JPWO2013137172A1 - バイオセンサ - Google Patents

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Abstract

保管状態においてメディエータが還元されるのを抑制することができる技術を提供する。酸素原子の二重結合を有する親水性高分子を含む親水層106aに分離して積層された試薬層(酵素層106b、メディエータ層106c)には、酵素およびメディエータと、酸素原子の二重結合を有さない親水性高分子とが含まれている。したがって、メディエータの周囲が酸素原子の二重結合を有さない親水性高分子により囲まれた状態となるので、保管状態においてメディエータ層106cに含まれるメディエータが親水層106aの親水性高分子であるCMCと接触するのを防止することができ、メディエータが親水層106aの酸素原子の二重結合を有する親水性高分子により還元されるのを抑制することができる。

Description

本発明は、作用極および対極を含む電極系が設けられた電極層と、キャビティを形成するためのスリットが形成されて電極層に積層されるスペーサ層と、キャビティに連通する空気穴が形成されてスペーサ層に積層されるカバー層と、作用極および対極に設けられた反応層とを備えるバイオセンサに関する。
図8の従来のバイオセンサに示すように、作用極501および対極502を含む電極系と、測定対象物質と特異的に反応する酵素を含む反応層503とを有するバイオセンサ500を用いて、試料に含まれる測定対象物質と反応層503とが反応することで生成される還元物質を作用極501と対極502との間に電圧を印加して酸化することにより得られる酸化電流を計測することで測定対象物質の定量を行う物質の測定方法が知られている(例えば特許文献1参照)。
図8に示すバイオセンサ500は、試料に含まれるグルコースを定量するためのセンサであって、ポリエチレンテレフタレートやポリイミドなどの絶縁性基板に電極が設けられて形成された電極層504と、カバー層506と、電極層504とカバー層506とに挟まれて配置されるスペーサ層505とが積層されて形成される。また、スペーサ層505には、試料が供給されるキャビティ507を形成するためのスリットが設けられており、電極層504にスペーサ層505を介してカバー層506が積層されて接着されることで、電極層504と、スペーサ層505のスリットの部分と、カバー層506とにより試料が供給されるキャビティ507が形成される。そして、スリットの開口部分によりバイオセンサ500の側面に形成される試料導入口からキャビティ507に試料が供給される。また、カバー層506には、毛細管現象による試料のキャビティ507への供給を円滑に行うために、キャビティ507の終端部と連通する空気穴506aが形成されている。
また、電極層504には、作用極501および対極502が設けられ、これらの電極501,502にそれぞれ電気接続される電極パターンが設けられることにより電極層504に電極系が形成されている。また、作用極501および対極502上には反応層503が設けられており、作用極501および対極502は、それぞれバイオセンサ500に形成されたキャビティ507に露出するように電極層504に設けられている。
したがって、液体から成る試料がキャビティ507に試料導入口から供給されると、キャビティ507に露出する各電極501,502と反応層503とが試料に接触すると共に、反応層503が試料に溶解する。
また、作用極501および対極502上に設けられた反応層503は、電極層504上に設けられ、親水性高分子であるカルボキシメチルセルロース(CMC)を含む親水層503aと、親水層503aに積層され、試料に含まれるグルコースに特異的に反応するグルコースオキシダーゼおよびメディエータ(電子受容体)としてのフェリシアン化カリウムを含む試薬層503bとにより形成されている。そして、電極層504上に設けられた親水層503aにより、各電極501,502が保護されると共に、試薬層503bの剥離が防止されている。
また、フェリシアン化カリウムが試料に溶解することによるフェリシアン化イオンは、グルコースオキシダーゼと反応してグルコースがグルコノラクトンに酸化される際に放出される電子により還元体であるフェロシアン化イオンに還元される。したがって、バイオセンサ500に形成されたキャビティ507にグルコースを含む試料が試料導入口から供給されると、フェリシアン化イオンはグルコースが酸化されることにより放出される電子により還元されるため、試料に含まれて酵素反応により酸化されるグルコースの濃度に応じた量だけフェリシアン化イオンの還元体であるフェロシアン化イオンが生成される。
このよう構成されたバイオセンサ500では、酵素反応の結果生じたメディエータの還元体を作用極501上で酸化することにより得られる酸化電流が試料中のグルコース濃度に依存した大きさとなるため、この酸化電流を計測することにより試料に含まれるグルコースの定量を行うことができる。
特開2001−281202号公報(段落0017,0018、図2など)
ところで、血液試料には赤血球などの血球が含まれており、上記した酸化電流の大きさは、血液試料中の血球の容積の割合を示すヘマトクリット値の大きさに影響されることが知られている。そこで、上記したバイオセンサ500では、電極層504上に設けられ、親水性高分子であるCMCを含む親水層503aにより、血液試料が濾過されて血球の電極層方向への移動が抑制されることで、ヘマトクリット値の差異に伴う測定精度への影響の低減が図られている。
ところが、CMCなどの親水性高分子は、試薬層503bに含まれるメディエータを還元することが知られている。したがって、例えばバイオセンサ500が保管された状態において、親水層に含まれる親水性高分子によりメディエータが還元されると、上記した酸化電流を計測する際に、親水性高分子により還元されたメディエータが酸化することによる酸化電流もバックグランド電流として、計測対象である酸化電流と一緒に計測されるので、測定精度が劣化する。そこで、バイオセンサ500では、親水性高分子を含む親水層503aと、メディエータを含む試薬層503bとが分離して積層されることにより、親水層503aに含まれる親水性高分子と、試薬層503bに含まれるメディエータとの反応が防止されている。
しかしながら、上記したように親水層503aおよび試薬層503bが分離して積層されていても、親水層503aおよび試薬層503bが接触する界面から、親水性高分子とメディエータとの反応が徐々に進むことにより、バイオセンサ500を用いた測定精度が劣化するので、技術の改善が求められていた。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、保管状態においてメディエータが還元されるのを抑制することができる技術を提供することを目的とする。
上記した目的を達成するために、本発明のバイオセンサは、絶縁性基板の一方面に作用極および対極を含む電極系が設けられた電極層と、スリットが形成されて、前記スリットが前記作用極および前記対極の先端側に配置されて前記電極層の前記一方面に積層されるスペーサ層と、前記電極層および前記スリットにより形成されて試料が供給されるキャビティと、前記キャビティに連通する空気穴が形成されて前記キャビティを被覆して前記スペーサ層に積層されるカバー層と、前記キャビティに露出する前記作用極および前記対極の先端側に設けられた反応層とを備えるバイオセンサにおいて、前記反応層は、前記電極層上に設けられ、酸素原子の二重結合を有する親水性高分子を含む親水層と、前記親水層に積層され、測定対象物質と反応する酵素およびメディエータと、酸素原子の二重結合を有さない親水性高分子を含む試薬層とを備えることを特徴としている(請求項1)。
このように構成された発明では、スペーサ層のスリットにより形成されたキャビティに露出する作用極および対極の先端側に設けられた反応層は、酸素原子の二重結合を有する親水性高分子を含む親水層と、酵素およびメディエータと、酸素原子の二重結合を有さない親水性高分子とを含む試薬層とを備えている。親水性高分子が酸素原子の二重結合を有する場合、酸素原子の二重結合を有する官能基がメディエータに対して求核攻撃することによりメディエータが還元されると考えられるが、酸素原子の二重結合を有する親水性高分子を含む親水層に分離して積層された試薬層には、酵素およびメディエータと、酸素原子の二重結合を有さない親水性高分子とが含まれている。
したがって、メディエータの周囲が酸素原子の二重結合を有さない親水性高分子により囲まれた状態となるので、保管状態において試薬層に含まれるメディエータが親水層の親水性高分子と接触するのを防止することができ、メディエータが親水層の親水性高分子により還元されるのを抑制することができる。また、一般的に、酸素原子の二重結合を有する親水性高分子は、酸素原子の二重結合を有さない親水性高分子よりも血球等の移動を阻止する効果が高く、電極層上に設けられた親水層には、酸素原子の二重結合を有する親水性高分子が含まれているため、バイオセンサのキャビティに例えば血液試料が供給された場合に、親水層の親水性高分子により血液試料が効率よく濾過されて血液試料に含まれる血球の移動が阻止されるので、血液試料のヘマトクリット値の差異に伴う測定精度への影響を低減することができる。したがって、本試薬構造により、メディエータの還元抑制とヘマトクリット値の差異に伴う測定精度への影響低減を両立することが可能となり、正確で信頼性の高いバイオセンサを提供することができる。
また、前記反応層は、前記親水層と前記試薬層との間に、前記酸素原子の二重結合を有さない親水性高分子を含む中間層をさらに備えていてもよい(請求項2)。
このように構成すると、親水層と試薬層との間に、酸素原子の二重結合を有さない親水性高分子を含む中間層が設けられており、親水層に含まれる酸素原子の二重結合を有する親水性高分子が試薬層に含まれるメディエータに接触するのが中間層により防止されるので、試薬層に含まれるメディエータが親水層の親水性高分子により還元されるのをさらに抑制することができる。
また、前記試薬層は、前記酵素および前記酸素原子の二重結合を有さない親水性高分子を含む酵素層と、前記メディエータおよび前記酸素原子の二重結合を有さない親水性高分子を含むメディエータ層とを備えているとよい(請求項3)。
このようにすれば、酵素および酸素原子の二重結合を有さない親水性高分子を含む酵素層と、メディエータおよび酸素原子の二重結合を有さない親水性高分子を含むメディエータ層とにより試薬層が形成されており、酵素およびメディエータが分離された状態であるので、保管状態においてメディエータが酵素により還元されるのを抑制することができる。
また、前記酵素層上に前記メディエータ層が積層されていてもよい(請求項4)。
このようにすると、酵素層上にメディエータ層が積層されており、電極層により近い位置に酵素層が配置されている。酵素の移動度はメディエータより小さいので、電極近傍での酵素・メディエータ量が、メディエータの上に酵素が積層された場合より多くなり、センサの応答性と測定精度が向上する。
また、前記酸素原子の二重結合を有さない親水性高分子は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールのうちの少なくとも1つを含むとよい(請求項5)。
このようにすると、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールのうちの少なくとも1つが酸素原子の二重結合を有さない親水性高分子として試薬層に含まれることにより、試薬層に含まれるメディエータが還元されるのを防止することができると共に、試薬層が親水層から剥離するのを防止することができるので、実用的な構成のバイオセンサを提供することができる。
また、前記酸素原子の二重結合を有する親水性高分子は、少なくともカルボキシメチルセルロースを含むとよい(請求項6)。
このように構成すれば、酸素原子の二重結合を有する親水性高分子として少なくともカルボキシメチルセルロースを含む親水層を電極層上に設けることにより、親水層に積層される試薬層が剥離するのを防止することができる。また、バイオセンサのキャビティに例えば血液試料が供給された場合に、親水層の親水性高分子により血液試料が濾過されて血液試料に含まれる血球の移動が阻止されるので、血液試料のヘマトクリット値の差異に伴う測定精度への影響を低減することができる。
本発明によれば、メディエータの周囲が酸素原子の二重結合を有さない親水性高分子により囲まれた状態となるので、保管状態において試薬層に含まれるメディエータが親水層の親水性高分子と接触するのを防止することができ、メディエータが親水層の親水性高分子により還元されるのを抑制することができる。また、バイオセンサのキャビティに例えば血液試料が供給された場合に、親水層の酸素原子の二重結合を有する親水性高分子により血液試料が効率よく濾過されて血液試料に含まれる血球の移動が阻止されるので、血液試料のヘマトクリット値の差異に伴う測定精度への影響を低減することができる。したがって、本試薬構造により、メディエータの還元抑制とヘマトクリット値の差異に伴う測定精度への影響低減を両立することが可能となり、正確で信頼性の高いバイオセンサを提供することができる。
本発明の第1実施形態にかかるバイオセンサを示す図であって、(a)は分解斜視図、(b)は斜視図である。 図1のバイオセンサのキャビティ部分の横断面図である。 本発明の第1実施形態にかかるバイオセンサの製造方法を示す図であって、(a)〜(c)はそれぞれ異なる工程を示す。 バイオセンサの保管期間とバックグランド電流との関係を示す図である。 本発明の第2実施形態にかかるバイオセンサのキャビティ部分の横断面図である。 本発明の第3実施形態にかかるバイオセンサのキャビティ部分の横断面図である。 本発明の第4実施形態にかかるバイオセンサのキャビティ部分の横断面図である。 従来のバイオセンサを示す図である。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態にかかるバイオセンサおよびこのバイオセンサの製造方法について図1〜図4を参照して説明する。
(バイオセンサの構成および製造方法)
図1は本発明の第1実施形態にかかるバイオセンサを示す図であって、(a)は分解斜視図、(b)は斜視図である。図2は図1のバイオセンサのキャビティ部分の横断面図である。図3は本発明の第1実施形態にかかるバイオセンサの製造方法を示す図であって、(a)〜(c)はそれぞれ異なる工程を示す。
この発明のバイオセンサ100は、作用極101および対極102を含む電極系と、メディエータおよび測定対象物質と反応する酵素を含む反応層106とを有し、測定器(図示省略)に装着されて使用されるものである。すなわち、測定器に装着されたバイオセンサ100の先端側に設けられたキャビティ103に供給された血液などの試料に含まれるグルコースなどの測定対象物質と、バイオセンサ100に設けられた反応層106とが反応することで生成される還元物質を、作用極101と対極102との間に電圧を印加して酸化することにより得られる酸化電流を計測することで、試料に含まれる測定対象物質の定量が行われる。
すなわち、バイオセンサ100は、図1および図2に示すように、それぞれ、セラミック、ガラス、プラスチック、紙、生分解性材料、ポリエチレンテレフタレートなどの絶縁性材料により形成された、作用極101および対極102を含む電極系が設けられた電極層110と、キャビティ103に連通する空気穴105が形成されたカバー層130と、キャビティ103を形成するためのスリット104が形成され、電極層110およびカバー層130に挟まれて配置されるスペーサ層120とが、試料導入口103aが設けられる先端側が揃った状態で積層されて接着されることにより形成される。また、作用極101および対極102上には、試料に含まれるグルコースなどの測定対象物質と反応する酵素を含む反応層106が設けられている。そして、後端側から測定器の所定の挿入口に挿入されて装着されることで、バイオセンサ100は測定器に装着される。
この実施形態では、電極層110は、ポリエチレンテレフタレートなどの絶縁性材料から成る絶縁性基板により形成される。また、電極層110を形成する絶縁性基板の一方面に、白金、金、パラジウムなどの貴金属やカーボン、銅、アルミニウム、チタン、ITO(Indium Tin Oxide:酸化インジウム錫)、ZnO(Zinc Oxide:酸化亜鉛)などの導電性物質から成る導電層が、スクリーン印刷やスパッタリング蒸着法により形成されている。そして、絶縁性基板の一方面に形成された導電層に、レーザ加工やフォトリソグラフィによるパターン形成が施されることにより、作用極101および対極102と、バイオセンサセンサチップ100が測定器に装着されたときに、作用極101および対極102のそれぞれと測定器とを電気的に接続する電極パターン101a,102aとを含む電極系が形成される。
また、作用極101および対極102は、それぞれの先端側が、キャビティ103に露出するように配置される。また、作用極101および対極102それぞれの後端側の電極パターン101a,102aは、試料導入口103aと反対側の電極層110の端縁であって、スペーサ層120が積層されない電極層110の端縁まで延伸されて形成される。
次に、上記したようにして形成された電極層110にスペーサ層120が積層される。スペーサ層120は、ポリエチレンテレフタレートなどの絶縁性材料から成る基板により形成され、基板の先端縁部のほぼ中央にキャビティ103を形成するためのスリット104が形成されている。そして、スリット104が、作用極101および対極102の先端側に配置されて、スペーサ層120が電極層110の一方面を部分的に被覆して積層されることにより、電極層110およびスリット104により試料が供給されるキャビティ103が形成される。
続いて、電極層110にスペーサ層120が積層されて形成されるキャビティ103部分が、プラズマにより洗浄処理された後に、反応層106が形成される。なお、プラズマ洗浄工程において使用されるプラズマは、酸素プラズマ、窒素プラズマ、アルゴンプラズマなど、プラズマによる金属活性化処理において使用される種々のプラズマを使用することができ、減圧プラズマであっても大気圧プラズマであってもよい。
図3(a)〜(c)に示すように、反応層106は、カバー層130がスペーサ層120に積層される前に、キャビティ103に露出する作用極101および対極102の先端側に、カルボキシメチルセルロース(CMC)などの酸素原子の二重結合を有する親水性高分子を含有する試薬201と、酵素および酸素原子の二重結合を有さない親水性高分子を含有する試薬202と、メディエータおよび酸素原子の二重結合を有さない親水性高分子を含有する203とを順番に滴下することにより形成される。また、キャビティ104への血液などの試料の供給を円滑にするために、界面活性剤やリン脂質などの親水化剤がキャビティ103内壁に塗布される。
具体的には、反応層106は、電極層110上に設けられ酸素原子の二重結合を有する親水性高分子を含む親水層106aと、親水層106aに積層され、酵素および酸素原子の二重結合を有さない親水性高分子を含む酵素層106bと、酵素層106bに積層され、メディエータおよび酸素原子の二重結合を有さない親水性高分子を含むメディエータ層106cとを備え、次のようにして形成される。
すなわち、図3(a)に示すように、酸素原子の二重結合を有する親水性高分子としてCMCを含有する試薬201が滴下装置200からキャビティ103に所定量滴下されて乾燥することにより親水層106aが形成される(親水層形成工程)。次に、図3(b)に示すように、酵素および酸素原子の二重結合を有さない親水性高分子としてメチルセルロースを含有する試薬202が滴下装置200からキャビティ103に所定量滴下されて乾燥することにより酵素層106bが形成される(酵素層形成工程)。
続いて、図3(c)に示すように、メディエータおよび酸素原子の二重結合を有さない親水性高分子としてヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有する試薬203が滴下装置200からキャビティ103に所定量滴下されて乾燥することによりメディエータ層106cが形成されることにより(メディエータ層形成工程)、反応層106が形成される。
なお、上記した例では、酵素層106bがキャビティ103に形成された後に、酵素層106b上にメディエータ層106cが形成されるが、メディエータ層106cがキャビティ103に形成された後に、メディエータ層106c上に酵素層106bが形成されてもよい。以上のように、この実施形態では、酵素層106bおよびメディエータ層106cにより本発明の「試薬層」が構成されている。
また、酵素としては、グルコースオキシダーゼ、乳酸オキシダーゼ、コレステロールオキシダーゼ、アルコールオキシダーゼ、ザルコシンオキシダーゼ、フルクトシルアミンオキシダーゼ、ピルビン酸オキシダーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ、乳酸デヒドロゲナーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ、ヒドロキシ酪酸デヒドロゲナーゼ、コレステロールエステラーゼ、クレアチニナーゼ、クレアチナーゼ、DNAポリメラーゼなどを用いることができ、これらの酵素を検出したい測定対象物質(グルコース、乳酸、コレステロール、アルコール、ザルコシン、フルクトシルアミン、ピルビン酸、ヒドロキシ酪酸など)に応じて選択することで種々のセンサを形成することができる。
例えば、グルコースオキシダーゼまたはグルコースデヒドロゲナーゼを用いれば血液試料中のグルコースを検出するグルコースセンサを形成でき、アルコールオキシダーゼまたはアルコールデヒドロゲナーゼを用いれば血液試料中のエタノールを検出するアルコールセンサを形成でき、乳酸オキシダーゼを用いれば血液試料中の乳酸を検出する乳酸センサを形成でき、コレステロールエステラーゼとコレステロールオキシダーゼとの混合物を用いれば総コレステロールセンサを形成できる。
また、メディエータとしては、フェリシアン化カリウム、フェロセン、フェロセン誘導体、ベンゾキノン、キノン誘導体、オスミウム錯体、ルテニウム錯体などを用いることができる。
また、酸素原子の二重結合を有する親水性高分子として、カルボニル基、アシル基、カルボキシル基、アルデヒド基、スルホ基、スルホニル基、スルホキシド基、トシル基、ニトロ基、ニトロソ基、エステル基、ケト基、ケテン基などを有するポリマーを用いることができる。
また、酸素原子の二重結合を有さない親水性高分子として、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールなどを用いることができる。なお、試薬202,203それぞれに、酵素およびメディエータと一緒に混合される酸素原子の二重結合を有さない親水性高分子は増粘剤として機能する。また、酸素原子の二重結合を有する親水性高分子および酸素原子の二重結合を有さない親水性高分子は、それぞれ、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
また、親水化剤としては、TritonX100(シグマアルドリッチ社製)、Tween20(東京化成工業社製)、ビス(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウムなどの界面活性剤、レシチンなどのリン脂質を用いることができる。また、親水化剤は、上記したようにキャビティ103に塗布する以外に、試薬202,203それぞれに混合してキャビティ103に滴下したり、試薬層が形成された後にキャビティ104に滴下してもよい。カバー層130のスペーサ層側の面に塗布してもよい。また、試料に含まれるイオン濃度のばらつきを低減するために、リン酸などの緩衝剤を設けてもよい。
次に、反応層106がキャビティ103に形成された後に、ポリエチレンテレフタレートなどの絶縁性材料から成る基板により形成されたカバー層130が、スペーサ層120に積層されることにより、バイオセンサ100が形成される。図1(a),(b)に示すように、カバー層130には、スペーサ層120に積層されたときにキャビティ103と連通する空気穴105が形成されており、カバー層130は、キャビティ103を被覆してスペーサ層120に積層される。
なお、この実施形態では、バイオセンサ100は、血液中のグルコースの定量を行うことを目的に形成されており、測定対象物質としてのグルコースと特異的に反応する酵素としてFAD(フラビンアデニンジヌクレオチド)を補酵素とするGDH(グルコースデヒドロゲナーゼ)(以下、FAD−GDHと表記する)を含み、測定対象物であるグルコースとFAD−GDHとの反応により生成される電子により還元されて還元物質と成るメディエータとしてフェリシアン化カリウムを含む反応層106がキャビティ103に露出する作用極101および対極102の先端側に設けられている。
このように構成されたバイオセンサ100では、先端の試料導入口103aに血液から成る試料を接触させることにより、毛細管現象により試料が空気穴105に向かって吸引されてキャビティ103に試料が供給される。そして、キャビティ103に供給された試料に反応層106が溶解することにより、試料中の測定対象物質であるグルコースとFAD−GDHとの酵素反応により電子が放出され、放出された電子によりフェリシアン化イオンが還元されて還元物質であるフェロシアン化イオンが生成される。そして、反応層106が試料に溶解することによる酸化還元反応により生成された還元物質を、バイオセンサ100の作用極101と対極102との間に電圧(例えば0.3V)を印加して電気化学的に酸化することにより、作用極101と対極102との間に流れる酸化電流を計測することで試料中のグルコースの定量が測定器において行われる。なお、バイオセンサ100の作用極101と対極102との間に電圧が印加された後、3〜5秒後の電流値が酸化電流として計測される。
(バックグランド電流の比較例)
図4はバイオセンサの保管期間とバックグランド電流との関係を示す図であり、横軸が保管期間(h)を示し、縦軸がバックグランド電流の大きさ(μA)を示す。また、同図中の◆は、酵素層106bおよびメディエータ層106cが酸素原子の二重結合を有さない親水性高分子を含まない従来のバイオセンサのバックグランド電流を示し、同図中の■は、本実施形態のバイオセンサ100のバックグランド電流を示す。なお、バックグランド電流の測定は、バックグランド電流測定用の試料をキャビティ103に供給した後、通常の手順と同様に酸化電流を計測することにより行った。
図4に示すように、バイオセンサの保管期間が長くなるのに伴い、従来のバイオセンサでは経時的にバックグランド電流が増大するのに対して、本実施形態のバイオセンサ100ではバックグランド電流が増大するのが抑制されている。
以上のように、この実施形態によれば、スペーサ層120のスリット104により形成されたキャビティ103に露出する作用極101および対極102の先端側に設けられた反応層106は、電極層110上に設けられ、CMCを含む親水層106aと、親水層106aに積層され、酵素およびメチルセルロースを含む酵素層106bと、酵素層106bに積層され、メディエータおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースを含むメディエータ層106cとを備えている。親水性高分子が酸素原子の二重結合を有する場合、酸素結合の二重結合を有する官能基がメディエータに対して求核攻撃することによりメディエータが還元されると考えられるが、酸素原子の二重結合を有する親水性高分子を含む親水層106aに分離して積層された試薬層(酵素層106b、メディエータ層106c)には、酵素およびメディエータと、酸素原子の二重結合を有さない親水性高分子とが含まれている。
したがって、メディエータの周囲が酸素原子の二重結合を有さない親水性高分子であるヒドロキシプロピルメチルセルロースにより囲まれた状態となるので、保管状態においてメディエータ層106cに含まれるメディエータが親水層106aの親水性高分子であるCMCと接触するのを防止することができ、メディエータが親水層106aのCMCにより還元されるのを抑制することができる。
また、一般的に、酸素原子の二重結合を有する親水性高分子は、酸素原子の二重結合を有さない親水性高分子よりも血球等の移動を阻止する効果が高く、電極層110上に設けられた親水層106aには、酸素原子の二重結合を有するCMCが含まれているため、バイオセンサ100のキャビティ103に血液試料が供給された場合に、親水層106aのCMCにより血液試料が効率よく濾過されて血液試料に含まれる血球の移動が阻止されるので、血液試料のヘマトクリット値の差異に伴う測定精度への影響を低減することができる。したがって、正確で信頼性の高いバイオセンサ100を提供することができる。
また、酵素および酸素原子の二重結合を有さないメチルセルロースを含む酵素層106bと、メディエータおよび酸素原子の二重結合を有さないヒドロキシプロピルメチルセルロースを含むメディエータ層106cとにより試薬層が形成されており、酵素およびメディエータが分離された状態であるので、保管状態において酵素とメディエータとが反応するのを抑制することができる。
また、酵素層106b上にメディエータ層106cが積層されており、電極層110により近い位置に酵素層106bが配置されている。酵素の移動度はメディエータより小さいので、電極近傍での酵素・メディエータ量が、メディエータの上に酵素が積層された場合より多くなり、センサの応答性と測定精度が向上する。
また、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールのうちの少なくとも1つが酸素原子の二重結合を有さない親水性高分子として試薬層に含まれることにより、試薬層に含まれるメディエータが還元されるのを防止できると共に、試薬層が親水層106aから剥離するのを防止できるので、実用的な構成のバイオセンサ110を提供することができる。
また、酸素原子の二重結合を有する親水性高分子として少なくともCMCを含む親水層106aを電極層110上に設けることにより、親水層106aに積層される試薬層が剥離するのを防止することができる。また、バイオセンサ100のキャビティ103に血液試料が供給された場合に、親水層106aの親水性高分子により血液試料が濾過されて血液試料に含まれる血球の移動が阻止されるので、血液試料のヘマトクリット値の差異に伴う測定精度への影響を低減することができる。以上のように本試薬構造を採用することで、CMCによるメディエータの還元に伴うバックグラウンド電流増加の抑制と、CMC由来のヘマトクリット値の差異による測定精度ばらつきに対する低減効果を両立できる。そのため、正確で信頼性の高いバイオセンサ100を提供することができる。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態にかかるバイオセンサについて図5を参照して説明する。図5は本発明の第2実施形態にかかるバイオセンサのキャビティ部分の横断面図である。この実施形態が上記した第1実施形態と異なるのは、図5に示すように、親水層106aと酵素層106b(試薬層)との間に、酸素原子の二重結合を有さない親水性高分子を含む中間層106dがさらに設けられている点である。その他の構成は上記した第1実施形態と同一であるため、その構成および動作の説明は同一符号を付すことにより省略する。
このように構成すると、親水層106aと酵素層106bとの間に、酸素原子の二重結合を有さない親水性高分子を含む中間層106dが設けられており、親水層106aに含まれる酸素原子の二重結合を有する親水性高分子がメディエータ層106cに含まれるメディエータに接触するのが中間層106dによってより一層防止されるので、メディエータ層106cに含まれるメディエータが親水層106aの親水性高分子により還元されるのをさらに抑制することができる。
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態にかかるバイオセンサについて図6を参照して説明する。図6は発明の第3実施形態にかかるバイオセンサのキャビティ部分の横断面図である。この実施形態が上記した第2実施形態と異なるのは、図6に示すように、酵素およびメディエータと、酸素原子の二重結合を有さない親水性高分子を含む一層構造の試薬層106eが中間層106dに積層されている点である。その他の構成は上記した第1実施形態と同一であるため、その構成および動作の説明は同一符号を付すことにより省略する。
以上のように、この実施形態でも上記した第1および第2実施形態と同様の効果を奏することができる。
<第4実施形態>
本発明の第4実施形態にかかるバイオセンサについて図7を参照して説明する。図7は発明の第4実施形態にかかるバイオセンサのキャビティ部分の横断面図である。この実施形態が上記した第1実施形態と異なるのは、図7に示すように、酵素およびメディエータと、酸素原子の二重結合を有さない親水性高分子を含む一層構造の試薬層106eが親水層106aに積層されている点である。その他の構成は上記した第1実施形態と同一であるため、その構成および動作の説明は同一符号を付すことにより省略する。
以上のように、この実施形態でも上記した第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、上記したもの以外に種々の変更を行なうことが可能であり、例えば、試薬層を、酵素層106bおよびメディエータ層106cと、酵素層106bおよびメディエータ層106cの間に設けられる酸素原子の二重結合を有さない親水性高分子を含む中間層との3層構造に形成してもよい。このようにすると、酵素層106bに含まれる酵素とメディエータ層106cに含まれるメディエータとが中間層により接触するのが防止されるので、保管状態において、酵素およびメディエータが反応するのを効果的に防止することができる。
また、酸素原子の二重結合を有さない親水性高分子を、複数種類組み合わせて試薬層に適切に混合することにより、血液試料中の血球の移動を効果的に阻止したり、酵素層およびメディエータ層の拡散、混合が低減されてメディエータの還元を抑制する抑制効果を向上することができる。
また、上記したバイオセンサ100の反応層106に含まれる酵素およびメディエータの組合せを変更することによりエタノールセンサや乳酸センサなどを形成してもよい。
また、上記した実施形態では、バイオセンサ100は、作用極101および対極102を有する二極電極構造に形成されているが、参照極をさらに設けることによりバイオセンサ100を三極電極構造に形成してもよい。この場合、対極102を接地して電圧出力部により参照極に参照電位を印加した状態で、作用極101に対極102を基準とする所定電位を印加すればよい。
また、上記した実施形態では、作用極101と対極102との間に所定電圧を印加することにより、作用極101と対極102との間に流れる電流を監視することで、キャビティ103に血液試料が供給されたことが検出されるが、キャビティ103に試料が供給されたことを検知するための検知用電極をさらに設けてもよい。この場合、対極102と検知用電極との間に所定電圧を印加することにより、対極102と検知用電極との間に流れる電流を監視することで、キャビティ103に試料が供給されたことを検出すればよい。
また、バイオセンサ100を形成する電極層110、スペーサ層120およびカバー層130のうち、少なくともカバー層130は、キャビティ103に血液試料が供給されたことを視認できるように透明な部材で形成するのが望ましい。
作用極および対極を含む電極系が設けられた電極層と、キャビティを形成するためのスリットが形成されて電極層に積層されるスペーサ層と、キャビティに連通する空気穴が形成されてスペーサ層に積層されるカバー層と、作用極および対極に設けられた反応層とを備えるバイオセンサに本発明を広く適用することができる。
100 バイオセンサ
101 作用極
102 対極
103 キャビティ
104 スリット
105 空気穴
106 反応層
106a 親水層
106b 酵素層
106c メディエータ層
106d 中間層
106e 試薬層
110 電極層
120 スペーサ層
130 カバー層
上記した目的を達成するために、本発明のバイオセンサは、絶縁性基板の一方面に作用極および対極を含む電極系が設けられた電極層と、スリットが形成されて、前記スリットが前記作用極および前記対極の先端側に配置されて前記電極層の前記一方面に積層されるスペーサ層と、前記電極層および前記スリットにより形成されて試料が供給されるキャビティと、前記キャビティに連通する空気穴が形成されて前記キャビティを被覆して前記スペーサ層に積層されるカバー層と、前記キャビティに露出する前記作用極および前記対極の先端側に設けられた反応層とを備えるバイオセンサにおいて、前記反応層は、前記電極層上に設けられ、酸素原子の二重結合を有する親水性高分子を含む親水層と、前記親水層に積層され、測定対象物質と反応する酵素およびメディエータと、酸素原子の二重結合を有さない親水性高分子を含む試薬層とを備え、前記試薬層は、前記酵素および前記酸素原子の二重結合を有さない親水性高分子を含む酵素層と、前記メディエータおよび前記酸素原子の二重結合を有さない親水性高分子を含むメディエータ層とを備えることを特徴としている(請求項1)。
したがって、メディエータの周囲が酸素原子の二重結合を有さない親水性高分子により囲まれた状態となるので、保管状態において試薬層に含まれるメディエータが親水層の親水性高分子と接触するのを防止することができ、メディエータが親水層の親水性高分子により還元されるのを抑制することができる。また、一般的に、酸素原子の二重結合を有する親水性高分子は、酸素原子の二重結合を有さない親水性高分子よりも血球等の移動を阻止する効果が高く、電極層上に設けられた親水層には、酸素原子の二重結合を有する親水性高分子が含まれているため、バイオセンサのキャビティに例えば血液試料が供給された場合に、親水層の親水性高分子により血液試料が効率よく濾過されて血液試料に含まれる血球の移動が阻止されるので、血液試料のヘマトクリット値の差異に伴う測定精度への影響を低減することができる。したがって、本試薬構造により、メディエータの還元抑制とヘマトクリット値の差異に伴う測定精度への影響低減を両立することが可能となり、正確で信頼性の高いバイオセンサを提供することができる。
また、酵素および酸素原子の二重結合を有さない親水性高分子を含む酵素層と、メディエータおよび酸素原子の二重結合を有さない親水性高分子を含むメディエータ層とにより試薬層が形成されており、酵素およびメディエータが分離された状態であるので、保管状態においてメディエータが酵素により還元されるのを抑制することができる。
また、前記酵素層上に前記メディエータ層が積層されていてもよい(請求項)。
また、前記酸素原子の二重結合を有さない親水性高分子は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールのうちの少なくとも1つを含むとよい(請求項)。
また、前記酸素原子の二重結合を有する親水性高分子は、少なくともカルボキシメチルセルロースを含むとよい(請求項)。

Claims (6)

  1. 絶縁性基板の一方面に作用極および対極を含む電極系が設けられた電極層と、
    スリットが形成されて、前記スリットが前記作用極および前記対極の先端側に配置されて前記電極層の前記一方面に積層されるスペーサ層と、
    前記電極層および前記スリットにより形成されて試料が供給されるキャビティと、
    前記キャビティに連通する空気穴が形成されて前記キャビティを被覆して前記スペーサ層に積層されるカバー層と、
    前記キャビティに露出する前記作用極および前記対極の先端側に設けられた反応層とを備えるバイオセンサにおいて、
    前記反応層は、
    前記電極層上に設けられ、酸素原子の二重結合を有する親水性高分子を含む親水層と、
    前記親水層に積層され、測定対象物質と反応する酵素およびメディエータと、酸素原子の二重結合を有さない親水性高分子を含む試薬層と
    を備えることを特徴とするバイオセンサ。
  2. 前記反応層は、
    前記親水層と前記試薬層との間に、前記酸素原子の二重結合を有さない親水性高分子を含む中間層をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のバイオセンサ。
  3. 前記試薬層は、
    前記酵素および前記酸素原子の二重結合を有さない親水性高分子を含む酵素層と、
    前記メディエータおよび前記酸素原子の二重結合を有さない親水性高分子を含むメディエータ層と
    を備えることを特徴とする請求項1または2に記載のバイオセンサ。
  4. 前記酵素層上に前記メディエータ層が積層されていることを特徴とする請求項3に記載のバイオセンサ。
  5. 前記酸素原子の二重結合を有さない親水性高分子は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のバイオセンサ。
  6. 前記酸素原子の二重結合を有する親水性高分子は、少なくともカルボキシメチルセルロースを含むことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のバイオセンサ。
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