JP2016118389A - 相互作用解析装置 - Google Patents

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修孝 隈崎
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隆之 小原
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Abstract

【課題】測定基板に対する測定試料の固定を自動化し、かつ観察時における測定試料の量を、作業者が任意に制御することのできる、相互作用解析装置を提供する。【解決手段】基板と、前記基板に測定試料および反応試薬を提供するための送液機構と、前記基板表面の測定試料を観察するための観察機構と、前記観察機構の観察結果をもとに、前記測定基板上における前記測定試料の固定量を解析する解析機構と、前記基板に対する前記測定試料の固定量を調整する制御機構を有することを特徴とする相互作用解析装置であって、基板表面に前記測定試料を固定し、前記基板表面に固定された前記測定試料の固定量を測定し、前記測定結果をもとに前記基板に対する前記測定試料の固定量を調節することを特徴とする。【選択図】 図1

Description

本発明は、物質や生体の相互作用を解析する装置に関する。特に細胞などの生体試料が、刺激に対してどのような応答を示すかを測定する方法、装置に関する。
創薬のため、有効な薬物をスクリーニングするための方法として、細胞が薬物に対して感受性があるか否かを判定する技術(セルベースアッセイ)が広まっている。従来は薬物の効果を簡便に評価する際には、標的分子と対象薬物が物理的に結合するか否かを判定する方法が用いられていた。これに対し、薬物の標的となる細胞の生理的な応答を直接測定することで、薬物の効果をより正確に評価できる。このセルベースアッセイの技術は、創薬のみならず、いろいろな分野に用いられている。例えば、アレルギー検査として、患者が特定のアレルゲンに反応するか判定したり、ある物質がアレルギー反応を引き起こす可能性について判定したりできる。また、抗がん剤などの薬物を投与する際に、最も効果的な薬物を選択して投与する、個別化医療にも適用可能である。
セルベースアッセイの典型的な手順は以下の通りである。まず、測定試料となる細胞を培養したり、被験者から採取する。次に、細胞をセンサーチップなどの基板表面に固定する。そして、反応試薬を添加して測定試料に接触させ、蛍光顕微鏡などの手段を用いて観察、測定し、得られたデータを解析して細胞の変化の有無や大きさを得る。
観察手段としては、生物学では一般的な蛍光観察のほか、近年では表面プラズモン共鳴(Surface Plasmon Resonance:SPR)を利用した手法が用いられている。
SPRの原理について説明する。金属に対して光を当てると、金属内部の自由電子が集団的に振動を起こす状態となる。この状態をプラズモン(Plasmon)と呼ぶ。この現象は金属表面においても生じており、これを表面プラズモン(Surface Plasmon)と呼ぶ。このとき金属表面には電子の振動によって電場が生じる。いま、上面に金属薄膜が蒸着されたガラス基板があったとする。基板下面よりガラスと金属薄膜の界面で全反射する角度で光を入射した場合、金属薄膜表面にはエバネッセント波が生じる。このエバネッセント波と、先述の表面プラズモンの波数が揃った際に共鳴が生じる。これを表面プラズモン共鳴:SPRと呼ぶ。SPRが発生すると入射光のエネルギーが共鳴によって奪われるため、反射光の強度が低下する。なおSPRが生じるときの入射角を共鳴角とよび、その値は金属薄膜表面の誘電率に依存する。
特許文献1では、SPRを利用して外部刺激に対する細胞の応答を観察している。表面に金薄膜が形成され基板に対し、アミノ基末端を有する自己組織化単分子膜を構築し、センサーチップとする。センサーチップに細胞懸濁液を滴下して細胞を表面に固定する。細胞が固定された基板を装置にセットして、SPR観察を行う。このときの入射角は、細胞の誘電率によって共鳴が生じる角度に設定されている。このため反射光の強度は低下している。この状態で刺激物質を添加すると、細胞が応答し、例えばヒスタミン等を遊離する。その結果細胞の誘電率が変化し、共鳴状態が崩れ、反射光の強度が増加する。このような反射光の信号強度変化を測定することによって、細胞の変化を観察する。なお特許文献1のように、CMOSなどのイメージセンサを用いることで平面的なSPR情報を得る手法を、SPRイメージング(SPR Imaging:SPRI)と呼ぶ。
しかしながら特許文献1の手法では、反射光の信号強度が細胞数に依存するため、定量的な評価が難しく、また測定ごとの再現性が低いという問題があった。そこで上記課題を解決する手法として特許文献2では、SPR測定結果から細胞数を計算し、単位細胞あたりの変化量に換算することで、細胞数による結果のばらつきを補正する手段を提供している。まず細胞が付着可能な領域と、付着不可能な領域を有するSPR基板を準備し、細胞培養液に浸漬し培養する。基板を洗浄して装置にセットし、入射角を徐々に変化させながらSPR観察を行う。細胞が付着している領域と細胞が付着していない領域とでは誘電率が異なるため、両者の共鳴角に差が生じる。この角度の差分を、予め求めておいた細胞1個あたりの共鳴角の変動値で除することにより、細胞数を算出する。その後入射角を細胞が固定された領域における共鳴角に設定し、刺激物質を添加し、共鳴角の変動量を測定する。最後に変動量を細胞数で除することにより、単位細胞あたりの変動量として規格化された値を得ることができる。
特許3795312 特開2007−333612
特許文献2では、1mm^2の領域に細胞1個が固定されたときの共鳴角変動を0.4mdegとして細胞数を計算している。つまり正確に細胞数を計算するためには、共鳴角を設定するための回転軸の角度分解能を0.4mdeg以下に設定する必要があるが、このためには高精度な回転ステージが必要となり、装置コストの増大に繋がる。実際には分解能の低い回転ステージを用いて共鳴曲線を作成した後、カーブフィッティングによって共鳴角を求めているが、この方法では計算結果に誤差が生じることが避けられない。また細胞の大きさや種類によって1細胞あたりの共鳴角変動の値が異なるため、汎用性が低い。
また、特許文献1および特許文献2記載のいずれの手法においても、基板に細胞を固定するプロセスと、SPR観察のプロセスが独立しているため、基板上に細胞がどの程度固定されているかという情報は、実際にSPR観察を行う段階になって初めて明らかになる。SPR観察を開始した時点で、仮に基板上の細胞数が観察に適した範囲から外れていた場合、再度固定のプロセスを行わねばならないため、作業者にかかる負担が大きい。
基板などの表面に細胞を固定する場合、基板と細胞懸濁液との接触時間を変化させることで、固定量を制御する手法が一般的である。しかしながら、細胞の種類や環境条件によって基板に付着する速度が変化する。さらに、例えば低倍率で観察する場合、ある程度細胞数が多くても問題ないが、高倍率で1細胞を観察したい場合には細胞同士が離れている必要があるように、観察に最適な細胞数は用途によって異なる。このため、接触時間のパラメータのみで、様々な種類の細胞の固定量を任意に制御することは、極めて困難である。
そこで、本発明は、測定基板に対する測定試料の固定を自動化し、かつ観察時における測定試料の量を、作業者が任意に制御することのできる、相互作用解析装置を提供する。
上記課題解決するために、本発明は、特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
ある1つの側面は、
基板と
前記基板に測定試料および反応試薬を提供するための送液手段と、
前記基板表面の測定試料を観察するための観察手段と、
前記観察結果をもとに、前記基板において前記測定試料が固定された量に関する情報を解析する解析手段と、
前記情報をもとに、前記基板において前記測定試料が固定される量を調整する制御手段と、
を有することを特徴とする。
本発明によれば、結果の信頼性が高く、かつ使い勝手の良い相互作用解析装置を提供することができる。
実施例1記載の装置構成である。 実施例1記載のフローセル周辺の構成である。 実施例1記載の動作のフローチャートである。 実施例1記載の解析結果である 実施例2記載の装置構成である。 実施例2記載のフローセル周辺の構成である。 実施例3記載の装置構成である。 実施例3記載の別の装置構成である。 実施例4記載の装置構成である。 実施例5記載の装置構成である。
以下、本発明の新規な特徴と利益を、図面を参酌して説明する。ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の範囲を限定するものではない。
(装置構成)
実施例1の装置構成を図1に示す。解析装置101は、照射部102、検出部103、フローセル104、プリズム105、送液部106、からなる。解析装置101の動作は制御PC108によって制御される。制御PC108にはモニタ109が接続され、解析結果等を表示する。また、解析装置101には温調装置107が設けられており、CO2ガスボンベ110から送られるCO2ガスの温度を調整することで、解析装置101内部の一部または全体の温度およびCO2濃度を任意に設定可能である。
(照射部・検出部の構造説明)
照射部102および検出部103について説明する。照射部102は、光源111、光ファイバ112、集光レンズ113、偏光素子114などの部品で構成される。また検出部103は、結像レンズ115、イメージセンサ116などの部品で構成される。光源111はSPR観察のための励起光光源である。光ファイバ112から出射した励起光117は集光レンズ113によって集光され、平行ビームに成形される。平行ビームとなった励起光117は偏光素子114によってS偏光成分が除去され、P偏光成分のみとなる。P偏光となった励起光117はプリズム105に入射後、フローセル104裏側からフローセル104内部に侵入し、測定領域118に角度θで入射する。その後励起光117は角度θで反射して反射光118となり、再びフローセル104・プリズム105を透過し、プリズム105外へ出射される。出射された反射光は結像レンズ115で集光され、イメージセンサ116上に2次元イメージとして結像される。イメージセンサ116は、画像を取得して、制御PC108に画像データを送信する。制御PC108には解析部121が存在し、イメージセンサ116より送られてきた画像データを解析し、その結果をモニタ109に表示する。照射部102と検出部103はプリズムの中心線に対して、線対称に配置されている。なお、照射部102と検出部103は、フローセル104に対して任意の角度をとることができる駆動ステージ上に配置されるが、図1では省略した。また、集光レンズ113と偏光素子114の間には、励起光の照射範囲を変えるための絞りが設けられているが、図1では省略した。
本実施例では、光源111としてLED光源(波長640nm)を、光ファイバ112として石英コアファイバ(コア径600μm、NA0.22)を、集光レンズ113として球面アクロマティクレンズ(外径50mm、焦点距離25mm)を、偏光素子114として偏光フィルタ(適応波長400〜700nm)を、結像レンズ115として対物テレセントリックレンズ(倍率5倍)を、イメージセンサ116として1/2型CMOSカメラ(有効画素数1280×1024(130万画素)、画素サイズ5.2μm)を、それぞれ用いた。集光レンズ113通過後の励起光117のスポット径はφ10mmである。
本実施例では、光源111として波長640nmのLEDを用いたが、異なる波長の電磁波を発振する装置を用いても良い。選択できる波長の範囲は、例えば300nm〜300μmである。LEDの他に、固体レーザやガスレーザ、半導体レーザなどが使用可能である。また、複数波長を発振する1つの光源111から、所望の波長成分をバンドパスフィルタ等によって取り出しても良い。光源111は、例えばキセノンランプなどである。
本実施例では、偏光素子114として市販の偏光フィルタを用いたが、例えば偏光ビームスプリッターや、グラントムソンプリズムなど、同様の機能を有する部品が使用可能である。
本実施例では、結像レンズとして対物テレセントリックレンズを用いたが、市販のマシンビジョンレンズ、ズームレンズ等が使用可能である。結像レンズの種類を交換することで、用途に合わせて低倍率〜高倍率の観察が可能となる。
(送液部の構造説明)
次に、送液部106について説明する。送液部106は、試薬リザーバ123〜125、送液用チューブ126〜127、切り替えバルブ128〜129、送液ポンプ130、廃液タンク131によって構成される。各試薬リザーバ123〜125には送液チューブが接続され、切り替えバルブ128〜129を介して送液チューブ126に統合される。送液チューブ126は、フローセル104の開口部(導入用)に接続される。フローセル104には別の開口部(排出用)が設けられており、こちらにも別の送液チューブ127が接続される。送液チューブ127の末端部分は廃液タンク131に繋がっている。また、送液チューブ127には送液ポンプ130が取り付けられ、試薬リザーバ123〜125からフローセル104への液の移動を行う。リザーバ123〜125からフローセル104に送られる試薬の種類、液量、送液速度、送液のタイミング等は、制御PC108の送液系制御部120が、切り替えバルブ128〜129と送液ポンプ130に対して動作指示を出すことによって行われる。
本実施例では、リザーバ123には測定試料を、リザーバ124には反応試薬を、リザーバ125にはバッファーをそれぞれ満たす。また本実施例では、送液チューブ126〜127としてTYGON R−3603(内径0.8mm、サンゴバン製)を、切り替えバルブ128〜129として3方ソレノイドバルブを、送液ポンプ130としてペリスタルティックポンプ(最大圧力0.1MPa)をそれぞれ用いた。なお個々の部品類はこの限りではなく、例えば切り替えバルブとして6方切り替えバルブを用いることで、部品点数を低減することができる。また、送液ポンプ130として、シリンジポンプ等の別の送液手段が選択可能である。
(フローセルの構造説明)
フローセル104およびプリズム105を保持する機構の構成を図2に示す。フローセル104は基板201、流路部品202からなる。フローセル104とプリズム105は、ホルダ203によって保持される。基板201は、一般的なSPR基板同様、ガラス基板の測定試料を固定するための観察面(おもて面・図2における上側)に金の薄膜を形成することによって作製される。流路部品202には、表面に流路パターンとしての溝204が形成されている。前記基板201の金薄膜面と流路部品202の溝側平面とを密着させることによって、フローセル104として機能する。ホルダ203には、送液用チューブ126〜127を通すための開口部209〜210が設けられている。送液用チューブ126〜127はホルダの開口部209〜210を通り、それぞれ流路部品202上の開口部207〜208に接続される。またホルダ203には、温調されたCO2ガス用配管211を通すための開口部212が設けられている。流路部品202として使用するPDMSは高いガス交換機能を有しており、基板201表面の温度およびCO2濃度を一定に保つことが可能である。本実施例では、細胞が最も活発となるよう、温度37℃、CO2濃度5%に調節されている。なお、ホルダ203には視野の移動やピント調整のための直動ガイドが取り付けられているが、図1では省略した。
本実施例で用いた基板201の材質はOhara社製S−LAL10、形状は縦横20×20mm、厚さ1.0mmの板状である。また表面に形成した金薄膜の厚みは50nmである。なお、ガラス基板と金薄膜の間には、厚み1nmのクロムが接着層として存在する。また、本実施例で用いた流路部品202の材質はポリジメチルシロキサン(PDMS)で、形状は縦横18mm、厚さ5mmの板状である。溝204のサイズは幅2mm、深さ1mm、長さ10mmである。溝204の両端からは溝204と反対側の面まで伸びる垂直の流路205〜206が存在し、それぞれの末端には開口部207〜208が設けられている。また、本実施例で用いたプリズム105の材質は基板201と同じOhara社製S−LAL10で、形状は一辺20mmの正三角形を底面とした高さ20mmの三角柱状である。基板201とプリズム105側面(正方形の面)との間には図示されないマッチングオイルによって光学的に接している。本実施例では、マッチングオイルとしてカーギル標準屈折液(屈折率1.72)を用いている。
基板201表面には測定試料の固定を促進するための処理がなされていても良い。例えば、ポリーL−リジンや、測定試料に応じた各種抗体などによって処理されていても構わない。その他、基板201表面に微小な凹凸などを設けることで、測定試料を保持しやすくすることも可能である。
本実施例では基板201にPDMS流路202を貼りつけたが、例えば薄いシート状のPDMSに流路パターンが形成されたものを、基板201およびカバーガラス等の部材で挟むような構造としても良い。
フローセル104の溝204は複数本設けられていて良い。溝204の本数や幅、溝204同士の間隔等に制限は無いが、測定領域118が複数の溝204の一部または全部をカバーしており、かつ溝204同士がイメージセンサ116上で分離可能な条件で結像される条件であることが望ましい。
本実施例ではプリズム105と基板201の材料としてS−LAL10を用いたが、これらは光学的に透明であればどのような材料であっても良く、例えばガラス、サファイア、石英、アクリル樹脂などが使用可能である。またプリズム105と基板201の材料については、両者間の光の移動の際に界面での反射を防ぐために同じ材質であることが望ましいが、界面で全反射しない条件であれば、異なる材質の組み合わせであっても構わない。プリズム105の形状は三角プリズムに限らず、台形や四角形など別の形状としても良い。例えば半円柱状プリズムを用いれば、励起光117は入射角によらずプリズム105に対して常に垂直に入射するようになり、反射による損失を最小限に抑えることができる。
本実施例では金薄膜を形成した基板201を用いたが、プリズム105表面に直接金薄膜が形成し、そこで解析を行っても良い。基板201とプリズム105を一体化することで、両者の界面における光の反射損失を低減できる。また部品点数が低減し、マッチングオイルが不要となるため、操作性が向上する。
本実施例ではホルダ203内に温風を導入することで基板201表面を温調しているが、装置101全体を温調しても良い。また、例えばペルチェ素子などの温調部品を直接または間接的にプリズム105側面に接触させてもよい。またプリズム105の側面にITO等の導電性薄膜を形成し、通電することによって温調してもよい。
本実施例ではホルダ203内のCO2濃度を制御しているが、装置101全体のCO2濃度を制御しても良い。
(装置動作のフローチャート)
本実施例による一連の観察プロセスについて、DNP−HSA抗原(Sigma−Aldrich社)の刺激に対する、ラット好塩基球由来の細胞株であるRBL−2H3細胞の応答機能の測定を例に説明する。
RBL−2H3細胞はその表面のIgE受容体が、受容体に結合したIgEを介して抗原と結合することで活性化する。すると、細胞内のヒスタミンやタンパク質分解酵素などを含む顆粒を放出(脱顆粒)する。これがI型アレルギーの発症に重要な役割を果たすとされている。この、RBL−2H3細胞の抗原刺激への応答現象は、アレルギー反応の評価方法として広く用いられている。例えば、食品や薬剤、環境中の物質(花粉やハウスダストなど)を抗原(反応試薬)とし、物質の抗原性(アレルギー反応を引き起こすか否か)を評価できる。または、抗原の他に加える物質の抗アレルギー効果を評価してもよい。すなわち、既に応答が見られることが分かっている細胞と抗原の組合せ、例えば(以下に述べるような)抗DNP−IgE抗体で感作したRBL−2H3細胞、DNP−HSA抗原を用いた上で、ここにさらに被験物質を加えることで応答が抑制されるか、または増強されるか、否かを測定すればよい。
図3は、本発明による観察のフローチャートである。以下、本発明による細胞機能観察方法について、図1〜4を用いて説明する。
工程開始前に、測定試料や反応試薬等を準備する。まず、RBL−2H3細胞を、10%ウシ胎児血清(FCS)、100unit/mL ペニシリン,100μg/mLストレプトマイシンを加えたRPMI(Roswell Park Memorial Institute)培地で培養(5%CO2、37℃)した。次に細胞培養用ディッシュ(HydroCell、セルシード社)中で、50ng/mLのマウスモノクローナル抗DNP−IgE抗体(Sigma社)を加えた培養液により24時間培養(5%CO2、37℃)することによって細胞を感作させた.その後,感作した細胞をSiraganianバッファー(119mM NaCl、5mM KCl、0.4mM MgCl,25mM piperazine−N,N‘−bis(2−ethanesulfonic acid)(PIPES),40mM NaOH,pH7.2)中に濃度1×10^6個/mLとなるよう再懸濁し、測定に用いる測定試料とした。装置にセットする前に、10分間の予備加温(5%CO2、37℃)を施した。反応試薬としては、50ng/mL DNP−HSA抗原液を用いた。バッファーとしては、Siraganianバッファーを用いた。
以上の手順によって調整した各種試薬および、フローセル104を装置101にセットした。なお、基板ホルダ203内部は予め温度37℃、CO2濃度5%に制御されている。
工程P1で、入射角の調整を行う。送液系制御部120はポンプ130およびバルブ128〜129を操作してフローセル104にバッファーを送った後、ポンプ130を停止し、フローセル104内部をバッファーで充填する。本実施例では、送液量500μL、送液速度1.6μL/秒(100μL/分)で送液を行った。バッファー充填後、光学系制御部122は照射部102と検出部103を操作して、励起光117の入射角を連続的に変化させながらSPR観察を行う。本実施例では、入射角45〜70°の範囲を0.5°間隔で連続的変化させながら画像を取得した。イメージセンサ116の露光時間0.1秒である。画像データは制御PC108に逐次送信され、解析部121は送られた画像から反射光119の信号強度の解析を行う。本実施例では反射光119の強度として、バッファーが存在する領域の信号強度の和を、画素数で平均した値を用いた。解析部121は、励起光117の入射角をX軸、反射光119の信号強度をY軸としてプロットを作成し、極小値を示す点を後述の応答観察における入射角とする。本実施例では、入射角は57.5°であった。
工程P2で、観察時の細胞固定量の目標値を設定する。細胞固定量の目標値は、作業者が直接入力する。または、作業者が予め装置101に記録されている条件(例えば「高倍率観察」など)を選択することによって自動的に設定される。
なお、細胞を1個単位で観察する場合、観察視野内にある程度の細胞が存在し、かつ細胞同士が重ならずに固定されている状態が望ましい。本実施例では、細胞固定量の指標として平均細胞密度を採用した。以下に、平均細胞密度の目標値を設定するための計算方法について説明する。
細胞が基板上にランダムに固定されるものと仮定すると、平均細胞密度δのとき、面積sの範囲にx個の細胞が存在する確率B(x)は、ポアソン分布に従って以下の式(1)で表わすことができる。
B(x)=(sδ)x/x!exp(−sδ) ・・・式(1)
面積sは、ある細胞を中心とした半径rの範囲(s=πr^2)である。この範囲内に別の細胞が存在しない確率B(0)は以下の式(2)で表わすことができる。
B(0)=exp(−sδ)
=exp(−πr^2δ) ・・・式(2)
細胞が円形の場合、面積sを細胞の面積とすれば、B(0)は「細胞同士が重ならずに存在する確率」であると言える。このときのrは、2個の細胞が接するときのそれぞれの細胞の中心間距離(細胞の直径)に等しい。平均細胞密度δとB(0)の関係は、以下の式(3)によって与えられる。
δ=−{logB(0)}/(πr^2) ・・・式(3)
例えば、直径10μmの細胞を用いて、50%以上の細胞が重ならずに存在する条件を満たす平均細胞密度δは、式(3)をδについて解くことで得られる(式(4))。
δ≦−{log0.5}/(πr^2)
≦2206個/mm^2 ・・・式(4)
平均細胞密度の目標値を2206個/mm^2以下に設定することで、視野内において重なりの無い細胞の数が過半数となる。すなわち、重なりの無い細胞を選別するための作業量を低減することができ、解析の効率が向上する。好ましい平均細胞密度δは335個/mm^2以下であり、このとき90%の細胞が重ならずに存在する条件を満たす。より好ましい平均細胞密度δは163個/mm^2であり、このとき95%の細胞が重ならずに存在する条件を満たす。なお、前記条件において、視野内の重なりの無い細胞の数は、それぞれ427個、219個である。
一方、平均細胞密度の目標値を335個/mm^2以上に設定すると、重なりのある細胞の割合が10%を超えるため、重なりの無い細胞の選別に時間を要するが、より多くの細胞を観察することが可能である。すなわち、観察する細胞の絶対数を大きくすることで、ばらつきの少ない解析結果を得ることができる。好ましい平均細胞密度は1135個/mm^2以上であり、視野内の重なりの無い細胞の数は1126個である。より好ましい平均細胞密度は2206個/mm^2以上であり、視野内の重なりの無い細胞の数は1563個である。なお平均細胞密度が3182個/mm^2を超えると視野内の重なりの無い細胞の数は減少し、重なりのある細胞が多数を占める。このため、主に重なりのある細胞を観察する用途などにおいては、平均細胞密度が3182個/mm^2以上であることが好ましい。
以上の計算方法により、作業者は観察の用途に合わせ、最適な平均細胞密度を設定することが可能である。例えば、作業者にテキストボックス等から、希望する重なりのない細胞の割合(例えば90%)を入力させ、これから適する平均細胞密度を算出し、目標値として設定してもよい。本実施例では、視野内に十分な数の細胞が存在し、かつ大部分の細胞が重ならない条件として、平均細胞密度の設定値を100個/mm^2とした。
工程P3で、基板201表面に細胞を固定する。送液系制御部120はポンプ130およびバルブ128〜129を操作してフローセル104に測定試料を送った後、ポンプを130停止し、フローセル104内部を測定試料で充填する。本実施例では、送液量500μL、送液速度1.6μL/秒(100μL/分)で送液を行った。
工程P4で、基板201表面に付着した細胞数のモニタリングを行う。光学系制御部122は照射部102と検出部103を操作して、本工程開始から一定時間経過後に画像を取得し、制御PC108に画像データを送る。本実施例では、工程開始後10分で画像を取得するよう設定した。解析部121は画像を解析し、そのときの細胞の固定量を計算する。本実施例では、まず測定試料が存在する領域の画像データを切り出し、切り出した画像を二値化し、粒子数解析を行うことで細胞数を求め、切り出した画像データのピクセル数から面積を求め、細胞数を面積で除することによって細胞密度を計算した。そのほか、面積から計算する方法(バックグラウンド以外のピクセル数をカウントし、予め求めておいた細胞1個に相当するピクセル数で除することによって細胞数を求める)など、種々の方法によって計算が可能である。密度の計算を行わず、細胞数のみを固定量として用いても良い。また、固定量の指標として、細胞間の距離を用いてもよい。例えば、取得した画像から細胞同士の距離、例えば中心間距離または細胞同士の輪郭間の距離を算出し、全ての細胞間の距離の最大値、最小値、平均値、中央値などを固定量の指標として、制御してもよい。
工程P5で、細胞固定量の判定を行う。解析部121は、工程P4で算出した固定量と、工程P2で設定した目標値を比較し、その結果に応じて送液系制御部120と光学系制御部122のいずれかもしくは両方に指示を出す。固定量と目標値の比較方法としては、値の大小、両者の差が基準値より大きいか否か、両者の比が基準値より大きいか否か、などを用いてよい。または、当該時点一点の固定量だけでなく、経時変化を用いてもよい。例えば、ある時点での微分値や、ある時間帯での平均的な増減量や増減率、積算値、積分値などを用いてもよい。比較に用いる際の基準値等のパラメータは、装置の製造や調整、設定時にあらかじめ設定しておいてもよく、解析フローの途中、例えば工程P2の固定量の目標値の設定時に併せて、GUIやコマンドラインから作業者に入力させたり、設定ファイル等から読み込んだりしてもよい。解析部121は、これらの比較方法を用いて、未だ固定量の調整の必要があるか、または固定量の調整が不要なので、次の工程P6へ進めばよいかを判定する。
例えば、固定量が工程P2で設定した目標値に達していなかった場合、固定量を調整する必要があるため、解析部121は必要な処理を送液系制御部120と光学系制御部122のいずれかもしくは両方に指示し、再度工程P4に進む。指示の内容としては、例えば、単に一定時間待機する指示を出すことで、固定反応の進行を促してもよい。また、固定反応を促進するような条件、温度、液の撹拌、流速、その他の物理的な条件の変更を指示してもよい。または、工程P3の固定反応に進んでもよい。または、これらの指示を組み合わせたり、適宜これらのうちから選択したりしてもよい。
例えば、固定量が工程P2で設定した目標値に達していた場合、固定量の調整が不要であるため工程6に進むが、必要に応じて固定反応停止のための処理を行う。具体的には、送液系制御部120がポンプ130およびバルブ128〜129を操作してフローセル104にバッファーを送り、フローセル104内部の測定試料をバッファーに置換する。本実施例では、送液量500μL、1.6μL/秒(100μL/分)で送液を行った。固定反応の停止処理は本方法に限らず、各種の方法を用いることができる。固定反応を阻害もしくは停止するような薬剤を添加しても良い。温度やpHなどその他の物理条件を変えても良い。
工程P6で、応答観察を行う。光学系制御部122は照射部102と検出部103を操作して、一定の時間間隔で連続的に画像を取得する(タイムラプス撮影)。本実施例では露光時間0.1秒、撮影間隔を10秒とした。撮影した画像データは制御PC108に逐次送信され、解析部121は送られた画像から反射光119の信号強度の解析を行う。本実施例では反射光119の信号強度として、バッファーが存在する領域の全画素の信号強度を平均した値を用いて解析を行ったが、例えば流路部品を含む全ての領域の全画素を用いて計算しても良い。また、1つ以上の任意の領域に限定して解析を行っても良い。解析部121は、経過時間をX軸、反射光の信号強度をY軸としてプロットを作成し、リアルタイムでモニタ109に表示する。
タイムラプス撮影開始から一定時間経過後に、細胞に対し刺激物質を含む反応試薬を接触させる。送液系制御部120はポンプ130およびバルブ128〜129を操作してフローセル104に反応試薬を送った後、ポンプ130を停止し、フローセル104内部を反応試薬で充填する。本実施例では、開始から60秒経過後に、送液量500μL、送液速度1.6μL/秒(100μL/分)で反応試薬の送液を行った。
反応試薬充填から一定時間経過後に、タイムラプス撮影を終了する。光学系制御部122は照射部102と検出部103を操作して、照射部102および検出部103の動作を停止し、測定が完了した旨をモニタ109に表示し作業者に告知する。本実施例では、反応試薬充填から1800秒経過後に、タイムラプス撮影を終了した。
最後に、送液系制御部120はポンプ130およびバルブ128〜129を操作してフローセル104にバッファーを送り、送液チューブ126〜127およびフローセル104内をバッファーで洗浄した後、ポンプ130を停止する。本実施例では、送液量4000μL、送液速度3.2μL/秒(200μL/分)で送液を行った。なお、バッファーによる洗浄前に、トリプシンを含む溶液を送液してもよい。前記プロセスを追加することで基板201表面に付着した細胞が脱落し、基板201表面が測定前の状態に戻るため、基板201を交換することなく繰り返し測定することが可能である。
工程P5の内部または前後にタイムアウトエラーの判定を含んでもよい。この判定のタイミングは、例えば、固定量と目標値の比較の前または後でよく、または、固定反応の調整のための処理を送液系制御部120と光学系制御部122のいずれかもしくは両方に指示する前や後、または、固定反応の停止処理を送液系制御部120と光学系制御部122のいずれかもしくは両方に指示する前や後でもよい。タイムアウトエラーの判定基準は、所定の時間を超過した場合や所定の回数を超過した場合でよい。ここで回数とは固定量と目標値の比較、固定量の算出、固定量調整の実行や指示、などの回数を用いてよい。また、時間とは、測定試料の固定反応の開始時点、装置準備、測定試料や反応試薬等の設置や調製時から起算した経過時間を用いてよい。また、ここに挙げた複数の判定基準を組み合わせても良い。また、作業者に、これらの判定基準のいずれを採用するか、または判定を実施しないかを選択させてもよく、選択のタイミングは解析フローの開始前でも開始後(終了前)でもよい。タイムアウトエラーと判定された後の動作としては、解析フローの一時停止や中止、タイムアウトエラー時用の特殊な固定量調整、強制的な工程P6への移行、などを用いてよく、解析部121は送液系制御部120と光学系制御部122のいずれかもしくは両方に対し、適宜これらに必要な動作内容を指示する。解析フローを一時停止した場合は、例えば解析部121はその旨をモニタ108や音声等を介して作業者に告知し、作業者に次の動作の指示を促し、指示の手段をGUI、CUI、ジェスチャ、音声等を介して提供してよい。動作の選択肢としては、フローの再開、フローの中止や、タイムアウトエラー時用の特殊な固定量調整、強制的な工程P6への移行、などを含んでよい。装置101は、作業者がフローの再開を選ぶ場合に、再開前に測定試料や反応試薬、各種設定値や装置設定を変更できる仕様であっても良い。フローの中止が選択された際は、解析部121は、必要に応じて送液系制御部120と光学系制御部122のいずれかもしくは両方に終了処理を指示してよい。
なお、工程P2の目標値の設定は、工程P5以前であればよい。工程P2の目標値の設定は、好ましくは、工程P1の装置準備のあと、工程P3の固定反応開始の前である。この場合、例えば、まず実験開始時に測定試料や反応試薬類、装置を準備した後、実験条件としてある固定量の目標値を設定、解析を実施して得られた結果について考察を加え、その考察に基づいて新たな実験条件として固定量の目標値を修正して解析する、というような実験の進め方において、装置準備をやり直す必要がないため実験を効率的に進めることが可能になる。または、工程P2の目標値の設定を、工程P1の装置準備の前に実施してもよく、この場合には、ある固定量の目標値を設定した後、装置準備をして解析を進めた結果を見て設定を変更したり、各種試薬を交換、再調製して、改めて解析を実施する、という実験において、目標値設定をやり直す必要がないため、実験を効率的に進めることが可能になる。このようなケースとして、実験結果から、測定試料や反応試薬の不備が推測された場合や、実際に得られた固定量と目標値のかい離(誤差)が期待より大きかった場合や、タイムアウトエラー等で目標とする固定量が得られなかった場合、所望の固定量に到達するまでの時間が想定よりも長くかかりすぎて測定試料や解析結果に悪影響が認められた場合、などが挙げられる。
以上の手段を用いて測定したRBL−2H3細胞の抗原応答反応の結果を図4に示す。測定開始から60秒後に反応試薬の送液を開始し、その約50秒後から、細胞の応答に伴うSPR反射光強度の上昇が確認することができた。
図5に送液部106にピペッタ機構504を用い、フローセル104の代わりにウェル基板601を用いた例を示す。その他の構成は実施例1と同等である。ここでピペッタ機構とは、液体を指定した容積だけ吐出できるものである。吐出前に別個の液体リザーバから吸引した液体を吐出する方式や、ピペッタ機構に直結されたリザーバに予め液体を満たしておき必要に応じて断続的に吐出する方式などを用いてよい。
(構造の説明)
本実施例の送液部106は、試薬リザーバ501〜503とピペッタ機構504からなる。ピペッタ機構504は、ノズル505、ロボットアーム506、配管507、シリンジポンプ508、送液ポンプ509、切り替えバルブ510、水タンク511、洗浄槽512、廃液タンク513からなる。
ノズル505はロボットアーム506によって保持され、必要に応じて、ウェル基板601、試薬リザーバ501〜503、洗浄槽512、廃液タンク513などへ移動できる。ノズル505は配管507を介してシリンジポンプ508に接続されており、試薬リザーバ501〜503やウェル基板601などから指定容積の液体を吸引または吐出可能である。試薬リザーバ501〜503やウェル基板601などから吸引された不要な液体は、廃液タンク503へと吐出される。シリンジポンプ508には、送液ポンプ509が接続されており、水タンク511の水を充填できる。また、ノズル505を廃液タンク513に移動した上で、送液ポンプ509からシリンジポンプ508、ノズル505を介して水を吐出することで、流路内やノズル505内部を洗浄し、コンタミネーションや吸引吐出される液体のキャリーオーバーを防止、低減できる。さらに、ノズル505を洗浄槽512へ移動した上で、切り替えバルブ510を切り替えて、水を洗浄槽510に吐出し、ノズル505に水をかけることで、ノズル505の外側も洗浄可能であり、同じくコンタミネーションや吸引吐出される液体のキャリーオーバーを防止、低減できる。これらの動作は、本図では省略された送液系制御部からロボットアーム506、シリンジポンプ508、送液ポンプ509、切り替えバルブ510に動作指示が送られることによって行われる。
ウェル基板601の構成図を図6に示す。ウェル基板601は、ウェル部品602、基板201、プリズム105およびこれらを一体に保持するためのホルダ603によって構成される。基板201、プリズム105に関しては、基本的に実施例1と同様の構成を用いることができる。ウェル部品602は、1つ以上の液体保持サイト604を備える。ウェル部品602を基板601上に設置することで、前記の液体保持サイト604と基板201とで、1つ以上のウェル605を形成する。ホルダ603には、ノズル505を通すための開口部606が設けられている。開口部606にはセプタ607が設置されている。ノズル505は開口部606のセプタ607を貫通し、ウェル基板601上のウェル605に到達する。またホルダ603には、温調されたCO2ガス用配管211を通すための開口部608が設けられている。これにより、ウェル基板601表面の温度およびCO2濃度を一定に保つことが可能である。本実施例では、細胞が最も活発となるよう、温度37℃、CO2濃度5%に調節されている。なお、ホルダ603には視野の移動やピント調整のための直動ガイドが取り付けられているが、図6では省略した。
1つのウェル基板601に複数のウェル605が存在する場合、一度のウェル基板601のセットアップで、複数条件での相互作用解析が可能となる効果がある。特に、照射部102および検出部103を含む光学系により、複数のウェル605を全時間帯または一時的に同時並行して観察可能である場合、複数条件を同時並行的に解析可能になる。各ウェル605は、その中または上に液体を保持し、ウェル605間の液が意図せず混ざったり移動したりすることを防ぐ機能をもつ。また、各ウェル605は、保持される液体を導入可能な開口部を少なくとも1つずつ持つ。ウェル部品602としては、このような機能を持つ各種の構造を用いてよい。各ウェル605に保持できる液体の量は、用途に応じて適宜変更可能であるが、好ましくは1nL〜1mL、より好ましくは10nL〜100μL、より好ましくは100nL〜10μLである。
ウェル部品602の別の形態としては、液体保持サイト604として貫通穴をもつ厚みを持った板状部材、液体保持サイト604として液を囲む壁面を持つ(例えば、マルチウェルプレートの底面をくり抜いたような)部材、保持する液体に対してはっ水性を示すシート状部材に液体保持サイト604として貫通穴を設けたシート状部材、または基板201表面に施される保持する液体に対してはっ水性や親水性を示す表面処理(および処理によって表面に導入される官能基や分子・原子の配列等)で液体保持サイト604として機能するパターンを持つものなどを用いることができる。前記のパターンとして例えば、各液体保持サイト604以外ははっ水性表面処理され、各液体保持サイト604内は未処理であるパターンや、比較的にはっ水性の基板201の表面上に各液体保持サイト604の外周だけ親水性表面処理を施したパターン、等を用いることができる。また、ウェル部品602の別の例としては、フローセル状の部材で、流路の末端もしくは途中に開口部が設けられたものを用いてもよい。この場合、液体の導入は、液を開口部に滴下したり、ノズル505を開口部に差し込んだ上で注入してもよい。各ウェル605の液体がウェル部品602内部に半ば閉じ込められており、雰囲気に直接触れる表面積が小さくなるため、液体が蒸発しにくく、より正確な解析を実現しやすいという効果がある。
以上の様なピペッタ機構504を用いた場合、異なる測定試料や反応試薬が共通して触れる部分はノズル505のみ、またはノズル505近傍の配管504のみとなるため、キャリーオーバーを防止、低減する効果がある。
その他、プリズム105および基板201の材料、温度およびCO2濃度の制御方法などについては、実施例1に記載したとおり種々の方法が使用可能である。
(動作の概要)
ピペッタ機構504とウェル基板601の組合せを用いたときの実際の解析例について説明する。ここで解析対象は、実施例1と同じく、ラット好塩基球由来の細胞株であるRBL−2H3細胞を測定試料、DNP−HSA抗原(Sigma−Aldrich社)を反応試薬として、細胞の抗原刺激への応答機能の測定を行った。試薬リザーバ501には測定試料を、試薬リザーバ502には反応試薬を、試薬リザーバ503にはバッファーを、それぞれ満たした。ウェル部品602として、板状のPDMS(縦横19×19mm、厚み5mm)に、貫通穴(φ4mm)を開けたものを用い、実施例1と同じく金薄膜を設けた基板201の上面(金薄膜の存在する面)側に密着するよう、ホルダ603で保持した。
なお、基本的な動作のフローチャートは、実施例1に示したものと同じものを用いることができるため、ここでは実施例1と異なる部分についてのみ、図3を引用しながら説明する。また、全ての動作は、実施例1で示した制御PC108内の送液系制御部120および光学系制御部122の指示に従って行われる。
工程P1においてウェル605にバッファーを充填し、入射角の調整を行う。ノズル505は試薬リザーバ503に移動し、バッファーを吸引した後、ウェル基板601に移動し、ウェル605にバッファーを吐出する。本工程に用いたバッファーの液量は10μLである。バッファー吐出後、ノズル505は廃液タンク513に移動し、少量の水を吐出することにより、内部の洗浄を行う。その後ノズル505は洗浄槽512に移動し、外部を洗浄する。以上の動作の後、実施例1に示す手法により、入射角を調整する。なおウェル基板601に複数個のウェル605が存在している場合、特定の一箇所のみにバッファーを充填し、その領域のSPR反射光強度を測定することによって、入射角の調整が可能である。入射角の調整が完了後、ノズル505はウェル基板601に移動し、バッファーを吸引し、廃液タンク513に吐出する。その後、先程と同様の手順で洗浄動作を行う。
工程P3において、測定試料の固定反応を行う。反応は、工程P1と同様の手順で測定試料をウェル605に吐出し、そのまま待機することでなされる。本工程に用いた測定試料の液量は10μLである。待機中、細胞が重力によってウェル605の底に沈む。ウェルの底には金薄膜が露出しており、細胞は生来の性質により金薄膜表面に接着する。その他、測定試料を吸引し、ウェル605に吐出した後に、図示されない別のリザーバから固定反応を開始または促進する別の薬剤を吸引し、同じウェル605に追加して吐出してもよい。
工程P5の固定量判定において、固定量が目標値未満であった場合には、ウェル605から測定試料を5μL吸引し、廃液タンク513に廃棄した上で、試薬リザーバ501から測定試料5μLを吸引し、ウェル605に吐出した。
固定量が目標値以上であった場合には、まずウェル605から測定試料を5μL吸引し、廃液タンク513に廃棄した。試薬リザーバ503からバッファー10μLを吸引し、ウェル605に吐出し、同ウェル605から10μLを吸引して廃液タンク513に廃棄した。この操作を5回繰り返し、ウェル605中の液から、固定していない細胞を取り除き、固定反応を停止した。この操作の繰り返し回数は、あらかじめ決めておいても、また光学系制御部122および解析部121を用いて固定反応の進行をモニタすることで、固定反応の停止が確認されるまで継続してもよい。また、この際にも、タイムアウトや上限回数の設定により、繰り返しを止める条件を設けてもよい。
工程P6で応答観察を行う。応答観察の手順は実施例1に示すとおりである。測定試料に対する反応試薬の添加方法については、まず工程P1と同様の手順で反応試料を吸引し、測定試料が固定されバッファーが充填されたウェル605に添加することでなされる。本工程に用いた反応試薬の液量は10μLである。反応試薬添加後に、ノズル505を用いてピペッティング動作を行うことで、反応試薬の混合を促進しても良い。またはノズル505でウェル605内部のバッファーを廃棄した後、反応試薬を添加しても良い。
図7は、実施例3の照射部と検出部周辺の構成である。そのほかの構成は、前記実施例1の構成と同等である。本実施例の特徴は、エバネッセント光を利用して測定試料を観察することである。本実施例による一連の観察プロセスについて、実施例1と同じくDNP−HSA抗原(Sigma−Aldrich社)の刺激に対する、ラット好塩基球由来の細胞株であるRBL−2H3細胞の応答機能の測定を例に説明する。なお、RBL−2H3細胞はAlexaFluor546(Invitrogen)によって、DNP−HSA抗原はAlexaFluor647(Invitrogen)によって、それぞれ事前に標識されていることとする。
(照射部・検出部の構造説明)
波長の異なる2種類の光源701〜702から出射した励起光をダイクロイックミラー703によって同軸に配置し、フィルタユニット704によって波長を選択した後、レンズ705、プリズム105を通して基板201上に対し、裏側から全反射する条件で入射することで、基板201表面にエバネッセント光照明を形成させる。
一般的にエバネッセント光は、表面から数百nmの範囲に形成される。従って、基板201表面のごく近傍に存在する測定試料のみに限定して照射することができる。エバネッセント光照明によって測定試料から生じた光は、対物レンズ706によって集光され、ダイクロイックミラー707によって波長ごとに分割される。分割された光は、それぞれバンドパスフィルタ708〜709によって必要な波長成分のみが取り出された後、レンズ710〜711によってイメージセンサ711〜713に結像される。
本実施例で用いた基板201の材質は合成石英で、形状は縦横20×20mm、厚さ1.0mmの板状である。表面に金薄膜は存在しない。本実施例で用いたプリズム105の材質は基板201と同じ合成石英で、形状は一辺20mmの正三角形を底面とした高さ20mmの三角柱状である。基板201とプリズム105側面(正方形の面)は、図示されないマッチングオイルによって光学的に接している。本実施例では、マッチングオイルとしてグリセロール(屈折率1.46)を用いている。基板201表面には実施例1と同様のフローセルが形成されているが、図では省略した。
本実施例では、光源701に波長532nmのYAGレーザを、光源702に波長633nmのHe−Neレーザをそれぞれ用いた。ダイクロイックミラー703は、波長580nm以上の成分を透過し、それ以下の波長成分を反射する波長特性を有するものを用いた。フィルタユニット704は、波長532nmのレーザのみを透過するバンドパスフィルタexGと、波長633nmのレーザのみを透過するバンドパスフィルタexRの2種類が、切り替え可能な状態で保持されている。ダイクロイックミラー707は、波長630nm以上の成分を透過し、それ以下の波長成分を反射する波長特性を有するものを用いた。バンドパスフィルタ708は、AlexaFluor546の蛍光波長成分を選択的に抽出するものを用いた。またバンドパスフィルタ709は、AlexaFluor647の蛍光波長成分を選択的に抽出するものを用いた。イメージセンサ712〜713は、実施例1と同一である。
(動作の説明)
本実施例の動作について説明する。基本的な動作のフローチャートは、図3に示したものと同じものを用いることができる。また、全ての動作は、実施例1で示した制御PC108内の送液系制御部120および光学系制御部122の指示に従って行われる。
工程P1で入射角の調整を行う。実施例1と同様に基板201上のフローセルをバッファーで満たした後、励起光を照射し、入射角を連続的に変化させる。ある一定の角度を超えると、励起光は基板201とバッファーの界面で全反射するので、そのとき角度(臨界角)を以降の観察における入射角として設定する。
工程P2で、観察時の細胞固定量の設定を行う。設定の方法および動作は実施例1と同様である。
工程P3で、基板201表面に細胞を固定する。固定の方法および動作は実施例1と同様である。
工程P4で、基板201表面に付着した細胞数のモニタリングを行う。フィルタユニット704を操作してバンドパスフィルタexGに切り替え、蛍光観察を行う。RBL−2H3細胞はAlexaFluor546によって標識されているため、波長532nmのエバネッセント光で励起され、蛍光を発する。検出はイメージセンサ712で行う。前述の通りエバネッセント光は基板201表面から数百ナノメートルの範囲に限定されるため、実質的に基板201表面に付着した細胞のみを検出することができる。
工程P5で、固定量の判定を行う。判定方法および動作は実施例1と同様である。
工程P6で、応答の観察を行う。DNP−HSA抗原を含む反応試薬の添加方法および動作は、実施例1と同様である。フィルタユニット704を操作してバンドパスフィルタexRに切り替え、蛍光観察を行う。RBL−2H3細胞はエバネッセント光の照射範囲内に存在するため、標識されたDNP−HSA抗原がRBL−2H3細胞と結合すると、標識分子であるAlexaFluor647が波長633nmのエバネッセント光で励起され、蛍光を発する。検出はイメージセンサ713で行う。
本実施例では、標識のための蛍光色素としてAlexaFluor546とAlexaFluor647を用いたが、これらは別の蛍光色素であってもかまわない。蛍光色素は、例えばCy3、Cy5などである。また異なる波長特性を有する蛍光色素を用いることもできる。この場合、使用する蛍光色素の波長特性に合わせて、光源701〜702および各種光学部品を選択する。また、蛍光色素の代わりに量子ドットを用いても良い。その他、放射性同位体を含む標識化合物を用いても良い。
本実施例では、波長の異なる2種類の光源701〜702を用いたが、複数波長を発振する1つの光源から、所望の波長成分をフィルタユニット704によって取り出しても良い。光源は例えばキセノンランプなどである。この場合、光源ユニットが1個で済むため、コスト低減の効果がある。
本実施例では、ダイクロイックミラー707で波長ごとに分離した蛍光を、それぞれ2台のイメージセンサ712〜713に結像しているが、例えば透過した蛍光をイメージセンサ713の受光素子の左半分に結像し、反射した蛍光を全反射ミラーで折り返してイメージセンサ713の受光素子の右半分に結像することができる。この場合、イメージセンサ712が不要となり、コスト低減の効果がある。1台のイメージセンサ713で2種類の蛍光を検出する他の方式としては、例えばダイクロイックミラー712を用いずに、バンドパスフィルタ708〜709を切り替え可能なフィルタユニットを用いることができる。また、ダイクロイックミラー712を用いずに回折格子などを用いて波長分散させ、イメージセンサ713上の別の領域に結像させることも可能である。
(蛍光検出方法の別の形態)
蛍光共鳴エネルギー移動(Forster/Fluorescence Resonance Energy Transfer:FRET)を利用することができる。RBL−2H3細胞を標識するAlexaFluor546をドナー、DNP−HSA抗原を標識するAlexaFluor647をアクセプターとして用いる。本方式では、ドナーを励起することで、ドナーおよびアクセプターの検出が可能となるため、アクセプターを励起するための光源702および各種光学部品類が不要となり、コスト低減の効果がある。FRETは、別の蛍光色素の組み合わせでも構わないし、量子ドットを用いることも可能である。
(エバネッセント照明の別の形態)
図8は、上記以外の別の光学系の模式図である。図7がプリズム型エバネッセント照射方式であったのに対し、図8は対物エバネッセント照射方式を採用した。励起光をレンズ705およびマルチエッジダイクロイックミラー801を通して、対物レンズ706の後側焦点位置に集光させることで、対物エバネッセント照明を実現する。そのほかの構成は、前述のプリズム型エバネッセント照射方式と同様である。なお本方式では、入射角調整のための励起光の光軸調整機構を含むが、図では省略した。本方式はプリズム型エバネッセント照射方式と比較して、光軸調整等が比較的容易である。また、照射部と検出部が一部重複しているため、光学系がコンパクトになり、装置全体のサイズを小さくする効果がある。
図9は、実施例4の照射部と検出部周辺の構成である。そのほかの構成は、前記実施例1の構成と同等である。本実施例の特徴は、同軸落射照明を利用して、測定試料を観察することである。本実施例においては、被写界深度の浅い対物レンズ706を使用することで、基板201表面近傍に存在する測定試料に限定して観察することができるという効果がある。被写界深度は好ましくは100μm以下で、より好ましくは10μm以下である。測定の方法は、実施例1と同様である。なお、図9では正立形の配置としたが、倒立型の配置であっても良い。また、マルチエッジダイクロイックミラー801通過後の光を、一度レンズで集光し、焦点の位置にピンホールを設置し、再びレンズによって平行光に戻すことで、いわゆる共焦点顕微鏡の構造となり、同様の効果を得ることができる。
その他励起光源の種類や、検出の方式、それらに伴う部品の組み合わせについては、実施例3に記載したとおり種々の方法が使用可能である。
図10は、実施例5の照射部と検出部周辺の構成である。そのほかの構成は、前記実施例1の構成と同等である。本実施例の特徴は、透過光照明を利用して、測定サンプルを観察することである。本実施例においては、実施例4と同様に、被写界深度の浅い対物レンズ706を使用することで、基板201表面近傍に存在する測定試料に限定して観察できるという効果がある。被写界深度は好ましくは100μm以下で、より好ましくは10μm以下である。測定の方法は、実施例1と同様である。なお、図10では倒立型の配置としたが、正立型の配置であっても良い。また、実施例4と同様に、ダイクロイックミラー707通過前の光を、一度レンズで集光し、焦点の位置にピンホールを設置し、再びレンズによって平行光に戻すことで、いわゆる共焦点顕微鏡の構造となり、同様の効果を得ることができる。
その他励起光源の種類や、検出の方式、それらに伴う部品の組み合わせについては、実施例3に記載したとおり種々の方法が使用可能である。
実施例1〜5では光学的手段を用いて測定試料を観察したが、観察の方法は光学的手段に限らない。例えば、表面弾性波センサ、または電気信号による観察が使用可能である。電気信号による観察基板としては、微小な電極アレイを用いる。このような基板による観察の例は、非特許文献(Anal.Chem.2011,83,571−577)に開示されている。より具体的には、ボルタンメトリー、アンペロメトリー、インピーダンスやキャパシタンスの測定などを用いてよい。さらに、粒子状の測定試料に対して、電極間のピッチを十分に小さくとることで、測定試料の粒子1個ずつの変化や、さらには1個の粒子の内部の変化の局在を測定、観察することが可能となる。例えば、直径およそ10μmの細胞に対し、電極間ピッチが30μm以下、より好ましくは10μm以下、さらに好ましくは5μm以下となる電極アレイを用いることで、細胞1個ずつの状態を測定可能である。また、同様に電極間ピッチが3μm以下、より好ましくは1μm以下、さらに好ましくは0.5μm以下の電極アレイを用いることで、細胞内の状態の局在を観察可能となる。本実施例の方式によれば、基板表面の測定試料の有無を観察可能であるため、固定量の評価を行うことができる。また、本実施例の方式によれば、基板表面の測定試料の状態変化を観察可能であるため、刺激に対する応答の評価を行うことができる。本実施例の方式によれば、光学的手段を用いずに、測定試料の応答観察を行うことが可能である。また、本方式による観察と、前述の光学的観察とを組み合わせても良い。
以上、本発明の例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲にて様々な変更が可能であることは当業者に理解される。各実施例を適宜組み合わせることも、本発明の範囲である。
101 解析装置
102 照射部
103 検出部
104 フローセル
105 プリズム
106 送液部
107 温調装置
108 制御PC
109 モニタ
110 CO2ガスボンベ
111 光源
112 光ファイバ
113 集光レンズ
114 偏光素子
115 結像レンズ
116 イメージセンサ
117 励起光
118 測定領域
119 反射光
120 送液系制御部
121 解析部
122 光学系制御部
123、124、125 試薬リザーバ
126、127 送液チューブ
128、129 切り替えバルブ
130 送液ポンプ
131 廃液タンク
201 基板
202 流路部品
203 ホルダ
204 溝
205、206 垂直流路
207、208、209、210、212 開口部
211 CO2ガス用配管
P1 装置準備
P2 固定量の目標値設定
P3 測定試料の固定反応
P4 固定量計測
P5 固定量判定
P6 応答観察
501、502、503 試薬リザーバ
504 ピペッタ機構
505 ノズル
506 ロボットアーム
507 配管
508 シリンジポンプ
509 送液ポンプ
510 切り替えバルブ
511 水タンク
512 洗浄槽
513 廃液タンク
601 ウェル基板
602 ウェル部品
603 ホルダ
604 液体保持サイト
605 ウェル
606、608 開口部
607 セプタ
701、702 光源
703 ダイクロイックミラー
704 フィルタユニット
705 レンズ
706 対物レンズ
707 ダイクロイックミラー
708、709 バンドパスフィルタ
710、711 レンズ
712、713 イメージセンサ
801 マルチエッジダイクロイックミラー

Claims (23)

  1. 基板と
    前記基板に測定試料および反応試薬を提供するための送液手段と、
    前記基板表面の測定試料を観察するための観察手段と、
    前記観察結果をもとに、前記基板において前記測定試料が固定された量に関する情報を解析する解析手段と、
    前記情報をもとに、前記基板において前記測定試料が固定される量を調整する制御手段と、
    を有することを特徴とする相互作用解析装置。
  2. 請求項1に記載の相互作用解析装置において、
    前記情報が、前記基板に固定された前記測定試料の粒子数または粒子密度に関する情報であることを特徴とする装置。
  3. 請求項1に記載の相互作用解析装置において、
    前記制御手段が、測定試料を提供する工程を停止することにより、前記基板において前記測定試料が固定される量を調整することを特徴とする装置。
  4. 請求項1に記載の相互作用解析装置において、
    前記制御手段が、測定試料を提供する工程の繰り返し回数を制御することにより、前記基板において前記測定試料が固定される量を調整することを特徴とする装置。
  5. 請求項1に記載の相互作用解析装置において、
    前記制御手段が、測定試料を含む流体における測定試料の濃度の変更を制御することによって、前記基板において前記測定試料が固定される量を調整することを特徴とする装置。
  6. 請求項1に記載の相互作用解析装置において、
    前記観察手段が、前記基板に対する前記測定試料の結合反応を観察することを特徴とする装置。
  7. 請求項1に記載の相互作用解析装置において、
    前記観察手段が、前記基板に結合した前記測定試料の前記反応試薬に対する応答反応を観察することを特徴とする装置。
  8. 請求項1に記載の相互作用解析装置において、
    前記観察手段が、前記基板に対する前記測定試料の結合反応を観察し、かつ、前記基板に結合した前記測定試料の前記反応試薬に対する応答反応を観察することを特徴とする装置。
  9. 請求項1に記載の相互作用解析装置において、
    前記解析手段が、前記情報をもとに、
    前記制御手段に対し、次に行う動作を指示するためのアルゴリズムを備えていることを特徴とする装置。
  10. 請求項1に記載の相互作用解析装置において、
    前記制御手段が、前記送液手段と前記観察手段のいずれかもしくは両方の動作を制御することを特徴とする装置。
  11. 請求項1に記載の相互作用解析装置において、
    前記測定試料が、分子、生体試料、または、細胞であることを特徴とする装置。
  12. 請求項1に記載の相互作用解析装置において、
    前記観察手段が、前記基板に第一の光を照射するための光源と、照射の結果生じる第二の光を測定する検出器を有することを特徴とする装置。
  13. 請求項12に記載の相互作用解析装置において、
    第二の光は、第一の光の反射光であることを特徴とする装置。
  14. 請求項12に記載の相互作用解析装置において、
    表面プラズモン共鳴現象における反射光の強度を測定することを特徴とする装置。
  15. 請求項12に記載の相互作用解析装置において、
    表面プラズモン共鳴現象における共鳴角変化を測定することを特徴とする装置。
  16. 請求項12に記載の相互作用解析装置において、
    前記第一の光の照射方法が、エバネッセント光照明、落射光照明、または、透過光照明であることを特徴とする装置。
  17. 基板と
    前記基板に測定試料を提供するための送液手段と、
    前記基板表面の測定試料を観察するための観察手段と、
    前記基板に固定された前記測定試料の量が、予め設定された所定値以上である場合、測定試料の提供を停止するよう前記送液手段を制御する制御手段と、
    を有することを特徴とする相互作用解析装置。
  18. 測定試料に反応試薬を接触させて、前記測定試料の応答を観察する相互作用解析方法において、
    基板表面に前記測定試料を提供し、
    前記基板表面に固定された前記測定試料の量に関する情報を測定し、
    前記測定結果をもとに、前記基板に固定される前記測定試料の量を調節する、
    ことを特徴とする方法。
  19. 請求項18に記載の方法において、
    前記情報が、前記基板に固定された前記測定試料の粒子数または粒子密度であることを特徴とする方法。
  20. 請求項18に記載の方法において、
    前記調整において、測定試料を提供する工程を停止することにより、前記基板に固定される前記測定試料の量を調節することを特徴とする方法。
  21. 請求項18に記載の方法において、
    前記調整において、測定試料を提供する工程の繰り返し回数を調整することにより、前記基板に固定される前記測定試料の量を調節することを特徴とする方法。
  22. 請求項18に記載の方法において、
    前記調整において、測定試料を含む流体の測定試料の濃度の変更により、前記基板に固定される前記測定試料の量を調節することを特徴とする方法。
  23. 請求項18に記載の方法において、
    前記測定試料が、分子、生体試料、または、細胞であることを特徴とする方法。
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