JPWO2013108611A1 - バンドパスフィルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】増幅回路の入力側へのクロックリークを防止すると共に通過帯域外での信号減衰性に優れたバンドパスフィルタを提供する。【解決手段】入力端子と出力端子との間に接続された増幅器(102)と、増幅器の出力と接地との間に接続され増幅器から出力される信号の周波数が所定通過帯域内であるか否かに応じてインピーダンスを変化させるインピーダンス周波数変換回路(101)と、増幅器の出力と入力との間に接続された帰還回路(103)と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明はインピーダンス周波数変換器を用いたバンドパスフィルタに関する。
無線信号を受信する際、妨害信号によって受信回路が飽和することのないように所望帯域外の信号を抑圧するバンドパスフィルタが必要であり、このようなフィルタが種々提案されている。たとえば、特許文献1には、受動ミキサに無線周波数(RF)信号とクロック信号(局部発振周波数信号)とを入力し、その出力を容量インピーダンスを介して接地した構成を有する回路(インピーダンス周波数変換回路)が開示されている。このような回路構成では、受動ミキサのクロック信号の周波数の分だけ周波数変換されることを利用して高い周波数帯において狭い通過帯域幅を実現することができる。この受動ミキサと容量インピーダンスで構成されるインピーダンス周波数変換回路をソース接地増幅回路の前に配置すれば、例えば特許文献1のFIG.10に示すように、前段のアンテナ等のインピーダンスとあわせてバンドパスフィルタを構成することができ、帯域外の不要な妨害信号の電力が増幅回路に入力されることを回避できる。
米国特許出願公開第2010/0267354号明細書
しかしながら、上記特許文献1に開示されたバンドパスフィルタでは、以下に示すような課題がある。
まず、増幅回路の前段にインピーダンス周波数変換回路を配置したバンドパスフィルタでは、周波数変換のためのクロック信号が入力側に漏れ出してしまうという問題がある。増幅回路の前段にアンテナが存在する場合には、クロック信号のリークが電波として放射されてしまう。さらに、帯域外での減衰量を増すために多段に接続すると、通過帯域内での平坦性が損なわれる。また、所望信号帯域が広い場合にはフィルタ通過帯域を広く設定する必要があるが、このことは通過帯域外の妨害信号を大きく減衰させることを困難にする。
そこで、本発明の目的は、増幅回路の入力側へのクロックリークを防止すると共に通過帯域外での信号減衰性に優れたバンドパスフィルタを提供することである。
本発明によれば、入力端子と出力端子と有するバンドパスフィルタであって、前記入力端子と前記出力端子との間に接続された増幅器と、前記増幅器の出力と接地との間に接続され、前記増幅器から出力される信号の周波数が所定通過帯域内であるか否かに応じてインピーダンスを変化させるインピーダンス周波数変換回路と、前記増幅器の出力と入力との間に接続された帰還回路と、を有することを特徴とする。
本発明によれば増幅回路の入力側へのクロックリークを防止すると共に通過帯域外での信号減衰性に優れたバンドパスフィルタを得ることができる。
図1は本発明の第1実施形態によるバンドパスフィルタの構成を示すブロック図である。 図2(A)はインピーダンス周波数変換器の構成例を示す回路図、図2(B)はクロック信号のタイムチャート、図2(C)は増幅器の構成例を示す回路図、図2(D)は帰還回路の構成例を示す回路図である。 図3は本発明の第2実施形態によるバンドパスフィルタの構成を示すブロック図である。 図4は可変周波数発振回路の構成例を示す回路図である。 図5はクロック生成回路の構成例を示す回路図である。 図6は本発明の第3実施形態によるバンドパスフィルタの構成を示すブロック図である。 図7は本発明の第4実施形態によるバンドパスフィルタの構成を示すブロック図である。 図8(A)はインピーダンス周波数変換器の構成例を示す回路図、図8(B)はダブルバランスミキサお構成例を示す回路図、図8(C)は増幅器の構成例を示す回路図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下で説明する全ての図面において同一の構成要素には同一の符号を付している。
1.第1実施形態
図1に示すように、本発明の第1実施形態によるバンドパスフィルタ100は、インピーダンス周波数変換回路101、増幅器102および帰還回路103から構成される。より詳しくは、増幅器102の入力および出力はバンドパスフィルタ100の入力端子INおよび出力端子OUTにそれぞれ接続され、さらに増幅器102の出力はインピーダンス周波数変換回路101を介して接地され、増幅器102の入出力間が帰還回路103により接続されている。
インピーダンス周波数変換回路101は、後述するように、クロック信号CKの周波数fの近傍で高インピーダンス、それ以外では低インピーダンスとなる負荷として作用する。したがって、インピーダンス周波数変換回路101と増幅器102とからなる系の周波数特性は、クロック信号CKの周波数fを中心とする所定周波数範囲の入力信号が通過し、それ以外の周波数成分の入力信号(妨害信号)が通過しないバンドパスフィルタ特性となる。
さらに、このバンドパスフィルタ特性は、帰還回路103を介して、増幅器102の入力インピーダンスの周波数特性に反映する。すなわち、増幅器102と帰還回路103からなる系の入力インピーダンスは、広帯域にわたって所望のインピーダンス(例えば50Ω)となるよう素子値を選んでおけば、インピーダンス周波数変換回路101によるバンドパスフィルタ特性の狭帯域でのインピーダンス整合が可能になる。すなわち、クロック周波数fから大きく離れた位置に存在する妨害信号の電力の増幅器102への入力を防止できる。同時に、インピーダンス周波数変換回路101と増幅器102の入力端子との間に帰還回路103が挿入されているので、インピーダンス周波数変換回路101で発生するクロック信号の増幅器102の入力側へのリーク量を大幅に削減することができる。
以下、図1に示すバンドパスフィルタ100の具体的な構成例を図2を参照しながら説明する。
インピーダンス周波数変換回路101は、図2(A)に示すように、クロック信号CK−CKがそれぞれゲートに印加されるNMOS(N-channel Metal-Oxide-Semiconductor)トランジスタQ0−Q3と、それぞれのNMOSトランジスタに直列接続されたキャパシタC0−C3とで構成され、NMOSトランジスタ側が出力端子OUTに接続されキャパシタ側が接地されている。NMOSトランジスタQ0−Q3はゲート電圧がハイレベルになるときに閉状態となるスイッチとして動作し、図2(B)に示すクロック信号CK−CKが印加されることで、全体としてシングルバランスミキサとして動作する。キャパシタはバラクタやスイッチで切り替え可能な容量アレイを使った可変容量としてもよく、容量値に応じて通過帯域幅を変化させることができる。図2(B)に示すように、クロック信号CK−CKは同一周波数fで位相が90度ずつずれた4相の信号であり、互いに同時にハイレベルとなることはない。
増幅器102は、図2(C)に示すように、ソース端子が接地されたNMOSトランジスタQ4と電流源負荷によって構成され、ゲート端子に入力された電圧に対応する電流を出力する電圧電流変換機能を有する。また、増幅器102は電圧電流変換利得を変化させることができる可変増幅器であってもよい。この電圧電流変換利得は通過帯域幅と通過帯域利得に応じて決定される。
帰還回路103は抵抗、キャパシタおよび/またはインダクタなどの受動素子で構成することができるが、図2(D)に示すように、ソースフォロワのようなトランジスタQ5を有する能動回路であってもよい。
2.第2実施形態
本発明の第2実施形態によるバンドパスフィルタ100bは、クロック周波数を変更することによって中心周波数およびインピーダンス整合する周波数を変化させることができる。
図3において、可変周波数発振回路201およびクロック生成回路202を設けた点が上述した第1実施形態(図1)との相違点である。したがって、図1に示す第1実施形態と同じ機能を有するブロックには同一参照番号を伏して説明は省略する。
可変周波数発振回路201は、図4に示すように、インダクタL1,L2と、N対のバラクタVDと、クロスカップル接続されたNMOSトランジスタQ10、Q11と、電流源とで構成され、各バラクタ対の制御電圧値を制御することによって発振周波数を変化させる。なお、所望の発振周波数の信号を得るために位相同期ループ(PLL)回路を構成することが望ましい。
クロック生成回路202は、図5に示すように、遅延型フリップフロップ(DFF)210,211と論理積(AND)ゲート212−215とで構成される。DFF210および211は周波数2fの差動信号IN、INBを2分周し、DFF210および211が出力する4相の信号がANDゲート212−215で互いに論理積がとられることで、図2(B)に示すようなデューティ比が25%の4相のクロック信号CK−CKがそれぞれ出力される。
なお、ここでは、インダクタと容量を用いた可変周波数発振器201と分周器としてのDFF210および211を用いて4相の信号を生成しているが、インバータ遅延などを用いたリング型の発振器を用いることもできる。具体的には、シングルエンドのインバータ4段または差動のインバータ2段のリング型発振器によって、分周器を用いることなく、4相の信号が得られる。
3.第3実施形態
本発明の第3実施形態によるバンドパスフィルタ100cは、図1に示す回路を2段カスケード接続した構成を有する。
図6に示すように、本実施形態によるバンドパスフィルタ100cの第1段は図1に示す回路であり、第1段と基本的の同じ回路構成を有する第2段が第1段の出力を入力として同様に動作する。すなわち、第2段はインピーダンス周波数変換回路301、増幅器302および帰還回路303から構成され、同様に配線されている。このようにバンドパスフィルタを2段カスケード接続したことによって、通過帯域外での減衰量を改善することができる。加えて、増幅器102および302と帰還回路103および303の素子値によって、通過帯域内の平坦性を改善することができる。
具体例として、インピーダンス周波数変換回路101、301、増幅器102、302はそれぞれ同一の回路とし、帰還回路103および303は抵抗素子とした場合について説明する。増幅器102、302の電圧電流変換利得をGm、帰還回路103、303の抵抗素子値をR,Rとすれば、
(2R+R)/√(R(1−Gm・R))=√2
を満たす素子値を選択することによって、通過域内が最大で平坦となるバタワース特性のバンドパスフィルタを得ることができる。
なお、通過帯域幅はインピーダンス周波数変換回路101および301の容量値C0−C3を切り替えることによって変更可能となる。すなわち、多段に接続することによって、通過帯域内での平坦性を確保しつつ、通過帯域外での減衰量を改善することができる。また、通過帯域内の利得は、(1+Gm・R)(1+Gm・R)/(1―Gm・R)で決定され、電圧電流変換利得や抵抗値によって可変である。
また、ここではバタワース特性のバンドパスフィルタを得るための条件を説明したが、素子値に応じて、例えばチェビシェフ特性のバンドパスフィルタなどを構成することもできる。これによって、通過域内でのリップルを許容する代わりに、バタワース特性の場合と比較して、帯域外でより大きな減衰量を持ったバンドパスフィルタを構成することができる。
なお、図6では増幅器102および302のいずれにも帰還回路103および303が接続されているが、必ずしも全ての増幅器にそれぞれ帰還回路を接続する必要はなく、たとえば増幅回路302の出力端子から増幅回路102の入力端子への1つの帰還回路を接続してもよい。また、本実施形態では、2段のカスケード接続を例示したが、これに限定されるものではなく、より急峻な遮断特性を得るために3段以上のカスケード接続をしてもよい。
4.第4実施形態
本発明の第4実施形態によるバンドパスフィルタ100dは、図1に示す第1実施形態と比較して、インピーダンス周波数変換回路401、増幅回路402、帰還回路403が差動構成となっている点が異なる。回路を差動構成にすることによって、電源に重畳する雑音や、コモンモード雑音、クロックリークなどに対する耐性に優れたフィルタを構成できる。また、扱える信号振幅が倍になることから、ダイナミックレンジを拡大することもできる。
インピーダンス周波数変換回路401は、図8(A)に示すように、ダブルバランスミキサ1101および1102とキャパシタC0−C3で構成される。ダブルバランスミキサ1101は図8(B)に示すようにNMOSトランジスタQ20-Q23からなる構成を有し、ダブルバランスミキサ1102もクロック信号が異なるだけで同じ回路構成を有する。増幅器402は、図8(C)に示すように、NMOSトランジスタQ30、Q31からなる差動増幅器であり、テール電流源を備えていることを除けば、図2(C)に示す増幅器と同様である。また、帰還回路403は、第1実施形態と同様、抵抗、キャパシタおよび/またはインダクタなどの受動素子でもよいし、図2(D)に示したソースフォロワなどの能動素子を含む回路であってもよい。
5.効果
上述したように、本発明の実施形態によれば、増幅器入力側にインピーダンス周波数変換回路は配置されないため、入力側へのクロックリークを避けつつ、帯域外の妨害信号の電力の増幅器への入力を防止できる。これは、本フィルタは狭帯域での入力インピーダンス整合が取れることを意味している。整合される周波数およびフィルタ中心周波数をクロック周波数fに応じて変えることができるという効果もある。さらに、多段に接続した場合に、帰還量を含む変数を最適に設計することで、通過帯域内での平坦性を確保しつつ通過帯域外での減衰量を改善することが可能となる。
本発明は無線通信機における無線受信段のバンドパスフィルタに利用可能である。
100、100b、100c、100d バンドパスフィルタ
101、301、401 インピーダンス周波数変換回路
102、302、402 増幅器
103、303、403 帰還回路
201 可変周波数発振器
202 クロック生成回路

Claims (10)

  1. 入力端子と出力端子と有するバンドパスフィルタであって、
    前記入力端子と前記出力端子との間に接続された増幅器と、
    前記増幅器の出力と接地との間に接続され、前記増幅器から出力される信号の周波数が所定通過帯域内であるか否かに応じてインピーダンスを変化させるインピーダンス周波数変換回路と、
    前記増幅器の出力と入力との間に接続された帰還回路と、
    を有することを特徴とするバンドパスフィルタ。
  2. 前記増幅器は入力電圧を電流に変換する電圧電流変換器であり、前記増幅器の出力周波数が前記所定通過帯域内であれば前記インピーダンス周波数変換回路が高インピーダンスとなり、前記所定通過帯域外であれば前記インピーダンス周波数変換回路が低インピーダンスとなる、ことを特徴とする請求項1に記載のバンドパスフィルタ。
  3. 前記インピーダンス周波数変換回路は、前記増幅器の出力を入力する受動ミキサと、前記受動ミキサの出力と前記接地との間に接続されたキャパシタと、を有し、前記受動ミキサに入力するクロック信号の周波数によって前記所定通過帯域の中心周波数を設定することを特徴とする請求項1または2に記載のバンドパスフィルタ。
  4. 前記キャパシタは可変容量キャパシタであり、その容量値に応じて前記所定通過帯域の幅が決定されることを特徴とする請求項3に記載のバンドパスフィルタ。
  5. 可変周波数発振器およびクロック生成器をさらに有し、前記可変周波数発振器の周波数に応じて前記クロック信号の周波数を変化させることを特徴とする請求項3または4に記載のフィルタ。
  6. 入力端子と出力端子と有するバンドパスフィルタであって、
    前記入力端子と前記出力端子との間に複数のフィルタ回路がカスケード接続され、
    各フィルタ回路が、
    前記入力端子あるいは前段のフィルタ回路の出力を入力に接続し、後段のフィルタ回路の入力あるいは前記出力端子を出力に接続した増幅器と、
    前記増幅器の出力と接地との間に接続され、前記増幅器から出力される信号の周波数が所定通過帯域内であるか否かに応じてインピーダンスを変化させるインピーダンス周波数変換回路と、
    前記増幅器の出力と入力との間に接続された帰還回路と、
    を有することを特徴とするバンドパスフィルタ。
  7. 入力端子と出力端子と有するバンドパスフィルタであって、
    前記入力端子と前記出力端子との間に複数のフィルタ回路がカスケード接続され、
    各フィルタ回路が、
    前記入力端子あるいは前段のフィルタ回路の出力を入力に接続し、後段のフィルタ回路の入力あるいは前記出力端子を出力に接続した増幅器と、
    前記増幅器の出力と接地との間に接続され、前記増幅器から出力される信号の周波数が所定通過帯域内であるか否かに応じてインピーダンスを変化させるインピーダンス周波数変換回路と、
    を有し、
    最後尾のフィルタ回路の増幅器の出力と最前列のフィルタ回路の増幅器の入力との間に帰還回路が接続されたことを特徴とするバンドパスフィルタ。
  8. 前記増幅器は入力電圧を電流に変換する電圧電流変換器であり、前記増幅器の出力周波数が前記所定通過帯域内であれば前記インピーダンス周波数変換回路が高インピーダンスとなり、前記所定通過帯域外であれば前記インピーダンス周波数変換回路が低インピーダンスとなる、ことを特徴とする請求項6または7に記載のバンドパスフィルタ。
  9. 前記インピーダンス周波数変換回路は、前記増幅器の出力を入力する受動ミキサと、前記受動ミキサの出力と前記接地との間に接続されたキャパシタと、を有し、前記受動ミキサに入力するクロック信号の周波数によって前記所定通過帯域の中心周波数を設定することを特徴とする請求項6−8のいずれか1項に記載のバンドパスフィルタ。
  10. 前記キャパシタは可変容量キャパシタであり、その容量値に応じて前記所定通過帯域の幅が決定されることを特徴とする請求項9に記載のバンドパスフィルタ。
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