JPWO2013150639A1 - 硬化層形成装置 - Google Patents

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Abstract

炭素ガスおよび窒素ガスのうちの少なくともいずれか一方のガスを導入する真空チャンバ(2)と、真空チャンバ(2)内に配置され、小物部品を複数個収容可能な容器(3)とを備え、容器(3)に陰極電圧を印加するパルスDC電源(4)と、容器(3)の近傍に設けられたヒータ(5)と、容器(3)を駆動させる駆動装置(6)と、真空チャンバ(2)内にガスを供給するガス供給装置(7)と、真空チャンバ(2)内の圧力を制御する圧力制御装置(71)とを有し、容器(3)は導電性材料で形成され、陰極電圧を印加された容器(3)がグロー放電中に可動陰極として作用することにより、小物部品の表面全体に均一な厚さの硬化層を形成する。

Description

本発明は、金属製の小物部品の表面に硬化層を形成するために用いられる硬化層形成装置に関する。
従来から、鉄鋼材料や各種合金などからなる被処理物の表面の硬化や耐食性を向上させることを目的として、種々の改質処理が行われている。
これらの改質処理のうち、近年ではプラズマを媒体として利用するプラズマ浸炭処理やプラズマ窒化処理が、省資源や省エネルギー、環境への負荷を低減するといった観点から着目されている。
一般的なプラズマ浸炭処理やプラズマ窒化処理では、減圧した処理ガス雰囲気中で、陰極電極上に載置した被処理物と、陽極との間に生じるグロー放電を利用している。
ところで、小型の被処理物に対してプラズマ浸炭処理やプラズマ窒化処理を行う場合、効率を良くするためには、一度に大量の被処理物を処理する必要がある。
しかし、複数個の被処理物に対して均質で安定的な処理を行うためには、被処理物の間隔を互いにあけた状態で陰極電極上に被処理物を治具上に載置する必要があり、被処理物を治具にセットするための手間がかかるといった問題が生じていた。また、一つ一つの被処理物をそれぞれの治具にセットしていたのでは、一度に大量の被処理物を処理することはできない。
そこで、プラズマ放電を利用した表面改質処理を小型の被処理物に対して効率的に行う方法として、例えば特許文献1に記載の方法が提案されている。
この特許文献1には、各種合金からなる超小な球状形状などの被処理物に対し安定かつ均一な窒化物表面層を形成させることを目的としたプラズマ窒化装置および窒化方法が記載されている。具体的には、ボールベアリングなどの超小な球状形状である被処理物を、1つの治具ベース上に複数個載置し、治具ベースを振動、或いは揺動させることにより、安定かつ均一な硬化層を形成しようとするものである。
特開2008−115422号公報
この特許文献1に記載のプラズマ窒化装置および窒化方法では、ボールベアリングなどの超小な球状形状である被処理物を処理対象としている。しかし、このような球状形状ではなく、例えば、ねじ部を有する小物部品(例えば、ねじ、ボルト、ナットなど)や、シャフトのような円柱形状の小物部品を処理する場合にあっては、ねじ部のような高低差の大きい凹凸面を有する小物部品に均一な表面処理を行うこと自体が困難であるのに加えて、複数個の小物部品を1つの治具ベース上に載置すれば小物部品同士が重なり合うため、安定かつ均一な硬化層を表面全体に形成することは極めて困難である。
本発明は、このような事情に鑑み創案されたもので、小物部品を大量に一括して処理し、安定かつ均一な硬化層を形成することが可能な硬化層形成装置を提供するものである。
本発明は、金属製の小物部品の表面に、浸炭層および窒化層のうちの少なくともいずれか一つの硬化層を形成するための装置であって、炭素ガスおよび窒素ガスのうちの少なくともいずれか一方のガスを導入する真空チャンバと、前記真空チャンバ内に配置され、小物部品を複数個収容可能な容器とを備え、前記容器に陰極電圧を印加するパルスDC電源と、前記容器の近傍に設けられたヒータと、前記容器を駆動させる駆動装置と、前記真空チャンバ内に前記ガスを供給するガス供給装置と、前記真空チャンバ内の圧力を制御する圧力制御装置とを有し、前記容器は導電性材料で形成されており、陰極電圧を印加された容器がグロー放電中に可動陰極として作用することにより、小物部品の表面全体に均一な厚さの硬化層を形成することを特徴とする。
なお、本発明における炭素ガス、窒素ガスの用語には、炭素を含むガス、窒素を含むガスが含まれるものとする。また、真空チャンバ内に導入されるガスには、炭素ガス、窒素ガスの他、アルゴンや水素なども含まれる。
この発明によれば、容器に小物部品を複数個収容し、プラズマ雰囲気中でこの容器を動かしながら表面硬化処理を行っているので、容器内に複数の小物部品を収容して処理できるので、大量の小物部品を一括して処理することが可能である。したがって、コストを低減することが可能である。
また、容器は導電性材料で形成されており、陰極電圧を印加された容器がグロー放電中に可動陰極として作用するので、処理速度が速く、しかもプラズマが均一に小物部品を覆うことになる。したがって、小物部品の表面全体に均一な厚さの硬化層を短時間で形成することができる。
さらに、容器に陰極電圧を印加するためにパルスDC電源を用いているので、アーキングやプラズマの不安定化を防止することができ、安定したパルスプラズマ放電を得ることができる。したがって、小物部品の表面全体に均一な厚さの硬化層を好適に形成することができる。
さらにまた、容器内に複数の小物部品を収容し、容器を動かせながらて処理できるので、小物部品を一々治具の上に並べるといった手間を省くことができる。したがって、コストを低減することが可能である。
上記に加えて、容器の近傍に備えられたヒータを用いて加熱しているので、プラズマ放電による加熱と、ヒータによる加熱を併用して容器周囲の温度を均一に上昇させることができる。したがって、所定温度に昇温させるために要する時間を短縮することができる。
本発明は、上記記載の硬化層形成装置において、前記容器は、少なくとも一部が多数孔金属板または金網で形成されたトレイで構成されており、前記駆動装置は、トレイ上の小物部品が水平方向に揺動するように前記トレイを駆動させることを特徴としている。
この発明によれば、トレイ上の小物部品を揺動させながら表面硬化処理を行うので、トレイ上を小物部品がゆっくりと転がる。したがって、小物部品に打痕が付くことが防止できる。
また、前記トレイは、少なくとも一部が多数孔金属板または金網で形成されているので、多数孔等を介して処理ガスがトレイ内に供給される。したがって、トレイの内外にプラズマ雰囲気が発生するので、小物部品がプラズマ雰囲気中に存在することになるため、小物部品の表面全体に安定かつ均一な硬化層を形成することができる。また、小物部品の大きさや形状に応じて孔の形状や大きさを設定して、トレイの設計をすることが可能である。
上記記載の硬化層形成装置において、前記トレイを、複数備えているもので構成してもよい。この場合、大量の小物部品を一度に処理することが可能である。また、小物部品の形状や数量にあわせて適宜トレイを配置することができるので、利便性が高い。
また、本発明は、上記記載の硬化層形成装置において、前記容器は、多数孔板または金網で形成された円周面を有する円筒体の回転容器で構成されており、前記駆動装置は、回転容器を回転駆動させることを特徴とする。
この発明によれば、回転容器に小物部品を複数個収容して、この回転容器を回転させて小物部品を攪拌しながら放電プラズマ中で浸炭処理および窒化処理の少なくともいずれか一方の処理を行うことが可能である。
したがって、小物部品の表面全体に安定かつ均一な硬化層を形成することが可能で、大量の小物部品を一括して処理することができ、プラズマ浸炭またはプラズマ窒化処理、若しくは双方の処理に要するコストを大幅に低減することができる。
また、回転容器は、多数孔板または金網で形成された円周面を有する円筒体であるから、円周面の多数孔等を介して処理ガスが供給される。したがって、回転容器の内外にプラズマ雰囲気が発生するので、小物部品の表面全体に安定かつ均一な硬化層を形成することができる。
また、小物部品の大きさや形状に応じて孔の形状や大きさを設定して、回転容器の設計をすることが可能である。
さらに、回転容器が円筒体で形成されているので、円筒体の円周面を水平面とした横置き状態で、円筒中心軸(両側面の円中心を貫通する軸)回りに回転させると、回転容器内に収容した小物部品が好適に攪拌されるので、安定かつ均一な硬化層を小物部品の表面全体に効率良く形成することができる。
上記記載の硬化層形成装置において、前記駆動装置を、前記真空チャンバの外部に備えるように構成してもよい。この場合、駆動装置が高温になることが防止できるので、熱膨張による不具合などを防止することが可能である。
本発明によれば、小物部品の表面全体に安定かつ均一な硬化層を形成することが可能で、大量の小物部品を一括して処理することが可能な硬化層形成装置を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る硬化層形成装置の概要を示す概略図である。 本発明の第1実施形態に係るトレイを示す概略図である。 本発明の第1実施形態に係るトレイに小物部品を配置した例を示す概略斜視図である。 本発明の第2実施形態に係る硬化層形成装置の概要を示す概略図である。
以下、本発明に係る硬化層形成装置1の実施の形態について説明する。
<第1実施形態>
この硬化層形成装置1は、図1に示すように、真空チャンバ2内に、小物部品を複数個収容可能な金属製の容器3が備えられ、このトレイ3に陰極電圧を印加するパルスDC電源4と、容器3の近傍に設けられたヒータ5と、容器3を水平方向に揺動するように駆動させるモータ(駆動装置)6、および真空チャンバ2内に前記ガスを供給するガス供給装置7を有している。
真空チャンバ2は、例えばオーステナイト系ステンレス鋼で形成されており、放電による余分な不純物のスパッタを防止するように図られている。
なお、真空チャンバ2内には、炭素ガスおよび窒素ガスのうちの少なくともいずれか一方のガスが導入されるが、炭素ガス、窒素ガスの他、アルゴンや水素なども含まれる。
容器3は、多数孔板(パンチングメタル)からなる底面を有する導電性材料(例えばステンレス製)のトレイ31で形成され、内部に多数の小物部品を収容可能に構成されている。
このように、トレイ31の底面32が多数孔板で形成されているので、底面32の多数孔を介して処理ガスがトレイ31内に供給される。したがって、トレイ31の内外にプラズマ雰囲気が発生するので、小物部品の表面全体に安定かつ均一な硬化層を形成することができる。
また、小物部品の大きさや形状に応じて孔の形状や大きさを設定して、トレイ31の設計をすることが可能である。
さらに、トレイ31は、被処理物の大きさや形状、数量に応じて仕切りを設け、小型のカゴや、列状に形成されたカゴを形成してもよい。
なお、被処理物としては、種々の小物部品が適用可能であるが、特にシャフトのような円柱形状の小物部品に好適に適用される。本実施形態では、シャフトに適用した場合を例にとって説明する。
シャフトは、その機能上、凸状の打痕や放電痕の発生は致命的な欠陥となってしまう。そこで、図3に示すように、本実施形態の硬化層形成装置1を用いて、トレイ31の列状のカゴ33にシャフト8をローラーコンベアのように並べ、トレイ31を揺動させることによりシャフト8がトレイ31上を転がるようにして、プラズマ浸炭・窒化処理を行うと、打痕が発生することなく、プラズマ浸炭・窒化処理を行うことが可能である。また、プラズマ浸炭・窒化処理中の真空チャンバ2内において、列状のカゴ33の周囲には均一なグロー放電が発生するので、シャフト8に放電痕が発生することが防止される。
これは、後述するヒータ5の加熱により、低い電圧でガスを解離できるので、被処理物である小物部品の温度が均一となり、グロー放電が均一に発生するためである。
なお、容器3には、図2に示すように、複数段のトレイ31を設けるのが好ましい。トレイ31を多数設けることにより、大量の被処理物を一度に処理できるからである。
パルスDC電源4は、プラズマ発生用として印加される電源であって、例えば300Vから800Vの範囲内の電圧が印加されるように設定される。また、容器3に陰極電圧を印加し、真空チャンバ2に陽極電圧を印加している。
ヒータ5は、例えばシーズヒータで構成されており、容器3の近傍に備えられている。このように容器3の近傍にヒータ5を備えることにより、プラズマ放電による加熱と、ヒータ5による加熱を併用して容器3の周囲の温度を上昇させることができる。したがって、所定温度に昇温させるために要する時間を短縮することができる。また、このように熱源が2つ有ることから、処理時のプラズマによるガスの解離状態を調整することができる。
容器3内の温度計測については、例えばサーモカップルを容器3の近傍に配置して行っている。また、シーケンサーを用いて、高精度な昇温制御を行う加熱制御装置51を備えている。
モータ6は、トレイ31の底面32を水平面とした横置き状態で、水平方向から若干傾斜させた状態で往復動させ、トレイ31上の小物部品(シャフト8)を水平方向に揺動させるための駆動手段として用いられるものである。このように、トレイ31上の小物部品(シャフト8)が水平方向に揺動すると、シャフト8が回転移動するため、シャフト8の表面全体を均一に処理することが可能になる。
なお、モータ6は真空チャンバ2の外部に設けることが好ましい。モータ6を真空チャンバ2の外部に設けると、プラズマ放電やヒータによりモータが高温になることが防止できるため、熱膨張による不具合などを防止することが可能になるからである。
ガス供給装置7は、真空チャンバ2内に炭素ガスおよび窒素ガスのうちの少なくともいずれか一方のガスを導入するためのものであり、高品位なバルブが用いられている。また、優れた表面処理層の均一性および製品間の品質の均一性を担保するために、高品位なマスフローコントローラーを使用してガス流量の制御を行っている。
さらに、プラズマ放電中の圧力を制御するために、ガスの種類やプラズマの影響を受けない真空測定子(キャパシタンス・マノメーター)を採用し、この真空測定子の信号に基づいて真空チャンバ2内の圧力を制御する圧力制御装置71を備えている。また、真空ポンプ(図示省略)も備えている。
なお、容器3周囲の温度は、350℃から800℃の範囲内に加熱されるように設定されており、小物部品の表面全体に硬化層を形成する。
また、真空チャンバ内の処理圧力は、数Paから数百Paの範囲内、印加電圧は、数百Vから数千Vの範囲内に設定される。
次に、上記の硬化層形成装置1を用いた硬化層形成方法について説明する。
まず、真空チャンバ2内に備えられた容器3(トレイ31)上に小物部品を複数個収容する。このとき、トレイ31上に例えばシャフト8をローラーコンベア状に並べる(図3参照)。
次に、真空チャンバ2内部を減圧した後、炭素ガスおよび窒素ガスのうちの少なくともいずれか一方のガスを供給して、このガス雰囲気中で容器3に陰極電圧を印加してプラズマ放電を行う一方、容器3を揺動させながら、ヒータ5を用いて容器内の温度を350℃から800℃の範囲内に加熱し、シャフト8の表面全体に硬化層を形成する。
なお、炭素ガスには、炭素ガスを含むガスが含まれており、例えば、CH4、C22とArの混合ガスであってもよい。また、窒素ガスには窒素ガスを含むガスが含まれており、例えば、N22で若しくはArの混合ガスであってもよい。
また、小物部品(シャフト8)は、オーステナイト系ステンレス鋼で形成されていても良い。
オーステナイト系ステンレス鋼は、耐食性、靭性に優れているが、柔らかいために凝着磨耗を発生しやすく、耐磨耗性に劣るという欠点がある。一方、従来の高温での浸炭、窒化処理では、ステンレス鋼の耐食性が著しく低下するといった問題があった。そこで、本発明では350℃から800℃の低温で処理することにより、耐食性を損なうことなく、硬化層を形成して表面を硬くすることにより、靭性を担保しつつ耐摩耗性を強化した小物部品を提供することが可能になる。
ここで、処理温度の下限値を350℃としているのは、次の理由による。すなわち、処理温度が350℃を下回ると、窒素或いは炭素の拡散速度が低くなることから、実用的な厚さの硬化層を得るためには、非常に長時間の窒化或いは浸炭処理が必要となる。このように処理に長時間を要すると、コストが嵩み、実用的ではない。
また、真空チャンバ内の処理圧力は、数Paから数百Paの範囲内、印加電圧は、数百Vから数千Vの範囲内に設定されるのが好適である。
上記の方法でシャフトの窒化処理、浸炭処理、または窒化処理と浸炭処理の複合処理を行った結果、打痕の発生は無く、大きな放電痕も生じていなかった。また、全面に均等な厚さの高硬度と耐食性を併せ持つS層が形成されており、優れた品質を有していることが確認された。
以上、本発明の第1実施形態について説明したが、上述した例に限られるものではない。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
この第2実施形態は、図4に示すように、容器の形状と駆動動作が第1実施形態と異なっているものであって、主として異なる形態について説明し、同じ形態については説明を省略する。
回転容器300は、多数孔板(パンチングメタル)からなる円周面を有するステンレス製の円筒体で形成され、内部に多数(2000個ないし3000個程度)の小物部品を収容可能に構成されている。
このように、回転容器300の円周面が多数孔板で形成されているので、円周面の多数孔を介して処理ガスが供給される。したがって、回転容器300の内外にプラズマ雰囲気が発生するので、小物部品の表面全体に安定かつ均一な硬化層を形成することができる。
また、小物部品の大きさや形状に応じて孔の形状や大きさを設定して、回転容器300の設計をすることが可能である。
さらに、回転容器300の円周面を形成している多数孔板を着脱自在に構成してもよい。この場合、小物部品に応じた多数孔板を数種類用意しておき、被処理物に応じて付け替えたり、多数孔板が劣化したときに取り替えることが可能になる。
なお、回転容器300には、小物部品を出し入れするための開口と、この開口を開閉するための蓋部が設けられている。
モータ6は、回転容器300を円筒体の円周面を水平面とした横置き状態で、円筒中心軸(両側面の円中心を貫通する軸)回りに回転させるための駆動手段として用いられるものである。
この実施形態では、被処理物である小物部品は、特にねじのような表面に凹凸のある小物部品を処理するのに適している。
つまり、回転容器3に多数のねじを収容し、プラズマ雰囲気中でこの回転容器300を回転させながら表面硬化処理を行っているので、回転容器300の内部でねじが攪拌される。したがって、ねじの近傍における処理ガスの流れやプラズマシースの分布が攪拌されることにより変化するため、ねじの表面全体に均一な厚さの硬化層を形成することができる。
本発明に係る硬化層形成方法および装置は、小物部品の表面全体に安定かつ均一な硬化層を形成することが可能で、大量の小物部品を一括して処理することができる点で有益である。
1 硬化層形成装置
2 真空チャンバ
3 容器
31 トレイ
300 回転容器
4 パルスDC電源
5 ヒータ
6 モータ(駆動装置)
7 ガス供給装置
71 圧力制御装置
8 シャフト(小物部品)

Claims (5)

  1. 金属製の小物部品の表面に、浸炭層および窒化層のうちの少なくともいずれか一つの硬化層を形成するための装置であって、
    炭素ガスおよび窒素ガスのうちの少なくともいずれか一方のガスを導入する真空チャンバと、前記真空チャンバ内に配置され、小物部品を複数個収容可能な容器とを備え、
    前記容器に陰極電圧を印加するパルスDC電源と、前記容器の近傍に設けられたヒータと、前記容器を駆動させる駆動装置と、前記真空チャンバ内に前記ガスを供給するガス供給装置と、前記真空チャンバ内の圧力を制御する圧力制御装置とを有し、
    前記容器は導電性材料で形成されており、陰極電圧を印加された容器がグロー放電中に可動陰極として作用することにより、小物部品の表面全体に均一な厚さの硬化層を形成することを特徴とする硬化層形成装置。
  2. 請求項1に記載の硬化層形成装置において、
    前記容器は、少なくとも一部が多数孔金属板または金網で形成されたトレイで構成されており、
    前記駆動装置は、前記トレイ上の小物部品が水平方向に揺動するように前記トレイを駆動させることを特徴とする硬化層形成装置。
  3. 請求項2に記載の硬化層形成装置において、
    前記トレイは、複数備えられていることを特徴とする硬化層形成装置。
  4. 請求項1に記載の硬化層形成装置において、
    前記容器は、多数孔板または金網で形成された円周面を有する円筒体の回転容器で構成されており、
    前記駆動装置は、前記回転容器を回転駆動させることを特徴とする硬化層形成装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の硬化層形成装置において、
    前記駆動装置は、前記真空チャンバの外部に備えられていることを特徴とする硬化層形成装置。
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