JP2015155841A - バイオセンサ - Google Patents

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純 ▲高▼木
Jun Takagi
勝重 小谷
Katsushige Kotani
勝重 小谷
功二 田中
Koji Tanaka
功二 田中
博保 角矢
Hiroyasu Tsunoya
博保 角矢
淳典 平塚
Atsunori Hiratsuka
淳典 平塚
典子 佐々木
Noriko Sasaki
典子 佐々木
憲二 横山
Kenji Yokoyama
憲二 横山
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Abstract

【課題】均一な試薬層を有する高精度なバイオセンサを提供する。【解決手段】絶縁性基板の一方の面に設けられた作用極21および対極22を含む電極層と、孔41aが前記作用極の少なくとも一部および前記対極の少なくとも一部と重なるように、前記電極層の前記絶縁性基板と反対側の面に設けられた第1スペーサ41と、前記第1スペーサ41の前記孔の内部に形成された試薬層3と、前記試料液を前記試薬層3に誘導する供給路を形成するための切欠部42aを有し、該切欠部42aが前記孔41aの少なくとも一部と重なるように、前記第1スペーサ41の前記電極層と反対側の面に設けられた第2スペーサ42と、少なくとも前記切欠部を覆うように、前記第2スペーサ42の前記第1スペーサ41と反対側の面に設けられたカバー5とを備え、前記試薬層3が前記第2スペーサ42の前記切欠部42aの内壁には接していないことを特徴とする。【選択図】図3

Description

本発明は、電気化学法を用いたバイオセンサに関する。
血糖値センサなどのグルコースセンサのように、電気化学法を利用した各種のバイオセンサが知られている。
例えば、バイオセンサ(チップ)のスペーサに形成された溝に、検体(血液など)を導入すると、検体に含まれる成分(基質)が、酵素を介してメディエータを還元する。ここで、電極に所定の電圧を印加すると、電気化学反応により、還元されたメディエータが逆に酸化される。このとき発生する酸化電流を測定することで、着目する成分の量を検出できる。
例えば、特許文献1(特開2007−298325号公報)に開示されるように、ベース基板上に形成された測定電極の上に試薬を滴下し、乾燥させて、試料である血液が導入されるキャビティ部をスペーサによって形成し、空気孔を設けたカバーで蓋をした3層構造を有するバイオセンサが知られている。ここでは、電極基板上に開口部を有する部材を積層し、試薬溶液を該開口部に滴下して、開口部の内壁で試薬溶液を堰き止めることで試薬層の形成位置を規定している。
しかし、特許文献1に開示されるセンサでは、滴下した試薬液が表面張力によりキャビティの内壁を登ってしまい、そのまま乾燥されることで、試薬がキャビティの端部に偏析する現象が起こる。それにより、(i)グルコース測定電極付近に位置する正味の試薬(酵素、メディエータや親水性高分子など)の量が滴下量より少なくなることで測定電流の感度が小さくなる、あるいは、(ii)試薬の均一性がセンサチップ間でばらつくことで、測定電流の精度が低下するという問題があった。
また、特許文献2(特許第4197085号公報)には、試薬が滴下される位置の周りを囲うスリットを設けることで、試薬が均一に広がり、所定の面積の試薬層が所定の位置に形成されるので、位置および面積のばらつきの無い均一な試薬層が形成される旨記載されている。しかしながら、この場合でも、測定器に装着され端子電極と測定電極間の導通を確保するために、スリットに開口箇所を設ける必要があり、試薬を滴下すると試薬液がスリットの上記開口箇所から漏れ出てしまい、試薬の形成面積にチップ間でばらつきが生じる。そのため、本先行文献で用いられる手法を採用しても、なおセンサ性能が悪化するという問題があった。
特開2007−298325号公報 特許第4197085号公報
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、均一な試薬層を有する高精度なバイオセンサを提供することを目的とする。
本発明者らは、試薬液の広がる範囲を規定する孔だけを有する1段目のスペーサ(第1スペーサ)と、試料液を試薬層に誘導する供給路を形成するための切欠部を有する2段目のスペーサ(第2スペーサ)とを用いることで、試薬の偏析のない均一な試薬層を形成することが出来ることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、試料液中に含まれる基質を定量するためのバイオセンサであって、
絶縁体基板と、
前記絶縁性基板の一方の面に設けられた作用極および対極を含む電極層と、
孔を有し、該孔が前記作用極の少なくとも一部および前記対極の少なくとも一部と重なるように、前記電極層の前記絶縁性基板と反対側の面に設けられた第1スペーサと、
前記第1スペーサの前記孔の内部に形成された、前記基質と反応する酵素、および、メディエータを含む試薬層と、
前記試料液を前記試薬層に誘導する供給路を形成するための切欠部を有し、該切欠部が前記孔の少なくとも一部と重なるように、前記第1スペーサの前記電極層と反対側の面に設けられた第2スペーサと、
少なくとも前記切欠部を覆うように、前記第2スペーサの前記第1スペーサと反対側の面に設けられたカバーとを備え、
前記試薬層が前記第2スペーサの前記切欠部の内壁には接していないことを特徴とする、バイオセンサである。
前記第1スペーサの厚みが前記第2スペーサの厚みよりも薄いことが好ましい。また、前記第1スペーサの厚みが90μm以下であることが好ましい。
前記試薬層は、
前記絶縁体基板、前記電極層および前記第1スペーサを積層した後に、
前記酵素および前記メディエータを含む試薬液を前記第1スペーサの前記孔に充填し、前記試薬液を乾燥することによって形成された層であることが好ましい。
また、本発明は、上記のバイオセンサの製造方法であって、
前記絶縁体基板、前記電極層および前記第1スペーサを積層した後に、
前記酵素および前記メディエータを含む試薬液を前記第1スペーサの前記孔に充填し、前記試薬液を乾燥することによって前記試薬層を形成する工程を含む、バイオセンサの製造方法にも関する。
本発明においては、試薬層が均一な形状、面積および組成を有しているため、センサ性能を悪化させることなく高精度なバイオセンサを提供することができる。
従来のバイオセンサの一例の構成を示す模式図である。 従来のバイオセンサの一例の試薬層を説明するための断面模式図である。 実施形態1のバイオセンサの構成を示す模式図である。 実施形態1のバイオセンサの試薬層を説明するための断面模式図である。 実施形態2のバイオセンサの構成を示す分解斜視図である。 実施形態2のバイオセンサの製造工程の一例を説明するための斜視図である。 実施形態2のバイオセンサの製造工程の一例を説明するための別の斜視図である。 実施形態2のバイオセンサの製造工程の一例を説明するための別の斜視図である。 実施形態2のバイオセンサの製造工程の一例を説明するための別の斜視図である。 実施形態2のバイオセンサの製造工程の一例を説明するための別の斜視図である。 実施形態2のバイオセンサの製造工程の一例を説明するための別の斜視図である。 実施例1および比較例1において、グルコース測定電流のCV値を示すグラフである。 実施例1および比較例1において、グルコース濃度とグルコース測定電流との関係を示すグラフである。
本発明のバイオセンサは、試料液中に含まれる基質を定量するためのバイオセンサであって、
絶縁性基板の一方の面に設けられた作用極および対極を含む電極層と、
孔を有し、該孔が作用極の少なくとも一部および対極の少なくとも一部と重なるように、電極層の絶縁性基板と反対側の面に設けられた第1スペーサと、
第1スペーサの孔の内部に形成された、基質と反応する酵素、および、メディエータを含む試薬層と、
試料液を試薬層に誘導する供給路を形成するための切欠部を有し、該切欠部が孔の少なくとも一部と重なるように、第1スペーサの電極層と反対側の面に設けられた第2スペーサと、
少なくとも切欠部を覆うように、第2スペーサの第1スペーサと反対側の面に設けられたカバーとを備えている。
このように、本発明のバイオセンサでは、試料液を供給するためのキャビティが、試薬形成位置を規定するためのスペーサ(第1スペーサ)と、キャビティ容量を実質的に規定するためのスペーサ(第2スペーサ)の2段階で形成されているところに構造上の特徴がある。また、本発明のバイオセンサでは、試薬層が第2スペーサの切欠部の内壁には接していない。
基質(分析対象物)としては、例えば、グルコース(血糖)、乳酸、コレステロール、アルコール、ザルコシン、フルクトシルアミン、ピルビン酸、乳酸、ヒドロキシ酪酸が挙げられる。
絶縁性基板の材料としては、特に限定されないが、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムなどのプラスチック材料、感光性材料、紙、ガラス、セラミック、または、生分解性材料などが挙げられる。これらの材料は、第1スペーサおよび第2スペーサ、カバーの材料としても用いられる。
絶縁性基板上に設ける電極層は、少なくとも作用極と対極を含む。電極層は、作用極および対極以外に、電極電位の測定時に電位の基準となる参照電極や、キャビティに試料が供給されたことを検知するための検知用電極を含んでいてもよい。
これらの電極(作用電極、対極、参照極、検知用電極など)の材料としては、白金、金、パラジウムなどの貴金属やカーボン、銅、アルミニウム、ニッケル、チタン、ITO(Indium Tin Oxide:酸化インジウム錫)、ZnO(酸化亜鉛)などが挙げられる。電極層は、例えば、スクリーン印刷や、スパッタリング蒸着法を用いて絶縁性基板の一方の面に上記材料からなる導電層を形成し、さらに、レーザー加工、フォトリソグラフィーなどを用いてパターン形成することにより、作製することができる。
電極層の表面は、クリーニングおよび試薬層との接着性を高めるために、プラズマ処理やUV処理などを行うことが好ましい。なお、プラズマ処理において使用されるプラズマとしては、プラズマによる金属活性化処理において使用される種々のプラズマを使用することができ、例えば、酸素プラズマ、窒素プラズマ、アルゴンプラズマが挙げられる。また、プラズマは、減圧プラズマであっても大気圧プラズマであってもよい。
酵素としては、例えば、グルコースオキシダーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ、アルコールオキシダーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ、乳酸オキシダーゼ、乳酸デヒドロゲナーゼ、コレステロールエステラーゼ、コレステロールオキシダーゼ、ザルコシンオキシダーゼ、フルクトシルアミンオキシダーゼ、ピルビン酸オキシダーゼ、ヒドロキシ酪酸デヒドロゲナーゼ、クレアチニナーゼ、クレアチナーゼ、DNAポリメラーゼが挙げられる。これらの酵素を検出したい測定対象物質(グルコース、アルコール、乳酸、コレステロール、ザルコシン、フルクトシルアミン、ピルビン酸、ヒドロキシ酪酸など)に応じて選択することで種々のバイオセンサを作製することができる。
例えば、グルコースオキシダーゼまたはグルコースデヒドロゲナーゼを用いれば血液試料中のグルコースを検出するグルコースセンサを作製でき、アルコールオキシダーゼまたはアルコールデヒドロゲナーゼを用いれば血液試料中のエタノールを検出するアルコールセンサを作製でき、乳酸オキシダーゼを用いれば血液試料中の乳酸を検出する乳酸センサを作製でき、コレステロールエステラーゼとコレステロールオキシダーゼとの混合物を用いれば総コレステロールセンサを作製できる。
メディエータとは、作用極と対極との間の電子伝達を仲介する化合物(電子伝達体)であり、それ自体が酸化還元反応を行う物質であることが好ましい。メディエータとしては、例えば、フェリシアン化カリウム、フェロセン、フェロセン誘導体、ベンゾキノン、キノン誘導体、オスミウム錯体、ルテニウム錯体などを用いることができる。
試薬層は、親水性高分子を含むことが好ましい。この場合、試薬層を電極層の表面へ容易に固定化することができる。また、親水性高分子は、試料液中の夾雑物(血液中の血球など)をろ過するろ過剤としても機能する。
親水性高分子としては、特に限定されないが、例えば、カルボニル基、アシル基、カルボキシル基、アルデヒド基、スルホ基、スルホニル基、スルホキシド基、トシル基、ニトロ基、ニトロソ基、エステル基、ケト基、ケテン基を有する親水性高分子があげられる。カルボキシル基を有する親水性高分子としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロースが挙げられ、好ましくはカルボキシメチルセルロース(CMC)である。
カバーの材料は、絶縁性材料であることが好ましく、例えば、PETフィルムなどプラスチック、感光性材料、紙、ガラス、セラミック、生分解性材料を用いることができる。なお、カバーは、スペーサによって形成されるキャビティと連通する空気孔を有していることが好ましい。毛細管現象により試料が空気孔に向かって吸引されて、キャビティ内への試料の導入が容易になるからである。
以下、本発明のバイオセンサ(チップ)の具体的構成の一例について、図面を参照して説明する。
(実施形態1)
図3に、本実施形態のバイオセンサにおける試薬構成の断面概略図を示す。図3を参照して、本実施形態のバイオセンサは、絶縁性基板1上に電極層(作用極21および対極22)を形成し、該電極層上に、試薬層の範囲を規定する孔41aを有する第1スペーサ41貼り合わせた後に、試薬液を滴下して試薬層3が形成されている。さらに、第1スペーサ41上に、試料液(検体)を供給するためのキャビティを形成する切欠部42aを有する第2スペーサ42を貼り合わせ、さらに空気孔5aを有するカバー5を貼り合わせている。
図4を参照して、本実施形態のバイオセンサでは、試薬形成位置を規定する第1スペーサ41によって、第1スペーサ41の孔の端部における試薬の偏析を最小限に抑えられ、電極上に均一な試薬を形成することができる。
一方、図1に、従来のバイオセンサの一例の構成を示す。図1を参照して、従来のバイオセンサは、電極層(作用極21および対極22)上に、キャビティを形成する切欠部4aを有するスペーサ4を貼り合わせたのち、試薬液を滴下して試薬層3を形成し、空気孔5aを有するカバー5を順次貼り合わせてなる。従来のバイオセンサでは、図2に示すように、滴下した試薬液30が表面張力によりスペーサ4のキャビティの内壁を登ってしまい、そのまま乾燥されることで、試薬がキャビティの端部30aに偏析する場合があった。
これに対して、本実施形態のバイオセンサでは、試薬液を滴下して乾燥させることにより試薬層を作製する場合に、試薬が偏析した状態で乾燥することがないため、形状、面積および組成等が均一な試薬層を形成できる。それにより、従来構造で問題になっていたキャビティ端部での試薬偏析にともなって生じていた測定電極における正味の試薬搭載量の低下や試薬の形状ばらつきが抑制されるため、センサ性能を悪化させることなく高精度なバイオセンサを提供することができる。
第1スペーサの厚みは、第2スペーサの厚みよりも薄いことが好ましい。試薬形成位置を規定する第1スペーサを薄くした場合、第1スペーサの孔の端部における試薬の偏析を最小限に抑えられ、電極上に均一な試薬を形成することができる。試薬の偏析を抑えるためには、第1スペーサの厚みは0.5μm以上90μm以下であることが好ましい。
また、センサ全体のキャビティ容量を実質的に規定する第2スペーサを第1スペーサよりも厚くした場合、試薬形成位置を規定する第1スペーサを薄くしても、第1および第2のスペーサで形成されるキャビティを合計の高さを高くでき、試料液(検体)に毛細管力が十分に働き、キャビティ内への導入を安定して行うことができる。そのため、試薬の均一な形成と検体導入の安定化を両立することが可能となる。なお、単に一層のスペーサを全体的に薄くすると、検体に働く毛細管力が弱くなり、導入不良が発生するようになる。
結果として、本発明によれば、高感度および高精度で、かつ、検体導入の長期安定性が十分に担保できるバイオセンサの提供が可能となる。
(実施形態2)
本実施形態のバイオセンサの製造方法の一例について、図5〜図11を参照して説明する。図5は、本実施形態のバイオセンサの構成を示す分解斜視図である。図6〜図11は、本実施形態のバイオセンサの製造工程の一例を説明するための図であって、それぞれ異なる工程を示している。
まず、電極層(作用極21および対極22)を、絶縁性基板1上に形成する(図6)。具体的には、絶縁性基板の一方の面に、導電層をスクリーン印刷や、スパッタリング蒸着法により形成し、形成された導電層にレーザー加工やフォトリソグラフィーによるパターン形成を施すことで、電極層を形成する。なお、電極層表面にはプラズマ処理を施す。
次に、絶縁性基板1および電極層(作用極21および対極22)上に、試薬層の形成範囲を規定する孔41aを有する第1スペーサ41を積層する(図7)。
このように、絶縁体基板、電極層および第1スペーサを積層した後に、酵素およびメディエータを含む試薬液を第1スペーサの孔に充填し、試薬液を乾燥することによって試薬層を形成する(図8)。なお、酵素、メディエータおよびCMC等を含む液を滴下してもよく、例えば、CMC液、酵素液、メディエータ液を順に滴下し、乾燥して、試薬層を形成してもよい。
次に、第1スペーサ41上に、切欠部42aを有する第2スペーサ42を貼り合わせる(図9)。ここで、試薬層3は第2スペーサ42の切欠部42aの内壁には接していない。なお、第2スペーサ42は、絶縁性材料からなる基板により形成され、基板の先端縁部のほぼ中央にキャビティを形成するための切欠部42aが形成されている。そして、切欠部42aが作用極21および対極22の先端側に配置されるように積層される。
次に、カバー5が、第2スペーサ42上に、少なくとも切欠部42aを覆うように積層されることで、試料液を供給するためのキャビティが形成される(図10)。以上の工程により、形成されたバイオセンサの集合基板を分割することで、バイオセンサが得られる(図11)。
<バイオセンサの使用方法>
本発明のバイオセンサは、測定器に装着されて使用されるものである。すなわち、測定器に装着されたバイオセンサのキャビティに試料(血液など)を供給し、試料中の測定対象物質(グルコースなど)と酵素およびメディエータとが反応することで還元物質が生成する。そして、バイオセンサの作用極および対極と電気的に接続された測定器により、作用極と対極との間に電圧を印加し、この還元物質を酸化することにより得られる酸化電流を計測することで、試料に含まれる測定対象物質の定量が行われる。
以下、本発明のバイオセンサの使用方法の一例について説明する。まず、キャビティの先端部分に血液を接触させ、血液を、毛細管現象を利用してキャビティ内部に導入する。そして、作用極と対極間に電圧を印加し、一定のタイミングで電流値を測定する。印加電圧は、例えば0.3Vとする。キャビティ内に血液が導入されると、血中の分析対象物が酵素を介してメディエータを還元する。作用極と対極の間に電圧を印加した際に流れる電流は、メディエータの還元体濃度、すなわち分析対象物濃度と相関がある。
次に、電圧印加から一定時間経過後の電流値を測定する。例えば、3〜5秒後の電流値を測定する。この電流値を用いて、あらかじめ求めておいた検量線から分析対象物濃度を決定することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
基本的には、上記実施形態2の方法でバイオセンサを作製した。なお、試薬層は、CMC液、酵素液、メディエータ液を順に滴下し、乾燥させることで形成した。酵素液としてはグルコースデヒドロゲナーゼとメチルセルロースの混合液、メディエータ液としてはフェリシアン化カリウムとヒドロキシプロピルメチルセルロースの混合液を用いた。
絶縁性基板、第1スペーサおよび第2スペーサの材質はポリエチレンテレフタレートである。第1スペーサの厚みは42μmであり、第2スペーサの厚みは185μmである。
(比較例1)
第1スペーサを積層せず、電極層上に第2スペーサを積層し、第2スペーサの切欠部において露出した電極層表面の所定範囲に、CMC液、酵素液、メディエータ液を順に滴下し、乾燥させることで試薬層を形成した。この点以外は実施例1と同様にしてバイオセンサを作製した。
[グルコース濃度の測定]
所定濃度のグルコース水溶液を実施例1および比較例1のバイオセンサを用いて測定した(n=10)。なお、作用極と対極の間に0.3Vの電圧を印加し、グルコース応答電流の値を測定した。グルコース測定電流のCV値を図12示す。また、グルコース濃度とグルコース測定電流との関係を図13に示す。
図12に示されるように、実施例1のバイオセンサでは、比較例1よりもCV値が低下しており、実施例1が性能のばらつきの少ない信頼性の高いバイオセンサであることが分かる。
また、図13に示されるように、比較例1よりも実施例1の方がグルコースに対する応答電流が増加している。これは、比較例1では、試薬液の偏析により、電極付近に位置する正味の試薬量が滴下量より少なくなることで測定電流の感度が小さくなったと考えられる。これより、本発明のバイオセンサでは、従来構造より測定電流の感度が高く、測定ばらつきも小さくなることがわかる。
以上の結果から、本発明によって、信頼性が高く、高精度なバイオセンサの提供が可能であることが分かる。
1 絶縁性基板、21 作用極、22 対極、3 試薬層、30 試薬液、30a 端部、4 スペーサ、4a 切欠部、41 第1スペーサ、41a 孔、42 第2スペーサ、42a 切欠部、5 カバー、5a 空気穴。

Claims (5)

  1. 試料液中に含まれる基質を定量するためのバイオセンサであって、
    絶縁体基板と、
    前記絶縁性基板の一方の面に設けられた作用極および対極を含む電極層と、
    孔を有し、該孔が前記作用極の少なくとも一部および前記対極の少なくとも一部と重なるように、前記電極層の前記絶縁性基板と反対側の面に設けられた第1スペーサと、
    前記第1スペーサの前記孔の内部に形成された、前記基質と反応する酵素、および、メディエータを含む試薬層と、
    前記試料液を前記試薬層に誘導する供給路を形成するための切欠部を有し、該切欠部が前記孔の少なくとも一部と重なるように、前記第1スペーサの前記電極層と反対側の面に設けられた第2スペーサと、
    少なくとも前記切欠部を覆うように、前記第2スペーサの前記第1スペーサと反対側の面に設けられたカバーとを備え、
    前記試薬層が前記第2スペーサの前記切欠部の内壁には接していないことを特徴とする、バイオセンサ。
  2. 前記第1スペーサの厚みが前記第2スペーサの厚みよりも薄い、請求項1に記載のバイオセンサ。
  3. 前記第1スペーサの厚みが90μm以下である、請求項1または2に記載のバイオセンサ。
  4. 前記試薬層は、
    前記絶縁体基板、前記電極層および前記第1スペーサを積層した後に、
    前記酵素および前記メディエータを含む試薬液を前記第1スペーサの前記孔に充填し、前記試薬液を乾燥することによって形成された層である、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載のバイオセンサ。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のバイオセンサの製造方法であって、
    前記絶縁体基板、前記電極層および前記第1スペーサを積層した後に、
    前記酵素および前記メディエータを含む試薬液を前記第1スペーサの前記孔に充填し、前記試薬液を乾燥することによって前記試薬層を形成する工程を含む、バイオセンサの製造方法。
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