本明細書の利点と特徴、そしてそれらを達成する方法は添付の図と共に詳細に後述されている一例を参照すると明確になるだろう。しかし、本明細書は、以下で開示される実施例に限定されるものではなく、異なる多様な形態で実現されるものであり、単に本実施例は、本明細書の開示を完全にし、本明細書が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本明細書は、請求項の範疇によってのみ定義される。
本明細書の一例を説明するため、図に示した形態、大きさ、比率、角度、個数などは、例示的なものであって、本明細書が図に示した事項に限定されるものではない。明細書全体にわたって同一参照符号は同一の構成要素を指す。また、本明細書を説明するにおいて、関連する公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を不必要に曖昧にすると判断された場合、その詳細な説明は省略する。
本明細書で言及した「含む」、「有する」、「からなる」などが使用されている場合、「〜だけ」が使用されていない限り、他の部分を追加することができる。構成要素を単数で表現した場合に特に明示的な記載事項がない限り、複数を含む場合を含む。
構成要素を解釈するに当たり、別途の明示的な記載がなくても誤差の範囲を含むものと解釈する。
位置関係についての説明である場合、例えば、「〜上に」、「〜上部に」、「〜下部に」、「〜横に」などで2つの部分の位置関係が説明されている場合、「すぐに」または「直接」が使用されていない限り、二つの部分の間に1つ以上の他の部分が位置することもできる。
時間の関係についての説明である場合、例えば、「〜後に」、「〜に続いて」、「〜次に」、「〜前に」などで時間的前後関係が説明されている場合、「すぐに」または「直接」が使用されていない以上、連続的でない場合も含むことができる。
第1、第2などが多様な構成要素を記述するために使用されるが、これらの構成要素はこれらの用語によって制限されない。これらの用語は、単に1つの構成要素を他の構成要素と区別するために使用されるものである。したがって、以下で言及される第1構成要素は、本発明の技術的思想内で第2構成要素であることもあり得る。
「少なくとも1つ」の用語は、1つ以上の関連項目から提示可能なすべての組み合わせを含むものと理解されなければならない。例えば、「第1項目、第2項目、および第3項目の中の少なくとも1つ」の意味は、第1項目、第2項目、または第3項目各々だけではなく、第1項目、第2項目、および第3項目の中から二つ以上で提示され得るすべての項目の組み合わせを含むとすることができる。
本明細書のいくつかの実施例のそれぞれの特徴が部分的または全体的に互いに結合または組み合わせ可能で、技術的に多様な連動および駆動が可能であり、各例を互いに対して独立的に実施することができ、関連の関係で一緒に実施することもできる。
以下、本明細書に係る実施例について図面を参照しつつ詳細に説明する。各図面を通じて共通する機能を有する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略又は簡略化することがある。そして、添付した図に示した構成要素のスケールは、説明の便宜上、実際と異なるスケールを有することができるが、図に示したスケールに限定されない。
[第1実施例]
図1は、本明細書の第1実施例に係る音響装置の構成図である。本明細書の実施例の音響装置1は、単独でスピーカとして用いてもよく、広告用看板、ポスター、案内板等に内蔵すものであってもよい。しかしながら本明細書の実施例の音響装置1の用途は、特に限定されるものではない。
図1に示されているように音響装置1は、圧電素子10、第1振動部材20、弾性部材30、および第1制御部40を有する。音響装置1は、入力された音声信号等に基づいて音響を発する装置である。
圧電素子10は、入力された音声信号に基づく電圧が印加されると、逆圧電効果により変位する素子である。圧電素子10は、例えば、バイモルフ(Bimorph)、ユニモルフ(Unimorph)等の電圧に応じて屈曲変位する素子であり得る。入力される音声信号は交流電圧であるため、圧電素子10は、入力された音声信号に応じて振動する振動素子として機能する。
第1振動部材20は、圧電素子10に入力された音声信号に基づく音響を発するように振動する部材であり得る。第1振動部材20の材料は、特定の材料に限定されない。例えば、第1振動部材20の材料は、圧電素子10から伝わる振動の伝達に適した材料特性を有するガラス、硬質紙、プラスチック、金属、皮革、繊維または布等を挙げることができる。
弾性部材30は、弾性を有する材料により構成された部材である。弾性部材30の材料には、圧電素子10及び第1振動部材20よりも小さい弾性率を有することができ、ゴム等の材料が用いられる。圧電素子10の一部と、第1振動部材20の一部とは、弾性部材30により接続したり連結することができる。これにより、圧電素子10の振動が第1振動部材20に伝達され、第1振動部材20は、入力された音声信号に基づく音響を発する。
ホストシステム2は、音声信号を供給することにより音響装置1を制御する装置または複数の装置を含むシステムである。しかしながら、ホストシステム2は、音響装置1の用途に応じて、画像信号(例えばRGBデータ)、タイミング信号(垂直同期信号、水平同期信号、およびデータイネーブル信号等)等の他の信号を更に供給する場合もある。ホストシステム2は、例えば、音源再生装置、構内放送装置、ラジオ放送再生システム、テレビシステム、セットトップボックス、ナビゲーションシステム、光ディスクプレーヤー、コンピュータ、ホームシアターシステム、およびビデオ電話システム等であり得る。なお、音響装置1とホストシステム2は一体の装置であってもよく、別個の装置に構成することができる。
第1制御部40は、ホストシステム2から入力される音声信号に基づいて、圧電素子10に電圧を供給する。第1制御部40は複数の半導体集積回路によって構成され得る。
図2は、本明細書の第1実施例に係る圧電素子の構成を示す平面図である。図3は、本明細書の第1実施例に係る圧電素子の構成を示す断面図である。図2及び図3を相互に参照しつつ、圧電素子10の配置を説明する。図2における第1振動部材20の矩形の外枠は、第1振動部材20の外形または形状を模式的に示している。
図3に示されているように、第1振動部材20の面音源に該当する面は、音源面20aであることができ、音源面20aに対向する面は、裏面20bことができる。このとき、図2は裏面20b側から第1振動部材20を見た平面図を示したものである。図2には、音源面20aの水平方向をx軸、音源面20aの垂直方向をz軸、および音源面20aの奥行方向をy軸とした座標軸を示している。また、裏面20bから音源面20aに向かう方向をy軸の正方向としている。図3は、図2におけるA−A’線における断面図である。
圧電素子10は平板形状をなしているが、これに限定されず、曲面形状を含むことができる。図2に示されているように、圧電素子10は、平面視において、長手方向(図中のz方向)及び短手方向(図中のx方向)を有する矩形形状をなしている。これにより、長手方向に沿う断面(A−A’線)から見て屈曲するような変形が生じる。圧電素子10の長手方向は、第1振動部材20の端部と垂直になるように配置されている。
弾性部材30は、圧電素子10の長手方向の中心を含む位置に接続(または連結)され得る。圧電素子10の長手方向の中心は振動の腹(または中心)になる部分であるため、振動が効率よく第1振動部材20に伝達される。
弾性部材30は、圧電素子10の主面のうちの一部のみに接続または連結されている。圧電素子10の長手方向の両端部を浮いた状態となり、屈曲振動の変位が大きい長手方向の両端部において、圧電素子10の振動が阻害されにくくなる。例えば、圧電素子10の主面は、第1振動部材20と対向する面であって、第1面、前面、または上面などであり得る。例えば、弾性部材30は、接着剤、両面テープ、または両面粘着パッドなどの接着部材(または連結部材)によって、圧電素子10と、第1振動部材20に連結することができる。例えば、接着剤からなる接着部材は、光硬化性接着剤であり得、これに限定されるものではない。例えば、接着剤からなる接着部材は、UV(紫外線)接着剤であり得、これに限定されるものではない。
図4は、本明細書の第1実施例に係る圧電素子の構造を示す断面図である。図4は、図3とは向きが異なっているが、図3と同様に図2におけるA−A’線における断面図を示している。また、図4では、圧電素子10への音声信号の入力方法を説明するため、圧電素子10に含まれる各電極の連結関係を回路図により模式的に示している。
図4に示されている圧電素子10は、2層の圧電層が積層されたバイモルフと呼ばれる構造を備える。圧電素子10は、電極101、103、105及び圧電層102、104を含む。第1振動部材20に最も近い側に配置された電極101(または第1電極)は、弾性部材30に接続または連結され得る。電極101及び電極103(または第2電極)は、圧電層102(または第1圧電層)を厚さ方向に挟むように配置されている。例えば、圧電層102は、電極101と電極103との間に介在され得る。電極103及び電極105(または第3電極)は、圧電層104(または第2圧電層)を厚さ方向に挟むように配置されている。例えば、圧電層104は、電極103と電極105との間に介在され得る。圧電層102、104の内部に図示されている矢印は、圧電層102、104の分極方向を示している。例えば、圧電層102及び圧電層104の分極方向は、互いに同一であり得る。なお、電極101、103、105には、ハンダ付けなどにより各電極に電圧を印加するための配線が接続または連結され得る。
圧電素子10に印加される電圧は、音声信号に基づくもので、生成すべき音声の周波数に応じた交流電圧であり得る。図4では、この交流電圧を交流電源Vの回路記号で示している。交流電源Vの一方の端子は、電極101、105に接続または連結され、他方の端子は、電極103に接続または連結され得る。言い換えると、電極101と電極105には同一の位相の電圧が印加され、電極101と電極103には逆相の電圧が印加され、電極103と電極105にも逆相の電圧が印加される。これにより、圧電層102と圧電層104には逆向きの電圧が印加される。
圧電層102、104の材料は、特に限定されるものではないが、変位量を大きくすることができるため、チタン酸ジルコン酸鉛等の圧電性が良好な材料であり得る。また、図4の構成では、圧電素子10の周辺または外郭は、他の部材とのショートを避けるために樹脂等の絶縁体で覆うことができる。
図5及び図6は、本明細書の第1実施例に係る圧電素子10に電圧が印加されたときの変形を示す模式図である。図4に示されているように圧電層102、104の分極方向は、同じ向きであり、圧電層102、104の印加電圧は、逆向きである。これにより、圧電層102と圧電層104の伸縮方向は逆になる。
図5に示されているように、圧電層102が横方向に収縮するように変形するタイミングでは、圧電層104は、横方向に伸長する方向に変形する。これにより、圧電素子10の端部は、第1振動部材20に近づく方向に屈曲する。このとき、第1振動部材20は、圧電素子10の側に向かう応力を受けて変形する。
図6に示されているように、圧電層102が横方向に伸張するように変形するタイミングでは、圧電層104は、横方向に収縮する方向に変形する。これにより、圧電素子10の端部は、第1振動部材20から離れる方向に屈曲する。このとき、第1振動部材20は、圧電素子10から遠い方向に向かう応力を受けて変形し得る。
音声信号に基づく交流電圧が圧電素子10に印加されると、音声の周波数で図5の状態と図6の状態が交互に繰り返される。このようにして、圧電素子10の振動が第1振動部材20に伝達され、第1振動部材20が振動する。したがって、第1振動部材20からは音声信号に基づく音響が発生することで、第1振動部材20は、スピーカとして機能し得る。
図7乃至図9を参照して、本明細書の実施例において、圧電素子10の一部と第1振動部材20とが弾性部材30により接続または連結することにより得られる効果をより詳細に説明する。図7は、実験例に係る圧電素子10の構成を示す断面図である。図8は、実験例に係る振動モデルを示す模式図である。図9は、本明細書の第1実施例に係る振動モデルを示す模式図である。
図7に示されるように実験例では、圧電素子10の全面が第1振動部材20に接続または連結される。このような構成においても、圧電素子10の変位を第1振動部材20に伝達させて第1振動部材20をスピーカとして機能させることができる。
実験例に係る振動モデルは、図8に示したように、圧電素子10及び第1振動部材20を示す質点(Mass point)の両端にスプリングS1、S2が連結された構成をなしている。質量m1を有する圧電素子10と質量m2を有する第1振動部材20とが直接に連結されている。
圧電素子10には、バネ定数k1を有するスプリングS1が接続または連結されており、第1振動部材20にはバネ定数k2を有するスプリングS2が接続または連結されている。スプリングS1は、圧電素子10の弾性をモデル化したものである。スプリングS2は、第1振動部材20自体、あるいは筐体(またはケース、またはボディー)等の第1振動部材20を拘束する部材をモデル化したものである。なお、本振動モデルにおける両端は、固定端である。
実験例の振動モデルでは、圧電素子10と第1振動部材20は質量(m1+m2)を有する1つの質点に置き換えることができる。圧電素子10に電圧を印加すると、圧電素子10で生じた力は、質量(m1+m2)を有する圧電素子10と第1振動部材20の全体をまとめて振動させる。ここで、第1振動部材20は圧電素子10よりもはるかに大きいため、質量(m1+m2)は質量m1よりもはるかに大きい。圧電素子10で生じた力は、非常に大きな質量の物体に対して及ぼされるため、この力により圧電素子10と第1振動部材20が受ける加速度は小さい。したがって、圧電素子10と第1振動部材20の変位量はさほど大きなものにはならず、実験例の構成においては、第1振動部材20から発せられる音響の音圧が十分ではない場合がある。
これに対し、本明細書の実施例に係る振動モデルは、図9に示されるように、圧電素子10及び第1振動部材20を示す質点の間にバネ定数k3を有するスプリングS3が接続または連結された構成を含むことができる。スプリングS3は、弾性部材30の弾性をモデル化したものである。質量m1を有する圧電素子10と質量m2を有する第1振動部材20とが、スプリングS3を介して接続または連結され得る。
本明細書の実施例の振動モデルで圧電素子10と第1振動部材20は、独立に変位することができる。圧電素子10に電圧を印加したときに生じる力は、質量m1を有する圧電素子10を振動させる。力が及ぼされる物体の質量が実験例の場合と比べて小さいため、この力により圧電素子10が受ける加速度は実験例の場合に比べて大きい。これにより、圧電素子10は大きな変位で共振した状態となる。圧電素子10の変位がスプリングS3を介して第1振動部材20に徐々に伝達されるため、実験例の場合のように第1振動部材20の質量による変位の阻害も生じにくい。そのため、本明細書の実施例では、実験例の場合と比べて変位を大きくすることができ、音圧が向上する。
以上のように、本明細書の実施例によれば、第1振動部材20をスピーカとして機能させた場合において、第1振動部材20が発する音の音圧を向上させることにより音質を向上させることができる音響装置1が提供され得る。
なお、本明細書の実施例では、振動源は圧電素子10であるが、音の発生源は質量が大きく、固有周波数が低い第1振動部材20であり得る。そのため、本明細書の実施例による圧電素子10から直接に音響を発する構成、あるいは第1振動部材20とは別個の小さな振動板に圧電素子10を接続または連結する等の固有周波数が高い部材から音響を発する構成と比べて、低音域の音圧を向上させることができる。
上述のように、圧電素子10は質量が比較的小さいため、圧電素子10自体の固有周波数は低い。そのため、圧電素子10単体では、可聴周波数の範囲内において、低音域の音圧が相対的に低く、高音域の音圧が相対的に高い、不均一な周波数特性を有する。圧電素子10と比較して、比較的質量が大きい第1振動部材20を圧電素子10に接続または連結することにより、圧電素子10単体の場合よりも固有周波数が低下する。これにより、圧電素子10単体の場合と比較して、可聴周波数の範囲内の周波数特性が平坦に近づき、低音域の音圧が相対的に高くなる。したがって、本明細書の実施例の構成は、主として、可聴周波数範囲内の低音域の相対的な音圧向上に有効である。
[第2実施例]
本明細書の実施例では、本明細書の第1実施例に係る音響装置1のより具体的な構成例を説明する。本明細書の実施例の音響装置1は、例えば、広告用看板、ポスター、案内板等のサイネージ等に適用できる。このようなサイネージにおける文章、絵、および記号等のコンテンツは、第1振動部材20の音源面20a側から視認可能に配置され得る。コンテンツは、音源面20aに直接に付着されてもよく、コンテンツが印刷等により付された紙等の媒体が音源面20aに貼付されていてもよい。例えば、本明細書の実施例の音響装置1は、映像を表示するディスプレイまたは映像を表示しないディスプレイがないサイネージに適用され得る。圧電素子10、第1振動部材20及び弾性部材30の構造は、本明細書の第1実施例と同様であるため説明を省略する。
図10Aは、本明細書の第2実施例に係る音響装置の構成を示す平面図である。図10Bは、本明細書の第2実施例に係る音響装置の構成を示す断面図である。また、図11は、図10における音響装置のフレームのみを示した断面図である。図10B及び図11は、図10AにおけるB−B’線における断面図を示している。図10A及び図10Bを相互に参照しつつ、本明細書の第2実施例に係る音響装置の構成を説明する。図10Aにおいて破線で示されている第1振動部材20は、第1振動部材20がフレーム50によって保持されていることを示している。フレーム50は、平面視において、第1振動部材20を囲うように配置されている。
図10Bに示されているように、音響装置1は、圧電素子10、第1振動部材20、弾性部材30、フレーム50、バックカバー51及び接着部材52a、52bを有する。フレーム50、バックカバー51及び第1振動部材20は、音響装置1の筐体(またはボディー)を構成する。例えば、バックカバー51は、背面カバー、バックカバーパネル、および背面カバーパネルであり得、この用語に限定されるものではない。例えば、第1振動部材20は、広告物の振動パネルまたはサイネージの振動パネルであり得る。例えば、広告物は、額縁、ポスター、立て看板用、およびサイネージのコンテンツであり得るが、これに限定されるものではない。フレーム50は、第1振動部材20及びバックカバー51を保持することができる。第1振動部材20は、フレーム50に挿入され、または収容され得る。バックカバー51は、圧電素子10による振動が筐体の背面方向から外部に漏出しないように、筐体の内部空間を遮蔽することができる。また、バックカバー51は、圧電素子10に外部から物体が接触しないようにする保護の機能を有している。接着部材52a、52bは、第1振動部材20及びバックカバー51をフレーム50に接着させて固定する固定部材であり得る。フレーム50は、例えば、金属、および樹脂等の材料で構成され得る。バックカバー51は、例えば、金属、樹脂、ガラス、および硬質紙等の材料で構成され得る。接着部材52a、52bは、例えば、圧着樹脂材料、接着剤、接着テープ等で構成され得る。しかしながら、フレーム50、バックカバー51及び接着部材52a、52bの材料は、特定の材料に限定されない。
図11に示されているように、フレーム50は、断面視において、y方向(または、第一方向)に延在する側部(または、上部側部)50aと、側部50aが延在するy方向とは垂直なz方向(または、第三方向)に突出する突出部50b、50cを有している。突出部50b、50cは、y方向に離間した位置に配置され得る。側部50aは、接着面50dを有しており、突出部50bは、接着面50eを有しており、突出部50cは、接着面50fを有している。図10に示されているように、接着部材52aは、第1振動部材20と、フレーム50の接着面50d、50eとを接着させることができる。同様に、接着部材52bは、バックカバー51と、フレーム50の接着面50fとを接着させることができる。このように、突出部50b、50cは、それぞれ、第1振動部材20とバックカバー51とをy方向に離間するように位置決めしている。例えば、突出部50bは、第1突出部または上側突出部などであり得、これに限定されるものではない。例えば、突出部50cは、第2突出部または下側突出部などであり得、これに限定されるものではない。例えば、接着部材52aは、第1接着部材、第1固定部材、第1連結部材、または第1結合部材などであり得るが、これに限定されるものではない。例えば、接着部材52bは、第2接着部材、第2固定部材、第2連結部材、または第2結合部材などであり得るが、これに限定されるものではない。
このように、バックカバー51は、圧電素子10に干渉しないように第1振動部材20と離間した位置に配置さされることで、本明細書の実施例に係る音響装置1は、圧電素子10とバックカバー51との間に空間を備えた筐体構造(またはボディー構造またはハウジング構造)を有している。これにより、本明細書の実施例の音響装置1は、圧電素子10が筐体の第1振動部材20以外の部分と接触しないように構成されている。また、本明細書の実施例の音響装置1は、筐体を平板形状に構成できるので、薄型またはスリム(slim)に構成され得る。したがって、本明細書の実施例によれば、本明細書の第1実施例で述べた効果が得られることに加え、圧電素子10の振動を阻害しにくい筐体を有しつつ薄型またはスリム型の音響装置1を提供することができる。また、本明細書の実施例によると、第1振動部材20と、フロントカバー54(図15参照)が一体型に構成されるので、薄型またはスリム型の音響装置1を提供することができる。
また、本明細書の実施例では、第1振動部材20の圧電素子10とは反対側である音源面20aは、筐体の外面であるため外部から視認可能である。そのため、本明細書の実施例では、音源面20a側にサイネージのコンテンツを付することができ、コンテンツから音響が発せられるような音響効果を有する音響装置1を提供することができる。
なお、本明細書の実施例では、圧電素子10は、フレーム50、バックカバー51及び第1振動部材20により定められる空間内に配置されるので、大きさを適宜に調整することにより、この空間を共鳴空間として機能させて音質を向上させることもできる。また、圧電素子10で生じる振動と第1振動部材20の端部で反射された振動とが強め合って共振を生じることがある。この共振は、ノイズの原因となり得る。接着部材52a、52bが圧着樹脂材料、接着剤、および接着テープ等の弾性率が低く、振動を吸収できる部材である場合には、接着部材52a、52bが上述要因による第1振動部材20の不要共振を吸収することによって音質を向上させる効果も得られる。
[第3実施例]
本明細書の実施例では、本明細書の第2実施例に係るフレーム50の構造の変形例を説明する。圧電素子10、第1振動部材20、弾性部材30、バックカバー51及び接着部材52a、52bの構造等は、本明細書の第2実施例と同様であるので、説明を省略する。例えば、バックカバー51は、背面カバー、バックカバーパネル、および背面カバーパネルであり得るが、この用語に限定されるものではない。例えば、第1振動部材20は、広告物の振動パネルまたはサイネージの振動パネルであり得る。例えば、広告物は、額縁、ポスター、立て看板用、およびサイネージのコンテンツであり得るが、これに限定されるものではない。
図12は、本明細書の第3実施例に係る音響装置の構成を示す断面図である。また、図13は、図12における音響装置のフレーム50のみを示した断面図である。図12及び図13は、図10AのB−B’線における、図10Bと同じ向きの断面図である。
図13で示されているように、フレーム50は、本明細書の第2実施例の突出部50bに代えて突出部50gを有している。突出部50gは、断面視において、側部50aが延在するy方向とは垂直なz方向に、フレーム50の上面が延長されるように突出している。図12及び図13に示されているようにしたように、接着部材52aは、第1振動部材20とフレーム50の上面である接着面50hとを接着させることができる。例えば、フレーム50は、「U」字形状の断面を含むことができる。
本明細書の実施例においても、本明細書の第2実施例と同様の効果を有する音響装置1が提供され得る。また、本明細書の実施例によれば、フレーム50の構造が、本明細書の第2実施例の構造よりも単純化され得る。例えば、フレーム50の上端に第1振動部材20が接着または付着され得る。また、本明細書の実施例の接着部材52aは、フレーム50の上面と第1振動部材20を接着するため、接着部材52aによって接着される面積を本明細書の第2実施例の構成よりも大きくし得る。したがって、本明細書の実施例では、接着部材52aによる第1振動部材20の不要共振がより多く吸収されるため、第2実施例の構成よりも更に音質を向上させることができる。また、本明細書の実施例によると、第1振動部材20と、フロントカバー54(図15参照)が一体型に構成されるので、薄型またはスリム型の音響装置1を提供することができる。
[第4実施例]
本明細書の実施例では、本明細書の第2実施例及び第3実施例に係る音響装置1の筐体の構成の変更例を説明する。圧電素子10、第1振動部材20、弾性部材30、フレーム50、バックカバー51及び接着部材52a、52bの構造等は、本明細書の第2実施例及び第3実施例のいずれかと同様であるため説明を省略する。例えば、バックカバー51は、背面カバー、バックカバーパネル、および背面カバーパネルであり得るが、この用語に限定されるものではない。例えば、第1振動部材20は、広告物の振動パネルまたはサイネージの振動パネルであり得る。例えば、広告物は、額縁、ポスター、立て看板用、およびサイネージのコンテンツであり得るが、これに限定されるものではない。
図14は、本明細書の第4実施例に係る音響装置の構成を示す断面図である。また、図14は、図10AにおけるB−B’線における、図10Bと同じ向きの断面図である。
図14に示したように、音響装置1は、圧電素子10、第1振動部材20、弾性部材30、フレーム50、バックカバー51、接着部材52b及び圧着部材53を有する。圧着部材53は、第1振動部材20を音響装置1の筐体内部に圧着させることで固定部材として機能する。圧着部材53は、例えば、金属、および樹脂等の材料で構成され得る。しかしながら、圧着部材53の材料は、特定の材料に限定されない。例えば、圧着部材53は、パネル圧着用支持台、パネル支持台、および支持部材であり得るが、この用語に限定されるものではない。また、圧着部材53と、第1振動部材20との間に接着部材が配置され得る。フレーム50と、第1振動部材20との間に接着部材が配置され得る。例えば、圧着部材53と、第1振動部材20とフレーム50との間に配置された接着部材は、「コ」字形状であり得る。例えば、接着部材は、第1振動部材20の端部を囲むように配置され得る。
本明細書の実施例のフレーム50の構造は図13と同様である。図14に示したように、圧着部材53は、断面視において、突出部50gと突出部50cとのギャップ(または隙間、または間隔)を埋めるように圧着され得る。圧着部材53は、第1振動部材20と、側部50aと、バックカバー51とを圧着され得る。
本明細書の実施例においても、第3実施例と同様の効果を有する音響装置1が提供され得る。このように、第1振動部材20をフレーム50に固定させる方法は、本明細書の第2実施例、または第3実施例のような接着工法に限定されるものではなく、種々のものが適用可能である。また、本明細書の実施例によると、第1振動部材20と、フロントカバー54(図15参照)が一体型に構成されるので、薄型またはスリム型の音響装置1を提供することができる。
[第5実施例]
本明細書の実施例では、本明細書の第2乃至第4実施例に係る音響装置1の筐体の構成の変更例を説明する。圧電素子10、第1振動部材20、弾性部材30、バックカバー51及び接着部材52bの構造等は、本明細書の第2乃至第4実施例のいずれかと同様であるため説明を省略する。
図15は、本明細書の第5実施例に係る音響装置の構成を示す断面図である。また、図16は、図15における音響装置のフレーム50のみを示した断面図である。図15及び図16は、図10AにおけるB―B’線における、図10Bと同じ向きの断面図である。
図15に示されているように、音響装置1は、圧電素子10、第1振動部材20、弾性部材30、フレーム50、バックカバー51、接着部材52b、52c、52d及びフロントカバー54を有する。例えば、第1振動部材20は、広告物の振動パネルまたはサイネージの振動パネルであり得る。例えば、広告物は、額縁、ポスター、立て看板用、およびサイネージのコンテンツであり得るが、これに限定されるものではない。第1振動部材20は、フレーム50に収容または挿入され得る。接着部材52c、52dは、フロントカバー54および、第1振動部材20をフレーム50に接着させて固定する部材であり得る。外部物体がフロントカバー54によって、第1振動部材20の音源面20aに付着されたサイネージのコンテンツに接触しないため、フロントカバー54は、保護部材として機能することができる。例えば、フロントカバー54は、前面カバー、フロントカバーパネル、および前面カバーパネルであり得るが、この用語に限定されるものではない。フロントカバー54の材料は、第1振動部材20の音源面20aに付着したコンテンツが外部から視認できるように、透明な材料で構成され得る。例えば、フロントカバー54は、樹脂、およびガラスなどの透明な材料で構成され得る。しかしながら、フロントカバー54の材料は、特定の材料に限定されない。例えば、フロントカバー54と、第1振動部材20との間に空間が発生し得る。この空間には、広告物の振動パネルまたはサイネージが収容または挿入され得る。例えば、広告物は、額縁、ポスター、立て看板用、およびサイネージのコンテンツであり得るが、これに限定されるものではない。
図16に示されているように、フレーム50は、本明細書の第3実施例の突出部50gに代えて、突出部50i、50jを有している。突出部50i、50jは、断面視において、側部50aが延在するy方向とは垂直なz方向に突出している。突出部50i、50j、50cは、y方向に離間した位置に配置されている。側部50aは、接着面50k、50nを有しており、突出部50iは、接着面50l、50mを有しており、突出部50jは、接着面50oを有している。図15Aに示されるように、接着部材50cは、フロントカバー54とフレーム50の接着面50k、50lとを接着させることができる。同様に、接着部材52dは、第1振動部材20とフレーム50の接着面50m、50n、50oとを接着させることができる。このように、接着面50m、50n、50oは、それぞれ、フロントカバー54と、第1振動部材20とバックカバー51とをy方向に離間するように位置を決めることができる。したがって、突出部50iは、本明細書の第3実施例の突出部50gと同様に、フレーム50の上面が延長されるように突出され得る。また、第1振動部材20をフレーム50に固定させる方法は、本明細書の実施例のような接着工法に限定されるものではなく、本明細書の第4実施例のような圧着部材53を用いた圧着工法等、種々のものが適用可能である。
本明細書の実施例においても、本明細書の第2実施例と同様の効果を有する音響装置が提供される。また、本明細書の実施例によれば、フロントカバー54が配置されることで、第1振動部材20の音源面20aに付したサイネージのコンテンツは、外部からの物体の接触による破損、および汚染等から保護される。そのため、本明細書の実施例では、種々の設置環境で利用可能な音響装置1を提供することができる。
また、本明細書の実施例では、フロントカバー54が第1振動部材20と離間した位置に配置されているため、本明細書の実施例に係る音響装置1は、第1振動部材20とフロントカバー54との間に空間を備えた筐体構造(またはボディー構造またはハウジング構造)を含むことができる。したがって、本明細書の実施例では、コンテンツの媒体を第1振動部材20とフロントカバー54の間の空間に挟み込むまたは收容することができる。したがって、コンテンツは、第1振動部材20の音源面20aに直接に印刷、貼付等されているものに限定されない。例えば、コンテンツが紙等の媒体に印刷されていてもよく、音響装置1の空間内に挟み込まれた印刷物を入れ替えることでコンテンツが容易に交換可能である。
[第6実施例]
本明細書の実施例では、本明細書の第2乃至第5実施例に係る音響装置1の筐体(またはボディーまたはハウジング)の構成の変更例を説明する。圧電素子10、第1振動部材20、弾性部材30、フレーム50、バックカバー51、接着部材52a、52bの構造等は、本明細書の第2実施例、第3実施例、第5実施例のいずれかと同様であるため説明を省略する。
図17は、本明細書の第6実施例に係る音響装置の構成を示す断面図である。また、図17は、図10AにおけるB−B’線における、図10Bと同じ向きの断面図である。
図17に示されているように、音響装置1は、圧電素子10、第1振動部材20、弾性部材30、フレーム50、バックカバー51、接着部材52a、52b及び振動吸収部材55を有する。振動吸収部材55は、圧電素子10から伝達される振動を吸収する部材である。振動吸収部材55の材料は、特に限定されるものではないが、ゴム、シリコーン等の振動吸収性に優れた材料であり得る。
図17に示されているように、断面視において、振動吸収部材55は、フレーム50の側部50aと第1振動部材20との間に配置されている。言い換えると、振動吸収部材55は、第1振動部材20の側面の付近に配置されている。本明細書の第2乃至第5実施例の接着部材52a、52b、52c、52dのいずれかと共に用いられ、フレーム50と第1振動部材20、バックカバー51及びフロントカバー54との少なくとも一部を連結させることができる。
本明細書の実施例においても、本明細書の第2実施例と同様の効果を有する音響装置1が提供され得る。また、本明細書の実施例によれば、第1振動部材20の少なくとも一部が振動吸収部材55を介してフレーム50に接着されているため、第1振動部材20の振動は接着部材52aだけでなく振動吸収性に優れた振動吸収部材55によっても吸収される。したがって、本明細書の実施例では、第1振動部材20の不要共振がより多く吸収されるため、本明細書の第2実施例の構成よりも更に音質を向上させることができる場合がある。
[第7実施例]
本明細書の実施例では、本明細書の第1実施例に係る音響装置1より具体的な構成例を説明する。図18は、本明細書の第7実施例に係る音響装置の構成図である。本明細書の実施例の音響装置1の用途は、例えば、電子ポスター、デジタル掲示板、電子広告板、コンピュータ用のディスプレイ、テレビジョン受像機等の表示装置であり得る。ホストシステム2、圧電素子10、弾性部材30、および第1制御部40の構造は、本明細書の第2実施例と同様であるため説明を省略する。
図18に示されているように、音響装置1は、圧電素子10、弾性部材30、第1制御部40、第2制御部60、データ駆動回路70、ゲート駆動回路80及び表示パネル90を有する。音響装置1は、入力されたRGBデータなどに基づいて表示パネル90に画像を表示し、入力された音声信号等に基づいて音声を発する装置である。
第2制御部60は、ホストシステム2から入力された画像データ及びタイミング信号に基づいてデータ駆動回路70及びゲート駆動回路80を制御する。データ駆動回路70は、複数の画素Pの列ごとに配置された駆動線71を介して複数の画素Pにデータ電圧等を供給する。ゲート駆動回路80は、複数の画素Pの行ごとに配置された駆動線81を介して複数の画素Pに制御信号を供給する。なお、駆動線71及び駆動線81の各々は、複数の配線により構成されていてもよい。
表示パネル90は、複数の行及び複数の列をなすように配置された複数の画素Pを含む。音響装置1は、例えば、画素Pの発光素子として有機発光ダイオード(Organic Light−Emitting Diode;OLED)を用いたOLEDディスプレイであり得る。音響装置1がカラー画像を表示可能である場合には、画素Pは、カラー画像を構成する複数の色(例えばRGB)のいずれかを表示する副画素であり得る。
第1制御部40、第2制御部60、データ駆動回路70及びゲート駆動回路80の各々は、1つまたは複数の半導体集積回路によって構成され得る。また、第1制御部40、第2制御部60、データ駆動回路70及びゲート駆動回路80のうちの一部または全部は、1つの半導体集積回路として一体に構成されていてもよい。
本明細書の実施例の音響装置1は、ホストシステム2から画像信号(例えばRGBデータ)、音声信号及びタイミング信号(垂直同期信号、水平同期信号、およびデータイネーブル信号等)が供給されることにより画像を表示し、かつ音響を発する及び表示装置である。表示パネル90は、画像の表示を行う画像表示面と、画像表示面と対向する裏面を有することができる。表示パネル90の裏面には、弾性部材30を介して圧電素子10が連結され得る。これにより表示パネル90は画像表示の機能及び第1振動部材の機能を有することができる。そのため、本明細書の実施例では、表示パネル90から表示された画像から音響が発せられるような音響効果を有する音響装置1を提供することができる。
[第8実施例]
本明細書の実施例では、本明細書の第1実施例に係る圧電素子10の配置の変形例を説明する。音響装置1の基本構成、および圧電素子10の構造等は、本明細書の第1実施例と同様であるため説明を省略する。
図19は、本明細書の第1実施例に係る圧電素子10の構成を示す平面図である。図19に示されているように、本明細書の実施例では、圧電素子10の長手方向が第1振動部材20の端部の1つ以上の側と垂直にならないように圧電素子10が配置されている。例えば、圧電素子10の長手方向は、x方向(または第2方向)とz方向の間の対角線方向に沿って配置され得る。
圧電素子10の形状が矩形である場合には、第1振動部材20に生じる振動の分布は、圧電素子10の長手方向に向かう成分が主成分となる。本明細書の第1実施例のように、圧電素子10の長手方向が第1振動部材20の端部に垂直である場合には、圧電素子10で生じる振動と第1振動部材20の端部で反射された振動とが強め合って共振を生じることがある。これに対し、本明細書の実施例では、圧電素子10の長手方向が第1振動部材20の端部とも垂直にならないようにすることで、上述の要因による共振が起こりにくくなるため、ノイズが低減され得る。
なお、本明細書の第1実施例の構成においては、振動の強め合いが生じるため、これを利用して音圧の向上、周波数特性の調整等が可能である場合もある。したがって、要求特性、設計制約等の設計条件によっては、本明細書の第1実施例のように圧電素子10の長手方向が第1振動部材20の端部に垂直にすることも可能であり得る。
[第9実施例]
本明細書の実施例では、本明細書の第1実施例に係る圧電素子10の断面構造の変形例を説明する。音響装置1の基本構成、圧電素子10の配置等は本明細書の第1実施例と同様であるため説明を省略する。
図20は、本明細書の第9実施例に係る圧電素子の構造を示す断面図である。断面の位置は、図3及び図4と同様である。
圧電素子10は、電極111、113、115、117、圧電層112、116及び絶縁層114を含むことができる。第1振動部材20に 最も近い側に配置された電極111(または第1電極)は、弾性部材30に連結され得る。電極111及び電極113(または第2電極)は、圧電層112(または第1圧電層)を厚さ方向(または、y方向)に挟むように配置され得る。例えば、圧電層112は、電極111と電極113との間に介在され得る。電極115(第3電極)及び電極117(または第4電極)は、圧電層116(または第2圧電層)を厚さ方向に挟むように配置され得る。 例えば、圧電層116は、電極115と電極117との間に介在され得る。絶縁層114は、電極113と電極115の間に配置され得る。絶縁層114は、電極113と電極115の間の絶縁性を確保する層である。圧電層112、116の内部に図示されている矢印は、圧電層112、116の分極方向を示している。例えば、圧電層112及び圧電層116の分極方向は、互いに逆方向であり得る。
音声信号に基づく電圧を示す交流電源Vの一方の端子は、電極111、115に連結されており、他方の端子は、電極113、117に連結されている。言い換えると、電極111と電極115には同一の位相の電圧が印加される。電極113と電極117には、電極111と電極115に入力される電圧とは逆相の電圧が印加される。これにより、圧電層112と圧電層116には同一の向きの電圧が印加される。
本明細書の実施例においても、2つの圧電層の一方が横方向に収縮するときに他方が横方向に伸長するため、本明細書の第1実施例と同様の態様の屈曲振動が生じる。したがって、本明細書の実施例においても本明細書の第1実施例の場合と同様の効果が得られる。このように、圧電素子10の中の圧電層、電極等の構造は、本明細書の第1実施例のものに限定されるものではなく、種々のものが適用可能である。
例えば、圧電素子10は、1層の圧電層と、圧電層を挟む1対の電極、および振動板とを積層したユニモルフと呼ばれる構造であってもよい。しかしながら、電圧と変位の変換効率を向上させるため、図4または図20のようなバイモルフの構造を適用することができる。
[第10実施例]
本明細書の実施例では、本明細書の第1実施例に係る圧電素子10の構造の変形例を説明する。音響装置1の基本構成等は本明細書の第1実施例と同様であるため説明を省略する。
図21は、本明細書の第10実施例に係る圧電素子の構成を示す平面図である。図22は、本明細書の第10実施例に係る圧電素子の構成を示す断面図である。図22は、図21のC−C’線における断面を示す。図21及び図22を相互に参照しつつ、圧電素子10の配置を説明する。
図21に示されているように、本明細書の実施例の圧電素子10は、平面視において、互いに異なる方向に延在する第1振動部12及び第2振動部14を有することができる。第1振動部12の構成は本明細書の第1実施例の圧電素子10と同様である。例えば、第1振動部12は、平面視において、長手方向(図中のz方向)及び短手方向(図中のx方向)を有する矩形をなしている。第2振動部14は第1振動部12とは異なる方向に延在している。例えば、第2振動部14は、平面視において、長手方向(図中のx方向)及び短手方向(図中のz方向)を有する矩形をなしている。第1振動部12の長手方向と第2振動部14の長手方向とは互いに垂直である。また、第1振動部12の長手方向と第2振動部14の長手方向とは、いずれも第1振動部材20の端部と垂直になるように配置されている。例えば、第1振動部12と第2振動部14は、平面視において、「+」字形態に配置され得るが、これに限定されるものではない。
図22に示されているように、第1振動部12は、第1主面12a及び第2主面12bを有している。弾性部材30は、第1振動部12の第1主面12aと、第1振動部材20の裏面20bとを連結している。弾性部材30は、第1振動部12の第1主面12aのうちの一部のみに連結されている。例えば、第1振動部12の第1主面12aは、第1振動部材20の裏面20bと対向する面であって、第1面、前面、または上面などであり得る。例えば、第1振動部12の第2主面12bは、第1振動部材20の第1主面12aとは反対の面であり、第2面、背面、後面、または下面等であり得る。このように、圧電素子10及び弾性部材30は、ユーザが音源面20a側に付着したコンテンツ等を見る際の妨げとならないように、第1振動部材20の裏面20bに配置されている。
第2振動部14は、第1振動部12の第2主面12bのうちの一部のみに連結され得る。これにより、第1振動部12の長手方向の両端部が浮いた状態となっており、更に、第2振動部14の長手方向の両端部が浮いた状態となっている。圧電素子10の長手方向の両端部を浮いた状態とすることにより、屈曲振動の変位が大きい長手方向の両端部において、圧電素子10の振動が阻害されにくくなる。
図23は、本明細書の第10実施例に係る圧電素子の構造を示す断面図である。図23は、図22とは向きが異なっているが、図22と同様に図21におけるC−C’線における断面図を示している。また、図4では、圧電素子10への音声信号の入力方法を説明するため、圧電素子10に含まれる各電極の連結関係を回路図により模式的に示している。
図23に示されている圧電素子10は、バイモルフを2つ積層した構造をなしている。圧電素子10は、第1振動部12と第2振動部14を含む。第1振動部12の構造は、本明細書の第1実施例の圧電素子10と同様である。図23では、第1振動部12と第2振動部14の間に絶縁層120が設けられているが、これは必須ではない。
第2振動部14は、電極121、123、125及び圧電層122、124を含む。第1振動部12に 最も近い側に配置された電極121は、絶縁層120に連結され得る。電極121及び電極123は、圧電層122を厚さ方向に挟むように配置され得る。例えば、圧電層122は、電極121と電極123との間に介在され得る。電極123及び電極125は、圧電層124を厚さ方向に挟むように配置され得る。例えば、圧電層124は、電極123と電極125との間に介在され得る。圧電層122、124の内部に図示されている矢印は、圧電層122、124の分極方向を示している。例えば、圧電層122及び圧電層124の分極方向は同一である。
音声信号に基づく電圧を示す交流電源Vの一方の端子は、電極101、105、121、125に連結されており、他方の端子は、電極103、123に連結されている。言い換えると、電極101、105、121、125には同一の位相の電圧が印加される。電極103、123には、電極101、105、121、125に入力される電圧とは逆相の電圧が印加される。これにより、圧電層102、104、122、124には同一の向きの電圧が印加される。
第1振動部12及び第2振動部14のいずれか1つにおいても、2つの圧電層の一方が横方向に収縮するときに他方が横方向に伸張し得る。したがって、第1振動部12及び第2振動部14は、いずれも本明細書の第1実施例と同じ態様で屈曲振動する。また、分極方向及び電圧の方向を上述のようにすることにより、第1振動部12および第2振動部14は、音声信号に応じて同一の位相で振動することができる。これにより、第1振動部12で生じた振動と第2振動部14で生じた振動とが強め合うため、振動効率が向上する。
本明細書の実施例によれば、本明細書の第1実施例と同様に第1振動部材20が発する音の音圧を向上させることにより音質を向上させることができる音響装置1が提供され得る。また、本明細書の実施例の圧電素子10は2つの振動部を構成するため、振動部が1つである本明細書の第1実施例の構成よりも更に音圧を向上させることができる。
また、本明細書の第1実施例では、振動部が1つである振動の分布は、圧電素子10の長手方向、例えば1次元的に集中され得る。そのため、第1振動部材20の共振が発生しやすく、共振に起因するノイズが大きくなり得る。これに対し、本明細書の実施例では、圧電素子10が互いに異なる方向に延在する第1振動部12と第2振動部14を含むことで、振動の分布が2次元的になり、特定の箇所に集中しにくくなる。そのため、第1振動部材20での共振が生じにくくなる。したがって、本明細書の実施例では、第1振動部材20での共振に起因するノイズが低減され、音質が更に向上された音響装置1が提供され得る。
[第11実施例]
本明細書の実施例では、本明細書の第1実施例に係る圧電素子10の構成の変形例を説明する。音響装置1の基本構成等は、本明細書の第1実施例と同様であるため説明を省略する。
図24は、本明細書の第11実施例に係る圧電素子18の構成を示す断面図である。図24で示されているように、本明細書の実施例においては、圧電素子10に代えて圧電素子18を含むことができる。図24に示されている圧電素子18は、電極181、183及び圧電層182を含むことができる。第1振動部材20に最も近い側に配置された電極181は、電極181の端部が弾性部材30の両端部から突出しないように、弾性部材30に連結され得る。言い換えれば、電極181の一側面の全面が弾性部材30と連結され得る。電極181及び電極183は、圧電層182を厚さ方向に挟むように配置され得る。例えば、圧電層182は、電極181と電極183との間に介在され得る。圧電層182の内部に図示されている矢印は、圧電層182の分極方向を示している。なお、電極181、183には、ハンダ付けなどにより各電極に電圧を印加するための配線が連結され得る。
音声信号に基づく電圧を示す交流電源Vの一方の端子は、電極181に連結されており、他方の端子は、電極183に連結されている。
圧電素子18は、素子構造、印加される交流電圧の位相、および圧電素子の材料等の設計条件に応じて、屈曲振動とは異なる振動姿態で振動する場合がある。また、圧電素子18の振動の周波数帯は、振動姿態(または形態)によって異なり得る。圧電素子18は、電極181、183に電圧が印加されることにより、主面が広がる方向に振動する。これにより、圧電素子18は、屈曲振動に比べて高周波の振動姿態になり得る。したがって、本明細書の実施例では、本明細書の第1実施例に比べて周波数が高い音に適した音響装置1が提供され得る。
本明細書の実施例では、本明細書の第1実施例の構成と異なり、圧電素子18の主面の全面と第1振動部材20の裏面20bが弾性部材30によって連結されているため、圧電素子18の端部は浮いてない。このように弾性部材30が圧電素子18の端部が浮かないように連結されていることにより、圧電素子18が屈曲振動とは異なるより高周波の振動姿態で振動する場合において、圧電素子18の振動が効率よく第1振動部材20に伝達される。したがって、本明細書の実施例では、本明細書の第1実施例よりも高音域の音圧が向上された音響装置1が提供され得る。なお、電極181の一方の面の全面が、弾性部材30と連結されていることは必須ではなく、一部のみにおいて弾性部材30と接続されていてもよい。音響装置1の音響特性は、接続箇所または連結面積に依存するため、これらの設計を変えることにより、音響特性を適宜調整可能である。
[第12実施例]
本明細書の実施例では、本明細書の第10実施例に係る圧電素子10の配置の変形例を説明する。音響装置1の基本構成、および圧電素子10の構造等は、本明細書の第10実施例と同様であるため説明を省略する。
図25は、本明細書の第12実施例に係る圧電素子の構成を示す平面図である。図25に示されているように、本明細書の実施例では、第1振動部12と第2振動部の長手方向が第1振動部材20の端部の一つ以上と垂直にならないように圧電素子10が配置されている。例えば、第1振動部12と第2振動部14は、平面視において、「X」字形状に配置され得るが、これに限定されるものではない。
本明細書の第8実施例の説明の中で述べたとおり、第1振動部12及び第2振動部14で生じる振動と第1振動部材20の端部での反射する振動とが強め合って共振を生じる場合がある。この共振は、ノイズの原因となり得る。これに対し本明細書の実施例では、第1振動部12と第2振動部14の長手方向が第1振動部材20の端部の一つ以上またはいずれとも垂直にならないようにすることで、共振が起こりにくくなるため、ノイズが低減され得る。
したがって、本明細書の実施例によれば、本明細書の第10実施例と同様の効果が得られるとともに、第1振動部材20の端面での反射により生じた共振に起因するノイズが低減され、音質が向上された音響装置1が提供され得る。
なお、本明細書の第10実施例の構成において、振動の強め合いを利用して音圧の向上、および周波数特性の調整等の設計が可能である場合もある。したがって、要求特性、設計制約等の設計条件によっては、本明細書の第10実施例のように圧電素子10の長手方向が第1振動部材20の端部に垂直にすることもできる。
[第13実施例]
本明細書の実施例では、本明細書の第10実施例に係る圧電素子10の構造の変形例を説明する。音響装置1の基本構成等は本明細書の第10実施例と同様であるため説明を省略する。
図26は、本明細書の第13実施例に係る圧電素子の構成を示す平面図である。図26に示されているように、本明細書の実施例の圧電素子10は、平面視において互いに異なる方向に延在する第1振動部12、第2振動部14及び第3振動部16を有する。圧電素子10の断面構造は、図23の構造に第3振動部16に対応する圧電層及び電極を追加して層数を増加させただけであるため説明を省略する。例えば、第1振動部12、第2振動部14、及び第3振動部16は、平面視において、「*」字形状に配置され得るが、これに限定されるものではない。
本明細書の実施例では、本明細書の第1実施例と同様に第1振動部材20が発する音の音圧を向上させることができる音響装置1が提供され得る。また、本明細書の実施例の圧電素子10は3つの振動部を用いているため、振動部が2つである本明細書の第10実施例の構成よりも更に音圧を向上させることができる。このように、振動部の個数は1つまたは2つに限定されるものではなく、圧電素子10は、異なる方向に交差するように配置された3つ以上の振動部を含むことができる。圧電素子10の振動部の個数が多いほど音圧が向上する。
また、本明細書の実施例では、本明細書の第10実施例の構成よりも振動の分布が2次元的に均一になる。そのため、第1振動部材20での共振がより生じにくくなる。したがって、本明細書の実施例によれば、第1振動部材20での共振に起因するノイズが更に低減され、音質が向上された音響装置1が提供され得る。
[第14実施例]
本明細書の実施例では、本明細書の第1実施例に係る圧電素子10の構造の変形例を説明する。音響装置1の基本構成等は、本明細書の第1実施例と同様であるため説明を省略する。
図27は、本明細書の第14実施例に係る圧電素子の構成を示す平面図である。圧電素子10は平板形状をなしている。図27に示されているように、本明細書の実施例の圧電素子10は、平面視において円形状をなしている。弾性部材30は、圧電素子10の円の中心を含む位置に連結されている。圧電素子10の断面構造は、図3及び図4と同様であるため説明を省略する。
本明細書の実施例によれば、本明細書の第1実施例と同様に第1振動部材20が発する音響の音圧を向上させることができる音響装置1が提供され得る。
また、本明細書の実施例では、圧電素子10が円形であるため、振動の分布が2次元的に均一になる。そのため、本明細書の第10実施例の場合と同様の理由により、第1振動部材20での共振が生じにくくなる。したがって、本明細書の実施例によれば、第1振動部材20での共振に起因するノイズが低減され、音質が向上された音響装置1が提供され得る。
[第15実施例]
本明細書の実施例では、本明細書の第1実施例に係る音響装置の構成の変更例について説明する。音響装置1の基本構成等は、本明細書の第1実施例と同様であるため説明を省略する。
図28Aは、本明細書の第15実施例に係る圧電素子の配列を示す平面図である。図28Bは、図28AのD−D’線における断面を示す。図28Cは、本明細書の第15実施例に係る圧電素子の配列の第1変形例を示す平面図である。図28Dは、本明細書の第15実施例に係る圧電素子の配列の第2変形例を示す平面図である。図28Eは、本明細書の第15実施例に係る圧電素子の配列の第3変形例を示す平面図である。図28A乃至図28Eに示したように本明細書の実施例では、第1振動部材20に圧電素子10が複数個に配置され得る。複数の圧電素子10は、x方向または/及びz方向に配置された行列形状またはマトリックス形状に形成され得る。図28A乃至図28Eに示した圧電素子10は、本明細書の第1実施例のものと同様であるが、本明細書の第8乃至第14実施例のいずれかのものであってもよい。第1振動部材20に圧電素子10、18を複数個に配置することにより、1個の場合と比べて第1振動部材20が発する音響の音圧が向上し得る。例えば、1つの第1振動部材20に少なくとも2つ以上の圧電素子10、18をアレイ化して同時または個別に駆動することにより、音響を改善することができる。図28Bでは、3つの圧電素子10が1つの第1振動部材20に配置されたが、3つ以上の圧電素子10が1つの振動部材20にアレイ化して配置されることができ、3つ以上の圧電素子10を同時または個別に駆動することにより、音響を改善することができる。
図28Aに示されているように、本明細書の実施例に係る音響装置1は、x方向およびz方向に行列形状またはマトリックス形状を有するように、第1振動部材20の裏面(または背面)に配置または連結(または接続)された複数の圧電素子10、18を含むことができる。例えば、複数の圧電素子10、18は、同時または個別に駆動することにより、音響を改善することができる。
図28Cに示されているように、本明細書の他の実施例に係る音響装置1は、第1振動部材20の裏面に配置または連結された2つの圧電素子10、18を含むことができる。例えば、2つの圧電素子10、18は、x方向に沿って互いに並んで第1振動部材20の左側裏面領域(LA)と右側裏面領域(RA)にそれぞれ配置または連結され得る。例えば、2つの圧電素子10、18は、同時または個別に駆動されることにより、音響を改善することができる。
図28Dに示されているように、本明細書の他の実施例に係る音響装置1は、第1振動部材20の裏面に配置または連結された4つの圧電素子10、18を含むことができる。例えば、4つの圧電素子10、18は、x方向に沿って互いに並んで第1振動部材20の裏面に一定の間隔を有するように配置または連結され得る。例えば、4つの圧電素子10、18は、同時または個別に駆動することにより、音響を改善することができる。例えば、4つの圧電素子10、18は、上下個別または左右個別に駆動することにより、音響を改善することができる。
図28Eに示されているように、本明細書の他の実施例に係る音響装置1は、第1振動部材20の裏面に配置または連結された4つの圧電素子10、18を含むことができる。例えば、4つの圧電素子10、18は、x方向とz方向に沿って一定の間隔を有するように、第1振動部材20の裏面に行列形状またはマトリックス形状に配置または連結され得る。例えば、4つの圧電素子10、18は、第1振動部材20の裏面中央部の方に偏って配置され得るが、これに限定されるものではない。例えば、4つの圧電素子10、18は、同時または個別に駆動することにより、音響を改善することができる。例えば、4つの圧電素子10、18は、上下個別または左右個別に駆動することにより、音響を改善することができる。
図28A及び図28Dに示されているように、第1振動部材20は、領域R1と領域R2を含む。領域R1内の圧電素子10(または第1圧電素子)と領域R2内の圧電素子10(または第2圧電素子)とでは、周波数特性が互いに異なっている。例えば、両者の周波数特性を異ならせることにより、第1振動部材20が発する音の周波数特性の偏りを低減させることができる。例えば、領域R1は、第1領域または縁領域であり得、第1振動部材20の縁領域であり得る。領域R2は、第2領域または中心領域であり得、第1振動部材20の中心領域であり得る。
圧電素子10は、形状等に起因する固有周波数を有するため、特定の周波数の音圧が大きくなる等の偏った周波数特性を有する場合がある。第1振動部材20の圧電素子10の特性がすべて同じである場合、複数の圧電素子10の周波数特性の偏差が重畳して第1振動部材20の全体の周波数特性も偏差を有し得る。本明細書の実施例では、領域R1内の圧電素子10と領域R2内の圧電素子10とで周波数特性を異ならせて平準化することにより、上述の要因により生じ得る周波数特性の偏差を低減させることができる。
圧電素子10の周波数特性の偏差は、主として圧電素子10の固有周波数に起因するものである。したがって、領域R1内の圧電素子10と領域R2内の圧電素子10とで固有周波数を異なるようにすることができる。例えば、領域R2内の圧電素子10の固有周波数を領域R1内の圧電素子10の固有周波数よりも低くすることにより、領域R1が高音発生領域として機能し、領域R2が低音発生領域として機能する。これにより、高音域と低音域をバランス良く発することができる音響装置1が提供され得る。
圧電素子10の固有周波数は、圧電素子10の形状または材料に依存する。したがって、領域R1内の圧電素子10と領域R2内の圧電素子10とでは、形状または音速を異ならせることで固有周波数を異ならせることができる。材料中の音速に影響する材料物性の例としては、弾性率及び密度が挙げられる。したがって、音速、弾性率及び密度のいずれか1つ以上が異なる材料を用いることができる。また、領域R1内の圧電素子10と領域R2内の圧電素子10の形状のみを異ならせる場合に、材料を共通化できる利点があり得る。
他の実施例によれば、図28Aに示した第1振動部材20とフレーム50の間の連結構造(または結合構造)は、図10Bに示した第1振動部材20とフレーム50の間の連結構造(または結合構造)に変更され得る。また、図28Aに示したフレーム50とバックカバー51の間の連結構造(または結合構造)は、図10Bに示したフレーム50とバックカバー51の間の連結構造(または結合構造)に変更され得る。
以上のように、本明細書の実施例によれば、第1振動部材20が発する音の周波数特性の偏りを低減させることにより音質を向上させることができる音響装置1が提供され得る。
[第16実施例]
本明細書の実施例では、本明細書の第15実施例に係る音響装置の構成の変更例について説明する。圧電素子10の構造等は、本明細書の第1実施例または本明細書の第8乃至第14実施例のいずれかと同様であるため説明を省略する。また、第1振動部材20、弾性部材30、フレーム50、バックカバー51、接着部材52a、52bの構造等は、本明細書の第2乃至第6実施例のいずれかと同様であるため説明を省略する。
図29は、本明細書の第16実施例に係る圧電素子の配列を示す平面図である。図30は、本明細書の第16実施例に係る音響装置の構成を示す断面図である。図30は、図29におけるE−E’線における断面図を示している。図30に示されているように、音響装置1は、圧電素子10、第1振動部材20、弾性部材30、フレーム50、バックカバー51、接着部材52a、52b及びインナーフレーム56を有する。インナーフレーム56は、音響装置1の筐体内を複数の領域に区分するフレームである。インナーフレーム56は、一部の圧電素子10を囲うように配置されている。インナーフレーム56の材料は、例えば、金属、および樹脂等の材料で構成され得る。しかしながら、インナーフレーム56の材料は、特定の材料に限定されない。また、第1振動部材20をフレーム50に固定させる方法は、本明細書の実施例のような接着工法に限定されるものではなく、本明細書の第4実施例のような圧着部材53を用いた圧着工法等、種々のものが適用可能である。
図30に示されているように、インナーフレーム56は、断面視において、第1振動部材20とバックカバー51の間に配置されている。例えば、インナーフレーム56は、支持部材などであり得、この用語に限定されるものではない。また、インナーフレーム56は、断面視において、第1振動部材20とバックカバー51の双方に連結することができる。音響装置1は、インナーフレーム56、バックカバー51及び第1振動部材20により定められる空間を有する。このようにして、インナーフレーム56は、音響装置1の筐体の内部空間を区分する。例えば、インナーフレーム56は、バックカバー51および、第1振動部材20によって定められる空間を領域R1と領域R2に分離することができる。
また、他の実施例によれば、図30に示した第1振動部材20とフレーム50の間の連結構造(または結合構造)は、図10Bに示した第1振動部材20とフレーム50の間の連結構造(または結合構造)に変更され得るが、これに限定されるものではない。また、図30に示したフレーム50とバックカバー51の間の連結構造(または結合構造)は、図10Bに示したフレーム50とバックカバー51の間の連結構造(または結合構造)に変更され得るが、これに限定されるものではない。
本明細書の実施例では、複数の圧電素子10は、それぞれ異なる複数の空間内に配置されるため、空間ごとに異なる音声信号に基づく交流電圧を印加することで、領域ごとに異なるチャンネルの音または異なる周波数帯の音響を発することができる音響装置1が提供され得る。
また、本明細書の実施例によれば、インナーフレーム56によって区分される空間の大きさを適宜調整することにより、各々の空間を共鳴空間として機能させて音質を向上させることもできる。共鳴空間は、空間の大きさによって音圧を向上することができる周波数が異なる。したがって、空間の大きさの異なる複数の共鳴空間を設けることにより、インナーフレームによって内部空間を区分しない場合よりも、より幅広い音域において音響特性が向上された音響装置1を提供することができる。
[第17実施例]
本明細書の実施例では、本明細書の第15実施例に係る音響装置の構成の変更例について説明する。圧電素子10の構造等は、本明細書の第1実施例または本明細書の第8乃至第14実施例のいずれかと同様であるため説明を省略する。また、第1振動部材20、弾性部材30、フレーム50、バックカバー51、接着部材52a、52bの構造等は、本明細書の第2乃至第6実施例のいずれかと同様であるため説明を省略する。
図31は、本明細書の第17実施例に係る圧電素子及び圧電素子の配列を示す平面図である。図32は、本明細書の第17実施例に係る音響装置の構成を示す断面図である。図32は、図31におけるF−F’線における断面図を示している。図31及び図32を相互に参照しつつ、圧電素子10及び圧電素子18の配置を説明する。
図31に示されているように、本明細書の実施例では、領域R1には、本明細書の第1実施例に係る圧電素子10が複数個に配置され得る。領域R2には、本明細書の第11実施例に係る圧電素子18が複数個に配置され得る。複数の圧電素子10及び複数の圧電素子18は、x方向及びz方向に行列形状またはマトリックス形状に配置され得る。
図32に示されているように、音響装置1は、圧電素子10、圧電素子18、第1振動部材20、弾性部材30、フレーム50、バックカバー51、接着部材52a、52b及びインナーフレーム56を含むことができる。
インナーフレーム56は、断面視において、第1振動部材20とバックカバー51の間に配置されている。また、インナーフレーム56は、断面視において、第1振動部材20に連結されており、バックカバー51には連結されていない。音響装置1は、インナーフレーム56及び第1振動部材20により定められる空間を含むことができる。例えば、インナーフレーム56は、バックカバー51および第1振動部材20によって定められる空間を領域R1と領域R2に分離することができる。例えば、領域R1と領域R2は、振動空間または振動用キャビティ空間などであり得るが、この用語に限定されるものではない。インナーフレーム56は、圧電素子18と一体型で構成され得る。なお、インナーフレーム56とバックカバー51が連結されていないことは必須ではなく、インナーフレーム56は、本明細書の第16実施例の構成のように、その一部がバックカバー51と連結されていてもよい。共鳴空間の大きさを適宜調整することにより、特定の周波数の音圧を向上させることができる。そのため、設計要求によっては、本明細書の実施例のインナーフレーム56の構成よりも本明細書の第16実施例のインナーフレーム56が配置されていてもよい。また、第1振動部材20をフレーム50に固定させる方法は、本明細書の実施例のような接着工法に限定されるものではなく、本明細書の第4実施例のような圧着部材53を用いた圧着工法等、種々のものが適用可能である。
このように、本明細書の実施例では、異なる周波数に適した1つ以上の圧電素子を領域R1および領域R2それぞれに配置することにより、領域R1が低音発生領域として機能し、領域R2が高音発生領域として機能することができる。例えば、領域R1は、低音域用発生領域、低音域用振動空間、および低音域用振動キャビティ空間であり得、この用語に限定されるものではない。例えば、領域R2は、高音域用発生領域、高音域用振動空間、および高音域用振動キャビティ空間であり得るが、この用語に限定されるものではない。これにより、本明細書の第16実施例と同様の効果が得られると共により幅広い音域を発することができる音響装置1が提供され得る。なお、領域R2の共鳴空間が不要な場合には、インナーフレーム56が配置されていなくてもよい。
なお、本明細書の実施例に適用可能な圧電素子10の例として本明細書の第1実施例の圧電素子(または、第1圧電素子)10及び本明細書の第11実施例の圧電素子(または第2圧電素子)18を例示したが、これに限定されるものではない。本明細書の第1実施例、または第8乃至第14実施例のうちのどの構造または配置の圧電素子10または圧電素子18を適用いてもよく、本明細書の第1実施例、または第8乃至第14実施例に述べたものとは異なる構造または配置の圧電素子を適用することもできる。
[第18実施例]
本明細書の実施例では、本明細書の第15実施例に係る音響装置の構成の変更例について説明する。圧電素子10の構造等は本明細書の第1実施例、または第8乃至第14実施例のいずれかと同様であるため説明を省略する。また、弾性部材30、フレーム50、バックカバー51、および接着部材52a、52bの構造等は、本明細書の第2乃至第6実施例のいずれかと同様であるため説明を省略する。
図33は、本明細書の第18実施例に係る音響装置の構成を示す断面図である。図33は、図31のF−F’線における図32と同じ向きの断面図である。
図33に示されているように、音響装置1は、圧電素子10、圧電素子18、第1振動部材20、第2振動部材21、弾性部材30、フレーム50、バックカバー51、接着部材52a、52b及びインナーフレーム56を有する。音響装置1は、複数の振動部材を含むことができる。
第1振動部材20は領域R1に配置されている1つ以上の圧電素子10に入力された音声信号に基づく音響を発するように振動する部材である。また、第2振動部材21は、領域R2に配置されている1つ以上の圧電素子18に入力された音声信号に基づく音響を発するように振動する部材である。第2振動部材21の材料は、第1振動部材20と同様に、特定の材料に限定されないが、圧電素子18から伝わる振動の伝達に適した材料特性を有するガラス、硬質紙、金属またはプラスチック等であり得る。
図33に示されているように、第2振動部材21は、断面視において、第1振動部材20とバックカバー51の間に配置されている。インナーフレーム56は、第2振動部材21とバックカバー51の間に配置されている。また、インナーフレーム56は、断面視において、第2振動部材21とバックカバー51の双方に連結され得る。音響装置1は、インナーフレーム56、バックカバー51及び第2振動部材21により定められる空間を含むことができる。例えば、インナーフレーム56と第2振動部材21は、バックカバー51および、第1振動部材20によって定められる空間を領域R1と領域R2に分離することができる。例えば、インナーフレーム56は、圧電素子18と一体型で構成され得る。また、第1振動部材20をフレーム50に固定させる方法及び第2振動部材をインナーフレーム56に固定させる方法は、本明細書の実施例のような接着工法に限定されるものではない。本明細書の第4実施例のような圧着部材53を用いた圧着工法等、種々のものが適用可能である。
本明細書の実施例によれば、第1振動部材20及び第2振動部材21の材料を、発する音の周波数および連結される圧電素子の特性に応じて個別に選択することができるので、本明細書の第17実施例の構成よりも更に音質を向上させることができる。なお、共鳴空間が不要な場合には、インナーフレーム56が配置されていることは必須ではなく、その場合には、第2振動部材21は、フレーム50に連結することができる。
本明細書の実施例によれば、図32及び図33のそれぞれに示した第1振動部材20とフレーム50の間の連結構造(または結合構造)は、図10Bに示した第1振動部材20とフレーム50の間の連結構造(または結合構造)に変更され得るが、これに限定されるものではない。また、図32および図33のそれぞれに示したフレーム50とバックカバー51の間の連結構造(または結合構造)は、図10Bに示したフレーム50とバックカバー51の間の連結構造(または結合構造)に変更され得るが、これに限定されるものではない。
[第19実施例]
本明細書の実施例では、本明細書の第15実施例に係る音響装置の構成の変更例について説明する。圧電素子10の構造等は本明細書の第1実施例、または第8乃至第14実施例のいずれかと同様であるため説明を省略する。また、弾性部材30、バックカバー51、および接着部材52c、52dの構造等は、本明細書の第2乃至第6実施例と同様であるため説明を省略する。
図34は、本明細書の第19実施例に係る音響装置の構成を示す断面図である。図34は、図28AのD−D’線における、図28Bと同じ向きの断面図である。
図34に示されているように、音響装置1は、圧電素子10、第1振動部材20、第2振動部材21、弾性部材30、フレーム50、および接着部材52b、52c、52dを含むことができる。本明細書の実施例のフレーム50の構造は、図15と同様である。図34においては、図15におけるフロントカバー54及び第1振動部材20に代えて第1振動部材20及び第2振動部材21が配置され得る。第1振動部材20は、接着部材52cによってフレーム50に連結され得る。第2振動部材21は、接着部材52dによってフレーム50に連結され得る。他の実施例としては、接着部材52cは、図15に示されているように配置されていてもよい。例えば、接着部材52cは、図41A乃至図41Cに示されているように配置され得る。例えば、第1振動部材20は、高音域帯の振動部材であり得る。例えば、第2振動部材21は、低音域帯の振動部材であり得る。音響装置1は、第1振動部材20と第2振動部材21およびフレーム50によって定められる空間(または第1空間)、及び第2振動部材21とフレーム50によって定められる空間(または第2空間)を含むことができる。例えば、第1振動部材20は、高音域帯の音響を発生することができる。例えば、第2振動部材21は、低音域帯の音響を発生することができる。また、第1振動部材20及び第2振動部材21をフレーム50に固定させる方法は、本明細書の実施例のような接着工法に限定されるものではなく、本明細書の第4実施例のような圧着部材53を用いた圧着工法等、種々のものが適用可能である。
本明細書の実施例においても、本明細書の第18実施例の構成と同様の効果を有する音響装置1が提供され得る。なお、2つの空間それぞれに配置される複数の圧電素子の種類は、個別に選択することができるが、それぞれの空間に異なる音響特性を有する圧電素子を配置することは必須ではなく、同種の圧電素子をそれぞれの空間に配置することができる。例えば、第1振動部材20の裏面には、弾性部材30によって、複数の圧電素子10が連結されることができる。 例えば、第2振動部材21の裏面には、弾性部材30によって複数の圧電素子10が連結されることができる。第1振動部材20と第2振動部材21のそれぞれに連結された複数の圧電素子10の中の1つ以上は、同じ音響特性を有し、または異なる音響特性を有することができる。例えば、第1振動部材20および複数の圧電素子10は、高音域帯の音響を実現するように構成され得る。第2振動部材21および複数の圧電素子10は、低音域帯の音響を実現するように構成され得る。例えば、第1振動部材20は、高音域帯の音響の実現に適した材料からなることができる。例えば、第2振動部材21は、低音域帯の音響の実現に適した材料からなることができる。
[第20実施例]
本明細書の実施例では、本明細書の第20実施例に係る音響装置の構成の変形例について説明する。第1振動部材20に連結された複数の圧電素子10の構造などを除いた残りの構造等は、本明細書の第11実施例と同様であるので、説明を省略する。また、第1振動部材20、弾性部材30、フレーム50、バックカバー51、および接着部材52b、52c、52dの構造等は、本明細書の第2乃至第6実施例と同一であるので、説明を省略する。
図35は、本明細書の第20実施例に係る音響装置の構成をより詳細に示した断面図である。図35は、図28Aの線D−D’における、図28Bと同じ向きの断面図である。
図35に示されているように、本明細書の実施例では、第1振動部材20に連結された複数の圧電素子10のそれぞれは、本明細書の第11実施例の圧電素子18であることができ、これに限定されるものではない。したがって、本明細書の実施例においても、本明細書の第19実施例の構成と同じ効果を有する音響装置1が提供され得る。
[第21実施例]
本明細書の実施例では、本明細書の第21実施例に係る音響装置の構成の異なる変更例について説明する。圧電素子10の構造等は、本明細書の第1実施例、または第8乃至第14実施例のいずれかと同様であるため説明を省略する。また、第1振動部材20、弾性部材30、フレーム50、バックカバー51、および接着部材52b、52c、52dの構造等は、本明細書の第2乃至第6実施例のいずれかと同様であるため説明を省略する。他の実施例では、接着部材52cは、図15に示されているように配置され得る。
図36は、本明細書の第21実施例に係る音響装置の構成を示す断面図である。図36は、図28AのD−D’線における、図28Bと同じ向きの断面図である。
図36に示されているように、音響装置1は、圧電素子10、第1振動部材20、第2振動部材21、弾性部材30、フレーム50、バックカバー51、接着部材52b、52c、52d及び連結部材57を含むことができる。他の実施例としては、接着部材52cは、図15に示されているように配置され得る。例えば、接着部材52cは、図41A乃至 図41Cに示されているように配置され得る。連結部材57は、第1振動部材20に連結された圧電素子10と第2振動部材21とを連結させることができる。これにより、第2振動部材21に連結された圧電素子10の振動が第1振動部材20に連結された圧電素子10に伝達され得る。連結部材57の材料は、振動の伝達が可能なものであればよく、特定の材料に限定されない。例えば、連結部材57は、パッド、パッド部材、共振防止部材、ノイズ防止パッド、ノイズ防止部材、質量部材、質量体、またはウェイトなどで表現することができ、これに限定されるものではない。例えば、連結部材57は、金属材料、またはプラスチック材料からなることができ、これに限定されるものではない。
第1振動部材20及び第2振動部材21は、いずれも共振を生じる場合がある。この共振は、ノイズの原因となり得る。これに対し、本明細書の実施例では、第2振動部材21に連結された圧電素子10の振動が連結部材57によって、第1振動部材20に連結された圧電素子10に伝達されることで、共振が起こりにくくなるため、ノイズが低減され得る。
したがって、本明細書の実施例によれば、本明細書の第19実施例と同様の効果が得られるとともに、第1振動部材20と第2振動部材21の振動によって生じた共振に起因するノイズが低減され、音質が向上された音響装置が提供され得る。
本明細書の実施例によれば、図34乃至図36のそれぞれに示した第1振動部材20とフレーム50の間の連結構造(または結合構造)は、図10Bに示した第1振動部材20とフレーム50の間の連結構造(または結合構造)に変更され得るが、これに限定されるものではない。また、図34乃至図36のそれぞれに示したフレーム50とバックカバー51の間の連結構造(または結合構造)は、図10Bに示したフレーム50とバックカバー51の間の連結構造(または結合構造)に変更され得るが、これに限定されるものではない。
[第2実施例の変形例]
本明細書の実施例では、図10A、図10B、及び図11に示した本明細書の第2実施例に係る音響装置の構成の変形例について説明する。バックカバーを除いた残りの構造などは、本明細書の第2実施例と同様であるので、説明を省略する。
図37Aは、本明細書の第2実施例に係る音響装置の構造の第1変形例を示す断面図である。図37Bは、本明細書の第2実施例に係る音響装置の第2変形例を示す断面図である。図37A及び図37Bは、図10AのB−B’線における、図10Bと同じ向きの断面図である。
図37Aに示されているように、バックカバー51を除いた残りの構造などは、本明細書の第2実施例と同様であるので、説明を省略する。例えば、第1振動部材20は、広告物の振動パネルまたはサイネージの振動パネルであり得る。例えば、広告物は、額縁、ポスター、立て看板用、およびサイネージのコンテンツであり得るが、これに限定されるものではない。
バックカバー51は、フレーム50の裏面50pを覆うように構成され得る。例えば、第1振動部材20は、フレーム50に収容または挿入され得る。例えば、バックカバー51は、フレーム50の裏面50p全体を覆うように構成され得る。バックカバー51は、フレーム50の裏面50pと同じ大きさを有することができる。例えば、バックカバー51は、接着部材52bによってフレーム50の裏面50pと突出部50cの裏面に連結または結合され得る。接着部材52bは、フレーム50の裏面50pと突出部50cの裏面に対応する大きさを有することができる。
本明細書の実施例においても、本明細書の第2実施例と同様の効果を有する音響装置1が提供され得る。また、本明細書の実施例によると、バックカバー51がフレーム50の裏面でフレーム50の裏面50pと突出部50cの裏面に接着するため、バックカバー51をフレーム50に付着し、または連結する工程が容易になり得る。また、本明細書の実施例によると、第1振動部材20と、フロントカバー54が一体型に構成されるので、薄型またはスリム型の音響装置1が提供され得る。
図37Bに示されているように、突出部50bとバックカバー51を除いた残りの構造などは、本明細書の第2実施例と同様であるので、説明を省略する。例えば、第1振動部材20は、広告物の振動パネルまたはサイネージの振動パネルであり得る。例えば、広告物は、額縁、ポスター、立て看板用、およびサイネージのコンテンツであり得るが、これに限定されるものではない。例えば、第1振動部材20は、フレーム50に収容または挿入され得る。
フレーム50は、バックカバー51を収納するように構成され得る。フレーム50は、断面視において、y方向に延びる側部(または上部側部)50a1、側部50a1が延長されるy方向と垂直なz方向に突出した突出部50b、50c、および断面視において、y方向に延びる側部(または下部側部)50a2を含むことができる。側部50a2は、バックカバー51を囲むように構成され得る。突出部50cは、フレーム50の側部50a2の裏面から離隔され得る。バックカバー51は、接着部材52bによって突出部50cに連結または結合される、これにより、バックカバー51の各側は、フレーム50の側部50a2によって囲まれ得る。
本明細書の実施例においても、本明細書の第2実施例と同様の効果を有する音響装置1が提供され得る。また、本明細書の実施例によると、バックカバー51がフレーム50の裏面から突出部50cに接着されるため、バックカバー51をフレーム50に付着し、または連結する工程が容易になり得る。また、本明細書の実施例によると、第1振動部材20と、フロントカバー54が一体型に構成されるので、薄型またはスリム型の音響装置1が提供され得る。
[第3実施例の変形例]
本明細書の実施例では、図12および図13に示した本明細書の第3実施例に係る音響装置の構成の変形例について説明する。
図38Aは、本明細書の第3実施例に係る音響装置の第1変形例を示す断面図である。図38Bは、本明細書の第3実施例に係る音響装置の第2変形例を示す断面図である。図38A及び図38Bは、図10AのB−B’線における、図10Bと同じ向きの断面図である。
図38Aに示されているように、バックカバー51は、フレーム50の裏面全体を覆うように構成され得る。バックカバー51とフレーム50は、図28Bの本明細書の第15の実施例と同様であるので、説明を省略する。例えば、第1振動部材20は、広告物の振動パネルまたはサイネージの振動パネルであり得る。例えば、広告物は、額縁、ポスター、立て看板用、およびサイネージのコンテンツであり得るが、これに限定されるものではない。例えば、第1振動部材20は、フレーム50の上端に接着し、または付着したりすることができる。
本明細書の実施例においても、本明細書の第3実施例と同様の効果を有する音響装置1が提供され得る。また、本明細書の実施例によると、バックカバー51がフレーム50の裏面で突出部50cに接着するため、バックカバー51をフレーム50に付着し、または連結する工程が容易になり得る。また、本明細書の実施例によると、第1振動部材20と、フロントカバー54が一体型に構成されるので、薄型またはスリム型の音響装置1が提供され得る。
図38Bに示されているように、フレーム50の側部50aとバックカバー51を除いた残りの構造などは、図28Bの第15実施例と同様であるので、説明を省略する。例えば、第1振動部材20は、広告物の振動パネルまたはサイネージの振動パネルであり得る。例えば、広告物は、額縁、ポスター、立て看板用、およびサイネージのコンテンツであり得るが、これに限定されるものではない。例えば、第1振動部材20は、フレーム50の上端に接着または付着され得る。
フレーム50は、バックカバー51を収納したり、バックカバー51の各側面を取り囲むように構成され得る。フレーム50は、断面視において、y方向に延びる側部50a、側部50aが延長されるy方向と垂直なz方向に突出した突出部50b、50c、および断面視において、y方向に延びる側部(または下部側部)50a2を含むことができる。側部50a2は、バックカバー51を囲むように構成され得る。突出部50cは、フレーム50の側部50a2の裏面から離隔され得る。バックカバー51は、接着部材52bによって突出部50cに連結または結合される、これにより、バックカバー51の各側面は、フレーム50の側部50a2によって囲まれ得る。
本明細書の実施例においても、本明細書の第3実施例と同様の効果を有する音響装置1が提供され得る。また、本明細書の実施例によると、バックカバー51がフレーム50の裏面から突出部50cに接着されるため、バックカバー51をフレーム50に付着し、または連結する工程が容易になり得る。また、本明細書の実施例によると、第1振動部材20と、フロントカバー54が一体型に構成されるので、薄型またはスリム型の音響装置1が提供され得る。
[第4実施例の変形例]
本明細書の実施例では、図14に示した本明細書の第4実施例に係る音響装置の構成の変形例について説明する。バックカバーを除いた残りの構造などは、本明細書の第4実施例と同様であるので、説明を省略する。
図39Aは、本明細書の第4実施例に係る音響装置の第1変形例を示す断面図である。図39Bは、本明細書の第4実施例に係る音響装置の第2変形例を示す断面図である。図39Cは、本明細書の第4実施例に係る音響装置の第3変形例を示す断面図である。図39Dは、第4実施形態に係る音響装置1の第4変形例を示す断面図である。また、図39A、乃至図39Dは、図10AのB−B’線における、図10Bと同じ向きの断面図である。
図39Aに示されているように、バックカバー51は、フレーム50の裏面全体を覆うように構成され得る。バックカバー51とフレーム50は、図28Bの本明細書の第15の実施例と同様であるので、説明を省略する。
圧着部材53は、フレーム50の内部に収容または挿入され得る。例えば、圧着部材53は、第1振動部材20と突出部50cの間のギャップ(または間隔または離隔空間)を埋めるために圧着され得る。例えば、接着部材52aは、フレーム50と第1振動部材20の間および第1振動部材20と圧着部材53の間に構成され得る。例えば、接着部材52aは、フレーム50と第1振動部材20の間のギャップ(または間隔または離隔空間)と、第1振動部材20と圧着部材53の間のギャップ(または間隔または離隔空間)を埋めるように構成され得る。
本明細書の実施例において、断面視において、フレーム50の側部と第1振動部材20の側面(または側壁)との間に配置された接着部材52aは、図17の本明細書の第6実施例のように、振動吸収部材55に変更され得る。本明細書の実施例においても、本明細書の第4実施形態と同様の効果を有する音響装置1が提供され得る。また、本明細書の実施例によると、バックカバー51がフレーム50の裏面で、突出部50cに接着されるため、バックカバー51をフレーム50に付着し、または連結する工程が容易になり得る。また、本明細書の実施例によると、第1振動部材20と、フロントカバー54が一体型に構成されるので、薄型またはスリム型の音響装置1が提供され得る。
図39Bに示されているように、フレーム50の側部50aとバックカバー51を除いた残りの構造などは、39Aの変形例と同様であるので、説明を省略する。フレーム50は、バックカバー51を収納し、またはバックカバー51の各側面を取り囲むように構成され得る。バックカバー51とフレーム50は、図38Bの変形例と同様であるので、説明を省略する。圧着部材53は、フレーム50の内部に収容または挿入され得る。例えば、圧着部材53は、第1振動部材20と突出部50cの間のギャップ(または間隔または離隔空間)を埋めるために圧着され得る。
本明細書の実施例においても、本明細書の第4実施形態と同様の効果を有する音響装置1が提供され得る。また、本明細書の実施例によると、バックカバー51がフレーム50の裏面から突出部50cに接着されるため、バックカバー51をフレーム50に付着し、または連結する工程が容易になり得る。また、本明細書の実施例によると、第1振動部材20と、フロントカバー54が一体型に構成されるので、薄型またはスリム型の音響装置1が提供され得る。
図39Cに示されているように、バックカバー51を除いた残りの構造などは、39Aの変形例と同様であるので、説明を省略する。バックカバー51は、図14に示されているように、圧着部材53とフレーム50の突出部50cの間に配置され得る。バックカバー51は、接着部材52bによって突出部50cに接着または連結され得る。圧着部材53は、第1振動部材20を音響装置1の筐体内部に圧着させることができる。圧着部材53は、断面視において、第1振動部材20とバックカバー51の間に配置され得る。例えば、圧着部材53は、断面視において、第1振動部材20とバックカバー51の間のギャップ(または間隔または離隔空間)を埋めるために圧着され得る。本実施例においても、第4実施例と同様の効果を有する音響装置1が提供され得る。
他の実施例としては、図39Cに示したバックカバー51は、フレーム50の裏面全体を覆うように構成され得る。バックカバー51とフレーム50は、図39Aの実施例と同様であるので、説明を省略する。圧着部材53は、フレーム50の内部に収容または挿入され得る。例えば、圧着部材53は、第1振動部材20と突出部50cの間のギャップを埋めるために圧着され得る。また、図39Cに示したフレーム50は、バックカバー51を収納し、またはバックカバー51の各側面を取り囲むように構成され得る。バックカバー51とフレーム50は、図39Bの実施例と同様であるので、説明を省略する。この場合にも、圧着部材53は、第1振動部材20と突出部50cの間のギャップ(または間隔または離隔隔空間)を埋めるために圧着され得る。
図39Dに示されているように、音響装置1は、フロントカバー54を更に含むことを除いては、図39Cの変形例と同様であるため、フロントカバー54を除いた残りの構成についての説明は、図39Cと重複されるので省略する。フロントカバー54は、図15に示したフロントカバー54と同じなので、説明を省略する。接着部材52cは、フロントカバー54とフレーム50の上面を接着させることができる。
本明細書の実施例においても、本明細書の第4実施例と同様の効果を有する音響装置1が提供され得る。また、本明細書の実施例によると、外部の物体がフロントカバー54によって、第1振動部材20の音源面20aに付着されたサイネージのコンテンツに接触しないため、第1振動部材20またはコンテンツの損傷が防止され得る。例えば、フロントカバー54と、第1振動部材20の間に空間が発生し得る。この空間には、広告物の振動パネルまたはサイネージが収容または挿入され得る、例えば、広告物は、額縁、ポスター、立て看板用、およびサイネージのコンテンツであり得るが、これに限定されるものではない。
[第5実施例の第1変形例]
本明細書の実施例では、図15及び図16に示した本明細書の第5実施例に係る音響装置の第1変形例について説明する。フロントカバー54と接着部材52cを除いた残りの構造などは、本明細書の第5実施例と同様であるので、説明を省略する。
図40は、本明細書の第5実施例に係る音響装置の第1変形例を示す断面図である。また、図40は、図10AのB−B’線における、図10Bと同じ向きの断面図である。
図40に示されているように、フレーム50は、本明細書の第5実施例の突出部50iの代わりに、図12及び図13に示した突出部50gを含むことができる。突出部50gは、断面視において、側部50aが延長されるy方向と垂直なz方向にフレーム50の上面が延長されるように突出され得る。図15及び図16に示されているように、接着部材52cは、フロントカバー54とフレーム50の上面を接着させることができる。例えば、第1振動部材20は、フレーム50の上面に接着または付着され得る。例えば、フレーム50は、「E」字型の断面を含むことができる。本明細書の実施例においても、本明細書の第5実施例と同様の効果を有する音響装置1が提供され得る。
他の実施例としては、本明細書の実施例では、バックカバー51は、図37Aに示されているように、フレーム50の裏面または裏面全体を覆うように構成され得る。バックカバー51とフレーム50は、図34の本明細書の第19の実施例と同様であるので、説明を省略する。例えば、フロントカバー54と第1振動部材20の間に、空間が発生し得る。この空間には、広告物の振動パネルまたはサイネージが収容または挿入され得る、例えば、広告物は、額縁、ポスター、立て看板用、およびサイネージのコンテンツであり得るが、これに限定されるものではない。
本明細書の実施例によると、バックカバー51がフレーム50の裏面で突出部50cに接着されるため、バックカバー51をフレーム50に付着し、または連結する工程が容易になり得る。他の実施例としては、フレーム50は、図37Bに示されているように、バックカバー51を収納し、またはバックカバー51の各側面を取り囲むように構成され得る。本明細書の実施例によると、バックカバー51がフレーム50の裏面から突出部50cに接着されるため、バックカバー51をフレーム50に付着し、または連結する工程が容易になり得る。
[第5実施例の第2乃至第4変形例]
本明細書の実施例では、図15及び図16に示した本明細書の第5実施例に係る音響装置の第2乃至第4変形例について説明する。圧電素子10の構造等は、本明細書の第1実施例、または第8乃至第14実施例のいずれか1つと同様であるので、説明を省略する。また、弾性部材30、バックカバー51、および接着部材52a、52bの構造等は、本明細書の第2乃至第6実施例と同様であるので、説明を省略する。
図41Aは、本明細書の第5実施例に係る音響装置の第2変形例を示す断面図である。図41Bは、本明細書の第5実施例に係る音響装置の第3変形例を示す断面図である。図41Cは、本明細書の第5実施例に係る音響装置の第4変形例を示す断面図である。また、図41A乃至図41Cは、図10AのB−B’線における、図10Bと同じ向きの断面図である。
図41Aに示されているように、本明細書の第5実施例の第2変形例に係る音響装置1は、圧電素子10、圧電素子18、第1振動部材20、第2振動部材21、弾性部材30、フレーム50、および接着部材52b、52c、52dを含むことができる。本明細書の実施例のフレーム50の構造は、図15の本明細書の第5実施例と同じであり得る。
図41Aは、図15でのフロントカバー54と第1振動部材20の代わりに、第1振動部材20及び第2振動部材21が配置され得る。第1振動部材20は、接着部材52cによってフレーム50に連結され得る。第2振動部材21は、接着部材52dによってフレーム50に連結され得る。音響装置1は、第1振動部材20と第2振動部材21およびフレーム50によって定められる空間、及び第2振動部材21とフレーム50によって定められる空間を含むことができる。また、第1振動部材20及び第2振動部材21をフレーム50に固定させる方法は、本明細書の実施例のような接着工程に限定されず、本明細書の第4実施例のように圧着部材53を利用した圧着工程などの様々な方法が適用可能である。
圧電素子(または第1圧電素子)10は、弾性部材30によって、第1振動部材20に連結され得る。圧電素子(または第2圧電素子)18は、弾性部材30によって第2振動部材21に連結され得る。第2振動部材21は、第1振動部材20と同じ材質または異なる材質からなることができる。また、2つの空間のそれぞれに配置された複数の圧電素子の種類は、個別に選択され得るが、それぞれの空間に異なる音響特性を有する圧電素子を配置することは必須ではなく、同じ種類の圧電素子がそれぞれの空間に配置されてもよい。例えば、第1振動部材20および圧電素子10は、高音域帯の音響を実現するように構成され得る。第2振動部材21と圧電素子18は、低音域帯の音響を実現するように構成され得る。例えば、第1振動部材20は、高音域帯の音響の実現に適した材質からなることができる。例えば、第2振動部材21は、低音域帯の音響の実現に適した材質からなることができる。
本明細書の実施例に適用可能な圧電素子10は、図24の本明細書の第11実施例の圧電素子18であり得るが、これに限定されるものではない。例えば、本明細書の実施例に適用可能な圧電素子18は、図21乃至図23の本明細書の第10実施例、または図25の本明細書の第12実施例の圧電素子10であり得、これに限定されるものではない。したがって、本明細書の実施例においても、本明細書の第19実施例の構成と同じ効果を有する音響装置1が提供され得る。
図41Bに示されているように、本明細書の第5実施例の第3変形例に係る音響装置1において、本明細書の実施例に適用可能な圧電素子10は、本明細書の第10実施例または第12実施例の圧電素子10であり得、これに限定されるものではない。本明細書の実施例に適用可能な圧電素子18は、本明細書の第10実施例または第12実施例の圧電素子10であり得るが、これに限定されるものではない。例えば、本明細書の実施例に適用可能な圧電素子10は、本明細書の第1実施例、または第8乃至第14実施例のいずれかの構造または配置の圧電素子10または圧電素子18を用いることができ、本明細書の第1実施例、または第8乃至第14実施例で言及したものとは異なる構造または配置の圧電素子を用いることもできる。本明細書の実施例に適用可能な圧電素子18は、本明細書の実施例に適用可能な圧電素子10と同一または異なり得る。したがって、本明細書の実施例においても、本明細書の第19実施例の構成と同じ効果を有する音響装置1が提供され得る。
図41Cに示されているように、本明細書の第5実施例の第4変形例に係る音響装置1において、連結部材57を含むことができる。連結部材57は、第1振動部材20に連結された圧電素子10と第2振動部材21を連結させることができる。したがって、第2振動部材21に連結された圧電素子10の振動が第1振動部材20に連結された圧電素子10に伝達され得る。連結部材57の材料は、振動の伝達が可能なものであり得、特定の材料に限定されない。例えば、連結部材57は、パッド、パッド部材、共振防止部材、ノイズ防止パッド、ノイズ防止部材、質量部材、質量体、またはウェイトなどで表現することができるが、これに限定されるものではない。例えば、連結部材57は、金属材料、またはプラスチック材料から構成され得るが、これに限定されるものではない。
本明細書の実施例に適用可能な圧電素子10は、本明細書の第1実施例、または第8乃至第14実施例のいずれかの構造または配置の圧電素子10または圧電素子18を用いることができ、本明細書の第1実施例、または第8乃至第14実施例で説明したものとは異なる構造または配置の圧電素子を用いることもできる。本明細書の実施例に適用可能な圧電素子18は、本明細書の実施例に適用可能な圧電素子10と同一または異なることができる。
したがって、本明細書の実施例によると、本明細書の第19実施例と同様の効果を得ることができ、第1振動部材20及び第2振動部材21の振動により発生する共振に起因するノイズが低減され、音質が向上した音響装置を提供することができる。
図41A乃至図41Cに示されているように、バックカバー51は、フレーム50の裏面全体を覆うように構成され得る。バックカバー51は、図34の本明細書の第19実施例と同様であるので、説明を省略する。本明細書の実施例によると、バックカバー51がフレーム50の裏面から突出部50cに接着されるため、バックカバー51をフレーム50に付着し、または連結する工程が容易になり得る。他の例としては、フレーム50は、図37Bに示されているように、バックカバー51を収納したり、バックカバー51の各側面を取り囲むように構成され得る。本明細書の実施例によると、バックカバー51がフレーム50の裏面から突出部50cに接着されるため、バックカバー51をフレーム50に付着し、または連結する工程が容易になり得る。
[第17実施例の変形例]
本明細書の実施例では、図31および図32に示した本明細書の第17実施例に係る音響装置の構成の変形例について説明する。圧電素子10の構造等は、本明細書の第1実施例、または第8乃至第14実施例のいずれかと同様であるので、説明を省略する。また、弾性部材30、バックカバー51、および接着部材52a、52bの構造等は、本明細書の第2乃至第6実施例と同様であるので、説明を省略する。
図42は、本明細書の第17実施例に係る音響装置の構成の変形例を示す断面図である。図42は、図31のF−F’線における、図32と同じ向きの断面図である。
図42に示されているように、音響装置1は、圧電素子10、圧電素子18、第1振動部材20、第2振動部材21、弾性部材30、フレーム50、バックカバー51、接着部材52a、52b、及びインナーフレーム56を含むことができる。音響装置1は、複数の振動部材を含むことができる。第1振動部材20は、領域R1に配置された1つ以上の圧電素子10に入力される音声信号に基づく音響を発生するように振動する部材であり得る。また、第2振動部材21は、領域R2に配置された1つ以上の圧電素子18に入力される音声信号に基づく音響を発生するように振動する部材であり得る。第2振動部材21の材料は、第1振動部材20と同様に、特定の材料に限定されないが、圧電素子18から伝達される振動の伝達に適した材料特性を含むガラス、硬質紙、金属、またはプラスチックなどであり得る。
図42に示されているように、第2振動部材21は、断面視において、第1振動部材20とバックカバー51との間に配置され得る。インナーフレーム56は、第1振動部材20と第2振動部材21の間に配置され得る。また、インナーフレーム56は、断面視において、第1振動部材20と第2振動部材21の両側に連結され得る。音響装置1は、インナーフレーム56、バックカバー51及び第2振動部材21によって定められる空間を含むことができる。例えば、インナーフレーム56と第2振動部材21は、バックカバー51と第1振動部材20によって定められる空間を領域R1と領域R2に分離することができる。インナーフレーム56は、圧電素子18と一体型で構成され得る。また、第1振動部材20をフレーム50に固定させる方法及び第2振動部材21をインナーフレーム56に固定させる方法は、本明細書の実施例のような接着工程に限定されず、本明細書の第4実施例のように圧着部材53を用いた圧着工程などの様々な方法が適用可能である。
本明細書の実施例によると、第1振動部材20及び第2振動部材21の材料は、発生する音響の周波数および連結された圧電素子の特性に応じて個別に選択され得るため、図32に示した本明細書の第17実施例の構成よりも音質が向上され得る。また、共鳴空間が不要な場合にインナーフレーム56が設置されていることは必須ではなく、この場合に、第2振動部材21は、フレーム50に連結され得る。
[第18実施例の変形例]
本明細書の実施例では、図31および図33に示した本明細書の第18実施例に係る音響装置の構成の変形例について説明する。圧電素子10の構造等は、本明細書の第1実施例、または第8乃至第14実施例のいずれかと同様であるので、説明を省略する。また、弾性部材30、バックカバー51、および接着部材52a、52bの構造等は、本明細書の第2乃至第6実施例と同様であるので、説明を省略する。
図43は、本明細書の第18実施例に係る音響装置の構成の変形例を示す断面図である。図43は、図31のF−F’線における、図32と同じ向きの断面図である。
図43に示されているように、音響装置1は、圧電素子10、第1振動部材20、第2振動部材21、弾性部材30、フレーム50、バックカバー51、接着部材52a、52b、及び連結部材57を含むことができる。連結部材57は、第1振動部材20に連結された圧電素子10と第2振動部材21を連結させることができる。したがって、第2振動部材21に連結された圧電素子18の振動が第1振動部材20に連結された圧電素子10に伝達し得る。連結部材57の材料は、振動伝達が可能なものであって、特定の材料に限定されない。例えば、連結部材57は、パッド、パッド部材、共振防止部材、ノイズ防止パッド、ノイズ防止部材、質量部材、質量体、またはウェイトなどで表現することができ、これに限定されるものではない。例えば、連結部材57は、金属材料、またはプラスチック材料からなることができ、これに限定されるものではない。
第1振動部材20及び第2振動部材21は、いずれも共振を生じる場合がある。この共振は、ノイズの原因となり得る。これに対し、本明細書の実施例では、第2振動部材21に連結された圧電素子10の振動が連結部材57によって第1振動部材20に連結された圧電素子10に伝達されることで、共振が起こりにくくなるため、ノイズが低減され得る。
したがって、本明細書の実施例によれば、本明細書の第18実施例と同様の効果が得られるとともに、第1振動部材20及び第2振動部材21の振動により発生する共振に起因するノイズが低減され、音質が向上された音響装置が提供され得る。
本明細書の実施例によれば、図42及び図43のそれぞれに示した第1振動部材20とフレーム50の間の連結構造(または結合構造)は、図10Bに示した第1振動部材20とフレーム50の間の連結構造(または結合構造)に変更され得る、これに限定されるものではない。また、図42および図43のそれぞれに示したフレーム50とバックカバー51の間の連結構造(または結合構造)は、図10Bに示したフレーム50とバックカバー51の間の連結構造(または結合構造)に変更され得るが、これに限定されるものではない。
[音響装置の応用例]
本明細書の実施例では、本明細書の実施例に係る音響装置を適用可能な様々なアプリケーション装置の例について説明する。
図44は、本明細書の実施例に係る音響装置を適用可能な様々なアプリケーション装置の例を示した図である。
図44に示したように、本明細書の実施例による音響装置は、様々なアプリケーション装置に適用が可能である。例えば、音響装置は、アナログサイネージ(analog signage)、デジタルサイネージ(digital signage)、モニター(またはテレビ)、およびノートブックなどの様々なアプリケーション装置に適用され得る。
図44に示した様々なアプリケーション装置以外にも、本明細書の実施例に係る音響装置は、モバイルデバイス、映像電話器、スマートウォッチ(smart watch)、ウォッチフォン(watch phone)、ウェアラブル機器(wearable apparatus)、フォルダブル機器(foldable apparatus)、ローラブル機器(rollable apparatus)、ベンダブル機器(bendable apparatus)、フレキシブル機器(flexible apparatus)、カーブ・ド・機器(curved apparatus)、電子手帳、電子ブック、PMP(portable multimedia player)、PDA(personal digital assistant)、MP3プレーヤー、モバイル医療機器、デスクトップPC(desktop PC)、ラップトップPC(laptop PC)、ネットブックコンピュータ(netbook computer)、ワークステーション(workstation)、ナビゲーション、車両用ナビゲーション、車両用ディスプレイ装置、劇場用装置、劇場用ディスプレイ装置、テレビ、ウオールペーパー(wallpaper)機器、ゲーム機器、カメラ、ビデオカメラ、および家電機器などに適用することができる。また、本明細書の実施例による音響装置は、有機発光照明装置または無機発光照明装置に適用することができる。音響装置を照明装置に適用する場合、照明およびスピーカーの役割をすることができる。また、本明細書の実施例による音響装置をモバイルデバイスなどに適用する場合、スピーカー、レシーバー、およびハプティックの中の1つ以上の役割をすることができるが、これに限定されるものではない。
図45は、図28Cに示した音響装置の音響出力特性と図28Dに示した音響装置の音響出力特性を示すグラフである。図45において、太い実線は、図28Cに示した音響装置の周波数による音圧を示し、点線は、図28Dに示す音響装置の周波数による音圧を示す。図45において、横軸は周波数(Frequency, Hz)を示し、縦軸は音圧(Sound Pressure Level(SPL), dB)を示す。
図45を参照すると、本明細書の実施例に係る音響装置は、圧電素子の振動による振動部材の振動によって100Hz乃至20kHzの周波数帯域を有する音響を出力することができる。例えば、4つの圧電素子を含む音響装置は、2つの圧電素子を含む音響装置と比較して重低音域帯で相対的に高い音圧を有する音響を実現することができる。例えば、4つの圧電素子を含む音響装置は、約150Hz乃至1kHzの周波数帯域で50dB以上の音圧を有する音響を実現することができる。例えば、重低音域帯は3kHz以下であり得、必ずしもこれに限定されず、5kHz以下であり得る。
図46は、図28Dに示した音響装置で圧電素子の構造による音響出力特性を示すグラフである。図46で、点線は、図28Dに示す振動部材をプラスチック材質で構成し、圧電素子を図24の本明細書の第11の実施例の圧電素子で構成した本明細書の第1実験例である。細い実線は、図28Dに示す振動部材をプラスチック材質で構成し、圧電素子を図21及び図22の本明細書の第10実施例の圧電素子で構成した本明細書の第2実験例である。一点鎖線は、図28Dに示す振動部材をガラス材質で構成し、圧電素子を図21および図22の本明細書の第10実施例の圧電素子で構成した本明細書の第3実験例である。太い実線は、図28Dに示す振動部材をガラス材質で構成し、振動部材の中心部分に配置した圧電素子を図24の本明細書の第11の実施例の圧電素子で構成し、振動部材の端部分に配置した圧電素子を図21及び図22の本明細書の第10実施例の圧電素子で構成した本明細書の第4実験例である。図47で、横軸は周波数(Frequency(SPL), Hz)を示し、縦軸は音圧(Sound Pressure Level, dB)を示す。
図46参照すると、本明細書の実施例に係る音響装置は、圧電素子の振動による振動部材の振動によって約100Hz乃至20kHzの周波数帯域で34dB以上の音圧を有する音響を出力することができる。また、弾性部材を介して圧電素子の一部(または中心部)を振動部材に連結した本明細書の第2乃至第4実験例による音響装置のそれぞれは、弾性部材を介して圧電素子全体を振動部材に連結した第1実験例音響装置と比較して、1kHz以下の周波数帯域では比較的高い音圧を実現することが分かる。また、第4実験例による音響装置は、他の実験例の音響装置と比較して、2kHz以下の音域で平坦度が減少することが分かる。
したがって、本明細書によると、複数の圧電素子のそれぞれと振動部材との間の付着構造は、音響装置によって実現しようとする音響特性によって、図10Bの第2実施例に係る付着構造または図24の本明細書の第11実施例による付着構造を有することができる。例えば、複数の圧電素子の中の1つ以上のは、図10Bの本明細書の第2実施例に係る付着構造のように、一部分(または中心分)が振動部材に付着または連結され得る。複数の圧電素子の残りの部分は、図24の本明細書の第11実施例に係る付着構造のように、全体が振動部材に付着または連結され得る。
本明細書に係るディスプレイ装置は、以下のように説明することができる。
本明細書のいくつかの実施例によると、音響装置は、入力された音声信号によって振動する圧電素子と、振動部材と、圧電素子の少なくとも一部と振動部材とを連結する弾性部材とを含むことができる。
本明細書のいくつかの実施例によると、圧電素子は、平板形状を含み、弾性部材は、圧電素子の主面に連結され得る。
本明細書のいくつかの実施例によると、圧電素子は、平面視において、長手方向及び短手方向を有する矩形状を含み、弾性部材は、圧電素子の前記長手方向の中心を含む位置に連結され得る。
本明細書のいくつかの実施例によると、圧電素子の長手方向の端部は、弾性部材に連結され得る。
本明細書のいくつかの実施例によると、圧電素子の長手方向は、振動部材の端部の少なくとも一部と垂直であることができる。
本明細書のいくつかの実施例によると、長手方向は、振動部材の端部の少なくとも一部と垂直ではないことがある。
本明細書のいくつかの実施例によると、圧電素子は、平面視において円形を含み、弾性部材は、圧電素子の円形の中心を含む位置に連結されきる。
本明細書のいくつかの実施例によると、圧電素子は、厚さ方向に屈曲するように振動することがある。
本明細書のいくつかの実施例によると、圧電素子は、主面が広がるように振動することがきる。
本明細書のいくつかの実施例によると、圧電素子は、圧電層、第1電極及び第2電極を含み、第1電極及び第2電極は、圧電層を厚さ方向に挟むように配置され得る。
本明細書のいくつかの実施例によると、圧電素子は、第1圧電層、第2圧電層、第1電極、第2電極及び第3電極を含み、第1電極及び第2電極は、第1圧電層を厚さ方向に挟むように配置され、第2電極及び第3電極は、第2圧電層を厚さ方向に挟むように配置され得る。
本明細書のいくつかの実施例によると、第1圧電層及び第2圧電層の分極方向は、互いに同一であることができる。
本明細書のいくつかの実施例によると、第1電極及び第2電極には、同一の位相の音声信号が入力され得る。
本明細書のいくつかの実施例によると、圧電素子は、第1圧電層、第2圧電層、第1電極、第2電極、第3電極及び第4電極を含み、第1電極及び第2電極は、第1圧電層を厚さ方向に挟むように配置され、第3電極及び第4電極は、第2圧電層を厚さ方向に挟むように配置され得る。
本明細書のいくつかの実施例によると、第1圧電層及び第2圧電層の分極方向は、互いに反対され得る。
本明細書のいくつかの実施例によると、第1電極及び第3電極には、同一の位相の音声信号が入力され得る。
本明細書のいくつかの実施例によると、第2電極及び第4電極には、同一の位相の音声信号が入力され得る。
本明細書のいくつかの実施例によると、音響装置は、平面視において、互いに異なる方向に延在された第1振動部及び第2振動部を含み、入力された音声信号に応じて振動する圧電素子と、振動部材と、第1振動部の少なくとも一部と振動部材とを連結する弾性部材とを含むことができる。
本明細書のいくつかの実施例によると、第1振動部は、第1主面及び第1主面と反対される第2主面を含み、第1主面の少なくとも一部は、弾性部材に連結され、第2主面の少なくとも一部は、第2振動部の一部に連結され得る。
本明細書のいくつかの実施例によると、第1振動部及び第2振動部の各々は、平面視において、長手方向及び短手方向を有する矩形状をなしており、第1振動部の長手方向と、第2振動部の長手方向とは、互いに異なることができる。
本明細書のいくつかの実施例によると、第1振動部の長手方向と、第2振動部の長手方向とは、互いに垂直であることができる。
本明細書のいくつかの実施例によると、弾性部材は、第1振動部の長手方向の中心を含む位置に連結され得る。
本明細書のいくつかの実施例によると、第1振動部の長手方向の中心を含む位置と、第2振動部の長手方向の中心を含む位置とは、互いに連結され得る。
本明細書のいくつかの実施例によると、第1振動部及び第2振動部の各々の長手方向の端部は、弾性部材に連結され得る。
本明細書のいくつかの実施例によると、第1振動部及び第2振動部の各々の長手方向は、振動部材の端部に垂直であることができる。
本明細書のいくつかの実施例によると、第1振動部及び第2振動部の各々の長手方向は、振動部材の端部すべてに垂直ではないことがある。
本明細書のいくつかの実施例によると、第1振動部と第2振動部とは、音声信号に応じて同一の方向に振動することができる。
本明細書のいくつかの実施例によると、第1振動部及び第2振動部の各々は、厚さ方向に屈曲するように振動することができる。
本明細書のいくつかの実施例によると、振動部材の少なくとも一部と連結されたフレームを更に含み、フレームは、内部に圧電素子を有する筐体の少なくとも一部を構成することができる。
本明細書のいくつかの実施例によると、フレームは、少なくとも振動部材の周辺と連結され得る。
本明細書のいくつかの実施例によると、振動部材をフレームに固定する固定部材を更に含むことができる。
本明細書のいくつかの実施例によると、フレーム及び振動部材に連結された振動吸収部材を更に含むことができる。
本明細書のいくつかの実施例によると、圧電素子は、複数個に構成され、複数の圧電素子のうちの第1圧電素子と第2圧電素子の周波数特性は、互いに異なることができる。
本明細書のいくつかの実施例によると、第1圧電素子と第2圧電素子の固有周波数は、互いに異なることができる。
本明細書のいくつかの実施例によると、第1圧電素子と第2圧電素子の形状は、互いに異なることができる。
本明細書のいくつかの実施例によると、第1圧電素子を構成する材料と第2圧電素子を構成する材料の音速、弾性率及び密度のうちの少なくとも1つ以上は、互いに異なることができる。
本明細書のいくつかの実施例によると、筐体は、複数の空間を含むことができる。
本明細書のいくつかの実施例によると、圧電素子は、複数個に構成され、複数の圧電素子のうちの第1圧電素子と第2圧電素子は、複数の空間のうちの互いに異なる空間に配され得る。
本明細書のいくつかの実施例によると、振動部材は、複数個に構成され、複数の振動部材のうちの1つ以上は、異なる材料特性を有することができる。
本明細書のいくつかの実施例によると、複数の圧電素子のうちの第1圧電素子と第2圧電素子は、複数の振動部材のうちの互いに異なる振動部材に連結され得る。
本明細書のいくつかの実施例によると、音響装置は、複数の振動部材が第1圧電素子及び第2圧電素子の少なくとも1つを介して連結されるように配置され連結部材を更に含むことができる。
本明細書のいくつかの実施例によると、振動部材の圧電素子が連結された側の面と対向する面にサイネージのコンテンツが配置され得る。
本明細書のいくつかの実施例によると、音響装置は、フレームと連結された保護部材を更に含み、圧電素子が連結される側の面と対向する面と、保護部材との間にサイネージのコンテンツが配置され得る。
本明細書のいくつかの実施例によると、サイネージのコンテンツは、振動部材に貼付された媒体に付され得る。
本明細書のいくつかの実施例によると、サイネージのコンテンツは、振動部材に直接付され得る。
本明細書のいくつかの実施例によると、振動部材は、表示装置の表示パネルであり、サイネージのコンテンツは、表示パネルに画像として表示され得る。
本明細書のいくつかの実施例によると、音響装置は、入力された音声信号に応じて振動する複数の圧電素子と、振動部材とを含み、複数の圧電素子の各々は、振動部材に連結され、複数の圧電素子のうちの第1圧電素子と第2圧電素子の周波数特性は、互いに異なることができる。
本明細書のいくつかの実施例によると、第1圧電素子と第2圧電素子の固有周波数は、互いに異なることができる。
本明細書のいくつかの実施例によると、第1圧電素子と第2圧電素子の形状は、互いに異なることができる。
本明細書のいくつかの実施例によると、第1圧電素子を構成する材料と第2圧電素子を構成する材料の音速、弾性率及び密度のうちの少なくとも1つ以上は、互いに異なることができる。
本明細書のいくつかの実施例によると、振動部材は、表示装置の表示パネルであり、表示パネルは、画像が表示される画像表示面と、画像表示面に対向する裏面とを含み、圧電素子の振動は、表示パネルの裏面に伝達され得る。
本明細書のいくつかの実施例によると、表示パネルは、有機発光ダイオード(Organic Light−Emitting Diode;OLED)を含むことができる。
[その他の実施例]
上述の実施例は、本明細書を適用しうるいくつかの態様を例示したものに過ぎず、本明細書の技術的範囲は、上述の実施例によって限定的に解釈されてならない。また、本明細書は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜修正や変形を行って様々な態様で実施可能である。例えば、いずれかの実施例の一部の構成を、他の実施例に追加した実施例、あるいは他の実施例の一部の構成と置換した実施例も本明細書を適用し得る実施例であると理解されるべきである。