JPWO2013100069A1 - 炉内撮像方法、炉内撮像システムおよびガラス物品の製造方法 - Google Patents

炉内撮像方法、炉内撮像システムおよびガラス物品の製造方法 Download PDF

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Abstract

高温の炉内の溶融ガラスを観察対象として溶融ガラスを撮像する場合に、良好なコントラストの画像を得ることができる炉内撮像方法を提供する。炉内の溶融ガラスを炉内の構造物とともに撮像し、画像を生成する。そして、その画像を所定のパラメータを用いて補正する。また、補正前の画像を用いて、画像内で構造物に該当する領域として予め定められた所定領域の各画素の輝度値の統計量を算出し、その統計量に基づいて、所定のパラメータの値を算出する。

Description

本発明は、高温の炉内を撮像して画像を得る炉内撮像方法、炉内撮像システム、およびその炉内撮像方法を適用したガラス物品の製造方法に関する。
高温の炉内を観察する技術が種々提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。特許文献1には、コークス炉、高炉等の高温炉における壁面状態を炉の外部から観察するための高温炉壁面観察装置が記載されている(特許文献1の第2頁の右下段の19行目〜第3頁の左上段の2行目参照)。特許文献1に記載された装置には、炉壁を撮像し、撮像した画像を炉壁外部に供給するTVカメラと、TVカメラに透過する炉内光量を印加電圧に応じて調整する光量調整素子とが設けられている。炉内温度が変化すると壁面の明るさが変化する。そして、操作者は、TVカメラによって撮像された画像を観察しながら、遠隔操作で光量調整素子への印加電圧値を変えて、TVカメラへの透過光量を調整する。
また、特許文献2には、炉壁の窪みや亀裂を検出するために、炉壁を撮像する炉内観察装置が記載されている(特許文献2の段落0041参照)。特許文献2に記載の装置では、炉の外部から炉壁にレーザ光を照射し、炉壁によるレーザの反射光および炉壁の放射光により炉壁を撮像する。このとき、特許文献2に記載の装置は、反射レーザ光の受光強度が放射光の受光強度よりも大きくなるようにシャッタースピードを短くする。
日本特開昭64−71384号公報 日本特開2010−133950号公報
特許文献1に記載の発明では、炉壁自体が観察対象であり、その観察対象の画像に基づいて、画像撮像時のパラメータ(具体的には、TVカメラへの透過光量)を変化させる。このように、特許文献1に記載された技術では、観察対象を撮像し、その観察対象の画像自体に基づいて、撮像時のパラメータを変化させることで、鮮明な画像を得ることができる。また、特許文献2に記載の発明でも、炉壁自体が観察対象であり、炉壁の状態(炉壁からの放射光の受光強度)等に基づいて炉壁の撮像時のパラメータ(シャッタースピード)を変化させる。
しかし、観察対象の画像自体に基づいて、画像を得る際に用いるパラメータを変化させることが好ましくない場合もある。以下、この場合について具体的に説明する。
ガラス板等のガラス物品を製造する際に、溶融ガラスを観察する場合がある。ガラス原料を溶融させて製造した溶融ガラスには初期状態で泡が存在する。この泡は、ガラス溶融炉である原料を溶解する溶解槽や、この泡を溶融ガラスから除去(即ち、清澄)するための清澄槽等で発生する。ここでは、清澄槽の内部の溶融ガラスを観察する場合を例に説明する。観察対象である溶融ガラスを撮像し、溶融ガラスの画像に基づいて、画像を得る際に用いるパラメータを変化させると仮定する。一般には、観察対象の物体の温度が高くなれば、その物体から放射される光の明るさも上昇するので、その明るさに応じて、観察対象の物体の画像を得る際に用いるパラメータを変化させることで良好な画像が得られると考えられる。しかし、溶融ガラスの液面部分では状態が時間の経過とともに変化するため、溶融ガラスの温度とは別の要因で明るさが変化する。例えば、泡が通過したり、液面部分に泡が集合または積層して形成された泡層が発生したりすれば明るくなる。また、清澄槽の底面に対する液面の位置が変化すれば、画像上に固定された点では評価位置が変化して明るさが変わり、溶融ガラス面に固定された点であれば反射先が変化するため明るさが変わる。これらの明るさ変化の影響を除去し、温度の影響のみを抽出することは容易ではない。そのため、溶融ガラスの表面の画像に基づいて、画像を得る際に用いるパラメータを変化させたとしても、良好なコントラストの画像を得ることが難しい。
そこで、本発明は、高温の炉内の溶融ガラスを観察対象として溶融ガラスを撮像する場合に、良好なコントラストの画像を得ることができる炉内撮像方法、炉内撮像システム、および、その炉内撮像方法を適用したガラス物品の製造方法を提供することを目的とする。
本発明による炉内撮像方法は、観察対象である炉内の溶融ガラスを撮像する炉内撮像方法であって、溶融ガラスを炉内の構造物とともに撮像し、画像を生成する撮像ステップと、撮像ステップで生成された画像を、所定のパラメータを用いて補正する画像補正ステップと、補正前の画像における、画像内で構造物に該当する領域として予め定められた所定領域の輝度値のデータ群から算出される統計量を特定する輝度統計量特定ステップと、輝度統計量特定ステップで特定された所定領域の輝度値の統計量に基づいて、所定のパラメータの値を算出するパラメータ値算出ステップと、画像補正ステップで用いる所定のパラメータの値を、パラメータ値算出ステップで算出された値で更新するパラメータ値更新ステップと、を含むことを特徴とする。
前記画像補正ステップで、補正前の画像における所定領域の輝度値の統計量と予め定められた値との差を表すパラメータであるオフセットを所定のパラメータとして用いて画像を補正し、前記パラメータ値算出ステップで、補正前の画像における所定領域の輝度値の統計量に基づいて、オフセットの値を算出してもよい。
撮像して得られる画像内で構造物に該当する領域の輝度値と構造物の温度との関係が既知である構造物を炉内に設け、画像内でその構造物に該当する領域を予め所定領域として定めてもよい。
画像補正ステップで得られる補正後の画像における所定領域の画素に、画像補正ステップにおける補正処理の逆算を行うことによって補正前の画像における所定領域の画素の輝度値を算出する補正前輝度値算出ステップを含み、輝度統計量特定ステップで、補正前輝度値算出ステップで算出された輝度値から、補正前の画像における所定領域の輝度値の統計量を特定してもよい。
前記輝度統計量特定ステップで、画像補正ステップで得られる補正後の画像における所定領域の輝度値の統計量を特定し、当該輝度値の統計量に、画像補正ステップにおける補正処理の逆算を行うことによって、補正前の画像における所定領域の輝度値の統計量を特定してもよい。
また、前記輝度統計量特定ステップで、撮像ステップで生成された画像における所定領域の輝度値の統計量を特定してもよい。
撮像ステップで所定の周期で撮像し、画像補正ステップの前または後に行なうステップであって、画像内の所定領域の明暗のコントラストを表す量を算出しコントラストを表す量に関して予め定められた条件を満たす画像を選択するコントラスト処理ステップを含んでもよい。
前記輝度統計量特定ステップで、輝度値の統計量として、所定領域の輝度値の平均値を特定してもよい。
また、本発明による炉内撮像システムは、観察対象である炉内の溶融ガラスを撮像する炉内撮像システムであって、溶融ガラスを炉内の構造物とともに撮像し、画像を生成する撮像手段と、撮像手段が生成した画像を、所定のパラメータを用いて補正する画像補正手段と、補正前の画像における、画像内で構造物に該当する領域として予め定められた所定領域の輝度値のデータ群から算出される統計量を特定する輝度統計量特定手段と、輝度統計量特定手段が特定した所定領域の輝度値の統計量に基づいて、所定のパラメータの値を算出するパラメータ値算出手段と、画像補正手段が用いる所定のパラメータの値を、パラメータ値算出手段が算出した値で更新するパラメータ値更新手段と、を備えることを特徴とする。
前記画像補正手段が、補正前の画像における所定領域の輝度値の統計量と予め定められた値との差を表すパラメータであるオフセットを所定のパラメータとして用いて画像を補正し、前記パラメータ値算出手段が、補正前の画像における所定領域の輝度値の統計量に基づいて、オフセットの値を算出する構成であってもよい。
画像補正手段による補正後の画像における所定領域の画素に、画像補正手段が行う補正処理の逆算を行うことによって補正前の画像における所定領域の画素の輝度値を算出する補正前輝度値算出手段を備え、前記輝度統計量特定手段が、補正前輝度値算出手段が算出した輝度値から、補正前の画像における所定領域の輝度値の統計量を特定する構成であってもよい。
前記輝度統計量特定手段が、画像補正手段が行う補正処理後の画像における所定領域の輝度値の統計量を特定し、当該輝度値の統計量に、補正処理の逆算を行うことによって、補正前の画像における所定領域の輝度値の統計量を特定する構成であってもよい。
前記輝度統計量特定手段が、撮像手段が生成した画像における所定領域の輝度値の統計量を特定する構成であってもよい。
撮像手段が所定の周期で撮像した画像内の所定領域の明暗のコントラストを表す量を算出し、コントラストを表す量に関して予め定められた条件を満たす画像を選択するコントラスト処理手段を備えてもよい。
前記輝度統計量特定手段が、輝度値の統計量として、所定領域の輝度値の平均値を特定する構成であってもよい。
また、本発明によるガラス物品の製造方法は、溶解槽内で溶融ガラスを製造するガラス溶融ステップと、清澄槽内で溶融ガラスの泡を除去する清澄ステップと、前記清澄ステップにて泡が除去された溶融ガラスを成形する成形ステップと、成形された溶融ガラスを徐冷する徐冷ステップと、を含むとともに、清澄槽内の溶融ガラスを観察対象として、当該溶融ガラスを清澄槽内の構造物とともに撮像し、画像を生成する撮像ステップと、撮像ステップで生成された画像を、所定のパラメータを用いて補正する画像補正ステップと、補正前の画像における、画像内で構造物に該当する領域として予め定められた所定領域の輝度値のデータ群から算出される統計量を特定する輝度統計量特定ステップと、輝度統計量特定ステップで特定された所定領域の輝度値の統計量に基づいて、所定のパラメータの値を算出するパラメータ値算出ステップと、画像補正ステップで用いる所定のパラメータの値を、パラメータ値算出ステップで算出された値で更新するパラメータ値更新ステップと、を含むことを特徴とする。
また、本発明によるガラス物品の製造方法は、溶解槽内で溶融ガラスを製造するガラス溶融ステップと、清澄槽内で溶融ガラスの泡を除去する清澄ステップと、前記清澄ステップにて泡が除去された溶融ガラスを成形する成形ステップと、成形された溶融ガラスを徐冷する徐冷ステップと、を含むとともに、溶解槽内の溶融ガラスを観察対象として、当該溶融ガラスを溶解槽内の構造物とともに撮像し、画像を生成する撮像ステップと、撮像ステップで生成された画像を、所定のパラメータを用いて補正する画像補正ステップと、補正前の画像における、画像内で構造物に該当する領域として予め定められた所定領域の輝度値のデータ群から算出される統計量を特定する輝度統計量特定ステップと、輝度統計量特定ステップで特定された所定領域の輝度値の統計量に基づいて、所定のパラメータの値を算出するパラメータ値算出ステップと、画像補正ステップで用いる所定のパラメータの値を、パラメータ値算出ステップで算出された値で更新するパラメータ値更新ステップと、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、高温の炉内の溶融ガラスを観察対象として溶融ガラスを撮像する場合に、良好なコントラストの画像を得ることができる。
清澄槽内の溶融ガラスを撮像する状況を示す模式図。 本発明の第1の実施形態の炉内撮像システムの構成例を示すブロック図。 画像全体における輝度値のヒストグラム。 画像生成部11が生成した画像の例を示す模式図。 第1の実施形態の処理経過の例を示すフローチャート。 構造物の温度と画像内の炉壁部分の平均輝度との関係を示す散布図。 画像全体における輝度のヒストグラム。 炉内を撮像して得た画像の例を示す模式図。 図8に示す画像内において下流側に該当する領域を抽出した模式図。 本発明の第2の実施形態の構成例を示すブロック図。 第2の実施形態の処理経過の例を示すフローチャート。 本実施形態のガラス物品の製造方法で用いるガラス物品の製造ラインの一例を示す模式図。 本発明によるガラス物品の製造方法の例を示すフローチャート。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、清澄槽内の溶融ガラスを撮像する状況を示す模式図である。清澄槽30は炉の一種であり、内部は高温となり、ガラスの溶融状態を維持する。清澄槽30の下部には、流入口33および流出口34が設けられ、溶融ガラス31は流入口33から流入し、流出口34から流出する。清澄槽の種類として、例えば、槽の内部を減圧状態にして泡を除去する減圧タイプの清澄槽や、槽の内部を高温にして泡を除去する高温タイプの清澄槽等がある。以下の説明では、図1に示す清澄槽30が減圧タイプの清澄槽である場合を例にして説明するが、清澄槽30は、減圧タイプの清澄槽に限定されず、他の種類の清澄槽であってもよい。また、本発明が適用される高温の炉は、清澄槽に限らず、泡が発生する溶解槽であってもよい。
清澄槽30内に流入する溶融ガラス31は泡を含んでおり、その泡が溶融ガラス31の表面に上昇することにより、溶融ガラス31の表面に泡層32が生じる。清澄槽30内部を減圧状態にすることで、泡が破れ、泡が除去される。従って、清澄槽30内の上流側では泡が存在するが、下流側ほど泡が除去され、泡が除去された状態で溶融ガラス31は流出口34から流出する。
このような炉(清澄槽30)の内部の溶融ガラス31を、炉内撮像システムが備えるカメラ1で撮像し、溶融ガラス31の画像を得る。ただし、カメラ1は、溶融ガラス31と、溶融ガラス31以外に炉の構造物(本例では、清澄槽30内部の壁面とする。)をあわせて撮像する。従って、溶融ガラス31および構造物(炉壁)を含む画像を得る。また、画像に泡層32が写っていてもよい。
カメラ1は、図1に示すように炉(清澄槽30)の内部に向けられて配置され、清澄槽30の内部を撮像する。このとき、溶融ガラス31と壁面とを併せて撮像するように角度を調整されて配置される。なお、図1では、清澄槽30の窓の図示を省略しているが、カメラ1は、清澄槽30の窓を通して、溶融ガラス31および壁面を撮像する。また、図1には、カメラ1が下流側から上流側を撮像するように配置されている場合が例示されているが、カメラ1が上流側から下流側を撮像するように配置されていてもよい。
[実施形態1]
図2は、本発明の第1の実施形態の炉内撮像システムの構成例を示すブロック図である。本発明の第1の実施形態の炉内撮像システムは、カメラ1と、補正パラメータ値更新装置2とを備える。そして、カメラ1は、画像生成部11と、画像補正部12と、第1の補正パラメータ値記憶部13とを備える。補正パラメータ値更新装置2は、補正前輝度統計量導出部21と、補正パラメータ値更新部22と、第2の補正パラメータ値記憶部23と、を備える。以下、第1の補正パラメータ値記憶部13を単に補正パラメータ値記憶部13と記し、第2の補正パラメータ値記憶部23を単に補正パラメータ値記憶部23と記す。
画像生成部11は、清澄槽30内部の溶融ガラス31および壁面を併せて撮像し、その画像を生成する。画像生成部11が清澄槽30内を撮像する際のシャッタースピードは、固定値として予め定められている。ただし、カメラ1を操作してシャッタースピードの値を変更することができる構成であってもよい。
画像補正部12は、画像生成部11によって生成された画像を補正する。このとき、画像補正部12は、補正パラメータ値記憶部13に記憶された補正パラメータを用いて画像を補正する。補正パラメータ値記憶部13は、補正パラメータの値を記憶する記憶装置(例えば、メモリ)である。
補正パラメータおよび画像補正部12による画像の補正処理について説明する。図3は、画像全体における輝度値のヒストグラムの例である。図3(a)は、画像生成部11が生成した画像(すなわち、補正前の画像)全体の輝度値のヒストグラムの例を示す。また、図3(b)は、画像補正部12による補正後の画像全体の輝度値のヒストグラムの例を示す。ただし、図3(a),(b)で示した「所定領域の輝度値の平均値」とは、画像内における予め定められた所定領域の輝度値の平均値である。なお、所定領域の輝度値の平均値は、所定領域の輝度値の統計量の一例である。本実施形態および後述の各実施形態では、所定領域の輝度値の統計量として、所定領域の輝度値の平均値を用いる場合を例に説明する。ただし、所定領域の輝度値の統計量は、所定領域の輝度値の平均値に限定されず、平均値の代わりに他の統計量(例えば、中間値等)を用いてもよい。図4は、画像生成部11が生成した画像の例を示す模式図である。図4に示すように、画像には、溶融ガラスの表面部分45と、炉壁部分42とが写っている。なお、図4では、炉壁に設けられた窓41も写っている場合が例示されている。また、溶融ガラスの表面部分45に、泡層部分46と液面部分47とが含まれている。上記の所定領域として、観察対象である溶融ガラスに該当する表面部分45以外の構造物(本例では、炉壁)に該当する領域を定めておけばよい。例えば、図4に例示する画像内の領域43を所定領域として定めておけばよい。画像内の炉壁部分42全体を所定領域として定めてもよいが、図4に示すように、その一部の領域43を所定領域と定めてもよい。以下、画像内で炉壁部分42内の一部の領域43を所定領域とした場合を例にして説明する。なお、図4に示す領域43は、所定領域の一例であり、画像内における所定領域の位置や大きさは、図4に示す例に限定されない。
補正前および補正後の各画像の輝度値の最小値は0である。また、輝度値の最大値をLとする。輝度値をnビットで表す場合、L=2−1である。本例では、輝度値を8ビットで表す場合を例にして説明する。従って、輝度値の最大値Lは、2−1=255である。
画像補正部12は、画像全体における輝度の分布の広がりを所定倍に広げるように、画像生成部11が生成した画像全体を変換する。画像全体における輝度の分布の広がりとは、画像全体における輝度値の最大値から輝度値の最小値を減算した値である。また、この輝度の分布の広がりを何倍にするかを示す補正パラメータを以下、ゲインと記し、ゲインの値をGで表す。
画像補正部12は、補正前の画像における所定領域43の輝度値の平均値を、所定の値(Cとする。)に近づけるように補正を行う。この所定の値Cは、所定領域43の輝度値と、溶融ガラスの表面部分の輝度値との差に応じて予め定めておけばよい。例えば、溶融ガラスの表面に近い炉壁に該当する部分を所定領域とした場合、画像内において、所定領域の輝度値と、溶融ガラスの表面部分の輝度値との差は小さい。このような場合、表現し得る輝度値の最大値Lを用いて、C=(L+1)/2と定めておけばよい。また、集光する反射面形状の構造物やヒーター等に該当する領域を所定領域とする場合には、所定領域の輝度値と、溶融ガラスの表面部分の輝度値との差は大きくなる。このような場合、C={(L+1)/2}+αと定めておけばよい。αは、所定領域の平均輝度値から溶融ガラスの表面部分の輝度値を減算して得られる差分である。
以下、C=(L+1)/2と定めておく場合を例にして説明する。この例では、Cは、輝度値として表現し得る0〜Lの範囲における中央の値である。本例では、L=255であるので、C=128であり、画像補正部12は、補正前の画像における所定領域43の輝度値の平均値を128に近づけるように補正を行う。補正前の画像における所定領域43の輝度値の平均値をどれだけ変化させるかを表す補正パラメータを、以下、オフセットと記す。また、オフセットの値をBで表す。オフセット値Bは、具体的には、補正前の所定領域43の輝度値の平均値に−1を乗算し、C/Gを加算した値である。
すなわち、オフセット値Bは、以下の式(1)で表すことができる。
B=−b+(C/G) 式(1)
また、式(1)におけるbは、補正前の画像における所定領域43の輝度値の平均値である。ただし、本実施形態では、補正パラメータ値更新装置2が、補正後の画像を用いて、補正前の画像における所定領域43の輝度値の平均値を算出し、その平均値の移動平均を算出する。そして、その算出結果をbとして用いる場合を例にして説明する。
オフセットは、補正前の画像における所定領域の各画素の平均輝度値と、補正後の画像における所定領域の各画素についての所望の平均輝度値Cとの差に応じた値を表すパラメータであるということができる。
補正パラメータ値記憶部13は、ゲイン値Gおよびオフセット値Bを記憶する。ゲイン値Gは、予め固定値として定められている。カメラ1を操作してゲイン値Gを変更することができる構成であってもよい。また、補正パラメータ値記憶部13には、オフセット値Bの初期値を記憶させておく。その後、オフセット値Bは、補正パラメータ値更新部22によって更新される。
画像補正部12は、補正パラメータ値記憶部13に記憶されたG,Bを用いて、画像生成部11が生成した画像における画素毎に、以下の式(2)の計算を行って輝度値を変換することで、画像を補正する。
=I(G(g+B)) 式(2)
ただし、任意の値をxとしたとき、I(x)は以下の式(3)で表されるものとする。
Figure 2013100069
式(3)で示した[]はガウス記号であり、[x]は、xを越えない最大の整数である。
式(2)において、gは、補正前の画像における輝度値である。また、gは、補正後の画像における輝度値である。すなわち、画像補正部12は、補正前の画像の輝度値gにオフセット値Bを加算し、その加算結果にGを乗算した結果を補正後の画像の輝度値とする。ただし、その乗算結果が0未満であれば、補正後の画像の輝度値を0とする。また、その乗算結果がL(本例では255)を超える値であれば、補正後の画像の輝度値をLとする。
画像補正部12は、補正後の画像を補正パラメータ値更新装置2の補正前輝度統計量導出部21に入力する。このように、本実施形態では、カメラ1が撮像した画像に対する補正を行い、補正後の画像を補正パラメータ値更新装置2に入力する。
補正前輝度統計量導出部21は、画像補正部12から入力された補正後の画像に基づいて、補正前の画像における所定領域43(図4参照)における輝度値の平均値を算出する。具体的には、補正前輝度統計量導出部21は、画像補正部12から入力された補正後の画像における所定領域43内の個々の画素毎に、以下に示す式(4)の計算を行って、補正前の輝度値を逆算する。
’=(g/G)−B 式(4)
’は、逆算によって求められた補正前の画像における輝度値である。補正前輝度統計量導出部21は、所定領域43内の各画素に関して、補正前の輝度値g’を求め、所定領域43における補正前の輝度値の平均値を算出する。この平均値をgaveと記す。前述のように所定領域の輝度値の平均値は、所定領域の輝度値の統計量の一例である。各実施形態では、所定領域の輝度値の平均値を用いる場合を例にして説明するが、平均値の代わりに中間値等の他の統計量を用いてもよい。
また、補正前輝度統計量導出部21は、画像補正部12から補正後の画像が入力される毎にgaveを算出し、過去に求めたgaveを用いてgaveの移動平均を求める。
補正パラメータ値記憶部23は、補正パラメータの値を記憶する記憶装置(例えば、メモリ)である。具体的には、補正パラメータ値記憶部23は、ゲイン値Gおよびオフセット値Bを記憶する。補正パラメータ値記憶部23は、G,Bとしてカメラ1の補正パラメータ値記憶部12が記憶するG,Bと同じ値を記憶する。
補正前輝度統計量導出部21は、式(4)の計算によってg’を求める際、補正パラメータ値記憶部23に記憶されたG,Bを用いればよい。なお、補正パラメータ値更新装置2が補正パラメータ値記憶部23を備えずに、補正前輝度統計量導出部21がカメラ1の補正パラメータ値記憶部13にアクセスして、補正パラメータ値記憶部13に記憶されたG,Bを読み込んで、式(4)の計算を行う構成であってもよい。
補正パラメータ値更新部22は、補正前輝度統計量導出部21によって算出されたgaveの移動平均をbとして、式(1)の計算を行うことによって、オフセット値Bを求め直す。補正パラメータ値更新部22は、式(1)の計算によって求めたオフセット値Bで、補正パラメータ値記憶部13,23に記憶されたBを更新する。
次に、動作について説明する。図5は、第1の実施形態の処理経過の例を示すフローチャートである。カメラ1の画像生成部11は、炉内(清澄槽内)の溶融ガラスの表面および炉壁を撮像し、その画像を生成する(ステップS1)。
ステップS1の後、画像補正部12は、カメラ1の補正パラメータ値記憶部13に記憶されているG,Bを読み込む。そして、画像補正部12は、ステップS1で生成された画像の画素毎に式(2)の計算を行って輝度値を変換することによって、ステップS1で生成された画像を補正する(ステップS2)。画像補正部12は、補正後の画像を補正パラメータ値更新装置2の補正前輝度統計量導出部21に入力する。
画像補正部12から画像が入力されると、補正前輝度統計量導出部21は、補正パラメータ値更新装置2の補正パラメータ値記憶部23に記憶されているG,Bを読み込む。そして、補正前輝度統計量導出部21は、入力された補正後の画像における所定領域43(図4参照)内の画素毎に式(4)の計算を行って、補正前の画像における所定領域43の各画素の輝度値g’を逆算する(ステップS3)。
続いて、補正前輝度統計量導出部21は、補正前の画像における所定領域43の各画素の輝度値(すなわち、ステップS3で算出した各輝度値g’)の平均値gaveを算出する(ステップS4)。また、ステップS4において、補正前輝度統計量導出部21は、算出したgaveを記憶する。
補正前輝度統計量導出部21は、画像補正部12から補正後の画像が入力される毎にステップS3,S4の処理を行ってgaveを算出する。補正前輝度統計量導出部21は、直近の所定数の画像分、gaveを記憶する。例えば、直近に入力されたm個の画像に対応するm個のgaveを記憶する。例えば、ステップS4で新たに算出したgaveを記憶したならば、最も古いgaveを削除すればよい。
そして、ステップS4の後、補正前輝度統計量導出部21は、直近の所定数の画像に対応するgaveの平均値を計算することによって、gaveの移動平均を算出する(ステップS5)。
ステップS5の後、補正パラメータ値更新部22は、補正パラメータ値記憶部23に記憶されているGを読み込む。そして、補正パラメータ値更新部22は、ステップS5で計算されたgaveの移動平均を用いて式(1)の計算を行うことによって、オフセット値Bを算出する(ステップS6)。なお、本例では、ステップS5で計算されたgaveの移動平均を、式(1)におけるbとする。
次に、補正パラメータ値更新部22は、補正パラメータ値記憶部13,23に記憶されたオフセット値Bの更新タイミングであるか否かを判定する(ステップS7)。補正パラメータ値更新部22は、例えば、前回、補正パラメータ値記憶部13,23に記憶されたオフセット値Bを更新した時刻から所定期間が経過しているならば、オフセット値Bの更新タイミングであると判定し、その所定期間が経過していなければ、オフセット値Bの更新タイミングではないと判定すればよい。
オフセット値Bの更新タイミングであると判定した場合(ステップS7におけるYes)、補正パラメータ値更新部22は、補正パラメータ値記憶部13,23に記憶されたオフセット値Bを、直前のステップS6で計算したオフセット値で更新する(ステップS8)。
このように、補正パラメータ値記憶部13,23に記憶されたオフセット値Bは、定期的に更新される。また、本実施形態では、画像生成部11も、定期的に炉内を撮像し、画像を生成する。画像生成部11による画像生成周期と、補正パラメータ値更新部22によるオフセット値Bの更新周期とでは、オフセット値Bの更新周期の方を長く設定する。
ステップS7においてオフセット値Bの更新タイミングでないと判定された場合(ステップS7におけるNo)、ステップS8の後、ステップS1に移行する。または、オフセット値Bの更新のステップS8の後、ステップS1に移行する。画像生成部11は、前回の画像生成時刻から一定期間が経過したときに、再度、炉内(清澄槽内)の溶融ガラスおよび炉壁を撮像し、その画像を生成する(ステップS1)。このステップS1以降の動作は、既に説明した動作と同様である。
なお、補正パラメータ値更新装置2は、カメラ1の画像補正部12から入力された画像を記憶装置(図示略)に記憶させてもよい。あるいは、補正パラメータ値更新装置2は、画像補正部12から入力された画像を表示装置(図示略)に表示させてもよい。
また、上記の説明では、所定領域43に複数の画素が含まれている場合を例にして説明した。所定領域43が1つの画素からなる領域であってもよい。この場合、ステップS3で、補正前輝度統計量導出部21は、入力された補正後の画像内で所定領域43に該当する1つの画素に関して、補正前の画像における輝度値g’を逆算すればよい。また、ステップS4では、補正前輝度統計量導出部21は、その1画素の輝度値を、所定領域43における輝度値の平均値gaveとすればよい。すなわち、gave=g’とすればよい。
また、上記の実施形態では、補正前輝度統計量導出部21がgaveの移動平均を算出する場合を例示したが、補正パラメータ値更新部22は、gaveの移動平均を用いずに、gaveからオフセット値Bを算出してもよい。すなわち、ステップS5の処理を実行しなくてもよい。
また、上記の実施形態では、補正前輝度統計量導出部21が、補正後の画像における所定領域43の画素に対して式(4)の計算を行うことによって、補正前の画像における所定領域43の画素の輝度値g’を逆算し、g’の平均値gaveを算出する場合を説明した(ステップS3,S4参照)。補正前輝度統計量導出部21は、補正後の画像における所定領域43の画素の平均輝度値を求め、その平均輝度値に対してステップS2の補正処理の逆算を行うことによって、補正前の画像における所定領域の輝度値の平均値を算出してもよい。
具体的には、補正前輝度統計量導出部21は、補正後の画像における所定領域43の画素の平均輝度値を求めてもよい。そして、補正前輝度統計量導出部21は、その平均輝度値を式(4)のgに代入して、式(4)の計算を行った結果を、補正前の画像における所定領域43の画素の輝度値の平均値gaveとしてもよい。ステップS3,4の代わりにこの処理を行って、ステップS5に移行してもよい。
本実施形態によれば、画像において、観察対象である溶融ガラスの表面部分45以外の構造物(本例では、炉壁)に該当する所定領域43(図4参照)を予め定めておく。そして、補正前の画像における、その所定領域43の各画素の平均輝度を求め、その平均輝度に基づいて、オフセット値Bを計算し直す。画像補正部12(図2参照)は、そのオフセット値Bと、固定値として定められたゲイン値Gとを用いて、画像生成部11に生成された画像の画素毎に式(2)の計算を行うことによって、画像を補正する。
既に説明したように、溶融ガラスの液面部分における反射光の状態は時間の経過とともに変化し、溶融ガラスの表面の画像に基づいてパラメータを変化させたとしても良好なコントラストの画像を得ることは難しい。それに対し、本実施形態では、観察対象である溶融ガラスの表面部分45以外の構造物に該当する画像内の領域を所定領域43として定めておく。そして、前述のように、所定領域43の各画素の平均輝度に基づいてオフセット値Bを算出し、式(2)の計算によって画像を補正する。従って、溶融ガラスや炉内の構造物の温度が高くなり、補正前の画像において各画素の輝度値が高い値に偏っていたり、あるいは、溶融ガラスや構造物の温度が低くなり、補正前の画像において各画素の輝度値が低い値に偏ったりしていても、補正後の画像では、平均輝度がC(例えば、(L+1)/2)となる。また、輝度の分布の広がりも広がる。よって、上記のような輝度値の偏りが生じていても、補正により、良好なコントラストの画像を得ることができる。
次に、本発明により、良好なコントラストの画像が得られる炉内の構造物の温度の上限および下限の導出について説明する。構造物の種々の温度のもとで、カメラ1が撮像した炉壁の画像(画像補正部12による補正前の画像)における炉壁部分の平均輝度を算出する。図6は、構造物(本例では炉壁とする。)の温度と画像内の炉壁部分の平均輝度との関係を示す散布図である。図6において、横軸は構造物(炉壁)の温度を表し、縦軸は炉壁部分の平均輝度を表す。また、図6において、実際に得られた炉壁の温度と輝度との関係から求めた線形回帰式によって表される直線を実線で示している。なお、図6および図7では、L=255の場合を例示する。
また、図7は、カメラ1が撮像した溶融ガラス31および壁面の画像全体における輝度のヒストグラムの例である。炉壁の温度が変化した場合、画像全体の輝度のヒストグラムが平行移動するものと仮定する。設計者は、図7に例示するヒストグラムにおいて、輝度値の上限および下限を定めておく。この場合、例えば、観察対象となる溶融ガラスにおける泡層に該当する画素の輝度値および観察対象とならない構造物に該当する画素の輝度値の範囲の上限値および下限値を定めればよい。すなわち、例えば、鏡面状態となる溶融ガラスの液面以外の領域における輝度の上限値および下限値を定めておけばよい。このように設計者が定めた輝度値の上限値をLとし、下限値をLとする。また、炉壁に該当する領域の輝度の平均値をLaveとする。そして、LaveとLとの差をΔとし、LaveとLとの差をΔとする。
そして、図6では、線形回帰式が示す輝度値にΔを加算した値の変化を二点破線で示し、線形回帰式が示す輝度値からΔを減算した値の変化を一点破線で示す。温度変化に伴い図7に例示するヒストグラムは平行移動すると仮定しているので、これらの変化は直線で表される(図6参照)。
線形回帰式が示す輝度値からΔを減算した値が0未満である場合、そのような輝度値は全て0に設定される。すなわち、線形回帰式が示す輝度値からΔを減算した結果が0になるときの炉壁の温度が、ヒストグラムの形状(図7に例示する形状)を乱さずに、ヒストグラムを平行移動できる限界であり、炉壁の温度がその温度よりも低いと、補正前の画像において輝度値が0である画素が増加していくことになる。このような画像を式(2)の計算によって補正しても良好なコントラストの画像を得られない。よって、線形回帰式が示す輝度値からΔを減算した値が0になるときの炉壁の温度が、良好なコントラストの画像が得られる炉壁の温度の下限である。図6では、良好なコントラストの画像が得られる炉壁の温度の下限をtminとして示している。
また、線形回帰式が示す値にΔを加算した値が255を超える場合、そのような輝度値は全て255に設定される。すなわち、線形回帰式が示す輝度値にΔを加算した値が255となるときの炉壁の温度が、ヒストグラムの形状(図7に例示する形状)を乱さずに、ヒストグラムを平行移動できる限界であり、炉壁の温度がその温度よりも高いと、補正前の画像において輝度値が255である画素が増加していくことになる。このような画像を式(2)の計算によって補正しても良好なコントラストの画像を得られない。よって、線形回帰式が示す輝度値にΔを加算した値が255となる温度が、良好なコントラストの画像が得られる炉壁の温度の上限である。図6では、良好なコントラストの画像が得られる炉壁の温度の上限をtmaxとして示している。
次に、第1の実施形態の変形例について説明する。第1の実施形態では、画像内において炉壁に該当する領域を所定領域と定め、その所定領域を、補正前の輝度値の平均値gaveやgaveの移動平均の算出対象領域とする場合を例にして説明した。画像内において炉壁以外の構造物に該当する領域をこの所定領域と定めてもよい。例えば、炉内には、サーモカップルや素地面計等の計測器が配置される。画像内の領域のうち、炉内に配置した計測器に該当する領域を所定領域として定めてもよい。なお、素地面計は、目視で素地面レベルを確認するための炉内構造物である。
また、炉内の既存の構造物に該当する画像内の領域を所定領域とするのではなく、画像内の所定領域を定めるために、新たな構造物(たとえば、煉瓦のブロック)を炉内に配置してもよい。そして、カメラ1(図1、図2参照)が炉内を撮像して得た画像において、その構造物に該当する領域を所定領域として定めればよい。また、この場合、画像内の構造物に該当する領域の平均輝度値と、その構造物の温度との関係を調べ、そのような関係が既知となっている構造物を炉内に配置することが好ましい。画像内の構造物に該当する領域の平均輝度値と炉内の構造物の温度との関係が既知であれば、その関係を回帰式で表し、図6および図7を参照して説明したように、良好なコントラストの画像が得られる構造物の温度の上限および下限を求めることができる。
また、輝度値の平均値gaveやgaveの移動平均の算出対象領域である所定領域を画像内に複数定めて、所定領域毎にオフセット値を算出してもよい。この場合、オフセット値を用いて補正する画像内の領域を、個々の所定領域に対応させて定めておく。そして、個々の所定領域に対応する画像内の領域毎に、第1の実施形態と同様の処理を行い、その後、領域毎に得られた補正後の画像を合成してもよい。以下に具体例を示す。
図8は、炉内を撮像して得た画像の例を示す模式図である。図8では、炉内の上流側から下流側を撮像した場合が例示されている。従って、図8に示す矢印方向が溶融ガラスの流れの方向である。また、本例では、炉内にトンネルが設けられ、溶融ガラスはトンネルの入り口からトンネルに入り、トンネル内を通過して下流側に流れていく。図8は、炉内の上流側からトンネルの入り口付近を撮像して得た画像である。図8に示す画像には、溶融ガラスの液面部分47の他に、トンネル内部の炉壁50、トンネルの入り口上部の炉壁52、および、トンネルの入り口の両側の炉壁51に該当する部分も含まれている。
炉内では、上流側が高温になっていて、下流側が低温になっている。このように温度差がある状態で、所定領域を1つだけ定め、その所定領域から算出したオフセット値Bで画像を補正すると画像内における上流に該当する領域と下流に該当する領域のいずれかが非常に暗くなったり、あるいは非常に明るい白色になったりする。例えば、上流側の構造物として、トンネルの入り口上部の炉壁52を選択し、炉壁52に該当する領域43aのみを所定領域として定めた場合、画像内で下流側に該当する領域は非常に暗くなる。なお、図8は、画像の模式図であり、領域の違いによる輝度の違いに関しては表現していない。図9は、図8に示す画像内において低温である下流側に該当する領域を抽出した模式図である。
図8に例示する画像を、低温である下流側に該当する領域(図9参照)と、その他の領域とに分け、その領域毎に、輝度値の平均値gaveやgaveの移動平均の算出対象領域である所定領域を定めればよい。本例では、下流側に該当する領域において、トンネル内部の炉壁50に該当する部分に、所定領域43bを定める。炉内撮像システムは、下流側に該当する領域(図9参照)に関しては、所定領域43bを用いてオフセット値Bを導出し、そのオフセット値を用いて画像の補正を行えばよい。また、上流側に該当する領域(図8に示す画像のうち、図9に示す領域を除いた領域)において、トンネルの入り口上部の炉壁52に該当する部分に所定範囲43aを定める。図8に示す画像のうち、図9に示す領域を除いた領域(上流側に該当する領域)に対しては、所定領域43aを用いてオフセット値Bを算出し、そのオフセット値を用いて画像の補正を行えばよい。そして、下流側に該当する領域と、上流側に該当する領域とに関してそれぞれ求めた補正後の画像を合成して、1つの画像を導出すればよい。
[実施形態2]
前述の第1の実施形態では、カメラ1(図2参照)が炉内を撮像して画像を生成した後、その画像に対する補正を行い、補正後の画像を補正パラメータ値更新装置2に入力する。そのため、第1の実施形態では、補正パラメータ値更新装置2の補正前輝度統計量導出部21が補正後の画像における所定領域43(図4参照)の輝度値から、補正前の画像における所定領域43の輝度値を逆算する。これに対して、第2の実施形態では、カメラは、炉内を撮像して得た画像を、補正せずに補正パラメータ値更新装置に入力する。
カメラが撮像により得た画像を補正する構成である場合には、第1の実施形態が適する。一方、カメラが画像を補正しない構成である場合には、第2の実施形態が適する。
以下、第2の実施形態について説明する。図10は、本発明の第2の実施形態の構成例を示すブロック図である。本発明の第2の実施形態の炉内撮像システムは、カメラ60と、補正パラメータ値更新装置70とを備える。そして、カメラ60は、画像生成部61を備える。補正パラメータ値更新装置70は、画像補正部71と、補正パラメータ値記憶部72と、補正前輝度統計量導出部73と、補正パラメータ値更新部74とを備える。
カメラ60は、第1の実施形態におけるカメラ1(図1参照)と同様に清澄槽30(図1参照)の内部を撮像するように配置される。そして、画像生成部61は、清澄槽30内部の溶融ガラス31および壁面を併せて撮像し、その画像を生成する。画像生成部61は、その画像を補正パラメータ値更新装置70に入力する。なお、撮像時のシャッタースピードは固定値として予め定められているが、カメラ60を操作してシャッタースピードの値を変更することができる構成であってもよい。
補正パラメータ値記憶部72は、補正パラメータの値を記憶する記憶装置(例えば、メモリ)であり、具体的に、ゲイン値Gおよびオフセット値Bを記憶する。第1の実施形態と同様に、ゲイン値Gは、予め固定値として定められている。カメラ60を操作してゲイン値Gを変更することができる構成であってもよい。また、補正パラメータ値記憶部72の初期値を記憶させておく。その後、オフセット値Bは、補正パラメータ値更新部74によって更新される。
画像補正部71は、カメラ60の画像生成部61から入力される画像を補正する。この補正処理は、第1の実施形態における画像補正部12による補正処理と同様である。すなわち、画像補正部71は、補正パラメータ値記憶部72に記憶されたG,Bを用いて、画像生成部61から入力される画像における画素毎に、前述の式(2)の計算を行って輝度値を変換することによって、画像を補正する。
補正前輝度統計量導出部73は、画像生成部61から入力される画像(換言すれば、補正前の画像)における所定領域の輝度値の平均値を算出する。以下、本実施形態では、この平均値をg0aveと記す。また、所定領域とは、第1の実施形態と同様に、観察対象である溶融ガラスに該当する表面部分45(図4参照)以外の構造物(本例では、炉壁)に該当する領域である。例えば、図4に例示する画像内の領域43を所定領域として定めておけばよい。以下、図4に示す領域43が所定領域と定められている場合を例にして説明する。
また、補正前輝度統計量導出部73は、画像生成部61から画像が入力される毎に所定領域43における所定領域の輝度値の平均値g0aveを算出し、過去に求めたg0aveを用いて、g0aveの移動平均を求める。
本実施形態では、補正前輝度統計量導出部73は、画像生成部61が生成した画像を直接用いて、所定領域43の輝度値の平均値g0aveを算出する。従って、補正前輝度統計量導出部73は、画像補正部71による補正後の画像から所定領域43の輝度値を逆算しなくてよい。
補正パラメータ値更新部74は、第1の実施形態における補正パラメータ値更新部22と同様である。本例では、補正パラメータ値更新部74は、補正前輝度統計量導出部73によって算出されたg0aveの移動平均をbとして、式(1)の計算を行うことによって、オフセット値Bを求め直す。補正パラメータ値更新部74は、式(1)の計算によって求めたオフセット値Bで、補正パラメータ値記憶部72に記憶されたBを更新する。
次に、動作について説明する。図11は、第2の実施形態の処理経過の例を示すフローチャートである。画像生成部61は、炉内(清澄槽内)の溶融ガラスおよび炉壁を撮像し、その画像を生成する(ステップS11)。画像生成部61は、生成した画像を補正パラメータ値更新装置70に入力する。
画像生成部61から補正パラメータ値更新装置70に画像が入力されると、画像補正部71は、補正パラメータ値記憶部72に記憶されているG,Bを読み込む。そして、画像補正部71は、カメラ60(画像生成部61)から入力された画像の画素毎に式(2)の計算を行って輝度値を変換することによって、生成された画像を補正する(ステップS12)。なお、画像補正部71は、ステップS12で生成した補正後の画像を記憶装置(図示略)に記憶させてもよい。あるいは、画像補正部71は、補正後の画像を表示装置(図示略)に表示させてもよい。
また、画像生成部61から補正パラメータ値更新装置70に画像が入力されると、補正前輝度統計量導出部73は、その画像(補正前の画像)における所定領域43の各画素の輝度値の平均値g0aveを算出する(ステップS13)。また、ステップS13において、補正前輝度統計量導出部73は、算出したg0aveを記憶する。
補正前輝度統計量導出部73は、画像生成部61から補正パラメータ値更新装置70に画像が入力される毎にステップS13の処理を行ってg0aveを算出する。補正前輝度統計量導出部73は、直近に入力されたm個の画像に対応するm個のg0aveを記憶する。
そして、ステップS13の後、補正前輝度統計量導出部73は、直近の所定数の画像に対応するg0aveの平均値を計算することによって、g0aveの移動平均を算出する(ステップS14)。
ステップS14の後、補正パラメータ値更新部74は、補正パラメータ値記憶部72に記憶されているゲイン値Gを読み込む。そして、補正パラメータ値更新部74は、ステップS14で計算されたg0aveの移動平均を用いて式(1)の計算を行うことによって、オフセット値Bを算出する(ステップS15)。なお、本例では、ステップS14で計算されたg0aveの移動平均を、式(1)におけるbとする。
次に、補正パラメータ値更新部74は、補正パラメータ値記憶部72に記憶されたオフセット値Bの更新タイミングであるか否かを判定する(ステップS16)。ステップS16の判定処理は、第1の実施形態におけるステップS7の判定処理と同様である。
オフセット値Bの更新タイミングであると判定した場合(ステップS16におけるYes)、補正パラメータ値更新部74は、補正パラメータ値記憶部72に記憶されたオフセット値Bを、直前のステップS15で計算したオフセット値で更新する(ステップS17)。
従って、補正パラメータ値記憶部72に記憶されたオフセット値Bは、第1の実施形態と同様に、定期的に更新される。また、第2の実施形態においても、画像生成部61は、定期的に炉内を撮像し、画像を生成する。画像生成部61による画像生成周期と、補正パラメータ値更新部74によるオフセット値Bの更新周期とでは、オフセット値Bの更新周期の方を長く設定する。
ステップS16においてオフセット値Bの更新タイミングでないと判定された場合(ステップS16におけるNo)、または、ステップS17の後、ステップS11に移行する。画像生成部11は、前回の画像生成時刻から一定期間が経過したときに、再度、炉内(清澄槽内)の溶融ガラスおよび炉壁を撮像し、その画像を生成する(ステップS11)。このステップS11以降の動作は、既に説明した動作と同様である。
上記の説明では、所定領域43に複数の画素が含まれている場合を例にして説明した。所定領域43が1つの画素からなる領域であってもよい。この場合、補正前輝度統計量導出部73は、ステップS13で、その一つの画素の輝度値をg0aveとすればよい。
また、上記の実施形態では、補正前輝度統計量導出部73がg0aveの移動平均を算出する場合を例示したが、補正パラメータ値更新部74は、g0aveの移動平均を用いずに、g0aveからオフセット値Bを算出してもよい。
本実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
また、第1の実施形態で説明した各変形例を、第2の実施形態に適用してもよい。
上記の第1および第2の各実施形態で得られた画像(補正後の画像)は、例えば、炉内の溶融ガラスの状態を観察するために用いられる。例えば、画像から泡層の高さ(炉の底面から泡層の表面までの距離)が増加していると判断される場合には、補正パラメータ値更新装置2あるいは他の情報処理装置(図示略)が、溶融ガラスの突沸の可能性がある旨の警報を出力してもよい。なお、突沸とは、清澄により溶融ガラス表面に出てきた泡が層状となり、さらにその泡の量が急激に増加することによって泡層の厚みが増加する現象である。
また、第1および第2の実施形態では、本発明の炉内撮像システムによって清澄槽内を撮像し、清澄槽内の溶融ガラスを観察する場合が例示されているが、本発明が適用される炉は清澄槽に限定されない。例えば、清澄槽の前段に設けられ、ガラスの原料を溶融する溶解槽内を本発明の炉内撮像システムによって撮像し、溶解槽内の溶融ガラスを観察してもよい。
なお、溶解槽や清澄槽の溶融ガラス上部の空間に原料粉等が舞って内部空間が曇り、画像のコントラストが低下する場合がある。画像を利用した定量評価を行う際、上記の影響は避けられない。そのため、所定領域の明暗のコントラストを表す量を算出し、定量評価に利用する画像を選択するコントラスト処理ステップを設けることが好ましい。これにより、安定した評価が可能となる。このコントラスト処理ステップでは、所定領域の明暗のコントラストを表す量に関して予め定められた条件を満たす画像を選択し、選択された画像を用いて、第1の実施形態におけるステップS2以降の処理または第2の実施形態におけるステップS12以降の処理を行ってもよい。その反対に、画像を補正する前のステップにおいて利用してもよい。上記の画像を選択する条件の一例として、例えば、所定の周期で生成される画像に関し、画像内の所定領域の明暗のコントラストを表す量が前の画像における所定領域のコントラストを表す量よりも一定値以上低下する事象の発生時からその一定時間経過後までの画像を選択しないという条件が挙げられる。また、コントラストを表す量として、例えば、所定領域の輝度値の標準偏差を用いることができる。上記の条件を採用する場合、ある画像で、所定領域の輝度値の標準偏差が急に小さくなったときに、原料粉等が舞い上がったとみなし、その時点から一定期間が経過するまでに生成された画像を、ステップS2以降の処理やステップS12以降の処理の対象から除外すればよい。
[実施形態3]
次に、本発明の第3の実施形態として、ガラス物品の製造方法について説明する。本発明のガラス物品の製造方法には、第1の実施形態または第2の実施形態で説明した炉内撮像方法が適用される。以下の説明では、第1の実施形態を適用したガラス物品の製造方法について説明する。図12は、本実施形態のガラス物品の製造方法で用いるガラス物品の製造ラインの一例を示す模式図である。なお、図12では、第1の実施形態におけるカメラ1を図示しているが、補正パラメータ値更新装置2(図2参照)の図示を省略している。ガラス物品の製造ラインには、溶解槽36と、清澄槽30とが設けられる。なお、清澄槽30の種類は限定されず、清澄槽30は、例えば、前述した減圧タイプの清澄槽であっても、あるいは、前述した高温タイプの清澄槽であってもよい。
溶解槽36は、ガラスの原料(図示略)を溶解させて、溶融ガラス31に変化させる。清澄槽30は、溶融ガラス31に生じた泡を除去する。泡が除去された溶融ガラスは、成形工程、徐冷工程に移行する。
図13は、本実施形態のガラス物品の製造方法の例を示すフローチャートである。まず、溶解槽36に、ガラスの原料が投入される。溶解槽36は、例えばバーナー等の加熱手段(図示略)を備え、溶解槽36の内部を高温に維持している。そして、溶解槽36において、ガラスの原料を加熱することにより、溶融ガラス31を製造する(ステップS31,ガラス溶解工程)。
ステップS31で製造された溶融ガラス31は、清澄槽30に流される。この溶融ガラス31には泡が存在し、溶融ガラス31の表面に泡層32(図1参照。)が生じる。清澄槽30の内部で、溶融ガラス31に生じた泡を除去する(ステップS32,清澄工程)。
ステップS32では、炉内撮像システムのカメラ1が炉内(清澄槽30内)を撮像し、その結果得られた画像に対して炉内撮像システムが第1の実施形態と同様の処理(ステップS1〜S8,図5参照)を行う。そして、この処理では、画像生成部11(図2参照)が生成した画像に対して補正を行った画像が得られる。この画像によって、清澄槽30内の溶融ガラス31を観察する。第1の実施形態で説明したように、補正後の画像は、良好なコントラストを実現できる。補正後の画像を観察した結果、所定の事象が確認された場合には、その事象に応じた対処を行う。例えば、画像から、泡層の表面が高くなっていることが確認された場合には、補正パラメータ値更新装置2(または他の情報処理装置)が、突沸の可能性がある旨の警報を出力すればよい。
ステップS32の後、泡が除去された溶融ガラスを成形する(ステップS33,成形工程)。成形工程では、例えば、フロート法によって溶融ガラスを成形すればよい。具体的には、泡が除去された溶融ガラス31を溶融錫(図示せず)上に浮かせて、搬送方向に進行させることによって連続した板状のガラスリボンとする。このとき、所定の板厚のガラスリボンを成形するために、ガラスリボンの両サイド部分に回転するロールを押圧し、ガラスリボンを幅方向(搬送方向に直角な方向)外側に引き伸ばす。
次に、ステップS33で成形されたガラスリボンを徐冷する(ステップS34,徐冷工程)。徐冷工程では、ガラスリボンを溶融錫から引き出し、徐冷炉(図示せず)の内部で徐々にガラスリボンを冷却する。徐冷炉の外部に搬送された後でも、さらに常温近くまでガラスリボンを徐冷する。
徐冷工程の後、徐冷工程で固化したガラスリボンを必要に応じて加工する(ステップS35,加工工程)。ステップS35における加工の例として、例えば、切断や研磨が挙げられる。ただし、切断や研磨に限定されず、他の加工処理を行ってもよい。
上記のガラス物品の製造方法によれば、良好なコントラストの画像で炉内(上記の例では、清澄槽30)の溶融ガラス31を観察することができる。よって、溶融ガラス31に生じた事象(例えば、泡層の高さの上昇等)を的確に判断することができ、その事象に対して迅速に対処することができる。
上記の例では、炉内撮像システムによって清澄槽30内を撮像し、清澄槽30内の溶融ガラス31を観察する場合を示したが、他の炉内の溶融ガラスを観察対象としてもよい。例えば、ステップS31で、炉内撮像システムによって溶解槽36内を撮像し、溶解槽36内の溶融ガラス31を観察してもよい。炉内撮像システムは、第1の実施形態と同様の処理(ステップS1〜S8,図5参照)を行えばよい。
また、上記の第3の実施形態の説明では、第1の実施形態を用いた場合を示したが、第2の実施形態を用いてもよい。すなわち、清澄槽30や溶解槽36等の炉内を撮像し、撮像によって得た画像を補正する炉内撮像システムとして、第2の実施形態の炉内撮像システム(図10参照)を用いてもよい。そして、炉内撮像システムは、第2の実施形態と同様の処理(ステップS11〜S17,図11参照)を行えばよい。
本発明は、炉内の溶融ガラスの観察に好適に適用可能である。
なお、2011年12月27日に出願された日本特許出願2011−286189号の明細書、特許請求の範囲、図面および要約書の全内容をここに引用し、本発明の開示として取り入れるものである。
1,60 カメラ
2,70 補正パラメータ値更新装置
11,61 画像生成部
12,71 画像補正部
13 第1の補正パラメータ値記憶部
21,73 補正前輝度統計量導出部
22,74 補正パラメータ値更新部
23 第2の補正パラメータ値記憶部
72 補正パラメータ値記憶部

Claims (17)

  1. 観察対象である炉内の溶融ガラスを撮像する炉内撮像方法であって、
    前記溶融ガラスを炉内の構造物とともに撮像し、画像を生成する撮像ステップと、
    前記撮像ステップで生成された画像を、所定のパラメータを用いて補正する画像補正ステップと、
    補正前の画像における、画像内で構造物に該当する領域として予め定められた所定領域の輝度値のデータ群から算出される統計量を特定する輝度統計量特定ステップと、
    前記輝度統計量特定ステップで特定された前記所定領域の輝度値の統計量に基づいて、前記所定のパラメータの値を算出するパラメータ値算出ステップと、
    前記画像補正ステップで用いる前記所定のパラメータの値を、前記パラメータ値算出ステップで算出された値で更新するパラメータ値更新ステップと、
    を含むことを特徴とする炉内撮像方法。
  2. 前記画像補正ステップで、補正前の画像における所定領域の輝度値の統計量と予め定められた値との差を表すパラメータであるオフセットを所定のパラメータとして用いて画像を補正し、
    前記パラメータ値算出ステップで、補正前の画像における所定領域の輝度値の統計量に基づいて、前記オフセットの値を算出する、
    請求項1に記載の炉内撮像方法。
  3. 撮像して得られる画像内で構造物に該当する領域の輝度値と構造物の温度との関係が既知である構造物を炉内に設け、画像内で前記構造物に該当する領域を予め所定領域として定める、
    請求項1または2に記載の炉内撮像方法。
  4. 画像補正ステップで得られる補正後の画像における所定領域の画素に、前記画像補正ステップにおける補正処理の逆算を行うことによって補正前の画像における前記所定領域の画素の輝度値を算出する補正前輝度値算出ステップを含み、
    輝度統計量特定ステップで、前記補正前輝度値算出ステップで算出された輝度値から、補正前の画像における所定領域の輝度値の統計量を特定する、
    請求項1から3のうちのいずれか一項に記載の炉内撮像方法。
  5. 前記輝度統計量特定ステップで、画像補正ステップで得られる補正後の画像における所定領域の輝度値の統計量を特定し、当該輝度値の統計量に、画像補正ステップにおける補正処理の逆算を行うことによって、補正前の画像における所定領域の輝度値の統計量を特定する、
    請求項1から3のうちのいずれか一項に記載の炉内撮像方法。
  6. 前記輝度統計量特定ステップで、撮像ステップで生成された画像における所定領域の輝度値の統計量を特定する、
    請求項1から3のうちのいずれか一項に記載の炉内撮像方法。
  7. 撮像ステップで所定の周期で撮像し、画像補正ステップの前または後に行なうステップであって、画像内の所定領域の明暗のコントラストを表す量を算出し前記コントラストを表す量に関して予め定められた条件を満たす画像を選択するコントラスト処理ステップを含む、
    請求項1から6のうちのいずれか一項に記載の炉内撮像方法。
  8. 前記輝度統計量特定ステップで、輝度値の統計量として、所定領域の輝度値の平均値を特定する、
    請求項1から7のうちのいずれか一項に記載の炉内撮像方法。
  9. 観察対象である炉内の溶融ガラスを撮像する炉内撮像システムであって、
    前記溶融ガラスを炉内の構造物とともに撮像し、画像を生成する撮像手段と、
    撮像手段が生成した画像を、所定のパラメータを用いて補正する画像補正手段と、
    補正前の画像における、画像内で構造物に該当する領域として予め定められた所定領域の輝度値のデータ群から算出される統計量を特定する輝度統計量特定手段と、
    前記輝度統計量特定手段が特定した前記所定領域の輝度値の統計量に基づいて、前記所定のパラメータの値を算出するパラメータ値算出手段と、
    前記画像補正手段が用いる前記所定のパラメータの値を、前記パラメータ値算出手段が算出した値で更新するパラメータ値更新手段と、
    を備えることを特徴とする炉内撮像システム。
  10. 前記画像補正手段は、補正前の画像における所定領域の輝度値の統計量と予め定められた値との差を表すパラメータであるオフセットを所定のパラメータとして用いて画像を補正し、
    前記パラメータ値算出手段は、補正前の画像における所定領域の輝度値の統計量に基づいて、前記オフセットの値を算出する、
    請求項9に記載の炉内撮像システム。
  11. 画像補正手段による補正後の画像における所定領域の画素に、前記画像補正手段が行う補正処理の逆算を行うことによって補正前の画像における前記所定領域の画素の輝度値を算出する補正前輝度値算出手段を備え、
    前記輝度統計量特定手段は、前記補正前輝度値算出手段が算出した輝度値から、補正前の画像における所定領域の輝度値の統計量を特定する、
    請求項9または10に記載の炉内撮像システム。
  12. 前記輝度統計量特定手段は、画像補正手段が行う補正処理後の画像における所定領域の輝度値の統計量を特定し、当該輝度値の統計量に、前記補正処理の逆算を行うことによって、補正前の画像における所定領域の輝度値の統計量を特定する、
    請求項9または10に記載の炉内撮像システム。
  13. 前記輝度統計量特定手段は、撮像手段が生成した画像における所定領域の輝度値の統計量を特定する、
    請求項9または10に記載の炉内撮像システム。
  14. 撮像手段が所定の周期で撮像した画像内の所定領域の明暗のコントラストを表す量を算出し、前記コントラストを表す量に関して予め定められた条件を満たす画像を選択するコントラスト処理手段を備える、
    請求項9から13のうちのいずれか一項に記載の炉内撮像システム。
  15. 前記輝度統計量特定手段は、輝度値の統計量として、所定領域の輝度値の平均値を特定する、
    請求項9から14のうちのいずれか一項に記載の炉内撮像システム。
  16. 溶解槽内で溶融ガラスを製造するガラス溶融ステップと、
    清澄槽内で前記溶融ガラスの泡を除去する清澄ステップと、
    前記清澄ステップにて泡が除去された溶融ガラスを成形する成形ステップと、
    成形された溶融ガラスを徐冷する徐冷ステップと、を含むとともに、
    前記清澄槽内の溶融ガラスを観察対象として、当該溶融ガラスを前記清澄槽内の構造物とともに撮像し、画像を生成する撮像ステップと、
    前記撮像ステップで生成された画像を、所定のパラメータを用いて補正する画像補正ステップと、
    補正前の画像における、画像内で構造物に該当する領域として予め定められた所定領域の輝度値のデータ群から算出される統計量を特定する輝度統計量特定ステップと、
    前記輝度統計量特定ステップで特定された前記所定領域の輝度値の統計量に基づいて、前記所定のパラメータの値を算出するパラメータ値算出ステップと、
    前記画像補正ステップで用いる前記所定のパラメータの値を、前記パラメータ値算出ステップで算出された値で更新するパラメータ値更新ステップと、
    を含むことを特徴とするガラス物品の製造方法。
  17. 溶解槽内で溶融ガラスを製造するガラス溶融ステップと、
    清澄槽内で前記溶融ガラスの泡を除去する清澄ステップと、
    前記清澄ステップにて泡が除去された溶融ガラスを成形する成形ステップと、
    成形された溶融ガラスを徐冷する徐冷ステップと、を含むとともに、
    前記溶解槽内の溶融ガラスを観察対象として、当該溶融ガラスを前記溶解槽内の構造物とともに撮像し、画像を生成する撮像ステップと、
    前記撮像ステップで生成された画像を、所定のパラメータを用いて補正する画像補正ステップと、
    補正前の画像における、画像内で構造物に該当する領域として予め定められた所定領域の輝度値のデータ群から算出される統計量を特定する輝度統計量特定ステップと、
    前記輝度統計量特定ステップで特定された前記所定領域の輝度値の統計量に基づいて、前記所定のパラメータの値を算出するパラメータ値算出ステップと、
    前記画像補正ステップで用いる前記所定のパラメータの値を、前記パラメータ値算出ステップで算出された値で更新するパラメータ値更新ステップと、
    を含むことを特徴とするガラス物品の製造方法。
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