JPWO2014016915A1 - 消火剤および消火器 - Google Patents

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Abstract

本発明は、油火災、普通火災、電気火災等の種々の火災に対応することができ、かつ迅速な消火が可能な消火剤およびそれを使用した消火器の実現を課題とする。本発明にかかる消火剤11(12)は、少なくとも、消火薬液21(22)および消火薬液21(22)に混合された、繊維体、多孔体および粉状体の少なくとも1つの態様をなす不溶性混合材CBを有しており、不溶性混合材CBに消火薬液21(22)が付着等する。そして本発明にかかる消火器40(43、45)は、消火剤消火剤11(12)を容器に収容している。

Description

本発明は、種々の火災を迅速に消火することができる消火剤、およびその消火剤を使用した消火器に関するものである。
消火剤は、一般にその冷却作用(燃焼物を冷却する作用)、抑制作用(燃焼化学反応を抑制する作用)および窒息作用(酸素を欠乏させる作用)の何れか一つまたは複数の作用によって消火を行う。消火剤に注目し消火器を分類すると、水消火器、強化液消火器、泡消火器、二酸化炭素消火器、ハロゲン化物消火器、粉末消火器等に分類することができる。
こうした消火剤および消火器は、それぞれが種々の火災の態様(石油等の火災、普通火災、電気火災等)に対応している。たとえば消火剤では、たん白泡の脆弱性を泡自体の強度を高めること、水成膜性が不足する消火剤機能をフッ素系界面活性剤や高分子剤の添加で補うこと等がされており(特許文献1〜4)、また消火器では、火炎に向けて投てきしたときに破壊しやすい容器等が開発された(特許文献5)。
また石油等のタンクの火災を消火するために、水ガラス乾燥物を収容した浮体を予めタンク内に収容しておき、炎の熱で浮体が崩壊すると、水ガラス乾燥物が漏出して火災を消火する技術も開発された。この技術では、漏出した水ガラスが、炎の熱で発泡し石油面に浮遊し、石油面に供給される空気を減少させて、石油等の火災を消火する(特許文献6)。
特開平09−173498号公報 特開2000−126327号公報 特開2001−079108号公報 特開2007−252731号公報 特許3081531号公報 特開2008−206849号公報
ところが建築物等の火災では、噴射等された消火薬液は(あるいは火中に投じられた容器から流出した消火薬液は)、燃焼物の表面を覆ってそこに残留するものと、燃焼物から流下するものとに分かれ、流下した消火薬液は、その消火寄与度が低下する。
石油等の火災では、消火薬液が迅速に液面に拡散して液面を覆うことが望まれるが、液中に沈下する消火薬液も存在する。発泡性の消火薬液は、液面に浮遊する点で優れるが液面に迅速に拡散するとはいい難い。これらの従来技術は、火災の各態様に着眼して消火剤の拡散性やチクソトロピー性を高めたもといえるが、消火の迅速性に改善の余地があることが否めない。
一方、水ガラス乾燥物等を収容した浮体を、油タンク内に収容しておき、火災が起きた場合には、炎の熱で浮体が崩壊し水ガラス乾燥物が漏出することで火災を消火する技術では、熱によって浮体が崩壊して水ガラス乾燥物が漏出した後に、水ガラス乾燥物が発泡するのだから、液面を迅速に覆うためには、改善の余地がある。また発泡体の気孔に滲み込んだ石油等が、高温環境において液面近傍の空気(酸素)と接し得ることも否めない。
さらに立体的に膨張する水ガラス乾燥物の発泡体によって、液面(平面)を覆い尽くすためには、多量の水ガラス乾燥物が必要となり、多量の浮体を液面に浮遊させておかなければならない。そもそもこの消火技術は、石油等のタンクの火災に特化したもので、他の態様の火災に対応した消火技術とはいえない。
そこで本発明は、油火災、普通火災、電気火災等の種々の火災に対応することができ、かつ迅速な消火が可能な消火剤およびそれを使用した消火器の実現を課題とした。
上記課題を解決するため本発明にかかる消火剤は、少なくとも、消火薬液、および前記消火薬液に混合された繊維体、多孔体および粉状体の少なくとも1つの態様をなす不溶性混合材を有している。前記不溶性混合材を前記消火薬液に混合すると、前記消火薬液が前記不溶性混合材に滲み込み、また付着する。
ここで前記不燃性混合材の比重が、石油(比重約0.8)、およびガソリン(比重約0.7)などよりも大きい場合であっても、前記不燃性混合材は、形状が繊維体、多孔体および粉状体の少なくとも1つの態様をなしているので、ガソリンなどに投入されても、液体の粘性によって沈下が妨げられて、液面近くに長くとどまることになる。したがって前記不燃性混合材は、微細なほど沈み難くなる。
したがって、石油等の火災において、当該消火剤を火中に投入した場合には、前記不溶性混合材は、比較的長い時間にわたって前記石油等の液面近傍に浮遊するから、また熱エネルギーによって迅速に運動するから、比較的少ない量であっても前記液面の広い範囲に拡散する。こうして拡散した前記不溶性混合材に付着等している前記消火薬液が、火災を迅速に鎮火する(請求項1)。もちろん前記不燃性混合材は、その嵩比重がガソリンの比重よりも小さければ、ガソリン中に投入されても極めて沈下し難い。
前記不溶性混合材は、たとえばセラミックビーズ、セラミックフィラー、活性炭、パーライト、木質繊維、パルプ、不織布のうち少なくとも1つを含む(請求項2)。ここでセラミックビーズは、嵩比重が小さく沈み難く、耐熱性に優れ、球状のため拡散性が良い。セラミックフィラーは、沈み難く耐熱性に優れる。活性炭およびパーライトは、嵩比重が小さく沈み難く、耐熱性に優れる。木質繊維、パルプおよび不織布は、嵩比重が小さく沈み難くいので、液面で高熱にさらされると、前記消火薬液が瞬時に化学反応をおこし、火災が迅速に鎮火される。
このように、前記不溶性混合材は、前記消火薬液を吸収、またはその表面に付着することができるものであればよく、そして火中に投入されたとき、少なくとも前記消火薬液が化学反応(窒息性ガスを発生等)をしている間、燃焼しない程度の難燃性を備えていればよい。
前記消火薬液は、熱分解すると炭酸ガスまたはアンモニアガスを発生する、たとえば無機塩類水溶液、または前記無機塩類水溶液と泡消火薬液の混合薬液である(請求項3)。
前記不溶性混合材は、前記消火薬液が無機塩類水溶液のみの場合には、前記消火薬液100ミリリットルに対し2.5グラム以上混合されたものであることが好ましく、前記消火薬液が前記無機塩類水溶液と泡消火薬液の混合薬液である場合には、前記消火薬液100ミリリットルに対し1.25グラム以上混合されたものであることが好ましい(請求項4)。
当該消火剤を構造物等の火災の火中に投入した場合には、前記不溶性混合材は、微細で比重が小さいから、前記構造物等の表面から落下し難く、その多くが前記構造物等の表面に留まり、その結果、前記消火薬液の流下も少なくなる。加えて前記不溶性混合材は、火災の熱エネルギーによって前記消火薬液中を迅速に運動しつつ、前記構造物等の表面の広い範囲に迅速に拡散する。こうして拡散した前記消火薬液は、火災の熱エネルギーによって迅速に化学反応し、殆ど瞬時に窒息性ガス(炭酸ガス、アンモニアガス)等を発生するから、迅速な消火が実現される。
こうして当該消火剤によれば、油火災はもとより、構造物等の火災(普通火災および電気火災)においても迅速な消火が可能となる。また前記消火薬液は、流下が少ないことから、そして前記不溶性混合材は迅速に拡散することから、少ない量で消火が可能となる。したがって当該消火剤を使用した消火器は、小型化および軽量化が可能となる。
前記消火剤を容器に収容し消火器とし、火中に投ずる等して前記容器を破壊し、または溶融させ、前記消火剤を拡散されることで、迅速な消火を実現することができる(請求項5)。前記容器を手で把持可能な形状とし、これを火中に投じて破壊し、または溶融させ、前記消火剤を前記液面または前記構造物等の表面に拡散させることで、迅速な消火が可能となる(請求項6)。
前記容器を、建築物の構造体、内装材または外装材の、少なくとも一部に配設しておけば、前記容器が前記建築物の火災によって破壊または溶融して(火災検知器の信号に基づき破壊等されることを含む)、または前記火災が発生したときに前記容器を人為的に破壊して、前記消火薬液を拡散させることで迅速な消火が可能となる(請求項7)。
また前記容器を構造物の周囲に配設しておけば、前記構造物に火災が生じたときには、前記容器が破壊または溶融し、または前記容器を人為的に破壊することで、前記消火薬液を拡散させて、前記火災を鎮火することができる(請求項8)。
たとえば海岸近くに設置された石油タンクの周囲(一部が海面となる場合もある)を取り囲むように、前記容器を配置しておき(海面おいては、前記容器を浮遊させておき)、災害や事故等で前記石油タンクから流出した石油に引火等した場合には、前記容器が火災によって破壊または溶融して(火災検知器の信号に基づき破壊等されることを含む)、または前記容器を人為的に破壊して、前記消火薬液を前記石油タンクの周囲に拡散させることで迅速な消火が可能となる。もちろん海上の石油備蓄タンク(石油等を搭載したタンカーを含む)を、取り囲むように前記容器を浮遊させておくこともでき、また倉庫などの建築物を取り囲むように前記容器を配設しておくこともできる。
上述したとおり、本発明にかかる消火剤、およびこの消火剤を使用した消火器によれば、油火災、普通火災、電気火災等の種々の火災を迅速に消火することができる。また本発明によれば、消火に必要な消火剤を少なくすること(すなわち消火器を小型化すること)ができる。
消火実験に使用したドラム缶の断面概略構造を示す図である。 本発明にかかる消火器の一実施例における概略構成例を説明するための図である。 本発明にかかる消火器の他の実施例(建築物の構造体に配設した消火器の例)の概略構成例を説明するための図である。 本発明にかかる他の消火器の他の実施例(海面上に配設した消火器の例)の概略構成例を説明するための図である。
以下、図面等を参照して、本発明にかかる消火剤および消火器について説明する。
発明者は、本発明にかかる消火剤における不溶性混合材の効果を確認するため、本発明にかかる消火剤の消火実験、および不溶性混合材を混合しない比較消火剤の消火実験を行った。
<消火剤>
実験は、消火剤11および消火剤12について行った。消火剤11は、無水炭酸ナトリウム(5重量%)、リン酸水素2アンモニウム(7重量%)、硫酸アンモニウム(3重量%)、および重炭酸アンモニウム(3重量%)の無機塩類水溶液である混合薬液21に、不溶性混合材として、太平洋セメント社製の中空セラミックビーズ「イースフィアーズ」(登録商標、粒径範囲20〜300ミクロン、以下セラミックビーズCB)を混合したものである。そして消火剤12は、混合薬液21にフッ素系泡消火剤(深田工業株式会社製の「フカダフロロウォーターF」(商品名))を3%(体積%)混合して混合薬液22とし、さらに不溶性混合材としてセラミックビーズCBを混合したものである。
たとえば600ミリリットルの混合薬液21にセラミックビーズCBを15g混合し撹拌し放置すると、セラミックビーズCBの沈降は殆ど認められず(目視)、混合したセラミックビーズCBの占める容積は全容積の8分の1程度で、液面近傍に浮遊していた(目視)。混合薬液22の場合も同様であった。
<比較消火剤>
比較消火剤1は混合薬液21のみからなり、比較消火剤2は混合薬液22のみからなる(比較消火剤1および2にはセラミックビーズCBが混合されていない。)。
<消火実験>
図1は、消火実験に使用したドラム缶30の長さ方向の断面概略構造を示す図である。ドラム缶30は直径が約60cmであり、胴板31と地板32を有し、地板32と相対する天板は取り外されている。地板32から約25cmのところに消火剤投入口33が設けられており、消火剤投入口33には、ドラム缶30の外部から消火剤導入管34が接続されている。したがって、消火剤導入管34に注入された消火剤は、消火剤投入口33からドラム缶30の内部空間30sへと流下する(地板32の略中心方向に向け流下する。)。しかし、消火剤を地板32の中心方向に向け投入すると、それだけで消火剤が直接ガソリン4の液面に拡がってしまい、ガソリン4の液面における消火剤の拡散性を評価することができない。
そこで、消火剤投入口33の直下で、かつ地板32から約20cmのところの胴板内周面31aには、略長方形状の止水板35が斜め上方に向けて取り付けられている。したがって、消火剤投入口33からドラム缶30の内部空間30sへと流下した消火剤は、その流下方向が止水板35によって変更され、胴板内周面31aを左周りおよび右回りの2方向に分かれて流下する。このように消火剤を流下させることによって、ガソリン4の液面における消火剤の拡散性を評価することができる。
消火実験は、ドラム缶30に10リットルの水3を投入した後、1リットルのガソリン4を加えた状態でガソリン4に着火し、着火後30秒が経過した後に、ドラム缶30の消火剤投入口33から消火剤を一気に投入することで行った。
こうした消火実験は、比較消火剤1および比較消火剤2について行うとともに、消火剤11および消火剤12については、セラミックビーズCBの混合量を変えて行った。
各消火剤における消火実験は3度行われ、3度とも消火することができた消火剤については「消火できる(可)」と評価し、1度でも消化することができなかった消火剤については「消火できない(否)」と評価した。
表1は、混合薬液21のみからなる比較消火剤1の消火実験結果と、混合薬液21にセラミックビーズCBを混合した消火剤11の消火実験結果をまとめたものである。表2は、混合薬液22のみからなる比較消火剤2の消火実験結果と、混合薬液22にセラミックビーズCBを混合した消火剤12の消火実験結果をまとめたものである。
<セラミックビーズの混合量>
表1および2には、セラミックビーズCBの重さw(単位グラム)を混合薬液量q(容積で単位はミリリットル)で除した値(w/q)を示してある(混合薬液qmlに対し混合されたセラミックビーズCBの重さである。)。したがってw/qに100を乗じた値が、混合薬液100ミリリットルに対し、混合されたセラミックビーズCBの重さ(単位グラム)となる。
また各比較消火剤および各消火剤は、表1および2に、w/qとともにサンプル番号を付し、消火可否の欄には、消火できたサンプルについては「可」と表記し、消火できなかったサンプルについては空欄とした。
先ず、混合薬液21をベースとする点において共通する比較消火剤1と消火剤11とを比較すると、比較消火剤1は、これを1000ml使用しても消火することができなかった(サンプル番号A04)。セラミックビーズCBを2.5g/100mlで混合した消火剤11では、800mlで消火することができたが(サンプル番号A14)、600mlでは消火することができなかった(サンプル番号A10)。
以上のことから、消火剤11はセラミックビーズCBを2.5g/100ml以上混合することで消火効果が向上するといえる。ただし消火のためには、消火剤11の量として800mlを必要としたと考えることができる。
Figure 2014016915
次に、混合薬液22をベースとする点において共通する比較消火剤2と消火剤12とを比較すると、比較消火剤2は、これを800ml使用しても消火することができなかった(サンプル番号B03)。セラミックビーズCBを1.25g/100mlで混合した消火剤12は、800mlで消火することができた(サンプル番号B10)。一方、セラミックビーズCBを1.67g/100ml混合した消火剤12は、600mlでは消火できなかった(サンプル番号B08)。
以上のことから、消火剤12はセラミックビーズCBを1.25g/100ml以上混合することで消火効果が向上するといえる。ただし消火のためには、消火剤12の量として800mlを必要としたと考えることができる。
Figure 2014016915
以上のことから、混合薬液21のみをベースとして、セラミックビーズCBを混合する場合には、混合薬液21に対するセラミックビーズCBの混合量を2.5g/100ml以上とすることが好ましいといえる。また混合薬液22にセラミックビーズCBを混合する場合には、混合薬液22に対するセラミックビーズCBの混合量を1.25g/100ml以上とすることが好ましいといえる。このように混合薬液21にフッ素系泡消火剤を混合した混合薬液22の方が、消火効果が向上するといえる。
なお本発明にかかる消火剤は、上述したものに限定されるものではなく、それらの趣旨を変更することなく、適宜変形して実施することができる。たとえば、無機塩類水溶液は前述の構成に限定されず、フッ素系泡消火剤も前述のものに限定されない。
また不溶性混合材も、消火薬液が滲み込むことができ、またはその表面に付着することができ、比重が小さく石油等の液面に浮遊しやすいものであれば、前述のセラミックビーズCBでなく、たとえば繊維材料等であってもよい。
<消火器>
消火剤11または消火剤12(いずれもセラミックビーズを所定量以上混合して消火効果を高めたもの)を使用した消火器40を図2に示す。消火器40は、その容器41に、たとえば600〜800mlの消火剤11(サンプル番号A14)または消火剤12(サンプル番号B10)を充填したものである。
容器41は、たとえば合成樹脂で形成され、成人が手で把持することができる直径を有する略円筒形状をなしており、円筒の軸方向中央部は他の領域よりも直径が若干小さくなっている。図2中の42は消火剤を充填する充填部である。
消火器40は、火中に投じられると炎の熱で容器41が溶融するから、または燃焼物との衝突で破壊されるから、充填された消火剤11または消火剤12が火中に飛び散り、燃焼物(石油火災では石油の液面上に飛び散り、建築物の火災ではその構造体等)の表面に拡散する。その結果火災が迅速に消火される。
<ビルトイン型消火器>
図3は、消火器43をドア枠体50に配設した場合の概略構成を示す図である。ドア枠体50は、上枠51、下枠52、第1の縦枠53および第2の縦枠54を有して長方形状をなし、その内側にドア(図示せず)を装着することができる。上枠51、下枠52、第1の縦枠53および第2の縦枠54は、たとえばチャネル型材、または中空型材等で構成され、チャネル部または中空部等に複数の容器44i(i=1、2・・n)を有する消火器43が内蔵されている。それら容器44iには、消火器40と同様に消火剤11または12が充填されている。消火器43は、ドア枠体以外に、たとえば建築物の梁、内装材または外装材の少なくとも一部に配設することができる。
このように消火器43を配設しておけば、室内で火災が起きたときには、複数の容器44iが炎の熱で溶融等するから、充填された消火剤11または12が火中に飛び散り、火災を迅速に消火することができる。しかも容器44iが炎の熱で溶融等するから自動的な消火を実現することができる。たとえば消火器43を調理場、あるいは可燃物を収容する倉庫等の枠体および/または梁等に配設しておけば、火災が生じた場合には、火元での迅速な消火が可能となる。もちろん火災検知器(図示せず)の信号に基づき容器44iが破壊等されるものであってもよい。
<周辺配置型消火器>
図4は、海岸60に設置された石油タンク61を取り囲むよう配設された消火器45の概略構成を示す図である。消火器45は、複数の容器46i(i=1、2・・n)を有しており、それら容器46iには、消火器40と同様に消火剤11または12が充填されている。陸上においても同様に、石油タンク61を取り囲むように複数の容器46が配置されるが、図4ではそれらの記載を省略する。
災害等で、石油タンク61に備蓄された石油が石油タンク61の周囲に流出し、これに引火して火災が発生したときには、容器46iが炎の熱で溶融等するから、消火剤11また12が拡散し、火災を迅速に消火することができる。しかも容器46iが炎の熱で溶融等するから自動的な消火を実現できる。もちろん火災検知器(図示せず)の信号に基づき容器46iが破壊等されるものであってもよい。
ここで消火器45は、石油タンク61から流出した石油の拡散を防ぐオイルフェンスに配設されたものであってもよい。たとえば地震等の災害が生じた場合には、地震を検知して容器46iを破壊することで、予め消火剤11または12を石油タンク61の周囲に拡散させておき、仮に石油が流出しても、火災の発生を防ぐことができる。
もちろん、洋上における石油備蓄のためのタンク等(石油等を搭載したタンカーを含む)を取り囲むようにして消火器45を配設しておくこともでき、また石油タンク61の構造体に消火器43を配設しておくこともできる。また倉庫などの建築物の周囲を取り囲むように消火器45を配設しておくこともできる(図示せず)。
なお本発明にかかる消火剤および消火器は、上述した各実施例に限定されるものではなく、それらの趣旨を変更することなく、適宜変形して実施することができる。たとえば不溶性混合材は、液体の粘性によって沈下が妨げられて、あるいは嵩比重が小さくて、液面近くに長くとどまることができればよく、そして消火薬液を吸収、またはその表面に付着することができ、火中に投入されたとき少なくとも消火薬液が化学反応をする間、燃焼しない程度の難燃性を備えていればよい。したがって不溶性混合材は、セラミックビーズに限定されず、セラミックフィラー、活性炭、パーライト、木質繊維、パルプ、不織布、あるいはその他の素材で形成された物であってもよい。
本発明にかかる消火剤および消火器は、工業的に生産することができるから、そして商業的に販売等することができるから、本発明は経済的価値を有して産業上利用することができる発明である。
11、12 消火剤。
21、22 消火薬液(混合薬液)
40、43、45 消火器
41、44i、46i 容器
50 構造体(ドア枠体)
CB 不溶性混合材(セラミックビーズ)

Claims (8)

  1. 少なくとも、消火薬液と、前記消火薬液に混合されて前記消火薬液が滲み込みおよび/または付着することができる、繊維体、多孔体および粉状体の少なくとも1つの態様をなす不溶性混合材とを有することを特徴とする消火剤。
  2. 前記不溶性混合材は、セラミックビーズ、セラミックフィラー、活性炭、パーライト、木質繊維、パルプ、不織布のうち、少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の消火剤。
  3. 前記消火薬液は、
    熱分解すると炭酸ガスまたはアンモニアガスを発生する無機塩類水溶液、
    または前記無機塩類水溶液と泡消火薬液の混合薬液であることを特徴とする請求項1に記載の消火剤。
  4. 前記不溶性混合材は、
    前記消火薬液が無機塩類水溶液のみの場合には、前記消火薬液100ミリリットルに対し2.5グラム以上混合されたものであり、
    前記消火薬液が前記無機塩類水溶液と泡消火薬液の混合薬液である場合には、前記消火薬液100ミリリットルに対し1.25グラム以上混合されたものであることを特徴とする請求項3に記載の消火剤。
  5. 請求項4に記載の消火剤を容器に収容した消火器であって、
    前記容器が破壊または溶融することによって、前記消火剤が拡散されることを特徴とする消火器。
  6. 請求項4に記載の消火剤を容器に収容した消火器であって、
    前記容器は、把持可能な形状を成し火中に投じられて破壊または溶融すると、前記消火剤が燃焼物の表面に拡散されることを特徴とする消火器。
  7. 請求項4に記載の消火剤を容器に収容した消火器であって、
    前記容器は建築物の構造体、内装材または外装材の、少なくとも一部に配設され、前記容器が火災によって破壊または溶融すると、または前記容器を人為的に破壊することで、前記消火薬液が拡散されることを特徴とする消火器。
  8. 請求項4に記載の消火剤を容器に収容した消火器であって、
    構造物の周囲に配設され、
    前記構造物の火災によって前記容器が破壊または溶融すると、または前記容器を人為的に破壊することで、前記消火薬液が拡散されることを特徴とする消火器。
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