    をなさしめる
    ことを特徴とする交流モータ駆動システム。
  2. 直流電力を供給するコンバータと、
    前記直流電力を交流電力に変換するインバータと、
    前記コンバータと前記インバータとを接続する直流母線と、
    前記交流電力により駆動される交流モータと、
    前記コンバータの出力側における電圧値を検出する直流電圧値検出手段と、
    前記直流電力を前記直流母線から充電し、かつ、充電した前記直流電力を前記直流母線へ放電する蓄電デバイスと、
    前記直流母線に対して前記インバータと並列に接続され、かつ、前記直流母線と前記蓄電デバイスとの間に接続され、前記蓄電デバイスを充放電させる充放電回路と、
    前記蓄電デバイスの充放電電流量を検出する充放電電流量検出手段と
    を備え、
    前記充放電回路は、
    前記直流電圧値検出手段が検出する電圧値、及び前記充放電電流量検出手段が検出する前記充放電電流量に応じて、
    前記インバータから前記交流モータへ供給される電力が第1の電力閾値を超える場合には、前記直流電圧値検出手段が検出する電圧値が、前記第1の電力閾値に応じた第1の電圧値となるように、前記蓄電デバイスを放電、
    ないし、
    前記インバータを介して回生される前記交流モータの回生電力が第2の電力閾値を超える場合には、前記直流電圧値検出手段が検出する電圧値が、前記第2の電力閾値に応じた第2の電圧値となるように、前記蓄電デバイスを充電、
    をなさしめる
    ことを特徴とする交流モータ駆動システム。
  3. 直流電力を供給するコンバータと、
    前記直流電力を交流電力に変換するインバータと、
    前記コンバータと前記インバータとを接続する直流母線と、
    前記交流電力により駆動される交流モータと、
    前記コンバータの出力側における電圧値を検出する直流電圧値検出手段と、
    前記コンバータの入力側における電圧値を検出する交流電圧値検出手段と、
    前記直流電力を前記直流母線から充電し、かつ、充電した前記直流電力を前記直流母線へ放電する蓄電デバイスと、
    前記直流母線に対して前記インバータと並列に接続され、かつ、前記直流母線と前記蓄電デバイスとの間に接続され、前記蓄電デバイスを充放電させる充放電回路と、
    前記蓄電デバイスの充放電電流量を検出する充放電電流量検出手段と
    を備え、
    前記充放電回路は、
    前記直流電圧値検出手段が検出する電圧値、前記交流電圧値検出手段が検出する電圧値、及び前記充放電電流量検出手段が検出する前記充放電電流量に応じて、
    前記インバータから前記交流モータへ供給される電力が第1の電力閾値を超える場合には、前記直流電圧値検出手段が検出する電圧値が、前記第1の電力閾値と前記交流電圧値検出手段が検出する電圧値とに応じた第1の電圧値となるように、前記蓄電デバイスを放電、
    ないし、
    前記インバータを介して回生される前記交流モータの回生電力が第2の電力閾値を超える場合には、前記直流電圧値検出手段が検出する電圧値が、前記第2の電力閾値と前記交流電圧値検出手段が検出する電圧値とに応じた第2の電圧値となるように、前記蓄電デバイスを充電、
    をなさしめる
    ことを特徴とする交流モータ駆動システム。
  4. 直流電力を供給するコンバータと、
    前記直流電力を交流電力に変換するインバータと、
    前記コンバータと前記インバータとを接続する直流母線と、
    前記交流電力により駆動される交流モータと、
    前記コンバータの出力側における電圧値を検出する直流電圧値検出手段と、
    前記直流電力を前記直流母線から充電し、かつ、充電した前記直流電力を前記直流母線へ放電する蓄電デバイスと、
    前記蓄電デバイスの両端電圧値を検出する蓄電デバイス電圧値検出手段と、
    前記直流母線に対して前記インバータと並列に接続され、かつ、前記直流母線と前記蓄電デバイスとの間に接続され、前記蓄電デバイスを充放電させる充放電回路と、
    前記蓄電デバイスの充放電電流量を検出する充放電電流量検出手段と
    を備え、
    前記充放電回路は、
    前記直流電圧値検出手段が検出する電圧値、前記蓄電デバイス電圧値検出手段が検出する電圧値、及び前記充放電電流量検出手段が検出する前記充放電電流量に応じて、
    前記インバータから前記交流モータへ供給される電力が第1の電力閾値を超える場合には、前記直流電圧値検出手段が検出する電圧値が、前記第1の電力閾値に応じた第1の電圧値となるように、前記蓄電デバイス電圧値検出手段が検出する電圧値に応じた前記充放電回路の放電電流により、前記蓄電デバイスを放電、
    ないし、
    前記インバータを介して回生される前記交流モータの回生電力が第2の電力閾値を超える場合には、前記直流電圧値検出手段が検出する電圧値が、前記第2の電力閾値に応じた第2の電圧値となるように、前記蓄電デバイス電圧値検出手段が検出する電圧値に応じた前記充放電回路の充電電流により、前記蓄電デバイスを充電、
    をなさしめる
    ことを特徴とする交流モータ駆動システム。
  5. 直流電力を供給するコンバータと、
    前記直流電力を交流電力に変換するインバータと、
    前記コンバータと前記インバータとを接続する直流母線と、
    前記交流電力により駆動される交流モータと、
    前記コンバータの出力側における電圧値を検出する直流電圧値検出手段と、
    前記コンバータの入力側における電圧値を検出する交流電圧値検出手段と、
    前記直流電力を前記直流母線から充電し、かつ、充電した前記直流電力を前記直流母線へ放電する蓄電デバイスと、
    前記蓄電デバイスの両端電圧値を検出する蓄電デバイス電圧値検出手段と、
    前記直流母線に対して前記インバータと並列に接続され、かつ、前記直流母線と前記蓄電デバイスとの間に接続され、前記蓄電デバイスを充放電させる充放電回路と、
    前記蓄電デバイスの充放電電流量を検出する充放電電流量検出手段と
    を備え、
    前記充放電回路は、
    前記直流電圧値検出手段が検出する電圧値、前記交流電圧値検出手段が検出する電圧値、前記蓄電デバイス電圧値検出手段が検出する電圧値、及び前記充放電電流量検出手段が検出する前記充放電電流量に応じて、
    前記インバータから前記交流モータへ供給される電力が第1の電力閾値を超える場合には、前記直流電圧値検出手段が検出する電圧値が、前記第1の電力閾値と前記交流電圧値検出手段が検出する電圧値とに応じた第1の電圧値となるように、前記蓄電デバイス電圧値検出手段が検出する電圧値に応じた前記充放電回路の放電電流により、前記蓄電デバイスを放電、
    ないし、
    前記インバータを介して回生される前記交流モータの回生電力が第2の電力閾値を超える場合には、前記直流電圧値検出手段が検出する電圧値が、前記第2の電力閾値と前記交流電圧値検出手段が検出する電圧値とに応じた第2の電圧値となるように、前記蓄電デバイス電圧値検出手段が検出する電圧値に応じた前記充放電回路の充電電流により、前記蓄電デバイスを充電、
    をなさしめる
    ことを特徴とする交流モータ駆動システム。
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