JP6029895B2 - 研磨用組成物及び基板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、研磨用組成物及びそれを用いる基板の製造方法に関する。
例えば、シリコン基板等の基板の研磨には、水溶性高分子を含有する研磨用組成物が用いられる。水溶性高分子は、基板の表面の濡れ性を高める働きによって、基板の表面における異物の残留を低減させる効果を発揮する。特許文献1には、水溶性高分子等を含有する研磨用組成物において、研磨速度を高め、ヘイズレベルを低減する構成が開示される。
国際公開第2003/072669号パンフレット
水溶性高分子を含有する研磨用組成物は、研磨面の品質の観点から未だ改善の余地を残している。本発明は、水溶性高分子の有する重量平均分子量、及び、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)で表される分子量分布は、研磨用組成物において水溶性高分子以外の条件を一定とした場合、研磨速度及び研磨面の濡れ性に影響を与えること見出すことでなされたものである。なお、特許文献1は、水溶性セルロースの分子量及び分子量分布について記載するものの、前述した水溶性高分子の影響について何ら教示していない。
本発明の目的は、研磨速度を高める効果及び研磨面の濡れ性を高める効果のいずれも発揮させることの容易な研磨用組成物及び基板の製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明のシリコン基板研磨(ラッピング研磨を除く)用組成物は、重量平均分子量が1000000以下であり、かつ重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)で表される分子量分布が5.0以上、8.0以下の水溶性高分子を含有することを特徴とする。
研磨用組成物は、更に有機酸塩及び無機酸塩から選ばれる少なくとも一種の塩を含有することが好ましい。
研磨用組成物は、pH8.0以上であることが好ましい。
研磨用組成物は、基板を最終研磨する用途に用いられることが好ましい。
本発明の基板の製造方法は、上記研磨用組成物を用いて基板を研磨する研磨工程を含むことを特徴とする。
本発明によれば、研磨速度を高める効果及び研磨面の濡れ性を高める効果のいずれも発揮させることが容易となる。
以下、本発明を具体化した実施形態を説明する。
研磨用組成物は、重量平均分子量が1000000以下であり、かつ重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)で表される分子量分布が5.0以上、8.0以下の水溶性高分子を含有する。本実施形態の研磨用組成物は、例えばシリコン基板、化合物半導体基板等の半導体基板を研磨対象物として、その半導体基板を研磨する用途に用いられる。ここで、半導体基板の研磨工程には、例えば、単結晶インゴットから円盤状にスライスされた半導体基板に対して、その表面を平面化する粗研磨工程(例えば、一次研磨又は二次研磨)と、粗研磨工程後の半導体基板の表面に存在する微細な凹凸を更に除去して鏡面化する最終研磨工程とが含まれる。研磨用組成物は半導体基板を粗研磨する用途にも、最終研磨する用途にも好適に使用することができる。本実施形態の研磨用組成物は、半導体基板を最終研磨する用途に好適に用いられる。
本実施形態の研磨用組成物には、水溶性高分子以外の成分として、有機酸塩及び無機酸塩から選ばれる少なくとも一種の塩、砥粒、塩基性化合物、及び水を含有させることができる。
<水溶性高分子>
水溶性高分子は、研磨面の濡れ性を高める働きを有する。水溶性高分子として、重量平均分子量がより小さく、かつ分子量分布がより大きい水溶性高分子を用いることで、研磨速度を高める効果及び研磨面の濡れ性を高める効果のいずれの効果も発揮させることが容易となる。なお、分子量分布がより小さい水溶性高分子を用いることで、研磨用組成物の分散安定性が高まる傾向にある。こうした観点から、研磨用組成物に使用される水溶性高分子の重量平均分子量及び分子量分布は上記のように設定される。
水溶性高分子の分子量分布は、多分散度とも呼ばれる。重量平均分子量(Mw)は、ポリエチレンオキサイド換算の重量平均分子量を示す。重量平均分子量及び数平均分子量、並びに分子量分布は、ゲル浸透クロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography,GPC)によって測定される値を示す。
研磨用組成物の分散安定性は、例えば、次のように評価される。長さが1m程度の円筒形状をなす容器に、研磨用組成物を容器の底面から80cm程度の高さまで満たす。次に、容器を常温(例えば25℃)で静置し、3〜6ヶ月の期間保管する。保管後に容器の底面から5cmに位置する研磨用組成物と、底面から75cmに位置する研磨用組成物を採取し、それら研磨組成物の比重を測定し、比重差の絶対値を求める。この比重差の絶対値がより小さい研磨用組成物ほど、分散安定性が高いと言える。
水溶性高分子としては、分子中に、カチオン基、アニオン基及びノニオン基から選ばれる少なくとも一種の官能基を有するものを使用することができる。水溶性高分子は、例えば、分子中に水酸基、カルボキシル基、アシルオキシ基、スルホ基、第四級窒素構造、複素環構造、ビニル構造、ポリオキシアルキレン構造等を有する。
水溶性高分子としては、例えば、セルロース誘導体、ポリ(N−アシルアルキレンイミン)等のイミン誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドンを構造の一部に含む共重合体、ポリビニルカプロラクタム、ポリビニルカプロラクタムを構造の一部に含む共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシアルキレン構造を有する重合体、これらのジブロック型やトリブロック型、ランダム型、交互型といった複数種の構造を有する重合体等が挙げられる。
水溶性高分子は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
研磨速度は、水溶性高分子の重量平均分子量の減少によって、高まる傾向となる。研磨用組成物の安定性は、水溶性高分子の重量平均分子量の減少によって、より保たれる傾向となる。研磨面の濡れ性は、水溶性高分子の重量平均分子量の増大によって、高まる傾向となる。
水溶性高分子としてセルロース誘導体及びポリオキシアルキレン構造を有する重合体から選ばれる少なくとも一種の水溶性高分子(“水溶性高分子A”という)を用いる場合、水溶性高分子Aの重量平均分子量は、好ましくは900000以下であり、更に好ましくは800000以下である。水溶性高分子Aの重量平均分子量は、好ましくは50000以上であり、より好ましくは100000以上であり、更に好ましくは400000以上であり、最も好ましくは600000以上である。
水溶性高分子としてイミン誘導体及びポリビニルアルコールから選ばれる少なくとも一種の水溶性高分子(“水溶性高分子B”という)を用いる場合、水溶性高分子Bの重量平均分子量は、好ましくは200000以下であり、より好ましくは120000以下であり、更に好ましくは80000以下である。水溶性高分子Bの重量平均分子量は、好ましくは4000以上であり、より好ましくは8000以上であり、更に好ましくは10000以上である。
水溶性高分子Bとしてポリビニルアルコールを用いる場合、ポリビニルアルコールのけん化度は、好ましくは65モル%以上であり、より好ましくは70モル%以上であり、更に好ましくは80モル%以上である。ポリビニルアルコールのけん化度は、理論上、100モル%以下となる。
水溶性高分子としてポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドンを構造の一部に含む共重合体、ポリビニルカプロラクタム、及びポリビニルカプロラクタムを構造の一部に含む共重合体から選ばれる少なくとも一種の水溶性高分子(“水溶性高分子C”という)を用いる場合、水溶性高分子Cの重量平均分子量は、好ましくは500000以下であり、より好ましくは100000以下である。水溶性高分子Cの重量平均分子量は、好ましくは3000以上であり、より好ましくは5000以上であり、更に好ましくは10000以上である。
水溶性高分子の分子量分布は、好ましくは5.1以上であり、より好ましくは5.2以上であり、更に好ましくは5.3以上であり、最も好ましくは5.5以上である。水溶性高分子の分子量分布は、好ましくは7.5以下であり、より好ましくは7.0以下であり、更に好ましくは6.5以下であり、最も好ましくは6以下である。
水溶性高分子の中でも、研磨面の濡れ性の向上等の観点から、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、又はポリオキシアルキレン構造を有する重合体が好適である。セルロース誘導体としては、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、及びカルボキシメチルセルロースが挙げられる。セルロース誘導体の中でも、研磨面に濡れ性を与える能力が高く、良好な洗浄性を有するという観点から、ヒドロキシエチルセルロースが特に好ましい。
研磨用組成物中における水溶性高分子の含有量は、0.002質量%以上であることが好ましく、より好ましくは0.004質量%以上であり、更に好ましくは0.006質量%以上であり、最も好ましくは0.01質量%以上である。研磨用組成物中における水溶性高分子の含有量の増大によって、研磨面の濡れ性がより向上する傾向となる。研磨用組成物中における水溶性高分子の含有量は、0.5質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.2質量%以下であり、更に好ましくは0.1質量%以下であり、最も好ましくは0.05質量%以下である。研磨用組成物中における水溶性高分子の含有量の減少によって、研磨用組成物の安定性がより保たれる傾向となる。
<有機酸塩及び無機酸塩>
研磨用組成物には、研磨面の濡れ性を高める効果を発揮させることが更に容易にするという観点から、有機酸塩及び無機酸塩から選ばれる少なくとも一種の塩が含有されることが好ましい。また、これらの塩は、砥粒を適度に凝集させる働きを有するため、研磨速度をより高める効果も得られ易くなる。
有機酸塩は、有機酸とそのカウンターイオンとしての陽イオン(但し、水素イオンを除く。)とからなる。有機酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸等の脂肪酸、安息香酸、フタル酸等の芳香族カルボン酸、クエン酸、シュウ酸、酒石酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、有機スルホン酸、及び有機ホスホン酸が挙げられる。陽イオンとしては、例えば、ナトリウム及びカリウム等のアルカリ金属のイオン、又はアンモニウムイオンが挙げられる。
無機酸塩は、無機酸とそのカウンターイオンとしての陽イオン(但し、水素イオンを除く。)とからなる。無機酸としては、例えば、硫酸、硝酸、塩酸、及び炭酸が挙げられる。陽イオンとしては、例えば、ナトリウム及びカリウム等のアルカリ金属のイオン、又はアンモニウムイオンが挙げられる。
有機酸塩及び無機酸塩は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
有機酸塩及び無機酸塩の中でも、半導体基板の金属汚染を抑制するという観点から、アンモニウム塩が好ましい。
研磨用組成物中における有機酸塩及び無機酸塩から選ばれる少なくとも一種の塩の含有量は、0.0001質量%以上であることが好ましく、より好ましくは0.001質量%以上であり、更に好ましくは0.01質量%以上である。研磨用組成物中における上記塩の含有量の増大によって、上記効果がより発揮され易くなる。研磨用組成物中における有機酸塩及び無機酸塩から選ばれる少なくとも一種の塩の含有量は、1.0質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.5質量%以下であり、更に好ましくは0.1質量%以下である。研磨用組成物中における上記塩の含有量の減少によって、ヘイズレベルを低減することが容易となる。
<砥粒>
研磨用組成物には、砥粒を含有させることができる。砥粒は、半導体基板の表面に対して、物理的な作用を与えて物理的に研磨する。
砥粒としては、例えば、無機粒子、有機粒子、及び有機無機複合粒子が挙げられる。無機粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、セリア、チタニア等の金属酸化物からなる粒子、並びに窒化ケイ素粒子、炭化ケイ素粒子及び窒化ホウ素粒子が挙げられる。有機粒子としては、例えば、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)粒子が挙げられる。
砥粒の平均一次粒子径は5nm以上であることが好ましく、より好ましくは15nm以上であり、更に好ましくは25nm以上である。砥粒の平均一次粒子径の増大によって、半導体基板を研磨する際に高い研磨速度が得られ易くなる。砥粒の平均一次粒子径は100nm以下であることが好ましく、より好ましくは50nm以下であり、更に好ましくは40nm以下である。砥粒の平均一次粒子径の減少によって、研磨用組成物の安定性が向上し易くなる。
砥粒の平均一次粒子径の値は、例えば、BET法により測定される比表面積から算出される。砥粒の比表面積の測定は、例えば、マイクロメリテックス社製の“Flow SorbII 2300”を用いて行うことができる。
砥粒の平均二次粒子径は50nm以上であることが好ましく、より好ましくは70nm以上であり、更に好ましくは80nm以上である。砥粒の平均二次粒子径の増大によって、半導体基板を研磨する際に高い研磨速度が得られ易くなる。砥粒の平均二次粒子径は300nm以下であることが好ましく、より好ましくは280nm以下であり、更に好ましくは250nm以下である。砥粒の平均二次粒子径の減少によって、研磨用組成物の安定性が向上し易くなる。砥粒の平均二次粒子径は、動的光散乱法により測定することができる。
砥粒の長径/短径比の平均値は、理論上1.0以上であり、好ましくは1.05以上であり、より好ましくは1.1以上である。上記長径/短径比の平均値の増大によって、高い研磨速度が得られ易くなる。砥粒の長径/短径比の平均値は3.0以下であることが好ましく、より好ましくは2.0以下であり、更に好ましくは1.5以下である。上記長径/短径比の平均値の減少によって、研磨面に生じるスクラッチが減少する傾向となる。
研磨用組成物に含有される全ての砥粒のうち、粒子数の比較において、上記長径/短径比が1.5以上の粒子の個数割合は、10%以上であることが好ましく、より好ましくは20%以上である。上記長径/短径比が1.5以上の粒子の個数割合の増大によって、高い研磨速度が得られ易くなる。上記長径/短径比が1.5以上の粒子の割合は、90%以下であることが好ましく、より好ましくは80%以下である。上記長径/短径比が1.5以上である砥粒の個数割合の減少によって、研磨面のヘイズレベルが低減され易くなる。
上記長径/短径比は、砥粒の粒子形状を示す値であり、例えば、電子顕微鏡を用いた写真観察により求めることができる。具体的には、走査型電子顕微鏡を用いて、所定個数(例えば200個)の砥粒を観察し、各々の粒子画像に外接する最小の長方形を描く。そして、各粒子画像に対して描かれた長方形について、その長辺の長さ(長径の値)を短辺の長さ(短径の値)で除した値を長径/短径比として算出する。また、その平均値を算出することにより、長径/短径比の平均値を求めることができる。上記長径/短径比は、例えば、(株)日立製作所製の走査型電子顕微鏡“S−4700”を用いた写真観察に基づいて算出することができる。
研磨用組成物中における砥粒の含有量は、0.1質量%以上であることが好ましく、より好ましくは0.2質量%以上であり、更に好ましくは0.3質量%以上である。砥粒の含有量の増大によって、高い研磨速度が得られ易くなる。研磨用組成物中における砥粒の含有量は、10質量%以下であることが好ましく、より好ましくは3質量%以下であり、更に好ましくは1質量%以下である。砥粒の含有量の減少によって、研磨用組成物の安定性がより保たれる傾向となる。
ここで、砥粒としてのシリカは、例えばシリコン基板の研磨に好適に用いられる。シリカの具体例としては、コロイダルシリカ、フュームドシリカ、及びゾルゲル法シリカから選ばれるシリカの粒子が挙げられる。これらシリカの粒子の中でも、半導体基板の研磨面に生じるスクラッチを減少させるという観点において、コロイダルシリカ及びフュームドシリカから選ばれるシリカの粒子、特にコロイダルシリカを用いることが好ましい。これらのうち一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
シリカの真比重は、1.5以上であることが好ましく、より好ましくは1.6以上であり、更に好ましくは1.7以上である。シリカの真比重の増大によって、高い研磨速度が得られ易くなる。シリカの真比重は、2.2以下であることが好ましく、より好ましくは2.0以下であり、更に好ましくは1.9以下である。シリカの真比重の減少によって、研磨面に生じるスクラッチが減少する傾向となる。シリカの真比重は、シリカの粒子を乾燥させた際の重量と、このシリカの粒子に容量既知のエタノールを満たした際の重量とから算出される。
<塩基性化合物>
研磨用組成物中には塩基性化合物を含有させることができる。塩基性化合物は、研磨面に対して、化学的な作用を与えて化学的に研磨する(ケミカルエッチング)。これにより、研磨速度を向上させることが容易となる。
塩基性化合物としては、例えば、アルカリ金属の水酸化物、水酸化第四級アンモニウム又はその塩、アンモニア、及びアミンが挙げられる。アルカリ金属の水酸化物としては、例えば、水酸化カリウム、及び水酸化ナトリウムが挙げられる。水酸化第四級アンモニウム又はその塩としては、例えば、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、及び水酸化テトラブチルアンモニウムが挙げられる。アミンとしては、例えば、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、モノエタノールアミン、N−(β−アミノエチル)エタノールアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、無水ピペラジン、ピペラジン六水和物、1−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−メチルピペラジン、及びグアニジンが挙げられる。
塩基性化合物は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
塩基性化合物の中でも、アンモニア、アルカリ金属の水酸化物、及び第四級アンモニウム水酸化物から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
塩基性化合物の中でも、アンモニア、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、及び水酸化テトラエチルアンモニウムから選ばれる少なくとも一種がより好ましく、更に好ましくはアンモニア及び水酸化テトラメチルアンモニウムの少なくとも一方であり、最も好ましくはアンモニアである。
研磨用組成物中における塩基性化合物の含有量は、0.001質量%以上であることが好ましく、より好ましくは0.002質量%以上であり、更に好ましくは0.003質量%以上であり、最も好ましくは0.005質量%以上である。研磨用組成物中における塩基性化合物の含有量の増大によって、高い研磨速度が得られる傾向となる。研磨用組成物中における塩基性化合物の含有量は、1.0質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.5質量%以下であり、更に好ましくは0.1質量%以下であり、最も好ましくは0.05質量%以下である。研磨用組成物中における塩基性化合物の含有量の減少によって、半導体基板の形状が維持され易くなる傾向となる。
<水>
研磨用組成物中の水は、他の成分を溶解または分散させる働きを有する。水は、研磨用組成物に含有される他の成分の働きが阻害されることを極力回避するため、例えば遷移金属イオンの合計含有量が100ppb以下とされることが好ましい。例えば、イオン交換樹脂を用いる不純物イオンの除去、フィルターによる異物の除去、蒸留等の操作によって水の純度を高めることができる。具体的には、例えば、イオン交換水、純水、超純水、蒸留水等を用いることが好ましい。
<pH>
研磨用組成物のpHは、8.0以上が好ましく、より好ましくは8.5以上であり、更に好ましくは9.0以上である。研磨用組成物のpHの増大によって、半導体基板を研磨する際に高い研磨速度が得られる傾向となる。研磨用組成物のpHは12.5以下であることが好ましく、より好ましくは11.5以下であり、最も好ましくは11以下である。研磨用組成物のpHの減少によって、半導体基板の形状が維持され易くなる傾向となる。
<キレート剤>
研磨用組成物中にはキレート剤を含有させることができる。キレート剤は、研磨系中の金属不純物成分を捕捉して錯体を形成することによって半導体基板の金属汚染を抑制する。
キレート剤としては、例えば、アミノカルボン酸系キレート剤、及び有機ホスホン酸系キレート剤が挙げられる。アミノカルボン酸系キレート剤としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸アンモニウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、トリエチレンテトラミン六酢酸、及びトリエチレンテトラミン六酢酸ナトリウムが挙げられる。有機ホスホン酸系キレート剤としては、例えば、2−アミノエチルホスホン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、エタン−1,1,−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1,2−ジカルボキシ−1,2−ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸、2−ホスホノブタン−1,2−ジカルボン酸、1−ホスホノブタン−2,3,4−トリカルボン酸、及びα−メチルホスホノコハク酸が挙げられる。
<界面活性剤>
研磨用組成物中には界面活性剤を含有させることができる。界面活性剤は、半導体基板の研磨面の荒れを抑制する。これにより、研磨面のヘイズレベルを低減することが容易となる。特に、研磨用組成物に塩基性化合物を含有させた場合には、塩基性化合物による化学的研磨(ケミカルエッチング)によって半導体基板の研磨面に荒れが生じ易くなる傾向となる。このため、塩基性化合物と界面活性剤との併用は特に有効である。
界面活性剤としては、重量平均分子量が1000未満のものが好ましく、アニオン性又はノニオン性の界面活性剤が挙げられる。界面活性剤の中でも、ノニオン性界面活性剤が好適に用いられる。ノニオン性界面活性剤は、起泡性が低いため、研磨用組成物の調製時や使用時の取り扱いが容易となる。また、例えばイオン性の界面活性剤を用いた場合よりも、pH調整が容易となる。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のオキシアルキレン重合体や、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセルエーテル脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等のポリオキシアルキレン付加物等や、複数種のオキシアルキレンの共重合体(ジブロック型、トリブロック型、ランダム型、交互型)が挙げられる。
具体的には、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシエチレンプロピルエーテル、ポリオキシエチレンブチルエーテル、ポリオキシエチレンペンチルエーテル、ポリオキシエチレンヘキシルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレン−2−エチルヘキシルエーテル、ポリオキシエチレンノニルエーテル、ポリオキシエチレンデシルエーテル、ポリオキシエチレンイソデシルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンイソステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルアミン、ポリオキシエチレンステアリルアミン、ポリオキシエチレンオレイルアミン、ポリオキシエチレンステアリルアミド、ポリオキシエチレンオレイルアミド、ポリオキシエチレンモノラウリン酸エステル、ポリオキシエチレンモノステアリン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ポリオキシエチレンモノオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジオレイン酸エステル、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノパルチミン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等が挙げられる。これらの界面活性剤の中でも、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、特にポリオキシエチレンデシルエーテルが好適に用いられる。
界面活性剤は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
<上記成分以外の成分>
研磨用組成物は、必要に応じて研磨用組成物に一般に含有されている公知の添加剤、例えば有機酸、及び無機酸を更に含有してもよい。
有機酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸等の脂肪酸、安息香酸、フタル酸等の芳香族カルボン酸、クエン酸、シュウ酸、酒石酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、有機スルホン酸、及び有機ホスホン酸が挙げられる。無機酸としては、例えば、硫酸、硝酸、塩酸、及び炭酸が挙げられる。
有機酸及び無機酸は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
研磨用組成物は、防腐剤、防カビ剤等を更に含有してもよい。防腐剤及び防カビ剤としては、例えば、イソチアゾリン系化合物、パラオキシ安息香酸エステル類、及びフェノキシエタノールが挙げられる。
<研磨用組成物の調製>
研磨用組成物の調製には、例えば翼式攪拌機、超音波分散機、ホモミキサー等の周知の混合装置を用いることができる。研磨用組成物の各原料は、同時に混合されてもよいし、混合順序を適宜設定されてもよい。
研磨用組成物は、例えば輸送や保管を容易にするという観点から、希釈用原液を水で希釈する希釈する希釈工程を含む工程を通じて得られることが好ましい。すなわち、水溶性高分子を含有する希釈用原液を調製した後に、その希釈用原液から研磨用組成物を得ることが好ましい。
希釈用原液中に含有する砥粒の平均二次粒子径をR1とし、研磨用組成物中に含有する砥粒の平均二次粒子径R2とした場合、平均二次粒子径R1に対する平均二次粒子径R2の比率(比率=R2/R1)は、0.75を超え、3.0以下とされていることが好ましく、より好ましくは0.80以上であり、更に好ましくは0.85以上であり、最も好ましくは0.90以上である。平均二次粒子径をR1及び平均二次粒子径R2は、いずれも大塚電子株式会社製、FPAR−1000を用いて測定された値である。上記比率の増加によって、研磨面の濡れ性を高める効果がより発揮され易くなる。上記比率は、より好ましくは2.0以下であり、更に好ましくは1.5以下である。上記比率の減少によって、研磨面に生じるスクラッチやパーティクルが減少される傾向となる。
上記比率は、有機酸塩及び無機酸塩から選ばれる少なくとも一種の塩を希釈用原液に予め含有させたり、希釈工程を通じて得られた研磨用組成物に配合したりすることで、更に増加させることができる。
希釈用原液に含有する砥粒の平均二次粒子径R1の値は、希釈用原液に含有する砥粒の平均二次粒子径R2と同様に動的光散乱法により測定することができる。
希釈用原液に含有される砥粒の平均二次粒子径R1は、10nm以上であることが好ましく、より好ましくは20nm以上である。砥粒の平均二次粒子径R1の増大によって、半導体基板を研磨する際に高い研磨速度が得られ易くなる。希釈用原液に含有される砥粒の平均二次粒子径R1は、200nm以下であることが好ましく、より好ましくは150nm以下である。砥粒の平均二次粒子径R1の減少によって、希釈用原液の安定性が向上する傾向となる。
希釈工程における希釈率Dは、体積換算において、2倍以上であることが好ましく、より好ましくは5倍以上、更に好ましくは10倍以上である。希釈工程における希釈率Dを高めることによって、輸送コストを削減することができ、また希釈用原液としての保管する際の保管場所の確保が容易となる。
希釈工程における希釈率Dは、体積換算において、100倍以下であることが好ましく、より好ましくは50倍以下、更に好ましくは30倍以下である。希釈工程における希釈率Dを低めることによって、希釈液や研磨用組成物の安定性を確保することが容易となる。
希釈用原液は、上述した希釈用原液の原料を混合することにより得られる。混合には、例えば翼式攪拌機、超音波分散機、ホモミキサー等の周知の混合装置を用いることができる。希釈用原液の原料の混合は、各原料を同時に混合してもよいし、混合順序を適宜設定してもよい。
希釈工程における希釈は、希釈用原液を上述した混合装置で撹拌しながら水を徐々に添加する希釈方法を採用することが好ましい。なお、希釈工程における希釈は、希釈用原液に水を添加した後に、上述した混合装置で撹拌してもよい。
次に、半導体基板の製造方法について研磨用組成物の作用とともに説明する。
半導体基板は、研磨用組成物を用いた研磨工程を含む製造方法により製造される。研磨工程では、半導体基板の表面に研磨用組成物を供給しながら、半導体基板の表面に研磨パッドを押し付けて半導体基板及び研磨パッドを回転させる。このとき、研磨用組成物に含有される水溶性高分子により研磨面の濡れ性が高まる。この水溶性高分子の重量平均分子量は1000000以下であるため、研磨速度が高まり易くなる。更に、水溶性高分子の分子量分布が5.0以上であるため、研磨速度及び研磨面の濡れ性が更に高まり易くなる。こうして研磨工程が完了した半導体基板は、その表面を洗浄する洗浄工程が実施される。
以上詳述した本実施形態によれば、次のような効果が発揮される。
(1)研磨用組成物は、重量平均分子量が1000000以下であり、かつ分子量分布が5.0以上の水溶性高分子を含有するため、研磨速度を高める効果及び研磨面の濡れ性を高める効果のいずれも発揮させることが容易となる。このため、例えば研磨面の品質を確保することが容易となる。なお、水溶性高分子の分子量分布が8.0以下であるため、研磨用組成物の分散安定性を高めることが容易となる。
(2)研磨用組成物には、有機酸塩及び無機酸塩から選ばれる少なくとも一種の塩が含有されることで、研磨面の濡れ性を高める効果を発揮させることが更に容易となる。また、研磨速度をより高める効果も得られ易くなる。
(3)研磨用組成物は、半導体基板を研磨する用途に用いられることで、例えば品質を維持しつつも、研磨の効率を高めることが容易となる。
(4)半導体基板の最終研磨は、特に品質が重視される傾向にある。研磨用組成物は、半導体基板を最終研磨する用途に用いられることで、研磨速度を高める効果及び研磨面の濡れ性を高める効果に基づく品質向上に貢献することが可能となる。
(5)半導体基板の製造方法は、重量平均分子量が1000000以下であり、かつ分子量分布が5.0以上の水溶性高分子を含有する研磨用組成物を用いて半導体基板を研磨する研磨工程を含む。このため、例えば品質を維持しつつも、研磨の効率を高めて半導体基板を製造することが容易となる。
前記実施形態は次のように変更されてもよい。
・前記研磨用組成物に含有する水溶性高分子の分子量分布は、例えば重量平均分子量の異なる複数種の水溶性高分子を混合することで調整されてもよい。すなわち、研磨用組成物中の水溶性高分子は、一種又は複数種から構成される水溶性高分子であって、その水溶性高分子全体の重量平均分子量Mwにおける分子量分布(Mw/Mn)が5.0以上となる構成であればよい。
・前記研磨用組成物は、一剤型であってもよいし、二剤以上から構成する多剤型であってもよい。
・前記実施形態の研磨用組成物に含有される各成分は製造の直前にフィルターによりろ過処理されたものであってもよい。また、前記実施形態の研磨用組成物は、使用の直前にフィルターによりろ過処理して使用されるものであってもよい。ろ過処理が施されることによって、研磨用組成物中の粗大異物が取り除かれて品質が向上する。
上記ろ過処理に用いるフィルターの材質及び構造は特に限定されるものではない。フィルターの材質としては、例えば、セルロース、ナイロン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリカーボネート、ガラス等が挙げられる。フィルターの構造としては、例えばデプス、プリーツ、メンブレン等が挙げられる。
・前記実施形態の研磨用組成物を用いた研磨工程で使用される研磨パッドは、特に限定されない。例えば、不織布タイプ、スウェードタイプ、砥粒を含むもの、砥粒を含まないもののいずれを用いてもよい。
・前記実施形態の研磨用組成物を用いて半導体基板を研磨するに際して、一度研磨に使用された研磨用組成物を回収して、半導体基板の研磨に再び使用してもよい。研磨用組成物を再使用する方法としては、例えば、研磨装置から排出された研磨用組成物をタンク内に回収し、再度研磨装置内へ循環させて使用する方法が挙げられる。研磨用組成物を再使用することは、廃液として排出される研磨用組成物の量が減ることにより環境負荷が低減できる点、及び使用する研磨用組成物の量が減ることにより半導体基板の研磨にかかる製造コストを抑制できる点において有用である。
研磨用組成物を再使用する場合には、研磨により消費又は損失された砥粒等の各成分の一部又は全部を、組成物調整剤として添加することが好ましい。組成物調整剤は、各成分を個々に添加してもよいし、各成分を循環タンクの大きさや研磨条件等に応じた任意の比率にて混合した状態で添加してもよい。再使用される研磨用組成物に対して組成物調整剤を添加することにより、研磨用組成物の組成が維持されて、研磨用組成物の機能を持続的に発揮させることができる。
・前記研磨用組成物の研磨対象となる化合物半導体基板の材料としては、炭化ケイ素、窒化ガリウム、ヒ化ガリウム等が挙げられる。前記研磨用組成物は、半導体基板に限らず、ステンレス等の金属、プラスチック、ガラス、及びサファイア等を材料とする基板を研磨する用途、及び基板の製造方法に用いられることで、上記(1)で述べた効果を得ることもできる。更に、研磨用組成物は、基板に限らず、各種材料からなる研磨製品を得るために用いることもできる。
上記実施形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。
(イ)希釈することで研磨用組成物を得るための希釈用原液であって、砥粒と、重量平均分子量が1000000以下であり、かつ分子量分布が5.0以上、8.0以下の水溶性高分子とを含有する希釈用原液。
(ロ)前記希釈用原液を水で希釈する希釈工程を通じて研磨用組成物を製造する研磨用組成物の製造方法。
(ハ)前記研磨用組成物を用いて基板を研磨する研磨方法。
次に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態を更に具体的に説明する。
(実施例1〜13及び比較例1,2)
砥粒としてのコロイダルシリカ、水溶性高分子、及び塩基性化合物をイオン交換水に混合することで希釈用原液を調製した。砥粒としては平均一次粒子径35nmのコロイダルシリカ、塩基性化合物としてはアンモニアを用いた。実施例8〜13の希釈用原液には、更に塩を含有させた。次に、希釈用原液を純水によって20倍に希釈する希釈工程を行うことで、表1に示す水溶性高分子を含有する研磨用組成物を得た。希釈工程では、ホモジナイザーを用いて撹拌及び分散する操作を行った後に、研磨用組成物中に含まれる粗大異物を取り除くために、研磨用組成物をろ過した。
各例の研磨用組成物中の砥粒の含有量は0.5質量%であり、塩基性化合物の含有量は0.01質量%である。
表1中の“水溶性高分子”欄において、“Mw”は重量平均分子量、“Mn”は数平均分子量、“Mw/Mn”は分子量分布を示し、分子量分布を測定するGPCの条件は以下のとおりである。
<GPCの測定条件>
カラム:東ソー(株)製の商品名:TSKgel GMPWxl×2+G2500PWxl(φ7.8mm×300mm×3本)
カラム温度:40℃
溶離液:200mM 硝酸ナトリウム水溶液
試料濃度:0.05質量%
流速:1.0mL/min
注入量:200μL
検出器:RI(示差屈折計)
標準物質:ポリエチレンオキサイド
表1中の“水溶性高分子”欄において“種類”欄に記載する“HEC”は、ヒドロキシエチルセルロースを示す。表1中の“塩”欄において、“種類”欄に記載する“TAC”は、クエン酸三アンモニウムを示し、“AAc”は、酢酸アンモニウムを示す。
希釈用原液中に含有される砥粒の平均二次粒子径R1、及び研磨用組成物中に含有される砥粒の平均二次粒子径R2を大塚電子株式会社製、FPAR−1000を用いて測定した結果を表1中の“R1”及び“R2”欄に示す。また、平均二次粒子径R1に対する平均二次粒子径R2の比率を表1中の“R2/R1”欄に示す。
<研磨工程>
得られた研磨用組成物を用いて、表2に示す条件でシリコン基板を最終研磨した。この最終研磨に供されるシリコン基板は、市販の研磨剤(商品名:GLANZOX−1103、株式会社フジミインコーポレーテッド製)を用いて予め研磨される。シリコン基板は、直径が300mm、伝導型がP型、結晶方位が<100>、抵抗率が0.1Ω・cm以上100Ω・cm未満である。
<研磨速度>
表2に示す条件でシリコン基板を研磨したときのシリコン基板の厚みを黒田精工株式会社製のナノメトロ300TTを使って測定し、研磨前後の厚みの差を研磨時間で除して研磨速度を算出した。表1の“研磨速度”欄に示した“A”は研磨速度が0.04μm/分以上、“B”は0.03μm/分以上0.04μm/分未満、“C”は0.025μm/分以上0.03μm/分未満、“D”は0.02μm/分以上0.025μm/分未満、“E”は0.015μm/分以上0.02μm/分未満、“F”は0.015μm/分未満であることを表す。
<濡れ性>
研磨工程後の研磨面の撥水部分について基板端部からの長さを計測した。このとき、撥水部分が存在しない場合を“A”、撥水部分が2mm未満の場合を“B”、2mm以上5mm未満の場合を“C”、5mm以上10mm未満の場合を“D”、10mm以上15mm未満である場合を“E”、15mm以上の場合を“F”と判定した。その判定結果を表1の“濡れ性”欄に示す。
表1に示すように、各実施例では、研磨速度及び濡れ性の結果がA、B、C又はDであった。比較例1では、水溶性高分子の分子量分布が5未満であるため、研磨速度及び濡れ性の結果が各実施例よりも劣る。比較例2では、水溶性高分子の分子量分布は5以上であるものの、重量平均分子量が1000000を超えるため、研磨速度の結果が各実施例よりも劣る。

Claims (5)

  1. 重量平均分子量が1000000以下であり、かつ重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)で表される分子量分布が5.0以上、8.0以下の水溶性高分子を含有することを特徴とするシリコン基板研磨(ラッピング研磨を除く)用組成物。
  2. 更に有機酸塩及び無機酸塩から選ばれる少なくとも一種の塩を含有する請求項1に記載の研磨用組成物。
  3. 前記研磨用組成物は、pH8.0以上である請求項1又は請求項2に記載の研磨用組成物。
  4. 基板を最終研磨する用途に用いられる請求項1〜3のいずれか一項に記載の研磨用組成物。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の研磨用組成物を用いて基板を研磨する研磨工程を含むことを特徴とする基板の製造方法。
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