JP2020086072A - 圧電スピーカー及び音響発生装置 - Google Patents

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伸二 小林
和明 新嶋
Kazuaki Niijima
和明 新嶋
幸美 酒井
Yukimi Sakai
幸美 酒井
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【課題】圧電素子を用いて発生することができる音の周波数特性を改善する。【解決手段】圧電スピーカー1は、底板112と側壁111とを有する筐体11と、筐体11内において底板112の上方に設けられた第1平面板12と、第1平面板12に設けられた第1圧電素子13と、第1圧電素子13を覆うことにより第1圧電素子13との間に第1空気室を形成する第1フィルム14と、筐体11内において第1平面板12よりも底板112から遠い位置に設けられた第2平面板22と、第2平面板22に設けられた第2圧電素子23と、第2圧電素子23を覆うことにより第2圧電素子23との間に第2空気室を形成する第2フィルム24と、を有する。第1フィルム14における振動領域と底板112との間及び第1フィルム14における振動領域と側壁111との間に空隙を形成。【選択図】図1

Description

本発明は、音を発生する圧電スピーカー及び音響発生装置に関する。
従来、圧電素子に電圧を印加して圧電素子を振動させることにより音を発生する圧電ブザーが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2008−15258号公報
圧電素子には共振周波数が存在する。したがって、圧電素子により音を発生する圧電ブザーにおいては、共振周波数付近の周波数において発生できる音の大きさと、共振周波数から離れた周波数において発生できる音の大きさとの間に差が大きかったので、発生することができる音の種類が限られていた。
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、圧電素子を用いて発生することができる音の周波数特性を改善することを目的とする。
本発明の第1の態様の圧電スピーカーは、底板と側壁とを有する筐体と、前記筐体内において前記底板の上方に設けられた第1平面板と、前記第1平面板に設けられた第1圧電素子と、前記第1圧電素子を覆うことにより前記第1圧電素子との間に第1空気室を形成する第1フィルムと、前記筐体内において前記第1平面板よりも前記底板から遠い位置に設けられた第2平面板と、前記第2平面板に設けられた第2圧電素子と、前記第2圧電素子を覆うことにより前記第2圧電素子との間に第2空気室を形成する第2フィルムと、を有し、前記第1フィルムにおける振動領域と前記底板との間、及び前記第1フィルムにおける振動領域と前記側壁との間に空隙が形成されている。
上記の圧電スピーカーにおいては、前記第1フィルムが前記第1平面板の前記底板側の面に固定されており、前記第2フィルムが前記第2平面板の前記底板から遠い側の面に固定されていてもよい。
前記第1圧電素子の共振周波数と前記第2圧電素子の共振周波数とが異なってもよい。また、前記第1平面板の厚みと前記第2平面板の厚みとが異なってもよい。
また、前記第1圧電素子の厚みと前記第2圧電素子の厚みとの大小関係が、前記第1平面板の厚みと前記第2平面板との大小関係と同一であってもよい。前記第1平面板の面積と前記第2平面板の面積とが異なってもよい。前記第1空気室の容積と前記第2空気室の容積とが異なってもよい。
本発明の第2の態様の音響発生装置は、上記の圧電スピーカーと、前記第1圧電素子に印加するための第1電圧と、前記第2圧電素子に印加するための、前記第1電圧と異なる第2電圧と、を発生する電圧発生部と、を有する。
本発明によれば、圧電素子を用いて発生することができる音の周波数特性を改善することができるという効果を奏する。
圧電スピーカー1の構成を示す図である。 圧電スピーカー1を有する音響発生装置Sの構成を示す図である。 圧電スピーカー1の周波数特性を測定するための測定系の構成を示す図である。 比較例として用いた圧電スピーカー100の構成を示す図である。 第1条件で測定した圧電スピーカー1の周波数特性を示す図である。 第2条件で測定した圧電スピーカー1の周波数特性を示す図である。 第3条件で測定した圧電スピーカー1の周波数特性を示す図である。 第4条件で測定した圧電スピーカー1の周波数特性を示す図である。 第1条件で測定した圧電スピーカー100の周波数特性を示す図である。 第2条件で測定した圧電スピーカー100の周波数特性を示す図である。 変形例に係る圧電スピーカー1Aの構成を示す図である。 変形例に係る圧電スピーカー1Bの構成を示す図である。
[圧電スピーカー1の構成]
図1は、圧電スピーカー1の構成を示す図である。図1(a)は、音を発する側から視認した圧電スピーカー1の構成を示す図である。図1(b)は、A−A線断面図である。圧電スピーカー1は、圧電素子を有しており、外部から印加される電圧に応じた音を発生する。
図2は、圧電スピーカー1を有する音響発生装置Sの構成を示す図である。音響発生装置Sは、圧電スピーカー1に印加する電圧を発生する電圧発生部2を有する。
圧電スピーカー1は、圧電ユニット10と、圧電ユニット10を収容する筐体11とを有する。圧電ユニット10は、第1平面板12と、第1圧電素子13と、第1フィルム14と、第1入力ケーブル15と、第2平面板22と、第2圧電素子23と、第2フィルム24と、第2入力ケーブル25と、スペーサ31と、を有する。筐体11は、側壁111と、底板112と、支持部113とを有する。
筐体11は、円筒形状をしている。底板112は円形であり、側壁111は、底板112と直交する面を有しており、底板112を取り囲んでいる。支持部113は、底板112に設けられており、圧電ユニット10が底板112に触れないように圧電ユニット10を支持する。支持部113は、底板112の外周に沿って、複数の位置に設けられている。図1(a)に示す例において、支持部113は、90度間隔で4箇所に設けられている。
圧電ユニット10は、第1圧電素子13及び第2圧電素子23が振動することにより音を発生するユニットである。第1平面板12及び第2平面板22は、円盤状の平面板である。第1平面板12及び第2平面板22の素材は任意であるが、例えば金属である。第1平面板12は、筐体11内において底板112の上方に設けられている。第2平面板22は、筐体11内において第1平面板12よりも底板112から遠い位置に設けられている。
第1圧電素子13(第1圧電素子13a及び第1圧電素子13b)は、第1平面板12に設けられている。第1圧電素子13は、半径が第1平面板12の半径よりも小さな円形である。第1圧電素子13は、例えばピエゾ素子であり、第1入力ケーブル15を介して交流電圧が印加されることにより振動する。第1圧電素子13は、例えば接着剤又は接着テープにより第1平面板12に固定されている。第1圧電素子13が第1平面板12に固定されていることにより、第1圧電素子13が可聴領域の周波数で共振する。
同様に、第2圧電素子23(第2圧電素子23a及び第2圧電素子23b)は、第2平面板22に設けられている。第2圧電素子23は、半径が第2平面板22の半径よりも小さな円形である。第2圧電素子23は、例えばピエゾ素子であり、第2入力ケーブル25を介して交流電圧が印加されることにより振動する。第2圧電素子23は、例えば接着剤又は接着テープにより第2平面板22に固定されている。第2圧電素子23が第2平面板22に固定されていることにより、第2圧電素子23が可聴領域の周波数で共振する。
第1フィルム14は、第1圧電素子13を覆うことにより、第1圧電素子13との間に第1空気室17を形成する。第1空気室17の形状は任意であるが、図1に示す例における第1空気室17は円錐台状の形状をしている。第1フィルム14における第1空気室17に接している領域は、第1圧電素子13の振動に伴って振動する振動領域である。
第1フィルム14は、例えばポリカーボネートフィルムにより形成されており、第1平面板12の外周と第1圧電素子13の外周との間の領域において、第1平面板12の底板112側の面に固定されている。第1フィルム14は、第1平面板12の直径よりも大きな直径を有しており、第1平面板12よりも外側の領域においてスペーサ31における底板112の側の面に固定されている。
第1フィルム14における第1圧電素子13の側の表面は、例えばエンボス加工されている。第1フィルム14の表面がエンボス加工されていることにより、第1フィルム14内の位置によってインピーダンスが変化するので、第1圧電素子13、第1フィルム14及び第1空気室17により構成される音響回路の機械的品質係数Qが大きくなり過ぎることを防ぐことができる。
同様に、第2フィルム24は、第2圧電素子23を覆うことにより、第2圧電素子23との間に第2空気室27を形成する。第2空気室27の形状は任意であるが、図1に示す例における第2空気室27は円錐台状の形状をしている。第2フィルム24における第2空気室27に接している領域は、第2圧電素子23の振動に伴って振動する振動領域である。
第2フィルム24は、例えばポリカーボネートフィルムにより形成されており、第2平面板22の外周と第2圧電素子23の外周との間の領域において、第2平面板22の底板112から遠い側の面に固定されている。第2フィルム24は、第2平面板22の直径よりも大きな直径を有しており、第2平面板22よりも外側の領域においてスペーサ31における底板112の側と反対側の面に固定されている。
第2フィルム24における第2圧電素子23の側の表面は、例えばエンボス加工されている。第2フィルム24の表面がエンボス加工されていることにより、第2フィルム24内の位置によってインピーダンスが変化するので、第2圧電素子23、第2フィルム24及び第2空気室27により構成される音響回路の機械的品質係数Qが大きくなり過ぎることを防ぐことができる。
第1入力ケーブル15は、第1圧電素子13に駆動電圧を印加させるための導電線である。第2入力ケーブル25は、第2圧電素子23に駆動電圧を印加させるための導電線である。第1基準ケーブル16は、第1圧電素子13に基準電圧を印加させるための導電線である。第2基準ケーブル26は、第2圧電素子23に基準電圧を印加させるための導電線である。図2においては、第1入力ケーブル15、第2入力ケーブル25、第1基準ケーブル16及び第2基準ケーブル26を模式的に示しているが、これらのケーブルは、例えば、スペーサ31に形成された穴を介して筐体11の外部にまで延びるように構成されている。また、図2においては、第1入力ケーブル15が第1圧電素子13aのみに接続されており、第2入力ケーブル25が第2圧電素子23bのみに接続されているように簡略化しているが、実際には、第1入力ケーブル15は第1圧電素子13bにも接続されており、第2入力ケーブル25は第2圧電素子aにも接続されている。
スペーサ31は、第1平面板12と第2平面板22とを離間させ、第1平面板12と第2平面板22との間に中央空気室32を形成するように設けられている。スペーサ31は、円環形状をしており、支持部113により支持されている。スペーサ31における支持部113の側の面には、第1フィルム14が固定されており、スペーサ31と支持部113とによって第1フィルム14が挟まれている。スペーサ31における支持部113の側と反対側の面には第2フィルム24が固定されている。第1フィルム14及び第2フィルム24は、例えば接着剤又は両面テープによってスペーサ31に固定されている。
スペーサ31の高さは、第1圧電素子13bの厚みと第2圧電素子23bの厚みとを加算した長さよりも大きい。第1圧電素子13b及び第2圧電素子23bが振動している間にも、第1圧電素子13bと第2圧電素子23bとが接触することがないように、スペーサ31の高さは、第1圧電素子13bの厚みと第2圧電素子23bの厚みとを加算した長さの2倍以上であることが望ましい。
支持部113は、第1フィルム14が底板112と接しないように、第1平面板12における第1圧電素子13aが設けられている領域において、第1圧電素子13aと第1フィルム14との距離よりも長く構成されている。支持部113がこのように構成されていることにより、第1フィルム14における振動領域と底板112との間に第1空隙が形成されている。また、支持部113は側壁111の内側に設けられており、第1フィルム14における振動領域と側壁111との間にも第2空隙が形成されている。
第1フィルム14における振動領域と底板112との間に第1空隙が形成されており、第1フィルム14における振動領域と側壁111との間に第2空隙が形成されていることにより、第1空隙及び第2空隙がヘルムホルツ共鳴器を構成する。その結果、第1フィルム14が振動することにより、第1空隙及び第2空隙において、第1圧電素子13及び第2圧電素子23の共振周波数と異なる周波数において共鳴が発生し、発生した音が、側壁111に沿ってスペーサ31の上方側に回り込む。
スペーサ31の上方側においては、第2フィルム24の振動により発生した音と、第1フィルム14の振動により発生した共鳴音とが合成される。これらの複数の音が合成されることにより、複数の音が平均化された合成音が生成され、圧電スピーカー1の周波数特性は、第1圧電素子13及び第2圧電素子23それぞれの単体の音圧の周波数特性よりも平坦な周波数特性となる。
合成音の音圧の周波数特性をできるだけ平坦にするために、圧電スピーカー1は、第1圧電素子13の共振周波数と第2圧電素子23の共振周波数とが異なるように構成されていてもよい。このように第1圧電素子13及び第2圧電素子23が構成されていることにより、第1圧電素子13の振動により発生する音の音圧が大きな周波数と、第2圧電素子23の振動により発生する音の音圧が大きな周波数とが一致しないので、合成音の周波数特性が平坦になりやすくなる。
第1圧電素子13の振動に基づいて発生する音の周波数特性と、第2圧電素子23の振動に基づいて発生する音の周波数特性とが一致しないようにするために、第1平面板12の厚みと第2平面板22の厚みとが異なるように構成されていてもよい。例えば第1平面板12の厚みが第2平面板22の厚みよりも大きい場合、第1圧電素子13を振動源とする音響回路の共振周波数が、第2圧電素子23を振動源とする音響回路の共振周波数よりも高くなる。その結果、第1圧電素子13の振動により発生する音の音圧が大きな周波数と、第2圧電素子23の振動により発生する音の音圧が大きな周波数とが一致しないので、合成音の周波数特性が平坦になりやすくなる。
第1圧電素子13及び第2圧電素子23の振動により音を発生する効率を高めるために、第1圧電素子13の厚みと第2圧電素子23の厚みとの大小関係が、第1平面板12の厚みと第2平面板22との大小関係と同一であってもよい。第1平面板12及び第1圧電素子13の厚みは例えば0.1mmであり、第2平面板22及び第2圧電素子23の厚みは例えば0.2mmである。
また、第1空気室17の容積と第2空気室27の容積とが異なるように構成されていてもよい。このようにするために、第1平面板12の面積と第2平面板22の面積とが異なるように構成されていてもよい。第1空気室17の容積と第2空気室27の容積とが異なることにより、第1圧電素子13を振動源とする音響回路の共振周波数と、第2圧電素子23を振動源とする音響回路の共振周波数とを異なる周波数にすることができるので、合成音の周波数特性が平坦になりやすくなる。
[電圧発生部2の構成]
続いて、第1圧電素子13及び第2圧電素子23を振動させるための電圧を発生する電圧発生部2の構成について説明する。電圧発生部2は、第1圧電素子13に印加するための第1電圧V1と、第2圧電素子23に印加するための第2電圧V2とを発生する。第2電圧V2は、例えば第1電圧V1と異なる電圧である。第1電圧V1及び第2電圧V2は、圧電スピーカー1に発生させる音の大きさに基づいて設定され、例えばピーク電圧が1Vである。
第1電圧V1が変化すると、第1圧電素子13の振動に基づいて発生する音の大きさが変化し、第2電圧V2が変化すると、第2圧電素子23の振動に基づいて発生する音の大きさが変化する。そこで、第1電圧V1及び第2電圧V2を適切な値に調整することで、合成音に含まれる第1圧電素子13の振動に基づく音の成分と第2圧電素子23の振動に基づく音の成分との割合が変化し、合成音の周波数特性を平坦にしやすくなる。
圧電スピーカー1は平坦な周波数特性を有するので、音響発生装置Sは、電圧発生部2が発生する電圧の波形に相当する音を再現しやすい。例えば電圧発生部2が、非常ベルのゴングの音に対応する波形の電圧を発生することにより、音響発生装置Sは、大音量(例えば100dB以上)の非常ベル音を発生することができる。
[実験例]
(測定系)
図3は、圧電スピーカー1の周波数特性を測定するための測定系の構成を示す図である。圧電スピーカー1に電圧発生部2を接続して構成した音響発生装置Sを無響室41に入れた状態で、圧電スピーカー1が発した音をマイク42で収集した。マイク42は、収集した音を電気信号に変換して、無響室41の外に設置された騒音計43に入力する。
騒音計43は、入力された電気信号をFFTアナライザー44へと出力する。FFTアナライザー44は、騒音計43から入力された電気信号をデジタルデータに変換し、デジタルデータを高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)することにより、周波数と音圧とを関連付けた周波数特性データを作成する。
まず、第1フィルム14と底板112との間に空隙が設けられた圧電スピーカー1の周波数特性を測定した。第1圧電素子13の共振周波数、第2圧電素子23の共振周波数、第1圧電素子13に印加する第1電圧V1、及び第2圧電素子23に印加する第2電圧V2を変化させて、複数の組み合わせにおける周波数特性を測定した。
続いて、比較例として、第1フィルム14と底板112との間に空隙が設けられていない圧電スピーカーの周波数特性を測定した。図4は、比較例として用いた圧電スピーカー100の構成を示す図である。圧電スピーカー100においては、第1フィルム14が底板112に接している。
(測定結果)
図5は、第1条件で測定した圧電スピーカー1の周波数特性を示す図である。図6は、第2条件で測定した圧電スピーカー1の周波数特性を示す図である。図7は、第3条件で測定した圧電スピーカー1の周波数特性を示す図である。図8は、第4条件で測定した圧電スピーカー1の周波数特性を示す図である。各周波数特性の図において、横軸は周波数(KHz)を示しており、縦軸は音圧(dB)を示している。図9は、第1条件で測定した圧電スピーカー100の周波数特性を示す図である。図10は、第2条件で測定した圧電スピーカー100の周波数特性を示す図である。
第1条件は、第1圧電素子13の共振周波数が3.75KHz、第2圧電素子23の共振周波数が2.05KHz、第1電圧V1=第2電圧V2である。
第2条件は、第1圧電素子13の共振周波数が3.75KHz、第2圧電素子23の共振周波数が2.05KHz、第1電圧V1>第2電圧V2である。
第3条件は、第1圧電素子13の共振周波数が2.05KHz、第2圧電素子23の共振周波数が3.75KHz、第1電圧V1=第2電圧V2である。
第4条件は、第1圧電素子13の共振周波数が2.05KHz、第2圧電素子23の共振周波数が3.75KHz、第1電圧V1>第2電圧V2である。
(分析)
図5と図9とを対比すると、比較例に対応する図9においては4.5KHz付近に大きなピークが見られるのに対して、図5においては4.5KHz付近のピークが図9よりもはるかに小さくなっていることがわかる。また、図9においては、2.5KHzと4.5KHzの間の音圧の変動幅が約10dBであるのに対して、図5においては、2.5KHzと4.5KHzの間の音圧の変動幅が約5dBであり、周波数による音圧の変動幅が小さくなっていることがわかる。
図5と図6とを対比すると、第1電圧V1と第2電圧V2との大小関係を調整することにより、図6においては、4.5KHz付近のピークが図5に示す場合よりもさらに小さくなっていることがわかる。
図7と図9とを対比すると、図7においては4.5KHz付近のピークが図9よりも小さいが、2.5KHzと4.5KHzの間の音圧の変動幅が約10dBである。しかしながら、図8に示すように、第1電圧V1と第2電圧V2との大小関係を調整することにより、音圧の変動幅が小さくなり、2.5KHzと4.0KHzの間の音圧の変動幅は約4dBとなっている。
図10に示すように、比較例の圧電スピーカー100においては、第1電圧V1と第2電圧V2との大小関係を調整しても音圧の変動幅が大きい状態が維持された。以上の実験結果から、圧電スピーカー1のように第1フィルム14と底板112との間に空隙を形成することにより、音圧の変動幅を小さくすることができることを確認できた。
[変形例1]
以上の説明においては、第1フィルム14が第1平面板12に固定されており、第2フィルム24が第2平面板22に固定されている構成を例示したが、第1フィルム14及び第2フィルム24は、それぞれ第1平面板12及び第2平面板22に直接固定されていなくてもよい。
図11は、本変形例に係る圧電スピーカー1Aの構成を示す図である。圧電スピーカー1Aは、図1に示した圧電スピーカー1におけるスペーサ31の代わりに、第1平面板12及び第2平面板22よりも外側に延びたスペーサ33を有する。また、図1に示した第1フィルム14及び第2フィルム24の代わりに、第1フィルム14A及び第2フィルム24Aがスペーサ33に固定されていることにより第1空気室17及び第2空気室27が形成されている。このように、第1フィルム14Aが第1圧電素子13を覆って第1空気室17を形成し、第2フィルム24Aが第2圧電素子23を覆って第2空気室27を形成していれば、第1フィルム14A及び第2フィルム24Aの固定方法は任意である。
なお、第1フィルム14A及び第2フィルム24Aが第1平面板12及び第2平面板22に直接固定されておらず、スペーサ33に固定されていることにより、第1平面板12及び第2平面板22の振動が第1フィルム14A及び第2フィルム24Aに直接伝わらない。したがって、各部材の形状のばらつきが周波数特性に影響を与えづらく、周波数特性の安定性を高めることができる。
[変形例2]
以上の説明においては、第1フィルム14と第2フィルム24とが別体になっている構成を例示したが、第1フィルム14と第2フィルム24とが一体になっていてもよい。
図12は、本変形例に係る圧電スピーカー1Bの構成を示す図である。圧電スピーカー1Bにおいては、第1フィルム14Bと第2フィルム24Bとが、第1平面板12、第2平面板22、第1圧電素子13及び第2圧電素子23を囲むように一体に形成されている。圧電スピーカー1Bは、第1平面板12に固定された円環状のフィルム支持部材51及び第2平面板22に固定された円環状のフィルム支持部材52を有する。第1フィルム14がフィルム支持部材51に固定されていることにより第1空気室17が形成され、第2フィルム24がフィルム支持部材52に固定されていることにより第2空気室27が形成されている。
[変形例3]
以上の説明においては、第2フィルム24が露出している圧電スピーカー1を例示したが、第2フィルム24の上方(すなわち、底板112と反対側)に開口を有するカバーが設けられていてもよい。カバーは、例えば円形のメッシュ状に構成し、外周を側壁111に固定できるように構成される。
[変形例4]
以上の説明においては、第1圧電素子13a及び第1圧電素子13bが、第1平面板12に設けられており、第2圧電素子23a及び第2圧電素子23bが、第2平面板22に設けられている例を示したが、第1平面板12に1つの第1圧電素子13が設けられており、第2平面板22に1つの第2圧電素子23が設けられていてもよい。
[圧電スピーカー1による効果]
以上説明したように、圧電スピーカー1は、第1圧電素子13及び第2圧電素子23を有しており、第1圧電素子13を覆う第1フィルム14の振動領域と筐体11との間に空隙が設けられている。圧電スピーカー1がこのように構成されていることにより、ヘルムホルツ共鳴器が形成され、第1圧電素子13の振動に基づいて発せられる音と第2圧電素子23の振動に基づいて発せられる音とが合成される。その結果、圧電スピーカー1の周波数特性は、第1圧電素子13の振動に基づいて発せられる音の周波数特性と第2圧電素子23の振動に基づいて発せられる音の周波数特性とを平均化した特性になり、圧電スピーカー1は、周波数による音圧の変動幅を小さくすることができる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の分散・統合の具体的な実施の形態は、以上の実施の形態に限られず、その全部又は一部について、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
10 圧電ユニット
11 筐体
12 第1平面板
13 第1圧電素子
14 第1フィルム
15 第1入力ケーブル
16 第1基準ケーブル
17 第1空気室
22 第2平面板
23 第2圧電素子
24 第2フィルム
25 第2入力ケーブル
26 第2基準ケーブル
27 第2空気室
31 スペーサ
32 中央空気室
33 スペーサ
41 無響室
42 マイク
43 騒音計
44 アナライザー
51 フィルム支持部材
52 フィルム支持部材
100 圧電スピーカー
111 側壁
112 底板
113 支持部

Claims (8)

  1. 底板と側壁とを有する筐体と、
    前記筐体内において前記底板の上方に設けられた第1平面板と、
    前記第1平面板に設けられた第1圧電素子と、
    前記第1圧電素子を覆うことにより前記第1圧電素子との間に第1空気室を形成する第1フィルムと、
    前記筐体内において前記第1平面板よりも前記底板から遠い位置に設けられた第2平面板と、
    前記第2平面板に設けられた第2圧電素子と、
    前記第2圧電素子を覆うことにより前記第2圧電素子との間に第2空気室を形成する第2フィルムと、
    を有し、
    前記第1フィルムにおける振動領域と前記底板との間、及び前記第1フィルムにおける振動領域と前記側壁との間に空隙が形成されていることを特徴とする圧電スピーカー。
  2. 前記第1フィルムが前記第1平面板の前記底板側の面に固定されており、前記第2フィルムが前記第2平面板の前記底板から遠い側の面に固定されていることを特徴とする、
    請求項1に記載の圧電スピーカー。
  3. 前記第1圧電素子の共振周波数と前記第2圧電素子の共振周波数とが異なることを特徴とする、
    請求項1又は2に記載の圧電スピーカー。
  4. 前記第1平面板の厚みと前記第2平面板の厚みとが異なることを特徴とする、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の圧電スピーカー。
  5. 前記第1圧電素子の厚みと前記第2圧電素子の厚みとの大小関係が、前記第1平面板の厚みと前記第2平面板との大小関係と同一であることを特徴とする、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の圧電スピーカー。
  6. 前記第1平面板の面積と前記第2平面板の面積とが異なることを特徴とする、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の圧電スピーカー。
  7. 前記第1空気室の容積と前記第2空気室の容積とが異なることを特徴とする、
    請求項1から6のいずれか一項に記載の圧電スピーカー。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載の圧電スピーカーと、
    前記第1圧電素子に印加するための第1電圧と、前記第2圧電素子に印加するための、前記第1電圧と異なる第2電圧と、を発生する電圧発生部と、
    を有することを特徴とする、
    音響発生装置。
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