JPWO2013157524A1 - 蛍光体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、近紫外線〜青色光で励起することにより、従来の希土類賦活の窒化物系の蛍光体より長波長の橙色や赤色に発光し、化学的に安定な無機蛍光体を提供することを目的とする。また、高温・高圧条件下での製造が不必要な簡便な蛍光体の製造方法を提供することを目的とする。本発明の蛍光体は、下記一般式(I):AaBbCcDdEe:My(I)(式中、MはCe、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm及びYbからなる希土類元素群から選ばれる少なくとも1種であり、Aは前記希土類元素群以外の2価の金属元素から選択される少なくとも1種であり、Bは前記希土類元素群以外の3価の金属元素から選択される少なくとも1種であり、Cは前記希土類元素群以外の4価の金属元素及びSiから選択される少なくとも1種であり、DはNであり、EはOである。)で表され、a、b、c、d、e及びyが下記式(1)〜(6)を満たすことを特徴とする。0.17≦a≦1.3 (1)2.3≦b≦4.1 (2)0.9≦c≦2 (3)2.7≦d≦4 (4)0.6≦e≦1.8 (5)0.3≦y≦0.8 (6)

Description

本発明は、無機化合物を主体とする蛍光体及びその製造方法に関する。
蛍光体は、青色LEDと蛍光体とを組み合わせてなる白色LED等の可視光励起発光素子、近紫外線を発するLEDと蛍光体とを組み合わせてなる白色LED等の近紫外線励起発光素子、液晶用バックライト及び蛍光灯等の紫外線励起発光素子、FED(Field Emission Display)等の電子線励起発光素子、x線撮像装置等のx線励起発光素子等の様々な発光素子に用いられている。
そして、白色LEDの蛍光体は、大きく分けて主に三つのタイプに分類することができる。即ち、酸化物系の蛍光体であるCe賦活ガーネット系黄色蛍光体(Y,Gd)(Al,Ga)12(特許文献1参照)、アルカリ土類金属オルトシリケート系黄色蛍光体(Sr,Ca,Ba)SiO:Eu、及び、窒化物系の蛍光体であるEuを賦活したαサイアロン系蛍光体である。
白色LEDの蛍光体は発光中に100〜200℃にもなる。そのため、熱的安定性が求められているが、アルカリ土類金属オルトシリケート系黄色蛍光体は熱に弱く、高温下で発光効率が低下するとの問題があった。一方、窒化物系の蛍光体であるαサイアロン系蛍光体は、機械的、化学的、熱的に安定であり、輝度低下が少ない。これは、白色LED用の蛍光体として高いポテンシャルを持っていることを意味する。
紫外線を励起源とする白色LEDやプラズマディスプレイ等の用途には、黄色だけでなく橙色から赤色に発光する蛍光体も求められてきた。また、青色光を励起源とする白色LEDにおいては、演色性向上のため橙色や赤色に発光する蛍光体が求められてきた。
赤色に発光する蛍光体として、BaSiにEuを賦活した蛍光体(Ba2−xEuSi:x=0.14〜1.16)が学術文献に報告されている(非特許文献1)。また、CaAlSiNにEuを賦活したCaAlSiN:Eu2+という温度特性の高い赤色蛍光体が学術文献に報告されている(非特許文献2)。しかし、これらの赤色蛍光体は高温・高圧条件下で製造することが必要であるため、製造プロセスに課題があり、コストが非常に高い。
他の蛍光体としては、MSi、MSi、MSi11、MSi1123等の窒化物、M16Si1532等の酸窒化物、M13Si18Al121836、MSiAlON、MSiAlON10等のサイアロン(但し、MはBa、Ca、Sr又は希土類元素を表す。)を母体結晶として、これにEuやCeを賦活した蛍光体が知られており(特許文献2)、この中には赤色に発光する蛍光体も含まれる。また、これらの蛍光体を用いたLED照明ユニットが知られている。さらに、SrSiやSrSi10結晶にCeを賦活した蛍光体が報告されている(特許文献3)。
特許文献4には、L(2/3x+4/3y):Z(LはCa、Sr、Ba等の2価の元素、MはSi、Ge等の4価の元素、ZはEu等の賦活剤)で表される蛍光体に関する記載があり、微量のAlを添加すると残光を抑える効果があることが記載されている。さらに、特許文献5にはL−M−N:Eu、Z系に関する幅広い組み合わせの記述があるが、特定の組成物や結晶相を母体とする場合の発光特性の向上の効果が示されていない。
以上に述べた特許文献2〜5に代表される蛍光体は、赤色に発光するものが知られているが、青色領域の光での励起では赤色の輝度は十分ではなかった。また、組成によっては不安定であり耐久性に問題があった。
一方、他の赤色蛍光体としては、組成式M:Z(但し、M元素はCa等であり、A元素はAl等であり、B元素はSi等であり、Oは酸素であり、Nは窒素であり、Z元素はEu等の付活剤である。)で表記される赤色蛍光体が知られている(特許文献6)。また、CaAlSiNと同一の結晶構造を有する無機化合物からなり、組成式M(但し、式中a+b=1であり、MはEu等であり、AはCa等であり、DはSi等であり、EはAl等であり、XはN、O等である。)で示される赤色蛍光体も知られている(特許文献7)。さらに、CaAlSiN結晶相中にCe、Eu等の元素が固溶してなる、黄赤色・赤色に発光する蛍光物質も知られている(特許文献8)。しかしながら、特許文献6〜8に記載の蛍光体を製造するには高温・高圧窒素雰囲気下で焼成する必要があるため(比較例1〜4参照)、製造コストが高いという問題があった。
特開平10−242513号公報 特開2003-206481号公報 特開2002-322474号公報 特開2003-321675号公報 特開2004-10786号公報 特開2006−022286号公報 特許3837588号 特許3931239号
H.A.Hoppe,H.Lutz,P.Morys,WSchnick,A.Seilmeier Phys.Chem.Solids61P2001−(2002) K.Uheda,H.Yamamoto et al.,Electoro chemical and Solid−state Letters,9(4)(2006)H22
本発明は、近紫外線〜青色光で励起することにより、従来の希土類賦活の窒化物系(酸窒化物を含む)の蛍光体より長波長の橙色や赤色に発光し、化学的に安定な無機蛍光体を提供することを目的とする。また、高温・高圧条件下での製造が不必要な簡便な蛍光体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、かかる課題に鑑み、特定の組成を有する蛍光体が、従来の希土類賦活の窒化物系の蛍光体よりも長波長に発光することを見出し、新規な蛍光体に係る本発明を完成させた。
また、このような特定の組成を有する蛍光体を好適に製造でき、かつ、経済的にも有利な製造方法を見出し、本発明の蛍光体の製造方法を完成させた。
即ち、本発明の蛍光体は、下記一般式(I):
:M (I)
(式中、MはCe、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm及びYbからなる希土類元素群から選ばれる少なくとも1種であり、
Aは前記希土類元素群以外の2価の金属元素から選択される少なくとも1種であり、
Bは前記希土類元素群以外の3価の金属元素から選択される少なくとも1種であり、
Cは前記希土類元素群以外の4価の金属元素及びSiから選択される少なくとも1種であり、
DはNであり、
EはOである。)で表され、
a、b、c、d、e及びyが下記式(1)〜(6)を満たすことを特徴とする。
0.17≦a≦1.3 (1)
2.3≦b≦4.1 (2)
0.9≦c≦2 (3)
2.7≦d≦4 (4)
0.6≦e≦1.8 (5)
0.3≦y≦0.8 (6)
上記一般式(I)において、Aは、Ca及び/又はBaであることが好ましい。
また、上記一般式(I)において、Bは、Al及び/又はGaであり、かつ、CはSiであることが好ましい。
さらに、上記一般式(I)において、AはCa、BはAl、CはSi、MはEuであることが好ましい。
本発明の蛍光体は、発光ピークが600〜800nmの波長範囲に1つ存在することが好ましい。
本発明の蛍光体は、波長265〜500nmの紫外線又は可視光線を励起源とすることが好ましい。
本発明の蛍光体は、原料化合物を常圧窒素雰囲気下で、又は、最高焼成温度が1600〜1850℃の温度条件で焼成することにより製造されることが好ましい。
本発明の蛍光体の製造方法は、本発明の蛍光体を製造する方法であって、
原料化合物を混合した後、下記(i)及び/又は(ii)の条件下で焼成することを特徴とする。
(i)常圧窒素雰囲気下で焼成する。
(ii)最高焼成温度が1600〜1850℃の範囲となる温度条件で焼成する。
本発明の蛍光体は、2価の元素、3価の元素及び4価の元素を含有する複合窒化物(酸窒化物を含む)からなる結晶に、希土類元素を賦活させた蛍光体であって、これらの元素を特定の組成比で有するため、従来の窒化物系の蛍光体よりも長波長の橙色、赤色に発光するとの優れた特性を有する。特に、2価の元素としてCaを、3価の元素としてAlを、4価の元素としてSiを含有する複合窒化物からなる母体結晶に、希土類元素であるEuを賦活させた蛍光体は、上述の特性が顕著である。
また、本発明の蛍光体の製造方法によれば、高温・高圧条件下で焼成を行うことなく、本発明の蛍光体を簡便に製造することができる。
<蛍光体>
まず、本発明の蛍光体について説明する。
本発明の蛍光体は、上記A〜Cを含有する複合窒化物からなる母体結晶中に、発光中心となる元素(賦活剤)として希土類元素Mが固溶したものである。
本発明の蛍光体は、下記一般式(I):
:M (I)
(式中、MはCe、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm及びYbからなる希土類元素群から選ばれる少なくとも1種であり、
Aは前記希土類元素群以外の2価の金属元素から選択される少なくとも1種であり、
Bは前記希土類元素群以外の3価の金属元素から選択される少なくとも1種であり、
Cは前記希土類元素群以外の4価の金属元素及びSiから選択される少なくとも1種であり、
DはNであり、
EはOである。)で表され、
a、b、c、d、e及びyが下記式(1)〜(6)を満たすことを特徴とする。
0.17≦a≦1.3 (1)
2.3≦b≦4.1 (2)
0.9≦c≦2 (3)
2.7≦d≦4 (4)
0.6≦e≦1.8 (5)
0.3≦y≦0.8 (6)
上記Mは、発光中心となる元素(賦活剤)を表し、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm及びYbからなる希土類元素群から選ばれる少なくとも1種である。
上記Mは、Ce及び/又はEuであることが好ましく、Euであることがより好ましい。
その理由は、励起光を効率良く吸収し、発光効率に優れるためである。
また、例えば、上記MがEuである場合、原子価が3価のEuは発光に寄与せず、2価のEuのみが発光中心として機能する点に留意する必要がある。そのため、原料化合物として3価のEuを含む化合物(例えばEu等)を用いる場合であっても、上記母体結晶中に発光中心として固溶する際には、Euは還元されて2価となっていることが必要である。
一方、例えば、上記MがCeである場合、原子価が3価のCeのみが発光中心として機能するため、上記母体結晶中に発光中心として固溶する際には、Ceは3価となっていることが必要である。
上記Aとしては、上記希土類元素群以外の2価の金属元素から選択される少なくとも1種であれば特に限定されず、例えば、2族金属元素が挙げられる。
上記Aは、Ca及び/又はBaであることが好ましく、Caであることがより好ましい。
その理由は、原料化合物としてCaOを使用した場合に、CaOがフラックスとして機能することにより、焼結が促進されるからである。
上記Bとしては、上記希土類元素群以外の3価の金属元素から選択される少なくとも1種であれば特に限定されず、例えば、13属金属元素が挙げられる。
上記Bは、Al及び/又はGaであることが好ましく、Alであることがより好ましい。
その理由は、原料化合物としてAlNを使用した場合に、AlNの酸化被膜がフラックスとして機能することにより、焼結が促進されるからである。
上記Cとしては、上記希土類元素群以外の4価の金属元素及びSiから選択される少なくとも1種であれば特に限定されず、例えば、14属元素が挙げられる。
上記Cは、Siであることが好ましい。
その理由は、自然界に大量に存在し、安価であるためである。
上記DはNである。また、上記EはOである。
上記一般式(I)において、Bは、Al及び/又はGaであり、かつ、CはSiであることが好ましい。
その理由は、発光強度が高くなるためである。
上記一般式(I)において、BはAlであり、かつ、CはSiであることが好ましい。
その理由は、Siに対しAlが過剰となる組成とすることにより、従来の窒化物系の蛍光体よりも長波長の橙色、赤色に発光するとの優れた特性を発現するためである。この場合、原料化合物としては、AlN及びSiを用いることが好ましい。AlN及びSiの表面に存在する酸化被膜がフラックスとして機能することにより、焼結が促進され、長波長の橙色、赤色に発光するとの特性がより顕著となるためである。
上記一般式(I)において、AはCa、BはAl、CはSi、MはEuであることが、発光強度が高いことから好ましい。
上記aは、上記一般式(I)におけるAの組成比を表す値であり、式(1):0.17≦a≦1.3を満たす。上記aが上記式(1)を満たさない場合、発光強度が劣ることがある。
上記aは、発光強度が高くなることから、0.17≦a≦0.4を満たすことが好ましい。
上記bは、上記一般式(I)におけるBの組成比を表す値であり、式(2):2.3≦b≦4.1を満たす。上記bが上記式(2)を満たさない場合、発光強度が劣ることがある。
上記cは、上記一般式(I)におけるCの組成比を表す値であり、式(3):0.9≦c≦2を満たす。上記cが上記式(3)を満たさない場合、発光強度が劣ることがある。
上記cは、発光強度が高くなることから、0.9≦c≦1.3を満たすことが好ましい。
上記dは、上記一般式(I)におけるDの組成比を表す値であり、式(4):2.7≦d≦4を満たす。
上記eは、上記一般式(I)におけるEの組成比を表す値であり、式(5):0.6≦e≦1.8を満たす。
上記yは、上記一般式(I)におけるMの組成比を表す値であり、式(6):0.3≦y≦0.8を満たす。上記yが上記式(6)を満たさない場合、濃度消光が起こることがある。特に、上記yが0.8よりも大きい場合、発光中心イオン間でエネルギー移動が生じ、発光強度が低下することがある。
上記yは、発光強度が高くなることから、0.3≦y≦0.5を満たすことが好ましい。
本発明の蛍光体の平均粒径は、0.1〜30μmであることが好ましく、0.1〜20μmであることがより好ましい。
上記平均粒径が0.1μm未満であると、表面の欠陥量が増大し、蛍光体の発光強度が低下することがある。一方、上記平均粒径が30μmを超えると、粒径の大きな粒子が多数混在するため、LEDの封止剤等の中で蛍光体をうまく分散・沈降させることができないことがある。
本明細書において、平均粒径とは、粒度分析計(例えば、日機装株式会社製、マイクロトラックMT3000II)を用いて測定したメジアン径(d50)を表す。
本発明の蛍光体は、光や電子線を励起源として、橙色から赤色に発光する。励起源となる光としては、紫外線や可視光線が挙げられる。
本発明の蛍光体は、発光ピークが600〜800nmの波長に1つ存在することが好ましい。その理由は、発光ピークが600〜800nmの波長に存在しない場合、橙色〜赤色に発光しないため、赤色蛍光体として白色LEDに用いた場合に所望の色調が得られないためである。
本発明の蛍光体は、波長265〜500nmの紫外線又は可視光線を励起源とすることが好ましく、365〜500nmの紫外線又は可視光線を励起源とすることがより好ましい。その理由は、近紫外LEDや紫外LEDと組み合わせて白色LEDとするのに好適だからである。
上記蛍光体は、原料化合物を常圧窒素雰囲気下で焼成することにより製造されたことが好ましい。その理由は、製造コストを安価に抑えられるためである。
上記蛍光体は、最高焼成温度が1600〜1850℃の温度条件で焼成することにより製造されたことが好ましい。最高焼成温度が1600℃未満の場合、焼結が進行せず未反応となることがある。一方、最高焼成温度が1850℃を超えると、原料化合物のメルトが生じたり、無駄な焼成エネルギーを消費してしまうことがある。また、窒素分子の揮発量が多くなり、雰囲気圧を高くしないと蛍光体を製造することができないことがある。
本発明の蛍光体は、照明器具の用途に用いることができる。この場合、本発明の蛍光体が近紫外線や可視光線により効率的に励起されることから、励起光の波長は、265〜500nmであることが好ましく、365〜470nmであることがより好ましく、400〜460nmであることがさらに好ましい。
本発明の蛍光体は、紫外〜青色の波長範囲の光を発する窒化物半導体からなるLEDデバイス及び黄色蛍光体と組み合わせることにより、赤みがかった高い演色性を示す白色LEDとすることができる。
本発明の蛍光体は照明器具以外にも画像表示装置用のデバイスとしても用いることができる。
例えば、本発明の蛍光体は、100〜190nmの真空紫外線、190〜380nmの近紫外線、電子線等で励起されることで発光することが確認されているため、少なくともこれらの励起源と本発明の蛍光体とから構成されるデバイスは、画像表示装置に用いることができる。
上記画像装置の具体例としては、蛍光表示管(VFD)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、陰極線管(CRT)等が挙げられる。
本発明の蛍光体は、赤色の物体色を有することから赤色顔料又は赤色蛍光顔料として使用することもできる。本発明の蛍光体は、太陽光や蛍光灯等の照明光を照射すると赤色の物体色を呈すること、発色が良いこと、及び、長時間にわたって劣化しないことから、塗料、インキ、絵の具、プラスチック製品等に添加する着色剤等に本発明の蛍光体を添加することにより、長時間にわたって発色が低下しないとの効果が得られる。
本発明の蛍光体は、紫外線を吸収するため、紫外線吸収剤としても好適に用いることができる。本発明の蛍光体を塗料として用いたり、プラスチック製品の表面に塗布したり、プラスチック製品の内部に練り込んだりすることで、紫外線を遮断し、製品を紫外線劣化から保護する効果を享受することができる。
<蛍光体の製造方法>
次に、本発明の蛍光体の製造方法について説明する。
本発明の蛍光体の製造方法は、原料化合物を混合した後、下記(i)及び/又は(ii)の条件下で焼成することを特徴とする。
(i)常圧窒素雰囲気下で焼成する。
(ii)最高焼成温度が1600〜1850℃の範囲となる温度条件で焼成する。
上記原料化合物としては特に限定されないが、例えば、上記Aの酸化物、上記Bの窒化物、上記Cの窒化物、及び、上記Mの酸化物を用いることができる。
上記原料化合物を混合する方法としては、特に限定されず、乾式、湿式のいずれであっても良いが、均一に混合できるという点で湿式混合が好ましい。例えば、上記原料化合物を所定量秤量し、エタノール溶媒中で混合し、その後、溶媒を十分揮発させる方法が挙げられる。
上記原料化合物を混合する際には、焼結助剤を添加しても良い。焼結助剤がフラックスとして機能することにより、原料化合物の焼結を促進することができる。
上記焼結助剤としては、特に限定されないが、例えば、Y、CaF、MgF、BaF、B等が挙げられる。
上記焼結助剤を添加する場合、その添加量は、特に限定されないが、原料化合物の合計に対し、2〜10重量%であることが好ましい。上記焼結助剤の添加量が2重量%未満であると、焼結助剤がフラックスとしての機能を十分に発揮できないことがあり、10重量%を超えると、焼結助剤が蛍光体中に不純物として多量に残存し、発光特性が低下することがある。
上記焼成の方法は、上記(i)及び/又は(ii)の条件を充足すれば特に限定されないが、例えば、上記原料化合物を均一に混合した後、ルツボに充填し、ルツボを反応容器(焼成炉)に入れ、ヒーターで加熱すればよい。
上記原料化合物をルツボに充填する場合、混合した上記原料化合物をそのまま充填しても良いが、上記原料化合物が粉体である場合には、原料粉体を加圧しペレット状にしたものを充填することが、反応を促進させる観点からは好ましい。
上記ルツボの材質は、窒化ホウ素であることが好ましい。
上記(i)の条件で焼成を行う場合、反応容器内を常圧窒素雰囲気とする方法としては、特に限定されないが、例えば、反応容器内を減圧した後、窒素ガスを封入すれば良い。
常圧窒素雰囲気下で焼成を行うことが好ましい理由は、高圧下で焼成するよりも製造コストを抑えることができ、安全性にも優れるからである。
上記(ii)の条件(最高焼成温度が1600〜1850℃の温度条件)で行うことが好ましい理由は、上記最高焼成温度が1600℃未満であると、混合した原料化合物を加熱しても固相反応が進みにくく、蛍光体を製造することができないことがあり、一方、最高焼成温度が1850℃を超えると、無駄な焼成エネルギーを消費してしまうだけでなく、原料化合物や生成物質からの窒素の揮発が多くなり、窒素雰囲気圧を非常に高くしないと蛍光体を製造することができないからである。
上記最高焼成温度は、1650〜1750℃であることがより好ましい。
上記焼成の時間は、特に限定されないが、1〜6時間であることが好ましく、1〜4時間であることがより好ましく、1〜3時間であることがさらに好ましい。
焼成後は、上記焼成により得た蛍光体(焼結体)を室温まで炉冷した後、粉砕・混合することにより粉体とする。
さらに、粉体とした蛍光体の不純物を除去するため、酸洗浄することが好ましい。このとき、酸としては塩酸又は硫酸を用いることが好ましい。
酸洗浄された蛍光体を純水で水洗いし、粉体を沈殿させ上澄みを取り除く。得られた粉体を炉内で加熱し、十分に乾燥させる。その時の温度は100〜400℃であることが好ましく、100〜300℃であることがより好ましく、100〜200℃であることがさらに好ましい。粉体に水分が残っていると、蛍光体をLED等の用途に用いた際に通電等に影響を与える可能性があるため、十分に水分を除去する必要があることから、加熱時間は1時間以上であることが好ましく、2時間以上であることがより好ましく、3時間以上であることがさらに好ましく、4時間以上であることが特に好ましい。
また、水分を十分除去した後、振るいにかけることが好ましい。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は以下の実施例、比較例に限定されるものではない。
(実施例1)
上記一般式(I)において、AとしてCaを、BとしてAlを、CとしてSiを、MとしてEuを用いて、仕込み量(各元素のモル比)がCa:Al:Si:N:Eu=5:18:4.5:18:2となるようにSi、AlN、CaO、Euを秤量し、メノウ乳鉢を用いてエタノール溶媒中で攪拌し、溶媒が十分揮発するまで混合させた。その後、200℃に加熱し残りの溶媒を十分に除去した。その後、焼結を促進させるため金型に混合物を充填し、油圧ポンプで加圧しペレット状にした。そのペレットを窒化ホウ素(BN)製のルツボに入れた。
ルツボを反応容器に入れ、反応容器内をロータリーポンプで減圧した後、窒素ガスで大気圧雰囲気とし、200℃まで20℃/分で昇温し、1700℃まで10℃/分で昇温させた。1700℃に到達後2時間保持し、焼成を完了した。室温まで炉冷後、得られた蛍光体をメノウ乳鉢で粉砕混合した。その後、不純物等を除去するために塩酸中で2時間攪拌し、純水で水洗いし170℃で水分を十分除去し、その後さらに乳鉢で30分混合した。
得られた蛍光体について、X線回折装置(XRD)(リガク社製、RINT2000)を用いて結晶構造解析を行った。測定はCuKα線で行いλ=1.5418nmとした。測定角θは10〜90°とした。このように、結晶構造を確認した。その後、SEM−EDX(日立製作所社製、Miniscope TM3000)分析によって、組成分析を行った。測定条件は点分析のデータ収集時間を60秒とし、加圧電圧を16KVとした。
さらに、発光特性を分光蛍光光度計(日立ハイテク社製、F−7000形分光蛍光光度計)で測定し評価した。測定条件は、励起側スリット:2.5nm、蛍光側スリット:2.5nm、ホトマル電圧:350Vとした。その結果、365〜500nm程度までの励起スペクトルを持ち、発光スペクトルは720nm付近にピークを持つ赤色発光が確認された。組成分析結果及び発光特性測定結果を表1に示す。後述する比較例5と比較して、Siの仕込み量が増加することで、発光強度が増した。
(実施例2)
上記一般式(I)において、AとしてCaを、BとしてAlを、CとしてSiを、MとしてEuを用いて、仕込み量(各元素のモル比)がCa:Al:Si:N:Eu=5:18:5.4:18:2となるようにSi、AlN、CaO、Euを秤量し、メノウ乳鉢を用いてエタノール溶媒中で攪拌し、溶媒が十分揮発するまで混合させた。その後、200℃に加熱し残りの溶媒を十分に除去した。その後、焼結を促進させるため金型に混合物を充填し、油圧ポンプで加圧しペレット状にした。そのペレットをBN製のルツボに入れた。ルツボを反応容器に入れ、反応容器内をロータリーポンプで減圧した後、窒素ガスで大気圧雰囲気とし、200℃まで20℃/分で昇温し、1700℃まで10℃/分で昇温させた。1700℃に到達後2時間保持し、焼成を完了した。室温まで炉冷後、得られた蛍光体をメノウ乳鉢で粉砕混合した。その後、不純物等を除去するために塩酸中で2時間攪拌し、純水で水洗いし170℃で水分を十分除去し、その後さらに乳鉢で30分混合した。
得られた蛍光体について、X線回折装置(XRD)(リガク社製、RINT2000)を用いて結晶構造解析を行った。測定はCuKα線で行いλ=1.5418nmとした。測定角θは10〜90°とした。このように、結晶構造を確認した。その後、SEM−EDX(日立製作所社製、Miniscope TM3000)分析によって、組成分析を行った。測定条件は点分析のデータ収集時間を60秒とし、加圧電圧を16KVとした。
さらに、発光特性を分光蛍光光度計(日立ハイテク社製、F−7000形分光蛍光光度計)で測定し評価した。測定条件は、励起側スリット:2.5nm、蛍光側スリット:2.5nm、ホトマル電圧:350Vとした。その結果、365〜500nm程度までの励起スペクトルを持ち、発光スペクトルは720nm付近にピークを持つ赤色発光が確認された。組成分析結果及び発光特性測定結果を表1に示す。
(実施例3)
上記一般式(I)において、AとしてCaを、BとしてAlを、CとしてSiを、MとしてEuを用いて、仕込み量(各元素のモル比)がCa:Al:Si:N:Eu=5:18:6:18:2となるようにSi、AlN、CaO、Euを秤量した後、実施例1と同様の方法で、原料化合物の混合物をペレット状にしてBN製のルツボに入れた。
ルツボを反応容器に入れ、反応容器内をロータリーポンプで減圧した後、窒素ガスを大気圧雰囲気まで加え、1700℃で2時間保持し、冷却し焼成を完了した。その後、得られた蛍光体をメノウ乳鉢で粉砕混合し、実施例1と同様の装置・条件により結晶構造解析を行い、不純物の混入、組成ずれが起きていないか確認した。このように、結晶構造を確認した後、実施例1と同様の装置、条件で発光特性を測定し評価した。組成分析結果及び発光特性測定結果を表1に示す。その結果、365〜500nm程度までの励起スペクトルを持ち、発光スペクトルは720nm付近にピークを持つ赤色発光が確認された。Siの添加量を増加させることで発光強度はより向上した。
白色LEDでは、青色領域の波長によって効率的に励起され、黄色波長領域の光を発光する蛍光体を利用することで、青色と黄色の光が混ざり、優れた白色光を得ている。しかし、このような白色LEDの光は赤み成分が少なく冷たい白色光であり、照明用途に適さないことがあった。よって、演色性を向上させるため青色光で効率良く励起され赤色に発光する蛍光体が求められており、このような観点から、実施例3で得られた蛍光体の蛍光特性は、非常に優れているといえる。
(実施例4)
上記一般式(I)において、AとしてCaを、BとしてAlを、CとしてSiを、MとしてEuを用いて、仕込み量(各元素のモル比)がCa:Al:Si:N:Eu=5:18:7.8:18:2となるようにSi、AlN、CaO、Euを秤量した後、実施例1と同様の方法で、原料化合物の混合物をペレット状にしてBN製のルツボに入れた。
ルツボを反応容器に入れ、反応容器内をロータリーポンプで減圧した後、窒素ガスを大気圧雰囲気まで加え、1700℃で2時間保持し、冷却し焼成を完了した。その後、得られた蛍光体をメノウ乳鉢で粉砕混合し、実施例1と同様の装置・条件により結晶構造解析を行い、不純物の混入、組成ずれが起きていないか確認した。このように、結晶構造を確認した後、実施例1と同様の装置、条件で組成分析を行い、発光特性を測定し評価した。組成分析結果及び発光特性測定結果を表1に示す。その結果、365〜500nm程度までの励起スペクトルを持ち、発光スペクトルは720nm付近にピークを持つ赤色発光が確認された。Siの添加量を増加させた結果、実施例3と同様に比較的高い発光強度を得られた。
白色LEDでは、青色領域の波長によって効率的に励起され、黄色波長領域の光を発光する蛍光体を利用することで、青色と黄色の光が混ざり、優れた白色光を得ている。しかし、このような白色LEDの光は赤み成分が少なく冷たい白色光であり、照明用途に適さないことがあった。よって、演色性を向上させるため青色光で効率良く励起され赤色に発光する蛍光体が求められており、このような観点から、実施例4で得られた蛍光体の蛍光特性は、非常に優れているといえる。
(実施例5)
上記一般式(I)において、AとしてCaを、BとしてAlを、CとしてSiを、MとしてEuを用いて、仕込み量(各元素のモル比)がCa:Al:Si:N:Eu=5:18:9:18:2となるようにSi、AlN、CaO、Euを秤量した後、実施例1と同様の方法で、原料化合物の混合物をペレット状にしてBN製のルツボに入れた。
ルツボを反応容器に入れ、反応容器内をロータリーポンプで減圧した後、窒素ガスを大気圧雰囲気まで加え、1700℃で2時間保持し、冷却し焼成を完了した。その後、得られた蛍光体をメノウ乳鉢で粉砕混合し、実施例1と同様の装置・条件により結晶構造解析を行い、不純物の混入、組成ずれが起きていないか確認した。このように、結晶構造を確認した後、実施例同様の装置、条件で組成分析を行い、発光特性を測定し評価した。組成分析結果及び発光特性測定結果を表1に示す。その結果、発光強度は極端に低下した。Siの仕込み量が過剰になることによって発光強度が低下していることがわかる。
(実施例6)
上記一般式(I)において、AとしてCaを、BとしてAlを、CとしてSiを、MとしてEuを用いて、仕込み量(各元素のモル比)がCa:Al:Si:N:Eu=5:18:12:18:2となるようにSi、AlN、CaO、Euを秤量した後、実施例1と同様の方法で、原料化合物の混合物をペレット状にしてBN製のルツボに入れた。
ルツボを反応容器に入れ、反応容器内をロータリーポンプで減圧した後、窒素ガスを大気圧雰囲気まで加え、1700℃で2時間保持し、冷却し焼成を完了した。その後、得られた蛍光体をメノウ乳鉢で粉砕混合し、実施例1と同様の装置・条件により結晶構造解析を行い、不純物の混入、組成ずれが起きていないか確認した。このように、結晶構造を確認した後、実施例1と同様の装置、条件で組成分析を行い、発光特性を測定し評価した。組成分析結果及び発光特性測定結果を表1に示す。その結果、発光波長は短波長側にシフトするも発光強度は極端に低下した。Siの仕込み量が過剰になることによって発光強度が低下していることがわかる。
(実施例7)
上記一般式(I)において、AとしてCaを、BとしてAlを、CとしてSiを、MとしてEuを用いて、仕込み量(各元素のモル比)がCa:Al:Si:N:Eu=5:14:6:14:2となるようにSi、AlN、CaO、Euを秤量した後、実施例1と同様の方法で、原料化合物の混合物をペレット状にしてBN製のルツボに入れた。
ルツボを反応容器に入れ、反応容器内をロータリーポンプで減圧した後、窒素ガスを大気圧雰囲気まで加え、1700℃で2時間保持し、冷却し焼成を完了した。その後、得られた蛍光体をメノウ乳鉢で粉砕混合し、実施例1と同様の装置・条件により結晶構造解析を行い、不純物の混入、組成ずれが起きていないか確認した。このように、結晶構造を確認した後、実施例1と同様の装置、条件で組成分析を行い、発光特性を測定し評価した。組成分析結果及び発光特性測定結果を表1に示す。その結果、発光強度は極端に低下した。実施例3の組成からAlNの仕込み量を減少させることによって発光強度が低下していることがわかる。
(実施例8)
上記一般式(I)において、AとしてCaを、BとしてAlを、CとしてSiを、MとしてEuを用いて、仕込み量(各元素のモル比)がCa:Al:Si:N:Eu=5:16:6:16:2となるようにSi、AlN、CaO、Euを秤量した後、実施例1と同様の方法で、原料化合物の混合物をペレット状にしてBN製のルツボに入れた。
ルツボを反応容器に入れ、反応容器内をロータリーポンプで減圧した後、窒素ガスを大気圧雰囲気まで加え、1700℃で2時間保持し、冷却し焼成を完了した。その後、得られた蛍光体をメノウ乳鉢で粉砕混合し、実施例1と同様の装置・条件により結晶構造解析を行い、不純物の混入、組成ずれが起きていないか確認した。このように、結晶構造を確認した後、実施例1と同様の装置、条件で組成分析を行い、発光特性を測定し評価した。組成分析結果及び発光特性測定結果を表1に示す。その結果、発光強度は極端に低下した。実施例3の組成からAlNの仕込み量を減少させることによって発光強度が低下していることがわかる。
(実施例9)
上記一般式(I)において、AとしてCaを、BとしてAlを、CとしてSiを、MとしてEuを用いて、仕込み量(各元素のモル比)がCa:Al:Si:N:Eu=5:20:6:20:2となるようにSi、AlN、CaO、Euを秤量した後、実施例1と同様の方法で、原料化合物の混合物をペレット状にしてBN製のルツボに入れた。
ルツボを反応容器に入れ、反応容器内をロータリーポンプで減圧した後、窒素ガスを大気圧雰囲気まで加え、1700℃で2時間保持し、冷却し焼成を完了した。その後、得られた蛍光体をメノウ乳鉢で粉砕混合し、実施例1と同様の装置・条件により結晶構造解析を行い、不純物の混入、組成ずれが起きていないか確認した。このように、結晶構造を確認した後、実施例1と同様の装置、条件で組成分析を行い、発光特性を測定し評価した。組成分析結果及び発光特性測定結果を表1に示す。その結果、発光強度は低下した。実施例3の組成からAlNの仕込み量を増加させることで発光強度が低下していることがわかる。
(実施例10)
上記一般式(I)において、AとしてCaを、BとしてAlを、CとしてSiを、MとしてEuを用いて、仕込み量(各元素のモル比)がCa:Al:Si:N:Eu=5:22:6:22:2となるようにSi、AlN、AlN、Euを秤量した後、実施例1と同様の方法で、原料化合物の混合物をペレット状にしてBN製のルツボに入れた。
ルツボを反応容器に入れ、反応容器内をロータリーポンプで減圧した後、窒素ガスを大気圧雰囲気まで加え、1700℃で2時間保持し、冷却し焼成を完了した。その後、得られた蛍光体をメノウ乳鉢で粉砕混合し、実施例1と同様の装置・条件により結晶構造解析を行い、不純物の混入、組成ずれが起きていないか確認した。このように、結晶構造を確認した後、実施例1と同様の装置、条件で組成分析を行い、発光特性を測定し評価した。組成分析結果及び発光特性測定結果を表1に示す。その結果、発光強度は低下した。実施例3の組成からAlNの仕込み量を増加させることで発光強度が低下していることがわかる。
(実施例11)
上記一般式(I)において、AとしてCaを、BとしてAlを、CとしてSiを、MとしてEuを用いて、仕込み量(各元素のモル比)がCa:Al:Si:N:Eu=5:25:6:25:2となるようにSi、AlN、CaO、Euを秤量した後、実施例1と同様の方法で、原料化合物の混合物をペレット状にしてBN製のルツボに入れた。
ルツボを反応容器に入れ、反応容器内をロータリーポンプで減圧した後、窒素ガスを大気圧雰囲気まで加え、1700℃で2時間保持し、冷却し焼成を完了した。その後、得られた蛍光体をメノウ乳鉢で粉砕混合し、実施例1と同様の装置・条件により結晶構造解析を行い、不純物の混入、組成ずれが起きていないか確認した。このように、結晶構造を確認した後、実施例1と同様の装置、条件で組成分析を行い、発光特性を測定し評価した。組成分析結果及び発光特性測定結果を表1に示す。その結果、発光強度は低下した。実施例3の組成からAlNの仕込み量を増加させることで発光強度が低下していることがわかる。
(実施例12)
上記一般式(I)において、AとしてCaを、BとしてAlを、CとしてSiを、MとしてEuを用いて、仕込み量(各元素のモル比)がCa:Al:Si:N:Eu=5:14:6:14:2となるようにSi、AlN、CaO、Euを秤量した後、実施例1と同様の方法で、原料化合物の混合物をペレット状にしてBN製のルツボに入れた。
ルツボを反応容器に入れ、反応容器内をロータリーポンプで減圧した後、窒素ガスを大気圧雰囲気まで加え、1800℃で2時間保持し、冷却し焼成を完了した。その後、得られた蛍光体をメノウ乳鉢で粉砕混合し、実施例1と同様の装置・条件により結晶構造解析を行い、不純物の混入、組成ずれが起きていないか確認した。このように、結晶構造を確認した後、実施例1と同様の装置、条件で組成分析を行い、発光特性を測定し評価した。組成分析結果及び発光特性測定結果を表1に示す。その結果、発光強度は低下した。実施例7の焼成温度を上昇させるとわずかに発光強度が低下していることがわかる。
(実施例13)
上記一般式(I)において、AとしてCaを、BとしてAlを、CとしてSiを、MとしてEuを用いて、仕込み量(各元素のモル比)がCa:Al:Si:N:Eu=5:16:6:16:2となるようにSi、AlN、CaO、Euを秤量した後、実施例1と同様の方法で、原料化合物の混合物をペレット状にしてBN製のルツボに入れた。
ルツボを反応容器に入れ、反応容器内をロータリーポンプで減圧した後、窒素ガスを大気圧雰囲気まで加え、1800℃で2時間保持し、冷却し焼成を完了した。その後、得られた蛍光体をメノウ乳鉢で粉砕混合し、実施例1と同様の装置・条件により結晶構造解析を行い、不純物の混入、組成ずれが起きていないか確認した。このように、結晶構造を確認した後、実施例1と同様の装置、条件で組成分析を行い、発光特性を測定し評価した。組成分析結果及び発光特性測定結果を表1に示す。その結果、発光強度は低下した。実施例8の焼成温度を上昇させるとわずかに発光強度が低下していることがわかる。
(実施例14)
上記一般式(I)において、AとしてCaを、BとしてAlを、CとしてSiを、MとしてEuを用いて、仕込み量(各元素のモル比)がCa:Al:Si:N:Eu=5:18:6:18:2となるようにSi、AlN、CaO、Euを秤量した後、実施例1と同様の方法で、原料化合物の混合物をペレット状にしてBN製のルツボに入れた。
ルツボを反応容器に入れ、反応容器内をロータリーポンプで減圧した後、窒素ガスを大気圧雰囲気まで加え、1800℃で2時間保持し、冷却し焼成を完了した。その後、得られた蛍光体をメノウ乳鉢で粉砕混合し、実施例1と同様の装置・条件により結晶構造解析を行い、不純物の混入、組成ずれが起きていないか確認した。このように、結晶構造を確認した後、実施例1と同様の装置、条件で組成分析を行い、発光特性を測定し評価した。組成分析結果及び発光特性測定結果を表1に示す。その結果、発光強度は低下した。実施例3の焼成温度を上昇させるとわずかに発光強度が低下していることがわかる。
(実施例15)
上記一般式(I)において、AとしてCaを、BとしてAlを、CとしてSiを、MとしてEuを用いて、仕込み量(各元素のモル比)がCa:Al:Si:N:Eu=5:20:6:20:2となるようにSi、AlN、CaO、Euを秤量した後、実施例1と同様の方法で、原料化合物の混合物をペレット状にしてBN製のルツボに入れた。
ルツボを反応容器に入れ、反応容器内をロータリーポンプで減圧した後、窒素ガスを大気圧雰囲気まで加え、1800℃で2時間保持し、冷却し焼成を完了した。その後、得られた蛍光体をメノウ乳鉢で粉砕混合し、実施例1と同様の装置・条件により結晶構造解析を行い、不純物の混入、組成ずれが起きていないか確認した。このように、結晶構造を確認した後、実施例1と同様の装置、条件で組成分析を行い、発光特性を測定し評価した。組成分析結果及び発光特性測定結果を表1に示す。その結果、発光強度は低下した。実施例9の焼成温度を上昇させるとわずかに発光強度が低下していることがわかる。
(実施例16)
上記一般式(I)において、AとしてCaを、BとしてAlを、CとしてSiを、MとしてEuを用いて、仕込み量(各元素のモル比)がCa:Al:Si:N:Eu=5:22:6:22:2となるようにSi、AlN、CaO、Euを秤量した後、実施例1と同様の方法で、原料化合物の混合物をペレット状にしてBN製のルツボに入れた。
ルツボを反応容器に入れ、反応容器内をロータリーポンプで減圧した後、窒素ガスを大気圧雰囲気まで加え、1800℃で2時間保持し、冷却し焼成を完了した。その後、得られた蛍光体をメノウ乳鉢で粉砕混合し、実施例1と同様の装置・条件により結晶構造解析を行い、不純物の混入、組成ずれが起きていないか確認した。このように、結晶構造を確認した後、実施例1と同様の装置、条件で組成分析を行い、発光特性を測定し評価した。組成分析結果及び発光特性測定結果を表1に示す。その結果、発光強度は低下した。実施例10の焼成温度を上昇させるとわずかに発光強度が低下していることがわかる。
(実施例17)
上記一般式(I)において、AとしてCaを、BとしてAlを、CとしてSiを、MとしてEuを用いて、仕込み量(各元素のモル比)がCa:Al:Si:N:Eu=5:25:6:25:2となるようにSi、AlN、CaO、Euを秤量した後、実施例1と同様の方法で、原料化合物の混合物をペレット状にしてBN製のルツボに入れた。
ルツボを反応容器に入れ、反応容器内をロータリーポンプで減圧した後、窒素ガスを大気圧雰囲気まで加え、1800℃で2時間保持し、冷却し焼成を完了した。その後、得られた蛍光体をメノウ乳鉢で粉砕混合し、実施例1と同様の装置・条件により結晶構造解析を行い、不純物の混入、組成ずれが起きていないか確認した。このように、結晶構造を確認した後、実施例1と同様の装置、条件で組成分析を行い、発光特性を測定し評価した。組成分析結果及び発光特性測定結果を表1に示す。その結果、発光強度は低下した。実施例11の焼成温度を上昇させるとわずかに発光強度が低下していることがわかる。
(実施例18)
上記一般式(I)において、AとしてCaを、BとしてAlを、CとしてSiを、MとしてEuを用いて、仕込み量(各元素のモル比)がCa:Al:Si:N:Eu=4:18:6:18:2となるようにSi、AlN、CaO、Euを秤量した後、実施例1と同様の方法で、原料化合物の混合物をペレット状にしてBN製のルツボに入れた。
ルツボを反応容器に入れ、反応容器内をロータリーポンプで減圧した後、窒素ガスを大気圧雰囲気まで加え、1700℃で2時間保持し、冷却し焼成を完了した。その後、得られた蛍光体をメノウ乳鉢で粉砕混合し、実施例1と同様の装置・条件により結晶構造解析を行い、不純物の混入、組成ずれが起きていないか確認した。このように、結晶構造を確認した後、実施例1と同様の装置、条件で組成分析を行い、発光特性を測定し評価した。組成分析結果及び発光特性測定結果を表1に示す。その結果、発光強度は低下した。実施例3の組成からCaOの仕込み量を減少させると発光強度が低下していることがわかる。
(実施例19)
上記一般式(I)において、AとしてCaを、BとしてAlを、CとしてSiを、MとしてEuを用いて、仕込み量(各元素のモル比)がCa:Al:Si:N:Eu=6:18:6:18:2となるようにSi、AlN、CaO、Euを秤量した後、実施例1と同様の方法で、原料化合物の混合物をペレット状にしてBN製のルツボに入れた。
ルツボを反応容器に入れ、反応容器内をロータリーポンプで減圧した後、窒素ガスを大気圧雰囲気まで加え、1700℃で2時間保持し、冷却し焼成を完了した。その後、得られた蛍光体をメノウ乳鉢で粉砕混合し、実施例1と同様の装置・条件により結晶構造解析を行い、不純物の混入、組成ずれが起きていないか確認した。このように、結晶構造を確認した後、実施例1と同様の装置、条件で組成分析を行い、光特性を測定し評価した。組成分析結果及び発光特性測定結果を表1に示す。その結果、発光強度は低下した。実施例3の組成からCaOの仕込み量を増加させると発光強度が低下していることがわかる。
(実施例20)
上記一般式(I)において、AとしてCaを、BとしてAlを、CとしてSiを、MとしてEuを用いて、仕込み量(各元素のモル比)がCa:Al:Si:N:Eu=7:18:6:18:2となるようにSi、AlN、CaO、Euを秤量した後、実施例1と同様の方法で、原料化合物の混合物をペレット状にしてBN製のルツボに入れた。
ルツボを反応容器に入れ、反応容器内をロータリーポンプで減圧した後、窒素ガスを大気圧雰囲気まで加え、1700℃で2時間保持し、冷却し焼成を完了した。その後、得られた蛍光体をメノウ乳鉢で粉砕混合し、実施例1と同様の装置・条件により結晶構造解析を行い、不純物の混入、組成ずれが起きていないか確認した。このように、結晶構造を確認した後、実施例1と同様の装置、条件で組成分析を行い、発光特性を測定し評価した。組成分析結果及び発光特性測定結果を表1に示す。その結果、発光強度は低下した。実施例3の組成からCaOの仕込み量を増加させると発光強度が低下していることがわかる。
(実施例21)
上記一般式(I)において、AとしてCaを、BとしてAlを、CとしてSiを、MとしてEuを用いて、仕込み量(各元素のモル比)がCa:Al:Si:N:Eu=5:18:6:18:2となるようにSi、AlN、CaO、Euを秤量し、さらにYを2wt%添加した後、実施例1と同様の方法で、原料化合物の混合物をペレット状にしてBN製のルツボに入れた。
ルツボを反応容器に入れ、反応容器内をロータリーポンプで減圧した後、窒素ガスを大気圧雰囲気まで加え、1700℃で2時間保持し、冷却し焼成を完了した。その後、得られた蛍光体をメノウ乳鉢で粉砕混合し、実施例1と同様の装置・条件により結晶構造解析を行い、不純物の混入、組成ずれが起きていないか確認した。このように、結晶構造を確認した後、実施例1と同様の装置、条件で組成分析を行い、発光特性を測定し評価した。組成分析結果及び発光特性測定結果を表1に示す。その結果、発光強度は低下した。実施例3の組成にYを2wt%添加させると発光強度が低下していることがわかる。
(実施例22)
上記一般式(I)において、AとしてCaを、BとしてAlを、CとしてSiを、MとしてEuを用いて、仕込み量(各元素のモル比)がCa:Al:Si:N:Eu=5:18:6:18:2となるようにSi、AlN、CaO、Euを秤量し、さらにYを5wt%添加した後、実施例1と同様の方法で、原料化合物の混合物をペレット状にしてBN製のルツボに入れた。
ルツボを反応容器に入れ、反応容器内をロータリーポンプで減圧した後、窒素ガスを大気圧雰囲気まで加え、1700℃で2時間保持し、冷却し焼成を完了した。その後、得られた蛍光体をメノウ乳鉢で粉砕混合し、実施例1と同様の装置・条件により結晶構造解析を行い、不純物の混入、組成ずれが起きていないか確認した。このように、結晶構造を確認した後、実施例1と同様の装置、条件で組成分析を行い、発光特性を測定し評価した。組成分析結果及び発光特性測定結果を表1に示す。その結果、発光強度は低下した。実施例3の組成にYを5wt%添加させると発光強度が低下していることがわかる。
(実施例23)
上記一般式(I)において、AとしてCaを、BとしてAlを、CとしてSiを、MとしてEuを用いて、仕込み量(各元素のモル比)がCa:Al:Si:N:Eu=5:18:6:18:2となるようにSi、AlN、CaO、Euを秤量し、さらにYを10wt%添加した後、実施例1と同様の方法で、原料化合物の混合物をペレット状にしてBN製のルツボに入れた。
ルツボを反応容器に入れ、反応容器内をロータリーポンプで減圧した後、窒素ガスを大気圧雰囲気まで加え、1700℃で2時間保持し、冷却し焼成を完了した。その後、得られた蛍光体をメノウ乳鉢で粉砕混合し、実施例1と同様の装置・条件により結晶構造解析を行い、不純物の混入、組成ずれが起きていないか確認した。このように、結晶構造を確認した後、実施例1と同様の装置、条件で組成分析を行い、発光特性を測定し評価した。組成分析結果及び発光特性測定結果を表1に示す。その結果、発光強度は低下した。実施例3の組成にYを10wt%添加させると発光強度が低下していることがわかる。
(実施例24)
上記一般式(I)において、AとしてCaを、BとしてAlを、CとしてSiを、MとしてEuを用いて、仕込み量(各元素のモル比)がCa:Al:Si:N:Eu=5:18:6:18:0.5となるようにSi、AlN、CaO、Euを秤量した後、実施例1と同様の方法で、原料化合物の混合物をペレット状にしてBN製のルツボに入れた。
ルツボを反応容器に入れ、反応容器内をロータリーポンプで減圧した後、窒素ガスを大気圧雰囲気まで加え、1700℃で2時間保持し、冷却し焼成を完了した。その後、得られた蛍光体をメノウ乳鉢で粉砕混合し、実施例1と同様の装置・条件により結晶構造解析を行い、不純物の混入、組成ずれが起きていないか確認した。このように、結晶構造を確認した後、実施例1と同様の装置、条件で組成分析を行い、発光特性を測定し評価した。組成分析結果及び発光特性測定結果を表1に示す。その結果、実施例3にくらべ発光強度は低下した。
(実施例25)
上記一般式(I)において、AとしてCaを、BとしてAlを、CとしてSiを、MとしてEuを用いて、仕込み量(各元素のモル比)がCa:Al:Si:N:Eu=5:18:6:18:0.8となるようにSi、AlN、CaO、Euを秤量した後、実施例1と同様の方法で、原料化合物の混合物をペレット状にしてBN製のルツボに入れた。
ルツボを反応容器に入れ、反応容器内をロータリーポンプで減圧した後、窒素ガスを大気圧雰囲気まで加え、1700℃で2時間保持し、冷却し焼成を完了した。その後、得られた蛍光体をメノウ乳鉢で粉砕混合し、実施例1と同様の装置・条件により結晶構造解析を行い、不純物の混入、組成ずれが起きていないか確認した。このように、結晶構造を確認した後、実施例1と同様の装置、条件で組成分析を行い、発光特性を測定し評価した。組成分析結果及び発光特性測定結果を表1に示す。その結果、実施例3にくらべ発光強度は低下した。
(実施例26)
上記一般式(I)において、AとしてCaを、BとしてAlを、CとしてSiを、MとしてEuを用いて、仕込み量(各元素のモル比)がCa:Al:Si:N:Eu=5:18:6:18:1.0となるようにSi、AlN、CaO、Euを秤量した後、実施例1と同様の方法で、原料化合物の混合物をペレット状にしてBN製のルツボに入れた。
ルツボを反応容器に入れ、反応容器内をロータリーポンプで減圧した後、窒素ガスを大気圧雰囲気まで加え、1700℃で2時間保持し、冷却し焼成を完了した。その後、得られた蛍光体をメノウ乳鉢で粉砕混合し、実施例1と同様の装置・条件により結晶構造解析を行い、不純物の混入、組成ずれが起きていないか確認した。このように、結晶構造を確認した後、実施例1と同様の装置、条件で組成分析を行い、発光特性を測定し評価した。組成分析結果及び発光特性測定結果を表1に示す。その結果、実施例3にくらべ発光強度は低下した。
(実施例27)
上記一般式(I)において、AとしてCaを、BとしてAlを、CとしてSiを、MとしてEuを用いて、仕込み量(各元素のモル比)がCa:Al:Si:N:Eu=5:18:6:18:3.0となるようにSi、AlN、CaO、Euを秤量した後、実施例1と同様の方法で、原料化合物の混合物をペレット状にしてBN製のルツボに入れた。
ルツボを反応容器に入れ、反応容器内をロータリーポンプで減圧した後、窒素ガスを大気圧雰囲気まで加え、1700℃で2時間保持し、冷却し焼成を完了した。その後、得られた蛍光体をメノウ乳鉢で粉砕混合し、実施例1と同様の装置・条件により結晶構造解析を行い、不純物の混入、組成ずれが起きていないか確認した。このように、結晶構造を確認した後、実施例1と同様の装置、条件で組成分析を行い、発光特性を測定し評価した。組成分析結果及び発光特性測定結果を表1に示す。その結果、実施例3にくらべ発光強度は低下した。
(比較例1)
上記一般式(I)において、AとしてCaを、BとしてAlを、CとしてSiを、MとしてEuを用いて、仕込み量(各元素のモル比)がCa:Al:Si:N:Eu=1:1:1:3:0.015となるようにSi、AlN、CaO、Euを秤量し、1時間乾式混合した後、実施例1と同様の方法で、原料化合物の混合物をペレット状にしてBN製のルツボに入れた(特許文献6を参照)。
ルツボを反応容器に入れ、反応容器内をロータリーポンプで減圧した後、窒素ガスを大気圧雰囲気まで加え、1500℃で3時間保持し、冷却し焼成を完了した。その後、得られた蛍光体(焼結体)をメノウ乳鉢で粉砕混合し、実施例1と同様の装置・条件により結晶構造解析を行い、不純物の混入、組成ずれが起きていないか確認した。このように、結晶構造を確認した後、実施例1と同様の装置、条件で発光特性を測定し評価した。結果、常圧窒素雰囲気下では未反応で発光を確認できなかった。
(比較例2)
上記一般式(I)において、AとしてCaを、BとしてAlを、CとしてSiを、MとしてEuを用いて、仕込み量(各元素のモル比)がCa:Al:Si:N:Eu=1:1:1:3:0.015となるようにSi、AlN、CaO、Euを秤量した後、実施例1と同様の方法で、原料化合物の混合物をペレット状にしてBN製のルツボに入れた(特許文献6を参照)。
ルツボを反応容器に入れ、反応容器内をロータリーポンプで減圧した後、窒素ガスを大気圧雰囲気まで加え、1700℃で2時間保持し、冷却し焼成を完了した。その後、得られた蛍光体(焼結体)をメノウ乳鉢で粉砕混合し、実施例1と同様の装置・条件により結晶構造解析を行い、不純物の混入、組成ずれが起きていないか確認した。このように、結晶構造を確認した後、実施例1と同様の装置、条件で発光特性を測定し評価した。結果、常圧窒素雰囲気下では未反応で発光を確認できなかった。
比較例1、2では、上述の通り、結晶構造を確認することができたにもかかわらず、発光を確認することができなかったが、これは、常圧窒素雰囲気で焼成したために還元雰囲気が弱く、賦活剤が還元されなかったため、発光に寄与できる賦活剤の量が少なかったためと推察される。
(比較例3)
上記一般式(I)において、AとしてCaを、BとしてAlを、CとしてSiを、MとしてEuを用いて、仕込み量(各元素のモル比)がCa:Al:Si:N:Eu=1:1:1:3:0.0005となるようにSi、AlN、CaO、Euを秤量した後、実施例1と同様の方法で、原料化合物の混合物をペレット状にしてBN製のルツボに入れた(特許文献8を参照)。
ルツボを反応容器に入れ、反応容器内をロータリーポンプで減圧した後、窒素ガスを大気圧雰囲気まで加え、1700℃で2時間保持し、冷却し焼成を完了した。その後、得られた蛍光体(焼結体)をメノウ乳鉢で粉砕混合し、実施例1と同様の装置・条件により結晶構造解析を行い、不純物の混入、組成ずれが起きていないか確認した。このように、結晶構造を確認した後、実施例1と同様の装置、条件で発光特性を測定し評価した。結果、常圧窒素雰囲気下では未反応で発光を確認できなかった。
(比較例4)
上記一般式(I)において、AとしてCaを、BとしてAlを、CとしてSiを、MとしてEuを用いて、仕込み量(各元素のモル比)がCa:Al:Si:N:Eu=1:1:1:3:0.0005となるようにSi、AlN、CaO、Euを秤量した後、実施例1と同様の方法で、原料化合物の混合物をペレット状にしてBN製のルツボに入れた(特許文献8を参照)。
ルツボを反応容器に入れ、反応容器内をロータリーポンプで減圧した後、窒素ガスを大気圧雰囲気まで加え、1800℃で2時間保持し、冷却し焼成を完了した。その後、得られた蛍光体(焼結体)をメノウ乳鉢で粉砕混合し、実施例1と同様の装置・条件により結晶構造解析を行い、不純物の混入、組成ずれが起きていないか確認した。このように、結晶構造を確認した後、実施例1と同様の装置、条件で発光特性を測定し評価した。結果、常圧窒素雰囲気下では未反応で発光を確認できなかった。
(比較例5)
上記一般式(I)において、AとしてCaを、BとしてAlを、CとしてSiを、MとしてEuを用いて、仕込み量(各元素のモル比)がCa:Al:Si:N:Eu=5:18:3:18:2となるようにSi、AlN、CaO、Euとなるように秤量し、メノウ乳鉢を用いてエタノール溶媒中で攪拌し、溶媒が十分揮発するまで混合させた。その後、200℃に加熱し、残りの溶媒を十分に除去した。その後、焼結を促進させるため金型に混合物を充填し、油圧ポンプで加圧しペレット状にした。そのペレットをBN製のルツボに入れた。ルツボを反応容器に入れ、反応容器内をロータリーポンプで減圧した後、窒素ガスで大気圧雰囲気とし、200℃まで20℃/分で昇温し、1700℃まで10℃/分で昇温させた。1700℃に到達後2時間保持し、焼成を完了した。室温まで炉冷後、得られた蛍光体をメノウ乳鉢で粉砕混合した。その後、不純物等を除去するために塩酸中で2時間攪拌し、純水で水洗いし170℃で水分を十分除去し、その後さらに乳鉢で30分混合した。得られた蛍光体を実施例1と同様の装置・条件により結晶構造解析を行い、不純物の混入、組成ずれが起きていないか確認した。このように、結晶構造を確認した後、実施例1と同様の装置、条件で発光特性を測定し評価した。結果を表1に示す。その結果、発光強度は極めて小さかった。Siの仕込み量が減少することによって発光強度に影響を与えていることが分かった。
Figure 2013157524

Claims (9)

  1. 下記一般式(I):
    :M (I)
    (式中、MはCe、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm及びYbからなる希土類元素群から選ばれる少なくとも1種であり、
    Aは前記希土類元素群以外の2価の金属元素から選択される少なくとも1種であり、
    Bは前記希土類元素群以外の3価の金属元素から選択される少なくとも1種であり、
    Cは前記希土類元素群以外の4価の金属元素及びSiから選択される少なくとも1種であり、
    DはNであり、
    EはOである。)で表され、
    a、b、c、d、e及びyが下記式(1)〜(6)を満たすことを特徴とする蛍光体。
    0.17≦a≦1.3 (1)
    2.3≦b≦4.1 (2)
    0.9≦c≦2 (3)
    2.7≦d≦4 (4)
    0.6≦e≦1.8 (5)
    0.3≦y≦0.8 (6)
  2. 前記一般式(I)において、AはCa及び/又はBaであることを特徴とする請求項1に記載の蛍光体。
  3. 前記一般式(I)において、BはAl及び/又はGaであり、かつ、CはSiであることを特徴とする請求項1又は2に記載の蛍光体。
  4. 前記一般式(I)において、AはCa、BはAl、CはSi、MはEuであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の蛍光体。
  5. 発光ピークが、600〜800nmの波長範囲に1つ存在することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の蛍光体。
  6. 波長265〜500nmの紫外線又は可視光線を励起源とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の蛍光体。
  7. 原料化合物を常圧窒素雰囲気下で焼成することにより製造されたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の蛍光体。
  8. 最高焼成温度が1600〜1850℃の温度条件で焼成することにより製造されたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の蛍光体。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の蛍光体を製造する方法であって、
    原料化合物を混合した後、下記(i)及び/又は(ii)の条件下で焼成することを特徴とする蛍光体の製造方法。
    (i)常圧窒素雰囲気下で焼成する。
    (ii)最高焼成温度が1600〜1850℃の範囲となる温度条件で焼成する。
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