JPWO2014125581A1 - 音声再生装置、音声再生方法及び音声再生プログラム - Google Patents
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Abstract
音声再生装置は、車室などの音響空間に適用され、車室内の座席に設定される2つの評価点における再生音のレベルを制御する。具体的には、音声再生装置は、外部より入力された音声信号の位相を制御して、一対のスピーカに供給する。音声再生装置は、前記複数の聴取位置の各々において、2つの評価点における再生音レベルの和が、前記一対のスピーカのうちの一方のスピーカのみで前記音声信号を再生した場合よりも大きくなるように制御帯域及び位相差を決定し、位相制御を行う。
Description
本発明は、音響空間において聴取者が聴く音のレベルを調整する技術に関する。
車室などの音響空間において、再生音の音圧レベルを調整する手法が提案されている。例えば、特許文献1は、イコライザにより再生音のレベルを周波数帯域毎に補正することにより、音響空間や聴取位置に応じた音圧レベルの調整を行う手法を提案している。また、特許文献2は、複数のスピーカを含むスピーカアレイを配置し、各スピーカから出力される音声信号の位相及び音量を制御することにより、特定の場所に高音圧領域を形成する方法を提案している。
一般的に、運転席や助手席にいる聴取者にとっては、フロントスピーカの音に比べてリアスピーカの音が小さく、聴きづらくなる傾向がある。これは、リアスピーカから出力される音が座席により遮られたり、窓により反射したりすることが原因と考えられる。
運転席や助手席においてリアスピーカの再生音を聴きやすくするためには、特許文献1のようにイコライザを利用し、ある帯域の再生音レベルを大きくする方法がある。しかし、この方法ではリアスピーカの音量が大きくなるため、後部座席にいる者にとっては音量が大きすぎてしまうという不具合がある。
一方、特許文献2のようにスピーカアレイを用いて運転席付近の音圧を高くする方法も考えられる。しかし、特許文献2の方法は、複数のスピーカを利用して制御を行うため大規模なシステムを必要とし、車両に適用するには不向きである。
本発明が解決しようとする課題としては、上記のものが例として挙げられる。本発明は、周囲に悪影響を生じることなく、また、大規模なシステムを必要とすることなく、特定の聴取位置における再生音レベルを高くすることが可能な音声再生装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、音声再生装置であって、音響空間内の2つの評価点を有する複数の聴取位置に対して前後に配置された一対のスピーカと、音声信号を受け取る入力部と、前記音声信号の位相を制御し、前記一対のスピーカに供給する位相制御部と、を備え、前記位相制御部は、前記複数の聴取位置の各々において、2つの評価点における再生音レベルの和が、前記一対のスピーカのうちの一方のスピーカのみで前記音声信号を再生した場合よりも大きくなるように制御帯域及び位相差を決定し、前記一対のスピーカに供給する音声信号を制御することを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、音響空間内の2つの評価点を有する複数の聴取位置に対して前後に配置された一対のスピーカを備える音声再生装置により実行される音声再生方法であって、音声信号を受け取る入力工程と、前記音声信号の位相を制御し、前記一対のスピーカに供給する位相制御工程と、を有し、前記位相制御工程は、前記複数の聴取位置の各々において、2つの評価点における再生音レベルの和が、前記一対のスピーカのうちの一方のスピーカのみで前記音声信号を再生した場合よりも大きくなるように制御帯域及び位相差を決定し、前記一対のスピーカに供給する音声信号を制御することを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、音響空間内の2つの評価点を有する複数の聴取位置に対して前後に配置された一対のスピーカを備える音声再生装置により実行される音声再生プログラムであって、音声信号を受け取る入力手段、前記音声信号の位相を制御し、前記一対のスピーカに供給する位相制御手段、として前記音声再生装置を機能させ、前記位相制御手段は、前記複数の聴取位置の各々において、2つの評価点における再生音レベルの和が、前記一対のスピーカのうちの一方のスピーカのみで前記音声信号を再生した場合よりも大きくなるように制御帯域及び位相差を決定し、前記一対のスピーカに供給する音声信号を制御することを特徴とする。
本発明の好適な実施形態では、音声再生装置は、音響空間内の2つの評価点を有する複数の聴取位置に対して前後に配置された一対のスピーカと、音声信号を受け取る入力部と、前記音声信号の位相を制御し、前記一対のスピーカに供給する位相制御部と、を備え、前記位相制御部は、前記複数の聴取位置の各々において、2つの評価点における再生音レベルの和が、前記一対のスピーカのうちの一方のスピーカのみで前記音声信号を再生した場合よりも大きくなるように制御帯域及び位相差を決定し、前記一対のスピーカに供給する音声信号を制御する。
上記の音声再生装置は、例えば車室などの音響空間に適用され、車室内の座席などに設定される2つの聴取位置において、2つの評価点における再生音のレベルを制御する。具体的には、音声再生装置は、外部より入力された音声信号の位相を制御して、一対のスピーカに供給する。ここで、位相の制御は、前記複数の聴取位置の各々において、2つの評価点における再生音レベルの和が、前記一対のスピーカのうちの一方のスピーカのみで前記音声信号を再生した場合よりも大きくなるように制御帯域と位相差とを決定して行われる。よって、音響空間内の複数の聴取位置において、再生音が明確に聴こえるように音声信号の再生を制御することができる。
上記の音声再生装置の好適な例では、前記位相制御部は、前記一対のスピーカと前記聴取位置との距離に基づいて、制御帯域及び位相差を算出する。また、他の好適な例では、前記位相制御部は、前記スピーカから再生した音を前記聴取位置で集音して得られた測定データに基づいて、制御帯域及び位相差を決定する。
上記の音声再生装置の他の一態様では、前記一対のスピーカのうちの一方のスピーカは、前記複数の聴取位置を結ぶ線分に対して、前記一対のスピーカのうちの他方のスピーカと反対側に配置されている。これにより、2つのスピーカから出力される再生音を同期させ、効果的にレベルを増大させることが可能となる。
好適な例では、前記2つの評価点は、前記聴取位置に位置する聴取者の2つの耳の位置に相当する。また、他の好適な例では、前記音響空間は車両の車室であり、前記一対のスピーカは車室の右側又は左側に配置されたフロントスピーカ及びリアスピーカであり、前記複数の聴取位置は前記車室内の運転席及び助手席に相当し、前記2つの評価点は前記運転席及び助手席に位置する聴取者の左右の耳の位置に相当する。
本発明の他の好適な実施形態では、音響空間内の2つの評価点を有する複数の聴取位置に対して前後に配置された一対のスピーカを備える音声再生装置により実行される音声再生方法は、音声信号を受け取る入力工程と、前記音声信号の位相を制御し、前記一対のスピーカに供給する位相制御工程と、を有し、前記位相制御工程は、前記複数の聴取位置の各々において、2つの評価点における再生音レベルの和が、前記一対のスピーカのうちの一方のスピーカのみで前記音声信号を再生した場合よりも大きくなるように制御帯域及び位相差を決定し、前記一対のスピーカに供給する音声信号を制御する。
本発明の他の好適な実施形態では、音響空間内の2つの評価点を有する複数の聴取位置に対して前後に配置された一対のスピーカを備える音声再生装置により実行される音声再生プログラムは、音声信号を受け取る入力手段、前記音声信号の位相を制御し、前記一のスピーカに供給する位相制御手段、として前記音声再生装置を機能させ、前記位相制御手段は、前記複数の聴取位置の各々について、2つの評価点における再生音レベルの和が、前記一対のスピーカのうちの一方のスピーカのみで前記音声信号を再生した場合よりも大きくなるように制御帯域及び位相差を決定し、前記一対のスピーカに供給する音声信号を制御する。
[基本原理]
まず、実施例の基本的な原理について説明する。本実施例は、車室などの音響空間内の特定の場所、例えば運転席及び助手席における音圧レベルを大きくすることを目的とする。そのために、本実施例では車内の特殊な環境を利用する。
まず、実施例の基本的な原理について説明する。本実施例は、車室などの音響空間内の特定の場所、例えば運転席及び助手席における音圧レベルを大きくすることを目的とする。そのために、本実施例では車内の特殊な環境を利用する。
図1は、本実施例による車内環境を模式的に示す平面図である。図1において、車内には4つの座席があり、1つの聴取位置に相当する助手席には聴取者L1が座っており、もう1つの聴取位置に相当する運転席には聴取者L2(運転者)が座っている。ここで、運転席の右側には、フロントスピーカSP1とリアスピーカSP2が設けられている。なお、実際の車両では、車両の左側にも同様にフロントスピーカとリアスピーカが設けられるが、ここではその図示は省略する。
図1に示すように、本実施例では、車内の特殊な環境として、運転席及び助手席を挟むように2つのスピーカSP1、SP2が前後に配置されていることを利用する。そして、本実施例では、助手席にいる聴取者L1及び運転席にいる聴取者L2が再生音を聴きやすくするために、聴取者L1、L2の左右の耳の音圧レベルを同時に制御する。なお、以下の説明において、2人の聴取者L1、L2を区別しない時には、添字を省略して単に「聴取者L」と表記する。
一般的に、人間が感じる音の大きさは、両耳の音の強さを加算した値をもとに決まる。即ち、人間は両耳でそれぞれ6dBの音圧で音を聴いた場合と、片耳のみで12dBの音圧で音を聴いた場合とで同じ音の大きさを感じる。これは、下記の文献においても指摘されている。
参考文献:『境久雄、中島剛、「日本音響学会編 聴覚と音響心理」、コロナ社、pp.173〜174、「両耳で聴いたときの音の大きさは、両耳に加えられている音の音圧レベルを6dB大きくして、それを片耳で聴いたときの音の大きさに等しい。」』
よって、本実施例では、聴取者L1、L2について、左右の耳の位置をそれぞれ評価点とし、各聴取者について2つの評価点における音圧レベルの和が大きくなるように、スピーカSP1、SP2に入力される信号を制御する。これにより、聴取者L1、L2は再生音を大きいと感じる。
よって、本実施例では、聴取者L1、L2について、左右の耳の位置をそれぞれ評価点とし、各聴取者について2つの評価点における音圧レベルの和が大きくなるように、スピーカSP1、SP2に入力される信号を制御する。これにより、聴取者L1、L2は再生音を大きいと感じる。
ここで、まず、聴取者Lと一対のスピーカSP1、SP2との位置関係について検討する。図2に示すように、一対のスピーカSP1、SP2から等距離にある中心線CL上に聴取者Lが位置し、かつ、聴取者Lの左右の耳が中心線CL上にある場合、聴取者LはスピーカSP1、SP2から出力される音を同期して聴くことができる。即ち、聴取者Lの左右の耳における音圧レベルの和(以下、「両耳レベル和」とも呼ぶ。)は最大となる。
よって、運転席及び助手席に対してスピーカSP1、SP2を図2に示すような位置関係で配置することができれば、音声信号を2つのスピーカSP1、SP2からそのまま出力するだけで、助手席にいる聴取者L1の両耳レベル和は最大となり、同時に運転席にいる聴取者L2の両耳レベル和も最大となる。この場合、スピーカSP1、SP2に供給される音声信号に対して何らの処理、調整を行う必要もない。
しかしながら、実際の車室では、運転席及び助手席に対して2つのスピーカSP1、SP2を図2のような位置関係に配置できるとは限らない。そこで、本実施例では、2つのスピーカSP1、SP2に供給する音声信号に適当な位相差を与えることにより、運転席における両耳レベル和と助手席における両耳レベル和をともに大きくする。
図3は、2つのスピーカSP1、SP2へ供給される音声信号に位相差を与える手法を模式的に示す。図3(A)は、2つのスピーカSP1、SP2へ音声信号を供給する構成を示している。無響室において、聴取位置にダミーヘッド3を配置し、その右側の前後にフロントスピーカSP1、リアスピーカSP2を配置する。音源2からの音声信号は、そのままフロントスピーカSP1に入力されるとともに、遅延器6により全帯域において固定の遅延量「Z」で遅延された後、リアスピーカSP2に入力される。
図3(A)に示すように、一対のスピーカが縦方向に配置されている場合、スピーカから出力される再生音の音圧分布は干渉により横縞となる。具体的に、図3(A)において、ダミーヘッド3の位置を含む黒色の領域は音圧レベルが大きく、白色の領域は音圧レベルが小さく、音圧分布は横縞を形成している。よって、遅延量Zを変化させることにより、両耳のレベルを同期して変化させ、両耳レベル和を制御することができる。
遅延量Zを変化させた場合の、ダミーヘッド3近傍の音圧分布の例を図3(B)に示している。図中に等高線表示された数値は音圧レベル値を示す。図3(B)の例では、遅延量Z=2.0[ms]のときに、ダミーヘッド3の両耳付近の音圧レベルが4.247[dB]で最大となっている。よって、この例では、遅延量Z=2.0[ms]が最適となっている。
このように、聴取者の位置に対して前後に一対のスピーカを配置し、それらのスピーカに供給される音声信号に適切な位相差を与えることにより、聴取者の両耳レベル和を大きくすることができる。
[第1実施例]
図4は、音声再生装置の第1実施例の概略構成を示す。第1実施例は、音響空間として無響室を想定する。
図4は、音声再生装置の第1実施例の概略構成を示す。第1実施例は、音響空間として無響室を想定する。
図4に示すように、聴取者L1、L2の聴取位置に対して、前後に一対のスピーカ、即ち、フロントスピーカSP1とリアスピーカSP2が配置される。なお、この例では、聴取者L1、L2からは、リアスピーカSP2よりもフロントスピーカSP1の方が遠い。
音源2から出力される音声信号は、そのままフロントスピーカSP1に供給されるとともに、位相制御部4により位相差θ(f)を与えられてリアスピーカSP2へ供給される。位相制御部4は、音源から出力される音声信号に対して、周波数毎に位相差θ(f)を与える。
位相差θ(f)の決定方法について説明する。位相差θ(f)は、聴取者L1の両耳レベル和と、聴取者L2の両耳レベル和とがいずれもが大きくなるように決定される。なお、聴取者L1、L2の左右の耳の位置は、それぞれ2つの評価点に相当する。
位相差θ(f)は、聴取者L1、L2の両耳の位置と、前後のスピーカSP1、SP2との距離に基づいて決定することができる。図5は、この位相差θ(f)の決定方法を説明する図である。なお、ここでは、簡単化のために、頭部中心の点を評価点とみなして算出する。
基本的に、左右の耳の中央点、即ち2つの評価点の中央点からフロントスピーカSP1までの距離を「d1」とし、中央点MからリアスピーカSP2までの距離を「d2」とすると、遅延量Zは以下の式で与えられる。
遅延量Z = (d1−d2)/c [m/s] (1)
なお、「c」は音速(約340[m/s])である。
なお、「c」は音速(約340[m/s])である。
フロントスピーカSP1により再生される音声信号とリアスピーカSP2により再生される音声信号に対して各周波数でこの遅延量Zを与えることにより、聴取者と2つのスピーカとの距離差が補正され、聴取者の両耳レベル和が最大となる。よって、聴取者と2つのスピーカとの距離差に基づく遅延量と、再生される音声信号の周波数とに基づいて、各周波数帯域において2つのスピーカから出力される音声信号に与えるべき位相差θ(f)が算出される。
具体的に、図5において、スピーカSP1から聴取者L1までの距離を「dF1」、スピーカSP1から聴取者L2までの距離を「dF2」、スピーカSP2から聴取者L1までの距離を「dR1」、スピーカSP2から聴取者L2までの距離を「dR2」とする。 聴取者L1について、スピーカSP1、SP2との距離差は、
D1=dF1−dR1 (2)
であり、遅延量Z1は、
Z1=D1/c (3)
となる。よって、音声信号の各周波数帯域について、その周波数と、この遅延量Z1とに基づいて必要な位相差θ(f)が得られる。
D1=dF1−dR1 (2)
であり、遅延量Z1は、
Z1=D1/c (3)
となる。よって、音声信号の各周波数帯域について、その周波数と、この遅延量Z1とに基づいて必要な位相差θ(f)が得られる。
同様に、聴取者L2について、スピーカSP1、SP2との距離の差は、
D2=dF2−dR2 (4)
であり、遅延量Z2は、
Z2=D2/c (5)
となる。よって、音声信号の各周波数帯域について、その周波数と、この遅延量Z2とに基づいて必要な位相差θ(f)が得られる。
D2=dF2−dR2 (4)
であり、遅延量Z2は、
Z2=D2/c (5)
となる。よって、音声信号の各周波数帯域について、その周波数と、この遅延量Z2とに基づいて必要な位相差θ(f)が得られる。
次に、第1実施例による制御帯域と位相差の範囲について説明する。本実施例では、2つのスピーカから出力される音声信号の両耳レベル和が、各1つのスピーカから音声信号を出力した場合と比較して、2つの聴取位置においてともに大きくなるように位相差θ(f)を与える。ここで、2つの聴取位置の間には距離があるので、音声信号の全帯域(人間の可聴帯域)で両耳レベル和をともに大きくすることは難しい。即ち、ある一定の帯域においてのみ2つの聴取位置における両耳レベル和とともに大きくすることができる。以下、この一定の帯域、即ち、2つの聴取位置においてともに両耳レベル和を大きくすることができる周波数帯域を「制御帯域」と呼ぶ。理論上、2つの聴取位置間の距離が小さいほど、制御帯域を広くすることができる。
いま、2つの信号に位相差を与えて合成した場合のレベルについて考える。図6は、2つの正弦波を異なる位相差で合成した合成波の振幅レベルを示す。2つの正弦波を同相(位相差=0)で合成すると、グラフ41に示すように、合成波の振幅は元の正弦波の振幅の2倍になる。2つの正弦波を位相差120°で合成すると、グラフ42に示すように、2つの正弦波の振幅と合成波の振幅は等しくなる。一方、2つの正弦波を逆相(位相差180°)で合成すると、グラフ43に示すように合成波の振幅はもとの正弦波の振幅よりも小さくなってしまう。
グラフ40に示すように、位相差が0〜120°の場合、2つの正弦波の合成波の振幅は少なくとも元の正弦波の振幅以上となる。一方、位相差が120°を超えると、2つの正弦波の合成波の振幅は元の正弦波の振幅よりも小さくなる。よって、2つの聴取位置においてともに両耳レベル和を大きくするためには、各帯域の音声信号について、2つのスピーカから出力される音声信号に与える位相差が120°以内となることが必要である。ここで、スピーカから出力される音声信号の周波数を考えた場合、低い周波数については位相差120°の範囲は広いが、周波数が高くなるほど位相差120°の範囲は狭くなる。よって、高い周波数ほど、2つのスピーカから出力される音声信号の位相差を120°以内に収めることが難しくなる。言い換えると、2つの聴取位置における両耳レベル和をともに大きくすることができる制御帯域は高い周波数側で制限をうける。よって、本実施例における制御帯域は、可聴帯域の下限から、一定の上限帯域Fmaxまでとなる。
具体的には、前述の式(2)、(4)より、聴取者L1と聴取者L2との距離差の差Dは、
D=|D1−D2| (6)
となるので、上限帯域Fmaxは以下の式により決まる。
D=|D1−D2| (6)
となるので、上限帯域Fmaxは以下の式により決まる。
上限帯域Fmax: F・D/c<1/3を満たす周波数F (7)
ここで、「1/3」は、120°/360°(位相差)を示す。
ここで、「1/3」は、120°/360°(位相差)を示す。
ある車両の例として、スピーカSP1から聴取者L1までの距離dF1=1.46[m]、スピーカSP1から聴取者L2までの距離dF2=1.03[m]、スピーカSP2から聴取者L1までの距離dR1=1.30[m]、スピーカSP2から聴取者L2までの距離dR2=0.79[m]である場合、式(7)によりの上限帯域Fmaxは1420Hzとなる。
次に、2つの聴取位置で両耳レベル和をともに大きくすることができる位相差の範囲は、聴取者L1の位置で両耳レベル和が最大となる位相差を「θA」とすると、
θA−120°+D・F/c×360°<θ<θA+120° (8)
となる。ここで、「D・F/c×360°」の部分は、聴取者L2においても両耳レベル和を大きくするための制限分に相当する。即ち、聴取者L1のみについては、位相差θAの±120°で、一方のスピーカから音声信号を出力した場合よりも両耳レベル和を大きくすることができる。この範囲内でさらに聴取者L2についても両耳レベル和を大きくすることができる位相差の範囲は「D・F/c×360°」の分だけ狭くなる。
θA−120°+D・F/c×360°<θ<θA+120° (8)
となる。ここで、「D・F/c×360°」の部分は、聴取者L2においても両耳レベル和を大きくするための制限分に相当する。即ち、聴取者L1のみについては、位相差θAの±120°で、一方のスピーカから音声信号を出力した場合よりも両耳レベル和を大きくすることができる。この範囲内でさらに聴取者L2についても両耳レベル和を大きくすることができる位相差の範囲は「D・F/c×360°」の分だけ狭くなる。
図7は、上記のように算出した位相差θ(f)を与えた場合の特性を示す。図7(A)は聴取者L1の位置(助手席)における両耳レベル和の周波数特性を示し、図7(B)は聴取者L2の位置(運転席)における両耳レベル和の周波数特性を示す。横軸は周波数を示し、縦軸は両耳レベル和を示す。なお、この特性は、先に例示した寸法の車両で得たものである。
図7(A)に示すように、聴取者L1の位置では、上限帯域Fmax(1420Hz)付近までは、本実施例で上記のように位相差を与えた場合の両耳レベル和が、フロントスピーカSP1のみ又はリアスピーカSP2のみで音声信号を再生した場合の両耳レベル和よりも大きくなっている。一方、図7(B)に示すように、聴取者L2の位置では、全ての帯域において、本実施例で上記のように位相差を与えた場合の両耳レベル和が、フロントスピーカSP1のみ又はリアスピーカSP2のみで音声信号を再生した場合の両耳レベル和よりも大きくなっている。よって、上限帯域Fmaxまでの制御帯域内では2つの聴取位置においてともに両耳レベル和が大きくなっている。
図8は、位相差の算出結果を示す。図8(A)は聴取者L1の位置(助手席)における両耳レベル和の変化を示し、図8(B)は聴取者L2の位置(運転席)における両耳レベル和の変化を示す。横軸は位相差θ(f)を示し、縦軸は周波数を示す。
図8(A)において、破線で示す位相差θ(f)を与えたとき、両耳レベル和は4.7dB程度の高い値の領域を通過している。図8(B)においても、破線で示す位相差θ(f)を与えたとき、両耳レベル和は4.3dB程度の高い値の領域を通過している。即ち、2つのスピーカにより再生される音声信号に対して、上述のようにして算出した位相差θ(f)を与えることにより、聴取者L1、L2のいずれに対しても両耳レベル和を大きくすることができる。
図9は、2つのスピーカによる再生信号に位相差θ(f)を与えるための構成を示す。音源2から出力される音声信号は、そのままスピーカSP1に供給されるとともに、位相制御部4を介してスピーカSP2へ供給される。位相制御部4は、複数のバンドパスフィルタ4aと、位相調整器4bと、加算器4cとを有する。バンドパスフィルタ4aは、音声信号の分割帯域毎に設けられており、入力された音声信号を複数の周波数帯域に分割する。バンドパスフィルタ4aは、各帯域の音声信号を位相調整器4bへ供給する。位相調整器4bは、上述のように算出された位相差θ(f)を音声信号に与え、加算器4cに出力する。加算器4cは、各帯域の位相調整器4bからの出力信号を加算し、スピーカSP2へ供給する。
図10は、第1実施例による処理の手順を示す。なお、この処理は、コンピュータなどの計算装置により実行される。
まず、ユーザが車両のスピーカ及び各座席の位置を測定し、スピーカ位置と聴取位置とを計算装置へ入力する。計算装置は、それらの数値を受け取る(ステップS11)。具体的には、図5に示す距離dF1、dF2、dR1、dR2などが計算装置へ入力される。次に、計算装置は、上述した式に基づいて制御帯域、位相差θ(f)を算出する。
こうして決定された位相差θ(f)は、図9に示す位相制御部4に与えられる。具体的には、位相制御部4の各帯域の位相調整器4bに対して、位相差θ(f)に対応する係数が設定される。これにより、図9の構成においてスピーカSP2により再生される音声信号には、適切な位相差θ(f)が与えられる。
[第2実施例]
次に、第2実施例について説明する。図11は、音声再生装置の第2実施例の概略構成を示す。第2実施例は、音響空間として車室を想定する。図11に示すように、運転席の右側にフロントスピーカSP1とリアスピーカSP2が配置される。音源2からの音声信号は、フロントスピーカSP1に供給されるともに、位相制御部4により位相が補正された後、リアスピーカSP2に供給される。
次に、第2実施例について説明する。図11は、音声再生装置の第2実施例の概略構成を示す。第2実施例は、音響空間として車室を想定する。図11に示すように、運転席の右側にフロントスピーカSP1とリアスピーカSP2が配置される。音源2からの音声信号は、フロントスピーカSP1に供給されるともに、位相制御部4により位相が補正された後、リアスピーカSP2に供給される。
第2実施例においても、位相制御部4は、音声信号の帯域毎に異なる位相差(位相補正値)θ(f)を与える。第2実施例においては、位相差θ(f)は、2つのスピーカと2つの聴取者の位置との間の伝達関数に基づいて算出される。具体的には、2つのスピーカSP1、SP2と聴取者L1、L2の両耳(評価点)との位置関係に基づいて、各スピーカと聴取者L1、L2の両耳との間の伝達関数を求め、その伝達関数に基づいてシミュレーションなどにより位相及び周波数に対する両耳レベル和の分布を生成する。
生成した分布図の例を図12に示す。図12(A)は、聴取者L1の位置(助手席)における両耳レベル和の変化を示し、図12(B)は聴取者L2の位置(運転席)における両耳レベル和の変化を示す。これらの分布上で、両耳レベル和が最も高い領域を結んだ破線が示す位相差が、各帯域において2つのスピーカに入力する音声信号に与える位相差θ(f)を示すものとなる。
図13は、上記のようにして求めた位相差θ(f)を与えた場合の特性を示す。図13(A)は聴取者L1の位置(助手席)における両耳レベル和の周波数特性を示し、図13(B)は聴取者L2の位置(運転席)における両耳レベル和の周波数特性を示す。横軸は周波数を示し、縦軸は両耳レベル和を示す。
図13(A)に示すように、聴取者L1の位置では、上限帯域Fmaxに相当する400Hz付近までは、上記の位相差を与えた場合の両耳レベル和が、フロントスピーカSP1のみ又はリアスピーカSP2のみで音声信号を再生した場合の両耳レベル和と等しいかそれより大きくなっている。なお、157Hz辺りでは、本実施例による両耳レベル和がリアスピーカSP2のみで音声信号を再生した場合の両耳レベル和と近く、198Hz辺りでは、本実施例による両耳レベル和がフロントスピーカSP1のみで音声信号を再生した場合の両耳レベル和と近い。これは、本実施例において使用した車両の車室内の構造に固有のものと考えられる。
一方、図13(B)に示すように、聴取者L2の位置では、全ての帯域において、本実施例で上記のように位相差を与えた場合の両耳レベル和が、フロントスピーカSP1のみ又はリアスピーカSP2のみで音声信号を再生した場合の両耳レベル和よりも大きくなっている。よって、本実施例においても、上限帯域Fmaxまでの制御帯域において、2つの聴取位置においてともに両耳レベル和が大きくなっている。
第2実施例において、2つのスピーカに供給される音声信号に位相差θ(f)を与えるための構成は、図9に示す第1実施例のものと同じである。
図14は、第2実施例による処理の手順を示す。なお、この処理は、コンピュータなどの計算装置により実行される。
まず、ユーザが2つのスピーカからテスト信号を出力し、これを聴取者L1、L2の位置に配置したマイクで集音するなどして、スピーカと聴取位置との間の特性を測定し、その測定値を計算装置へ入力する。計算装置は、それらの数値を受け取る(ステップS21)。
次に、計算装置は、入力された測定値に基づいて、図12(A)、(B)に例示するような両耳レベル和の分布を生成し、その分布に基づいて制御帯域及び位相差θ(f)を決定する。具体的には、計算装置は、両耳レベル和の分布において、周波数帯域毎に、両耳レベル和が聴取者L1、L2のいずれの位置においてもなるべく最大値に近くなるように位相差を決定する。また、計算装置は、聴取者L1、L2の位置のいずれかにおいて、両耳レベル和が、一方のスピーカのみから音声を出力した場合の両耳レベル和よりも大きくならない周波数を上限帯域とし、上限帯域を上限とする制御帯域を決定する。
こうして決定された位相差θ(f)は、図9に示す位相制御部4に与えられ、位相制御部4の各帯域の位相調整器4bに対して位相差θ(f)に対応する係数が設定される。これにより、図9の構成においてスピーカSP2により再生される音声信号には、適切な位相差θ(f)が与えられる。
図15、図16は、従来の方法と第2実施例の効果を示す。図15は従来の方法による運転席、助手席、後部座席の両耳レベル和を示し、図16は第2実施例による運転席、助手席、後部座席の両耳レベル和を示す。なお、従来技術の方法とは、イコライザにより、ある帯域においてリアスピーカの再生音を大きくして運転席における両耳レベル和を増大させる方法を指す。
従来技術の方法によりリアスピーカの再生音を大きくする補正を行うと、図15(A)、(B)に示すように、運転席、助手席における両耳レベル和は増加する。しかし、図15(C)に示すように、後部座席では運転席に比べてさらに両耳レベル和が大きくなってしまい、後部座席の再生音が大きくなりすぎるという不具合が生じる。
これに対し、第2実施例の方法によれば、位相差θ(f)を与える位相補正により、図16(A)、(B)に示すように運転席、助手席における両耳レベル和は増加する。しかし、図16(C)に示すように後部座席では両耳レベル和はあまり変化しないので、後部座席の再生音が大きくなりすぎるという不具合は生じない。このように、第2実施例では、他の座席における再生音レベルに影響を与えることなく、運転席の再生音レベルを増加させることができる。
[スピーカと聴取位置との関係]
次に、実施例における2つのスピーカ位置と聴取位置との関係について説明する。
次に、実施例における2つのスピーカ位置と聴取位置との関係について説明する。
図17(A)に示すように、本発明の実施例では、運転席及び助手席を前後に挟むように2つのスピーカが配置されている。言い換えると、2つの聴取位置は、車両の前後方向において2つのスピーカの間に位置する。このため、各聴取位置と2つのスピーカとの距離差D1、D2は小さい。先に説明したように、この距離差は2つのスピーカに供給する音声信号の補正量、即ち位相差θ(f)に対応するものであるから、距離差D1、D2が小さいほど、小さい補正量で2つの聴取位置における再生音を同期させやすくなる。よって、車内のような環境を想定した場合、聴取位置が2つであっても、その2つの聴取位置の両方において両耳レベル和を大きくすることが可能となる。
これに対し、図17(B)に示すように、2つの聴取位置が前後方向において2つのスピーカの外側にある場合、各聴取位置と2つのスピーカとの距離差D1、D2が大きくなるため、2つの聴取位置における再生音を同期させることが難しくなる。即ち、音声信号の補正量、即ち位相差θ(f)を大きくしなければならず、2つの聴取位置の両方において両耳レベル和を大きくすることが難しい。このように、本実施例では、2つの聴取位置に対して前後方向に一対のスピーカが配置されていることが、2つの聴取位置の両方で両耳レベル和を大きくするための前提となる。
また、2つの聴取位置に対して2つのスピーカを前後方向に配置することにより、後部座席への影響を小さくすることができるという利点もある。実施例の方法では、2つのスピーカSP1、SP2から音を再生するが、後部座席にいる者に与える影響は少ない。即ち、後部座席にいる者が再生音をうるさいと感じることはない。これは2つの理由による。第1の理由は、フロントスピーカSP1と後部座席との間にはある程度の距離があり、また後部座席との間にシートなどの障害物があるため、基本的にフロントスピーカSP1からの再生音が後部座席に届きにくいことが挙げられる。第2の理由は、後部座席が2つのスピーカの外側に位置するため、先にも述べたように2つのスピーカからの再生音が同期しにくいからである。これについて図18を参照して説明する。
図18は、2つのスピーカと聴取者Lとの位置関係を示す。図18(A)に示すように、2つのスピーカSP1、SP2から音を再生する場合、2つのスピーカからの再生音が同期する軸は、2つのスピーカの中心線CLとなる。聴取者Lが2つのスピーカの内側に位置する場合、聴取者Lの両耳がこの中心線CL上又は中心線CLに近い位置にあるため、両耳に至る再生音が同期し、両耳レベル和が変化しやすくなる。
一方、図18(B)に示すように、聴取者Lが2つのスピーカSP1、SP2の外側に位置する場合、聴取者Lは2つのスピーカからの再生音が同期する中心線CL上に位置していても、聴取者の両耳を結ぶ方向は中心線CLからずれるため、両耳レベル和は変化しにくい。このため、本発明の実施例では、フロントスピーカSP1とリアスピーカSP2から音を再生しても、後部座席における音圧が過大となり、後部座席にいる者が再生音をうるさいと感じることはない。
[変形例]
なお、上記の実施例は、車室の右側に設けられたフロントスピーカ及びリアスピーカを用いて、運転席、即ち右側の前方座席における両耳レベル和を大きくしているが、同様の手法により、車室の左側に設けられたフロントスピーカ及びリアスピーカを用いて、助手席、即ち左側の前方座席における両耳レベル和を大きくしても構わない。
なお、上記の実施例は、車室の右側に設けられたフロントスピーカ及びリアスピーカを用いて、運転席、即ち右側の前方座席における両耳レベル和を大きくしているが、同様の手法により、車室の左側に設けられたフロントスピーカ及びリアスピーカを用いて、助手席、即ち左側の前方座席における両耳レベル和を大きくしても構わない。
2 音源
3 ダミーヘッド
4 位相制御部
SP1 フロントスピーカ
SP2 リアスピーカ
L1、L2 聴取位置
3 ダミーヘッド
4 位相制御部
SP1 フロントスピーカ
SP2 リアスピーカ
L1、L2 聴取位置
請求項1に記載の発明は、音声再生装置であって、音響空間内の聴取位置に対して前後に配置された一対のスピーカと、音声信号を受け取る入力部と、前記音声信号の位相を制御し、前記一対のスピーカに供給する位相制御部と、を備え、前記位相制御部は、前記聴取位置における再生音レベルが、前記一対のスピーカのうちの一方のスピーカから前記音声信号を再生した場合よりも大きくなるように制御帯域及び位相差を決定し、前記一対のスピーカに供給するそれぞれの音声信号のうち少なくとも一方を制御することを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、音響空間内の聴取位置に対して前後に配置された一対のスピーカを備える音声再生装置により実行される音声再生方法であって、音声信号を受け取る入力工程と、前記音声信号の位相を制御し、前記一対のスピーカに供給する位相制御工程と、を有し、前記位相制御工程は、前記聴取位置における再生音レベルが、前記一対のスピーカのうちの一方のスピーカから前記音声信号を再生した場合よりも大きくなるように制御帯域及び位相差を決定し、前記一対のスピーカに供給するそれぞれの音声信号のうち少なくとも一方を制御することを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、音響空間内の聴取位置に対して前後に配置された一対のスピーカを備える音声再生装置により実行される音声再生プログラムであって、音声信号を受け取る入力手段、前記音声信号の位相を制御し、前記一対のスピーカに供給する位相制御手段、として前記音声再生装置を機能させ、前記位相制御手段は、前記聴取位置における再生音レベルが、前記一対のスピーカのうちの一方のスピーカから前記音声信号を再生した場合よりも大きくなるように制御帯域及び位相差を決定し、前記一対のスピーカに供給するそれぞれの音声信号のうち少なくとも一方を制御することを特徴とする。
請求項1に記載の発明は、音声再生装置であって、音響空間内の2つの評価点を有する複数の聴取位置に対して前後に配置された一対のスピーカと、音声信号を受け取る入力部と、前記音声信号の位相を制御し、前記一対のスピーカに供給する位相制御部と、を備え、前記位相制御部は、前記複数の聴取位置の各々について、2つの評価点における再生音レベルの和が、前記一対のスピーカの一方のスピーカのみで前記音声信号を再生した場合より大きくなるように制御帯域及び位相差を決定し、前記一対のスピーカに供給する音声信号を制御することを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、音響空間内の2つの評価点を有する複数の聴取位置に対して前後に配置された一対のスピーカを備える音声再生装置により実行される音声再生方法であって、音声信号を受け取る入力工程と、前記音声信号の位相を制御し、前記一対のスピーカに供給する位相制御工程と、を有し、前記位相制御工程は、前記複数の聴取位置の各々について、2つの評価点における再生音レベルの和が、前記一対のスピーカの一方のスピーカのみで前記音声信号を再生した場合より大きくなるように制御帯域及び位相差を決定し、前記一対のスピーカに供給する音声信号を制御することを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、音響空間内の2つの評価点を有する複数の聴取位置に対して前後に配置された一対のスピーカを備える音声再生装置により実行される音声再生プログラムであって、音声信号を受け取る入力手段、前記音声信号の位相を制御し、前記一対のスピーカに供給する位相制御手段、として前記音声再生装置を機能させ、前記位相制御手段は、前記複数の聴取位置の各々について、2つの評価点における再生音レベルの和が、前記一対のスピーカの一方のスピーカのみで前記音声信号を再生した場合より大きくなるように制御帯域及び位相差を決定し、前記一対のスピーカに供給する音声信号を制御することを特徴とする。
Claims (8)
- 音響空間内の2つの評価点を有する複数の聴取位置に対して前後に配置された一対のスピーカと、
音声信号を受け取る入力部と、
前記音声信号の位相を制御し、前記一対のスピーカに供給する位相制御部と、を備え、
前記位相制御部は、前記複数の聴取位置の各々について、2つの評価点における再生音レベルの和が、前記一対のスピーカのうちの一方のスピーカのみで前記音声信号を再生した場合よりも大きくなるように制御帯域及び位相差を決定し、前記一対のスピーカに供給する音声信号を制御することを特徴とする音声再生装置。 - 前記位相制御部は、前記一対のスピーカと前記聴取位置との距離に基づいて、制御帯域及び位相差を算出することを特徴とする請求項1に記載の音声再生装置。
- 前記位相制御部は、前記スピーカから再生した音を前記聴取位置で集音して得られた測定データに基づいて、制御帯域及び位相差を決定することを特徴とする請求項1に記載の音声再生装置。
- 前記一対のスピーカのうちの一方のスピーカは、前記複数の聴取位置を結ぶ線分に対して、前記一対のスピーカのうちの他方のスピーカと反対側に配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の音声再生装置。
- 前記2つの評価点は、前記聴取位置に位置する聴取者の2つの耳の位置に相当することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の音声再生装置。
- 前記音響空間は車両の車室であり、前記一対のスピーカは車室の右側又は左側に配置されたフロントスピーカ及びリアスピーカであり、前記複数の聴取位置は前記車室内の運転席及び助手席に相当し、前記2つの評価点は前記運転席及び助手席に位置する聴取者の左右の耳の位置に相当することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の音声再生装置。
- 音響空間内の2つの評価点を有する複数の聴取位置に対して前後に配置された一対のスピーカを備える音声再生装置により実行される音声再生方法であって、
音声信号を受け取る入力工程と、
前記音声信号の位相を制御し、前記一対のスピーカに供給する位相制御工程と、を有し、
前記位相制御工程は、前記複数の聴取位置の各々について、2つの評価点における再生音レベルの和が、前記一対のスピーカのうちの一方のスピーカのみで前記音声信号を再生した場合よりも大きくなるように制御帯域及び位相差を決定し、前記一対のスピーカに供給する音声信号を制御することを特徴とする音声再生方法。 - 音響空間内の2つの評価点を有する複数の聴取位置に対して前後に配置された一対のスピーカを備える音声再生装置により実行される音声再生プログラムであって、
音声信号を受け取る入力手段、
前記音声信号の位相を制御し、前記一対のスピーカに供給する位相制御手段、として前記音声再生装置を機能させ、
前記位相制御手段は、前記複数の聴取位置の各々について、2つの評価点における再生音レベルの和が、前記一対のスピーカのうちの一方のスピーカのみで前記音声信号を再生した場合よりも大きくなるように制御帯域及び位相差を決定し、前記一対のスピーカに供給する音声信号を制御することを特徴とする音声再生プログラム。
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