JPWO2014126005A1 - データセンタの冷却機構 - Google Patents

データセンタの冷却機構 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2014126005A1
JPWO2014126005A1 JP2014523138A JP2014523138A JPWO2014126005A1 JP WO2014126005 A1 JPWO2014126005 A1 JP WO2014126005A1 JP 2014523138 A JP2014523138 A JP 2014523138A JP 2014523138 A JP2014523138 A JP 2014523138A JP WO2014126005 A1 JPWO2014126005 A1 JP WO2014126005A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
evaporator
data center
refrigerant
condenser
compressor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014523138A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5702508B2 (ja
Inventor
寛之 白岩
寛之 白岩
英敏 金尾
英敏 金尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hachiyo Engineering Co Ltd
Institute of National Colleges of Technologies Japan
Original Assignee
Hachiyo Engineering Co Ltd
Institute of National Colleges of Technologies Japan
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hachiyo Engineering Co Ltd, Institute of National Colleges of Technologies Japan filed Critical Hachiyo Engineering Co Ltd
Priority to JP2014523138A priority Critical patent/JP5702508B2/ja
Priority claimed from PCT/JP2014/052854 external-priority patent/WO2014126005A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5702508B2 publication Critical patent/JP5702508B2/ja
Publication of JPWO2014126005A1 publication Critical patent/JPWO2014126005A1/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Air Conditioning Control Device (AREA)

Abstract

[課題] 低ランニングコストで運用することができ、粉塵の侵入、水滴の発生、水の漏洩を排除することができ、室内空間の温度ムラを軽減し、更に火災が発生した場合であっても迅速且つ被害の少ない消火を行うことができる、新規なデータセンタの冷却機構を開発することを技術課題とした。[解決手段] データセンタ室外に、エバポレーティブコンデンサ及び受液器を配置し、一方、データセンタの室内空間に蒸発器を配置し、前記蒸発器における冷媒の蒸発によって室内空間の冷却を行うとともに、前記エバポレーティブコンデンサによって冷媒の凝縮が行われるように構成されていることを特徴とする。

Description

本発明はデータセンタの冷却機構に関するものであり、特に電力消費を著しく低減することのできるデータセンタの冷却機構に係るものである。
多数のサーバー、ネットワーク機器等のIT機器(放熱機器)が設置されているデータセンタにおいては、IT機器を安定的に運用するために所定の温度(27〜30℃程度)以上にならないように冷却するための冷却機構が必須となっている。
このようなデータセンタの室内空間は、メンテナンス時を除いて人がいる時間が極めて短く、換気量も少ないため潜熱負荷が低い一方、放熱機器からの放熱量が多大であるため顕熱負荷が高く、また室内全域に負荷が存在した状態となっている。
そして現状では、前記冷却機構として、冷却装置によって生成された冷気を、送風装置を用いて放熱機器に送り込むような構成が主流となっている(例えば特許文献1参照)。
しかしながらこのような方式の冷却機構においては、送風量が膨大であり、送風距離が長いため送風機の消費電力が多大となっていること、送風のための大きなスペースが必要であること、広い空間を一律に冷却しようとするため温度ムラが生じること等の問題があった。
また上述のような方式以外に、放熱機器を囲繞するように循環経路を形成し、この循環経路に冷却媒体を循環させる水冷式の冷却機構も実在するが、液漏れが発生した場合にはIT機器の損傷を招いてしまうといったリスクを完全に排除することができないため、安定性、信頼性が求められるデータセンタに必ずしも適したものであるとはいえなかった。
上述のように現状では、データセンタを安定的に運用するために、粉塵の侵入、水滴の発生、水の漏洩を防止すること、電力等のランニングコストを低減することとの双方を十分に満足させる冷却機構は見当らなかった。
なお漏電等によってデータセンタにおいて火災が発生したときには、スプリンクラー等により放水が行われることとなるため、出火付近のみならず、他の機器までもが使用不可能になってしまい、膨大なデータが消失してしまうといった問題もあった。
特開2011−242077公報
本発明はこのような背景を考慮して成されたものであって、必要な冷却温度が比較的高く、潜熱負荷が少ない一方、顕熱負荷が大きく発生源が広い範囲に及ぶ状況等を総合的に考察し、その結果、外気条件をより積極的に有効利用しようとする思想の下に、低ランニングコストで運用することができ、粉塵の侵入、水滴の発生、水の漏洩を排除することができ、室内空間の温度ムラを軽減し、更に火災が発生した場合であっても迅速且つ被害の少ない消火を行うことができる、新規なデータセンタの冷却機構を開発することを技術課題とした。
すなわち請求項1記載のデータセンタの冷却機構は、データセンタ室外に、エバポレーティブコンデンサ及び受液器を配置し、一方、データセンタの室内空間に蒸発器を配置し、前記蒸発器における冷媒の蒸発によって室内空間の冷却を行うとともに、前記エバポレーティブコンデンサによって冷媒の凝縮が行われるように構成されていることを特徴として成るものである。
また請求項2記載のデータセンタの冷却機構は、前記要件に加え、前記エバポレーティブコンデンサ、受液器及び蒸発器を具えて成る第一の冷却サイクルと、圧縮機、コンデンサー及び蒸発器を具えて成る第二の冷却サイクルとを、並列状態に配置して成ることを特徴として成るものである。
更にまた請求項3記載のデータセンタの冷却機構は、前記請求項1記載の要件に加え、データセンタ室外に、可変速ターボ型の圧縮機、エバポレーティブコンデンサ、高圧受液器、液面制御機構、低圧受液器、カスケードコンデンサを具えて成る第一冷却サイクルを配置し、更に、データセンタの室内空間に配置した蒸発器と、受液器、液ポンプとを配管で繋いでループ回路とし、蒸発器下流で前記カスケードコンデンサにおいて二次冷媒としての炭酸ガスが凝縮される第二冷却サイクルを配置して成り、前記一次冷却サイクルは、エバポレーティブコンデンサの凝縮温度が所定の温度以下の時に、前記圧縮機を機能させることなく一次冷媒を循環させ、カスケードコンデンサにおいて凝縮された二次冷却サイクルにおける二次冷媒により、室内空間の冷却を行うように構成されていることを特徴として成るものである。
更にまた請求項4記載のデータセンタの冷却機構は、前記請求項1記載の要件に加え、データセンタ室外に、容積型の圧縮機、エバポレーティブコンデンサ、高圧受液器、液面制御機構、低圧受液器、カスケードコンデンサ具えるとともに、前記圧縮機を迂回するバイパス管路を設けて成る第一冷却サイクルを配置し、更に、データセンタの室内空間に配置した蒸発器と、受液器、液ポンプとを配管で繋いでループ回路とし、蒸発器下流で前記カスケードコンデンサにおいて二次冷媒としての炭酸ガスが凝縮される第二冷却サイクルを配置して成り、前記一次冷却サイクルは、エバポレーティブコンデンサの凝縮温度が所定の温度以下の時に、圧縮機を停止するとともに、この圧縮機を回避するバイパス管路を開放することにより、前記圧縮機を機能させることなく一次冷媒を循環させ、カスケードコンデンサにおいて凝縮された二次冷却サイクルにおける二次冷媒により、室内空間の冷却を行うように構成されていることを特徴として成るものである。
更にまた請求項5記載のデータセンタの冷却機構は、前記請求項3または4記載の要件に加え、前記二次冷却サイクルにおける受液器に対してエバポレーティブコンデンサを接続したことを特徴として成るものである。
更にまた請求項6記載のデータセンタの冷却機構は、前記請求項5記載の要件に加え、前記二次冷却サイクルにおけるカスケードコンデンサを受液器に内蔵したことを特徴として成るものである。
更にまた請求項7載のデータセンタの冷却機構は、前記要件に加え、前記冷媒を室内空間に噴出することができるように構成されていることを特徴として成るものである。
更にまた請求項8記載のデータセンタの冷却機構は、前記要件に加え、前記蒸発器は逆煙突効果を発揮する形態の縦型の隔壁で囲われており、蒸発器近傍の空気を冷却することにより、ファンを使用することなくデータセンタ室内空間の上部にある高温空気を効率よく蒸発器に向けて引き込み、冷却した後、下方に吐き出す構造が具えられていることを特徴として成るものである。
更にまた請求項9記載のデータセンタの冷却機構は、前記請求項8記載の要件に加え、前記隔壁の下部には伸縮部が具えられていることを特徴として成るものである。
まず請求項1記載の発明によれば、エバポレーティブコンデンサによって、一年間の内の長い期間にわたり、十分低い温度で冷媒の凝縮が行われるため、冷却機構を消費電力を抑えた低コストで運用することが可能となるとともに、イニシャルコストを低減することができる。
また請求項2記載の発明によれば、通常時は第一冷却サイクルのみによって運転を行い、第一冷却サイクルだけでは冷却を賄えなくなったときに、圧縮機を具えた第二冷却サイクルを稼働させることにより、室内空間内の温度上昇を確実に防ぐことができる。更に、第二冷却サイクルと同時に第一冷却サイクルを稼働させることにより、圧縮機の負荷を軽減して消費電力の削減を図ることができる。
また請求項3記載の発明によれば、エバポレーティブコンデンサの凝縮温度が所定の温度よりも低温の場合には、可変速ターボ型の圧縮機を機能させることなく冷媒を循環させる運転を行うことにより、可変速ターボ型の圧縮機における消費電力を要することなく凝縮器において冷媒からの放熱及び冷媒の凝縮が十分に行われる。この結果ランニングコストを著しく低減することができる。
また、エバポレーティブコンデンサの凝縮温度が所定の温度より高い場合、室内空間の温度が所定の温度になる様に可変速ターボ型の圧縮機を制御して効率よく運転することができる。またエバポレーティブコンデンサは、クーリングタワーで冷却した冷却水を使用して行うシェルチュ−ブコンデンサや空冷式コンデンサと比較して、それぞれ5℃及び10℃程度凝縮温度を低くできる。このことは冷凍機が消費する電力を減少させるだけでなく、冷凍機が稼働する期間も短縮することができるきわめて大きな省エネの要素である。
また可変速ターボ型の圧縮機は、運転を停止しても圧縮機内を自由に冷媒ガスが通過することができるので、凝縮温度による発停に係る他の制御が単純なものになる。
またデータセンタの室内空間内の熱は、外気を導入することなく、配管内の冷媒により効果的に外部に排出されるため、室内空間への粉塵の侵入や水滴の発生を効果的に防止することができる。
またカスケードコンデンサ以降の二次冷却サイクルに二次冷媒として、価格が安く安定して入手でき熱運搬性能が高く自然にやさしい炭酸ガスを利用することにより、設備コストを下げて効率の良い冷却機構を実現することができる。
また請求項4記載の発明によれば、圧縮機として容積型のものが採用された場合であっても、請求項1と同様に、圧縮機を機能させることなく冷媒を循環させる運転を行うことが可能となる。
またカスケードコンデンサ以降の二次冷却サイクルに二次冷媒として、価格が安く安定して入手でき熱運搬性能が高く自然にやさしい炭酸ガスを利用することにより、設備コストを下げて効率の良い冷却機構を実現することができる。
更にまた請求項5記載の発明によれば、通常時は一次冷却サイクルを停止して、二次冷却サイクルにおける受液器に接続されたエバポレーティブコンデンサのみによって冷媒の凝縮を行う運転を行い、このエバポレーティブコンデンサだけでは冷却を賄えなくなったときに、圧縮機を具えた一次冷却サイクルを稼働させることにより、室内空間内の温度上昇を確実に防ぐことができる。更に、一次冷却サイクルと同時にエバポレーティブコンデンサを稼働させることにより、圧縮機の負荷を軽減して消費電力の削減を図ることができる。
更にまた請求項6記載の発明によれば、エバポレーティブコンデンサを受液器に内蔵するため、二次冷媒として炭酸ガスを用いるような場合に、カスケードコンデンサの構成要素であるプレートクーラの耐圧性が低いような場合であっても、二次冷媒の凝縮は密閉された受液器内において行われるため、見かけ上の圧力差が少なくなり、凝縮を安全且つ安定して行うことが可能となる。
更にまた請求項7記載の発明によれば、火災が発生した場合には、データセンタ室内の人員の避難が終わり無人状態が確認されたら、室内空間に二酸化炭素を噴出させることにより速やかに鎮火させることができ、出火機器以外の損傷を回避することができる。
また請求項8記載の発明によれば、蒸発器近傍の空気が冷やされることにより逆煙突効果を利用して、上方の暖気を隔壁内に吸い込み、冷気として下方に吐き出す循環流を効率よく起こし、ファン、ブロワ等の送風機器なしでも蒸発器の性能を発揮させることができる。このような蒸発器を熱負荷発生源である電子機器等の上方近傍に配置すれば、広いデータセンタ内をファン、ブロワ等の送風機器なしで消費電力を削減しつつ、比較的均一に冷却することが可能となる。
更にまた請求項9記載の発明によれば、伸縮部を使用することにより隔壁の下端部をより下方に位置させることができ、前記逆煙突効果をより一層高めることができる。
可変速ターボ型の圧縮機が具えられて構成されたデータセンタの冷却機構を示す概略図である。 バイパス経路が設けられた冷却機構を示す概略図である。 隔壁に具えられる伸縮部の収縮時及び伸長時の様子を示す概略図である。 エバポレーティブコンデンサのみによってデータセンタの冷却を行うように構成された冷却機構を示す概略図である。 第一冷却サイクルと並列状態に第二冷却サイクルを具えた冷却機構を示す概略図である。 二次冷却サイクルにおける冷媒の凝縮をエバポレーティブコンデンサによって行うことができるように構成された冷却機構を示す概略図である。 二次冷却サイクルにおける冷媒の凝縮をエバポレーティブコンデンサによって行うことができるように構成されるとともに、エバポレーティブコンデンサを二次冷却サイクルにおける受液器に内蔵した冷却機構を示す概略図である。
本発明のデータセンタの冷却機構は以下の実施例に示すものを最良の形態の一つとするとともに、この技術思想に基づき改変される形態も含むものである。
まず本発明の適用対象であるデータセンタDは、多数のサーバー、ネットワーク機器等のIT機器が適宜のラックに収容された状態で設置される施設である。なお前記IT機器については、その放熱特性に着目して、以下、放熱機器Rと呼称する。
本発明のデータセンタDの冷却機構1(以下、単に冷却機構1と称する)は、データセンタD室外に、エバポレーティブコンデンサ12及び受液器を配置し、一方、データセンタDの室内空間Sに蒸発器17を配置し、前記蒸発器17における冷媒の蒸発によって生成された冷気A1により、室内空間S(放熱機器R)の冷却を行うとともに、前記エバポレーティブコンデンサ12によって冷媒の凝縮が行われるように構成されているものである。
そして以下に示す基本となる実施例(図1、2)で説明する冷却機構1は、エバポレーティブコンデンサ12の凝縮温度が所定の温度よりも高温の場合には、圧縮機11を機能させて冷媒を循環させる運転を行い、一方、凝縮温度が所定の温度よりも低温の場合には、圧縮機11を機能させることなく冷媒を循環させる運転をすることができるように構成されている。
以下、冷却機構1の構成を異ならせた実施例毎に説明を行う。
〔圧縮機を可変速ターボ型とした実施例〕
まず請求項3で定義するとともに図1に示す実施例について説明すると、この実施例で示す冷却機構1は、ヒートポンプユニット10における冷媒の流路を、一次冷却サイクル10Aと二次冷却サイクル10Bとし、これらのサイクルを循環する冷媒が、カスケードコンデンサ19において熱交換されるとともに、冷却され液化した二次冷媒が、蒸発器17を通過して冷気A1が生成されるようにしたものである。そして後述する低圧受液器15とエバポレーティブコンデンサ12との間に具えられる圧縮機11を可変速ターボ型としたものである。
前記一次冷却サイクル10Aは、圧縮機11、凝縮器としてのエバポレーティブコンデンサ12、高圧受液器13、液面制御機構14、低圧受液器15、カスケードコンデンサ19が往復管路によって循環可能に繋がれたループ回路として形成されるものであり、フロン、アンモニア、炭酸ガス等を冷媒とするものである。なお前記高圧受液器13は冷媒のバッファとして機能するものであるが、エバポレーティブコンデンサ12と液面制御機構14との間を直接、管路で結ぶようにし、この管路を実質的に高圧受液器13として機能させるようにしてもよい。
また前記二次冷却サイクル10Bは、カスケードコンデンサ19、受液器19A、液ポンプ16、流量調整弁17a及び蒸発器17が往復管路によって循環可能に繋がれたループ回路として形成されるものであり、炭酸ガスを冷媒とするものである。
そしてデータセンタDの室内空間Sには、放熱機器Rが設置されるものであり、この実施例では一例として、室内空間Sの上部に蒸発器17が設置される。なお蒸発器17の設置個所は室内空間Sの上部に限定されるものではなく、放熱機器Rや室内空間Sの形態に応じて適宜の個所に設置されるものとする。
更にこのような一次冷却サイクル10A及び二次冷却サイクル10Bは、適宜の制御装置によって制御されるものであり、一例として適宜のセンサによってカスケードコンデンサ19付近の二次冷媒の圧力を検出し、その検出値に応じて、目的の制御を行うべく圧縮機11、エバポレーティブコンデンサ12のファン等の運転状態等の制御が行われる。また二次冷媒の温度を検出し、その検出値に応じて、目的の制御を行うべく圧縮機11、エバポレーティブコンデンサ12のファン等の運転状態等の制御が行われる。
また前記蒸発器17を囲繞するように隔壁18が設けられるものであり、この隔壁18は、蒸発器17によって生成された冷気A1を、隔壁18の下部開口部から降下させるとともに、放熱機器Rによって生成された暖気A2を隔壁18の上部開口部から内部に取り込み、蒸発器17に向けて導くような自然循環(逆煙突効果)を室内空間S内に生起させるための部材である。なお図示は省略するが、隔壁18内に複数の蒸発器17を配するようにしてもよい。
またこの実施例では、放熱機器RはIT機器が適宜のラックに収容された状態とされるものであり、各IT機器にはファンが具えられていることを考慮し、例えば図1に示すように対向した放熱機器Rの排気方向を対向させるとともに、放熱機器Rの吸気側面の上方にのみ蒸発器17及び隔壁18を設けるようにした。
また前記隔壁18の下部には、図3に示すような伸縮部18aが設けられており、この伸縮部18aの伸長度合を調節することにより、実質的な隔壁18内での冷気A1の下降経路長を調整することができるように構成されている。このため、伸縮部18aの下端を放熱機器Rの最高部よりも下方に位置させることにより、逆煙突効果を増強するとともに、冷気A1を床面にまで確実に到達させることが可能となる。なお前記伸縮部18aは、布状部材によりカーテン様に構成したり、板状部材によって構成する等、適宜の形態が採られるものである。
この実施例で示す本発明の冷却機構1は以上述べたような構成を有するものであり、次のように作動してデータセンタDの室内空間S及び放熱機器Rの冷却が行われる。なお以下の説明において示す温度条件は一つの例を示すものであり、放熱機器Rの許容温度等に応じて変動し得るものである。
(1)エバポレーティブコンデンサの凝縮温度が所定の温度よりも高温の場合
まず凝縮温度が所定の温度よりも高温の場合(一例として暖気A2の温度が30℃であり、25℃の冷気A1を生成するときに、凝縮温度が20℃以上の場合)には、圧縮機11を機能させて冷媒を循環させる運転が行われる。
そして圧縮機11を起動すると、カスケードコンデンサ19で蒸発する冷媒(20℃以下)は圧縮されてエバポレーティブコンデンサ12に入り凝縮・液化(20℃以上)し、高圧受液器13に流下する。高圧受液器13に貯められた冷媒液は、液面制御機構14によって低圧受液器15の液面を一定に保つように高圧受液器13から低圧受液器15に適宜供給される。低圧受液器15は、液分離機の役割も持っていて気体の冷媒ガスを圧縮機11に送ることによりカスケードコンデンサ19に送る冷媒液の温度を蒸発温度に近い温度(20℃以下)まで低下させる。低圧受液器15に蓄えられた冷媒液はカスケードコンデンサ19に送り込まれて蒸発し、気液混相状態となり低圧受液器15に戻り、気体状態の冷媒だけが圧縮機11の方に戻される。
一方、カスケードコンデンサ19で冷却された二次冷媒は凝縮液化して受液器19Aに流下して液ポンプ16に吸引・吐出され、蒸発器17に達して、一部蒸発して液ガス混合状態で受液器19Aに戻り、ガス状の気体のみカスケードコンデンサ19に吸引されて冷却され凝縮液化して再び受液器19Aに戻る。
蒸発器17では、周囲の空気を冷却して冷気A1を生成し、逆煙突効果により冷気A1を下方に押し流す自然循環流を発生させ、室内空間S内の上部空間にある温度の高い暖気A2を吸い込む。
このようにエバポレーティブコンデンサ12の凝縮温度が所定の温度よりも高温の場合には、可変速ターボ型の圧縮機11を運転して低圧受液器15の温度( 殆ど蒸発温度と同じ) を20℃以下にする。このとき、受液器19Aの温度と、低圧受液器15の温度との差は極僅かとなるように制御される。
一方、前記蒸発器17によって生成された冷気A1は、隔壁18内を下降し、やがて隔壁18(伸縮部18a)の下端の開口部から、室内空間Sの床面に向けて放出される。このとき、隔壁18(伸縮部18a)の下端を放熱機器Rの最高部よりも下方に位置させることにより、暖気A2と冷気A1との衝突を最小限に止めることができ、冷気A1を床面にまで確実に到達させることが可能となる。また図中においては、隔壁18の下部外周部は放熱機器Rと接触していないため、この部分に空間が存在しているが、隔壁18の外周部を放熱機器Rに接触させた状態とすることにより、この空間から暖気A2が下方に引き込まれてしまうような事態を回避することができる。
そして冷気A1は放熱機器Rから放射される熱を吸収して暖気A2となり、室内空間S内を上昇してゆく。この際、隔壁18が対向する空間が、暖気A2の上昇経路を形成しているため、暖気A2は、冷気A1や室内空間S内の雰囲気によって阻害されることなく、円滑に天井付近に到達することができる。
次いで天井付近に位置する暖気A2は、隔壁18内における冷気A1の下降に伴って隔壁18の上部開口部から吸い込まれ、やがて蒸発器17に接して冷気A1となる。このように隔壁18には、天井付近に位置する最も温度の高い状態の暖気A2が導入されるため、冷却機構1による冷却効果を最大限に発揮することが可能とされる。
このように本発明の冷却機構1は、ファン、ブロワ等の送風機器を要することなく、暖気A2を隔壁18の上部開口部から内部に取り込んで蒸発器17に向けて導くとともに、冷気A1を降下させるような自然循環(逆煙突効果)を、室内空間S内に生起させることができるため、送風・循環のための機器が不要であり、消費電力の大幅な低減を実現することができるものである。またデータセンタDの室内空間S内の熱は、外気を導入することなく、ヒートポンプユニット10によって効果的に外部に排出されるため、室内空間Sへの粉塵の侵入や水滴の発生を効果的に防止することができるものである。そして室内空間Sの温度が所定の温度になる様に可変速ターボ型の圧縮機11を制御して効率よく運転することができる。
(2)エバポレーティブコンデンサの凝縮温度が所定の温度よりも低温の場合
次にエバポレーティブコンデンサ12の凝縮温度が所定の温度よりも低温の場合(一例として暖気A2の温度が30℃であり、25℃の冷気A1を生成するときに、エバポレーティブコンデンサ12の凝縮温度が20℃未満の場合)には、可変速ターボ型の圧縮機11を機能させることなく冷媒を循環させる運転が行われる。
すなわちこの場合、動力が停止された可変速ターボ型の圧縮機11は圧縮機として機能することなく、単なる冷媒の流路として機能することとなる。また圧縮機11が機能していないため冷媒の圧力が高圧とならず、液面制御機構14は実質的に高圧受液器13と低圧受液器15との間の液ヘッド差を設定する作用を担う。これにより、液ヘッド差に応じた流量が設定されて、いわば流量調整弁として機能することとなる。
そしてカスケードコンデンサ19から圧縮機11を通過した気体状態の冷媒は、エバポレーティブコンデンサ12において熱を放出して凝縮(20℃未満)し、液相状態となり高圧受液器13に流下する。次いで液相状態の冷媒は液面制御機構14を通って低圧受液器15に送られ、自然循環によりカスケードコンデンサ19に圧送され、一部が蒸発して再び低圧受液器15に戻り、気液が分離されて気体の冷媒ガスだけエバポレーティブコンデンサ12に戻る。
一方、カスケードコンデンサ19で冷却された二次冷媒は凝縮液化して受液器19Aに流下して液ポンプ16に吸引・吐出され蒸発器17に達して、一部蒸発して液ガス混合状態で受液器19Aに戻り、ガス状の気体のみカスケードコンデンサ19に吸引されて冷却され凝縮液化して再び受液器19Aに戻る。
そして、蒸発器17で冷却された空気(冷気A1)は、前述のように逆煙突効果により室内空間S内を自然に循環して目的の冷却を果たすことになる。
因みに日本国内の東京以南の地域においても、25℃の冷気A1を生成する場合には、夏季以外の季節はこのような可変速ターボ型の圧縮機11を機能させない運転を行うことが可能であり、前述の圧縮機11を機能させる運転を行う必要があるのは、年間90日程度である。
なお隔壁18による自然循環の生起については、前述の圧縮機11を機能させる運転と同様であるので、ここでの記載は省略する。
〔圧縮機を容積型としバイパス経路が設けられた実施例〕
次いでこの実施例で示す冷却機構1は請求項4で定義するとともに図2に示すように、低圧受液器15とエバポレーティブコンデンサ12との間に具えられる圧縮機11を容積型としたものである。
そして圧縮機11を機能させて冷媒を循環させる運転と、圧縮機11を機能させることなく冷媒を循環させる運転との切換を、冷媒のバイパス管路152を用いて行うものである。
なお図2に示す冷却機構1は、図1に示す冷却機構1と基本構成を同一とするものであるため、ここでは構成が異なる部分についてのみ説明を行うものとする。
具体的には、冷媒が容積型の圧縮機11を回避して循環することのできるようなバイパス管路152が設けらるれものであり、冷媒の流路を選択するためのバルブV1〜V4が具えられている(バルブV1、V2のみでも可)。
この実施例で示す本発明の冷却機構1は以上述べたような構成を有するものであり、次のように作動してデータセンタDの室内空間S及び放熱機器Rの冷却が行われる。
(1)エバポレーティブコンデンサの凝縮温度が所定の温度よりも高温の場合
まずエバポレーティブコンデンサ12の凝縮温度が所定の温度よりも高温の場合(一例として暖気A2の温度が30℃であり、25℃の冷気A1を生成するときに、エバポレーティブコンデンサの凝縮温度が20℃以上の場合)には、圧縮機11を機能させて冷媒を循環させる運転が行われる。
具体的には、バルブV1、V3を閉鎖し、バルブV2、V4を開放することにより、冷媒が圧縮機11を通過する流路を選択する。
そして圧縮機11を起動すると、圧縮機11に吸い込まれた気体状態の冷媒(圧力相当飽和温度(20℃以下))は圧縮された後、凝縮する。すなわち冷媒はエバポレーティブコンデンサ12において熱を放出して凝縮・液化するものであり、その後、高圧受液器13に流下し、液面制御機構14を通って低圧受液器15に流入する。低圧受液器15の圧力は圧縮機11の吸入圧力とほぼ同じ圧力で、蒸発圧力( 20℃相当飽和圧力) ともほぼ同じである。低圧受液器15に蓄えられた冷媒液は、カスケードコンデンサ19に送られ、一部蒸発したのち低圧受液器15に戻り、液とガスに分離され、ガスだけが圧縮機11に戻る。なお二次冷却サイクル10B及び蒸発器17の機能等は前述の実施例と同じであるのでここでの説明は省略する。
(2)エバポレーティブコンデンサの凝縮温度が所定の温度よりも低温の場合
次にエバポレーティブコンデンサ12の凝縮温度が所定の温度よりも低温の場合(一例として暖気A2の温度が30℃であり、25℃の冷気A1を生成するときに、エバポレーティブコンデンサ12の凝縮気温が20℃未満の場合)には、圧縮機11を機能させることなく冷媒を循環させる運転が行われる。
具体的には、圧縮機11を停止するとともにバルブV1、V3を開放し、バルブV2、V4を閉鎖することにより、冷媒が圧縮機11を通過しない流路を選択する。
そしてカスケードコンデンサ19からバイパス管路152を通過した気体状態の冷媒は、エバポレーティブコンデンサ12において熱を放出して凝縮・液化して高圧受液器13に流下する。高圧受液器13に貯まった冷媒液は、液面制御機構14を通って低圧受液器15に入り、次いでカスケードコンデンサ19に達し、一部が蒸発して気液混合状態となって低圧受液器15に戻り、気体状態の冷媒ガスだけエバポレーティブコンデンサ12に戻る。
なお二次冷却サイクル10B及び蒸発器17の機能等は前述の実施例と同じであるのでここでの説明は省略する。
このようにエバポレーティブコンデンサ12の凝縮温度が所定の温度よりも低温の場合には、圧縮機11を機能させなくてもエバポレーティブコンデンサ12において冷媒が20℃以下で凝縮するため、圧縮機11を運転することなくデータセンタDの室内空間Sの冷却を行うことが可能となるものである。
なお上述した二つの実施例においては、二次冷却サイクル10Bの冷媒として炭酸ガスを用いており、炭酸ガスは沸点が低く、高い圧力下で運用することができるため、ヒートポンプユニット10の配管を細径のものとすることができ、イニシャルコストを低減することができるとともに、施工を容易に行うことが可能となる。
また冷媒として炭酸ガスが採用されるため、データセンタDの室内空間S内に位置する配管部分に、噴出バルブV5を設けることにより、火災が発生した場合には、室内空間Sに炭酸ガスを充満させることにより速やかに鎮火させることができ、出火機器以外の損傷を回避することができる。
このような消火を考慮した場合、ヒートポンプユニット10を二系統具えておき、一方のヒートポンプユニット10が消火に使用された後に、もう一方のヒートポンプユニット10によって放熱機器Rの冷却を継続するようにすれば、データセンタDの機能停止状態を最小限に止めることができる。
そしてこの実施例で示す冷却機構1によれば、COPの良い運転を実現することができる。また二次冷却サイクル10Bには圧縮機11が用いられないため、油の混入等による蒸発器17の性能低下を回避することができる。更に消火機能を使うときも冷凍機油による汚染を心配しなくてよい。
なお上述した二種の実施例並びに特許請求の範囲においては、凝縮器としてエバポレーティブコンデンサ12を採用することを明確化している。しかしながら根本的な技術思想から言えば、外気条件によっては、エバポレーティブコンデンサ12以外の凝縮器、例えば冷却塔で冷却した水を使用したセルチューブ式凝縮器や空冷式凝縮器を使用することもできる。この場合、同じ外気温の条件でも凝縮温度が高くなるため、圧縮機11を使用しないでデータセンタDの室内空間Sを適温に冷却することができる期間が、エバポレーティブコンデンサ12を採用した場合よりも短くなる。ただし北海道のような寒冷地であればそれらの凝縮器を使った冷却機構1が有利になることもある。
〔他の実施例〕
本発明は上述した二種の実施例を基本となる実施例とするものであるが、本発明の技術的思想に基づいて、以下に示すような実施例を採ることも可能である。なお以下の実施例では前記噴出バルブV5の説明は省略しているが、基本となる実施例と同様に噴出バルブV5を設けるようにしてもよい。
まず、高緯度に位置する国または日本国内であれば北海道のような寒冷地の場合、一年を通じて圧縮機11を使用することなく、エバポレーティブコンデンサ12の作用のみによってデータセンタDの冷却を行うことも可能であり、このような運転に特化した構成を採ることができる。
具体的には図4に示すように、データセンタD室外に、エバポレーティブコンデンサ12及び低圧受液器15を配置し、一方、データセンタDの室内空間Sに蒸発器17を配置し、前記蒸発器17における冷媒の蒸発によって生じる冷気A1によって室内空間Sの冷却を行うとともに、前記エバポレーティブコンデンサ12によって冷媒の凝縮が行われるような構成を採ることができるものである。なお低圧受液器15から蒸発器17への冷媒の供給は液ポンプ16によって行われるものとする。
そしてこのような構成が採られた場合、年間を通じてエバポレーティブコンデンサ12によって冷媒の凝縮が行われるため、冷却機構1を消費電力を抑えた低コストで運用することが可能となるとともに、イニシャルコストを低減することができる。
なおこのように図4に示された構成が採られる場合、近時、地球温暖化の影響等により、各地で最高気温の更新が見られる等、予期せずとも高温状態となることが危惧されるため、データセンタDの安定運用を担保することのできるような、冷却機構1の構成を採ることもできる。
具体的には図5に示すように、図4に示したエバポレーティブコンデンサ12、低圧受液器15及び蒸発器17を具えて成る第一冷却サイクル10Cと、圧縮機11、コンデンサ12a(エバポレーティブ)及び蒸発器17を具えて成る第二冷却サイクル10Dとを並列状態に配置した形態を採るものである。なお第二冷却サイクル10Dにおけるコンデンサ12aと蒸発器17とを結ぶ管路における蒸発器17寄りの部位には膨張弁17bが設けられる。
そしてこのような構成が採られた場合、通常時は第一冷却サイクル10Cのみによって運転を行い、第一冷却サイクル10Cだけでは冷却を賄えなくなったときに、圧縮機11を具えた第二冷却サイクル10Dを稼働させることにより、室内空間S内の温度上昇を確実に防ぐことができる。更に、第二冷却サイクル10Dと同時に第一冷却サイクル10Cを稼働させることにより、圧縮機11の負荷を軽減して消費電力の削減を図ることができる。
なお図5に示した冷却機構1においては前記隔壁18が採用されていないが、放熱器Rの蒸発器17側の上方部は、蒸発器17の筐体によって塞がれる状態とされており、蒸発器17の放熱部に触れた暖気A2は冷却されて冷気A1となって放熱機器Rの側方に沿って下降し、放熱機器Rの冷却に供されて暖気A2となるものであり、この暖気A2が再び蒸発器17に導びかれるような自然循環が生起されることとなる。
更にまた、前出の基本となる二種の実施例(図1、2)を一部改変した構成を採ることもできる。具体的には図6に示すように、前記二次冷却サイクル10Bにおける受液器19Bに対してエバポレーティブコンデンサ12Bを接続した形態を採ることもできる。なお図6では圧縮機11として容積型のものを用いることを想定しているが、可変速ターボ型の圧縮機11を用いる場合には、図1と同様にバイパス管路152を省略することができる。
そしてこのような構成が採られた場合、受液器19A内での二次冷媒の凝縮は、一次冷却サイクル10Aまたはエバポレーティブコンデンサ12Bのいずれか一方または双方によって行うことが可能となる。
またこのような構成が採られた場合、通常時は一次冷却サイクル10Aを停止して、エバポレーティブコンデンサ12Bのみによって二次冷媒の凝縮を行う運転を行い、エバポレーティブコンデンサ12Bだけでは冷却を賄えなくなったときに、圧縮機11を具えた一次冷却サイクル10Aを稼働させることにより、室内空間S内の温度上昇を確実に防ぐことができる。更に、一次冷却サイクル10Aと同時にエバポレーティブコンデンサ12Bを稼働させることにより、圧縮機11の負荷を軽減して消費電力の削減を図ることができる。
更にまた図7に示すように、図6に示された装置構成において、カスケードコンデンサ19を受液器19Bに内蔵するようにした形態を採ることもできる。
そしてこのような構成が採られた場合、図6に示された装置構成と同様に、受液器19B内での二次冷媒の凝縮は、一次冷却サイクル10A(カスケードコンデンサ19)またはエバポレーティブコンデンサ12Bのいずれか一方または双方によって行うことが可能となることに加え、次のような効果が得られる。
すなわち、二次冷媒として炭酸ガスを用いるような場合に、カスケードコンデンサ19の構成要素であるプレートクーラの耐圧性が低いような場合であっても、二次冷媒の凝縮は密閉された受液器19Bに内蔵されたカスケードコンデンサ19において行われるため、見かけ上の圧力差が少なくなり、凝縮を安全且つ安定して行うことが可能となる。
なお上述した四種の他の実施例においては、凝縮器としてエバポレーティブコンデンサ12またはコンデンサ12aを採用しているが、全てをエバポレーティブコンデンサ12としたり、あるいは全てをエバポレーティブコンデンサ12以外の凝縮器、例えば冷却塔で冷却した水を使用したセルチューブ式凝縮器や空冷式凝縮器を使用することもできる。この場合、同じ外気温の条件でも凝縮温度が高くなるため、圧縮機11を使用しないでデータセンタDの室内空間Sを適温に冷却することができる期間が、エバポレーティブコンデンサ12を採用した場合よりも短くなる。ただし北海道のような寒冷地であればそれらの凝縮器を使った冷却機構1が有利になることもある。
更にまた本発明の冷却機構1はデータセンタDを適用対象とすることを前提としたものであるが、データセンタDと同様に、必要な冷却温度が比較的高く、潜熱負荷が少ない一方、顕熱負荷が大きく発生源が広い範囲に及ぶ施設である、印刷工場、自動車の部品工場等に対して、本発明の冷却機構1を適用するようにしてもよい。
1 冷却機構
10 ヒートポンプユニット
10A 一次冷却サイクル
10B 二次冷却サイクル
10C 第一冷却サイクル
10D 第二冷却サイクル
11 圧縮機
12 エバポレーティブコンデンサ
12a コンデンサ
13 高圧受液器
14 液面制御機構
15 低圧受液器
16 液ポンプ
17 蒸発器
17a 流量調整弁
17b 膨張弁
18 隔壁
18a 伸縮部
19 カスケードコンデンサ
19A 受液器
19B 受液器
152 バイパス管路
A1 冷気
A2 暖気
D データセンタ
R 放熱機器
S 室内空間
V1 バルブ
V2 バルブ
V3 バルブ
V4 バルブ
V5 噴出バルブ
本発明はデータセンタの冷却機構に関するものであり、特に電力消費を著しく低減することのできるデータセンタの冷却機構に係るものである。
多数のサーバー、ネットワーク機器等のIT機器(放熱機器)が設置されているデータセンタにおいては、IT機器を安定的に運用するために所定の温度(27〜30℃程度)以上にならないように冷却するための冷却機構が必須となっている。
このようなデータセンタの室内空間は、メンテナンス時を除いて人がいる時間が極めて短く、換気量も少ないため潜熱負荷が低い一方、放熱機器からの放熱量が多大であるため顕熱負荷が高く、また室内全域に負荷が存在した状態となっている。
そして現状では、前記冷却機構として、冷却装置によって生成された冷気を、送風装置を用いて放熱機器に送り込むような構成が主流となっている(例えば特許文献1参照)。
しかしながらこのような方式の冷却機構においては、送風量が膨大であり、送風距離が長いため送風機の消費電力が多大となっていること、送風のための大きなスペースが必要であること、広い空間を一律に冷却しようとするため温度ムラが生じること等の問題があった。
また上述のような方式以外に、放熱機器を囲繞するように循環経路を形成し、この循環経路に冷却媒体を循環させる水冷式の冷却機構も実在するが、液漏れが発生した場合にはIT機器の損傷を招いてしまうといったリスクを完全に排除することができないため、安定性、信頼性が求められるデータセンタに必ずしも適したものであるとはいえなかった。
上述のように現状では、データセンタを安定的に運用するために、粉塵の侵入、水滴の発生、水の漏洩を防止すること、電力等のランニングコストを低減することとの双方を十分に満足させる冷却機構は見当らなかった。
なお漏電等によってデータセンタにおいて火災が発生したときには、スプリンクラー等により放水が行われることとなるため、出火付近のみならず、他の機器までもが使用不可能になってしまい、膨大なデータが消失してしまうといった問題もあった。
特開2011−242077公報
本発明はこのような背景を考慮して成されたものであって、必要な冷却温度が比較的高く、潜熱負荷が少ない一方、顕熱負荷が大きく発生源が広い範囲に及ぶ状況等を総合的に考察し、その結果、外気条件をより積極的に有効利用しようとする思想の下に、低ランニングコストで運用することができ、粉塵の侵入、水滴の発生、水の漏洩を排除することができ、室内空間の温度ムラを軽減し、更に火災が発生した場合であっても迅速且つ被害の少ない消火を行うことができる、新規なデータセンタの冷却機構を開発することを技術課題とした。
すなわち請求項1記載のデータセンタの冷却機構は、データセンタ室外に、エバポレーティブコンデンサ及び受液器を配置し、一方、データセンタの室内空間に蒸発器を配置し、前記蒸発器における冷媒の蒸発によって室内空間の冷却を行うとともに、前記エバポレーティブコンデンサによって冷媒の凝縮が行われるように構成されているデータセンタの冷却機構において、前記データセンタ室外に、可変速ターボ型の圧縮機、エバポレーティブコンデンサ、高圧受液器、液面制御機構、低圧受液器、カスケードコンデンサを具えて成る一次冷却サイクルを配置し、更に、データセンタの室内空間に配置した蒸発器と、受液器、液ポンプとを配管で繋いでループ回路とし、蒸発器下流で前記カスケードコンデンサにおいて二次冷媒としての炭酸ガスが凝縮される二次冷却サイクルを配置して成り、前記一次冷却サイクルは、エバポレーティブコンデンサの凝縮温度が所定の温度以下の時に、前記圧縮機を機能させることなく一次冷媒を循環させ、カスケードコンデンサにおいて凝縮された二次冷却サイクルにおける二次冷媒により、室内空間の冷却を行うように構成されており、また前記二次冷却サイクルにおける受液器に対してエバポレーティブコンデンサを接続したことを特徴として成るものである。
更にまた請求項記載のデータセンタの冷却機構は、前記請求項記載の要件に加え、前記二次冷却サイクルにおけるカスケードコンデンサを受液器に内蔵したことを特徴として成るものである。
更にまた請求項載のデータセンタの冷却機構は、前記要件に加え、前記冷媒を室内空間に噴出することができるように構成されていることを特徴として成るものである。
更にまた請求項記載のデータセンタの冷却機構は、前記要件に加え、前記蒸発器は逆煙突効果を発揮する形態の縦型の隔壁で囲われており、蒸発器近傍の空気を冷却することにより、ファンを使用することなくデータセンタ室内空間の上部にある高温空気を効率よく蒸発器に向けて引き込み、冷却した後、下方に吐き出す構造が具えられていることを特徴として成るものである。
更にまた請求項記載のデータセンタの冷却機構は、前記請求項記載の要件に加え、前記隔壁の下部には伸縮部が具えられていることを特徴として成るものである。
まず請求項1記載の発明によれば、エバポレーティブコンデンサによって、一年間の内の長い期間にわたり、十分低い温度で冷媒の凝縮が行われるため、冷却機構を消費電力を抑えた低コストで運用することが可能となるとともに、イニシャルコストを低減することができる。
また、エバポレーティブコンデンサの凝縮温度が所定の温度よりも低温の場合には、可変速ターボ型の圧縮機を機能させることなく冷媒を循環させる運転を行うことにより、可変速ターボ型の圧縮機における消費電力を要することなく凝縮器において冷媒からの放熱及び冷媒の凝縮が十分に行われる。この結果ランニングコストを著しく低減することができる。
また、エバポレーティブコンデンサの凝縮温度が所定の温度より高い場合、室内空間の温度が所定の温度になる様に可変速ターボ型の圧縮機を制御して効率よく運転することができる。またエバポレーティブコンデンサは、クーリングタワーで冷却した冷却水を使用して行うシェルチュ−ブコンデンサや空冷式コンデンサと比較して、それぞれ5℃及び10℃程度凝縮温度を低くできる。このことは冷凍機が消費する電力を減少させるだけでなく、冷凍機が稼働する期間も短縮することができるきわめて大きな省エネの要素である。
また可変速ターボ型の圧縮機は、運転を停止しても圧縮機内を自由に冷媒ガスが通過することができるので、凝縮温度による発停に係る他の制御が単純なものになる。
またデータセンタの室内空間内の熱は、外気を導入することなく、配管内の冷媒により効果的に外部に排出されるため、室内空間への粉塵の侵入や水滴の発生を効果的に防止することができる。
またカスケードコンデンサ以降の二次冷却サイクルに二次冷媒として、価格が安く安定して入手でき熱運搬性能が高く自然にやさしい炭酸ガスを利用することにより、設備コストを下げて効率の良い冷却機構を実現することができる。
更にまた、通常時は一次冷却サイクルを停止して、二次冷却サイクルにおける受液器に接続されたエバポレーティブコンデンサのみによって冷媒の凝縮を行う運転を行い、このエバポレーティブコンデンサだけでは冷却を賄えなくなったときに、圧縮機を具えた一次冷却サイクルを稼働させることにより、室内空間内の温度上昇を確実に防ぐことができる。更に、一次冷却サイクルと同時にエバポレーティブコンデンサを稼働させることにより、圧縮機の負荷を軽減して消費電力の削減を図ることができる。
更にまた請求項記載の発明によれば、カスケードコンデンサを受液器に内蔵するため、二次冷媒として炭酸ガスを用いるような場合に、カスケードコンデンサの構成要素であるプレートクーラの耐圧性が低いような場合であっても、二次冷媒の凝縮は密閉された受液器内において行われるため、見かけ上の圧力差が少なくなり、凝縮を安全且つ安定して行うことが可能となる。
更にまた請求項記載の発明によれば、火災が発生した場合には、データセンタ室内の人員の避難が終わり無人状態が確認されたら、室内空間に二酸化炭素を噴出させることにより速やかに鎮火させることができ、出火機器以外の損傷を回避することができる。
また請求項記載の発明によれば、蒸発器近傍の空気が冷やされることにより逆煙突効果を利用して、上方の暖気を隔壁内に吸い込み、冷気として下方に吐き出す循環流を効率よく起こし、ファン、ブロワ等の送風機器なしでも蒸発器の性能を発揮させることができる。このような蒸発器を熱負荷発生源である電子機器等の上方近傍に配置すれば、広いデータセンタ内をファン、ブロワ等の送風機器なしで消費電力を削減しつつ、比較的均一に冷却することが可能となる。
更にまた請求項記載の発明によれば、伸縮部を使用することにより隔壁の下端部をより下方に位置させることができ、前記逆煙突効果をより一層高めることができる。
可変速ターボ型の圧縮機が具えられて構成されたデータセンタの冷却機構を示す概略図である。 バイパス路が設けられた冷却機構を示す概略図である。 隔壁に具えられる伸縮部の収縮時及び伸長時の様子を示す概略図である。 エバポレーティブコンデンサのみによってデータセンタの冷却を行うように構成された冷却機構を示す概略図である。 第一冷却サイクルと並列状態に第二冷却サイクルを具えた冷却機構を示す概略図である。 二次冷却サイクルにおける冷媒の凝縮をエバポレーティブコンデンサによって行うことができるように構成された冷却機構を示す概略図である。 二次冷却サイクルにおける冷媒の凝縮をエバポレーティブコンデンサによって行うことができるように構成されるとともに、エバポレーティブコンデンサを二次冷却サイクルにおける受液器に内蔵した冷却機構を示す概略図である。
本発明のデータセンタの冷却機構は以下の実施例に示すものを最良の形態の一つとするとともに、この技術思想に基づき改変される形態も含むものである。
まず本発明の適用対象であるデータセンタDは、多数のサーバー、ネットワーク機器等のIT機器が適宜のラックに収容された状態で設置される施設である。なお前記IT機器については、その放熱特性に着目して、以下、放熱機器Rと呼称する。
本発明のデータセンタDの冷却機構1(以下、単に冷却機構1と称する)は、データセンタD室外に、エバポレーティブコンデンサ12及び受液器を配置し、一方、データセンタDの室内空間Sに蒸発器17を配置し、前記蒸発器17における冷媒の蒸発によって生成された冷気A1により、室内空間S(放熱機器R)の冷却を行うとともに、前記エバポレーティブコンデンサ12によって冷媒の凝縮が行われるように構成されているものである。
そして図1、2に示す冷却機構1は、エバポレーティブコンデンサ12の凝縮温度が所定の温度よりも高温の場合には、圧縮機11を機能させて冷媒を循環させる運転を行い、一方、凝縮温度が所定の温度よりも低温の場合には、圧縮機11を機能させることなく冷媒を循環させる運転をすることができるように構成されている。
以下、冷却機構1の構成を異ならせた装置毎に説明を行う。
〔圧縮機を可変速ターボ型とした構成
まず請求項で定義するとともに図1に示す基本となる構成について説明すると、冷却機構1は、ヒートポンプユニット10における冷媒の流路を、一次冷却サイクル10Aと二次冷却サイクル10Bとし、これらのサイクルを循環する冷媒が、カスケードコンデンサ19において熱交換されるとともに、冷却され液化した二次冷媒が、蒸発器17を通過して冷気A1が生成されるようにしたものである。そして後述する低圧受液器15とエバポレーティブコンデンサ12との間に具えられる圧縮機11を可変速ターボ型としたものである。
前記一次冷却サイクル10Aは、圧縮機11、凝縮器としてのエバポレーティブコンデンサ12、高圧受液器13、液面制御機構14、低圧受液器15、カスケードコンデンサ19が往復管路によって循環可能に繋がれたループ回路として形成されるものであり、フロン、アンモニア、炭酸ガス等を冷媒とするものである。なお前記高圧受液器13は冷媒のバッファとして機能するものであるが、エバポレーティブコンデンサ12と液面制御機構14との間を直接、管路で結ぶようにし、この管路を実質的に高圧受液器13として機能させるようにしてもよい。
また前記二次冷却サイクル10Bは、カスケードコンデンサ19、受液器19A、液ポンプ16、流量調整弁17a及び蒸発器17が往復管路によって循環可能に繋がれたループ回路として形成されるものであり、炭酸ガスを冷媒とするものである。
そしてデータセンタDの室内空間Sには、放熱機器Rが設置されるものであり、この構成では一例として、室内空間Sの上部に蒸発器17が設置される。なお蒸発器17の設置個所は室内空間Sの上部に限定されるものではなく、放熱機器Rや室内空間Sの形態に応じて適宜の個所に設置されるものとする。
更にこのような一次冷却サイクル10A及び二次冷却サイクル10Bは、適宜の制御装置によって制御されるものであり、一例として適宜のセンサによってカスケードコンデンサ19付近の二次冷媒の圧力を検出し、その検出値に応じて、目的の制御を行うべく圧縮機11、エバポレーティブコンデンサ12のファン等の運転状態等の制御が行われる。また二次冷媒の温度を検出し、その検出値に応じて、目的の制御を行うべく圧縮機11、エバポレーティブコンデンサ12のファン等の運転状態等の制御が行われる。
また前記蒸発器17を囲繞するように隔壁18が設けられるものであり、この隔壁18は、蒸発器17によって生成された冷気A1を、隔壁18の下部開口部から降下させるとともに、放熱機器Rによって生成された暖気A2を隔壁18の上部開口部から内部に取り込み、蒸発器17に向けて導くような自然循環(逆煙突効果)を室内空間S内に生起させるための部材である。なお図示は省略するが、隔壁18内に複数の蒸発器17を配するようにしてもよい。
またこの構成では、放熱機器RはIT機器が適宜のラックに収容された状態とされるものであり、各IT機器にはファンが具えられていることを考慮し、例えば図1に示すように対向した放熱機器Rの排気方向を対向させるとともに、放熱機器Rの吸気側面の上方にのみ蒸発器17及び隔壁18を設けるようにした。
また前記隔壁18の下部には、図3に示すような伸縮部18aが設けられており、この伸縮部18aの伸長度合を調節することにより、実質的な隔壁18内での冷気A1の下降経路長を調整することができるように構成されている。このため、伸縮部18aの下端を放熱機器Rの最高部よりも下方に位置させることにより、逆煙突効果を増強するとともに、冷気A1を床面にまで確実に到達させることが可能となる。なお前記伸縮部18aは、布状部材によりカーテン様に構成したり、板状部材によって構成する等、適宜の形態が採られるものである。
発明の冷却機構1は以上述べたような構成を有するものであり、次のように作動してデータセンタDの室内空間S及び放熱機器Rの冷却が行われる。なお以下の説明において示す温度条件は一つの例を示すものであり、放熱機器Rの許容温度等に応じて変動し得るものである。
(1)エバポレーティブコンデンサの凝縮温度が所定の温度よりも高温の場合
まず凝縮温度が所定の温度よりも高温の場合(一例として暖気A2の温度が30℃であり、25℃の冷気A1を生成するときに、凝縮温度が20℃以上の場合)には、圧縮機11を機能させて冷媒を循環させる運転が行われる。
そして圧縮機11を起動すると、カスケードコンデンサ19で蒸発する冷媒(20℃以下)は圧縮されてエバポレーティブコンデンサ12に入り凝縮・液化(20℃以上)し、高圧受液器13に流下する。高圧受液器13に貯められた冷媒液は、液面制御機構14によって低圧受液器15の液面を一定に保つように高圧受液器13から低圧受液器15に適宜供給される。低圧受液器15は、液分離機の役割も持っていて気体の冷媒ガスを圧縮機11に送ることによりカスケードコンデンサ19に送る冷媒液の温度を蒸発温度に近い温度(20℃以下)まで低下させる。低圧受液器15に蓄えられた冷媒液はカスケードコンデンサ19に送り込まれて蒸発し、気液混相状態となり低圧受液器15に戻り、気体状態の冷媒だけが圧縮機11の方に戻される。
一方、カスケードコンデンサ19で冷却された二次冷媒は凝縮液化して受液器19Aに流下して液ポンプ16に吸引・吐出され、蒸発器17に達して、一部蒸発して液ガス混合状態で受液器19Aに戻り、ガス状の気体のみカスケードコンデンサ19に吸引されて冷却され凝縮液化して再び受液器19Aに戻る。
蒸発器17では、周囲の空気を冷却して冷気A1を生成し、逆煙突効果により冷気A1を下方に押し流す自然循環流を発生させ、室内空間S内の上部空間にある温度の高い暖気A2を吸い込む。
このようにエバポレーティブコンデンサ12の凝縮温度が所定の温度よりも高温の場合には、可変速ターボ型の圧縮機11を運転して低圧受液器15の温度( 殆ど蒸発温度と同じ) を20℃以下にする。このとき、受液器19Aの温度と、低圧受液器15の温度との差は極僅かとなるように制御される。
一方、前記蒸発器17によって生成された冷気A1は、隔壁18内を下降し、やがて隔壁18(伸縮部18a)の下端の開口部から、室内空間Sの床面に向けて放出される。このとき、隔壁18(伸縮部18a)の下端を放熱機器Rの最高部よりも下方に位置させることにより、暖気A2と冷気A1との衝突を最小限に止めることができ、冷気A1を床面にまで確実に到達させることが可能となる。また図中においては、隔壁18の下部外周部は放熱機器Rと接触していないため、この部分に空間が存在しているが、隔壁18の外周部を放熱機器Rに接触させた状態とすることにより、この空間から暖気A2が下方に引き込まれてしまうような事態を回避することができる。
そして冷気A1は放熱機器Rから放射される熱を吸収して暖気A2となり、室内空間S内を上昇してゆく。この際、隔壁18が対向する空間が、暖気A2の上昇経路を形成しているため、暖気A2は、冷気A1や室内空間S内の雰囲気によって阻害されることなく、円滑に天井付近に到達することができる。
次いで天井付近に位置する暖気A2は、隔壁18内における冷気A1の下降に伴って隔壁18の上部開口部から吸い込まれ、やがて蒸発器17に接して冷気A1となる。このように隔壁18には、天井付近に位置する最も温度の高い状態の暖気A2が導入されるため、冷却機構1による冷却効果を最大限に発揮することが可能とされる。
このように本発明の冷却機構1は、ファン、ブロワ等の送風機器を要することなく、暖気A2を隔壁18の上部開口部から内部に取り込んで蒸発器17に向けて導くとともに、冷気A1を降下させるような自然循環(逆煙突効果)を、室内空間S内に生起させることができるため、送風・循環のための機器が不要であり、消費電力の大幅な低減を実現することができるものである。またデータセンタDの室内空間S内の熱は、外気を導入することなく、ヒートポンプユニット10によって効果的に外部に排出されるため、室内空間Sへの粉塵の侵入や水滴の発生を効果的に防止することができるものである。そして室内空間Sの温度が所定の温度になる様に可変速ターボ型の圧縮機11を制御して効率よく運転することができる。
(2)エバポレーティブコンデンサの凝縮温度が所定の温度よりも低温の場合
次にエバポレーティブコンデンサ12の凝縮温度が所定の温度よりも低温の場合(一例として暖気A2の温度が30℃であり、25℃の冷気A1を生成するときに、エバポレーティブコンデンサ12の凝縮温度が20℃未満の場合)には、可変速ターボ型の圧縮機11を機能させることなく冷媒を循環させる運転が行われる。
すなわちこの場合、動力が停止された可変速ターボ型の圧縮機11は圧縮機として機能することなく、単なる冷媒の流路として機能することとなる。また圧縮機11が機能していないため冷媒の圧力が高圧とならず、液面制御機構14は実質的に高圧受液器13と低圧受液器15との間の液ヘッド差を設定する作用を担う。これにより、液ヘッド差に応じた流量が設定されて、いわば流量調整弁として機能することとなる。
そしてカスケードコンデンサ19から圧縮機11を通過した気体状態の冷媒は、エバポレーティブコンデンサ12において熱を放出して凝縮(20℃未満)し、液相状態となり高圧受液器13に流下する。次いで液相状態の冷媒は液面制御機構14を通って低圧受液器15に送られ、自然循環によりカスケードコンデンサ19に圧送され、一部が蒸発して再び低圧受液器15に戻り、気液が分離されて気体の冷媒ガスだけエバポレーティブコンデンサ12に戻る。
一方、カスケードコンデンサ19で冷却された二次冷媒は凝縮液化して受液器19Aに流下して液ポンプ16に吸引・吐出され蒸発器17に達して、一部蒸発して液ガス混合状態で受液器19Aに戻り、ガス状の気体のみカスケードコンデンサ19に吸引されて冷却され凝縮液化して再び受液器19Aに戻る。
そして、蒸発器17で冷却された空気(冷気A1)は、前述のように逆煙突効果により室内空間S内を自然に循環して目的の冷却を果たすことになる。
因みに日本国内の東京以南の地域においても、25℃の冷気A1を生成する場合には、夏季以外の季節はこのような可変速ターボ型の圧縮機11を機能させない運転を行うことが可能であり、前述の圧縮機11を機能させる運転を行う必要があるのは、年間90日程度である。
なお隔壁18による自然循環の生起については、前述の圧縮機11を機能させる運転と同様であるので、ここでの記載は省略する。
更にまた図6に示すように、前記二次冷却サイクル10Bにおける受液器19Aに対してエバポレーティブコンデンサ12Bを接続した構成を採ることもできる。なお図6では後述する参考例に従って圧縮機11として容積型のものを用いることを想定しているが、可変速ターボ型の圧縮機11を用いる場合には、図1と同様にバイパス管路152を省略することができる。
そしてこのような構成が採られた場合、受液器19A内での二次冷媒の凝縮は、一次冷却サイクル10Aまたはエバポレーティブコンデンサ12Bのいずれか一方または双方によって行うことが可能となる。
またこのような構成が採られた場合、通常時は一次冷却サイクル10Aを停止して、エバポレーティブコンデンサ12Bのみによって二次冷媒の凝縮を行う運転を行い、エバポレーティブコンデンサ12Bだけでは冷却を賄えなくなったときに、圧縮機11を具えた一次冷却サイクル10Aを稼働させることにより、室内空間S内の温度上昇を確実に防ぐことができる。更に、一次冷却サイクル10Aと同時にエバポレーティブコンデンサ12Bを稼働させることにより、圧縮機11の負荷を軽減して消費電力の削減を図ることができる。
〔圧縮機を容積型としバイパス経路が設けられた参考例〕
次いでこの参考例で示す冷却機構1は図2に示すように、低圧受液器15とエバポレーティブコンデンサ12との間に具えられる圧縮機11を容積型としたものである。
そして圧縮機11を機能させて冷媒を循環させる運転と、圧縮機11を機能させることなく冷媒を循環させる運転との切換を、冷媒のバイパス管路152を用いて行うものである。
なお図2に示す冷却機構1は、図1に示す冷却機構1と基本構成を同一とするものであるため、ここでは構成が異なる部分についてのみ説明を行うものとする。
具体的には、冷媒が容積型の圧縮機11を回避して循環することのできるようなバイパス管路152が設けらるれものであり、冷媒の流路を選択するためのバルブV1〜V4が具えられている(バルブV1、V2のみでも可)。
この参考例で示す冷却機構1は以上述べたような構成を有するものであり、次のように作動してデータセンタDの室内空間S及び放熱機器Rの冷却が行われる。
(1)エバポレーティブコンデンサの凝縮温度が所定の温度よりも高温の場合
まずエバポレーティブコンデンサ12の凝縮温度が所定の温度よりも高温の場合(一例として暖気A2の温度が30℃であり、25℃の冷気A1を生成するときに、エバポレーティブコンデンサの凝縮温度が20℃以上の場合)には、圧縮機11を機能させて冷媒を循環させる運転が行われる。
具体的には、バルブV1、V3を閉鎖し、バルブV2、V4を開放することにより、冷媒が圧縮機11を通過する流路を選択する。
そして圧縮機11を起動すると、圧縮機11に吸い込まれた気体状態の冷媒(圧力相当飽和温度(20℃以下))は圧縮された後、凝縮する。すなわち冷媒はエバポレーティブコンデンサ12において熱を放出して凝縮・液化するものであり、その後、高圧受液器13に流下し、液面制御機構14を通って低圧受液器15に流入する。低圧受液器15の圧力は圧縮機11の吸入圧力とほぼ同じ圧力で、蒸発圧力( 20℃相当飽和圧力) ともほぼ同じである。低圧受液器15に蓄えられた冷媒液は、カスケードコンデンサ19に送られ、一部蒸発したのち低圧受液器15に戻り、液とガスに分離され、ガスだけが圧縮機11に戻る。なお二次冷却サイクル10B及び蒸発器17の機能等は前述の実施例と同じであるのでここでの説明は省略する。
(2)エバポレーティブコンデンサの凝縮温度が所定の温度よりも低温の場合
次にエバポレーティブコンデンサ12の凝縮温度が所定の温度よりも低温の場合(一例として暖気A2の温度が30℃であり、25℃の冷気A1を生成するときに、エバポレーティブコンデンサ12の凝縮気温が20℃未満の場合)には、圧縮機11を機能させることなく冷媒を循環させる運転が行われる。
具体的には、圧縮機11を停止するとともにバルブV1、V3を開放し、バルブV2、V4を閉鎖することにより、冷媒が圧縮機11を通過しない流路を選択する。
そしてカスケードコンデンサ19からバイパス管路152を通過した気体状態の冷媒は、エバポレーティブコンデンサ12において熱を放出して凝縮・液化して高圧受液器13に流下する。高圧受液器13に貯まった冷媒液は、液面制御機構14を通って低圧受液器15に入り、次いでカスケードコンデンサ19に達し、一部が蒸発して気液混合状態となって低圧受液器15に戻り、気体状態の冷媒ガスだけエバポレーティブコンデンサ12に戻る。
なお二次冷却サイクル10B及び蒸発器17の機能等は前述の実施例と同じであるのでここでの説明は省略する。
このようにエバポレーティブコンデンサ12の凝縮温度が所定の温度よりも低温の場合には、圧縮機11を機能させなくてもエバポレーティブコンデンサ12において冷媒が20℃以下で凝縮するため、圧縮機11を運転することなくデータセンタDの室内空間Sの冷却を行うことが可能となるものである。
なお上述した基本となる構成及び参考例においては、二次冷却サイクル10Bの冷媒として炭酸ガスを用いており、炭酸ガスは沸点が低く、高い圧力下で運用することができるため、ヒートポンプユニット10の配管を細径のものとすることができ、イニシャルコストを低減することができるとともに、施工を容易に行うことが可能となる。
また冷媒として炭酸ガスが採用されるため、データセンタDの室内空間S内に位置する配管部分に、噴出バルブV5を設けることにより、火災が発生した場合には、室内空間Sに炭酸ガスを充満させることにより速やかに鎮火させることができ、出火機器以外の損傷を回避することができる。
このような消火を考慮した場合、ヒートポンプユニット10を二系統具えておき、一方のヒートポンプユニット10が消火に使用された後に、もう一方のヒートポンプユニット10によって放熱機器Rの冷却を継続するようにすれば、データセンタDの機能停止状態を最小限に止めることができる。
そして上述した基本となる構成及び参考例で示す冷却機構1によれば、COPの良い運転を実現することができる。また二次冷却サイクル10Bには圧縮機11が用いられないため、油の混入等による蒸発器17の性能低下を回避することができる。更に消火機能を使うときも冷凍機油による汚染を心配しなくてよい。
なお上述した基本となる構成及び参考例並びに特許請求の範囲においては、凝縮器としてエバポレーティブコンデンサ12を採用することを明確化している。しかしながら根本的な技術思想から言えば、外気条件によっては、エバポレーティブコンデンサ12以外の凝縮器、例えば冷却塔で冷却した水を使用したセルチューブ式凝縮器や空冷式凝縮器を使用することもできる。この場合、同じ外気温の条件でも凝縮温度が高くなるため、圧縮機11を使用しないでデータセンタDの室内空間Sを適温に冷却することができる期間が、エバポレーティブコンデンサ12を採用した場合よりも短くなる。ただし北海道のような寒冷地であればそれらの凝縮器を使った冷却機構1が有利になることもある。
〔他の構成〕
また本発明の技術的思想に基づいて、以下に示すような構成を採ることも可能である。なお以下の構成では前記噴出バルブV5の説明は省略しているが、基本となる構成と同様に噴出バルブV5を設けるようにしてもよい。
まず、高緯度に位置する国または日本国内であれば北海道のような寒冷地の場合、一年を通じて圧縮機11を使用することなく、エバポレーティブコンデンサ12の作用のみによってデータセンタDの冷却を行うことも可能であり、このような運転に特化した構成を採ることができる。
具体的には図4に示すように、データセンタD室外に、エバポレーティブコンデンサ12及び低圧受液器15を配置し、一方、データセンタDの室内空間Sに蒸発器17を配置し、前記蒸発器17における冷媒の蒸発によって生じる冷気A1によって室内空間Sの冷却を行うとともに、前記エバポレーティブコンデンサ12によって冷媒の凝縮が行われるような構成を採ることができるものである。なお低圧受液器15から蒸発器17への冷媒の供給は液ポンプ16によって行われるものとする。
そしてこのような構成が採られた場合、年間を通じてエバポレーティブコンデンサ12によって冷媒の凝縮が行われるため、冷却機構1を消費電力を抑えた低コストで運用することが可能となるとともに、イニシャルコストを低減することができる。
なおこのように図4に示された構成が採られる場合、近時、地球温暖化の影響等により、各地で最高気温の更新が見られる等、予期せずとも高温状態となることが危惧されるため、データセンタDの安定運用を担保することのできるような、冷却機構1の構成を採ることもできる。
具体的には図5に示すように、図4に示したエバポレーティブコンデンサ12、低圧受液器15及び蒸発器17を具えて成る第一冷却サイクル10Cと、圧縮機11、コンデンサ12a(エバポレーティブ)及び蒸発器17を具えて成る第二冷却サイクル10Dとを並列状態に配置した形態を採るものである。なお第二冷却サイクル10Dにおけるコンデンサ12aと蒸発器17とを結ぶ管路における蒸発器17寄りの部位には膨張弁17bが設けられる。
そしてこのような構成が採られた場合、通常時は第一冷却サイクル10Cのみによって運転を行い、第一冷却サイクル10Cだけでは冷却を賄えなくなったときに、圧縮機11を具えた第二冷却サイクル10Dを稼働させることにより、室内空間S内の温度上昇を確実に防ぐことができる。更に、第二冷却サイクル10Dと同時に第一冷却サイクル10Cを稼働させることにより、圧縮機11の負荷を軽減して消費電力の削減を図ることができる。
なお図5に示した冷却機構1においては前記隔壁18が採用されていないが、放熱器Rの蒸発器17側の上方部は、蒸発器17の筐体によって塞がれる状態とされており、蒸発器17の放熱部に触れた暖気A2は冷却されて冷気A1となって放熱機器Rの側方に沿って下降し、放熱機器Rの冷却に供されて暖気A2となるものであり、この暖気A2が再び蒸発器17に導びかれるような自然循環が生起されることとなる。
更にまた、前出の構成を一部改変した構成を採ることもできる。具体的には図7に示すように、図6に示された装置構成において、カスケードコンデンサ19を受液器19Bに内蔵するようにした形態を採ることもできる。
そしてこのような構成が採られた場合、図6に示された装置構成と同様に、受液器19B内での二次冷媒の凝縮は、一次冷却サイクル10A(カスケードコンデンサ19)またはエバポレーティブコンデンサ12Bのいずれか一方または双方によって行うことが可能となることに加え、次のような効果が得られる。
すなわち、二次冷媒として炭酸ガスを用いるような場合に、カスケードコンデンサ19の構成要素であるプレートクーラの耐圧性が低いような場合であっても、二次冷媒の凝縮は密閉された受液器19Bに内蔵されたカスケードコンデンサ19において行われるため、見かけ上の圧力差が少なくなり、凝縮を安全且つ安定して行うことが可能となる。
なお上述した構成においては、凝縮器としてエバポレーティブコンデンサ12またはコンデンサ12aを採用しているが、全てをエバポレーティブコンデンサ12としたり、あるいは全てをエバポレーティブコンデンサ12以外の凝縮器、例えば冷却塔で冷却した水を使用したセルチューブ式凝縮器や空冷式凝縮器を使用することもできる。この場合、同じ外気温の条件でも凝縮温度が高くなるため、圧縮機11を使用しないでデータセンタDの室内空間Sを適温に冷却することができる期間が、エバポレーティブコンデンサ12を採用した場合よりも短くなる。ただし北海道のような寒冷地であればそれらの凝縮器を使った冷却機構1が有利になることもある。
更にまた本発明の冷却機構1はデータセンタDを適用対象とすることを前提としたものであるが、データセンタDと同様に、必要な冷却温度が比較的高く、潜熱負荷が少ない一方、顕熱負荷が大きく発生源が広い範囲に及ぶ施設である、印刷工場、自動車の部品工場等に対して、本発明の冷却機構1を適用するようにしてもよい。
1 冷却機構
10 ヒートポンプユニット
10A 一次冷却サイクル
10B 二次冷却サイクル
10C 第一冷却サイクル
10D 第二冷却サイクル
11 圧縮機
12 エバポレーティブコンデンサ
12a コンデンサ
12B エバポレーティブコンデンサ
13 高圧受液器
14 液面制御機構
15 低圧受液器
16 液ポンプ
17 蒸発器
17a 流量調整弁
17b 膨張弁
18 隔壁
18a 伸縮部
19 カスケードコンデンサ
19A 受液器
19B 受液器
152 バイパス管路
A1 冷気
A2 暖気
D データセンタ
R 放熱機器
S 室内空間
V1 バルブ
V2 バルブ
V3 バルブ
V4 バルブ
V5 噴出バルブ

Claims (9)

  1. データセンタ室外に、エバポレーティブコンデンサ及び受液器を配置し、一方、データセンタの室内空間に蒸発器を配置し、前記蒸発器における冷媒の蒸発によって室内空間の冷却を行うとともに、前記エバポレーティブコンデンサによって冷媒の凝縮が行われるように構成されていることを特徴とするデータセンタの冷却機構。
  2. 前記エバポレーティブコンデンサ、受液器及び蒸発器を具えて成る第一の冷却サイクルと、圧縮機、コンデンサー及び蒸発器を具えて成る第二の冷却サイクルとを、並列状態に配置して成ることを特徴とする請求項1記載のデータセンタの冷却機構。
  3. データセンタ室外に、可変速ターボ型の圧縮機、エバポレーティブコンデンサ、高圧受液器、液面制御機構、低圧受液器、カスケードコンデンサを具えて成る一次冷却サイクルを配置し、更に、データセンタの室内空間に配置した蒸発器と、受液器、液ポンプとを配管で繋いでループ回路とし、蒸発器下流で前記カスケードコンデンサにおいて二次冷媒としての炭酸ガスが凝縮される二次冷却サイクルを配置して成り、前記一次冷却サイクルは、エバポレーティブコンデンサの凝縮温度が所定の温度以下の時に、前記圧縮機を機能させることなく一次冷媒を循環させ、カスケードコンデンサにおいて凝縮された二次冷却サイクルにおける二次冷媒により、室内空間の冷却を行うように構成されていることを特徴とする請求項1記載のデータセンタの冷却機構。
  4. データセンタ室外に、容積型の圧縮機、エバポレーティブコンデンサ、高圧受液器、液面制御機構、低圧受液器、カスケードコンデンサ具えるとともに、前記圧縮機を迂回するバイパス管路を設けて成る一次冷却サイクルを配置し、更に、データセンタの室内空間に配置した蒸発器と、受液器、液ポンプとを配管で繋いでループ回路とし、蒸発器下流で前記カスケードコンデンサにおいて二次冷媒としての炭酸ガスが凝縮される二次冷却サイクルを配置して成り、前記一次冷却サイクルは、エバポレーティブコンデンサの凝縮温度が所定の温度以下の時に、圧縮機を停止するとともに、この圧縮機を回避するバイパス管路を開放することにより、前記圧縮機を機能させることなく一次冷媒を循環させ、カスケードコンデンサにおいて凝縮された二次冷却サイクルにおける二次冷媒により、室内空間の冷却を行うように構成されていることを特徴とする請求項1記載のデータセンタの冷却機構。
  5. 前記二次冷却サイクルにおける受液器に対してエバポレーティブコンデンサを接続したことを特徴とする請求項3または4記載のデータセンタの冷却機構。
  6. 前記カスケードコンデンサを二次冷却サイクルにおける受液器に内蔵したことを特徴とする請求項5記載のデータセンタの冷却機構。
  7. 前記冷媒を室内空間に噴出することができるように構成されていることを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6記載のデータセンタの冷却機構。
  8. 前記蒸発器は逆煙突効果を発揮する形態の縦型の隔壁で囲われており、蒸発器近傍の空気を冷却することにより、ファンを使用することなくデータセンタ室内空間の上部にある高温空気を効率よく蒸発器に向けて引き込み、冷却した後、下方に吐き出す構造が具えられていることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6または7記載のデータセンタの冷却機構。
  9. 前記隔壁の下部には伸縮部が具えられていることを特徴とする請求項8記載のデータセンタの冷却機構。
JP2014523138A 2013-06-17 2014-02-07 データセンタの冷却機構 Expired - Fee Related JP5702508B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014523138A JP5702508B2 (ja) 2013-06-17 2014-02-07 データセンタの冷却機構

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013126770 2013-06-17
JP2013126770 2013-06-17
PCT/JP2014/052854 WO2014126005A1 (ja) 2013-02-12 2014-02-07 データセンタの冷却機構
JP2014523138A JP5702508B2 (ja) 2013-06-17 2014-02-07 データセンタの冷却機構

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5702508B2 JP5702508B2 (ja) 2015-04-15
JPWO2014126005A1 true JPWO2014126005A1 (ja) 2017-02-02

Family

ID=52875949

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014523138A Expired - Fee Related JP5702508B2 (ja) 2013-06-17 2014-02-07 データセンタの冷却機構

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5702508B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017073087A1 (ja) * 2015-10-28 2017-05-04 八洋エンジニアリング株式会社 蒸発式凝縮器およびこの蒸発式凝縮器を備えた冷凍システム
CN113865134A (zh) * 2021-11-15 2021-12-31 北京百度网讯科技有限公司 二氧化碳制冷系统和方法
CN116294325B (zh) * 2021-12-20 2024-06-25 珠海格力电器股份有限公司 一种冷凝机组的控制方法、装置和冷凝机组

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2858225B2 (ja) * 1995-02-07 1999-02-17 紀久男 佐藤 暖房装置
JP2003240360A (ja) * 2002-02-14 2003-08-27 Hachiyo Engneering Kk 自然冷熱源を利用した炭酸ガス冷却システム
JP4145742B2 (ja) * 2003-07-07 2008-09-03 株式会社前川製作所 アイスクリームフリーザ
KR101168945B1 (ko) * 2003-11-21 2012-08-02 마에카와 매뉴팩쳐링 캄파니 리미티드 암모니아/co2 냉동시스템, 이 시스템에 사용되는 co2브라인 생성장치 및 이 생성장치가 포함된 암모니아 냉각유닛
JP4885481B2 (ja) * 2005-05-30 2012-02-29 株式会社前川製作所 冷却装置の運転方法
JP2007024442A (ja) * 2005-07-20 2007-02-01 Hachiyo Engneering Kk 冷却方法並びに冷却施設
JP4734611B2 (ja) * 2006-12-20 2011-07-27 株式会社前川製作所 空調設備のリニューアルユニット及びそれを用いた空調設備の施工方法
JP5047759B2 (ja) * 2007-11-13 2012-10-10 幸次 楠野 送風装置
JP5662112B2 (ja) * 2010-11-11 2015-01-28 株式会社前川製作所 凍結冷蔵方法及び凍結冷蔵設備

Also Published As

Publication number Publication date
JP5702508B2 (ja) 2015-04-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2014126005A1 (ja) データセンタの冷却機構
JP5576282B2 (ja) 再循環気体ラック冷却アーキテクチャ
US8408022B2 (en) Hybrid cascade vapor compression refrigeration system
US20120106073A1 (en) Data center module
JP2009216295A (ja) 電子機器の冷却システム及びその運転方法
JP6420686B2 (ja) 冷凍サイクル装置
JP3235997U (ja) 移動可能な空気調和装置及びその冷房方法
JP6064259B2 (ja) 冷凍サイクル装置
RU2766509C2 (ru) Модульный водяной экономайзер для охладителей с воздушным охлаждением
JP5702508B2 (ja) データセンタの冷却機構
JP6292834B2 (ja) 情報処理室の空調設備
JP2012241949A (ja) 冷蔵庫
JP3213918U (ja) エネルギー移送システム
CN216620334U (zh) 可延缓蒸发式冷凝器盘管水结垢的制冷系统
JP2016223743A (ja) 空気調和装置
JP2014066381A (ja) 冷凍サイクル装置
JP6147551B2 (ja) 船舶用の冷水生成システム及び船舶
GB2488827A (en) Refrigeration System with Liquid Cooled Condenser
JP2017110864A (ja) 冷凍サイクル装置
JPH10267450A (ja) 吸収式冷暖房装置および冷暖房システム
WO2017026129A1 (ja) アンモニア冷凍装置
CN113566298A (zh) 蒸发式冷凝装置、包括该蒸发式冷凝装置的冷水机组和空调
KR200366368Y1 (ko) 수냉식 이동형 에어콘
CN113945019A (zh) 可延缓蒸发式冷凝器盘管水结垢的制冷系统
JP2013228176A (ja) 冷凍サイクル装置

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150203

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150219

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5702508

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees