JPWO2013121932A1 - 研磨用組成物及び半導体基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

研磨用組成物は、平均一次粒子径が15nm以上45nm以下である砥粒Aと、平均一次粒子径が砥粒Aの平均一次粒子径の0.25倍以上0.8倍以下である砥粒Bとを含有する。砥粒Aにおける長径/短径比の平均値が1.1以上2.0以下であり、砥粒Bにおける長径/短径比の平均値が1.1以上2.0以下である。代替的に又は追加的に、研磨用組成物中の砥粒の総数に対する、長径/短径比が1.5以上である砥粒の数の割合が20%以上80%以下である。

Description

本発明は、研磨用組成物及び半導体基板の製造方法に関する。
シリコン基板の表面を研磨する用途で使用される研磨用組成物として、二酸化ケイ素の粒子を砥粒として含有する研磨用組成物が知られている。例えば、特許文献1には、平均一次粒子径の異なる2種類のシリカ粒子と、水溶性高分子と、塩基性化合物とを含有する研磨用組成物が開示されている。特許文献1では、研磨用組成物に平均一次粒子径の異なる2種類のシリカ粒子を砥粒として含有させることによって、研磨速度の向上や研磨後のシリコン基板の表面粗さの低減を図っている。
特開2009−231486号公報
しかしながら、特許文献1の研磨用組成物を用いた場合には、シリコン基板の研磨面にスクラッチが生じ易いという問題があった。また、特許文献1の研磨用組成物は、シリコン基板の研磨面のヘイズレベルを低減するという観点においても不十分なものであった。
本発明の目的は、研磨対象物の研磨面に生じるスクラッチを低減することができるとともに、同研磨面のヘイズレベルを低減することができる研磨用組成物及び半導体基板の製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明の一態様では、平均一次粒子径が15nm以上45nm以下である砥粒Aと、平均一次粒子径が前記砥粒Aの平均一次粒子径の0.25倍以上0.8倍以下である砥粒Bとを含有し、前記砥粒Aの長径/短径比の平均値が1.1以上2.0以下であり、前記砥粒Bの長径/短径比の平均値が1.1以上2.0以下である研磨用組成物が提供される。
本発明の別の態様では、砥粒を含有する研磨用組成物であって、前記砥粒の一次粒子径に基づく粒度分布は15nm以上45nm以下の範囲内に第1ピークを有し、かつ前記第1ピークの粒子径の0.25倍以上0.8倍以下の範囲内に第2ピークを有するとともに、前記砥粒の長径/短径比の平均値は1.1以上2.0以下である研磨用組成物が提供される。
本発明の更に別の態様では、砥粒を含有する研磨用組成物であって、その研磨用組成物中に含有される砥粒の総数に対する、長径/短径比が1.5以上である砥粒の数の割合が20%以上80%以下である研磨用組成物が提供される。
研磨用組成物は、シリコン基板を研磨する用途に用いられることが好ましい。
研磨用組成物は、シリコン基板を最終研磨する用途に用いられることが好ましい。
本発明の更に別の態様では、上記研磨用組成物を用いてシリコン基板を研磨する研磨工程を含む半導体基板の製造方法が提供される。
本発明の研磨用組成物及び半導体基板の製造方法によれば、研磨対象物の研磨面に生じるスクラッチを低減することができるとともに、同研磨面のヘイズレベルを低減することができる。
以下、本発明の実施形態を説明する。
本実施形態の研磨用組成物は、砥粒を必須成分として含有する。研磨用組成物は、好ましくは水溶性高分子、塩基性化合物、キレート剤、及び界面活性剤を更に含有する。研磨用組成物は砥粒等の各成分を水に混合して調製される。
研磨用組成物は、シリコン基板の表面を研磨する用途に使用される。シリコン基板の研磨工程には、例えば、シリコン単結晶インゴットからスライスされた円盤状のシリコン基板の表面を平坦化する予備研磨工程(一次研磨及び二次研磨)と、予備研磨工程後のシリコン基板の表面に存在する微細な凹凸を更に除去して鏡面化する最終研磨工程とが含まれる。研磨用組成物は最終研磨工程に使用されることが特に好ましい。研磨用組成物を用いて表面を研磨されたシリコン基板は半導体基板の製造に好適に用いることができる。
(砥粒)
砥粒は、シリコン基板の表面を物理的に研磨する働きをする。
砥粒の例としては、無機粒子、有機粒子、及び有機無機複合粒子が挙げられる。無機粒子の具体例としては、例えば、シリカ、アルミナ、セリア、チタニア等の金属酸化物からなる粒子、並びに窒化ケイ素粒子、炭化ケイ素粒子及び窒化ホウ素粒子が挙げられる。有機粒子の具体例としては、例えばポリメタクリル酸メチル(PMMA)粒子が挙げられる。
これらの具体例の中でもシリカが好ましい。シリカの具体例としては、コロイダルシリカ、フュームドシリカ、及びゾルゲル法シリカが挙げられる。シリコン基板の研磨面に生じるスクラッチを減少させるという観点において、コロイダルシリカ及びフュームドシリカが好ましく、特にコロイダルシリカが好ましい。これらのシリカは一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
シリカの真比重は、1.5以上であることが好ましく、より好ましくは1.6以上であり、更に好ましくは1.7以上である。シリカの真比重の増大につれて、シリコン基板を研磨する際に高い研磨速度が得られる。シリカの真比重は、好ましくは2.2以下であり、より好ましくは1.9以下である。シリカの真比重は、乾燥させたシリカ粒子の重量と、このシリカ粒子を体積既知のエタノールに浸漬した後の総重量とから算出される。
研磨用組成物中の砥粒の総含有量は、0.1質量%以上であることが好ましく、より好ましくは0.2質量%以上であり、更に好ましくは0.3質量%以上である。砥粒の総含有量の増大につれて、シリコン基板を研磨する際に高い研磨速度が得られる。研磨用組成物中の砥粒の総含有量は、10質量%以下であることが好ましく、より好ましくは5質量%以下であり、更に好ましくは3質量%以下であり、最も好ましくは1質量%以下である。砥粒の総含有量の減少につれて、研磨用組成物の安定性が向上する。
一実施形態において、砥粒は主に、平均一次粒子径の異なる砥粒A及び砥粒Bから構成される。
砥粒Aの平均一次粒子径は15nm以上であり、好ましくは20nm以上である。砥粒Aの平均一次粒子径の増大につれて、シリコン基板を研磨する際に高い研磨速度が得られる。砥粒Aの平均一次粒子径は45nm以下であり、好ましくは40nm以下である。砥粒の平均一次粒子径の減少につれて、研磨用組成物の安定性が向上する。
砥粒Bの平均一次粒子径は、砥粒Aの平均一次粒子径よりも小さくなるように設定される。具体的には、砥粒Bの平均一次粒子径は、砥粒Aの平均一次粒子径の0.25倍以上であり、好ましくは0.3倍以上である。砥粒Bの平均一次粒子径は、砥粒Aの平均一次粒子径の0.8倍以下であり、好ましくは0.6倍以下である。
換言すれば、砥粒の一次粒子径に基づく粒度分布が15nm以上45nm以下の範囲内に第1ピークを有し、かつ第1ピークの粒子径の0.25倍以上0.8倍以下の範囲内に第2ピークを有するように、砥粒は研磨用組成物中に含有される。
砥粒Aの平均一次粒子径に対する砥粒Bの平均一次粒子径を上記の大きさに設定することにより、研磨用組成物中の砥粒密度を高めることができる。つまり、砥粒Aの粒子間に、平均一次粒子径の小さい砥粒Bが入り込むことによって、研磨用組成物中の砥粒密度が高められる。研磨用組成物中の砥粒密度が高められることによって、シリコン基板を研磨する際に高い研磨速度が得られる。
砥粒の平均一次粒子径は、例えば、電子顕微鏡を用いて求めることができる。具体的には、所定個数(例えば200個)の砥粒の走査型電子顕微鏡画像において、一次粒子径に相当する部分の長さを測定する。砥粒が、複数の一次粒子が会合した二次粒子の形態にある場合には、一次粒子の直径、即ち一個の球体の直径とみなせる部分の長さを測定する。その後、測定された一次粒子径の平均値を平均一次粒子径として算出する。
より具体的には、一次粒子径の分布曲線に基づいて砥粒を二つの群に分ける。一次粒子径が大きい群に属する砥粒の一次粒子径の平均値を砥粒Aの平均一次粒子径とし、一次粒子径が小さい群に属する砥粒の一次粒子径の平均値を砥粒Bの平均一次粒子径とする。砥粒Aの一次粒子径と砥粒Bの一次粒子径とは、走査型電子顕微鏡を用いて区別することができる程度に異なっていることが好ましい。
砥粒Aの長径/短径比の平均値は1.10以上であり、好ましくは1.15以上であり、より好ましくは1.20以上である。砥粒Aの長径/短径比の平均値の増大につれて、シリコン基板を研磨する際に高い研磨速度が得られる。砥粒Aの長径/短径比の平均値は2.0以下であり、好ましくは1.8以下であり、より好ましくは1.6以下であり、更に好ましくは1.4以下である。砥粒Aの長径/短径比の平均値の減少につれて、シリコン基板の研磨面に生じるスクラッチが減少する。
砥粒Bの長径/短径比の平均値は1.10以上であり、好ましくは1.15以上であり、より好ましくは1.20以上である。砥粒Bの長径/短径比の平均値の増大につれて、シリコン基板を研磨する際に高い研磨速度が得られる。砥粒Bの長径/短径比の平均値は2.0以下であり、好ましくは1.8以下であり、より好ましくは1.6以下であり、更に好ましくは1.4以下である。砥粒Bの長径/短径比の平均値の減少につれて、シリコン基板の研磨面に生じるスクラッチが減少する。
砥粒全体の長径/短径比の平均値は1.10以上であり、好ましくは1.15以上、より好ましくは1.20以上である。砥粒全体の長径/短径比の平均値の増大につれて、シリコン基板を研磨する際に高い研磨速度が得られる。砥粒全体の長径/短径比の平均値は2.0以下であり、好ましくは1.8以下、より好ましくは1.6以下、更に好ましくは1.4以下である。砥粒全体の長径/短径比の平均値の減少につれて、シリコン基板の研磨面に生じるスクラッチが減少する。
砥粒A及び砥粒Bの質量に基づく含有比率は、90:10乃至10:90の範囲内にあることが好ましく、より好ましくは80:20乃至20:80の範囲内にある。砥粒A及び砥粒Bの含有比率が上記の範囲内にある場合、研磨用組成物中の砥粒密度を好適に高めることができる。
別の実施形態において、研磨用組成物中の砥粒は、粒子の長径/短径比が1.5以上である砥粒と、粒子の長径/短径比が1.5未満である砥粒とから構成される。
具体的には、研磨用組成物中、長径/短径比が1.5以上である砥粒の数は砥粒の総数の20%以上であり、好ましくは30%以上である。また、長径/短径比が1.5以上である砥粒の数は砥粒の総数の80%以下であり、好ましくは70%以下である。
換言すれば、研磨用組成物中、長径/短径比が1.5未満である砥粒の数は砥粒の総数の20%以上であり、好ましくは30%以上である。また、長径/短径比が1.5未満である砥粒の数は砥粒の総数の80%以下であり、好ましくは70%以下である。
長径/短径比が1.5以上である砥粒の割合の増大につれて、シリコン基板を研磨する際に高い研磨速度が得られる。長径/短径比が1.5以上である砥粒の割合の減少につれて、シリコン基板の研磨面のヘイズレベルが減少する。
また、シリコン基板の研磨面に生じるスクラッチをより好適に減少させるという観点から、長径/短径比が1.5以上である砥粒の長径/短径比は3.0以下であることが好ましい。この場合、研磨用組成物中に含有される砥粒のうち、長径/短径比が1.5以上3.0以下である砥粒以外の砥粒は全て長径/短径比が1.5未満である砥粒となる。
研磨用組成物中の砥粒が、粒子の長径/短径比が1.5以上である砥粒と、粒子の長径/短径比が1.5未満である砥粒とから構成される実施形態の場合、砥粒の平均一次粒子径は5nm以上であることが好ましく、より好ましくは10nm以上であり、更に好ましくは30nm以上である。砥粒の平均一次粒子径の増大につれて、シリコン基板を研磨する際に高い研磨速度が得られる。砥粒の平均一次粒子径は100nm以下であることが好ましく、より好ましくは70nm以下であり、更に好ましくは40nm以下である。砥粒の平均一次粒子径の減少につれて、研磨用組成物の安定性が向上する。砥粒の平均一次粒子径は、例えば、BET法により測定される比表面積から算出される。砥粒の比表面積の測定は、例えば、マイクロメリテックス社製の“Flow SorbII 2300”を用いて行うことができる。
砥粒の平均二次粒子径は10nm以上であることが好ましく、より好ましくは20nm以上であり、更に好ましくは30nm以上である。砥粒の平均二次粒子径の増大につれて、シリコン基板を研磨する際に高い研磨速度が得られる。砥粒の平均二次粒子径は200nm以下であることが好ましく、より好ましくは150nm以下であり、更に好ましくは100nm以下である。砥粒の平均二次粒子径の減少につれて、研磨用組成物の安定性が向上する。砥粒の平均二次粒子径は、例えば、大塚電子社製のFPAR−1000を用いた動的光散乱法により測定することができる。
上記長径/短径比は、砥粒の形状に関する値であり、例えば、砥粒の電子顕微鏡画像を用いて求めることができる。具体的には、砥粒の走査型電子顕微鏡画像において、各砥粒に対し最小外接矩形を描く。次に、各最小外接矩形について、その長辺の長さ(長径の値)を短辺の長さ(短径の値)で除することにより長径/短径比を算出する。こうした画像解析処理に基づく上記長径/短径比の算出は、一般的な画像解析ソフトウェアを用いて行うことができる。
砥粒A(又は砥粒B)の長径/短径比の平均値は、砥粒A(又は砥粒B)に該当する所定個数(例えば200個)の粒子から得られた長径/短径比の平均値を算出することにより求めることができる。また、長径/短径比が1.5以上である砥粒の割合は、走査型電子顕微鏡を用いて所定個数(例えば200個)の砥粒を観察し、長径/短径比が1.5以上である砥粒の数を、観察した砥粒の総数で除することにより算出することができる。
(水)
水は他の成分の分散媒又は溶媒となる。水は、研磨用組成物に含有される他の成分の働きを阻害しないことが好ましい。このような水の例として、例えば遷移金属イオンの合計含有量が100ppb以下の水が挙げられる。水の純度は、例えば、イオン交換樹脂を用いる不純物イオンの除去、フィルターによる異物の除去、蒸留等によって高めることができる。具体的には、例えば、イオン交換水、純水、超純水、蒸留水等を用いることが好ましい。
(水溶性高分子)
研磨用組成物は水溶性高分子を含有してもよい。水溶性高分子は、研磨時やリンス処理時等のシリコン基板の表面処理時において、シリコン基板の研磨面の濡れ性を高める。水溶性高分子としては、分子中に、カチオン基、アニオン基及びノニオン基から選ばれる少なくとも一種の官能基を有するものを使用することができる。具体的な水溶性高分子としては、分子中に水酸基、カルボキシル基、アシルオキシ基、スルホ基、第四級窒素構造、複素環構造、ビニル構造、ポリオキシアルキレン構造等を含むものが挙げられる。
水溶性高分子の具体例としては、セルロース誘導体、ポリ(N−アシルアルキレンイミン)等のイミン誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドンを構造の一部に含む共重合体、ポリビニルカプロラクタム、ポリビニルカプロラクタムを構造の一部に含む共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシアルキレン構造を有する重合体、これらのジブロック型、トリブロック型、ランダム型、及び交互型等の複数種の構造を有する重合体、ポリエーテル変性シリコーン等が挙げられる。
水溶性高分子は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
水溶性高分子の中でも、研磨面における濡れ性の向上、パーティクルの低減、及び表面粗さの低減等の観点から、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、又はポリオキシアルキレン構造を有する重合体が好適である。セルロース誘導体の具体例としては、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。セルロース誘導体の中でも、シリコン基板の研磨面に濡れ性を与える能力が高く、良好な洗浄除去性を有する点から、ヒドロキシエチルセルロースが特に好ましい。
水溶性高分子の重量平均分子量は、ポリエチレンオキサイド換算で、1000以上であることが好ましく、より好ましくは10000以上であり、更に好ましくは100000以上であり、最も好ましくは200000以上である。水溶性高分子の重量平均分子量の増大につれて、シリコン基板の研磨面の濡れ性が高まる。水溶性高分子の重量平均分子量は、2000000以下であることが好ましく、より好ましくは1500000以下であり、更に好ましくは1000000以下であり、最も好ましくは500000以下である。水溶性高分子の重量平均分子量の減少につれて、研磨用組成物の安定性がより向上する。
研磨組成物中の水溶性高分子の含有量は、0.002質量%以上であることが好ましく、より好ましくは0.004質量%以上、更に好ましくは0.006質量%以上である。水溶性高分子の含有量の増大につれて、研磨面の濡れ性がより向上する。研磨用組成物中の水溶性高分子の含有量は、0.5質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.2質量%以下であり、更に好ましくは0.1質量%以下である。水溶性高分子の含有量の減少につれて、研磨用組成物の安定性がより向上する。
(塩基性化合物)
研磨用組成物は塩基性化合物を含有してもよい。塩基性化合物は、シリコン基板の研磨面を化学的に研磨する働きをする(ケミカルエッチング)。これにより、シリコン基板を研磨する際の研磨速度を向上させることが容易となる。
塩基性化合物の具体例としては、アルカリ金属の水酸化物又は塩、水酸化第四級アンモニウム又はその塩、アンモニア、アミン等が挙げられる。アルカリ金属としては、カリウム、ナトリウム等が挙げられる。塩としては、炭酸塩、炭酸水素塩、硫酸塩、酢酸塩等が挙げられる。第四級アンモニウムとしては、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム等が挙げられる。アルカリ金属の水酸化物又は塩の具体例としては、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、硫酸カリウム、酢酸カリウム、塩化カリウム等が挙げられる。水酸化第四級アンモニウム又はその塩の具体例としては、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム等が挙げられる。アミンの具体例としては、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、モノエタノールアミン、N−(β−アミノエチル)エタノールアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、無水ピペラジン、ピペラジン六水和物、1−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−メチルピペラジン、グアニジン等が挙げられる。これらの塩基性化合物は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
塩基性化合物の中でも、アンモニア、アンモニウム塩、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属塩、及び第四級アンモニウム水酸化物から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。塩基性化合物の中でも、アンモニア、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、及び炭酸ナトリウムから選ばれる少なくとも一種がより好ましい。塩基性化合物の中でも、アンモニア、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、及び水酸化テトラエチルアンモニウムから選ばれる少なくとも一種が更に好ましく、一層好ましくはアンモニア及び水酸化テトラメチルアンモニウムの少なくとも一方であり、最も好ましくはアンモニアである。
研磨用組成物中の塩基性化合物の含有量は、0.001質量%以上であることが好ましく、より好ましくは0.002質量%以上であり、更に好ましくは0.003質量%以上である。塩基性化合物の含有量の増大につれて、シリコン基板を研磨する際に高い研磨速度が得られる。
研磨用組成物中の塩基性化合物の含有量は、1.0質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.5質量%以下であり、更に好ましくは0.2質量%以下である。塩基性化合物の含有量の減少につれて、シリコン基板の形状が維持され易くなる。
研磨用組成物のpHは8.0以上であることが好ましく、より好ましくは8.5以上であり、更に好ましくは9.0以上である。研磨用組成物のpHの増大につれて、シリコン基板を研磨する際に高い研磨速度が得られる。研磨用組成物のpHは12.5以下であることが好ましく、より好ましくは12.0以下、更に好ましくは11.5以下である。研磨用組成物のpHの減少につれて、シリコン基板の形状が維持され易くなる。
(キレート剤)
研磨用組成物はキレート剤を含有してもよい。キレート剤は、研磨系中の金属不純物成分を捕捉して錯体を形成することによってシリコン基板の金属汚染を抑制する。
キレート剤の具体例としては、例えば、アミノカルボン酸系キレート剤、及び有機ホスホン酸系キレート剤が挙げられる。アミノカルボン酸系キレート剤の具体例としては、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸アンモニウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、トリエチレンテトラミン六酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸ナトリウムが挙げられる。有機ホスホン酸系キレート剤の具体例としては、2−アミノエチルホスホン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、エタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1,2−ジカルボキシ−1,2−ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸、2−ホスホノブタン−1,2−ジカルボン酸、1−ホスホノブタン−2,3,4−トリカルボン酸、α−メチルホスホノコハク酸等が挙げられる。
(界面活性剤)
研磨用組成物は界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤は、シリコン基板の研磨面の荒れを抑制する。これにより、研磨面のヘイズレベルを低減することが容易となる。特に、研磨用組成物が塩基性化合物を含有する場合には、塩基性化合物によるケミカルエッチングによってシリコン基板の研磨面に荒れが生じ易くなる。このため、塩基性化合物と界面活性剤との併用は特に有効である。
界面活性剤としては、重量平均分子量が1000未満のものが好ましく、例えばアニオン性又はノニオン性の界面活性剤が挙げられる。界面活性剤の中でも、ノニオン性界面活性剤が好適に用いられる。ノニオン性界面活性剤は、起泡性が低いため、研磨用組成物の調製時や使用時の取り扱いが容易となる。また、ノニオン性界面活性剤を用いた場合、研磨用組成物のpH調整が容易となる。ノニオン性界面活性剤の具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のオキシアルキレン重合体、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセルエーテル脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等のポリオキシアルキレン付加物等が挙げられる。
具体的には、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシエチレンプロピルエーテル、ポリオキシエチレンブチルエーテル、ポリオキシエチレンペンチルエーテル、ポリオキシエチレンヘキシルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレン−2−エチルヘキシルエーテル、ポリオキシエチレンノニルエーテル、ポリオキシエチレンデシルエーテル、ポリオキシエチレンイソデシルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンイソステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルアミン、ポリオキシエチレンステアリルアミン、ポリオキシエチレンオレイルアミン、ポリオキシエチレンステアリルアミド、ポリオキシエチレンオレイルアミド、ポリオキシエチレンモノラウリン酸エステル、ポリオキシエチレンモノステアリン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ポリオキシエチレンモノオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジオレイン酸エステル、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等が挙げられる。
界面活性剤は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
(その他成分)
研磨用組成物は、必要に応じて研磨用組成物に一般に含有されている公知の添加剤、例えば有機酸、有機酸塩、無機酸、無機酸塩、防腐剤、防カビ剤等を更に含有してもよい。
有機酸の具体例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸等の脂肪酸、安息香酸、フタル酸等の芳香族カルボン酸、クエン酸、シュウ酸、酒石酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、有機スルホン酸、有機ホスホン酸等が挙げられる。有機酸塩の具体例としては、有機酸の具体例で記載した有機酸のナトリウム塩及びカリウム塩等のアルカリ金属塩、又はアンモニウム塩が挙げられる。
無機酸の具体例としては、硫酸、硝酸、塩酸、炭酸等が挙げられる。無機酸塩の具体例としては、無機酸の具体例で記載した無機酸のナトリウム塩及びカリウム塩等のアルカリ金属塩、又はアンモニウム塩が挙げられる。
有機酸塩及び無機酸塩の中でも、シリコン基板の金属汚染を抑制するという点から、アンモニウム塩が好ましい。
有機酸及びその塩、並びに無機酸及びその塩は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
防腐剤及び防カビ剤の具体例としては、イソチアゾリン系化合物、パラオキシ安息香酸エステル類、フェノキシエタノール等が挙げられる。
上記した研磨用組成物を用いてシリコン基板の表面を研磨する研磨工程においては、シリコン基板の表面に研磨用組成物を供給しながら、同表面に研磨パッドを押し付けてシリコン基板及び研磨パッドを回転させる。このとき、研磨パッドとシリコン基板表面との間の摩擦による物理的作用、及び研磨用組成物中の砥粒とシリコン基板表面との間の摩擦による物理的作用によってシリコン基板の表面は研磨される。研磨用組成物が塩基性化合物を含有する場合には、上記物理的作用に加えて、塩基性化合物による化学的作用によってもシリコン基板の表面は研磨される。
以上詳述した実施形態によれば、次のような効果が発揮される。
(1)研磨用組成物を用いて研磨した後のシリコン基板の研磨面に生じるスクラッチを低減することができるとともに、同研磨面のヘイズレベルを低減することができる。
(2)研磨用組成物は、シリコン基板を研磨する用途、特にシリコン基板を最終研磨する用途に用いられることで、研磨面のヘイズレベルが低く、且つ研磨面にスクラッチの少ない高品質なシリコン基板を得ることが容易となる。
(3)半導体基板の製造方法は、上記の研磨用組成物を用いてシリコン基板を研磨する研磨工程を含む。これにより、研磨面のヘイズレベルが低く、且つ研磨面にスクラッチの少ないシリコン基板が形成され、同シリコン基板から品質の高い半導体基板を製造することができる。
なお、前記実施形態は次のように変更されてもよい。
・ 研磨用組成物は、一剤型であってもよいし、二剤型を含む多剤型であってもよい。
・ 研磨用組成物は、製造時及び販売時には濃縮された状態であってもよい。すなわち、研磨用組成物は、研磨用組成物の原液の形態で製造及び販売されてもよい。
・ 研磨用組成物は、研磨用組成物の原液を水で希釈することにより調製されてもよい。この場合の希釈倍率は、好ましくは2倍以上であり、より好ましくは5倍以上であり、更に好ましくは10倍以上である。上記希釈倍率が増大するにつれて、研磨用組成物の原液の輸送コストが安価になるとともに、保管場所を節約することができる。上記希釈倍率は、好ましくは100倍以下であり、より好ましくは50倍以下であり、更に好ましくは40倍以下である。上記希釈倍率が減少するにつれて、研磨用組成物の原液の安定性が向上する。
・ 研磨用組成物に含有される各成分は製造の直前にフィルターによりろ過処理されたものであってもよい。また、研磨用組成物は、使用の直前にフィルターによりろ過処理して使用されるものであってもよい。ろ過処理が施されることによって、研磨用組成物中の粗大異物が取り除かれて品質が向上する。
上記ろ過処理に用いるフィルターの材質及び構造は特に限定されるものではない。フィルターの材質としては、例えば、セルロース、ナイロン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリカーボネート、ガラス等が挙げられる。フィルターの構造としては、例えばデプスフィルター、プリーツフィルター、メンブレンフィルター等が挙げられる。
・ 研磨用組成物を用いた研磨工程で使用される研磨パッドは、特に限定されない。例えば、不織布タイプ、スウェードタイプ、砥粒を含むもの、砥粒を含まないもののいずれを用いてもよい。
・ 研磨用組成物を用いてシリコン基板を研磨する際に、一度研磨に使用された研磨用組成物を回収して、シリコン基板の研磨に再び使用してもよい。研磨用組成物を再使用する方法としては、例えば、研磨装置から排出される使用済みの研磨用組成物をタンク内にいったん回収し、タンク内から再び研磨装置内へ循環させて使用する方法が挙げられる。研磨用組成物を再使用することで、廃液となる研磨用組成物の排出量を削減し、研磨用組成物の使用量を減らすことができる。このことは、環境負荷を低減できる点、及びシリコン基板の研磨にかかるコストを抑制できる点において有用である。
研磨用組成物を再使用すると、砥粒等の成分が研磨により消費され、損失する。このため、砥粒等の各成分の減少分を研磨用組成物に補充することが好ましい。補充する成分は、個別に研磨用組成物に添加されてもよいし、タンクの大きさや研磨条件等に応じて、二以上の成分を任意の濃度で含んだ混合物として研磨用組成物に添加されてもよい。再使用される研磨用組成物に対して各成分の減少分を補充することにより、研磨用組成物の組成が維持されて、研磨用組成物の機能を持続的に発揮させることができる。
・ 研磨用組成物は、平均一次粒子径が15nm以上45nm以下であり、長径/短径比の平均値が1.1以上2.0以下である砥粒Aと、平均一次粒子径が砥粒Aの平均一次粒子径の0.25倍以上0.8倍以下であり、長径/短径比の平均値が1.1以上2.0以下である砥粒Bとを配合することによって製造されるものであってもよい。
この場合、砥粒A及びBの各平均一次粒子径の値は、BET法により測定される比表面積から算出される平均一次粒子径であってもよい。比表面積の測定は、例えば、マイクロメリテックス社製の“Flow SorbII 2300”を用いて行うことができる。
・ 研磨用組成物は、長径/短径比が1.5以上である砥粒と長径/短径比が1.5未満である砥粒とを、20:80乃至80:20の配合比(粒子数比)で配合することによって製造されるものであってもよい。
・ 研磨用組成物は、平均一次粒子径が15nm以上45nm以下であり、長径/短径比の平均値が1.1以上2.0以下である砥粒Aと、平均一次粒子径が砥粒Aの平均一次粒子径の0.25倍以上0.8倍以下であり、長径/短径比の平均値が1.1以上2.0以下である砥粒Bとを含むこと、及び、研磨用組成物中の砥粒の総数に対する、長径/短径比が1.5以上である砥粒の数の割合が20%以上80%以下であることの両方の特徴を備えるものであってもよい。
・ 研磨用組成物は、シリコン基板を研磨する以外の用途で使用されてもよい。例えば、ステンレス鋼などの金属、プラスチック、ガラス、及びサファイア等の研磨製品を得るために用いてもよい。
実施例及び比較例を挙げて前記実施形態を更に具体的に説明する。
[実施例1]
平均一次粒子径の異なるシリカ粒子A(砥粒A)及びシリカ粒子B(砥粒B)、塩基性化合物としてのアンモニア、水溶性高分子としての重量平均分子量が250,000のヒドロキシエチルセルロース、並びにイオン交換水を配合して、実施例1−1〜1−3’及び比較例1−1〜1−7の研磨用組成物を調製した。シリカ粒子A及びシリカ粒子Bとしては、一次粒子径に基づく粒度分布が正規分布曲線を形成する(単分散の)コロイダルシリカをそれぞれ使用した。
各実施例及び比較例の研磨用組成物の共通組成を表1に示す。また、シリカ粒子A及びシリカ粒子Bの詳細な構成を表3及び4に示す。表3及び4に示すシリカ粒子A及びシリカ粒子Bの平均一次粒子径は、日立製作所製の走査型電子顕微鏡“S−4700”を用いた写真観察に基づく平均一次粒子径であり、平均二次粒子径は動的光散乱法により測定された平均二次粒子径である。
次に、各実施例及び比較例の研磨用組成物を用いて、予備研磨後のシリコン基板の表面を表2に記載の条件で研磨した(最終研磨に相当)。使用したシリコン基板は、直径が300mm、伝導型がP型、結晶方位が<100>、抵抗率が0.1Ω・cm以上100Ω・cm以下であり、株式会社フジミインコーポレーテッド製の研磨スラリー(商品名GLANZOX 1103)を用いて予備研磨したものである。各実施例及び比較例の研磨用組成物について研磨速度を評価するとともに、研磨後のシリコン基板について研磨面のヘイズレベル及びスクラッチの度合いを評価した。
(研磨速度)
研磨前後におけるシリコン基板の質量差を測定し、得られた質量差をシリコン基板の密度、面積、及び研磨時間で除することにより研磨速度を算出するとともに、その算出値に基づいて研磨速度をA〜Eで評価した。その結果を表3及び4の“研磨速度”欄に示す。研磨速度の評価基準は以下のとおりである。
A:研磨速度が0.10μm/分以上である場合。
B:研磨速度が0.08μm/分以上0.10μm/分未満である場合。
C:研磨速度が0.06μm/分以上0.08μm/分未満である場合。
D:研磨速度が0.04μm/分以上0.06μm/分未満である場合。
E:研磨速度が0.04μm/分未満である場合。
(ヘイズレベル)
ケーエルエー・テンコール社製のウェーハ検査装置“Surfscan SP2”を用いて、同装置のDWOモードで研磨後のシリコン基板の研磨面を計測したときに得られる測定値に基づいて同研磨面のヘイズレベルをA〜Eで評価した。その結果を表3及び4の“ヘイズレベル”欄に示す。ヘイズレベルの評価基準は以下のとおりである。
A:上記測定値が0.090ppm未満である場合。
B:上記測定値が0.090ppm以上0.095ppm未満である場合。
C:上記測定値が0.095ppm以上0.100ppm未満である場合。
D:上記測定値が0.100ppm以上0.120ppm未満である場合。
E:上記測定値が0.120ppm以上である場合。
(スクラッチ)
ケーエルエー・テンコール社製のウェーハ検査装置“Surfscan SP2”を用いて、研磨後のシリコン基板の研磨面におけるスクラッチの度合いをA又はDで評価した。その結果を表3及び4の“スクラッチ”欄に示す。スクラッチの度合いの評価基準は以下のとおりである。
A:シリコン基板の研磨面にスクラッチが確認されない場合。
D:シリコン基板の研磨面にスクラッチが確認された場合。
Figure 2013121932
Figure 2013121932
Figure 2013121932
Figure 2013121932
表3に示すように、実施例1−1〜1−3’においては、研磨速度、ヘイズレベル及びスクラッチの度合いのいずれにおいても優れた結果が得られた。特に、長径/短径比が1.5以上である砥粒の割合が砥粒全体の20%以上80%以下の範囲内にある実施例1−1、1−2、及び1−3においては、研磨速度、ヘイズレベル及びスクラッチの度合いのいずれにおいても極めて優れた結果が得られた。一方、表4に示すように、比較例1−1〜1−7においては、研磨速度、ヘイズレベル及びスクラッチの度合いのうち一つ以上が不十分であった。
これらの結果から、好適な研磨速度を維持しつつ、研磨面のヘイズレベル及びスクラッチを低減させるという観点において、研磨用組成物中に、平均一次粒子径が15nm以上45nm以下であるシリカ粒子A、及び平均一次粒子径がシリカ粒子Aの平均一次粒子径の0.25倍以上0.8倍以下であるシリカ粒子Bを含有させること、並びにシリカ粒子A及びシリカ粒子Bにおける長径/短径比の平均値を1.1以上2.0以下とすることが有効であると示唆される。
[実施例2]
砥粒として、長径/短径比が1.5以上のシリカ粒子及び長径/短径比が1.5未満のシリカ粒子を種々の割合で含むコロイダルシリカを用意した。上記コロイダルシリカ、塩基性化合物としてのアンモニア、水溶性高分子としての重量平均分子量が250,000のヒドロキシエチルセルロース、並びにイオン交換水を配合して、実施例2−1〜2−4及び比較例2−1〜2−3の研磨用組成物を調製した。
各実施例及び比較例の研磨用組成物の共通組成は上記表1に示すとおりである。また、砥粒の詳細な構成を表5に示す。表5に示す砥粒の平均一次粒子径は、BET法で測定された比表面積から求められた平均一次粒子径である。上記長径/短径比は、日立製作所製の走査型電子顕微鏡“S−4700”を用いた写真観察に基づいて算出した長径/短径比である。
次に、各実施例及び比較例の研磨用組成物を用いて、予備研磨後のシリコン基板の表面を研磨した。使用したシリコン基板及び研磨条件は実施例1と同様である。また、実施例1と同様にして、研磨速度、ヘイズレベル及びスクラッチの度合いを評価した。それらの結果を表5の“研磨速度”欄、“ヘイズレベル”欄及び“スクラッチ”欄に示す。ただし、本実施例では、研磨速度の評価基準は以下のとおりである。
A:研磨速度が0.05μm/分以上である場合。
B:研磨速度が0.04μm/分以上0.05μm/分未満である場合。
C:研磨速度が0.03μm/分以上0.04μm/分未満である場合。
D:研磨速度が0.02μm/分以上0.03μm/分未満である場合。
E:研磨速度が0.02μm/分未満である場合。
Figure 2013121932
表5に示すように、実施例2−1〜2−4においては、研磨速度、ヘイズレベル及びスクラッチの度合いのいずれにおいても優れた結果が得られた。一方、比較例2−1〜2−3においては、研磨速度、ヘイズレベル及びスクラッチの度合いのうち一つ以上が不十分であった。
これらの結果から、好適な研磨速度を維持しつつ、研磨面のヘイズレベル及びスクラッチを低減させるという観点において、研磨用組成物中の砥粒の総数に対する、長径/短径比が1.5以上である砥粒の数の割合を20%以上80%以下とすることが有効であると示唆される。

Claims (6)

  1. 平均一次粒子径が15nm以上45nm以下である砥粒Aと、平均一次粒子径が前記砥粒Aの平均一次粒子径の0.25倍以上0.8倍以下である砥粒Bとを含有し、
    前記砥粒Aにおける長径/短径比の平均値が1.1以上2.0以下であり、
    前記砥粒Bにおける長径/短径比の平均値が1.1以上2.0以下であることを特徴とする研磨用組成物。
  2. 砥粒を含有する研磨用組成物であって、前記砥粒の一次粒子径に基づく粒度分布は15nm以上45nm以下の範囲内に第1ピークを有し、かつ前記第1ピークの粒子径の0.25倍以上0.8倍以下の範囲内に第2ピークを有するとともに、前記砥粒の長径/短径比の平均値は1.1以上2.0以下であることを特徴とする研磨用組成物。
  3. 砥粒を含有する研磨用組成物であって、
    研磨用組成物中に含有される砥粒の総数に対する、長径/短径比が1.5以上である砥粒の数の割合が20%以上80%以下であることを特徴とする研磨用組成物。
  4. シリコン基板を研磨する用途に用いられる請求項1〜3のいずれか一項に記載の研磨用組成物。
  5. シリコン基板を最終研磨する用途に用いられる請求項4に記載の研磨用組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の研磨用組成物を用いてシリコン基板を研磨する研磨工程を含むことを特徴とする半導体基板の製造方法。
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