JPWO2014013990A1 - 照明装置 - Google Patents

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Abstract

本発明は、照明装置における昼間の外光の調節機能を失うことなく、また、点灯寿命の低下、発光効率の低下、封止の劣化、及び、有機EL素子自体の損傷等を防止した照明装置を提供することを目的とする。本発明は、遮光部材を有する照明装置であって、前記遮光部材は少なくとも有機EL素子を備え、更に、UV遮断機能層、放熱機能層及び光拡散機能層からなる群より選ばれる少なくとも1層を備える、照明装置に関する。

Description

本発明は、有機EL素子を備える遮光部材を有する照明装置に関する。
有機EL(Electro Luminescence)は、面発光で薄い、軽いといった特徴を有しており、その特徴を活かした有機EL照明が次世代照明として注目されている。有機EL照明の一つの形態として、ブラインド、ロールカーテン、ローマンシェードおよび通常のカーテンといった、窓からの外光の室内への採光を制御したり、室内から屋外を見る場合の開口を制御可能な遮光部材を有する器具に、照明機能を持たせることが可能である。
例えば、窓に掛けることによって採光量を調節することができるいわゆるブラインド型の照明が提案されている。
ブラインドとは、回動自在な多数のスラットが並設されてなり、一般的には使用者の操作によって、スラットの回動角度を変えることで採光量を調節することができる。スラットが垂直になるように、つまり窓とスラットの面が平行になるように回動させると遮光、それ以外だと採光となる。
ブラインド型の照明装置の一例として特許文献1に記載のブラインド装置がある。図25は、このブラインド装置の構成を説明する要部斜視図である。ブラインド装置100Aは、図25に示すスラット102Aを多数水平に並設させた横型ブラインドであり、各スラット102Aの両端に図示しない巻き上げ紐が結合し、各スラット102Aを前後に回動自在、および巻き上げ自在に構成する。
このブラインド装置の特徴は、スラット102Aが、太陽エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池103Aと、太陽電池103Aで変換された電気エネルギーを蓄えるシート状ポリマー二次電池104Aと、シート状ポリマー二次電池104Aからの電圧供給で発光する有機EL素子等で形成されたシート状面発光体105Aとがこの順で積層された3層構造をなしており、受光・発電・蓄電・発光をスラット102A上ですべて行うことができる。
また、特許文献2には、光の拡散や集光性を制御可能なブラインド型の照明装置が提案されている。図26は、このブラインド装置の構成を説明する要部斜視図である。
その特徴は、スラット2Aが可撓性を有し、各スラット2Aの片面の側に在って、支持部4Aによる複数のスラット2Aの回動に応じて各スラット2Aの片面の側から当該片面とは反対側の面側に向けてスラット2Aに加圧する構造体5A(スラット加圧部材)を備えている。この構造体によって、可撓性を有するスラット2Aは、回動に応じて湾曲する。すなわち、スラット形状を任意の曲率半径に可逆的に変化させることができる。
このようにスラット2Aを任意の曲率半径に可逆的に変化させることで、スラット2Aに配設した発光素子から出射される光を拡散させたり、集光させたりすることができる。これにより、あらゆる照明用途に対応することができる照明装置を提供することができる、としている。
また、特許文献3には、遮光機能を有する巻取り可能なロールカーテンに有機EL照明を組み合わせたものが提案されている。
日本国特開2001−82058号公報 国際公開第2011/083620号 日本国特開2009−283200号公報
以下、従来のブラインド型の照明装置における課題について示すが、これらの課題のいくつかはロールカーテン型の照明装置、ローマンシェード型の照明装置およびカーテン型の照明装置においても共通している。
(課題1 調光機能の低下)
通常ブラインドは、昼間室内への日光の入射量を調節するために、ブラインドのスラットの角度調整機能を保有している。この室内への日光の入射量の調節機能は、ブラインドの最も主要な機能となっている。
しかしながら、有機ELは通常、一方の電極を反射電極として用いる為、これをスラットに用いた場合、昼間の採光時にスラットの角度を調整すると、反射電極が鏡のように日光をそのまま反射して、室内に強い強度で取り入れてしまう。これは、平行光線である太陽光線が、有機EL素子の反射電極で鏡面反射されるため、特定の方向にのみ強い光を放射するためである。
従って、特許文献1記載のブラインド装置のように、有機EL素子をそのままブラインドとした場合には、ブラインドの持つ最も主要な機能である昼間の外光の調節機能が失われてしまうという致命的な課題があった。
(課題2 EL材料の劣化による発光特性の低下)
ブラインドであるが故に通常これを窓辺に設置するが、特許文献1および2記載のブラインド装置の場合、ブラインドのスラット角度を調整して日光を取り入れる際に、有機ELパネル自身に直接太陽光線が入射してしまう。
太陽光は可視光のみならず、紫外線(UV光)や赤外線(IR光)が含まれている。特に紫外線は化学的な作用が著しい。
具体的には、太陽光の中には、UVA(315〜400nm)、UVB(280〜315nm)、UVC(280nm未満)の波長の紫外線が含まれているが、そのうちUVA、UVBはオゾン層を通過し、地表に到達する。地表に到達する紫外線の95%がUVAである。
UVAはそれ自体のエネルギーは比較的弱いものの、照射量が多いこと、および浸透力が高く、雲や窓ガラスを通過して到達する為、大きな影響を及ぼす。例えば、人体に対しては肌の奥の真皮層に作用し蛋白質を変性させる。
一方、UVBは地表に到達する紫外線の約5%と少ないが、UVAより強いエネルギーを持つ。人体に対しては肌の表皮層に作用し、皮膚がんやシミの原因となる。人体以外への影響としては、例えば、太陽光のもとに銀塩写真や印刷物を長期間放置しておくと、退色がよく見られるが、これは発色物質、特に染料(有機色素)がUV光により分解・反応が進むことにより起こる現象である。
つまり、有機物は紫外線によって大きな影響を受けることになる。有機ELパネルに用いられる材料も有機色素であり、紫外線照射による影響は非常に大きい。
しかもブラインドの場合は、長時間スラット角度を固定して使用する場合が多く、有機材料に照射された太陽光線の積算量が増加するに従って劣化が進行してしまう。有機ELパネルに含まれる発光材料や電荷輸送材料等の有機色素が紫外線によって劣化すると、照明として用いる際の点灯寿命の低下や発光効率の低下、更には不点灯などの重大な支障が起きることになる。
一方、赤外線は地上に到達する太陽光の実に50%以上を占める。赤外線は熱線と呼ばれるように、吸収された物質を熱する効果を有する。例えば、夏場の車のダッシュボードは70℃を超える程である。つまり、物質は赤外線によって大きな影響を受けることになる。
ブラインドは窓辺に設置されるのが一般的であり、その機能は前述のとおり採光量を調節するものであるが、例えば日差しの強い真夏の日中には、遮光する為にスラットを窓と平行に閉じて使用することが多い。この場合、太陽光がスラット背面に直接照射するので、スラット自身が熱せられることになる。
外光を取り入れる場合でも、ブラインドはその目的を鑑みれば、長時間スラット角度を固定して使用する場合が多く、スラット表面に太陽光が直接照射されることになる。この場合も、有機ELパネル自身に直接太陽光線が入射してしまう事になるので、その影響は大きい。
一般的に有機ELパネルに含まれる発光材料や電荷輸送材料等の有機色素は、熱による劣化が見られるので、照明として用いる際の点灯寿命の低下や発光効率の低下、更には不点灯などの重大な支障が起きることになる。
特許文献1および2記載のブラインド装置の場合、太陽光による影響については、何ら対策が施されてはいなかった。
(課題3 接触による破損)
特許文献1および2記載のブラインド装置の場合、ブラインドの巻き上げ時には、スラット上に形成された有機ELパネルの表面が他のスラットと直に接触することになる。このように、極薄膜の電気デバイスである有機ELパネル自体が、物理的に直接ぶつかり合うと、その衝撃による封止の劣化や、有機EL素子自体が損傷する危険性が極めて高いという課題があった。
(課題4 曲げによる破損)
特許文献2記載のブラインド装置の場合、スラットの形状を任意の曲率半径に可逆的に変化させて集光・拡散を制御するため、形状変化による応力で封止が破れたり、内部の有機EL素子や電極およびパッシベーション膜が割れたりすることにより、有機EL素子自体が劣化・破損してしまう恐れが高い。また、全てのスラットを一律に曲げる必要があるために、機構が複雑になってしまう。
(課題5 周辺部材の劣化による有機ELパネル部の信頼性低下)
上述の通り、太陽光に含まれる紫外線や赤外線は、有機ELパネルに含まれる発光材料や電荷輸送材料等の有機色素に大きな影響を及ぼすが、有機ELパネルの周辺部材、特に有機材料で形成された周辺部材に対しても大きな影響を及ぼす。
例えば、有機ELパネルを封止する際に用いる封止材料やシール材等は紫外線や赤外線による発熱により劣化する可能性がある。また、基板として樹脂を用いた場合は、基板自体が紫外線や赤外線による発熱により大きな影響を受け、有機ELパネル部の信頼性が低下することになる。
(課題6 ロールカーテン型の照明装置、ローマンシェード型の照明装置およびカーテン型の照明装置における課題)
特許文献3に記載されている面状型照明装置は、従来のデスクスタンドと同程度の形状寸法を想定しているが、発光面積をより広げるためには、より広い発光面を有する面状光源を用意しなければならない。しかし、広い発光面を有する面状光源を、有機ELを用いて実現しようとすると、発光面における透明電極の電圧にばらつきが生じて、発光にむらが生じてしまう。
また、特許文献3に記載されているようにLED素子を用いた場合には、当該LED素子が並設されている光学シートを薄型化することが困難であるという課題や、有機ELを用いた場合に比べて発熱量が多いという課題がある。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、ブラインド、ロールカーテン、ローマンシェードおよびカーテン等の遮光部材に有機EL素子を備える照明装置において、該遮光部材がUV遮断機能層、放熱機能層及び光拡散機能層(以下、総称して「特定機能層」と称することもある。)のいずれか又は複数を備えることにより、上記課題1〜5を解決できることを見出した。
また、ロールカーテン型の照明装置、ローマンシェード型の照明装置およびカーテン型の照明装置においては、更に、複数の有機EL素子を併設することにより、課題6を解決できることを見出した。
本発明はこのような知見に基づいて達成されたものであり、以下に示す<1>〜<39>を要旨とする。
<1> 遮光部材を有する照明装置であって、前記遮光部材は少なくとも有機EL素子を備え、更に、UV遮断機能層、放熱機能層及び光拡散機能層からなる群より選ばれる少なくとも1層を備える、照明装置。
<2> 前記遮光部材が、UV遮断機能層及び放熱機能層の少なくともいずれか一方を備える、前記<1>に記載の照明装置。
<3> 前記遮光部材が、UV遮断機能層及び放熱機能層を備える、前記<1>に記載の照明装置。
<4> 前記遮光部材が、UV遮断機能層、放熱機能層及び光拡散機能層を備える、前記<1>に記載の照明装置。
<5> 前記UV遮断機能層、前記放熱機能層及び前記光拡散機能層からなる群より選ばれる少なくとも1層が、前記有機EL素子の光射出側に配置されている、前記<1>〜<4>のいずれか1に記載の照明装置。
<6> 前記UV遮断機能層及び前記放熱機能層の少なくともいずれか一方が、前記有機EL素子の光射出側の反対側に配置されている、前記<1>〜<4>のいずれか1に記載の照明装置。
<7> 前記UV遮断機能層、前記放熱機能層及び前記光拡散機能層からなる群より選ばれる少なくとも1層が、前記遮光部材の最表面に配置されている、前記<1>〜<4>のいずれか1に記載の照明装置。
<8> スラットを複数備える照明装置であって、前記スラットの各々が、前記遮光部材である、前記<1>〜<7>のいずれか1に記載の照明装置。
<9> 前記有機EL素子が可撓性を有する、前記<8>に記載の照明装置。
<10> 前記スラットが長方形であり、複数の前記スラットが回動自在に配置され、ブラインドとして機能する、前記<8>又は<9>に記載の照明装置。
<11> 電源のオン・オフ及び輝度・色調の調整の少なくともいずれか一方がリモコンで操作可能である、前記<8>〜<10>のいずれか1に記載の照明装置。
<12> 前記<8>〜<11>のいずれか1に記載の照明装置であって、少なくとも光拡散機能層を備え、前記光拡散機能層が前記有機EL素子からの光を拡散させる、照明装置。
<13> 前記<8>〜<11>のいずれか1に記載の照明装置であって、少なくとも光拡散機能層を備え、前記光拡散機能層が前記スラットに入射する外光に対して光拡散性を有する、照明装置。
<14> 前記<8>〜<11>のいずれか1に記載の照明装置であって、少なくとも光拡散機能層を備え、前記光拡散機能層が表面に凹凸構造を有する、照明装置。
<15> 前記<8>〜<11>のいずれか1に記載の照明装置であって、少なくとも光拡散機能層を備え、前記光拡散機能層が周期構造を有する、照明装置。
<16> 前記<8>〜<11>のいずれか1に記載の照明装置であって、少なくとも光拡散機能層を備え、前記光拡散機能層がランダムな非周期構造を有する、照明装置。
<17> 前記<8>〜<11>のいずれか1に記載の照明装置であって、少なくとも光拡散機能層を備え、前記光拡散機能層が散乱粒子を分散させた層である、照明装置。
<18> 前記<8>〜<11>のいずれか1に記載の照明装置であって、少なくとも光拡散機能層を備え、前記光拡散機能層が前記有機EL素子からの光量を増加させる光取り出し層として機能する、照明装置。
<19> 前記<8>〜<11>のいずれか1に記載の照明装置であって、少なくとも光拡散機能層を備え、前記スラットが基板、発光部及び封止部を含み、前記基板及び前記封止部の少なくともいずれか一方が前記光拡散機能層として機能する、照明装置。
<20> 前記<8>〜<11>のいずれか1に記載の照明装置であって、少なくともUV遮断機能層を備え、前記UV遮断機能層が前記スラットの端を包み込むように配置されている、照明装置。
<21> 前記<8>〜<11>のいずれか1に記載の照明装置であって、少なくとも放熱機能層を備え、前記放熱機能層が前記スラット外からの赤外線を遮断するものである、照明装置。
<22> 前記<8>〜<11>のいずれか1に記載の照明装置であって、少なくとも放熱機能層を備え、前記放熱機能層が前記有機EL素子からの熱を放射するものである、照明装置。
<23> 前記遮光部材がロール状に巻取り可能である、前記<1>〜<4>のいずれか1に記載の照明装置。
<24> 前記遮光部材をローマンシェードとして用いる、前記<1>〜<4>のいずれか1に記載の照明装置。
<25> 前記遮光部材をカーテンとして用いる、前記<1>〜<4>のいずれか1に記載の照明装置。
<26> 前記遮光部材に前記有機EL素子が複数並設されている、前記<23>〜<25>のいずれか1に記載の照明装置。
<27> 複数並設されている前記有機EL素子のうち、隣り合う有機EL素子を互いに連結する連結部材をさらに備える、前記<26>に記載の照明装置。
<28> 複数並設されている前記有機EL素子が可撓性を有する、前記<26>又は<27>に記載の照明装置。
<29> 複数並設されている前記有機EL素子が、それぞれ短冊状に形成されている、前記<26>〜<28>のいずれか1に記載の照明装置。
<30> 前記UV遮断機能層、前記放熱機能層及び前記光拡散機能層からなる群より選ばれる少なくとも1層が、前記有機EL素子の光射出側に配置されている、前記<23>〜<29>のいずれか1に記載の照明装置。
<31> 前記UV遮断機能層、前記放熱機能層及び前記光拡散機能層からなる群より選ばれる少なくとも1層が、前記有機EL素子の光射出側の反対側に配置されている、前記<23>〜<29>のいずれか1に記載の照明装置。
<32> 前記UV遮断機能層、前記放熱機能層及び前記光拡散機能層からなる群より選ばれる少なくとも1層が、前記遮光部材の最表面に配置されている、前記<23>〜<29>のいずれか1に記載の照明装置。
<33> 前記<23>〜<32>のいずれか1に記載の照明装置であって、少なくとも光拡散機能層を備え、前記光拡散機能層が前記有機EL素子からの光を拡散させる、照明装置。
<34> 前記<23>〜<32>のいずれか1に記載の照明装置であって、少なくとも光拡散機能層を備え、前記光拡散機能層が前記遮光部材に入射する外光に対して光拡散性を有する、照明装置。
<35> 前記<23>〜<32>のいずれか1に記載の照明装置であって、少なくとも光拡散機能層を備え、前記光拡散機能層が表面に凹凸構造を有する、照明装置。
<36> 前記<23>〜<32>のいずれか1に記載の照明装置であって、少なくとも光拡散機能層を備え、前記光拡散機能層が周期構造を有する、照明装置。
<37> 前記<23>〜<32>のいずれか1に記載の照明装置であって、少なくとも光拡散機能層を備え、前記光拡散機能層がランダムな非周期構造を有する、照明装置。
<38> 前記<23>〜<32>のいずれか1に記載の照明装置であって、少なくとも光拡散機能層を備え、前記光拡散機能層が散乱粒子を分散させた層である、照明装置。
<39> 前記<23>〜<32>のいずれか1に記載の照明装置であって、少なくとも光拡散機能層を備え、前記光拡散機能層が前記有機EL素子からの光量を増加させる光取り出し層として機能する、照明装置。
<40> 前記<23>〜<32>のいずれか1に記載の照明装置であって、少なくとも放熱機能層を備え、前記放熱機能層が赤外線を遮断するものである、照明装置。
<41> 前記<23>〜<32>のいずれか1に記載の照明装置であって、少なくとも放熱機能層を備え、前記放熱機能層が前記有機EL素子からの熱を放射するものである、照明装置。
<42> 電源のオン・オフ及び輝度・色調の調整の少なくともいずれか一方がリモコンで操作可能である、前記<23>〜<41>のいずれか1に記載の照明装置。
本発明によれば、有機EL素子を備える遮光部材を有する照明装置に、特定機能層を設けること等により、以下の効果が得られる。
(効果1 調光機能の確保)
光拡散機能層を設けることで、有機EL素子から出射される光を拡散させることができ、照明に必要な拡散光が簡単に得られる。
さらに、光射出側に設けた光拡散機能層によって、外部からの日射が反射電極によりそのまま部屋の中に反射して差し込むことがなくなるため、ブラインドとしての重要な機能である外光の調節機能が発揮できるようになる。
(効果2 高効率・長寿命の確保)
特定機能層を設けることで、有機ELパネルに照射される外光の強度を効果的に弱めることが出来る。また、放熱機能層を設けることによって、有機ELパネル自身から発生するジュール熱を逃がすことが可能となる。従って、有機材料の劣化が抑制され、照明としての機能の低下を抑制することが出来る。
(効果3 破損防止による商品の長寿命化)
特定機能層を設けることで、遮光部材巻き上げ時の有機ELパネル同士の直接の接触による破損が防止され有効である。特に、光拡散機能層に凹凸が設けられている場合、スラットが直接ぶつかり合うことなく、適度な空間が出来るため、スラット同士が密着して離れなくなることを防ぐことが出来、効果的である。特定機能層によって、ブラインドとして必須であるスラットの重なりという機能を果しながら、有機ELパネルを保護することが出来る。
(効果4 構造の単純化)
光拡散機能層を設けることで、スラット形状を任意の曲率半径に可逆的に変化させなくとも拡散光が得られるため、スラット形状を変化させるための機構を付与する必要がなく、構造が単純となり、低コスト化が期待できる。また、スラットを可逆的に変化させる必要がないので、機械的強度の低下が抑制され、耐久性が向上する。
(効果5 光取り出し率向上による、高効率化・長寿命化・高輝度化)
光拡散機能層が、有機ELからの光取り出し機能も有する場合、光の利用効率が向上するため、素子の長寿命化、ひいては省エネ効果も期待できる。投入電力を変えない場合は、高輝度が得られ、照らす機能が強化される。
(効果6 軽量・安全)
スラットを形成する基板が樹脂である場合、ガラス基板を用いた場合に懸念されていた、スラット同士の接触による破損の懸念が払拭される。また、ガラス特有の「割れる」という心配がなくなり、照明器具としての安全性が飛躍的に向上する。加えて、軽量化も更に促進される。
(効果7 有機ELパネル部の信頼性確保)
放熱機能層又はUV遮断機能層を設けることで、有機ELパネルの周辺部材、特に有機材料で形成された周辺部材の劣化が抑えられる。特にスラットの端を包み込むようにUV遮断機能層を配置した場合、この効果は顕著である。これにより、有機ELパネル部の信頼性が確保される。
図1(a)及び(b)は、それぞれ本発明に係る照明装置の実施形態であるロールカーテンを示す斜視図(a)及び側面図(b)である。 図2は、図1(a)におけるII−II断面図である。 図3は、図2に示した照明部の断面の詳細な構成を示した断面図である。 図4(a)及び(b)は、それぞれ第一電極の端子と第二電極の端子との位置関係を示す上面図(a)及び断面図(b)である。 図5は、エッジカバーを第一電極の端部に設けた状態の照明部の断面構成を示した断面図である。 図6は、エッジカバーを配設していない状態の照明部の断面構成を示した断面図である。 図7は、光拡散機能層が基板における他方の面に設けられた例を示す説明図である。 図8は、第2の実施の形態の照明部の構成を示す断面図である。 図9は、UV遮断機能層が基板における他方の面に設けられた例を示す説明図である。 図10は、第3の実施の形態の照明部の構成を示す断面図である。 図11は、放熱機能層が基板における他方の面に設けられた例を示す説明図である。 図12は、第4の実施の形態における照明部の設置態様の例を示す説明図である。 図13は、照明部の設置態様の第1変形例を示す説明図である。 図14は、照明部の設置態様の第2変形例を示す説明図である。 図15は、照明部の設置態様の第3変形例を示す説明図である。 図16(a)及び(b)は、それぞれ第5の実施の形態のロールカーテンを示す斜視図(a)及び側面図(b)である。 図17は、本発明に係る照明装置の実施形態であるブラインドの構成の一部を示す斜視図である。 図18は、図17に示したブラインドに設けられたスラットのIII−III矢視断面図である。 図19は、図18に示したスラットの詳細な構成を示した断面図である。 図20(a)及び(b)は、それぞれ図17に示したブラインドに設けられたスラットの一部の上面図(a)及び断面図(b)である。 図21は、図17に示したブラインドのIV−IV矢視断面図である。 図22は、図21においてブラインドのスラットの傾斜角度を変更した状態の矢視断面図である。 図23は、図17に示したブラインドにおいてスラットの傾斜角度を並設方向に沿って限界近くまで平行にした状態を示す側面図である。 図24は、図23の紙面右側から見たブラインドの一部の正面図である。 図25は、ブラインド装置の従来構成を説明する要部斜視図である。 図26は、ブラインド装置の従来構成を説明する要部斜視図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。尚、本発明は以下に記載する内容に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において任意に変更して実施することが可能である。
また、以下の説明に用いる図面は、何れも本発明に係る照明装置等を模式的に示すものであって、理解を深めるべく部分的な強調、拡大、縮小、または省略などを行なっている場合があり、各構成部材の縮尺や形状などを正確に表すものとはなっていないことがある。更に、以下の説明で用いる様々な数値は何れも一例を示すものであり、必要に応じて様々に変更することが可能である。
本発明に係る照明装置は、遮光部材を有する照明装置であって、前記遮光部材は少なくとも有機EL素子を備え、更に、UV遮断機能層、放熱機能層及び光拡散機能層からなる群より選ばれる少なくとも1層を備えることを特徴とする。また、前記遮光部材が、UV遮断機能層及び放熱機能層の少なくともいずれか一方を備えることが好ましく、UV遮断機能層及び放熱機能層を備えることが更に好ましい。また、前記遮光部材が、UV遮断機能層、放熱機能層及び光拡散機能層を備えることが特に好ましい。
本発明において、遮光部材とは入射する光の少なくとも一部を遮断する機能を有する部材のことである。例えば、カーテンの場合、暗幕として用いられるように完全に光を遮断するものから、レースカーテンのように、光の一部を透過したり散乱させて採光するが、レースカーテン越しに対向側を視認することは困難な状態を形成するものも含む。入射する光の透過の程度や透過の仕方は、目的によって適宜設定される。
上述の3種類の特定機能層の詳細については後述する。以下、本発明の照明装置として、(1)ロールカーテン、ローマンシェード、およびカーテンを想定した場合、(2)ブラインドを想定した場合、に分けて詳述する。
(1) ロールカーテン、ローマンシェード、およびカーテンの場合の本発明の実施の形態
まず、以下に本発明をロールカーテンとして実施した場合の形態について詳述する。
<第1の実施の形態>
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。図1(a)は、本発明に係る照明装置の実施形態のひとつである、ロールカーテン1を示す斜視図である。図1(b)は、該ロールカーテン1の側面図である。図1(a)及び(b)に示すように、ロールカーテン1は、カーテン部100と照明部200−1〜200−nとを含む。照明部200−1〜200−nはそれぞれカーテン部100に設置され、電力を供給されると光を発する。
まず、カーテン部100について説明する。図1(a)及び(b)に示すように、カーテン部100は、ブラケット101、フレーム102、サイドブラケット103、ローラパイプ104、スクリーン(シート)105、ボトムバー106、およびチェーン107を含む。
フレーム102は、上面にブラケット101との嵌合部121が設けられた直方体状の板状体である。ブラケット101は、例えば、当該ブラケット101に設けられた貫通孔を通して下方からねじ止めによって天井や鴨居等(以下、「天井等」という。)に固定される。そして、フレーム102における嵌合部121は、例えば、長手方向に摺動可能にブラケット101と嵌合される。よって、ロールカーテン1は、フレーム102の嵌合部121が天井等に固定されたブラケット101に嵌合されて、当該天井等に吊り下げられる。
フレーム102の長手方向の両端部には、それぞれサイドブラケット103が設置されている。サイドブラケット103は、フレーム102の長手方向の両端部から下方に向けて設置された板状体であり、円柱形状のローラパイプ104の長手方向の両端部を、中心軸周りに回動可能にそれぞれ支持する。チェーン107は、円柱形状のローラパイプ104の直径よりも十分に大きな直径の環状の線状体であり、環内をローラパイプ104が通過して当該ローラパイプ104に巻回するように構成されている。ローラパイプ104は、環状のチェーン107の周回に従って中心軸周りに回転する。ローラパイプ104の半径は、好ましくは20mm以上、更に好ましくは30mm以上である。半径が大きいことで、スクリーン105の巻取り時における照明部200−1〜200−n等への機械的負荷を低減することができる。
スクリーン105は、例えば、布やポリエステルが遮光機能を有するように幕状に形成されている。即ち、第1の実施の形態においては、スクリーン105が本発明の遮光部材に相当する。以下の第2〜4の実施の形態においても同様である。
具体的には、スクリーン105は、ローラパイプ104に沿う方向の長さである幅が、ローラパイプ104の長手方向の長さよりも、例えば、3cm程度短く、ローラパイプ104に沿う方向に直交する方向の長さが、ロールカーテン1の遮光対象となる窓等の高さと同程度であるような長方形状に形成されている。以下、スクリーン105においてローラパイプ104に沿う方向を「スクリーン105の幅方向」といい、スクリーン105の一方の面である第1面105aにおいて当該幅方向と直交する方向を「スクリーン105の長手方向」という。
スクリーン105は、長手方向の一方の端辺がローラパイプ104の周面に固着され、幅方向がローラパイプ104の長手方向に沿うように当該ローラパイプ104の周面に巻き付けられている。また、スクリーン105の長手方向の他方の端辺には、幅方向に沿う棒状のボトムバー106が設置されている。
前述したように、ローラパイプ104は、チェーン107の周回に従って中心軸周りに回転するので、スクリーン105は、チェーン107の周回に従って、ローラパイプ104の周面に巻き取られたり(つまり、ロール状に巻き上げられたり)、引き出されたり(つまり、降ろされたり)する。
スクリーン105が降ろされることによって、ロールカーテン1は、設置されている空間の下方を、スクリーン105の第1面105a側の領域とスクリーン105の第2面105b側の領域とに仕切ることができる。また、スクリーン105がロール状に巻き上げられることによって、ロールカーテン1をコンパクトにすることができる。
ここで、スクリーン105は、ローラパイプ104から完全に引き出された状態のみでなく、一部が引き出された状態であっても、その状態で固定可能な固定機構を(図示せず)を有する。つまり、使用者が、スクリーン105を引き出す長さを任意に設定することが可能である。
次に、照明部200−1〜200−nについて説明する。本実施の形態では、カーテン部100のスクリーン105の第1面105aに、n個の短冊状の照明部200−1〜200−nがそれぞれ設置されている。そして、カーテン部100のスクリーン105の第1面105aが発光面に相当する。
図1(a)及び(b)に示すように、本実施の形態では、カーテン部100のスクリーン105の第1面105aに、当該スクリーン105が引き出される方向(つまり、長手方向)に、照明部200−1〜200−nが3列で並べられて配置されている。
具体的には、図1(a)に示すように、ロールカーテン1が天井等に設置されてスクリーン105が広げられたときに第1面105aにおいて照明部200−1〜200−3が最下段になり、照明部200−(n−2)〜200−nが最上段になるように3列でスクリーン105の長手方向に並設されている。
また、図1(b)に示すように、スクリーン105の第1面105aにおいて照明部200−1〜200−3の上の段には、照明部200−4〜200−6が並設されている。そして、照明部200−1〜200−nのうち、スクリーン105の長手方向に互いに隣接するもの同士は、後述する導線群3によって電気的に接続されている。なお、照明部200−(n−2)〜200−nは、照明部200−1〜200−nに電力を供給するためにカーテン部100に設けられている給電部(図示せず)にそれぞれ電気的に接続されている。
給電部は、少なくとも、照明部を発光させるための電力を供給する電源部と、照明部の発光を制御する制御部とを有する。
照明部200−1〜200−nはそれぞれ同様な構成であるので、以下、照明部200−1〜200−nを照明部200として説明する。
図2は、第1の実施の形態の照明部200の構成を示す断面図であり、図1(a)におけるII−II線断面図が示されている。図2に示すように、本実施の形態の照明部200は、基板10と、発光部11と、封止部12とを備えており、基板10の一方の面上に発光部11が配設され、当該発光部11の上に封止部12が配設されている。なお、基板10、発光部11、封止部12を含んで形成される最小単位を有機ELパネルと呼ぶ。また、図2に示すように、本実施の形態の照明部200において、封止部12の上には、光拡散機能層40が設けられている。従って、光拡散機能層40は、封止部12を介して有機EL素子である発光部11上に配設されていることになり、有機ELパネルに含まれる。
[基板]
基板10は、図1(a)に示した照明部200と同様の形状を有するので、一般的には長方形を有した、可撓性を有する絶縁性の基板である。基板10は、例えば、接着剤でスクリーン105の第1面105aに接着されている。
有機ELパネルの基板の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド等の樹脂基板や、アルミニウム、鉄等からなる金属基板が挙げられる。金属基板を用いる場合は、厚みを1mm以下の薄板とすることで、可撓性の確保が可能となる。
基板10は、樹脂基板や薄い金属基板など、軽量性および可撓性を有することが好ましい。また、後述の封止部も基板に追随して可撓性であることがさらに好ましい。そうすることによって、有機EL素子が可撓性を有し、スクリーンに設置されて巻き上げた場合のみならず、人や物が接触したり、風によって撓んだ場合にも、有機EL素子が破壊されることが防止される。
樹脂基板を基板10として用いる場合、水分の透過による発光部11の劣化を解消する必要があるため、樹脂基板に無機材料をコートした基板が基板10として好ましい。また、樹脂基板の上に上述の無機材料をコートしたり、電極や有機層を有する発光部11を形成したりする必要があるが、これらを形成するプロセスに耐える必要がある。
具体的には、樹脂基板の材料のガラス転移温度(Tg)が150℃以上であり、好ましくは250℃以上であり、更に好ましくは300℃以上である。
金属基板を基板10として用いる場合、金属基板の突起によるリークやショートを解消する必要があり、金属基板に無機絶縁材料をコートした基板が好ましい。なお、有機ELの膜厚が100〜200nm程度と非常に薄いため、突起による画素部での電流にリークやショートが、顕著に起こることが知られている。
樹脂基板や金属基板を用いる場合、簡便に板厚を薄くすることが可能であり、軽量化が実現できる為、好ましい。また、基板が樹脂である場合、基板同士の接触による有機EL素子の破損が格段に抑えられる効果も期待できる為、更に好ましい。
また、基板10として、透明または半透明の基板を用いれば、後述する発光部11からの光を、基板10を通して照明部200の外部に取り出すことができる。
[発光部]
発光部11は、本発明による照明装置の光源となる部分である。ここで図3は、図2に示した照明部200の断面の詳細な構成を示した断面図である。便宜上、図3では光拡散機能層40は省略されている。
発光部11は、図3に示すように、上記した基板10上に、第一電極20と、少なくとも有機発光材料からなる有機発光層を有する有機層30と、第二電極21とがこの順に積層された有機EL素子(発光素子)を1つまたは複数有して構成されており、長方形を有している。
発光部11は、赤色、緑色、青色の有機発光層を有する有機EL素子を並置することで、発光色を変化させることができる。また、白色発光を得るためには、黄色及び青色の有機発光層を、もしくは、赤色、緑色及び青色の有機発光層を積層した有機EL素子を用いることもできる。黄色の有機発光層は赤色と緑色の材料を混合して得ることも可能である。
本実施の形態では、発光部11から出射された光が、封止部12側から出射するように構成されている。すなわち、図2に示す照明部200の上面から発光するトップエミッション型となっている。
なお、図3には示していないが、第一電極20、有機層30、および第二電極21のほかにも、第一電極20のエッジ部分のリークを防止する絶縁性のエッジカバーと、また、有機層30をウエットプロセスで作製する場合に塗布される機能性材料溶液を保持するための絶縁性の隔壁層とを、第一電極20の上にこの順で形成した後に、有機層30と、第二電極21とが積層されていてもよい。
(有機層)
図3に示す有機層30は、有機発光層単層であっても、有機発光層と電荷輸送層の多層構造であってもよく、具体的には、下記の(1)〜(9)に示すような構成を挙げることができる。
(1) 有機発光層
(2) 正孔輸送層/有機発光層
(3) 有機発光層/電子輸送層
(4) 正孔輸送層/有機発光層/電子輸送層
(5) 正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子輸送層
(6) 正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子輸送層/電子注入層
(7) 正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/正孔防止層/電子輸送層
(8) 正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/正孔防止層/電子輸送層/電子注入層
(9) 正孔注入層/正孔輸送層/電子防止層/有機発光層/正孔防止層/電子輸送層/電子注入層
本発明はこれらにより限定されるものではない。また、有機発光層、正孔注入層、正孔輸送層、正孔防止層、電子防止層、電子輸送層、および、電子注入層の各層は、単層構造でも多層構造でもよい。ここで、図3では、上記(8)の構成を採用して、第一電極20から第二電極21に向けて、正孔注入層31、正孔輸送層32、有機発光層33、正孔防止層34、電子輸送層35、電子注入層36が、この順で積層されている。
有機発光層33は、以下に例示する有機発光材料のみから構成されていてもよく、発光性のドーパント材料とホスト材料の組み合わせから構成されていてもよく、任意に正孔輸送材料、電子輸送材料、添加剤(ドナー、アクセプター等)等を含んでいてもよく、また、これらの材料が高分子材料(結着用樹脂)又は無機材料中に分散された構成であってもよい。発光効率・寿命の観点からは、ホスト材料中に発光性のドーパント材料が分散されたものが好ましい。
有機発光材料としては、有機EL用の公知の発光材料を用いることができる。このような発光材料は、低分子発光材料、高分子発光材料等に分類され、これらの具体的な化合物を以下に例示するが、本発明はこれらの材料に限定されるものではない。また、上記発光材料は、蛍光材料、燐光材料等に分類されるものでもよい。低消費電力化の観点で、発光効率の高い燐光材料を用いることが好ましく、素子寿命の観点で、耐久性の高い蛍光材料を用いることが好ましく、適宜組み合わせて蛍光材料、燐光材料を併用してもよい。
ここで、有機EL用の発光材料として具体的な化合物を以下に例示するが、本発明はこれらの材料に限定されるものではない。
低分子有機発光材料としては、例えば、4,4’−ビス(2,2’−ジフェニルビニル)−ビフェニル(DPVBi)等の芳香族ジメチリデン化合物;5−メチル−2−[2−[4−(5−メチル−2−ベンゾオキサゾリル)フェニル]ビニル]ベンゾオキサゾール等のオキサジアゾール化合物;3−(4−ビフェニルイル)−4−フェニル−5−t−ブチルフェニル−1,2,4−トリアゾール(TAZ)等のトリアゾール誘導体;1,4−ビス(2−メチルスチリル)ベンゼン等のスチリルベンゼン化合物;チオピラジンジオキシド誘導体、ベンゾキノン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、ジフェノキノン誘導体、フルオレノン誘導体等の蛍光性有機材料;および、アゾメチン亜鉛錯体、(8−ヒドロキシキノリナト)アルミニウム錯体(Alq3)等の蛍光発光有機金属錯体等が挙げられる。
高分子発光材料としては、例えば、ポリ(2−デシルオキシ−1,4−フェニレン)(DO−PPP)、ポリ[2,5−ビス−[2−(N,N,N−トリエチルアンモニウム)エトキシ]−1,4−フェニル−アルト−1,4−フェニルレン]ジブロマイド(PPP−NEt )、ポリ[2−(2’−エチルヘキシルオキシ)−5−メトキシ−1,4−フェニレンビニレン](MEH−PPV)、ポリ[5−メトキシ−(2−プロパノキシサルフォニド)−1,4−フェニレンビニレン](MPS−PPV)、ポリ[2,5−ビス−(ヘキシルオキシ)−1,4−フェニレン−(1−シアノビニレン)](CN−PPV)等のポリフェニレンビニレン誘導体;ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン)(PDAF)等のポリスピロ誘導体が挙げられる。
有機発光層33に任意に含まれる発光性のドーパント材料としては、有機EL用の公知のドーパント材料を用いることができる。このようなドーパント材料としては、例えば、スチリル誘導体、ペリレン、イリジウム錯体、クマリン誘導体、ルモーゲンFレッド、ジシアノメチレンピラン、フェノキザゾン、ポリフィリン誘導体等の蛍光発光材料、ビス[(4,6−ジフルオロフェニル)−ピリジナト−N,C2’]ピコリネート イリジウム(III)(FIrpic)、トリス(2−フェニルピリジル)イリジウム(III)(Ir(ppy))、トリス(1−フェニルイソキノリン)イリジウム(III)(Ir(piq))等の燐光発光有機金属錯体等が挙げられる。
また、ドーパント材料を用いる時のホスト材料としては、有機EL用の公知のホスト材料を用いることができる。このようなホスト材料としては、上述した低分子発光材料、高分子発光材料、4,4’−ビス(カルバゾール)ビフェニル、9,9−ジ(4−ジカルバゾール−ベンジル)フルオレン(CPF)等のカルバゾール誘導体等が挙げられる。
また、電荷注入輸送層は、電荷(正孔、電子)の電極からの注入と有機発光層への輸送(注入)をより効率よく行う目的で、電荷注入層(正孔注入層31、電子注入層36)と電荷輸送層(正孔輸送層32、電子輸送層35)に分類され、以下に例示する電荷注入輸送材料のみから構成されていてもよい。また、任意に添加剤(ドナー、アクセプター等)等を含んでいてもよく、これらの材料が高分子材料(結着用樹脂)又は無機材料中に分散された構成であってもよい。
電荷注入輸送材料としては、有機EL用、有機光導電体用の公知の電荷輸送材料を用いることができる。このような電荷注入輸送材料は、正孔注入輸送材料および電子注入輸送材料に分類され、これらの具体的な化合物を以下に例示するが、本発明はこれらの材料に限定されるものではない。
正孔注入・正孔輸送材料としては、例えば、酸化バナジウム(V)、酸化モリブデン(MoO)等の酸化物;無機p型半導体材料、ポルフィリン化合物、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)−ベンジジン(TPD)、N,N’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニル−ベンジジン(NPD)等の芳香族第三級アミン化合物;ヒドラゾン化合物、キナクリドン化合物、スチリルアミン化合物等の低分子材料;ポリアニリン(PANI)、ポリアニリン−樟脳スルホン酸(PANI−CSA)、3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンサルフォネイト(PEDOT/PSS)、ポリ(トリフェニルアミン)誘導体(Poly−TPD)、ポリビニルカルバゾール(PVCz)、ポリ(p−フェニレンビニレン)(PPV)、ポリ(p−ナフタレンビニレン)(PNV)等の高分子材料等が挙げられる。
また、陽極からの正孔の注入・輸送をより効率よく行う点で、正孔注入層として用いる材料としては、正孔輸送層に使用する正孔注入輸送材料より最高被占分子軌道(HOMO)のエネルギー準位が低い材料を用いることが好ましい。正孔輸送層としては、正孔注入層に使用する正孔注入輸送材料より正孔の移動度が、高い材料を用いることが好ましい。
また、より正孔の注入・輸送性を向上させるため、上記正孔注入・輸送材料にアクセプタをドープすることが好ましい。アクセプタとしては、有機EL用の公知のアクセプタ材料を用いることができる。これらの具体的な化合物を以下に例示するが、本発明はこれらの材料に限定されるものではない。
アクセプタ材料としては、Au、Pt、W、Ir、POCl、AsF、Cl、Br、I、酸化バナジウム(V)、酸化モリブデン(MoO)等の無機材料;TCNQ(7,7,8,8,−テトラシアノキノジメタン)、TCNQF(テトラフルオロテトラシアノキノジメタン)、TCNE(テトラシアノエチレン)、HCNB(ヘキサシアノブタジエン)、DDQ(ジシクロジシアノベンゾキノン)等のシアノ基を有する化合物;TNF(トリニトロフルオレノン)、DNF(ジニトロフルオレノン)等のニトロ基を有する化合物;フルオラニル、クロラニル、ブロマニル等の有機材料が挙げられる。この内、TCNQ、TCNQF、TCNE、HCNB、DDQ等のシアノ基を有する化合物がよりキャリア濃度を効果的に増加させることが可能であるためより好ましい。
電子注入・電子輸送材料としては、例えば、n型半導体である無機材料、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、チオピラジンジオキシド誘導体、ベンゾキノン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、ジフェノキノン誘導体、フルオレノン誘導体、ベンゾジフラン誘導体等の低分子材料;ポリ(オキサジアゾール)(Poly−OXZ)、ポリスチレン誘導体(PSS)等の高分子材料が挙げられる。特に、電子注入材料としては、特にフッ化リチウム(LiF)、フッ化バリウム(BaF)等のフッ化物、酸化リチウム(LiO)等の酸化物等が挙げられる。
電子の陰極からの注入・輸送をより効率よく行う点で、電子注入層36として用いる材料としては、電子輸送層35に使用する電子注入輸送材料より最低空分子軌道(LUMO)のエネルギー準位が高い材料を用いることが好ましく、電子輸送層35として用いる材料としては、電子注入層36に使用する電子注入輸送材料より電子の移動度が高い材料を用いることが好ましい。
また、より電子の注入・輸送性を向上させるため、上記電子注入・輸送材料にドナーをドープすることが好ましい。ドナーとしては、有機EL用の公知のドナー材料を用いることができる。これらの具体的な化合物を以下に例示するが、本発明はこれらの材料に限定されるものではない。
ドナー材料としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Al、Ag、Cu、In等の無機材料;アニリン類、フェニレンジアミン類、ベンジジン類(N,N,N’,N’−テトラフェニルベンジジン、N,N’−ビス−(3−メチルフェニル)−N,N’−ビス−(フェニル)−ベンジジン、N,N’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニル−ベンジジン等)、トリフェニルアミン類(トリフェニルアミン、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニル−アミノ)−トリフェニルアミン、4,4’,4’’−トリス(N−3−メチルフェニル−N−フェニル−アミノ)−トリフェニルアミン、4,4’,4’’−トリス(N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ)−トリフェニルアミン等)、トリフェニルジアミン類(N,N’−ジ−(4−メチル−フェニル)−N,N’−ジフェニル−1,4−フェニレンジアミン)等の芳香族3級アミンを骨格にもつ化合物、フェナントレン、ピレン、ペリレン、アントラセン、テトラセン、ペンタセン等の縮合多環化合物(ただし、縮合多環化合物は置換基を有してもよい)、TTF(テトラチアフルバレン)類、ジベンゾフラン、フェノチアジン、カルバゾール等の有機材料がある。この内特に、芳香族3級アミンを骨格にもつ化合物、縮合多環化合物、アルカリ金属がよりキャリア濃度を効果的に増加させることが可能であるためより好ましい。
これら正孔注入層31、正孔輸送層32、有機発光層33、正孔防止層34、電子輸送層35、および、電子注入層36から構成される有機層30は、上記の材料を抵抗加熱蒸着法、電子線(EB)蒸着法、分子線エピタキシー(MBE)法、スパッタリング法、有機気相蒸着(OVPD)法等の公知のドライプロセスを用いて形成される。
一般的に有機層の形成には蒸着法が用いられる事が多い。また、上記の材料を溶剤に溶解、分散させた有機層形成用塗布液を用いて、スピンコーティング法、ディッピング法、ドクターブレード法、吐出コート法、スプレーコート法等の塗布法、インクジェット法、凸版印刷法、凹版印刷法、スクリーン印刷法、マイクログラビアコート法等の印刷法等による公知のウェットプロセスを用いて形成されても良い。
ウェットプロセスにより有機層30を形成する場合には、形成用塗布液に、レベリング剤、粘度調整剤等の塗布液の、物性を調整するための添加剤を含んでいてもよい。
また、有機層はレーザー転写法、熱転写法等の転写法により形成することもできる。
転写に用いる転写用部材は、基材上に順次形成された、光熱変換層、中間層、そして光熱変換層の作用により加熱されて溶融し、受像要素にパターン状に転写される転写層を備えている。転写層には有機層30を構成する材料が含まれている。
有機層30の膜厚は、通常1〜1000nm程度であるが、10〜500nmが好ましい。膜厚が上記下限未満であると、本来必要とされる物性(電荷の注入特性、輸送特性、閉じ込め特性)を得ることが困難である。また、ゴミ等の異物による画素欠陥が生じるおそれがある。また、膜厚が上記上限を超えると有機層30の抵抗成分により駆動電圧の上昇が生じ、消費電力の上昇に繋がる。
(第一電極および第二電極)
図3に示す第一電極20および第二電極21は、有機EL素子の陽極又は陰極として対で機能する。つまり、第一電極20を陽極とした場合には、第二電極21は陰極となり、第一電極20を陰極とした場合には、第二電極21は陽極となる。
図4(a)および(b)は、第一電極20の端子14と第二電極21の端子15との位置関係を示す説明図である。第一電極20および第二電極21は、後述する導線群と連結して導線群を介して電力供給を受けるための端子を有しており、例えば図4(a)および図4(b)に示すように、第一電極20の端子14が長方形の基板10上の一方の端部に設けられており、第二電極21の端子15が同様に長方形の基板10上の他方の端部に設けられている。端子14および端子15は導線群との配線が容易であれば、基板10上の任意の位置に設置することが可能である。なお、図4(a)および図4(b)は、基板10の短辺に沿って夫々設けた例である。
以下に、第一電極20および第二電極21として用いることができる具体的な化合物および形成方法を例示するが、本発明はこれらの材料および形成方法に限定されるものではない。
第一電極20および第二電極21を形成する電極材料としては公知の電極材料を用いることができる。
陽極を形成する電極材料としては、図3における有機発光層33への正孔の注入をより効率よく行う観点から、仕事関数が4.5eV以上の金(Au)、白金(Pt)及びニッケル(Ni)等の金属や、インジウム(In)と錫(Sn)からなる酸化物(ITO)、錫(Sn)の酸化物(SnO)及びインジウム(In)と亜鉛(Zn)からなる酸化物(IZO)等の透明導電材料が挙げられる。
また、陰極を形成する電極材料としては、図3における有機発光層33への電子の注入をより効率よく行う観点から、仕事関数が4.5eV以下のリチウム(Li)、カルシウム(Ca)、セリウム(Ce)、バリウム(Ba)、アルミニウム(Al)等の金属、又は、これらの金属を含有するMg:Ag合金、Li:Al合金等の合金が挙げられる。
第一電極20および第二電極21は、上記の材料を用いてEB蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、抵抗加熱蒸着法等の公知の方法により形成することができるが、本発明はこれらの形成方法に限定されるものではない。また、必要に応じて、フォトリソグラフフィー法、レーザー剥離法により、形成した電極をパターン化することもでき、シャドーマスクと組み合わせることで直接パターン化した電極を形成することもできる。
電極の膜厚は、50nm以上が好ましい。膜厚が50nm未満の場合には、配線抵抗が高くなることから、駆動電圧の上昇が生じるおそれがある。
有機発光層33からの発光を基板側から取り出すためには、第一電極20が透明電極、もしくは、半透明電極であることが好ましい。また、有機発光層33からの発光を封止側から取り出す場合(本実施の形態の場合)には、第二電極21が透明電極、もしくは、半透明電極であることが好ましい。透明電極材料としては、ITO、IZOが特に好ましい。
透明電極の膜厚は、50〜500nmが好ましく、100〜300nmがより好ましい。膜厚が50nm未満の場合には、配線抵抗が高くなることから、駆動電圧の上昇が生じるおそれがある。また、膜厚が500nmを超える場合には、光の透過率が低下することから輝度が低下するおそれがある。
本発明に係る照明装置の場合に、ロールカーテン1に適用するために用いられる有機EL素子の発光面積を、従来の有機EL素子と比較して大きくしてもよい。有機EL素子の発光面積を大きくした場合、透明電極材料の導電率と光の透過率とがトレード・オフの関係であるため、必ずしも充分な導電率を確保できない場合がある。この場合は、導電性の高い銀などの金属材料を補助電極として透明電極に接して形成することも可能である。
また、色純度の向上、発光効率の向上等の目的でマイクロキャビティ(干渉)効果を用いる場合、又は、有機発光層からの発光を第一電極20側(第二電極21側)から取り出す場合には、第一電極20(第二電極21)として半透明電極を用いることが好ましい。
半透明電極材料としては、金属の半透明電極単体、もしくは、金属の半透明電極と透明電極材料の組み合わせを用いることが可能であるが、半透明電極材料としては、反射率・透過率の観点から、銀が好ましい。
半透明電極の膜厚は、5〜30nmが好ましい。膜厚が5nm未満の場合には、光の反射が十分に行われず、干渉の効果を十分得ることができない。また、膜厚が30nmを超える場合には、光の透過率が急激に低下することから輝度、効率が低下するおそれがある。
ここで、有機発光層33からの発光を第一電極20から取り出す場合には、第二電極21(第二電極21から取り出す場合には、第一電極20)として光を透過しない電極を用いることが好ましい。この際に用いる電極材料としては、例えば、タンタル、炭素等の黒色電極;アルミニウム、銀、金、アルミニウム−リチウム合金、アルミニウム−ネオジウム合金、アルミニウム−シリコン合金等の反射性金属電極;透明電極と上記反射性金属電極(反射電極)を組み合わせた電極等が挙げられる。
(エッジカバー)
第一電極20の端部において、第一電極20と第二電極21との間でリーク(短絡)を起こすことを防止する目的でエッジカバー28(図5)を設けることができる。ここで、図5および図6を用いて、エッジカバー28の構成および効果について説明する。
図5は、エッジカバー28を第一電極20の端部に設けた状態の照明部の断面構成を示した断面図であり、図6は、図5に対する比較構成であって、エッジカバー28を配設していない状態の照明部の断面構成を示した断面図である。なお、図5および図6には光拡散機能層40は省略されている。
エッジカバー28は、図5に示すように、第一電極20のエッジ部に設けられる。エッジカバー28を配設しない場合、図6に示すように、第一電極20のエッジ部で有機層30が薄くなり、第一電極20と第二電極21との間でリークを起こす可能性がある。エッジカバー28は、このリークを効果的に防止することができる。
エッジカバー28は、絶縁材料を用いてEB蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、抵抗加熱蒸着法、塗布法等の公知の方法により形成することができ、公知のドライおよびウェット法のフォトリソグラフィー法によりパターン化をすることができるが、本発明はこれらの形成方法に限定されるものではない。
上記絶縁材料としては、公知の材料を使用することができ、本発明では特に限定されないが、光を透過しやすい材料として、例えば、SiO、SiON、SiN、SiOC、SiC、HfSiON、ZrO、HfO、LaO等が挙げられ、安価に作製可能な材料としてフォトレジスト材料が挙げられる。
また、エッジカバー28の膜厚としては、100〜2000nmが好ましい。100nm以下であると、絶縁性が十分ではなく、第一電極20と第二電極21との間でリークが起こり、消費電力の上昇、非発光の原因となるおそれがある。また、2000nm以上であると、成膜プロセスに時間がかかり、生産性の悪化、エッジカバー28での第二電極21の断線の原因となる場合がある。
[封止部]
封止部12として、図3に示すように、第二電極21の上に、更に、封止を行う目的で、酸化物もしくは窒化物、又は金属窒化物等の無機膜あるいは樹脂膜を介してガラス、樹脂、金属等の封止基板、もしくは封止膜を設ける。
封止基板および封止膜としては、公知の封止材料および封止方法により形成することができる。具体的には、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガスをガラス、金属等で封止する方法が挙げられる。更に、封入した不活性ガス中に酸化バリウム等の吸湿剤等を混入する方が、より水分による有機EL素子の劣化を効果的に低減できるため好ましい。第二電極21上に樹脂をスピンコート法、ODF、ラミネート法を用いて塗布、または、貼り合わせることによって封止膜とすることがさらに好ましい。第二電極21上に、プラズマCVD法、イオンプレーティング法、イオンビーム法、スパッタ法等により、SiO、SiON、SiN等の酸化物もしくは窒化物、又は金属窒化物からなる無機膜を形成した後、更に、樹脂をスピンコート法、ODF、ラミネート法を用いて塗布、または、貼り合わせることによって封止膜とすることが最も好ましい。
この封止膜により、外部からの素子内への酸素や水分の混入を防止することができ、有機EL素子の寿命が向上するとともに、このような封止構造を有することで、有機ELパネル全体として可撓性が高く適度な弾性を有することとなり、スクリーンの巻取りによる変形の影響を受けにくくなる。また、本発明は、これらの部材や形成方法に限定されるものではない。
また、有機層30からの光を第二電極21側から取り出す場合(本実施の形態の場合)は、封止膜、封止基板共に光透過性の材料を使用する必要がある。なお、封止基板は必ずしも必要ではなく、無機膜と樹脂膜のみで封止を行ってもよい。
(導線群)
導線群は、有機EL素子に応じた電力を供給する給電部と当該有機EL素子とを直接に、または間接的に電気的に接続し、第一電極の端子および第二電極の端子より、有機EL素子(発光素子)に電力を供給する。
具体的には、導線群は、図1(a)に示す導線群3において、照明部200−1〜200−nのそれぞれの一方の短辺側に設けられた端子である端子14(図1(a)には図示せず。)に電気的に接続される第一導線と、照明部200−1〜200−nのそれぞれの他方の短辺側に設けられた端子である端子15(図1(a)には図示せず。)に電気的に接続される第二導線とから構成されている。該第一導線および該第二導線は、該照明部に配設された複数の有機ELパネルに対し個別・独立であってもよいが、配線経路の一部において一本に複数の導線を束ねた集合導線を用いてもよい。
配線経路の一部において集合導線を用いる場合は、有機ELパネルの配置の妨げにならないよう、スクリーン105の両端近傍に配置することが好ましい。また、集合導線がスクリーン105を巻き取ったときに同じ位置に重なるように巻き取られる場合、その部分だけ厚みが増して巻きずれを起こす可能性があるため、スクリーン105を巻き取った際に集合導線が重ならないようにすることが好ましい。すなわち、スクリーン105の長手方向に対し、集合導線の延長方向が成す角度θxを、一定の角度θmin以上にするのが好ましい。
ローラパイプ104の円周長に対し、集合導線の幅が十分短い場合は、比較的θxが小さくても、集合導線が重ならないようにすることができるが、集合導線の幅が大きいほど、θxを大きくする必要がある。つまり、ローラパイプ104の円周長と集合導線の幅によりθminの値は決定され、ローラパイプ104の円周長が長く、集合導線の幅が短いほど、θminの値は小さくなることになる。
導線群3の材料は、電源から電力を供給することができるものであれば特に限定されず、公知の材料を使用できる。例えば銅、銀、金、アルミニウムなどが挙げられる。また、無機材料に限定されず、有機材料で構成される導線を用いることもできる。
中でも、導線群3として、FPC(Flexible Print Circuit)を用いることが好ましい。FPCを用いて給電部と有機ELパネルとを接続する際、複数の各パネルに対して個別・独立に配線してもよいが、配線経路の一部において、一本のFPCが複数の導線パターンを有する、前記集合導線として用いてもよい。
集合導線としてFPCまたはFPCの様に厚みが十分薄いものを用いる場合は、例えば、スクリーン105の長手方向に平行にFPCを配置した場合であっても、FPCを配置した部分だけ極端に厚みが増すことが無いため、巻取り時に位置ずれを起こしにくく好ましい。
FPCを導線群3として用いる場合、FPCと有機ELパネル、更には、場合によってはFPCと他のFPCを接続する必要があるが、これらの接続には、ACF(Anisotropic Conductive Film)を用いることが出来る。但し、ACFによる接続はかなり高温の熱圧着(例えば、150〜180℃で10秒程度の加熱・加圧)が必要なため、スクリーン105の部材を損傷するおそれがある。これを避けるには、導電性の接着剤を用いることが好ましい。このような接着剤としては、例えば銀ペーストが挙げられるが、これに限定されず、常温硬化し硬化後にある程度弾性が残るものが好ましい。また、両面に導電性粘着剤が付与された金属テープを用いることも好ましい。このような金属テープとしては、例えば銅箔両面テープ#796(株式会社寺岡製作所製)等が挙げられる。
有機ELパネルは通常矩形形状であり、4辺の少なくとも1辺が有機ELパネルの端子辺となっている。端子辺にFPCをACFで接続する場合、ACFの主材料は通常熱硬化樹脂であり、硬化後は硬くもろいため、ローラパイプ104に巻き取られることにより亀裂が入ったり剥がれたりしてしまう可能性がある。これを抑制するため、有機ELパネルの端子辺をローラパイプ104の軸方向に対して斜めにすることが好ましい。この理由は次のように説明できる。
端子辺とFPCを接続しているACF部分は、最も短い幅方向が最も曲げに弱い。最も短い幅方向は、通常、端子辺と直角方向である。この方向の曲率を小さくすることでACF部分の破壊を抑制することができる。端子辺がローラパイプ104の軸方向に対して斜めになることにより、ACF部分の最も短い幅方向の曲率がローラパイプの曲率よりも小さくなるため、ACF部分の破壊を抑制できる。
一方で、ローラパイプの軸方向に対して直角の方向は最も曲率が大きく、この方向に曲げられる長さは短い方が好ましい。従って、通常、ACF部分の最も長い幅方向である端子辺に平行な方向も、ローラパイプ104の軸方向に対して斜めであることが好ましい。
以上より、端子辺とローラパイプ104の軸方向との角度は、45°±30°であることが好ましい。
前述したように、照明部200−1〜200−nはスクリーン105に設置される。従って、導線群3をスクリーン105自体に埋め込むことによって導線群3を視認困難にして、導線群3によるロールカーテン1のデザイン性の悪化を防ぐことができる。
(スクリーン105の構造及び製法)
スクリーン105は一枚の幕状の生地からなっていてもよいが、表地と裏地の2枚の生地からなる2層構造を有することが好ましい。有機ELパネル及び導線群3を表地と裏地の間に配置し、表地の有機ELパネルの発光領域に対応する箇所をくり抜いておくことにより、見栄えがよく、導線群3の保護も可能となるからである。
この場合、有機ELパネルの周辺部と表地とを接着することによって、有機ELパネルをスクリーン105に固定することになるが、接着領域が周囲から盛り上がってしまうことにより全体の美観を損ねてしまう場合がある。この場合は、次の1)〜4)のうち少なくともいずれかひとつを行うことが好ましい。
1)接着領域の表地表面側に色柄模様を配し、美観を維持すること、
2)表地と裏地の間であって有機ELパネル及び導線群3が存在しない領域に、有機ELパネル及び導線群3と同等の厚みのスペーサーを配すること、
3)表地と裏地を接着する接着剤に十分な厚みを持たせ、有機ELパネル及び導線群3を挟んで表地と裏地を貼り合せた際に、接着剤によって凹凸が軽減されるようにすること、
4)表地の外側に、有機ELパネルからの発光を十分透過する程度の薄地の化粧生地を設けること。
中でも、1)接着領域の表地表面側に色柄模様を配すること、が簡便かつ低コストで実現でき、より好ましい。
スクリーン105を構成する生地を切断する場合は、レーザカッターを用いることが好ましい。スクリーン105が布である場合は、断面からの生地のほつれが抑制できる。
スクリーン105の端部を切断する場合は、レーザカッターに加え、超音波カッターを用いてもよい。特に、スクリーン105の生地が化学繊維(化繊)または化繊を含む混紡繊維から成る生地である場合、レーザカッターまたは超音波カッターによる熱で断面の化繊が溶融固化することにより、ほつれを防止するとともに見栄え良く加工することができ、より好ましい。
化繊としては好ましくはポリエステル、ナイロン、アクリル、ウレタンなどであり、混紡の場合に化繊と共に用いられる繊維は、綿、麻、絹などの天然繊維である。また、天然繊維で作られた生地に熱可塑性樹脂をコーティングしたり熱可塑性樹脂フィルムをラミネートしたりした生地も、レーザカッターまたは超音波カッターによって切断された部分がほつれないため、使用可能である。
(有機ELパネルの制御方法)
本照明装置においては、スクリーン105が、ローラパイプ104に完全に巻き上げられた状態では有機ELパネルへの給電を行わず、スクリーン105が、ローラパイプ104から引き出されて、任意の引き出し長さで固定された場合に有機ELパネルへの給電がおこなわれるように制御可能な機構を有していてもよい。このような機構を有することで、電力消費を抑えたり、完全に巻き上げられた状態で誤って点灯スイッチが押されて無駄に電力を消費したり、不測の事故、例えば発熱による火災など、を防止することが可能であり好ましい。
また、スクリーン105が、ローラパイプ104に巻き取られている最中または引き出されている最中、すなわち、ローラパイプ104が少しでも回転運動している状態では有機ELパネルへの給電を行わないようにすることも好ましい。このような機構を有することで、機械的に稼動状態にある有機ELパネルや導線群3が存在する場合に通電せず、導線群3の劣化を抑制することが可能である。
ロールカーテン1は、前述の通り、スクリーン105を一部のみ引き出した状態で使用する場合も想定される。この場合、ローラパイプ104に一部でも巻き取られた状態にある有機ELパネルには通電しないように制御することが好ましい。このような機構を有することで、電力消費を抑えたり、不測の事故、例えば発熱による火災などを防止したりすることが可能であり好ましい。
(制御部)
本照明装置の制御部は、回路構成を簡略化できるためPWM(Pulse Width Modulation)駆動回路を有することが好ましい。
また、複数の有機ELパネルに対し、各有機ELパネルを独立して制御可能であることが好ましい。複数の有機ELパネル間の輝度等のバラツキが生じた場合でも補正することが可能である。
制御部を、ローラパイプ104内に設けることにより、ロールカーテン1をコンパクトに製造でき、好ましい。一方、制御部をローラパイプ104の外、例えば、図1(a)及び(b)のフレーム102の上または下に筐体を設けて設置しても良い。このようにすることで精密電子機器である制御部が回転しないため、故障の発生率が低減され好ましい。
(本照明装置における導線の配置)
本照明装置においては、ローラパイプ104にスクリーン105が取り付けられるため、スクリーン105に設けられている有機ELパネルへの配線は、必然的にローラパイプ104を介することになる。
従って、本照明装置においては、ローラパイプ104内に、導線群3の少なくとも一部が配置されることが好ましい。この場合、外部からローラパイプ104内へ引き入れる導線には、あらかじめローラパイプ104の最大回転数に応じた捻り、または長さの余裕を、ローラパイプ104の回転軸より外側あるいはローラパイプ104内部に設けておくことが、導線の捻じれによる破損を防ぐ上で好ましい。
あるいは、ローラパイプ104の回転軸近傍にスリップリング機構を設け、スリップリング機構を介して導線群3を各有機ELパネルに接続してもよい。このようにすることで、ローラパイプ104を回転させた場合において、導線群3に捻じれが発生しないため、導線群3の機械的疲労による断線を防止出来るので好ましい。
[光拡散機能層]
本実施の形態のロールカーテン1の照明部200(有機ELパネル)には、光を拡散させる光拡散機能層40が配置されている。光拡散機能層40について説明する。
本発明における光拡散機能層40とは、この層に入射した光を拡散もしくは散乱させる機能を有する層を総称する。光拡散機能層40に入射した光を拡散させる場合として、具体的には2つの場合が考えられる。1つは外部から入射した光を光拡散機能層40で拡散する場合であり、もうひとつは照明部200の有機EL素子からの光を光拡散機能層40で拡散させる場合である。
照明部200が設置されているスクリーン105の第1面105a側の外部の発光源からの光(例えば、シーリングライトからの光や、他の照明器具からの光)が本照明装置に入射することが想定される。この光の反射如・BR>スによっては、ギラつき感等の不快感や、他の照明器具からの光の映り込み等が誘発される。
通常、有機EL素子はガラス基板や透明樹脂基板等の基板と封止部で挟持されており、基板側から光を取り出すボトムエミッション型の場合は特に、基板の平滑性・光学特性から映り込みや外光反射が起きやすい構成となっている。
更に、有機EL素子の光射出側とは反対側にある電極はAl材料やAg材料及びそれらを含む合金等を用いた反射電極であることが一般的であるが、この場合は、鏡面として作用し、封止部から光を取り出すトップエミッション型の場合(本実施の形態の場合)でも影響は顕著である。
これらの外光に対する光拡散機能を付与すれば、ギラつき感のない自然な光をスクリーン105の第1面105aの外方側に戻すことが可能となり、また、映り込みを抑制することが出来るため、好ましい。尚、外部からの光を効果的に拡散させる為には、該光拡散機能層40を照明部200の最表面に配置させることが好ましい。
外部からの光を拡散させる場合、光を拡散させることができれば、光拡散機能層40の形状や構成・材質等は任意のものを適宜選択できるが、表面が凹凸構造を有する場合、この表面形状で散乱が起こり、効果的に散乱が誘発されるため好ましい。更には、光拡散機能層40の最表面形状がランダムな非周期状に賦形された層であることが好ましい。ランダムであれば、特定の方向に光を射出すること無く、拡散させることができるため、理想的な拡散光が得られやすい。
また、光拡散機能を発現する別の方法として、屈折率の異なる散乱粒子をマトリックス中に分散させた層を用いることも好ましい。散乱粒子のサイズや濃度、用いるマトリックスや散乱粒子の屈折率を適宜選定することで、散乱の程度や配光を制御することが可能である。この場合、マトリックスと散乱粒子の屈折率差Δnは0.1以上が好ましい。屈折率の異なる散乱粒子をマトリックス中に分散させた層を用いる場合、最表面に配置されなくとも散乱機能が得られる。この場合、光拡散機能層の効果を損なわない範囲で、必要に応じて最表面に任意の機能層を付与することも可能である。
有機ELパネルは面発光ではあるものの、その構成から、発光に特定の配向を有するのが一般的である。一方、室内照明用の光源として、その用途・シーンに応じて、色々な光が求められており、その一つとして特定方向に強い配光をもたない、ランバーシアン配光のような拡散光源が挙げられる。
光拡散機能層40を用いて有機EL素子からの光を拡散させる為には、該光拡散機能層40を有機ELパネルの光射出側に、すなわち照明部200の光射出側に配置させる必要がある。この場合、有機EL素子からの光が光拡散機能層40に入射し、光拡散機能層40で拡散されて光が外部へ放射される。これにより簡便に拡散光を得ることが可能となる。
目的の拡散光が得られるよう、有機EL素子自身の配光に合わせて、光拡散機能層40の形状や構成・材質等は任意のものを適宜選択できる。
光拡散機能層40は外部からの光を効果的に拡散させる為、結果として有機EL素子内部への外光の入射量を減らす効果がある。これにより外光による有機EL素子中の有機材料の分解・劣化が抑制され、照明として機能の低下を抑制することができる。
スクリーン105における照明部200同士やスクリーン105が巻き上げられているときの第2面105bとの接触による破損防止の点も考慮し、有機ELパネルの最表面に何らかの保護フィルムが配置されていることが好ましい。光拡散機能層40が最表面に配置されている場合は、この保護機能を担う事が可能である。
光拡散機能層40が、有機EL素子からの光取り出し機能も有する場合、有機EL素子からの光の利用効率が向上するため、高効率化による低消費電力化(投入電力が同じ場合は高輝度化)が期待されるため、好ましい。
光拡散機能層40が光取り出し機能を発現するためには、有機EL素子の光射出側の最表面に接して設置される事が必要である。さらに、有機EL素子の光射出側の最表面にある部材と、同程度の屈折率(Δn=±0.1程度)を有することが必要である。
例えば、ガラス基板側に光を取り出すボトムエミッション構造の場合、ガラスの屈折率は1.5程度であるが、この場合の光拡散機能層40の屈折率は1.4〜1.6程度であることが好ましい。光取り出し機能を発現するためには、幾つかの状態が考えられる。例えば、周期構造を有している状態や散乱粒子を分散させた状態等がこれに当たる。
光拡散機能層40が、周期構造を有した層である場合、周期構造は表面形状が周期的に形成されていてもよいし、表面形状は平滑だが、屈折率が周期的に変化した層であってもよい。光拡散機能層40が、屈折率の異なる散乱粒子をマトリックス中に分散させた層である場合は、マトリックスの屈折率が有機EL素子の光射出側の最表面にある部材と同程度の屈折率であることが好ましい。
マトリックスとしては賦形の容易性などから樹脂材料を用いることが好ましい。散乱粒子としては、マトリックスと屈折率差が得られれば、任意の材料を用いることができる。例えば、低屈折率材料としては気泡等が挙げられる。高屈折材料としてはTiO、SiO、ZnO等の無機酸化物が挙げられる。
散乱粒子の濃度や大きさは、最終的に得られる光取り出し効率が向上し、特定方向に強い配光をもたない光が得られる範囲であれば任意である。
光拡散機能層40の表面形状は、その機能を損なわない限り、任意の形状を取ることが可能である。平滑であっても凹凸であってもよく、マイクロレンズが並置された形状、ピラミッド型レンズ(プリズム)が周期的に並置された構造等であってもよい。
光拡散機能層40を有機ELパネルの最表面に設置する場合、光拡散機能層40と有機ELパネルとの間に、光拡散機能層40を形成するために必要な基材や接着層があっても良い。この場合、基材や接着層も、光拡散機能層40や有機ELパネルの最表面にある部材と同程度の屈折率であることが好ましい。
光拡散機能層40はその機能を発揮する限りにおいて、他の機能を担ってもよい。例えば、有機EL素子を挟持する基板10もしくは封止部12の機能を併せ持っていてもよい。言い換えれば、光拡散機能を有する基板若しくは封止部12を用いて有機ELパネルを形成してもよい。
光拡散機能層40が基板10もしくは封止部12を兼ねる場合、つまり、基板10もしくは封止部12が光拡散機能層として機能する構成である場合、基板10もしくは封止部12に上述の方法で光拡散機能を付与する。
例えば、ガラスや樹脂中に、これらマトリックスとは屈折率の異なる粒子又は気泡を分散させた基板10を、光拡散機能を有する基板10として用いることが可能である。また、樹脂等、金型を用いた賦形が容易な材料を基板10として用いる場合、基板10の一方の面は平滑で、他方の面は金型を用いて凹凸を形成した基板を、光拡散機能を有する基板10として用いることが可能である。
これらの基板10は、基板10と光拡散機能の両方の機能を併せ持つ限りにおいて、材質や組成などは任意であって良い。光拡散機能層40として機能する基板10の光取り出し側に、更に光拡散機能や光取り出し機能等を有する機能性膜を設置してもよい。
光拡散機能層40として機能する封止部12の場合も、光拡散機能層40として機能する基板10の場合と同様である。
封止部材を構成する樹脂材料等にこれとは異なる屈折率を有する粒子または気泡を分散させて封止部12を形成してもよいし、封止部材の最表面に凹凸を賦形して、光拡散機能を付与してもよい。
本実施の形態によれば、スクリーン105に照明部200−1〜200−nがそれぞれ設置されているので、可撓性を有する大型の面状光源を用いることなく、スクリーン105をロール状に巻き取り可能な照明装置を実現することができる。
また、導線群3をスクリーン105自体に埋め込むことによって、導線群3を外部から視認困難にし、導線群3によるロールカーテン1のデザイン性の悪化を防ぐことができる。
光拡散機能層40によって、発光部11から出射される光を拡散させることができ、照明に必要な拡散光を容易に得ることができる。従って、平行光を照射する場合に比べてより広い面積を照射することができる。
また、光拡散機能層40によって、有機ELパネルに入射する外光の強度を効果的に弱めることができる。従って、有機材料の劣化が抑制され、照明としての機能の低下を抑制することができる。
光拡散機能層40が、有機EL素子からの光取り出し機能も有する場合、光の利用効率が向上するため、有機EL素子の長寿命化、ひいては省エネ効果も期待できる。投入電力を変えない場合には、高輝度の光を得られ、照明機能が強化される。
さらに、封止部12が光拡散機能層40の機能を兼ねるので、薄くて軽い照明装置を実現できる。
(変形例)
以上に述べた第1の実施の形態では、図2に示すように、光拡散機能層40は封止部12の上に設けられている。しかし、以上に述べた第1の実施の形態と同様な構成の光拡散機能層40が、基板10において、発光部11が配設されている面の反対側の面(他方の面)に設けられていてもよい。
図7は、以上に述べた第1の実施の形態と同様な構成の光拡散機能層40が基板10における他方の面に設けられた例を示す説明図であり、図1(a)におけるII−II断面図に相当する位置の断面が示されている。
図7に示すように、本変形例の照明部201では、光拡散機能層40は、基板10において、発光部11が配設されている一方の面の反対側の面に配設され、スクリーン105の第1面105aに対向する面である他方の面に設けられている。その他の構成は図2等を参照して前述した構成と同様である。
本変形例によれば、基板10に透明基板を採用すると、発光部11が基板10側に発して基板10を通過した光を、光拡散機能層40が反射して拡散し、再度基板10を通過させて発光部11および封止部12を介して外方に放射することができる。つまり、光拡散機能層40により、発光部11が基板10側に発した光を拡散させて封止部12側の外方に放射することができる。
なお、光拡散機能層40は、封止部12の上と基板10における他方の面との両方に設けられていてもよい。そのような構成であれば、発光部11によって、封止部12側に放射された光と基板10側に放射された光との両方を拡散して外方に放射することができる。
<第2の実施の形態>
以上に述べた第1の実施の形態では、封止部12を介して、有機EL素子である発光部11上に光を拡散させる光拡散機能層40が配置されていた。それに対して、第2の実施の形態では、有機EL素子上に太陽光からの紫外線(以下、単に「UV」ともいう。)を遮断するUV遮断機能層41が配置されている。その他、カーテン部100等の構成は第1の実施の形態における構成と同様なため、各構成には第1の実施の形態における符号と同じ符号を付し、説明を省略する。
図8は、第2の実施の形態の照明部202の構成を示す断面図であり、図1(a)におけるII−II断面図に相当する位置の断面が示されている。
図8に示すように、本実施の形態の照明部202は、第1の実施の形態における照明部200と同様に、基板10と、発光部11と、封止部12とを備えており、基板10の一方の面上に発光部11が配設され、当該発光部11の上に封止部12が配設されている。そして、図8に示すように、本実施の形態の照明部202において、封止部12の上には、UV遮断機能層41が設けられている。従って、UV遮断機能層41は、封止部12を介して有機EL素子である発光部11上に配設されていることになり、有機ELパネルに含まれる。
[UV遮断機能層]
本実施の形態におけるUV遮断機能層41は、太陽光からの紫外線を遮断する機能を有する。地上に降り注ぐ紫外線はUVAおよびUVBが含まれ、各々、有機物に対して影響を及ぼす。このため、UV遮断機能層41はUVAおよびUVBの両方を遮断する機能が求められる。
UV遮断機能としては95%以上(紫外線透過率5%以下)が好ましく、より好ましくは99%以上(紫外線透過率1%以下)である。UV遮断機能層41を照明部202の光射出側に設置する場合は、有機ELパネルからの光射出量を損なわない必要がある。この場合、可視光透過率は80%以上が好ましく、より好ましくは85%以上である。
以上のUV遮断機能と可視光透過率を両立するものであれば、材質や組成などは任意であってよい。また、UV遮断機能層41を照明部202の光射出側の反対側に設置する場合は、可視光透過率が上記値より低くてもよい。
UV遮断機能層41としては、有機ELパネルに直接貼合でき、後述の保護フィルムとしての機能も期待できるため、フィルム状のものが好ましい。有機ELパネルとUV遮断機能層41との間には、フィルム基材や粘着層があっても良い。この場合、基材や接着層も、UV遮断機能層41や有機ELパネルの最表面にある部材と同程度の屈折率であると、有機ELパネルからの光射出量を損なわない為好ましい。
この様な特性を有するUV遮断機能層41としては既存のUVカットフィルムが使用できる。例えば、SCOTCHTINT(登録商標)ウインドウフィルム(3M社製)やSCOTCHTINT(登録商標)オートフィルム(3M社製)、UVガードEX(富士フィルム社製)等を用いることができる。また、写真撮影用の光学フィルターを用いても良い。例えば、SCシリーズ(富士フィルム社製)等が挙げられる。SCシリーズはトリアセチルセルロースを基材に、これに紫外線吸収色素を分散させたフィルムである。
UV遮断機能層41は、UV照射により劣化する恐れのある箇所を覆うように設置されることが好ましい。劣化する恐れのある箇所としては、有機EL材料が含まれる発光面はもちろん、それ以外にも封止部材や樹脂基板等、有機物で作られた箇所が挙げられる。
これらを覆うように設置することで、有機ELパネルの信頼性が大幅に改善される。尚、設置される窓ガラスにUVカットフィルムが施工されている場合もあるが、ロールカーテン1の使用方法を鑑みると、窓が開けられている場合はやはり、直接太陽光が照明部202に照射されるため、照明部202(有機ELパネル)にもUV遮断機能層が設けられている方が、寿命・信頼性の観点から好ましい。
スクリーン105における照明部202同士やスクリーン105が巻き上げられているときの第2面105bとの接触による破損防止の点も考慮し、有機ELパネルの最表面に何らかの保護フィルムが配置されていることが好ましい。
UV遮断機能層41が照明部202の最表面に配置されている場合は、この保護機能を担う事が可能である。万一、接触等により破損した場合でも、飛散防止フィルムとして機能する保護フィルムであれば、安全性の観点から好ましい。飛散防止フィルムとは、JISA5759(2008年)で規定されている飛散防止性能の記号A及び記号Bを満足するものである。上述のSCOTCHTINT(登録商標)オートフィルム等はこの規格を満足するものである。
UV遮断機能層41はその機能を発揮する限りにおいて、他の機能を担ってもよい。例えば、有機EL素子を挟持する基板10もしくは封止部12の機能を併せ持ってもよい。言い換えれば、UV遮断機能を有する基板10もしくは封止部12を用いて有機ELパネルを形成してもよい。
上述のUV遮断機能層41がフィルム状の場合、紫外線照射による劣化で機能しなくなった時(例えば劣化によりフィルムが黄変した時)には、これを貼り替えるだけで機能が回復するため、好ましい。
第2の本実施の形態によれば、第1の実施の形態における効果と同様に、スクリーン105に照明部200−1〜200−nがそれぞれ設置されているので、可撓性を有する大型の面状光源を用いることなく、スクリーン105をロール状に巻き取り可能な照明装置を実現することができるという効果を奏する。
また、第1の実施の形態と同様に、導線群3をスクリーン105自体に埋め込むことによって導線群3を視認困難にして、導線群3によるロールカーテン1のデザイン性の悪化を防ぐことができる。
本実施の形態によれば、有機EL素子上のUV遮断機能層41によって、有機ELパネルに入射する外光の強度を効果的に弱めることができる。従って、発光材料や電荷輸送材料等の有機色素の劣化が抑制され、照明としての機能の低下を抑制することができる。
また、本実施の形態によれば、UV遮断機能層41によって、有機ELパネルの周辺部材、特に有機材料で形成された周辺部材の劣化を抑えられる。これにより、有機ELパネルの信頼性を維持することができる。
(変形例)
以上に述べた第2の実施の形態では、図8に示すように、UV遮断機能層41は封止部12の上に設けられていた。しかし、以上に述べた第2の実施の形態と同様な構成のUV遮断機能層41が、基板10において、発光部11が配設されている一方の面の反対側の面(他方の面)に設けられていてもよい。
図9は、以上に述べた第2の実施の形態と同様な構成のUV遮断機能層41が、基板10における他方の面に設けられた例を示す説明図であり、図1(a)におけるII−II断面図に相当する位置の断面が示されている。
図9に示すように、本変形例の照明部203では、UV遮断機能層41は、基板10において、発光部11が配設されている一方の面の反対側の面であり、スクリーン105の第1面105aに対向する面である他方の面に設けられている。その他の構成は図8を参照して前述した構成と同様である。
本変形例によれば、スクリーン105を透過したUVの有機ELパネル内への入射を良好に防止し、紫外線による前述した有機材料で作られた部材の劣化を良好に防止することができる。
なお、UV遮断機能層41は、封止部12の上と基板10における他方の面との両方に設けられていてもよい。そのような構成によれば、封止部12側からの有機ELパネルへの紫外線の入射とスクリーン105を透過した紫外線の有機ELパネル内への入射とを良好に防止し、紫外線による前述した有機物で作られた箇所の劣化をより良好に防止することができる。
<第3の実施の形態>
上述した第1の実施の形態では、有機EL素子上に光拡散機能層40が配置され、第2の実施の形態では、有機EL素子上にUV遮断機能層41が配置されていた。それに対して、第3の本実施の形態では、有機EL素子上に当該有機EL素子が発した熱を放出するとともに外方からの赤外線の入射を抑制する放熱機能層42が配置されている。その他、カーテン部100等の構成は第1の実施の形態における構成および第2の実施の形態における構成と同様なため、各構成には第1の実施の形態における符号と同じ符号を付し、説明を省略する。
図10は、第3の実施の形態の照明部204の構成を示す断面図であり、図1(a)におけるII−II断面図に相当する位置の断面が示されている。
図10に示すように、本実施の形態の照明部204は、第1の実施の形態における照明部200と同様に、基板10と、発光部11と、封止部12とを備えており、基板10の一方の面上に発光部11が配設され、当該発光部11の上に封止部12が配設されている。そして、図10に示すように、本実施の形態の照明部204において、封止部12の上には、放熱機能層42が設けられている。従って、放熱機能層42は、封止部12を介して有機EL素子である発光部11上に配設されていることになり、有機ELパネルに含まれる。
[放熱機能層]
本実施の形態における放熱機能層42は、太陽光からの赤外線を遮断する機能および/または有機EL素子自身からのジュール熱を放射する機能を有する。
赤外線を遮断する機能(赤外線遮断能)としては40%以上(赤外線透過率60%以下)が好ましく、より好ましくは90%以上(赤外線透過率10%以下)、更に好ましくは95%以上(赤外線透過率5%以下)である。
放熱機能層42を照明部204の封止部12側の面(光射出面)に設置する場合は、光射出量を損なわない必要がある。この場合、可視光透過率は80%以上が好ましく、より好ましくは85%以上である。以上の赤外線遮断機能と可視光透過率とを両立するものであれば、材質や組成などは任意であってよい。
光射出面に設置する場合の具体例としては、薄膜干渉を利用した多層フィルムが挙げられる。この様な特性を有する放熱機能層42としては既存の赤外線カットフィルムが使用できる。例えば、マルチレイヤーNanoシリーズ(住友3M社製)やSCOTCHTINT(登録商標)オートフィルム(3M社製)、ウインコス(登録商標)アーキテクチュアルフィルム(リンテック社製)等を用いることができる。
また、放熱機能層42としては、フィルム状のものが照明部204に直接貼合でき、後述の保護フィルムとしての機能も期待できるため、好ましい。照明部204と放熱機能層42の間には、フィルム基材や粘着層があってもよい。この場合、基材や接着層も、放熱機能層42や照明部204の最表面にある部材と同程度の屈折率であると、照明部204からの光射出量を損なわない為、好ましい。
放熱機能層42は赤外線照射により温度上昇する恐れのある箇所および/または赤外線照射により劣化する恐れのある箇所の少なくとも一部を覆うように設置されることが好ましい。更に好ましくは有機ELパネルの全体を覆うように設置されることが好ましい。
赤外線照射により温度上昇する恐れのある箇所としては、赤外線を吸収しやすい材料、特に遠赤外線を吸収しやすい材料で形成された箇所が挙げられる。赤外線照射により劣化する恐れのある箇所としては、前述のとおり、有機材料を用いて形成された箇所が挙げられる。この場合、これらの箇所を覆うように設置することで、有機ELパネルの耐熱性が大幅に改善される。
また、放熱機能層42は有機ELパネル自身からのジュール熱を放射するように設置されることが好ましい。本発明の場合、有機ELパネルを照明として用いるが、照明はディスプレイ用途とは異なり、長時間比較的大きな電流を素子に加えることになる。これにより有機EL素子自身が発するジュール熱が無視できなくなり、発生した熱を素子外部へ放出させることが必須となる。熱が素子内部に溜まると素子の発光効率が低下すると共に、加熱環境下に長時間放置されるのと同じ影響が生じ、素子の寿命が短縮する。
発生したジュール熱を放射するように設置するには、有機ELパネルのうち、熱伝導の良好な箇所に放熱機能層42を設置するのが効果的である。例えば、膜封止構造や固体封止構造、液体封止構造を有する有機ELパネルの場合、基板面と封止面とでは、封止面に放熱機能層を貼合することが好ましい。ガラス基板を用いたパネルの場合、ガラス基板は熱伝導性が低いため、この効果は顕著である。
本発明に用いられる放熱機能層42の材料としては、熱伝導度の良好なものであれば、特に制限はない。例えば金属膜や、熱伝導度の高いセラミック材料を用いることができるが、好ましくは熱伝導率が20W/(m・K)以上、より好ましくは100W/(m・K)以上の材料である。具体的には、銅、アルミニウム、アルミナ、酸化亜鉛、炭化珪素、窒化アルミニウム等が挙げられる。
封止面が金属の場合や、熱伝導度の高い材料を放熱機能層として用いた場合、更に放熱塗料を塗ると効果的である。放熱塗料とは、熱を電磁波(赤外線)の形で放射する能力(熱放射能力)に優れた材料を含む塗料である。熱放射能力に優れた材料とは熱放射率の高い材料である。
好ましくは熱放射率が0.5以上、より好ましくは0.7以上の材料である。具体的には、シリカ、ジルコニア、炭化珪素、窒化アルミニウム等が挙げられる。これら、熱放射率の高い材料を含む塗料としては、熱放射塗料PELCOOL(登録商標、ペルノックス社製)、クールテック(オキツモ社製)等が挙げられる。
尚、設置される窓ガラスに遮光フィルムが施工されている場合もあるが、有機EL素子のジュール熱による温度上昇を抑制するため、照明部204にも放熱機能層42が設けられている方が寿命の観点から好ましい。
スクリーン105における照明部204同士やスクリーン105が巻き上げられているときの第2面105bとの接触による破損防止の点も考慮し、有機ELパネルの最表面に何らかの保護フィルムが配置されていることが好ましい。
放熱機能層42が照明部204の最表面に配置されている場合は、この保護機能を担う事が可能である。万一、接触等により破損した場合でも、飛散防止フィルムとして機能する保護フィルムであれば、安全性の観点から好ましい。飛散防止フィルムとは、JISA5759(2008年)で規定されている飛散防止性能の記号A及び記号Bを満足するものである。上述のSCOTCHTINT(登録商標)オートフィルム等はこの規格を満足するものである。
放熱機能層42はその機能を発揮する限りにおいて、他の機能を担ってもよい。例えば、有機EL素子を挟持する基板10もしくは封止部12の機能を併せ持ってもよい。言い換えれば、赤外線遮断機能を有する基板10もしくは封止部12を用いて有機ELパネルを形成してもよい。
上述の放熱機能層42がフィルム状の場合、長時間の赤外線照射による劣化で機能しなくなった時には、これを貼り替えるだけで機能が回復するため、好ましい。
第3の、本実施の形態によれば、第1の実施の形態および第2の実施の形態における効果と同様に、スクリーン105に照明部200−1〜200−nがそれぞれ設置されているので、可撓性を有する大型の面状光源を用いることなく、スクリーン105をロール状に巻き取り可能な照明装置を実現することができるという効果を奏する。
また、第1の実施の形態および第2の実施の形態と同様に、導線群3をスクリーン105自体に埋め込むことによって、導線群3を外部から視認困難にし、導線群3によるロールカーテン1のデザイン性の悪化を防ぐことができる。
本実施の形態によれば、有機EL素子上の放熱機能層42によって、有機ELパネルに入射する赤外線の強度を効果的に弱めることができる。また、有機ELパネル自身から発生するジュール熱を外方に逃がすことが可能となる。従って、発光材料や電荷輸送材料等の有機色素の劣化が抑制され、照明としての機能の低下を抑制することができる。そして、有機ELパネルの周辺部材、特に有機材料で形成された周辺部材の劣化を抑えられる。これにより、有機ELパネルの信頼性を維持することができる。
(変形例)
以上に述べた第3の実施の形態では、図10に示すように、放熱機能層42は封止部12の上に設けられている。しかし、以上に述べた第3の実施の形態と同様な構成の放熱機能層42が、基板10において、発光部11が配設されている一方の面の反対側の面(他方の面)に設けられていてもよい。
図11は、以上に述べた第3の実施の形態と同様な構成の放熱機能層42が基板10における他方の面に設けられた例を示す説明図であり、図1(a)におけるII−II断面図に相当する位置の断面が示されている。
図11に示すように、本変形例の照明部205では、放熱機能層42は、基板10において、発光部11が配設されている一方の面の反対側の面であり、スクリーン105の第1面105aに対向する面である他方の面に設けられている。この場合には、放熱機能層42の可視光透過率は任意でよい。例えば、赤外線反射率の高い金属薄膜を基板10の他方の面に設置してもよい。なお、その他の構成は図10を参照して前述した構成と同様である。
本変形例によれば、有機EL素子である発光部11が発した熱を、スクリーン105を介して第2面105b側に排出することができる。従って、有機ELパネルである照明部205の温度上昇を良好に抑制するとともに、スクリーン105の第1面105a側の周囲の温度上昇を良好に抑制することができる。
なお、放熱機能層42は、封止部12の上と基板10における他方の面との両方に設けられていてもよい。そのような構成によれば、有機ELパネルである照明部205の温度上昇をより良好に防止することができる。
<第4の実施の形態>
以上に述べた各実施の形態では、図1(a)に示すように、カーテン部100のスクリーン105の第1面105aに、照明部200−1〜200−nのそれぞれが、当該スクリーン105の長手方向および幅方向のいずれにおいても隣接する照明部200−1〜200−nのそれぞれと近接して3列で並べられて配置されている。しかし、照明部200−1〜200−nの設置態様は図1(a)に示されている態様に限らず、他の態様であってもよい。なお、その他、カーテン部100等の構成は第1の実施の形態、第2の実施の形態および第3の実施の形態における構成と同様なため、各構成には第1の実施の形態、第2の実施の形態および第3の実施の形態における符号と同じ符号を付し、説明を省略する。
図12は、第4の本実施形態における照明部200−1〜200−nの設置態様の例を示す説明図である。本実施の形態では、図12に示すように、照明部200−1〜200−nのうち、スクリーン105の長手方向に互いに隣接するもの同士は、所定の距離を離間され、スクリーン105の幅方向に互いに隣接するもの同士は、近接して3列で並べられて配置されている。そして、照明部200−1〜200−nのうち、スクリーン105の長手方向に互いに隣接するもの同士は、導線群3によって電気的に接続されている。
図12に示す例では、スクリーン105の長手方向において互いに隣接する照明部200−1〜200−n間の所定の距離は、当該隣接する照明部200−1〜200−n間に一の照明部200を設置するために要する距離に相当する。つまり、図12に示す例では、図1(a)に示す例に対して、スクリーン105の長手方向において1段おきに照明部200−1〜200−nがそれぞれ設置されている。
なお、照明部200−1〜200−nのうち、スクリーン105の長手方向に互いに隣接するもの同士の距離は、図1(a)に示す例や図12に示す例に限られず、他の距離であってもよい。
照明部200−1〜200−nの設置態様はさらに他の態様であってもよい。図13は、照明部200−1〜200−nの設置態様の第1変形例を示す説明図である。
図13に示す第1変形例では、照明部200−1〜200−nのうち、スクリーン105の幅方向に互いに隣接するもの同士は、照明部200の長手方向の長さに相当する距離を離間され、スクリーン105の長手方向に互いに隣接するもの同士は、近接して2列で並べられて配置されている。そして、照明部200−1〜200−nのそれぞれと、スクリーン105の長手方向に隣接する照明部200−1〜200−nのそれぞれとは、導線群3によって電気的に接続されている。
なお、照明部200−1〜200−nのうち、スクリーン105の幅方向に隣接するもの同士の距離は、図1(a)に示す例や図13に示す例に限られず、他の距離であってもよい。
図14は、照明部200−1〜200−nの設置態様の第2変形例を示す説明図である。図14に示す第2変形例では、照明部200−1〜200−nのそれぞれは、市松模様状に配置されている。
具体的には、照明部200−1〜200−nのうち、スクリーン105の長手方向に互いに隣接するもの同士は、前述した所定の距離を離間されて3列で並べられて配置されている。しかし、スクリーン105の第1面105aに対して左側の列の照明部200−1、200−4と右側の列の照明部200−3、200−6との間には中央の列の照明部は配置されておらず、左側の列の照明部200−1と照明部200−4との間の間隙、および右側の列の照明部200−3と照明部200−6との間の間隙に、スクリーン105の幅方向に隣接して、中央の列の照明部200−2が配置されている。つまり、左側の列の照明部200−1、200−4および右側の列の照明部200−3、200−6と、中央の列の照明部200−2、200−5とが、スクリーン105の長手方向に交互に配置されている。
なお、照明部200−1〜200−nのうち、スクリーン105の長手方向に隣接するもの同士の距離は、図1(a)に示す例や図14に示す例に限られず、他の距離であってもよい。また、各照明部200−1〜200−nによって構成される模様は市松模様に限られず、縞模様等の他の模様を構成してもよいし、文字や記号、図柄を構成してもよい。
図15は、照明部200−1〜200−nの設置態様の第3変形例を示す説明図である。図1(a)や、図12〜14に示す設置態様では、照明部200−1〜200−nはそれぞれ規則的に配置されていた。それに対して、本変形例では、照明部200−1〜200−nはそれぞれ不規則に配置されている。
なお、照明部200−1〜200−nのそれぞれの不規則な配置の形態は図15に示す例に限られず、他の形態であってもよい。
例えば、複数の照明部200−1〜200−nが全体として一つの図柄を表すように配置されていてもよいし、幾何学的な配置や対称性の高い配置としてもよい。また、照明部200−1〜200−nが配置されていないスクリーン105上に描かれた図柄と統一性を持たせた配置としてもよい。
また、照明部200−1〜200−nの形状も短冊状に限られず、菱形や円形、更には多角形や部分的に曲線を有する形状等、自由に選択することが可能である。
第1〜4の本実施の形態によれば、照明部200−1〜200−nを上述の通り様々な形態で配置することができ、ロールカーテン1のデザイン性を高めることが可能になる。
上述した各実施の形態および変形例では、各照明部200の封止部側から光を発するトップエミッション型の構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、基板上に発光素子を形成し、封止部がスクリーン105の第1面105aに対向するように設置され、基板側から発するボトムエミッション型であってもよい。この場合、封止部は透光性である必要がなく、封止部として使用可能な上述の材料を任意で使用可能である。ボトムエミッション型の場合、第一電極は透過、又は半透過である必要がある。また、基板も光を透過する必要がある。さらに、各機能層を基板側に設置する。
有機ELパネルに、上述した各実施の形態の各特定機能層が複数配置されていてもよい。具体的には、第1の実施の形態の光拡散機能層40、第2の実施の形態のUV遮断機能層41、および第3の実施の形態の放熱機能層42のうち、いずれか2つ以上、好ましくは全ての特定機能層が有機ELパネルに積層されていてもよい。そのような構成によれば、各特定機能層による効果をいずれも奏する照明装置を実現することができる。
また、照明部200−1〜200−nが配置される場所に応じて、設けられる特定機能層が異なっていてもよい。具体的には、例えば、ロールカーテン1の設置時に上方となる位置に配置される照明部200には、より高い効率で熱を外方に放出するために放熱機能層42が設けられ、ロールカーテン1の設置時に外方から光が入射する窓に近接しやすい中央部となる位置に配置される照明部200には、有機ELパネルへの紫外線の入射を抑制するためにUV遮断機能層41が設けられ、また、ロールカーテン1の設置時に下方となる位置に配置される照明部200には、人に近接しやすいので拡散光を放射するために光拡散機能層40が設けられていてもよい。
照明部200−1〜200−nは、スクリーン105の長手方向に沿って4列以上で並べられていてもよいし、1列または2列で並べられていてもよい。
<第5の実施の形態>
以上に述べた各実施の形態及びそれらの変形例では、各照明部は、スクリーン105の第1面105aに設置されて支持されていた。それに対して、図16(a)及び(b)に示す第5の本実施の形態のロールカーテン2では、スクリーン105に代えて、可撓性を有して各照明部を互いに連結する連結部材50を含んでいる。
照明部200の構成は第1の実施の形態における構成と同様なため、照明部200の各構成には第1の実施の形態における符号と同じ符号を付し、説明を省略する。なお、本実施の形態では、照明部200−1〜200−nのそれぞれの封止部12によって構成される面(つまり、光が放射される面)が発光面に相当する。即ち、第5の実施の形態においては、照明部200自体が本発明の遮光部材に相当する。
図16(a)は、第5の実施の形態のロールカーテン2を示す斜視図である。図16(b)は、該ロールカーテン2の側面図である。図16(a)及び(b)に示すように、ロールカーテン2は、カーテン部130と照明部200−1〜200−nと連結部材50とを含む。
連結部材50は、例えばフィルム状に成形された可撓性を有する材料によってなる。カーテン部130は、スクリーン105およびボトムバー106を除き、カーテン部100と同様な構成である。なお、照明部200−(n−2)〜200−nは、連結部材50によって、ローラパイプ104の周面に固着され、ローラパイプ104の周回に従って当該ローラパイプ104の周面に巻き取られたり(つまり、巻き上げられたり)、引き出されたり(つまり、降ろされたり)する。
図16(a)及び(b)に示すように、照明部200−1〜200−nは、図1(a)及び(b)に示す第1の実施の形態における位置と同様な位置に配置される。そして、照明部200−1〜200−nのうち、照明部200の長手側で互いに隣接するもの同士は、連結部材50によって互いに連結されている。
より具体的には、照明部200−1〜200−nのうち、長手側で互いに隣接するもの同士は、光を発する面の裏側の面で連結部材50によって互いに連結される。また、照明部200−1〜200−nのうち、長手側で互いに隣接するもの同士は、導線群3によって電気的に接続される。なお、連結部材50は、例えば、接着剤で照明部200−1〜200−nに接合される。
本実施の形態によれば、照明部200−1〜200−nが可撓性を有していない場合であっても、より具体的には、照明部200−1〜200−nの基板10が可撓性を有していない場合であっても、照明部200−1〜200−nが可撓性を有する連結部材50によって連結されるので、照明部200−1〜200−nをローラパイプ104の周面に巻き付けることができる。従って、不使用時には、ロールカーテン2をコンパクトにすることができる。
また、本実施形態の変形例として、例えば、図12において、スクリーン105の、照明部200との接着部分を除去して各照明部200の裏面を開口部とし、各照明部200の外周部分でスクリーン105と連結させる形としてもよい。
なお、第5の実施の形態では、各照明部200の封止部側から光を発するトップエミッション型の構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、基板側から光を発するボトムエミッション型であってもよい。この場合、封止部は透光性である必要がなく、封止部として使用可能な上述の材料を任意で使用可能である。
ボトムエミッション型の場合、第一電極は透過性電極、又は半透過性電極である必要がある。また、基板も光を透過する必要がある。
また、有機ELパネルに、上述した各実施の形態の各特定機能層が複数配置されていてもよく、複数の特定機能層を、有機ELパネルの室内側表面と室外側表面との両方に配置してもよい。
具体的には、第1の実施の形態の光拡散機能層40を、有機ELパネルの室内側表面に配置することで室内光の反射を抑制し、第2の実施の形態のUV遮断機能層41を、有機ELパネルの室外側表面に配置することで太陽光由来のUV光を遮断し、又は、第3の実施の形態の放熱機能層42を、有機ELパネルの室内側及び室外側の少なくともいずれか一方に配置することで、有機ELパネルの高温化を抑制するといった実施形態とすることが特に好ましい。
可撓性を有しない基板10の例について述べる。可撓性を有しない基板10の材料としては、例えば、ガラス、石英等からなる無機材料基板;アルミナ等からなるセラミックス基板等の絶縁性基板;アルミニウム(Al)、鉄(Fe)等からなる金属基板;上記基板上に酸化シリコン(SiO)、有機絶縁材料等からなる絶縁物を表面にコーティングした基板;Al等からなる金属基板の表面を陽極酸化等の方法で絶縁化処理を施した基板等が挙げられる。
このうち、ガラス基板は、現在有機ELパネル用の基材として最も一般的に用いられており、容易に入手可能で、且つ、コーティングなどの表面処理工程が不要であるため、可撓性を有しない基板10として好ましい。樹脂基板や金属基板における好ましい表面コートについては、可撓性を有する基板の場合と同様である。
次に、本実施例の変形例として、遮光部材をローマンシェードとして用いる照明装置の場合について説明する。通常、ローマンシェードは、上端をフレーム等に固定されたスクリーンと、フレームから昇降可能に垂下し、その下端がスクリーンに連結される昇降コードと、スクリーンの裏面に上下方向に所定間隔をおいて取付けられ、昇降コードが挿通するリング部とを有する。昇降コードが上昇することによって、昇降コードの下端が連結されたスクリーンの下端の連結部が吊り上げられ、該連結部がリング部を、順次下方のリング部から押し上げていくことによって、スクリーンがたくし上げられ、採光の調整が行われる。
ローマンシェード型照明装置の場合、ロールカーテン型照明装置の場合と概ね同様の構成をとることができるので、以下に相違点について説明する。
前記スクリーン105と前記照明部200−1〜200−nとはローマンシェードの場合も同様に用いられる。前記昇降コードの下端が連結されたスクリーンの下端の連結部としては前記ボトムバー106であってもよい。前記スクリーン105の上端は前記フレーム102に固定される。前記コードリングは、前記スクリーン105の裏面に、上下方向に所定間隔をおいて取付けられる。前記昇降コードは前記フレームを貫通するように設けられる。前記昇降コードは、前記スクリーンの下端に連結されていればよく、ループ状になっていてもよい。前記照明部200−1〜200−nは可撓性を有することが好ましい。
前記スクリーンは複数の屈曲部位と非屈曲部位とを上下方向に交互に複数有し、蛇腹式にたくし上げ可能な構成となっている。蛇腹式とは、屈曲部位の両側に位置する非屈曲部位の前記スクリーンの同一面が、必ずしも平行ではない対向した配置をとることである。屈曲部位の屈曲の程度は、鋭角に折り曲げ可能であってもよいし、屈曲部位を挟んで隣接する非屈曲部位が対向するような曲率で曲がる程度でもよい。
前記照明部が配置される領域は非屈曲部位を含む領域であることが好ましく、屈曲部位全体を含まない領域であることがさらに好ましい。前記照明部をこれらの領域に配置することにより、前記照明部を屈曲させないか屈曲しても曲率が小さいため、照明部の破損を抑制することができる。
次に、本実施例の変形例として、遮光部材をカーテンとして用いる照明装置の場合について説明する。カーテン型照明装置の場合、ロールカーテン型照明装置の場合と概ね同様の構成をとることができるので、以下に相違点について説明する。
前記スクリーン105と前記照明部200−1〜200−nとはカーテンの場合も同様に用いられる。前記スクリーン105の上端には所定の間隔でランナーを取り付け、ランナーをカーテンレールに通して用いる。前記照明部200−1〜200−nは可撓性を有することが好ましい。
前記スクリーンは複数の屈曲部位と非屈曲部位とを水平方向に交互に複数有し、蛇腹式に折りたたみ可能な構成となっている。蛇腹式に折りたたみ可能とは、屈曲部位の両側に位置する非屈曲部位の前記スクリーンの同一面が、必ずしも平行ではない対向した配置をとることが可能であるということである。屈曲部位の屈曲の程度は、鋭角に折り曲げ可能であってもよいし、屈曲部位を挟んで隣接する非屈曲部位が対向するような曲率で曲がる程度でもよい。
前記照明部が配置される領域は非屈曲部位を含む領域であることが好ましく、屈曲部位全体を含まない領域であることが特に好ましい。前記照明部をこれらの領域に配置することにより、前記照明部を屈曲させないか屈曲しても曲率が小さいため、照明部の破損を抑制することができる。特に、カーテンの場合は人の手で自在に折りたたむことが想定されるため、屈曲部位には前記照明部を含まない配置とすることで、誤って力を入れすぎて前記照明部を破損することを抑制することができる。
ローマンシェード型照明装置、およびカーテン型照明装置とも、前記照明部は非屈曲部位を含む領域に複数枚配置することが好ましい。複数枚の照明部を配置することにより、前記ロールカーン型照明装置の場合と同様にデザイン性を高めることが可能となり好ましい。
また、ローマンシェード型照明装置、およびカーテン型照明装置とも、特定機能層をロールカーテン型照明装置の場合と同様に用いることで、前記課題を解決することができる。
(2) ブラインドの場合の本発明の実施の形態
次に、本発明をブラインドとして実施した場合の形態について詳述する。ブラインドの場合、本発明の遮光部材に相当する部材としてスラットを複数有する。以下、図17から図24を参照して、本発明に係る一実施形態の照明装置に設けられたスラットの詳細な構成とその製造方法を中心に、本実施形態における照明装置の構成を説明する。
[1]照明装置の構成
図17は、本実施形態における照明装置であるブラインドの構成の一部を示した斜視図である。照明装置1Aは、長方形を有する複数のスラット2Aが、各スラットの長手方向を水平にした状態で、垂直方向に並んだ横型ブラインドである。また、図18は、図17に示したスラット2Aを切断線III−IIIにおいて切断した断面を示したIII−III矢視断面図である。
本実施形態における照明装置1Aは、図17に示すように、複数のスラット2Aと、導線群(第一導線3aA、第二導線3bA)3Aと、ラダーコード/ラダーテープ(支持部)(第一ラダーコード4aA、第二ラダーコード4bA)4Aと、特定機能層8Aと、昇降コード6Aと、電源装置を内蔵したヘッドボックス7Aとを備えている。以下、各構成について詳述する。
なお、本明細書において、第一導線3aA及び第二導線3bAを「導線群3A」、第一ラダーコード4aA及び第二ラダーコード4bAを「ラダーコード/ラダーテープ(支持部)4A」とまとめて称することもある。
[1−1]スラット
スラット2Aは、有機EL素子を配設した板状部材であり、ブラインドの「はね」と称されることもある。また、スラット2Aには、図17に示すように貫通穴27Aが設けられており、この貫通穴27Aには、昇降コード6Aが貫通している。貫通穴27Aは、スラット2Aにおける発光部11Aの形成領域内に設けられていてもよいし、スラット2Aの端領域にある発光部11Aの非形成領域に設けられていてもよい。
以下、スラット2Aの詳細な構成を、図17と図18とに基づいて説明する。
図18に示すように、スラット2Aは、基板10Aと、発光部11Aと、封止部12Aとを備えており、基板10Aの一方の面上に発光部11Aが配設され、当該発光部11Aの上に封止部12Aが配設されている。
図18では、スラット2Aを形成する基板10Aは、有機EL素子の基板でもあるが、スラット2Aは更に、基板10Aを支持するための板状の基材(図示せず)を有していてもよい。
基材の材料としては、剛性が高く軽量であるが故にスラット2A自身の自重で撓みにくい材料が採用される。例えば、CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)やGFRP(Glass FRP)、薄い金属板(アルミニウム、鋼板など)、木材の板、などを用いることができるが、中でも、CFRPが好ましい。
[1−1−1]基板
基板10Aは、図17に示すように一般的には長方形を有した、絶縁性の基板である。
基板10Aの材料としては、例えば、ガラス、石英等からなる無機材料基板、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド等からなる樹脂基板、アルミナ等からなるセラミックス基板等の絶縁性基板;アルミニウム(Al)、鉄(Fe)等からなる金属基板;上記基板上に酸化シリコン(SiO)、有機絶縁材料等からなる絶縁物を表面にコーティングした基板;Al等からなる金属基板の表面を陽極酸化等の方法で絶縁化処理を施した基板等が挙げられる。このうち、ガラス基板は、現在有機ELパネル用の基材として最も一般的に用いられており、容易に入手可能で、且つ、コーティングなどの表面処理工程が不要であるため、スラット2Aの基板10Aとして好ましい。
また、基板10Aとしては、樹脂基板や薄い金属基板など、軽量性および可撓性を有することが好ましい。また、後述の封止部も基板に追随して可撓性であることがさらに好ましい。そうすることによって、有機EL素子が可撓性を有し、スラット同士が接触したり、人や物が接触したり、風によって撓んだ場合にも、有機EL素子が破壊されることが防止される。
樹脂基板あるいは金属基板をスラット2Aの基板10Aとして用いる場合は、ロールカーテンの場合と同様である。
また、基板10Aとして、透明または半透明の基板を用いれば、後述する発光部11Aからの光を、基板10Aを通してスラット2Aの外部に取り出すことができる。
[1−1−2]発光部
発光部11Aは、本実施形態における照明装置の光源となる部分である。
図19は、図18に示したスラット2Aの断面の詳細な構成を示した断面図である。便宜上、図18とは上下の積層の向きを逆向きに記してある。
発光部11Aは、図19に示すように、上記した基板10A上に、第一電極20Aと、少なくとも有機発光材料からなる有機発光層を有する有機層30Aと、第二電極21Aとがこの順に積層された有機EL素子(発光素子)を1つまたは複数有して構成されており、長方形を有している。
発光部11Aは、赤色、緑色及び青色の有機発光層を有する有機EL素子を並置することで、発光色を変化させることができる。また、白色発光を得るためには、黄色及び青色の有機発光層、又は、赤色、緑色及び青色の有機発光層を積層した有機EL素子を用いることもできる。また、黄色の有機発光層は赤色と緑色の材料を混合して得ることも可能である。
本実施形態では、発光部11Aから出射された光が、基板10A側から出射するように構成されている。すなわち、図17に示す各スラット2Aの上面から発光するボトムエミッション型となっている。
なお、図19には示していないが、第一電極20A、有機層30A、および第二電極21Aのほかにも、第一電極20Aのエッジ部分のリークを防止する絶縁性のエッジカバーと、また、有機層30Aをウェットプロセスで作製する場合に塗布される機能性材料溶液を保持するための絶縁性の隔壁層とを、第一電極20Aの上にこの順で形成した後に、有機層30Aと、第二電極21Aとが積層されていてもよい。
[1−1−2−1]有機層
図19に示す有機層30Aは、ロールカーテンの場合の有機層30Aと同様のものを用いることができ、好ましい態様も同様である。
[1−1−2−2]第一電極および第二電極
図19に示す第一電極20Aおよび第二電極21Aは、有機EL素子の陽極又は陰極として対で機能する。つまり、第一電極20Aを陽極とした場合には、第二電極21Aは陰極となり、第一電極20Aを陰極とした場合には、第二電極21Aは陽極となる。
第一電極20Aおよび第二電極21Aは、後述する導線群3Aと連結し、導線群3Aを介して電源装置から電圧供給を受けるための端子を有しており、例えば図20(a)および図20(b)に示すように、第一電極20Aの端子14Aが長方形のスラット2A上の端部に設けられており、第二電極21Aの端子15Aが同様に長方形のスラット2A上の別の端部に設けられている。
端子14Aおよび端子15Aは導線群3Aとの配線が容易であれば、スラット上の任意の位置に設置することが可能である。図20(a)および図20(b)は、スラットの短辺に沿って夫々設けた例である。
第一電極20Aおよび第二電極21Aとして用いることができる具体的な化合物および形成方法については、先述したロールカーテンの場合と同様であり、好ましい態様も同様である。
[1−1−2−3]エッジカバー
第一電極20Aのエッジ部において、第一電極20Aと第二電極21Aとの間でリークを起こすことを防止する目的でエッジカバーを設けることができる。
エッジカバーの構成および効果については、先述したロールカーテンの図5のエッジカバー28と同様であり、好ましい態様も同様である。
[1−1−3]封止部
封止部12Aとして、図19に示すように、第二電極21Aの上に、更に、封止を行う目的で、無機膜、樹脂膜を介してガラス、樹脂、金属等の封止基板、もしくは封止膜を設ける。
封止基板および封止膜の詳細については、先述したロールカーテンの場合と同様であるたり、好ましい態様も同様である。
[1−2]導線群
導線群3Aは、後述するヘッドボックス7Aに内蔵された電源装置に連結されており、第一電極20Aの端子14Aおよび第二電極21Aの端子15Aより、有機EL素子(発光素子)に電流を供給する。
具体的には、導線群3Aは、第一導線3aAと第二導線3bAとから構成されており、第一導線3aAが第一電極20Aの端子14Aに接続し、第二導線3bAが第二電極21Aの端子15Aに接続している。
第一導線3aAおよび第二導線3bAは、ヘッドボックス7Aに内蔵された電源装置からの入力信号を送ることができるものであれば特に限定されず、公知の材料を使用できる。例えば銅、銀、金、アルミニウムなどが挙げられる。また、無機材料に限定されず、有機材料で構成される導線を用いることもできる。
[1−3]ラダーコード/ラダーテープ
ラダーコード/ラダーテープ4Aは、図17に示す照明装置1Aに設けられた全てのスラット2Aを支持するとともに、回動することによって、スラット2Aの傾斜角度を可変させることができる線/帯である。線とは、コード様、糸様、紐様といった線状の体である。帯とは、テープ様、布様、フィルム様といった帯状の体である。
ラダーコード/ラダーテープ4Aは、長方形のスラット2Aの長手方向に所定の間隔を有して複数設けられていることが好ましい。例えば、長方形のスラット2Aの長手方向における両端近傍にそれぞれ1つずつ配設することができる。なお、以下では、1つのラダーコード4Aについて説明する。
図21は、図17に示した照明装置1Aを切断線IV−IVにおいて切断した、IV−IV矢視断面図である。図21に示すように、ラダーコード4Aは、各スラット2Aにおける封止部12A側の面に沿ってスラット2Aを横断する第一ラダーコード(第一支持体)4aAと、鉛直方向(縦方向)に並んだスラット2A群の並設方向に沿って延びた第二ラダーコード(第二支持体)4bAとから構成されている。
第一ラダーコード4aAは、長方形のスラット2Aにおける一方の長辺と他方の長辺との間の幅(これを「スラット2Aの短軸」と称することがある。)に沿ってスラット2Aを横断しており、当該一方の長辺と当該他方の長辺において、第二ラダーコード4bAと連結している。
第二ラダーコード4bAは、スラット2Aの短軸を挟んで、一方側に1本、他方側に1本配されている。この2本の第二ラダーコード4bAのうち、両方もしくは片方の第二ラダーコード4bAは、上下方向(水平に対して垂直の方向)に動く。これにより、第一ラダーコード4aAの一方の端と他方の端との間に高さの高低差が生じて、この第一ラダーコード4aAによって支持されているスラット2Aが傾斜することで、図21の状態から図22の状態に変化し、スラット2Aの傾斜角度を変えることができる。
なお、ここで説明したスラット2Aの傾斜角度の調節方法は、一例に過ぎず、従来周知のブラインドにおけるスラットの傾斜角度の調節方法を採用することができる。
ラダーコードの代わりにラダーテープを用いることもでき、嗜好に合わせて適宜選択可能である。
第一ラダーコード(ラダーテープ)4aAおよび第二ラダーコード(ラダーテープ)4bAは、通常のブラインドで使用される既知の材料を使うことができるが、好適には樹脂材料及び/又は布が好ましい。
[1−4]特定機能層
スラット2Aは、更に、特定機能層8Aを備える。特定機能層8Aは、前述の通り、UV遮断機能層、放熱機能層及び光拡散機能層の内のいずれか一つ、あるいは複数を意味する。特定機能層8Aの詳細な構成については、先述したロールカーテンの場合の第1〜4の実施の形態と同様であるが、ブラインドの場合の特定機能層8Aの配置について以下に詳述する。
スクリーンを有するロールカーテンの場合、特定機能層8Aは、スクリーンの、有機EL素子が配置された側に配置されるが、ブラインドの場合は、スラットの、有機EL素子が配置された側だけでなく、その逆側に特定機能層8Aが配置されていてもよい。これは、ブラインドのスラットは回動自在であるため、使用状況によっては、スラットの、有機EL素子が配置された側とは反対側に、外光が多く入射する状態となることがありえるためである。その場合、各特定機能層を、スラットの、有機EL素子が配置された側とは反対側に配置することによって、各特定機能層をより効果的に機能させることが可能となる。
[1−5]昇降コード
昇降コード6Aは、並設している最上端のスラット2Aから最下端のスラット2Aまでの長さを調節するために設けられている。ここで、「コード」と称しているが、これは上述したラダーコードと同様に、線状体であれば、特に限定されるものではない。
昇降コード6Aは、図21や図22に示すように、スラット2Aに設けられた貫通穴27Aに貫通しており、ヘッドボックス7Aから、並設されたスラット2Aのうちのヘッドボックス7Aから最も近いスラット2A、2番目に近いスラット2A、…、ヘッドボックス7Aから最も離れているスラット2Aに至る、全てのスラット2Aに配設されている。
昇降コード6Aの一端は、ヘッドボックス7Aから最も離れているスラット2A、もしくは、当該スラット2Aの更に下方に配置された下端体に固定されている。
ヘッドボックス7Aに設けられた図示しない巻き上げ部を操作すると、昇降コード6Aの長さが調節されて、ヘッドボックス7Aから最も離れているスラット2Aもしくは下端体から巻き上げが起こり、その後、昇降コード6Aの長さに応じて、その上方に並設されているスラット2A群が下方から順にヘッドボックス7Aに近づくように巻き上げられる。昇降コード6Aは、従来周知のブラインドに配設されている昇降コードを用いることができる。
[1−6]電源装置を内蔵したヘッドボックス
ヘッドボックス7Aは図17に示すように照明装置1Aの上端部を構成しており、その内部に電源装置が設けられている。上記電源装置は、スラット2Aに設けられた発光部11Aを駆動するために設けられており、走査線電極回路、データ信号電極回路、および電源回路を有している。
ここで、駆動は、それぞれのスラット2Aを電気的に接続して、外部駆動回路により一括して駆動することができる。
しかし、本発明は特にこれらに限定されるものではなく、上述した駆動方式でも良く、または、複数のスラット2Aをそれぞれ独立に外部駆動回路に電気的に接続して駆動を行っても良い。
例えば、単純マトリックス駆動を行う場合、長方形のスラット2Aの短辺側に設けられた、第一電極20Aの端子14Aを、走査電極回路を介して電源回路に接続し、長方形のスラット2Aの短辺側に設けられた、第二電極21Aの端子15Aを、データ信号電極回路を介して電源回路に接続することで、駆動を行うことが可能となる。
また、第一電極20Aの端子14A側を、走査電極回路を介して電源回路にそれぞれ独立に接続し、第二電極21Aの端子15A側を、データ信号電極回路を介して電源回路に接続することで、駆動を行うことも可能となる。
なお、本実施形態では、電源装置を内蔵したヘッドボックス7Aについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、電源装置を内蔵させない構成であってもよい。電源装置を内蔵させない構成とは、すなわち、太陽電池を有して太陽光に基づいて電気エネルギーを蓄電することができる有機EL素子を配設したスラットを具備した照明装置が該当する。
[1−7]その他
本発明の効果を損なわない限り、任意の部材・機構を追加することが可能である。
[2]照明装置の操作
次に、スラット2Aの傾斜角度の調節とともに、照明装置1Aの操作方法について簡単に説明する。
図23および図24は、並設されたスラット2A同士に隙間が空かないように、スラット2Aの傾斜角度を並設方向に沿って限界近くまで平行にした状態を示したものである。図23は側面図であり、図24は、図23の紙面右側から照明装置1Aの一部を見た正面図である。なお、説明の便宜上、図示しない部材がある。
図23および図24のように、並設されたスラット2A同士を配置することにより、広範囲にわたる発光領域を有する照明装置を実現することができる。
ここで、スラット2Aの基板10Aの表面側は、長辺で隣り合う別のスラット2Aの基板10Aの背面側と繋ぎ目(連結部の境界)近傍で重なる配置となり、スラット2Aに配された有機EL素子の電極に接続された導線群3Aは、スラット2Aの後方に位置する。このように構成することにより、発光部11Aを観察する観察者にはスラット2Aとスラット2Aとの繋ぎ目から上記導線群3Aが視認されることはなく、発光部11Aを隙間なく繋げて1つの大きな発光面を提供することができる。
そして、照明装置1Aの電源は上述の通りヘッドボックス7Aに設置されており、かつ、ブラインドは窓辺に設置されるため、通常は手が届かない場所にヘッドボックス7Aがある。しかしながら、本装置ではスイッチのオン・オフや輝度や色度を調整するための機構を手元に設け、操作を容易にすることが可能である。
前記調整を手元で操作可能とする機構としては、手元操作スイッチをヘッドボックス7から離れた位置であって、容易に人の手が届く位置に有線で接続し、これを操作可能とする方法や、赤外線などの無線方式を用いて、リモコンを用いて操作する方法が挙げられる。これにより従来では得られなかった操作性を提供することが可能となる。
[3]変形例
[3−1]トップエミッション型
上述した実施形態では、各スラット2Aの基板側から光を発するボトムエミッション型の構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、基板上に発光素子を形成し、封止側から発するトップエミッション型であってもよい。この場合、基板は透光性である必要はなく、基板として使用可能な上述の材料を任意で使用可能である。
トップエミッション型の場合、第二電極は透過性、又は半透過性である必要がある。また、封止部材も光を透過する必要がある。
[3−2]太陽電池/シート状ポリマー二次電池/有機ELの3層構造
本発明に係る照明装置は、特許文献1記載のブラインド照明で用いられる3層構造のスラットに、特定機能層を付与した構成のブラインド照明であっても良い。
この場合、照明装置に特定機能層を付与することで、問題となっていた点が解決され、耐久性に優れ、かつ簡便に、使用するに必要充分な面状拡散光源として使用可能なブラインド型の照明装置が完成する。
[3−3]スラットに複数の有機ELパネルが配置されたブラインド
スラットに配置される有機ELパネルは1つとは限らない。複数個配置する場合は、有機ELパネルを支持する基材が設けられる。この基材を介して複数の有機ELパネルが配置され、1枚のスラットが形成される。例えば板状の基材上に複数の有機ELパネルが設置されても良いし、棒状の基材がスラットの長辺を形成するように配置し、これに複数の有機ELパネルを固定して1枚のスラットを形成しても良い。
この場合、各有機ELパネルの形状は、長方形に限定されるものではなく、スラットを形成するに問題がない範囲で任意な形状を選択することができる。
本発明を詳細に、また特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
本出願は2012年7月17日出願の日本特許出願(特願2012−158831)、2012年7月23日出願の日本特許出願(特願2012−162828)、2012年7月23日出願の日本特許出願(特願2012−162829)、2012年10月11日出願の日本特許出願(特願2012−226189)、2012年10月11日出願の日本特許出願(特願2012−226190)、2012年10月11日出願の日本特許出願(特願2012−226191)及び、2012年10月11日出願の日本特許出願(特願2012−226192)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
1、2 ロールカーテン
10 基板
11 発光部
12 封止部
20 第一電極
21 第二電極
40 光拡散機能層
41 UV遮断機能層
42 放熱機能層
100 カーテン部
200、200−1〜200−n、201〜205 照明部
1A 照明装置
2A スラット
3A 導線群
3aA 第一導線
3bA 第二導線
4A ラダーコード/ラダーテープ(支持部)
4aA 第一ラダーコード(第一支持体)
4bA 第二ラダーコード(第二支持体)
6A 昇降コード
7A ヘッドボックス
8A 特定機能層
10A 基板
11A 発光部
12A 封止部
14A、15A 端子
20A 第一電極
21A 第二電極
27A 貫通穴
28A エッジカバー
30A 有機層
31A 正孔注入層
32A 正孔輸送層
33A 有機発光層
34A 正孔防止層
35A 電子輸送層
36A 電子注入層

Claims (42)

  1. 遮光部材を有する照明装置であって、前記遮光部材は少なくとも有機EL素子を備え、更に、UV遮断機能層、放熱機能層及び光拡散機能層からなる群より選ばれる少なくとも1層を備える、照明装置。
  2. 前記遮光部材が、UV遮断機能層及び放熱機能層の少なくともいずれか一方を備える、請求項1に記載の照明装置。
  3. 前記遮光部材が、UV遮断機能層及び放熱機能層を備える、請求項1に記載の照明装置。
  4. 前記遮光部材が、UV遮断機能層、放熱機能層及び光拡散機能層を備える、請求項1に記載の照明装置。
  5. 前記UV遮断機能層、前記放熱機能層及び前記光拡散機能層からなる群より選ばれる少なくとも1層が、前記有機EL素子の光射出側に配置されている、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の照明装置。
  6. 前記UV遮断機能層及び前記放熱機能層の少なくともいずれか一方が、前記有機EL素子の光射出側の反対側に配置されている、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の照明装置。
  7. 前記UV遮断機能層、前記放熱機能層及び前記光拡散機能層からなる群より選ばれる少なくとも1層が、前記遮光部材の最表面に配置されている、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の照明装置。
  8. スラットを複数備える照明装置であって、前記スラットの各々が、前記遮光部材である、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の照明装置。
  9. 前記有機EL素子が可撓性を有する、請求項8に記載の照明装置。
  10. 前記スラットが長方形であり、複数の前記スラットが回動自在に配置され、ブラインドとして機能する、請求項8又は9に記載の照明装置。
  11. 電源のオン・オフ及び輝度・色調の調整の少なくともいずれか一方がリモコンで操作可能である、請求項8乃至10のいずれか1項に記載の照明装置。
  12. 請求項8乃至11のいずれか1項に記載の照明装置であって、少なくとも光拡散機能層を備え、前記光拡散機能層が前記有機EL素子からの光を拡散させる、照明装置。
  13. 請求項8乃至11のいずれか1項に記載の照明装置であって、少なくとも光拡散機能層を備え、前記光拡散機能層が前記スラットに入射する外光に対して光拡散性を有する、照明装置。
  14. 請求項8乃至11のいずれか1項に記載の照明装置であって、少なくとも光拡散機能層を備え、前記光拡散機能層が表面に凹凸構造を有する、照明装置。
  15. 請求項8乃至11のいずれか1項に記載の照明装置であって、少なくとも光拡散機能層を備え、前記光拡散機能層が周期構造を有する、照明装置。
  16. 請求項8乃至11のいずれか1項に記載の照明装置であって、少なくとも光拡散機能層を備え、前記光拡散機能層がランダムな非周期構造を有する、照明装置。
  17. 請求項8乃至11のいずれか1項に記載の照明装置であって、少なくとも光拡散機能層を備え、前記光拡散機能層が散乱粒子を分散させた層である、照明装置。
  18. 請求項8乃至11のいずれか1項に記載の照明装置であって、少なくとも光拡散機能層を備え、前記光拡散機能層が前記有機EL素子からの光量を増加させる光取り出し層として機能する、照明装置。
  19. 請求項8乃至11のいずれか1項に記載の照明装置であって、少なくとも光拡散機能層を備え、前記スラットが基板、発光部及び封止部を含み、前記基板及び前記封止部の少なくともいずれか一方が前記光拡散機能層として機能する、照明装置。
  20. 請求項8乃至11のいずれか1項に記載の照明装置であって、少なくともUV遮断機能層を備え、前記UV遮断機能層が前記スラットの端を包み込むように配置されている、照明装置。
  21. 請求項8乃至11のいずれか1項に記載の照明装置であって、少なくとも放熱機能層を備え、前記放熱機能層が前記スラット外からの赤外線を遮断するものである、照明装置。
  22. 請求項8乃至11のいずれか1項に記載の照明装置であって、少なくとも放熱機能層を備え、前記放熱機能層が前記有機EL素子からの熱を放射するものである、照明装置。
  23. 前記遮光部材がロール状に巻取り可能である、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の照明装置。
  24. 前記遮光部材をローマンシェードとして用いる、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の照明装置。
  25. 前記遮光部材をカーテンとして用いる、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の照明装置。
  26. 前記遮光部材に前記有機EL素子が複数並設されている、請求項23乃至25のいずれか1項に記載の照明装置。
  27. 複数並設されている前記有機EL素子のうち、隣り合う有機EL素子を互いに連結する連結部材をさらに備える、請求項26に記載の照明装置。
  28. 複数並設されている前記有機EL素子が可撓性を有する、請求項26又は27に記載の照明装置。
  29. 複数並設されている前記有機EL素子が、それぞれ短冊状に形成されている、請求項26乃至28のいずれか1項に記載の照明装置。
  30. 前記UV遮断機能層、前記放熱機能層及び前記光拡散機能層からなる群より選ばれる少なくとも1層が、前記有機EL素子の光射出側に配置されている、請求項23乃至29のいずれか1項に記載の照明装置。
  31. 前記UV遮断機能層、前記放熱機能層及び前記光拡散機能層からなる群より選ばれる少なくとも1層が、前記有機EL素子の光射出側の反対側に配置されている、請求項23乃至29のいずれか1項に記載の照明装置。
  32. 前記UV遮断機能層、前記放熱機能層及び前記光拡散機能層からなる群より選ばれる少なくとも1層が、前記遮光部材の最表面に配置されている、請求項23乃至29のいずれか1項に記載の照明装置。
  33. 請求項23乃至32のいずれか1項に記載の照明装置であって、少なくとも光拡散機能層を備え、前記光拡散機能層が前記有機EL素子からの光を拡散させる、照明装置。
  34. 請求項23乃至32のいずれか1項に記載の照明装置であって、少なくとも光拡散機能層を備え、前記光拡散機能層が前記遮光部材に入射する外光に対して光拡散性を有する、照明装置。
  35. 請求項23乃至32のいずれか1項に記載の照明装置であって、少なくとも光拡散機能層を備え、前記光拡散機能層が表面に凹凸構造を有する、照明装置。
  36. 請求項23乃至32のいずれか1項に記載の照明装置であって、少なくとも光拡散機能層を備え、前記光拡散機能層が周期構造を有する、照明装置。
  37. 請求項23乃至32のいずれか1項に記載の照明装置であって、少なくとも光拡散機能層を備え、前記光拡散機能層がランダムな非周期構造を有する、照明装置。
  38. 請求項23乃至32のいずれか1項に記載の照明装置であって、少なくとも光拡散機能層を備え、前記光拡散機能層が散乱粒子を分散させた層である、照明装置。
  39. 請求項23乃至32のいずれか1項に記載の照明装置であって、少なくとも光拡散機能層を備え、前記光拡散機能層が前記有機EL素子からの光量を増加させる光取り出し層として機能する、照明装置。
  40. 請求項23乃至32のいずれか1項に記載の照明装置であって、少なくとも放熱機能層を備え、前記放熱機能層が赤外線を遮断するものである、照明装置。
  41. 請求項23乃至32のいずれか1項に記載の照明装置であって、少なくとも放熱機能層を備え、前記放熱機能層が前記有機EL素子からの熱を放射するものである、照明装置。
  42. 電源のオン・オフ及び輝度・色調の調整の少なくともいずれか一方がリモコンで操作可能である、請求項23乃至41のいずれか1項に記載の照明装置。
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