JP2014225330A - 発光デバイス、照明装置、及び表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】有機発光層から発した光を外部に向けて効率よく出射させ、高輝度に発光可能な発光デバイス、表示装置、及び照明装置を提供する。
【解決手段】第一電極(下部電極)12を所定の領域(例えば画素)毎に複数に区画するバンク(絶縁層)15は、少なくとも光反射性を有する材料から構成される。光反射性を有する材料としては、色調が白色の材料を用いることが好ましい。更に、光反射性に加えて光拡散性を有する材料を用いることも好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、発光層に電圧を印加して発光させる発光デバイス、およびこれを備えた照明装置、表示装置に関する。
従来の白熱電球、蛍光灯に代わる新しい照明技術として、近年、LED照明が急速に普及してきており、さらに、次世代照明として、有機EL照明の研究、事業化が活発に行われている。有機EL照明は、薄型で高発光効率の面照明が可能である点が大きな利点であり、さらには、フィルム基板などを利用することにより、さまざまな形状が可能なことからデザイン面で特徴のある照明を作りうるといった利点もある。
しかし一方で、有機ELには、発光効率が低い、消費電力が大きい、寿命が短い、信頼性が低いなどの課題が残っている。発光効率は、一般的にηφ(ext:External Quantum Efficiency)=ηext×ηφ=ηext×γ×ηr×φfで表される。ここで、ηφ(ext)は外部量子効率、ηextは外部光取出し効率、ηφは内部量子効率、γはキャリアバランス、ηrは励起子生成確率、φfは蛍光量子収率である。
近年、材料の進歩に伴い、内部量子効率は着実に向上しており、特に、三重項状態を利用するりん光材料の進展に伴い大幅に改善されてきている。しかし一方、光取出し効率は大きな課題として残っている。有機EL素子においては、用いられる有機発光層、透明電極層、ガラス基板などの屈折率が空気より大きいため、スネルの法則に基づく全反射条件から光を効率よく取り出せない。取り出せる光の量は通常、15〜30%程度であり、大半の光が外部に出射されることなく失われていることになる。
光取出し効率の低さは、発光効率を低下させ、消費電力を増大させるばかりでない。所望の明るさを得るためにより多くの電流を流さなくてはならなくなるため、寿命や信頼性などにも大きな問題を引き起こすこととなる。逆に言えば、光取出し効率が改善されれば、有機ELの大きな問題である、発光効率、消費電力、寿命、信頼性などに対して大きな改善を見込むことができると言える。
こうした課題に対して、例えば、特許文献1においては、透明導電層の発光層と反対の面に屈折率1.01〜1.3の範囲となる低屈折率層を設けた発明が開示されている。
また、特許文献2においては、透明電極層と光透過性の基板との間に、低屈折率材料からなるマトリクス樹脂中に光を散乱させる粒子を拡散させた浸み出し光拡散層を設けた発明が開示されている。
また、特許文献3においては、光を取り出す側の基板面に、多数の微小粒子からなる光取出し層を設けた発明が開示されている。
また、特許文献4には、画素を凹状構造にすることによって光取出し効率を向上させた発明が開示されている。
また、特許文献5には、画素の側面に反射層を設けることにより光取出し効率を向上させた発明が開示されている。
また、特許文献6には、側面がテーパ状となるバンクを用いて光を取り出す発明が開示されている。
また、特許文献7には蛍光体の側面に金属粉、金属粒子もしくは白色顔料を含む樹脂からなる反射膜を配置した発明が開示されている。
特開2002−278477号公報 特開2004−296437号公報 特開2011−108395号公報 特開2011−009017号公報 特開2010−009793号公報 特開2006−012585号公報 特開平11−329726号公報
しかしながら、上述した特許文献1〜4に開示された発明では、光取出し効率を向上させることができるとされているものの、光取出し効率の向上効果が限定的であるという課題があった。即ち、有機発光層や電極を介して面方向に沿って光が伝播し、外部へ出射される光が減少することへの対策が全くなされていなかった。
例えば、有機発光層の典型的な屈折率が1.8程度、絶縁層(バンク)の典型的な屈折率が1.5〜1.8程度、透明電極層であるITOの典型的な屈折率が2.1〜2.2程度であるため、低屈折率層(屈折率1.0〜1.3程度)との屈折率差のために、低屈折率層との界面で全反射されてしまう成分が多い。この全反射された成分は、有機発光層、絶縁層、透明電極層などを介して面方向に沿って伝播し、外部に出射されることなく損失する。
透明電極層を有機発光層の画素領域ごとに区画する絶縁層(バンク)は、従来、ポリメチルメタクリレート、ポリイミドなどの高分子材料やSiO等の無機材料から構成されており、色調は透明か黒色であった。このため、面方向に沿って広がった光は、絶縁層(バンク)が黒色の場合は、この絶縁層に吸収されて損失する。また、絶縁層(バンク)が透明(光透過性)の場合は、この絶縁層を介して隣接する有機発光層や透明電極層に向けて光が伝播して損失する。
また、特許文献5に開示された発明では、側面の反射膜が導電性であるため、反射膜状にさらに絶縁層を設ける必要があり、プロセスが複雑になる欠点があった。しかも、反射膜が形成されている部分が、基板に対して斜めになっている隔壁側面であるため、生産時のプロセス制御性が困難であるばかりでなく、パターン形成のための露光位置合わせマージンなどを考えると、画素開口部が小さくなるという課題があった。画素開口部が小さくなると、ディスプレイとしての所望の輝度を得るために、画素開口部での発光輝度を上げる必要があった。
また、特許文献6に開示された発明では、側面がテーパ状となるバンクを用いて光を取り出す発明が開示されているが、この方法の場合、有機層、あるいは透明電極内を導波して横方向に逃げてゆく光が完全にはなくならず、光取出しの効果として十分とは言えない。また、テーパ角の制御が重要であるため、生産を考えた場合のプロセスマージンの狭さが課題である。
更に、特許文献7に開示された発明では、蛍光体層の側面に反射膜を形成する技術、反射膜として金属粉、金属粒子もしくは白色顔料を含む樹脂からなる技術が開示されているが、この技術を有機EL発光部分に適用することについてはなんら開示も示唆もされていない。また、この技術を有機EL発光部に適用し、有機発光部の側面に反射膜を形成しようとすると構造上、プロセス上の課題が生じる。まず、有機ELの発光部分に用いられる有機材料は水分、酸素、溶剤などに対して極めて弱く、この有機EL発光部分の側面に反射膜を形成することはプロセス上極めて困難である。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、有機層から発した光を外部に向けて効率よく出射させ、高輝度に発光可能な発光デバイス、照明装置、及び表示装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本出願人は、従来と全く異なる手法により光取出し効率の向上させる技術を見出した。即ち、発光した光を特定の単位領域に閉じ込め、その単位領域から出てゆく光のほとんどを外部に取り出し可能な構造を作るという発想から本発明を成し遂げた。
本発明のいくつかの態様は次のような発光デバイス、照明装置、及び表示装置を提供した。
即ち、本発明の第一の発光デバイスは、第一基板の一面に順に積層された第一電極、および光透過性導電材料からなる第二電極と、該第一電極および第二電極の間に形成された有機層と、を少なくとも有する発光デバイスであって、
少なくとも前記第一電極を所定の領域毎に複数に区画するバンクを備え、該バンクは光反射性の材料から構成され、前記第一電極は光反射性の導電材料、前記第二電極は光透過性の導電材料からそれぞれ構成され、前記第二電極及び前記バンクを覆うように絶縁膜が形成されていることを特徴とする。
本発明の第二の発光デバイスは、第一基板の一面に順に積層された第一電極、および光透過性導電材料からなる第二電極と、該第一電極および第二電極の間に形成された有機層と、を少なくとも有する発光デバイスであって、
少なくとも前記第一電極を所定の領域毎に複数に区画するバンクを備え、該バンクは光反射性の材料から構成され、前記第一電極は光反射性の導電材料、前記第二電極は光透過性の導電材料からそれぞれ構成され、前記有機層の発光領域の中心位置から前記第一電極までの間隔が200nm以上となるように設定したことを特徴とする。
本発明の第三の発光デバイスは、第一基板の一面に順に積層された第一電極、および光透過性導電材料からなる第二電極と、該第一電極および第二電極の間に形成された有機層と、を少なくとも有する発光デバイスであって、
少なくとも前記第一電極を所定の領域毎に複数に区画するバンクを備え、該バンクは光反射性の材料から構成され、前記第一電極は光反射性の導電材料、前記第二電極は光透過性の導電材料からそれぞれ構成され、前記第一基板に対向して第二基板を配し、更に前記第一基板と前記第二基板との間に、該第二基板よりも低い屈折率を有する低屈折率層、および水分吸収部材を配したことを特徴とする。
本発明の第四の発光デバイスは、第一基板の一面に順に積層された光反射層、第一電極、および光透過性導電材料からなる第二電極と、該第一電極および第二電極の間に形成された有機層と、を少なくとも有する発光デバイスであって、
少なくとも前記第一電極を所定の領域毎に複数に区画するバンクを備え、該バンクは光反射性の材料から構成され、前記第一電極は光反射性の導電材料、前記第二電極は光透過性の導電材料からそれぞれ構成されていることを特徴とする。
本発明の第五の発光デバイスは、第一基板の一面に順に積層された反射層、中間層、第一電極、および光透過性導電材料からなる第二電極と、前記第一電極および前記第二電極の間に形成された有機層と、を少なくとも有する発光デバイスであって、
少なくとも前記第一電極を所定の領域毎に複数に区画するバンクを備え、該バンクは光反射性の材料から構成され、前記第一電極は光反射性の導電材料、前記第二電極は光透過性の導電材料、前記中間層は光透過性の材料からそれぞれ構成されることを特徴とする。
本発明の第六の発光デバイスは、第一基板の一面に順に積層された反射層、中間層、第一電極、および光透過性導電材料からなる第二電極と、前記第一電極および前記第二電極の間に形成された有機層と、を少なくとも有する発光デバイスであって、
少なくとも前記第一電極を所定の領域毎に複数に区画するバンクを備え、該バンクは光反射性の材料から構成され、前記第一電極は光反射性の導電材料、前記第二電極は光透過性の導電材料、前記反射層は導電材料、前記中間層は光透過性の材料からそれぞれ構成され、前記中間層には、前記第一電極と前記反射層とを電気的に接続する接続領域を形成したことを特徴とする。
前記第一基板に対向して第二基板が更に配され、前記第一基板と前記第二基板との間には、該第二基板よりも低い屈折率を有する低屈折率層、および水分吸収部材を配したことを特徴とする。
本発明の第七の発光デバイスは、第一基板の一面に順に積層された中間層、第一電極、および光透過性導電材からなる第二電極と、前記第一電極および前記第二電極の間に形成された有機層と、を少なくとも有する発光デバイスであって、
少なくとも前記第一電極を所定の領域毎に複数に区画するバンクを備え、該バンクは光反射性の材料から構成され、前記第一基板は光反射性の材料、前記第一電極は光反射性の導電材料、前記第二電極は光透過性の導電材料、前記中間層は光透過性の材料からそれぞれ構成されていることを特徴とする。
前記バンクと前記反射層とは互いにその一部が接触するように形成されていることを特徴とする。
前記低屈折率層は、気体から構成されていることを特徴とする。
前記有機層の発光領域の中心位置から前記第一電極までの間隔が200nm以上となるように設定したことを特徴とする。
前記バンクは、光反射性に加えて更に光拡散性を有する材料から構成されることを特徴とする。
前記バンクは、白色材料から構成されることを特徴とする。
前記バンクは、樹脂中に微細な粒子を分散させてなることを特徴とする。
前記粒子の粒径は200nm以上、5μm以下であることを特徴とする。
本発明の照明装置は、前記各項記載の発光デバイスと、前記発光デバイスを制御する駆動部とを備えたことを特徴とする。
本発明の表示装置は、前記各項記載の発光デバイスと、前記発光デバイスを制御する駆動部とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、高発光効率(高輝度)の発光デバイス、照明装置、及び表示装置を提供することができる。
本発明の第一実施形態に係る発光デバイスを示す断面図である。 本発明の第二実施形態に係る発光デバイスを示す断面図である。 本発明の第三実施形態に係る発光デバイスを示す断面図である。 本発明の第四実施形態に係る発光デバイスを示す断面図である。 本発明の第五実施形態に係る発光デバイスを示す断面図である。 本発明の第六実施形態に係る表示装置を示す断面図である。 本発明の第七実施形態に係る表示装置を示す断面図である。 本発明の第八実施形態に係る表示装置を示す断面図である。 バンクの形状例を示した断面図である。 照明装置を示した外観斜視図である。 表示装置を示した平面図である。
以下、図面を参照して、本発明に係る発光デバイス、表示装置、及び電子機器の一実施形態について説明する。なお、以下に示す実施形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。また、以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために、便宜上、要部となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
(発光デバイス:第一実施形態)
図1(a)〜(d)は第一実施形態に係る発光デバイスを示す概略断面図である。
発光デバイス10は、第一基板11と、この基板11の一面11aに順に積層された第一電極(下部電極)12、および光透過性の第二電極(上部電極)13と、この第一電極12および第二電極13の間に形成された有機発光層14と、第二電極(上部電極)13を覆う透明な絶縁層16とを有する。
また、基板11の一面11aには、第一電極12を所定の領域毎に複数に区画するバンク(絶縁体)15が形成されている。
第一電極は図1(a)、(b)に示すようにバンク15で区切られる各領域ごとにパターン形成しても良いし、図1(c)、(d)のように、バンク15で区切られる領域よりも広いパターンの第一電極上にバンク15を形成しても良い。但し、照明用途などで全面発光すればよい場合には、図1(a)、(b)のケースにおいても、ある部分では隣り合う第一電極同士が導通するようなパターンにしても良い。
発光デバイス10の製造プロセスとしては、例えば、第一基板11上に第一電極(下部電極)12を形成し、その後バンク15を形成し、さらに有機層14、第二電極(上部電極)13、絶縁層を形成するプロセスなどを用いることができる。
有機ELに用いられる材料は水分、酸素などに極めて弱いため、有機層14の形成前、すなわち、第一電極(下部電極)12及びバンク15を形成した後に、十分な脱水工程(ベーク工程、真空乾燥工程など)を行うことが好ましい。
第一基板11は、光透過性または光不透過性(遮光性)であり、例えば、ガラス、樹脂、金属板などから構成される。
第一電極(下部電極)12は、光反射性を有する。例えば、Ag, Alなどが用いられる。第一電極12は、通常はアノードであるが、カソードとすることも可能である。第一電極を陽極する場合には、仕事関数の点などから、Ag又はAg合金などは好ましい材料である。一方、第一電極を陰極とする場合には、Ag, Ag合金、Al, Al合金などを用いることができる。
また、配線抵抗を下げる目的等で補助配線を併設してもいい。補助配線は、例えばAl, Ag, Ta, Ti, Niなどの金属材料で形成することができる。
第二電極(上部電極)13は、光透過性の透明電極から構成され、これによって、有機発光層14で発光した光が第二電極(上部電極)13を経て外部に出射される、いわゆるトップエミッション型の発光デバイスとなる。第二電極13は、通常はカソードを成し、LiF/ITO, MgAg/IZOなどを用いることができる。なお、第二電極(上部電極)13をアノードとすることも可能であり、その場合には、仕事関数の高い材料、例えば、ITOなどが好ましく用いられる。
また、配線抵抗を下げる目的等で補助配線を併設してもいい。補助配線は、例えばAl, Ag, Ta, Ti, Niなどの金属材料で形成することができる。
これら以外にも、第一電極12及び第二電極13を形成する電極材料として、各種の公知の電極材料を用いることができる。アノードである場合には、有機発光層14への正孔の注入をより効率よく行う観点から、仕事関数が4.5eV以上の金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)等の金属、及び、インジウム(In)と錫(Sn)からなる酸化物(ITO)、錫(Sn)の酸化物(SnO)インジウム(In)と亜鉛(Zn)からなる酸化物(IZO)等が透明電極材料として挙げられる。
また、カソードを形成する電極材料としては、有機発光層14への電子の注入をより効率よく行う観点から、仕事関数が4.5eV以下のリチウム(Li)、カルシウム(Ca)、セリウム(Ce)、バリウム(Ba)、アルミニウム(Al)等の金属、又は、これらの金属を含有するMg:Ag合金、Li:Al合金等の合金が挙げられる。
第一電極12及び第二電極13は上記の材料を用いてEB蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、抵抗加熱蒸着法等の公知の方法により形成することができるが、本発明はこれらの形成方法に限定されるものではない。また、必要に応じて、フォトリソグラフフィー法、レーザー剥離法により、形成した電極をパターン化することもでき、シャドーマスクと組み合わせることで直接パターン化した電極を形成することもできる。その膜厚は、50nm以上が好ましい。膜厚が50nm未満の場合には、配線抵抗が高くなることから、駆動電圧の上昇が生じるおそれがある。
有機層(有機EL発光体)14は、第一電極12と第二電極13との間に印加された電圧によって、所定の波長帯の光を発する。有機発光層(有機EL発光体)14は、単層でもよいが、通常は複数層からなり、例えば、α−NPDとAlq3の積層膜などを用いることができる。また、アノードである第一電極(下部電極)12と、カソードである第二電極(上部電極)13との間に、ホール注入層、ホール輸送層、発光層、ホールブロッキング層、電子輸送層、電子注入層などからなる複層の有機発光層を形成することも行われている。
これらの層以外に、MoO層、C0層、フラーレン含有層、量子ドット含有層などさまざまな層を併用することも盛んに検討されており、いずれも本発明を適用できることは言うまでもない。量子ドット含有層を用いた発光素子は、QLED(Quantum-dot light emitting diode)と呼ばれている。また、発光領域を積層するいわゆるタンデム構造を用いることもできる。第一電極12と第二電極13との間に配置される層の膜厚は、通常、各層が数10nm程度である。もちろん、本発明の技術は、本発明の構成をとるものであれば、現在まだ発明されていない発光素子、一般に認知されていない発光素子などにも適用可能であることはいうまでもない。
有機層14の層構造としての具体的として、下記の構成が挙げられるが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
(1)有機発光層
(2)正孔輸送層/有機発光層
(3)有機発光層/電子輸送層
(4)正孔輸送層/有機発光層/電子輸送層
(5)正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子輸送層
(6)正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子輸送層/電子注入層
(7)正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/正孔防止層/電子輸送層
(8)正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/正孔防止層/電子輸送層/電子注入層
(9)正孔注入層/正孔輸送層/電子防止層/有機発光層/正孔防止層/電子輸送層/電子注入層
ここで、有機発光層、正孔注入層、正孔輸送層、正孔防止層、電子防止層、電子輸送層及び電子注入層の各層は、単層構造でも多層構造でもよい。
有機層14は、以下に例示する有機発光材料のみから構成されていてもよく、発光性のドーパントとホスト材料の組み合わせから構成されていてもよく、任意に正孔輸送材料、電子輸送材料、添加剤(ドナー、アクセプター等)等を含んでいてもよく、また、これらの材料が高分子材料(結着用樹脂)又は無機材料中に分散された構成であってもよい。発光効率・寿命の観点からは、ホスト材料中に発光性のドーパントが分散されたものが好ましい。
有機発光材料としては、有機発光層用の公知の発光材料を用いることができる。このような発光材料は、低分子発光材料、高分子発光材料等に分類され、これらの具体的な化合物を以下に例示するが、本発明はこれらの材料に限定されるものではない。また、上記発光材料は、蛍光材料、燐光材料等に分類されるものでもよく、低消費電力化の観点で、発光効率の高い燐光材料を用いる事が好ましい。
ここで、具体的な化合物を以下に例示するが、本発明はこれらの材料に限定されるものではない。
有機発光層に任意に含まれる発光性のドーパントとしては、有機発光層用の公知のドーパント材料を用いることができる。このようなドーパント材料としては、例えば、紫外発光材料としては、p−クォーターフェニル、3,5,3,5テトラ-t-ブチルセクシフェニル、3,5,3,5テトラ-t-ブチル-p−クィンクフェニル等の蛍光発光材料等が挙げられる。青色発光材料として、スチリル誘導体等の蛍光発光材料、ビス[(4,6−ジフルオロフェニル)−ピリジナト−N,C2‘]ピコリネート イリジウム(III)(FIrpic)、ビス(4’,6‘−ジフルオロフェニルポリジナト)テトラキス(1−ピラゾイル)ボレート イリジウム(III)(FIr)等の燐光発光有機金属錯体等が挙げられる。
また、ドーパントを用いる時のホスト材料としては、有機EL用の公知のホスト材料を用いることができる。このようなホスト材料としては、上述した低分子発光材料、高分子発光材料、4,4‘−ビス(カルバゾール)ビフェニル、9,9−ジ(4−ジカルバゾール−ベンジル)フルオレン(CPF)、3,6−ビス(トリフェニルシリル)カルバゾール(mCP)、(PCF)等のカルバゾール誘導体、4−(ジフェニルフォスフォイル)−N,N-ジフェニルアニリン(HM−A1)等のアニリン誘導体、1,3−ビス(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)ベンゼン(mDPFB)、1,4−ビス(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)ベンゼン(pDPFB)等のフルオレン誘導体等が挙げられる。
電荷注入輸送層は、電荷(正孔、電子)の電極からの注入と発光層への輸送(注入)をより効率よく行う目的で、電荷注入層(正孔注入層、電子注入層)と電荷輸送層(正孔輸送層、電子輸送層)に分類され、以下に例示する電荷注入輸送材料のみから構成されていてもよく、任意に添加剤(ドナー、アクセプター等)等を含んでいてもよく、これらの材料が高分子材料(結着用樹脂)又は無機材料中に分散された構成であってもよい。
電荷注入輸送材料としては、有機発光層用の公知の電荷輸送材料を用いることができる。このような電荷注入輸送材料は、正孔注入輸送材料及び電子注入輸送材料に分類され、これらの具体的な化合物を以下に例示するが、本発明はこれらの材料に限定されるものではない。
正孔注入・正孔輸送材料としては、例えば、酸化バナジウム(V)、酸化モリブデン(MoO)等の酸化物、無機p型半導体材料、ポルフィリン化合物、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)−ベンジジン(TPD)、N,N’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニル−ベンジジン(NPD)等の芳香族第三級アミン化合物、ヒドラゾン化合物、キナクリドン化合物、スチリルアミン化合物等の低分子材料、ポリアニリン(PANI)、ポリアニリン−樟脳スルホン酸(PANI−CSA)、3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンサルフォネイト(PEDOT/PSS)、ポリ(トリフェニルアミン)誘導体(Poly−TPD)、ポリビニルカルバゾール(PVCz)、ポリ(p−フェニレンビニレン)(PPV)、ポリ(p−ナフタレンビニレン)(PNV)等の高分子材料等が挙げられる。
また、アノードからの正孔の注入・輸送をより効率よく行う点で、正孔注入層として用いる材料としては、正孔輸送層に使用する正孔注入輸送材料より最高被占分子軌道(HOMO)のエネルギー準位が低い材料を用いることが好ましく、正孔輸送層としては、正孔注入層に使用する正孔注入輸送材料より正孔の移動度が、高い材料を用いることが好ましい。
また、より正孔の注入・輸送性を向上させるため、前記正孔注入・輸送材料にアクセプターをドープする事が好ましい。アクセプターとしては、有機発光層用の公知のアクセプター材料を用いることができる。これらの具体的な化合物を以下に例示するが、本発明はこれらの材料に限定されるものではない。
アクセプター材料としては、Au、Pt、W,Ir、POCl3 、AsF6 、Cl、Br、I、酸化バナジウム(V)、酸化モリブデン(MoO)等の無機材料、TCNQ(7,7,8,8,−テトラシアノキノジメタン)、TCNQF4 (テトラフルオロテトラシアノキノジメタン)、TCNE(テトラシアノエチレン)、HCNB(ヘキサシアノブタジエン)、DDQ(ジシクロジシアノベンゾキノン)等のシアノ基を有する化合物、TNF(トリニトロフルオレノン)、DNF(ジニトロフルオレノン)等のニトロ基を有する化合物、フルオラニル、クロラニル、ブロマニル等の有機材料が挙げられる。この内、TCNQ、TCNQF4 、TCNE、HCNB、DDQ等のシアノ基を有する化合物がよりキャリア濃度を効果的に増加させることが可能であるためより好ましい。
電子注入・電子輸送材料としては、例えば、n型半導体である無機材料、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、チオピラジンジオキシド誘導体、ベンゾキノン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、ジフェノキノン誘導体、フルオレノン誘導体、ベンゾジフラン誘導体等の低分子材料;ポリ(オキサジアゾール)(Poly−OXZ)、ポリスチレン誘導体(PSS)等の高分子材料が挙げられる。特に、電子注入材料としては、特にフッ化リチウム(LiF)、フッ化バリウム(BaF)等のフッ化物、酸化リチウム(LiO)等の酸化物等が挙げられる。
電子のカソードからの注入・輸送をより効率よく行う点で、電子注入層として用いる材料としては、電子輸送層に使用する電子注入輸送材料より最低空分子軌道(LUMO)のエネルギー準位が高い材料を用いることが好ましく、電子輸送層として用いる材料としては、電子注入層に使用する電子注入輸送材料より電子の移動度が高い材料を用いることが好ましい。
また、より電子の注入・輸送性を向上させるため、前記電子注入・輸送材料にドナーをドープする事が好ましい。ドナーとしては、有機発光層用の公知のドナー材料を用いることができる。これらの具体的な化合物を以下に例示するが、本発明はこれらの材料に限定されるものではない。
ドナー材料としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Al、Ag、Cu、In等の無機材料、アニリン類、フェニレンジアミン類、ベンジジン類(N,N,N’,N’−テトラフェニルベンジジン、N,N’−ビス−(3−メチルフェニル)−N,N’−ビス−(フェニル)−ベンジジン、N,N’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニル−ベンジジン等)、トリフェニルアミン類(トリフェニルアミン、4,4’4''−トリス(N,N−ジフェニル−アミノ)−トリフェニルアミン、4,4’4''−トリス(N−3−メチルフェニル−N−フェニル−アミノ)−トリフェニルアミン、4,4’4''−トリス(N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ)−トリフェニルアミン等)、トリフェニルジアミン類(N,N’−ジ−(4−メチル−フェニル)−N,N’−ジフェニル−1,4−フェニレンジアミン)等の芳香族3級アミンを骨格にもつ化合物、フェナントレン、ピレン、ペリレン、アントラセン、テトラセン、ペンタセン等の縮合多環化合物(ただし、縮合多環化合物は置換基を有してもよい)、TTF(テトラチアフルバレン)類、ジベンゾフラン、フェノチアジン、カルバゾール等の有機材料がある。この内特に、芳香族3級アミンを骨格にもつ化合物、縮合多環化合物、アルカリ金属がよりキャリア濃度を効果的に増加させることが可能であるためより好ましい。
有機発光層、正孔輸送層、電子輸送層、正孔注入層及び電子注入層等の有機層は、上記の材料を溶剤に溶解、分散させた有機発光層形成用の塗液を用いて、スピンコーティング法、ディッピング法、ドクターブレード法、吐出コート法、スプレーコート法等の塗布法、インクジェット法、凸版印刷法、凹版印刷法、スクリーン印刷法、マイクログラビアコート法等の印刷法等による公知のウエットプロセス、上記の材料を抵抗加熱蒸着法、電子線(EB)蒸着法、分子線エピタキシー(MBE)法、スパッタリング法、有機気相蒸着(OVPD)法等の公知のドライプロセス、又は、レーザー転写法等により形成することができる。なお、ウエットプロセスにより有機発光層を形成する場合には、有機発光層形成用の塗液は、レベリング剤、粘度調整剤等の塗液の物性を調整するための添加剤を含んでいてもよい。
有機発光層、正孔輸送層、電子輸送層、正孔注入層及び電子注入層等の有機層14は、バンク15で仕切られた領域内に形成しても良いし、バンク15をまたいで広い範囲に形成しても良い。
バンク15をまたいで広い範囲に形成する場合には、有機層は図1(a)、(c)に示すように、連続的な膜になる場合と、図1(b)、(d)に示すように、バンク部分で段切れした状態で形成される場合があるが、本発明はどちらも使用可能である。連続的な膜になるか段切れした状態になるかは、バンクの性質(特にテーパー形状や親撥液性など)、有機膜の形成方法、有機膜材料の性質(特に、塗布形成する場合には粘度や表面張力が重要)などに依存する。
一方、バンクで仕切られた領域に形成する場合には、例えば、図1(b)、(d)において、バンク上の有機膜がない状態となる。有機層14の形成領域を所定の範囲内に限定して形成する方法としては、例えば、マスク蒸着法、インクジェット法、印刷などによるウェット法を用いた塗わけ、LITI(Laser Induced Thermal imaging)、LIPS(laser Induced Pattern wise Sublimation)などのレーザーを用いる手法、フォトブリーチ法などの方法を適宜用いればよい。
上記の有機発光層14を構成する各層の膜厚は、通常1〜1000nm程度であるが、10〜200nmが好ましい。膜厚が10nm未満であると、本来必要とされる物性(電荷の注入特性、輸送特性、閉じ込め特性)が得なれない。また、ゴミ等の異物による画素欠陥が生じるおそれがある。また、膜厚が200nmを超えると有機発光層の抵抗成分により駆動電圧の上昇が生じ、消費電力の上昇に繋がる懸念がある。
第一電極(下部電極)12を所定の領域(例えば画素)毎に複数に区画するバンク(絶縁体)15は、少なくとも光反射性を有する材料から構成される。光反射性を有する材料としては、光反射性に加えて光拡散性を有する材料を用いることも好ましい。また、色調が白色の材料を用いることが好ましい。
単に光反射性のみの場合には、バンク15の側面の基板に対する角度や、バンク15の形状によって、取り出される光のプロファイルが大きく変わるため、所望の光プロファイルを得るためには、バンク側面の基板に対する角度やバンクの形状を適切なものに制御する必要も出てくる。これに対し、バンク15が光反射性に加えて、光散乱性、白色性を有していると、バンク15で反射する光の方向が広がるため、取り出される光のプロファイルは、バンク側面の基板に対する角度やバンクの形状にそれほど依存せず、自然な発光プロファイルが得られやすい。
一例として、バンク(絶縁体)15を、例えば、特開2007−322546号公報, 特開2008−211036号公報, 特開2011−66267号公報など開示されている高反射率の白色ソルダーレジストを利用して形成することができる。あるいは、ポリイミド系やアクリル系などの感光性樹脂にTiOなどの粒子を分散させて、光反射性、光散乱性、白色性などの機能を付与することも有効な手法である。
バンク(絶縁体)15は、光透過性または光不透過性の基板11の一面11a上に、所定のパターンで形成される。バンク15を所定の形状にパターン化するためには、光感光性樹脂に酸化チタン粒子などを添加したものをフォトリソグラフィーを用いてパターン化する方法、樹脂に酸化チタン粒子などを添加したものを全面形成し、その上にフォトレジストをパターン形成して、酸化チタン粒子を添加した樹脂層を所定のパターンにエッチングする方法など、半導体製造工程や液晶パネル製造工程などで用いられる公知の製造工程を適用することができる。
バンク15の膜厚は、例えば1μm〜5μmが概ね適切な範囲ではあるが、目的に合わせて適宜膜厚を選定してもよい。例えば、100nm〜数10μmの高さのバンクも使用可能であり、いずれの場合であっても本発明の効果を得ることができる。
バンク15によって有機発光層14から発した光を反射する前に、全反射を繰り返してそのたびごとに光がロスするのは好ましくないので、互いに隣接するバンク15どうしの間隔(開口径)はあまり大きくないほうがよい。隣接するバンク15どうしの間隔は、20mm,10mm,5mm,1mm,500μm,100μm,50μm,20μmなどである。
バンク15に光散乱性を持たせる場合には、バンク15を構成する樹脂中に微細な光反射性粒子を分散させることが好ましい。光反射性粒子は、粒径が200nm〜5μmであることが好ましい。これによって、バンク15は光反射性を持つとともに、光の反射方向をランダムにする光散乱性も持つことができる。
バンク15は、また、第一電極(下部電極)12のエッジ部分でのリークを防ぐ役割も果たす。即ち、第一電極12に有機発光層14を形成した場合、第一電極12の端面で有機発光層14の膜厚が薄くなる。このため第一電極12と第二電極13との間でショートが起こりやすくなる。バンク15をこうした領域に配置することによって、ショートを防止することができる。この場合、バンク15は、一般的にエッジカバー、ないし絶縁層などと称される構成物となる。
バンク15は、また、インクジェットなどウェットプロセスによって有機発光層14を形成する場合に、基板11のある画素領域に塗布された液体が、隣接する画素領域に流れることを防止する。こうした機能をより高めるために、バンク15に更に撥液性を付与する処理を施すことも好ましい。
有機層14を構成する各層は水分や酸素に弱く、一般的には封止を行うことが必要である。封止構造は様々なものが知られているが、例えば、第二電極(上部電極)に重ねて直接に絶縁膜を形成する構造がある。この場合、絶縁膜としては、SiOなどの無機膜、ポリイミド樹脂などによる有機膜、無機−有機ハイブリッド膜、無機−有機交互積層膜などを用いることができる。
以上のような構成の発光デバイスの作用について説明する。
図1(a)〜(d)にそれぞれ示すように、発光デバイス10の第一電極(下部電極)12と第二電極(上部電極)13との間に、所定の電圧値の電圧が印加されると、有機層14中に注入された電子と正孔との再結合によって生じた励起子(エキシトン)によって、有機層14が発光する。
有機層14で発光した光(励起光)のうち、絶縁膜に向かう方向に出射された光のうち、基板法線に対する角度が小さい光は、第二電極13、透明な絶縁層16を透過して外部に出射される。しかし、基板法線に対する角度が大きい光は発光デバイス10を構成する膜と空気との屈折率差のため、取り出すことができない。何度以下の光が取り出されるかは、主に、発光デバイス10を構成する膜の屈折率に依存し、スネルの法則に従う。
また、有機層14で発光した光(励起光)のうち、光不透過性の第一電極(下部電極)12に向かう方向に出射された光は、第一電極13の表面で反射され、再び有機発光層14を透過し、透明な絶縁層16に向かう。この反射された光のうち、基板法線に対する角度が小さい光は、第二電極13、絶縁層16を透過して外部に出射される。しかし、基板法線に対する角度が大きい光は発光デバイス10を構成する膜と空気との屈折率差のため、取り出すことができない。何度以下の光が取り出されるかは、主に、発光デバイス10を構成する膜の屈折率に依存し、スネルの法則に従う。
一方、有機層14で発光した光(励起光)のうち、面広がり方向(積層方向に直角な方向)に向けて出射された光は、バンク15に入射する。バンク15に入射した光は、バンク15が光反射性を有する材料から構成されているため、入射した光を反射、および好ましくは拡散させる。そして、バンク15で反射された光も、発光デバイス10内で反射、散乱などを繰り返すなどした後、絶縁層16に向かう。この光のうち、基板法線に対する角度が小さい光は、第二電極13、絶縁層16を透過して外部に出射される。しかし、基板法線に対する角度が大きい光は、発光デバイス10を構成する膜と空気との屈折率差のため、取り出すことができない。何度以下の光が取り出されるかは、主に、発光デバイス10を構成する膜の屈折率に依存し、スネルの法則に従う。
発光デバイス10から取り出されなかった光は、再び、発光デバイス10の内部を進むことになるが、その過程でバンク15にあたると、そこで進行方向を変え、再び、絶縁層16に向かう機会を得ることになると考えられる。そして、その時の基板法線に対する角度が小さければ外部に取り出され、基板法線に対する角度が大きければ、再度、発光デバイス10内で反射、散乱を繰り返すことになるが、光の出口が絶縁層16を介して外部に取り出される場所しかない以上、発光デバイス10の内部で減衰、消失する光以外は、原理的に外部に取り出されることになる。
このように、本実施形態の発光デバイス10によれば、バンク15に光反射性があるため、バンク15に向かって出射された光が、バンク15で吸収されてしまったり、バンク15内を導波して損失することがない。そして、バンク15に向かって出射された光をバンク15で反射させて第二電極13を経て外部に出射させることによって、光取出し効率を格段に向上させることが可能になる。
即ち、従来の発光デバイスは、有機層の屈折率や散乱性、あるいは形状の制御によって光取出し効率を上げるという発想に対して、本発明においては、有機層14において発光した光を、バンク15で囲われた領域内に閉じ込め、バンク15の方向に伝播させないことにある。こうした構成によって、光の出射を光を取り出したい方向にだけ限定でき、光をロスすることなく効率よく取り出せる。これによって、従来知られている発光デバイスと比較して、光取出し効率を格段に向上させることができる。
なお、バンク15は、光反射性は必須であるが、更に加えて正反射ではなく、乱反射性、散乱性を有する材料から構成することがより好ましい。正反射よりも、乱反射、散乱の方が、バンク15に入射した光がランダムな方向に反射されるため、光の取り出し効率をより一層高められる。
また、バンク15を配置する位置は、理想的には、所定の形状にパターン化された第一電極(下部電極)12の周辺すべてをバンク15で覆うことが好ましい。しかし、その一部のみをバンク15で覆っても、光取出し効率の向上効果は得られる。
(発光デバイス:第二実施形態)
図2は第二実施形態に係る発光デバイスを示す概略断面図である。
発光デバイス20は、光透過性または光不透過性の第一基板21と、この第一基板21の一面21aに順に積層された光反射性の第一電極(下部電極)22、および透明な第二電極(上部電極)23と、この第一電極22および第二電極23の間に形成された第一電荷輸送層24a、有機発光層24b、第二電荷輸送層24cからなる有機層24と、を有する。また、基板21の一面21aには、第一電極22を所定の領域毎に複数に区画する光反射性のバンク(絶縁体)25が形成されている。
この実施形態の発光デバイス20は、有機層24の発光領域の中心位置、即ち有機発光層24bの厚み方向の中心から第一電極22の上面までの距離が200nm以上となるように形成されている。
光取出し効率を下げる要因のひとつとして、金属電極との共鳴に基づく表面プラズモン現象がある。この表面プラズモン現象は、金属電極と発光位置との間の距離が200nm程度になると小さくなるため、有機層24の発光領域の中心位置と第一電極22との距離が200nm以上となるように設定することによって、高い光取出し効率を実現することができる。
有機層24の発光領域の中心位置と第一電極22との距離を200nm以上とする方法にはいくつかあるが、例えば、図2に示すように、有機層24を第一電荷輸送層24a、有機発光層24b、第二電荷輸送層24cで形成し、第一電荷輸送層24aの膜厚を200nm以上となるように形成する方法などがある。
なお、図2においては、有機EL素子を水分・酸素から守るための封止について図示していないが、図1と同様に第二電極23の上面を透明な絶縁層で覆う方法や、後述する第三実施形態のように第二基板を用いて封止する方法などを用いることができる。
また、図2においては、有機層24がバンク25をまたいだ連続膜となるように描かれているが、第一実施形態で説明したように、有機層24がバンク25の形成部分で段切れしていたり、バンク25で区切られた領域の中にのみ有機層24を形成した形態であってもよい。
(発光デバイス:第三実施形態)
図3は第三実施形態に係る発光デバイスを示す概略断面図である。
発光デバイス30は、光透過性または光不透過性の第一基板31と、この第一基板31の一面31aに順に積層された光反射性の第一電極(下部電極)32、および透明な第二電極(上部電極)33と、この第一電極32および第二電極33の間に形成された有機層34と、を有する。また、基板31の一面31aには、第一電極32、および有機層34とを所定の領域毎に複数に区画する光反射性のバンク(絶縁体)35が形成されている。
さらに、第一基板31に対向して、光透過性の第二基板36が配置されている。この第二基板36と第二電極33との間には、低屈折率層37、および水分吸収部材(水分吸収層)38が配されている。また、第一基板31と第二基板36との間の各層の周面には、外部から発光デバイス30の内部に水分や酸素の浸入を防止する封止層39が形成されている。
第二基板(封止基板)36は光透過性である必要があり、例えば、ガラス、フィルムなど硬質な透明基板を適用することができる。
水分吸収部材38は、水分や酸素から発光デバイス30を保護する。図3のように、光が出てゆく経路となる部分に水分吸収部材38を配置する場合には、水分吸収部材38は光透過性であることが求められる。図3では、光が出てゆく経路に水分吸収部材38を配置する場合を示しているが、光が出てゆく経路から外れた周辺部分に水分吸収部材を配置する構成でもよい。また、封止層39が水分の透過を防止する十分な能力を持っていれば、水分吸収部材を特に形成しなくても良い。
低屈折率層37は、光透過性の固体層、例えば無機膜と樹脂膜との積層体であればよい。また、低屈折率層37は、空気層、ドライ窒素層などの気体層、あるいは、減圧気体層、真空層などであることも好ましい。低屈折率層37を気体層とする場合には、第二基板36と第二電極(上部電極)33との間に例えばスペーサ部材などを挟んで所定の間隔を保持するようにして、エッジ部分で封止すればよい。
このような低屈折率層37でもっとも好ましいのは、気体層である。気体層は、例えば空気、窒素、アルゴン等の種々の気体で構成することができ、気体の種類は特に限定されない。ただし、有機層34との反応による特性劣化を抑制する観点では、不活性ガスを用いることが望ましい。
有機層34への水分の浸入による特性劣化を抑制する観点では、乾燥空気等の湿度が低い気体を用いることが望ましい。大気圧において、空気の屈折率は約1.000293であり、窒素の屈折率は約1.000297であり、アルゴンの屈折率は1.000281である。その他の気体を含めても、気体の屈折率は概ね1.000とみなすことができる。
気体の屈折率は、圧力が変わっても略変わらないと考えてよい。よって、気体層の圧力は任意でよく、大気圧(1.01325×105Pa)であってもよいし、大気圧に対して減圧状態であってもよいし、加圧状態であってもよい。減圧状態の場合、絶対真空は現実には存在しないものの、気体層6の形態が維持される状態であれば、例えば高真空状態(0.1Pa〜10−5Pa)や超高真空状態(10−5Pa以下)であってもよい。
すなわち、気体の圧力に係わらず、有機層34と第二基板36とは、互いに接触することなく、所定の距離をおいて配置され、有機層34と第二基板36との間に厚さが略一定の気体層からなる低屈折率層37が形成されている必要がある。以下の説明では、気体層からなる低屈折率層37の屈折率を1.000とする。
この実施形態において、低屈折率層37が気体層である場合、第一実施形態で説明したのと同様のメカニズムで、発光した光は気体層からなる低屈折率層37に取り出される。気体層と外部との屈折率差は実質的にほぼゼロであるため、気体層に出てきた光は、第二基板36を介して外部に取り出されることになる。
低屈折率層37が気体でない場合、その屈折率は第二基板36の屈折率の値と1.0と間の屈折率となる低屈折率層37を配置する。屈折率の値が1.0に近づくほど光取出し効率は高くなり、屈折率の値がガラスと同じ場合には、多くの光がこの層またはガラスなどから構成された第二基板36を導波して逃げていってしまい、効果がなくなってしまう。
なお、図3においては、有機層34がバンク35をまたいだ連続膜となるように描かれているが、第一実施形態で説明したように、有機層34がバンク35の形成部分で段切れしていたり、バンク35で区切られた領域の中にのみ有機層34が形成されていても良い。
また、光反射性のバンク35を設けずに、低屈折率層37を形成しただけでは、第二電極33と低屈折率層37との界面で跳ね返った光が正反射を繰り返して面広がり方向に逃げてゆくことになり、光取出し効率はそれほど向上しない。ゆえに、光反射性のバンク35と低屈折率層37を組み合わせて用いることによって、光取出し効率の大幅な向上効果を得ることができる。
(発光デバイス:第四実施形態)
図4は第四実施形態に係る発光デバイスを示す概略断面図である。
発光デバイス40は、光透過性または光不透過性の第一基板41と、この第一基板41の一面41aに順に積層された反射層46、光透過性の第一電極(下部電極)42、および透明な第二電極(上部電極)43と、この第一電極42および第二電極43の間に形成された有機層44と、第一電極42、有機層44とを所定の領域毎に複数に区画する光反射性のバンク(絶縁体)45が形成されている。を有する。
反射層46は例えば、金属膜によって構成されている。例えば、Ag, Alなどを用いることができる。
この実施形態においては、有機層44の発光領域の中心位置と第一電極42との間の距離が200nm以上である。有機層44の発光領域の中心位置と第一電極42との間の距離を200nm以上とするのは、第二実施形態でも説明したとおり、金属との共鳴に基づく表面プラズモン現象による光取出しロスを防ぐためである。
有機層44の発光領域の中心位置と第一電極42との距離を200nm以上とする方法は、第二実施形態で説明した方法と同様の方法を用いることができるが、本実施形態においては、光透過性の第一電極42も金属と発光位置とを離すことに寄与しており、200nm以上という距離を得るために有効な手法である。
なお、図4においては、発光デバイス40を水分・酸素から守るための封止について図示していないが、図1と同様に絶縁層で覆う方法や、図3に示した第二基板を用いて封止する方法などを用いることができる。
また、図4においては、有機層44がバンク45をまたいだ連続膜となるように示しているが、第一実施形態で説明したように、有機層44がバンク45の形成部分で段切れしていたり、バンク45で区切られた領域の中にのみ有機層44を形成してもよい。
(発光デバイス:第五実施形態)
図5は第五実施形態に係る発光デバイスを示す概略断面図である。
発光デバイス50は、光透過性または光不透過性の第一基板51と、この第一基板51の一面51aに順に積層された反射層56、光透過性の中間層57、光透過性の第一電極(下部電極)52、および透明な第二電極(上部電極)53と、この第一電極52および第二電極53の間に形成された有機発光層54と、を有する。また、基板51の一面51aには、第一電極52を所定の領域毎に複数に区画する光反射性のバンク(絶縁体)55が形成されている。なお、中間層57は必要に応じて省略されても良い。
この実施形態においては、有機層54の発光領域の中心位置と第一電極52との距離を200nm以上にすることも好ましい。有機層54の発光領域の中心位置と第一電極52までの距離が200nm以上とするのは、第二実施形態で説明したとおり、金属との共鳴に基づく表面プラズモン現象による光取出しロスを防ぐためである。
有機層54の発光領域の中心位置と第一電極52との距離を200nm以上とする方法は、第二実施形態で説明した方法を用いることができるが、本実施形態においては、中間層57及び光透過性の第一電極52も金属と発光位置とを離すことに寄与しており、200nm以上という距離を得るために有効な手法といえる。
なお、図5においては、発光デバイス50を水分・酸素から守るための封止について図示していないが、図1と同様に絶縁膜で覆う方法や、図3に示した第二基板を用いて封止する方法などを用いることができる。
また、図5においては、有機層54がバンク55をまたいだ連続膜となるように示されているが、第一実施形態で説明したように、有機層54がバンク55の形成部分で段切れしていたり、バンク55で区切られた領域の中にのみ有機層54を形成した形態であってもよい。
(発光デバイス:第六実施形態)
図6は第六実施形態に係る発光デバイスを示す概略断面図である。
発光デバイス60は、光透過性または光不透過性の第一基板61と、この第一基板61の一面61aに順に積層された反射層66、光透過性の中間層67、光透過性の第一電極(下部電極)62、および光透過性の第二電極(上部電極)63と、この第一電極62および第二電極63の間に形成された有機層64と、を有する。また、第一基板61の一面61aには、第一電極62を所定の領域毎に複数に区画する光反射性のバンク(絶縁体)65が形成されている。
本実施例において、反射層66は導電性であり、第一電極62と反射層66とは所定の位置に形成された中間層67のスルーホール(接続領域)Pを介して電気的に接続されている。
図6においては、中間層67の中を通って光が逃げるパスを塞いでおり、光取り出しの観点から好ましい。また、反射層66は、配線抵抗を下げる役割を担うこともできる。
なお、図6においては、発光デバイス60を水分・酸素から守るための封止について図示していないが、図1と同様に絶縁層で覆う方法や、図3などで示した第二基板を用いて封止する方法などを用いることができる。
また、図6においては、有機層64がバンク65をまたいだ連続膜となるように示されているが、第一実施形態で説明したように、有機層64がバンク65の形成部分で段切れしていたり、バンク65で区切られた領域の中にのみ有機層が形成されていても良い。
(発光デバイス:第七実施形態)
図7は第七実施形態に係る発光デバイスを示す概略断面図である。
発光デバイス70は、光透過性または光不透過性の第一基板71と、この第一基板71の一面71aに順に積層された反射層76、光透過性の中間層77、光透過性の第一電極(下部電極)72、および透明な第二電極(上部電極)73と、この第一電極72および第二電極73の間に形成された有機発光層74と、を有する。また、第一基板71の一面71aには、第一電極72を所定の領域毎に複数に区画する光反射性のバンク(絶縁体)75が形成されている。
さらに、第一基板71に対向して、光透過性の第二基板78が配置されている。この第二基板78と第二電極73との間には、低屈折率層79、および水分吸収部材(水分吸収層)81が配されている。また、第一基板71と第二基板76との間の各層の周面には、外部から発光デバイス70の内部に水分や酸素の浸入を防止する封止層82が形成されている。
本実施形態において、反射層76は導電性であり、第一電極72と反射層76とは所定の位置に形成された中間層77のスルーホール(接続領域)Pを介して電気的に接続されている。この実施形態では中間層77の中を通って光が逃げるパスを塞いでおり、光取り出しの観点から好ましい。
さらに、第一基板71に対向して、光透過性の第二基板78を形成することによって、外部から発光デバイス70の内部に水分や酸素が浸入するのを防ぐため、周囲を封止層82で封止している。
第二基板(封止基板)78は光透過性である必要があり、例えば、ガラス、フィルムなど硬質な透明基板を適用することができる。
水分吸収部材81は、水分や酸素から発光デバイス70を保護する。図7のように、光が出てゆく経路となる部分に水分吸収部材81を配置する場合には、水分吸収部材81は光透過性であることが求められる。図3では、光が出てゆく経路に水分吸収部材81を配置する場合を示しているが、光が出てゆく経路から外れた周辺部分に水分吸収部材を配置する構成でもよい。また、封止層82が水分の透過を防止する十分な能力を持っていれば、水分吸収部材を特に形成しなくても良い。
低屈折率層79は、光透過性の固体層、例えば無機膜と樹脂膜との積層体であればよい。また、低屈折率層79は、空気層、ドライ窒素層などの気体層、あるいは、減圧気体層、真空層などであることも好ましい。低屈折率層79を気体層とする場合には、第二基板78と第二電極(上部電極)73との間に例えばスペーサ部材などを挟んで所定の間隔を保持するようにして、エッジ部分で封止すればよい。
このような低屈折率層79でもっとも好ましいのは、気体層である。気体層は、例えば空気、窒素、アルゴン等の種々の気体で構成することができ、気体の種類は特に限定されない。ただし、有機層74との反応による特性劣化を抑制する観点では、不活性ガスを用いることが望ましい。
有機層74への水分の浸入による特性劣化を抑制する観点では、乾燥空気等の湿度が低い気体を用いることが望ましい。大気圧において、空気の屈折率は約1.000293であり、窒素の屈折率は約1.000297であり、アルゴンの屈折率は1.000281である。その他の気体を含めても、気体の屈折率は概ね1.000とみなすことができる。
気体の屈折率は、圧力が変わっても略変わらないと考えてよい。よって、気体層の圧力は任意でよく、大気圧(1.01325×105Pa)であってもよいし、大気圧に対して減圧状態であってもよいし、加圧状態であってもよい。減圧状態の場合、絶対真空は現実には存在しないものの、気体層6の形態が維持される状態であれば、例えば高真空状態(0.1Pa〜10−5Pa)や超高真空状態(10−5Pa以下)であってもよい。
すなわち、気体の圧力に係わらず、有機層74と第二基板78とは、互いに接触することなく、所定の距離をおいて配置され、有機層74と第二基板78との間に厚さが略一定の気体層からなる低屈折率層79が形成されている必要がある。以下の説明では、気体層からなる低屈折率層79の屈折率を1.000とする。
この実施形態において、低屈折率層79が気体層である場合、第一実施形態で説明したのと同様のメカニズムで、発光した光は気体層からなる低屈折率層79に取り出される。気体層と外部との屈折率差は実質的にほぼゼロであるため、気体層に出てきた光は、第二基板36を介して外部に取り出されることになる。
低屈折率層79が気体でない場合、その屈折率は第二基板78の屈折率の値と1.0と間の屈折率となる低屈折率層79を配置する。屈折率の値が1.0に近づくほど光取出し効率は高くなり、屈折率の値がガラスと同じ場合には、多くの光がこの層またはガラスなどから構成された第二基板78を導波して逃げていってしまい、効果がなくなってしまう。
なお、図7においては、有機層74がバンク75をまたいだ連続膜となるように示されているが、第一実施形態で説明したように、有機層74がバンク75の形成部分で段切れしていたり、バンク75で区切られた領域の中にのみ有機層74が形成されていても良い。
また、光反射性のバンク75を設けずに、低屈折率層79を形成しただけでは、第二電極73と低屈折率層79との界面で跳ね返った光が正反射を繰り返して面広がり方向に逃げてゆくことになり、光取出し効率はそれほど向上しない。ゆえに、光反射性のバンク75と低屈折率層79を組み合わせて用いることによって、光取出し効率の大幅な向上効果を得ることができる。
(発光デバイス:第八実施形態)
図8(a),(b)は第八実施形態に係る発光デバイスを示す概略断面図である。
発光デバイス90は、光不透過性の第一基板91と、この基板91の一面91aに順に積層された光透過性の中間層96、光透過性の第一電極(下部電極)92、および透明な第二電極(上部電極)93と、この第一電極92および第二電極93の間に形成された有機発光層94と、を有する。また、基板91の一面91aには、第一電極92を所定の領域毎に複数に区画する光反射性のバンク(絶縁体)95が形成されている。
第一基板91は導電性を有していても、また導電性を有していなくてもよい。第一基板91が導電性である場合、図8(b)に示すように中間層96のスルーホール(接続領域)を介して、第一電極72と第一基板71とを電気的に接続しても良い。また、中間層96は必要に応じて省略されてもよい。
図8(a)においては、中間層96の中を通って光が逃げるパスが存在するが、図9(b)のように、中間層96をパターニングすることによりこのパスを塞ぎ、光取り出し効率を上げることも好ましい。
なお、図8(a),(b)においては、発光デバイス90を水分・酸素から守るための封止について図示していないが、図1と同様に絶縁膜で覆う方法や、図3などに示した第二基板を用いて封止する方法などを用いることができる。
また、図8(a),(b)においては、有機膜94がバンク95をまたいだ連続膜となるように示されているが、第一実施形態で説明したように、有機層94がバンク95の形成部分で段切れしていたり、バンク95で区切られた領域の中にのみ有機層94を形成してもよい。
(バンクの形状例)
バンクの形状はさまざまな形状にすることができる。図9は、バンクの形状例を示した断面図である。
図9(a)は、各領域を四角形に形成したものである。
図9(b)は、各領域を円形に形成したものである。各領域を円形にすると、バンクで反射される光のプロファイルが各方向で等しくなるというメリットがある。また、有機層を塗布法で形成する場合などにおいては、四角形のように角部があると。その部分だけ液が濡れ広がりにくいといった課題が生じる場合があるが、円形の場合には角部がないため、液を均一に広げることができる。なお、この図9(b)では各領域を円形で描いているが、楕円や、四角形の角部に丸みを帯びさせた形状などに形成してもよい。
図9(c)は、各領域の配置をヘキサゴナル配置にしたものである。ヘキサゴナル配置にすることによって、図9(c)の実施形態と比較して、発光エリアの比率を高めることができる。
図9(d)は、六角形の領域をヘキサゴナル配置したものである。
図9(e)は、各領域の一部にバンクを形成しない領域を配したものである。こうすることによって、第二電極がバンクを乗り越えるときに段切れすることを防止し、歩留まり、および信頼性を向上させることができる。
図9(f)は、各領域の一部にバンクを形成しない領域の位置を、一直線にさせないようにした例である。
図9(e)に示した実施形態の場合、バンクを形成していない領域において、横方向に導波する光がデバイスの端まで反射散乱されることがなく、損失となる。これに対して、図9(f)では、バンクを形成していない領域において、横方向に導波してある領域から次の領域に進んで光が、次の領域ではバンクにあたる構造となっており、光の損失を抑制できる。図9(g)、図9(h)、図9(i)は、図9(d)、図9(b)、図9(c)の構成において、それぞれ各領域の一部にバンクを形成しない領域を配したものである。
(照明装置)
発光デバイスを適用した照明装置の実施形態として、例えば、図10(A)に示すシーリングライト(照明装置)が挙げられる。図10(A)に示すシーリングライト100は、照明部101、吊具102、及び電源コード103等を備えている。そして、照明部101として前記各実施形態の発光デバイスが好適に適用できる。また、この発光デバイスを制御するための駆動部を内蔵している。
本発明の一実施形態に係る発光デバイスをシーリングライト100の照明部101に適用することによって、少ない消費電力で明るく、かつ自在な色調の照明光を得ることができ、光演出性の高い照明器具を実現することができる。また、均一な照度で色純度の高い面発光が可能な照明器具を実現することができる。
また、発光デバイスを適用した照明装置の実施形態として、例えば、図10(B)に示す照明スタンドが挙げられる。図10(B)に示す照明スタンド110は、照明部111、スタンド112、電源スイッチ113、及び電源コード114等を備えている。そして、照明部111として前記各実施形態の発光デバイスが好適に適用できる。また、この発光デバイスを制御するための駆動部を内蔵している。
本発明の一実施形態に係る発光デバイスを照明スタンド110の照明部111に適用することによって、少ない消費電力で明るく、かつ自在な色調の照明光を得ることができ、光演出性の高い照明器具を実現することができる。また、均一な照度で色純度の高い面発光が可能な照明器具を実現することができる。
(表示装置)
発光デバイスを適用した表示装置の実施形態として、図11(A)に示す携帯電話機、図11(B)に示す有機ELテレビなどが挙げられる。
図11(A)に示す携帯電話機120は、本体121、表示部122、音声入力部123、音声出力部124、アンテナ125、操作スイッチ126等を備えており、表示部122に前記各実施形態の発光デバイスが用いられている。また、この発光デバイスを制御するための駆動部を内蔵している。
図11(B)に示すテレビ受信装置130は、本体キャビネット131、表示部132、スピーカー133、スタンド134等を備えており、表示部132に前記各実施形態の発光デバイスが用いられている。また、この発光デバイスを制御するための駆動部を内蔵している。
これら携帯電話機や有機ELテレビにおいては、前記各実施形態の発光デバイスが用いられているため、輝度が高く表示品位に優れている。
10…発光デバイス、11…第一基板、12…第一電極(下部電極)、13…第二電極(上部電極)、14…有機発光層、15…バンク。

Claims (17)

  1. 第一基板の一面に順に積層された第一電極、および光透過性導電材料からなる第二電極と、該第一電極および第二電極の間に形成された有機層と、を少なくとも有する発光デバイスであって、
    少なくとも前記第一電極を所定の領域毎に複数に区画するバンクを備え、該バンクは光反射性の材料から構成され、
    前記第一電極は光反射性の導電材料、前記第二電極は光透過性の導電材料からそれぞれ構成され、
    前記第二電極及び前記バンクを覆うように絶縁膜が形成されていることを特徴とする発光デバイス。
  2. 第一基板の一面に順に積層された第一電極、および光透過性導電材料からなる第二電極と、該第一電極および第二電極の間に形成された有機層と、を少なくとも有する発光デバイスであって、
    少なくとも前記第一電極を所定の領域毎に複数に区画するバンクを備え、該バンクは光反射性の材料から構成され、
    前記第一電極は光反射性の導電材料、前記第二電極は光透過性の導電材料からそれぞれ構成され、
    前記有機層の発光領域の中心位置から前記第一電極までの間隔が200nm以上となるように設定したことを特徴とする発光デバイス。
  3. 第一基板の一面に順に積層された第一電極、および光透過性導電材料からなる第二電極と、該第一電極および第二電極の間に形成された有機層と、を少なくとも有する発光デバイスであって、
    少なくとも前記第一電極を所定の領域毎に複数に区画するバンクを備え、該バンクは光反射性の材料から構成され、
    前記第一電極は光反射性の導電材料、前記第二電極は光透過性の導電材料からそれぞれ構成され、
    前記第一基板に対向して第二基板を配し、
    更に前記第一基板と前記第二基板との間に、該第二基板よりも低い屈折率を有する低屈折率層、および水分吸収部材を配したことを特徴とする発光デバイス。
  4. 第一基板の一面に順に積層された光反射層、第一電極、および光透過性導電材料からなる第二電極と、該第一電極および第二電極の間に形成された有機層と、を少なくとも有する発光デバイスであって、
    少なくとも前記第一電極を所定の領域毎に複数に区画するバンクを備え、該バンクは光反射性の材料から構成され、
    前記第一電極は光反射性の導電材料、前記第二電極は光透過性の導電材料からそれぞれ構成されていることを特徴とする発光デバイス。
  5. 第一基板の一面に順に積層された反射層、中間層、第一電極、および光透過性導電材料からなる第二電極と、前記第一電極および前記第二電極の間に形成された有機層と、を少なくとも有する発光デバイスであって、
    少なくとも前記第一電極を所定の領域毎に複数に区画するバンクを備え、該バンクは光反射性の材料から構成され、
    前記第一電極は光反射性の導電材料、前記第二電極は光透過性の導電材料、前記中間層は光透過性の材料からそれぞれ構成されることを特徴とする発光デバイス。
  6. 第一基板の一面に順に積層された反射層、中間層、第一電極、および光透過性導電材料からなる第二電極と、前記第一電極および前記第二電極の間に形成された有機層と、を少なくとも有する発光デバイスであって、
    少なくとも前記第一電極を所定の領域毎に複数に区画するバンクを備え、該バンクは光反射性の材料から構成され、
    前記第一電極は光反射性の導電材料、前記第二電極は光透過性の導電材料、前記反射層は導電材料、前記中間層は光透過性の材料からそれぞれ構成され、
    前記中間層には、前記第一電極と前記反射層とを電気的に接続する接続領域を形成したことを特徴とする発光デバイス。
  7. 前記第一基板に対向して第二基板が更に配され、
    前記第一基板と前記第二基板との間には、該第二基板よりも低い屈折率を有する低屈折率層、および水分吸収部材を配したことを特徴とする請求項6記載の発光デバイス。
  8. 第一基板の一面に順に積層された中間層、第一電極、および光透過性導電材からなる第二電極と、前記第一電極および前記第二電極の間に形成された有機層と、を少なくとも有する発光デバイスであって、
    少なくとも前記第一電極を所定の領域毎に複数に区画するバンクを備え、該バンクは光反射性の材料から構成され、
    前記第一基板は光反射性の材料、前記第一電極は光反射性の導電材料、前記第二電極は光透過性の導電材料、前記中間層は光透過性の材料からそれぞれ構成されていることを特徴とする発光デバイス。
  9. 前記バンクと前記反射層とは互いにその一部が接触するように形成されていることを特徴とする請求項5ないし7いずれか1項記載の発光デバイス。
  10. 前記低屈折率層は、気体から構成されていることを特徴とする請求項3または7記載の発光デバイス。
  11. 前記有機層の発光領域の中心位置から前記第一電極までの間隔が200nm以上となるように設定したことを特徴とする請求項5ないし9いずれか1項記載の発光デバイス。
  12. 前記バンクは、光反射性に加えて更に光拡散性を有する材料から構成されることを特徴とする請求項1ないし11いずれか1項記載の発光デバイス。
  13. 前記バンクは、白色材料から構成されることを特徴とする請求項1ないし12いずれか1項記載の発光デバイス。
  14. 前記バンクは、樹脂中に微細な粒子を分散させてなることを特徴とする請求項1ないし13いずれか1項記載の発光デバイス。
  15. 前記粒子の粒径は200nm以上、5μm以下であることを特徴とする請求項14に記載の発光デバイス。
  16. 請求項1ないし15いずれか1項記載の発光デバイスと、前記発光デバイスを制御する駆動部とを備えたことを特徴とする照明装置。
  17. 請求項1ないし15いずれか1項記載の発光デバイスと、前記発光デバイスを制御する駆動部とを備えたことを特徴とする表示装置。
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