JPWO2013111313A1 - ハイブリッド車両制御装置 - Google Patents
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Abstract
本発明のハイブリッド車両制御装置は、間欠運転中におけるエンジン停止の間にエンジンコンパートメント内の温度がエンジン等からの放熱によって上昇した場合の、エンジン始動時の出力トルクの低下や燃費の悪化を可及的に抑制するものである。このハイブリッド車両制御装置は、間欠運転中におけるエンジンの始動要求時にて吸気温度が高くなるような場合には、エンジンにて燃料噴射を行わずにモータリングを行う。
Description
本発明は、ハイブリッド車両制御装置、すなわち、エンジンと電動機とを備えたハイブリッド車両を制御する装置に関する。
ハイブリッド車両において、燃費の向上等の目的で、車両の起動中(走行中)にエンジンを間欠運転するものが、従来種々提案されている(例えば、特開2006−256481号公報、特開2011−43089号公報、等参照。)。
この種のハイブリッド車両において、間欠運転中におけるエンジン停止の間に、エンジンコンパートメント内の温度が、エンジン等からの放熱によって上昇する場合がある。この場合、エンジン始動時にて吸気温度が高温となり、これによりエンジン出力トルクの低下や燃費悪化が生じてしまう。本発明は、かかる課題に対処するためになされたものである。
本発明の適用対象であるハイブリッド車両(以下、単に「車両」と称する。)は、エンジンコンパートメント内に配置されたエンジンと、このエンジンをモータリング可能な電動機と、備えている。本発明のハイブリッド車両制御装置(以下、単に「車両制御装置」と称する。)は、前記車両の起動中における前記エンジンの間欠運転が可能なように、当該車両を制御するように構成されている。
本発明の一側面における特徴は、前記車両制御装置が、温度取得手段と、モータリング制御手段と、を備えたことにある。ここで、前記温度取得手段は、前記エンジンコンパートメント内の温度を取得するようになっている。前記モータリング制御手段は、前記間欠運転中における前記エンジンの始動要求時にて前記温度が所定温度以上である場合には、前記エンジンにて燃料噴射を行わずにモータリングを行うようになっている。なお、前記モータリング制御手段は、前記始動要求時にて前記温度が前記所定温度よりも低い場合には、モータリングを行わずに前記エンジンにて燃料噴射を行うようになっていてもよい。
また、前記モータリング制御手段は、前記始動要求時にて前記温度が前記所定温度以上であったためにモータリングが開始された後、前記温度が前記所定温度よりも低くなった場合(例えば、前記温度が前記所定温度としてのモータリング開始判定温度よりも低いモータリング終了判定温度よりもさらに低くなった場合)には、モータリングを終了して前記エンジンにて燃料噴射を行うようになっていてもよい。
本発明の他の一側面における特徴は、前記車両制御装置が、温度取得手段と、モータリング制御手段と、を備えたことにある。ここで、前記温度取得手段は、前記エンジンの吸気温度を取得するようになっている。また、前記モータリング制御手段は、前記間欠運転中における前記エンジンの始動要求時にて前記吸気温度が所定温度以上である場合には、前記エンジンにて燃料噴射を行わずにモータリングを行うようになっている。なお、前記モータリング制御手段は、前記始動要求時にて前記吸気温度が前記所定温度よりも低い場合には、モータリングを行わずに前記エンジンにて燃料噴射を行うようになっていてもよい。
また、前記モータリング制御手段は、前記始動要求時にて前記吸気温度が前記所定温度以上であったためにモータリングが開始された後、前記吸気温度が前記所定温度よりも低くなった場合(例えば、前記吸気温度が前記所定温度としてのモータリング開始判定温度よりも低いモータリング終了判定温度よりもさらに低くなった場合)には、モータリングを終了して前記エンジンにて燃料噴射を行うようになっていてもよい。
−作用・効果−
かかる構成を備えた本発明の前記車両制御装置においては、間欠運転中における前記エンジンの停止の間に、前記エンジンコンパートメント内の温度上昇により前記吸気温度が高温となる場合には、モータリングが行われる。これにより、前記エンジンにおける出力トルクの低下や、燃費の悪化が、良好に抑制される。
かかる構成を備えた本発明の前記車両制御装置においては、間欠運転中における前記エンジンの停止の間に、前記エンジンコンパートメント内の温度上昇により前記吸気温度が高温となる場合には、モータリングが行われる。これにより、前記エンジンにおける出力トルクの低下や、燃費の悪化が、良好に抑制される。
もっとも、モータリング開始後しばらくすると、外部の空気が導入されることで、前記エンジンコンパートメント内の温度が低下し、これにより前記吸気温度が下がる。よって、前記吸気温度が下がった段階でモータリングを終了して前記エンジンを始動する(燃料噴射を開始する)。これにより、間欠運転中における前記エンジンの始動が良好に行われる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施形態に関する記載は、法令で要求されている明細書の記載要件を満たすために、本発明の具体化の単なる一例を、可能な範囲で具体的に記述しているものにすぎない。よって、後述するように、本発明が、以下に説明する実施形態の具体的構成に何ら限定されるものではないことは、全く当然である。本実施形態に対して施され得る各種の変更(変形例:modification)は、当該実施形態の説明中に挿入されると、一貫した実施形態の説明の理解が妨げられるので、末尾にまとめて記載されている。
−全体構成−
図1は、本発明の一実施形態が適用されたハイブリッド車両1の全体構成を示す概略図である。図1を参照すると、ハイブリッド車両1(以下、単に「車両1」と称する。)は、エンジン2と、ハイブリッドトランスアクスル3と、バッテリ4と、パワーコントロールユニット5と、を備えている。
図1は、本発明の一実施形態が適用されたハイブリッド車両1の全体構成を示す概略図である。図1を参照すると、ハイブリッド車両1(以下、単に「車両1」と称する。)は、エンジン2と、ハイブリッドトランスアクスル3と、バッテリ4と、パワーコントロールユニット5と、を備えている。
エンジン2は、自然吸気タイプの多気筒内燃機関であって、ガソリンや軽油といった炭化水素系の燃料の供給を受けて動力を出力するように構成されている。エンジン2、ハイブリッドトランスアクスル3、及びパワーコントロールユニット5は、車両1の前部に設けられたエンジンコンパートメント11内に搭載されている。この車両1は、エンジン2及び/又はハイブリッドトランスアクスル3から出力された駆動力によって車輪12を回転駆動するとともに、必要に応じて、車輪12の回転駆動力から電力を回収するように構成されている。
−ハイブリッド動力伝達系−
図2は、図1に示されている車両1の機能構成の概略を示すブロック図である。以下図2を参照すると、ハイブリッドトランスアクスル3は、第一モータジェネレータ31と、第二モータジェネレータ32と、動力分割機構33と、減速機34と、を備えている。
図2は、図1に示されている車両1の機能構成の概略を示すブロック図である。以下図2を参照すると、ハイブリッドトランスアクスル3は、第一モータジェネレータ31と、第二モータジェネレータ32と、動力分割機構33と、減速機34と、を備えている。
第一モータジェネレータ31は、発電機としても電動機としても動作可能な周知の交流同期型発電電動機であって、エンジン2の回転駆動力のうちの全部又は一部を受け取ることで発電し得るように設けられている。すなわち、第一モータジェネレータ31は、エンジン2をモータリング可能に設けられている。なお、本実施形態においては、第一モータジェネレータ31は、主として発電機として機能するように設けられている。
第二モータジェネレータ32は、発電機としても電動機としても動作可能な周知の交流同期型発電電動機であって、バッテリ4及び/又は第一モータジェネレータ31から電力供給を受けることで車輪12を回転駆動するための動力を発生する一方、減速時には車輪12の回転駆動力から電力を回収し得るように設けられている。すなわち、第二モータジェネレータ32は、エンジン2をモータリング可能に設けられている。
第一モータジェネレータ31、第二モータジェネレータ32、及びエンジン2は、動力分割機構33及び減速機34を介して車輪12と結合されている。動力分割機構33は、エンジン2により出力された回転駆動力のうちの全部又は一部を第一モータジェネレータ31に伝達することで第一モータジェネレータ31における発電を可能とするとともに、エンジン2及び第二モータジェネレータ32により出力された回転駆動力を減速機34に出力することで車輪12を駆動可能に構成されている。このような車両1の動力伝達機構については周知であるので、本明細書においては、かかる機構についてのこれ以上の詳細な説明は省略する。
本実施形態においては、バッテリ4は、充放電可能なリチウムイオン電池であって、パワーコントロールユニット5におけるインバータ51を介して第一モータジェネレータ31及び第二モータジェネレータ32と電気的に接続されている。パワーコントロールユニット5は、上述のインバータ51と、電子制御ユニット52(以下、単に「ECU52」と称する。)と、を備えている。インバータ51は、バッテリ4から供給された直流電力を交流電力に変換して第一モータジェネレータ31及び第二モータジェネレータ32へ出力するとともに、第一モータジェネレータ31及び第二モータジェネレータ32から供給された交流電力を直流電力に変換してバッテリ4に出力するようになっている。
−エンジン−
図3は、図2に示されているエンジン2及びECU52の構成をより詳細に示す概略図である。なお、図3には、エンジン2の特定の気筒における、気筒配列方向と直交する面による断面図が示されているものとする。以下図3を参照すると、エンジン2は、シリンダブロック201とシリンダヘッド202とを備えている。これらは、図示しないボルト等によって、互いに固定されている。また、エンジン2(具体的にはシリンダブロック201)には、吸気通路203及び排気通路204が接続されている。
図3は、図2に示されているエンジン2及びECU52の構成をより詳細に示す概略図である。なお、図3には、エンジン2の特定の気筒における、気筒配列方向と直交する面による断面図が示されているものとする。以下図3を参照すると、エンジン2は、シリンダブロック201とシリンダヘッド202とを備えている。これらは、図示しないボルト等によって、互いに固定されている。また、エンジン2(具体的にはシリンダブロック201)には、吸気通路203及び排気通路204が接続されている。
シリンダブロック201には、気筒を構成するための略円柱形状の貫通孔である、シリンダボア211が形成されている。上述の通り、シリンダブロック201には、複数のシリンダボア211が、気筒配列方向に沿って一列に配置されている。各シリンダボア211の内側には、ピストン212が、シリンダボア211の中心軸(以下、「シリンダ中心軸」と称する。)に沿って往復移動可能に収容されている。
シリンダブロック201内には、クランクシャフト213が、気筒配列方向と平行に配置されつつ、回転可能に支持されている。クランクシャフト213は、ピストン212のシリンダ中心軸に沿った往復移動に基づいて回転駆動されるように、コンロッド214を介してピストン212と連結されている。
シリンダブロック201のシリンダ中心軸に沿った方向における一端部(ピストン212の上死点側の端部:図中上端部)には、シリンダヘッド202が接合されている。シリンダヘッド202における、シリンダブロック201側の端面には、複数の凹部が、各シリンダボア211に対応する位置に設けられている。すなわち、シリンダヘッド202がシリンダブロック201に接合及び固定された状態における、ピストン212の頂面よりもシリンダヘッド202側(図中上側)のシリンダボア211の内側の空間と、上述の凹部の内側の空間と、によって、燃焼室CCが形成されている。
シリンダヘッド202には、吸気ポート221及び排気ポート222が、燃焼室CCに連通するように設けられている。吸気ポート221には、インテークマニホールド及びサージタンク等を含む吸気通路203が接続されている。同様に、排気ポート222には、エキゾーストマニホールドを含む排気通路204が接続されている。また、シリンダヘッド202には、吸気バルブ223と、排気バルブ224と、吸気バルブ制御装置225と、排気カムシャフト226と、点火プラグ227と、イグナイタ228と、インジェクタ229と、が装着されている。
吸気バルブ223は、吸気ポート221を開閉する(すなわち吸気ポート221と燃焼室CCとの連通状態を制御する)ためのバルブである。排気バルブ224は、排気ポート222を開閉する(すなわち排気ポート222と燃焼室CCとの連通状態を制御する)ためのバルブである。吸気バルブ制御装置225は、図示しない吸気カム及び吸気カムシャフトの回転角度(位相角度)を制御するための機構(かかる機構の具体的な構成については周知なので、本明細書においてはその説明を省略する。)を備えている。排気カムシャフト226は、排気バルブ224を駆動するように構成されている。
点火プラグ227は、その先端部の火花発生電極が、燃焼室CC内に露出するように設けられている。イグナイタ228は、点火プラグ227に与える高電圧を発生するためのイグニッションコイルを備えている。インジェクタ229は、燃焼室CC内に供給するための燃料を、吸気ポート221内にて噴射するように、構成及び配置されている。
吸気通路203における、エアフィルタ231と吸気ポート221との間の位置には、スロットルバルブ232が装着されている。このスロットルバルブ232は、スロットルバルブアクチュエータ233によって回転駆動されることで、吸気通路203の開口断面積を可変とするようになっている。
排気通路204には、上流側触媒コンバータ241及び下流側触媒コンバータ242が装着されている。上流側触媒コンバータ241は、燃焼室CCから排気ポート222に排出された排気が最初に流入する排気浄化触媒装置であって、下流側触媒コンバータ242よりも排気流動方向における上流側に設けられている。上流側触媒コンバータ241及び下流側触媒コンバータ242は、酸素吸蔵機能を有する三元触媒を内部に備えていて、排気中のCO及びHC等の未燃成分並びにNOxを同時に浄化可能に構成されている。
−制御系−
車両1には、冷却水温センサ501、カムポジションセンサ502、クランクポジションセンサ503、エアフローメータ504、スロットルポジションセンサ506、アクセル開度センサ507、等の各種センサが備えられている。
車両1には、冷却水温センサ501、カムポジションセンサ502、クランクポジションセンサ503、エアフローメータ504、スロットルポジションセンサ506、アクセル開度センサ507、等の各種センサが備えられている。
冷却水温センサ501は、シリンダブロック201に装着されていて、シリンダブロック201内の冷却水温Twに対応する信号を出力するようになっている。カムポジションセンサ502は、シリンダヘッド202に装着されていて、吸気バルブ223を往復移動させるための上述の不図示の吸気カムシャフト(吸気バルブ制御装置225に含まれている)の回転角度に応じたパルスを有する波形の信号(G2信号)を出力するようになっている。クランクポジションセンサ503は、シリンダブロック201に装着されていて、クランクシャフト213の回転角度に応じたパルスを有する波形の信号を出力するようになっている。
エアフローメータ504は、吸気通路203に装着されている。このエアフローメータ504は、周知の熱線式エアフローメータであって、吸気通路203内を流れる吸入空気の温度である吸気温度に対応する信号を出力するとともに、当該吸入空気の単位時間あたりの質量流量である吸入空気流量Gaに対応する信号を出力するようになっている。
エンジンコンパートメント内温度センサ505は、エンジンコンパートメント11(図1参照)内における、エンジン2の近傍に装着されている。このエンジンコンパートメント内温度センサ505は、エンジンコンパートメント11内の空気の温度に対応する信号を出力するようになっている。
スロットルポジションセンサ506は、スロットルバルブ232に対応する位置に配置されている。このスロットルポジションセンサ506は、スロットルバルブ232の実際の回転位相(すなわちスロットルバルブ開度TA)に対応する信号を出力するようになっている。アクセル開度センサ507は、運転者によるアクセルペダル508の操作量(アクセル操作量PA)に対応する信号を出力するようになっている。
本発明の各手段を構成するECU52は、CPU521と、ROM522と、RAM523と、バックアップRAM524と、インターフェース525と、双方向バス526と、を備えている。CPU521、ROM522、RAM523、バックアップRAM524、及びインターフェース525は、双方向バス526によって互いに接続されている。
ROM522には、CPU521が実行するルーチン(プログラム)、このルーチンの実行時に参照されるテーブル(ルックアップテーブル、マップを含む)、等が、予め格納されている。RAM523は、CPU521がルーチンを実行する際に、必要に応じてデータを一時的に格納するようになっている。
バックアップRAM524は、電源が投入された状態でCPU521がルーチンを実行する際にデータを格納するとともに、格納したデータを電源遮断後も保持するようになっている。具体的には、バックアップRAM524は、取得(検出又は推定)された運転状態パラメータの一部、上述のテーブルの一部、当該テーブルの補正(学習)結果、等を、上書き可能に格納するようになっている。
インターフェース525は、車両1における各種の動作部(第一モータジェネレータ31、第二モータジェネレータ32、吸気バルブ制御装置225、イグナイタ228、インジェクタ229、等。)及び上述の各種センサと、電気的に接続されている。すなわち、インターフェース525は、上述の各種センサからの検出信号をCPU521に伝達するとともに、上述の各種動作部を駆動するための駆動信号(これはCPU521にて上述の検出信号に基づいて演算すなわち上述のルーチンの実行が行われることで発生する。)を当該動作部に伝達するようになっている。
−実施形態の構成による動作の概要−
本実施形態においては、ECU52は、車両1の起動中におけるエンジン2の間欠運転が可能なように、当該車両1の各部(具体的にはエンジン2及びハイブリッドトランスアクスル3の動作)を制御する。また、ECU52は、エンジンコンパートメント内温度センサ505の出力に基づいてエンジンコンパートメント11内の温度を取得するとともに、かかるエンジンコンパートメント11内の温度の取得値に基づいて、間欠運転中におけるエンジン2の始動要求時のモータリング実施状態を制御する。
本実施形態においては、ECU52は、車両1の起動中におけるエンジン2の間欠運転が可能なように、当該車両1の各部(具体的にはエンジン2及びハイブリッドトランスアクスル3の動作)を制御する。また、ECU52は、エンジンコンパートメント内温度センサ505の出力に基づいてエンジンコンパートメント11内の温度を取得するとともに、かかるエンジンコンパートメント11内の温度の取得値に基づいて、間欠運転中におけるエンジン2の始動要求時のモータリング実施状態を制御する。
具体的には、ECU52は、間欠運転中におけるエンジン2の始動要求時にてエンジンコンパートメント11内の温度が所定温度以上である場合には、エンジン2(インジェクタ229)にて燃料噴射を行わずにモータリングを行う。また、ECU52は、このようにしてモータリングが開始された後、エンジンコンパートメント11内の温度が上述の所定温度よりも低くなった場合には、モータリングを終了してエンジン2にて燃料噴射を行う。一方、ECU52は、上述の始動要求時にてエンジンコンパートメント11内の温度が上述の所定温度よりも低い場合には、モータリングを行わずにエンジン2にて燃料噴射を行う。
すなわち、車両1において、間欠運転中におけるエンジン2の停止の間に、エンジンコンパートメント11内の温度が、エンジン2等からの放熱によって上昇する場合がある(例えば、高負荷走行の直後の停車中等。)。この場合、吸気通路203内の空気の温度も上昇する。
このような状態でエンジン2の始動要求があったとき、エンジン2をこのまま始動すると、始動時の吸気温度が高温となる。また、吸気温度が高くなると、ノッキング抑制のために、点火時期が遅角補正される(例えば、特開2010−195306号公報)。よって、間欠運転中におけるエンジン2の停止の間に吸気温度が高温となる場合には、引き続く始動要求によりエンジン2をこのまま始動すると、エンジン出力トルクの低下や燃費悪化が生じてしまう。
そこで、本実施形態においては、間欠運転中におけるエンジン2の停止の間にエンジンコンパートメント11内の温度上昇により吸気温度が高温となる場合には、モータリングが行われる。これにより、エンジン2における出力トルクの低下や、燃費の悪化が、良好に抑制される。
もっとも、モータリング開始後しばらくすると、内部の高温の空気の大部分がエンジン2に吸入されて消費されるとともに、外部の空気が導入されることでエンジンコンパートメント11内の温度が下がる。これにより、吸気温度が下がる。したがって、本実施形態においては、エンジンコンパートメント11内の温度が或る程度まで下がった段階で、モータリングが終了して燃料噴射が行われる。これにより、間欠運転中におけるエンジン2の始動が良好に行われる。
ここで、図4及び図5は、エンジン回転数Ne、吸気温度Tia、及び吸気管負圧Pinの時間経過を示すグラフである。なお、図5は、図4のうちの一部を時間軸方向について拡大したものである。図4における一点鎖線で囲まれた部分のように、間欠運転中におけるエンジン2の停止の間、エンジンコンパートメント11内の温度上昇に伴って吸気温度が上昇する。その後、エンジン2の始動により、図4における二点鎖線で囲まれた部分のように、高温の空気が消費されるに伴って吸気温度が低下する。
上述のように、吸気温度は、エンジンコンパートメント11や吸気通路203内への空気の流出入の影響で変化する。その一方で、吸気温度の変化と吸気圧の変化との相関は小さい(特に図5参照)。このため、間欠運転中におけるエンジン2の停止の間の吸気温度は、吸気圧やその変化によって精度よく推定することができない。よって、本実施形態においては、エアフローメータ504によって検出された吸気温度Tia、あるいは、エンジンコンパートメント内温度センサ505によって検出されたエンジンコンパートメント11内の温度Tecに基づいて、モータリングの実施判定が行われる。
−動作の具体例−
図4は、本実施形態において実行される制御の内容を示したフローチャートである。なお、このフローチャートにおいて、「ステップ」は「S」と略記されている。
図4は、本実施形態において実行される制御の内容を示したフローチャートである。なお、このフローチャートにおいて、「ステップ」は「S」と略記されている。
まず、ステップ410において、現在の運転状況が間欠運転モードにあるか(すなわち所定の間欠運転許可条件が満足されているか)否かが判定される。現在の運転状況が間欠運転モードにある場合(ステップ410=Yes)、処理がステップ420に進行する。
ステップ420においては、現在、間欠運転モードにおけるエンジン2の停止中であるか否かが判定される。間欠運転モードにおけるエンジン2の停止中である場合(ステップ420=Yes)、処理がステップ430に進行する。
ステップ430においては、間欠運転モードにおけるエンジン2の停止中にエンジン2の始動要求があったか否かが判定される。間欠運転モードにおけるエンジン2の停止中にエンジン2の始動要求があった場合(ステップ430=Yes)、処理がステップ440に進行する。
ステップ440においては、判定用温度Tinが所定温度Tin0(モータリング開始判定温度)以上であるか否かが判定される。ここで、本具体例においては、判定用温度Tinとして、エンジンコンパートメント内温度センサ505の出力に基づくエンジンコンパートメント11内の温度Tecが用いられているものとする。
判定用温度Tinが所定温度Tin0以上である場合(ステップ440=Yes)、処理がステップ450及び460に進行した後、処理がステップ470に進行する。一方、判定用温度Tinが所定温度Tin0より低い場合(ステップ440=No)、ステップ450及び460の処理がスキップされ、処理がステップ470に進行する。
すなわち、エンジンコンパートメント11内の温度が高温である場合(ステップ440=Yes)、エンジン2にてモータリングが実施される(ステップ450:このとき当然燃料噴射はカットされる)。その後、判定用温度Tinが所定温度Tin1(モータリング終了判定温度)より低くなったか否かが判定される(ステップ460)。
判定用温度Tinが所定温度Tin1より低くなった段階で(ステップ460=Yes)、処理がステップ470に進行し、モータリングが終了してエンジン2が始動される(すなわちインジェクタ229による燃料噴射が行われる)。ここで、本具体例においては、制御の安定性に考慮して、ステップ460における所定温度Tin1は、ステップ440における所定温度Tin0よりも若干(例えば数十℃程度)低く設定されているものとする。
一方、エンジンコンパートメント11内の温度が比較的低温である場合(ステップ440=No)、始動要求(ステップ430=Yes)により直ちにエンジン2が起動される(すなわちインジェクタ229による燃料噴射が行われる)。
−変形例−
なお、上述の実施形態は、上述した通り、出願人が取り敢えず本願の出願時点において最良であると考えた本発明の代表的な実施形態を単に例示したものにすぎない。よって、本発明はもとより上述の実施形態に何ら限定されるものではない。したがって、本発明の本質的部分を変更しない範囲内において、上述の実施形態に対して種々の変形が施され得ることは、当然である。
なお、上述の実施形態は、上述した通り、出願人が取り敢えず本願の出願時点において最良であると考えた本発明の代表的な実施形態を単に例示したものにすぎない。よって、本発明はもとより上述の実施形態に何ら限定されるものではない。したがって、本発明の本質的部分を変更しない範囲内において、上述の実施形態に対して種々の変形が施され得ることは、当然である。
以下、代表的な変形例について、幾つか例示する。もっとも、言うまでもなく、変形例とて、以下に列挙されたものに限定されるものではない。また、複数の変形例が、技術的に矛盾しない範囲内において、適宜、複合的に適用され得る。
本発明(特に、本発明の課題を解決するための手段を構成する各構成要素における、作用的あるいは機能的に表現されているもの)は、上述の実施形態や、下記変形例の記載に基づいて限定解釈されてはならない。このような限定解釈は、(先願主義の下で出願を急ぐ)出願人の利益を不当に害する反面、模倣者を不当に利するものであって、許されない。
本発明は、上述の実施形態にて開示された具体的な装置構成に限定されない。例えば、本発明は、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、メタノールエンジン、バイオエタノールエンジン、その他任意のタイプの内燃機関に適用可能である。気筒数、気筒配列方式(直列、V型、水平対向)、燃料供給方式、着火方式も、特に限定はない。
吸気ポート221内にて燃料噴射を行うためのインジェクタ229とともに、あるいはこれに代えて、燃焼室CC内に燃料を直接噴射するための筒内噴射弁が設けられていてもよい(例えば特開2007−278137号公報等参照)。かかる構成に対しても、本発明は好適に適用される。
本発明は、上記の実施形態にて開示された具体的な処理態様に限定されない。例えば、或るセンサで取得(検出)された運転状態パラメータは、他のセンサで取得(検出)された他の運転状態パラメータや、これを用いたオンボード推定値に代用され得る。
すなわち、例えば、上述の具体例の処理における温度Tinとして、エンジンコンパートメント内温度センサ505の出力に基づくエンジンコンパートメント11内の温度Tecに代えて、エアフローメータ504によって検出された吸気温度Tiaに基づいて推定あるいは算出されたエンジンコンパートメント11内の温度が用いられ得る。この場合、エンジンコンパートメント内温度センサ505は省略され得る。
あるいは、上述の具体例の処理における温度Tinとして、エアフローメータ504によって検出された吸気温度Tia、あるいは、これをエンジンコンパートメント内温度センサ505の出力に基づくエンジンコンパートメント11内の温度Tecによって補正することによって得られた値Tcaが用いられ得る。
Tca=K・Tia
K=MapK(Tec)
(この補正係数Kのマップは実験あるいは計算機シミュレーションによって予め取得されROM522あるいはバックアップRAM524に格納され得る。)
Tca=K・Tia
K=MapK(Tec)
(この補正係数Kのマップは実験あるいは計算機シミュレーションによって予め取得されROM522あるいはバックアップRAM524に格納され得る。)
図4のステップ460の処理における「Tin1」は、「Tin0」と同じ値であってもよい。あるいは、図4のステップ460の処理は、エアフローメータ504の出力に基づいて得られる全筒内吸気量の、モータリング開始後の積算値が、所定値(例えば70g)を超えたか否かの判定に置き換えられ得る。あるいは、図4のステップ460の処理は、今回のモータリング開始からのモータリング継続時間が所定の上限時間(例えば5秒)を超えたか否かの判定に置き換えられ得る。
その他、特段に言及されていない変形例についても、本発明の本質的部分を変更しない範囲内において、本発明の範囲内に含まれることは当然である。また、本発明の課題を解決するための手段を構成する各要素における、作用的あるいは機能的に表現されている要素は、上述の実施形態や変形例にて開示されている具体的構造の他、当該作用あるいは機能を実現可能ないかなる構造をも含む。さらに、本明細書にて引用した各公報の内容(明細書及び図面を含む)は、本明細書の一部を構成するものとして援用され得る。
Claims (4)
- エンジンコンパートメント内に配置されたエンジンと、このエンジンをモータリング可能な電動機と、備えたハイブリッド車両を、当該ハイブリッド車両の起動中に前記エンジンを間欠運転可能に制御する、ハイブリッド車両制御装置であって、
前記エンジンコンパートメント内の温度を取得する、温度取得手段と、
前記間欠運転中における前記エンジンの始動要求時にて、前記温度取得手段によって取得された前記温度が所定温度以上である場合には、前記エンジンにて燃料噴射を行わずにモータリングを行う、モータリング制御手段と、
を備えたことを特徴とする、ハイブリッド車両制御装置。 - 請求項1に記載の、ハイブリッド車両制御装置であって、
前記モータリング制御手段は、前記始動要求時にて前記温度が前記所定温度以上であったためにモータリングが開始された後、前記温度が前記所定温度よりも低くなった場合には、モータリングを終了して前記エンジンにて燃料噴射を行うことを特徴とする、ハイブリッド車両制御装置。 - エンジンコンパートメント内に配置されたエンジンと、このエンジンをモータリング可能な電動機と、備えたハイブリッド車両を、当該ハイブリッド車両の起動中に前記エンジンを間欠運転可能に制御する、ハイブリッド車両制御装置であって、
前記エンジンの吸気温度を取得する、温度取得手段と、
前記間欠運転中における前記エンジンの始動要求時にて、前記温度取得手段によって取得された前記吸気温度が所定温度以上である場合には、前記エンジンにて燃料噴射を行わずにモータリングを行う、モータリング制御手段と、
を備えたことを特徴とする、ハイブリッド車両制御装置。 - 請求項3に記載の、ハイブリッド車両制御装置であって、
前記モータリング制御手段は、前記始動要求時にて前記吸気温度が前記所定温度以上であったためにモータリングが開始された後、前記吸気温度が前記所定温度よりも低くなった場合には、モータリングを終了して前記エンジンにて燃料噴射を行うことを特徴とする、ハイブリッド車両制御装置。
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CN110239552A (zh) * | 2018-03-09 | 2019-09-17 | 丰田自动车株式会社 | 车辆驾驶系统 |
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- 2012-01-27 JP JP2013555072A patent/JPWO2013111313A1/ja active Pending
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