JPWO2014073140A1 - 遠心ポンプ - Google Patents

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Abstract

遠心羽根車を収容するケーシングは、遠心羽根車のブレードの立設端面に対し回転中心軸方向に所定の隙間を設けて相対する区画面を有する。区画面には、区画面から回転中心軸方向に突出することで径方向の内外を隔てる突起部が、吸込口を囲むように環状に設けられている。環状の突起部には、複数の切欠部が、径方向の内外をつなぐように設けられている。

Description

ここに開示する技術は、特にセミオープン型の遠心羽根車を備えた遠心ポンプに関する。
汚水等の搬送に好適な遠心ポンプ用の羽根車として、後面シュラウドに対し、ブレードを立設して構成したセミオープン型の遠心羽根車が知られている。例えば特許文献1には、こうしたセミオープン型の遠心羽根車を備えた遠心ポンプが記載されている。特許文献1には、羽根車のブレードの立設端(つまり、下端面)と、羽根車を収容するケーシングの底蓋の上面との隙間を狭くすることによってポンプ効率を高める一方で、当該隙間に異物が入り込むことを防止するために、ケーシング内に、底蓋に形成した吸込口の全周を囲むような環状の凸部を設けることが開示されている。
実開昭63−130689号公報
特許文献1に記載しているような、吸込口の全周を囲む環状の凸部を設けることは、吸込口から吸い込まれた比較的大きな異物がブレードの下端面と底蓋の上面との隙間に入り込むことを有効に防止し得る。しかしながら、この構成は、ケーシング内に入った比較的小さな異物がケーシング内の圧力差によって径方向の内方へと運ばれたときに、異物の排出先が無くなることで、環状の凸部の周囲に異物が溜まってしまう場合があることに、本願発明者等は気づいた。こうして堆積した異物は、環状の凸部とブレードとの間の隙間に挟まって、遠心ポンプの過負荷を招く虞がある。特に汚水搬送用の遠心ポンプは、断続的に運転が行われるため、運転と停止とが繰り返される。このことから、遠心ポンプを停止した際に、環状の凸部とブレードとの間の隙間に異物が入り込んでしまうと、次の起動時に支障が生じる虞もある。
ここに開示する技術は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、セミオープン型の遠心羽根車を備えた遠心ポンプにおいて、吸込口の周囲に異物が堆積することを効果的に抑制することにある。
ここに開示する技術は、シュラウドと、当該シュラウドに対し回転中心軸方向に立設するブレードとを有するよう構成されたセミオープン型の遠心羽根車と、前記遠心羽根車を収容する収容室を有するよう構成されたケーシングと、を備えた遠心ポンプに係る。
この遠心ポンプにおいて、前記ケーシングは、前記ブレードの立設端面に対し前記回転中心軸方向に所定の隙間を設けて相対する区画面を有し、前記区画面には、前記収容室に連通する吸込口が前記回転中心軸上に形成されていると共に、前記区画面から前記回転中心軸方向に突出することで径方向の内外を隔てる突起部が、前記吸込口を囲むように環状に設けられ、前記環状の突起部には、複数の切欠部が、径方向の内外をつなぐように設けられている。
ここで、「ブレードの立設端面」とは、シュラウドに対して立設したブレードにおいて、そのシュラウドから離れた側の端面をいう。
この構成によると、セミオープン型の遠心羽根車を備えた遠心ポンプにおいて、ケーシングの収容室の一部を区画する区画面には、その区画面から回転中心軸方向に、言い換えると、区画面から遠心羽根車に向かって突出する突起部が、吸込口を囲むように環状に設けられている。環状の突起部は、径方向の内外を隔てるように設けられる。このため、比較的大きな異物を吸込口から吸い込んだ際に、当該異物がブレードの立設端面と区画面との隙間に入り込むことが、この環状の突起部によって有効に防止される。これによって、遠心ポンプの過負荷等が回避される。
そして、前記の構成において、環状の突起部には、複数の切欠部が径方向の内外をつなぐように設けられている。このことにより、環状の突起部は、周方向に連続せずに分断される。突起部に設けた切欠部は、ケーシング内に入った異物が、ケーシング内の圧力差によって径方向の内方へと運ばれたときに、その異物を、切欠部を通じて吸込口側に排出することを可能にする。その結果、突起部の周囲に異物が堆積することが抑制される。このことは、環状の突起部とブレードとの隙間に異物が挟まることを回避する。これは特に、遠心ポンプが断続的に運転される場合に有効である。尚、切欠部を通じて吸込口側に排出された異物は、遠心ポンプの駆動中は、ケーシング内に再び吸い込まれることになる。
前記環状の突起部は、前記回転中心軸方向に立設するブレードに対して、当該回転中心軸方向に重なるように突設しており、前記ブレードの一部は、前記突起部の外周面に近接している、としてもよい。
突起部を、遠心羽根車のブレードに対して回転中心軸方向に重なるように突設することにより、突起部は、ブレードの立設端面と区画面との隙間よりも高くなる。このため、吸込口から吸い込まれた異物が、ブレードの立設端面と区画面との間に入り込むことが、より有効に防止される。この構成は、ブレードの立設端面と区画面との隙間を小さくして、遠心ポンプの効率を高める上で有利になる。
一方で、突起部を、遠心羽根車のブレードに対して回転中心軸方向に重なるように突設することにより、ブレードの一部が突起部の外周面に近接していることと相俟って、突起部の周囲に異物が堆積したときには、突起部の外周面とブレードとの間に、異物が挟まり易くなる。ところが、前述したように、環状の突起部に対して複数の切欠部を設けることによって、突起部の周囲に異物が堆積すること自体が回避される。このため、突起部の外周面とブレードとの間に異物が挟まることもまた、防止される。
前記区画面には、それぞれ当該区画面から凹陥すると共に、径方向の内方から外方に向かって延びる凹溝が形成されている、としてもよい。
前述したように、区画面は、遠心羽根車のブレードの立設端面に対して、所定の隙間を設けて相対している。遠心羽根車が回転することに伴い、当該遠心羽根車のブレードの立設端面は、所定の隙間を維持した状態で、区画面に対し相対移動をする。
そうして、その区画面に、径方向の内方から外方に向かって延びる凹溝を凹陥して形成することにより、ブレードの立設端面と区画面との隙間付近に到達した比較的小さな異物は、遠心羽根車の回転に伴い凹溝に運ばれてその中に入る。それと共に、異物は、区画面に対し相対移動するブレードが凹溝上を通過する際に、ブレードと凹溝との間に挟まれて破砕されるようになる。こうして、さらに小さくなった異物は、水と共にケーシングの外に排出されるようになる。
このように区画面に凹溝を設けることは異物の破砕を可能にして、ブレードの立設端面と区画面との隙間に異物が入り込むことを未然に防止する。
前記凹溝の内方端は、前記切欠部の近傍に位置している、としてもよい。前述したように、区画面の凹溝と、区画面に対して相対移動するブレードとによって破砕された異物は、ケーシング内の圧力差によって、凹溝内を径方向の内方に向かって移動をする場合がある。その場合に、凹溝の内方端が切欠部の近傍に位置していることで、凹溝内を移動した異物は、その切欠部を通じて吸込口側へと排出し易くなる。この構成は、環状の突起部の周囲に異物が溜まることを抑制する上で有効である。
ここで、前記凹溝の数は、前記切欠部と同数か、それよりも少なく設定されていることが好ましい。こうすることで、前述の通り、凹溝内を径方向の内方に向かって移動した異物は、当該凹溝に対応する切欠部を通じて、吸込口側へと排出される。その結果、環状の突起部の周囲に異物が溜まることが、より効果的に抑制される。
前記凹溝の内方端は、前記切欠部に連続している、としてもよい。こうすることで、凹溝内を径方向の内方に向かって移動した異物は、凹溝に連続する切欠部を通じて、吸込口側へと確実に排出され、突起部の周囲に異物が溜まることが、より確実に防止される。
以上説明したように、前記の遠心ポンプによると、吸込口から吸い込んだ異物が、セミオープン型の遠心羽根車におけるブレードの立設端面とケーシングの区画面との隙間に入り込むことを、突起部によって防止しつつ、環状の突起部の周囲の異物は切欠部を通じて吸込口側へと移動するから、突起部の周囲に異物が堆積することも、防止される。
図1は、遠心ポンプの縦断面図である。 図2は、遠心羽根車を後面シュラウド側から視た斜視図である。 図3は、遠心羽根車をブレード側から視た斜視図である。 図4は、ケーシングの底蓋を示す一部破断の斜視図である。 図5は、底蓋の平面図である。 図6は、図5のVI−VI断面図である。
以下、遠心ポンプを図面に基づいて説明する。尚、以下の実施形態の説明は、例示である。図1は、遠心羽根車2(以下、単に羽根車2ともいう)を備えた遠心ポンプ1を示している。この遠心ポンプ1は、汚水処理用の水中ポンプである。遠心ポンプ1は、羽根車2と、羽根車2を覆うケーシング11と、羽根車2を回転させる密閉型の水中モータ12とを備えている。
水中モータ12は、ステータ13及びロータ14からなるモータ15と、モータ15を覆うモータケーシング16とを備えている。モータ15の駆動軸17は、ロータ14の中心に固定されている。上部軸受18及び下部軸受19は、回転中心軸Xに沿って上下方向に延びる駆動軸17を回転自在に支持する。駆動軸17の下端部には、羽根車2が取り付けられている。駆動軸17は、モータ15の回転駆動力を羽根車2に伝達する。
ケーシング11は、その内部に、羽根車2を収容する収容室110を有している。ケーシング11は、横断面視で半円状に湾曲した側壁を有する本体114と、本体114の上部開口を閉塞する上蓋115と、本体114の下部開口を閉塞する底蓋116とを有している。収容室110は、本体114の側壁と、上蓋115の下面と、底蓋116の上面117とによって区画されている。
底蓋116には、収容室110に連通する吸込口111が、回転中心軸X上となるように、厚み方向に貫通して形成されている。一方、吐出部112は、ケーシング11の側部から側方に突出するように、本体114と一体に形成されている。吐出部112は、収容室110に連通していると共に、側方に向かって開口する吐出口113を有している。
羽根車2は、図2、3に示すように、セミオープンタイプの羽根車である。つまり、この羽根車2は、略円盤形状に形成された後面シュラウド21と、この後面シュラウド21に対し、回転中心軸X方向に立設する一枚羽根(以下、ブレードという)22とを有している。シュラウド21は、その中心位置にハブ23を有している。駆動軸17の下端部は、このハブ23に内挿されて固定される。羽根車2は、モータ15によって回転駆動されることにより、吸込口111を通じて水を吸い込むと共に、吐出部112の吐出口113を通じて、水を吐き出す。
ブレード22は、後面シュラウド21のシュラウド面210に対して略鉛直となるように設けられている。換言すれば、ブレード22は、回転中心軸X方向に略平行となるように、後面シュラウド21に立設している。ブレード22は、図3及び図5に示すように、羽根車2の径方向内方から外方に向かって、おおよそ渦巻状となるように配設されている。ブレード22の後縁は、羽根車2(言い換えると後面シュラウド21)の外周縁付近に位置している。ブレード22の巻角は、360°未満に設定されている。これによって、羽根車2の周方向領域において、ブレード22が形成されていない羽根出口24は、比較的大きい幅に設定されている。また、ブレード22の高さも、羽根出口24の幅と同様に、比較的高く設定されている。これによって、この羽根車2は、比較的大きい通過粒径を確保している。尚、図に示すブレード22の形状は一例であり、この形状に限定されるものではない。
羽根車2は、ケーシング11内において、ブレード22の立設端面(つまり、下端面)が、ケーシング11の底蓋116の上面117に対し所定の隙間を空けた状態で相対するように配設されている。遠心ポンプ1が駆動して羽根車2が回転することにより、ブレード22は、底蓋116の上面117上を、その面に沿うように相対移動することになる(図6も参照)。
そうして、この遠心ポンプ1においては、ケーシング11内における吸込口111の周囲に、環状の突起部31を設けている。この突起部31は、ブレード22の下端面と、底蓋116の上面117との隙間に、吸込口111から吸い込まれた異物が入り込むことを防止する。
詳細に、突起部31は、図4〜6に示すように、底蓋116において、回転中心軸Xと同軸になるように形成された円形の吸込口111に対し、その周囲を囲むことで径方向の内外を隔てるように設けられている。突起部31はまた、底蓋116の上面117から上方(言い換えると、回転中心軸X方向)に向かって突出している。これによって、突起部31は、ブレード22に対して、回転中心軸X方向に重なっている。つまり、突起部31は、図6に仮想的に示すブレード22の下端面と、底蓋116の上面117との隙間よりも高くなっている。尚、突起部31の高さは、適宜の高さに設定することが可能である。
突起部31にはまた、径方向の内外をつなぐ切欠部32、321が、周方向に間隔を空けて複数、設けられている。切欠部は、相対的に小さい四つの切欠部32と、相対的に大きい一つの切欠部321とを含む。四つの切欠部32は、約60°の角度間隔で設けられている一方、相対的に大きい切欠部321は、60°の角度範囲に亘って突起部31を切り欠いている。こうして、四つの小切欠部32と一つの大切欠部321とによって、環状の突起部31は、五つの突起部31に分断されている。尚、切欠部は、図例に示すように、突起部31を、その高さ方向の全体に亘って切り欠かなくても、少なくともその一部を切り欠いたものであってもよい。すなわち、切欠部は、他の突起部よりも高さの低いものであれば、上面117から突出して設けたものとしてもよく、そのような切欠部の高さは適宜設定することが可能である。
底蓋116の上面117にはまた、その上面117から凹陥する複数の凹溝331、332が放射状に形成されている。各凹溝は、径方向の内方から外方に向かって、吸込口111の開口縁のほぼ接線方向となるように延びている。凹溝は、相対的に長さの長い三つの凹溝331と、相対的に長さの短い三つの凹溝332とを含んでいる。尚、凹溝は、放射状に配置することに限らず、少なくとも径方向に位置を変えるように設ければよく、例えば渦巻状に設けてもよい。また、凹溝の深さや幅も適宜設定することが可能である。
この内、長さの長い凹溝331は、その内方端が切欠部32、321に連続している一方、その外方端が上面117の外周縁に位置している。また、長さの短い凹溝332は、その内方端が切欠部32、321に連続している一方、その外方端が上面117における径方向の中間部に位置している。
長さの長い三つの凹溝331は、回転中心軸Xの周りに、およそ120°の角度間隔を空けて配置されている。一方、長さの短い三つの凹溝332はそれぞれ、長さの長い凹溝331同士の間に配置されると共に、互いに、およそ120°の角度間隔を空けて配置されている。
吸込口111の周囲に突起部31を設けることは、吸込口111から吸い込まれた比較的大きな異物が、ブレード22の下端面と底蓋116の上面117との隙間に入り込むことを効果的に防止する。これによって、遠心ポンプ1の過負荷等の異常を未然に回避することが可能になる。このことはまた、ブレード22の下端面と底蓋116の上面117との隙間を小さくすることを可能にし、遠心ポンプ1の効率を高める上でも有利になる。
前記の構成ではまた、突起部31に切欠部32、321を設けており、こうした切欠部32、321は、突起部31の周囲に異物が堆積してしまうことを防止する上で有効である。つまり、ケーシング11内は、径方向の内方が、相対的に圧力が低くなり、径方向の外方が、相対的に圧力が高くなるため、ケーシング11内に流入した比較的小さな異物は、その圧力差によって径方向の内方に運ばれてしまう場合がある。このときに、吸込口111の周囲を囲む突起部31が存在していると、径方向の内方に運ばれた異物が排出できずに、突起部31の周囲で堆積してしまう場合がある。切欠部32、321は、突起部31の一部を切り欠いて径方向の内外をつなぐため、突起部31の周囲に到達した異物は、この切欠部32、321を通じて、さらに低圧の吸込口111側へと排出されるようになる。こうして、突起部31の周囲に異物が堆積することが回避される。
図5に端的に示すように、遠心羽根車2のブレード22の一部、正確には、ブレード22の前縁付近の負圧面は、所定の角度範囲に亘って、突起部31に近接して配置される。このため、突起部31の周囲に異物が堆積したときには、突起部31とブレード22の負圧面との間に異物が挟まる虞がある。しかしながら、前述のように、突起部31の周囲に異物が堆積することは回避されるため、そうした異物の挟まりを未然に防止することが可能になる。図例に示すような一枚羽根の羽根車2において、異物の挟まりを防止することは、遠心ポンプ1を安定して駆動する上で重要である。
また、相対的に小さい小切欠部32を、周方向に等間隔に配置すると共に、広い角度範囲に亘って突起部31を切り欠く大切欠部321を設けることによって、突起部31の周囲に異物が堆積することが、より効果的に回避される。大切欠部321は、その切り欠き範囲において、突起部31の箇所と比較して流路の上下幅を大きくするから、ポンプの最大通過粒径を大きくするという効果もある。尚、大切欠部321の代わりに、小切欠部32を設けてもよい。また、小切欠部32及び大切欠部321の数は、適宜設定することが可能である。さらに、大切欠部321の角度範囲も、適宜設定することが可能である。但し、大切欠部321の角度範囲が大きすぎると、突起部31による異物の入り込みを抑制する機能を阻害する可能性がある。
尚、切欠部32、321を通じて吸込口111側に排出された異物は、羽根車2が回転しているときには、ケーシング11内に再び吸い込まれることになる。
前記の構成ではさらに、底蓋116の上面117に凹溝331、332を形成していることで、ブレード22の下端面と底蓋116の上面117との間に異物が噛み込んで、遠心ポンプが停止してしまうようなことが回避される。つまり、ブレード22の下端面と底蓋116の上面117との隙間に入り込もうとした異物は、ブレード22によって凹溝331、332内へと運ばれると共に、そこにおいて、上面117に沿って相対移動するブレード22が凹溝331、332上を通過する際に、破砕されるようになる。こうして、異物がさらに小さくなる結果、ブレード22の下端面と底蓋116の上面117との間に異物が噛み込むことが回避される。
破砕されて小さくなった異物は、水と共に、吐出口113を介してケーシング11の外に吐出されるか、又は、径方向に延びる凹溝331、332内を、圧力差によって径方向の内方へと移動するようになる。各凹溝331、332の内方端は、切欠部32、321に連続しているため、径方向の内方へと移動した異物は、切欠部32、321を通じて、吸込口111側へと排出される。このように、底蓋116の上面117に設けた凹溝331、332は、ケーシング11内の異物を破砕して、ブレード22と底蓋116との間に異物が噛み込むことを未然に防止する機能の他に、破砕した異物を搬送する機能を有している。
尚、凹溝331、332の数は適宜の数に設定することが可能であり、切欠部32、321の数よりも多くしてもよいが、凹溝331、332の数は、切欠部32、321の数と同じか、またはそれよりも少ない方が好ましい。前述の通り、凹溝331、332内を径方向の内方でと移動した異物を、切欠部32、321を通じてスムースに吸込口側へと排出する上では、凹溝を、切欠部に対応して設けることが好ましいためである。
また、凹溝331、332の長さも適宜設定することが可能である。ここで、長さの長い凹溝331は、ブレード22の前縁から後縁までの全域に対応して、異物の破砕が可能である。これに対し、長さの短い凹溝332は、異物の堆積が特に問題となる、径方向の内方位置での、異物の破砕に有効である。
こうして前記の構成の遠心ポンプ1は、ケーシング11の底蓋116と、ブレード22との間に異物が入り込むことが効果的に防止され、遠心ポンプ1の過負荷等を未然に回避する上で有利になる。これは特に、ポンプが断続的に運転されることで、運転及び停止が繰り返される汚水搬送用の遠心ポンプにおいて、その停止時に異物が隙間に入り込んだり、起動時に異物が噛み込んだりすることを防止して、遠心ポンプの運転を安定的に行う上で有利になる。
尚、前記の構成では、遠心羽根車2のブレード22を一枚羽根によって構成したが、ここに開示する技術は、セミオープン型の遠心羽根車を備えた遠心ポンプに広く適用可能である。
1 遠心ポンプ
11 ケーシング
110 収容室
111 吸込口
117 底蓋の上面(区画面)
2 遠心羽根車
21 後面シュラウド
22 ブレード
31 突起部
32 切欠部
321 切欠部
331 凹溝
332 凹溝
X 回転中心軸

Claims (6)

  1. シュラウドと、当該シュラウドに対し回転中心軸方向に立設するブレードとを有するよう構成されたセミオープン型の遠心羽根車と、
    前記遠心羽根車を収容する収容室を有するよう構成されたケーシングと、を備え、
    前記ケーシングは、前記ブレードの立設端面に対し前記回転中心軸方向に所定の隙間を設けて相対する区画面を有し、
    前記区画面には、前記収容室に連通する吸込口が前記回転中心軸上に形成されていると共に、前記区画面から前記回転中心軸方向に突出することで径方向の内外を隔てる突起部が、前記吸込口を囲むように環状に設けられ、
    前記環状の突起部には、複数の切欠部が、径方向の内外をつなぐように設けられている遠心ポンプ。
  2. 請求項1に記載の遠心ポンプにおいて、
    前記環状の突起部は、前記回転中心軸方向に立設するブレードに対して、当該回転中心軸方向に重なるように突設しており、
    前記ブレードの一部は、前記突起部の外周面に近接している遠心ポンプ。
  3. 請求項1又は2に記載の遠心ポンプにおいて、
    前記区画面には、それぞれ当該区画面から凹陥すると共に、径方向の内方から外方に向かって延びる凹溝が形成されている遠心ポンプ。
  4. 請求項3に記載の遠心ポンプにおいて、
    前記凹溝の内方端は、前記切欠部の近傍に位置している遠心ポンプ。
  5. 請求項4に記載の遠心ポンプにおいて、
    前記凹溝の数は、前記切欠部と同数か、それよりも少なく設定されている遠心ポンプ。
  6. 請求項4又は5に記載の遠心ポンプにおいて、
    前記凹溝の内方端は、前記切欠部に連続している遠心ポンプ。
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