JPWO2014002329A1 - 太陽電池モジュールおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

太陽電池モジュール1は、受光側に配置された透光性部材18と、透光性部材と対向するように設けられ、貫通孔52が形成されている裏面ガラス板50と、透光性部材と裏面ガラス板との間に設けられている光起電力装置100と、貫通孔を封止する封止部58と、光起電力装置と接続され、封止部の下方まで延びるように配置されている配線と、封止部の下方において、配線上に配置されている導電性部材と、を備える。封止部58は、貫通孔52の内周面に接合されているガラス部材と、ガラス部材を貫通した状態でガラス部材に接合されており、光起電力装置において発生した電力を外部へ出力する金属端子54と、を有する。金属端子54は、導電性部材を介して配線と接続されている。

Description

本発明は、太陽電池モジュールおよびその製造方法に関する。
従来、光エネルギーを電気エネルギーに変換する光電変換装置として、いわゆる太陽電池の開発が各方面で精力的に行われている。太陽電池は、一般的にパネル状の形態を有している。このような太陽電池パネルは、例えば、透明ガラス基板、充填接着剤、太陽電池セル、充填接着剤、裏面保護カバー材を順に重ね、積層構成に一体化した後、周縁端部を封止材で封止して得られる。ここで、太陽電池セルに発生した電力を取り出すために、太陽電池セルに接続された2本のリード線は、裏面保護カバー材を貫通し、裏面保護カバー材の外側に設けられたボックスに収容されている。そのため、裏面保護カバー材には、2本のリード線を貫通させるために端子口が設けられているが、防水を目的として、当該端子口は、シリコーン樹脂等の充填接着剤で封止されている(特許文献1参照)。
特開平9−279789号公報
しかしながら、端子口に用いるシリコーン樹脂等の充填接着剤は、端子口からパネル内部への水蒸気の浸入を完全に防止することは困難であり、太陽電池モジュールの端子口を封止するという観点では更なる改善の余地がある。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、太陽電池モジュールの信頼性を向上させる技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の太陽電池モジュールは、受光側に配置された透光性部材と、透光性部材と対向するように設けられ、貫通孔が形成されている裏面ガラス板と、透光性部材と裏面ガラス板との間に設けられている光起電力装置と、貫通孔を封止する封止部と、光起電力装置と接続され、封止部の下方まで延びるように配置されている配線と、封止部の下方において、配線上に配置されている導電性部材と、を備える。封止部は、貫通孔の内周面に接合されているガラス部材と、ガラス部材を貫通した状態でガラス部材に接合されており、光起電力装置において発生した電力を外部へ出力する金属端子と、を有する。金属端子は、導電性部材を介して配線と接続されている。
本発明の別の態様は、太陽電池モジュールの製造方法である。この方法は、透光性部材の上に設けられた光起電力装置上に、該光起電力装置と接続された配線が設けられた第1モジュールを準備する工程と、裏面ガラス板に形成されている貫通孔に、光起電力装置において発生した電力を外部へ出力する金属端子が裏面ガラス板を貫通するようにガラス部材を介して固定され、該貫通孔が封止された第2モジュールを準備する工程と、第1モジュールと第2モジュールとを対向させ、金属端子と配線とを導電性部材を介して接続する接続工程と、を含む。
本発明によれば、太陽電池モジュールの信頼性を向上させることができる。
第1の実施の形態に係る太陽電池モジュールを裏面側から見た平面図である。 図1のA領域の拡大図である。 図1に示す端子ボックス近傍のB−B断面図である。 図1に示す端子ボックスの内部を裏面側から見た正面図である。 第1の実施の形態に係る光起電力装置の概略断面図である。 図6(a)〜図6(c)は、第1の実施の形態における光起電力装置の製造方法を説明するための概略断面図である。 図7(a)〜図7(e)は、第1の実施の形態における光起電力装置の製造方法を説明するための概略断面図である。 図8(a)〜図8(b)は、第1の実施の形態における光起電力装置の製造方法を説明するための概略断面図である。 図9(a)〜図9(c)は、第1の実施の形態に係る太陽電池モジュールの製造方法を説明するための概略断面図である。 図10(a)〜図10(c)は、第1の実施の形態に係る太陽電池モジュールの製造方法を説明するための概略断面図である。 図11(a)、図11(b)は、第1の実施の形態に係る太陽電池モジュールの製造方法を説明するための概略断面図である。 第2の実施の形態に係る太陽電池モジュールを裏面側から見た平面図である。 図12に示す端子ボックス近傍のC−C断面図である。 図12に示す端子ボックスの内部を裏面側から見た正面図である。 透光性部材と裏面ガラス板との溶融接合の変形例を示す図である。 透光性部材と裏面ガラス板との溶融接合の他の変形例を示す図である。 高温高湿試験における最大出力点の変化を示すグラフである。
太陽電池を普及させるためには、発電コストの低減が必要とされており、その達成のためには、光起電力装置の長寿命化が有効である。長寿命化を妨げる要因の一つは、太陽電池モジュールのパネル内への水分の浸入である。一方、水分の浸入を防止するために、前述のごとく、周縁端部が封止材で封止されていたり、端子口が水蒸気透過率の低い樹脂材料で封止されていたりする。
しかしながら、樹脂材料はピンホールが発生しやすく、また、水蒸気透過率も完全に0とすることは材質上困難である。そのため、樹脂材料を用いた封止材は、防水性は考慮されているものの、防湿性という観点からは更なる改良の余地がある。そこで、本発明者らは、これらの事情を鑑みて鋭意検討した結果、太陽電池モジュールの信頼性を向上させることが可能な本願発明に想到した。
以下の実施の形態に示すある態様の太陽電池モジュールは、受光側に配置された透光性部材と、透光性部材と対向するように設けられ、貫通孔が形成されている裏面ガラス板と、透光性部材と裏面ガラス板との間に設けられている光起電力装置と、貫通孔を封止する封止部と、光起電力装置と接続され、封止部の下方まで延びるように配置されている配線と、封止部の下方において、配線上に配置されている導電性部材と、を備える。封止部は、貫通孔の内周面に接合されているガラス部材と、ガラス部材を貫通した状態でガラス部材に接合されており、光起電力装置において発生した電力を外部へ出力する金属端子と、を有する。金属端子は、導電性部材を介して配線と接続されている。
この態様によると、光起電力装置において発生した電力を外部へ出力する金属端子が設けられている貫通孔がガラス部材で封止されているため、太陽電池モジュール内部への水蒸気(水分)の浸入をより低減できる。そのため、水蒸気による光起電力装置や配線の劣化が長期間にわたって抑制され、太陽電池モジュールの信頼性を向上することができる。
導電性部材は、導電性フィルムであってもよい。これにより、太陽電池モジュールの厚みを抑えつつ、金属端子と配線との接続が可能となる。
導電性フィルムは、接着層と、接着層に分散されている金属粒子と、を有してもよい。これにより、金属端子と配線との接続信頼性が向上するとともに、熱応力の緩和が可能となる。
光起電力装置は、貫通孔を上方から見た場合に、当該光起電力装置の一部が導電性部材と重畳するように配置されていてもよい。このように、導電性部材と光起電力装置とが接近していても導電性部材による金属端子と配線との接続が可能となる。
ガラス部材は、ガラス転移温度が600℃以下の低融点ガラスであってもよい。これにより、高温での熱処理を必要とせずに、ガラス部材と裏面ガラス板との接合が可能となる。
裏面ガラス板は、周縁部において透光性部材と溶融接合されていてもよい。これにより、太陽電池モジュールの周縁部における裏面ガラス板と透光性部材との隙間から内部へ水蒸気が浸入することが抑制され、太陽電池モジュールの信頼性を更に向上することができる。
また、実施の形態の別の態様は、太陽電池モジュールの製造方法である。この方法は、透光性部材の上に設けられた光起電力装置上に、該光起電力装置と接続された配線が設けられた第1モジュールを準備する工程と、裏面ガラス板に形成されている貫通孔に、光起電力装置において発生した電力を外部へ出力する金属端子が裏面ガラス板を貫通するようにガラス部材を介して固定され、該貫通孔が封止された第2モジュールを準備する工程と、第1モジュールと第2モジュールとを対向させ、金属端子と配線とを導電性部材を介して接続する接続工程と、を含む。
この態様によると、貫通孔がガラス部材で封止された状態で裏面ガラス板と透光性部材とを対向させ、金属端子と配線とを導電性部材を介して接続するため、特に貫通孔から太陽電池モジュール内部への水蒸気(水分)の浸入をより低減できる。
上述の太陽電池モジュールの製造方法において、接続工程では、導電性部材として、接着層と該接着層に分散されている金属粒子とを有する導電性フィルムを使用し、少なくとも導電性フィルムが軟化する温度で加熱してもよい。これにより、金属端子と配線との接続信頼性が向上するとともに、熱応力の緩和が可能となる。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。
以下の各図に示す各層、各部の縮尺や形状は、説明を容易にするために便宜的に設定されており、特に言及がない限り限定的に解釈されるものではない。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係る太陽電池モジュール1を裏面側から見た平面図である。図2は、図1のA領域の拡大図である。図3は、図1に示す端子ボックス90近傍のB−B断面図である。図4は、図1に示す端子ボックス90の内部を裏面側から見た正面図である。
太陽電池モジュール1は、受光面側に配置された透光性部材18と、透光性部材18と対向するように設けられた裏面ガラス板50と、透光性部材18と裏面ガラス板50との間に設けられている光起電力装置100と、を備える。
透光性部材18は、例えば、1m角及び板厚4mmのガラス板が適用される。ただし、これに限定されるものではなく、光起電力装置100で発電に利用される波長帯域の光を透過し、光起電力装置100を機械的に支持でき、外部環境から光起電力装置100を保護できるものであれば、例えば、樹脂板等であってもよい。太陽電池モジュール1への光の入射は基本的に透光性部材18側から行われる。なお、太陽電池モジュール全体に求められる所定の強度を満たせるのであれば、ガラス板を薄くすることも可能であり、例えば、板厚3.2mmのガラス板を用いてもよい。
裏面ガラス板50は、透光性部材18上に形成された光起電力装置100を覆うように設けられる。裏面ガラス板50は、例えば、透光性部材18と略同じ大きさを有し、板厚3.2mmのガラス板が用いられる。ただし、これに限定されるものではない。
透光性部材18と裏面ガラス板50とは、それらの外周縁領域の接合領域R1において溶融接合されている。接合領域R1は、透光性部材18において光起電力装置100が形成されていない周辺部R2に設けられる。透光性部材18と裏面ガラス板50とを溶融接合するために、図3に示すように、透光性部材18及び裏面ガラス板50の少なくとも一方の周辺部を撓ませた状態とすることが好適である。
裏面ガラス板50と光起電力装置100との間に、充填材30としてエチレン酢酸ビニル(以下、EVAという。)、ポリビニルブチラール(以下、PVBという。)、各種オレフィン系樹脂などの樹脂材料を配置することが好適である。充填材30でガラス板と密着させることにより、太陽電池モジュール1の強度を上げることができる。なお、裏面側での光の反射性を高めるために、充填材30と裏面ガラス板50との間に反射層を設けたり、又は充填材自体を色付きの樹脂としてもよい。例えば酸化チタン粒子が混入された充填材を用いると、より反射効果が上がり、太陽電池モジュール1の変換効率が向上する。
光起電力装置100は、裏面接合型(バックコンタクト型)の光起電力装置であり、受光面には電極を設けず、裏面側のみに電極が設けられている。
以下に光起電力装置100の主要な構成について図5を用いて説明する。図5は、第1の実施の形態に係る光起電力装置100の概略断面図である。
光起電力装置100の発電層としてのベース層14は結晶質の半導体層である。本実施の形態では、n型のドーパントが添加されたn型結晶質シリコン層とする。ベース層14のドーピング濃度は、例えば、1016/cm程度である。ベース層14の膜厚は、十分にキャリアを発生できる膜厚とすることが好ましく、例えば、1μm以上、100μm以下である。なお、結晶質とは、単結晶のみならず、多数の結晶粒が集合した多結晶も含むものとする。
パッシベーション層16は、透光性部材18とベース層14の間に設けられている。パッシベーション層16は、ベース層14に含まれるSiの表面の未結合手(ダングリングボンド)を終端させる等の役割を果たし、ベース層14の表面におけるキャリアの再結合を抑制する。パッシベーション層16を設けることによって、光起電力装置100の受光面側においてベース層14の表面でのキャリア再結合による損失を抑制することができる。パッシベーション層16は、例えば窒化シリコン層(SiN)を含むようにすればよく、酸化シリコン層(SiO)及び窒化シリコン層の積層構造とすることがより好ましい。例えばSiO層とSiN層をそれぞれ30nm及び40nmの膜厚で順に積層した構造とすればよい。
パッシベーション層16と透光性部材18とは、接着材を介さずに、透光性部材18とパッシベーション層16を直接接合した構造とする。透光性部材18とパッシベーション層を直接接合する方法としては、透光性部材18とパッシベーション層16との間に電圧を印加して張り合わせる陽極接合や、高真空中でイオンビームにより改質された、透光性部材18とパッシベーション層16のそれぞれの表面を張り合わせる常温接合などが挙げられる。なお、透光性部材18とパッシベーション層16を直接接合するのではなく、光起電力装置100で発電に利用される波長帯域の光を透過する接着材により接着してもよい。接着材料としては、例えば、EVA、PVB、シリコーン、各種オレフィン系樹脂などが挙げられる。
第1導電型層12は結晶質の半導体層である。本実施の形態では、第1導電型層12はn型のドーパントが添加されたn型結晶質シリコン層とする。第1導電型層は金属層と接合される層であり、ベース層14より高いドーピング濃度とされる。第1導電型層のドーピング濃度は1019/cm程度とすればよい。第1導電型層12の膜厚は、金属との接触抵抗を十分に低くできる範囲でできるだけ薄くすることが好ましく、例えば0.1μm以上、2μm以下とすればよい。
ベース層14と第1導電型層12とは結晶質同士がホモ接合された第1導電型コンタクト領域C1を形成する。第1導電型コンタクト領域C1は、例えば、光起電力装置100の面上内において、フィンガー及びバスバーを含む櫛形に形成される。第1導電型コンタクト領域C1の面積は、ベース層14の主面上において、第1導電型層12とホモ接合されている領域の面積を意味する。
絶縁層20は、第1導電型層12と後述するi型層22及び第2導電型層24とを電気的に絶縁するために用いられるとともに、第1導電型層12をエッチングするためのマスクとしても用いられる。絶縁層20は、電気的に絶縁性を有する材料から構成されており、例えば、窒化シリコン(SiN)とすればよい。絶縁層20の膜厚は例えば100nm程度とすればよい。
i型層22及び第2導電型層24は非晶質系の半導体層とされる。なお、非晶質系とはアモルファス相又はアモルファス相内に微小な結晶粒が析出している微結晶層を含む。本実施の形態では、i型層22及び第2導電型層24は水素を含有するアモルファスシリコンとする。i型層22は実質的に真性のアモルファスシリコン層とされる。第2導電型層24はp型のドーパントが添加されたアモルファスシリコン層とされる。第2導電型層24はi型層22よりもドーピング濃度が高い半導体層とされる。
例えば、i型層22には意図的にドーピングは行わず、第2導電型層24のドーピング濃度は1018/cm程度とすればよい。i型層22の厚さは、光の吸収ができるだけ抑えられるように薄くし、一方でベース層14の表面が十分にパッシベーションされる程度に厚くする。具体的には1nm以上、50nm以下とすればよく、例えば10nmとする。また、第2導電型層24の膜厚は、光吸収をできるだけ抑えられるように薄くし、一方で光起電力装置100の開放電圧が十分に高くなるような程度に厚くする。第2導電型層24の膜厚は、例えば1nm以上、50nm以下とすればよく、例えば10nmとする。
透明電極層26は、酸化錫(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、インジウム錫酸化物(ITO)などに、錫(Sn)、アンチモン(Sb)、フッ素(F)、アルミニウム(Al)などをドープした透明導電性酸化物(TCO)のうち、少なくとも1種類又は複数種を組み合わせて用いることが好適である。特に酸化亜鉛(ZnO)は、透光性が高く、抵抗率が低いなどの利点を有している。透明電極層26の膜厚は10nm以上500nm以下とすればよく、例えば100nmとする。
ベース層14とi型層22及び第2導電型層24とは結晶質を非結晶質とがヘテロ接合された第2導電型コンタクト領域C2を形成する。第2導電型コンタクト領域C2は例えば、光起電力装置100の面内上においてフィンガー及びバスバーを含み、第1導電型コンタクト領域C1と組み合わされた櫛形に形成される。第2導電型コンタクト領域C2の面積は、ベース層14の主面上においてi型層及び第2導電型層とヘテロ接合されている領域の面積を意味する。ここで、第1導電型コンタクト領域C1の面積を第2導電型コンタクト領域C2の面積より小さくするようにパターンを形成することが好適である。
金属層28は光起電力装置100の裏面側に設けられる電極となる層である。金属層28は金属などの導電性の材料から構成され、例えば、銅(Cu)やアルミニウム(Al)を含む材料とする。金属層28は、第1導電型層12に接続される第1電極28nと第2導電型層24に接続される第2電極28pとを含む。金属層28は、更に銅(Cu)や錫(Sn)などの電解メッキ層を含んでもよい。ただし、これに限定されるものではなく、金(Au)、銀(Ag)などの他の金属、他の導電性材料、又はそれらの組合せとしてもよい。
太陽電池モジュール1は、図1に示すように複数の光起電力装置100を有する。光起電力装置100は透光性部材18上に、マトリックス状に複数配置される。複数の光起電力装置100は、一の光起電力装置100の第1電極28nと隣接する光起電力装置100の第2電極28pとを相互接続する集電配線(第1集電配線60、65)を介して直列に接続される。図1に示す太陽電池モジュール1においては、20個の光起電力装置100が直列に接続されている。太陽電池モジュール1の用途に応じて光起電力装置100を並列、又は直列と並列を組み合わせて接続することも可能である。
そして、直列に接続された光起電力装置100の両端には、発電された電力を端子ボックスまで取り出すための第2集電配線80がそれぞれ接続されている。
第1集電配線60、65及び第2集電配線80の材料としては通常はCuを用いるが、Alなどの他の低抵抗の金属を用いてもよい。Cu製の集電配線の場合には、Snなどでメッキされたものが好適である。第1集電配線60,65と、第1電極28n及び第2電極28pとの接続には、ハンダや、ペースト状のAg、Cuなどの金属材料、又は、導電性のフィルムを用いてもよい。導電性のフィルムは、例えば、導電性樹脂を用いたフィルムや、金属粒子が混合された樹脂フィルムなどが挙げられる。
光起電力装置100を薄型化する場合は、光起電力装置100への熱応力ダメージを抑えることが可能な導電性のフィルムを用いて、第1電極28n、又は第2電極28pと第1集電配線60,65を用いて接続することが好適である。
第2集電配線80は、図1、図3及び図4に示すように絶縁被覆材70を介して光起電力装置100上に配設される。
絶縁被覆材70及び第2集電配線80は、裏面ガラス板50に形成されている貫通孔52と重畳する位置まで、光起電力装置100の裏面電極(金属層28)上に延設されている。絶縁被覆材70は、例えば、ポリエステル(PE)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド、ポリフッ化ビニル等を用いることが好適である。また、絶縁被覆材70は、裏面にシール状の接着剤が塗布されたものを用いることが好適である。
太陽電池モジュール1の電流取り出し部は、図4に示すように、裏面ガラス板50の表面上に設けられ、光起電力装置100において発生した電力を外部へ出力する導電路として機能する金属端子54を備えている。また、裏面ガラス板50は、所定の位置(図1では上端部側)に、直径6mmの貫通孔52が2つ形成されており、貫通孔52は光起電力装置100の上方に位置する。
貫通孔52は、封止部58により封止されている。封止部58は、貫通孔52の内周面に接合されているガラス部材としての低融点ガラス56と、低融点ガラス56を貫通した状態で裏面ガラス板50に接合されている金属端子54と、を有する。換言すると、金属端子54は、貫通孔52の内部に貫通孔52を貫通するように配置されている。また、金属端子54は、貫通孔52の内周面において、低融点ガラス56を介して裏面ガラス板50と溶融接合されている。低融点ガラス56としては、ガラス転移温度が600℃以下、より好ましくは400℃以下、更により好ましくは300℃以下のものがよい。特に、後述するラミネート処理の温度によって軟化する温度が好ましい。これにより、高温での熱処理を必要とせずに、低融点ガラス56と裏面ガラス板50との接合が可能となる。
低融点ガラス56としては、例えば、P−CuO−ZnO系低融点ガラス、P−SnO系低融点ガラス及びB−ZnO−Bi−Al系低融点ガラス等が挙げられる。金属端子54は、例えば、鉄とニッケルが50:50の合金とするとよい。このような合金は、低融点ガラスの線膨張係数と比較的近い線膨張係数を有しており、低融点ガラスの熱膨張による割れなどを抑制することができる。
第2集電配線80は、図1、図4に示すように、光起電力装置100と接続され、封止部58の下方まで延びるように配置されている。また、導電性部材としての導電性フィルム82は、封止部58の下方において、第2集電配線80上に配置されている。導電性フィルム82は、第2集電配線80上に配置され、かつ、貫通孔52の内部に配置されている金属端子54の下に配置する(図3、図4参照)。導電性フィルム82の上面は金属端子54の下端と当接し、導電性フィルム82の下面は第2集電配線80の上面と当接している。そのため、導電性フィルム82は、金属端子54と第2集電配線80とを導通する。つまり、第2集電配線80と金属端子54は、導電性フィルム82を介して互いに電気的に接続されている。
金属端子54は、端子ボックス90内の接続用金属端子92と、ハンダ又は金属性のクリップ状の金具で接続されている。端子ボックス90は、シリコーン系又はアクリル系の接着剤91により、裏面ガラス板50に接着されている。
本実施の形態に係る太陽電池モジュール1は、光起電力装置100において発生した電力を外部へ出力する金属端子54が設けられている貫通孔52がガラス部材である低融点ガラス56で封止されているため、太陽電池モジュール1内部への水蒸気(水分)の浸入をより低減できる。そのため、水蒸気による光起電力装置100や配線(第1集電配線60,65、第2集電配線80)の劣化が長期間にわたって抑制され、太陽電池モジュール1の信頼性を向上することができる。
また、導電性部材を導電性フィルム82で構成することで、太陽電池モジュール1の厚みを抑えつつ、金属端子54と第2集電配線80との接続が可能となる。
次に、第1の実施の形態における太陽電池モジュール1の製造方法について、図6乃至図11を用いて説明する。図6(a)〜図6(c)は、第1の実施の形態における光起電力装置100の製造方法を説明するための概略断面図である。図7(a)〜図7(e)は、第1の実施の形態における光起電力装置100の製造方法を説明するための概略断面図である。図8(a)〜図8(b)は、第1の実施の形態における光起電力装置100の製造方法を説明するための概略断面図である。なお、図7、図8では、説明を分かりやすくするために図6とは図の上下を逆にして示す。また、図6乃至図8では、一つの光起電力装置に着目して説明しているが、後述するように、太陽電池モジュールを製造する際には、複数の光起電力装置を一つの透光性部材上に同時に形成している。
光起電力装置100に用いるベース層14は、結晶質の半導体材料からなる。例えば、シリコン、多結晶シリコン、砒化ガリウム(GaAs)、インジウム燐(InP)等の半導体基板とする。
本実施の形態では、ベース層14として単結晶シリコン基板を用いた例を示す。したがって、後述する第1導電型層12、ベース層14、i型層22及び第2導電型層24もシリコン層とする。ただし、ベース層14に用いる基板10をシリコン以外の材料としてもよく、他の各層もシリコン層以外の材料としてもよい。
基板10の一主面にはポーラス層10aが形成される(図6(a))。ポーラス層10aは、陽極酸化処理等によって形成することができる。陽極酸化に用いる電解質は、例えば、フッ化水素酸及びエタノールの混合液、又は、フッ化水素酸及び過酸化水素水の混合液とすることができる。陽極酸化の電流密度は、5mA/cm以上600mA/cm以下とすればよく、例えば10mA/cm程度とする。
ポーラス層10aの厚さは、0.01μm以上30μm以下が好ましく、例えば10μm程度とする。ポーラス層10aの空孔径は、0.002μm以上5μm以下が好ましく、例えば0.01μm程度とする。ポーラス層10aの空孔率は、10%以上70%以下が好ましく、例えば20%程度とする。
基板10のポーラス層10a上に、第1導電型層12、ベース層14が形成される(図6(b))。第1導電型層12及びベース層14は、化学気相成長法(CVD)で形成することができる。第1導電型層12及びベース層14は、ポーラス層10aをシード層としたエピタキシャル成長により形成され、結晶質の半導体層同士が接合されたホモ接合領域を形成する。例えば、基板10を950℃に加熱し、水素(H)で希釈されたジクロロシラン(SiHCl)を原料ガスとして供給することにより成膜することができる。水素(H)とジクロロシラン(SiHCl)の流量は、例えばそれぞれ0.5(l/min)及び180(l/min)とする。また、必要に応じてホスフィン(PH)をドーピングガスとして添加する。
ベース層14上にパッシベーション層16が形成される(図6(c))。パッシベーション層16が窒化シリコン(SiN)の場合、シラン(SiH)に酸素(O)及び/又は窒素(N)を混合した原料ガスをプラズマ化して供給するプラズマ化学気相成長法(PECVD)によりパッシベーション層16を形成することができる。
パッシベーション層16まで形成された基板10が複数用意され、ガラス板からなる透光性部材18に各基板10のパッシベーション層16がそれぞれ直接接合される(図7(a))。特に図示していないが、この工程において、透光性部材18上に複数のパッシベーション層16(パッシベーション層16まで形成された複数の基板10)が直接接合された状態となる。
透光性部材18とパッシベーション層16を直接接合する方法としては、透光性部材18とパッシベーション層16の間に電圧を印加して張り合わせる陽極接合や、高真空中でイオンビームにより改質された、透光性部材18及びパッシベーション層16それぞれの表面を張り合わせる常温接合などが挙げられる。
陽極接合の場合は、例えば200〜400℃で、数100V以上の電圧を印加することにより、透光性部材18とパッシベーション層16とを接合することができる。使用する透光性部材18は、アルカリ成分を含み、接着する基板と線膨張係数が近いガラスが好ましい。例えば、Si基板の場合には、ホウケイ酸ガラスが適する。
常温接合の場合は、室温、10−6Pa以下の高真空中で、Arイオンビームにより、ガラス板等の透光性部材18やSiN等のパッシベーション層16の張り合わせ面側の、最表面のSiの原子に結合している分子を除去する。つまり、結合手(ダングリングボンド)が最表面にある状態で、張り合わせを行うことにより、短時間で接合することができる。常温接合の場合は、透光性部材18中にアルカリ成分がなくても接着可能であるので、無アルカリガラスを使用することもできる。
また、透光性部材18は、接着剤等によりパッシベーション層16に接着されてもよい。接着剤は、光起電力装置100で発電に利用される波長帯域の光を透過する材料が好適である。接着材料としては、例えば、EVA、PVB、シリコーン、各種オレフィン系樹脂などが挙げられる。
次に、ポーラス層10aを利用して基板10が分離される(図7(b))。基板10は、機械的な処理により分離することができる。例えば、基板10及び透光性部材18を真空チャックで吸着し、双方を引き離すように引っ張ることによって、ポーラス層10a部分から基板10を切り離すことができる。また、基板10の側面からポーラス層10aにウォータージェットを吹き付けることによって、ポーラス層10a部分から基板10を切り離すことができる。もし、第1導電型層12側にポーラス層10aの一部が残留している場合には、フッ化水素酸(HF)と硝酸(HNO)とを混合したフッ硝酸によるエッチング等で第1導電型層12上のポーラス層10aを除去してもよい。
基板10から切り離された後、第1導電型層12上に絶縁層20が形成されるとともに、第1導電型層12がパターンニングされる(図7(c))。絶縁層20は、シラン(SiH)に窒素(N)を混合した原料ガスをプラズマ化して供給するプラズマ化学気相成長法(PECVD)により形成することができる。
パターンニングは、エッチングペーストを用いて行うことができる。燐酸を含むエッチングペーストをスクリーン印刷法等により所望のパターンに塗布することによって、絶縁層20とともに第1導電型層12を除去する。また、所望のパターンとなるように絶縁層20をドライエッチングで除去し、絶縁層20をマスクとして第1導電型層12をドライエッチング又はウエットエッチングにより除去してもよい。絶縁層20のドライエッチングには、四フッ化炭素(CF)を用いた反応性イオンエッチング(RIE)を適用すればよい。また、第1導電型層12のドライエッチングには、六フッ化硫黄(SF)を用いた反応性イオンエッチング(RIE)を適用すればよい。第1導電型層12のウエットエッチングには、フッ化水素酸を含むエッチャントを用いればよい。
絶縁層20及び第1導電型層12は、光起電力装置100の裏面からできるだけ均等に電力を集電できるようにパターンニングすることが好ましい。例えば、光起電力装置100に一般的に適用されているフィンガー及びバスバーを含む櫛形のパターンとすることが好ましい。ここで、第1導電型コンタクト領域C1の面積を第2導電型コンタクト領域C2の面積より小さくするようにパターンを形成することが好適である。
パターンニングによって露出されたベース層14及び絶縁層20上にi型層22、第2導電型層24及び透明電極層26が形成される(図7(d))。i型層22及び第2導電型層24は、シラン(SiH)等のケイ素含有ガスのPECVDにより形成することができる。シラン(SiH)等のケイ素含有ガスを供給しつつ、高周波電源から高周波電極へ高周波電力を供給することによって原料ガスのプラズマが生成され、プラズマからベース層14及び絶縁層20上に原料が供給されてシリコン薄膜が形成される。原料ガスには、必要に応じてボロン(B)等のドーパント含有ガスを混合する。透明電極層26は、スパッタリング法等を用いて形成することができる。
次に、全面に形成されたi型層22、第2導電型層24、透明電極層26及び絶縁層20がパターニングされる(図7(e))。パターンニングは、エッチングペーストを用いて行うことができる。燐酸を含むエッチングペーストをスクリーン印刷法等により所望のパターンに塗布することによって、i型層22、第2導電型層24、透明電極層26及び絶縁層20を除去する。
ここでは、i型層22がベース層14に直接接触している領域以外の領域、すなわち、絶縁層20及び第1導電型層12が残されている第1導電型コンタクト領域C1上のi型層22、第2導電型層24、透明電極層26及び絶縁層20を除去してパターンニングする。パターンは、光起電力装置100の裏面からできるだけ均等に電力を集電できるように設定する。例えば、第1導電型層12の櫛形のパターンと交互に組み合わされる櫛形のパターンとすることが好ましい。
パターニングされた表面上に金属層28が形成される(図8(a))。金属層28は、スパッタリング法又はプラズマ化学気相成長法(PECVD)等の薄膜形成方法で形成することができる。
i型層22、第2導電型層24、透明電極層26及び金属層28の一部が除去される(図8(b))。これにより、金属層28が分断され、第1導電型層12に接続される第1電極28nと、透明電極層26に接続される第2電極28pと、が形成される。
i型層22、第2導電型層24、透明電極層26及び金属層28は、レーザエッチングにより除去することができる。また、スクリーン印刷法等でレジストを塗布してパターニングされたマスクを形成し、マスクを利用してi型層22、第2導電型層24、透明電極層26及び金属層28をそれぞれ別々にエッチングしてもよい。金属層28が銅(Cu)であれば塩化第二鉄をエッチャントとし、金属層28がアルミニウム(Al)であれば燐酸をエッチャントとすればよい。また、透明電極層26のエッチングには、塩酸(HCl)を含むエッチャントを用いればよい。また、i型層22及び第2導電型層24のエッチングには、フッ化水素酸(HF)を含むエッチャントを用いればよい。
このとき、第1導電型層12に接続される第1電極28nと第2導電型層24に接続される第2電極28pとが電気的に分離されるようにi型層22、第2導電型層24、透明電極層26及び金属層28を除去する。本実施の形態では、第1導電型層12上に残された絶縁層20の領域上のi型層22、第2導電型層24、透明電極層26及び金属層28を除去している。
また、第1電極28n及び第2電極28pに更に電解メッキ等で金属層を積層してもよい。例えば、銅(Cu)や錫(Sn)を電解メッキにより形成する。第1電極28n及び第2電極28pに電位を印加しつつ電解メッキ法で適用することにより、第1電極28n及び第2電極28pが残された領域上のみに金属層が積層される。
このようにして、形成された光起電力装置100では、透光性部材18が受光面側となり、第1電極28n及び第2電極28pの両方が裏面側に設けられた裏面接合型となる。
次に、前述の光起電力装置100が複数設けられた透光性部材18に、集電配線や裏面ガラス板などの他の部材を配置し、モジュール化する工程について説明する。図9(a)〜図9(c)は、第1の実施の形態に係る太陽電池モジュールの製造方法を説明するための概略断面図である。図10(a)〜図10(c)は、第1の実施の形態に係る太陽電池モジュールの製造方法を説明するための概略断面図である。図11(a)、図11(b)は、第1の実施の形態に係る太陽電池モジュールの製造方法を説明するための概略断面図である。
光起電力装置100をモジュール化する場合、並置された複数の光起電力装置100の第1電極28nと、隣接する光起電力装置100の第2電極28pとを第1集電配線60,65で接続して、複数の光起電力装置100を直列に接続する(図9(a))。
第1集電配線60は、接着剤が付いた導電性フィルムを用いて、第1電極28n又は第2電極28pと接続する。後述する真空ラミネータ装置により、裏面ガラス板50上から200℃以下の温度を加えながら圧着することにより、確実な電気的接続が可能となる。そのため、熱応力による光起電力装置100へのダメージを抑えることが可能となる。
前述のように、第2集電配線80は、光起電力装置100で発電された電力を端子ボックス外部まで取り出すためのものである。そして、光起電力装置100上の第2集電配線80を配設する部分の周辺に絶縁被覆材70を設置する(図9(b))。絶縁被覆材70は、裏面にシール状に接着剤が塗布されたものを用いることが好適である。
第2集電配線80は、絶縁被覆材70の上に、直列に接続された各光起電力装置100の終端の光起電力装置100の裏面電極から、裏面ガラス板50の貫通孔52と対向する位置まで延設する(図9(c))。そして、導電性フィルム82を、裏面ガラス板50の貫通孔52内の金属端子54と重畳するように、第2集電配線80上に配置する(図9(c)参照)。
このように、図9(a)〜図9(c)に示す工程によって、透光性部材18の上に設けられた光起電力装置100上に、光起電力装置100と接続された第2集電配線80が設けられた第1モジュール110を準備する。
次に、中心部に貫通孔56bが形成されている環(筒)状の低融点ガラス材料56aと、低融点ガラス材料56aの貫通孔56bに挿入される金属端子54を準備し(図10(a))、裏面ガラス板50の直径6mmの貫通孔52に、金属端子54が低融点ガラス材料56aの貫通孔56bに挿入された状態で配置する。低融点ガラス材料56aの厚みは、裏面ガラス板50の厚みと必ずしも同じでなくてもよく、厚くても薄くてもよい。その後、裏面ガラス板50の全体又は貫通孔52周辺付近の一部を300〜400℃の熱処理を施すことにより、貫通孔52の周囲において低融点ガラス材料56aが溶融し、裏面ガラス板50の貫通孔52の内周面と接合されてほぼ完全に封止される(図10(b))。ここで、裏面ガラス板50は、例えば無アルカリガラスや、ホウケイ酸ガラスのように線膨張係数が低いガラスを用いるのがより好ましい。これらのガラスを用いることにより、貫通孔52の封止に必要な熱処理時に、熱応力による割れをより防ぐ効果がある。
このように、図10(a)、図10(b)に示す工程によって、裏面ガラス板50に形成されている貫通孔52に、光起電力装置100において発生した電力を外部へ出力する金属端子54が裏面ガラス板50を貫通するように低融点ガラス56を介して固定され、貫通孔52が封止された第2モジュール120を準備する。
次に、透光性部材18(第1モジュール110)と裏面ガラス板50(第2モジュール120)とを対向させ、裏面ガラス板50と光起電力装置100との間に、EVA、PVB、各種オレフィン系樹脂などの樹脂シート30aを配置する(図10(c))。樹脂シート30aは、裏面ガラス板50の一辺より5〜10mm程小さいサイズのものを配置する。また、裏面ガラス板50の貫通孔52に相当する部分を含むその周辺、少なくとも、第2集電配線80上に導電性フィルム82が配置された部分に対応する領域に対して、穴あき加工されている。この穴あき部分は、金属端子54と導電性フィルム82を接続するために空けられている。樹脂シート30aの代わりに、ペースト状の樹脂などを均質に塗布することも可能である。
その後、貫通孔52に金属端子54が取り付けられた裏面ガラス板50(第2モジュール120)を、光起電力装置100、及び第2集電配線80を配置した透光性部材18(第1モジュール110)上に重畳した状態で、真空ラミネータを用いて140℃から180℃程度の熱をかけながら、ラミネート処理を行う。これにより、内部の樹脂シート30aは軟化し、光起電力装置100間の隙間や第1集電配線60,65、第2集電配線80を埋めるように変形する。そして、裏面ガラス板50と、光起電力装置100及び透光性部材18との間に充填材30の領域が形成される(図11(a))。裏面ガラス板50、光起電力装置100及び第2集電配線80は、充填材30と接着している。
また、本実施の形態では、ラミネート時に加わる温度と圧力を利用して、ラミネートと同時に、金属端子54と第2集電配線80とを導電性フィルム82を介して電気的に接続する接続工程を有している。これにより、特に貫通孔52から太陽電池モジュール1内部への水蒸気(水分)の浸入をより低減できる。また、第2集電配線80の端部を貫通孔52から外部に引き出してから金属端子を接続する場合と比較して、本実施の形態に係る太陽電池モジュールの製造方法は、このような配線の引き出し工程が不要なため、製造工程を簡略化できる。
また、導電性フィルム82は、接着層と、接着層に分散されている金属粒子と、を有してもよい。これにより、金属端子54と第2集電配線80との接続信頼性が向上するとともに、熱応力の緩和が可能となる。
また、導電性部材として、接着層と該接着層に分散されている金属粒子とを有する導電性フィルムを使用してもよい。接着層を有することで、第2集電配線80や金属端子54との接着性が向上し、接続信頼性を向上できる。また、前述の接続工程において、ラミネートの際の加熱温度を、少なくとも導電性フィルム82が軟化する温度に設定してもよい。導電性フィルム82の軟化温度は、一般的なハンダ等による接続の際の加熱温度よりも低いため、接続時に光起電力装置100へ与える熱の影響を軽減できる。
特に本実施の形態のように、光起電力装置100が、貫通孔52を上方から見た場合に、その一部が導電性フィルム82と重畳するように配置されており、導電性フィルム82と光起電力装置100とが接近して場合には、このように比較的低温な熱処理が有効である。また、集電配線を貫通孔の下部で折り曲げて、配線端部を貫通孔から引き出し、集電配線が通された貫通孔に封止樹脂を充填し、封止が行われた太陽電池モジュールは、集電配線の折り曲げ部に熱応力がかかると、断線の可能性がある。しかしながら、本実施の形態では、金属端子54と第2集電配線80との間に導電性フィルム82が介在することで、集電配線に折り曲げ部を設ける必要がなく、金属端子54と第2集電配線80との接続信頼性が向上する。
次に、透光性部材18と裏面ガラス板50を溶融接合する方法について説明する。透光性部材18と裏面ガラス板50との溶融接合では、図3に示したように、透光性部材18及び裏面ガラス板50の少なくとも一方の周辺部を撓ませて、透光性部材18と裏面ガラス板50との周辺部R2の一部を密着させた状態とする。そして、レーザ装置32は、密着させた周辺部R2の接触面に焦点を合わせてレーザビーム34を照射し、透光性部材18及び裏面ガラス板50の外周4辺に沿って走査する(図11(a))。
これにより、裏面ガラス板50は、周縁部において透光性部材18と溶融接合される。そのため、太陽電池モジュール1の周縁部における裏面ガラス板50と透光性部材18との隙間から内部へ水蒸気が浸入することが抑制され、太陽電池モジュール1の信頼性を更に向上することができる。
レーザビーム34は、フェムト秒レーザビームとすることが好適である。すなわち、レーザビーム34は、1ナノ秒以下のパルス幅を有するものとすることが好適である。また、レーザビーム34は、透光性部材18及び裏面ガラス板50の少なくとも一方で吸収が生ずる波長とすることが好適である。例えば、レーザビーム34は、波長800nmとすることが好適である。さらに、レーザビーム34は、透光性部材18と裏面ガラス板50とが溶融するに足りるエネルギー密度及び走査速度で照射することが好適である。例えば、レーザビーム34は、波長800nm、パルス幅150fs、発振繰り返し1kHz、1パルス当たり5マイクロジュール(μJ)のパルスエネルギーで照射することが好適である。また、レーザビーム34は、60mm/分の走査速度で走査することが好適である。また、レーザビーム34は、透光性部材18側及び裏面ガラス板50側のいずれから照射してもよい。
最後に、端子ボックス90を貫通孔52を覆うように裏面ガラス板50上に配置し、シリコーン系又はアクリル系の接着剤91により裏面ガラス板50に接着する。その後、ハンダ又は金属性のクリップ状の金具で、金属端子54と、端子ボックス90内のケーブルが接続された接続用金属端子92又はケーブル93とを直接接続し(図11(b))、太陽電池モジュール1が完成する。
上述した実施の形態に係る太陽電池モジュール及びその製造方法を用いれば、下記に示すような効果が得られる。
ラミネート処理と同時に金属端子54と第2集電配線80との電気的な接続が可能となるため、工程が増加することなく、貫通孔52の完全封止が実現でき、貫通孔52からの水蒸気浸入のない信頼性の高い太陽電池モジュールを作製することができる。
さらに、太陽電池モジュール1は、外縁部における透光性部材18と裏面ガラス板50との溶融接合によるガラス封止構造を採用することで、外部からの水蒸気浸入をほぼ阻止できる。そのため、非常に密封性の高い太陽電池モジュールを得ることが可能となり、信頼性が飛躍的に高まる。
図17は、高温高湿試験における最大出力点の変化を示すグラフである。図17では、最大出力点(Pmax)の変化とともに、開放電圧(Voc)、短絡電流(Isc)、曲線因子(F.F.)の変化も示している。また、縦軸は、試験開始時の各値を1.00として規格化した値を示し、横軸は、高温高湿試験時間を示している。
はじめに、透光性部材としてサイズが150mm×150mm×3.2mmのソーダライムガラス板を用意する。そして、ガラス板の中央に、結晶系セルを収納出来る程度の段差加工部を設け、同セルを収納して第1モジュールを作製する。一方、裏面ガラス板としてサイズが150mm×150mm×2.0mmの無アルカリガラス板を用意する。そして、裏面ガラス板に形成されている貫通孔に、結晶系セルにおいて発生した電力を外部へ出力する金属端子が裏面ガラス板を貫通するように低融点ガラスを介して固定され、貫通孔が封止された第2モジュールを作製する。最後に、第1モジュールと第2モジュールとを対向させ、外縁部を溶融接合することで試験用モジュールを作製した。
この試験用モジュールに対して高温高湿試験を行った結果、水分等の浸入はみられず、試験時間が1000時間を経過した後でも、初期の最大出力点(Pmax)の99.9%の値が保持されていた。
導電性フィルム82と、第2集電配線80及び金属端子54との接着は、ハンダを用いた接合温度より低い。これによりハンダ接合時の熱による光起電力装置100へのダメージを低減させることができる。そのため、ラミネータ処理の温度(150℃前後)で、十分に接着強度、及び電気的接続ができる導電性フィルム82を用いるとよい。これにより、接着不良、及び接続不良が減少し、歩留り、信頼性の向上につながる。さらに、金属端子54直下に、光起電力装置100があっても熱的ストレスを抑制することができるので、貫通孔52は裏面ガラス板50の任意の場所に形成することができ、モジュールの用途に応じて、設計上の自由度を高くすることができる。
(第2の実施の形態)
図12は、第2の実施の形態に係る太陽電池モジュール2を裏面側から見た平面図である。図13は、図12に示す端子ボックス290近傍のC−C断面図である。図14は、図12に示す端子ボックス290の内部を裏面側から見た正面図である。
太陽電池モジュール2は、受光面側に配置された透光性部材218と、透光性部材218と対向するように設けられた裏面ガラス板250と、透光性部材218と裏面ガラス板250との間に設けられている光起電力装置200と、を備える。裏面ガラス板250と、光起電力装置200及び透光性部材218との間には充填材230が設けられている。なお、第2の実施の形態では、光起電力装置200が複数の薄膜太陽電池セルで構成されている点で第1の実施の形態と異なる。
光起電力装置200は、複数の薄膜太陽電池セルが直列及び並列に接続されて構成される。複数の薄膜太陽電池セルは、透光性部材218上に、透明電極、光電変換層、裏面電極が順次積層され、レーザーを用いた加工により、直列及び並列に分離加工されている。光電変換層は、アモルファスシリコン、微結晶シリコン、複数のシリコン薄膜の積層構造、化合物系材料などが用いられる。透明電極にはZnOやSnO、裏面電極にはAgなどが用いられる。
次に、第2の実施の形態における光起電力装置200で発電した電力の取り出し経路について説明する。
図12、図13及び図14に示すように、光起電力装置200で発電された電力を取り出すために第1集電配線260及び第2集電配線280が形成されている。第1集電配線260は、並列に分割された光起電力装置200から集電を行うための配線であり、第2集電配線280は、第1集電配線260から端子ボックス290までを接続する配線である。
第1集電配線260は、光起電力装置200の裏面電極上に延設されている。また、第1集電配線260は、太陽電池モジュール2の端辺付近において並列に分割された光電変換層の正電極同士及び負電極同士を接続するために形成されている。したがって、第1集電配線260は、光電変換層の並列分割方向に直交する方向に沿って延設されている。第2の実施の形態では、図12に示すように、第1集電配線260は左右の端辺に上下方向に沿って延設されている。これによって、直列接続された光起電力装置200の正電極同士及び負電極同士が並列に接続される。
また、第2集電配線280と光起電力装置200の裏面電極との間の電気的な絶縁を形成するために絶縁被覆材270が配設されている。絶縁被覆材270は、図12及び図13に示すように、太陽電池モジュール2の左右の端辺に沿って設けられた第1集電配線260近傍から中央部の端子ボックス290の配置位置近傍まで、光起電力装置200の裏面電極上に延設されている。絶縁被覆材270には、第1の実施の形態の絶縁被覆材70と同じ材料が用いられる。
第2集電配線280は、図12乃至図14に示すように、左右の第1集電配線260上から絶縁被覆材270上に沿って太陽電池モジュール2の中央部へ向けて延設されている。第2集電配線280と光起電力装置200の裏面電極との間に絶縁被覆材270が挟み込まれることで、第2集電配線280と裏面電極との電気的な絶縁が保たれる。一方、第2集電配線280の一端は第1集電配線260上まで延設され、第1集電配線260に電気的に接続される。例えば、第2集電配線280は超音波ハンダ等によって第1集電配線260に電気的に接続することが好適である。第2集電配線280の他端は、後述する導電性フィルム282と金属端子254を介して端子ボックス290内の端子と電気的に接続されている。
太陽電池モジュール2の電流取り出し部は、図14に示すように、裏面ガラス板250の表面上に設けられ、光起電力装置200において発生した電力を外部へ出力する導電路として機能する金属端子254を備えている。また、裏面ガラス板250は、中央部に、直径6mmの貫通孔252が2つ形成されており、金属端子254は、貫通孔252の内部に貫通孔252を貫通するように配置されている。また、金属端子254は、貫通孔252の内周面において、低融点ガラス256を介して裏面ガラス板250と溶融接合されている。低融点ガラス256としては、第1の実施の形態の低融点ガラス56と同じものである。
金属端子254は、例えば、鉄とニッケルが50:50の合金とするとよい。このような合金は、低融点ガラスの線膨張係数と比較的近い線膨張係数を有しており、低融点ガラスの熱膨張による割れなどを抑制することができる。
第2集電配線280は、図12乃至図14に示すように、光起電力装置200と接続され、封止部258の下方まで延びるように配置されている。また、導電性部材としての導電性フィルム282は、封止部258の下方において、第2集電配線280上に配置されている。導電性フィルム282は、第2集電配線280上に配置され、かつ、貫通孔252の内部に配置されている金属端子254の下に配置する(図13、図14参照)。導電性フィルム282の上面は金属端子254の下端と当接し、導電性フィルム282の下面は第2集電配線280の上面と当接している。そのため、導電性フィルム282は、金属端子254と第2集電配線280とを導通する。つまり、第2集電配線280と金属端子254は、導電性フィルム282を介して互いに電気的に接続されており、その接続部は、絶縁被覆材270を介して光起電力装置200と重畳されている。
本実施の形態においては、第2集電配線280及び金属端子254の接着には、ラミネータ処理の温度(150℃前後)で十分な接着強度及び良好な電気的接続を実現できる導電性フィルム282が用いられる。
金属端子254は端子ボックス290内の接続用金属端子と、ハンダ又は金属性のクリップ状の金具とで接続される。端子ボックス290は、シリコーン系又はアクリル系の接着剤により、裏面ガラス板250に接着される。これにより、第2の実施の形態に係る太陽電池モジュール2が完成する。
太陽電池モジュール2の製造方法は、第1の実施の形態と同様である。まず、透光性部材218の上に設けられた光起電力装置200上に、光起電力装置200と接続された第2集電配線280が設けられた第1モジュールを準備する。そして、裏面ガラス板250に形成されている貫通孔252に、光起電力装置200において発生した電力を外部へ出力する金属端子254が裏面ガラス板250を貫通するように低融点ガラス256を介して固定され、貫通孔252が封止された第2モジュールを準備する。その後、裏面ガラス板250(第2モジュール)を、透光性部材218(第1モジュール)上に重畳させた状態で、ラミネート処理を行う。この際、第1の実施の形態と同様、ラミネートと同時に、金属端子254と第2集電配線280とを導電性フィルム282を介して電気的に接続する接続工程を行う。
上述した第2の実施の形態に係る太陽電池モジュール2及びその製造方法を用いれば、第1の実施の形態の効果と同じ効果が得られる。
以上、本発明を上述の各実施の形態を参照して説明したが、本発明は上述の各実施の形態に限定されるものではなく、各実施の形態の構成を適宜組み合わせたものや置換したものについても本発明に含まれるものである。また、当業者の知識に基づいて各実施の形態における組合せや処理の順番を適宜組み替えることや各種の設計変更等の変形を各実施の形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうる。
第1の実施の形態では、光起電力装置として、陽極と陰極とが共に裏面側に配置された裏面接合型の光電変換素子を用いたが、従来の結晶系Siセルのように、裏面側と表面側とに異なる導電形をもつ構造の光電変換素子でも同様の効果を享受することができる。
各実施の形態では、2個の貫通孔52、252にそれぞれ金属端子54,254を1個ずつ裏面ガラス板に配置したが、1個の貫通孔に金属端子を複数個配置してもよい。さらに、3個以上の貫通孔を配置しても、同様の方法でガラス封止を行うことができる。こうした場合でも同様の効果を享受することができる。
また、上述の各実施の形態では、透光性部材18(218)と裏面ガラス板50(250)との周縁部は直接溶融接合されている。しかしながら、太陽電池モジュール1(2)内部に配設される光起電力装置100(200)や配線等の厚みが大きくなることがある。この場合、透光性部材と裏面ガラス板の少なくとも一方を撓ませて、周縁部において密着させることが困難である。そこで、このような場合は、図15や図16に示す方法を採用することも可能である。
図15は、透光性部材と裏面ガラス板との溶融接合の変形例を示す図である。図16は、透光性部材と裏面ガラス板との溶融接合の他の変形例を示す図である。
透光性部材318と裏面ガラス板350との周縁部の隙間が大きくなる場合には、図15の断面図に示すように、隙間にスペーサ356を形成し、上述のレーザ装置32によりスペーサ356を溶融させることで、透光性部材318と裏面ガラス板350とを接合領域R1において溶融接合してもよい。
スペーサ356としては、Si、SiO、SiO等の、透光性部材318と裏面ガラス板350とを溶融接合できる元素を含む材料を適用することが好適である。例えば、前述のガラスフリットを裏面ガラス板350の外周部にスクリーン印刷で塗布し、焼成することで枠状のスペーサ356を形成してもよい。
また、レーザビーム34は、透光性部材318側及び裏面ガラス板350側のどちらからも照射することが可能である。そこで、結晶系シリコン太陽電池のように光起電力装置100(シリコン基板を含む)自体が厚い場合等においては、図16に示すように、スペーサ356の表面356aと透光性部材318とを接合領域R1において溶融接合させ、スペーサ356の裏面356bと裏面ガラス板350とを溶融接合させる構成としてもよい。
なお、以下の組合せによる太陽電池モジュールまたは太陽電池モジュールの製造方法についても本発明の範囲に含まれうる。
(1)太陽電池モジュールは、
受光側に配置された透光性部材と、
前記透光性部材と対向するように設けられ、貫通孔が形成されている裏面ガラス板と、
前記透光性部材と前記裏面ガラス板との間に設けられている光起電力装置と、
前記貫通孔を封止する封止部と、
前記光起電力装置と接続され、前記封止部の下方まで延びるように配置されている配線と、
前記封止部の下方において、前記配線上に配置されている導電性部材と、を備え、
前記封止部は、
前記貫通孔の内周面に接合されているガラス部材と、
前記ガラス部材を貫通した状態で前記ガラス部材に接合されており、前記光起電力装置において発生した電力を外部へ出力する金属端子と、を有し、
前記金属端子は、前記導電性部材を介して前記配線と接続されている。
(2)前記導電性部材は、導電性フィルムであることを特徴とする(1)に記載の太陽電池モジュールであってもよい。
(3)前記導電性フィルムは、接着層と、前記接着層に分散されている金属粒子と、を有することを特徴とする(2)に記載の太陽電池モジュールであってもよい。
(4)前記光起電力装置は、前記貫通孔を上方から見た場合に、当該光起電力装置の一部が導電性部材と重畳するように配置されていることを特徴とする(1)乃至(3)のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールであってもよい。
(5)前記ガラス部材は、ガラス転移温度が600℃以下の低融点ガラスであることを特徴とする(1)乃至(4)のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールであってもよい。
(6)前記裏面ガラス板は、周縁部において前記透光性部材と溶融接合されていることを特徴とする(1)乃至(5)のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールであってもよい。
(7)太陽電池モジュールの製造方法は、
透光性部材の上に設けられた光起電力装置上に、該光起電力装置と接続された配線が設けられた第1モジュールを準備する工程と、
裏面ガラス板に形成されている貫通孔に、光起電力装置において発生した電力を外部へ出力する金属端子が裏面ガラス板を貫通するようにガラス部材を介して固定され、該貫通孔が封止された第2モジュールを準備する工程と、
前記第1モジュールと前記第2モジュールとを対向させ、前記金属端子と前記配線とを導電性部材を介して接続する接続工程と、
を含む。
(8)前記接続工程では、前記導電性部材として、接着層と該接着層に分散されている金属粒子とを有する導電性フィルムを使用し、少なくとも前記導電性フィルムが軟化する温度で加熱することを特徴とする(7)に記載の太陽電池モジュールの製造方法であってもよい。
1 太陽電池モジュール、 18 透光性部材、 30 充填材、 30a 樹脂シート、 50 裏面ガラス板、 52 貫通孔、 54 金属端子、 56 低融点ガラス、 56a 低融点ガラス材料、 56b 貫通孔、 58 封止部、 60 第1集電配線、 70 絶縁被覆材、 80 第2集電配線、 82 導電性フィルム、 90 端子ボックス、 100 光起電力装置、 110 第1モジュール、 120 第2モジュール。
本発明は、太陽電池モジュールに利用できる。

Claims (8)

  1. 受光側に配置された透光性部材と、
    前記透光性部材と対向するように設けられ、貫通孔が形成されている裏面ガラス板と、
    前記透光性部材と前記裏面ガラス板との間に設けられている光起電力装置と、
    前記貫通孔を封止する封止部と、
    前記光起電力装置と接続され、前記封止部の下方まで延びるように配置されている配線と、
    前記封止部の下方において、前記配線上に配置されている導電性部材と、を備え、
    前記封止部は、
    前記貫通孔の内周面に接合されているガラス部材と、
    前記ガラス部材を貫通した状態で前記ガラス部材に接合されており、前記光起電力装置において発生した電力を外部へ出力する金属端子と、を有し、
    前記金属端子は、前記導電性部材を介して前記配線と接続されていることを特徴とする太陽電池モジュール。
  2. 前記導電性部材は、導電性フィルムであることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール。
  3. 前記導電性フィルムは、接着層と、前記接着層に分散されている金属粒子と、を有することを特徴とする請求項2に記載の太陽電池モジュール。
  4. 前記光起電力装置は、前記貫通孔を上方から見た場合に、当該光起電力装置の一部が導電性部材と重畳するように配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
  5. 前記ガラス部材は、ガラス転移温度が600℃以下の低融点ガラスであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
  6. 前記裏面ガラス板は、周縁部において前記透光性部材と溶融接合されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
  7. 透光性部材の上に設けられた光起電力装置上に、該光起電力装置と接続された配線が設けられた第1モジュールを準備する工程と、
    裏面ガラス板に形成されている貫通孔に、光起電力装置において発生した電力を外部へ出力する金属端子が裏面ガラス板を貫通するようにガラス部材を介して固定され、該貫通孔が封止された第2モジュールを準備する工程と、
    前記第1モジュールと前記第2モジュールとを対向させ、前記金属端子と前記配線とを導電性部材を介して接続する接続工程と、
    を含む太陽電池モジュールの製造方法。
  8. 前記接続工程では、前記導電性部材として、接着層と該接着層に分散されている金属粒子とを有する導電性フィルムを使用し、少なくとも前記導電性フィルムが軟化する温度で加熱することを特徴とする請求項7に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
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