JPWO2013121715A1 - スピーカ - Google Patents

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Abstract

スピーカ10は、基板と、その基板の少なくとも片面に設けられた圧電素子とを有する複数の圧電振動板11、12と、スピーカ10の最も前面側に位置する圧電振動板11から、その圧電振動板11の厚さ方向に複数の圧電振動板11、12が並び、且つ、隣り合う圧電振動板11、12が間隔をあけて対面するように、複数の圧電振動板11、12を連結する1つ又は複数の連結部材13と、スピーカ10の最も背面側の圧電振動板である背面側振動板12を支持する支持部材16とを備え、複数の圧電振動板11、12には、剛性が互いに異なる2枚の圧電振動板11、12が含まれる。

Description

本発明は、圧電素子を用いた圧電型スピーカに関するものである。
圧電型スピーカは、動電型スピーカと異なり、駆動系である磁気回路が必要ではないため、薄型化しやすいというメリットがある。しかし、一方で同じ電圧を入力した場合、動電型スピーカと比べて、振動板の振幅量が小さく、再生音圧が低いというデメリットがある。さらに、これまでの圧電型スピーカの多くは、その周囲を固定していたために、中・高域再生用として用いられ、低域再生が困難であった。
そこで、再生音圧を高くし、低域まで再生するために、振動方向に複数の圧電振動板を連結する方法が考案されている(例えば、特許文献1参照)。図13は、特許文献1に記載された従来の圧電型スピーカである。図14は、従来の圧電型スピーカの振動姿態を簡略化して示すものである。
図13において、従来の圧電型スピーカは、上部圧電振動板1と下部圧電振動板2と連結部材3とエッジ4と上部フレーム5と下部フレーム6とを具備している。上部圧電振動板1は、基材1aと圧電素子1b、1cからなるバイモルフ構造の振動板である。同様に、下部圧電振動板2も、基材2aと圧電素子2b、2cからなるバイモルフ構造の振動板である。
上部圧電振動板1と下部圧電振動板2は、それぞれの端部が連結部材3で結合され、下部圧電振動板2の中央部が下部フレーム6に固着されている。さらに、上部圧電振動板1と上部フレーム5上を覆うようにエッジ4が形成されている。エッジ4は、上部圧電振動板1の裏側と下部圧電振動板2から放射された音を遮断するために設けている。エッジ4には、伸縮自在のラミネート材料が用いられている。さらに、上記圧電素子1b、1c、2b、2cは、電圧印加時に上部圧電振動板1と下部圧電振動板2が逆方向に変位するように極性が設定されている。
上記構成により従来の圧電型スピーカは、電圧を圧電素子に印加すると、上部圧電振動板1と下部圧電振動板2とは、互いに逆向きに湾曲する。すなわち、従来の圧電型スピーカでは、図14(a)に示すように上部圧電振動板1および下部圧電振動板2が外側に向けて凸になる状態と、図14(b)に示すように上部圧電振動板1および下部圧電振動板2が内側に向けて凸になる状態が交互に繰り返される。その結果、上部圧電振動板1の振幅量は、圧電振動板1枚を用いた場合と比較して2倍になり、再生音圧を高くすることができる。また、上部圧電振動板1をラミネート材料でできたエッジ4で支持しているため、低域再生が可能となる。
国際公開第2010/137242号
上記の従来の構成では、圧電振動板1枚を用いた場合と比較して、再生音圧を高くし、低域を再生することができる。しかし、再生音圧を高くするにつれて圧電振動板が大きく湾曲する。そのため、再生音圧を高めた場合に、圧電振動板に発生する応力が圧電素子の破壊応力を超えて圧電素子に割れが生じるおそれがある。そして、そのような場合は、スピーカとしての機能を果たさなくなる。そのため、実際は、圧電振動板の振幅量が制限され、十分に再生音圧を高めることができないという課題を有していた。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、再生音圧の向上を実現できる圧電型スピーカを提供する。
上記従来の課題を解決するために、本発明の一形態に係るスピーカは、基板と、その基板の少なくとも片面に設けられた圧電素子とを有する複数の圧電振動板と、当該スピーカの最も前面側に位置する圧電振動板から、その圧電振動板の厚さ方向に複数の圧電振動板が並び、且つ、隣り合う圧電振動板が間隔をあけて対面するように、複数の圧電振動板を連結する1つ又は複数の連結部材と、当該スピーカの最も背面側の圧電振動板である背面側振動板を支持する支持部材とを備え、複数の圧電振動板には、剛性が互いに異なる2枚の圧電振動板が含まれる。
本発明は、2枚の圧電振動板の剛性を異ならせることで、電圧入力時の圧電振動板の振幅を制御し、圧電振動板に発生する応力の最大値を低減できる。その結果、再生音圧の向上を実現できる圧電型スピーカを提供できる。
図1は、実施の形態1に係る圧電型スピーカの正面図及び背面図である。 図2は、実施の形態1に係る圧電型スピーカの断面図である。 図3(a)は、実施の形態1に係る圧電型スピーカの振動姿態を示すための図表であり、図3(b)は、従来の圧電型スピーカの振動姿態を示すための図表である。 図4(a)は、実施の形態1に係る圧電型スピーカの圧電素子に生じる応力分布を示す図であり、図4(b)は、従来の圧電型スピーカの圧電素子に生じる応力分布を示す図である。 図5は、実施の形態1に係る基材厚比と従来例に対する応力軽減比との関係を示す図である。 図6は、実施の形態2に係る圧電型スピーカの断面図である。 図7は、実施の形態2に係る圧電型スピーカの振動姿態を示す図である。 図8Aは、実施の形態3に係る圧電型スピーカの断面図である。 図8Bは、実施の形態3に係る図8Aとは別の形態の圧電型スピーカの断面図である。 図9Aは、実施の形態4に係る圧電型スピーカの断面図である。 図9Bは、実施の形態4に係る図9Aとは別の形態の圧電型スピーカの断面図である。 図10は、実施の形態5に係るモバイル情報端末装置の正面図である。 図11は、実施の形態6に係る画像表示装置の正面図である。 図12は、実施の形態7に係る車載スピーカの搭載図である。 図13は、従来の圧電型スピーカの断面図である。 図14(a)は、従来の圧電型スピーカの振動姿態を示す図であり、図14(b)は、従来の圧電型スピーカの振動姿態を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
第1の態様のスピーカは、基板と、その基板の少なくとも片面に設けられた圧電素子とを有する複数の圧電振動板と、当該スピーカの最も前面側に位置する圧電振動板から、その圧電振動板の厚さ方向に複数の圧電振動板が並び、且つ、隣り合う圧電振動板が間隔をあけて対面するように、複数の圧電振動板を連結する1つ又は複数の連結部材と、当該スピーカの最も背面側の圧電振動板である背面側振動板を支持する支持部材とを備え、複数の圧電振動板には、剛性が互いに異なる2枚の圧電振動板が含まれる。この構成より、例えば、大振幅時の各圧電振動板の振動姿態を制御し、圧電素子に生じる応力を軽減できる。その結果、再生可能な最大音圧を向上することができる。なお、このスピーカは、例えば、隣り合う圧電振動板が、同じタイミングで見た場合に互いに逆方向に変位するように振動する。
第2の態様のスピーカは、第1の態様において、支持部材は、背面側振動板の中央部を支持し、背面側振動板は、その背面側振動板の前面側に隣り合う圧電振動板よりも剛性が高い。この構成により、前面側の圧電振動板の振幅量を大きくすることができるため、再生可能な最大音圧をさらに向上することができる。そして、背面側振動板の中央部を支持部材に固定することで増加する可能性がある応力を、圧電振動板の剛性を異ならせることで抑えて、応力の増大を抑制することができる。
第3の態様のスピーカは、第2の態様において、背面側振動板の基板は、前面側に隣り合う圧電振動板の基板よりも剛性が高い。この構成により、スピーカ全体の構成を変えることなく、基板の剛性を異ならせることで、大振幅時の応力を容易に低減することができる。
第4の態様のスピーカは、第1の態様において、支持部材は、背面側振動板の端部を対向する位置でそれぞれ支持し、連結部材は、背面側振動板の中央部と、その背面側振動板の前面側に隣り合う圧電振動板の中央部とを連結し、背面側振動板は、前面側に隣り合う圧電振動板よりも剛性が低い。この構成により、圧電振動板の中央部間を連結することで増加する可能性がある応力を、圧電振動板の剛性を異ならせることで抑えて、応力の増大を抑制することができる。
第5の態様のスピーカは、第4の態様において、背面側振動板の基板は、前面側に隣り合う圧電振動板の基板よりも剛性が低い。この構成により、スピーカ全体の構成を変えることなく、基板の剛性を異ならせることで、大振幅時の応力を容易に低減することができる。
第6の態様のスピーカは、第1乃至第5の態様の何れか1つにおいて、2枚の圧電振動板のうち、振動時に作用する曲げ応力の最大値が大きくなる方の圧電振動板は、もう一方の圧電振動板よりも剛性が高い。この構成により、振動時に作用する曲げ応力の最大値が大きくなる圧電振動板の応力を、圧電振動板の剛性を異ならせることで抑制することができる。
第7の態様のスピーカは、第1乃至第6の態様の何れか1つにおいて、2枚の圧電振動板では、基板の厚みを互いに異ならせることで剛性を互いに異ならせている。この構成により、スピーカ全体の構成を変えることなく、基板の厚みを異ならせることで、大振幅時の応力を容易に低減することができる。
第8の態様のスピーカは、第1乃至第7の態様の何れか1つにおいて、2枚の圧電振動板では、基板の材料を互いに異ならせることで剛性を互いに異ならせている。例えば、剛性が高い方の圧電振動板は、もう一方の圧電振動板よりも弾性率が大きい材料を基板に使用する。この構成により、例えば、基板の材料のみで圧電振動板の剛性を異ならせることができ、大振幅時の応力を容易に低減することができる。さらに、内部損失の大きい材料を用いることで、音圧周波数特性上の先鋭度Qを抑え、平坦性を向上することが可能になる。
第9の態様のスピーカは、第1乃至第8の態様の何れか1つにおいて、2枚の圧電振動板では、圧電素子の厚みを互いに異ならせることで剛性を互いに異ならせている。この構成により、例えば、圧電素子の厚みによって圧電振動板の剛性を異ならせることができ、大振幅時の応力を容易に低減することができる。
(実施の形態1)
本発明の形態1に係わる圧電形スピーカは、剛性が互いに異なる2枚の圧電振動板と、2枚の圧電振動板を連結する連結部材と、音の放射面側を圧電形スピーカの上側と定義した場合、下側に位置する圧電振動板の中央部を支持するフレームとを備える。そして、2枚の圧電振動板のうち、振幅時に作用する曲げ応力の最大値が大きくなる方の圧電振動板に、剛性が大きい方の振動板を用いることにより、大振幅時の各圧電振動板の振動姿態を制御することで、応力の最大値を軽減でき、再生可能な最大音圧を向上することができる。
図1は、実施の形態1に係る圧電型スピーカ10の正面図(図1(a))及び背面図(図1(b))である。図2は、実施の形態1に係る圧電型スピーカ10の断面図である。圧電型スピーカ10では、音の放射面側を前面側(図2において上側)とし、その反対側を背面側(図2において下側)とする。
図1と図2に示すように、圧電型スピーカ10は、上部圧電振動板11(前面側振動板)と、下部圧電振動板12(背面側振動板)と、連結部材13と、エッジ14と、上部フレーム15と、下部フレーム16(支持部材)とを含む。
上部圧電振動板11は、図2に示すように、基材11a(基板)と2枚の圧電素子11b、11cとを有するバイモルフ構造の略矩形の振動板である。基材11a及び各圧電素子11b、11cは、板状又はシート状に形成されている。下部圧電振動板12は、基材12a(基板)と2枚の圧電素子12b、12cとを有するバイモルフ構造の略矩形の振動板である。基材12a及び各圧電素子12b、12cは、板状又はシート状に形成されている。上部圧電振動板11及び下部圧電振動板12に用いられる4枚の圧電素子11b、11c、12b、12cの厚みは、互いに同じである。なお、各圧電振動板11、12の形状は、略矩形に限定されず、例えば円形であってもよい。
なお、基材11a及び基材12aには、例えば汎用プラスチック素材(ポリカーボネート、ポリアリレートフィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド等)、液晶ポリマー等の絶縁性を有する材料を用いることができる。また、各圧電素子11b、11c、12b、12cは、例えば板状の圧電材を電極(図示省略)で挟んだ構造とすることができる。印加される電極に応じて伸縮する圧電材には、単結晶圧電体、セラミック圧電体、高分子圧電体などを用いることができる。各圧電素子11b、11c、12b、12cの剛性は、基材11a及び基材12aの剛性よりも大きい。
上部圧電振動板11では、圧電素子11b、11cが、基材11aの両面にそれぞれ接着されている。例えば、基材11aの両面は、その基材11aの外周側を除いて、圧電素子11b、11cによりそれぞれ覆われている。下部圧電振動板12では、圧電素子12b、12cが、基材12aの両面にそれぞれ接着されている。例えば、基材12aの両面は、その基材12aの外周側を除いて、圧電素子12b、12cによりそれぞれ覆われている。
上部圧電振動板11と下部圧電振動板12は、図2に示すように、間隔を隔てて対面するように設けられている。上部圧電振動板11の前面側の圧電素子11bと、下部圧電振動板12の背面側の圧電素子12cとは分極方向が同じであり、上部圧電振動板11の背面側の圧電素子11cと、下部圧電振動板12の前面側の圧電素子12bとは分極方向が同じである。このように分極させることで、電圧印加時に上部圧電振動板11と下部圧電振動板12は、音の主放射方向(圧電振動板11、12の振動方向)に対して、逆方向に湾曲する。なお、圧電振動板11、12の湾曲方向を圧電素子11b、11c、12b、12cの分極方向で制御せず、電圧の印加方法で制御してもよい。
上部圧電振動板11と下部圧電振動板12を比較する。平面視において、上部圧電振動板11の基材11aは、図1(b)に示すように、下部圧電振動板12の基材12aよりも一回り大きい。基材11aの厚みは、基材12aの厚みよりも小さい。また、上部圧電振動板11と下部圧電振動板12に用いられる4枚の圧電素子11b、11c、12b、12cは、平面視において大きさが同じあり、さらに厚みも同じある。4枚の圧電素子11b、11c、12b、12cは同じものである。基材12aの剛性が基材11aの剛性よりも高く、且つ、4枚の圧電素子11b、11c、12b、12cの剛性が互いに同じである結果、下部圧電振動板12の主領域(基材12aに圧電素子12b、12cが積層された領域)の剛性は、上部圧電振動板11の主領域(基材11aに圧電素子11b、11cが積層された領域)の剛性よりも高くなっている。
上部圧電振動板11と下部圧電振動板12は、基材11aと基材12aの長手方向の両角部で、連結部材13を介して連結されている。連結部材13は、圧電素子の振動方向に、上部圧電振動板11と下部圧電振動板12が間隔をあけて配置されるようにしている。連結部材13は、圧電型スピーカ10を正面から透視した場合に4枚の圧電素子11b、11c、12b、12cの外周が重なるように、上部圧電振動板11と下部圧電振動板12を連結している。連結部材13は、基材11aと基材12aの長手方向の両角部にそれぞれ設けられているが、2つの連結部材13(例えば棒状部材)によって基材11aと基材12aの長手方向の両端部をそれぞれ連結してもよい。連結部材13には様々な材料を採用することができる。例えば、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂等で形成されたものを用いることができる。
エッジ14は、弾性変形可能な略矩形のシート状の部材である。エッジ14は、上部フレーム15及び下部フレーム16に比べて剛性が極めて低い。図1及び図2に示すように、エッジ14は、上部圧電振動板11と上部フレーム15上を覆うように設けられている。エッジ14の外周部は、上部フレーム15に固定されている。図1では、エッジ14は、上部圧電振動板11の前面を完全に覆うと共に、上部圧電振動板11の外周面とフレーム15の内周面との間の隙間を全周に亘って塞いでいる。エッジ14は、上部圧電振動板11を振動可能に支持するため、及び、上部圧電振動板11の裏側から放射された音と下部圧電振動板12から放射された音を遮断するために設けられている。エッジ14の材料は、例えばSBR(スチレン・ブタジエンゴム)である。
上部フレーム15は、略矩形枠状に形成されている。下部フレーム16は、図2に示すように、略矩形枠状の本体部16aと、本体部16aの枠内を横断する帯状の支持部16bとを有する。支持部16bは、下部フレーム16の短手方向に延びている。下部圧電振動板12は、その中央部が下部フレーム16の支持部16bに固着されている。下部圧電振動板12の中央部は、振動時に動かないように支持部16bに固定され、その中央部の動きは拘束されている。下部フレーム16は、上部フレーム15の下部に接続されている。上部フレーム15と下部フレーム16は一体化されている。
以下、実施の形態1における圧電型スピーカ10の動作について説明する。圧電素子11b、11c、12b、12cの表面電極(図示せず)に駆動電圧を印加することにより、上部圧電振動板11と下部圧電振動板12を駆動させる方法は、従来の圧電型スピーカと同様である。駆動電圧を印加すると、図14(a)、及び図14(b)に示したように、上部圧電振動板11と下部圧電振動板12は互いに逆方向に湾曲するように振動する。その結果、上部圧電振動板11より音が放射される。
ここで、従来の圧電型スピーカと異なる点は、上部圧電振動板11の基材11aの厚みと下部圧電振動板12の基材12aの厚みが異なることである。実施の形態1では、柔軟なエッジ14に支持されている上部圧電振動板11の基材11aに比べて、固いフレーム16に固着されている下部圧電振動板12の基材12aの厚みが厚くなっている。
図3(a)は、以上のように構成した圧電型スピーカ10の振動姿態を示すための図表である。図3(b)は、基材11aと基材12aの厚みが同じである従来の圧電型スピーカの振動姿態を示すための図表である。図3(a)と図3(b)を比較して、上部圧電振動板と下部圧電振動板が互いに逆方向に湾曲している状態は同じである。従来の圧電型スピーカでは、上部圧電振動板の振幅と下部圧電振動板の振幅がほぼ同じであるのに対し、実施の形態1に係る圧電型スピーカ10では、上部圧電振動板11の振幅の方が下部圧電振動板12の振幅よりも大きい。これは、基材11aと基材12aの厚みを異ならせたことに起因する。基材12aを厚くすることで下部圧電振動板12の剛性が高くなる。その結果、下部圧電振動板12が湾曲しにくくなり、電圧印加時の上部圧電振動板11の振幅が下部圧電振動板12に比べて大きくなる。
図4に、上部圧電振動板および下部圧電振動板の変形時に圧電素子に生じる応力の分布を示す。図4(a)は実施の形態1に係る圧電型スピーカ10の各圧電素子11b、12cに生じる応力分布、図4(b)は従来の圧電型スピーカの各圧電素子1b、2cに生じる応力分布を示す。両者を比較した結果、実施の形態1に係る圧電型スピーカ10は、振幅時の最大応力値が、基材11a、12aの厚みを互いに異ならせることで小さくなっている。従来の圧電型スピーカにおいて大きかった下部圧電振動板12の圧電素子12cの応力が、基材12aを厚くし、下部圧電振動板12の振幅を抑えることで低下している。逆に、従来の圧電型スピーカにおいて小さかった上部圧電振動板11の圧電素子11bの応力が、基材11aを薄くし、上部圧電振動板11の振幅を大きくすることで増大している。つまり、下部圧電振動板12の圧電素子12cに集中していた応力を、上部圧電振動板11の圧電素子11b、11cと下部圧電振動板12の圧電素子12b、12cに分散した結果、圧電型スピーカ10の最大応力が小さくなっている。振幅時の最大応力が小さくなったことで、上部圧電振動板11をより大きく振幅させることが可能となり、最大音圧を向上することができる。
図5は、2枚の基材11a、12aの厚みの比率である基材厚比と、応力軽減比(従来の圧電スピーカに対する最大応力値の軽減比)との関係を示したグラフである。横軸は、基材厚比(上部圧電振動板11の基材11aの厚み/下部圧電振動板12の基材12aの厚み)を示している。縦軸は、各基材厚比の場合の最大応力値を基材厚比が1になる場合の最大応力値で割った値、つまり基材厚比を変えることによる応力低減効果を示している。図5から基材厚比が0.5近傍の時、最大応力値が約25%軽減され、最大音圧を約2.5dB向上できる。ここで、図5から、基材厚比が一定の値を下回ると逆に応力軽減比が増加することがわかる。これは、上部圧電振動板11の圧電素子11bにかかる最大応力が下部圧電振動板12の圧電素子12cにかかる最大応力より高くなることに起因する。すなわち、応力軽減比が最低になる(つまり、上部圧電振動板11の圧電素子11bにかかる最大応力と、下部圧電振動板12の圧電素子12cにかかる最大応力が略等しくなるような)、基材厚比を採用することで、最大音圧を向上する好ましい構造となる。
また、上記説明では、上部圧電振動板11と下部圧電振動板12の剛性を異ならせる手段として、基材11aと基材12aの厚みを異ならせた。しかし、実施の形態1は、これに限定されない。基材11aと基材12aの材料を異ならせることで、基材11aと基材12aの剛性を異ならせ、上部圧電振動板11と下部圧電振動板12の剛性を異ならせてもよい。その場合、上部圧電振動板11の基材11aの弾性率を下部圧電振動板12の基材12aに比べて小さくする。例えば、弾性率の異なるポリエーテルイミド(基材12aに使用)とポリエチレンテレフタラート(基材11aに使用)を用いることができる。この場合も最大応力を低減するという同様の効果が得られる。なお、この場合に、基材11aと基材12aの厚みを同じにしてもよいし、基材11aよりも基材12aを厚くしてもよい。
また、上記説明では、各圧電素子11b、11c、12b、12cの厚みは同じとしたが、違っていても構わない。すなわち、圧電素子11b、11cの厚みよりも圧電素子12b、12cの厚みを厚くすることでも同様の効果を得ることが出来る。また、圧電素子11b、11cと、圧電素子12b、12cの大きさや形状を異ならせることによって、同様の効果を得るようにしてもよい。また、圧電素子11b、11cと、圧電素子12b、12cに印加する駆動電圧を異ならせることで同様の効果を得るようにしてもよい。
また、上記説明では、エッジ14は、上部圧電振動板11と上部フレーム15上を覆うように設けられている。しかし、実施の形態1は、これに限定されない。上部圧電振動板11と上部フレーム15との間の間隙を埋めるように、当該間隙の上部のみにエッジ14を設けてもよい。さらに、エッジ14は平坦な形状とした。しかし、実施の形態1は、これに限定されない。上部圧電振動板11と上部フレーム15との間の間隙上のエッジ14の形状をロール形状(例えば、外側へ膨出するように曲がった形状)にしてもよい。ロール形状にすることで、入力電圧に対する振幅量の線形性が高くなり、低歪再生を実現できる。その場合、エラストマー材を成形して用いてもよい。
また、上部圧電振動板11と下部圧電振動板12は、バイモルフ構造を採用した。しかし、実施の形態1は、これに限定されない。上部圧電振動板11と下部圧電振動板12は、モノモルフ(ユニモルフ)構造を採用してもよい。すなわち、上部圧電振動板11は、基材11aと圧電素子11bで構成され、下部圧電振動板12は、基材12aと圧電素子12bで構成されても良い。
(実施の形態2)
実施の形態2に係る圧電型スピーカ20は、剛性が互いに異なる2枚の圧電振動板と、2枚の圧電振動板を連結する連結部材と、下側(裏側)に位置する圧電振動板の端部を支持するフレームとを備える。そして、2枚の圧電振動板のうち、振幅時に作用する曲げ応力の最大値が大きくなる方の圧電振動板に、剛性が大きい方の振動板を用いることにより、大振幅時の各圧電振動板の振動姿態を制御することで、応力の最大値を軽減でき、再生可能な最大音圧を向上することができる。
図6は、実施の形態2に係る圧電型スピーカ20の断面図である。
図6に示すように、圧電型スピーカ20は、上部圧電振動板21(前面側振動板)と、下部圧電振動板22(背面側振動板)と、連結部材23と、エッジ24と、フレーム25(支持部材)とを含む。各圧電振動板21、22は例えば略矩形形状である。
上部圧電振動板21の構成は、実施の形態1と同様で、基材21a(基板)と2枚の圧電素子21b、21cから構成されている。下部圧電振動板22も同様に、基材22a(基板)と2枚の圧電素子22b、22cから構成されている。4枚の圧電素子21b、21c、22b、22cの厚みは、実施の形態2においても互いに同じである。
また、圧電素子21b、21c、22b、22cの分極方向も、実施の形態1と同様に電圧印加時に上部圧電振動板21と下部圧電振動板22が音の主放射方向に対して、逆方向に湾曲するように設定している。
また、エッジ24も同様に、上部圧電振動板21とフレーム25上を覆うように設けられている。エッジ24の外周部は、フレーム25に固定されている。
実施の形態1と異なる点は、上部圧電振動板21と下部圧電振動板22が連結部材23によって連結される位置と、フレーム25が下部圧電振動板22を支持する位置と、上部圧電振動板21の基材21aと下部圧電振動板22の基材22aの厚みの関係とである。図6に示すように、上部圧電振動板21と下部圧電振動板22は、上部圧電振動板21の中央部と下部圧電振動板22の中央部が、連結部材23を介して接続されている。下部圧電振動板22は、基材22aの長手方向の両端部がフレーム25にそれぞれ支持されている。また、エッジ24に支持されている上部圧電振動板21の基材21aが、フレーム25に支持されている下部圧電振動板22の基材22aと比べて厚くなっている。
なお、圧電素子21b、21c、22b、22cの表面電極(図示せず)に駆動電圧を印加することにより、上部圧電振動板21と下部圧電振動板22を駆動させる方法は、従来の圧電型スピーカおよび実施の形態1と同様である。
図7に、実施の形態2に係る圧電型スピーカ20の振動姿態を示す。上部圧電振動板21と下部圧電振動板22は、互いに逆方向に湾曲するように振動する。その結果、上部圧電振動板21より音が放射される。連結部材23による圧電振動板21、22の連結位置、および基材22aを支持するフレーム25の位置が実施の形態1と異なるために、振動姿態は実施の形態1と異なる。
基材21aと基材22aの厚みを異ならせることで、上部圧電振動板21と下部圧電振動板22の振幅を制御し、圧電素子21b、21c、22b、22cに発生する最大応力を低減し、最大音圧が向上することは実施の形態1と同様である。実施の形態2の構造では、上部圧電振動板21と下部圧電振動板22で基材厚が同じ場合は、上部圧電振動板21の圧電素子21b、21cに発生する応力が、下部圧電振動板22の圧電素子22b、22cに比べて大きくなるために上部圧電振動板21の基材21aを厚くしている。
また、上記説明では、上部圧電振動板21と下部圧電振動板22の剛性を異ならせる手段として、基材21aと基材22aの厚みを異ならせた。しかし、実施の形態2は、これに限定されない。基材21aと基材22aの材料を異ならせることで、基材21aと基材22aの剛性を異ならせ、その結果、上部圧電振動板21と下部圧電振動板22の剛性を異ならせても良い。その場合、上部圧電振動板21の基材21aの弾性率を下部圧電振動板22の基材22aに比べて大きくする。
また上記説明では、各圧電素子21b、21c、22b、22cの厚みは同じとしたが、違っていても構わない。すなわち、圧電素子22b、22cの厚みよりも圧電素子21b、21cの厚みを厚くすることでも同様の効果を得ることが出来る。また、圧電素子21b、21cと、圧電素子22b、22cの大きさや形状を異ならせることによって、同様の効果を得るようにしてもよい。また、圧電素子21b、21cと、圧電素子22b、22cに印加する駆動電圧を異ならせることで同様の効果を得るようにしてもよい。
また上記説明では、エッジ24は、上部圧電振動板21とフレーム25上を覆うように設けられている。しかし、実施の形態2は、これに限定されない。上部圧電振動板21と上部フレーム25との間の間隙を埋めるように、当該間隙の上部のみにエッジ24を設けてもよい。さらに、エッジ24は平坦な形状としたが、上部圧電振動板21とフレーム25との間の間隙上のエッジ24の形状をロール形状にしてもよい。ロール形状にすることで、入力電圧に対する振幅量の線形性が高くなり、低歪再生を実現できる。
実施の形態2における圧電型スピーカ20は、上記以外にも、実施の形態1に記載した全ての変形例を適用し得る。
(実施の形態3)
実施の形態3に係る圧電型スピーカ30、40は、3枚の圧電振動板を有する点が、上述の実施の形態とは異なる。図8Aは、実施の形態3に係る圧電型スピーカ30の断面図である。図8Bは、実施の形態3に係る図8Aとは別の形態の圧電型スピーカ40の断面図である。
圧電型スピーカ30は、図8Aに示すように、3枚の圧電振動板31、32、33と、複数の連結部材37a、37b、38と、エッジ34と、上部フレーム35と、下部フレーム36とを備えている。各圧電振動板31、32、33は、バイモルフ構造の振動板である。各圧電振動板31、32、33では、圧電素子31b、31c、32b、32c、33b、33cが、基材31a、32a、33aの両面にそれぞれ接着されている。なお、スピーカ30の前面側から、第1圧電振動板31、第2圧電振動板32、第3圧電振動板33と呼ぶ。各圧電振動板31、32、33は例えば矩形形状である。
連結部材38は、第1圧電振動板31の中央部と第2圧電振動板32の中央部とを連結している。各連結部材37a、37bは、第2圧電振動板32と第3圧電振動板33を、長手方向の両角部でそれぞれ連結している。エッジ34は、第1圧電振動板31と上部フレーム35上を覆うように設けられている。下部フレーム36は、枠状の本体部36aと、本体部36aの枠内を横断する帯状の支持部36bとを有する。第3圧電振動板33(背面側振動板)の中央部は、支持部36bに固着されている。3枚の圧電振動板31、32、33は、隣り合う圧電振動板が互いに逆方向に湾曲するように振動する。
第3圧電振動板33の剛性が、第2圧電振動板32の剛性よりも高い。実施の形態3では、基材33aの方が基材32aよりも厚みを大きくすることで、基材33aの方が基材32aよりも剛性を高くしている。しかし、上記実施の形態1および実施の形態2と同様に、基材32a、33aの材料を異ならせたり、圧電素子32b、32c、33b、33cの剛性を異ならせたりすることで、第2圧電振動板32の剛性と第3圧電振動板33の剛性とを異ならせてもよい。なお、第1圧電振動板31の剛性と第2圧電振動板32の剛性とは同じであってもよいし、第1圧電振動板31の方が第2圧電振動板32よりも剛性を高くしてもよい。
また、図8Bに示すスピーカ40は、連結部材47、48と下部フレーム46とが図8Aとは異なる。連結部材48は、第2圧電振動板42の中央部と第3圧電振動板43の中央部とを連結している。各連結部材47a、47bは、第1圧電振動板41と第2圧電振動板42を、長手方向の両角部でそれぞれ連結している。下部フレーム46は、基材43aの長手方向の両端部をそれぞれ支持している。図8Bでは、第3圧電振動板43の剛性が、第2圧電振動板42の剛性よりも低い。なお、第1圧電振動板41の剛性と第2圧電振動板42の剛性とは同じであってもよいし、第1圧電振動板41の方が第2圧電振動板42よりも剛性を高くしてもよい。
(実施の形態4)
実施の形態4に係る圧電型スピーカ50、60は、4枚の圧電振動板を有する点が、上述の実施の形態とは異なる。図9Aは、実施の形態4に係る圧電型スピーカ50の断面図である。図9Bは、実施の形態4に係る図9Aとは別の形態の圧電型スピーカ60の断面図である。
圧電型スピーカ50は、図9Aに示すように、4枚の圧電振動板51、52、53、54と、複数の連結部材57a〜57d、58と、エッジ59と、上部フレーム55と、下部フレーム56とを備えている。各圧電振動板51、52、53、54は、バイモルフ構造の振動板である。各圧電振動板51、52、53、54では、圧電素子51b、41c、52b、52c、53b、53c、54b、54cが、基材51a、52a、53a、54aの両面にそれぞれ接着されている。なお、スピーカ50の前面側から、第1圧電振動板51、第2圧電振動板52、第3圧電振動板53、第4圧電振動板54と呼ぶ。各圧電振動板51、52、53、54は例えば矩形形状である。
連結部材58は、第2圧電振動板52の中央部と第3圧電振動板53の中央部とを連結している。各連結部材57a、57bは、第1圧電振動板51と第2圧電振動板52を、長手方向の両角部でそれぞれ連結している。各連結部材57c、57dは、第3圧電振動板53と第4圧電振動板54を、長手方向の両角部でそれぞれ連結している。エッジ59は、第1圧電振動板51と上部フレーム55上を覆うように設けられている。下部フレーム56は、枠状の本体部56aと、本体部56aの枠内を横断する帯状の支持部56bとを有する。第4圧電振動板54(背面側振動板)の中央部は、支持部56bに固着されている。4枚の圧電振動板51、52、53、54は、隣り合う圧電振動板が互いに逆方向に湾曲するように振動する。
第4圧電振動板54の剛性が、第3圧電振動板53の剛性よりも高い。また、第2圧電振動板52の剛性が、第1圧電振動板51の剛性よりも高い。実施の形態4では、隣り合う2枚の圧電振動板において、剛性を高くする方の圧電振動板の基材の厚みの方を、もう一方の圧電振動板の基材の厚みよりも大きくすることで、主領域の剛性を互いに異ならせている。しかし、上記実施の形態1〜3と同様に、基材の材料を異ならせたり、圧電素子の剛性を異ならせたりすることで、隣り合う2枚の圧電振動板の剛性を互いに異ならせてもよい。なお、第1圧電振動板51の剛性と第3圧電振動板53の剛性とは同じであってもよいし、異なっていてもよい。
また、図9Bに示すスピーカ60は、連結部材67、68と下部フレーム66とが図9Aとは異なる。連結部材68aは、第1圧電振動板61の中央部と第2圧電振動板62の中央部とを連結している。連結部材68bは、第3圧電振動板63の中央部と第4圧電振動板64の中央部とを連結している。各連結部材67a、67bは、第2圧電振動板62と第3圧電振動板63を、長手方向の両角部でそれぞれ連結している。下部フレーム66は、基材64aの長手方向の両端部をそれぞれ支持している。図9Bでは、第4圧電振動板64の剛性が、第3圧電振動板63の剛性よりも低い。また、第2圧電振動板62の剛性が、第1圧電振動板61の剛性よりも低い。なお、第4圧電振動板64の剛性と第2圧電振動板62の剛性とは同じであってもよいし、第4圧電振動板64の方が第2圧電振動板62よりも剛性を高くしてもよい。
(実施の形態5)
図10は、上記圧電型スピーカを採用した実施の形態5のモバイル情報端末装置である。図10において、1000はモバイル情報端末装置、1002は画面、1001は実施の形態1〜実施の形態4の圧電型スピーカのうちから選択されるスピーカ装置である。なお、スピーカ装置1001は、密閉型キャビネット、あるいはバスレフ型キャビネットとともにモバイル情報端末装置1000に取り付けられても良い。また、キャビネットを用いずに、そのまま開放型としてモバイル情報端末装置1000に取り付けられても良い。図10では、3箇所にスピーカ装置1001を配置しているが、スピーカ装置1001は1個以上であれば、いくつでも構わない。1個であればモノラルとなるが、2個でステレオ、2個以上使えば音場制御やHRTF用のデバイスとしても使用可能となる。
スピーカ装置1001をモバイル情報端末装置に搭載することで、モバイル情報端末装置のような搭載容積が限られた機器であっても、広帯域再生を安定的に可能とする。
(実施の形態6)
図11は、上記圧電型スピーカを採用した実施の形態6の画像表示装置である。より具体的には、画像表示装置は、PC又は薄型TVなどである。図11において、1100は画像表示装置、1102は画面、1101は実施の形態1〜実施の形態4の圧電型スピーカのうちから選択されるスピーカ装置である。なお、スピーカ装置1101は、密閉型キャビネット、あるいはバスレフ型キャビネットとともに画像表示装置1100に取り付けられても良い。また、キャビネットを用いずに、そのまま開放型として画像表示装置1100に取り付けられても良い。図11では、計16箇所にスピーカ装置1101を配置しているが、スピーカ装置1101は1個以上であれば、いくつでも構わない。1個であればモノラルとなるが、2個でステレオ、2個以上使えば(例えばラインアレイとして配置すれば)音場制御やHRTF用のデバイスとしても使用可能となる。
スピーカ装置1101を画像表示装置に搭載することで、画像表示装置のような搭載容積が限られた機器であっても、広帯域再生を安定的に可能とする。
(実施の形態7)
図12は、実施の形態7におけるスピーカ装置(車載スピーカ)の搭載図である。図12において、1200は自動車のドア、1201は実施の形態1〜実施の形態4の圧電型スピーカのうちから選択されるスピーカ装置である。なお、スピーカ装置1201は密閉型キャビネット、あるいはバスレフ型キャビネットとともにドア1200に取り付けられても良い。また、キャビネットを用いずに、そのまま開放型としてドア1200に取り付けられても良い。図12では、3箇所にスピーカ装置1201を配置しているが、スピーカ装置1201は1個以上であれば、いくつでも構わない。また、図12では自動車のドア1200に取り付けた例を示すが、自動車のダッシュボードやピラー、シート、ヘッドレスト、天井など、ドア以外の位置に取り付けてもよい。また、電車やモノレール、リニアモーター、飛行機、船舶など、自動車以外の各種移動体に圧電型スピーカ10、20を取り付けてもよい。
従来、広帯域再生、特に低音を再生するには大型のスピーカが必要であった。実施の形態の圧電素子を用いた圧電型スピーカは、従来と比べて小型、あるいは軽くしても、従来と同じ音響特性を実現可能である。この結果、移動体全体の小型化、軽量化につながり、居住空間の増大による快適性の向上、あるいは車体の小型・軽量化による、燃費の向上が可能となる。
本発明にかかる圧電型スピーカは、剛性が互いに圧電振動板を組み合わせることで、圧電素子に発生する応力を軽減し、最大音圧を向上できる。本発明は、薄型テレビ用スピーカ、携帯電話用スピーカ、ホームシアター用スピーカおよび車載用スピーカ等に有用である。
11 上部圧電振動板
11a 基材
11b 圧電素子
11c 圧電素子
12 下部圧電振動板
12a 基材
12b 圧電素子
12c 圧電素子
14 エッジ
15 上部フレーム
16 下部フレーム
圧電型スピーカ50は、図9Aに示すように、4枚の圧電振動板51、52、53、54と、複数の連結部材57a〜57d、58と、エッジ59と、上部フレーム55と、下部フレーム56とを備えている。各圧電振動板51、52、53、54は、バイモルフ構造の振動板である。各圧電振動板51、52、53、54では、圧電素子51b、51c、52b、52c、53b、53c、54b、54cが、基材51a、52a、53a、54aの両面にそれぞれ接着されている。なお、スピーカ50の前面側から、第1圧電振動板51、第2圧電振動板52、第3圧電振動板53、第4圧電振動板54と呼ぶ。各圧電振動板51、52、53、54は例えば矩形形状である。

Claims (9)

  1. スピーカであって、
    基板と、該基板の少なくとも片面に設けられた圧電素子とを有する複数の圧電振動板と、
    当該スピーカの最も前面側に位置する圧電振動板から、該圧電振動板の厚さ方向に前記複数の圧電振動板が並び、且つ、隣り合う圧電振動板が間隔をあけて対面するように、前記複数の圧電振動板を連結する1つ又は複数の連結部材と、
    当該スピーカの最も背面側の圧電振動板である背面側振動板を支持する支持部材とを備え、
    前記複数の圧電振動板には、剛性が互いに異なる2枚の圧電振動板が含まれることを特徴とする、スピーカ。
  2. 前記支持部材は、前記背面側振動板の中央部を支持し、
    前記背面側振動板は、該背面側振動板の前面側に隣り合う圧電振動板よりも剛性が高いことを特徴とする、請求項1に記載のスピーカ。
  3. 前記背面側振動板の基板は、前記前面側に隣り合う圧電振動板の基板よりも剛性が高いことを特徴とする、請求項2に記載のスピーカ。
  4. 前記支持部材は、前記背面側振動板の端部を対向する位置でそれぞれ支持し、
    前記連結部材は、前記背面側振動板の中央部と、該背面側振動板の前面側に隣り合う圧電振動板の中央部とを連結し、
    前記背面側振動板は、前記前面側に隣り合う圧電振動板よりも剛性が低いことを特徴とする、請求項1に記載のスピーカ。
  5. 前記背面側振動板の基板は、前記前面側に隣り合う圧電振動板の基板よりも剛性が低いことを特徴とする、請求項4に記載のスピーカ。
  6. 前記2枚の圧電振動板のうち、振動時に作用する曲げ応力の最大値が大きくなる方の圧電振動板は、もう一方の圧電振動板よりも剛性が高いことを特徴とする、請求項1に記載のスピーカ。
  7. 前記2枚の圧電振動板では、前記基板の厚みを互いに異ならせることで剛性を互いに異ならせていることを特徴とする、請求項1に記載のスピーカ。
  8. 前記2枚の圧電振動板では、前記基板の材料を互いに異ならせることで剛性を互いに異ならせていることを特徴とする、請求項1に記載のスピーカ。
  9. 前記2枚の圧電振動板では、前記圧電素子の厚みを互いに異ならせることで剛性を互いに異ならせていることを特徴とする、請求項1に記載のスピーカ。

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