JPWO2014068649A1 - 建造物への津波波力低減装置 - Google Patents

建造物への津波波力低減装置

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Abstract

海洋での地震で津波が発生して、海洋沿岸の構造物や沿岸近傍の水上構造物に津波が到達した際、津波の波力で前記構造物が、変形、転倒、漂流、および漂流物の衝突による損傷、などを防止するため、本発明は、海洋沿岸若しくは海上に建てられた建造物への津波波力低減装置であって、地震によって遡上する津波の方向に対して前記建造物の上流側と下流側に導流ガイドを配置するとともに、前記導流ガイドは前記建造物の前記上流側と前記下流側で対称に配置され、かつ前記導流ガイドは前記建造物から所定間隔の隙間を有するようにしたものである。

Description

本発明は、海洋沿岸若しくは海上に建築された建造物への津波波力低減装置に関する。
海洋で発生した地震により津波が発生すると、津波が海洋沿岸の建造物や沿岸近傍の水上建造物に到達することがある。この津波は、「遡上時」および「引潮時」の双方において、津波の波力で前記建造物の変形、転倒、漂流、および漂流物の衝突による損傷、などの課題が発生する。
従来の前記建造物は、津波の「遡上時」への対応を想定したものであり、「引潮時」で水の流れが反転する状況が想定されていない。また従来の前記建造物では、津波が建造物へ到達した際の建造物前面(流入側の面)への動圧(水流による衝撃圧)を低減する対応が取られていた。
しかしながら、建造物全体が津波に浸水した際に、建造物の前後(流入側が「前」で、流出側が「後」)の水位差で生じる静水圧差から発生する流体力については考慮されていない。
この改善策として、例えば特開2009−13743号公報(特許文献1)がある。この特許文献1では、沿岸建造物等を船舶等の漂流物から防護するコンクリート系防護柱において、フレキシブルで変形性能の高い柱部材を設けることで漂流物に損傷を与えず、柱部材も倒壊せず、漂流物を捕捉できものである。これは、比較的簡単な構造で施工性の良い防護柱が構築でき、様々な大きさの漂流物をその損傷を抑制しつつ効果的に捕捉できるものである。
柱部材としては、UFC等の高性能繊維補強コンクリートとアンボンドPC鋼材を用いたD型中空プレキャストPC柱を沿岸建造物の海側の基礎上に沿岸建造物に沿って所定の間隔をおいて一列または複数列で配置されている。また、D型の曲線部は海側に向くように設置し、曲げ剛性・曲げ耐力が小さく、変形性能の大きいPC柱により、漂流物に損傷を与えることなく、防護柱も倒壊させることなく、漂流物を捕捉するものである。
また他の対策として、例えば特開昭52−61817号公報(特許文献2)がある。この特許文献2では、防波堤本体に作用するモーメントを効果的に低減するものである。そのため特許文献2では、港内と外海とを区別するように海岸部に設置された防波堤で湾内への波が侵入を防止するものにおいて、海水内に位置する外海に面する壁面に開口部を、また、海水より上部に位置する湾内に面する壁面に噴出口をそれぞれ形成したものである。これらの開口部と噴出口を管路間で連通させ、必要に応じて、開口部の前方に外海から開口部に向かって縮径するダクトを設けたものである。
特開2009−13743号公報 特開昭52−61817号公報
上記特許文献1と2では、津波の「引潮時」に水流方向が逆転する状況が考慮されていない。また双方の発明では、津波が建造物へ到達した際の建造物前面(流入側の面)への動圧(水流による衝撃圧)を低減することは可能であるが、建造物全体が津波に浸水した際に、建造物の前後(流入側が「前」で、流出側が「後」)の水位差で生じる静水圧差から発生する流体力を低減できない課題がある。
したがって、海洋において地震の発生によって発生した津波が海洋沿岸の建造物や沿岸近傍の水上建造物に津波が到達した際、津波の波力で前記建造物が、変形、転倒、漂流、および漂流物の衝突による損傷、などを防止する必要がある。
そこで本発明の目的は、津波が海洋沿岸の建造物や沿岸近傍の水上建造物に津波が到達した際、津波の波力で建造物が、変形、転倒、漂流することを防止できる建造物への津波波力低減装置を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明は、海洋沿岸若しくは海上に建てられた建造物への津波波力低減装置であって、地震によって遡上する津波の方向に対して前記建造物の上流側と下流側に導流ガイドを配置するとともに、前記導流ガイドは前記建造物の前記上流側と前記下流側で対称に配置され、かつ前記導流ガイドは前記建造物から所定間隔の隙間を有することを特徴とする。
本発明によれば、津波が海洋沿岸の建造物や沿岸近傍の水上建造物に津波が到達した際、津波の波力で建造物が、変形、転倒、漂流することを防止できる建造物への津波波力低減装置を提供できる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の実施例1に係る概略構成図である。 図1の側面図である。 下流側の導流ガイドがなかった場合の概略構成図である。 図3を上から見た上面図である。 図3の第1の導流ガイド2Aの上流側に分流ガイドを取り付けた場合の上面図である。 本発明の実施例2に係る導流ガイドの上面図である。 本発明の実施例3に係る導流ガイドの上面図である。 本発明の実施例4に係る導流ガイドの上面図である。 図8の斜視図である。 本発明の実施例5に係る導流ガイドの上面図である。 本発明の実施例5に係る導流ガイドの上面図である。 本発明の実施例6に係る導流ガイドの上面図である。 本発明の実施例6に係る導流ガイドの上面図である。 建造物に対する水流の流れを説明するための図である。 図14の建造物を上から見た図である。
さて、津波が建造物に対してどのようにして衝撃を与え、流出させてしまうかを図14、図15を使って考察する。
図14は建造物に対する水流の流れを説明するための図である。
図15は図14の建造物を上から見た図である。
図14、図15において、津波2が矢印P方向から建造物1に対して押し寄せて来た場合を想定する。その場合、W1は津波2の水面形状となる。H2は津波2の水流方向(図の左から右、矢印P方向)に対する建造物1の前面1a側の水位である。H3は津波2の水流方向に対する建造物1の後面1b側の水位である。3は建造物1の地面を示す。
図14に示すように、建造物1の前面1aと後面1bの水位差が発生するため、建造物1の前後で静水圧差が発生する。つまり、建造物1の前面1aに衝突した津波2は建造物1の高さに匹敵するほど水位H2となって上昇する。その後、建造物1に衝突した津波2は図15に示すように外広がりとなって拡散してしまう。
図15において、津波2は建造物1の後面1b側に回り込まないため、点線で示した水位H3の範囲は建造物1の半分の高さくらいまで低くなってしまう。一方、建造物1の前面1a側では点線で示した水位H2の範囲は水位が上昇する。したがって、建造物1の前面1aと後面1bとに静水圧差が生じてしまう。
この静水圧差によって、建造物1は前面1a部分だけに局部的な水圧がかかってしまうため、建造物1は地面3から剥ぎ取られるようにして、押し流されてしまうことになる。
このことから、津波2による建造物1の流出を防止する一つの手段として、建造物1の後面1bにも前面1aと同じような水圧をかけてやれば少なくとも局部的な水圧による建造物1への負荷は軽減されることになる。
そこで本発明の発明者らは、建造物1の周囲に津波2を建造物1の後面1b側に案内するため導流ガイドを取り付けることを考えてものである。
ところで、津波の恐ろしい点は海側から陸上側への溯上は勿論であるが、陸側から海側への引潮である。そのため本発明の発明者らは導流ガイドを引潮にも対応できるよう配置した。
以下、本発明の一実施例を図にしたがって説明する。
海洋において地震の発生により津波が発生して、海洋沿岸の建造物や沿岸近傍の水上建造物に津波が到達したとする。本実施例ではこの津波の「遡上時」と「引潮時」の双方において、津波の波力で建造物が、変形、転倒、漂流、および漂流物の衝突による損傷などの防止を実現したので、以下に説明する。
図1は本発明の実施例1に係る概略構成図である。
図2は図1の側面図である。
図1、図2において、海洋沿岸には建造物1が形成されている。本実施例では例えば原油タンクなどの円筒形状の建造物としたが、この形状に限定されるものではない。
この建造物1に対して津波2が矢印P方向から押し寄せているとして、建造物1の周囲には第1の導流ガイド2Aと第2の導流ガイド2Bが2枚ずつ設置されている。この第1と第2の導流ガイド2A、2Bの面は津波2の遡上時および引潮時の水流方向とほぼ同じ方向を向いて設置されている。そして、この第1と第2の導流ガイド2A、2Bは水流方向に対して、建造物1の前方および後方に「ハ」の字状に設けられている。
矢印P方向から押し寄せて来た津波2は建造物1と第1の導流ガイド2Aとの間に形成された隙間11aを通った後、建造物1と第2の導流ガイド2Bとの間に形成された隙間11bを通って流れる。そのため、建造物1の前面1aに衝突した津波2は建造物1の後面1b側に案内されることになり、建造物1に対する水圧が均一化され、前面1aだけに集中した水圧が緩和される。
つまり、遡上する津波の方向に対して建造物1の上流側と下流側に導流ガイド2A、2Bを配置するとともに、この導流ガイド2A、2Bは建造物1の上流側と下流側で対称に配置され、かつ導流ガイド2A、2Bは建造物1から所定間隔の隙間11a、11bを有する構成となっている。
ここで、本実施例では第1と第2の導流ガイド2A、2Bは向き合う方向に配置したが、仮に第1の導流ガイド2Aのみとした場合について図3、図4を用いて説明する。
図3は下流側の導流ガイドがなかった場合の概略構成図である。
図4は図3を上から見た上面図である。
図5は図3の第1の導流ガイド2Aの上流側に分流ガイドを取り付けた場合の上面図である。
図3、図4、図5において、矢印P方向から押し寄せて来た津波2は建造物1と第1の導流ガイド2Aとの間に形成された隙間11aを通過するが、第2の導流ガイド2Bがないため、図4に示すように津波2は外広がりに拡散してしまう。
したがって、図3に示すように実線の水面形状W2のように、建造物1の前面1a側の水位H4は図14の水位H2とほとんど変化がない。更に図14の水位H3よりは高いものの、建造物1の後面1b側の水位はH5のように静水圧差が発生する。
ところが、図5に示したように第1の導流ガイド2Aの上流側の分流ガイド4を設けると、図3では点線で示した水面形状W3のように水位はH6、H7のように清水圧差が緩和される。
このように本実施例によれば、第2の導流ガイド2Bが設けることで、建造物の後方へ回り込む水流を発生させることが可能となる。その結果、図3の水面形状W3のように、建造物1の前面1aと後面1bとの水位差が小さくなり、静水圧差で建造物へ作用する流体力を低減することが実現される。
ところで、図2に示した水位H1は津波の想定水位を示したものである。想定水位とは、発生した地震に対し、この程度の津波が来るだろうと、国や大学の洋上の津波シミュレーションなどから推測する水位のことである。そのため、第1と第2の導流ガイド2A、2Bは津波の想定水位よりも高いことが望ましい。
ただし、第1と第2の導流ガイド2A、2Bを建造物1と同程度の高さにしても構わない。そうした場合、津波の想定水位が建造物を超えた場合でも、建造物の後方に水流が回り込む効果が得られる。そのため、建造物後方での圧力低下が防止され、建造物の前後圧力差で生じる流体力を低減することが可能となる。
なお、第1と第2の導流ガイド2A、2Bは例えば、コンクリートや鉄筋で構成することが可能である。
以上のごとく本実施例によれば、津波の水流により発生する建造物への流体力が低減される効果を示したが、この効果に加えて、津波の「遡上時」と「引潮時」の双方に対応する効果が必要である。図1の実施例では、水流方向の前方と後方に、「ハ」の字状の構造物を向き合う方向で配置しているため、「遡上時」と「引潮時」の双方に対応することが可能となっている。
図6は本発明の実施例2に係る導流ガイドの上面図である。
図6において、実施例1では第1と第2の導流ガイドを別体に設けたが本実施例では第1と第2の導流ガイドを一体構造の「へ」字状の導流ガイド5としたものである。したがって、本実施例では導流ガイド5によって連続した隙間11a、11bが形成されることになる。
このようにすることで、より建造物1に沿った水流が形成される。その結果、建造物の後面1b方向へ回り込む水流が得られ、建造物1の前面1aへの水圧が低減される。
図7は本発明の実施例3に係る導流ガイドの上面図である。
図7において、実施例2では導流ガイドを平板の組み合わせ構造としたが、本実施例では、導流ガイド6をポール状構造体の集合体としたものである。したがって、本実施例では導流ガイド5によって連続した隙間11a、11bが形成されることになる。
この場合、ポール状構造体の間隔は、ポール状構造体の直径以下が望ましい。なお、ポール状構造体の形状は、図7のように円柱である必要はなく、例えば、矩形柱や三角柱など、他形状でも効果が得られる。
このようにすることで、より建造物1に沿った水流が形成される。その結果、建造物の後面1b方向へ回り込む水流が得られ、建造物1の前面1aへの水圧が低減される。
図8は本発明の実施例4に係る導流ガイドの上面図である。
図9は図8の斜視図である。
図8、図9において、実施例1〜実施例4では、建造物1に対して「ハ」或いは「へ」の字状の導流ガイドとしたが、本実施例ではトンネル形状による導流通路となったトンネル状構造体7としたものである。このトンネル状構造体7の入口8と出口9の断面積は同じにした。したがって、本実施例では導流ガイド5によって連続した隙間11a、11bが形成されることになる。
図9において、本実施例ではトンネル状構造体7を数個、高さ方向に積み上げた構造となっている。なお、このトンネル状構造体7は、図9のように円筒状である必要はなく、断面形状は円形以外にも矩形や楕円など、他の形状を取ることが可能である。
また、本実施例では、トンネル状構造体7の前方および後方の入口8と出口9の面積が等しくなっている。これにより津波の「遡上時」と「引潮時」の双方に対応することが可能である。
このようにすることで、より建造物1に沿った水流が形成される。その結果、建造物の後面1b方向へ回り込む水流が得られ、建造物1の前面1aへの水圧が低減される。
図10は本発明の実施例5に係る導流ガイドの上面図である。
図11は図10の導流ガイドを複数のポール形状構造体に置き換えた上面図である。
図10、図11において、本実施例では、建造物1の前面1a部分と後面1b部分の双方に三角柱状の分流ガイド10を設けたものである。この分流ガイド10により、水流が建造物1に衝突する際の動圧(衝撃力)を低減することが可能である。
その結果、建造物1の前面1aと後面1bは図3の水位のH6とH7との差がW2よりも更に小さくなって、建造物1に作用する静圧差が小さくなり、流体力を低減することが可能となる。
また図11は、図10の導流ガイド2Aと2Bおよび分流ガイド10を、図7に示したポール状構造体6による導流ガイドとポール状構造体による分流ガイド12としたものである。なお、ポール状構造体は前記の導流ガイドと分流ガイドの一部のみをポール状構造体とした場合でも効果が得られる。
ところで、図10および図11の実施例では、建造物の周囲を導流ガイドと分流ガイドが囲む配置となっている。そのため、津波と伴に流入する浮遊物などが建造物1に衝突するのを防ぐことが出来る。さらに、万が一、建造物1が津波により押し流されそうになった場合でも、導流ガイドと分流ガイドが支えとなって建造物1が押し流されるのを防ぐことができる。さらに、建造物1が漂流することで他の建造物へ及ぼす2次的被害を防止することが可能である。
図12は本発明の実施例6に係る導流ガイドの上面図である。
図13は図12の導流ガイドを複数のポール形状構造体に置き換えた上面図である。
図12、図13において、本実施例は海洋沿岸の建造物13や沿岸近傍の水上建造物が矩形の場合の例である。建造物が矩形の場合、津波と衝突する面が大きいため建造物に対する衝撃力が大きい。
本実施例では、矩形の建造物13の前面13a部分と後面13b部分の双方に三角柱状の分流ガイド10を設けたものである。この分流ガイド10により、水流が矩形の建造物13に衝突する際の動圧(衝撃力)を低減することが可能である。
また図13は、図12の導流ガイド2Aと2Bおよび分流ガイド10を、図7に示したポール状構造体6による導流ガイドとポール状構造体による分流ガイド12としたものである。なお、ポール状構造体は前記の導流ガイドと分流ガイドの一部のみをポール状構造体とした場合でも効果が得られる。
以上のごとく本発明によれば、津波の「遡上時」および「引潮時」の双方において、津波の波力で建造物が、変形、転倒、漂流、および漂流物の衝突による損傷などを防止することが可能となる。
また、津波が建造物へ到達した際、建造物の前面への動圧(水流による衝撃圧)の低減に加え、建造物全体が津波に浸水した際の建造物の後面(流入側が「前」で、流出側が「後」)の水位差で生じる静水圧差から発生する流体力を低減することが可能となる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されたものではない。またある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることも可能であり、またある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1…建造物、1a…前面、1b…後面、2…津波、2A、2B…導流ガイド、3…地面、4…分流ガイド、5…導流ガイド、6…導流ガイド、7…トンネル状構造体8…入口、9…出口、10…分流ガイド、11a、11b…隙間、12…分流ガイド、13…矩形の建造物、13a…前面、13b…後面、W1、W2…水面形状、H1〜H5…水位。
また他の対策として、例えば特開昭52−61817号公報(特許文献2)がある。この特許文献2は、防波堤本体に作用するモーメントを効果的に低減するものである。そのため特許文献2では、港内と外海とを区別するように海岸部に設置された防波堤で湾内への波侵入を防止するものにおいて、海水内に位置する外海に面する壁面に開口部を、また、海水より上部に位置する湾内に面する壁面に噴出口をそれぞれ形成したものである。これらの開口部と噴出口を管路間で連通させ、必要に応じて、開口部の前方に外海から開口部に向かつて縮径するダクトを設けたものである。
本発明の建造物への津波波力低減装置は、上記目的を達成するために、海洋沿岸若しくは海上に建てられた建造物への津波波力低減装置であって、地震によって遡上する津波の方向に対して前記建造物の上流側と下流側に導流ガイドを配置するとともに、
前記導流ガイドは前記建造物の前記上流側と前記下流側で対称に配置され、前記上流側の前記導流ガイドと前記下流側の前記導流ガイドを連続した一体構造の「へ」の字状とし、かつ前記導流ガイドは前記建造物から所定間隔の隙間を有するか、
或いは、前記導流ガイドは前記建造物の前記上流側と前記下流側で対称に配置され、かつ、前記導流ガイドは前記建造物から所定間隔の隙間を有し、前記建造物の前面と後面に三角柱状の分流ガイドを設けたことを特徴とする。
図14に示すように、建造物1の前面1aと後面1bの水位差が発生するため、建造物1の前後で静水圧差が発生する。つまり、建造物1の前面1aに衝突した津波2は建造物1の高さに匹敵するほど水位H2となって上昇する。その後、建造物1に衝突した津波2は図15に示すように外広がりとなって拡散してしまう。
そこで本発明の発明者らは、建造物1の周囲に津波2を建造物1の後面1b側に案内するため導流ガイドを取り付けることを考えものである。
ところが、図5に示したように第1の導流ガイド2Aの上流側の分流ガイド4を設けると、図3では点線で示した水面形状W3のように、水位はH6、H7のように水圧差が緩和される。
図6において、実施例1では第1と第2の導流ガイドを別体に設けたが本実施例では第1と第2の導流ガイドを一体構造の「へ」字状の導流ガイド5としたものである。したがつて、本実施例では導流ガイド5によって連続した隙間11a、11bが形成されることになる。
図7において、実施例2では導流ガイドを平板の組み合わせ構造としたが、本実施例では、導流ガイド6をポール状構造体の集合体としたものである。したがって、本実施例では導流ガイドによって連続した隙間11a、11bが形成されることになる。
図8、図9において、実施例1〜実施例では、建造物1に対して「ハ」或いは「へ」の字状の導流ガイドとしたが、本実施例では、トンネル形状による導流通路となったトンネル状構造体7としたものである。このトンネル状構造体7の入口8と出口9の断面積は同じにした。したがつて、本実施例では、トンネル状構造体7によって連続した隙間11a、11bが形成されることになる。
図10において、本実施例では、建造物の前面1a部分と後面1b部分の双方に三角柱状の分流ガイド10を設けたものである。この分流ガイド10により、水流が建造物1に衝突する際の動圧(衝撃力)を低減することが可能である。
その結果、建造物1の前面1aと後面1bは図3の水位のH6とH7との差がW2よりも更に小さくなって、建造物1に作用する静圧差が小さくなり、流体力を低減することが可能となる。

Claims (6)

  1. 海洋沿岸若しくは海上に建てられた建造物への津波波力低減装置であって、
    地震によって遡上する津波の方向に対して前記建造物の上流側と下流側に導流ガイドを配置するとともに、
    前記導流ガイドは前記建造物の前記上流側と前記下流側で対称に配置され、かつ前記導流ガイドは前記建造物から所定間隔の隙間を有することを特徴とする建造物への津波波力低減装置。
  2. 請求項1記載の建造物への津波波力低減装置において、
    前記導流ガイドは前記建造物の上流側と下流側で「ハ」の字状に配置されていることを特徴とする建造物への津波波力低減装置。
  3. 請求項2記載の建造物への津波波力低減装置において、
    前記上流側の前記導流ガイドと前記下流側の前記導流ガイドを連続した一体構造としたことを特徴とする建造物への津波波力低減装置。
  4. 請求項1記載の建造物への津波波力低減装置において、
    前記建造物の前面と後面に三角柱状の分流ガイドを設けたことを特徴とする建造物への津波波力低減装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の建造物への津波波力低減装置において、
    前記導流ガイドと三角柱状の分流ガイドをポールの集合体で構成したことを特徴とする建造物への津波波力低減装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の建造物への津波波力低減装置において、
    前記上流側の前記導流ガイドと前記下流側の前記導流ガイドを連続したトンネツ構造体とし、このトンネル状構造体の入口と出口の断面積を同じにしたことを特徴とする建造物への津波波力低減装置。
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