JPWO2014104162A1 - 医薬 - Google Patents

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Abstract

疲労に対して回復作用を有する新たな医薬を提供すること。次の成分(A)〜(C):(A)トウキ又はその抽出物;(B)エゾウコギ又はその抽出物;(C)オウギ又はその抽出物;を組み合わせてなる、疲労回復のための医薬。

Description

本発明は、疲労に対して回復作用を有する医薬に関する。
近年、疲労に悩まされる人口は増加の一途を辿っている。疲労は、「身体的または精神的活動の結果として生じる機能的な能力の低下した一時的な状態」と定義されており、QOLを低下させるのみならず、免疫力の低下などを引き起こして思わぬ疾患等に結びつくこともあることから、優れた疲労回復作用を有する医薬の提供が待ち望まれている状況にある。
ところで、トウキやオウギについて、末梢循環改善作用を有することは知られている(特許文献1)。しかしながら、これらを組み合わせることや、当該組合せによる血流促進作用、疲労回復作用等についてはこれまで検討されていない。
特開昭56−92216号公報
本発明の課題は、疲労に対して回復作用を有する新たな医薬を提供することにある。
本発明者らは、疲労に対して回復作用を有する新たな医薬を提供するにあたり、血液循環の改善が疲労物質の蓄積の解消やエネルギー代謝の賦活化において重要であると考え、特に血流促進作用に着目して鋭意検討を行った。その結果、トウキやその抽出物と、エゾウコギやその抽出物と、オウギやその抽出物との組合せが相乗的な血流促進作用を発揮し、優れた疲労回復作用を有することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、次の成分(A)〜(C):
(A)トウキ又はその抽出物;
(B)エゾウコギ又はその抽出物;
(C)オウギ又はその抽出物;
を組み合わせてなる、疲労回復のための医薬を提供するものである。
また、本発明は、次の成分(A)〜(D):
(A)トウキ又はその抽出物;
(B)エゾウコギ又はその抽出物;
(C)オウギ又はその抽出物;
(D)ニンニク又はその抽出物;
を組み合わせてなる、疲労回復のための医薬を提供するものである。
また、本発明は、次の成分(A)〜(C):
(A)トウキ又はその抽出物;
(B)エゾウコギ又はその抽出物;
(C)オウギ又はその抽出物;
を組み合わせてなる、血流促進剤を提供するものである。
また、本発明は、次の成分(A)及び(D):
(A)トウキ又はその抽出物;
(D)ニンニク又はその抽出物;
を組み合わせてなる、血流促進剤を提供するものである。
さらに、本発明は、次の成分(A)〜(D):
(A)トウキ又はその抽出物;
(B)エゾウコギ又はその抽出物;
(C)オウギ又はその抽出物;
(D)ニンニク又はその抽出物;
を組み合わせてなる、血流促進剤を提供するものである。
本発明に係る疲労回復のための医薬は、優れた血流促進作用、疲労回復作用を発揮し、滋養強壮等を目的とする医薬として有用である。
また、本発明に係る血流促進剤は、優れた血流促進作用に基づき、末梢血行障害による諸症状の緩和を目的とする医薬として有用である。
本発明は、疲労回復のための医薬であって、トウキ又はその抽出物(以下、「成分(A)」とも称する。)と、エゾウコギ又はその抽出物(以下、「成分(B)」とも称する。)と、オウギ又はその抽出物(以下、「成分(C)」とも称する。)とを組み合わせてなるものに関する(以下、本明細書において、本発明の疲労回復のための医薬を特に、「本発明の医薬」とも称する。また、本明細書において、「医薬」とは、医薬品のほか医薬部外品も包含する概念である。)。すなわち、本発明の医薬は、疲労回復のための医薬であって、成分(A)と、成分(B)と、成分(C)とを同時に又は時間を変えて投与するものである。後記試験例1から明らかなとおり、成分(A)と、成分(B)と、成分(C)との組み合わせは、相乗的に増強された優れた血流促進作用を発揮し、斯かる血流促進作用を介して疲労物質の蓄積の解消やエネルギー代謝の賦活化により優れた疲労回復作用を発揮する。なお、本発明においては、血流促進作用、疲労回復作用の観点から、成分(A)〜(C)を同時に投与するのが好ましい。
また、本発明においては、上記成分(A)、成分(B)及び成分(C)に加えて、さらにニンニク又はその抽出物(以下、「成分(D)」とも称する。)をも組み合わせるのがより好ましい。後記試験例2、3から明らかなとおり、成分(A)と成分(D)との組み合わせは、相乗的に増強された優れた血流促進作用を奏することから、成分(A)と、成分(B)と、成分(C)との組み合わせに加えて成分(D)を組み合わせることにより、血流促進作用、疲労回復作用がさらに向上する。なお、成分(D)を組み合わせるに際しては、これを成分(A)、成分(B)又は成分(C)と同時に投与してもよいし時間を変えて投与してもよいが、血流促進作用、疲労回復作用の観点から成分(A)〜(D)を同時に投与するのが好ましい。
本発明の医薬は、上記の成分をそれぞれ別々に含む単位投与形態の製剤の組み合わせ(キット)として提供されるか、あるいは全ての成分を一緒に含む単位投与形態の医薬組成物として提供される。本発明においては、血流促進作用、抗疲労作用の観点から、全ての成分を一緒に含む単位投与形態の医薬組成物として提供されることがより好ましい。
以下、本発明の医薬を構成する各成分について説明する。
<成分(A)>
「トウキ」(当帰)とは、第十六改正日本薬局方に記載のとおり、トウキ(Angelica actiloba Kitagawa)又はホッカイトウキ(Angelica acutiloba Kitagawa var. sugiyamae Hikino(Umbelliferae))の根を意味する。トウキは必要に応じてその形態を調節することができ、小片、小塊に切断若しくは粉砕、又は粉末に粉砕することができ、例えば、トウキを粉末とした「トウキ末」も本発明に用いることができる。また、医薬の製造時の取扱の便宜等を考慮して、トウキに何らかの抽出処理を施したもの(以下、「トウキの抽出物」と称する。)を用いてもよい。
なお、上記「トウキの抽出物」には、抽出処理に加えて、加熱、乾燥、粉砕等の加工処理を施したものも包含される。具体的には、トウキを必要に応じて適当な大きさとした後に、適当な浸出液(抽出溶媒)を加えて浸出した液や、当該浸出液を濃縮した液(軟エキス、チンキ等)、さらにこれらを乾燥させたもの(乾燥エキス等)なども本発明の「トウキの抽出物」に包含される。
本発明において、トウキ又はその抽出物としては、トウキ乾燥エキスが好ましい。
トウキの抽出物の製造方法は特に限定されず、例えば第十六改正日本薬局方 製剤総則の「エキス剤」、「浸剤・煎剤」、「チンキ剤」、「流エキス剤」の項の記載など、公知の植物抽出物の製造方法を参考にして製造できる。具体的には例えば、トウキを必要に応じて切断、加熱、乾燥、粉砕等したうえ、適当な抽出溶媒を加え抽出を行うことで、製造することができる。得られた抽出物は、必要に応じさらに濃縮、乾燥等させてもよい。
上記抽出溶媒としては例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール等の低級一価アルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン等の低級多価アルコール;ジエチルエーテル等のエーテル類;アセトン、エチルメチルケトン等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類;アセトニトリル等のニトリル類;ペンタン、ヘキサン、シクロペンタン、シクロヘキサン等のアルカン類;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲノアルカン類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素;ジメチルホルムアミド;ジメチルスルホホキシド;水(熱水を含む)等が挙げられる。これらは各々単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。本発明においては、水、エタノール、又は水とエタノールの混液が好ましい。
抽出操作は特に限定されず、植物からの抽出操作に利用される公知の方法を採用することができ、具体的には例えば、抽出溶媒への浸漬(冷浸、温浸、パーコレーション等)、超臨界流体や亜臨界流体を用いた抽出などが挙げられる。なお、抽出効率を上げるため、撹拌や抽出溶媒中でホモジナイズしてもよい。
抽出温度は特に限定されず、使用する抽出溶媒、抽出操作等により異なるが、5℃程度から抽出溶媒の沸点以下の温度とするのが好ましい。
抽出時間は特に限定されず、使用する抽出溶媒、抽出操作等により異なるが、1時間〜14日間程度とするのが好ましい。
本発明において、トウキ又はその抽出物としては、市販品を用いることができ、具体的な市販品としては例えば、トウキ流エキス、トウキ乾燥エキス(以上、小城製薬株式会社製)等が挙げられる。
<成分(B)>
「エゾウコギ」(蝦夷五加)は、ロシア、中国(黒龍江流域)、日本(北海道東部)を原産地とするウコギ科に属する落葉潅木であり、その学名はEleutherococcus senticosusである。なお、エゾウコギは刺五加とも称される。本発明においてはエゾウコギを構成する全てまたはエゾウコギを構成する一部(例えば、根、幹、樹皮、枝、葉、花、種子、種皮など)を利用できる。エゾウコギは必要に応じてその形態を調節することができる。また、医薬の製造時の取扱の便宜等を考慮して、エゾウコギに何らかの抽出処理を施したもの(以下、「エゾウコギの抽出物」と称する。)を用いてもよい。
なお、上記「エゾウコギの抽出物」には、抽出処理に加えて、加熱、乾燥、粉砕等の加工処理を施したものも包含される。具体的には、エゾウコギを必要に応じて適当な大きさとした後に、適当な浸出液(抽出溶媒)を加えて浸出した液や、当該浸出液を濃縮した液(軟エキス、チンキ等)、さらにこれらを乾燥させたもの(乾燥エキス等)なども本発明の「エゾウコギの抽出物」に包含される。
本発明において、エゾウコギ又はその抽出物としては、エゾウコギ乾燥エキスが好ましい。
エゾウコギの抽出物の製造方法は特に限定されず、例えば、上記したトウキの抽出物の製造方法と同様の方法により製造できる。
本発明において、エゾウコギ又はその抽出物としては、市販品を用いることができ、具体的な市販品としては例えば、エゾウコギエキス−A、エゾウコギエキス−S、エゾウコギ流エキス、エレウテロコック乾燥エキス(以上、日本粉末薬品株式会社製)等が挙げられる。
本発明の医薬におけるトウキ又はその抽出物と、エゾウコギ又はその抽出物との組み合わせ比率は特に限定されないが、血流促進作用、疲労回復作用の観点から、トウキ又はその抽出物をトウキの原生薬換算量で1質量部に対し、エゾウコギ又はその抽出物をエゾウコギの原生薬換算量で0.01〜100質量部、より好ましくは0.1〜10質量部、特に好ましくは1〜5質量部の割合で組み合わせることが好ましい。
<成分(C)>
「オウギ」(黄耆)とは、第十六改正日本薬局方に記載の通り、キバナオウギ(Astragalus membranaceus Bunge)又はAstragalus mongholicus Bunge(Leguminosae)の根を意味する。オウギは必要に応じてその形態を調節することができる。また、医薬の製造時の取扱の便宜等を考慮して、オウギに何らかの抽出処理を施したもの(以下、「オウギの抽出物」と称する。)を用いてもよい。
なお、上記「オウギの抽出物」には、抽出処理に加えて、加熱、乾燥、粉砕等の加工処理を施したものも包含される。具体的には、オウギを必要に応じて適当な大きさとした後に、適当な浸出液(抽出溶媒)を加えて浸出した液や、当該浸出液を濃縮した液(軟エキス、チンキ等)、さらにこれらを乾燥させたもの(乾燥エキス等)なども本発明の「オウギの抽出物」に包含される。
本発明において、オウギ又はその抽出物としては、オウギ乾燥エキスが好ましい。
オウギの抽出物の製造方法は特に限定されず、例えば、上記したトウキの抽出物の製造方法と同様の方法により製造できる。
本発明において、オウギ又はその抽出物としては、市販品を用いることができ、具体的な市販品としては例えば、オウギエキス、オウギ流エキス、オウギ流エキス−C、黄耆乾燥エキス(以上、日本粉末薬品株式会社製)等が挙げられる。
本発明の医薬におけるトウキ又はその抽出物と、オウギ又はその抽出物との組み合わせ比率は特に限定されないが、血流促進作用、疲労回復作用の観点から、トウキ又はその抽出物をトウキの原生薬換算量で1質量部に対し、オウギ又はその抽出物をオウギの原生薬換算量で0.01〜100質量部、より好ましくは0.1〜10質量部、特に好ましくは1〜5質量部の割合で組み合わせることが好ましい。
<成分(D)>
「ニンニク」(大蒜)とは、ニンニク(Allium sativum)の鱗茎を意味する。ニンニクは必要に応じてその形態を調節することができる。また、医薬の製造時の取扱の便宜等を考慮して、ニンニクに何らかの抽出処理を施したもの(以下、「ニンニクの抽出物」と称する。)を用いてもよい。
なお、上記「ニンニクの抽出物」には、抽出処理に加えて、加熱、乾燥、粉砕等の加工処理を施したものも包含される。具体的には、ニンニクを必要に応じて適当な大きさとした後に、適当な浸出液(抽出溶媒)を加えて浸出した液や、当該浸出液を濃縮した液(軟エキス、チンキ等)、さらにこれらを乾燥させたもの(乾燥エキス等)なども本発明の「ニンニクの抽出物」に包含される。
本発明において、ニンニク又はその抽出物としては、加工大蒜(加熱処理ニンニク抽出液を低級アルコール抽出等の工程を経て調製されるニンニク粉末又はエキス)が好ましい。
ニンニクの抽出物の製造方法は特に限定されず、例えば、上記したトウキの抽出物の製造方法と同様の方法により製造できる。
本発明において、ニンニク又はその抽出物としては、市販品を用いることができ、具体的な市販品としては例えば、ニンニクエキス(アルプス薬品工業株式会社製)、ニンニク流エキス(日本粉末薬品株式会社製)、オキソアミヂン、オキソアミヂン末、オキソレヂン、オキソレヂン末(以上、理研化学工業株式会社製)等が挙げられる。
本発明の医薬におけるトウキ又はその抽出物と、ニンニク又はその抽出物との組み合わせ比率は特に限定されないが、血流促進作用、疲労回復作用の観点から、トウキ又はその抽出物をトウキの原生薬換算量で1質量部に対し、ニンニク又はその抽出物をニンニクの原生薬換算量で0.01〜10質量部、より好ましくは0.05〜5質量部、特に好ましくは0.1〜1質量部の割合で組み合わせることが好ましい。また、本発明においてニンニク又はその抽出物として加工大蒜を用いる場合においては、トウキ又はその抽出物をトウキの原生薬換算量で1質量部に対し、加工大蒜を0.01〜10質量部、より好ましくは0.05〜5質量部、特に好ましくは0.1〜1質量部の割合で組み合わせることが好ましい。
本発明の医薬としては、経口投与に適する医薬、非経口投与に適する医薬のどちらであってもよい。好ましくは経口投与に適する医薬である。
また、経口投与に適する医薬は、成分(A)と、成分(B)と、成分(C)と、好適にはさらに成分(D)とを1つの単位投与形態に含む固形状、半固形状又は液状の医薬組成物として提供されることがより好ましい。
本発明の医薬を経口投与に適する医薬や非経口投与に適する医薬として提供するにあたり、その投与形態(剤形)は特に限定されない。このような剤形としては例えば、散剤、顆粒剤、錠剤、チュアブル錠、フィルムコーティング錠、糖衣錠、軟カプセル剤、硬カプセル剤等の固形の形態の医薬組成物;ドリンク剤などの溶液の形態の医薬組成物;ゼリー剤等の半固形の形態の医薬組成物などが挙げられる。本発明においては、服用の容易性の観点から、固形の形態の医薬組成物とするのが好ましい。
本発明の医薬を、成分(A)と、成分(B)と、成分(C)と、好適にはさらに成分(D)とを含有する医薬組成物として提供するにあたって、医薬組成物中の各成分の含有量は特に制限されず、適宜上記の組み合わせ比率を考慮した上で、医薬組成物の形態に応じて決定される。例えば、固形の形態の医薬組成物として提供するにあたっては、医薬組成物の全質量に対し、成分(A)を0.1〜20質量%(好適には0.5〜15質量%、特に好適には1〜10質量%)、成分(B)を0.01〜15質量%(好適には0.1〜10質量%、特に好適には0.5〜5質量%)、成分(C)を0.1〜20質量%(好適には0.5〜15質量%、特に好適には1〜10質量%)、成分(D)を1〜25質量%(好適には3〜20質量%、特に好適には5〜15質量%)含有するのが好ましい。
本発明の医薬には、上記(A)〜(D)以外の成分を、その目的に応じて適宜配合することができる。このような成分としては、例えば、レチノール類(酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、ビタミンA油など)、肝油類(肝油、強肝油など)、ビタミンD類(エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロールなど)、ビタミンE類(コハク酸d−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロールカルシウム、酢酸d−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、d−α−トコフェロール、dl−α−トコフェロールなど)、ビタミンB1類(塩酸チアミン、硝酸チアミン、硝酸ビスチアミン、チアミンジスルフィド、チアミンジセチル硫酸エステル塩、塩酸ジセチアミン、塩酸フルスルチアミン、オクトチアミン、シコチアミン、ビスイブチアミン、ビスベンチアミン、フルスルチアミン、プロスルチアミン、ベンフォチアミンなど)、ビタミンB2類(フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、リボフラビン、リン酸リボフラビンナトリウム、酪酸リボフラビンなど)、ビタミンB6類(塩酸ピリドキシン、リン酸ピリドキサールなど)、ビタミンB12類(塩酸ヒドロキソコバラミン、酢酸ヒドロキソコバラミン、シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミンなど)、ビタミンC類(アスコルビン酸、アスコルビン酸カルシウム、アスコルビン酸ナトリウムなど)、ニコチン酸類(ニコチン酸、ニコチン酸アミドなど)、パントテン酸類(パンテノール、パントテン酸カルシウム、パントテン酸ナトリウムなど)、ビオチン、アスパラギン酸類(アスパラギン酸カリウム、アスパラギン酸マグネシウム、アスパラギン酸カリウム・マグネシウム等量混合物など)、イノシトールヘキサニコチネート、ウルソデオキシコール酸、アミノ酸類(L−塩酸システイン、L−システイン、L−塩酸リジン、L−塩酸アルギニン、L−メチオニン、DL−メチオニン、L−イソロイシン、L−ロイシン、L−フェニルアラニン、L−トレオニン、L−トリプトファン、L−バリン、アミノエチルスルホン酸など)、オロチン酸、ガンマーオリザノール、カルシウム塩類(グリセロリン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、乳酸カルシウム、無水リン酸水素カルシウム、リン酸水素カルシウムなど)、マグネシウム塩類(炭酸マグネシウムなど)、グルクロン酸類(グルクロノラクトン、グルクロン酸アミド)、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ジクロロ酢酸ジイソプロピルアミン、肝臓水解物、ニンジン(人参)、ヨクイニン(ヨク苡仁)、インヨウカク、ロクジョウ(鹿茸)、ハンピ(反鼻)、ゴオウ(牛黄)、ローヤルゼリー、オウセイ(黄精)、クコシ(枸杞子)、ボレイ(牡蠣)、ボウイ(防已)、タイソウ(大棗)、シャクヤク(芍薬)、ショウキョウ(生姜)、コウジン(紅蔘)、カイクジン(海狗腎)、カシュウ(何首烏)、ガラナ、サイコ(柴胡)、センキュウ(川きゅう)、クラテグス、ブクリョウ(茯苓)、メチルメチオニンスルホニウムクロライド、カフェイン類(カフェイン、無水カフェイン、安息香酸ナトリウムカフェインなど)、イノシトール、塩化カルニチン、ルチンなどが挙げられ、これらのうち1種を単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の医薬は、当業界において慣用されている手法により適宜製造できる。この場合において、具体的な剤形等に応じて必要により、当業界で通常用いられる医薬品添加物を1種又は2種以上用いてもよい。医薬品添加物としては、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味剤、コーティング剤等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
賦形剤としては、乳糖、デンプン類、結晶セルロース、ショ糖、マンニトール、軽質無水ケイ酸等が挙げられる。結合剤としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ゼラチン、アルファー化デンプン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、プルラン等が挙げられる。崩壊剤としては、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルメロース、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、トウモロコシデンプン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、タルク等が挙げられる。着色剤としては、タール色素、三二酸化鉄等が挙げられる。矯味剤としてはステビア、アスパルテーム、香料等が挙げられる。コーティング剤としては、カルボキシメチルエチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、メタアクリル酸コポリマーS、メタアクリル酸コポリマーL、メタアクリル酸コポリマーLD、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート等のフィルム形成高分子が挙げられる。なお、フィルム形成させる際に、クエン酸トリエチル、トリアセチン、ポリエチレングリコール等の可塑剤、タルク、酸化チタン、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄、法定色素、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素等の粉体を配合することもできる。
本発明の医薬の投与量は特に限定されず、医薬の形態、適用すべき症状の程度、患者の年齢等の種々の条件に応じて適宜選択可能である。通常の場合、成人に対してトウキ又はその抽出物を原生薬換算量で10〜1000mg/日程度、特に50〜200mg/日程度を投与すればよく、当該投与量に応じて上記の割合により他の成分の投与量を決定することができる。
本発明の医薬の投与方法は特に限定されず、各成分を同時に又は時間を変えて投与することができる。これら成分を時間を変えて投与する場合には、先に投与した成分の血中濃度が低下しない時間内に他の成分を投与することが望ましい。本発明における医薬の投与方法としては、血流促進作用、疲労回復作用の観点から、これらの成分を同時に投与することが好ましい。
本発明の医薬は、優れた血流促進作用を有しており、斯かる血流促進作用を介して疲労物質の蓄積の解消やエネルギー代謝の賦活化により、後記試験例3に記載の通り、優れた疲労回復作用を奏する。従って、本発明の医薬は、眼精疲労、筋疲労、腰痛、肩こり、全身倦怠などの諸症状の緩和、又は滋養強壮、栄養補給(例えば、肉体疲労・病後の体力低下・食欲不振・栄養障害・発熱性消耗性疾患・妊娠授乳期などの場合の栄養補給)、体力増強のための医薬として用いることができる。
また、本発明は、以下の1)〜3)の血流促進剤を提供するものである。
1)成分(A)と成分(B)と成分(C)とを組み合わせてなる血流促進剤;
2)成分(A)と成分(D)とを組み合わせてなる血流促進剤;
3)成分(A)と成分(B)と成分(C)と成分(D)とを組み合わせてなる血流促進剤;
後記試験例1、2から明らかなとおり、上記の組み合わせは、相乗的に増強された優れた血流促進作用を発揮する。本発明の血流促進剤は、斯かる血流促進作用に基づいて、末梢血行障害による諸症状(肩・首すじのこり、手足のしびれ、冷え、しもやけ)の緩和のための医薬として用いることができる。
なお、本発明の血流促進剤における、各文言の意義、各成分の使用量、製造方法等は前記の疲労回復のための医薬の場合と同様である。
以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
[試験例1]血流促進作用の検討 その1
トウキの抽出物、エゾウコギの抽出物、オウギの抽出物及びそれらの組合せの血流促進作用を、以下の方法により評価した。
すなわち、Wistar系雄性ラット(日本エスエルシー株式会社より購入)にウレタン(2.0g/kg体重 腹腔内投与)麻酔を施した後、頸静脈内にポリエチレンチューブを挿入し留置した。当該施術の後、予め37℃に設定された小動物用体温保持装置上にラットを静置し、レーザー血流計(AD Instruments社製)のプローブを耳介にセットし、血流量の測定を開始した。
血流量の値が安定した時点で当該血流量をPre値として記録した。その後、生理食塩水(コントロール)又は被験薬物を頸静脈より投与し、薬物投与後2分間における血流量の最大値をPost値として記録した。
得られた血流量の値より、コントロール投与群及び被験薬物投与群の各ラットごとに血流量増加率(Post値/Pre値)を算出した後、各被験薬物投与群の血流量増加率の平均値をコントロールの血流量増加率の平均値で除することにより、各被験薬物投与群の血流量増加率の相対値(コントロールに対する割合)を得た。
結果を表1に示す。
なお、被験薬物は、以下の群構成に従い、各群当たり4匹のラットに投与した。
A群:トウキ乾燥エキス(小城製薬株式会社製)を生理食塩水に溶解し、25mg(原生薬換算量で100mg)/kg体重の用量にて投与した。
B群:エゾウコギ乾燥エキス(日本粉末薬品株式会社製)及びオウギ乾燥エキス(日本粉末薬品株式会社製)を生理食塩水に溶解し、それぞれ12mg(原生薬換算量で300mg)/kg体重及び30mg(原生薬換算量で240mg)/kg体重の用量にて投与した。
C群:トウキ乾燥エキス(小城製薬株式会社製)、エゾウコギ乾燥エキス(日本粉末薬品株式会社製)及びオウギ乾燥エキス(日本粉末薬品株式会社製)を生理食塩水に溶解し、それぞれ25mg(原生薬換算量で100mg)/kg体重、14mg(原生薬換算量で350mg)/kg体重及び30mg(原生薬換算量で240mg)/kg体重の用量にて投与した。
Figure 2014104162
トウキの抽出物の単独投与群(A群)、エゾウコギ及びオウギの抽出物の投与群(B群)では、いずれも若干の血流量増加作用が認められたものの、著しい効果ではなかった。しかし、トウキ、エゾウコギ及びオウギの抽出物の併用投与群(C群)では、顕著な血流量増加作用が認められた。コントロールに対する血流量増加率の相対値は、トウキの抽出物の単独投与群において1.13、エゾウコギ及びオウギの抽出物の投与群において1.65であるところ、トウキ、エゾウコギ及びオウギの抽出物の併用投与群において1.95であり、トウキの抽出物と、エゾウコギ及びオウギの抽出物の組合せは、血流量増加作用に関し相乗効果を発揮しているものと推察された。
以上の試験結果から、トウキ又はその抽出物、エゾウコギ又はその抽出物、オウギ又はその抽出物の組合せは、相乗的に増強された優れた血流促進作用を発揮することが明らかとなった。
[試験例2]血流促進作用の検討 その2
群構成を以下の通りに変更したほかは試験例1と同様の方法により、トウキの抽出物、ニンニクの抽出物及びそれらの組合せの血流促進作用を評価した。
A群:トウキ乾燥エキス(小城製薬株式会社製)を生理食塩水に溶解し、25mg(原生薬換算量で100mg)/kg体重の用量にて投与した。
B群:オキソアミヂン末(理研化学工業株式会社製)を生理食塩水に溶解し、50mg/kg体重の用量にて投与した。
C群:トウキ乾燥エキス(小城製薬株式会社製)及びオキソアミヂン末(理研化学工業株式会社製)を生理食塩水に溶解し、それぞれ25mg(原生薬換算量で100mg)/kg体重及び50mg/kg体重の用量にて投与した。
結果を表2に示す。
Figure 2014104162
トウキの抽出物の単独投与群(A群)、ニンニクの抽出物の単独投与群(B群)では、いずれも若干の血流量増加作用が認められたものの、著しい効果ではなかった。しかし、トウキ及びニンニクの抽出物の併用投与群(C群)では、顕著な血流量増加作用が認められた。コントロールに対する血流量増加率の相対値は、トウキの抽出物の単独投与群において1.13、ニンニクの抽出物の単独投与群において1.33であり、それらの積(1.50)は、トウキ及びニンニクの抽出物の併用投与群の1.55より小さく、バルジの方法により、トウキの抽出物と、ニンニクの抽出物の組合せは、血流量増加作用に関し相乗効果を発揮しているものと結論付けられた。
以上の試験結果から、トウキ又はその抽出物、及びニンニク又はその抽出物の組合せは、相乗的に増強された優れた血流促進作用を発揮することが明らかとなった。
[試験例3]運動負荷による疲労に対する回復作用の検討
トウキの抽出物、エゾウコギの抽出物、オウギの抽出物及びニンニクの抽出物の組合せの疲労回復作用を、以下の方法により評価した。
すなわち、BALB/c系雄性マウス(日本エスエルシー株式会社より購入)を、試験前日に、23℃に維持した水を入れた直径20cmの水槽内に入れ、5分間の遊泳量(Pre値)を測定し、各群の遊泳量の平均値がほぼ同一となるよう群分けした。
試験当日、一晩絶食させたマウスを同様の水槽内で40分間遊泳させた後、0.5%メチルセルロース水溶液(コントロール)又は被験薬物を経口投与した。30分間放置した後、同様の水槽にて5分間の遊泳量(Post値)を測定し、遊泳量変化率(=(Post値/Pre値)×100)を算出した。さらに、各被験薬物投与群の遊泳量変化率の平均値をコントロール投与群の遊泳量変化率の平均値で除することにより、各被験薬物投与群の遊泳量変化率の相対値(コントロールに対する割合)を得た。
結果を表3に示す。
なお、遊泳量は水槽の水面を4分割した時の隣接及び対角エリアへの移動回数にて評価した。
また、被験薬物は、以下の群構成に従い、各群当たり8匹のマウスに投与した。
A群:エゾウコギ乾燥エキス(日本粉末薬品株式会社製)、オウギ乾燥エキス(日本粉末薬品株式会社製)、及びオキソアミヂン末(理研化学工業株式会社製)を0.5%メチルセルロース水溶液に溶解・懸濁し、それぞれ36mg(原生薬換算量で900mg)/kg体重、90mg(原生薬換算量で720mg)/kg体重及び150mg/kg体重の用量にて投与した。
B群:トウキ乾燥エキス(小城製薬株式会社製)、エゾウコギ乾燥エキス(日本粉末薬品株式会社製)、オウギ乾燥エキス(日本粉末薬品株式会社製)、及びオキソアミヂン末(理研化学工業株式会社製)を0.5%メチルセルロース水溶液に溶解・懸濁し、それぞれ75mg(原生薬換算量で300mg)/kg体重、42mg(原生薬換算量で1.05g)/kg体重、90mg(原生薬換算量で720mg)/kg体重及び150mg/kg体重の用量にて投与した。
Figure 2014104162
エゾウコギの抽出物、オウギの抽出物、ニンニクの抽出物に加えて、さらにトウキの抽出物をも組み合わせて投与した群(B群)においては、トウキの抽出物 非投与群(A群)では疲労回復作用が認められない程の運動負荷の高い系においても、明確な疲労回復作用が認められた。
以上の試験結果から、トウキ又はその抽出物、エゾウコギ又はその抽出物、オウギ又はその抽出物、ニンニク又はその抽出物の組合せは、優れた疲労回復作用を発揮することが明らかとなった。
製造例1
常法により、1日量(1錠)中に以下の成分を含有する600mgの錠剤を製造した。
トウキ乾燥エキス 25.0mg(原生薬換算量100mg)
エゾウコギ乾燥エキス 14.0mg(原生薬換算量350mg)
オウギ乾燥エキス 30.0mg(原生薬換算量240mg)
オキソアミヂン末 50.0mg
L−アルギニン塩酸塩 50.0mg
チアミン硝化物 10.0mg
リボフラビン 4.0mg
ピリドキシン塩酸塩 10.0mg
トコフェロールコハク酸エステルカルシウム 20.7mg
L−アスコルビン酸ナトリウム 112.6mg
無水カフェイン 50.0mg
硬化油 40.0mg
ヒドロキシプロピルセルロース 24.0mg
結晶セルロース 123.7mg
カルメロース 30.0mg
ステアリン酸マグネシウム 6.0mg
本発明によれば、優れた血流促進作用、疲労回復作用を発揮する医薬を提供することができ、医薬品産業、医薬部外品産業等において利用できる。

Claims (6)

  1. 次の成分(A)〜(C):
    (A)トウキ又はその抽出物;
    (B)エゾウコギ又はその抽出物;
    (C)オウギ又はその抽出物;
    を組み合わせてなる、疲労回復のための医薬。
  2. 成分(A)、(B)及び(C)を同時に投与するものである、請求項1記載の医薬。
  3. さらに、次の成分(D):
    (D)ニンニク又はその抽出物;
    を組み合わせてなる、請求項1又は2記載の医薬。
  4. 次の成分(A)〜(C):
    (A)トウキ又はその抽出物;
    (B)エゾウコギ又はその抽出物;
    (C)オウギ又はその抽出物;
    を組み合わせてなる、血流促進剤。
  5. 成分(A)、(B)及び(C)を同時に投与するものである、請求項4記載の血流促進剤。
  6. さらに、次の成分(D):
    (D)ニンニク又はその抽出物;
    を組み合わせてなる、請求項4又は5記載の血流促進剤。
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