JPWO2014017451A1 - 多糖類、多糖類を含む組成物、及び免疫賦活剤 - Google Patents

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Abstract

これまでの免疫賦活能を有する多糖は、医薬品や健康食品、畜産用や水産用の飼料添加物として応用されているが、十分な免疫賦活効果を示すものは少なかった。そこで、低コストで高い免疫賦活効果を示す組成物の開発が求められていた。本発明は、昆虫由来で免疫賦活作用を有する多糖類、及び、該多糖類を含有する組成物、さらに該多糖類を有効成分とする免疫賦活剤を提供する。本発明の多糖類は、構成糖として、少なくとも、ラムノースを有することが好ましい。

Description

本発明は、昆虫由来で免疫賦活作用を有する多糖、該多糖類を含む組成物、及び該多糖類を有効成分とする免疫賦活剤に関する。
これまで、免疫賦活作用を有する多糖類が多数見出されている。免疫賦活作用を有する多糖に関する技術としては、例えば、酸性ムコ多糖(特許文献1参照)、リポ多糖及びβグルカン(特許文献2参照)、ガゴメ由来の粘性多糖類(特許文献3参照)、L−フコースおよびD−キシロースの他にD−グルクロン酸を主な構成成分とする硫酸化多糖であるアスコフィラン(特許文献4参照)、β−1,3−結合を有するマンナン(特許文献5参照)等が存在する。しかし、免疫賦活作用を有する多糖の多くは、菌類由来又は植物由来であり、動物由来のものは見出されていなかった。
一方、昆虫は人工的な生産が容易な動物性タンパク質として重要視されており、昆虫の幼虫や蛹を畜産用や水産用の飼料原料として用いる試みがなされている(特許文献6及び特許文献7参照)
特開2012−031089号公報 特開2012−082156号公報 特開2009−227618号公報 特開2008−120707号公報 特開2006−060288号公報 国際公開第2011/007867号パンフレット 特開2003−210071号公報
これまでの免疫賦活作用を有する多糖類は、医薬品や健康食品、畜産用や水産用の飼料添加物として応用されているが、十分な免疫賦活効果を示すものは少なかった。そこで、低コストで高い免疫賦活効果を示す組成物の開発が求められていた。
すなわち、本発明は、昆虫由来で免疫賦活作用を有する多糖類、及び該多糖類を含む組成物である。また、別の本発明では、免疫賦活作用を有する多糖類は、構成糖として少なくともラムノースを含有する。
別の本発明では、双翅目、鱗翅目、鞘翅目、膜翅目、半翅目、直翅目、及び蜻蛉目からなる群から選択される1又は複数に属する昆虫由来の多糖類である。また、別の本発明では、双翅目、鱗翅目、及び鞘翅目からなる群から選択される1又は複数に属する昆虫由来の多糖類である。さらに、別の本発明の多糖類は、少なくとも植物に食性を示す昆虫由来である。
さらに、別の本発明における免疫賦活作用を有する多糖類は、耐熱性や、高温高圧耐性を有する。かかる場合には、製造や加工の段階で本発明の多糖類に熱処理や高温高圧処理が施された場合でも免疫賦活作用が失われないため、好ましい。
さらに、別の本発明における免疫賦活作用を有する多糖類は、平均分子量が約1.0×10〜約1.0×10である。また、多糖類の免疫賦活作用は、少なくともToll-like Receptor 4を介したものであり得る。
また、別の本発明は、昆虫由来で免疫賦活作用を有する多糖類を含む組成物である。さらに、本発明の組成物は、昆虫の卵、幼虫、蛹、及び、成虫からなる群から選択される1若しくは複数の粉末、昆虫の卵、幼虫、蛹、及び、成虫からなる群から選択される1若しくは複数からの抽出物、又は、昆虫の卵、幼虫、蛹、及び、成虫からなる群から選択される1若しくは複数から得られたアルコール不溶性固形分であり得る。
さらに、本発明は、昆虫由来で免疫賦活作用を有する多糖類を有効成分とする免疫賦活剤を提供する。
本発明は、昆虫に由来する免疫賦活作用を有する多糖類、該多糖類を含む組成物、及び該多糖類を有効成分とする免疫賦活剤である。本発明を、ヒトや畜産動物、水産動物、愛玩動物等に投与することにより、高い免疫賦活作用が得られる。また、昆虫は、食用や飼料用の動物性資源として価値が高まっていることから、免疫賦活作用を有する健康食品や、免疫賦活作用を有する畜産用又は水産用の飼料原料として利用することができる。
昆虫から得られた上清画分(A)、メタノール抽出画分(B)、及び水抽出画分(C)の免疫賦活作用を示す図である。 昆虫から得られた上清画分(C)の免疫賦活作用がプロテイナーゼK処理で変化しないことを示す図である。 双翅目に属する昆虫から得られた水抽出画分の陰イオン交換クロマトグラフィの結果を示す図である。 双翅目に属する昆虫由来の多糖類を、ゲル濾過クロマトグラフィを用いて精製したことを示す図である。 双翅目に属する昆虫由来の多糖類の分子量を、高速液体クロマトグラフィを用いて測定したことを示す図である。 双翅目に属する昆虫由来多糖の構成糖分析におけるトータルイオンクロマトグラムを示す図である。 双翅目に属する昆虫由来の多糖類を、ゲル濾過クロマトグラフィを用いて精製したことを示す図である。 鱗翅目に属する昆虫から得られた水抽出画分の陰イオン交換クロマトグラフィの結果(全糖量、及び塩化ナトリウム溶出濃度)を示す図である。 鱗翅目に属する昆虫から得られた水抽出画分の陰イオン交換クロマトグラフィの結果(全糖量、及び免疫賦活作用)を示す図である。 鱗翅目に属する昆虫由来の多糖類を、ゲル濾過クロマトグラフィを用いて精製したことを示す図である。 鱗翅目に属する昆虫由来の多糖類の分子量を、高速液体クロマトグラフィを用いて測定したことを示す図である。 鱗翅目に属する昆虫由来多糖の構成糖分析におけるトータルイオンクロマトグラムを示す図である。 鱗翅目に属する昆虫から得られた水抽出画分の陰イオン交換クロマトグラフィの結果(全糖量、及び塩化ナトリウム溶出濃度)を示す図である。 鱗翅目に属する昆虫から得られた水抽出画分の陰イオン交換クロマトグラフィの結果(全糖量、及び免疫賦活作用)を示す図である。 鱗翅目に属する昆虫由来の多糖類を、ゲル濾過クロマトグラフィを用いて精製したことを示す図である。 鞘翅目に属する昆虫から得られた上清画分の免疫賦活作用を示した図である。 双翅目に属する昆虫由来多糖の免疫賦活作用をリポ多糖と比較した図である。 本発明の多糖類の耐熱性を示す図である。 本発明の多糖類の有する免疫賦活作用の昆虫の変態段階における変化を示す図である。 抗TLR2抗体、又は抗TLR4抗体存在下における本発明の多糖類の免疫賦活作用を示す図である。 本発明の多糖類による免疫賦活作用によりマダイの耐病性が向上したことを示す図である。
本発明は、昆虫由来で且つ免疫賦活作用を有する多糖類と、多糖類を含む組成物、及び多糖類を有効成分とする免疫賦活剤を提供する。
本発明の多糖類は昆虫由来である。発明者らは、複数の種に属する昆虫が免疫賦活作用を有する多糖類を含有していることを見出し、本発明に到達した。さらに、非常に広い範囲の種に属する昆虫が免疫賦活作用を有する多糖を含有していることを明らかにした。免疫賦活作用を有する多糖類を含有する昆虫であれば、本発明に利用することができる。
昆虫は、動物界の中で節足動物門(Arthropoda)に属し、昆虫綱(Insecta)に分類される生物の総称である。昆虫綱(Insecta)は、無翅亜綱(Apterygota)と、有翅亜綱(Pterygota)とに分類される。無翅亜綱(Apterygota)は、粘管目(Collembola)、原尾目(Protura)、総尾目(Thysanura)等に分類される。また、有翅亜綱(Pterygota)は、蜉蝣目(Ephemeroptera)、せき翅目(Plecoptera)、蜻蛉目(Odonata)、粘脚目(Embioptera)、直翅目(Orthoptera)、革翅目(Dermaptera)、等翅目(シロアリ目)(Isoptera)、紡脚目(シロアリモドキ目)(Empioptera)、噛虫目(Psocoptera)、食毛目(Mallophaga)、蝨目(Anoplura)、総翅目(Thysanoptera)、半翅目(Hemiptera)、膜翅目(Hymenoptera)、撚翅目(Strepsiptera)、鞘翅目(Coleoptera)、脈翅目(Neuroptera)、長翅目(Mecoptera)、毛翅目(Trichoptera)、鱗翅目(Lepidoptera)、双翅目(Diptera)、隠翅目(Aphaniptera)等に分類される。
上記の分類のなかで、蜻蛉目、網翅目、直翅目、半翅目、脈翅目、膜翅目、鞘翅目、双翅目、及び鱗翅目についてさらに詳細に説明する。
蜻蛉目に属する昆虫としては、トンボ等が挙げられる。蜻蛉目は、さらに、カワトンボ科(Calopterygidae)、ミナミカワトンボ科(Euphaeidae)、イトトンボ科(Coenagrionidae)、ヤマイトトンボ科(Megapodagrionidae)、アオイトトンボ科(Lestidae)、モノサシトンボ科(Platycnemididae)、サナエトンボ科(Gomphidae)、ムカシトンボ科(Epiophlebiidae)、ムカシヤンマ科(Petaluridae)、オニヤンマ科(Cordulegasteridae)、ヤンマ科(Aeschnidae)、エゾトンボ科(Corduliidae)、ヤマトンボ科(Macromiidae)、トンボ科(Libellulidae)等に分類される。
網翅目に属する昆虫としては、カマキリやゴキブリ等が挙げられる。網翅目カマキリ亜目(Mantodea)は、さらにカマキリ科(Mantidae)、ヒメカマキリ科(Acromantidae)等に分類され、網翅目ゴキブリ亜目(Blattodea)は、さらにゴキブリ科(Blattidae)、マダラゴキブリ科(Epilampridae)、オガサワラゴキブリ科(Pycnoscelidae)、チャバネゴキブリ科(Blattellidae)、オオゴキブリ科(Panesthiidae)等に分類される。
直翅目に属する昆虫としては、バッタ、キリギリス、コオロギ、ケラ、カマドウマ等が挙げられる。直翅目は、さらにカマドウマ科(Rhaphidophoridae)、コロギス科(Gryllacridae)、キリギリス科)(Tettigoniidae)、コオロギ科(Gryllidae)、アリツカコオロギ科(Myrmechophilidae)、ノミバッタ科(Tridactylidae)、ケラ科(Gryllotalpidae)、ヒシバッタ科(Tetrigidae)、バッタ科(Locustidae)等に分類される。
半翅目に属する昆虫としては、カメムシ、タガメ、アメンボ、セミ、ウンカ、アブラムシ等が挙げられる。半翅目カメムシ亜目(Heteroptera)は、さらにツチカメムシ科(Cydnidae)、マルカメムシ科(Plataspidae)、カメムシ科(Pentatomidae)、ツノカメムシ科(Acanthosomidae)、クヌギカメムシ科(Urostylidae)、ヘリカメムシ科(Coreidae)、ナガカメムシ科(Lygaeidae)、オオホシカメムシ科(Largidae)、ホシカメムシ科(Pyrrhocoridae)、イトカメムシ科(Berytidae)、ヒラタカメムシ科(Aradidae)、マキバサシガメ科(Nabidae)、サシガメ科(Reduviidae)、コバンムシ科(Naucoridae)、タガメ科(Belostomatidae)、タイコウチ科(Nepidae)、クビナガカメムシ科(Enicocephalidae)、グンバイムシ科(Tingidae)、ハナカメムシ科(Anthocoridae)、トコジラミ科(Cimicidae)、メクラカメムシ科(Miridae)、アメンボ科(Gerridae)、イトアメンボ科(Hydrometridae)、カタビロアメンボ科(Veliidae)、ケシミズカメムシ科(Hebridae)、ミズカメムシ科(Mesoveliidae)、ムクゲカメムシ科(Dipsocoridae)、ミズギワカメムシ科(Saldidae)、メミズムシ科(Octheridae)、ナベブタムシ科(Aphelocheiridae)、マツモムシ科(Notonectidae)、マルミズムシ科(Pleidae)、タマミズムシ科(Helotrephidae)、ミズムシ科(Corixidae)等に分類される。
半翅目同翅亜目(Homoptera)は、セミ科(Cicadidae)、ツノゼミ科(Membracidae)、アワフキムシ科(Cercopidae)、コガシラアワフキ科(Tomaspididae)、トゲアワフキ科(Machaerotidae)、ミミズク科(Ledridae)、オオヨコバイ科(Tettigellidae)、カンムリヨコバイ科(Evacanthidae)、ホソサジヨコバイ科(Nirvanidae /
Paraboloponidae)、クロヒラタヨコバイ科(Penthimiidae)、アオズキンヨコバイ科(Jassidae)、ヒロズヨコバイ科(Macropsidae)、シダヨコバイ科(Agalliidae)、ブチミャクヨコバイ科(Drabescidae)、ズキンヨコバイ科(Idioceridae)、ホシヨコバイ科(Xestocephalidae)、ヒメヨコバイ科(Cicadellidae)、ヒラタヨコバイ科(Aphrodidae)、フクロクヨコバイ科(Hecalidae)、フトヨコバイ科(Errhomenellidae)、ヨコバイ科(Deltocephalidae)、アリヅカウンカ科(Tettigometridae)、シマウンカ科(Meenoplidae)、ビワハゴロモ科(Fulgolidae)、ハネナガウンカ科(Derbidae)、コガシラウンカ科(Achilidae)、ウンカ科(Delphacidae)、テングスケバ科(Dictyopharidae)、ヒシウンカ科(Cisiidae)、グンバイウンカ科(Tropiduchidae)、アオバハゴロモ科(Flatidae)、マルウンカ科(Issidae)、ハゴロモ科(Ricaniidae)、キジラミ科(Psyllidae)、コナジラミ科(Aleyrodidae)、アブラムシ科(Aphididae)、ワタフキカイガラムシ科(Margarodidae)、フクロカイガラムシ科(Eriococcidae)、カタカイガラムシ科(Coccidae)、カブラカイガラムシ科(Beesoniidae)、マルカイガラムシ科(Diaspididae)等に分類される。
脈翅目は、さらに、ラクダムシ科(Inocellidae)、センブリ科(Sialidae)、ヘビトンボ科(Corydalidae)、カマキリモドキ科(Mantispidae)、ツノトンボ科(Ascalaphidae)、ヒロバカゲロウ科(Osmylidae)、クサカゲロウ科(Chrysopidae)、アミメカゲロウ科(Hemerobiidae)、ウスバカゲロウ科(Myrmeleontidae)等に分類される。
膜翅目に属する昆虫としては、ハチやアリ等が挙げられる。膜翅目は、さらに、ナギナタハバチ科(Xyelidae)、ヤドリキバチ科(Orussidae)、ヨフシハバチ科(Blasticotomidae)、キバチ科(Siricidae)、クビナガキバチ科(Cephidae)、ヒラタハバチ科(Pamphiliidae)、ハバチ科(Tenthredinidae)、マツハバチ科(Diprionidae)、ミフシハバチ科(Argidae)、コンボウハバチ科(Cimbicidae)、コマユバチ科(Blaconidae)、アブラバチ科(Aphidiidae)、ヒメバチ科(Ichneumonidae)、イチジクコバチ科(Agaonidae)、アシブトコバチ科(Chalcididae)、シリアゲコバチ科(Leucospidae)、アリヤドリコバチ科(Eucharitidae)、オナガコバチ科(Torymidae)、カタビロコバチ科(Eurytomidae)、コガネコバチ科(Pteromalidae)、トビコバチ科(Encyrtidae)、ホソナガコバチ科(Elasmidae)、ヒメコバチ科(Eulophidae)、タマゴヤドリコバチ科(Trichogrammatidae)、ホソバネヤドリコバチ科(Mymaridae)、シリボソクロバチ科(Proctotrupidae)、ヒゲナガクロバチ科(Ceraphronidae)、ハラビロヤドリバチ科(Platygasteridae)、クロタマゴバチ科(Scelionidae)、アリ科(Formicidae)、タマバチ科(Cynipidae)、カギバラバチ科(Trigonalidae)、カマバチ科(Dryinidae)、コツチバチ科(Tiphiidae)、コンボウヤセイバチ科(Gasteruptionidae)、アリバチ科(Mutillidae)、アリガタバチ科(Bethylidae)、セイボウ科(Chrycididae)、セイボウモドキ科(Cleptidae)、ベッコウバチ科(Pompilidae)、ツチバチ科(Scolidae)、スズメバチ科(Vespidae)、ジガバチ科(Sphecidae)、ヒメハナバチ科(Andrenidae)、ミツバチモドキ科(Colletidae)、ケアシハナバチ科(Melittidae)、ハキリバチ科(Megachilidae)、コハナバチ科(Halictidae)、コシブトハナバチ科(Anthophoridae)、ミツバチ科(Apidae)等に分類される。
鞘翅目は、甲虫類とも称される。鞘翅目に属する昆虫としては、カブトムシ、クワガタムシ、カミキリムシ、ゲンゴロウ、コガネムシ、ハナムグリ、カナブン、オサムシ、ホタル、テントウムシ、ゾウムシ、ゴミムシ、ゴミムシダマシ等が挙げられる。
鞘翅目は、さらに、ナガヒラタムシ科(Cupedidae)、セスジムシ科(Rhysodidae)、ヒゲブトオサムシ科(Paussidae)、ハンミョウ科(Cicindelidae)、オサムシ科(Carabidae)、ヒョウタンゴミムシ科(Scaritidae)、ゴミムシ科(Harpalidae)、ホソクビボミムシ科(Brachinidae)、コガシラミズムシ科(Haliplidae)、コツブゲンゴロウ科(Noteridae)、ゲンゴロウ科(Dytiscidae)、ミズスマシ科(Cyrinidae)、ガムシ科(Hydrophilidae)、エンマムシモドキ科(Synteliidae)、エンマムシ科(Histeridae)、チビシデムシ科(Catopidae)、シデムシ科(Silphidae)、デオキノコムシ科(Scaphidiidae)、ハネカクシ科(Staphylinidae)、クワガタムシ科(Lucanidae)、クロツヤムシ科(Passalidae)、コブスジコガネ科(Trogidae)、センチコガネ科(Geotrupidae)、コガネムシ科(Scarabaeidae)、マルハナノミ科(Helodidae)、マルトゲムシ科(Byrrhidae)、ヒラタドロムシ科(Psephenidae)、ナガハナノミ科(Ptilodactylidae)、ドロムシ科(Dryopidae)、ヒメドロムシ科(Elmidae)、クシヒゲムシ科(Rhipiceridae)、タマムシ科(Buprestidae)、コメツキムシ科(Elateridae)、コメツキダマシ科(Eucnemidae)、ホタルモドキ科(Drilidae)、ホタル科(Lapyridae)、ジョウカイボン科(Cantharidae)、ベニボタル科(Lycidae)、ヒメトゲムシ科(Nosodendridae)、カツオブシムシ科(Dermestidae)、シバンムシ科(Anobiidae)、ヒョウホンムシ科(Ptinidae)、ナガシンクイムシ科(Bostrychidae)、ヒラタキクイムシ科(Lyctidae)、コクヌスト科(Trogositidae)、カッコウムシ科(Cleridae)、ジョウカイモドキ科(Melyridae)、ツツシンクイムシ科(Lymexylidae)、ケシキスイ科(Nitidulidae)、ネスイムシ科(Rhizophagidae)、ヒラタムシ科(Cucujidae)、ホソヒラタムシ科(Silvanidae)、オオキスイ科(Helotidae)、キスイムシ科(Cryptophagidae)、キスイモドキ科(Byturidae)、コメツキモドキ科(Languriidae)、オオキノコムシ科(Erotylidae)、テントウムシ科(Coccinellidae)、テントウダマシ科(Endomychidae)、コキノコムシ科(Mycetophagidae)、ホソカタムシ科(Colydiidae)、ゴミムシダマシ科(Tenebrionidae)、ハムシダマシ科(Lagriidae)、クチキムシ科(Alleculidae)、コフゴミムシダマシ科(Zopheridae)、ツヤキカワムシ科(Boridae)、クチキムシダマシ科(Elacatidae)、キカワムシ科(Pythidae)、アカハネムシ科(Pyrochroidae)、キノコムシダマシ科(Tetratomidae)、ナガクチキムシ科(Melandryidae)、ハナノミ科(Mordellidae)、オオハナノミ科(Rhipiphoridae)、クビナガムシ科(Cephaloidae)、ツチハンミョウ科(Cephaloidae)、カミキリモドキ科(Oedemeridae)、イッカクチュウ科(Anthicidae)、カミキリムシ科(Cerambycidae)、マメゾウムシ科(Bruchidae)、ハムシ科(Chrysomelidae)、ヒゲナガゾウムシ科(Anthribidae)、オトシブミ科(Attelabidae)、ミツギリゾウムシ科(Brenthidae)、ホソクチゾウムシ科(Curculionidae)、キクイムシ科(Scolytidae)、ナガキクイムシ科(Platypodidae)等に分類される。
双翅目に属する昆虫としては、カ、ガガンボ、ハエ、アブ、ブユ、さらにはイエバエ、ショウジョウバエ、ミバエ、ミズアブ等が挙げられる。
双翅目は、さらに、ハエカ科(Anisopodidae)、ハルカ科(Cramptonomyiidae)、エゾカ科(Pachyneuridae)、クチキカ科(Axymyiidae)、モリカ科(Hyperoscelidae)、タケカ科(Mycetophilidae)、ホソタケカ科(Bolitophilidae)、ヒゲブトタケカ科(Ceroplatidae)、オオタケカ科(Sciophilidae)、ヒゲナガタケカ科(Macroceridae)、タマカ科(Cecidomyiidae)、クロカ科(Sciaridae)、フルカ科(Bibionidae)、ヒゲナガフルカ科(Hesperinidae)、ゴミカ科(Scatopsidae)、チョウカ科(Psycodidae)、ニセヒメカガンボ科(Tanyderidae)、コシボソカガンボ科(Ptychopteridae)、カガンボダマシ科(Tricocheridae)、シリブトカガンボ科(Cylindrotomatidae)、カガンボ科(Tipulidae)、ヒメカガンボ科(Limnobiidae)、カ科(Culicidae)、ホソカ科(Dixidae)、ケヨソイカ科(Chaoboridae)、ユスリカ科(Chironomidae)、ユスリハエカ科(Thaumaleidae)、ヌカカ科(Ceratopogonidae)、ブユ科(Simuliidae)、アミカ科(Blepharoceridae)、ミズアブ科(Stratiomyiidae)、クサアブ科(Coenomyiidae)、ナガレシギアブ科(Athericidae)、シギアブ科(Rhagionidae)、ツルギアブ科(Therevidae)、マドアブ科(Scenopinidae)、ムシヒキアブ科(Asilidae)、キアブ科(Xylophagidae)、キアブモドキ科(Solvidae)、アブ科(Tabanidae)、ツリアブ科(Bombyliidae)、コガシラアブ科(Acroceridae)、ツリアブモドキ科(Nemestrinidae)、オドリバエ科(Empididae)、アシナガバエ科(Dolichopodidae)、ヤリバエ科(Lonchopteridae)、ヒラタアシバエ科(Platypezidae)、ノミバエ科(Phoridae)、アタマバエ科(Pipunculidae)、アブバエ科(Syrphidae)、ナガズヤセバエ科(Neriidae)、マルズヤセバエ科(Micropezidae)、フトモモホソバエ科(Megamerinidae)、メバエ科(Conopidae)、デガシラバエ科(Pyrgotidae)、ハネオレバエ科(Psilidae)、ヤチバエ科(Sciomyzidae)、ハマベバエ科(Coelopidae)、ヒロクチバエ科(Platystomatidae)、ベッコウバエ科(Dromyzidae)、ツヤホソバエ科(Sepsidae)、ミバエ科(Tephritidae)、アブラコバエ科(Chamaemyiidae)、シマバエ科(Lauxaniidae)、クロツヤバエ科(Lonchaeidae)、チーズバエ科(Piophilidae)、ハモグリバエ科(Agromyzidae)、トゲハネバエ科(Heleomyzidae)、ヒゲブトコバエ科(Cryptochaetidae)、ショウジョウバエ科(Drosophilidae)、ミギワバエ科(Ephydridae)、ホソショウジョウバエ科(Diastatidae)、ヒメコバエ科(Opomyzidae)、キモグリバエ科(Chloropidae)、クチキバエ科(Clusiidae)、フンバエ科(Scatophagidae)、ハナバエ科(Anthomyiidae)、イエバエ科(Muscidae)、ヤドリバエ科(Tachinidae)、ヒラタヤドリバエ科(Phasiidae)、クロバエ科(Calliphoridae)、ニクバエ科(Sarcophagidae)、シラミバエ科(Hippoboscidae)、コウモリバエ科(Streblidae)、クモバエ科(Nycteribiidae)等に分類される。
ミバエ科(Tephritidae)に属する昆虫としては、具体的に、ミカンバエ(Tetradacus
tsuneonis)、ミカンコミバエ(Strumeta dorsalis)、ウリミバエ(Bactrocera cucurbitae/Zeugodacus
cucurbitae)、カボチャミバエ(Parazeugodacus depressus)、アザミオナガミバエ(Urophora sachalinensis)、ヤマトハラダラミバエ(Oedaspis
japonica)、オウトウハマダラミバエ(Rhacochlaena japonica)、チャイロワモンハマダラミバエ(Anomoia vulgaris)、タテキハマダラミバエ(Acrotaeniostola
scutellaris)、ミツマタハマダラミバエ(Paragastrozona japonica)、セアカハマダラミバエ(Hemilea infuscata)、ヒラヤマアメミケブカミバエ(Campiglossa
hirayamae)、キイロケブカミバエ(Xyphosia punctigera)、アザミケブカミバエ(Tephritis majuscula)、ノゲシケブカミバエ(Ensina
sonchi)、ネジロクロミバエ(Sphaeniscus atilia)、ナカグロギナタミバエ(Rhabdochaeta asteria)等が挙げられる。
イエバエ科(Muscidae)に属する昆虫としては、具体的に、イエバエ(Musca
domestica)、フタスジイエバエ(Musca sorbens)、サシバエ(Stomoxys calcitrans)等が挙げられる。
鱗翅目に属する昆虫としては、チョウと呼ばれる昆虫や、ガと呼ばれる昆虫が含まれる。鱗翅目は、さらに、コバネガ科(Micropterygidae)、 スイコバネ科(Eriocraniidae)、コウモリガ科(Hepialidae)、マガリガ科(Incurvariidae)、ヒゲナガガ科(Adelidae)、ムグリチビガ科(Stigmellidae)、ツヤコガ科(Heliozelidae)、ムモンムグリガ科(Tischeriidae)、ヒロズコガ科(Tineidae)、ミノガ科(Psychidae)、ツマオレガ科(Lyonetiidae)、クチブサガ科(Plutellidae)、スガ科(Hyponomeutidae)、キヌバコガ科(Seythiridae)、ササベリガ科(Epermeniidae)、クサムグリガ科(Elachistidae)、ホソガ科(Gracilariidae)、ツツミノガ科(Coleophoridae)、ハマキモドキガ科(Glyphipterygidae)、マイコガ科(Heliodinidae)、スカシバガ科(Aegeriidae)、トガリホソガ科(Cosmopterygidae)、キバガ科(Gelechiidae)、ヒロバキバガ科(Xyloryetidae)、ネマルハガ科(Blastobasidae)、マルハキバガ科(Oecophoridae)、ボクトウガ科(Cossidae)、シンクイガ科(Carposinidae)、ノコメハマキガ科(Eucosmidae)、ハマキガ科(Tortricidae)、ホソハマキガ科(Phaloniidae)、マドガ科(Thyrididae)、メイガ科(Pyralidae)、トリバガ科(Pterophoridae)、ニジュウシトリバガ科(Alucitidae)、マダラガ科(Zygaenidae)、セミヤドリガ科(Epipyropidae)、イラガ科(Heterogeneidae)、ツバメガ科(Uraniidae)、フタオガ科(Epiplemidae)、アゲハモドキガ科(Epicopeidae)、シャクガ科(Geometridae)、カギバガ科(Drepanidae)、トガリバガ科(Thyatiridae)、イカリモンガ科(Callidulidae)、カイコガ科(Bombycidae)、オビガ科(Eupterotidae)、カレハガ科(Lasiocampidae)、ドクガ科(Lymantriidae)、シャチホコガ科(Notodontidae)、ヤガ科(Noctuidae)、トラガ科(Agaristidae)、ヒトリガ科(Arctiidae)、ヒトリモドキガ科(Aganaidae)、コブガ科(Nolidae)、カノコガ科(Amatidae)、イボタガ科(Brahmaeidae)、ヤママユガ科(Saturniidae)、スズメガ科(Sphingidae)、セセリチョウ科(Hesperiidae)、ジャノメチョウ科(Satyridae)、タテハチョウ科(Nymphalidae)、マダラチョウ科(Danaidae)、テングチョウ科(Libytheidae)、シジミチョウ科(Lycaenidae)、シロチョウ科(Pieridae)、アゲハチョウ科(Papilionidae)等に分類される。
カイコガ科(Bombycidae)に属する昆虫としては、具体的に、カイコ(Bombyx
mori)、クワゴ(Bombyx mandarina)、オオクワゴモドキ(Oberthuria falcigera)、カギバモドキ(Pseudandraca
gracilis)、スカシサン(Prismosticta hyalinata)等が挙げられる。
ヤママユガ科(Saturniidae)は、さらに、ヨナグニサン属(Attacus)、シンジュサン属(Samia)、ヤママユ属(Antheraea)、クスサン属(Saturnia)、ウスタビガ属(Rhodinia)、ミズアオガ属(Actias)、クリキュラ属(Cricula)、Gonimbrasia属等に分類される。ヤママユガ科(Saturniidae)に属する昆虫としては、具体的に、オオミズアオ(Actias artemis aliena)、ヒマサン(Samia
Cynthia ricini)、シンジュサン(Samia Cynthia pryeri)、サクサン
(Antheraea pernyi)、ヤママユ(ヤママユガ、テンサンともいう。)(Antheraea yamamai)、ウスタビガ(Rhodinia
fugax fugax)、クロウスタビガ(Rhodinia jankowskii
hattoriae)、エゾヨツメ(Aglia tau microtau)、クスサン(Dictyoploca japonica japonica)、ヒメヤママユ (Caligula boisduvalii jonasii)、ヨナグニサン(Attacus atlas ryukyuensis)、モパネワーム(Gonimbrasia belina)、Cricula
trifenestrata等が挙げられる。
本発明における昆虫の種類は限定されず、免疫賦活作用を有する多糖類を含有する昆虫であれば本発明に利用することができる。また、本発明における昆虫は、少なくとも植物に食性を示す昆虫であることが好ましい。後述するように、本発明の組成物に含まれる多糖類は、構成糖として、少なくともラムノースを含有することが好ましい。ラムノースは植物に豊富に含まれているため、植物食性の昆虫や、雑食性又は糞食性で植物にも食性を示す昆虫であれば、ラムノースを容易に取り込むことができるためである。
昆虫は成虫と幼虫とで食性が変化することがあるため、幼虫又は蛹を本発明に利用する場合には、幼虫が少なくとも植物に食性を示す昆虫が好ましい。幼虫が植物食性の昆虫として、具体的には、ミバエ科(Tephritidae)、カイコガ科(Bombycidae)、ヤママユガ科(Saturniidae)、コガネムシ科(Scarabaeidae)に属する昆虫等が挙げられる。また、幼虫が糞食性であり、植物にも食性を示す昆虫として、イエバエ科(Muscidae)に属する昆虫等が挙げられる。
本発明における昆虫は、免疫賦活作用を有する多糖類が含有されていればよく、卵、幼虫、蛹、又は成虫の各変態段階で限定されない。免疫賦活作用を有する多糖類を含有する組成物を製造するためには、昆虫の幼虫又は蛹が適しているが、特に、蛹であることが好ましい。幼虫には、消化管内に未消化物が多く含まれており、それらの分離が必要な場合があるためである。
また、本発明の多糖類の分子量は限定されないが、好ましくは、約1.0×10〜約1.0×10であり、より好ましくは、約1.0×10〜約1.0×10であり、さらに好ましくは、約3.0×105〜約2.0×106である。
本発明の多糖類は、構成糖として、単糖及びその誘導体を含む。以下、本発明の多糖類に含まれ得る単糖及びその誘導体について詳細に説明する。
単糖は、中性糖とも呼ばれ、アルドースとケトースに分類され、含まれる炭素の数によって、三炭糖(トリオース)、四炭糖(テトロース)、五炭糖(ペントース)、六炭糖(ヘキソース)、七炭糖(ヘプトース)、八炭糖(オクツロース)等と呼ばれる。三炭糖の具体例として、グリセルアルデヒド、ジヒドロキシアセトン等が挙げられる。四炭糖の具体例として、エリトロース、トレオース、エリトルロース等が挙げられる。五炭糖の具体例として、リボース、リキソース、キシロース、アラビノース、アビオース、リブロース、キシルロース等が挙げられる。六炭糖の具体例として、アロース、タロース、グロース、グルコース、アルトロース、マンノース、ガラクトース、イドース、プシコース、フルクトース、ソルボース、タガトース等が挙げられる。七炭糖の具体例として、セドヘプツロース、コリオース等が挙げられる。
さらに、糖の誘導体としては、デオキシ糖、ウロン酸、アルドン酸、アルダル酸、アミノ糖等が挙げられる。デオキシ糖の具体例として、デオキシリボース、デオキシグルコース、キノボース、テベトース、ラムノース、ラムヌロース、フコース、ジギノース、ジギタロース、ジギトキソース、シマロース、アベクオース、アスカリロース、コリトース、パラトース、チベロース等が挙げられる。また、ウロン酸の具体例として、グルクロン酸、グルロン酸、マンヌロン酸、ガラクツロン酸、イズロン酸等が挙げられる。また、アルドン酸の具体例として、グロン酸、グルコン酸等が挙げられる。また、アルダル酸の具体例として、グルカル酸、ガラクタル酸、マンナル酸等が挙げられる。また、アミノ糖の具体例として、グルコサミン、ガラクトサミン、シアル酸、アミノウロン酸、ムラミン酸等が挙げられる。ウロン酸、アルドン酸、又はアルダル酸を多く含む多糖類は酸性を示し、酸性多糖類と呼ばれる。
また、上記の単糖及びその誘導体は光学異性体を持つ場合がある。かかる場合、単糖及びその誘導体はD型、L型どちらの光学異性体でも構わない。
本発明の多糖類は、構成糖として、単糖(中性糖)、アミノ糖、ウロン酸、アルドン酸、アルダル酸、デオキシ糖を含み得る。より具体的には、本発明の多糖類は、D-グルコース(D-Glc)、D-ガラクトース(D-Gal)、D-マンノース(D-Man)、D-リボース(D-Rib)N-アセチル-D-グルコサミン(D-GlcNAc)、N-アセチル-D-ガラクトサミン(D-GalNAc)、D-グルクロン酸(D-GlcA)、L-ラムノース(L-Rha)、L-フコース(L-Fuc)、D-マンヌロン酸(D-ManA)、及びL-グルロン酸(L-GulA)からなる群から含まれる1又は複数を含むことが好ましい。
さらに、本発明の多糖類は、構成糖として、少なくともラムノースを含有することが好ましい。ラムノースは、デオキシ糖の一種であり、マンノースの6位のヒドロキシ基が水素原子に置き換わった構造を有する。また、ラムノースは、天然にはL体であるL-ラムノース(L-Rha)が存在する。ラムノースは、植物や細菌でその合成経路が特定されているが、これまで昆虫を含めた動物ではラムノースの合成経路が発見されていなかった(非特許文献1、及び非特許文献2参照)。ラムノースは、本発明の多糖類に、構成糖として、約5モル%〜約50モル%、好ましくは約10モル%〜約25モル%の割合で含有されることが好ましい。
非特許文献1:MF Giraud, JH Naismith. “The rhamnose
pathway” Current opinion in structural biology (2000).
非特許文献2:M Maki, R Renkonen. “Biosynthesis of
6-deoxyhexose glycans in bacteria” Soc Glycobiology
(2004).
多糖類の構成糖の分析は、ガスマスクロマトグラフィ質量分析計を用いて行われる。ガスマスクロマトグラフィ質量分析計により得られたトータルイオンクロマトグラムのピーク面積と標準品とを比較して、構成糖の含有量及び含有率を算出することができる。具体的には、トリフルオロ酢酸(TFA)等により多糖類を加水分解し、誘導体化し、乾固させ、ガスクロマトグラフィ質量分析計(GC/MS)で分析することで、トータルイオンクロマトグラムを得ることができる。ここでの誘導体化は、ジエチルジチオアセタール化及びトリメチルシリル化を施す方法が公知となっている。本発明の多糖類は、ガスマスクロマトグラフィ質量分析計を用いて得られたトータルイオンクロマトグラムにおけるL-ラムノースに対応するピーク面積が、ピーク面積全体の約5%〜約50%を占めることが好ましく、約10%〜約25%を占めることがさらに好ましい。
また、本発明の多糖類は、耐熱性を有していることが好ましい。多糖類が耐熱性を有している場合には、多糖類が熱処理されても、その免疫賦活作用が保持される。熱処理の温度は限定されないが、例えば、80℃〜300℃であり、好ましくは90℃〜200℃であり、より好ましくは100℃〜150℃である。また、熱処理の時間は限定されないが、1分間〜2時間であり、好ましくは、5分間〜30分間である。本発明の多糖類は、少なくとも、100℃・30分間の熱処理で免疫賦活作用が失われないことが確認された。
また、本発明の多糖類は、高温高圧耐性を有していることが好ましい。多糖類が高温高圧耐性を有している場合には、多糖類が高温高圧処理されてもその免疫賦活作用は失われない。高温高圧処理とは、高温且つ高圧の処理をいう。高温高圧処理の圧力は限定されないが、例えば、0.1MPa〜1000MPaであり、好ましくは0.2Mpa〜100Mpaである。高温高圧処理の温度は限定されないが、例えば、80℃〜300℃であり、好ましくは90℃〜200℃であり、より好ましくは100℃〜150℃である。
高温高圧処理はエクストルーダによる処理が含まれる。エクストルーダは混練押出機とも呼ばれ、食品や飼料の加工に用いられる。本発明の多糖類は、エクストルーダによる処理でも免疫賦活作用を失わないものであることが好ましい。エクストルーダは、1軸型又は多軸型のスクリュを備える。具体的には、本発明の多糖類を含有する組成物やその他の原料がエクストルーダ内でスクリュによって混練され、高温高圧処理を施されながら、ダイから押し出される。
また、本発明は、昆虫由来で免疫賦活作用を有する多糖類を含有する組成物を提供する。本発明の組成物は、免疫賦活作用を有する多糖を含有する昆虫の卵、幼虫、蛹、又は成虫を原料として製造される。昆虫の変態段階は、免疫賦活作用を有する多糖を含有していれば限定されないが、昆虫の幼虫又は蛹が適している。特に、蛹であることが好ましい。幼虫では、消化管内に未消化物が多く含まれており、それらが組成物に混入する可能性があるためである。本発明の組成物は、昆虫の蛹を原料とし、熱処理、高温高圧処理、乾燥処理、粉砕処理等の処理を施して製造することができる。
本発明の組成物は、好ましくは、昆虫の卵、幼虫、蛹、及び成虫からなる群から選ばれた1又は複数を粉砕処理して得られた粉末又はペーストであり、粉末であることがより好ましい。本発明の組成物を粉末又はペーストとすることで、本発明の組成物を供与したヒト又は動物における多糖類の吸収が促進される。また、本発明の組成物を粉末とすることで、その保存が容易となる。
また、別の本発明の組成物は、昆虫から免疫賦活作用を有する多糖類を抽出する処理を施して製造される。本発明の多糖類は水に可溶であるため、多糖類の抽出には水が溶媒として用いられる。抽出の温度、圧力は限定されず、加熱抽出や、減圧抽出・加圧抽出でも構わない。すなわち、本発明の組成物は、昆虫の卵、幼虫、蛹、及び成虫からなる群から選ばれた1又は複数からの抽出物、好ましくは水抽出物である。該抽出物には免疫賦活作用を有する多糖類が含有される。
また、本発明の組成物に含まれる多糖類は、水に可溶であり、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトン、ヘキサン等の極性の低い溶媒には不溶である。したがって、本発明の組成物は、昆虫に含まれる夾雑物を極性の低い溶媒を用いて除去して得られたものであることが好ましい。すなわち、本発明の組成物は、昆虫の卵、幼虫、蛹、及び成虫からなる群から選ばれた1又は複数から調整された多糖類不溶性溶媒に対する不溶性固形物であり得る。
具体的には、昆虫の卵、幼虫、蛹、又は成虫、好ましくは昆虫の卵、幼虫、蛹、又は成虫の粉末を多糖類不溶性溶媒と混合し、遠心分離や吸引濾過等の手段によって多糖類不溶性溶媒を取り除くことによって不溶性固形物を得ることができる。多糖類不溶性溶媒とは、多糖類が不溶である溶媒をいい、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アセトン、ヘキサン、酢酸エチル、それらの混合溶媒等、極性が低い溶媒が挙げられる。本工程は1回でも構わないが、複数回繰り返すことで、組成物中の多糖類の含有率を高めることができる。
多糖類不溶性溶媒としては、アルコール、又はアルコール水溶液が好ましく用いられる。アルコール水溶液は、約50容量%以上、具体的には、約60容量%以上、約70容量%以上、約80容量%以上、約90容量%以上のものを用いることができる。すなわち、本発明の組成物は、昆虫の卵、幼虫、蛹、及び成虫からなる群から選ばれた1又は複数から調整されたアルコール不溶性固形物であり得る。
本発明の組成物は、免疫賦活組成物として用いることができる。すなわち、上述の多糖を有効成分とする免疫賦活剤として、医薬品や健康食品、機能食品、動物用医薬品、飼料、飼料添加剤、飼料原料として提供され、ヒトだけでなく、ブタ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ニワトリ等の畜産、イヌ、ネコ等の愛玩動物、マダイ、ブリ、カンパチ、ハタ、フグ、マグロ、ウナギ、エビ、カニ等の水産養殖に利用することができる。
さらに、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
1.双翅目に属する昆虫に由来する免疫賦活作用を有する物質の同定
1.1.ミバエ科(Tephritidae)に属する昆虫に由来する免疫賦活作用を有する物質の同定
双翅目に属する昆虫が含有し、免疫賦活能を有する免疫賦活作用を有する物質の同定を行った。昆虫には、ミバエ科(Tephritidae)に属するウリミバエ(Bactrocera
cucurbitae/Zeugodacus cucurbitae)の蛹を用いた。ウリミバエの蛹を粉砕してペースト状にし、遠心分離し、上清画分(A)を得た。さらに、ロータリエバポレータを用いて減圧濃縮を行い、4倍量のメタノールを添加して撹拌し、遠心してメタノール抽出画分(B)を得た。また、沈殿物として得られたアルコール(メタノール)不溶性固形物に対して水抽出を行い、水抽出画分(C)を得た。
マウスマクロファージ細胞株(RAW264細胞)の培養液に画分(A)、(B)及び(C )を添加し、産出される一酸化窒素量を測定した。活性化したマクロファージは、一酸化窒素を産出することが知られており、これを免疫賦活の指標として用いた。また、ポジティブコントロールとして、免疫賦活作用を有することが知られているリポ多糖(LPS)を用いた。図1に示すように、一酸化窒素の産出は、それぞれ10希釈、10希釈、10希釈した上清画分(A)、及び水抽出画分(C)で確認されたことから、免疫賦活作用を有する物質がこれらに含まれていることがわかった。
上清画分(A)をタンパク質分解酵素であるプロテイナーゼKで処理しても、その免疫賦活作用が保持されるかどうかを調べた。図2に示すように、37℃、及び55℃の処理でタンパク質がプロテイナーゼK処理によりで分解されたことがSDS-PAGEで確認された。一方、マクロファージの一酸化窒素の産出量は変化しなかったため、免疫賦活作用を有する物質はタンパク質ではなく、多糖類であることがわかった。
さらに、水抽出画分(C)を、DE52弱陰イオン交換カラム(ワットマン社製)を用いて、順に0 M、0.2 M、0.5 M、及び1 Mの塩化ナトリウム水溶液で溶出を行った。各溶出画分に含まれる全糖量はフェノール硫酸法によって測定した。また、溶出画分を希釈し、マウスマクロファージ細胞株による一酸化窒素の産出を指標として、各溶出画分の免疫賦活作用を調べた。図3に示すように、0.2 Mの塩化ナトリウム水溶液溶出画分に強い免疫賦活作用を示した。陰イオン交換カラムに吸着し、0.2 M 塩化ナトリウム水溶液で溶出したため、免疫賦活作用を有する物質は酸性であることがわかった。
さらに、0.2 Mの塩化ナトリウム水溶液溶出画分を、ゲルろ過クロマトグラフィを用いて精製した。カラムにはSuperose 6 10/300 GL(分画範囲5×103―5×106)(GEヘルスケアバイオサイエンス社製)を用いた。各溶出画分に含まれる全糖量はフェノール硫酸法によって測定した。また、溶出画分を希釈し、マウスマクロファージ細胞株による一酸化窒素の産出を指標として、各溶出画分の免疫賦活作用を調べた。図4に示すように、分子量の大きい画分が強い免疫賦活作用を示した。
ゲル濾過クロマトグラフィで免疫賦活作用が認められた溶出画分を高速液体クロマトグラフィにかけ、分子量を測定した。カラムには分画範囲が5億から1万のShowdex(登録商標) SB-807 HQ(昭和電工株式会社製)を用いた。図5に示すように、免疫賦活作用を有する物質は、分子量約100万(約1.0×106)の多糖類であることがわかった。1.0 kgのウリミバエの蛹から、22.7 mgの免疫賦活能を有する多糖類が精製された。
さらに、精製された多糖類を2 Mのトリフルオロ酢酸(TFA)100℃、16時間の条件で加水分解し、加水分解で得られた単糖及びその誘導体をジエチルジチオアセタール化及びトリメチルシリル化し、さらに窒素を吹き付けて乾固して水に溶解させ、ヘキサンで抽出した。HP-5カラム(アジレントテクノロジー株式会社製)を用いてガスクロマトグラフィ質量分析計(GC/MS)を用いて上記の多糖の構成糖を分析したところ、図6に示されるパターンのトータルイオンクロマトグラム(TIC)が得られた。トータルイオンクロマトグラムのピークに対応する単糖及びその誘導体の面積比を算出し、さらに標準品を用いて単糖及びその誘導体の重量比と構成比(モル%)を算出した。
標準品には、D-アラビノース(D-Ara)、D-キシロース(D-Xyl)、L-ラムノース(L-Rha)、L-フコース(L-Fuc)、D-リボース(D-Rib)、D-グルコース(D-Glu)、D-ガラクトース(D-Gal)、D-マンノース(D-Man)、D-フルクトース(D-Fru)、D-グルクロン酸(D-GlcA)、D-ガラクツロン酸(D-GalUA)、N-アセチル-D-グルコサミン(D-GlcNAc)、N-アセチル-D-ガラクトサミン(D-GalNAc)、及びN-アセチルノイラミン酸(NANA)を用いた。したがって、表1中の不明(1)〜不明(3)は、上述の標準品のいずれとも異なる。また、多糖類の構成糖の重量比及び構成比は、標準品と一致した単糖及びその誘導体に対する比で表されている。
以上の結果から、ウリミバエ由来の多糖類は、水に可溶であり、約80容量%のメタノール水溶液に不溶であり、酸性多糖類であり、さらに平均分子量が約100万(約1.0×103 kDa)であり、少なくとも、構成糖として、N-アセチル-D-グルコサミン(D-GlcNAc)、N-アセチル-D-ガラクトサミン(D-GalNAc)、D-グルクロン酸(D-GlcA)、L-ラムノース(L-Rha)、L-フコース(L-Fuc)、D-グルコース(D-Glc)、D-ガラクトース(D-Gal)、D-マンノース(D-Man)及び、D-リボース(D-Rib)からなる群から含まれる1又は複数を含むことが明らかとなった。また、L-ラムノースは、トータルイオンクロマトグラムのピーク面積比で約22.8%含まれていることが明らかとなった。
1.2.イエバエ科(Muscidae)に属する昆虫に由来する免疫賦活作用を有する物質の同定
双翅目に属する昆虫が含有し、免疫賦活能を有する多糖の同定を行った。昆虫には、イエバエ科(Muscidae)に属するイエバエ(Musca domestica)の蛹を用いた。1.1.と同様の方法により水抽出画分を調整した。
水抽出画分を、ゲルろ過クロマトグラフィを用いて精製した。カラムにはHiprep 26/60 Sephacryl S500(分画範囲4×104 ―2×107)(GEヘルスケアバイオサイエンス社製)を用いた。各溶出画分に含まれる全糖量はフェノール硫酸法によって測定した。また、溶出画分を希釈し、マウスマクロファージ細胞株による一酸化窒素の産出を指標として、各溶出画分の免疫賦活作用を調べた。図7に示すように、免疫賦活作用を示す画分が得られた。イエバエには免疫賦活作用を示す多糖類が複数含まれていることがわかった。ゲル濾過クロマトグラフィの結果から、イエバエに含まれている多糖類の分子量は、約180万(1.8×106)(溶出画分13〜溶出画分17)、及び約30万(3.0×105)(溶出画分23〜溶出画分27)であると予測された。
以上の結果から、双翅目に属する昆虫には、免疫賦活作用を有する多糖類が含まれていることが明らかとなった。
2.鱗翅目に属する昆虫に由来する免疫賦活作用を有する物質の同定
2.1.ヤママユガ科に属する昆虫に由来する免疫賦活作用を有する物質の同定
鱗翅目に属する昆虫が含有し、免疫賦活能を有する多糖の同定を行った。昆虫には、ヤママユガ科(Saturniidae)に属するヤママユ(Antheraea
yamamai)の蛹を用いた。1.1.と同様の方法により水抽出画分を調整した。
水抽出画分を、DEAE陰イオン交換カラム(Hiprep DEAE FF 16/10、GEヘルスケアバイオサイエンス社製)にかけ、0 M〜0.6 Mの塩化ナトリウムの濃度勾配により溶出させた。各溶出画分に含まれる全糖量をフェノール硫酸法によって測定した。また、溶出画分を希釈し、マウスマクロファージ細胞株による一酸化窒素の産出を指標として、各溶出画分の免疫賦活作用を調べた。全糖量と塩化ナトリウム濃度を示したグラフを図8、全糖量と免疫賦活作用を示したグラフを図9に示す。強い免疫賦活作用を有する溶出画分が確認された。陰イオン交換カラムに吸着し、0 M 〜0.6 Mの 塩化ナトリウム水溶液で溶出したため、免疫賦活作用を有する物質は酸性であることがわかった。
さらに、免疫賦活作用を有する溶出画分を、ゲルろ過クロマトグラフィを用いて精製した。カラムにはHiprep 26/60 Sephacryl S500(分画範囲4×104 ―2×107)(GEヘルスケアバイオサイエンス社製)を用いた。各溶出画分に含まれる全糖量はフェノール硫酸法によって測定した。また、溶出画分を希釈し、マウスマクロファージ細胞株による一酸化窒素の産出を指標として、各溶出画分の免疫賦活作用を調べた。図10に示すように、分子量が大きな画分が免疫賦活作用を示した。
さらに、ゲル濾過クロマトグラフィで免疫賦活作用が認められた画分を高速液体クロマトグラフィにかけ、分子量を測定した。カラムには分画範囲が5億から1万のShowdex(登録商標) SB-807 HQ(昭和電工株式会社製)を用いた。図11に示すように、免疫賦活作用を有する物質は、平均分子量約31万(約3.1×105)の多糖類であることがわかった。
さらに、1.1.と同様の方法でガスクロマトグラフィ質量分析計を用いて該多糖類の構成糖を分析したところ、図12に示されるパターンのトータルイオンクロマトグラム(TIC)が得られた。トータルイオンクロマトグラムのピークに対応する単糖とその面積比を算出した。
標準品には、D-アラビノース(D-Ara)、D-キシロース(D-Xyl)、L-ラムノース(L-Rha)、L-フコース(L-Fuc)、D-リボース(D-Rib)、D-グルコース(D-Glu)、D-ガラクトース(D-Gal)、D-マンノース(D-Man)、D-フルクトース(D-Fru)、D-グルクロン酸(D-GlcA)、D-ガラクツロン酸(D-GalUA)、N-アセチル-D-グルコサミン(D-GlcNAc)、N-アセチル-D-ガラクトサミン(D-GalNAc)、及びN-アセチルノイラミン酸(NANA)を用いた。したがって、表2中の不明(1)〜不明(6)は、上述の標準品のいずれとも異なる。
以上の結果から、ヤママユ由来の多糖類は、水に可溶であり、約80容量%のメタノール水溶液に不溶であり、酸性多糖であり、さらに平均分子量が約31万(約3.10×105 )であり、少なくとも、構成糖として、D-マンヌロン酸(D-ManA)、L-グルクロン酸(L-GulA)、L-ラムノース(L-Rha)、L-フコース(L-Fuc)、D-ガラクトース(D-Gal)、D-グルコース(D-Glu)、及びD-マンノースからなる群から含まれる1又は複数を含むことが明らかとなった。また、L-ラムノースは、トータルイオンクロマトグラムのピーク面積比で約12.9%含まれていることが明らかとなった。
2.2.カイコガ科に属する昆虫に由来する免疫賦活作用を有する物質の同定
鱗翅目に属する昆虫が含有し、免疫賦活能を有する多糖の同定を行った。昆虫には、カイコガ科(Bombycinae)に属するカイコガ(Bombyx
mori)の蛹を用いた。1.と同様の方法により水抽出画分を調整した。
水抽出画分を、DEAE陰イオン交換カラム(Hiprep DEAE FF 16/10、GEヘルスケアバイオサイエンス社製)にかけ、0 M〜1.0 Mの塩化ナトリウムの濃度勾配により溶出させた。各溶出画分に含まれる全糖量をフェノール硫酸法によって測定した。また、溶出画分を希釈し、マウスマクロファージ細胞株による一酸化窒素の産出を指標として、各溶出画分の免疫賦活作用を調べた。全糖量と塩化ナトリウム濃度を示したグラフを図13、全糖量と免疫賦活作用を示したグラフを図14に示す。強い免疫賦活作用を有する溶出画分が確認された。陰イオン交換カラムに吸着し、0 M 〜1.0 Mの 塩化ナトリウム水溶液で溶出したため、免疫賦活作用を有する物質は酸性であることがわかった。
さらに、免疫賦活作用を有する溶出画分を、ゲルろ過クロマトグラフィを用いて精製した。ゲルろ過クロマトグラフィを用いて精製した。カラムにはHiprep 26/60 Sephacryl S500(分画範囲4×104 ―2×107)(GEヘルスケアバイオサイエンス社製)を用いた。各溶出画分に含まれる全糖量はフェノール硫酸法によって測定した。また、溶出画分を希釈し、マウスマクロファージ細胞株による一酸化窒素の産出を指標として、各溶出画分の免疫賦活作用を調べた。図15に示すように、分子量の大きい画分が免疫賦活作用を示した。
また、このゲルろ過クロマトグラフィで免疫賦活作用を有していた画分は、2.1.でのゲルろ過クロマトグラフィで免疫賦活作用を有していた画分と同一であると予測される。したがって、カイコガにも免疫賦活作用を有する多糖類が含まれており、該多糖類の分子量は約31万(約3.10×105)であることが明らかとなった。
以上の結果から、鱗翅目に属する昆虫にも、免疫賦活作用を有する多糖類が含まれていることが明らかとなった。
3.鞘翅目に属する昆虫が有する免疫賦活作用の検証
他の分類に属する昆虫にも本発明の免疫賦活作用を有する多糖類が含まれているかを検証するため、鞘翅目に属する昆虫を用いて免疫賦活作用を調べた。鞘翅目(甲虫目)(Coleoptera)多食亜目(Polyphaga)コガネムシ上科(Scarabaeoidea)コガネムシ科(Scarabaeidae)に属するカブトムシ(Trypoxylus dichotomus)の蛹を用いた。1.と同様の方法により上清画分を調整し、希釈した上清画分における免疫賦活作用をマウスマクロファージ細胞株による一酸化窒素の産出を指標として調べたところ、図16に示すように免疫賦活作用が確認された。したがって、鞘翅目に属する昆虫にも、双翅目に属する昆虫や鱗翅目に属する昆虫と同様に、免疫賦活作用を有する多糖類が含まれていると考えられた。
4.免疫賦活作用の検証
本発明の多糖類が有する免疫賦活作用を、免疫賦活作用を有することが知られているリポ多糖と比較した。上述の方法でウリミバエから本発明の多糖類を精製し、マウスマクロファージ細胞株の一酸化窒素の産出量をリポ多糖と比較した。結果を図17に示す。100 pg/mLのリポ多糖では、ほとんどマクロファージの一酸化窒素の産出がみられなかった一方で、ウリミバエから精製された多糖は100pg/mLでも一酸化窒素の産出を誘導した。したがって、本発明の多糖類には非常に強い免疫賦活作用が認められた。
5.本発明の組成物の耐熱性の検証
本発明の多糖類の耐熱性を検証した。ウリミバエ蛹から得られた上清画分を100℃で0分〜30分熱処理し、マウスマクロファージ細胞株による一酸化窒素の産出量を測定した。図18に示すように、100℃で30分熱処理しても本発明の多糖類の免疫賦活作用が失われなかったことから、高い耐熱性を有することがわかった。
6.昆虫の変態段階における免疫賦活作用の変化
本発明の多糖類の免疫賦活作用が、昆虫の変態段階によってどのように変化するかを調べた。ウリミバエの3日目・4日目・5日目・6日目の幼虫、蛹化1日目・2日目・3日目・4日目の蛹をそれぞれ粉砕してペースト状にし、遠心分離により得られた上清画分を得て、マウスマクロファージ細胞株に、10倍希釈、100倍希釈、又は1,000倍希釈になるように添加し、一酸化窒素の産出量を測定した。図19に示すように、特に初期の幼虫と後期の蛹で高い免疫賦活作用が認められたが、幼虫〜蛹の全ての時期で免疫賦活作用が認められたことから、昆虫は、これらの時期で免疫賦活作用を有する多糖類を含有していると考えられた。
7.本発明の多糖類による免疫賦活の作用機序の解析
本発明の多糖類の有する免疫賦活作用が、動物のマクロファージのどの受容体を介して起こるかを調べた。Toll-like Receptor 2に対する抗体(anti-mTLR2)、又はToll-like Receptor 4に対する抗体(anti-mTLR4)でマクロファージを処理し、ウリミバエ由来多糖、又はLPSを1ng/mLになるように添加し、一酸化窒素の産出量を測定した。結果を図20に示す。Toll-like Receptor 4に対する抗体で処理したマクロファージで一酸化窒素の産出量が有意に低下したため、本発明の多糖類による免疫賦活作用は、少なくともToll-like Receptor 4を介していることが示された。
8.本発明の多糖類を含む飼料によるマダイ飼育試験
本発明の多糖類を含む飼料によりマダイの耐病性が向上するかどうかを調べた。マダイは尾叉長約10cm、魚体重約25gの個体を、各12尾ずつ水槽に収容した。ウリミバエ由来多糖の濃度がそれぞれ0.001 μg/g、0.01μg/g、0.1μg/g、1μg/gとなるように飼料を作製し、マダイに供与した。4週間飼育した後に、マダイの腹腔内にエドワジエラ症を引き起こすグラム陰性菌であるEdwardsiella
tardaを5.0×105
cellを接種して強制感染させ、生存数を計測した。結果を図21に示す。ウリミバエ由来多糖を含んだ飼料は、対照群に比べていずれも生存率が高かった。したがって、ウリミバエ由来多糖の有する免疫賦活作用により、マダイがEdwardsiella tardaに対する耐病性を獲得したと考えられた。

Claims (14)

  1. 昆虫由来で免疫賦活作用を有する多糖類
  2. 構成糖として少なくともラムノースを含有する、請求項1に記載の多糖類
  3. 前記昆虫が、双翅目、鱗翅目、鞘翅目、膜翅目、半翅目、直翅目、及び蜻蛉目からなる群から選択される1又は複数に属する、請求項1又は請求項2に記載の多糖類
  4. 前記昆虫が、双翅目、鱗翅目、及び鞘翅目からなる群から選択される1又は複数に属する、請求項1又は請求項2に記載の多糖類
  5. 前記昆虫が、少なくとも植物に食性を示す、請求項1〜請求項4いずれか一項に記載の多糖類
  6. 耐熱性を有する、請求項1〜請求項5いずれか一項に記載の多糖類
  7. 高温高圧耐性を有する、請求項1〜請求項6いずれか一項に記載の多糖類
  8. 平均分子量が約1.0×10〜約1.0×10である、請求項1〜請求項7いずれか一項に記載の多糖類
  9. 前記免疫賦活作用がToll-like Receptor 4を介したものである、請求項1〜請求項8いずれか一項に記載の多糖類
  10. 請求項1〜請求項9いずれか一項に記載の多糖類を含有する組成物
  11. 前記組成物が、昆虫の卵、幼虫、蛹、及び、成虫からなる群から選択される1又は複数の粉末である、請求項10に記載の組成物
  12. 前記組成物が、昆虫の卵、幼虫、蛹、及び、成虫からなる群から選択される1又は複数からの抽出物である、請求項10に記載の組成物
  13. 前記組成物が、昆虫の卵、幼虫、蛹、及び、成虫からなる群から選択される1又は複数から得られたアルコール不溶性固形分である、請求項10に記載の組成物
  14. 前記多糖類を有効成分とし、請求項10〜請求項13いずれか一項に記載の組成物を含有する免疫賦活剤
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