JPWO2014112235A1 - 磁気共鳴イメージング装置及びそのタイミングずれ検出方法 - Google Patents

磁気共鳴イメージング装置及びそのタイミングずれ検出方法 Download PDF

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Abstract

傾斜磁場方向の正側のサブコイルと負側のサブコイルを別の電源で並列駆動しで傾斜磁場を発生させる磁気共鳴イメージング装置にて、正側と負側の駆動タイミングのずれを、付加的な装置を用いることなく精度良く検出する。問題とする傾斜磁場と同一方向のスライス傾斜磁場パルス201、リードアウト傾斜磁場パルス206を持つ複数種類のタイミングずれ検出用パルスシーケンスを実行して傾斜磁場の正側のスライスのエコーと負側のスライスのエコーを撮影し、相互の演算により他の要因による位相回りを排除して正側の投影像と負側の投影像との位相差を導出し、位置に対する位相差の傾きから傾斜磁場発生の正側のサブコイルと負側のサブコイルの駆動タイミングずれを検出する。

Description

本発明は、磁気共鳴イメージング技術に関する。特に、傾斜磁場コイルを駆動する電源のタイミングずれを検出し、これを調整する手法に関する。
磁気共鳴イメージング(MRI)装置は、静磁場に置かれた被検体に高周波磁場、傾斜磁場を印加し、核磁気共鳴により被検体から発生する信号を計測し、画像化する医用画像診断装置である。
傾斜磁場は、被検体が置かれた空間に一次元の磁場強度分布を生じさせるものであり、位置情報を信号に付与するために用いられる。傾斜磁場発生装置は、通常、コイルとそれを駆動する電源から成る。3次元の位置情報を付与する必要があるため、直交3軸(x, y, z)にそれぞれ独立に傾斜磁場が印加されるよう、3組のコイルと電源が用意される。
撮影に必要な傾斜磁場を発生させるには非常に高出力の電源が必要であるため、低出力のものを組み合わせて並列駆動させる方法がある(例えば、特開平9-94244参照)。この方法では、各軸のコイルを複数のサブコイルに分割して構成することにより、各軸のコイルを複数の電源で分担して駆動できる。したがって個々には低出力の電源を採用しても十分な傾斜磁場を発生させることが可能となる。
複数の電源を用いて駆動する場合に問題となるのが、各電源の出力のタイミングがずれることである。タイミングずれの原因の主なものとして、各電源の特性のばらつきとサブコイルのインピーダンスの違いが挙げられる。こうしたタイミングのずれがあると、撮影した画像にアーチファクトやゆがみが発生する。そのため、各電源の同期が完全にとれるよう調整する必要がある。
同期をとるための方法として、電源の入力波形の時間をシフトさせるための遅延回路を用いた調整方法がある。サブコイルに流れる電流波形を電流計を用いて計測し、各電流波形の差分波形がゼロになるように調整する方法や、ボア内の中心位置において静磁場強度をモニタしながらそれが変化しないように調整する方法がある(例えば、特開平9-94244参照)。
特開平9-94244号公報
傾斜磁場コイルをサブコイルに分割する分割法は種々のものがある。その中で最も問題となるのは、傾斜磁場の軸上の正側の位置に発生磁場分布の極大を持ち、傾斜磁場の極性が正の場合に静磁場を増強する磁場を発するサブコイル、もしくはサブコイル群と、傾斜磁場の軸上の負側の位置に発生磁場分布の極大を持ち、傾斜磁場の極性が正の場合に静磁場を減弱する磁場を発するサブコイル、もしくはサブコイル群とで分割して駆動する場合である。前者を正側のサブコイル、後者を負側のサブコイルと呼ぶ。対をなす正側のサブコイルと負側のサブコイルとの間の駆動タイミングのずれにより、撮像した画像にアーチファクトが生じる。このタイミングずれによるアーチファクトの大きさは、主にリードアウトのサンプリング間隔に依存する。例えば、時間ずれが5サンプル程度であると画像の位相にひずみが現れ、10サンプル程度になると輝度にも変化が現れる。MRIにおいて最短のサンプリング間隔は数マイクロ秒程度であるため、タイミングずれを10マイクロ秒程度以下に抑える必要がある。
上述の時間調整方法では、時間ずれが小さくなると差分波形や磁場強度変化も小さくなり、ノイズと同レベルになるため、10マイクロ秒程度の短時間のずれを検出するのは困難である。また、ボア内の中心位置を精度良く検出するのは困難であるという問題がある。コイルに流れる電流を計測するための大容量の電流計や、静磁場強度を計測するための磁場計を別途用意する必要がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、傾斜磁場コイルをサブコイルに分割し、正側のサブコイルと負側のサブコイルとで個別の電源を用いて並列駆動させる場合に、上記個別の電源の出力タイミングずれを付加的な計測装置を必要としないで精度良く検出する技術を提供することを目的とする。また本発明は、更に上記個別の電源の出力タイミングずれを無くして、タイミングずれに起因する画像の位相歪みを排除する調整を、付加的な計測装置を用いずに行う技術を提供することを目的とする。
本発明の代表的構成では、傾斜磁場の正側と負側の投影像を用いて時間ずれを検出する。時間ずれがある場合、正側と負側の投影像の位相に変化が生じる。その位相の差分から時間ずれを検出する。
具体的には、問題とする傾斜磁場と同一方向のスライス傾斜磁場パルス及びリードアウト傾斜磁場を持つ特有のタイミングずれ検出用パルスシーケンスを用いる。特に、励起周波数を静磁場強度に相当するラーモア周波数からプラスシフトしたパルスシーケンスと、マイナスシフトしたパルスシーケンスによりそれぞれの計測を行い、もって上記傾斜磁場の正側位置と負側位置の2つのスライス内のスピンをそれぞれ反映する2つの投影像を得る。演算手段では、それら2つの投影像間の位置を合わせて位相差をとり、位相差の位置に対する傾きを求める。さらに、上記検出用パルスシーケンスによる撮像は、正側のサブコイル、負側のサブコイルのうちの一方の駆動タイミングを所定時間幅づつ変化させて複数回実施する。演算手段では、その複数回の撮像の各々の結果から2つの投影像間の位相差の位置に対する傾き求め、それら傾きの値から位相差の傾きがゼロに対応する時間ずれを算出する。具体的には上記一方のサブコイルの駆動タイミングの変化と、2つの投影像間の位相差の傾きとの2次元空間に各回の撮像結果から得た2つの投影像間の位相差の傾きの値をプロットして1次関数フィッティングを行い、位相差の傾きの値がゼロに対応する駆動タイミング変化量を推定する。つまり、調整前の正、負のサブコイル間の駆動タイミングずれを算出する。
正側サブコイル、負側サブコイルの駆動タイミングずれは傾斜磁場の立ち上がり波形、及び立ち下がり波形の設計からのずれとなる。特に、リードアウト傾斜磁場パルスの立ち上がり波形の設計からのずれはエコーの出現時間のシフトの原因となる。エコーを逆フーリエ変換して得る投影像では、このずれは投影された位置に対する1次の位相変化として現れる。一方、エコー信号受信のサンプリングタイミングのずれも、同様にエコーの投影像で、位置に対する1次の位相変化として現れる。上記のタイミングずれ検出用パルスシーケンスにより、それぞれ傾斜磁場の正側のスライスを反映する投影像と、負側のスライスを反映する投影像とを得ると、サンプリングタイミングのずれに起因する1次の位相変化は、2つの投影像の間で全く等価に現れる。これに対し、傾斜磁場の正、負の駆動タイミングずれに起因する1次の位相変化は、前記傾斜磁場の正側のスライスを反映する投影像と、負側のスライスを反映する投影像とで極性が逆になる。したがって上記のように、タイミングずれ検出用パルスシーケンスにより、それぞれ傾斜磁場の正側のスライスを反映する投影像と、負側のスライスを反映する投影像とを得て、それら2つの投影像間の位置を合わせて位相差をとり、位相差の位置に対する傾きを求めることで、信号のサンプリングタイミングのずれに起因する位相回りがキャンセルされ、傾斜磁場の正、負の駆動タイミングずれに相当する位相回りが正しく抽出できる。
以上に述べた範囲での本発明の手法では、スピンエコーの投影像に混入する信号サンプリングタイミングのずれに起因する位相回りを相殺して、傾斜磁場の正、負の駆動タイミングずれに相当する位相回りを抽出し、その傾斜磁場の正、負の駆動タイミングずれの量を導出する。しかし、詳細に検討すると、位置に対する1次の位相変化だけでなく、プローブ特有の位相分布、また静磁場不均一に起因する位相分布もそれぞれの投影像に混入し、厳密にはこれらの位相分布が傾斜磁場の正、負の駆動タイミングずれに相当する位相回りの抽出を阻害することが判明した。そこで、更に検討を進めた本発明の手法では、負のスライス傾斜磁場とマイナスシフトした励起周波数とを組み合わせたパルスシーケンス、正のスライス傾斜磁場とプラスシフトした励起周波数との組み合わせたパルスシーケンスでそれぞれ正側位置のスライス内のスピンを反映する投影像を取得し、それら投影像同志の差分(第1の差分)を算出する。また正のスライス傾斜磁場とマイナスシフトした励起周波数との組み合わせたパルスシーケンス、負のスライス傾斜磁場とプラスシフトした励起周波数とを組み合わせたパルスシーケンスでそれぞれ負側位置のスライス内のスピンを反映する投影像を取得し、それら投影像同志の差分(第2の差分)を算出する。上記第1の差分を算出する2つの投影像は、互いに同一の正の位置のスライスのスピンを反映する投影像である。したがって、両者の差分演算をおこなうことにより、プローブ特有の位相分布及び静磁場不均一による位相回りは相殺される。同様に、上記第2の差分を算出する2つの投影像は、互いに同一の負の位置のスライスの投影像なので、差分演算によりプローブ特有の位相分布及び静磁場不均による位相回りは相殺される。そうして、この第1の差分と第2の差分のスライス位置を合わせて位相差を求める位相差算出法を採用し、上記代表例と同様に、正側のサブコイル、負側のサブコイルのうちの一方の駆動タイミングを所定時間幅づつ変化させて撮像を複数回実施し、その複数回の撮像の各々の結果における、上記正位置のスライスの投影像同志の第1の差分と、上記負位置のスライスの投影像同志の第2の差分との間の位相差の位置に対する傾きそれぞれ求め、それら傾きの値から位相差の傾きがゼロに対応するタイミングずれ、すなわち、調整前の正側、負側のサブコイル間の駆動タイミングずれを算出する。このように、より検討を進めた本発明の手法では、4つの投影像それぞれに混入している信号サンプリングのタイミングのずれによる1次の位相変化、プローブ固有の位相分布による位相回り、及び静磁場強度の不均一による位相回りを全てキャンセルして、正側、負側のサブコイル間の駆動タイミングずれを高精度で検出する。
本発明によれば、パルスシーケンスの実行による投影像の撮影と、投影像の処理によってタイミングずれを検出するため、付加的な計測装置が不要であり、精度良くタイミングずれを検出できる。
本発明の実施形態のMRI装置の概略構成を示すブロック図である。 上記実施形態のブロック102,105,112の詳細構成を示すブロック図である。 上記実施形態における傾斜磁場コイルの構造を示す斜視図である。 上記実施形態における傾斜磁場コイルの傾斜磁場強度分布を示す図である。 傾斜磁場コイルの他の一例を示す斜視図である。 上記実施形態におけるタイミングずれ検出用パルスシーケンスを示す図である。 タイミングずれ検出用パルスシーケンスの他の一例を示す図である。 上記実施形態におけるエコーの計測順序を示す図である。 上記実施形態における撮影対象の一例を示す図である。 上記実施形態の処理経過過程における投影像と位相差とを示す図である。 上記実施形態のパルスシーケンスで得る投影像間の位相差の傾きと一方のサブコイルの駆動タイミング遅延の関係を示す図である。 上記実施形態によるサブコイルの駆動タイミングずれ計測を説明するための図である。 上記実施形態のサブコイルの駆動タイミングずれ調整の操作画面を説明するための図である。
<<第一の実施形態>>
以下、本発明を適用する第1の実施形態について説明する。以下、本発明の実施形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
まず、本実施形態のMRI装置について説明する。図1は、本実施形態のMRI装置100の概略構成を示すブロック図である。MRI装置100は、静磁場を発生するマグネット101と、傾斜磁場を発生する傾斜磁場コイル102と、シーケンサ104と、傾斜磁場電源105と、高周波磁場発生器106と、高周波磁場を照射するとともに核磁気共鳴信号を検出するプローブ107と、受信器108と、計算機109と、ディスプレイ110と、記憶媒体111とを備える。被検体(例えば、生体)103はマグネット101の発生する静磁場空間内の寝台(テーブル)に載置される。また、シーケンサ104は、傾斜磁場電源105と高周波磁場発生器106に命令を送り、それぞれ傾斜磁場および高周波磁場を発生させる。高周波磁場は、プローブ107を通じて被検体103に印加される。被検体103から発生した核磁気共鳴信号はプローブ107によって受波され、受信器108で検波が行われる。検波の基準とする核磁気共鳴周波数(検波基準周波数f0)は、シーケンサ104によりセットされる。検波された信号は、計算機109に送られ、ここで画像再構成などの信号処理が行われる。その結果は、ディスプレイ110に表示される。必要に応じて、記憶媒体111に検波された信号や測定条件を記憶させることもできる。
本実施形態のMRI装置100では、後述するシーケンサ104からの命令(傾斜磁場パルス波形)は、時間調整回路112を通して傾斜磁場電源105へと入力され、傾斜磁場コイル102が駆動される。傾斜磁場コイルはx軸(102-1)、y軸(102-2)、z軸(102-3)の3方向に巻かれたコイルからなり、3軸方向の傾斜磁場Gx、Gy、Gzが生成される。
各軸の傾斜磁場コイルは、正側に配置されるコイル(102-11と102-12、102-21と102-22、102-31と102-32)と負側に配置されるサブコイル(102-13と102-14、102-23と102-24、102-33と102-34)の2個のサブコイルからなる。傾斜磁場コイルの例を図3と図4に示す。
図3は、本実施形態のMRI装置のx軸方向の傾斜磁場コイルの一例である。本実施態様のMRI装置は垂直磁場タイプであり、水平面と垂直なz軸は静磁場の方向と一致している。サブコイル102-11と102-12はx軸の正側に配置されており、図2に示すように同じ電源105-11で駆動される。傾斜磁場の極性が正の場合の電流の向きは矢印に示すとおりである。同様に、サブコイル102-13と102-14はx軸の負側に配置されており、同じ電源105-13で駆動される。
図3のx軸方向の傾斜磁場コイルにより発生される傾斜磁場のx軸上の分布を図4に示す。図4で、正側のサブコイル102-11と102-12からは静磁場を増強する向きの磁場が発生する。その磁場の強度分布は121で示され、傾斜磁場原点(0,0,0)からプラスx方向に偏った位置で強度が最大になる。負側のサブコイル102-13と102-14からは静磁場を減弱する向き、つまり静磁場と逆向きの磁場が発生する。その磁場の強度分布は122で示され、傾斜磁場原点からマイナスx方向に偏った位置で強度が最大になる。正側と負側のサブコイルを同時に図3に矢印で示した電流で駆動すると、両方のサブコイルの合成磁場が得られ、x軸に沿って一定の勾配で磁場強度が変化する傾斜磁場分布123となる。
y軸方向の傾斜磁場コイル102-2、およびz軸方向の傾斜磁場コイル102-3は、形状はそれぞれ異なるが仕組みは上記したx軸方向の傾斜磁場コイルとほぼ同様である。すなわち、正側のサブコイルもしくはサブコイル群と、負側のサブコイルもしくはサブコイル群とは、静磁場を増強する向き、静磁場を減弱する向き、と互いに逆向きの磁場を発生し、互いの磁場強度分布を異ならせている。これにより、正側のサブコイルもしくはサブコイル群と負側のサブコイルもしくはサブコイル群とを同時に駆動した時には、所望の軸に沿った磁場強度の勾配を持つ傾斜磁場を発生する。なお、図5は本実施態様と異なる水平磁場タイプのMRI装置のy軸方向の傾斜磁場コイルの一例である。静磁場の方向であるz軸は水平である。サブコイル102-21と102-22はy軸の正側に配置され、サブコイル102-23と102-24はy軸の負側に配置されている。これらサブコイルは矢印に示す電流で駆動されて、静磁場の強度にy軸に沿った勾配を付与する傾斜磁場(y方向傾斜磁場)を発する。
シーケンサ104は、通常、予めプログラムされたタイミング、強度で各装置が動作するように制御を行う。プログラムのうち、特に、高周波磁場、傾斜磁場、信号受信のタイミングや強度を記述したものはパルスシーケンスと呼ばれる。このパルスシーケンスに従う傾斜磁場のオン・オフ制御信号は、3軸方向のそれぞれに、また更に正側サブコイル群用と、負側サブコイル群用とに別々に設けられた傾斜磁場電源105-11、105-12、105-21、105-22、105-31、105-32に個別に供給される。シーケンサ104からそれぞれの傾斜磁場電源へ至る制御信号の経路にはそれぞれ時間調整回路112-11、112-12、112-21、112-22、112-31、112-32が挿入されている。この構成により、各軸方向の傾斜磁場を合成により発生する正側サブコイルと負側サブコイルの間の実効駆動タイミングのずれが調整可能となっている。
傾斜磁場の正側、負側の駆動タイミングずれは、正側サブコイルと負側サブコイルの間、各電源間、各信号経路間など様々な箇所の特性のばらつきが原因である。その正側、負側の駆動タイミングずれは、傾斜磁場の立ち上がり波形、及び立ち下がり波形の設計からの変形となる。特に、リードアウト傾斜磁場パルスの立ち上がり波形の設計からの変形はエコーの出現時間のシフトの原因となる。エコー計測信号を逆フーリエ変換して得る投影像では、このタイミングずれはスライス像が投影される位置に対する1次の位相変化として現れる。リードアウト傾斜磁場以外の傾斜磁場パルスでも、その立ち上がり波形、及び立ち下がり波形の設計からの変形は、不要な位相回りを引き起こすので、画像劣化の要因となる。したがって、傾斜磁場を合成により発生する正側サブコイルと負側サブコイルの間の駆動タイミングのずれは精密に計測してゼロに調整する必要がある。本実施形態のMRI装置100では、上記各軸の正側サブコイルと負側サブコイルの駆動タイミングずれを検出するためのパルスシーケンスを備える。
本実施形態の計算機109は、タイミングずれ検出用パルスシーケンスに従って核磁気共鳴信号(エコー)を計測することをシーケンサ104に指示し、計測されたエコーを逆フーリエ変換して投影像を作成する投影像計測部と、投影像から時間ずれを検出するタイミングずれ検出処理部を備える。これらの各機能は、記憶媒体111に格納されたプログラムを、計算機109のCPUがメモリにロードして実行することにより実現される。
本実施形態のMRI装置100で、傾斜磁場の各軸のタイミングずれを計測するパルスシーケンスについて説明する。
図6は、グラディエントエコーを用いてx軸方向の傾斜磁場の駆動タイミングずれを計測するためのパルスシーケンスである。本図において、RFは高周波磁場波形であり、Gxはタイミングずれを計測する対象の軸(ここではx軸)の傾斜磁場波形である。y軸方向、z軸方向の傾斜磁場は、Gy,Gzに示すとおり発生しない。このパルスシーケンスでは、まず、計測対象の軸方向(x方向)のスライス傾斜磁場パルス201の印加とともにプロトン共鳴周波数fhの高周波磁場(RF)パルス202を照射し、対象物体内の、所定のスライスのプロトンを励起する。そして、スライスリフェーズ傾斜磁場パルス203とリードアウト方向(x方向)の位置情報を付加するためのディフェーズ用リードアウト傾斜磁場204を印加した後、リードアウト傾斜磁場パルス206を印加しながらA/D変換し(期間207)、磁気共鳴信号を計測する。このようにリードアウト傾斜磁場パルスでも、スライス傾斜磁場パルスと同様に、計測対象の軸(ここではx軸)の方向の傾斜磁場を用いるのが本パルスシーケンスの特徴である。
タイミングずれ検出用パルスシーケンスとして、スピンエコーを発生、計測するシーケンスを用いることもできる。図7はその一例であり、図6と同様にx軸の傾斜磁場の駆動タイミングずれを計測するためのパルスシーケンスである。このパルスシーケンスでは、まず、x方向のスライス傾斜磁場パルス201の印加とともにプロトン共鳴周波数fhの高周波磁場(RF)パルス202を照射し、対象物体内の、所定のスライスのプロトンを励起する。そして、スライスリフェーズ傾斜磁場パルス203とリードアウト方向(x方向)の位置情報を付加するためのディフェーズ用リードアウト傾斜磁場204を印加した後、180度パルス205を照射する。そして、リードアウト傾斜磁場パルス206を印加しながらA/D変換し(期間207)、1個のエコーを計測する。
投影像計測部は、図6あるいは図7のパルスシーケンスを4回繰り返して4個のエコーを計測し、各エコーを逆フーリエ変換して4個の投影像を作成する。4個のエコーを計測するにあたって、スライス傾斜磁場と励起周波数、リードアウト傾斜磁場を図8に示すように変化させる。すなわちエコー番号1の計測は、x方向のスライス傾斜磁場201の極性が負であり励起用RFパルス202の周波数が静磁場でのプロトン共鳴周波数に対してマイナスにシフトさせた周波数で行われる。よって励起されるスライス位置は傾斜磁場の原点からプラスx方向に距離x1シフトしている。リードアウト傾斜磁場206の極性は正である。図6または図7のシーケンスで傾斜磁場Gxの波形を細線で示した波形としたシーケンスがこれに当たる。
エコー番号2の計測はスライス傾斜磁場パルス201の極性が正、励起用RFパルス202の周波数がマイナスシフトで行われる。よって励起されるスライス位置は傾斜磁場の原点からマイナスx方向にx1シフトしている。リードアウト傾斜磁場206は負となり、図6または図7にて傾斜磁場Gxの太線で示す波形としたシーケンスがこれに当たる。エコー番号3の計測はスライス傾斜磁場パルス201の極性が正、励起用RFパルス202の周波数がプラス方向シフトで行われる。よってスライス位置はプラスx方向にシフトし(+x1)、リードアウト傾斜磁場206の極性は負である。エコー番号4の計測は、スライス傾斜磁場パルス201の極性が負、励起用RFパルス202の周波数がプラス方向シフトで行われる。よってスライス位置はマイナスx方向にシフトし(-x1)、リードアウト傾斜磁場206は正である。 このようにスライス傾斜磁場の極性と励起周波数を変化させて、x軸の正の位置+x1のスライスを励起した計測を2回実行し、x軸の負の位置-x1のスライスを励起した計測を2回実行する。計測の順序は任意でよい。ただし、同じ位置を連続して励起する場合には、磁化が平衡状態になるまでの待ち時間が必要になる。これに対して、図8に示すような順番で計測を行い、正の位置と負の位置を交互に励起するようにすれば、待ち時間を半分にすることができるため、計測時間を短縮させることが可能である。その他の主な撮影パラメータは、視野400 mm、スライス位置±100 mm、スライス厚20 mm、TR/TE 1000/10 ms、サンプリング点数512である。
タイミングずれ検出用パルスシーケンスを用いて撮影した4個の投影像を用いて傾斜磁場の駆動タイミングずれを検出する手順について説明する。
撮影対象は例えば直径300 mmの球形状をした水ファントム230とし、傾斜磁場の原点付近に設置する。図9は、この水ファントムのz = 0における断面の画像である。本実施例のタイミングずれ検出処理では、後に説明するように傾斜磁場発生用の正側、負側のサブコイルの駆動タイミングずれの検出に投影像の位相を用いている。そのため、正側と負側とで信号強度が異なっていても問題とはならないため、撮影対象の設置精度は重要ではない。タイミングずれ検出用パルスシーケンスによって励起されるスライスの位置±x1は±100 mmであり、図9に231と232として示されている。その撮像対象は、上記の水ファントムなど一様なプロトンの分布を持つものに限らない。形状も球形である必要はなく、選択された正、負のスライス位置の範囲に十分なプロトンが存在する撮像対象であれば良い。
この撮影対象に対して、タイミングずれ検出用パルスシーケンスを用いてエコー番号1から4までの4個のエコーを計測し、それぞれを逆フーリエ変換してx方向の投影像を作成する。エコー計測順序は図8のとおりである。
傾斜磁場の正側、負側の駆動タイミングがずれると傾斜磁場パルス波形の立ち上がり、立ち下りの変形が起こり、エコーが時間的にシフトする。その影響はエコーの投影像が投影される座標の位置に対する1次の位相変化として現れる。図6もしくは図7に示した本実施例のx方向の傾斜磁場の駆動タイミングずれを検出するパルスシーケンスでは、スライス傾斜磁場パルス202とリードアウト傾斜磁場206の双方での、正側、負側の駆動タイミングずれがエコーの投影像の位相に影響する。それぞれスライス傾斜磁場パルスの駆動タイミングずれによる投影像の位相変化をθS+,-とし、リードアウト傾斜磁場パルスの駆動タイミングずれによる投影像の位相変化をθR+,-とすると、両者は式(1)のように表せる。
Figure 2014112235
つまり、θS+,-とθR+,-のいずれもx方向の傾斜磁場を合成により発生する正側のサブコイルと負側のサブコイルの間の実効的な駆動タイミングずれΔtGC+,-に比例する。
傾斜磁場パルスの極性を反転すると時間ずれによる位相まわりが反転する。また、原点から等距離(±x1)の正側と負側では、正側サブコイルからの磁場と負側サブコイルからの磁場との強度の比率がちょうど反転する。以下の時間ずれ検出処理では、このことを用いて、静磁場不均一や受信コイルの位相分布など、正側のサブコイルと負側のサブコイルの駆動タイミングずれ以外の要因を除去しながら位相と時間ずれの関係を明らかにする。
さて、時間ずれ検出用パルスシーケンスによって計測された4個の投影像の位相は式(2)のようになる。
Figure 2014112235
左辺は例えばθ+x1+Gr(x)は、スライス位置+x1を励起して正のリードアウト傾斜磁場で計測した投影像の位置xにおける位相である。各投影像の位相は、プローブ固有の位相分布θRF(x)、静磁場不均一による位相分布ΔB(x)、A/D期間のずれによる位相回りθAD、正側、負側の傾斜磁場サブコイルの駆動のタイミングずれ(delay)による位相回りθ+及びθ-、並びに、位置に依存しない位相オフセットcの和あるいは差となっている。スライス位置が正の場合は正側のサブコイルからの磁場の強度が負側のサブコイルの磁場の強度よりも強いため、負側のサブコイルのタイミングずれの影響は小さい。そこで、負側のタイミングずれによる位相まわりに1より小さい係数αを乗じている。
まず、各投影像に含まれるプローブ固有の位相分布と静磁場不均一による位相分布を除去するため、エコー番号1と3の投影像同志の差分と、エコー番号4と2の投影像同志の差分をそれぞれ式(3)のように求める。
Figure 2014112235
ここで、θ+x1(x)は正側(+x1)のスライスのスピンを反映するエコー番号1と3の投影像同志の差分の位相を示し、θ-x1(x)は負側(−x1)のスライスのスピンを反映するエコー番号4と2の投影像同志の差分の位相を示す。式(3)の右辺で分かるように、この二つの差分では、プローブ固有の位相分布及び静磁場不均一による位相分布はそれぞれ相殺されている。 次に、A/D期間のずれによる位相回りを除去するため、式(3)の2つの差分の相互の位相差を求める。このとき、2つの差分の間で励起位置が異なるため、まず、式(4)のように、式(3)の2番目の式で示される負側のスライスの投影像同志の差分のスライス位置-x1を+2x1だけ平行移動させ、つまり式(3)の1番目の差分のスライス位置+x1に合わせる。
Figure 2014112235
そして、式(5)に示すように両者の位相差を求める。
Figure 2014112235
式(5)より、両者の位相差は位置xに対して1次関数的に変化し、その傾きは正側サブコイルの遅延時間(delay)と負側サブコイルの遅延時間(delay)の差ΔtGC+ - ΔtGC-に比例する。従って、正側と負側の駆動タイミングずれを求めるには、片側の遅延時間を変化させながら位相差の傾きを求め、位相差の傾きがゼロになる遅延時間の変更幅を求めれば良い。
以上の処理を遅延時間(delay)を変化させて行った結果を図10と図11に示す。図10は、正側のdelayを0μs、10μs、20μsとした場合のエコーと投影像、位相差(式(5)の結果)である。エコーと投影像は4個を重ねて表示しており、エコーは同じスライス位置のものが重なりあい、投影像はリードアウト傾斜磁場を正負に変えたものが重なり合っているため、それぞれ2個だけが表示されているように見える。+x1付近の位相差241から243の傾きは、正側の遅延時間が大きくなるにつれて大きくなっていることがわかる。この傾きをdelayに対してプロットしたグラフが図11である。図11より位相差の傾きはdelayに比例していることがわかる。
次に、実際にdelayを推定した例を図12に示す。図12は、正側のdelayが30μsの場合に、正側のdelayを±10μs変化させて合計3回位相差の傾きを測定した結果である。delayの変化に比例して位相差の傾きは変化している。この3点を1次関数フィッティングした結果、位相差の傾きがゼロとなるx軸との交点の値は-29.92μsとなった。すなわち、正側のdelayを-29.92μs変化させると正側と負側のdelayの差をなくすことができる。
こうして求められた時間ずれ補正値-29.92μsは、時間調整回路112-11に設定される。これにより、シーケンサ104から発生された傾斜磁場パルス波形の時間が調整され、正側と負側とで同じタイミングで傾斜磁場が発生される。
以上の実施例では、x軸を例に説明したが、y軸、z軸についても同様に時間ずれを測定し、設定することができる。
以上説明したような傾斜磁場の時間ずれの調整を装置上で実施する際の操作画面の一例300を図13に示す。操作画面はx、y、zの3軸それぞれについて同様に構成されている。各軸はタブ301から303によって切り替えることができる。各軸の操作画面には調整開始ボタン304と調整結果画面305が表示されている。調整開始ボタンを押すと、上述の方法に従ってあらかじめ設定されたdelay変更値について位相差の傾きが測定されて1次関数フィッティングされ、調整値が求められる。その結果が調整結果画面305に表示される。調整結果画面には、位相差の傾きの測定点306と1次関数フィッティング結果307、調整値308が表示されている。調整値は自動的に時間調整回路に設定される。
位相差の傾きを測定する回数が多いほどノイズの影響を受けにくくなり、1次関数によるフィッティングの精度が向上する。その結果、求められるdelayの精度も向上する。ただし、測定に要する時間が長くなるため、通常は5回から10回程度とすれば十分である。
以上の実施例では、delayを変化させて位相差の傾きを複数回測定したが、1個の位相差の傾きから時間ずれを求めることも可能である。例えば、傾斜磁場コイルを設計した時点でのαを用いることにより、式(5)を変形させた式(6)から時間ずれを直接計算することができる。
Figure 2014112235
すなわち、式(6)の傾きをaと置くと、式(7)のように、時間ずれの差ΔtGC+ - ΔtGC-はaとスライス傾斜磁場の強度、サンプリングレート、視野、αから計算することができる。
Figure 2014112235
反対側のサブコイルによる磁場への寄与は、図4のように、原点から離れるほど小さくなる。そのため、スライス位置は、傾斜磁場がリニアな領域内(図4の例では±300mm程度まで)でできるだけ原点から離した方が、時間ずれの検出精度を高くすることができる。
上述の例では±100 mmでも十分な精度が得られている。
各スライスの厚さは時間ずれの検出精度に影響を与える。反対側のサブコイルによる磁場への寄与は原点ほど大きいため、スライス厚を厚くして原点に近づくと正負のサブコイルによる磁場への寄与は、位置によって変化する。そのため、スライス厚を厚くすると時間ずれの検出精度が低下する。また、スライス厚を薄くすると信号対ノイズ比(SN比)が低下するため、時間ずれの検出精度が低下する。本実施例では、十分なSN比が得られる20 mmとしたが、SN比が不足する場合には40 mm程度まで厚くしても良い。
以上説明したように、本実施形態によれば、正側と負側の傾斜磁場サブコイルを別の電源で並列駆動させる場合の駆動タイミングずれを、正側と負側の投影像の位相に生じる変化の差分から検出する。これにより、A/D期間のずれの影響を除去して駆動タイミングずれを精度良く検出することができる。また、傾斜磁場パルスの符号を反転させて計測した投影像の位相差分を用いることにより、プローブの位相分布や静磁場不均一の影響を除去して駆動タイミングずれを精度良く検出することができる。また、パルスシーケンスの実行による投影像の撮影と、投影像の処理によって駆動タイミングずれを検出するため、付加的な計測装置が不要である。
<<実施形態の変形例>>
上述の第一の実施態様では、4種類のタイミングずれ検出用パルスシーケンスでそれぞれエコーを計測し、それぞれの投影像の位相に混入するプローブ固有の位相分布及び静磁場不均一による位相分布、並びに受信信号のA/D期間のずれによる位相回りを順次相殺する処理を行っていた。前者のプローブ固有の位相分布及び静磁場不均一が小さく、傾斜磁場サブコイルの駆動タイミングのずれの検出に与える影響が小さい場合には、これらを相殺する処理を省略した、より簡単な計測法を用いることが可能である。
このような変形例のひとつでは、図8にエコー番号1〜4で示した4種類のパルスシーケンスの内、エコー番号1の計測用とエコー番号4の計測用のパルスシーケンスのみを用いる。すなわち、スライス傾斜磁場の極性は負、励起周波数は静磁場強度におけるラーモア周波数からマイナスシフトした周波数のパルスシーケンスにより、傾斜磁場の正側位置+x1のスライス内のスピンを反映したエコー番号1のエコーを計測する。また、スライス傾斜磁場の極性は負、励起周波数はラーモア周波数からプラスシフトした周波数のパルスシーケンスにより、傾斜磁場の負側位置-x1のスライス内のスピンを反映したエコー番号4のエコーを計測する。なお、ここで用いる時間ずれ検出用パルスシーケンスは、先に図6に示したグラディエントエコーを発生させて計測するシーケンスでも、図7に示したスピンエコーを発生させて計測するシーケンスでも良い。
それぞれの計測信号を逆フーリエ変換して得る投影像の位相は、それぞれ式(2)のθ+x1+Gr(x)、θ-x1+Gr(x)のとおりである。両投影像のスライス位置は2・x1ずれているので、エコー番号4の投影像をx軸方向に2・x1だけ移動してスライス位置を合わせる。移動後の2つの投影像の位相は式(8)に示すとおりである。
Figure 2014112235
両投影像は、移動前のスライス位置が異なるので、式(8)の1番目の式のプローブ固有の位相回りθRFの値、また静磁場不均一による位相回りΔBの値は、式(8)の2番目の式のプローブ固有の位相回りθRFの値、及び静磁場不均一による位相回りΔBの値とそれぞれ一致しない。しかしながら、これらの値が検出に影響しない程に小さいとすると、両投影像の差分処理によりこれらに位相回りは相殺されると考えて良く、差分処理により算出される位相差は式(9)で表される。
Figure 2014112235
すなわち、エコー番号4の投影像をx軸方向に2・x1だけ移動した後の差分処理を行うことにより、2つの投影像の位相に混入している信号のA/D変換のタイミングすれによる位相回りθADが相殺され、差分により得る位相差のx軸に対する傾きが正負の傾斜磁場サブコイルの駆動タイミングのずれに相当することが分かる。したがって、上述の第一の実施態様と同様に、正側のサブコイル、負側のサブコイルのうちの一方の遅延時間を所定時間幅づつ変化させて計測を複数回実施し、その複数回の計測の各々の結果から、エコー番号1の投影像と、エコー番号4の投影像の位置を移動したものとの間の位相差の位置に対する傾きそれぞれ求め、それら傾きの値から位相差の傾きがゼロに対応する遅延時間ずれ、すなわち、調整前の正、負のサブコイル間の駆動タイミングのずれを算出する。
以上に述べた計測法では、図8にエコー番号1〜4で示した4種類のパルスシーケンスの内、エコー番号1の計測用とエコー番号4の計測用のパルスシーケンスのみを用いていた。これとは別に、エコー番号1の計測用とエコー番号2の計測用のパルスシーケンスのみを用いて正、負のサブコイル間の駆動タイミングのずれを算出する変形例もある。すなわち、スライス傾斜磁場の極性は負、励起周波数は静磁場強度におけるラーモア周波数からマイナスシフトした周波数のパルスシーケンスにより、傾斜磁場の正側位置+x1のスライス内のスピンを反映した図8のエコー番号1のエコーを計測する。また、スライス傾斜磁場の極性のみを正に変えたパルスシーケンスにより、傾斜磁場の負側位置-x1のスライス内のスピンを反映したエコー番号2のエコーを計測する。ここでも、適用する検出用パルスシーケンスは、図6に示したシーケンス、図7に示したシーケンスのいずれでも良い。それぞれの計測信号を逆フーリエ変換して得る投影像のうちエコー番号2のエコーの投影像をx軸方向に2・x1だけ移動し、スライス位置を合わせる。その結果得られる2つの投影像の位相θ+x1+Gr(x)、θ-x1-Gr(x-2x1)は、式(10)で表せる。
Figure 2014112235
したがって、スライス位置合わせ後の上記2つの投影像を加算することにより、信号のA/D期間のずれによる位相回りθADが相殺される。
Figure 2014112235
投影像の加算の結果は式(11)となるので、プローブ固有の位相回りθRF、及び静磁場不均一による位相回りΔBは相殺される訳ではない。しかし、これらの値が検出に影響しない程に小さいと仮定すると、加算結果の位相のx軸に対する傾きが正負の傾斜磁場サブコイルの駆動タイミングのずれに相当すると言える。したがって、上述の第一の実施態様と同様に、正側のサブコイル、負側のサブコイルのうちの一方の駆動タイミングを所定時間幅づつ変化させて計測を複数回実施し、その複数回の計測の各々の結果から、エコー番号1の投影像と、エコー番号2の投影像の位置を移動したものとの加算結果の位相の位置に対する傾きそれぞれ求め、それら傾きの値から位相の傾きがゼロに対応する時間ずれ、すなわち、調整前の正、負のサブコイル間の駆動タイミングのずれを算出する。
以上に示した実施態様の変形例では、付加的な計測装置を用いずに、しかもより簡便な手順により、A/D期間のずれの影響を除去して正側と負側の傾斜磁場サブコイルの駆動タイミングずれを検出でき、この駆動タイミングずれを調整することが可能となる。
本発明により、傾斜磁場を並列駆動するMRI装置の駆動タイミングの調整が適正に精度良くできるようになり、MRI装置の高画質化、高い画質レベルの維持が可能になるため、本発明は広く利用されると期待される。
101:静磁場を発生するマグネット、102:傾斜磁場コイル、103:被検体、104:シーケンサ、105:傾斜磁場電源、106:高周波磁場発生器、107:プローブ、108:受信器、109:計算機、110:ディスプレイ、111:記憶媒体、112:時間調整回路

Claims (10)

  1. 所定の検査空間に所定方向の静磁場を発生する手段と、
    前記検査空間の磁場強度に直交3軸それぞれに沿った勾配をつけるための3方向の傾斜磁場を発生する傾斜磁場発生手段と、
    前記検査空間に置かれた被検体に高周波磁場を印加する手段と、
    前記3方向の傾斜磁場それぞれの発生、前記対象への高周波磁場の印加、及びそれらにより前記被検体から発生する磁気共鳴信号の受信を制御するシーケンサと、
    検出した磁気共鳴信号を処理する演算手段とを備える磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記傾斜磁場発生手段は、前記3方向の傾斜磁場の各々を合成により発生する正側のサブコイル及び負側のサブコイル、並びに、前記正側のサブコイルと前記負側のサブコイルのそれぞれに電流を供給する電源を有し、
    前記シーケンサは、前記3方向のうちの第1の方向の傾斜磁場を合成により発生する正側のサブコイルと負側のサブコイルとの駆動タイミングのずれを検出するための複数のパルスシーケンスであり、前記第1の方向のリードアウト傾斜磁場パルスの下で傾斜磁場原点から前記正側のサブコイル寄りにシフトした位置の第1スライスのエコー、及び前記負側のサブコイル寄りにシフトした第2スライスのエコーのいずれかをそれぞれ計測する複数のパルスシーケンスを実行し、
    前記演算手段では、前記複数のパルスシーケンスの各々で計測されるエコー信号をそれぞれ逆フーリエ変換して前記第1スライスの投影像、前記第2スライスの投影像を導出し、前記第1スライスの投影像と第2スライスの投影像の間の位相差を求め、該位相差の前記第1の方向に沿った位置に対する傾きをゼロにするために必要な前記正側のサブコイル、負側のサブコイルのいずれか一方の駆動タイミングの変更幅を算出して前記正側のサブコイルと負側のサブコイルとの駆動タイミングのずれとする
    ことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  2. 請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置において、
    前記シーケンサは、前記第1の方向のスライス傾斜磁場パルスと静磁場強度に対応するラーモア周波数からマイナスシフトした中心周波数の励起パルスとの同時印加で前記第1スライスのスピンを励起し、該スピンのエコーを前記リードアウト傾斜磁場パルスの下で計測する第1のパルスシーケンスと、該第1のパルスシーケンスに対して励起パルスの中心周波数を前記ラーモア周波数からプラスシフトした中心周波数を持つものに代え、もって前記第2スライスのスピンを励起し、該スピンのエコーを前記リードアウト傾斜磁場パルスの下で計測する第2のパルスシーケンスと実行し、
    前記演算手段は、前記第1、第2のパルスシーケンスで得られたエコー信号をそれぞれ逆フーリエ変換して前記第1、第2の投影像を導出し、前記投影像間の演算として、該第1、第2の投影像のスライス位置を合わせた後に両投影像の差分処理の演算を行う
    ことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  3. 請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置において、
    前記シーケンサは、前記第1の方向のスライス傾斜磁場パルスと静磁場強度に対応するラーモア周波数からシフトした中心周波数の励起パルスとの同時印加で前記第1スライスのスピンを励起し、該スピンのエコーを前記リードアウト傾斜磁場パルスの下で計測する第1のパルスシーケンスと、該第1のパルスシーケンスに対してスライス傾斜磁場パルスの極性およびリードアウト傾斜磁場パルスの極性を反転し、もって前記第2スライスのスピンを励起し、該スピンのエコーを反転したリードアウト傾斜磁場パルスの下で計測する第2のパルスシーケンスと実行し、
    前記演算手段は、前記第1、第2のパルスシーケンスで得られたエコー信号をそれぞれ逆フーリエ変換して前記第1、第2の投影像を導出し、前記投影像間の演算として、該第1、第2の投影像のスライス位置を合わせた後に両投影像の加算処理の演算を行うことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  4. 請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置において、
    前記シーケンサは、
    前記第1の方向で負極性のスライス傾斜磁場パルスと静磁場強度に対応するラーモア周波数からマイナスシフトした中心周波数の励起パルスとの同時印加で前記第1スライスのスピンを励起し、該スピンのエコーを正極性のリードアウト傾斜磁場の下で計測する第1のパルスシーケンスと、 前記第1の方向で正極性のスライス傾斜磁場パルスと静磁場強度に対応するラーモア周波数からマイナスシフトした中心周波数の励起パルスとの同時印加で前記第2スライスのスピンを励起し、該スピンのエコーを負極性のリードアウト傾斜磁場の下で計測する第2のパルスシーケンスと、
    前記第1の方向で正極性のスライス傾斜磁場パルスと静磁場強度に対応するラーモア周波数からプラスシフトした中心周波数の励起パルスとの同時印加で前記第1スライスのスピンを励起し、該スピンのエコーを負極性のリードアウト傾斜磁場の下で計測する第3のパルスシーケンスと、
    前記第1の方向で負極性のスライス傾斜磁場パルスと静磁場強度に対応するラーモア周波数からプラスシフトした中心周波数の励起パルスとの同時印加で前記第2スライスのスピンを励起し、該スピンのエコーを正極性のリードアウト傾斜磁場の下で計測する第4のパルスシーケンスとを実行し、
    前記演算手段は、前記第1のパルスシーケンスで得たエコーの投影像と前記第3のパルスシーケンスで得たエコーの投影像との第1の差分処理により、静磁場不均一に起因する位相回りを除去した前記第1のスライスの投影像を導出し、前記第4のパルスシーケンスで得たエコーの投影像と前記第2のパルスシーケンスで得たエコーの投影像との第2の差分処理により、静磁場不均一に起因する位相回りを除去した前記第2のスライスの投影像を導出し、前記第1の差分処理の結果と、前記第2の差分処理の結果におけるスライス位置を合わせた後に相互の差分処理を行って前記第1スライスの投影像と第2スライスの投影像の間の位相差を求める
    ことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  5. 請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置において、
    前記正側のサブコイルの電源、及び負側のサブコイルの電源に前記シーケンサからの制御信号をそれぞれ伝達する経路の各々に、各サブコイルの駆動波形に対する遅延時間を調整する時間調整手段を備え、
    前記シーケンサは、前記正側のサブコイル、負側のサブコイルの一方の駆動波形の遅延時間を複数とおり変更して前記正側のサブコイルと負側のサブコイルとの駆動タイミングのずれを検出するための複数のパルスシーケンスの実行を繰り返し、
    前記演算手段は、各遅延時間の値に対する前記第1スライスの投影像と第2スライスの投影像の間の位相差の傾きの関係を求め、前記傾きがゼロになる遅延時間を前記正側のサブコイルと負側のサブコイルとの駆動タイミングのずれとする
    ことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  6. 請求項5に記載の磁気共鳴イメージング装置において、前記演算手段が導出した前記正側のサブコイルと負側のサブコイルとの駆動タイミングのずれを前記時間調整手段に設定する手段をさらに備える
    ことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置
  7. 所定の検査空間に所定方向の静磁場を発生する手段と、
    前記検査空間の磁場強度に直交3軸それぞれに沿った勾配をつける3方向の傾斜磁場を、それぞれ正側のサブコイル及び負側のサブコイルの発生磁場の合成により発生する傾斜磁場発生手段と、
    前記検査空間におかれた被検体に高周波磁場を印加する手段と、
    前記3方向の傾斜磁場それぞれの発生、前記対象への高周波磁場の印加、及びそれらにより前記被検体から発生する磁気共鳴信号の受信を制御するシーケンサと、
    検出した磁気共鳴信号を処理する演算手段とを備える磁気共鳴イメージング装置における前記正側のサブコイルと負側のサブコイルとの駆動タイミングのずれを検出する方法であって、
    検出の対象となる前記正側のサブコイルと負側のサブコイルとで発生する第1の方向のリードアウト傾斜磁場パルスの下で、傾斜磁場原点から前記正側のサブコイル寄りにシフトした位置の第1スライス、及び前記負側のサブコイル寄りにシフトした第2スライスのエコーのいずれかをそれぞれ計測する複数のパルスシーケンスを実行し、
    前記演算手段で、前記複数のパルスシーケンスの各々で計測されるエコー信号をそれぞれ逆フーリエ変換して前記第1スライスの投影像、前記第2スライスの投影像を導出し、
    前記投影像の相互の演算により、前記第1スライスの投影像と第2スライスの投影像の間の位相差を求め、
    前記位相差の前記第1の方向に沿った位置に対する傾きをゼロにするために必要な前記正側のサブコイル、負側のサブコイルのいずれか一方の駆動タイミングの変更幅を算出し、前記正側のサブコイルと負側のサブコイルとの駆動タイミングのずれとする
    ことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置のタイミングずれの検出方法。
  8. 前記複数のパルスシーケンスは、前記第1の方向のスライス傾斜磁場パルスと静磁場強度に対応するラーモア周波数からマイナスシフトした中心周波数の励起パルスとの同時印加で前記第1スライスのスピンを励起し、該スピンのエコーを前記リードアウト傾斜磁場パルスの下で計測する第1のパルスシーケンスと、該第1のパルスシーケンスに対して励起パルスの中心周波数を前記ラーモア周波数からプラスシフトした中心周波数を持つものに代え、もって前記第2スライスのスピンを励起し、該スピンのエコーを前記リードアウト傾斜磁場パルスの下で計測する第2のパルスシーケンスと含み、
    前記演算手段は、前記第1、第2のパルスシーケンスで得られたエコー信号をそれぞれ逆フーリエ変換して前記第1、第2の投影像を導出し、前記投影像間の演算として、該第1、第2の投影像のスライス位置を合わせた後に両投影像の差分処理の演算を行う
    ことを特徴とする請求項7記載の磁気共鳴イメージング装置のタイミングずれの検出方法。
  9. 前記複数のパルスシーケンスは、前記第1の方向のスライス傾斜磁場パルスと静磁場強度に対応するラーモア周波数からシフトした中心周波数の励起パルスとの同時印加で前記第1スライスのスピンを励起し、該スピンのエコーを前記リードアウト傾斜磁場パルスの下で計測する第1のパルスシーケンスと、該第1のパルスシーケンスに対してスライス傾斜磁場パルスの極性およびリードアウト傾斜磁場パルスの極性を反転し、もって前記第2スライスのスピンを励起し、該スピンのエコーを反転したリードアウト傾斜磁場パルスの下で計測する第2のパルスシーケンスとを含み、
    前記演算手段は、前記第1、第2のパルスシーケンスで得られたエコー信号をそれぞれ逆フーリエ変換して前記第1、第2の投影像を導出し、前記投影像間の演算として、該第1、第2の投影像のスライス位置を合わせた後に両投影像の加算処理の演算を行うことを特徴とする請求項7記載の磁気共鳴イメージング装置のタイミングずれの検出方法。
  10. 前記複数のパルスシーケンスは、
    前記第1の方向で負極性のスライス傾斜磁場パルスと静磁場強度に対応するラーモア周波数からマイナスシフトした中心周波数の励起パルスとの同時印加で前記第1スライスのスピンを励起し、該スピンのエコーを正極性のリードアウト傾斜磁場の下で計測する第1のパルスシーケンスと、
    前記第1の方向で正極性のスライス傾斜磁場パルスと静磁場強度に対応するラーモア周波数からプラスシフトした中心周波数の励起パルスとの同時印加で前記第2スライスのスピンを励起し、該スピンのエコーを負極性のリードアウト傾斜磁場の下で計測する第2のパルスシーケンスと、
    前記第1の方向で正極性のスライス傾斜磁場パルスと静磁場強度に対応するラーモア周波数からマイナスシフトした中心周波数の励起パルスとの同時印加で前記第1スライスのスピンを励起し、該スピンのエコーを負極性のリードアウト傾斜磁場の下で計測する第3のパルスシーケンスと、
    前記第1の方向で負極性のスライス傾斜磁場パルスと静磁場強度に対応するラーモア周波数からプラスシフトした中心周波数の励起パルスとの同時印加で前記第2スライスのスピンを励起し、該スピンのエコーを正極性のリードアウト傾斜磁場の下で計測する第4のパルスシーケンスとを含み、
    前記演算手段は、前記第1のパルスシーケンスで得たエコーの投影像と前記第3のパルスシーケンスで得たエコーの投影像との第1の差分処理により、静磁場不均一に起因する位相回りを除去した前記第1のスライスの投影像を導出し、前記第4のパルスシーケンスで得たエコーの投影像と前記第2のパルスシーケンスで得たエコーの投影像との第2の差分処理により、静磁場不均一に起因する位相回りを除去した前記第2のスライスの投影像を導出し、前記第1の差分処理の結果と、前記第2の差分処理の結果におけるスライス位置を合わせた後に相互の差分処理を行って前記第1スライスの投影像と第2スライスの投影像の間の位相の差分を求める
    ことを特徴とする請求項7記載の磁気共鳴イメージング装置のタイミングずれの検出方法。
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