JPWO2013191244A1 - ピリドピリミジン−4−オン誘導体 - Google Patents

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Abstract

式(I)(式中、Xは、窒素原子、又は式CHを示し、R1は、C1-5アルキル(該C1-5アルキルはヒドロキシ、ハロゲン原子、シアノ、C3-7シクロアルキル、及びC1-5アルコキシから選ばれる同一又は異なった1〜3個の置換基で置換されても良い)、R2は、水素原子、又はC1-5アルキル(該C1-5アルキルは少なくとも1個の水素原子が3Hである)を示す。)で表わされる化合物又はその医薬上許容される塩は、アルギニン−バソプレッシンのV1b受容体に特異的に結合する新規な[3H]標識リガンド、または、効率的な[3H]標識リガンド合成の前駆体として有用である。

Description

本発明は、アルギニン−バソプレッシン(AVP)のV1b受容体に特異的に結合するピリドピリミジン−4−オン誘導体に関する。更に、V1b受容体に特異的に結合するピリドピリミジン−4−オン誘導体の新規な[3H]標識リガンドに関する。また、効率的な[3H]標識リガンド合成のための製造方法、及び当該方法に有用な前駆体に関する。
AVPは9個のアミノ酸よりなるペプチドである。AVPは、脳内の神経細胞で生合成され、下垂体後葉から血液中へと分泌され、血圧及び体液量の調節を行う。また、AVPは下垂体前葉へと分泌され、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)の分泌を刺激する。
AVP受容体は、これまでV1a、V1b及びV2受容体の3つのサブタイプがクローニングされており、いずれもGタンパク質共役型受容体である。V1a及びV1b受容体はGqタンパク質と共役し、受容体の活性化は、イノシトールリン脂質の代謝を亢進させまた、細胞内Ca2+濃度を上昇させる(非特許文献1及び非特許文献2参照)。また、V2受容体は、Gsタンパク質と共役し、受容体の活性化は、細胞内サイクリックAMP量を増加させる。V1a受容体は、脳、肝臓、副腎、血管平滑筋などに発現している。V2受容体は腎臓などに発現している。V1b受容体は、脳、下垂体などに発現し、脳内では、視床下部、嗅球、海馬、大脳皮質、線条体、小脳などに発現している(非特許文献3及び非特許文献4参照)。V1b受容体ノックアウトマウスでは、AVP誘発によるACTH分泌が減少している(非特許文献5参照)。そのため、V1b受容体はAVPによる下垂体前葉からのACTH分泌に関わることが示唆される。
AVP及びAVP受容体と、精神疾患との関係を示唆する報告がある。例えば、うつ病患者では血漿AVP濃度が上昇している(非特許文献6参照)。また、V1b受容体遺伝子の一遺伝子多型と、うつ病の感受性増加との関係が示唆されている(非特許文献7参照)。一方、動物モデルでのAVP受容体拮抗物質の効果を検討した報告がある。これまでに経口投与可能な1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン化合物が創出され(特許文献1〜3参照)、この化合物は、抗うつ作用を評価する動物モデル(強制水泳試験など)及び、抗不安作用を評価する動物モデル(高架式十字迷路試験など)において、抗うつ及び抗不安作用を示している(非特許文献8及び非特許文献9参照)。さらに、この化合物は、AVP誘発による血中ACTH上昇、及び拘束ストレス誘発による血中ACTH上昇を抑制する(非特許文献8参照)。特許文献1で開示された化合物は、V1b受容体に高親和性(1×10-9mol/L〜4×10-9mol/L)かつ、他のAVP受容体と比較してV1b受容体へより選択的に作用する化合物である。以上の知見より、V1b受容体拮抗物質が精神疾患の治療薬として有用である可能性が高い。
V1b受容体に選択的に作用する化合物は、V1b受容体を標的とした新規治療薬の開発に応用するだけでなく、[3H]などの放射性標識体として用いることで、生理条件下でのV1b受容体の発現分布、もしくは病態モデル動物でのV1b受容体の発現変化を調べることが可能であり、V1b受容体の生理機能を明らかにする上で有力なツールとなる。In vitro結合試験での応用例として、1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン化合物の[3H]標識体を使用し、下垂体切片でのオートラジオグラフィー法によるV1b受容体の発現分布の報告がある(非特許文献10)。また、キナゾリン−4−オン骨格での[3H]標識体でも同様に下垂体切片でのオートラジオグラフィー法の報告がある(非特許文献11)。
しかし、本発明に開示するピリドピリミジン−4−オン誘導体の[3H]標識体のように、in vivoにてラットに静脈内投与し、V1b受容体特異的結合による下垂体への[3H]標識体の取り込みを示した報告はこれまでにない。
また、V1b受容体に特異的に結合するピリドピリミジン−4−オン誘導体は、特許文献4及び特許文献5に開示されているが、本発明のピリドピリミジン−4−オン誘導体、ピリドピリミジン−4−オン誘導体の[3H]標識体及びそれらの製造方法及び前駆体の開示はない。
WO2001/055130号公報 WO2005/021534号公報 WO2005/030755号公報 WO2009/017236号公報 特開2010−173978号公報
Sugimoto T, Kawashima H, J. Biol. Chem., 269, 27088-27092, 1994. Lolait S, Brownstein M, Proc. Natl. Acad. Sci. U S A, 92, 6783-6787, 1995. Vaccari C, Ostrowski N, Endocrinology, 139, 5015-5033, 1998. Hernando F, Burbach J, Endocrinology, 142, 1659-1668, 2001. Tanoue A, Tsujimoto G, J. Clin. Invest., 113, 302-309, 2004. van Londen L, Wied D, Neuropsychopharmacol., 17, 284-292, 1997. van West D, Claes S, Mol. Psychiatry, 9, 287-292, 2004. Gal CS, Fur GL, J. Pharmacol. Exp. Ther., 300, 1122-1130, 2002. Griebel G, Soubrie P, Proc. Natl. Acad. Sci. U S A, 99, 6370-6375, 2002. Gal CS, Ventura MA, Am J. Physiol. Regul. Integr. Comp. Physiol. 293, R938-R949, 2007. L.V. Unger, S.X. Vaidyanathan, 第38回米国神経科学会, 2008, Program#/Poster# 845.21/Z16
本発明の目的は、V1b受容体に特異的に結合する非標識体ならびに[3H]標識体を提供することにある。また、効率的な[3H]標識リガンド合成のための製造方法、及びその方法に有用な前駆体を提供することにある。
本発明者らは、V1b受容体に特異的に結合する化合物につき誠意検討した結果、ある種のピリドピリミジン−4−オン誘導体に強力な結合作用を見出し、さらに優れた[3H]標識リガンド及び効率的な[3H]標識リガンド合成のための製造方法、及びその方法に有用な前駆体を見出し、本発明を完成した。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の態様は以下に示すものである。(1)から(6)及び(10)の化合物は、以下、「本発明化合物」ともいう。(11)〜(14)の製造方法は、以下、「本発明の製造方法」ともいい、(9)の化合物及び式(III)の化合物は、以下、「前駆体」ともいう。
(1)式(I)

(式中、
Xは、窒素原子、又は式CHを示し、
1は、C1-5アルキル(該C1-5アルキルはヒドロキシ、ハロゲン原子、シアノ、C3-7シクロアルキル、及びC1-5アルコキシから選ばれる同一又は異なった1〜3個の置換基で置換されても良い)、
2は、水素原子、又はC1-5アルキル(該C1-5アルキルは少なくとも1個の水素原子が3Hである)を示す。)
で表わされる化合物又はその医薬上許容される塩、
(2)上記式(I)において、
2が、C1-5アルキル(該C1-5アルキルは少なくとも1個の水素原子が3Hである)である(1)に記載の化合物又はその医薬上許容される塩、
(3)上記式(I)において、
1が、C1-5アルキルであり、
2が、C1-5アルキル(該C1-5アルキルは、少なくとも1個の水素原子が3Hである)である(2)に記載の化合物又はその医薬上許容される塩、
(4)上記式(I)において、
2が、メチル(該メチルは、少なくとも1個の水素原子が3Hである)である(2)又は(3)いずれかに記載の化合物又はその医薬上許容される塩、
(5)上記式(I)において、
1が、tert−ブチルである(2)〜(4)いずれか1つに記載の化合物又はその医薬上許容される塩、
(6)上記式(I)において、
Xが、式CHであり、
1が、tert−ブチルである(2)〜(5)いずれか1つに記載の化合物又はその医薬上許容される塩、
(7)上記(2)〜(6)いずれか1つに記載の化合物又はその医薬上許容される塩を含有する、V1b受容体標識剤、
(8)上記(2)〜(6)いずれか1つに記載の化合物又はその医薬上許容される塩を含有する、医薬組成物、
(9)上記式(I)において、
1が、C1-5アルキルであり、
2が、水素原子である(1)に記載の化合物又はその医薬上許容される塩、
(10)式(II)

で表わされる化合物又はその医薬上許容される塩、
(11)上記(2)〜(6)のいずれか1つに記載の化合物又はその医薬上許容される塩の製造方法であって、式(III):

(式中、R1、Xは上記で定義した通りである)で表される化合物と、式R−L(R2は上記で定義した通りであり、L1は脱離基である)で表される化合物とを、塩基及び溶媒の存在下で反応させることを含む方法、
(12)Lが4−ニトロベンゼンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基、メタンスルホニルオキシ基、又はハロゲン原子である、(11)に記載の方法。
(13)塩基が、炭酸カリウム、炭酸セシウム、トリエチルアミン、又はジイソプロピルエチルアミンである、(11)又は(12)に記載の方法。
(14)溶媒が、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、又はジメチルスルホキシドである、(11)〜(13)のいずれか1つに記載の方法。
本発明の非標識体はV1b受容体に特異的な結合阻害活性を示した。また、その[3H]標識体は、生体内に投与した後に代謝を受けずに安定であり、標的臓器である下垂体への十分な量の移行が認められた。
さらに、本発明の製造方法は、当該[3H]標識体の効率的な供給を可能とする。先ず、放射標識化合物を用いる工程は、放射性物質を扱うための特殊な施設で行わなければならない。この点、本発明の製造方法では、そのような工程を最終段階で行うため、特殊な施設での作業量を最小限に抑えることができ、結果として作業の煩雑性を緩和すると共に作業に伴うコストを抑えることができる。また、当該工程を最終段階で行うことは、その後の追加工程があれば生ずるであろう標識化合物のロスを防止することにつながる。そのようなロスを防止することは極めて重要である。なぜなら、[3H]標識された原料は高価であるからである。本発明の[3H]標識リガンド合成のための前駆体は、そのような効率的な本発明[3H]標識リガンドの製造を可能とした。
ラット下垂体前葉膜を用いた結合試験にて、本発明化合物A−3の混合反応液中の濃度とラット下垂体前葉膜への総結合、非特異結合及び特異結合との関係を示す。 in vivoラット下垂体前葉結合試験にて、本発明化合物A−3投与30分後の下垂体前葉および眼球での放射能濃度(ブロッキングなし)、及びWO2009/017236記載の実施例A−250の化合物を前処置した際の下垂体前葉および眼球での放射能濃度(ブロッキングあり)を示す。
本明細書において用いる用語は、以下の意味である。
「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子である。
「C1-5アルキル基」とは、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜5個のアルキル基を意味し、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、1−エチルプロピル基等を挙げることができる。
「C3-7シクロアルキル基」とは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル基である。
「C1-5アルコキシ基」とは、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜5個のアルコキシ基を意味し、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、tert−ペンチルオキシ基等を挙げることができる。
「脱離基」としては、アリールスルホニルオキシ基(該アリールスルホニルオキシ基のアリールは、C1−5アルキル基、ニトロ基又はハロゲン原子等で置換されても良い)、C1−5アルキルスルホニルオキシ基(該C1−5アルキルスルホニルオキシ基のC1−5アルキル基は、ハロゲン原子で置換されても良い)、ハロゲン原子等を挙げることができる。当該アリールは、単環から2環式の芳香族炭素環であり、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル等の基を挙げることができる。
当該アリールスルホニルオキシ基(該アリールスルホニルオキシ基のアリールは、C1−5アルキル基、ニトロ基又はハロゲン原子等で置換されても良い)としては、4−ニトロベンゼンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基等を挙げることができる。
当該C1−5アルキルスルホニルオキシ基(該C1−5アルキルスルホニルオキシ基のC1−5アルキル基は、ハロゲン原子で置換されても良い)としては、メタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基等を挙げることができる。
「塩基」としては、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の無機塩基や、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の有機塩基を挙げることができる。
3H」は、水素原子の放射性同位体であり、三重水素のことである。また、トリチウムとも表記し、Tと略すこともある。
本明細書中における「医薬上許容される塩」とは、薬剤的に許容することのできる酸付加塩を意味し、用いられる酸としては、硫酸、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硝酸等の無機酸との塩、或いは、酢酸、安息香酸、シュウ酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、クエン酸、マロン酸、マンデル酸、グルコン酸、ガラクタル酸、グルコヘプトン酸、グリコール酸、グルタミン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸等の有機酸との塩が含まれる。遊離体から当該塩への変換は従来の方法で行うことができる。
本発明化合物において、好ましい態様を以下にあげる。
Xは、式CHである化合物が好ましい。
1は、C1-5アルキルである化合物が好ましく、イソプロピル又はtert−ブチルである化合物がより好ましく、tert−ブチルである化合物がさらに好ましい。
2は、1〜3個の3Hで標識されたC1-5アルキルである化合物が好ましく、1〜3個の3Hで標識されたメチルである化合物がより好ましく、3個の3Hで標識されたメチルである化合物がさらに好ましい。
他のR2の好ましい態様として、R2が、水素原子である化合物が好ましい。
V1b受容体に作用する化合物及びその[3H]標識体の好ましいプロファイルは、V1b受容体に対して強力かつ特異的な結合阻害活性を示し、他の受容体(例えば、V1a受容体、V2受容体等)に対しては結合阻害活性を示さない化合物が好ましい。
なお、本発明化合物が水和物又は溶媒和物を形成する場合、それらも本発明の範囲内に含まれる。同様に、本発明化合物の水和物又は溶媒和物の医薬上許容される塩も本発明の範囲内に含まれる。また、本発明化合物は、エナンチオマー、ジアステレオマー、平衡化合物、これらの任意の割合の混合物、ラセミ体等を全て含む。
本発明の化合物は、例えば下記に示す方法に従って製造することができる。
本発明化合物(I)、(II)、(III)及びそれらの医薬上許容される塩は、当業者に公知である種々の有機合成手法を用いて合成することができる。例えば、以下に製造法を示すが本合成法に限られたものではない。なお、以下の製造法の例示において、化合物は反応に支障にならない塩を形成していてもよい。
式(I)で表される化合物は、スキーム1に示す合成法で製造することができる。

(式中、R1、Xは前記と同義である。R2は、C1-5アルキル(該C1-5アルキルは少なくとも1個の水素原子が3Hである)である。L1は脱離基を示す。脱離基とは、4−ニトロベンゼンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基、メタンスルホニルオキシ基、ハロゲン原子等を意味する。)
式(I)で表される化合物は、式(III)で表される化合物と、式(1−a)で表される化合物とを反応させることにより得ることができる(工程1−1)。工程1−1における反応は、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の溶媒中、又はそれらの混合溶媒中、室温から溶媒の沸点付近の温度条件下、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の無機塩基や、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の有機塩基の存在により、反応が進行する。特に好ましい反応条件では、塩基は炭酸セシウムであり、溶媒はDMF中である。
2が水素原子である本発明化合物(III)は、スキーム2に示す合成法で製造することができる。

(式中、R1、Xは前記と同義である。Halはハロゲン原子を示す。L2はフェノール性水酸基の保護基を示す[プロテクティブ グループス イン オーガニック シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis)第4版、ジョン ウィリー アンド サンズ(John Wiley & Sons, INC.) 参照]。L3は脱離基を示す。脱離基とは、p−トルエンスルホニルオキシ基、メタンスルホニルオキシ基、ハロゲン原子等を意味する。)
式(2−b)で表される化合物は式(2−a)で表される化合物をボロン酸誘導体とした後、過酸を用いてヒドロキシ化することにより得ることができる(工程2−1)。本工程は、WO2006/021886号公報記載の方法に従って実施することができる。式(2−d)で表される化合物は、工程2−2、工程2−3及び工程2−4の3つの異なる工程により、それぞれ製造することができる。すなわち、工程2−2は、式(2−b)で表される化合物と式(2−c)で表される化合物を反応させることにより得ることができる。式(2−c)で表される化合物は塩を形成しても良い。工程2−2における反応は、工程1−1と同様の方法で行うことができる。また、式(2−d)で表される化合物は、式(2−b)で表される化合物と式(2−e)で表される化合物を光延反応の条件下反応させて得ることができる(工程2−3)。光延反応に関する包括的概観はSynthesis. 1981, 1-28; Chem. Asian J. 2007, 2, 1340-1355.; Chem. Pharm. Bull. 2003, 51(4), 474-476に見出される。さらに、式(2−d)で表される化合物は、式(2−a)で表される化合物と式(2−e)で表される化合物をパラジウム触媒を用いたエーテル化反応の条件下反応させることにより得ることができる(工程2−4)。パラジウム触媒を用いたエーテル化反応に関する包括的概観は、M. Paulucki, J. P. Wolfe, S. L. Buchwald, J. Am. Chem. Soc., 1996, 118, 10333.; G. Mann, J. F. Hartwig, J. Am. Chem. Soc. 1996, 118, 13109.; M. Watanabe, M. Nishiyama, Y. Koie, Tetrahedron Lett. 1999, 40, 8837.; Q. Shelby, N. Kataoka, G. Mann, J. F. Hartwig, J. Am. Chem. Soc. 2000, 122, 10718.; K. E. Torraca, S. Kuwabe, S. L. Buchwald, J. Am. Chem. Soc. 2000, 122, 12907.; C. A. Parrish, S. L. Buchwald, J. Org. Chem. 2001, 66, 2498.; P. M. Karen, E. Torraca, X. Huang, C. A. Parrish, and S. L. Buchwald, J. Am. Chem. Soc, 2001, 10770-10771.; Andrei V. Vorogushin, Xiaohua Huang, and Stephen L. Buchwald J. Am. Chem. Soc., 2005, 8146 -8149.に見出される。式(III)で表される化合物は式(2−d)で表される化合物のL2基を、一般的手法にて脱保護する[プロテクティブ グループス イン オーガニック シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis)第4版、ジョン ウィリー アンド サンズ(John Wiley & Sons, INC.) 参照]ことにより得ることができる(工程2−5)。
式(2−a)で表される化合物のうち、式(3−d)で表される化合物はスキーム3に示す合成法で製造することができる。

(式中、R1、L2、X、Halは上記と同じである。L4はC1-5アルキルを示す。)
式(3−d)で表される化合物は式(3−a)で表される化合物と、式(3−b)で表されるアルデヒドを、脱水縮合させることにより1,2−ジヒドロピリドピリミジン−4−オン誘導体(3−c)を得た後に(工程3−1)、引き続き酸化反応に付すことにより、得ることができる(工程3−2)。工程3−1における縮合反応は、酢酸等の有機酸存在下、エタノール、2−プロパノール等の溶媒中、反応溶媒の沸点付近の温度条件下進行し、モレキュラーシーブス等の脱水剤を用いて副生する水を除くことにより、より円滑に縮合反応は進行する。工程3−2における酸化反応は、活性二酸化マンガン等の酸化剤を用い、クロロホルム、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン等の溶媒中、又はそれらの混合溶媒中、室温から反応溶媒の沸点付近の温度条件下進行する。また、式(3−d)で表される化合物は式(3−a)で表される化合物と式(3−e)で表される化合物を、エタノール、2−プロパノール、テトラヒドロフラン等の溶媒中、反応溶媒の沸点付近の温度条件下縮合させ得ることができる(工程3−3)。
式(II)で表される化合物はスキーム4に示す合成法で製造することができる。

(式中、L3は上記と同じである。)
式(II)で表される化合物は式(4−a)で表される化合物と式(2−c)で表される化合物を反応させることにより得ることができる(工程4−1)。式(2−c)で表される化合物は塩を形成しても良い。工程4−1における反応は、工程1−1と同様の方法で行うことができる。
以下、参考例、実施例及び試験例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、これらは本発明を限定するものではなく、また本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。
以下の参考例、実施例において、後処理の際の「Phase Separator」とはBiotage社のISOLUTE(商標登録)Phase Separatorである。カラムクロマトグラフィーを使用して精製した際の「SNAP Cartridge KP−NH」にはBiotage社SNAP Cartridge KP−NH、「SNAP Cartridge KP−Sil」にはBiotage社SNAP Cartridge KP−Sil、「SNAP Cartridge HP−Sil」にはBiotage社SNAP Cartridge HP−Sil、「SNAP Cartridge HP−Sphere」にはBiotage社SNAP Cartridge Ultra、「Chromatorex NH」には富士シリシア化学社製クロマトレックス(登録商標)NH、TLCプレートNH(富士シリシア社製)を用いた薄層クロマトグラフィー(TLC)、また、シリカゲル60、シリカゲル60Nとは、関東化学(株)から市販されているシリカゲルを使用した。分取薄層クロマトグラフィー(PTLC)を使用して精製した際にはメルク社シリカゲル60F254、20cm×20cmを使用した。精製の際の「逆相カラムクロマトグラフィー」にはWaters Sunfire prep C18 OBD,5.0μm,φ30×50mmまたはYMC−Actus Triart C18,5.0μm,φ30×50mmを用いた。
以下の参考例、実施例中記載の各機器データは以下の測定機器で測定した。
NMRスペクトル:日本電子 JNM−ECA600(600MHz)、日本電子 NM−ECA500(500MHz)、Varian UNITYNOVA300(300MHz)、Varian社GEMINI2000/200(200MHz)
MSスペクトル:島津製作所 LCMS−2010EVあるいはmicromass Platform LC
以下の参考例、実施例において、高速液体クロマトグラフィーマススペクトル(LCMS)は以下の条件により測定した。
条件1
測定機器:micromass Platform LCおよびAgilent Agilent1100
カラム:Waters SunFire C18, 2.5μm,φ4.6x50mm
溶媒:A液;0.1%トリフルオロ酢酸含有水、B液;0.1%トリフルオロ酢酸含有アセトニトリル
グラジエント:0分(A液/B液=90/10)、0.5分(A液/B液=90/10)、5.5分(A液/B液=20/80)、6.0分(A液/B液=1/99)、6.3分(A液/B液=1/99)
流速:1mL/min、検出法:254nm
イオン化法:電子衝撃イオン化法Electron Spray Ionization: ESI)
条件2−1
測定機械:Agilent 2900およびAgilent 6150
カラム:Waters Acquity CSH C18,1.7μm,φ2.1x50mm
溶媒:A液;0.1%ギ酸含有水、B液;0.1%ギ酸含有アセトニトリル
グラジエント:0分(A液/B液=80/20)、1.2−1.4分(A液/B液=1/99)
流速:0.8mL/min、検出法:254nm
条件2−2
測定機器、カラム、溶媒は条件2−1と同じ。
グラジエント、流速:0.8mL/min、0min(A液/B液=95/5)、1.20min(A液/B液=50/50)、1.0mL/min、1.38min(A液/B液=3/97)
検出法:254nm
以下の実施例において、ラジオHPLCは以下の条件により測定した。
測定機械:LC−20AD(島津製作所)、SCL−10Avp(島津製作所)、SPD−20A(島津製作所)、525TR(PerkinElmer)
カラム:AtlantisT3,3μm,φ4.6x150mm(Waters)
移動相は実施例ごとに溶媒の組成を変えて測定した。
実施例A−3の化合物を分析した際の移動相:10mmol/L酢酸アンモニウム(pH7.0)/アセトニトリル(65/35、v/v)
実施例B−2の化合物を分析した際の移動相:10mmol/L酢酸アンモニウム(pH7.0)/アセトニトリル(70/30、v/v)
実施例C−2の化合物を分析した際の移動相:10mmol/L酢酸アンモニウム(pH7.0)/アセトニトリル(75/25、v/v)
流速:1.0mL/min
検出波長:254nm
以下の実施例において[3H]標識体の質量分析は以下の条件により測定した。
測定機械:LTQ XL(サーモフィッシャーサイエンティフィック)
モード:ESI(+)
以下の参考例、実施例において、化合物名はACD/Name (ACD/Labs 12.01, Advanced Chemistry Development Inc.)により命名した。
本実施例中、以下の用語及び試薬は下記のように表記した。
AcOK(酢酸カリウム)、BBr3(三臭化ホウ素)、CHCl3(クロロホルム)、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)、EtOAc(酢酸エチル)、EtOH(エタノール)、MeOH(メタノール)、Na2SO4(無水硫酸ナトリウム)、NaHCO3(炭酸水素ナトリウム)、PdCl2(dppf)・CH2Cl2{[1,1´−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド ジクロロメタン錯体(1:1)}、TFA(トリフルオロ酢酸)、THF(テトラヒドロフラン)。
・実施例A−1:N−tert−ブチル−2−[2−(3−メトキシフェニル)−6−[3−(モルホリン−4−イル)プロポキシ]−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]アセトアミド(A−1)の合成
(1)2−[6−ブロモ−2−(3−メトキシフェニル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリド[2,3−d]ピリミジン−3(2H)−イル]−N−tert−ブチルアセトアミド(A−1−1)の合成
窒素気流下、2−アミノ−5−ブロモ−N−[2−(tert−ブチルアミノ)−2−オキソエチル]ニコチンアミド(25.0g)、3−メトキシベンズアルデヒド(31.0g)、酢酸(22.8g)のEtOH(500mL)懸濁液をディーン・スターク装置で脱水しながら5時間加熱還流した。放冷後、減圧下で反応溶媒を留去し、得られた残渣にEtOAcを加え、生じた固体をろ取、乾燥し表題化合物(33.4g、無色固体)を得た。
MS (ESI neg.) m/z : 445([M-H]-).
(2)2−[6−ブロモ−2−(3−メトキシフェニル)−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]−N−tert−ブチルアセトアミド(A−1−2)の合成
窒素気流下、実施例A−1(1)で得られた化合物A−1−1(33.0g)、MnO2(32.1g)のTHF(512mL)、CHCl3(130mL)懸濁液を5時間加熱還流した。熱時セライト(登録商標)を用いてろ過後、THF(600mL)にて洗浄し、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた残渣にEtOAcを加え、生じた固体をろ取、乾燥し表題化合物(28.7g、無色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 445([M+H]+).
(3)N−tert−ブチル−2−[6−ヒドロキシ−2−(3−メトキシフェニル)−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]アセトアミド(A−1−3)の合成
窒素気流下、実施例A−1(2)で得られた化合物A−1−2(4.45g)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ−1,3,2−ジオキサボロラン(5.08g)、PdCl2(dppf)・CH2Cl2(408mg)及びAcOK(2.94g)のDMSO(45mL)溶液を100℃にて2時間加熱攪拌した。放冷後、水(200mL)を加え、生じた固体をろ取、乾燥し固体(9.91g、茶褐色固体)を得た。得られた固体(9.91g)のTHF(25mL)及びEtOH(25mL)溶液にNaHCO3水溶液(1.68g/水 15mL)を加えた後に氷冷し、反応液温度8℃以下を保ちながら、30%過酸化水素水(3.40mL)を加えた後、2時間攪拌した。反応液に亜硫酸ナトリウム水溶液(3.78g/水 50mL)を加えた後、15分間攪拌した。CHCl3(100mL)、飽和食塩水(100mL)を加え分液後、水層をCHCl3(50mL)で2回抽出した。有機層をNa2SO4で乾燥後に乾燥剤をろ別し、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(SNAP Cartridge HP−Sphere、移動相:CHCl3/MeOH=100/0〜90/10;v/v)にて精製し表題化合物(3.69g、灰色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 383([M+H]+).
(4)N−tert−ブチル−2−[2−(3−メトキシフェニル)−6−[3−(モルホリン−4−イル)プロポキシ]−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]アセトアミド(A−1)の合成
実施例A−1(3)で得られた化合物A−1−3(3.65g)、4−(3−クロロプロピル)モルホリン 塩酸塩(2.29g)、炭酸セシウム(15.6g)及びヨウ化カリウム(0.792g)のDMF(36mL)懸濁液を外温85℃で4時間攪拌した。反応液を放冷後、飽和NaHCO3水溶液(120mL)、EtOAc(120mL)及びトルエン(20mL)を加え分液後、有機層を飽和食塩水(120mL)で洗浄した。水層をEtOAc(120mL)及びトルエン(20mL)で2回抽出し、有機層を合わせてNa2SO4で乾燥した。乾燥剤をろ別後、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(SNAP Cartridge HP−Sphere、移動相:CHCl3/MeOH=99/1〜90/10;v/v)にて精製し表題化合物(4.55g、褐色アモルファス)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 510([M+H]+).
1H-NMR (600 MHz, CDCl3) δ (ppm) ; 1.35 (9 H, s), 2.01 - 2.08 (2 H, m), 2.48 (4 H, br. s.), 2.55 (2 H, t, J=7.0 Hz), 3.73 (4 H, t, J=4.5 Hz), 3.83 (3 H, s), 4.19 (2 H, t, J=6.4 Hz), 4.52 (2 H, s), 5.45 (1 H, s), 7.02 - 7.05 (1 H, m), 7.23 (1 H, d, J=7.4 Hz), 7.25 - 7.26 (1 H, m), 7.37 (1 H, t, J=7.8 Hz), 7.95 (1 H, d, J=3.3 Hz), 8.72 (1 H, d, J=3.3 Hz).
・実施例A−2:N−tert−ブチル−2−[2−(3−ヒドロキシフェニル)−6−[3−(モルホリン−4−イル)プロポキシ]−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]アセトアミドの合成
実施例A−1(4)で得られた化合物A−1(1.00g)をCHCl3(20mL)に溶解し、氷冷下でBBr3(1mmol/Lジクロロメタン溶液、9.81mL)を滴下し室温で24時間攪拌した。反応液に氷冷下でMeOHを加えた後に、CHCl3(80mL)、飽和NaHCO3水溶液(100mL)を加え分液後、飽和食塩水(100mL)で洗浄した。水層をCHCl3(100mL)で2回抽出し有機層を合わせてNa2SO4で乾燥した。乾燥剤をろ別後、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(SNAP Cartridge KP-NH、移動相:CHCl3/MeOH=100/0〜90/10;v/v)にて精製した。得られた粗精製物にEtOAc(1.5mL)及びn−ヘキサン(1.5mL)を加え、10分間加熱還流後に、室温まで冷却し、12時間攪拌した。固体をろ取、乾燥し、表題化合物(400mg、淡褐色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 496([M+H]+).
1H-NMR (600 MHz, CDCl3) δ (ppm) ; 1.32 (9 H, s), 2.01 - 2.07 (2 H, m), 2.42 - 2.51 (4 H, m), 2.54 (2 H, t, J=6.8 Hz), 3.73 (4 H, t, J=4.3 Hz), 4.15 - 4.20 (2 H, m), 4.51 (2 H, s), 5.48 (1 H, s), 6.89 - 6.93 (1 H, m), 7.06 (1 H, d, J=7.4 Hz), 7.12 - 7.15 (1 H, m), 7.24 (1 H, t, J=7.8 Hz), 7.93 - 7.97 (1 H, m), 8.39 (1 H, br. s.), 8.66 (1 H, d, J=3.3 Hz).
・実施例Aa−1:N−tert−ブチル−2−[2−(3−メトキシフェニル)−6−[3−(モルホリン−4−イル)プロポキシ]−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]アセトアミド(A−1)の合成
実施例A−2で得られた化合物A−2(30mg)、4−ニトロベンゼンスルホン酸メチル(13.1mg)及び炭酸セシウム(30mg)のDMF(600μL)懸濁液を室温で16時間攪拌した。不溶物をろ別後、逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:0.1% TFA MeCN/H2O=10/90〜90/10;v/v)にて精製した。フラクションを飽和NaHCO3水溶液にて中和し、CHCl3にて抽出し、Na2SO4乾燥後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧下留去し、表題化合物(6.4mg、淡褐色アモルファス)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 510([M+H]+).
1H-NMR (600 MHz, CDCl3) δ (ppm) ; 1.35 (9 H, s), 2.02 - 2.08 (2 H, m), 2.48 (4 H, br. s.), 2.53 - 2.58 (2 H, m), 3.72 - 3.76 (4 H, m), 3.83 (3 H, s), 4.19 (2 H, t, J=6.4 Hz), 4.52 (2 H, s), 5.43 (1 H, s), 7.03 - 7.06 (1 H, m), 7.22 - 7.24 (1 H, m), 7.25 - 7.26 (1 H, m), 7.37 (1 H, t, J=8.1 Hz), 7.95 (1 H, d, J=3.3 Hz), 8.72 (1 H, d, J=3.3 Hz).
・実施例A−3:N−tert−ブチル−2−[2−{3−[(33)メチルオキシ]フェニル}−6−[3−(モルホリン−4−イル)プロポキシ]−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]アセトアミド(A−3)の合成
実施例Aa−1と同様の手法にて、4−ニトロベンゼンスルホン酸(33)メチルを用いて、化合物A−2から表題化合物を合成し(合成数量347MBq、比放射能3.17TBq/mmol)、37MBq/mLのエタノール溶液を調製した。
Radio-HPLC 保持時間:9.36min
MS (ESI pos.) m/z : 516([M+H]+).
・実施例B−1:N−tert−ブチル−2−[2−(6−ヒドロキシピリジン−2−イル)−6−[3−(モルホリン−4−イル)プロポキシ]−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]アセトアミド(B−1)の合成
(1)2−[6−ブロモ−2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリド[2,3−d]ピリミジン−3(2H)−イル]−N−tert−ブチルアセトアミド(B−1−1)の合成
実施例A−1(1)と同様の手法にて、6−メトキシピリジン−2−カルバルデヒド(5.0g)から表題化合物(8.28g)を得た。
(2)2−[6−ブロモ−2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]−N−tert−ブチルアセトアミド(B−1−2)の合成
実施例A−1(2)と同様の手法にて、実施例B−1(1)で得られた化合物B−1−1(8.28g)から表題化合物(6.86g、無色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 446([M+H]+).
(3)N−tert−ブチル−2−[6−ヒドロキシ−2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]アセトアミド(B−1−3)の合成
実施例A−1(3)と同様の手法にて、実施例B−1(2)で得られた化合物B−1−2(6.22g)から表題化合物(3.85g、灰色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 384([M+H]+).
(4)N−tert−ブチル−2−[2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−6−[3−(モルホリン−4−イル)プロポキシ]−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]アセトアミド(B−1−4)の合成
実施例A−1(4)と同様の手法にて、実施例B−1(3)で得られた化合物B−1−3(1.80g)から表題化合物(1.31g、黄色アモルファス)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 511([M+H]+).
1H-NMR (600 MHz, CDCl3) δ (ppm) ; 1.24 (9 H, s), 2.01 - 2.09 (2 H, m), 2.48 (4 H, br. s.), 2.55 (2 H, t, J=7.0 Hz), 3.70 - 3.77 (4 H, m), 3.94 (3 H, s), 4.20 (2 H, t, J=6.2 Hz), 5.08 (2 H, s), 5.39 (1 H, s), 6.87 (1 H, d, J=8.3 Hz), 7.67 - 7.71 (1 H, m), 7.72 - 7.77 (1 H, m), 7.96 (1 H, d, J=3.3 Hz), 8.73 (1 H, d, J=3.3 Hz).
(5)N−tert−ブチル−2−[2−(6−ヒドロキシピリジン−2−イル)−6−[3−(モルホリン−4−イル)プロポキシ]−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]アセトアミド(B−1)の合成
実施例B−1(4)で得られた化合物B−1−4(700mg)、ヨウ化ナトリウム(1.44g)をアセトニトリル(20mL)に懸濁し、クロロトリメチルシラン(1.21mL)を加えた。15分間室温で攪拌後、外温85℃で1時間攪拌した。反応液を放冷後、氷冷下で水(20mL)を加えた後、飽和NaHCO3水溶液(100mL)及びCHCl3(100mL)を加え分液後、飽和食塩水(100mL)で洗浄した。水層をCHCl3(100mL)で3回抽出し、有機層を合わせてNa2SO4乾燥後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(SNAP Cartridge HP-Sphere、移動相:CHCl3/MeOH=98/2〜85/15;v/v)にて精製した。得られた粗精製物にEtOAc(6mL)及びn−ヘキサン(3mL)を加え、析出物をろ取、乾燥し、表題化合物(290mg、淡褐色アモルファス)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 497([M+H]+).
1H-NMR (600 MHz, CDCl3) δ (ppm) ; 1.41 (9 H, s), 1.99 - 2.09 (2 H, m), 2.48 (4 H, br. s.), 2.55 (2 H, t, J=6.8 Hz), 3.69 - 3.76 (4 H, m), 4.20 (2 H, t, J=6.2 Hz), 4.61 (2 H, s), 6.09 (1 H, s), 6.73 (1 H, d, J=8.3 Hz), 6.96 (1 H, d, J=6.6 Hz), 7.48 - 7.54 (1 H, m), 7.87 - 7.93 (1 H, m), 8.74 (1 H, d, J=3.3 Hz), 10.54 - 11.09 (1 H, m).
・参考例Ba−1:N−tert−ブチル−2−[2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−6−[3−(モルホリン−4−イル)プロポキシ]−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]アセトアミド(B−1−4)の合成
実施例B−1で得られた化合物B−1(30mg)、4−ニトロベンゼンスルホン酸メチル(13.1mg)及び炭酸セシウム(30mg)のDMF(600μL)懸濁液を室温で16時間攪拌した。不溶物をろ別後、逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:0.1% TFA MeCN/H2O=10/90〜90/10;v/v)にて精製した。フラクションを飽和NaHCO3水溶液にて中和し、CHCl3にて抽出し、Na2SO4乾燥後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧下留去し、表題化合物(11mg、淡褐色アモルファス)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 511([M+H]+).
1H-NMR (600 MHz, CDCl3) δ (ppm) ; 1.24 (9 H, s), 2.02 - 2.09 (2 H, m), 2.48 (4 H, br. s.), 2.53 - 2.58 (2 H, m), 3.71 - 3.76 (4 H, m), 3.94 (3 H, s), 4.20 (2 H, t, J=6.4 Hz), 5.08 (2 H, s), 5.39 (1 H, s), 6.88 (1 H, dd, J=8.3, 0.8 Hz), 7.69 (1 H, dd, J=7.4, 0.8 Hz), 7.75 (1 H, dd, J=8.3, 7.4 Hz), 7.96 (1 H, d, J=2.9 Hz), 8.73 (1 H, d, J=3.3 Hz).
・実施例B−2:N−tert−ブチル−2−[2−{6−[(33)メチルオキシ]ピリジン−2−イル}−6−[3−(モルホリン−4−イル)プロポキシ]−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]アセトアミド(B−2)の合成
参考例Ba−1と同様の手法にて、4−ニトロベンゼンスルホン酸(33)メチルを用いて、化合物B−1から表題化合物を合成し(合成数量235MBq、比放射能3.15TBq/mmol)、11.5MBq/mLのエタノール溶液を調製した。
Radio-HPLC 保持時間:15.81min
MS (ESI pos.) m/z : 517([M+H]+).
・実施例C−1:2−[2−(6−ヒドロキシピリジン−2−イル)−6−[3−(モルホリン−4−イル)プロポキシ]−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]−N−イソプロピルアセトアミド(C−1)の合成
(1)2−[6−ブロモ−2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロピリド[2,3−d]ピリミジン−3(2H)−イル]−N−イソプロピルアセトアミド(C−1−1)の合成
実施例A−1(1)と同様の手法にて、2−アミノ−5−ブロモ−N−{2−[(1−メチルエチル)アミノ]−2−オキソエチル}ピリジン−3−カルボキサミド(31.0g)及び6−メトキシピリジン−2−カルバルデヒド(40.5g)から表題化合物(39.4g、淡褐色固体)を得た。
(2)2−[6−ブロモ−2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]−N−イソプロピルアセトアミド(C−1−2)の合成
実施例A−1(2)と同様の手法にて、実施例C−1(1)で得られた化合物C−1−1(39.0g)から表題化合物(31.4g、無色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 432([M+H]+).
(3)2−[6−ヒドロキシ−2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]−N−イソプロピルアセトアミド(C−1−3)の合成
実施例A−1(3)と同様の手法にて、実施例C−1(2)で得られた化合物C−1−2(30.0g)から表題化合物(31.3g、褐色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 370([M+H]+).
(4)N−イソプロピル−2−[2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−6−[3−(モルホリン−4−イル)プロポキシ]−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]アセトアミド(C−1−4)の合成
実施例A−1(4)と同様の手法にて、実施例C−1(3)で得られた化合物C−1−3(3.70g)から表題化合物(1.73g、淡褐色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 497([M+H]+).
1H-NMR (600 MHz, CDCl3) δ (ppm) ; 1.09 (6 H, d, J=6.6 Hz), 2.00 - 2.10 (2 H, m), 2.43 - 2.51 (4 H, m), 2.55 (2 H, t, J=7.2 Hz), 3.70 - 3.77 (4 H, m), 3.93 (3 H, s), 3.95 - 4.04 (1 H, m), 4.20 (2 H, t, J=6.4 Hz), 5.06 (2 H, s), 5.45 (1 H, d, J=7.8 Hz), 6.88 (1 H, d, J=8.3 Hz), 7.70 (1 H, d, J=7.4 Hz), 7.73 - 7.77 (1 H, m), 7.97 (1 H, d, J=3.3 Hz), 8.74 (1 H, d, J=2.9 Hz).
(4)2−[2−(6−ヒドロキシピリジン−2−イル)−6−[3−(モルホリン−4−イル)プロポキシ]−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]−N−イソプロピルアセトアミド(C−1)の合成
実施例B−1(5)と同様の手法にて、実施例C−1(4)で得られた化合物C−1−4(700mg)を用いて表題化合物(600mg、淡黄色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 483([M+H]+).
1H-NMR (600 MHz, CDCl3) δ (ppm) ; 1.23 (6 H, d, J=6.2 Hz), 2.03 - 2.11 (2 H, m), 2.44 - 2.61 (6 H, m), 3.74 (4 H, br. s.), 4.16 - 4.23 (3 H, m), 4.63 (2 H, s), 6.08 - 6.13 (1 H, m), 6.74 (1 H, d, J=8.7 Hz), 6.99 (1 H, d, J=6.6 Hz), 7.52 (1 H, dd, J=9.1, 7.0 Hz), 7.86 - 7.94 (1 H, m), 8.72 - 8.81 (1 H, m), 10.69 - 11.12 (1 H, m).
・参考例Ca−1:N−イソプロピル−2−[2−(6−メトキシピリジン−2−イル)−6−[3−(モルホリン−4−イル)プロポキシ]−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]アセトアミド(C−1−4)の合成
実施例C−1で得られた化合物C−1(30mg)、4−ニトロベンゼンスルホン酸メチル(13.5mg)及び炭酸セシウム(30mg)のDMF(600μL)懸濁液を室温で16時間攪拌した。不溶物をろ別後、逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:0.1% TFA MeCN/H2O=10/90〜90/10;v/v)にて精製した。フラクションを飽和NaHCO3水溶液にて中和し、CHCl3にて抽出し、Na2SO4乾燥後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧下留去し、表題化合物(11mg、淡褐色固体)を得た。
MS (ESI pos.) m/z : 497([M+H]+).
1H-NMR (600 MHz, CDCl3) δ (ppm) ; 1.09 (6 H, d, J=6.6 Hz), 2.00 - 2.11 (2 H, m), 2.48 (4 H, br. s.), 2.55 (2 H, t, J=7.0 Hz), 3.71 - 3.76 (4 H, m), 3.93 (3 H, s), 3.94 - 4.04 (1 H, m), 4.20 (2 H, t, J=6.2 Hz), 5.06 (2 H, s), 5.49 (1 H, d, J=7.4 Hz), 6.88 (1 H, dd, J=8.3, 0.8 Hz), 7.70 (1 H, d, J=7.0 Hz), 7.73 - 7.78 (1 H, m), 7.93 - 7.99 (1 H, m), 8.74 (1 H, d, J=2.9 Hz).
・実施例C−2:N−イソプロピル−2−[2−{6−[(33)メチルオキシ]ピリジン−2−イル}−6−[3−(モルホリン−4−イル)プロポキシ]−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]アセトアミド(C−2)の合成
参考例Ca−1と同様の手法にて、4−ニトロベンゼンスルホン酸(33)メチルを用いて、化合物C−1から表題化合物を合成し(合成数量357MBq、比放射能3.16TBq/mmol)、37.0MBq/mLのエタノール溶液を調製した。
Radio-HPLC 保持時間:15.07min
MS (ESI pos.) m/z : 503([M+H]+).
試験例1
・V1b受容体結合試験
ヒトV1b受容体を一過性に発現させた293FT細胞を回収し、15mmol/L トリス塩酸緩衝液(pH7.4、2mmol/L 塩化マグネシウム、0.3mmol/L エチレンジアミン四酢酸、1mmol/L グリコールエーテルジアミン四酢酸を含む)中でホモジナイズした。得られたホモジネートを50,000×g、4℃で20分間遠心分離し、沈殿物を75mmol/L トリス塩酸緩衝液(pH7.4、12.5mmol/L 塩化マグネシウム、0.3mmol/L エチレンジアミン四酢酸、1mmol/L グリコールエーテルジアミン四酢酸、250mmol/Lショ糖を含む)に再懸濁して粗膜標品とし、結合試験実施前まで−80℃にて保存した。結合試験の際は、この粗膜標品を50mmol/L トリス塩酸緩衝液(pH7.4、10mmol/L 塩化マグネシウム、0.1% ウシ血清アルブミンを含む)にて希釈し、各被検化合物、及び[3H]AVP(最終濃度0.4〜1nmol/L)と混合し、室温で60分間インキュベーションした。被検化合物はDMSOにて段階的に希釈し、混合時の被検化合物の最終濃度は、0.01nmol/L〜1μmol/Lである。インキュベーション後、混合溶液を0.3% ポリエチレンイミンを浸透させたGF/Cフィルターへと吸引濾過した。このGF/Cフィルターを乾燥させてシンチレーターを加えた後、トップカウント(パーキンエルマー社)を用いてフィルター上に残存する放射能を測定した。10μmol/Lの未標識AVP存在下での放射能を0%とし、未標識AVP非存在下での放射能を100%とした。各濃度の被検化合物存在下での放射能より用量反応曲線を作成し、被検化合物の50%阻害濃度(IC50値)を算出した。化合物A−1、B−1−4及びC−1−4のIC50値を表1に示す。
試験例2
・ラット下垂体前葉膜結合試験(化合物A−3結合試験)
ラット下垂体前葉を摘出し、湿重量に対して10倍量の10mmol/L HEPES緩衝液(pH7.4、1mmol/L エチレンジアミン四酢酸、250mmol/L ショ糖、0.1mmol/L フッ化フェニルメタンスルホニル、プロテアーゼインヒビターを含む)中でホモジナイズした。得られたホモジネートを1,000×g、4℃で10分間遠心分離し、得られた上清をさらに50,000×g、4℃で20分間遠心分離した。得られた沈殿物を10mmol/L HEPES緩衝液に懸濁し、粗膜標品として結合試験実施前まで−80℃にて保存した。結合試験の際は、この粗膜標品を50mmol/L トリス塩酸緩衝液(pH7.4、10mmol/L 塩化マグネシウム、0.1% ウシ血清アルブミンを含む)にて希釈し、化合物A-3(最終濃度0.17〜9.6nmol/L)と混合し、室温で60分間インキュベーションした。インキュベーション後、混合溶液を0.3% ポリエチレンイミンを浸透させたGF/Cフィルターへと吸引濾過し、冷蔵した50mmol/L トリス塩酸緩衝液(pH7.4、10mmol/L 塩化マグネシウムを含む)で洗浄した。このGF/Cフィルターを乾燥させてシンチレーターを加えた後、トップカウントを用いてフィルター上に残存する放射能を測定した。10μmol/LのAVP存在下での放射能を非特異結合とし、AVP非存在下での放射能(総結合)との差分を特異結合とした。化合物A−3の結合試験時の最終放射能濃度と特異結合の関係をプロットした結合飽和曲線より、結合解離定数を算出した。結果を図1に示す。
図1に示した通り、化合物A−3の低濃度側では濃度依存的に特異結合が増加し、高濃度側では特異結合が飽和した。結合解離定数は0.41 nmol/Lであった。
試験例3
・in vivoラット下垂体前葉結合試験(化合物A−3結合試験)
ラットに化合物A-3(0.9 nmol/kg、 3.0 MBq/kg)を尾静脈内投与し、投与30分後に下垂体前葉および眼球を摘出した。摘出した組織を1mLの氷冷したトリス塩酸緩衝液(pH7.4、10mmol/L 塩化マグネシウムを含む)中でホモジナイズし、0.3% ポリエチレンイミンを浸透させたGF/Bフィルターへと速やかに吸引濾過し、氷冷したトリス塩酸緩衝液で洗浄した。このGF/Bフィルターを乾燥させてシンチレーターを加えた後、液体シンチレーションカウンターを用いて放射能を測定した。放射能濃度はフィルトレーションした組織ホモジネート中のタンパク質濃度により補正した。結果を図2に示す。
ブロッキング試験として、V1b受容体に結合親和性を有する2−[2−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−[3−(モルホリン−4−イル)プロポキシ]−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−3(4H)−イル]−N−イソプロピルアセトアミド(WO2009/017236記載の実施例A−250)を1 mg/kgにて尾静脈内投与し、5分後に化合物A−3を尾静脈内投与し、上記と同様の操作を行った。結果を図2に示す。
図2に示した通り、V1b受容体が高発現している下垂体前葉では放射能濃度の上昇が認められ、V1b受容体の発現のない眼球では放射能濃度が認められなかった(ブロッキングなし)。また、ブロッキング試験では、下垂体前葉での放射能濃度の上昇が完全に抑制された。
本発明の非標識体はV1b受容体に特異的な結合阻害活性を有し、薬理、薬物動態及び安全性の研究のためのツールとして有用である。また、その[3H]標識体は、生体内に投与した後に代謝を受けずに安定であり、標的臓器である下垂体への十分な量の移行が認められ、薬理、薬物動態及び安全性の研究のためのトレーサーとして有用である。さらに、本発明の製造方法は、当該[3H]標識体の効率的な供給を可能とし、当該[3H]標識体合成のための前駆体は、そのような効率的製造方法を可能とし、有用である。

Claims (14)

  1. 式(I)
    (式中、
    Xは、窒素原子、又は式CHを示し、
    1は、C1-5アルキル(該C1-5アルキルはヒドロキシ、ハロゲン原子、シアノ、C3-7シクロアルキル、及びC1-5アルコキシから選ばれる同一又は異なった1〜3個の置換基で置換されても良い)、
    2は、水素原子、又はC1-5アルキル(該C1-5アルキルは少なくとも1個の水素原子が3Hである)を示す。)
    で表わされる化合物又はその医薬上許容される塩。
  2. 上記式(I)において、
    2が、C1-5アルキル(該C1-5アルキルは少なくとも1個の水素原子が3Hである)である請求項1に記載の化合物又はその医薬上許容される塩。
  3. 上記式(I)において、
    1が、C1-5アルキルであり、
    2が、C1-5アルキル(該C1-5アルキルは、少なくとも1個の水素原子が3Hである)である請求項2に記載の化合物又はその医薬上許容される塩。
  4. 上記式(I)において、
    2が、メチル(該メチルは、少なくとも1個の水素原子が3Hである)である請求項2又は3いずれかに記載の化合物又はその医薬上許容される塩。
  5. 上記式(I)において、
    1が、tert−ブチルである請求項2〜4いずれか1項に記載の化合物又はその医薬上許容される塩。
  6. 上記式(I)において、
    Xが、式CHであり、
    1が、tert−ブチルである請求項2〜5いずれか1項に記載の化合物又はその医薬上許容される塩。
  7. 請求項2〜6いずれか1項に記載の化合物又はその医薬上許容される塩を含有する、V1b受容体標識剤。
  8. 請求項2〜6いずれか1項に記載の化合物又はその医薬上許容される塩を含有する、医薬組成物。
  9. 上記式(I)において、
    1が、C1-5アルキルであり、
    2が、水素原子である請求項1に記載の化合物又はその医薬上許容される塩。
  10. 式(II)
    で表わされる化合物又はその医薬上許容される塩。
  11. 請求項2〜6のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬上許容される塩の製造方法であって、式(III):
    (式中、R1、Xは上記で定義した通りである)で表される化合物と、式R−L(R2は上記で定義した通りであり、L1は脱離基である)で表される化合物とを、塩基及び溶媒の存在下で反応させることを含む方法。
  12. が4−ニトロベンゼンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基、メタンスルホニルオキシ基、又はハロゲン原子である、請求項11に記載の方法。
  13. 塩基が、炭酸カリウム、炭酸セシウム、トリエチルアミン、又はジイソプロピルエチルアミンである、請求項11又は12に記載の方法。
  14. 溶媒が、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、又はジメチルスルホキシドである、請求項11〜13のいずれか1項に記載の方法。
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