JPWO2013114427A1 - 抗菌フィルタ用ろ材とその製造方法並びに該ろ材を用いた抗菌フィルタ - Google Patents
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Abstract
Description
そこで、本発明は、前記従来技術の不都合を有することなく、抗菌性を保有し、安全性、低コストを満足し、基材劣化の起きない抗菌フィルタ用ろ材とその製造方法並びに該ろ材を用いた抗菌フィルタを提供することを目的とする。
本発明の抗菌フィルタ用ろ材は、前記知見に基づきなされたもので、請求項1記載の通り、鉄、アルミニウム、チタンおよびカリウムを含む金属組成物からなる抗菌剤を繊維製ろ材に添着したことを特徴とする。
また、請求項2記載の抗菌フィルタ用ろ材は、請求項1記載の抗菌フィルタ用ろ材において、前記金属組成物の組成割合が、鉄0.0001〜0.02質量部、アルミニウム0.0002〜0.02質量部、チタン0.0000008〜0.000004質量部、カリウム0.000002〜0.002質量部であることを特徴とする。
また、請求項3記載の抗菌フィルタ用ろ材は、請求項1または2記載の抗菌フィルタ用ろ材において、前記抗菌剤をろ材に対して、2×10−5g/m2以上となるように添着したことを特徴とする。
また、請求項4記載の抗菌フィルタ用ろ材は、請求項1乃至3の何れかに記載の抗菌フィルタ用ろ材において、前記金属組成物は赤黄土から無機酸を用いて抽出したものであることを特徴とする。
また、本発明の抗菌フィルタ用ろ材の製造方法は、請求項5記載の通り、鉄、アルミニウム、チタンおよびカリウムを含む金属組成物からなる抗菌剤を繊維製ろ材に添着した抗菌フィルタ用ろ材の製造方法であって、前記鉄、アルミニウム、チタンおよびカリウムを含む金属組成物からなる抗菌剤を界面活性剤を含む水溶液にして繊維製ろ材に添着することを特徴とする。
また、本発明の抗菌フィルタは、請求項6記載の通り、請求項1乃至4の何れかに記載の抗菌フィルタ用ろ材を用いたことを特徴とする。
また、抗菌剤へ界面活性剤を添加した水溶液状にしてろ材に添着することにより、抗菌剤がろ材に均一に付着できて抗菌性の信頼性を向上できる。特に、抗菌性を示す界面活性剤を添加した場合は、抗菌性の信頼性が非常に高いものとなる。
本発明の抗菌フィルタ用ろ材は、鉄、アルミニウム、チタンおよびカリウムを含む金属組成物からなる抗菌剤を繊維製ろ材に添着してなるものであり、各構成成分の詳細は次ぎの通りである。
また、前記抗菌剤は水溶液の形態にしてろ材に添着することが好ましく、例えば、鉄16μg/ml(16ppm)、アルミニウム23μg/ml(23ppm)、チタン0.08μg/ml(0.08ppm)、カリウム0.22μg/ml(0.22ppm)が好ましい。このような組成のものとして、株式会社サンワード商会製の抗菌剤TioTio(登録商標)が挙げられる。
尚、鉄、アルミニウム、チタンはICP発光分光法で分析し、カリウムは原子吸光法で分析した値を示す。
また、前記抗菌剤のろ材に対する添着方法は、水溶液状にしての添着が好ましく、噴霧、含浸、転写(ロールコート)等、手段は限定されないが転写(ロールコート)が好ましい。
抗菌剤と防カビ剤のブレンド方法は、あらかじめ粘度を調整した純水に抗菌剤と防カビ剤を添加して十分攪拌する。
この場合、例えば、陽イオン界面活性剤と陰イオン界面活性剤の混合物を質量比で4:6〜6:4の割合で混合した混合物として配合することが好ましい。
陽イオン界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩等の特殊高分子第4級アンモニウム塩等を使用することができ、陰イオン界面活性剤としては、例えば、高級アルコールのアルキレンオキサイド付加物、高級アルコールのアルキルアミンのアルキレンオキサイド付加物、スチレン化フェノールのアルキレンオキサイド付加物等を使用することができる。
また、抗菌剤水溶液中の界面活性剤の配合量が1000ppm未満であると、金属組成物の分散効果が低下してフィルタの抗菌性がバラツクこととなり、20000ppmを超えるとろ材の洗浄再使用時に洗浄廃液に界面活性剤の溶出による環境・生態系への毒性問題のおそれとなる。
目付70g/m2の高性能ろ材(平均繊維径0.4μmのガラス繊維93質量%をアクリル系有機バインダ7質量%で結着した湿式ガラス繊維不織布)を100cm2サイズに裁断してろ材試料を作成した。
また、下記表1に示すように、株式会社サンワード商会製の抗菌剤TioTio(固形分0.004質量%、鉄16μg/ml(16ppm)、アルミニウム23μg/ml(23ppm)、チタン0.08μg/ml(0.08ppm)、カリウム0.22μg/ml(0.22ppm)を下記表1に示す各種濃度の水溶液にして50g/m2の転写量で前記ろ材試料に転写し、抗菌フィルタ用ろ材試料A〜Fを作成した。また、前記抗菌剤で無処理の無処理品をGとした。
次に、JIS L1902に準拠して黄色ぶどう状球菌についての抗菌性について試験した。その試験結果は下記表1に示す通りである。
(1)抗菌性:JIS L 1902「繊維製品の抗菌性試験方法及び抗菌効果」の定量試験で、
○:殺菌活性0<、静菌活性2.0<
×:上記以外
(2)コスト:天然酵素系(×)を基準とし、
○:1/2以下
従って、抗菌剤は溶液濃度1.0質量%(付着量2×10−5g/m2)以上が必要であることが確認できた。
(1)抗菌性:JIS L 1902「繊維製品の抗菌性試験方法及び抗菌効果」の定量試験で「黄色ぶどう球菌」、「肺炎棹菌」、「大腸菌」、「MRSA」、「緑膿菌」で、
○:殺菌活性0<、静菌活性2.0<
×:上記以外
(2)コスト:天然酵素系(×)を基準とし、
○:1/2以下
(3)安全性:人体に対する影響
○:影響なし
×:影響あり
(4)基材劣化:基材強度の経時劣化
○:経時劣化なし
×:経時劣化あり
目付60g/m2の中性能ろ材(サーマルボンド不織布)を100cm2サイズに裁断してろ材試料を作成した。
また、下記表4に示すように、株式会社サンワード商会製の抗菌剤TioTioの2質量%水溶液(固形分0.004質量%、鉄16μg/ml(16ppm)、アルミニウム23μg/ml(23ppm)、チタン0.08μg/ml(0.08ppm)、カリウム0.22μg/ml(0.22ppm))に陽イオン界面活性剤と陰イオン界面活性剤の混合物を質量比で1:1の割合で混合した混合物であるニッカノンNS−30(日華化学株式会社製)を0〜2.0質量%(固形分40質量%)配合し、50g/m2の付着量で前記ろ材試料に噴霧付着し、抗菌フィルタ用ろ材試料H〜Lを作成した。
次に、JIS L1902に準拠して黄色ぶどう状球菌についての抗菌性について試験した。その試験結果は下記表4に示す通りである。
(1)抗菌性:JIS L 1902「繊維製品の抗菌性試験方法及び抗菌効果」の定量試験で、
○:殺菌活性0<、静菌活性2.0<
×:上記以外
(2)コスト:天然酵素系(×)を基準とし、
○:1/2以下
Claims (6)
- 鉄、アルミニウム、チタンおよびカリウムを含む金属組成物からなる抗菌剤を繊維製ろ材に添着したことを特徴とする抗菌フィルタ用ろ材。
- 前記金属組成物の組成割合が、鉄0.0001〜0.02質量部、アルミニウム0.0002〜0.02質量部、チタン0.0000008〜0.000004質量部、カリウム0.000002〜0.002質量部であることを特徴とする請求項1記載の抗菌フィルタ用ろ材。
- 前記抗菌剤をろ材に対して、2×10−5g/m2以上となるように添着したことを特徴とする請求項1または2記載の抗菌フィルタ用ろ材。
- 前記金属組成物は赤黄土から無機酸を用いて抽出したものであることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の抗菌フィルタ用ろ材。
- 鉄、アルミニウム、チタンおよびカリウムを含む金属組成物からなる抗菌剤を繊維製ろ材に添着した抗菌フィルタ用ろ材の製造方法であって、前記鉄、アルミニウム、チタンおよびカリウムを含む金属組成物からなる抗菌剤を界面活性剤を含む水溶液にして繊維製ろ材に添着することを特徴とする抗菌フィルタ用ろ材の製造方法。
- 請求項1乃至4の何れかに記載の抗菌フィルタ用ろ材を用いたことを特徴とする抗菌フィルタ。
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- 2012-01-30 JP JP2013556005A patent/JPWO2013114427A1/ja active Pending
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