JPWO2014057864A1 - 電圧非直線性抵抗素子 - Google Patents
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Abstract
本発明の電圧非直線性抵抗素子は、Cu−Zr化合物相を含む銅合金からなる電圧非直線性抵抗材料と、電極と、を備えている。電圧非直線性抵抗材料において、Cu−Zr化合物相は、Cu9Zr2相、Cu5Zr相及びCu8Zr3相のいずれか1以上を含むことがこのましい。また、電圧非直線性抵抗材料は、Cu相及びCu−Zr化合物相を含む複合相を備えていることが好ましく、複合相は、Cu相及びCu9Zr2相を含む共晶相であることがより好ましい。
Description
本発明は、電圧非直線性抵抗素子に関する。
従来、異常電圧(サージ)や静電気(ESD)などの過電圧から電子機器の回路や素子を保護する対策部品として、ツェナーダイオードとコンデンサの並列回路やバリスタなどが知られている。このうち、バリスタは、ツェナーダイオードとコンデンサの並列回路に比べて小型化が可能なため多く利用されている。バリスタの代表的なものとしてはZnOバリスタが挙げられる。こうしたZnOバリスタは、一般的に、セラミックス粉末の焼成プロセスによって生成された結晶組織を有している。そして、高抵抗の結晶粒界領域と低抵抗の結晶粒領域が存在し、両者の界面にショットキー障壁が形成され、過電圧によりトンネル効果を主とする機構が働いて電流が急増する(電圧非直線性抵抗特性を示す)ものと考えられている。
ところで、近年、電子機器の小型化や高集積化が進んでおり、これに伴って、バリスタにおいても小型化、低電圧化の要求が強くなっている。こうした要求に対して、例えば、添加元素や焼成プロセスを工夫して結晶粒径を制御したり、薄く焼成したセラミックス層と電極層とを交互に積層したりすることが提案されている(特許文献1〜3参照)。
しかし、ZnOバリスタのバリスタ電圧は通常数十Vあり、特許文献1〜3のものでもバリスタ電圧が3V以上であるため、さらなる低電圧化が望まれていた。また、小型化も十分なものになっていなかった。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、新規な電圧非直線性抵抗素子を提供することを主目的とする。
上述の目的を達成するために鋭意研究したところ、本発明者らは、銅母相と、Cu及びCu9Zr2を含む共晶相とを備えた銅合金を作製し、その電流−電圧特性を調べたところ、電圧非直線性抵抗特性を示し、しかも1〜3V程度の比較的低い電圧で電流が急増することを見いだし、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の電圧非直線性抵抗素子は、Cu−Zr化合物相を含む電圧非直線性抵抗材料と、電極と、を備えたものである。
本発明では、従来電圧非直線性抵抗材料として知られていなかった材料を用いて、電圧非直線性抵抗素子を作製できる。このような効果が得られる理由は明らかではないが、以下のように推察される。本発明の電圧非直線性抵抗材料は、銅からなる領域と少なくともジルコニウムを含む領域とを有していると考えられる。そして、前者がZnOバリスタにおける低抵抗結晶粒領域と同様の役割を果たし、後者がZnOバリスタにおける高抵抗結晶粒界領域と同様の役割を果たし、両者の界面にショットキー障壁であるかのような電気的バリアが形成されるため、過電圧によりトンネル効果のような機構が働いて電流が急増するものと推察される。
本発明の電圧非直線性抵抗素子は、Cu−Zr化合物相を含む銅合金からなる電圧非直線性抵抗材料と、電極と、を備えている。ここで、電圧非直線性抵抗材料とは電流−電圧非直線性抵抗特性を示す材料をいい、例えば、ダイオードのような電流−電圧特性を示すものや、バリスタのような電流−電圧特性を示すものが挙げられる。
本発明の電圧非直線性抵抗素子において、電圧非直線性抵抗材料は、Cu−Zr化合物相を含む銅合金である。図1には、横軸をZrの含有量、縦軸を温度とするCu−Zr二元系状態図を示す(出典:D.AriasandJ.P.Abriata,Bull,Alloyphasediagram11(1990),452-459.)。Cu−Zr化合物相としては、図1に示すCu−Zr二元系状態図に示される種々のものが挙げられるが、このうち、Cu9Zr2相、Cu8Zr3相などが好適である。Cu9Zr2相、Cu8Zr3相などは、Zrの含有量が比較的少ないため、Zrを含む高抵抗領域が多くなりすぎず、ショットキー障壁のようなものが適切に形成されると考えられるからである。相の同定は、例えば、走査型透過電子顕微鏡(STEM)を用いて組織観察を行い、次に、組織観察を行った視野についてエネルギー分散型X線分析装置(EDX)を用いて組成分析を行ったり、ナノ電子線回折(NBD)によって構造解析を行うことによって行うことができる。なお、Cu−Zr二元系状態図には示されていないが、Cu9Zr2相に非常に近い組成の化合物であるCu5Zr相も知られており、このCu5Zr相もCu9Zr2相と同様に好適である。また、電圧非直線性抵抗材料は、1種のCu−Zr化合物相を含むものでもよいし、2種以上のCu−Zr化合物相を含むものでもよい。例えば、Cu9Zr2相単相やCu5Zr相単相、Cu8Zr3相単相でもよいし、Cu9Zr2相を主相とし、Cu5Zr相及びCu8Zr3相の少なくとも一方を副相として含むものでもよいし、Cu5Zr相を主相とし、Cu9Zr2相及びCu8Zr3相の少なくとも一方を副相として含むものでもよいし、Cu8Zr3相を主相とし、Cu9Zr2相及びCu5Zr相の少なくとも一方を副相として含むものでもよい。なお、主相とは、Cu−Zr化合物相のうち、最も存在割合(体積比)の多い相をいい、副相とは、Cu−Zr化合物相のうち主相以外の相をいうものとする。
電圧非直線性抵抗材料は、Cu相及び上述したCu−Zr化合物相を含み、Cu相とCu−Zr化合物相とが複合相を形成しているものとしてもよい。こうしたものでは、Cu相が低抵抗領域となり、Cu−Zr化合物相が高抵抗領域となり、両者の界面にショットキー障壁のようなものが形成されると考えられるからである。複合相としては、Cu相とCu9Zr2相との複合相や、Cu相とCu5Zr相との複合相、Cu相とCu8Zr3相との複合相などが好適であると考えられる。Cu相とCu9Zr2相との複合相は、例えば、Cu相及びCu9Zr2相を含む共晶相であることが多い。複合相は、異なる組成のCu−Zr化合物相を複数含むものでもよい。また、電圧非直線性抵抗材料は、複数種類の複合相を含むものでもよい。複合相は、Cu相とCu−Zr化合物相とが交互に平行に配列し繊維状組織又は層状組織を構成しているものとしてもよい。なお、繊維状組織や層状組織とは、繊維や層が伸長する方向に平行な断面を確認したときに、それぞれが異なる相であるものと確認できる各領域(粒子)が平行に交互に配列している組織をいう(以下同様とする)。Cu相及びCu−Zr化合物相の厚さは、特に限定されないが、50nm以下であることが好ましく、40nm以下であることがより好ましく、30nm以下であることがさらに好ましい。高抵抗領域となるCu−Zr化合物相の厚さが小さいため、より低い電圧で電流が流れるようになると考えられるからである。なお、Cu相及びCu−Zr化合物相の厚さは、製造を容易にする観点から、7nmより大きいことが好ましく、10nm以上であることがより好ましく、20nm以上であることがさらに好ましい。ここで、Cu相及びCu−Zr化合物相の厚さは、以下のようにして求めることができる。まず、STEM観察の試料として、Arイオン・ミリング法を用いて細くした線材又は薄くした箔材を用意する。次に、中心部分のうち複合相が確認できる部分を50万倍で観察し、300nm×300nmの視野の3ヶ所についてSTEM−HAADF像(走査型電子顕微鏡の高角度環状暗視像)を撮影する。そして、STEM−HAADF像上で厚さを確認できるすべてのCu相とCu−Zr化合物相の厚さを測定してこれらを合計し、厚さを測定したCu相の数とCu−Zr化合物相の数との合計の数で除して平均値を求め、これをCu相及びCu−Zr化合物相の厚さとする。Cu相とCu−Zr化合物相はほぼ同じ厚さでもよいし、Cu相の厚さがCu−Zr化合物相の厚さより大きくてもよいし、Cu−Zr化合物相の厚さがCu相の厚さより大きくてもよい。複合相は、アモルファス相を含むものとしてもよい。アモルファス相の量は特に限定されず、繊維や層が伸長する方向に平行な断面を見たときに面積率で5%以上25%以下の範囲で含むもが好ましく、10%以上含むものがより好ましく、15%以上含むものがより好ましい。5%以上のアモルファス相を含むものでは、高抵抗領域となるCu−Zr化合物相の厚さが小さいため、より低い電圧で電流が流れるようになると考えられるからである。また、25%以上のアモルファス相を含むものであれば、比較的容易に製造できるからである。なお、アモルファス相は、主にCu相とCu−Zr化合物相との界面に形成されている。ここで、アモルファス相の面積率は、以下のようにして求めることができる。まず、STEM観察の試料として、Arイオン・ミリング法を用いて細くした線材又は薄くした箔材を用意する。次に、中心部分のうち複合相が確認できる部分について50万倍で観察し、300nm×300nmの視野での格子像を3ヶ所撮影する。そして、得られたSTEMの格子像上でアモルファスと思われる原子の無配列な領域の面積率を測定して平均値を求め、これをアモルファス相の面積率(以下、アモルファス比率とも称する)とする。
電圧非直線性抵抗材料は、上述した複合相の他に銅母相を備えているものとしてもよい。こうしたものでは、銅母相が低抵抗領域となり、複合相が高抵抗領域となり、両者の界面にショットキー障壁のようなものが形成されると考えられるからである。ここで、電圧非直線性抵抗材料は、銅母相と複合相とが繊維状組織又は層状組織を構成しており、かつ、これと平行に複合相内でCu相とCu−Zr化合物相とが繊維状組織又は層状組織を構成しているものとしてもよい。この場合、繊維や層が伸長する方向に垂直な断面を観察したときに、複合相が面積率で40%以上60%以下の範囲を占めるものであることが好ましく、45%以上60%以下であることがより好ましく、50%以上60%以下であることがさらに好ましい。40%以上では、複合相内において高抵抗領域となるCu−Zr化合物相の厚さが小さいため、より低い電圧で電流が流れるようになると考えられるからである。また、60%以下では、複合相が多くなりすぎないため、硬いCu−Zr化合物相が起点となって加工時等に生じることのある破断を抑制することができる。銅母相及び複合相の厚さは、特に限定されないが、200μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましく、10μm以下であることがさらに好ましい。200μm以下では、高抵抗領域となる複合相や、複合相内のCu−Zr化合物相の厚さが小さいため、より低い電圧で電流が流れるようになると考えられるからである。なお、銅母相と複合相とが繊維状組織又は層状組織を構成しているものでは、Cu−Zr化合物相がCu9Zr2相単相であるか、Cu9Zr2相を主相とするものであることが多い。電圧非直線性抵抗材料は、短繊維状の複合相が銅母相中に分散しているものとしてもよい。ここで、短繊維状とは、例えば、短繊維が伸長する方向に平行な断面を観察したときに、短繊維が伸長する方向の長さをL、短繊維が伸長する方向に垂直な方向の長さ(太さ)をTとすると、1.5≦L/T<17.9を満たすものとすることができる。短繊維状の複合相が銅母相中に分散している場合、短繊維が伸長する方向に垂直な断面を観察したときに、複合相が面積率で0.5%以上5%以下の範囲を占めるものとしてもよい。なお、短繊維状の複合相が銅母相中に分散したものでは、Cu−Zr化合物相が、Cu8Zr3単相かCu8Zr3を主相とするものであることが多い。上述した複合相の割合や、L/Tを求める際には、SEMで1000倍程度の倍率で観察して求めることが好ましい。SEM写真では、複合相が白っぽく、銅母相が黒っぽく見えるが、コントラストが明確でない場合には、二値化するなどして観察してもよい。二値化に際しては、当業者が通常用いる閾値を用いることができる。
電圧非直線性抵抗材料は、CuとZrとを含んでいる。Zrの量は特に限定されないが、18at%以下であることが好ましい。図1に示す二元系状態図から分かるように、Cu9Zr2相が得られるからである。このうち、0.2at%以上8.0at%以下が好ましく、0.35at%以上7.0at%以下が好ましい。0.2at%以上であれば電圧非直線性抵抗特性が得られるし、8.0at%以下であれば加工性が良好であり、加工による組織の微細化が容易だからである。一方、Zrの量は、8.0at%以上18.0at%以下としてもよい。この場合、電圧非直線性抵抗材料は、複合相やCu−Zr化合物相を主体として含んでいるため、耐電圧の高い電圧非直線性抵抗素子に用いるのに適していると考えられる。なお、電圧非直線性抵抗材料は、CuとZrの以外の元素を含んでいてもよい。こうした元素としては、意図的に添加したもののほか、製造過程などにおいて不可避的に混入する不純物が挙げられる。
電圧非直線性抵抗素子は、(1)CuとZrを溶解して溶湯を得る溶解工程と、(2)得られた溶湯を鋳造してインゴットを得る鋳造工程と、(3)得られたインゴットを伸線加工又は圧延加工して伸線材又は圧延材を得る加工工程と、を含む製造方法を経て得られたものとしてもよい。こうした製造方法では、Cu相とCu−Zr化合物相とが繊維状組織又は層状組織を構成している複合相を備えた電圧非直線性抵抗材料や、銅母相と複合相とが繊維状組織又は層状組織を構成しており、かつ、これと平行に複合相内でCu相とCu−Zr化合物相とが繊維状組織又は層状組織を構成している電圧非直線性抵抗材料や、短繊維状の複合相が銅母相に分散している電圧非直線性抵抗材料を、容易に製造できる。また、伸線加工や圧延加工によって、例えば、繊維状組織や層状組織、短繊維状の複合相などを構成する結晶粒の寸法や形状を比較的容易に制御できるなど、組織を比較的容易に制御できるという効果が得られる。そして、電圧非直線性抵抗素子の特性(バリスタ電圧やサージ電流耐量、制限電圧値)は、電極間に存在する高抵抗領域の直列数や並列数に依存するため、伸線加工や圧延加工の条件を変えることによって、電圧非直線性抵抗素子の電流が流れ始める電圧を比較的容易に制御できると考えられる。
以下では、各工程について順を追って説明する。
(1)溶解工程
この工程では、CuとZrを溶解して溶湯を得る処理を行う。原料の比率は、所望の組成の銅合金が得られるように適宜設定すればよいが、Zrが18at%以下であることが好ましく、0.2at%以上8.0at%以下であることが好ましく、0.35at%以上7.0at%以下がより好ましい。0.2at%以上であれば電圧非直線性抵抗特性が得られるし、8.0at%以下であれば加工性が良好であり、加工による組織の微細化が容易である。ここで、例えば、Zrを3at%以上とすれば、銅母相と複合相とが繊維状組織又は層状組織を構成しており、かつ、これと平行に複合相内でCu相とCu−Zr化合物相とが繊維状組織又は層状組織を構成している電圧非直線性抵抗材料を容易に得ることができる。一方、Zrを3at%未満とすれば、短繊維状の複合相が銅母相中に分散した電圧非直線性抵抗材料を容易に得ることができる。原料としては、合金を用いても、純金属を用いてもよい。溶解方法は特に限定されるものではなく、通常の高周波誘導溶解法、低周波誘導溶解法、アーク溶解法、電子ビーム溶解法などとしてもよいし、レビテーション溶解法などとしてもよい。このうち、高周波誘導溶解法又はレビテーション溶解法を用いることが好ましい。高周波誘導溶解法では、多くの量を一度に溶解できる。レビテーション溶解法では、溶融金属を浮揚させて溶解するため、るつぼなどからの不純物の混入をより抑制することができる。溶解雰囲気は真空雰囲気又は不活性雰囲気であることが好ましい。不活性雰囲気は、合金組成に影響を与えないガス雰囲気であればよく、例えば窒素雰囲気、ヘリウム雰囲気、アルゴン雰囲気などとしてもよい。このうち、アルゴン雰囲気を用いることが好ましい。
(1)溶解工程
この工程では、CuとZrを溶解して溶湯を得る処理を行う。原料の比率は、所望の組成の銅合金が得られるように適宜設定すればよいが、Zrが18at%以下であることが好ましく、0.2at%以上8.0at%以下であることが好ましく、0.35at%以上7.0at%以下がより好ましい。0.2at%以上であれば電圧非直線性抵抗特性が得られるし、8.0at%以下であれば加工性が良好であり、加工による組織の微細化が容易である。ここで、例えば、Zrを3at%以上とすれば、銅母相と複合相とが繊維状組織又は層状組織を構成しており、かつ、これと平行に複合相内でCu相とCu−Zr化合物相とが繊維状組織又は層状組織を構成している電圧非直線性抵抗材料を容易に得ることができる。一方、Zrを3at%未満とすれば、短繊維状の複合相が銅母相中に分散した電圧非直線性抵抗材料を容易に得ることができる。原料としては、合金を用いても、純金属を用いてもよい。溶解方法は特に限定されるものではなく、通常の高周波誘導溶解法、低周波誘導溶解法、アーク溶解法、電子ビーム溶解法などとしてもよいし、レビテーション溶解法などとしてもよい。このうち、高周波誘導溶解法又はレビテーション溶解法を用いることが好ましい。高周波誘導溶解法では、多くの量を一度に溶解できる。レビテーション溶解法では、溶融金属を浮揚させて溶解するため、るつぼなどからの不純物の混入をより抑制することができる。溶解雰囲気は真空雰囲気又は不活性雰囲気であることが好ましい。不活性雰囲気は、合金組成に影響を与えないガス雰囲気であればよく、例えば窒素雰囲気、ヘリウム雰囲気、アルゴン雰囲気などとしてもよい。このうち、アルゴン雰囲気を用いることが好ましい。
(2)鋳造工程
この工程では、溶湯を鋳型に注湯し、鋳造してインゴットを得る処理を行う。鋳造方法は特に限定されるものではないが、例えば、金型鋳造法や、低圧鋳造法などとしてもよいし、普通ダイカスト法や、スクイズキャスティング法、真空ダイカスト法などのダイカスト法としてもよい。また、連続鋳造法としてもよい。鋳造に使用する鋳型は、純銅製、銅合金製、合金鋼製などとすることができる。このうち、純銅製のものでは、冷却速度を早くできるため、組織の微細化に適しており、好ましい。電圧非直線性抵抗材料において、組織の微細化が可能であれば、高抵抗領域が大きくなりすぎることがなく、トンネル効果のような機構が適切に働くと考えられる。鋳型の構造は特に限定されるものではないが、鋳型内部に水冷パイプを設置して冷却速度を調整できるものとしてもよい。得られるインゴットの形状は特に限定されるものではないが、棒状又は板状のものであることが好ましい。均一な鋳造組織が得られるし、冷却速度をより速くすることができるため組織の微細化に適しているからである。注湯温度は1100℃以上1300℃以下であることが好ましく、1150℃以上1250℃以下であることがより好ましい。1100℃以上であれば湯流れが良好であり、1300℃以下であれば、鋳型を変質させにくいからである。図2には、こうして得られるインゴットの組織60の一例について、模式図を示す。こうした組織60は、Zrを3at%以上含む原料を用いた場合に得られやすい。また、こうした組織を有するインゴットでは、後の加工工程を経ることによって、Cu相とCu−Zr化合物相とが繊維状組織又は層状組織を構成している電圧非直線性抵抗材料や、銅母相と複合相とが繊維状組織又は層状組織を構成しており、かつ、これと平行に複合相内でCu相とCu−Zr化合物相とが繊維状組織又は層状組織を構成している電圧非直線性抵抗材料を容易に得ることができる。図2に示すインゴットの組織は、複数のデンドライトを含むデンドライト組織を有している。デンドライト65は初晶銅からなるものであり、主幹である1次デンドライトアーム66と、1次デンドライトアーム66から伸びた側枝である複数の2次デンドライトアーム67とを有している。この2次デンドライトアーム67は1次デンドライトアーム66からほぼ垂直な方向に伸びている。2次デンドライトアーム間隔68(2次DAS)は、10.0μm以下であることが好ましく、9.4μm以下であることがより好ましく、4.1μm以下であることがさらに好ましい。この2次DASが10.0μm以下であれば、後の加工工程において銅母相と複合相とで構成される繊維状組織や層状組織が緻密になり、引張強さをより高めることができる。なお、2次DASは1.0μmより大きいことが好ましく、インゴット作製の観点から、1.6μm以上であることがより好ましい。ここで、2次DASは以下のように求めることができる。まず、インゴット60の軸方向に対して垂直な断面において、4本以上の2次デンドライトアーム67が連続しているデンドライト65を3本選択する。次に、各々について連続した4本の2次デンドライトアーム67の間隔68をそれぞれ測定する。そして、合計9つの間隔68の平均値を求め、これを2次DASとする。
この工程では、溶湯を鋳型に注湯し、鋳造してインゴットを得る処理を行う。鋳造方法は特に限定されるものではないが、例えば、金型鋳造法や、低圧鋳造法などとしてもよいし、普通ダイカスト法や、スクイズキャスティング法、真空ダイカスト法などのダイカスト法としてもよい。また、連続鋳造法としてもよい。鋳造に使用する鋳型は、純銅製、銅合金製、合金鋼製などとすることができる。このうち、純銅製のものでは、冷却速度を早くできるため、組織の微細化に適しており、好ましい。電圧非直線性抵抗材料において、組織の微細化が可能であれば、高抵抗領域が大きくなりすぎることがなく、トンネル効果のような機構が適切に働くと考えられる。鋳型の構造は特に限定されるものではないが、鋳型内部に水冷パイプを設置して冷却速度を調整できるものとしてもよい。得られるインゴットの形状は特に限定されるものではないが、棒状又は板状のものであることが好ましい。均一な鋳造組織が得られるし、冷却速度をより速くすることができるため組織の微細化に適しているからである。注湯温度は1100℃以上1300℃以下であることが好ましく、1150℃以上1250℃以下であることがより好ましい。1100℃以上であれば湯流れが良好であり、1300℃以下であれば、鋳型を変質させにくいからである。図2には、こうして得られるインゴットの組織60の一例について、模式図を示す。こうした組織60は、Zrを3at%以上含む原料を用いた場合に得られやすい。また、こうした組織を有するインゴットでは、後の加工工程を経ることによって、Cu相とCu−Zr化合物相とが繊維状組織又は層状組織を構成している電圧非直線性抵抗材料や、銅母相と複合相とが繊維状組織又は層状組織を構成しており、かつ、これと平行に複合相内でCu相とCu−Zr化合物相とが繊維状組織又は層状組織を構成している電圧非直線性抵抗材料を容易に得ることができる。図2に示すインゴットの組織は、複数のデンドライトを含むデンドライト組織を有している。デンドライト65は初晶銅からなるものであり、主幹である1次デンドライトアーム66と、1次デンドライトアーム66から伸びた側枝である複数の2次デンドライトアーム67とを有している。この2次デンドライトアーム67は1次デンドライトアーム66からほぼ垂直な方向に伸びている。2次デンドライトアーム間隔68(2次DAS)は、10.0μm以下であることが好ましく、9.4μm以下であることがより好ましく、4.1μm以下であることがさらに好ましい。この2次DASが10.0μm以下であれば、後の加工工程において銅母相と複合相とで構成される繊維状組織や層状組織が緻密になり、引張強さをより高めることができる。なお、2次DASは1.0μmより大きいことが好ましく、インゴット作製の観点から、1.6μm以上であることがより好ましい。ここで、2次DASは以下のように求めることができる。まず、インゴット60の軸方向に対して垂直な断面において、4本以上の2次デンドライトアーム67が連続しているデンドライト65を3本選択する。次に、各々について連続した4本の2次デンドライトアーム67の間隔68をそれぞれ測定する。そして、合計9つの間隔68の平均値を求め、これを2次DASとする。
(3)加工工程
この工程では、インゴットを伸線加工又は圧延加工することにより、銅合金線材又は銅合金板(箔)材を得るための処理を行う。加工工程では、冷間で加工を行うことが好ましい。ここで、冷間とは、加熱しないことをいい、常温付近の温度(例えば20℃〜30℃程度)で加工することを示す。このように冷間で加工を行うと、組織の再結晶や回復を抑制することができるため、組織の微細化に適しており、好ましい。
この工程では、インゴットを伸線加工又は圧延加工することにより、銅合金線材又は銅合金板(箔)材を得るための処理を行う。加工工程では、冷間で加工を行うことが好ましい。ここで、冷間とは、加熱しないことをいい、常温付近の温度(例えば20℃〜30℃程度)で加工することを示す。このように冷間で加工を行うと、組織の再結晶や回復を抑制することができるため、組織の微細化に適しており、好ましい。
伸線加工の方法は特に限定されるものではなく、穴ダイス引き抜きやローラーダイス引き抜きなどの引き抜きのほか、押し出し、スエージング、溝ロール加工などが挙げられる。伸線加工は、インゴットに、伸線軸と平行な方向のせん断力を加えることによってせん断すべり変形を生じさせる加工(以下ではせん断伸線加工とも称する)が好ましい。こうしたせん断すべり変形を生じさせる加工では、繊維状組織を均一にすることができ、電圧非直線性抵抗素子の特性を安定なものとすることができる。また、加工度の高い伸線に特に適しているため、強加工による組織の微細化が可能である。せん断すべり変形を生じさせる加工としては、具体的には、例えば、インゴットをダイスを通して引き抜く引き抜き加工が好適である。こうした加工では、伸線対象とダイスとの接触面で生じる摩擦によって、伸線対象に単純せん断変形を生じさせることができる。ダイスを用いて引き抜き加工を行う場合、サイズの異なる複数のダイスを用いて最終線径まで引き抜き加工を行うものとしてもよい。こうすれば、伸線途中で断線しにくい。ダイスの孔は円形に限る必要はなく、角線用ダイス、異形用ダイス、チューブ用ダイスなどを用いてもよい。伸線加工をする場合、インゴットを、断面減少率が99.00%以上となるように冷間で伸線する工程を含むようにしてもよい。こうすれば、Cu相とCu−Zr化合物相とが繊維状組織を構成している電圧非直線性抵抗材料や、銅母相と複合相とが繊維状組織を構成しており、かつ、これと平行に複合相内でCu相とCu−Zr化合物相とが繊維状組織を構成している電圧非直線性抵抗材料を容易に得ることができる。このうち、断面減少率は、99.50%以上であることが好ましく、99.80%以上であることがより好ましい。断面減少率を大きくすると組織をより微細化できるからである。この断面減少率は、100.00%未満であればよいが、加工の観点から99.9999%以下であることが好ましい。ここで、断面減少率は以下のようにして求めることができる。まず、伸線前のインゴットについて伸線方向に対して垂直な断面の断面積を求める。次に、伸線後の線材について伸線方向に対して垂直な断面の断面積を求める。そして、{(伸線前の断面積−伸線後の断面積)×100}÷(伸線前の断面積)を計算し、得られた値を断面減少率(%)とする。伸線速度は特に限定されるものではないが、10m/min以上200m/min以下であることが好ましく、20m/min以上100m/min以下であることがより好ましい。10m/min以上であれば効率よく伸線加工が行えるし、200m/min以下であれば伸線途中での断線等をより抑制することができるからである。伸線加工をする場合、インゴットを、加工度ηが5.0以上12.0以下となるように冷間で伸線するする工程を含むようにしてもよい。こうすれば、短繊維状の複合相が銅母相中に分散した電圧非直線性抵抗材料を容易に得ることができる。ここで、加工度ηは、伸線加工前の断面積A0(mm2)及び伸線加工後の断面積A(mm2)より、η=ln(A0/A)の式によって求められる値である。
圧延加工の方法は特に限定されるものではないが、例えば、上下1対又はそれ以上のロールを用いて圧延する方法を用いることができる。具体的には、圧縮圧延やせん断圧延などが挙げられ、これらを単独で又は組み合わせて用いることができる。ここで、圧縮圧延とは、圧延対象に圧縮力を付与して圧縮変形を生じさせることを目的とする圧延をいう。また、せん断圧延とは、圧延対象にせん断力を付与してせん断変形を生じさせることを目的とする圧延をいう。圧縮圧延の方法としては、例えば、上下1対のロールを用いて圧延する場合、上ロールとインゴットとの接触面及び下ロールとインゴットとの接触面の摩擦係数がともに小さく、同程度となるようにして圧延する方法が挙げられる。この場合、例えば、上ロールとインゴットとの間の摩擦係数が0.01以上0.05以下であり、下ロールとインゴットとの間の摩擦係数が0.01以上0.05以下であって、上ロール側と下ロール側との摩擦係数の差が0以上0.02以下であることが好ましい。また、上ロールと下ロールの回転速度は同程度であることが好ましい。こうした圧縮圧延では、均一に圧延変形させることが容易であるため、圧延精度を良好なものとすることができる。せん断圧延の方法としては、例えば、上下1対のロールを用いて圧延する場合、上ロールとインゴットとの接触面と、下ロールとインゴットとの接触面とで、摩擦状態に差を設けて圧延する方法が挙げられる。ここで、摩擦状態に差を設ける方法としては、上下一対のロールが相互に異なる速度で回転する異周速圧延法や一対のロールとインゴットとの各界面における摩擦係数を相互に異なるようにした状態で圧延する方法などが挙げられる。このとき、例えば、上ロールとインゴットとの間の摩擦係数が0.1以上0.5以下であり、下ロールとインゴットとの間の摩擦係数が0.01以上0.2以下であって、上ロール側と下ロール側との摩擦係数の差が0.15以上0.5以下であることが好ましい。ここで、摩擦係数μは、圧延ロールにかかる駆動トルクG(Nm)、ロール半径R(m)、圧下加重P(N)を用いてμ=G/RPで表すことができる。こうしたせん断圧延では、層状組織を均一にすることができ、電圧非直線性抵抗素子の特性を安定なものとすることができる。また、加工度の高い圧延に特に適しているため、強加工による組織の微細化が可能である。圧縮圧延及びせん断圧延において、上ロールや下ロールは目的とする摩擦状態を得られるものであればよく、材質やロール形状は特に限定されない。例えば、平坦な板を得られるようなものとしてもよいし、凹凸断面やテーパー断面などの異形断面を有する板を得られるようなものとしてもよい。また、圧延パス条件は、経験に基づいて定めることができる。例えば、複数回の圧延を繰り返して最終板厚まで圧延加工を行うものとしてもよい。こうすれば、圧延途中で破断しにくい。圧延加工をする場合、インゴットを、加工率が99.00%以上となるように冷間で圧延する工程を含むようにしてもよい。こうすれば、Cu相とCu−Zr化合物相とが層状組織を構成している電圧非直線性抵抗材料や、銅母相と複合相とが層状組織を構成しており、かつ、これと平行に複合相内でCu相とCu−Zr化合物相とが層状組織を構成している電圧非直線性抵抗材料を容易に得ることができる。このうち、加工率は、99.50%以上であることが好ましく、99.80%以上であることがより好ましい。加工率を大きくすると組織をより微細化できるからである。この加工率は、100.00%未満であればよいが、加工の観点から99.99%以下であることが好ましい。ここで、加工率(%)は、{(圧延前の板厚−圧延後の板厚)×100}÷(圧延前の板厚)を計算し、得られる値である。圧延速度は特に限定されるものではないが、1m/min以上100m/min以下であることが好ましく、5m/min以上20m/min以下であることがより好ましい。5m/min以上であれば効率よく圧延加工が行えるし、20m/min以下であれば圧延途中での破断等をより抑制することができるからである。
加工工程では、伸線加工又は圧延加工の途中に、伸線加工又は圧延加工時の温度より高く500℃を超えない温度において、1秒以上60秒以下の加熱処理をしてもよい。1秒以上加熱すれば歪み取りの効果が期待でき、伸線加工や圧延加工が容易になる。また、60秒以下の加熱であれば再結晶や回復が生じにくい。なお、こうした加熱処理を行う場合、加熱処理後に、大きな歪みのせん断変形が加わるように、冷間で、せん断伸線加工又はせん断圧延加工を行うことが好ましい。
こうした製造方法を経て得られた伸線材又は圧延材は、そのまま電圧非直線性抵抗素子に用いる電圧非直線性抵抗材料として用いてもよい。また、得られた伸線材又は圧延材から、一部を取り出してそれを電圧非直線性抵抗素子に用いる電圧非直線性抵抗材料として用いてもよい。この場合、例えば、Cu−Zr化合物相のみを取り出してもよいし、複合相のみを取り出してもよいし、銅母相と複合相の両方を含む部分を取り出してもよい。一部を取り出す方法は、化学的な方法でもよいし、機械的な方法でもよい。
本発明の電圧非直線性抵抗素子において、電極は、特に限定されるものではない。例えば、Cu製やCu合金製、Ag製、Au製、Pt製など、種々のものを用いることができる。電極の形成方法は特に限定されるものではなく、溶接やろう接、印刷など、種々の方法で形成することができる。また、電圧非直線性抵抗材料における銅母相やCu相を電極として用いてもよい。ここで、上述した電圧非直線性抵抗材料においてCu相とCu−Zr化合物相とが繊維状組織又は層状組織を構成している場合や、銅母相と複合相とが繊維状組織又は層状組織を構成しており、かつ、これと平行に複合相内でCu相とCu−Zr化合物相とが繊維状組織又は層状組織を構成している場合、電極は、Cu相とCu−Zr化合物相とが構成する繊維状組織又は層状組織に平行になるように設けられることが好ましい。こうすれば、繊維状組織又は層状組織に垂直になるように設けられた場合に比して、電極間におけるCu相及びCu−Zr化合物相の厚さを小さくすることができる。また、電極間における銅母相及び複合相の厚さを小さくすることができる。そして、これにより、高抵抗領域が比較的薄くなり、トンネル効果のような機構が適切に働くと考えられるからである。また、電圧非直線性抵抗材料が、伸線加工又は圧延加工を経て得られたものである場合、電極は、伸線方向又は圧延方向に平行になるように設けられることが好ましい。伸線加工や圧延加工を経た場合、銅母相と複合相とが繊維状組織又は層状組織を構成したり、複合相内でCu相とCu−Zr化合物相とが繊維状組織又は層状組織を構成するなど、伸線方向や圧延方向に平行に繊維状組織や層状組織が構成されることがあるが、こうした繊維状組織や層状組織に垂直になるように設けられた場合に比して、高抵抗領域が薄くなり、トンネル効果のような機構が適切に働くと考えられるからである。
本発明の電圧非直線性抵抗素子の形状は特に限定されず、角形、積層型、円筒型、捲回型など種々の形状のものとすることができる。図3に、本発明の電圧非直線性抵抗素子の一例を示す。図3に示した電圧非直線性抵抗素子10では、2つの電極31,32が電圧非直線性抵抗材料20を介して対向するように設けられており、さらに、電圧非直線性抵抗材料20の表面のうち電極30が形成されていない部分は、絶縁材料40で覆われている。電圧非直線性抵抗材料20は、銅母相50と複合相55とが繊維状組織を構成し、かつ、これに平行に複合相55内でCu相57とCu−Zr化合物相59とが繊維状組織を構成している。そして、この繊維状組織に平行に電極が設けられている。なお、ここでは、Cu−Zr化合物相59はCu9Zr2相であり、複合相55はCu相とCu9Zr2相とを含む共晶相である。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
以下では、本発明の電圧非直線性抵抗素子に用いられる電圧非直線性抵抗材料を製造した具体例を実施例として説明する。ここでは、まず、電圧非直線性抵抗材料となる銅合金の組織や相構成について実験例1〜3で例示し、そのうち代表的なものについて、電圧非直線性抵抗材料としての特性を実施例1,2で説明する。
(実験例1)
実験例1では、銅母相と複合相とが繊維状組織を構成しており、かつ、これと平行に複合相内でCu相とCu−Zr化合物相とが繊維状組織を構成している線材(伸線材)を作製した。具体的には、まず、表1に示す量のZrを含むCu−Zr二元系合金をArガス雰囲気下でレビテーション溶解した。次に、表1に示す直径の丸棒状のキャビティを彫り込んだ純銅鋳型に塗型をし、約1200℃の溶湯を注湯して丸棒インゴットを鋳造した。このインゴットについて、マイクロメーターで直径を測定して、直径が所定の数値となっていることを確認した。次に、室温まで冷却した丸棒インゴットを常温で、順次穴径が小さくなる20〜40個のダイスに通して伸線後の線材の直径が表1に示す値となるように伸線加工を行って実験例1の各サンプルを得た。このとき、伸線速度は20m/minとした。この銅合金線材について、マイクロメーターで直径を測定して、直径が所定の値となっていることを確認した。なお、伸線に用いたダイスは、中央にダイス孔を設けてあり、孔径の異なる複数のダイスを順に通すことでせん断による伸線加工を行うものである(以下同じ)。
実験例1では、銅母相と複合相とが繊維状組織を構成しており、かつ、これと平行に複合相内でCu相とCu−Zr化合物相とが繊維状組織を構成している線材(伸線材)を作製した。具体的には、まず、表1に示す量のZrを含むCu−Zr二元系合金をArガス雰囲気下でレビテーション溶解した。次に、表1に示す直径の丸棒状のキャビティを彫り込んだ純銅鋳型に塗型をし、約1200℃の溶湯を注湯して丸棒インゴットを鋳造した。このインゴットについて、マイクロメーターで直径を測定して、直径が所定の数値となっていることを確認した。次に、室温まで冷却した丸棒インゴットを常温で、順次穴径が小さくなる20〜40個のダイスに通して伸線後の線材の直径が表1に示す値となるように伸線加工を行って実験例1の各サンプルを得た。このとき、伸線速度は20m/minとした。この銅合金線材について、マイクロメーターで直径を測定して、直径が所定の値となっていることを確認した。なお、伸線に用いたダイスは、中央にダイス孔を設けてあり、孔径の異なる複数のダイスを順に通すことでせん断による伸線加工を行うものである(以下同じ)。
1.鋳造組織の観察
伸線加工前のインゴットについて、軸方向に対して垂直な円形断面で切断し、鏡面研磨した後、SEM観察(日立製作所製、SU−70)を行った。図4は、Zr4.0at%を含む、直径5mmのインゴットの鋳造組織のSEM写真である。白く見える部分はCu相およびCu−Zr化合物相(Cu9Zr2相)からなる複合相(共晶相)であり、黒く見える部分は初晶の銅母相である。このSEM写真を用いて、2次DASを測定した。
伸線加工前のインゴットについて、軸方向に対して垂直な円形断面で切断し、鏡面研磨した後、SEM観察(日立製作所製、SU−70)を行った。図4は、Zr4.0at%を含む、直径5mmのインゴットの鋳造組織のSEM写真である。白く見える部分はCu相およびCu−Zr化合物相(Cu9Zr2相)からなる複合相(共晶相)であり、黒く見える部分は初晶の銅母相である。このSEM写真を用いて、2次DASを測定した。
2.伸線後組織の観察
伸線後の銅合金線材について、軸方向に対して垂直な円形断面で切断し、鏡面研磨したあと、SEM観察を行った。図5は、サンプルNo.1−6の銅合金線材の軸方向に対して垂直な断面でのSEM写真である。図5(b)は図5(a)の中央の四角で囲まれた領域を拡大したものである。白く見える部分が複合相、黒く見える部分が銅母相である。複合相比率はこのSEM写真の白黒コントラストを二値化して銅母相と複合相とに二分し、その面積比率を求めた。図6は、サンプルNo.1−6の銅合金線材の軸方向に対して平行で中心軸を含む断面でのSEM写真である。図6(b)は図6(a)の中央の四角で囲まれた領域を拡大したものである。白く見える部分が複合相、黒く見える部分が銅母相であり、交互に配列されて一方向へ延びる繊維状組織が構成されている。この点、図6の視野について、エネルギー分散型X線分光法(EDX)で分析すると、黒く見える部分は銅のみの母相、白く見える部分は銅とジルコニウムとを含む複合相となっていることが確認できた。次にSTEMを用いてCu相及びCu−Zr化合物相の相厚さを以下のように測定した。まず、STEM観察の試料として、Arイオン・ミリング法を用いて細くした線材を用意した。そして、代表的となる中心部分を50万倍で観察し、300nm×300nmの視野を3ヶ所撮影したSTEM−HAADF像(走査型電子顕微鏡の高角度環状暗視像)上でそれぞれの相の幅を測定して平均したものを相厚さの測定値とした。図7は、図6の白く見える部分(複合相内)をSTEM(日本電子製、JEM−2300F)で観察したSTEM写真である。EDX分析により、白い部分がCu相で黒い部分がCu9Zr2相であると推定された。さらに、制限視野回折法を用いて回折像を解析し、複数の回折面の格子定数を測定することでCu9Zr2相の存在を確認した。このように図7の複合相内では、Cu相とCu−Zr化合物相とが、いずれも約20nmの厚さで交互に配列する二重の繊維状組織を持つことがわかった。ここで図7に示した複合相の格子像をSTEM観察すると、視野内(複合相内)の面積比で約15%のアモルファス相が観測された。図8は複合相内のアモルファス相を模式的に示した図である。アモルファス相は主にCu相とCu−Zr化合物相との界面に形成されていた。このアモルファス比率は、格子像上でアモルファスと思われる原子の無配列な領域の面積率を測定して求めた。また図7の白く見えるCuの組織についてSTEM観察すると、隣り合う微結晶の方位差は1〜2°程度と極めて僅かであった。このことから、転位の集積も起こらず、Cuを中心とする大きなせん断すべり変形が伸線方向に起こっているものと推察された。このため、冷間で断線することなく高加工度の伸線が可能であったと推察された。
伸線後の銅合金線材について、軸方向に対して垂直な円形断面で切断し、鏡面研磨したあと、SEM観察を行った。図5は、サンプルNo.1−6の銅合金線材の軸方向に対して垂直な断面でのSEM写真である。図5(b)は図5(a)の中央の四角で囲まれた領域を拡大したものである。白く見える部分が複合相、黒く見える部分が銅母相である。複合相比率はこのSEM写真の白黒コントラストを二値化して銅母相と複合相とに二分し、その面積比率を求めた。図6は、サンプルNo.1−6の銅合金線材の軸方向に対して平行で中心軸を含む断面でのSEM写真である。図6(b)は図6(a)の中央の四角で囲まれた領域を拡大したものである。白く見える部分が複合相、黒く見える部分が銅母相であり、交互に配列されて一方向へ延びる繊維状組織が構成されている。この点、図6の視野について、エネルギー分散型X線分光法(EDX)で分析すると、黒く見える部分は銅のみの母相、白く見える部分は銅とジルコニウムとを含む複合相となっていることが確認できた。次にSTEMを用いてCu相及びCu−Zr化合物相の相厚さを以下のように測定した。まず、STEM観察の試料として、Arイオン・ミリング法を用いて細くした線材を用意した。そして、代表的となる中心部分を50万倍で観察し、300nm×300nmの視野を3ヶ所撮影したSTEM−HAADF像(走査型電子顕微鏡の高角度環状暗視像)上でそれぞれの相の幅を測定して平均したものを相厚さの測定値とした。図7は、図6の白く見える部分(複合相内)をSTEM(日本電子製、JEM−2300F)で観察したSTEM写真である。EDX分析により、白い部分がCu相で黒い部分がCu9Zr2相であると推定された。さらに、制限視野回折法を用いて回折像を解析し、複数の回折面の格子定数を測定することでCu9Zr2相の存在を確認した。このように図7の複合相内では、Cu相とCu−Zr化合物相とが、いずれも約20nmの厚さで交互に配列する二重の繊維状組織を持つことがわかった。ここで図7に示した複合相の格子像をSTEM観察すると、視野内(複合相内)の面積比で約15%のアモルファス相が観測された。図8は複合相内のアモルファス相を模式的に示した図である。アモルファス相は主にCu相とCu−Zr化合物相との界面に形成されていた。このアモルファス比率は、格子像上でアモルファスと思われる原子の無配列な領域の面積率を測定して求めた。また図7の白く見えるCuの組織についてSTEM観察すると、隣り合う微結晶の方位差は1〜2°程度と極めて僅かであった。このことから、転位の集積も起こらず、Cuを中心とする大きなせん断すべり変形が伸線方向に起こっているものと推察された。このため、冷間で断線することなく高加工度の伸線が可能であったと推察された。
3.考察
表1には、実験例1の各サンプル(サンプルNo.1−1〜35)について、組成、鋳造径、2次DAS、伸線径、断面減少率、複合相比率、相厚さ、アモルファス比率を示した。表1より、Zrの比率が多くなるほど、断面減少率が大きくなるほど、複合相比率が大きくなるほど、アモルファス比率が大きくなるほど、相厚さが薄くなる傾向にあることがわかった。また、Zrを7.4at%以上含むサンプルNo.1−29では、伸線途中で断線してしまい、さらに、Zrを8.6at%以上含むサンプルNo.1−30,33〜35では、伸線加工ができなかったことから、加工性を考慮すると、Zrは8.6at%未満が好ましく、7.4at%未満がより好ましいことがわかった。
表1には、実験例1の各サンプル(サンプルNo.1−1〜35)について、組成、鋳造径、2次DAS、伸線径、断面減少率、複合相比率、相厚さ、アモルファス比率を示した。表1より、Zrの比率が多くなるほど、断面減少率が大きくなるほど、複合相比率が大きくなるほど、アモルファス比率が大きくなるほど、相厚さが薄くなる傾向にあることがわかった。また、Zrを7.4at%以上含むサンプルNo.1−29では、伸線途中で断線してしまい、さらに、Zrを8.6at%以上含むサンプルNo.1−30,33〜35では、伸線加工ができなかったことから、加工性を考慮すると、Zrは8.6at%未満が好ましく、7.4at%未満がより好ましいことがわかった。
(実験例2)
実験例2では、銅母相と複合相とが層状組織を構成しており、かつ、これと平行に複合相内でCu相とCu−Zr化合物相とが層状組織を構成している板(箔)材(圧延材)を作製した。具体的には、まず、表2に示すような組成のCu−Zr二元系合金をArガス雰囲気下でレビテーション溶解した。次に、80mm×80mmのキャビティを彫り込んだ純銅鋳型に塗型をし、約1200℃の溶湯を表2に示す板厚となるように注湯して板状インゴットを鋳造した。このインゴットについて、マイクロメーターで板厚を測定して、板厚を確認した。次に、室温まで冷却した板状インゴットを常温で、圧延後の板厚が表2に示す値となるようにせん断圧延加工を行って実験例2の各サンプルを得た。このとき、圧延速度は5m/minとし、とした。この銅合金箔について、マイクロメーターで箔厚を測定して、箔厚を確認した。
実験例2では、銅母相と複合相とが層状組織を構成しており、かつ、これと平行に複合相内でCu相とCu−Zr化合物相とが層状組織を構成している板(箔)材(圧延材)を作製した。具体的には、まず、表2に示すような組成のCu−Zr二元系合金をArガス雰囲気下でレビテーション溶解した。次に、80mm×80mmのキャビティを彫り込んだ純銅鋳型に塗型をし、約1200℃の溶湯を表2に示す板厚となるように注湯して板状インゴットを鋳造した。このインゴットについて、マイクロメーターで板厚を測定して、板厚を確認した。次に、室温まで冷却した板状インゴットを常温で、圧延後の板厚が表2に示す値となるようにせん断圧延加工を行って実験例2の各サンプルを得た。このとき、圧延速度は5m/minとし、とした。この銅合金箔について、マイクロメーターで箔厚を測定して、箔厚を確認した。
1.鋳造組織の観察
圧延加工前のインゴットについて、板面に対して垂直な断面で切断し、鏡面研磨した後、SEM観察を行った。実験例1(例えば図4)と同様の組織が確認された。
圧延加工前のインゴットについて、板面に対して垂直な断面で切断し、鏡面研磨した後、SEM観察を行った。実験例1(例えば図4)と同様の組織が確認された。
2.圧延後組織の観察
圧延後の銅合金箔について、板幅中央に位置し幅方向に対して垂直な断面で切断し、実験例1の伸線後組織の観察と同様に、実験例2の圧延後組織の観察を行った。実験例1(例えば図6〜8)と同様の組織が確認された。
圧延後の銅合金箔について、板幅中央に位置し幅方向に対して垂直な断面で切断し、実験例1の伸線後組織の観察と同様に、実験例2の圧延後組織の観察を行った。実験例1(例えば図6〜8)と同様の組織が確認された。
3.考察
表2には、実験例2の各サンプル(サンプルNo.2−1〜28)について、組成、鋳造板厚、2次DAS、箔厚、加工率、複合相比率、相厚さ、アモルファス比率を示した。表2より、Zrの比率が多くなるほど、加工率が大きくなるほど、複合相比率が大きくなるほど、アモルファス比率が大きくなるほど、相厚さが薄くなる傾向にあることがわかった。また、Zrを7.4at%以上含むサンプルNo.2−25では、圧延途中で破断してしまい、さらに、Zrを8.7at%含むサンプルNo.2−26では、圧延加工ができなかったことから、加工性を考慮すると、実験例1と同様、Zrは8.6at%未満が好ましく、7.4at%未満がより好ましいことがわかった。
表2には、実験例2の各サンプル(サンプルNo.2−1〜28)について、組成、鋳造板厚、2次DAS、箔厚、加工率、複合相比率、相厚さ、アモルファス比率を示した。表2より、Zrの比率が多くなるほど、加工率が大きくなるほど、複合相比率が大きくなるほど、アモルファス比率が大きくなるほど、相厚さが薄くなる傾向にあることがわかった。また、Zrを7.4at%以上含むサンプルNo.2−25では、圧延途中で破断してしまい、さらに、Zrを8.7at%含むサンプルNo.2−26では、圧延加工ができなかったことから、加工性を考慮すると、実験例1と同様、Zrは8.6at%未満が好ましく、7.4at%未満がより好ましいことがわかった。
(実験例3)
実験例3では、銅母相中に短繊維状の複合相が分散している線材を作製した。具体的には、まず、表3に示す量のZrを含むCu−Zr二元系合金となるように秤量した原料を石英管内に入れ、Arガス置換したチャンバー内で高周波誘導溶解した。十分に溶解して得られた溶湯を、純銅鋳型に注湯して、直径12mmの丸棒インゴットを鋳造した。次に、室温まで冷却した丸棒インゴットを、直径11mmとなるまで面削加工を行い鋳肌の凹凸を除去した。続いて、常温で、順次孔径が小さくなる20〜40個のダイスに通して伸線後の線材の直径(伸線径)が表3に示す値となるように伸線加工を行って実験例3の線材を得た。
実験例3では、銅母相中に短繊維状の複合相が分散している線材を作製した。具体的には、まず、表3に示す量のZrを含むCu−Zr二元系合金となるように秤量した原料を石英管内に入れ、Arガス置換したチャンバー内で高周波誘導溶解した。十分に溶解して得られた溶湯を、純銅鋳型に注湯して、直径12mmの丸棒インゴットを鋳造した。次に、室温まで冷却した丸棒インゴットを、直径11mmとなるまで面削加工を行い鋳肌の凹凸を除去した。続いて、常温で、順次孔径が小さくなる20〜40個のダイスに通して伸線後の線材の直径(伸線径)が表3に示す値となるように伸線加工を行って実験例3の線材を得た。
1.伸線後組織の観察
伸線後の銅合金線材について、軸方向に対して垂直な円形断面で切断し、鏡面研磨したあと、SEM観察を行った。図9は、サンプルNo.3−12のSEM写真であり、(a)は縦断面、(b)は横断面である。図9において、白っぽく見える部分が複合相であり、黒っぽく見える部分が銅母相である。サンプルNo.3−12では、銅母相中に短繊維状の複合相が分散していた。図10は、サンプルNo.3−12の複合相のSTEMの明視野像(BF像)及び高角度環状暗視野像(HAADF像)である。図11は、図10の各Point(1〜3)におけるEDX分析結果である。EDX分析結果より、Point1,2はCu−Zr化合物相であり、Point3はCu相であることがわかった。図12は、図10のPoint2(Cu−Zr化合物)のNBD解析結果である。これによれば、Cuの回折パターンを除く代表的な3つの回折パターンのそれぞれから求められる格子定数はd1=3.960Å、d2=3.135Å、d3=1.929Åであった。これらは、それぞれCu8Zr3の(200)面、(022)面、(401)面の格子面間隔と一致(差が±0.05Å以内)した。また、複合相に含まれることが想定されるCu9Zr2やCu5Zrの格子面間隔とは一致しなかった。このことから、複合相は、CuとCu8Zr3とを含むことがわかった。
伸線後の銅合金線材について、軸方向に対して垂直な円形断面で切断し、鏡面研磨したあと、SEM観察を行った。図9は、サンプルNo.3−12のSEM写真であり、(a)は縦断面、(b)は横断面である。図9において、白っぽく見える部分が複合相であり、黒っぽく見える部分が銅母相である。サンプルNo.3−12では、銅母相中に短繊維状の複合相が分散していた。図10は、サンプルNo.3−12の複合相のSTEMの明視野像(BF像)及び高角度環状暗視野像(HAADF像)である。図11は、図10の各Point(1〜3)におけるEDX分析結果である。EDX分析結果より、Point1,2はCu−Zr化合物相であり、Point3はCu相であることがわかった。図12は、図10のPoint2(Cu−Zr化合物)のNBD解析結果である。これによれば、Cuの回折パターンを除く代表的な3つの回折パターンのそれぞれから求められる格子定数はd1=3.960Å、d2=3.135Å、d3=1.929Åであった。これらは、それぞれCu8Zr3の(200)面、(022)面、(401)面の格子面間隔と一致(差が±0.05Å以内)した。また、複合相に含まれることが想定されるCu9Zr2やCu5Zrの格子面間隔とは一致しなかった。このことから、複合相は、CuとCu8Zr3とを含むことがわかった。
2.考察
表3には、実験例3の各サンプル(サンプルNo.3−1〜18)について、組成、伸線径、加工度η、複合相の面積率、複合相のアスペクト比を示した。表3より、複合相の面積率は、伸線加工度ηの影響をほとんど受けず、Zrの比率によって変化することがわかった。一方で、複合相のアスペクト比は、伸線加工度ηが大きくなるほど大きくなることがわかった。なお、複合相に含まれるCu8Zr3相は、Cu9Zr2相などが、加工によって結晶構造が変化するなどして生じたものであると推察された。
表3には、実験例3の各サンプル(サンプルNo.3−1〜18)について、組成、伸線径、加工度η、複合相の面積率、複合相のアスペクト比を示した。表3より、複合相の面積率は、伸線加工度ηの影響をほとんど受けず、Zrの比率によって変化することがわかった。一方で、複合相のアスペクト比は、伸線加工度ηが大きくなるほど大きくなることがわかった。なお、複合相に含まれるCu8Zr3相は、Cu9Zr2相などが、加工によって結晶構造が変化するなどして生じたものであると推察された。
(実施例1)
1.電圧非直線性抵抗材料の作製
実施例1では、実験例1と同様に銅母相と複合相とが繊維状組織を構成しており、かつ、これと平行に複合相内でCu相とCu−Zr化合物相とが繊維状組織を構成している線材を作製した。まず、Zr5.0at%と残部CuとからなるCu−Zr二元系合金をArガス雰囲気下で石英管を用いて溶解した。次に、直径3mmの丸棒状のキャビティを彫り込んだ純銅鋳型に塗型をし、約1200℃の溶湯を注湯して丸棒インゴットを鋳造した。次に、室温まで冷却した丸棒インゴットを常温で、順次穴径が小さくなる20〜40個のダイスに通して伸線後の線材の直径が0.160mmとなるように伸線加工を行って実施例1の線材を得た。このとき、伸線速度は20m/minとした。
1.電圧非直線性抵抗材料の作製
実施例1では、実験例1と同様に銅母相と複合相とが繊維状組織を構成しており、かつ、これと平行に複合相内でCu相とCu−Zr化合物相とが繊維状組織を構成している線材を作製した。まず、Zr5.0at%と残部CuとからなるCu−Zr二元系合金をArガス雰囲気下で石英管を用いて溶解した。次に、直径3mmの丸棒状のキャビティを彫り込んだ純銅鋳型に塗型をし、約1200℃の溶湯を注湯して丸棒インゴットを鋳造した。次に、室温まで冷却した丸棒インゴットを常温で、順次穴径が小さくなる20〜40個のダイスに通して伸線後の線材の直径が0.160mmとなるように伸線加工を行って実施例1の線材を得た。このとき、伸線速度は20m/minとした。
2.形状測定及び電流分布測定
SII製のE−Sweep及びNanoNaviを用いて、AFM−電流同時測定を行った。形状は、AFM(AtomicForceMicroscope)モードで探針を接触させながら走査して測定した。また、電流分布はCITS(CurrentImagingTunnelingSpectroscopy)モードで走査しながら測定した。
SII製のE−Sweep及びNanoNaviを用いて、AFM−電流同時測定を行った。形状は、AFM(AtomicForceMicroscope)モードで探針を接触させながら走査して測定した。また、電流分布はCITS(CurrentImagingTunnelingSpectroscopy)モードで走査しながら測定した。
図13は、実施例1の線材を伸線方向に平行に切断した断面のSEM組成像である。白く見える部分がCu相とCu−Zr化合物相とを含む複合相であり、黒く見える部分が銅母相である。このSEM組成像より、実施例1の線材は、銅母相と複合相とが繊維状組織を構成していることが確認された。また、図示は省略するが、STEM観察によって、複合相内でCu相とCu−Zr化合物相とが繊維状組織を構成していることが確認された。なお、SEM組成像上に点在する正方形の跡は、FIB(FocusedIonBeam)加工による跡である。
図14は、図13の視野1における平面像及び電流像である。平面像及び電流像は、SEM組成像に対して90°左に回転している(以下同じ)。平面像で特に明るくなる部分と電流像で特に明るくなる部分とは一致しないことから、試料表面の凹凸は、電流値に影響を与えるものではないことがわかった。一方、電流像において、SEM組成像の銅母相の部分が明るく複合相の部分が暗く現れたことから、銅母相には多くの電流が流れ、複合相にはあまり電流がながれないことが分かった。なお、図14の測定では、5μm×5μmの視野について、1.0VのDCバイアスをかけ、測定を行った。
図15及び図16は、実施例1の線材の視野2,3における電流像及び電流像の各ポイントにおけるI−V曲線である。図15,16では、電流像において黒く見える複合相内、すなわち、ポイント1,2で電圧非直線性抵抗特性を示すことが分かった。なお、図15,16の測定では、2μm×2μmの視野について、電流像の測定では0.3VのDCバイアスをかけ、I−V曲線の測定ではバイアス電圧を−2.0Vから2.0Vまで変化させて、測定を行った。
(実施例2)
1.電圧非直線性抵抗材料の作製
実施例2では、実験例3と同様に銅母相中に短繊維状の複合相が分散している線材を作製した。まず、Zr0.5at%と残部CuとからなるCu−Zr二元系合金となるように原料を秤量した原料を石英管内に入れ、Arガス置換したチャンバー内で高周波誘導溶解した。十分に溶解して得られた溶湯を、純銅鋳型に注湯して、直径12mmの丸棒インゴットを鋳造した。次に、室温まで冷却した丸棒インゴットを、直径11mmとなるまで面削加工を行い鋳肌の凹凸を除去した。続いて、常温で、順次孔径が小さくなる20〜40個のダイスに通して伸線後の線材の直径(伸線径)が90μmとなるように伸線加工を行って実施例2の線材を得た。
1.電圧非直線性抵抗材料の作製
実施例2では、実験例3と同様に銅母相中に短繊維状の複合相が分散している線材を作製した。まず、Zr0.5at%と残部CuとからなるCu−Zr二元系合金となるように原料を秤量した原料を石英管内に入れ、Arガス置換したチャンバー内で高周波誘導溶解した。十分に溶解して得られた溶湯を、純銅鋳型に注湯して、直径12mmの丸棒インゴットを鋳造した。次に、室温まで冷却した丸棒インゴットを、直径11mmとなるまで面削加工を行い鋳肌の凹凸を除去した。続いて、常温で、順次孔径が小さくなる20〜40個のダイスに通して伸線後の線材の直径(伸線径)が90μmとなるように伸線加工を行って実施例2の線材を得た。
2.形状測定及び電流分布測定
実施例1と同様にして測定を行った。図17は、実施例2の線材を伸線方向に平行に切断した断面のSEM組成像である。図18は、図17の視野1における電流像及び電流像の各ポイントにおけるI−V曲線である。図18(a)の電流像では、銅母相よりも、複合相中のCu相のほうが明るく現れた。これは、試料表面の凹凸の影響により、探針と試料との接触状態の違いによるものとも推察された。一方、視野1では、SEM組成像で白く現れる銅母相にあるポイント3,4で電圧非直線性抵抗特性を示していることから、銅母相にもZrが存在しており、これにより電圧非直線性抵抗特性を示す可能性もあると推察された。視野1において、電圧非直線性抵抗特性を示さなかったポイント1,2は、複合相内のCu相である。なお、図18の測定では、5μm×5μmの視野について、電流像の測定では0.4VのDCバイアスをかけ、I−V曲線の測定ではバイアス電圧を−2.0Vから2.0Vまで変化させて測定を行った。図19は、図17の視野2における電流像及び電流像の各ポイントにおけるI−V曲線である。視野2でも、SEM組成像から銅母相中のポイント5で電圧非直線性抵抗特性を示していた。また、電流が流れ始める電圧が異なるものの、Cu−Zr化合物相中のポイント3,4でも、電圧非直線性抵抗特性を示していた。視野2において、電圧非直線性抵抗特性を示さなかったポイント1,2は、複合相内のCu相である。なお、図19の測定では、5μm×5μmの視野について、(a)の電流像の測定では0.3VのDCバイアスをかけ、(a’)の電流像の測定では1.0VのDCバイアスをかけ、I−V曲線の測定ではバイアス電圧を−4.0Vから4.0Vまで変化させて測定を行った。図20は、図17の視野3における電流像及び電流像の各ポイントにおけるI−V曲線である。視野3においても、視野1と同様の結果が得られた。なお、図20の測定では、2μm×2μmの視野について、電流像の測定では0.3VのDCバイアスをかけ、I−V曲線の測定ではバイアス電圧を−2.0Vから2.0Vまで変化させて測定を行った。
実施例1と同様にして測定を行った。図17は、実施例2の線材を伸線方向に平行に切断した断面のSEM組成像である。図18は、図17の視野1における電流像及び電流像の各ポイントにおけるI−V曲線である。図18(a)の電流像では、銅母相よりも、複合相中のCu相のほうが明るく現れた。これは、試料表面の凹凸の影響により、探針と試料との接触状態の違いによるものとも推察された。一方、視野1では、SEM組成像で白く現れる銅母相にあるポイント3,4で電圧非直線性抵抗特性を示していることから、銅母相にもZrが存在しており、これにより電圧非直線性抵抗特性を示す可能性もあると推察された。視野1において、電圧非直線性抵抗特性を示さなかったポイント1,2は、複合相内のCu相である。なお、図18の測定では、5μm×5μmの視野について、電流像の測定では0.4VのDCバイアスをかけ、I−V曲線の測定ではバイアス電圧を−2.0Vから2.0Vまで変化させて測定を行った。図19は、図17の視野2における電流像及び電流像の各ポイントにおけるI−V曲線である。視野2でも、SEM組成像から銅母相中のポイント5で電圧非直線性抵抗特性を示していた。また、電流が流れ始める電圧が異なるものの、Cu−Zr化合物相中のポイント3,4でも、電圧非直線性抵抗特性を示していた。視野2において、電圧非直線性抵抗特性を示さなかったポイント1,2は、複合相内のCu相である。なお、図19の測定では、5μm×5μmの視野について、(a)の電流像の測定では0.3VのDCバイアスをかけ、(a’)の電流像の測定では1.0VのDCバイアスをかけ、I−V曲線の測定ではバイアス電圧を−4.0Vから4.0Vまで変化させて測定を行った。図20は、図17の視野3における電流像及び電流像の各ポイントにおけるI−V曲線である。視野3においても、視野1と同様の結果が得られた。なお、図20の測定では、2μm×2μmの視野について、電流像の測定では0.3VのDCバイアスをかけ、I−V曲線の測定ではバイアス電圧を−2.0Vから2.0Vまで変化させて測定を行った。
(考察)
以上より、Cu−Zr化合物相を備える銅合金は、電圧非直線性抵抗特性を示し、電圧非直線性抵抗素子に利用可能であることが分かった。また、比較的低い電圧で電流が流れ始めることが分かった。なお、実施例1,2の線材で電圧非直線性抵抗特性を示したことから、少なくとも、実施例1と同様の組成や組織を有する実験例1の線材や実験例2の板材、実施例2と同様の組成や組織を有する実験例3の線材では、実施例1,2と同様に、電圧非直線性抵抗特性を示すと推察された。
以上より、Cu−Zr化合物相を備える銅合金は、電圧非直線性抵抗特性を示し、電圧非直線性抵抗素子に利用可能であることが分かった。また、比較的低い電圧で電流が流れ始めることが分かった。なお、実施例1,2の線材で電圧非直線性抵抗特性を示したことから、少なくとも、実施例1と同様の組成や組織を有する実験例1の線材や実験例2の板材、実施例2と同様の組成や組織を有する実験例3の線材では、実施例1,2と同様に、電圧非直線性抵抗特性を示すと推察された。
本出願は、2012年10月10日に出願された日本国特許出願第2012−225160号を優先権主張の基礎としており、引用によりその内容の全てが本明細書に含まれる。
本発明は、電子機器の分野に利用可能である。
10 電圧非直線性抵抗素子、20 電圧非直線性抵抗材料、31,32 電極、40 絶縁材料、50 銅母相、55 共晶相、57 Cu相、59 Cu9Zr2化合物相、60 インゴットの組織、65 デンドライト、66 1次デンドライトアーム、67 2次デンドライトアーム、68 2次デンドライトアーム間隔。
Claims (12)
- Cu−Zr化合物相を含む銅合金からなる電圧非直線性抵抗材料と、
電極と、
を備えた電圧非直線性抵抗素子。 - 前記電圧非直線性抵抗材料において、前記Cu−Zr化合物相は、Cu9Zr2相、Cu5Zr相及びCu8Zr3相のいずれか1以上を含む、請求項1に記載の電圧非直線性抵抗素子。
- 前記電圧非直線性抵抗材料は、Cu相及びCu−Zr化合物相を含む複合相を備えている、請求項1又は2に記載の電圧非直線性抵抗素子。
- 前記電圧非直線性抵抗材料において、前記複合相は、Cu相及びCu9Zr2相を含む共晶相である、請求項3に記載の電圧非直線性抵抗素子。
- 前記電圧非直線性抵抗材料は、前記複合相の他に銅母相を備えている、請求項3又は4に記載の電圧非直線性抵抗素子。
- 前記電圧非直線性抵抗材料において、前記複合相は、Cu相とCu−Zr化合物相とが繊維状組織又は層状組織を構成している、請求項3〜5のいずれか1項に記載の電圧非直線性抵抗素子。
- 前記電圧非直線性抵抗材料は、前記銅母相と前記複合相とが繊維状組織又は層状組織を構成しており、かつ、これと平行に前記複合相内で前記Cu相とCu−Zr化合物相とが繊維状組織又は層状組織を構成している、請求項5に記載の電圧非直線性抵抗素子。
- 前記電極は、前記Cu相とCu−Zr化合物相とが構成する繊維状組織又は層状組織に平行になるように設けられている、請求項6又は7に記載の電圧非直線性抵抗素子。
- 前記電圧非直線性抵抗材料は、前記銅母相中に短繊維状の前記複合相が分散している、請求項5に記載の電圧非直線性抵抗素子。
- 前記電圧非直線性抵抗材料は、
CuとZrを溶解して溶湯を得る溶解工程と、
前記溶湯を鋳造してインゴットを得る鋳造工程と、
前記インゴットを伸線加工又は圧延加工して伸線材又は圧延材を得る加工工程と、
を含む製造方法を経て得られたものである、請求項1〜9のいずれか1項に記載の電圧非直線性抵抗素子。 - 前記電極は、前記電圧非直線性抵抗材料の伸線方向又は圧延方向に平行になるように設けられている、請求項10に記載の電圧非直線性抵抗素子。
- 前記電圧非直線性抵抗材料は、Zrを0.2at%以上18.0at%以下含み、残部がCuである、請求項1〜11のいずれか1項に記載の電圧非直線性抵抗素子。
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