JPWO2013161651A1 - 強化ガラス基板製造方法 - Google Patents

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Abstract

ガラス基板を第1槽内の化学強化塩融解液に接触させる化学強化工程と、化学強化工程を終えた前記ガラス基板を、第2槽内の化学強化塩融解液に接触させる冷却工程と、ガラス基板の表面についた化学強化塩融解液を切る、液切り工程と、を有しており、前記第1槽および前記第2槽内の化学強化塩融解液は実質的に同じ組成の化学強化塩を用いたものであり、前記第2槽内の化学強化塩融解液の温度T2は、第1槽の化学強化塩融解液の温度よりも低く、かつ、前記化学強化塩の融点Tmpと、Tmp<T2≦Tmp+50の関係を満たし、前記液切り工程での前記ガラス基板の周囲温度T3は、Tmp<T3≦Tmp+50の関係を満たすことを特徴とする強化ガラス基板の製造方法を提供する。

Description

本発明は、強化ガラス基板の製造方法に関する。
ガラス基板は、ディスプレイ、太陽電池用のカバーガラス等で用いられている。近年、用途によっては、ガラス基板の軽量化、薄型化と共に、強度の維持、向上が求められている。
ガラス基板の強度を高める一つの方法として、化学強化を行う方法が知られている。化学強化とは、ガラス基板を化学強化塩融解液と接触させることによって、ガラス基板表面の組成を変化させ、表面に圧縮応力層を形成する強化方法である。
化学強化を行う手順の一例では、化学強化塩融解液にガラス基板を浸漬して化学強化を行った後、化学強化塩融解液と同じ温度に保たれた環境に所定時間保持する。この所定時間の後、ガラス基板に付着した化学強化塩融解液を液切りし、その後空冷する。
しかしながら、液切り工程の間、ガラス基板は高温に保たれているため、圧縮応力層の応力緩和が生じ、強化の程度が低下する場合がある。
圧縮応力層の応力緩和を抑制するために、液切りの時間を短縮する、または液切りを全く行わないことも考えられる。しかしながら、これらの考えられる方法の場合、ガラス基板の表面に付着、残留した化学強化塩融解液がガラス基板表面に凝固するため回収できなくなり、資源保護、コストの観点から好ましくない。さらにこの場合、ガラス基板表面に付着した化学強化塩融解液の凝固物を除去するため、ガラス基板を洗浄する工程への負荷が大きくなる。
また、液切り工程後、空冷により室温程度までガラス基板を冷却する場合、空気が直接あたる部分と空気が直接あたらない部分との間で温度差が生じる。特に化学強化工程においては、複数のガラス基板を一度に処理するため、カセットと呼ばれる棚にガラス基板をセットした状態で強化処理を行う。このため、冷却工程において、ガラス基板がセットされたカセット内の位置によっては圧縮応力層の応力緩和の程度に差が生じ、得られる強化ガラスの性能にばらつきが生じる場合がある。
化学強化工程を行った後、ガラス基板を冷却する方法として、特許文献1には、化学強化塩よりも固化温度の低い物質が融解された処理液にガラス基板を接触させる方法の一例が提案されている。
国際公開第2007/111149号
しかしながら、特許文献1にて提案されている如きガラス基板を冷却する方法の場合、化学強化塩融解液と、組成、材料の異なる冷却用の処理液を用いるため、冷却用の処理液に化学強化塩融解液の成分が混入する場合がある。また、ガラス基板を保持しているカセットは繰り返し使用されるため、カセットに付着した冷却用の処理液が化学強化融解液に混入する場合がある。このため、この提案されているガラス基板を冷却する方法では、化学強化塩融解液と冷却処理液の組成が変化し易く、ロットによりガラス基板の強化の程度にばらつきが生じる場合がある。また、化学強化塩融解液と冷却用の処理液の組成変化が起こり易いと、化学強化塩融解液と冷却用の処理液を高い頻度で交換する必要が生じ、資源保護、コストの観点から好ましくない。さらに、化学強化塩融解液と冷却用の処理液を交換する間は生産を停止する必要があるため、生産性が低下してしまう。
本発明は上記従来技術の問題に鑑み、化学強化を行う際に、圧縮応力層の応力緩和を抑制し、安定した品質の強化ガラス基板を生産性よく製造できる強化ガラス基板の製造方法を提供することを1つの目的とする。
本発明は、ガラス基板を第1槽内の化学強化塩融解液に接触させる化学強化工程と、化学強化工程を終えた前記ガラス基板を、第2槽内の化学強化塩融解液に接触させる冷却工程と、前記ガラス基板の表面についた化学強化塩融解液を切る、液切り工程と、を有しており、前記第1槽および前記第2槽内の化学強化塩融解液は実質的に同じ組成の化学強化塩を用いたものであり、前記第2槽内の化学強化塩融解液の温度T2は、第1槽の化学強化塩融解液の温度よりも低く、かつ、前記化学強化塩の融点Tmpと、Tmp<T2≦Tmp+50の関係を満たし、前記液切り工程での前記ガラス基板の周囲温度T3は、Tmp<T3≦Tmp+50の関係を満たすことを特徴とする強化ガラス基板の製造方法を提供する。
本発明によれば、圧縮応力層の応力緩和を抑制し、安定した品質の強化ガラス基板を生産性よく製造できる。
本発明に係る強化ガラス基板の製造方法の説明図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明するが、本発明は、下記の実施形態に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、下記の実施形態に種々の変形および置換を加えることができる。
本発明の強化ガラス基板の製造方法は、ガラス基板を第1槽内の化学強化塩融解液に接触させる化学強化工程と、化学強化工程を終えたガラス基板を、第2槽内の化学強化塩融解液に接触させる冷却工程と、ガラス基板の表面についた化学強化塩融解液を切る、液切り工程と、を有している。そして、前記第1槽および第2槽内の化学強化塩融解液は実質的に同じ組成の化学強化塩を用いたものであり、前記第2槽内の化学強化塩融解液の温度T2は、第1槽の化学強化塩融解液の温度よりも低く、かつ、前記化学強化塩の融点Tmpと、Tmp<T2≦Tmp+50の関係を満たしている。また、前記液切り工程でのガラス基板の周囲温度T3は、Tmp<T3≦Tmp+50の関係を満たすことを特徴とする。なお、本発明の強化ガラス基板の製造方法は、前記液切り工程終了後、続けて別のガラス基板を準備し前記化学強化工程、冷却工程および液切り工程を繰り返し行うことができる。
本実施形態の、強化ガラス基板の製造方法の手順について模式的に示した図1を用いて説明する。
図1(a)では、化学強化塩融解液が入った第1槽11に、複数のガラス基板13を保持したカセット14を浸漬し、ガラス基板13と第1槽内の化学強化塩融解液とを接触させ化学強化を行う化学強化工程を示している。
ここで、ガラス基板13として、図1中では平坦な板形状のものを示しているが、係る形状のものに限定されるものではなく、曲面を有する形状としたり、各種立体形状とすることもできる。これは、本発明においては、後述するように第2槽12で液体を用いてガラス基板13を冷却するため、立体形状を有するガラス基板でも均一に冷却することができ、安定した性能の強化ガラスを製造できるからである。
また、ガラス基板13の厚さについても特に限定されるものではないが、特に薄型化が要求される用途のガラス基板に好ましく用いることができることから、0.1mm以上5mm以下であることが好ましく、0.3mm以上3mm以下であることがより好ましく、0.5mm以上2mm以下であることが特に好ましい。1枚のガラス基板の板厚が部分的に異なる場合は、ガラス基板の板厚の最大値および最小値が上記範囲に入っていることが好ましい。
ガラス基板13のガラス材料の組成についても限定されるものではなく、各種組成のガラス基板を用いることができる。
例えば、ガラス基板13に用いるガラス材料の成分は、酸化物基準のモル分率で、SiOを50%〜80%、Alを0.5%〜20%、NaOを6%〜20%、KOを0〜11%、MgOを0〜15%、CaOを0〜10%、ZrOを0〜5%含有するものを好ましく用いることができる。また、酸化物基準のモル分率で、SiOを60%〜80%、Alを2%〜15%、NaOを10%〜18%、KOを0〜6%、MgOを2%〜12%、CaOを0〜5%、ZrOを0〜3%含有するガラス材料をガラス基板13により好ましく用いることができる。
カセット14は、ガラス基板13をカセット14内に保持した状態で搬送するように構成することができる。この場合、第1槽11または第2槽12内の化学強化塩融解液に、カセット14を浸漬することにより、特別な操作を必要とせずに、内部に保持されているガラス基板13が化学強化塩融解液に接触できるように構成することが好ましい。また、液切りを行う際に、ガラス基板13およびカセット14に付着した化学強化塩融解液を切れるように構成されていることが好ましい。
ガラス基板13を保持、搬送する手段は、カセット14を用いた形態に限定されるものではなく、第1槽11および第2槽12中の化学強化塩融解液と所定のタイミングで接触させ、液切りを行えるように構成されていればよい。
本発明における化学強化工程は、ガラス基板13を第1槽11内の化学強化塩融解液に接触させることにより行われる。ガラス基板13と化学強化塩融解液とが接触することで、ガラス基板13の表面付近のアルカリ金属(X)イオンと、化学強化塩融解液中のアルカリ金属(Y)イオンとが置換される。このとき、Yイオンのイオン半径は、Xイオンのイオン半径より大きい。イオン半径がXイオンより大きいYイオンがガラス基板13の表面に入り込むことで、ガラス基板13の表面に圧縮応力が発生し、ガラス基板13が強化される。
従って、化学強化工程を繰り返し行うことにより、第1槽11中の化学強化塩融解液中のYイオンが減少すると同時にXイオンが増加し、化学強化塩融解液の劣化が生じる。このため、化学強化工程を複数回行った後、化学強化塩融解液のYイオンが減少し、ガラス基板13が十分な程度化学強化されなくなった場合、第1槽11中の化学強化塩融解液を、劣化していない化学強化塩融解液に交換することが好ましい。
第1槽11内の化学強化塩融解液に用いる化学強化塩としては、化学強化を行うガラス基板13の材料等に応じて選択することができ、例えば硝酸カリウム、硝酸ナトリウム等を用いることができる。特に化学強化塩は、硝酸カリウムを含んでいることが好ましい。
第1槽11においてガラス基板13の化学強化を行う時間、温度等の条件は特に限定されるものではなく、用いるガラス基板13、化学強化塩の種類、要求されるガラス基板13の表面圧縮応力の程度等に応じて選択することができる。
そして、図1(b)に示すように、化学強化工程を行った後、搬送部材15によって、第1槽11からガラス基板13を取出す。次いで第2槽12の化学強化塩融解液内にガラス基板13を浸漬することにより、ガラス基板13を第2槽12の化学強化塩融解液と接触させる。
化学強化工程後ガラス基板13を早く冷却することが好ましいことから、第1槽11から出したガラス基板13は液切りを行わずに第2槽12へ搬送するが、第1槽11の化学強化塩融解液の液位が大幅に低下しない程度に、カセット14およびガラス基板13に付着した化学強化塩融解液を第1槽11に落としてから搬送することが好ましい。
第2槽12の化学強化塩融解液は、上記の様に第1槽11の場合と実質的に同じ組成の化学強化塩を融解したものを用いている。なお、第1槽11における化学強化工程が繰り返し行われると、第1槽11中の化学強化塩融解液中のアルカリ金属イオンとガラス基板13中のアルカリ金属イオンとが置換されるため、繰り返し化学強化を行うにつれて化学強化融解塩は劣化する。
従って、第1槽11中の化学強化塩融解液の組成は、本発明の強化ガラス基板13を製造する過程において変化する。また、第2槽12においても、第1槽11から搬送されてきたガラス基板13、カセット14等に付着したXイオンを含む化学強化塩融解液が混入したり、冷却工程においてもガラス基板13の表面のXイオンが第2槽12の化学強化塩融解液中に溶出することにより、Xイオンが第2槽12に混入する可能性がある。そこで、本発明において実質的に同じ組成の化学強化塩融解液とは、化学強化工程を行うことにより生ずる化学強化塩融解液の劣化、および、冷却工程を行うことにより生ずるXイオンの第2槽12への混入による化学強化塩融解液の組成の変化は考慮せず、劣化していない第1槽11中の化学強化塩融解液と、Xイオン混入前の第2槽12の化学強化塩融解液とが同じであることを意味する。
そして、第2槽12の化学強化塩融解液の温度T2は、第1槽11で化学強化を行った後に、ガラス基板13を冷却するため第1槽11の化学強化塩融解液の温度(T1)よりも低く設定されている。特に、化学強化を行った後、ガラス基板13の温度を早く冷却することによって、圧縮応力層の応力緩和を抑制することができるため、第2槽12の温度はできるだけ低い温度とすることが好ましい。ただし、化学強化塩の融点以下であると第2槽12の化学強化塩は融解液として存在しなくなり、ガラス基板13と接触させることができないため、化学強化塩の融点Tmpよりも高い温度に設定される。
このため、第2槽12の化学強化塩融解液の温度T2は、Tmp<T2≦Tmp+50の関係を満たすように設定されるが、上記の様に第2槽12の化学強化塩融解液の温度は低いことが好ましいことから、Tmp<T2≦Tmp+30を満たしていることがより好ましい。また、化学強化塩融解液が凝固しないように、融点から離れた温度に設定することが好ましいことから、Tmp+10<T2≦Tmp+30であることが特に好ましい。
そして、第2槽12内で化学強化塩融解液が強制的に対流されていることが好ましい。これは、化学強化塩融解液を第2槽12内で対流させることにより融解液内の温度をより均一にして、第2槽12内に配置したガラス基板13を場所によらず均一に冷却するためである。本工程でガラス基板13を均一に冷却することにより、ガラス基板13の強化の程度のばらつきを抑制することができる。
融解液を対流させる方法としては特に限定されるものではなく各種手段を用いることができ、例えば、攪拌機により融解液を攪拌して対流する方法、循環装置により第2槽12内の融解液を循環し対流する方法、ガスを吹き込むことにより攪拌する方法などが挙げられる。
第2槽12での冷却工程を行う時間についても特に限定されるものではなく、ガラス基板13の温度等により選択することができる。
そして、図1(c)に示すように、第2槽12からガラス基板13を搬送手段15により取出し、液切り工程を行う。
液切り工程は、ガラス基板13の表面に付着した化学強化塩融解液を切るための工程であり、液切り工程の間、ガラス基板13の周囲温度T3は、Tmp<T3≦Tmp+50の関係を満たす。これは、液切り工程の間、ガラス基板13の表面に付着した化学強化塩融解液がガラス基板13の表面で凝固することを防ぐためである。また、ガラス基板13の温度を化学強化塩の融点近傍の温度に保っているため、圧縮応力層の応力緩和を抑制することができる。
液切り工程の間、ガラス基板13の周囲温度は上記範囲を充足していればよいが、ガラス基板13の温度を極力低く保つことが好ましいことから、Tmp<T3≦Tmp+30であることがより好ましい。さらに、化学強化塩融解液が凝固しないように、融点から離れた温度に設定することが好ましいことから、Tmp+10<T3≦Tmp+30であることが特に好ましい。
液切り工程の間のガラス基板13の周囲温度T3は、第2槽12の化学強化塩融解液の温度T2と関係なく選択することができるが、第2槽12で冷却を行っていることからT3≦T2の関係も満たしていることがさらに好ましい。
液切り工程については、ガラス基板13の周囲を上記温度範囲に保ち、ガラス基板13の表面に付着した化学強化塩融解液を液切りできるように構成されていれば、具体的な構成については限定されるものではないが、例えば図1(c)に示すような構成とすることができる。
図1(c)では第2槽12の上に、ガラス基板13を保持したカセット14を搬送手段15により固定し、カセット14の周囲の温度を上記温度範囲に保持できるような構成を用いている。このような構成を用いることによって、液切りにより回収された化学強化塩融解液をそのまま第2槽12に戻すことができる。また、第2槽12の化学強化塩融解液からの熱によりガラス基板13の周囲を第2槽12の温度と同じまたはその近傍温度とすることができる。このため、液切り工程の間のガラス基板13の周囲温度を上記範囲に保持することを容易に行うことができる。
この場合、図1(c)に示すように第2槽12の開口部からカセット14の周辺部分にかけて、熱が逃げにくい様に、被覆部材(蓋部)を設けていることが好ましい。なお、図1(c)では、搬送手段15に付帯した設備として被覆部材を記載しているが、係る形態に限定されるものではない。
さらに、被覆部材内部またはその周辺にガラス基板13の周囲温度を所定の温度に制御するための、ヒーター、断熱材等を配置することもできる。
図1(c)以外にも別途液切り工程用の化学強化塩融解液回収槽を設け、その槽内でガラス基板13の周囲温度を所定の温度範囲に保持しつつ、化学強化塩融解液を回収する構成とすることもできる。
本発明の強化ガラス基板の製造方法により得られる強化ガラス基板は、その表面圧縮応力が、200MPa以上1200MPa以下であることが好ましく、400MPa以上900MPa以下であることがより好ましい。このような表面圧縮応力を有することにより、ガラス基板の軽量化、薄型化を図った場合でも、各種用途において十分な強度を有するガラス基板とすることができる。また、表面圧縮応力は、強化ガラス基板の表面から5μm〜60μmの深さに生ずることが好ましく、15μm〜50μmの深さに生ずることがさらに好ましい。表面圧縮応力が前記範囲の深さに生ずることにより、ガラス基板の表面に傷等が生じたとしても強化ガラス基板の割れを抑制できるため好ましい。
以上に説明してきた本発明の強化ガラス基板の製造方法によれば、化学強化工程を行った後のガラス基板を、第2槽の化学強化塩融解液を用いて冷却し、その後液切りを行うことで、圧縮応力層の応力緩和を抑制すると共にガラス基板の表面に化学強化塩が凝固することを防止できる。さらに、ガラス基板を冷却する際、第2槽の化学強化塩融解液により冷却することで、均一に冷却することができ、ガラス基板の強化の程度にばらつきが生じることを抑制できる。
また、第1槽および第2槽の化学強化塩融解液は実質的に同じ組成の化学強化塩を用いたものであるため、一方の化学強化塩融解液が他方に入った場合でも、各槽の化学強化塩融解液の組成の変化が起こりにくく、ガラス基板の強化の程度を略均一にすることができる。さらには、化学強化塩融解液の交換頻度を従来よりも少なくすることができるため、生産性を高めることができる。
本発明は、各種ガラス基板の製造に利用できる。
本出願は、2012年4月27日に日本国特許庁に出願された特願2012−103245に基づくものであり、その出願を優先権主張するものであり、その出願の全ての内容を参照することにより包含するものである。
11 第1槽
12 第2槽
13 ガラス基板

Claims (4)

  1. ガラス基板を第1槽内の化学強化塩融解液に接触させる化学強化工程と、
    化学強化工程を終えた前記ガラス基板を、第2槽内の化学強化塩融解液に接触させる冷却工程と、
    前記ガラス基板の表面についた化学強化塩融解液を切る、液切り工程と、を有しており、
    前記第1槽および前記第2槽内の化学強化塩融解液は実質的に同じ組成の化学強化塩を用いたものであり、
    前記第2槽内の化学強化塩融解液の温度T2は、第1槽の化学強化塩融解液の温度よりも低く、かつ、前記化学強化塩の融点Tmpと、Tmp<T2≦Tmp+50の関係を満たし、
    前記液切り工程での前記ガラス基板の周囲温度T3は、Tmp<T3≦Tmp+50の関係を満たすことを特徴とする強化ガラス基板の製造方法。
  2. 前記化学強化塩が硝酸カリウムを含んでいることを特徴とする請求項1に記載の強化ガラス基板の製造方法。
  3. 前記第2槽内で前記化学強化塩融解液が強制的に対流されていることを特徴とする請求項1または2に記載の強化ガラス基板の製造方法。
  4. 前記ガラス基板に用いるガラス材料の成分は、酸化物基準のモル分率で、
    SiOを50〜80%、
    Alを0.5〜20%、
    NaOを6〜20%、
    Oを0〜11%、
    MgOを0〜15%、
    CaOを0〜10%
    ZrOを0〜5%
    含有する、請求項1乃至3いずれか一項に記載の強化ガラス基板の製造方法。
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