JPWO2013154077A1 - 微細パターンを表面に有する物品およびその製造方法、ならびに光学物品、その製造方法および複製モールドの製造方法 - Google Patents

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Abstract

転写材料膜を基材の表面に形成する工程、モールドの反転パターンを転写材料膜に転写する工程、転写材料膜をエッチングマスクとしてエッチングを行う工程、残った転写材料膜を除去する工程を1サイクルとし、該サイクルを2回繰り返すことによって微細パターンを表面に有する物品を製造する方法において、2回目のサイクルのエッチングの際に1回目のサイクルで形成された微細パターンがエッチングされることがない。2回目のサイクルのエッチングの直前にて、1回目のサイクルで形成された微細パターンの上に存在する転写材料膜の厚さdがr?(H/R)+t<d(r:転写材料膜のエッチングレート、H:目標のエッチング深さ、R:基材のエッチングレート、t:残膜の厚さ)を満足する。

Description

本発明は、微細パターンを表面に有する物品およびその製造方法、ならびに光学物品、その製造方法および複製モールドの製造方法に関する。
微細パターンを表面に有する光学物品(たとえば、ライン・アンド・スペースの微細パターンを有するワイヤグリッド偏光素子、モスアイ構造を有する反射防止部材等)を製造する方法として、ナノインプリントリソグラフィ法が注目されている。ナノインプリントリソグラフィ法によって該光学物品を製造する方法としては、たとえば、下記の方法が知られている。
塗工用組成物を基材の表面に塗布し、目的の微細パターンの反転パターンを表面に有するモールドと基材との間に光硬化性樹脂組成物を挟んだ状態にて光を照射し、光硬化性樹脂組成物を硬化させた後、モールドを分離して、目的の微細パターンを有する硬化樹脂層を基材の表面に形成する方法。
ナノインプリントリソグラフィ法において用いられるモールドは、通常、シリコンまたは石英基材の表面に電子線描画法によって微細な反転パターンを形成することによって作製される。しかし、該モールドには、下記の問題があるため、モールドの大面積化が困難である。
・石英基材の表面に電子線描画法によって微細な反転パターンを形成するには、長時間が必要である。電子線描画法に用いる装置は、単位時間あたりのランニングコストが高いため、モールドを大面積化すると、モールドがかなり高価になる。
また、ステッパー露光法や多光束干渉露光法を用いてナノインプリント用のモールドを作製することも行われている。これら方法では、電子線描画法に比べて大面積のモールドを安価に作製することは可能であるが、光の波長よりも充分に小さい微細パターンを作製することが困難であるという欠点が存在する。
その他、アルミナ陽極酸化法、自己組織化法等の方法で大面積の規則性パターンを作製する方法も提言されているが、これらの方法は作製できるパターン(形状、サイズ、配列等)が非常に限られてしまい、汎用性に欠けるといった問題がある。
モールドの反転パターンが、ライン・アンド・スペースやモスアイ構造のような同一の形状の繰り返しである場合には、下記の方法のように、比較的小面積のマスタモールドを用いて、比較的大面積のレプリカモールドを作製する方法が考えられる。
(i)比較的小面積のマスタモールドの反転パターンを、比較的大面積の基材の表面の転写材料膜(レジスト膜)に繰り返し並列転写して連続したマスクパターンを形成し、基材の表面に連続した微細パターンを形成する方法。
しかし、(i)の方法には、下記の問題があるため、実際には比較的大面積のレプリカモールドを作製することは困難である。
・マスタモールドを転写材料膜に押し付けた際に、余分な転写材料がマスタモールドの周辺に押し出されるため、マスタモールドの反転パターンを転写する領域の周辺が盛り上がってしまう。そのため、次の転写の際に該領域の隣接する領域の転写材料膜にマスタモールドを押し付けることができない。
・転写の際には、マスタモールドを転写材料膜に押し付けた状態で光を照射して転写材料膜を硬化させる必要があるが、マスタモールドの反転パターンを転写する領域の周辺にも光が漏れて転写材料膜が硬化してしまう。そのため、次の転写の際に該領域の隣接する領域の転写材料膜にマスタモールドを押し付けることができない。
・マスタモールドを転写材料膜に押し付けた際に、余分な転写材料がマスタモールドの周辺に押し出されるため、転写を行っている領域に隣接する、すでにマスクパターンが形成された領域に、押し出された転写材料が流れ込み、汚染してしまう。
該問題を解決する方法としては、下記の方法が提案されている(特許文献1)。
(ii)転写材料膜を基材の表面に形成する工程、マスタモールドの反転パターンを転写材料膜に繰り返し転写する工程、転写材料膜をエッチングマスクとしてエッチングを行う工程、残った転写材料膜を除去する工程を1サイクルとし、1回目のサイクルにおいてマスタモールドの反転パターンと同じ面積の微細パターンが形成される第1の領域と、2回目のサイクルにおいてマスタモールドの反転パターンと同じ面積の微細パターンが形成される第2の領域とが、隣接しかつ交互に配列するように、前記サイクルを2回繰り返す方法(特許文献1の図3、図4参照)。
日本特開2008−247022号公報
(ii)の方法によれば、1回目のサイクルにおいて微細パターンが形成される複数の第1の領域は、2回目のサイクルにおいて微細パターンが形成される第2の領域の分だけ離間することができる。同様に、2回目のサイクルにおいて微細パターンが形成される複数の第2の領域は、1回目のサイクルにおいて微細パターンが形成される第1の領域の分だけ離間することができる。よって、(ii)の方法の各サイクルにおいて、(i)の方法における各問題が解決される。
しかし、(ii)の方法には、下記の問題がある。
・2回目のサイクルにおいて、基材の表面の第1の領域の上に塗布された転写材料の一部が、第1の領域に形成された微細パターンの凹部に流れ込むため、第1の領域の上に存在する転写材料膜の厚さが薄くなる(特許文献1の図4、図5参照)。そのため、目標とするエッチング深さによっては、2回目のサイクルにおけるエッチングの際に、第1の領域の上に存在する転写材料膜が完全にエッチングされ、第1の領域の微細パターンもさらにエッチングされて、所望の形状の微細パターンが得られないことがある。そのため、第1の領域の微細パターンが欠陥となったり、第1の領域と第2の領域とで微細パターンのバラツキが発生したりする。
本発明は、転写材料膜を基材の表面に形成する工程、モールドの反転パターンを転写材料膜に転写する工程、転写材料膜をエッチングマスクとしてエッチングを行う工程、残った転写材料膜を除去する工程を1サイクルとし、該サイクルを2回繰り返すことによって微細パターンを表面に有する物品を製造する方法において、2回目のサイクルにおけるエッチングの際に、1回目のサイクルにおいて形成された微細パターンがエッチングされることがない方法を提供する。
本発明の微細パターンを表面に有する物品の製造方法は、基材の表面の第1の領域と、該第1の領域とは異なる位置にある第2の領域のそれぞれに微細パターンを形成することによって、微細パターンを表面に有する物品を製造する方法であって、
(a)前記基材の表面に、転写材料を含む塗工用組成物を塗布し、第1の転写材料膜を形成する工程と、
(b)前記第1の領域において、前記微細パターンの反転パターンを表面に有するモールドの、該反転パターンを前記第1の転写材料膜に転写して、前記第1の転写材料膜に前記微細パターンに対応するマスクパターンを形成する工程と、
(c)前記マスクパターンが形成された前記第1の転写材料膜をエッチングマスクとしてエッチングを行い、前記基材の表面の前記第1の領域に前記微細パターンを形成する工程と、
(d)前記基材の表面に残った前記第1の転写材料膜を除去する工程と、
(e)前記第1の領域に前記微細パターンが形成された前記基材の表面に、転写材料を含む塗工用組成物を塗布し、第2の転写材料膜を形成する工程と、
(f)前記第2の領域において、前記微細パターンの反転パターンを表面に有するモールドの、該反転パターンを前記第2の転写材料膜に転写して、前記第2の転写材料膜に前記微細パターンに対応するマスクパターンを形成する工程と、
(g)前記マスクパターンが形成された前記第2の転写材料膜をエッチングマスクとしてエッチングを行い、前記基材の表面の前記第2の領域に前記微細パターンを形成する工程と、
(h)前記基材の表面に残った前記第2の転写材料膜を除去する工程と、
を有し、
前記工程(g)の直前にて、前記基材の表面の前記第1の領域の上に存在する前記第2の転写材料膜の厚さdが、下式(1)を満足することを特徴とする。
r×(H/R)+t<d ・・・(1)。
ただし、rは、前記第2の転写材料膜のエッチングレートであり、Hは、前記第2の領域における目標のエッチング深さであり、Rは、前記基材のエッチングレートであり、tは、前記第2の領域における前記マスクパターンの凹部と前記基材との間の残膜の厚さである。
前記第1の領域と前記第2の領域とは、隣接していることが好ましい。
前記基材は、複数の前記第1の領域と複数の前記第2の領域とを有し、かつ前記第1の領域と前記第2の領域とは、交互に配列されていることが好ましい。
前記工程(a)における前記塗工用組成物およびその塗布量と、前記工程(e)における前記塗工用組成物およびその塗布量とが同じであり、前記工程(b)における前記モールドおよび前記マスクパターンの形成条件と、前記工程(f)における前記モールドおよび前記マスクパターンの形成条件とが同じであり、前記工程(c)におけるエッチング条件と、前記工程(g)におけるエッチング条件とが同じであることが好ましい。
本発明の微細パターンを表面に有する物品は、本発明の微細パターンを表面に有する物品の製造方法によって製造されたものであることを特徴とする。
本発明の光学物品の製造方法は、微細パターンを表面に有する光学物品を製造する方法であって、本発明の微細パターンを表面に有する物品を、前記光学物品の微細パターンの反転パターンを表面に有するモールドとして用い、該モールドの反転パターンを透明基材の表面に転写することを特徴とする。
また、本発明の光学物品の製造方法は、下記の工程を有することが好ましい。
(x)透明基材の表面に、転写材料として光硬化性樹脂を含む塗工用組成物を塗布し、光硬化性樹脂層を形成する工程。
(y)前記した微細パターンを表面に有する物品を、前記光学物品の微細パターンの反転パターンを表面に有するモールドとして用い、当該モールドと透明基材との間に、前記光硬化性樹脂層を挟んだ状態にて光を照射し、光硬化性樹脂層を硬化させて硬化樹脂層とする工程。
(z)硬化樹脂層からモールドを分離して光学物品を得る工程。
本発明の光学物品は、本発明の光学物品の製造方法によって製造されたもの(たとえば、ワイヤグリッド偏光素子、反射防止部材等)であることを特徴とする。
本発明の複製モールドの製造方法は、本発明の微細パターンを表面に有する物品をマスタモールドとして用いて複製モールドを製造する、または、該複製モールドをマスタモールドとして用いてさらに複製モールドを製造することを特徴とする。
本発明の微細パターンを表面に有する物品の製造方法によれば、転写材料膜を基材の表面に形成する工程、モールドの反転パターンを転写材料膜に転写する工程、転写材料膜をエッチングマスクとしてエッチングを行う工程、残った転写材料膜を除去する工程を1サイクルとし、該サイクルを2回繰り返すことによって微細パターンを表面に有する物品を製造する方法において、2回目のサイクルにおけるエッチングの際に、1回目のサイクルにおいて形成された微細パターンがエッチングされることがない。
本発明の微細パターンを表面に有する物品は、微細パターンが比較的大面積であり、かつ微細パターンの欠陥や形状のバラツキが少ない。
本発明の光学物品の製造方法によれば、微細パターンが比較的大面積であり、かつ微細パターンの欠陥や形状のバラツキが少ない光学物品を製造できる。
本発明の光学物品は、微細パターンが比較的大面積であり、かつ微細パターンの欠陥や形状のバラツキが少ない。
本発明の複製モールドの製造方法によれば、微細パターンが比較的大面積であり、かつ微細パターンの欠陥や形状のバラツキが少ない複製モールドを製造できる。
本発明の製造方法で得られる微細パターンを表面に有する物品の一例を示す上面図である。 図1の微細パターンを表面に有する物品のII−II断面図である。 本発明の微細パターンを表面に有する物品の製造方法における工程(a)〜(d)を説明するための断面図である。 本発明の微細パターンを表面に有する物品の製造方法における工程(e)〜(h)を説明するための断面図である。 工程(g)の直前における、マスクパターンが形成された第2の転写材料膜を表面に有する基材の断面図である。 本発明の製造方法で得られる光学物品の一例を示す断面図である。 本発明の光学物品の製造方法における工程(x)〜(z)を説明するための断面図である。
本明細書においては、以下のように定義する。
微細パターンないし反転パターンとは、幅、長さおよび高さ(すなわち、深さ)のうち最小の寸法が1nm〜100μmである1つ以上の凸部および/または凹部からなる形状をいう。
領域とは、モールド1つ分の反転パターンが反転した微細パターンが形成される領域、すなわちモールドの反転パターンと略同じ面積の領域をいう。
転写材料膜とは、転写材料(たとえば、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等)からなる膜または該膜における転写材料が化学的に変化した膜、もしくは元の転写材料膜が物理的に変化した(たとえば形状が変化した)膜をいう。したがって、転写材料が硬化性樹脂である場合、モールドの微細パターンを転写する前後における転写材料膜は、硬化によって化学的に異なる状態に変化し、また、モールドの微細パターンを転写する前後ないしエッチングを行う前後における転写材料膜は、形状が変化しているが、これらはすべて転写材料膜という。また、転写材料が熱可塑性樹脂である場合、モールドの微細パターンを転写する前後ないしエッチングを行う前後における転写材料膜は、形状が変化しているが、これらはすべて転写材料膜という。
(メタ)アクリロイルオキシ基は、アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基をいう。
(メタ)アクリレートは、アクリレートまたはメタクリレートをいう。
<微細パターンを表面に有する物品>
本発明の製造方法で得られる微細パターンを表面に有する物品は、基材の表面の第1の領域と、該第1の領域とは異なる位置にある第2の領域のそれぞれに微細パターンが形成されたものである。
図1は、微細パターンを表面に有する物品の一例を示す上面図であり、図2は、図1のII−II断面図である。物品10は、基材12の表面に複数の凸部22と凸部22間の凹部24とからなる微細パターン20を有する。該表面においては、後述する1回目のサイクルで微細パターン20が形成される矩形の第1の領域(I)と、後述する2回目のサイクルで微細パターン20が形成される矩形の第2の領域(II)とが、隣接しかつX方向およびY方向のそれぞれに交互に配列している。
(基材)
基材の材料としては、シリコン(たとえば、単結晶シリコン、ポリシリコン、アモルファスシリコン等)、石英、ガラス、窒化珪素、窒化アルミニウム、シリコンカーバイド、サファイア、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、金属(たとえば、アルミニウム、ニッケル、銅等)、金属酸化物(たとえば、アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム等)、およびこれらの基材の表面に酸化物層および/または金属層(たとえば、クロム、アルミニウム、ニッケル、モリブデン、タンタル、タングステン、ITO、酸化錫、金、銀、銅、白金、チタン等を主成分とするもの)を形成したもの、ならびに各種樹脂等が挙げられる。基材の材料としては、得られる微細パターンを表面に有する物品をモールドとして用いる場合、シリコン、石英またはガラスが好ましい。
基材は、後述する転写材料膜との密着性をさらに向上させる点から、表面処理されていてもよい。表面処理としては、プライマ塗布処理、オゾン処理、紫外線洗浄処理、プラズマ処理、コロナ処理、フレーム処理、イトロ処理(ITRO株式会社が開発したCombustion Chemical Vapor Deposition の一種の処理)、SPM(Sulfuric Acid Hydrogen Peroxide Mixture)洗浄等が挙げられる。プライマとしては、シランカップリング剤、アルコキシシラン、シラザン等が挙げられる。
(微細パターン)
基材は、その表面に微細パターンが形成される。微細パターンは、後述するモールドの表面の反転パターンを転写して形成されるパターンである。
微細パターンは、複数の凸部と凸部間の凹部とからなる。凸部としては、図示例のような基材の表面に延在する凸条、表面に点在する突起等が挙げられる。
凸条の形状としては、図示例のような直線、曲線、折れ曲がり形状等が挙げられる。凸条は、図示例のように複数が平行に存在して縞状をなしていてもよい。
凸条の、長手方向に直交する方向の断面形状としては、図示例のような長方形、台形、三角形、半円形等が挙げられる。
突起の形状としては、三角柱、四角柱、六角柱、円柱、三角錐、四角錐、六角錐、円錐、半球、多面体等が挙げられる。
凸条の幅は、1nm〜100μmが好ましく、1nm〜10μmがより好ましく、10nm〜500nmが特に好ましい。凸条の幅とは、長手方向に直交する方向の断面における半値全幅を意味する。
突起の幅は、1nm〜100μmが好ましく、1nm〜10μmがより好ましく、10nm〜500nmが特に好ましい。突起の幅とは、底面が細長い場合、長手方向に直交する方向の断面における半値全幅を意味し、また突起の底面が細長くない場合、突起の高さの半分の位置の水平断面における重心を通る線の最小長さを意味する。
凸部の高さ(凹部の深さ)は、1nm〜100μmが好ましく、1nm〜10μmがより好ましく、10nm〜500nmがさらに好ましい。
微細パターンが密集している領域において、隣接する凸部間の間隔は、1nm〜100μmが好ましく、1nm〜10μmがより好ましく、10nm〜500nmがさらに好ましい。隣接する凸部間の間隔とは、凸部の断面の底辺の始端から、隣接する凸部の断面の底辺の始端までの距離を意味する。
前記各寸法は、3箇所で測定した寸法を平均したものである。
凸部の最小寸法は、1nm〜100μmが好ましく、1nm〜10μmがより好ましく、10nm〜500nmが特に好ましい。最小寸法とは、凸部の幅、長さおよび高さのうち最小の寸法を意味する。
凹部の最小寸法は、1nm〜100μmが好ましく、1nm〜10μmがより好ましく、10nm〜500nmが特に好ましい。最小寸法とは、凹部の幅、長さおよび深さのうち最小の寸法を意味する。
(第1の領域および第2の領域)
第1の領域は、後述する工程(a)〜(d)によって微細パターンが形成される領域である。後述する工程(b)において、モールド1つ分の反転パターンが転写されてマスクパターンが形成され、工程(c)において、エッチングによって該マスクパターンに対応する微細パターンが形成される領域を、1つの第1の領域と数える。よって、工程(b)において、モールドの反転パターンを第1の転写材料膜に繰り返し転写した場合、該繰り返し回数と同じ数の第1の領域が基材の表面に存在する。
第2の領域は、後述する工程(e)〜(h)によって微細パターンが形成される領域である。後述する工程(f)において、モールド1つ分の反転パターンが転写されてマスクパターンが形成され、工程(g)において、エッチングによって該マスクパターンに対応する微細パターンが形成される領域を、1つの第2の領域と数える。よって、工程(f)において、モールドの反転パターンを第2の転写材料膜に繰り返し転写した場合、該繰り返し回数と同じ数の第2の領域が基材の表面に存在する。
第1の領域と第2の領域とは、隣接していてもよく、離間していてもよい。微細パターンを大面積化できる点および面積利用効率を高くできる点から、第1の領域と第2の領域とは、隣接していることが好ましい。第1の領域と第2の領域とが隣接している場合、第1の領域の微細パターンと第2の領域の微細パターンとが連続していることが好ましい。すなわち、凸条や溝の場合は、これらが長手方向に切れ目なくかつ幅方向にずれることなく延び、突起や孔の場合は、これらが周期的に繰り返し存在していることが好ましい。
基材は、第1の領域および第2の領域をそれぞれ1つずつ有していてもよく、いずれか一方または両方を複数有していてもよい。効率よく微細パターンを大面積化できる点から、基材は、複数の第1の領域と複数の第2の領域とを有することが好ましい。
基材が複数の第1の領域と複数の第2の領域とを有する場合、上述した従来の(i)の方法における問題を発生させない点から、第1の領域と第2の領域とは、交互に配列されている、すなわち第1の領域同士、第2の領域同士が接する長さが極力短くなるようにすることが好ましい。
(用途)
本発明の製造方法で得られる微細パターンを表面に有する物品は、モールド、光学物品(たとえば、光学素子、反射防止部材等)、バイオチップ、マイクロリアクターチップ、触媒の担持体等として用いることができる。
本発明の製造方法で得られる微細パターンを表面に有する物品は、光学物品、半導体デバイス、記録メディア等をナノインプリントリソグラフィ法にて製造する際のモールドとして用いることができ、大面積のモールドが必要とされる光学物品の製造に好適である。
<微細パターンを表面に有する物品の製造方法>
本発明の微細パターンを表面に有する物品の製造方法は、下記の工程(a)〜(d)からなる1回目のサイクルと、下記の工程(e)〜(h)からなる2回目のサイクルとを有する方法である。
(1回目のサイクル)
(a)図3に示すように、基材12の表面に、転写材料を含む塗工用組成物を塗布し、第1の転写材料膜14を形成する工程。
(b)図3に示すように、第1の領域(I)において、微細パターン20の反転パターン26を表面に有するモールド30の、該反転パターン26を第1の転写材料膜14に転写して、第1の転写材料膜14に微細パターン20に対応するマスクパターン28を形成する工程。
(c)図3に示すように、マスクパターン28が形成された第1の転写材料膜14をエッチングマスクとしてエッチングを行い、基材12の表面の第1の領域(I)に微細パターン20を形成する工程。
(d)図3に示すように、基材12の表面に残った第1の転写材料膜14を除去する工程。
(2回目のサイクル)
(e)図4に示すように、第1の領域(I)に微細パターン20が形成された基材12の表面に、転写材料を含む塗工用組成物を塗布し、第2の転写材料膜16を形成する工程。
(f)図4に示すように、第2の領域(II)において、微細パターン20の反転パターン26を表面に有するモールド30の、該反転パターン26を第2の転写材料膜16に転写して、第2の転写材料膜16に微細パターン20に対応するマスクパターン28を形成する工程。
(g)図4に示すように、マスクパターン28が形成された第2の転写材料膜16をエッチングマスクとしてエッチングを行い、基材12の表面の第2の領域(II)に微細パターン20を形成する工程。
(h)図4に示すように、基材12の表面に残った第2の転写材料膜16を除去する工程。
(製造装置)
工程(a)〜(h)を実施するための製造装置としては、特許文献1に記載された転写装置等、ナノインプリントリソグラフィ法を採用した公知の製造装置が挙げられる。
転写装置は、転写位置を機械的に調節するためのXY可動ステージを備えた物が好ましい。
(工程(a))
基材12の表面に、転写材料を含む液状の塗工用組成物を塗布し、塗工用組成物が溶媒を含む場合は乾燥させることによって、第1の転写材料膜14を形成する。
塗工用組成物の塗布方法としては、スピンコート法、ダイコート法、ディップコート法、インクジェット法、ポッティング法、ロールコート法、キャスト法、バーコート法、スプレーコート法、ブレードコート法、グラビアコート法等が挙げられる。塗布方法としては、スピンコート法、ダイコート法、スプレーコート法またはインクジェット法が好ましい。
塗工用組成物が溶媒を含む場合の乾燥温度は、60℃以上が好ましく、80℃以上がより好ましい。乾燥温度は60℃以上であれば、溶媒を短時間で除去できる利点がある。乾燥温度の上限は、塗工用組成物の熱分解を抑制する観点から、200℃が好ましい。乾燥時間は、30秒〜5分間が好ましい。
第1の転写材料膜の厚さ(ここにおいて、塗工用組成物が溶媒を含む場合は乾燥後の厚さをいう。)、すなわち塗工用組成物の塗布量は、目標のエッチング深さ(すなわち、微細パターンの凹部の深さ)、転写材料膜のエッチングレート、基材のエッチングレートに応じて適宜設定すればよい。
(基材)
基材としては、上述した材料のものが挙げられる。基材の材料としては、シリコン、石英またはガラスが好ましい。転写材料が光硬化性樹脂の場合、基材およびモールドのうち少なくとも一方は、塗工用組成物の光重合開始剤が作用する波長の光を40%以上透過する材料とする。
(転写材料)
転写材料としては、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等が挙げられる。工程(b)を効率よく実施できる点から、転写材料としては、光硬化性樹脂が好ましい。
以降の説明は、転写材料が光硬化性樹脂である場合についての説明のみとし、転写材料が熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂である場合の説明は省略する。
(塗工用組成物)
塗工用組成物は、光硬化性樹脂を含み、必要に応じて含フッ素界面活性剤、光重合開始剤、溶媒、他の添加剤を含む。
光硬化性樹脂としては、硬化速度が速く、硬化物の透明性が高い点から、(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物が好ましい。
(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物(以下、(メタ)アクリレート系化合物とも記す。)としては、1分子あたり(メタ)アクリロイルオキシ基を1〜15個有する化合物が好ましい。
(メタ)アクリレート系化合物は、比較的低分子の化合物(以下、アクリレート系モノマーと記す。)であってもよく、繰り返し単位を2個以上有する比較的高分子量の化合物(以下、(メタ)アクリレート系オリゴマーと記す。)であってもよい。
(メタ)アクリレート系化合物としては、(メタ)アクリレート系モノマーの1種以上からなるもの、(メタ)アクリレート系オリゴマーの1種以上からなるもの、(メタ)アクリレート系モノマーの1種以上と(メタ)アクリレート系オリゴマーの1種以上とからなるものが挙げられる。
(メタ)アクリレート系オリゴマーとしては、繰り返し単位を2個以上有する分子鎖(たとえば、ポリウレタン鎖、ポリエステル鎖、ポリエーテル鎖、ポリカーボネート鎖等)と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する分子構造の(メタ)アクリレート系オリゴマーが挙げられ、硬化後の膜の柔軟性や表面硬度の調整が容易であること、さらに基材との密着性に優れるという点から、ウレタン結合と2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基とを有するウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーがより好ましく、ウレタン結合と6〜15個の(メタ)アクリロイルオキシ基とを有するウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーがさらに好ましい。
塗工用組成物中の溶媒の割合は、使用する塗工手段に応じて、乾燥後に目標とする膜厚が得られるように設計することが好ましい。溶媒で希釈することで、塗工用組成物の粘度を低減させて薄膜塗工しやすくする効果と、塗工後に溶媒を蒸発させることで膜厚減少するために薄膜を得やすくなる効果がある。
塗工用組成物は、転写材料膜の平坦性、転写材料膜とモールドとの離型性の点から、含フッ素界面活性剤を含むことが好ましい。
含フッ素界面活性剤としては、フッ素含有量が10〜70質量%の含フッ素界面活性剤が好ましく、フッ素含有量が10〜40質量%の含フッ素界面活性剤がより好ましい。含フッ素界面活性剤は、水溶性であってもよく、脂溶性であってもよい。
含フッ素界面活性剤としては、アニオン性含フッ素界面活性剤、カチオン性含フッ素界面活性剤、両性含フッ素界面活性剤、またはノニオン性含フッ素界面活性剤が好ましく、塗工用組成物における相溶性、および転写材料膜における分散性の点から、ノニオン性含フッ素界面活性剤がより好ましい。
塗工用組成物における含フッ素界面活性剤の割合は、塗工用組成物のうち硬化樹脂として残る成分の量を100質量%としたときに、0.05〜5質量%が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましい。含フッ素界面活性剤の割合が0.05質量%以上であれば、転写材料膜の平坦性、転写材料膜とモールドとの離型性が良好となる。含フッ素界面活性剤の割合が5質量%以下であれば、塗工用組成物の他の成分と安定的に均一混合の状態を保ちやすく、硬化後の樹脂パターン形状への影響も抑えられる。
塗工用組成物は、光硬化性の点から、光重合開始剤を含むことが好ましい。
光重合開始剤としては、アセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤、α−アミノケトン系光重合開始剤、α−ヒドロキシケトン系光重合開始剤、α−アシルオキシムエステル、ベンジル−(o−エトキシカルボニル)−α−モノオキシム、アシルホスフィンオキシド、グリオキシエステル、3−ケトクマリン、2−エチルアンスラキノン、カンファーキノン、テトラメチルチウラムスルフィド、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキシド、ジアルキルパーオキシド、tert−ブチルパーオキシピバレート等が挙げられ、感度および相溶性の点から、アセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、α−アミノケトン系光重合開始剤またはベンゾフェノン系光重合開始剤が好ましい。
塗工用組成物における光重合開始剤の割合は、塗工用組成物のうち硬化樹脂として残る成分の量を100質量%としたときに、0.01〜5.0質量%が好ましく、0.1〜3.0質量%がより好ましい。光重合開始剤の割合が0.01質量%以上であれば、少ない光量で硬化を進めることができるため、プロセスにかかる時間を短くできる。光重合開始剤の割合が5.0質量%以下であれば、塗工用組成物の他の成分と均一に混ざりやすく、光硬化後の分子量低下による強度の低下を抑制できる。
塗工用組成物は、溶媒を含むことが好ましい。溶媒としては、エステル類、ケトン類、アルコール類、環式エーテル類等が挙げられる。
塗工用組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、光増感剤、重合禁止剤、樹脂、金属酸化物微粒子、炭素化合物、金属微粒子、他の有機化合物等の他の添加剤を含んでいてもよい。
(工程(b))
第1の領域(I)において、第1の転写材料膜14と接する面(反転パターン26が形成された面)が矩形のモールド30を、第1の転写材料膜14に押し付け、モールド30と基材12との間に第1の転写材料膜14を挟んだ状態にて、モールド30と基材12との間に挟まれた第1の転写材料膜14のみに光を選択的に照射し、該第1の転写材料膜14を硬化させる。第1の転写材料膜14を硬化させた後、第1の転写材料膜14からモールド30を分離する。このようにして、モールド30の反転パターン26を第1の転写材料膜14に転写して、第1の領域(I)の第1の転写材料膜14に微細パターン20に対応するマスクパターン28を形成する。
第1の領域(I)が複数ある場合は、工程(b)を第1の領域(I)の数だけ繰り返し実施する。
また、工程(b)を繰り返し実施する場合、次の工程(b)に移行する際には、第1の領域(I)と第2の領域(II)とが隣接し、かつX方向およびY方向のそれぞれに交互に配列するように、モールド30または基材12を面方向(X方向またはY方向)に、かつ第2の領域(II)の分だけ平行に移動させることが好ましい。
すべての第1の領域(I)の第1の転写材料膜14にマスクパターン28を形成した後、第1の転写材料膜14の全面に光を照射し、第1の領域(I)以外の第1の転写材料膜14を硬化させる。
モールドを第1の領域に移動させる手段としては、特許文献1に記載された手段等、公知の手段を用いればよい。
モールドを転写材料膜に押し付ける際の、モールドや基材の位置の調整は、特許文献1に記載された調整方法等、公知の方法によって行えばよい。
モールドから転写材料膜に加わる圧力は、0.05MPa以上が好ましく、0.3MPa以上がより好ましく、2MPa以上が特に好ましい。圧力が0.05MPa以上であれば、モールドと光硬化性樹脂の接触が促進され、接触不良が低減する。さらに圧力が2MPa以上であれば、残膜の厚さの均一性が向上する。モールドから転写材料膜に加わる圧力は、基材やモールドの耐久性の点から、50MPa以下が好ましい。
モールドと基材との間への転写材料膜の挟みこみは、大気圧下で行ってもよく、減圧下で行ってもよい。大気圧下で行った場合、減圧のための大掛かりな装置が不要となり、また、該工程の時間が短縮され、また、転写材料膜に含まれる成分の揮発が抑えられる。減圧下で行なった場合、挟みこみ時の泡の噛みこみが抑えられ、溝や孔に対して光硬化性樹脂が充填しやすいといった利点がある。
転写材料膜に照射される光としては、紫外線、可視光線、赤外線、電子線、放射線等が挙げられる。
紫外線の光源としては、殺菌灯、紫外線用蛍光灯、カーボンアーク、キセノンランプ、複写用高圧水銀灯、中圧または高圧水銀灯、超高圧水銀灯、無電極ランプ、メタルハライドランプ、自然光等が挙げられる。
光の照射は、常圧下で行ってもよく、減圧下で行ってもよい。また、空気中で行ってもよく、窒素雰囲気、二酸化炭素雰囲気等の不活性ガス雰囲気で行ってもよい。
(モールド)
モールドの材料としては、非透光材料または透光材料が挙げられる。
非透光材料としては、シリコン、金属(たとえば、ニッケル、銅、ステンレス、チタン等)、SiC、マイカ等が挙げられる。
透光材料としては、石英、ガラス、各種樹脂(たとえば、ポリジメチルシロキサン、環状ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、透明フッ素樹脂等)等が挙げられる。
モールドおよび基材のうち少なくとも一方は、光重合開始剤が作用する波長の光を40%以上透過する材料とする。
(工程(c))
マスクパターン28が形成された第1の転写材料膜14をエッチングマスクとしてエッチングを行い、基材12の表面の第1の領域(I)に微細パターン20を形成する。
エッチングの方法としては、公知の方法が挙げられ、ハロゲン系ガスを用いたエッチング法が好ましい。
(工程(d))
エッチングの後、基材12の表面に残った第1の転写材料膜14を除去する。
除去方法としては、剥離液等によるウエット処理、酸素プラズマや真空紫外線等によるドライ処理、転写材料の熱分解を促す温度での熱処理等が挙げられる。
(工程(e))
(第2の転写材料膜の形成)
第1の領域(I)に微細パターン20が形成された基材12の表面に、転写材料を含む液状の塗工用組成物を塗布し、塗工用組成物が溶媒を含む場合は乾燥させることによって、第2の転写材料膜16を形成する。
工程(e)は、工程(a)と同様に行えばよく、工程(a)と同じ内容については、その説明を省略する。
工程(e)において基材12の表面の第1の領域(I)の上に塗布された塗工用組成物の一部が、第1の領域(I)に形成された微細パターン20の凹部24に流れ込むため、第1の領域(I)の上に存在する第2の転写材料膜16には陥没部18が形成される。陥没部18の分だけ、第1の領域(I)の上に存在する第2の転写材料膜16の厚さが薄くなる。
第2の転写材料膜の厚さ(塗工用組成物が溶媒を含む場合は乾燥後の厚さ)、すなわち塗工用組成物の塗布量は、第2の領域における目標のエッチング深さ(すなわち、微細パターンの凹部の深さ)、転写材料膜のエッチングレート、基材のエッチングレートに応じて適宜設定すればよい。
(工程(f))
第2の領域(II)において、モールド30のうち、反転パターン26が形成された面を第2の転写材料膜16に押し付け、モールド30と基材12との間に第2の転写材料膜16を挟んだ状態にて、モールド30と基材12との間に挟まれた第2の転写材料膜16のみに光を選択的に照射し、該第2の転写材料膜16を硬化させる。第2の転写材料膜16を硬化させた後、第2の転写材料膜16からモールド30を分離する。このようにして、モールド30の反転パターン26を第2の転写材料膜16に転写して、第2の領域(II)の第2の転写材料膜16に微細パターン20に対応するマスクパターン28を形成する。
工程(f)は、工程(b)と同様に行えばよく、工程(b)と同じ内容については、その説明を省略する。
第2の領域(II)が複数ある場合は、工程(f)を第2の領域(II)の数だけ繰り返し実施する。
また、工程(f)を繰り返し実施する場合、次の工程(f)に移行する際には、第1の領域(I)と第2の領域(II)とが隣接し、かつX方向およびY方向のそれぞれに交互に配列するように、モールド30または基材12を面方向(X方向またはY方向)に、かつ第1の領域(I)の分だけ平行に移動させることが好ましい。
すべての第2の領域(II)の第2の転写材料膜16にマスクパターン28を形成した後、第2の転写材料膜16の全面に光を照射し、第2の領域(II)以外の第2の転写材料膜16を硬化させる。
第2の領域の第2の転写材料膜にモールドを押し付ける際には、第1の領域の微細パターンと第2の領域の微細パターンとが連続するように、モールドや基材の位置の補正を行うことが好ましい。モールドや基材の位置の補正は、特許文献1に記載された補正方法等、公知の方法によって行うことができる。
(工程(g))
マスクパターン28が形成された第2の転写材料膜16をエッチングマスクとしてエッチングを行い、基材12の表面の第2の領域(II)に微細パターン20を形成する。
工程(g)は、工程(c)と同様に行えばよく、工程(c)と同じ内容については、その説明を省略する。
図5は、工程(g)の直前における、マスクパターン28が形成された第2の転写材料膜16を表面に有する基材12の断面図である。
本発明においては、工程(g)の直前にて、基材12の表面の第1の領域(I)の上に存在する第2の転写材料膜16の厚さdが、下式(1)を満足している必要がある。
r×(H/R)+t<d ・・・(1)。
dは、基材12の表面の第1の領域(I)の上に存在する第2の転写材料膜16の厚さ、すなわち第1の領域(I)の微細パターン20の最頂部から陥没部18の最底部までの厚さ方向の距離である。
rは、第2の転写材料膜16のエッチングレートである。なお、酸素ガスを用いたエッチングによって、残膜の厚さtよりも薄い厚さで第2の転写材料膜16をあらかじめエッチングした後、ハロゲン系ガスを用いたエッチングを行う場合は、ハロゲン系ガスを用いたエッチングにおけるエッチングレートとする。
Hは、第2の領域(II)における目標のエッチング深さ、すなわち微細パターン20の凹部24の深さである。
Rは、基材12のエッチングレートである。
tは、第2の領域(II)におけるマスクパターン28の凹部と基材12との間の残膜の厚さである。
式(1)における「H/R」は、基板12を目標のエッチング深さHだけエッチングするのに必要な時間である。よって、式(1)における「r×(H/R)」は、基板12を目標のエッチング深さHだけエッチングしている間にエッチングされる第2の転写材料膜16の厚さとなる。
したがって、厚さdが、残膜をエッチングしている間にエッチングされる第2の転写材料膜16の厚さ(厚さtと等しい)と、基板12を目標のエッチング深さHだけエッチングしている間にエッチングされる第2の転写材料膜16の厚さ(r×(H/R))との合計よりも厚ければ、工程(g)の終了時においても、基材12の表面の第1の領域(I)の上に第2の転写材料膜16が残存することになる。よって、工程(g)において第1の領域(I)の微細パターン20がエッチングされることがなく、第1の領域(I)においても所望の形状の微細パターン20が得られる。その結果、第1の領域(I)の微細パターン20の欠陥や、第1の領域(I)と第2の領域(II)との間での微細パターン20のバラツキが少なくなる。
厚さdが式(1)を満足するようにするためには、たとえば、下記の調整を行う。
(α)第2の領域(II)における目標のエッチング深さHを浅くする。
(β)基材12の表面の第1の領域(I)の上に存在する第2の転写材料膜16の厚さdを厚くする。
(γ)レジスト選択比(R/r)を大きくする。
(δ)残膜の厚さtを薄くする。
(ε)予備実験を行い、厚さdが式(1)を満足する塗工用組成物の塗布量を調べる。
(α)について:
製造条件上の制約から、エッチングレートr、R、厚さt、dを変更できない場合、目標のエッチング深さHを浅くすることによって、式(1)の左辺を小さくできる。
(β)について:
下記する(1)又は(2)の方法等によって、第1の領域(I)の微細パターン20の凹部24に流れ込む塗工用組成物の量が減り、厚さdを厚くすることができる。
(1)第1の領域(I)の微細パターン20の凹部24の深さを浅くする。
(2)第1の領域(I)の微細パターン20の開口比(凹部24の幅/(凸部22の幅+凹部24の幅))を小さくする。
(γ)について:
基材12の材料や転写材料を選択できる場合には、レジスト選択比(R/r)が大きくなるように材料を選択することによって、式(1)の左辺を小さくできる。
(δ)について:
下記する(1)〜(4)の方法等によって、残膜の厚さtを薄くし、上記式(1)の左辺を小さくすることができる。
(1)塗工用組成物の塗布量を少なくする。
(2)モールド30から第2の転写材料膜16に加わる圧力を大きくする。
(3)モールド30の反転パターン26の凹部の深さを深くする。
(4)モールド30の反転パターン26の開口比を大きくする。
なお、(1)の方法では厚さdも薄くなってしまうため、(2)〜(4)の方法で残膜の厚さtを調整することが好ましい。
(ε)について:
物品の設計上、製造条件上の制約から、エッチングレートr、R、厚さt、目標のエッチング深さHを変更できない場合、予備実験にて塗工用組成物の塗布量を変化させながら基材12の表面の第1の領域(I)の上に第2の転写材料膜16を形成し、厚さdが式(1)を満足するような塗工用組成物の塗布量の範囲を調べる。
物品の設計上、あらかじめ目標とする微細パターンが決まっている場合、(α)〜(ε)のうち、以下の方法(1)〜(3)の方法が特に有効である。
(1)(γ)レジスト選択比を大きくする。
(2)(δ)の(2)モールド30から第2の転写材料膜16に加わる圧力を大きくする。
(3)(δ)の(3)モールド30の反転パターン26の凹部の深さを深くする。
前記工程(a)における前記塗工用組成物およびその塗布量と、前記工程(e)における前記塗工用組成物およびその塗布量とが同じであり、前記工程(b)における前記モールドおよび前記マスクパターンの形成条件と、前記工程(f)における前記モールドおよび前記マスクパターンの形成条件とが同じであり、前記工程(c)におけるエッチング条件と、前記工程(g)におけるエッチング条件とが同じであることが好ましい。全く同じ条件で工程を進めることによって、1回目のサイクルと2回目のサイクルでそれぞれ基板上に形成される微細パターンの形状を容易に一致させることが可能になる。
(工程(h))
エッチングの後、基材12の表面に残った第2の転写材料膜16を除去する。
工程(h)は、工程(d)と同様に行えばよく、工程(d)と同じ内容については、その説明を省略する。
(作用効果)
以上説明した本発明の微細パターンを表面に有する物品の製造方法にあっては、転写材料膜を基材の表面に形成する工程、モールドの反転パターンを転写材料膜に転写する工程、転写材料膜をエッチングマスクとしてエッチングを行う工程、残った転写材料膜を除去する工程を1サイクルとし、該サイクルを2回繰り返す方法(すなわち上述した工程(a)〜(h)を有する方法)において、2回目のサイクルのエッチング(すなわち上述した工程(g))の直前にて、1回目のサイクルで形成された微細パターンの上(すなわち基材の表面の第1の領域の上)に存在する第2の転写材料膜の厚さdが、式(1)を満足するため、2回目のサイクルのエッチングの終了時においても、1回目のサイクルで形成された微細パターンの上に第2の転写材料膜が残存する。そのため、2回目のサイクルにおけるエッチングの際に、1回目のサイクルにおいて形成された微細パターンがエッチングされることがない。
また、本発明の製造方法で得られる微細パターンを表面に有する物品は、転写材料膜を基材の表面に形成する工程、モールドの反転パターンを転写材料膜に転写する工程、転写材料膜をエッチングマスクとしてエッチングを行う工程、残った転写材料膜を除去する工程を1サイクルとし、該サイクルを2回繰り返す方法(すなわち上述した工程(a)〜(h)を有する方法)で製造されるため、微細パターンが比較的大面積である。また、2回目のサイクルにおけるエッチングの際に、1回目のサイクルにおいて形成された微細パターンがエッチングされることがない方法で製造されるため、微細パターンの欠陥や形状のバラツキが少ない。
<光学物品>
本発明の光学物品は、後述する本発明の光学物品の製造方法によって製造されたものである。
本発明の微細パターンを表面に有する物品と同じ内容については、その説明を省略する。
図6は、光学物品の一例を示す断面図である。光学物品40は、透明基材42と、透明基材42の表面に形成された硬化樹脂層44とを有し、硬化樹脂層44が微細パターン50を有するものである。
(基材)
透明基材42の材料としては、石英、ガラス、金属酸化物、各種樹脂等が挙げられる。
透明基材42は、硬化樹脂層44との密着性をさらに向上させる点から、表面処理されていてもよい。
(硬化樹脂層)
硬化樹脂層44は、光硬化性樹脂を含む塗工用組成物(すなわち、光硬化性樹脂組成物)を透明基材42の表面に塗布し、光照射によって光硬化性樹脂組成物を硬化させることによって形成される層である。
(微細パターン)
硬化樹脂層44は、表面に微細パターン50を有する。微細パターン50は、後述するモールドの表面の反転パターンを転写して形成されるパターンである。
微細パターン50は、複数の凸部52と凸部52間の凹部54とからなる。凸部52としては、図示例のような硬化樹脂層44の表面に延在する凸条、表面に点在する突起等が挙げられる。
上記した光学物品は、比較的大面積の微細パターンを得ることができ、かつ微細パターンの欠陥や形状のバラツキが少なく、ワイヤグリッド偏光素子また反射防止部材等の光学部品として好ましく使用することができる。
<光学物品の製造方法>
本発明の光学物品の製造方法は、本発明の微細パターンを表面に有する物品を、光学物品の微細パターンの反転パターンを表面に有するモールドとして用い、該モールドの反転パターンを透明基材の表面に転写する方法である。
モールドの反転パターンを透明基材の表面に転写する方法としては、転写材料として光硬化性樹脂を用いる光ナノインプリントリソグラフィ法、転写材料として熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を用いる熱ナノインプリントリソグラフィ法等が挙げられる。効率よくモールドの反転パターンを透明基材の表面に転写できる点から、光ナノインプリントリソグラフィ法が好ましい。
以降の説明は、転写方法が光ナノインプリントリソグラフィ法である場合についての説明のみとし、転写方法が熱ナノインプリントリソグラフィ法である場合の説明は省略する。
本発明の光学物品の製造方法としては、たとえば、下記の工程(x)〜(z)を有する方法が挙げられる。
(x)図7に示すように、透明基材42の表面に、転写材料として光硬化性樹脂を含む塗工用組成物を塗布し、光硬化性樹脂層46を形成する工程。
(y)図7に示すように、微細パターン50の反転パターンを表面に有するモールド60と、透明基材42との間に、光硬化性樹脂層46を挟んだ状態にて光を照射し、光硬化性樹脂層46を硬化させて硬化樹脂層44とする工程。
(z)硬化樹脂層44からモールド60を分離して光学物品40を得る工程。
(工程(x))
工程(x)は、工程(a)と同様に行えばよく、工程(a)と同じ内容については、その説明を省略する。
この工程における塗工用組成物としては、工程(a)における塗工用組成物と同様のものを用いればよい。
(工程(y))
工程(y)は、工程(b)と同様に行えばよく、工程(b)と同じ内容については、その説明を省略する。
モールド60としては、本発明の微細パターンを表面に有する物品10を、光学物品40の微細パターン50の反転パターンを表面に有するモールドを用いる。
(工程(z))
硬化樹脂層44からモールド60を分離する方法としては、真空吸着によって双方を固定して片方を離す方向に移動させる方法、機械的に双方を固定して片方を離す方向に移動させる方法等が挙げられる。
硬化樹脂層44からモールド60を分離した後、硬化樹脂層44をさらに硬化させてもよい。硬化の方法としては、加熱処理、光照射等が挙げられる。
上記した工程(x)〜(z)を有する製造方法により、ワイヤグリッド偏光素子また反射防止部材等の光学部品を好ましく製造することができる。
(作用効果)
以上説明した本発明の光学物品の製造方法にあっては、微細パターンが比較的大面積であり、かつ微細パターンの欠陥や形状のバラツキが少ない本発明の微細パターンを表面に有する物品をモールドとして用いているため、微細パターンが比較的大面積であり、かつ微細パターンの欠陥や形状のバラツキが少ない光学物品を1回の転写で製造できる。
本発明の製造方法で得られる光学物品は、微細パターンが比較的大面積であり、かつ微細パターンの欠陥や形状のバラツキが少ない本発明の微細パターンを表面に有する物品をモールドとして用いて製造されるため、微細パターンが比較的大面積であり、かつ微細パターンの欠陥や形状のバラツキが少ない。
<複製モールドおよびその製造方法>
本発明の複製モールドの製造方法は、本発明の微細パターンを表面に有する物品を、マスタモールドとして用いて複製モールド(すなわち、子モールド)を製造する方法である。
複製モールドの具体的な製造方法としては、以下の方法等が挙げられる。
・光学物品の製造方法と同様にしてマスタモールドの微細パターンを基材の表面に転写して複製モールドを得る方法。
・マスタモールドの微細パターンの表面に電鋳(ニッケル電鋳等)によって金属を析出させ、微細パターンが転写された金属基材からなる複製モールドを得る方法。
得られた複製モールドをマスタモールドとして用いて、さらに複製モールド(すなわち、孫モールド)を製造してもよい。
(作用効果)
以上説明した本発明の複製モールドの製造方法にあっては、微細パターンが比較的大面積であり、かつ微細パターンの欠陥や形状のバラツキが少ない本発明の微細パターンを表面に有する物品をマスタモールドとして用いているため、微細パターンが比較的大面積であり、かつ微細パターンの欠陥や形状のバラツキが少ない複製モールドを1回の転写で製造できる。
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
例1、2、4、7は実施例であり、例3、5、6、8は比較例である。
(転写材料膜の厚さ)
基材の平坦面の上に存在する転写材料膜の厚さは、卓上膜厚測定システム(フィルメトリクス社製、F20)を用いて測定した。
基材の表面の第1の領域の上に存在する第2の転写材料膜の厚さdは、下記のようにして求めた。
第1の領域の上に存在する第2の転写材料膜に形成された陥没部の周縁について、走査型プローブ顕微鏡(SIIナノテクノロジ社製、L−trace、Nanonavi)を用いて段差量の測定を行った。基材の平坦面の上に存在する第2の転写材料膜の厚さから段差量を差し引くことによって厚さdを求めた。
(残膜の厚さt)
実施例と同条件で作製したダミーサンプルを割断し、割断面における残膜の厚さtを、走査型電子顕微鏡(日立製作所社製、S4300)を用いて測定した。
(微細パターンの評価)
得られた物品の微細パターンを、走査型プローブ顕微鏡(SIIナノテクノロジ社製、L−trace、Nanonavi)を用いて観察し、下記の基準にて評価した。
○:第1の領域の微細パターンの形状が、1回目のサイクル終了時の状態と比べた時に差を見出せない。
×:第1の領域の微細パターンの形状が、1回目のサイクル終了時の状態と比べた時に差がある。
(プライマの調製)
バイヤル容器に、2−プロパノール(純正化学社製、電子工業用試薬)の9g、KBM−503(信越化学工業社製、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン)の4μL、テトラエトキシシラン(東京化成工業社製、特級試薬)の6μL、酢酸水溶液(関東化学社製、特級、20質量%水溶液)の1gをはかりとり、充分な撹拌を行ない、プライマを調製した。
(塗工用組成物の調製)
バイヤル容器に、U−6H(新中村化学工業社製、ウレタンメタクリレート系反応性オリゴマー)の1.00g、S420(AGCセイミケミカル社製、ノニオン性含フッ素界面活性剤)の0.03g、IRGACURE907(BASFジャパン社製、光重合開始剤)の0.03gをはかりとり、さらに、酢酸イソブチル(関東化学社製、鹿特級)の19.00gを加え、充分な撹拌を行ない、塗工用組成物を得た。
〔例1〕
(工程(a))
直径4インチの円形のシリコン基材(SUMCO社製、厚さ:525μm、<1.0.0>面、片面ミラーウエハ)の表面に、調製したプライマをスポイトで滴下し、スピンコータを用い、4000rpmで20秒間のスピンコートを行い、その後、ホットプレート上にて130℃で10分間の熱処理を行った。
プライマ処理を行ったシリコン基材の表面に、塗工用組成物をスポイトで滴下し、スピンコータを用い、3000rpmで20秒間のスピンコートを行い、その後、ホットプレート上にて70℃で2分間加熱して塗膜を脱溶媒し、第1の転写材料膜を形成した。第1の転写材料膜の厚さを表1に示す。
(工程(b))
第1の領域の第1の転写材料膜に対して、ライン・アンド・スペースの微細パターンを有する石英モールド(パターンエリアサイズ:22mm×22mm、ラインの線幅:60nm、スペースの溝幅:60nm、ピッチ:120nm、溝深さ:120nm、外形サイズ:22mm×22mm、厚さ:6.35mm)を、ナノインプリント装置(東芝機械社製、ST50)を用い、大気圧下、25℃にて、3MPaの圧力で40秒間押し付けて密着させ、その状態のまま石英モールド越しに、石英モールドの微細パターンエリアに紫外線(1000mJ/cm)を照射した。その後、石英モールドを剥がし取り、さらに真空下チャンバー中で紫外線(1000mJ/cm)を照射して転写材料を全面硬化させ、マスクパターン付きシリコン基材を得た。
(工程(c))
マスクパターン付きシリコン基材について、ドライエッチング装置を用いて、次の3つのステップを順に行い、異方性エッチングを行なった。
1)Oエッチングによって、第1の転写材料膜の表層(厚さ35nm)を除去した。
2)フッ素系のガス(SF、C)を用い、表1に示す目標のエッチング深さHまでシリコン基材をドライエッチングした。エッチングの時間は、実際にエッチングを行ったサンプルの転写材料膜を剥離し、シリコン基材の溝の深さを走査型プローブ顕微鏡で測定することによって、目標とするエッチング深さHになるように調整した。
3)Oプラズマによって過剰な時間アッシングを行い、表面に付着したCガスプラズマ由来の堆積膜の除去を行った。
(工程(d))
ドライエッチングを行ったシリコン基材を、ホットプレート上で80℃に加熱した濃硫酸に20分間浸漬させた後、さらに80℃に加熱したピラニア液(濃硫酸:過酸化水素水(30%)=3:1(体積比))に20分間浸漬させ、第1の転写材料膜を剥離した。
引き揚げたシリコン基材を超純水で充分に洗浄し、エアーを吹きつけて完全に乾燥させて、第1の領域に微細パターンが形成されたシリコン基材を得た。
(工程(e))
工程(a)と同様にして、プライマ塗布処理を行い、次いで、工程(a)と同様にして、第1の領域に微細パターンが形成されたシリコン基材の表面に塗工用組成物を塗布し、第2の転写材料膜を形成した。第2の転写材料膜の厚さを表1に示す。
(工程(f))
第2の領域の第2の転写材料膜に対して、工程(b)と同様にして石英モールドを押し付けて密着させ、紫外線を石英モールド越しに、石英モールドの微細パターンエリアに照射した。その後、石英モールドを剥がし取り、さらに真空下チャンバー中で紫外線(1000mJ/cm)を照射して転写材料を全面硬化させ、マスクパターン付きシリコン基材を得た。基材の表面の第1の領域の上に存在する第2の転写材料膜の厚さd、残膜の厚さtを表1に示す。
(工程(g)〜(h))
工程(c)と同様にして異方性エッチングを行なった。目標のエッチング深さHを表1に示す。
工程(d)と同様にして第2の転写材料膜を剥離し、微細パターンを表面に有する物品を得た。評価結果を表1に示す。
〔例2〜8〕
工程(c)における目標のエッチング深さH、工程(e)における第2の転写材料膜の厚さ、工程(g)における目標のエッチング深さHを表1に示すように変更した以外は、例1と同様にして微細パターンを表面に有する物品を得た。評価結果を表1に示す。
Figure 2013154077
本発明の微細パターンを表面に有する物品の製造方法は、ナノインプリントリソグラフィ法に用いるモールド、光学物品(たとえば、光学素子、反射防止部材等。具体的には、ライン・アンド・スペースの微細パターンを有するワイヤグリッド偏光素子、モスアイ構造を有する反射防止部材等。)、バイオチップ、マイクロリアクターチップ、触媒の担持体等の製造に有用である。
なお、2012年4月9日に出願された日本特許出願2012−088636号の明細書、特許請求の範囲、図面および要約書の全内容をここに引用し、本発明の開示として取り入れるものである。
10 物品
12 基材
14 第1の転写材料膜
16 第2の転写材料膜
18 陥没部
20 微細パターン
22 凸部
24 凹部
26 反転パターン
28 マスクパターン
30 モールド
40 光学物品
42 透明基材
44 硬化樹脂層
46 光硬化性樹脂層
50 微細パターン
52 凸部
54 凹部
60 モールド

Claims (11)

  1. 基材の表面の第1の領域と、該第1の領域とは異なる位置にある第2の領域のそれぞれに微細パターンを形成することによって、微細パターンを表面に有する物品を製造する方法であって、
    (a)前記基材の表面に、転写材料を含む塗工用組成物を塗布し、第1の転写材料膜を形成する工程と、
    (b)前記第1の領域において、前記微細パターンの反転パターンを表面に有するモールドの、該反転パターンを前記第1の転写材料膜に転写して、前記第1の転写材料膜に前記微細パターンに対応するマスクパターンを形成する工程と、
    (c)前記マスクパターンが形成された前記第1の転写材料膜をエッチングマスクとしてエッチングを行い、前記基材の表面の前記第1の領域に前記微細パターンを形成する工程と、
    (d)前記基材の表面に残った前記第1の転写材料膜を除去する工程と、
    (e)前記第1の領域に前記微細パターンが形成された前記基材の表面に、転写材料を含む塗工用組成物を塗布し、第2の転写材料膜を形成する工程と、
    (f)前記第2の領域において、前記微細パターンの反転パターンを表面に有するモールドの、該反転パターンを前記第2の転写材料膜に転写して、前記第2の転写材料膜に前記微細パターンに対応するマスクパターンを形成する工程と、
    (g)前記マスクパターンが形成された前記第2の転写材料膜をエッチングマスクとしてエッチングを行い、前記基材の表面の前記第2の領域に前記微細パターンを形成する工程と、
    (h)前記基材の表面に残った前記第2の転写材料膜を除去する工程と、
    を有し、
    前記工程(g)の直前にて、前記基材の表面の前記第1の領域の上に存在する前記第2の転写材料膜の厚さdが、下式(1)を満足する、微細パターンを表面に有する物品の製造方法。
    r×(H/R)+t<d ・・・(1)。
    ただし、rは、前記第2の転写材料膜のエッチングレートであり、Hは、前記第2の領域における目標のエッチング深さであり、Rは、前記基材のエッチングレートであり、tは、前記第2の領域における前記マスクパターンの凹部と前記基材との間の残膜の厚さである。
  2. 前記第1の領域と前記第2の領域とが隣接している、請求項1に記載の微細パターンを表面に有する物品の製造方法。
  3. 前記基材が、複数の前記第1の領域と複数の前記第2の領域とを有し、かつ前記第1の領域と前記第2の領域とが交互に配列された、請求項1または2に記載の微細パターンを表面に有する物品の製造方法。
  4. 前記工程(a)における前記塗工用組成物およびその塗布量と、前記工程(e)における前記塗工用組成物およびその塗布量とが同じであり、
    前記工程(b)における前記モールドおよび前記マスクパターンの形成条件と、前記工程(f)における前記モールドおよび前記マスクパターンの形成条件とが同じであり、
    前記工程(c)におけるエッチング条件と、前記工程(g)におけるエッチング条件とが同じである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の微細パターンを表面に有する物品の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の微細パターンを表面に有する物品の製造方法によって製造された、微細パターンを表面に有する物品。
  6. 微細パターンを表面に有する光学物品を製造する方法であって、
    請求項5に記載の微細パターンを表面に有する物品を、前記光学物品の微細パターンの反転パターンを表面に有するモールドとして用い、該モールドの反転パターンを透明基材の表面に転写する、光学物品の製造方法。
  7. 微細パターンを表面に有する光学物品を製造する方法であって、下記の工程を有する請求項6に記載の光学物品の製造方法。
    (x)透明基材の表面に、転写材料として光硬化性樹脂を含む塗工用組成物を塗布し、光硬化性樹脂層を形成する工程。
    (y)請求項5に記載の微細パターンを表面に有する物品を、前記光学物品の微細パターンの反転パターンを表面に有するモールドとして用い、当該モールドと透明基材との間に、前記光硬化性樹脂層を挟んだ状態にて光を照射し、光硬化性樹脂層を硬化させて硬化樹脂層とする工程。
    (z)硬化樹脂層からモールドを分離して光学物品を得る工程。
  8. 請求項6または7に記載の光学物品の製造方法によって製造された、光学物品。
  9. 請求項6または7に記載の光学物品の製造方法を用いて製造された、ワイヤグリッド偏光素子または反射防止部材。
  10. 請求項5に記載の微細パターンを表面に有する物品をマスタモールドとして用いて複製モールドを製造する、複製モールドの製造方法。
  11. 請求項10に記載の複製モールドの製造方法によって製造された複製モールドをマスタモールドとして用いてさらに複製モールドを製造する、複製モールドの製造方法。
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