JPWO2013176200A1 - 化粧用パフ - Google Patents
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Abstract
化粧用パフをより柔軟で回復性に優れ、一旦掻き取った化粧料をなるべく多く肌に移すことができ、結果的に使用後においてパフ表面がきれいになり、さらに耐洗濯性にも優れたものとするために、ポリトリメチレンテレフタレート繊維を28ゲージでダブルラッセル編みした編物からなる生地を化粧料塗布側の面とする化粧用パフとした。
Description
本発明は、化粧用のパフに関する。
これまで、化粧用パフとしては各種の材料からなるものが知られており、化粧用のパフは柔らかく、かつ肌当たりの良いものが好まれる。ここで、柔らかく、肌当たりを良くするためには、パイル自体の柔らかさが必要であることはもちろん、グランドも柔らかいことが必要である。
このような化粧用パフとしては、特許文献1に記載されたようにポリエステルベルベットやポリエステルトリコットパイル布を用いたものがある。しかしながら、PET等のポリエステルはしなやかさに欠けるので、立毛されてなる毛先が一旦寝かされた後の回復性が良好であるとしても使用感が劣っている。
また、特許文献2には少なくとも起毛部にポリトリメチレンテレフタレート繊維を含む起毛布帛であって、該起毛布帛のJIS L−1076による抗ピル性が3級以上であることを特徴とする起毛布帛が記載されており、ポリトリメチレンテレフタレート繊維を起毛布帛とすることが示されている。
特許文献3には、パイル糸が捲縮を付与しないポリテトラメチレンテレフタレート繊維よりなり、該パイル糸のパイル角度が70〜90度であるパイル布帛であり、その原料である二重構造布帛としてはビロード等の緯二重組織を用いた緯パイル織物、ベルベット等の経緯二重組織を用いた経パイル織物、ダブルラッセル編物等があることが記載されている。
さらに、特許文献4によれば、28ゲージのトリコット編機により仕上がりが70コース/39ウェールとなる編物を得ており、得られたポリトリメチレンテレフタレートの編物を生地として用い、パイル糸であるポリメチレンテレフタレート繊維を2回カット起毛してシャーリングし、これにポリウレタンスポンジを芯部として内挿してなる化粧用パフが記載されている。しかしながら、このようにして得られた編物はグランドの密度が高くなるので、その編物を使用した生地ではハリが出てしまい、得られた化粧用パフは肌当たりがハードなものとなる。
加えて、トリコット編機により得られたトリコット編みはループ起毛という工程において、パイルの長さを出すためにパイルを引っ張り上げる必要がある。この工程によって編物が横方向に縮み、グランドの密度がより高くなることが不可避であった。
また、特許文献4が出願された当時は、通常はダブルラッセル編みの編物は22ゲージ(=針の数/インチ)以下の編機により製造されていた。
このような化粧用パフとしては、特許文献1に記載されたようにポリエステルベルベットやポリエステルトリコットパイル布を用いたものがある。しかしながら、PET等のポリエステルはしなやかさに欠けるので、立毛されてなる毛先が一旦寝かされた後の回復性が良好であるとしても使用感が劣っている。
また、特許文献2には少なくとも起毛部にポリトリメチレンテレフタレート繊維を含む起毛布帛であって、該起毛布帛のJIS L−1076による抗ピル性が3級以上であることを特徴とする起毛布帛が記載されており、ポリトリメチレンテレフタレート繊維を起毛布帛とすることが示されている。
特許文献3には、パイル糸が捲縮を付与しないポリテトラメチレンテレフタレート繊維よりなり、該パイル糸のパイル角度が70〜90度であるパイル布帛であり、その原料である二重構造布帛としてはビロード等の緯二重組織を用いた緯パイル織物、ベルベット等の経緯二重組織を用いた経パイル織物、ダブルラッセル編物等があることが記載されている。
さらに、特許文献4によれば、28ゲージのトリコット編機により仕上がりが70コース/39ウェールとなる編物を得ており、得られたポリトリメチレンテレフタレートの編物を生地として用い、パイル糸であるポリメチレンテレフタレート繊維を2回カット起毛してシャーリングし、これにポリウレタンスポンジを芯部として内挿してなる化粧用パフが記載されている。しかしながら、このようにして得られた編物はグランドの密度が高くなるので、その編物を使用した生地ではハリが出てしまい、得られた化粧用パフは肌当たりがハードなものとなる。
加えて、トリコット編機により得られたトリコット編みはループ起毛という工程において、パイルの長さを出すためにパイルを引っ張り上げる必要がある。この工程によって編物が横方向に縮み、グランドの密度がより高くなることが不可避であった。
また、特許文献4が出願された当時は、通常はダブルラッセル編みの編物は22ゲージ(=針の数/インチ)以下の編機により製造されていた。
化粧用パフは化粧料容器から主に粉末状化粧料をパフ表面に掻きとりこれを肌に適用することにより掻き取られた化粧料を肌表面に転着させるものである。その際には、掻き取られてパフ表面に付着した化粧料を可能な限り多く肌表面に転着させることが必要である。従来のパフは硬く柔軟性に劣り、かつ伸縮した後に元の状態へと戻る性質に乏しかったので、使用や管理状態によっては変形状態のまま形状が固定されることがあったので、このような性質を改善することが必要であった。
さらに、使用するにつれてパフ表面に化粧料が堆積・内部へ移動し、洗濯した場合においても十分に化粧料を落とすことが困難になるので、十分に化粧料を取り除くことができず、その状態で使用を継続すると、化粧料が堆積し、内部に移動することによってパフ全体が硬くなり、さらに使用感を悪化させることになるので、このような状況となることを回避する必要性もある。
また、パフを洗濯して使用することも行われているが、これまでは洗濯によって化粧用パフの表面素材が傷み、かつ明らかに化粧料がパフ表面に残存していたので、やはり上記のようにパフ表面に化粧料が堆積・内部に移動することになっていた。また、パフ表面の起毛が柔軟で一旦寝た毛が再び立毛できることが必要になる。
さらに、使用するにつれてパフ表面に化粧料が堆積・内部へ移動し、洗濯した場合においても十分に化粧料を落とすことが困難になるので、十分に化粧料を取り除くことができず、その状態で使用を継続すると、化粧料が堆積し、内部に移動することによってパフ全体が硬くなり、さらに使用感を悪化させることになるので、このような状況となることを回避する必要性もある。
また、パフを洗濯して使用することも行われているが、これまでは洗濯によって化粧用パフの表面素材が傷み、かつ明らかに化粧料がパフ表面に残存していたので、やはり上記のようにパフ表面に化粧料が堆積・内部に移動することになっていた。また、パフ表面の起毛が柔軟で一旦寝た毛が再び立毛できることが必要になる。
1.ポリトリメチレンテレフタレート繊維を含み、28ゲージでダブルラッセル編みした編物からなる生地を化粧料塗布側の面とする化粧用パフ。
2.ポリトリメチレンテレフタレート繊維を70〜100重量%含み、ポリブチレンテレフタレート繊維を0〜30重量%含み、これらからなる繊維を28ゲージでダブルラッセル編みした編物からなる生地を化粧料塗布側の面とする1に記載の化粧用パフ。
3.編物のコースが35〜70/インチ、ウェールが20〜36/インチである1又は2に記載の化粧用パフ。
4.編物の毛足が2〜5mmである1〜3のいずれかに記載の化粧用パフ。
2.ポリトリメチレンテレフタレート繊維を70〜100重量%含み、ポリブチレンテレフタレート繊維を0〜30重量%含み、これらからなる繊維を28ゲージでダブルラッセル編みした編物からなる生地を化粧料塗布側の面とする1に記載の化粧用パフ。
3.編物のコースが35〜70/インチ、ウェールが20〜36/インチである1又は2に記載の化粧用パフ。
4.編物の毛足が2〜5mmである1〜3のいずれかに記載の化粧用パフ。
本発明によれば、化粧料をパフ表面に掻き取って十分な量の化粧料をパフ表面に取った後、肌表面に転着させて拡げた後には、そのパフ表面に掻き取られていた化粧料はほとんど残っておらず、その分多くの化粧料を肌表面に付けることができる。
さらに、パフ自体が柔軟であり回復性に優れるので肌表面での感触が良好であり、洗濯によって化粧料を落とすことが容易であるために、洗濯後にはあたかも使用前のようなきれいな状態に戻すことができる。
さらに、パフ自体が柔軟であり回復性に優れるので肌表面での感触が良好であり、洗濯によって化粧料を落とすことが容易であるために、洗濯後にはあたかも使用前のようなきれいな状態に戻すことができる。
以下に本発明の好ましい実施の形態について具体的に説明する。
本発明の化粧用パフは、片面に化粧料の塗布部及び化粧料を拡げるための区域を設けてなる。その形状は通常のパフと同様の形状であり、使用できる化粧料としては、ミネラルファンデーションやパウダリーファンデーション等のファンデーション、コントロールカラー、フェイスパウダー、フィニッシュパウダー、コンシーラー等の粉末状化粧料(以下、「化粧料」という)であって、これも通常のパフにより使用される化粧料である。
本発明の化粧用パフは、片面に化粧料の塗布部及び化粧料を拡げるための区域を設けてなる。その形状は通常のパフと同様の形状であり、使用できる化粧料としては、ミネラルファンデーションやパウダリーファンデーション等のファンデーション、コントロールカラー、フェイスパウダー、フィニッシュパウダー、コンシーラー等の粉末状化粧料(以下、「化粧料」という)であって、これも通常のパフにより使用される化粧料である。
このように、本発明のパフは化粧料の塗布区域と化粧料を拡げるための2種の作用を備える点において、従来のパフと共通する。そして、パフの大きさとしては、手に持ち、化粧料を塗布することができる面積と化粧料を拡げる面積を有するようにした通常の大きさである。
本発明のパフにて使用される中芯は、化粧料塗布具として使用するのに必要な適度の反撥弾性、コシ又はボリューム感を付与するために使用されるのであって、その素材は、特に限定されるものではないが、スポンジシート、織物、編物類又は不織布などであることが好ましく、経済性の点ではスポンジシート、不織布が特に好ましい。
このような素材を形成する材料としては、公知のもので十分である。たとえば、ニトリルゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)などの各種ゴム類、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)などのポリエステル類、各種ナイロンなどのポリアミド類、ポリウレタン類、セルロース類などを挙げることができる。これらをブレンドしたり、共重合したりして使用することもできる。スポンジシートの場合、気泡構造は、独立気泡、連続気泡又はこれらの混在型など種々の形態がある。密度(又は空隙率)は、目的に応じて製造工程での発泡倍率の制御により所定の範囲に設定すればよい。
あるいは、低反撥弾性を有するスポンジシートを使用することもできる。中芯が不織布の場合、厚み、目付け、密度は格段制限されるものではない。また、これらの不織布やスポンジシートに、銀を担持させたガラス粒子を担持、又は配合させることもできる。
このような素材を形成する材料としては、公知のもので十分である。たとえば、ニトリルゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)などの各種ゴム類、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)などのポリエステル類、各種ナイロンなどのポリアミド類、ポリウレタン類、セルロース類などを挙げることができる。これらをブレンドしたり、共重合したりして使用することもできる。スポンジシートの場合、気泡構造は、独立気泡、連続気泡又はこれらの混在型など種々の形態がある。密度(又は空隙率)は、目的に応じて製造工程での発泡倍率の制御により所定の範囲に設定すればよい。
あるいは、低反撥弾性を有するスポンジシートを使用することもできる。中芯が不織布の場合、厚み、目付け、密度は格段制限されるものではない。また、これらの不織布やスポンジシートに、銀を担持させたガラス粒子を担持、又は配合させることもできる。
次に、本発明のパフで使用する化粧料の塗布及び化粧料を拡げるための区域に使用する表面の素材は、化粧料を表面に安定に保持でき、化粧料を皮膚面へ簡単に移動できる塗布機能を有する素材、及び、皮膚上に付着した化粧料を薄く均一に拡げることができる素材であることが必要である。このような素材であるシート材としてはポリトリメチレンテレフタレート(以下「PTT」と記載する場合あり)繊維からなる編物であり、加えて28ゲージ以上のダブルラッセル編みにより得られた編物であることが必要である。
なお、本発明におけるポリトリメチレンテレフタレート繊維と共に使用される繊維は、ポリトリメチレンテレフタレート繊維が70〜100重量%以上含有されるように使用される。その共に使用される繊維は、含有量が0〜30重量%となるように使用され、ポリトリメチレンテレフタレート以外のポリエステル、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン、レーヨン、アクリル等で良く、それらの中でも特にポリブチレンテレフタレートが好ましい。
また、これらの繊維に、銀を担持させたガラス粒子を担持、又は配合させることもできる。
なお、本発明におけるポリトリメチレンテレフタレート繊維と共に使用される繊維は、ポリトリメチレンテレフタレート繊維が70〜100重量%以上含有されるように使用される。その共に使用される繊維は、含有量が0〜30重量%となるように使用され、ポリトリメチレンテレフタレート以外のポリエステル、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン、レーヨン、アクリル等で良く、それらの中でも特にポリブチレンテレフタレートが好ましい。
また、これらの繊維に、銀を担持させたガラス粒子を担持、又は配合させることもできる。
なお、PTTをダブルラッセル編みとすることの技術的な意義について、仮にPTTを織物とした場合には、その製造工程が複雑であること、さらに織り目が詰まるので化粧料を確実に肌に塗布することが困難になり好ましくないことから、織物よりも編物とすることが好ましいといえる。
さらにPTTを編む方法としてはダブルラッセル編みの他にトリコット編み等の方法があるが、トリコット編みされたPTTを用いたパフは掻き取った化粧料を十分に肌表面に転着させることができず、使用後においてもパフ表面に化粧料を残すことになり、思い通りに化粧をすることが困難であるため、このような支障を解消するためにダブルラッセル編みとすることが必要である。
さらにPTTを編む方法としてはダブルラッセル編みの他にトリコット編み等の方法があるが、トリコット編みされたPTTを用いたパフは掻き取った化粧料を十分に肌表面に転着させることができず、使用後においてもパフ表面に化粧料を残すことになり、思い通りに化粧をすることが困難であるため、このような支障を解消するためにダブルラッセル編みとすることが必要である。
加えて、このダブルラッセル編みにより得られたポリトリメチレンテレフタレート繊維からなる編物は、そのコースが35〜70/インチ、ウェールが24〜36/インチであることが好ましく、さらに好ましくはコースが50〜52/インチ、ウェールが28〜30/インチである。また、目付けは100〜700g/m2、好ましくは250〜650g/m2である。
このように、ダブルラッセル編みにより得た編物であっても、28ゲージに比べて22ゲージのものは、グランドの密度を低くすることはできる。しかしながら、密度が低すぎるためにパイル間隔が広くなり、使用時においてパイルが寝てしまう傾向にある。パイルが寝てしまうと、化粧料の掻き取り性が低下し、肌の上を滑らせたときの均一な感触を得ることができない。さらにパフを使用する方向によって、異なった化粧料の取れ具合、異なった肌当たりとなってしまう。
もちろんパイルが寝ないように太いパイル糸を使用することも可能だが、肌当たりがハードになるので、ダブルラッセル編みの特徴である肌当たりの良さがそこなわれてしまう。そのため、22ゲージよりも28ゲージのダブルラッセル編みの編物を生地として採用する必要がある。
このように、ダブルラッセル編みにより得た編物であっても、28ゲージに比べて22ゲージのものは、グランドの密度を低くすることはできる。しかしながら、密度が低すぎるためにパイル間隔が広くなり、使用時においてパイルが寝てしまう傾向にある。パイルが寝てしまうと、化粧料の掻き取り性が低下し、肌の上を滑らせたときの均一な感触を得ることができない。さらにパフを使用する方向によって、異なった化粧料の取れ具合、異なった肌当たりとなってしまう。
もちろんパイルが寝ないように太いパイル糸を使用することも可能だが、肌当たりがハードになるので、ダブルラッセル編みの特徴である肌当たりの良さがそこなわれてしまう。そのため、22ゲージよりも28ゲージのダブルラッセル編みの編物を生地として採用する必要がある。
本発明のパフの背面、つまり手のひらが当たる側の面には、化粧料の塗布及び化粧料を拡げるための区域に使用する表面の素材と同じ素材、つまりポリトリメチレンテレフタレート繊維を28ゲージ以上のダブルラッセル編みすることにより得られた素材を採用することができる。ただし、この面は化粧料を付着させるための面ではないので、その他の素材により形成してもよい。
例えば、中芯としてスポンジシートを使用する場合、中芯と同じ素材を使用してもよく、異なるものであってもよい。素材表面に静電植毛などの方法で植毛を施してなる植毛シートを採用することもできる。
また、表面にパイルを形成した織物、編物、不織布又は立毛処理を施した織物、編物又は不織布などである立毛布帛とすることも可能である。さらにスエード調合成皮革、ヌバック調合成皮革又は銀付皮革等の合成皮革として使用できるものであっても良い。
かかる素材、植毛の種類や特性等は限定されるものではない。
例えば、中芯としてスポンジシートを使用する場合、中芯と同じ素材を使用してもよく、異なるものであってもよい。素材表面に静電植毛などの方法で植毛を施してなる植毛シートを採用することもできる。
また、表面にパイルを形成した織物、編物、不織布又は立毛処理を施した織物、編物又は不織布などである立毛布帛とすることも可能である。さらにスエード調合成皮革、ヌバック調合成皮革又は銀付皮革等の合成皮革として使用できるものであっても良い。
かかる素材、植毛の種類や特性等は限定されるものではない。
なお、化粧料の塗布区域及び化粧料を拡げるための区域に使用する表面とは反対面である背面の素材は、本発明のパフを手で持つ際に持ちやすいこと、さらに感触に優れていることが必要である。その点からみて背面の素材としては、植毛シート、植毛されたホットメルトシート、立毛布帛又は合成皮革の群、樹脂フィルム等から選ばれるものが好ましい。
本発明のパフは塗布面側の表面全体又は一部に、ポリトリメチレンテレフタレート繊維28ゲージ以上のダブルラッセル編みされてなる編物、又はフィルム等の上に積層させてなるポリトリメチレンテレフタレート繊維28ゲージ以上のダブルラッセル編みされてなる編物を、ホットメルト接着剤層等を介して固定させることができる。
パフの背面の形成に対しても塗布面と同様にしてポリトリメチレンテレフタレート繊維28ゲージ以上のダブルラッセル編みされてなる編物を固定してもよいし、上記のパフの背面に使用できる素材をホットメルト接着剤層等により固定してもよい。
さらに、28ゲージ以上のダブルラッセル編みの編物であるから、トリコット編みの編物に比べてグランドの密度を低く押さえることができ、粉末状化粧料を内部に備え、グランドのすき間を通過してパフ表面に粉末状化粧料を供給するようにしたパウダーインパフ用の生地とすることもできる。
特に、化粧料が通過するすき間を設けるための工程を要することなく、28ゲージ以上のダブルラッセル編みの編物によるパウダーインパフ用とすることができる。
なお、グランドの密度が高い編物を生地として使用しても、針等により生地に穴を開けることにより内部の粉末状化粧料をパフ表面に供給できるが、特にパイル長が短い生地の場合には、グランドの穴が見えるので外観を損ねてしまう。この欠点は編物に限らず織物にもいえるので、これまでも外観に優れた短毛パイルのパウダーインパフを得ることができなかった。
パフの背面の形成に対しても塗布面と同様にしてポリトリメチレンテレフタレート繊維28ゲージ以上のダブルラッセル編みされてなる編物を固定してもよいし、上記のパフの背面に使用できる素材をホットメルト接着剤層等により固定してもよい。
さらに、28ゲージ以上のダブルラッセル編みの編物であるから、トリコット編みの編物に比べてグランドの密度を低く押さえることができ、粉末状化粧料を内部に備え、グランドのすき間を通過してパフ表面に粉末状化粧料を供給するようにしたパウダーインパフ用の生地とすることもできる。
特に、化粧料が通過するすき間を設けるための工程を要することなく、28ゲージ以上のダブルラッセル編みの編物によるパウダーインパフ用とすることができる。
なお、グランドの密度が高い編物を生地として使用しても、針等により生地に穴を開けることにより内部の粉末状化粧料をパフ表面に供給できるが、特にパイル長が短い生地の場合には、グランドの穴が見えるので外観を損ねてしまう。この欠点は編物に限らず織物にもいえるので、これまでも外観に優れた短毛パイルのパウダーインパフを得ることができなかった。
本発明にて化粧用パフの素材として使用されるPTT、従来から化粧用パフの素材として使用されているPET及びナイロンの各物性を表1に示す。
表1に記載されている初期モジュラスに関する性質は、その値が低いほどしなやかかつなめらかであることを示している。PTTはその値が低いので肌に当たる力が弱いのに対し、特にPETの場合には、初期モジュラスの値が高いので肌にも硬い状態で当たることとなり肌当たりがハードになるといえる。
同じく、表1に記載されている伸長回復率は元の長さから一定時間の間20%伸ばしたときに、どこまで回復するかを示す性質であり、PTTの場合には100cmのものを120cmにまで伸ばした場合、その20cmつまり20%伸ばした部分が一定時間の間にどの程度もとに戻るかを示す性質である。各素材に関するこの性質を比較すると、PTTが特によく回復することがわかる。この性質はパフに対して何らかの伸長させる力が加わってもその力が解放されることにより、PTTを使用したパフは、他の素材を使用したパフよりもより回復しやすいことを示している。
同じく、表1に記載されている伸長回復率は元の長さから一定時間の間20%伸ばしたときに、どこまで回復するかを示す性質であり、PTTの場合には100cmのものを120cmにまで伸ばした場合、その20cmつまり20%伸ばした部分が一定時間の間にどの程度もとに戻るかを示す性質である。各素材に関するこの性質を比較すると、PTTが特によく回復することがわかる。この性質はパフに対して何らかの伸長させる力が加わってもその力が解放されることにより、PTTを使用したパフは、他の素材を使用したパフよりもより回復しやすいことを示している。
(試験例1)
この回復率について次のような試験を行った。
表1に記載されている各素材のダブルラッセル編みの編物からなる生地表面に、重石を置いて24時間の間0.058kg/cm2の圧力となるように加重した後、重石を開放した。
重石を解放した直後にはナイロン生地には重石の跡がはっきりと残っており、PTTとPETの生地表面には薄く重石の跡が残っていた。1時間後の各生地の状況を目視で観察すると、PTT生地はほとんど元の状態にまで回復したが、PET生地はやや跡が残る結果になり、ナイロン生地に至っては明らかに跡が残る結果となった。
この回復率について次のような試験を行った。
表1に記載されている各素材のダブルラッセル編みの編物からなる生地表面に、重石を置いて24時間の間0.058kg/cm2の圧力となるように加重した後、重石を開放した。
重石を解放した直後にはナイロン生地には重石の跡がはっきりと残っており、PTTとPETの生地表面には薄く重石の跡が残っていた。1時間後の各生地の状況を目視で観察すると、PTT生地はほとんど元の状態にまで回復したが、PET生地はやや跡が残る結果になり、ナイロン生地に至っては明らかに跡が残る結果となった。
(試験例2)
PTT、PET及びナイロンのダブルラッセル編みの編物からなる生地について、耐洗濯性を確認した。
すなわち、28ゲージのダブルラッセル編機を利用して、PTT84dtex/36fをパイル糸に、PET56dtex/24fをグランド糸にし、機上コース52C/28Wでパイル長が4mm、目付けが485g/m2になるよう通常の加工方法で加工した生地を評価した。また、パイル糸にそれぞれナイロン78dtex/34f、PET167dtex/96fを用いた外は上記生地と同様にして加工した生地も同条件で評価した。前記で得られたPTT生地、PET生地及びナイロン生地を、40℃で0.5%の中性洗剤に10分間浸漬後取り出し、揉み洗いを100回行った。乾燥後に揉み込みを200回行った後の各生地の状態としては、PTT生地はほぼ洗濯前の状態に戻り耐洗濯性は良好であったが、PET生地とナイロン生地は明らかにシワが発生した状態であり耐洗濯性に劣ることがわかる。
PTT、PET及びナイロンのダブルラッセル編みの編物からなる生地について、耐洗濯性を確認した。
すなわち、28ゲージのダブルラッセル編機を利用して、PTT84dtex/36fをパイル糸に、PET56dtex/24fをグランド糸にし、機上コース52C/28Wでパイル長が4mm、目付けが485g/m2になるよう通常の加工方法で加工した生地を評価した。また、パイル糸にそれぞれナイロン78dtex/34f、PET167dtex/96fを用いた外は上記生地と同様にして加工した生地も同条件で評価した。前記で得られたPTT生地、PET生地及びナイロン生地を、40℃で0.5%の中性洗剤に10分間浸漬後取り出し、揉み洗いを100回行った。乾燥後に揉み込みを200回行った後の各生地の状態としては、PTT生地はほぼ洗濯前の状態に戻り耐洗濯性は良好であったが、PET生地とナイロン生地は明らかにシワが発生した状態であり耐洗濯性に劣ることがわかる。
(実施例1)
中芯をスポンジシートとし、外側の生地としてダブルラッセル編みの編物を使用したパフを常法に従って製造した。該パフの仕上がり寸法は、外径が60mm、厚さ16mm、該中芯の厚みが8mmであり、指等を通すための帯リボン部分は幅が12mmであった。
また、外側の生地としてトリコット編みの編物を使用した以外は同様のパフを製造した。それぞれのパフについて、化粧料を掻き取った後、さらに肌に塗布した後の状態を図1〜6に示す。図1の左のパフはトリコット編みの編物を生地として使用したパフ、右のパフはダブルラッセル編みの編物を生地として使用したパフである(以下、図2も同様)。
これらの2種の編物を生地としたパフを用いて、同じ程度の力を入れて粉末状化粧料を掻き取った。その状態を図1に示しており、トリコット編みの編物を生地として使用したパフより多くの化粧料を掻き取ることができることがわかる。
その後、掻き取った化粧料が付着したこれらのパフを用いて肌に化粧料を塗布した後の状態を図2に示す。トリコット編みの編物を生地として使用したパフでは、目視にて明らかにわかる程多くの化粧料がパフに残っているが、ダブルラッセル編みの編物を生地として使用したパフは目視にてわかりにくい程の化粧料が残っているに過ぎなかった。
図3及び図4はダブルラッセル編みの編物を生地として使用したパフの化粧料掻き取り後及び化粧料塗布後の断面図であり、図5及び6はトリコット編みの編物を生地として使用したパフの化粧料掻き取り後及び化粧料塗布後の断面図である。
これらを比べると、特に化粧料塗布後のトリコット編み編物を生地として使用したパフは、やはり多くの化粧料が残っていることを確認できる。
中芯をスポンジシートとし、外側の生地としてダブルラッセル編みの編物を使用したパフを常法に従って製造した。該パフの仕上がり寸法は、外径が60mm、厚さ16mm、該中芯の厚みが8mmであり、指等を通すための帯リボン部分は幅が12mmであった。
また、外側の生地としてトリコット編みの編物を使用した以外は同様のパフを製造した。それぞれのパフについて、化粧料を掻き取った後、さらに肌に塗布した後の状態を図1〜6に示す。図1の左のパフはトリコット編みの編物を生地として使用したパフ、右のパフはダブルラッセル編みの編物を生地として使用したパフである(以下、図2も同様)。
これらの2種の編物を生地としたパフを用いて、同じ程度の力を入れて粉末状化粧料を掻き取った。その状態を図1に示しており、トリコット編みの編物を生地として使用したパフより多くの化粧料を掻き取ることができることがわかる。
その後、掻き取った化粧料が付着したこれらのパフを用いて肌に化粧料を塗布した後の状態を図2に示す。トリコット編みの編物を生地として使用したパフでは、目視にて明らかにわかる程多くの化粧料がパフに残っているが、ダブルラッセル編みの編物を生地として使用したパフは目視にてわかりにくい程の化粧料が残っているに過ぎなかった。
図3及び図4はダブルラッセル編みの編物を生地として使用したパフの化粧料掻き取り後及び化粧料塗布後の断面図であり、図5及び6はトリコット編みの編物を生地として使用したパフの化粧料掻き取り後及び化粧料塗布後の断面図である。
これらを比べると、特に化粧料塗布後のトリコット編み編物を生地として使用したパフは、やはり多くの化粧料が残っていることを確認できる。
なお、ダブルラッセル編み編物は、毛足が1mm未満あるいは6mm以上でダブルラッセル編機の機械特性により製造不可である。PTTによるダブルラッセル編みの編物では、毛足が2〜5mmの範囲で編物を生地としたパフの使用性は良好であることを確認している。
Claims (4)
- ポリトリメチレンテレフタレート繊維を含み、28ゲージでダブルラッセル編みした編物からなる生地を化粧料塗布側の面とする化粧用パフ。
- ポリトリメチレンテレフタレート繊維を70〜100重量%含み、ポリブチレンテレフタレート繊維を0〜30重量%含み、これらからなる繊維を28ゲージでダブルラッセル編みした編物からなる生地を化粧料塗布側の面とする請求項1に記載の化粧用パフ。
- 編物のコースが35〜70/インチ、ウェールが20〜36/インチである請求項1又は2に記載の化粧用パフ。
- 編物の毛足が2〜5mmである請求項1〜3のいずれかに記載の化粧用パフ。
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