JPWO2014091524A1 - 対象物回収装置 - Google Patents

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Abstract

ウェルプレートが載置されるステージと、ウェルプレートから上方に配置され、照射光を照射する照射手段と、ウェルプレートの下方に配置される観察手段と、対象物を吸引する吸引チップと、吸引のための吸引力を発生させる吸引手段と、吸引手段を上下に移動させる駆動手段とを備え、吸引チップは、L字状の屈曲部を有し、本体部と吸引口とを備え、吸引手段は、屈曲部よりも先端部分がウェル内へ略鉛直方向から挿入され、後端部分が照射手段とウェルプレートとの間の間隙から側方へ延び出す横姿勢に配置され、駆動手段は、横姿勢を維持した状態で吸引手段を上下に移動させる対象物回収装置。本発明は、充分な照射光の下で、対象物を観察しながら吸引チップの先端部分を上下移動させることにより対象物に接近させて回収することができる。

Description

本発明は、たとえば細胞等の対象物を観察しながら回収する場合等に使用される対象物回収装置に関する。
従来、種々の分野において、試験に供する対象物を、その大きさや外形(以下、これらを単に形状という場合がある)に基づいて選別回収する作業が行われている。回収される対象物としては、大きいものでは錠剤、カプセル、造粒された顆粒などが挙げられ、小さいものでは生体由来の細胞などが挙げられる。
たとえば、特許文献1には、複数の貫通孔を有するプラテンに細胞等を担持させ、担持された細胞をピンで押し出す等により回収する方法が開示されている。このように、細胞を選別して形状を揃えれば、その細胞を用いた各種試験において、試験条件の偏差を小さくすることができる。回収後の細胞は、ハイスループット・スクリーニング(high−throughput screening(HTS))等に供することができる。
ところで、細胞等の対象物を回収する場合、対象物の形状をより均一に揃えるために、形状を観察しながら回収することが好ましい。しかしながら、各種試験に適した形状の細胞を観察しながら回収する作業は困難を極める。これは、細胞を観察する際に汎用される倒立位相差顕微鏡では、照射光を照射するコンデンサ(照射手段)が観察対象の細胞を載置するステージの上方に配置され、対物レンズを含むレンズ光学系(観察手段)が照射光の光路上かつステージ上の細胞の下方に配置されており、かつ、これらがケーラー照明系となるように配置されるため、コンデンサとステージとの間の距離が制限されているためである。
図16および図17は、従来の対象物回収装置の構成を説明する模式図である。図16に示される対象物回収装置では、吸引ピペットP(吸引手段)を移動させる移動装置M(駆動部)は、移動の際にコンデンサCと衝突することなく、かつ、照射光を遮らないように、たとえばステージSの斜め上方に配置される。なお、図16において、参照符号A1は照射光の照射方向を示している。この場合、ステージS上の細胞AG(図16では、ウェルプレートWPに形成されたウェルWに保持された細胞AGを例示)を回収するためには、吸引ピペットPが備える吸引チップTの先端部分に形成された吸引口を斜め下方向に移動させて細胞AGに接近させなければならず、正確な操作が難しい。また、図16に示されるように、斜め方向から吸引チップTをウェルW内に挿入する場合には、ウェルWの内底部に沈降した細胞AGに吸引口が届かず、回収できない場合がある。一方、図17に示される対象物回収装置は、吸引ピペットPaを備えた移動装置Maを小型化してコンデンサCaとステージSaとの間に配置し、吸引チップTaの先端の吸引口が細胞AGaの真上に位置するよう配置した装置である。この装置レイアウトでは、移動装置Maにより照射光が遮られるため、ステージSa上のウェルプレートWPaの下方に配置される撮像装置Ia(観察手段)に照射光が入射されず、充分な明るさの下で細胞を観察できない。
特表2009−504161号公報
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたものであり、充分な照射光の下で、対象物を観察しながら吸引チップの吸引口を含む先端部分を上下移動させ、前記先端部分を対象物に接近させて対象物を回収することができる対象物回収装置を提供することを目的とする。
本発明の一局面による対象物回収装置は、吸引される対象物を保持するウェルを備えるウェルプレートが載置されるステージと、前記ステージに載置される前記ウェルプレートから上方に離間して配置され、前記ウェル内に保持される前記対象物に対して上方より照射光を照射する照射手段と、前記ステージに載置される前記ウェルプレートの下方に配置され、前記ウェル内に保持される前記対象物を下方より観察する観察手段と、前記ウェル内に保持される前記対象物を吸引するための吸引チップと、前記吸引のための吸引力を発生させる吸引手段と、前記吸引手段を上下に移動させる駆動手段と、を備え、前記吸引チップは、L字状の屈曲部を有し、前記対象物を吸引するための吸引経路となる管状通路を内部に備えた本体部と、前記管状通路の一端の開口部であって前記対象物を吸引するための吸引口と、前記管状通路の他端の開口部であって前記吸引手段に接続される接続口とを備え、前記吸引手段は、前記吸引チップの前記屈曲部よりも先端部分が前記ウェル内へ略鉛直方向から挿入され、前記屈曲部よりも後端部分が、前記照射手段と前記ウェルプレートとの間の間隙から側方へ延び出す横姿勢に配置され、前記駆動手段は、前記横姿勢を維持した状態で、前記吸引手段を上下に移動させることを特徴とする。
本発明の目的、特徴及び利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
本発明の第1の実施形態の対象物回収装置の構成を説明する模式図である。 本発明の第1の実施形態のウェルプレートおよびウェルを説明する斜視図である。 本発明の第1の実施形態の吸引チップおよび吸引ピペットを説明する模式図である。 本発明の第2の実施形態の吸引チップを説明する断面図である。 本発明の第2の実施形態の吸引チップの先端部を説明する断面図である。 参考実施形態の吸引チップを説明する模式図である。 参考実施形態の吸引チップを吸引ピペットに接続した状態を説明する模式図である。 参考実施形態の吸引チップを用いた対象物回収装置の構成を説明する模式図である。 本発明の第1の実施形態の吸引チップの別例を説明する模式図である。 本発明の第1の実施形態の吸引チップの別例においてシリンジシャフトと吸引チップとを吸引ピペットに接続する接続手順の一例を示す模式図である。 本発明の第1の実施形態の吸引チップの別例を用いて細胞凝集塊を吸引する動作を説明する模式図である。 本発明の第2の実施形態の吸引チップの別例を説明する断面図である。 本発明のステージに載置される容器の別例を説明する模式図である。 歪な形状の細胞凝集塊の顕微鏡写真である。 密度が不均一な細胞凝集塊の顕微鏡写真である。 従来の対象物回収装置の構成を説明する模式図である。 従来の対象物回収装置の構成を説明する模式図である。
(第1の実施形態)
以下に、本発明の第1の実施形態の対象物回収装置1について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本実施形態の対象物回収装置1の構成を説明する模式図である。
本実施形態の対象物回収装置1は、吸引される細胞凝集塊2(スフェロイド spheroid、対象物、後述する図2(b)参照)を保持するウェル3を備えるウェルプレート4が載置されるステージ5と、ステージ5に載置されるウェルプレート4から上方に離間して配置され、ウェル3内に保持される細胞凝集塊2に対して上方より照射光を照射するコンデンサ6(照射手段)と、ステージ5に載置されるウェルプレート4の下方に配置され、ウェル3内に保持される細胞凝集塊2を下方より観察する撮像装置7(観察手段)と、ウェル3内に保持される細胞凝集塊2を吸引するための吸引チップ8と、吸引のための吸引力を発生させる吸引ピペット9(吸引手段)と、吸引ピペット9を上下に移動させる移動装置10(駆動手段)とを備える。なお、コンデンサ6および撮像装置7は、それぞれ倒立位相差顕微鏡の照明系および撮像系を構成する装置である。
細胞凝集塊2(対象物)は、本実施形態の対象物回収装置1を用いて回収される試料である。細胞凝集塊2は、通常、乾燥等による劣化を防止するために、細胞培養液や細胞処理液等の液体11に含有された状態で、ウェル3内に保持される(図2(b)参照)。なお、後述する撮像装置7により吸引対象となる細胞凝集塊2を判別し易いように、細胞小器官などの夾雑物や、凝集塊を形成していない細胞等は、事前に除去されることが好ましい。これらを除去する方法としては特に限定されず、夾雑物を含む細胞凝集塊2を含んだ細胞培養液等をフィルタ等に通して除去する方法を採用することができる。フィルタを通過させることにより、特定の大きさの細胞凝集塊2および同程度の大きさの夾雑物を主に含む細胞培養液等の液体11が得られる。
ここで、細胞凝集塊2のような生体由来の細胞は、相対的に形状の偏差が大きく、微小かつ透明であり、柔軟な性状を有している。そのため、わずかな振動や液流の影響により液体11中を容易に移動する。また、夾雑物の存在下において吸引対象となる微小な細胞凝集塊2のみを吸引するには、同じく微小な吸引口を備えた後述する吸引チップ8を正確に操作する必要がある。本実施形態の対象物回収装置1を使用することにより、充分な照射光の下で吸引対象となる細胞凝集塊2の形状を確認しながら回収できる。その際、後述する吸引チップ8の先端部分83を略鉛直方向(略垂直方向)に移動させて細胞凝集塊2に吸引口82を近づけることができるため、液流を発生させにくく、細胞凝集塊2を移動させることなく確実に回収できる。また、仮に細胞凝集塊2が移動した場合であっても、移動の様子を後述する撮像装置7により観察できるため、吸引チップ8の位置を再調整して、細胞凝集塊2を回収できる。その結果、バイオ関連技術や医薬の分野における作業の効率化に大きく寄与し得る。
特に、細胞凝集塊2は、1個の細胞を用いて得た試験結果よりも、細胞凝集塊2の内部に各細胞間の相互作用を考慮した生体類似環境が再構築されており、個々の細胞の機能を考慮した結果が得られ、かつ、実験条件を、より生体内における環境に即した条件に揃えることができるため、再生医療分野や抗がん剤等の医薬品の開発分野において重要とされている。細胞凝集塊2の具体例としては、たとえば、BxPC−3(ヒト膵臓腺癌細胞)、胚性幹細胞(ES細胞)、人工多能性幹細胞(iPS細胞)等が挙げられる。一般にこのような細胞凝集塊2は、個々の細胞が数個〜数十万個凝集して形成されている。そのため、細胞凝集塊2の大きさが様々であり、生きた細胞が形成する細胞凝集塊2は略球形を呈するが、細胞凝集塊2を構成する細胞の一部が変質したり、死細胞である場合などでは、図14に示されるように歪な形状の細胞凝集塊2aとなる場合や、図15に示されるように密度が不均一な細胞凝集塊2bとなる場合がある。本実施形態の対象物回収装置1は、ウェル3内に保持された細胞凝集塊を観察することができるため、これら種々の形状を呈する複数の細胞凝集塊から、試験に適した形状の細胞凝集塊2のみを回収することができる。
本実施形態の対象物回収装置1により回収される細胞凝集塊2の大きさとしては特に限定されず、たとえば、30〜600μm程度である。
図2(a)は、ウェルプレート4の模式図である。ウェルプレート4は、上面41と底面42とを有する扁平な略直方体の形状を有し、上面41から底面42に向けて落ち窪んだウェル3が、縦8個×横6個のマトリクス状に配列されている。
ウェルプレート4の形状は特に限定されない。後述するステージ5に載置しやすく、かつ、ウェル3内に保持された細胞凝集塊2を観察する際に撮像装置7が備える光学レンズ系の焦点を合わせ易い点から、ウェルプレート4の形状は、扁平な形状であることが好ましい。
ウェルプレート4の幅は特に限定されず、ステージ5に載置できる幅であればよい。本実施形態では、縦15cm×横36cmの水平な略矩形状の上面を有するステージに、底面42の寸法が縦8.6cm×横12.8cmの略直方体形状のウェルプレート4が載置されている。
ウェルプレート4の高さに関して、上記のとおり、コンデンサ6とステージ5との距離は、ケーラー照明系を採用する場合、所定の距離に制限される。そのため、ウェルプレート4の高さが大きすぎる場合には、吸引チップ8の先端部分83を、後述する移動装置10により吸引ピペット9を上下移動させることによりウェル3内に出し入れする際に、先端部分83とコンデンサ6とが干渉し、正確な動作に支障を生じる可能性がある。そこで、ウェルプレート4の高さは、コンデンサ6とウェルプレート4の上面41との間に、上記動作が行われる際に干渉しない程度の空間が形成されるような高さであることが好ましい。このような高さとしては、たとえば、先端部分83をウェル3の上方に配置し、ウェル3内に挿入する直前の状態において、屈曲部81とコンデンサ6との間に、さらに先端部分83の長さ分だけ空間が生じるような高さが挙げられる。この場合、ウェル3に先端部分83を挿入していなくても、屈曲部81の上方には先端部分83の長さ分だけ空間が形成されているため、先端部分83とコンデンサ6との干渉が防がれる。
ウェルプレート4の材質としては特に限定されないが、細胞凝集塊2の形状を容易に確認することが可能である点から、透光性材料を採用することが好ましい。
透光性材料としては特に限定されないが、たとえば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等を採用することが好ましい。より具体的には、透光性材料として、ポリエチレン樹脂;ポリエチレンナフタレート樹脂;ポリプロピレン樹脂;ポリイミド樹脂;ポリ塩化ビニル樹脂;シクロオレフィンコポリマー;含ノルボルネン樹脂;ポリエーテルスルホン樹脂;ポリエチレンナフタレート樹脂;セロファン;芳香族ポリアミド樹脂;ポリ(メタ)アクリル酸メチル等の(メタ)アクリル樹脂;ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体等のスチレン樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリエステル樹脂;フェノキシ樹脂;ブチラール樹脂;ポリビニルアルコール;エチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート等のセルロース系樹脂;エポキシ樹脂;フェノール樹脂;シリコーン樹脂;ポリ乳酸等が挙げられる。また、無機系材料、たとえば、金属アルコキシド、セラミック前駆体ポリマー、金属アルコキシドを含有する溶液をゾル−ゲル法により加水分解重合してなる溶液またはこれらの組み合わせを固化した無機系材料、たとえばシロキサン結合を有する無機系材料(ポリジメチルシロキサンなど)やガラスを用いることが好ましい。ガラスとしては、ソーダガラス、石英、ホウケイ酸ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、低融点ガラス、感光性ガラス、その他種々の屈折率およびアッベ数を有する光学ガラスを広く用いることができる。
図2(b)は、ウェル3の形状を説明するための模式図である。ウェル3は、ウェルプレート4を上面41から底面42に向けて垂直方向に窪む凹部であり、液体11に含まれる細胞凝集塊2を保持する内底部31を備える。
ウェル3の個数としては特に限定されず、1個がウェルプレート4に形成されていてもよく、複数のウェル3が配列されていてもよい。複数のウェル3が配列される場合には、マトリクス状に配列されることが好ましい。このように複数のウェル3を配列することにより、複数の細胞凝集塊2が同時にそれぞれのウェル3内に保持されるため、作業効率が向上する。
ウェル3の大きさ(開口部の径)としては特に限定されず、回収対象とする細胞凝集塊2の少なくとも一部を保持できる大きさであればよい(図2(b)では、細胞凝集塊2の全体がウェル3内に収まるよう細胞凝集塊2の径よりも開口部の径が大きいウェル3を例示)。ウェル3の深さとしては特に限定されず、ウェル3内に細胞凝集塊2を保持し得る深さであって、後述する吸引チップ8の先端部分83の長さよりも短ければよい。本実施形態では、開口部の直径が9mm、深さが11mmのウェル3を例示しており、該ウェル3の内底部31には、直径80μmの球状の細胞凝集塊が保持されている。
ステージ5は、ウェルプレート4を保持する矩形状ホルダ(図示せず)を備える水平な扁平な板状の架台である。ステージ5には、手動または自動によりウェルプレート4を前後、左右へ移動するための位置調整機構(図示せず)が備えられている。当該位置調整機構により、ステージ5に載置されたウェルプレート4は、吸引対象となる細胞凝集塊2が保持されたウェル3の上方に後述するコンデンサ6が配置され、下方に後述する撮像装置7が配置されるよう位置が調整される。これにより、コンデンサ6の光源からの照射光は、吸引対象となる細胞凝集塊2を保持するウェル3の上方より照射され、下方の撮像装置7に入射する。
コンデンサ6(照射手段)は、ステージ5に載置されるウェルプレート4の上方に、ウェルプレート4と離間して配置され、ウェル3内に保持される細胞凝集塊2に対して上方より照射光を照射するために設けられている。コンデンサ6は、略円筒状の筐体を備え、該筐体内に図示しない光源(ハロゲンランプ(6V30W))、コレクターレンズ、リングスリット、開口絞りおよびコンデンサレンズを含む。光源としては特に限定されず、ハロゲンランプ以外にも、たとえば、タングステンランプ、水銀ランプ、キセノンランプ、発光ダイオード(LED)等を使用することが可能である。リングスリットは、円環状の孔の開いた遮光板であり、コンデンサ6の開口絞りの位置に組み込まれている。コンデンサ6内の光源より照射された照射光は、コレクターレンズ、リングスリットの孔、開口絞り、コンデンサレンズを通過し、ウェル3内の細胞凝集塊2に照射され、その後、後述する撮像装置7に入射する。
撮像装置7(観察手段)は、ステージ5に載置されるウェルプレート4の下方に配置され、ウェル3内に保持される細胞凝集塊2を下方より観察するために設けられている。撮像装置7は、図示しない位相差用対物レンズ、対物レンズの射出絞り(レンズ光学系)、位相板、接眼レンズの視野絞り、接眼レンズ、撮像素子であるCCD(電荷結合素子 Charge Coupled Device)イメージセンサ、画像処理部および表示装置71を備える。位相板は、リング状の半透明の板状体であり、通過する光の強度を減弱させ、位相を1/4だけ遅らせる。CCDイメージセンサは、受光面に形成された光像を電気的な画像データ信号に変換する。画像処理部は、必要に応じて画像データにガンマ補正やシェーディング補正などの画像処理を施す。表示装置71は、画像処理後の画像データを表示する。ユーザは、表示装置71に表示された画像を観察する。細胞凝集塊2によって回折された照射光は、位相差用対物レンズに入射され、結像される。このとき、大部分の照射光は位相板以外を通るため、その位相は1/4波長遅れたままとなる。直接光と回折光とが同じ位相になり、干渉により強め合う結果、細胞凝集塊2が明るく観察される。
本実施形態において、コンデンサ6および撮像装置7の各構成部品の配置は、ケーラー照明系となるよう調整される。すなわち、照射光に関して、光源、開口絞り、対物レンズの射出絞りが共役点に配置されており、標本の像に関して、視野絞り、細胞凝集塊2(試料)、接眼レンズの視野絞り、CCDイメージセンサの受光面が共役点になるよう配置される。ケーラー照明系では、光源の像を開口絞り位置につくり、視野絞りの像を標本面につくることにより、標本である細胞凝集塊2をムラなく明るく照明する。また、視野絞りと開口絞りを独立して機能させることができるため、標本面の光の量や範囲を調整できる。ケーラー照明系を採用する場合、上記のとおりコンデンサ6および撮像装置7を構成する各構成部品と細胞凝集塊2との位置がそれぞれ所定の共役点となるよう調整されるため、コンデンサ6とステージ5上の細胞凝集塊2との間の距離はコンデンサレンズの開口数(NA、Numerical Aperture)にも拠るが、たとえば27〜90mmに制限される。
吸引ピペット9(吸引手段)は、吸引力を発生できる管状部材である。吸引ピペット9は、ウェル3内に保持される細胞凝集塊2を吸引するための吸引チップ8が接続される。吸引ピペット9が吸引力を発生すると、吸引チップ8の管状通路84に吸引力が発生され、吸引口82から細胞凝集塊2が吸引されて回収される。吸引ピペット9は、後述する移動装置10に接続して使用され、該移動装置10により駆動が制御され、上下移動される。
図3は、本実施形態の吸引チップ8および吸引ピペット9を説明する模式図である。吸引ピペット9は、管状の本体部91を備え、該本体部91の一端の開口部92が吸引チップ8の接続口86に接続されて吸引チップ8の管状通路84と連通され、他端の開口部がシリンジポンプ(図示せず)に接続されている。シリンジポンプは、管状の本体部91および該本体部91と連通した吸引チップ8の管状通路84に吸引力を発生させる。
吸引チップ8は、吸引ピペット9に接続される冶具であり、L字状の屈曲部81を有し、細胞凝集塊2を吸引するための吸引経路となる管状通路84を内部に備えた本体部85と、管状通路84の一端の開口部であって細胞凝集塊2を吸引するための吸引口82と、管状通路84の他端の開口部であって吸引ピペット9に接続される接続口86とを備える。本体部85は、屈曲部81よりも先端であって、吸引口82が形成された先端部分83と、屈曲部81よりも後端であって、接続口86が形成された後端部分87とを含む。屈曲部81の角度θは、110°であり、吸引チップ8の全長(先端部分83と後端部分87との長さの和)は60mmである。屈曲部81の屈曲角度θとしては特に限定されず、後端部分87がコンデンサ6とウェルプレート4との間の間隙から側方へ延び出す横姿勢となるよう配置できる角度であればよく、たとえば90°以上180°未満であればよい。移動装置10がウェルプレート4より高い位置に配置される観点から、屈曲角度θは、90〜130°であることが好ましい。本体部85は、先端部分83から後端部分87にかけて径が大きくなるよう構成されている。本体部85の内部に備えられる管状通路84は、吸引口82から接続口86の方向へ内径が拡大されるよう構成されている。本実施形態の吸引チップ8は、接続口86を比較的大きく形成することにより本体部85の強度を高め、吸引ピペット9との強固な接続を可能にしつつ、吸引口82を比較的小さく形成することにより吸引口82の付近に大きな吸引力を発生させることを可能にしている。
吸引チップ8の大きさ(内容積)としては特に限定されず、用途に応じて、たとえば1μL〜5mL程度とすることができる。本実施形態の吸引チップ8の内容積は、20μLである。
吸引チップ8を構成する材料としては、通常の吸引チップに使用される材料であれば特に限定されない。たとえば、材料として、ポリプロピレンまたはポリスチレン等の樹脂を採用することができる。本実施形態の吸引チップ8は、ポリプロピレン製である。
吸引口82の径および管状通路84の内径としては特に限定されず、細胞凝集塊2を吸引することができる大きさであればよい。本実施形態の吸引チップ8の吸引口82の内径は、150μmであり、管状通路84の内径は4500μm(最大)である。
図1に示されるように、使用状態において吸引チップ8の後端部分87は、コンデンサ6とウェルプレート4との間の間隙から側方へ延び出す横姿勢となるよう配置され、同じく横姿勢とされた吸引ピペット9を介して後述する移動装置10と接続される。その結果、移動装置10をコンデンサ6からの照射光を遮る位置に配置することなく、ウェルプレート4の斜め上方に配置することができるとともに、コンデンサ6とウェルプレート4との間の間隙に吸引チップ8および吸引ピペット9の一部を配置させることができる。また、吸引チップ8の先端部分83を、細胞凝集塊2が保持されたウェル3内へ略鉛直方向から挿入されるように略鉛直方向に向けることができる。コンデンサ6とウェルプレート4との間の間隙に配置された吸引チップ8の鉛直方向の長さ(L)は、特に限定されず、たとえば16〜45mmとすることができる、本実施形態では、長さ(L)は、38mmである。なお、コンデンサ6とウェルプレート4との間の間隙に吸引チップ8を進入させる方法としては特に限定されず、たとえばステージ5を前後、左右方向に移動させる方法を採用することができる。
先端部分83の長さは特に限定されず、ウェル3内へ先端部分83を挿入させた際に、ウェル3内に保持された細胞凝集塊2を吸引できる位置まで吸引口82を細胞凝集塊2に接近させることができる長さであればよい。本実施形態では、細胞凝集塊2がウェル3の内底部31に沈降している場合であっても確実に吸引口82を内底部31まで到達させる観点から、先端部分83の長さは、ウェル3の開口部から内底部31までの距離(凹部の深さ)よりも長くなるよう屈曲部81の位置が調整されている。具体的には、凹部の深さが9〜18mmであるのに対して、先端部分83の長さを20mmとしている。
移動装置10(駆動手段)は、吸引ピペット9を横姿勢で接続でき、接続した吸引ピペット9を横姿勢を維持した状態で上下移動させるための装置であり、ステージ5の斜め上方に配置される。移動装置10は、吸引ピペット9が接続された本体部101と、該本体部101が走行するガイド部102とを備える。本体部101は、略直方体形状の筐体内に、本体部101を上下方向に移動させることにより吸引ピペット9を上下移動させるモータ(図示せず)と、該モータを制御するコントローラ(図示せず)と、吸引力を発生するシリンジポンプ(図示せず)を備える。本体部101の筐体の外側には、シリンジポンプにより吸引力が発生される吸引口であって吸引ピペット9と接続される接続口が形成されている。ガイド部102には直線歯車(ラック)が設けられており、本体部101には、円形歯車(ピニオン)が設けられている。コントローラにより制御されたモータが駆動することにより、本体部101はガイド部102を走行する。なお、モータは、本体部101を上下移動させる以外に、たとえば撮像装置7の対物レンズの被写界深度内に吸引チップ8の吸引口82が捉えられるよう本体部101を前後、左右方向にも移動させて、対象物回収装置1の較正(キャリブレーション)を行うことができる。較正は、吸引チップ8の交換時や、装置立ち上げ時等に適宜行われる。
本体部101の下方向への移動により、細胞凝集塊2が保持されたウェル3内に、吸引チップ8の先端部分83が下方向へ挿入されて、吸引口82が細胞凝集塊2に近づけられる。細胞凝集塊2の位置と吸引口82の位置とは撮像装置7の表示装置71に表示されるため、吸引口82は、位置が確認されながら正確に細胞凝集塊2に近づけられる。コンデンサ6からの照射光は、先端部分83以外に遮られることがないため、細胞凝集塊2は充分な照射光の下で観察される。その後、吸引ピペット9により吸引チップ8の管状通路84内に吸引力が発生されると、細胞凝集塊2は管状通路84内に吸引され回収される。この際、表示装置71には、ウェル3内の状況(細胞凝集塊2の有無)が表示されるため、回収の成否が容易に判別できる。表示装置71によりウェル3内に細胞凝集塊2が存在しないことが確認された後、本体部101の上方向への移動により、先端部分83が上方向に移動され、ウェル3内から吸引口82を含む先端部分83が引き上げられる。管状通路84内に回収された細胞凝集塊2は、ウェルプレート4と同じステージ5上に隣接された回収用プレート(図示せず)に吐出される。なお、吸引が適切に行われた結果ウェル3内に細胞凝集塊2が存在しないことが表示装置71により確認された場合には、比較的短時間のうちに、吸引口82を含む先端部83をウェル3内の液体11から引き上げることが好ましい。これにより、管状通路84内に回収された細胞凝集塊2が管状通路84内を沈降して再度ウェル3内に落下することを防止することができる。また、回収用プレートに吐出された細胞凝集塊2を観察するために、撮像装置7は、適宜前後、左右方向に移動される。さらに、撮像装置7の対物レンズは、回収用プレートに吐出された細胞凝集塊2を被写界深度内に捉えるために、適宜上下方向に移動され、焦点が合わされる。
以上、本実施形態の対象物回収装置1によれば、吸引チップ8はL字状の屈曲部81を備えるため、吸引チップ8の先端部分83が移動装置10によりウェル3内へ略鉛直方向から挿入されるよう先端部分83を吸引対象となる細胞凝集塊2が保持されたウェル3の略真上に配置することができる。そのため、移動装置10は、従来のように斜め方向から細胞凝集塊2に吸引口82を近づけるのではなく(図16参照)、鉛直方向に先端部を移動させることにより、鉛直方向から細胞凝集塊2に吸引口82を近づけることができる。この際、吸引チップ8の屈曲部81よりも後端部分87は、コンデンサ6とウェルプレート4との間の間隙から側方に延び出して横姿勢となるよう配置される。そのため、吸引チップ8を、同じく横姿勢となるよう配置された吸引ピペット9と接続し、該吸引ピペット9を移動装置10と接続することにより、移動装置10を、従来のようにコンデンサからの照射光を遮る位置ではなく(図17参照)、コンデンサ6から照射される照射光を遮らない位置(たとえばステージ5の斜め上方)に配置することができる。その結果、コンデンサ6からの照射光は、移動装置10に遮られることがなく、細胞凝集塊2は、充分な照射光の下で撮像装置7により観察される。したがって、本実施形態の対象物回収装置1によれば、充分な照射光の下で撮像装置7により細胞凝集塊2を観察しながら、コンデンサ6から照射される照射光を遮らない位置に配置された移動装置10により吸引チップ8の屈曲部81よりも先端部分83を下方向に移動させ、吸引口82を正確に細胞凝集塊2と接近させて回収することができる。
(第2の実施形態)
以下に、本発明の第2の実施形態の対象物回収装置に用いられる吸引チップ8aについて、図面を参照しながら詳細に説明する。本実施形態の対象物回収装置は、吸引チップの構成が異なる以外は第1の実施形態の対象物回収装置1と同じ構成であるため、吸引チップ8以外の構成については説明を省略する。
図4は、本実施形態の対象物回収装置に用いられる吸引チップ8aの構成を説明する断面図であり、図5は、該吸引チップ8aの先端部分83aの断面図である。吸引チップ8aは、L字状の屈曲部81を有し、細胞凝集塊を吸引するための吸引経路となる管状通路84aを内部に備えた樹脂製の本体部85aと、管状通路84aの一端の開口部である吸引口82aと、管状通路84aの他端の開口部であって吸引ピペットに接続される接続口86aと、吸引口82aに接続されるガラス(本体部85aよりも高光透過性、高剛性、かつ、高耐熱性の材料)製の管状部材12とを備える。管状部材12は、管状通路84aと連通する一端開口部121と、細胞凝集塊を吸引する吸引口として機能する他端開口部122とを備える。本体部85aと管状部材12とは、接続部13において接続される。
本体部85aは樹脂製であり、適度な柔軟性(変形性)を備える。そのため、本体部85aを接続口86aを介して吸引ピペットと接続する際に、接続口86aの径が適度に押し拡げられ、吸引ピペットの一端と隙間無く接続される。その結果、吸引時等における意図しない空気漏れが防止され、より正確に細胞凝集塊を回収することができる。また、本体部85aは樹脂製であるため製造時にL字状に屈曲させやすく、製造時の利便性がよい。なお、図4に示されるように、本実施形態の吸引チップ8aには、吸引ピペットとより確実に隙間なく接続されるように、管状通路84aの内周面に、環状突起であるシール部14が設けられている。シール部14は、本体部85aと同じく樹脂製であり、吸引ピペットと接続される際、接続口86aに挿入された吸引ピペットから受ける応力により変形する。吸引ピペットと吸引チップ8aとは、シール部14を介して隙間なく強固に接続される。
管状部材12はガラス製であり、樹脂のみで先端部分83aを形成する場合よりも剛直で、光透過性および耐熱性が高い。そのため、吸引時に発生する液流などにより先端部分が不安定に揺動しにくく、さらに正確な操作に基づいて細胞凝集塊を回収することができる。また、管状部材12は、ガラス製であるため、他端開口部122の径は、樹脂で先端部を形成する場合よりも小さく加工されやすい。そのため、本実施形態の吸引チップ8aは、樹脂製の吸引チップを用いる場合と比較して他端開口部122の近傍に生じさせる吸引力を相対的に大きくすることができ、かつ、他端開口部122を吸引対象となる細胞凝集塊に可能な限り近づけやすい。その結果、この他端開口部122によれば、周囲に他の微小な夾雑物が存在する場合であってもこれらを吸引せずに吸引対象となる細胞凝集塊のみをより確実に吸引することができる。また、管状部材の外径が小さいため注射器(インジェクタ)としての利用も可能であり、吸引した細胞凝集塊を、別の細胞に注射することもできる。管状部材12の長さ(一端開口部121から他端開口部122までの長さ)は特に限定されず、たとえば0.1〜30mmとすることができる。本実施形態では、管状部材12の長さは3mmである。また、管状部材12の他端開口部122の外径および内径は特に限定されず、たとえば外径を1〜1000μm、内径を0.5〜600μmとすることができる。本実施形態では、外径は150μmであり、内径は80μmである。
また、図5に示されるように、管状部材12の内周壁には、アクリルシリコーン系樹脂からなる疎水コート層15が設けられている。これにより、たとえば培地等の液体に含まれる細胞凝集塊を回収する場合において、他端開口部122が培地と接触した際に生じる毛細管現象の影響を抑制することができるとともに、細胞凝集塊を回収する際の抵抗を軽減させることができる。また、吐出時に吸引した液体や細胞凝集塊が排出されやすく、残存しにくい。
なお、疎水コート層15の材料としては特に限定されず、たとえば、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリサルホン、ポリフェニルサルホン、ポリエーテルポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、変性ポリフェニルサルホン、スチレンアクリロニトリル、CR−39、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、軟質アクリル樹脂、シリコーン樹脂およびフッ素系プラスチック等を使用することができる。疎水コート層15は、これらの材料からなる樹脂溶液を管状部材12の内周壁に吹き付ける方法等により形成される。
管状部材12と本体部85aとが接続された接続部13を形成する方法としては特に限定されず、本体部85aを熱収縮させて接続部13を形成する方法や、本体部85aと管状通路84aを接着剤(たとえば紫外線硬化接着剤等)で接着する方法等を採用することができる。本実施形態では、接続部13は、本体部85aの熱収縮により形成されている。具体的には、管状部材12の一端開口部121を含む端部が本体部85aの管状通路84aに挿入された状態で、接続部13は、管状通路84aの内周壁が端部の外周壁に圧着されるよう本体部85aを熱収縮させることにより形成されている。すなわち、管状部材12が本体部85aよりも高耐熱性を備えるため、一端開口部121を含む端部を本体部85aの管状通路84aに挿入した状態で、管状部材12が変形せず、かつ、本体部85aが熱収縮する程度の熱を加えることにより、本体部85aの管状通路84aの内周壁を管状部材12の端部の外周壁に圧着させて接続部13を形成している。このように本体部85aを熱収縮させて管状部材12と接続することにより、本体部85aと管状部材12とは接続部13において隙間無く接続される。その結果、吸引ピペットにより本体部85aの管状通路84a内に発生させた吸引力を減衰させることなく管状部材12の他端開口部122まで伝わらせることができ、細胞凝集塊を回収しやすい。なお、紫外線硬化接着剤を用いる場合、塗布しただけでは硬化せず、必要な時に紫外線を照射して硬化させることができ、利便性がよい。この場合、本実施形態の吸引チップ8aは透光性材料で作製されているため、紫外線が良好に通過し、紫外線効果接着剤を硬化させる。
以上、本実施形態の対象物回収装置によれば、吸引チップ8aが、接続部13を介して樹脂製の本体部85aと接続されるガラス製の管状部材12をさらに備える。樹脂製の本体部85aは適度な柔軟性を備えることにより、吸引ピペットと隙間なく接続される。また、本体部85aと管状部材12とは、本体部85aを熱収縮させた接続部13により接続されているため、吸引ピペットが発生する吸引力を減衰させることなく管状部材12の他端開口部122に伝えることができる。また、ガラス製の管状部材12は、樹脂のみで先端部分83aを形成する場合よりも剛直かつ耐熱性の高い構造であるため、対象物を回収する際にさらに正確な操作を行うことができる。
(参考実施形態)
以下に、参考実施形態の吸引チップ8bについて、図面を参照しながら詳細に説明する。図6は、本実施形態の吸引チップ8bの構成を説明する模式図である。吸引チップ8bは、細胞凝集塊2を吸引するための吸引経路となる管状通路84bを内部に備えた樹脂製の本体部85bと、管状通路84bの一端の開口部である吸引口82bと、管状通路84bの他端の開口部であって吸引ピペットに接続される接続口86aと、本体部85bの吸引口82bに接続されるガラス(本体部85bよりも高剛性、かつ、高耐熱性の材料)製の管状部材12aとを備える。
管状部材12aは、管状通路84bと連通する一端開口部121aと、細胞凝集塊2を吸引する吸引口として機能する他端開口部122aとを備える。また、管状部材12aの内周壁には、アクリルシリコーン系樹脂からなる疎水コート層が設けられている。本体部85bと管状部材12aとは、接続部13aにおいて接続される。本実施形態の吸引チップ8bは、本体部85bにL字状の屈曲部が形成されておらず、直線状である以外は、第2の実施形態において図4を参照して説明した吸引チップ8aと同じであるため、重複する説明は省略する。
本実施形態の吸引チップ8bは、公知の吸引ピペットに接続して使用することができる。図7は、本実施形態の吸引チップ8bを接続した吸引ピペット9aの模式図である。吸引チップ8bは、図6に示される本体部85bの接続口86bに、吸引ピペット9aの開口部91aを含む先端部分92が挿入されることにより吸引ピペット9aと接続される。吸引チップ8bには、吸引ピペット9aとより確実に隙間なく接続されるように、管状通路84bの内周面に、環状突起であるシール部14aが設けられている。シール部14aは、本体部85bと同じく樹脂製であり、吸引ピペット9aと接続される際、接続口86bに挿入された吸引ピペット9aから受ける応力により変形する。吸引ピペット9aと吸引チップ8bとは、シール部14aを介して隙間なく強固に接続される。
吸引ピペット9aは、接続時において吸引チップ8bの管状通路84bと連通する内部通路92aと、ユーザが操作する操作ボタン93aとを備える。操作ボタン93aは、押し下げられることにより、吸引ピペット9aの内部通路92a内の空気が排出される。このとき、内部通路92aと吸引チップ8bの管状通路84bとは連通されているため、吸引ピペット9aの管状通路84bの内容物(空気)も排出される。操作ボタン93aが押し下げられた状態で、吸引チップ8bの他端開口部122aを細胞凝集塊2に近づけ、その状態で、操作ボタン93aを引き上げることにより、細胞凝集塊2は、他端開口部122aから管状通路84b内に吸引される。
また、本実施形態の吸引チップ8bは、対象物回収装置1aに含まれる吸引ピペット9bに接続して使用される。図8は、本実施形態の吸引チップ8bを接続した対象物回収装置1aの模式図である。本実施形態の対象物回収装置1aは、対象物回収装置1aの吸引ピペット9b(吸引装置)がL字状に屈曲した屈曲部91を備え、吸引チップ8bが直線状の本体部85bを備える以外は、第1の実施形態において図1を参照して説明した対象物回収装置1と同じであるため、重複する説明は省略する。
図8に示されるように、使用状態において、吸引ピペット9bの屈曲部91よりも先端部分92は、吸引チップ8bがウェル3内に略鉛直方向から挿入されるように、略鉛直方向に向けられ、細胞凝集塊2を保持するウェル3の略真上に配置される。一方、吸引ピペット9bの屈曲部91よりも後端部分93は、コンデンサ6とウェルプレート4との間の間隙から側方へ延び出す横姿勢となるよう配置され、移動装置10と接続される。その結果、この対象物回収装置1aによれば、移動装置10をコンデンサ6からの照射光を遮る位置に配置することなく、ウェルプレート4の斜め上方に配置することができるとともに、コンデンサ6とウェルプレート4との間の間隙に吸引チップ8bおよび吸引ピペット9bの先端部分92を配置することができ、かつ、吸引チップ8bを、ウェル3内へ略鉛直方向から挿入されるように略鉛直方向に向けることができる。
コンデンサ6から照射される照射光が吸引ピペット9bの先端部分92により遮られないように、吸引ピペット9bの少なくとも先端部分92は透光性材料で形成される。透光性材料としては、第1の実施形態のウェルプレート4の説明において挙げた材料を採用することができる。
以上、本実施形態の吸引チップ8bは、接続部13aにおいて樹脂製の本体部85bと接続されるガラス製の管状部材12aを備える。樹脂製の本体部85bは適度な柔軟性を備えることにより、吸引ピペットと隙間なく接続される。また、ガラス製の管状部材12aは、樹脂のみで先端部分を形成する場合よりも剛直かつ耐熱性の高い構造であるため、対象物を回収する際にさらに正確な操作を行うことができる。
また、吸引チップ8bは、公知の吸引ピペット9aに接続することができ、対象物回収装置1aに含まれる吸引ピペット9bに接続することもできる。特に、対象物回収装置1aに接続される場合には、該対象物回収装置1aの吸引ピペット9bはL字状の屈曲部91を備えるため、吸引チップ8bが移動装置10によりウェル3内へ略鉛直方向から挿入されるよう吸引対象となる細胞凝集塊2が保持されたウェル3の略真上に配置することができる。そのため、移動装置10は、従来のように斜め方向から細胞凝集塊2に吸引口を近づけるのではなく(図16参照)、鉛直方向に吸引チップ8bを移動させることにより、鉛直方向から細胞凝集塊2に吸引チップ8bの他端開口部122aを近づけることができる。この際、吸引ピペット9bの屈曲部91よりも後端部分93は、コンデンサ6とウェルプレート4との間の間隙から側方に延び出して横姿勢となるよう配置される。そのため、吸引ピペット9bを移動装置10と接続することにより、従来のようにコンデンサからの照射光を遮る位置ではなく(図17参照)、移動装置10を、コンデンサ6から照射される照射光を遮らない位置(たとえばステージの斜め上方)に配置することができる。その結果、コンデンサ6からの照射光は、移動装置10に遮られることがなく、細胞凝集塊2は、充分な照射光の下で撮像装置7により観察される。したがって、本実施形態の吸引チップ8bを用いた対象物回収装置1aによれば、充分な照射光の下で撮像装置7により細胞凝集塊2を観察しながら、コンデンサ6から照射される照射光を遮らない位置に配置された移動装置10により吸引ピペット9bの屈曲部91よりも先端部分92を下方向に移動させ、吸引チップ8bの他端開口部122aを正確に細胞凝集塊2と接近させて回収することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、たとえば次のような変形実施形態を採用することができる。
(1)上記実施形態(第1の実施形態)では、モータは、本体部を主に上下移動させ、対象物回収装置の較正のために前後、左右方向にも移動させる場合を例示した。これに代えて、本発明では、モータは、本体部を前後、左右、上下の3方向に自由に移動させることができるように制御してもよい。これにより、ウェルプレートが載置されたステージを移動させなくても、吸引チップの吸引口を細胞凝集塊(対象物)の上方に配置することができる。この場合、ステージの移動に伴って細胞凝集塊が移動することがないため、細胞凝集塊は、位置が正確に把握されやすく、より確実に吸引される。
(2)上記実施形態(第1の実施形態)において、管状通路にスペーサを挿入することにより、管状通路の内容積を減らしてもよい。図9は、上記した第1の実施形態の吸引チップの別例を説明する模式図である。本別例の吸引チップ8cでは、管状通路841にシリンジシャフト88(スペーサ)が挿入されている。シリンジシャフト88は外周に周状突起881を備え、周状突起881は管状通路841の内周壁と隙間なく当接している。また、シリンジシャフト88は、吸引ピペット9cと接続するための凸部882を一端に備え、該凸部882は吸引ピペット9cに設けられた移動部材93に嵌め込まれる。また、吸引チップ8cは、接続口861を介して吸引ピペット9cの先端と接続される。
シリンジシャフト88と吸引チップ8cとを吸引ピペット9cに接続する接続手順は特に限定されない。図10(a)〜図10(c)は、シリンジシャフト88と吸引チップ8cとを吸引ピペット9cに接続する接続手順の一例を示す模式図である。まず、シリンジシャフト88の凸部882は、吸引ピペット9cの移動部材93に嵌め込まれる(図10(a))。次いで、シリンジシャフト88を管状通路841内に挿入し、吸引チップ8cの接続口861に吸引ピペット9cを接続するとともに(図10(b))、周状突起881を管状通路841の内周壁に隙間なく当接させる(図10(c))。
移動部材93は、吸引ピペット9cの軸方向に設けられた略円筒状の部材であり、駆動機構(図示せず)によって吸引ピペット9cの先端において出没動作(進退移動)を行うように駆動される。そのため、移動部材93に接続されたシリンジシャフト88は、移動部材93の進退移動により、管状通路841内をピストン運動する。図11(a)〜図11(b)は、本別例の吸引チップ8cを用いて細胞凝集塊2を吸引する動作を説明する模式図である。まず、吸引チップ8cの吸引口821は、ウェル3aに貯留された液体11に保持された細胞凝集塊2に略鉛直方向から充分に近づけられる(図11(a))。その後、移動部材93を吸引方向の上流側へ移動させることによりシリンジシャフト88を同方向へ移動させる。この際、シリンジシャフト88の周状突起881が管状通路841の内周壁に隙間なく当接しているため、移動部材93を吸引方向の下流側へ移動させると、周状突起881と管状通路841の内周壁との当接位置(以下、単に当接位置という場合がある)から吸引方向の上流側において吸引力が発生し、吸引口821から細胞凝集塊2が吸引される(図11(b))。この吸引時において、吸引口821から当接位置までにおける管状通路841の内容積はシリンジシャフト88を挿入していない場合(第1の実施形態参照)の管状通路の内容積よりも充分に小さい。そのため、吸引時における管状通路841内の圧力変動が充分に小さい。その結果、本別例の吸引チップ8cを使用することにより、吸引時の圧力変動に伴う吸引量の誤差が抑制され、微量(たとえば0.5μL)の液体11等を正確に吸引することができる。吸引された細胞凝集塊2は、当接位置よりも吸引方向の上流側に保持される。
シリンジシャフト88の材料としては特に限定されず、移動部材93の移動により、管状通路841内をピストン運動する際に、管状通路841の内周壁の形状(特に屈曲部81の形状)に追従して変形することができる材料が好ましい。これらの材料としては特に限定されず、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリスチレン等を採用することができる。本別例では、ポリエチレン製のシリンジシャフト88を採用している。
なお、管状通路841の内周壁およびシリンジシャフト88には、疎水コート層を設けることが好ましい。疎水コート層の種類および該疎水コート層を設ける方法は特に限定されず、第2の実施形態において詳述した方法を採用することができる。疎水コート層を設けることにより、吸引チップ8cは、より正確に微量の液体11等を吸引することができる。
(3)上記実施形態(第2の実施形態)では、本体部の吸引口にガラス製の管状部材が接続された吸引チップを例示した(吸引チップ8a、図4参照)。これに代えて、本発明の対象物回収装置に含まれる吸引チップでは、管状部材(後述するガラス部)は本体部の一部として本体部に含まれてもよく、この場合、屈曲部が管状部材に形成されてもよい。図12は、上記した第2の実施形態の吸引チップ8aの別例(吸引チップ8d)を説明する断面図である。本別例では、吸引チップ8dの構成が異なる以外は第2の実施形態の対象物回収装置と同じ構成であるため、吸引チップ8d以外の構成については説明を省略する。また、吸引チップ8dの構成のうち、第2の実施形態で詳述した吸引チップ8aの構成と同様の構成に関しても、説明を省略する。
吸引チップ8dは、樹脂部851とガラス部852とからなる本体部85cを備える。本体部85cは、細胞凝集塊(対象物)を吸引するための吸引経路となる管状通路842を内部に備える。管状通路842の一端の開口部は、細胞凝集塊を吸引するための吸引口822として機能し、他端の開口部は、吸引ピペット9(吸引手段、図1参照)に接続される接続口862として機能する。
樹脂部851とガラス部852とは、接続部853により接続される。接続部853を形成する方法としては特に限定されず、第2の実施形態において詳述した方法を採用することができる。本別例では、接続部853は、第2の実施形態で詳述した吸引チップ8aと同様に、樹脂部851の熱収縮により形成されている。樹脂部851を構成する材料は特に限定されず、第1の実施形態において本体部を構成する材料として詳述した材料を採用することができる。本別例では、樹脂部851はポリプロピレン製である。ガラス部852は、L字状の屈曲部81aを有する。屈曲部81aよりも先端部分はウェル3(図1参照)内へ略鉛直方向から挿入され、屈曲部81aよりも後端部分はコンデンサ6(照射手段)とウェルプレート4との間の間隙から側方へ延び出す横姿勢に配置される。
ガラス部852を構成するガラスは、樹脂部851を構成する樹脂よりも光透過性が高い。そのため、本別例では、屈曲部81aを樹脂部851に設ける場合と比べて、コンデンサ6から照射される照射光がより減衰されることなく撮像装置7(観察手段)に入射する。その結果、コンデンサ6からの照射光は、移動装置10に遮られることがなく、細胞凝集塊2は、充分な照射光の下で撮像装置7により観察される。
(4)上記実施形態では、リングスリットを内蔵するコンデンサと、位相板を内蔵する撮像装置とを備えることにより、位相差顕微鏡の原理を用いて細胞凝集塊を観察する構成を備える対象物回収装置を例示した。これに代えて、本発明の対象物回収装置は、コンデンサに励起フィルタを内蔵させ、撮像装置に蛍光フィルタを内蔵させることにより、蛍光顕微鏡の原理を用いて細胞凝集塊を観察する構成を備える対象物回収装置としてもよい。この場合、細胞凝集塊は蛍光性を有する必要がある。そのため、蛍光性を有していない細胞凝集塊を観察する場合は、あらかじめトリパンブルー等の蛍光色素により染色してから測定に供する。染色方法としては特に限定されず、適宜好ましい染色方法を採用すればよい。たとえば、化学的蛍光染色、抗体蛍光染色などの方法を採用することができる。他にも、緑色蛍光タンパク質(Green Fluorescent Protein(GFP))などの蛍光タンパク質を誘導する遺伝子を遺伝子組み替えによって細胞凝集塊に導入して観察する方法を採用することができる。また、コンデンサに偏光板とウェラストンプリズムを設けることにより、微分干渉顕微鏡の原理を用いて細胞凝集塊を観察する構成を採用してもよい。さらに、偏光顕微鏡、実体顕微鏡、明視野顕微鏡、暗視野顕微鏡、超音波顕微鏡、共焦点顕微鏡、レーザ走査顕微鏡、電子顕微鏡、走査型プローブ顕微鏡、X線顕微鏡、バーチャル顕微鏡、デジタルマイクロスコープなどの原理を用いて細胞凝集塊を観察する構成を備える対象物回収装置としてもよい。
(5)上記実施形態では、細胞凝集塊を吸引して回収する場合を例示した。これに代えて、本発明の対象物回収装置は、たとえば逆錐台形状の貫通孔が形成されたウェルプレートを使用し、該貫通孔内に細胞凝集塊を保持した状態で撮像装置により形状を観察し、回収すべき細胞凝集塊のみを貫通孔から下方へ落下させることにより回収してもよい。細胞凝集塊を貫通孔から下方へ落下させる方法は特に限定されず、たとえば、吸引チップの吸引口から、液流またはガス流を噴射させて細胞凝集塊を貫通孔から下方へ落下させる方法を採用することができる。
(6)上記実施形態では、細胞凝集塊を吸引して回収する場合を例示した。これに代えて、本発明の対象物回収装置は、外径が小さく鋭利な先端を備えた管状部材を備える吸引チップを用いることにより、注射器(インジェクタ)として使用することができる。この場合、本発明の対象物回収装置は、ウェル内に保持された細胞に対して別の細胞や遺伝子を導入するためのマイクロマニピュレーションシステム(Micro Manipulation System)として使用することができる。
(7)上記実施形態では、撮像素子としてCCDイメージセンサを用いる場合を例示した。これに代えて、本発明の対象物回収装置は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor 相補性金属酸化膜半導体)イメージセンサをはじめとする各種撮像素子を用いてもよい。
(8)上記実施形態では、細胞凝集塊が細胞培養液等に保持される場合を例示した。これに代えて、本発明の対象物回収装置は、細胞凝集塊を保持する液体として、細胞凝集塊の性状を劣化させないものを適宜使用することができる。代表的な液体としては、たとえば基本培地、合成培地、イーグル培地、RPMI培地、フィッシャー培地、ハム培地、MCDB培地、血清などの培地のほか、冷凍保存前に添加するグリセロール、セルバンカー(十慈フィールド(株)製)等の細胞凍結液、ホルマリン、蛍光染色のための試薬、抗体、精製水、生理食塩水などを挙げることができる。また、細胞凝集塊に合わせた培養保存液を用いることができる。たとえば、細胞凝集塊がBxPC−3(ヒト膵臓腺癌細胞)である場合には、RPMI−1640培地に牛胎児血清FBS(Fetal Bovine Serum)を10%混ぜたものに、必要に応じて抗生物質、ピルビン酸ナトリウムなどのサプリメントを添加したものを用いることができる。
(9)上記実施形態では、1の吸引ピペットが移動装置に接続された対象物回収装置を例示した。これに代えて、本発明の対象物回収装置は、複数の吸引ピペットが移動装置に接続された対象物回収装置としてもよい。これにより、1度に複数の細胞凝集塊を回収することができ、作業効率が向上する。
(10)上記実施形態では、移動装置は上下方向にのみ移動する場合を例示した。これに代えて、本発明の対象物回収装置は、前後、左右、上下の3方向のほか、斜め方向にも移動可能な移動装置を採用してもよい。これにより、ステージを前後、左右に移動させてウェルプレートを移動させる必要がない。また、細胞凝集塊がウェル内で移動した場合に、移動装置を移動させることにより吸引チップの吸引口の位置を容易に移動させることができる。
(11)上記実施形態では、撮像装置の表示装置に、ウェル内の細胞凝集塊や吸引チップの吸引口等の画像(動画像を含む)が表示され、ユーザが該画像を確認しながら操作する場合を例示した。これに代えて、本発明の対象物回収装置は、撮像装置に鏡筒を付設して、該鏡筒をユーザが覗き込むことによりウェル内の細胞凝集塊や吸引チップの吸引口等の位置を直接観察する構成を採用してもよい。
(12)なお、上記実施形態においてユーザが行う処理は、処理内容をあらかじめプログラム化したソフトウェア等でロボットを制御し、該ロボットを用いて自動処理することが可能である。たとえば、移動装置により吸引チップの屈曲部よりも先端部分がウェル内に挿入される前に、ウェル内の細胞凝集塊の真上に吸引チップの吸引口(管状部材が設けられている場合には該管状部材の他端開口部)が配置されたか否かを判定し、細胞凝集塊の真上に吸引口が配置されていないと判定された場合に、細胞凝集塊の真上に吸引口が配置されるようステージまたは移動装置を移動させる手順をプログラム化したソフトウェアを用いてロボットを制御してもよい。
(13)また、上記実施形態における吸引チップは、公知の吸引ピペット(図7の吸引ピペット9a参照)に取り付けることにより、ユーザが操作することも可能である。この場合、ユーザは、吸引チップの先端部分がウェル内へ略鉛直方向から挿入されるよう吸引ピペットを操作する。
(14)さらに、上記実施形態における吸引チップは、対象物が保持されている容器がウェルプレートでなく、フラスコや培養容器等である場合にも適用することができる。図13は、本発明のステージに載置される容器の別例(フラスコ)を説明する模式図である。フラスコ4aは、略直方体形状の本体部4a1と該本体部4a1と一体的に設けられた略円筒形状の開口部4a2とを備える。フラスコ4aは、本体部4a1の内部に培養液等の液体11を貯留することができ、該培養液に細胞凝集塊2(対象物)を加え、振とう培養器(図示せず)に設置して振とうする等により細胞凝集塊2を培養することができる。
本発明の吸引チップ8の先端部分83の長さが開口部4a2の口径よりも短い場合には、フラスコ4aの開口部4a2の開口方向が略水平方向となるように傾けることにより、先端部分83を、水平方向から開口部4a2内に挿入することができる。その後、吸引チップ8の管状通路に吸引力を発生させることにより、フラスコ4a内の細胞凝集塊2を吸引して回収することができる。そのため、本発明の吸引チップ8は、フラスコ4aを用いて培養した細胞凝集塊2を、培養後に他の容器(たとえばシャーレやウェルプレート等)に移動させることなく、直接吸引して回収することができるため、利便性がよい。
フラスコ4aの形状は特に限定されず、三角型、丸底型、ナス型等であってもよい。
上述した具体的実施形態には以下の構成を有する発明が主に含まれている。
本発明の一局面による対象物回収装置は、吸引される対象物を保持するウェルを備えるウェルプレートが載置されるステージと、前記ステージに載置される前記ウェルプレートから上方に離間して配置され、前記ウェル内に保持される前記対象物に対して上方より照射光を照射する照射手段と、前記ステージに載置される前記ウェルプレートの下方に配置され、前記ウェル内に保持される前記対象物を下方より観察する観察手段と、前記ウェル内に保持される前記対象物を吸引するための吸引チップと、前記吸引のための吸引力を発生させる吸引手段と、前記吸引手段を上下に移動させる駆動手段と、を備え、前記吸引チップは、L字状の屈曲部を有し、前記対象物を吸引するための吸引経路となる管状通路を内部に備えた本体部と、前記管状通路の一端の開口部であって前記対象物を吸引するための吸引口と、前記管状通路の他端の開口部であって前記吸引手段に接続される接続口とを備え、前記吸引手段は、前記吸引チップの前記屈曲部よりも先端部分が前記ウェル内へ略鉛直方向から挿入されるよう上下に移動されることを特徴とする。
本発明において、吸引チップはL字状の屈曲部を備える。そのため、本発明では、吸引チップの屈曲部よりも先端部分が駆動手段によりウェル内へ略鉛直方向から挿入されるよう吸引チップの屈曲部よりも先端部分を対象物の略真上に配置することができる。また、吸引チップの屈曲部よりも後端部分を略水平方向に向けることができる。その結果、接続口を介して接続される吸引手段や、該吸引手段と接続される駆動手段を、照射手段から照射される照射光を遮らない位置(たとえばステージの斜め上方)に配置することができる。したがって、本発明によれば、充分な照射光の下で観察手段により対象物を観察しながら、照射手段から照射される照射光を遮らない位置に配置された駆動手段により吸引チップの屈曲部よりも先端部分を下方向に移動させ、吸引口を正確に対象物と接近させて対象物を回収することができる。
上記構成において、前記ウェルは、前記対象物を保持する内底部を有する凹部であり、前記先端部分の長さが、前記凹部の深さよりも長いことが好ましい。
この場合、対象物は、ウェルの内底部に保持される。駆動手段は、内底部に保持された対象物と、吸引口とが接近する位置まで、屈曲部よりも先端部分を下方向に移動させることができる。その結果、このような構成を備える本発明は、対象物がウェルの内底部に沈降している場合でも、より確実に回収することができる。
上記構成において、前記本体部の吸引口に接続される管状部材をさらに備え、該管状部材は、前記本体部よりも高光透過性、高剛性、かつ、高耐熱性の材料からなり、前記管状通路と連通する一端開口部と、前記対象物を吸引する吸引口として機能する他端開口部とを備えることが好ましい。
このように、吸引チップに本体部よりも剛直かつ光透過性および耐熱性の高い管状部材が備えられている場合、対象物を回収する際により正確な操作を行うことができる。
上記構成において、前記本体部が樹脂製であり、前記管状部材がガラス製であることが好ましい。
このように、本体部を樹脂製とすることにより、本体部に適度な柔軟性(変形性)を付与することができる。そのため、該本体部を接続口を介して吸引手段と接続する際に、接続口の径が適度に押し拡げられ、吸引手段の一端と隙間無く接続される。その結果、吸引時等における接続部からの意図しない空気漏れが防止され、より正確に対象物を回収することができる。また、本体部を樹脂製とすることにより、L字状に屈曲させやすく、吸引チップを製造しやすい。さらに、ガラス製の管状部材を設けることにより、樹脂で先端部分を形成する場合よりも剛直かつ高光透過性および耐熱性の高い構造とすることができるため、対象物を回収する際にさらに正確な操作を行うことができる。
上記構成において、前記本体部と前記管状部材との接続部は、前記管状部材の前記一端開口部を含む端部が前記本体部の前記管状通路に挿入された状態で前記管状通路の内周壁が前記端部の外周壁に圧着されるよう前記本体部を熱収縮させることにより形成された接続部であることが好ましい。
本発明は、管状部材が本体部よりも高耐熱性を備える。そのため、一端開口部を含む管状部材の端部を本体部の管状通路に挿入した状態で、本体部を熱収縮させることにより、該管状通路の内周壁が前記端部の外周壁に圧着されて、本体部と管状部材とが隙間無く接続される。その結果、吸引手段により本体部の管状通路内に発生される吸引力を減衰させることなく管状部材の吸引口まで伝わらせることができ、対象物を回収しやすい。
上記構成において、前記管状部材は、内周壁に疎水コート層を備えることが好ましい。
本発明では、管状部材の内周壁に疎水コート層を設けることにより、たとえば細胞培養液等の液体に含まれる対象物を回収する場合において、吸引口が該液体と接触した際に生じる毛細管現象の影響を抑制することができるとともに、該液体に含まれる対象物を回収する際の抵抗を軽減させることができる。また、吐出時に吸引した液体や細胞凝集塊が排出されやすく、管状通路内や管状部材内に残存しにくい。
上記構成において、前記対象物が、生体由来の細胞であることが好ましい。
生体由来の細胞は、形状の偏差が大きく、微小かつ透明である。本発明では、このような生体由来の細胞であっても、充分な照射光の下で観察することにより形状を確認しながら、駆動手段により屈曲部よりも先端部分を下方向へ移動させて回収することができるため、バイオ関連技術や医薬の分野における作業の効率化に寄与することができる。
上記構成において、前記対象物が、生体由来の細胞凝集塊であることが好ましい。
生体由来の細胞凝集塊は、1個の細胞を用いて得た試験結果よりも、細胞凝集塊の内部に各細胞間の相互作用を考慮した生体類似環境が再構築されており、個々の細胞の機能を考慮した結果が得られ、かつ、実験条件を、より生体内における環境に即した条件に揃えることができるため、再生医療分野や抗がん剤等の医薬品の開発分野において重要とされている。また、細胞凝集塊は、種々の形状を呈する。本発明では、形状を観察しながら各種試験に適した細胞凝集塊のみを回収することができるため、試験に供する細胞凝集塊の形状を揃えることができ、上記したバイオ関連技術や医薬の分野(再生医療分野や抗がん剤等の医薬品の開発分野を含む)において信頼性の高い結果を得ることができる。

Claims (8)

  1. 吸引される対象物を保持するウェルを備えるウェルプレートが載置されるステージと、
    前記ステージに載置される前記ウェルプレートから上方に離間して配置され、前記ウェル内に保持される前記対象物に対して上方より照射光を照射する照射手段と、
    前記ステージに載置される前記ウェルプレートの下方に配置され、前記ウェル内に保持される前記対象物を下方より観察する観察手段と、
    前記ウェル内に保持される前記対象物を吸引するための吸引チップと、
    前記吸引のための吸引力を発生させる吸引手段と、
    前記吸引手段を上下に移動させる駆動手段と、を備え、
    前記吸引チップは、L字状の屈曲部を有し、前記対象物を吸引するための吸引経路となる管状通路を内部に備えた本体部と、前記管状通路の一端の開口部であって前記対象物を吸引するための吸引口と、前記管状通路の他端の開口部であって前記吸引手段に接続される接続口とを備え、
    前記吸引チップは、前記吸引チップの前記屈曲部よりも先端部分が前記ウェル内へ略鉛直方向から挿入され、前記屈曲部よりも後端部分が、前記照射手段と前記ウェルプレートとの間の間隙から側方へ延び出す横姿勢に配置され、
    前記駆動手段は、前記横姿勢を維持した状態で、前記吸引手段を上下に移動させる、対象物回収装置。
  2. 前記ウェルは、前記対象物を保持する内底部を有する凹部であり、
    前記先端部分の長さが、前記凹部の深さよりも長い、請求項1記載の対象物回収装置。
  3. 前記本体部の吸引口に接続される管状部材をさらに備え、
    該管状部材は、前記本体部よりも高光透過性、高剛性、かつ、高耐熱性の材料からなり、前記管状通路と連通する一端開口部と、前記対象物を吸引する吸引口として機能する他端開口部とを備える、請求項1または2記載の対象物回収装置。
  4. 前記本体部が樹脂製であり、前記管状部材がガラス製である、請求項3記載の対象物回収装置。
  5. 前記本体部と前記管状部材との接続部は、前記管状部材の前記一端開口部を含む端部が前記本体部の前記管状通路に挿入された状態で前記管状通路の内周壁が前記端部の外周壁に圧着されるよう前記本体部を熱収縮させることにより形成された接続部である、請求項3または4記載の対象物回収装置。
  6. 前記管状部材は、内周壁に疎水コート層を備える、請求項3〜5のいずれか1項に記載の対象物回収装置。
  7. 前記対象物が、生体由来の細胞である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の対象物回収装置。
  8. 前記対象物が、生体由来の細胞凝集塊である、請求項7記載の対象物回収装置。
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