JPWO2013085038A1 - 口腔センサ - Google Patents

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Abstract

従来よりも詳細に舌動作の分析を行え得る口腔センサを提案する。口腔センサ1では、3軸方向の各外力成分を測定可能な機械的構成を有したセンサ素子7を備えていても、当該センサ素子7を弾性体9にて保護でき、また当該弾性体9全体を生体適合性材料でなる被覆膜11aで被覆したことで、センサ素子7や弾性体9を被験者EXAが口腔MT内に安心して取り付けて3軸方向の各外力成分を測定することができ、かくして3軸方向の各外力成分を基に、口腔MT内における咀嚼及び嚥下時の複雑な舌動作を従来よりも詳細に分析し得る。

Description

本発明は、口腔センサに関し、例えば咀嚼や嚥下時における口腔内での舌動作の分析や、嚥下し易い食品開発を行う際に適用して好適なものである。
現在、咀嚼や嚥下時における口腔内の舌動作を分析するセンサとして、被験者の口蓋(口腔内の上側の壁)に貼り付けられ、口蓋の所定位置に配置された感圧センサに舌が接触した際の圧力を測定することで、舌動作を分析する舌圧センサが知られている(例えば、特許文献1参照)。実際上、この舌圧センサは、口蓋に貼付される基幹部と、基幹部から分岐し、同じく口蓋に貼付される帯状の枝部とを有し、これら基幹部及び枝部とにそれぞれ複数の感圧センサが設けられた構成を有する。
ここで、舌圧センサに用いる感圧センサは、2枚の感圧インク層が所定の空隙を介して互いに対向するように配置されており、口蓋側に向けて舌から圧力が与えられると、この圧力によってこれら2枚の感圧インク層が接触して電気抵抗値(抵抗値ともいう)が変化し得るようになされている。これにより、舌圧センサでは、感圧センサの感圧インク層にて変化する電気抵抗値を測定することで、各感圧センサに加えられた圧力と位置を検知し、舌動作の分析を行え得るようになされている。
特開2010−273840号公報
しかしながら、かかる構成でなる舌圧センサでは、感圧センサによって測定できる外力として、舌から口蓋側へ加わる口腔上下方向への上下圧力だけであることから、この口腔上下方向への上下圧力だけでは、口腔内で前後上下左右に複雑に動く舌動作について詳細に把握することは困難であり、舌動作の分析を十分に行えないという問題があった。
そこで、本発明は以上の点を考慮してなされたもので、従来よりも詳細に舌動作の分析を行え得る口腔センサを提案することを目的とする。
かかる課題を解決するため本発明の口腔センサは、被験者の口腔内に取り付けられ、前記口腔内にて舌から与えられる外力を測定するセンサ本体を備え、前記センサ本体は、前記舌から与えられる外力により弾性変形可能な弾性体と、前記弾性体内に埋設され、該弾性体の変位状態を基に、互いに直交する3軸方向の外力成分を測定するセンサ素子と、生体適合性材料からなり、前記弾性体を被覆する被覆膜とを備えることを特徴とする。
本発明の口腔センサによれば、3軸方向の各外力成分を測定可能な機械的構成を有するセンサ素子を備えていても、当該センサ素子を弾性体にて保護し得、また当該弾性体を生体適合性材料でなる被覆膜で被覆したことで、被験者がセンサ素子や弾性体を口腔内に安全に取り付け、3軸方向の各外力成分を測定することができ、かくして3軸方向の各外力成分を基に、口腔内における咀嚼及び嚥下時の複雑な舌動作を従来よりも詳細に分析し得る。
口腔センサを口蓋に取り付けたときの様子を示す概略図である。 被験者が食品を嚥下する際の様子を示す概略図である。 口腔センサの全体構成を示す概略図である。 センサ本体の詳細構成を示す概略図である。 口腔センサの断面構成を示す概略図である。 センサ本体の製造方法の説明に供する概略図である。 センサ本体の製造方法の説明に供する概略図である。 センサ本体の製造方法の説明に供する概略図である。 センサ本体の製造方法の説明に供する概略図である。 カンチレバー部の可動部を起立させるときの説明に供する概略図である。 センサ素子の構成を示すSEM像である。 外力が与えられていないときのセンサ素子の詳細構成を示す概略図である。 口腔前後方向に前後せん断応力が与えられたときのセンサ素子の様子を示す概略図である。 口腔上下方向に上下圧力が与えられたときのセンサ素子の様子を示す概略図である。 被験者の口蓋に口腔センサを取り付けたときの一例を示す写真である。 通常水及び粘性増加水を嚥下したときの前後せん断応力、左右せん断応力及び上下圧力を示すグラフである。 第2の実施の形態によるセンサ素子を示すSEM像である。 第1センサ部の構成を示すSEM像である。 第3センサ部の構成を示すSEM像である。 口腔センサを口蓋に貼付する種々の位置を示す概略図である。 口腔センサの配線を口腔内で引き回す際の変形例を示す概略図である。 他の実施の形態による口腔センサを口蓋に取り付けたときの様子を示す概略図である。 他の実施の形態による口腔センサを口蓋に取り付けた被験者が食品を嚥下する際の様子を示す概略図である。 他の実施の形態による口腔センサの全体構成を示す概略図である。 アイスクリームを嚥下した際の口腔内の温度変化を示すグラフである。 第1センサ部21a、第2センサ部21b及び第3センサ部21cから得られた測定結果と、それら測定結果から温度依存による抵抗値変化分を除去した結果を示すグラフである。 通常水を嚥下したときと、粘性増加水を嚥下したときの第1センサ本体および第2センサ本体から得られた測定結果を示すグラフである。 液体を嚥下したときの時系列的な圧力分布データを示すグラフである。 図28に示す圧力分布データの「1」〜「3」での口腔内の状態を示す概略図である。 図28に示す圧力分布データの「4」および「5」での口腔内の状態を示す概略図である。
1,61 口腔センサ
2 センサ本体
3 配線体
7,51 センサ素子
9 弾性体
11a,11b 被覆膜
21a 第1センサ部
21b 第2センサ部
21c 第3センサ部
62a 第1センサ本体(センサ本体)
62b 第2センサ本体(センサ本体)
以下図面に基づいて本発明の実施の形態を詳述する。
(1)口腔センサの概略
図1において、1は本発明による口腔センサを示し、この口腔センサ1は、被験者の口蓋PLの所定位置に貼付され、咀嚼又は嚥下時に舌動作により口蓋PLに対し加わる3軸方向の各外力成分を測定し得るようになされている。ここで、3軸方向に加わる外力成分とは、被験者の口腔内において口蓋PLの口蓋縫線(Raphe palati:口蓋PLの正中線(生体中央を縦に通る線)上にある隆線)C1と平行な口腔前後方向xに加わる前後せん断応力と、口腔内においてこの口腔前後方向xと直交し、かつ口蓋縫線C1に対し左右に延びる口腔左右方向yに加わる左右せん断応力と、口腔内においてこれら口腔前後方向x及び口腔左右方向yと直交する口腔上下方向zに加わる上下圧力とを示す。
実際上、この口腔センサ1は、図示しない舌が接触可能な口腔内の所定位置に貼付されるセンサ本体2と、このセンサ本体2から引き出された配線体3とを有し、当該配線体3が口腔内から口腔外に引き出され、口腔外部に設けられた計測機器(図示せず)に、当該センサ本体2から得られた測定結果を、配線体3を介して送出し得る。これにより計測機器では、口腔センサ1から得られた測定結果を表示部に表示させ、この表示された測定結果を基に被験者の舌動作を分析し得るようになされている。
具体的に、この実施の形態の場合、センサ本体2は、その一例として、口蓋PLの前方2/3を占める硬口蓋の口蓋縫線C1と、第二小臼歯Ta5,Tb5を結んだ口腔左右方向yに延びる仮想線C2とが交差する位置に貼付されており、センサ本体2の表面全体に舌が接触し易いように配置されている。
また、この実施の形態の場合、センサ本体2から引き出された配線体3は、口蓋縫線C1から切歯乳頭(Papilla incisiva:口蓋の上側中切歯(上側前歯)Ta1,Tb1のすぐ後方の正中線上にある楕円形の隆起)を通過し、上側中切歯(上側前歯)Ta1,Tb1から口腔外へ引き出され得る。なお、これらセンサ本体2及び配線体3は、例えば義歯安定剤(シオノギ製薬 商品名「タッチコレクトII」)等の医療用接着剤によって口蓋PLに貼付され、被験者が食品を咀嚼及び嚥下しても、センサ本体2及び配線体3が口蓋PLから外れたり、ずれたりすることなく、貼付状態を維持し得るようになされている。
このような口腔センサ1は、図2に示すように、センサ本体2が口腔MT内の口蓋PL(この場合、硬口蓋)に貼付されることにより、被験者EXAが食品FDを咀嚼したり、或いは嚥下したりする際に、センサ本体2の表面に食品FDや舌TGが接触し得、食品FDや舌TGから与えられる外力を測定し得るようになされている。なお、図2における枠ER1は、被験者EXAの口腔MT内を一部拡大した拡大図である。
ここで、実際上、この口腔センサ1は、センサ本体2にて、口腔前後方向xの前後せん断応力と、口腔左右方向yの左右せん断応力と、口腔上下方向zの上下圧力とをそれぞれ個別に測定し得るようになされており、咀嚼や嚥下時、複雑に動く舌TGや食品FDから与えられる外力を3軸方向の外力成分に分解し、これら3軸方向の各測定結果から、咀嚼や嚥下時、舌TGがどのように動いているのかについて従来よりも詳細に分析を行え得る。なお、口腔センサ1は、上側中切歯Ta1と下側中切歯(下側前歯)Ta10との間の隙間G1に配線体3を通し、当該配線体3を口腔MT外に引き出すようになされている。
この実施の形態の場合、図3に示すように、この口腔センサ1は、センサ本体2が例えば幅6[mm]、奥行き7[mm]、厚さ0.8[mm]の扁平状でなり、センサ本体2が角部に丸みを帯びた8角形の外郭形状に形成されている。また、センサ本体2は、板状の本体側フレキシブル基板6と、この本体側フレキシブル基板6の平坦なセンサ設置面に設けられたセンサ素子7とを備え、これら本体側フレキシブル基板6及びセンサ素子7全体がシリコンゴムでなる弾性体9により覆われている。
また、これに加えてセンサ本体2は、扁平状でなる弾性体9の表面全体に、例えばパリレンNや、パリレンC、パリレンHT(株式会社日本パリレン社製)等のパラキシリレン系ポリマー(パリレンともいう)でなる被覆膜11aが形成されており、当該被覆膜11aによって弾性体9が外部に非露出状態となっている。センサ本体2は、一方の平坦な被覆膜11aが貼付面となり口腔MTの口蓋PLに貼付され、他方の平坦な被覆膜11aが接触面となり舌TGと対向するように配置され得る。
なお、上述した実施の形態においては、弾性体9を覆う被覆膜11aをパリレンにより形成した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、弾性体9を密封し、かつ生体組織や細胞に対して毒性を示したり、炎症反応等を起こさず、生体に適用可能な生体適合性材料であれば、種々の生体適合性部材により被覆膜11aを形成するようにしてもよい。
この実施の形態の場合、本体側フレキシブル基板6は、センサ本体2の外郭形状と同じ外郭形状(この場合、8角形状)でなり、センサ設置面の中央にセンサ素子7が設置され、センサ素子7と電気的に接続させた所定形状の配線領域部6aが当該センサ素子7を中心に形成されている。ここで、配線領域部6aには、ワイヤによってセンサ素子7が電気的に接続されており、センサ素子7からの電気信号が送出され得る。
センサ本体2に一体形成された配線体3は、センサ本体2の本体側フレキシブル基板6と一体成型された帯状の配線側フレキシブル基板13を備え、この配線側フレキシブル基板13の表面全体がパリレンでなる被覆膜11bにより覆われた構成を有する。配線側フレキシブル基板13には、本体側フレキシブル基板6の配線領域部6aに接続された配線14が形成されている。
これにより口腔センサ1では、センサ素子7からの電気信号が、本体側フレキシブル基板6の配線領域部6aを介して配線側フレキシブル基板13の配線14まで送出され、さらに当該配線体3の配線14から図示しない計測機器まで送出され得るようになされている。かくして口腔センサ1から得られた測定結果は、計測機器の表示部に視覚的に表示され、これら視覚的に表示された測定結果を基に被験者EXAの咀嚼及び嚥下時の舌動作を分析し得る。
(2)センサ本体の詳細構成
次に、センサ本体2の詳細構成について以下説明する。図4に示すように、センサ本体2は、センサ素子7が弾性体9内に埋設されており、さらにこの弾性体9を被覆膜11aで覆った構成を有する。ここで、弾性体9は、本体側フレキシブル基板6のセンサ設置面側だけでなく、このセンサ設置面の裏面全体も覆うように形成されており、本体側フレキシブル基板6のセンサ設置面側に配置される舌対向面9a、すなわち舌TGと対向する面が平坦に形成されている。これにより舌対向面9aに形成される接触面たる被覆膜11aも、舌対向面9aに沿って平坦に形成され、被験者EXAの舌TGが当該被覆膜11aに接触した際に、被験者に対し舌TGに余分な凹凸感を感じさせることなく、センサ本体2が口蓋PLにあることによる違和感を低減させ、自然な咀嚼や嚥下を行わせ得るようになされている。
また、弾性体9は、本体側フレキシブル基板6の裏面側の口蓋対向面9b、すなわち口蓋PLに貼付される側の面も平坦に形成されている。これにより、この口蓋対向面9bに形成される貼付面となる被覆膜11aも、口蓋対向面9bに沿って平坦に形成されている。ここで、弾性体9は、シリコンゴムにより形成され弾力性を有していることから、凹凸のある口蓋PLに医療用接着剤によりセンサ本体2を貼付させる際、口蓋PLの凹凸形状に沿って口蓋対向面9bが変形し得、当該口蓋対向面9bの被覆膜11aを口蓋PLに沿って密着させた状態で貼付し得るようになされている。
これにより、センサ本体2は、被験者EXAの食品FDの咀嚼や嚥下時、口蓋PLとセンサ本体2との間に食品FDが進入し難くなり、また、咀嚼及び嚥下時の口蓋PLの僅かな変化に連動して口蓋対向面9bも変位し、当該口蓋対向面9bの被覆膜11aを口蓋PLに貼付させ続けることができる。かくして、口腔センサ1では、被験者EXAの食品FDの咀嚼や嚥下時に、被験者EXAに対しセンサ本体2が外れ落ちてしまうか否かを気にさせることなく咀嚼や嚥下を行わせることができるため、口腔センサ1がないときと同じような自然な舌動作を実現して、咀嚼や嚥下時の自然な舌動作の測定結果を得ることできる。
ここで、弾性体9内に配置されたセンサ素子7は、互いに直交する口腔前後方向xの前後せん断応力、口腔左右方向yの左右せん断応力及び口腔上下方向zの上下圧力の3軸方向の各外力成分を測定し得るようになされている。実際上、このセンサ素子7には、口腔前後方向(第1方向)xに働く前後せん断応力を測定する第1センサ部21aと、口腔左右方向(第2方向)yに働く左右せん断応力を測定する第2センサ部21bと、口腔上下方向(第3方向)zに働く上下圧力を測定する第3センサ部21cとが互いに所定間隔を空けて基台部20上に形成されている。
第1センサ部21a及び第2センサ部21bは、それぞれ片持ち梁形状のカンチレバー部22a,22bを備えており、当該カンチレバー部22a,22bの一端側が基台部20に固定されているとともに、カンチレバー部22a,22bの他端側が基台部20上に起立するように形成されている。
実際上、各カンチレバー部22a,22bは、一端に設けられ、基台部20に固定された基部23aと、基部23aに連接したL字状の一対のヒンジ部23bと、他端に設けられ、ヒンジ部23bに連接した平板状の可動部23cとで構成されており、外力が加えられていないとき、屈曲したヒンジ部23bによって可動部23cが基台部20に対しほぼ垂直に起立した状態に保持され得る。
ここで、センサ本体2は、例えば舌TGによって接触面たる被覆膜11aに対し外力が加えられると、これに応じて弾性体9が変位し得、当該弾性体9からの外力をカンチレバー部22a,22bの各可動部23cが受けとめ、ヒンジ部23bを中心に当該可動部23cが傾倒し得る。この際、カンチレバー部22a,22bは、各ヒンジ部23bがピエゾ素子として機能し、可動部23cの変位を抵抗値変化として測定し得るようになされている。
実際上、第1センサ部21aは、平板状でなる可動部23cの面部が口腔前後方向xに対し垂直に配置されており、口腔前後方向xに加わる前後せん断応力を可動部23cが受け止め得る。これにより第1センサ部21aは、可動部23cが口腔前後方向xに向けて傾倒し得るようになされている。第1センサ部21aは、外力によってヒンジ部23bが変形すると、ヒンジ部23bの結晶格子に歪みが生じ、半導体のキャリアの量や移動度が変動して抵抗値が変化し得る。かくして第1センサ部21aは、二脚構造のヒンジ部23bの端点の電極間に抵抗値変化を与え、その測定結果からカンチレバー部22aに加えられた前後せん断応力を測定し得るようになされている。
一方、第2センサ部21bは、第1センサ部21aと異なり、平板状でなる可動部23cの面部が口腔左右方向yに対し垂直に配置されており、口腔左右方向yに加わる左右せん断応力を可動部23cが受け止め得る。これにより第2センサ部21bは、可動部23cが口腔左右方向y側に向けて傾倒し得るようになされている。そして、第2センサ部21bでも、第1センサ部21aと同様に二脚構造のヒンジ部23bの端点の電極間に抵抗値変化を与え、その測定結果からカンチレバー部22bに加えられた左右せん断応力を測定し得るようになされている。
これに対して、第3センサ部21cは、これら第1センサ部21a及び第2センサ部21bとは異なり、平板状でなる可動部25cの面が、基台部20に対してほぼ面一に設けられた両持ち梁形状のカンチレバー部22cを備えている。このカンチレバー部22cは、可動部25cの両端部に、基台部20と面一に形成された薄板状のヒンジ部25bがそれぞれ設けられており、センサ本体2に対し口腔上下方向zから上下圧力が与えられると、これにより変形した弾性体9からの上下圧力を可動部25cにて受け止め得る。これにより、第3センサ部21cは、可動部25cが凹み、口腔上下方向z側に変位し得るようになされている。第3センサ部21cは、ヒンジ部25bの端点の電極間に抵抗値変化を与え、その測定結果からカンチレバー部22cに加えられた口腔上下方向zの上下圧力を測定し得るようになされている。
このように、これら第1センサ部21a、第2センサ部21b及び第3センサ部21cは、弾性体9から外力が加わると、当該外力が加わる方向に対応した可動部23c,25cが外力を受けとめ、それぞれのヒンジ部23b,25bが変位し得る。これによりセンサ素子7は、ヒンジ部23b,25bの変形を抵抗値変化としてそれぞれ測定し得、舌動作により与えられる外力を前後せん断応力、左右せん断応力、及び上下圧力の3軸方向の外力成分として特定し得る。
なお、第1センサ部21a及び第2センサ部21bは、可動部23cの設置方向が異なるだけあり、その他の構成については同一構成でなることから、以下、第1センサ部21aの構成に着目して詳細構成を説明する。図5は、第1センサ部21aに着目し、他の第2センサ部21b及び第3センサ部21cについては省略した口腔センサ1の側断面構成を示す概略図である。
図5に示すように、第1センサ部21aのカンチレバー部22aは、Si薄膜で形成されたL字状のSi上層30を有し、このSi上層30の表面に薄膜状のピエゾ抵抗層29が形成され、基部23a及び可動部23cにあるピエゾ抵抗層29上にAu/Ni薄膜28,33が設けられている。なお、基台部20には、Si下層32が設けられており、Si下層32の所定位置にSiO2層31を介してカンチレバー部22aの基部23aが設けられている。
このカンチレバー部22aは、ヒンジ部23bのSi上層30及びピエゾ抵抗層29がnmオーダーの薄膜状に形成されており、ヒンジ部23bのピエゾ抵抗層24がピエゾ素子として機能し得る。ここで、この実施の形態の場合、カンチレバー部22aは、ヒンジ部23bを除いて基部23a及び可動部23cがAu/Ni薄膜28,33で覆われていることにより、ヒンジ部23bの変形した分の抵抗値を測定し得るようになされている。すなわち、このカンチレバー部22aは、外力によってヒンジ部23bが変形すると、ヒンジ部23bの結晶格子に歪みが生じ、半導体のキャリアの量や移動度が変動して抵抗値が変化し得、ヒンジ部23bの抵抗値変化を基に前後せん断応力を測定し得るようになされている。
なお、このカンチレバー部22aには、基部23aに設けたAu/Ni薄膜28にワイヤ38の一端が電気的に接続されている。このワイヤ38は、他端が本体側フレキシブル基板6の配線領域部6aに接続されており、ヒンジ部23bでの抵抗値変化を示す電気信号を測定結果として配線領域部6aに送出し得る。
また、このセンサ素子7は、基台部20に加えて、本体側フレキシブル基板6や、ワイヤ38、基台部20上の第1センサ部21a、図示しない第2センサ部21b及び第3センサ部21c(図4)全てがパリレンからなる保護膜36により被覆されている。この保護膜36は、厚さ1[μm]程度でなり、例えばカンチレバー部22aにおける可動部23cの直立状態を維持させ得るような機械的強度をヒンジ部23bに与えるとともに、弾性体9が変位した際にはこれに応じてヒンジ部23bが曲がり、可動部23cが傾倒し得るように形成されている。
なお、配線体3には、配線側フレキシブル基板13の一面及び他面と、配線側フレキシブル基板13の配線14とが全て被覆膜11bにて被覆されているとともに、センサ本体2との接続箇所も被覆膜11bで被覆されている。かくして口腔センサ1は、被験者EXAの口腔MT内に取り付けられるセンサ本体2のみならず、口腔MT内に取り付けられる配線体3も全て生体に適用可能なパリレンでなる被覆膜11bで被覆された構成を有する。
(3)センサ素子及び口腔センサの製造方法
次に、上述したセンサ素子7と、当該センサ素子7を備えた口腔センサ1の製造方法について以下説明する。なお、センサ素子7の第1センサ部21a、第2センサ部21b及び第3センサ部21cの製造方法は、ほぼ同じであることから、ここでは第1センサ部21aに着目して説明する。図6A及び図6Bに示すように、先ず初めに、表面からSi上層30、SiO2層31及びSi下層32の順に積層されたSOI(Silicon On Insulator)基板39を用意する。なお、このSOI基板39をHF(フッ化水素)溶液中で洗浄し、SOI基板39の表面に形成されている自然酸化膜を除去する。
その後、すぐにn型不純物材料P-59230(OCD,東京応化)をSOI基板39の表面にスピンコートし、熱酸化炉を用いて当該SOI基板39内を熱拡散し、不純物を100[nm]以下の厚さでドープして、図7A及び図7Bに示すように、Si上層30にピエゾ抵抗層29を形成する。次いで、SOI基板39のピエゾ抵抗層29表面にAu/Ni層をスパッタリングにより形成し、その後、所定の形状にパターニングして、このAu/Ni層をマスクとして用い、ピエゾ抵抗層29及びSi上層30をDRIE(Deep Reactive Ion Etching)にてエッチングする。これにより、SOI基板39は、図8A及び図8Bに示すように、後に基部23aとなる基部形成領域20aにAu/Ni薄膜28が形成されるとともに、後にヒンジ部23bとなるヒンジ部形成領域20bにピエゾ抵抗層29が露出し、後に可動部23cとなる可動部領域20cにAu/Ni薄膜33が形成され得る。
次に、基部形成領域20aを残して、ヒンジ部形成領域20b及び可動部領域20cの直下にあるSi下層32をDRIEによってエッチングし、さらにSiO2層31をHF(フッ化水素)によって除去することで、図9A及び図9Bに示すように、Si下層32の開口領域40にヒンジ部23bと、自由端となる可動部23cとを形成してセンサ素子部材を製造する。
次いで、これとは別に、配線側フレキシブル基板13(図3)に一体成型された本体側フレキシブル基板6を用意し、図10に示すように、この本体側フレキシブル基板6の一面の所定位置に、上述したセンサ素子部材を接着剤で固定させた後、本体側フレキシブル基板6の下方から口腔上下方向zに沿った磁場(本図中矢印B方向)を加え、この磁場により、Au/Ni薄膜33を有した自由端である可動部23cを口腔上下方向zに変位させ得る。これによりカンチレバー部22aは、ヒンジ部23bが折り曲がり可動部23cが起立して、当該可動部23cの面部が口腔前後方向xに対し垂直に配置された状態となり、センサ素子7が製造され得る。
なお、磁場は、ネオジム磁石(NE009,二六製作所)を用いて加える。なお、図4に示す第2センサ部21bは、ヒンジ部23b及び可動部23cの向きが第1センサ部21aと異なるだけで、その製造方法が上述した第1センサ部21aの製造方法と同じであるため、その説明は省略する。また、図4に示す第3センサ部21cは、可動部25c及びヒンジ部25bが両持ち梁形状に形成され、かつ製造過程において可動部25cを起立させていない点以外は上述した第1センサ部21aと同じである。従って、第3センサ部21cは、上述した第1センサ部21aの製造方法に従って製造すればよいことから、ここではその製造方法の説明については省略する。
次いで、図5に示したように、センサ素子7の基台部20に電極として設けたAu/Ni薄膜28と、本体側フレキシブル基板6上の配線領域部6aとをワイヤ38で接続した後、本体側フレキシブル基板6、ワイヤ38及びセンサ素子7全体に、パリレンからなる厚さ1[μm]の保護膜36を化学蒸着法(CVD法)により成膜する。これにより可動部23cは、保護膜36によって、起立した状態が維持され得る。なお、図11は、上述した製造方法に従って製造したセンサ素子7のSEM像であり、第1センサ部21a及び第2センサ部21bのL字状に折れ曲がり基台部20に対して直立しており、第3センサ部21cが梁状に形成されていることが確認できる。
続いて、センサ素子7を設けた本体側フレキシブル基板6全体を覆うように扁平状の弾性体9を形成し、当該弾性体9によって本体側フレキシブル基板6を外部に非露出状態にする。この際、弾性体9は、舌対向面9a及び口蓋対向面9bがそれぞれ平坦に形成され得る。また、ここでは、弾性体9となる弾性材料としてPolydimethylsioxane(PDMS:(株)東レ・ダウコーニング製、SILPOT184)を使用する。
実際上、この弾性体9は以下のようにして製造される。まず初めに、PDMSの主剤と硬化剤とを所定の割合で混合し、弾性体9となる弾性材料を作製する。なお、弾性部材としては、被験者EXAの口蓋PLにセンサ本体2を貼付して舌動作を分析する際、口腔MT内にて舌TGや食品FDがセンサ本体2に接触しても弾性体9が破損することがない硬さと、舌TGや食品FDからの外力を受けて柔軟に変形可能な柔らかさとを実現するため、例えば主剤と硬化剤とを重量比10:1とした弾性部材を用いることが好ましい。
次いで、作製した弾性材料たるPDMSを遠心式脱泡装置(あわとり錬太郎 ARE-250,シンキー)を用いて攪拌し、デシケータで脱泡作業を行う。そして、これとは別に、センサ本体2の外郭形状が内部空間に形成され、一面が開口されている箱体(図示せず)を用意し、センサ素子7を設けた本体側フレキシブル基板6を、箱体の内壁に接触しないようにして箱体の開口から内部空間に位置決めする。次いで、この箱体の開口から内部空間に弾性材料たるPDMSを流し込み、当該箱体を再度デシケータに入れて脱泡を行う。その後、約70[℃]に保ったオーブンにて40分間ベークし、弾性部材たるPDMSを硬化させて弾性体9を形成し、箱体から弾性体9を取り出す。このようにして弾性体9は、扁平状に形成されるとともに、内部に本体側フレキシブル基板6が配置され得る。なお、ベークの際には、形成される弾性体9の表面を扁平状に硬化させるために、5分おきに箱体を90度ずつ回転させ、オーブンの床の傾きによる、弾性体表面の傾きを防いでいる。
最後に、扁平状に形成された弾性体9の外表面や、弾性体9から引き出されている配線側フレキシブル基板13の表面全体に、パリレンからなる厚さ1[μm]の被覆膜11aをCVD法により成膜することで、図3に示すような口腔センサ1を作製できる。
(4)口蓋に取り付けたセンサ本体に対して外力が与えられたときのセンサ素子
次に、口蓋PLに取り付けたセンサ本体2に対し、舌TGや食品FDから外力が与えられたとき、センサ素子7の第1センサ部21a、第2センサ部21b及び第3センサ部21cがどのように3軸方向の外力成分を測定するかについて、以下説明する。ここで、舌TGや食品FDが接触することなく、外力が全く与えられていないときには、図12に示すように、センサ本体2の弾性体9が変位しない。
これによりセンサ素子7は、第1センサ部21a及び第2センサ部21bの各カンチレバー部22a,22bが直立状態を維持し、かつ第3センサ部21cのカンチレバー部22cが基台部20の面に対して面一状態を維持し得る。従って、センサ素子7では、第1センサ部21a、第2センサ部21b及び第3センサ部21cにおける抵抗値も変化せず、図示しない計測機器にて初期の抵抗値が測定され続ける。
次に、図12との対応部分に同一符号を付して示す図13のように、口蓋PLに取り付けられたセンサ本体2の被覆膜11aに対し、例えば舌TGや食品FDから口腔前後方向xに前後せん断応力(図13中、矢印X1で示す)が与えられた場合には、口腔前後方向xから受ける前後せん断応力によってセンサ本体2の被覆膜11a及び弾性体9が口腔前後方向xに移動し変位し得る。これによりセンサ素子7は、可動部23cの面部が口腔前後方向xに直交した第1センサ部21aが、口腔前後方向xへ移動する弾性体9を可動部23cにて受け止める。これによりセンサ素子7では、弾性体9の変位にともないカンチレバー部22aが口腔前後方向xへ傾倒し、第1センサ部21aにおけるヒンジ部23bのピエゾ抵抗層29が変位した分だけ抵抗値が変化し得る。
因みに、センサ素子7では、第2センサ部21bの可動部23cも弾性体9内に起立状態にあり、口腔前後方向xへ移動する弾性体9の変位にともないカンチレバー部22bも口腔前後方向xへ傾倒し得る。しかしながら、第2センサ部21bは、一対のヒンジ部23bのうち一方のヒンジ部23bが伸びて抵抗値が増加し、これに対し、他方のヒンジ部23bが縮み抵抗値が減少し得る。この際、第2センサ部21bでは、一方のヒンジ部23bにおける抵抗値の増加と、他方のヒンジ部23bにおける抵抗値の減少とが等しく、これら抵抗値増加と抵抗値減少とが合計されることで、全体として抵抗値変化なしとなり得る。かくして、センサ本体2に対し舌TGや食品FDから口腔前後方向xに前後せん断応力が与えられた際には、第1センサ部21aにより発生する抵抗値の変化を基に、口腔前後方向xに加わる前後せん断応力を特定し得る。
これに対して、口蓋PLに取り付けられたセンサ本体2の被覆膜11aに、例えば舌TGや食品FDから口腔左右方向yへ左右せん断応力が与えられた場合には、口腔左右方向yから受ける左右せん断応力によってセンサ本体2の被覆膜11a及び弾性体9が口腔左右方向yに移動し変位し得る。これによりセンサ素子7は、口腔左右方向yに対して可動部23cの面部が直交した第2センサ部21bが、口腔左右方向yへ移動する弾性体9を可動部23cにて受け止める。これによりセンサ素子7は、この弾性体9の変位にともない第2センサ部21bのカンチレバー部22bが口腔左右方向yへ傾倒し得る。かくして、センサ素子7は、第2センサ部21bにおけるヒンジ部23bのピエゾ抵抗層29が変位し、これにより発生する抵抗値の変化を基に、口腔左右方向yに加わる左右せん断応力を特定し得る。
因みに、上述と同様に、この際、第1センサ部21aは、一対のヒンジ部23bのうち一方のヒンジ部23bが伸びて抵抗値が増加し、これに対し、他方のヒンジ部23bが縮み抵抗値が減少し、これら合計により全体として抵抗値変化なしとなり得る。かくして、センサ本体2に対し舌TGや食品FDから口腔左右方向yに、左右せん断応力が与えられた際には、第2センサ部21bにより発生する抵抗値変化を基に、口腔左右方向yに加わる左右せん断応力を特定し得る。
また、図12との対応部分に同一符号を付して示す図14のように、口蓋PLに取り付けられたセンサ本体2の被覆膜11aに、例えば舌TGや食品FDから口腔上下方向zに上下圧力(図14中、矢印Z1で示す)が与えられた場合には、口腔上下方向zから受ける上下圧力によってセンサ本体2の被覆膜11a及び弾性体9が口腔上下方向zに凹む。これによりセンサ素子7は、口腔上下方向zに対し可動部25cの面部が直交した第3センサ部21cが、口腔上下方向zに移動する弾性体9を可動部25cにて受け止める。これによりセンサ素子7は、弾性体9の変位にともない第3センサ部21cのカンチレバー部22cが凹み、その分だけヒンジ部25bのピエゾ抵抗層29が変位し、その際に生じた抵抗値の変化を基に、口腔上下方向zに加わる上下圧力を特定し得る。
因みに、センサ素子7では、第1センサ部21a及び第2センサ部21bの可動部23cの面部がそれぞれ口腔上下方向zと平行に配置されていることから、可動部23cの面部にて、口腔上下方向zへ変位する弾性体9を受け止め難い。このため、センサ素子7では、口腔上下方向zに弾性体9が変位したとき、主として第3センサ部21cが弾性体9に連動して大きく変位し得る。かくして、センサ本体2に対し舌TGや食品FDから口腔上下方向zに上下圧力が与えられた際には、第3センサ部21cが主として変形し、これにより発生する抵抗値の変化を基に、口腔上下方向zに加わる上下圧力を特定し得る。
このように口腔センサは、センサ素子7のうち、口腔前後方向xに加わる前後せん断応力を主として第1センサ部21aの抵抗値変化を基に特定し、また、口腔左右方向yに加わる左右せん断応力を主として第2センサ部21bの抵抗値変化を基に特定し、さらに、口腔上下方向zに加わる圧力を主として第3センサ部21cの抵抗値変化を基に特定し得、舌TGや食品FDから与えられる複雑な外力を3軸方向の外力成分に区分けして測定し得るようになされている。
(5)検証試験
次に、上述した「(3)センサ素子及び口腔センサの製造方法」にて製造した口腔センサ1を用意し、図15A及び図15Bに示すように、被験者EXAの口腔MT内に口腔センサ1を取り付け、粘度1[mPa・s]の粘性が殆どない通常の水(以下、これを通常水と呼ぶ)と、とろみ調整食品(株式会社明治,商品名「トロメイクSP」)を通常水に入れ所定の粘性を与えた粘度800[mPa・s]の水(以下、これを粘性増加水と呼ぶ)とを被験者EXAに嚥下させた。そして、このとき口腔センサ1により得られる測定結果をそれぞれ調べた。
実際上、この検証試験では、図15Bに示すように、口腔センサ1のセンサ本体2を、義歯安定剤(シオノギ製薬 商品名「タッチコレクトII」)43によって口蓋PL(硬口蓋)の口蓋縫線上に貼付した。なお、センサ本体2から延びる配線体3も、義歯安定剤(シオノギ製薬 商品名「タッチコレクトII」)43によりセンサ本体2から口蓋縫線に沿って貼付した。そして、配線体3をそのまま上側中切歯(上側前歯)Ta1,Tb1の裏側から口腔MT外に引き出した。因みに、この検証試験では、図15Aに示すように、配線体3の端部を配線体保持基板42に接続し、口腔MT外に引き出した配線体3を、被験者EXAの鼻上で折り返して、口の周囲に配線体保持基板42を貼付し、配線体3を安定的に保持させた。
次に、この状態のまま、5[ml]、10[ml]、15[ml]及び20[ml]の異なる液体量の普通水を用意し、この液体量が異なる常温の普通水を被験者EXAに嚥下させ、このときの口腔センサ1からの測定結果を調べたところ、図16に示す(a)、(b)及び(c)のような結果が得られた。
ここで、図16の(a)は、第3センサ部21cで得られた測定結果であり、口腔上下方向zに与えられる上下圧力を示している。また、図16の(b)は、第1センサ部21aで得られた測定結果であり、口腔前後方向xに与えられる前後せん断応力を示している。さらに、図16の(c)は、第2センサ部21bで得られた測定結果であり、口腔左右方向yに与えられる左右せん断応力を示している。また、図16の(a)、(b)及び(c)に示した点線は被験者EXAが通常水を嚥下したときのタイミングを示している。
また、これとは別に、5[ml]、10[ml]、15[ml]及び20[ml]の異なる液体量の粘性増加水を用意し、液体量が異なる常温の粘性増加水を被験者EXAに嚥下させ、このときの口腔センサ1の測定結果を調べたところ、図16に示す(d)、(e)及び(f)のような結果が得られた。
ここで、図16の(d)は、第3センサ部21cで得られた測定結果であり、口腔上下方向zに与えられる上下圧力を示している。また、図16の(e)は、第1センサ部21aで得られた測定結果であり、口腔前後方向xに与えられる前後せん断応力を示している。さらに、図16の(f)は、第2センサ部21bで得られた測定結果であり、口腔左右方向yに与えられる左右せん断応力を示している。また、図16の(d)、(e)及び(f)に示す点線は被験者EXAが粘性増加水を嚥下したときを示している。
図16の(a)及び(d)から、液体の粘性を増すことで被験者EXAは、液体を嚥下する際、口蓋PLに対する口腔上下方向zからの上下圧力が大きくなることが確認できた。しかしながら、図16の(b)及び(e)から、液体の粘性を増したほうが、口蓋PLに対する口腔前後方向xからの前後せん断応力が減少することが確認できた。
ここで、図16(b)に示すように、例えば口腔MT内への液体量が15[ml]の通常水を嚥下させたときには、口腔前後方向xに与えられる前後せん断応力を示す波形に、大きなピークが1か所表れており、被験者EXAが嚥下を1回行っていることが確認できた。一方、図16(e)に示すように、液体量が同じ15[ml]であっても粘性増加水を嚥下させたときには、口腔前後方向xに与えられる前後せん断応力を示す波形に、大きなピークが2か所表れており、被験者EXAが嚥下を2回行っていることが確認できた。
また、図16(b)に示すように、例えば口腔MT内への液体量が20[ml]の通常水を嚥下させたときには、口腔前後方向xに与えられる前後せん断応力を示す波形に、大きなピークが2か所表れており、被験者EXAが嚥下を2回行っていることが確認できた。一方、図16(e)に示すように、液体量が同じ20[ml]であっても粘性増加水を嚥下させたときには、口腔前後方向xに与えられる前後せん断応力を示す波形に、大きなピークが3か所表れており、被験者EXAが嚥下を3回行っていることが確認できた。
このことから、液体の粘性を増すと、嚥下回数が増加するものの、口腔前後方向xに生じる前後せん断応力が減少することが確認できた。このように口腔センサ1では、口腔上下方向zの上下圧力とは別に、口腔前後方向xの前後せん断応力を測定できることから、口腔上下方向zの上下圧力だけでは十分に分析し難かった詳細な舌動作を分析できることが確認できた。
また、図16(c)及び(d)から、液体の粘性を増したほうが、口蓋PLに対する口腔左右方向yからの左右せん断応力が減少することが確認できた。このように、口腔センサ1では、嚥下時に複雑に動く舌動作から、口腔前後方向x、口腔左右方向y及び口腔上下方向zの3軸方向へ働く前後せん断応力、左右せん断応力及び上下圧力を個別に測定し得ることが確認できた。
そして、図16に示すような3軸方向の測定結果から、例えば通常水を嚥下する際には、口腔上下方向zに向けて口蓋に対し舌TGをしっかりと密着させて舌先から口腔MT外に通常水が漏れ出ることを防ぎつつ、重力で通常水を喉に流し込んでいる、との推測ができた。また、その一方、例えば液体の粘性が増した場合には、嚥下する際、口腔前後方向x及び口腔左右方向yにも舌を口蓋に対し一段と密着させるようになり、舌動作によって液体を喉に送り込むようになる等、嚥下時における口腔MT内の舌動作原理を推測ができた。このような嚥下時の舌動作の推測は、嚥下障害を有する高齢者等に対して、嚥下し易い食品開発の手助けともなるものであり、今後の食品開発にとって重要な分析結果となる。
(6)動作及び効果
以上の構成において、口腔センサ1では、口腔前後方向xの前後せん断応力と、口腔左右方向yの左右せん断応力と、口腔上下方向zの上下圧力の3軸方向の各外力成分を測定可能なセンサ素子7を、弾性変形可能な弾性体9内に埋設し、さらにこの弾性体9をパリレンからなる被覆膜11aにて被覆するようにした。
これにより口腔センサ1では、3軸方向の各外力成分を測定可能な機械的構成を有したセンサ素子7を備えていても、当該センサ素子7を弾性体9にて保護でき、また当該弾性体9全体を生体適合性材料でなる被覆膜11aで被覆したことで、センサ素子7や弾性体9を被験者EXAが口腔MT内に安心して取り付けて3軸方向の各外力成分を測定することができ、かくして3軸方向の各外力成分を基に、口腔MT内における咀嚼及び嚥下時の複雑な舌動作を従来よりも詳細に分析し得る。
また、口腔センサ1では、弾性体9全体を被覆膜11aで被覆することで、弾性体9に一定の機械的強度をも与えることもでき、口腔MT内にて複雑に動く舌TGや食品FDが被覆膜11aにより弾性体9に直接接触することなく、咀嚼や嚥下時に当該弾性体9の損傷を防止し得、その分、被験者EXAがセンサ本体2の損傷を気にすることなく自然な咀嚼や嚥下を行わせることができる。
実際上、この口腔センサ1では、咀嚼又は嚥下時に舌TGや食品FDがセンサ本体2に接触すると、これに応じて弾性体9が弾性変形し、この弾性体9の変位状態に連動して、センサ素子7から口腔前後方向xの前後せん断応力と、口腔左右方向yの左右せん断応力と、口腔上下方向zの上下圧力の測定結果を得ることができる。
また、この口腔センサ1では、本体側フレキシブル基板6の裏面も弾性体9で覆い、センサ素子7を被験者EXAの口腔MT内に弾性体9を介在させて取り付けるようにした。これにより口腔センサ1では、センサ本体2を口蓋PLに貼付する際、口蓋PLの凹凸形状に合わせて内部の弾性体9が柔軟に変形し、凹凸のある口蓋PLに対してセンサ本体2を確実に密着させて取り付けることができる。
そして、この口腔センサ1では、センサ本体2から引き出された配線体3も、センサ本体2と同様に、生体適合性材料のパリレンからなる被覆膜11bで被覆するようにした。これにより口腔センサ1では、センサ本体2と同様に配線体3も口腔MT内に安心して取り付けることができ、センサ本体2を口蓋PLの最適な位置に貼付させつつ、当該センサ本体2からの測定結果を配線体3により外部の計測機器まで送出させることができる。また、口腔センサ1では、被覆膜11bによって配線体3の機械的強度も向上し得、図1に示すように、配線体3を上側中切歯Ta1,Tb1から引き出した際に、被験者EXAが咀嚼時に誤って配線体3を噛んでしまっても、配線14が破損してしまうことを防止できる。
さらに、この口腔センサで1は、第1センサ部21aと第2センサ部21bと第3センサ部21cとが、基台部20上にて互いに隣接するように三角形の頂点の位置関係をもって形成されており、これら3つの第1センサ部21aと第2センサ部21bと第3センサ部21cが基台部20に効率的に配置され、口腔内にて離れずに集約するように形成されている。これにより、センサ本体2では、センサ素子7の小型化が図られ、口蓋PLの貼付面積を比較的小さくできる。これにより口腔センサ1は、口蓋PLにセンサ本体2を貼付させても、咀嚼や嚥下時にセンサ本体2が邪魔にならず、被験者EXAに対して自然な咀嚼や嚥下を行わせることができる。
因みに、この口腔センサ1では、第1センサ部21a、第2センサ部21b及び第3センサ部21cの3か所から得られる抵抗値変化を測定できればよいことから、その分、配線体3に設けられる配線本数を減らすことができるので、当該配線体3の幅を極力小さくし得、かつ配線体3の厚さを薄くすることができる。このように口腔センサ1では、配線体3の幅を小さくし厚さを薄くしたことで、配線体3を口腔MT内に貼付させた際、被験者EXAの違和感を低減できる。また、口腔センサ1では、配線体3の幅を小さくし、かつ厚さを薄く形成し得ることから、被験者EXAに上側中切歯Ta1及び下側中切歯Ta10間に隙間G1があれば、配線体3を口腔MT内にて複雑に引き回すことなく、センサ本体2を貼付した口蓋PLから口蓋縫線C1に沿って直線的に配線体3を延ばし、そのまま隙間G1から口腔MT外に簡単に引き出すこともできる。
(7)他の実施の形態
(7−1)温度センサ部を備えたセンサ素子
なお、本発明は、本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能であり、例えば、上述した実施の形態においては、前後せん断応力を測定する第1センサ部21aと、左右せん断応力を測定する第2センサ部21bと、上下圧力を測定する第3センサ部21cとを備えたセンサ素子7を適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、前後せん断応力を測定する第1センサ部21aと、左右せん断応力を測定する第2センサ部21bと、上下圧力を測定する第3センサ部21cとに加えて、温度変化に応じてピエゾ抵抗層が変位することにより生じる抵抗値変化を測定する温度センサ部を備えたセンサ素子を適用してもよい。
この場合、図4との対応部分に同一符号を付して示す図17のように、センサ素子51は、第1センサ部21a、第2センサ部21b及び第3センサ部21cが基台部20上に形成されているとともに、温度センサ部52が同じく基台部20上に形成されている。なお、この実施の形態の場合、センサ素子51は、第1センサ部21aと第2センサ部21bと第3センサ部21cと温度センサ部52とが四辺形の頂点の位置関係をもって形成されており、センサ素子51の限られた領域内にこれら4つの第1センサ部21aと第2センサ部21bと第3センサ部21cと温度センサ部52が効率的に配置されている。なお、図17と、後述する図18では、第1センサ部21a及び第2センサ部21bの可動部23cが、一見、基台部20と面一に形成されているようにも見えるが、実際は、第1センサ部21a及び第2センサ部21bの可動部23cが基台部20に対して起立している。
実際上、センサ素子51は、上述したように第1センサ部21a、第2センサ部21b及び第3センサ部21cの可動部23c,25cが基台部20の開口領域40にて自由端となっており、所定方向からの外力に応じて可動部23c,25cが変位可能に形成されている。ここで、図12との対応部分に同一符号を付した図18は、第1センサ部21aのSEM像を示し、開口領域40にカンチレバー部22aが配置され、このカンチレバー部22aには、可動部23cにAu/Ni薄膜33が形成され、かつ一対のヒンジ部23bにピエゾ抵抗層(Doped Si)29が設けられている。
一方、図19は、第3センサ部21cのSEM像を示し、両持ち梁形状のカンチレバー部22cが開口領域40に配置され、このカンチレバー部22cには、可動部25cにAu薄膜55が形成され、かつ一対のヒンジ部25bにピエゾ抵抗層(Doped Si)29が設けられている。これに対して温度センサ部52は、図17に示したように、基台部20と面一に四辺状の可動部53が形成され、この可動部53を取り囲むように可動部53周辺全域にピエゾ抵抗層29aが形成されており、開口領域が形成されていない。これにより温度センサ部52は、第3センサ部21cと異なり口腔上下方向zに圧力が与えられても、ピエゾ抵抗層29aが変形しないことから可動部53が凹むことなく、可動部53の面部が基台部20と面一状態を維持し得る。
このように温度センサ部52は、外力が与えられても可動部53が動くことがないが、周辺の温度が変化すると、これに応じて可動部53周辺のピエゾ抵抗層29aが変位する。これにより温度センサ部52は、ピエゾ抵抗層29aが変位した分だけ抵抗値が変化し得る。ここで、このような温度変化に応じた抵抗値変化は、第1センサ部21a、第2センサ部21b及び第3センサ部21cの各ヒンジ部23b,25bのピエゾ抵抗層29においても生じている。すなわち、第1センサ部21a、第2センサ部21b及び第3センサ部21cは、外力が与えられることによるピエゾ抵抗層29の抵抗値変化に加えて、嚥下する食品温度に応じてピエゾ抵抗層29が変位した分の抵抗値変化も測定している。
そこで、このセンサ素子51では、温度センサ部52にて測定した温度依存によるピエゾ抵抗層29aの抵抗値変化分を、第1センサ部21a、第2センサ部21b及び第3センサ部21cから測定した抵抗値変化から除去する。これによりセンサ素子51では、第1センサ部21a、第2センサ部21b及び第3センサ部21cの各測定結果から、温度依存による抵抗値変化分をなくすことができ、咀嚼や嚥下時に舌TGや食品FDから与えられた外力により生じた抵抗値変化だけを測定し得る。
以上の構成において、センサ素子51では、温度変化に応じたピエゾ抵抗層29aの抵抗値変化のみを測定可能な温度センサ部52を設け、温度センサ部52により測定した抵抗値変化を、第1センサ部21a、第2センサ部21b及び第3センサ部21cから測定した抵抗値変化分から除去(減算)するようにした。これによりセンサ素子51では、温度依存による抵抗値変化分をなくして、咀嚼や嚥下時に舌TGや食品FDから与えられた外力により生じた抵抗値変化だけを測定でき、かくして3軸方向の各外力成分を基に、口腔MT内における咀嚼及び嚥下時の複雑な舌動作を従来よりも詳細に分析し得る。
(7−2)その他、変形例
また、上述した実施の形態においては、図20に示すように、口蓋(硬口蓋)PLの正中線を通る口蓋縫線C1と、第二小臼歯Ta5,Tb5を結んだ口腔左右方向yに延びる仮想線C2とが交差する位置Ch2に、センサ本体2を貼付するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば口蓋縫線C1と、第一小臼歯Ta4,Tb4を結んだ口腔左右方向yに延びる仮想線C3とが交差する位置Ch1や、口蓋縫線C1と、第二大臼歯Ta7,Tb7を結んだ口腔左右方向yに延びる仮想線C4とが交差する位置Ch3等その他種々の口蓋縫線C1上の所定位置にセンサ本体2を貼付してもよい。また、センサ本体2は、口蓋縫線C1上だけでなく、仮想線C4上で口蓋縫線C1から外れた例えば第二大臼歯Ta7,Tb7近傍の位置Ch4,Ch5や、仮想線C2,C3上の種々の位置、或いは口腔MT内の粘膜でない上側中切歯Ta1,Tb1、第二小臼歯Ta5,Tb5等にセンサ本体2を貼付してもよく、口腔MT内において舌TGが接触可能な位置であれば、種々の位置に設けるようにしてもよい。
さらに、上述した実施の形態においては、口腔センサ1の配線体3をセンサ本体2から口蓋縫線C1に沿って上側中切歯Ta1,Tb1裏側を通り直線的に口腔MT外に引き出すようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば図21Aに示すように、取り付け位置Ch1又はCh2に貼付したセンサ本体2から延びる配線体3を、口蓋縫線C1上に沿って口蓋PLの取り付け位置Ch3まで伸ばした後、位置Ch5を経由して一方の第二大臼歯Tb7側に延ばし、第二大臼歯Tb7奥の歯茎を回って上側中切歯Tb1側に向けて折り返し、そのまま上歯(第二大臼歯、第一大臼歯、第二小臼歯及び第一小臼歯)外側に沿って口腔MT外に引き出すようにしてもよい。
また、その他の配線体3の引き回し例としては、図21Bに示すように、取り付け位置Ch1又はCh2に貼付したセンサ本体2から延びる配線体3を、上歯(第一小臼歯、第二小臼歯、第一大臼歯及び第二大臼歯)裏側に沿って最も奥の第二大臼歯Tb7まで引き回した後、この第二大臼歯Tb7奥の歯茎を回って上側中切歯Tb1側に向けて折り返し、そのまま上歯(第二大臼歯、第一大臼歯、第二小臼歯及び第一小臼歯)外側に沿って口腔MT外に引き出すようにしてもよい。
さらに、その他の配線体3の引き回し例としては、図21Cに示すように、取り付け位置Ch1又はCh2に貼付したセンサ本体2から延びる配線体3を、取り付け位置Ch1又はCh2から第二大臼歯Tb7まで直線的に伸ばした後、この第二大臼歯Tb7の奥を回って上側中切歯Tb1側に向かって折り返し、そのまま上歯(第二大臼歯、第一大臼歯、第二小臼歯及び第一小臼歯)外側に沿って口腔MT外に引き出すようにしてもよい。
このように本発明の口腔センサ1では、配線体3の幅を狭く、かつ厚さを薄く形成し得ることから、口腔MT内の狭い空間を自由に引き回すことができ、かくして被験者EXAの口蓋形状や歯型に応じて、上述した図21A〜図21Cのように自由に配線体3を引き回すことができる。また、配線体3は、配線側フレキシブル基板13や配線14全てが被覆膜11bにて覆われていることから、当該被覆膜11bによって機械的強度が向上し得、被験者EXAの口蓋形状や歯型に応じて自由に湾曲させても破損し難く、また配線側フレキシブル基板13や配線14に対する損傷を防止し得る。
さらに、上述した実施の形態において、片持ち梁形状の第1センサ部21a及び第2センサ部21bと、両持ち梁形状の第3センサ部21cとを設け、これら第1センサ部21a、第2センサ部21b及び第3センサ部21cが弾性体9の変位に連動して変位して3軸方向の各外力成分を測定するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、弾性体9の変位に応じて変形可能な構成を有し、3軸方向の各外力成分を測定できば、例えば第3センサ部を片持ち梁形状にする等その他種々の形状でなる第1センサ部、第2センサ部及び第3センサ部を適用してもよい。
(8)第1センサ本体及び第2センサ本体を備えた口腔センサ
上述した実施の形態においては、センサ本体2を1つだけ備えた口腔センサ1について説明したが、本発明はこれに限らず、2つや3つなど複数のセンサ本体を備えた口腔センサとしてもよい。例えば、図1との対応部分に同一符号を付して示す図22は、2つのセンサ本体を備えた口腔センサ61を示し、第1センサ本体62a及び第2センサ本体62bが口腔前後方向xに沿って一列に配置された構成を有する。
実際上、この口腔センサ61は、配線体3に対し一列に設けた第1センサ本体62aと第2センサ本体62bを、舌が接触可能な口腔内の口蓋に貼付させ、配線体3が口腔内から口腔外に引き出され得る。口腔センサ61は、口腔外部に設けられた計測機器(図示せず)に配線体3が接続されており、これら第1センサ本体62a及び第2センサ本体62bから得られた各測定結果を、配線体3を介して計測機器に送出し得る。これにより計測機器では、口腔センサ61の第1センサ本体62a及び第2センサ本体62bから得られた各測定結果を表示部に表示させ、この表示された測定結果を基に被験者の舌動作を、舌前方箇所での前後左右、および上下と、舌後方箇所での前後左右、および上下とに分けて分析し得るようになされている。
具体的に、この実施の形態の場合、第1センサ本体62aは、その一例として、口蓋PLの前方2/3を占める硬口蓋の口蓋縫線C1と、第一小臼歯Ta4,Tb4を結んだ口腔左右方向yに延びる仮想線C3とが交差する位置に貼付され、第1センサ本体62aの表面全体が舌前方側(舌の先端側)と接触し易いように配置されている。一方、第2センサ本体62bは、その一例として、口蓋縫線C1と、大臼歯Ta6,Tb6を結んだ口腔左右方向yに延びる仮想線C6とが交差する位置に貼付され、舌が口蓋にどのように接触しているのかを計測するために配置されている。
このように口腔センサ61は、図2との対応部分に同一符号を付して示す図23のように、舌前方TGaにより口蓋PLに加わる3軸方向の各外力成分を第1センサ本体62aにて測定するとともに、舌後方TGbにより口蓋PLに加わる3軸方向の各外力成分を第2センサ本体62bにて測定し、咀嚼又は嚥下時に舌前方TGaと舌後方TGbとでそれぞれどのような動作が行われているかについて分析を行え得る。
実際上、図3との対応部分に同一符号を付して示す図24のように、この口腔センサ61は、第1センサ本体62aおよび第2センサ本体62bが同一形状および同一寸法でなり、第1センサ本体62aが配線体3の先端に配置されているとともに、第2センサ本体62bが第1センサ本体62aから所定距離を空けて配線体3上に配置されている。なお、第1センサ本体62aおよび第2センサ本体62bは、同一構成を有することから、第1センサ本体62aに着目して以下説明する。
第1センサ本体62aは、例えば幅6[mm]、奥行き7[mm]、厚さ0.8[mm]の扁平状でなり、角部に丸みを帯びた8角形の外郭形状に形成され、本体側フレキシブル基板6のセンサ設置面にセンサ素子51(図17)が設置され、これら本体側フレキシブル基板6及びセンサ素子51全体がシリコンゴムでなる弾性体9により覆われている。
なお、この実施の形態の場合においては、センサ素子として、温度センサ部52(図17)も備えたセンサ素子51を適用する場合について述べるが、本発明はこれに限らず、温度センサ部52を備えていないセンサ素子7(図4)であっても良く、また第1センサ本体62a及び第2センサ本体62bを異なる構成としても良く、例えば第1センサ本体62a及び第2センサ本体62bのいずれか一方にのみ温度センサ部52を備えたセンサ素子51を適用しても良い。
次に、図22に示したように、この口腔センサ61を被験者EXAの口蓋PLに義歯安定剤によって貼付し、検証試験を行った。図25は、口腔奥側の口蓋PLに配置した第2センサ本体62bの温度センサ部52から得られた計測結果を基に得た口腔内温度の測定結果であり、計測開始から約6[SEC]後にアイスクリームを被験者EXAに嚥下してもらったときの温度変化を示している。図26の(a)は、第3センサ部21cから得られた測定結果であり、口腔上下方向zに与えられる圧力を示している。また、図26の(b)は、第2センサ部21bから得られた測定結果であり、口腔左右方向yに与えられる左右せん断応力を示している。さらに、図26の(c)は、第1センサ部21aから得られた測定結果であり、口腔前後方向xに与えられる前後せん断応力を示している。
図26に示すこれら(a)、(c)及び(e)は、温度補正を行う前に第2センサ本体62bから得られた各測定結果を示しており、温度変化に応じてピエゾ抵抗層が変位することにより生じる抵抗値変化をも含めた計測結果が表れていることが確認できた。そこで、センサ素子51では、温度センサ部52にて測定した温度依存によるピエゾ抵抗層29aの抵抗値変化分を、第1センサ部21a、第2センサ部21b及び第3センサ部21cから測定した抵抗値変化から除去したところ、図26の(b)、(d)及び(f)に示すような結果が得られた。
このようにセンサ素子51では、第1センサ部21a、第2センサ部21b及び第3センサ部21cの各測定結果から、温度依存による抵抗値変化分をなくすことができ、咀嚼や嚥下時に舌TGや液体Fから与えられた外力により生じた抵抗値変化だけを測定できることが確認できた。
次に、粘度1[mPa・s]の粘性が殆どない通常水15.4[g]と、とろみ調整食品(株式会社明治,商品名「トロメイクSP」)を通常水に入れ、粘度を400[mPa・s]とした粘性増加水15.4[g]とをそれぞれ被験者EXAに嚥下させた。そして、このとき口腔センサ61から得られる測定結果をそれぞれ調べたところ、図27に示すような結果が得られた。なお、図27では、舌前方TGaが接触する第1センサ本体62aを「A」と表記し、舌後方TGbが接触する第2センサ本体62bを「B」と表記し、各測定出力の時間積分を舌活動と定義しそれを縦軸に「Tongue Activity」として表記している。
図27から、口蓋手前の第1センサ本体62aに舌によって加わる外力は、口蓋奥の第2センサ本体62bに加わる外力に比べて、比較的強いことが確認できた。また、粘性増加水を嚥下する際は、口腔上下方向zと口腔前後方向xへの舌活動が増加し、舌前方TGaと舌後方TGbでの舌活動の差が増加することが確認できた。このように口腔センサ61では、舌前方TGa及び舌後方TGbとを比較して舌活動を一段と詳細に分析できた。
図28は、被験者EXAが液体Fを嚥下する際に、舌前方TGaと接する第1センサ本体62aと、舌後方TGbと接する第2センサ本体62bとからそれぞれ得られた口腔上下方向zへ加わる圧力の測定結果を時系列的に示したものである。図28に示す時系列的な圧力分布データから舌前方TGaと舌後方TGbとの動きを分析した。その結果、図28の「1」の状態では、図29Aに示すように、舌TGの前方及び後方のいずれも第1センサ本体62a及び第2センサ本体62bに接触しておらず、液体Fが舌TG上に載置されている状態であると推測できた。
また、図28の「2」の状態では、図29Bに示すように、舌TGの前方が第1センサ本体62aと接触し、液体Fが第2センサ本体62bと接触している状態にあると推測できた。さらに、図28の「3」の状態では、図29Cに示すように、舌TGの前方が第1センサ本体62aに接触するとともに、舌TGの後方も第2センサ本体62bに接触しており、液体Fが口腔内奥へ向けて移動されていると推測できた。
また、図28の「4」の状態では、図30Aに示すように、舌TGの前方が第1センサ本体62aに接触するものの、舌TGの後方が第2センサ本体62bに非接触となり、その後、図28の「5」の状態では、図30Bに示すように、第1センサ本体62a及び第2センサ本体62bに対し舌TGが非接触の状態になることが推測できた。
このような図29A〜図29C、図30A及び図30Bの一連の舌動作から、液体Fの嚥下時、口腔内の液体Fが口腔外に出ないように口腔内を塞ぐアンカーとして舌TGの前方が機能し、さらに食道内に液体Fを輸送するポンプとして舌TGの後方が機能することが分かった。このように、口腔センサ61では、舌前方TGaと舌後方TGbとに分けてそれぞれ舌動作を分析でき、これにより嚥下時における舌全体の総合的な動作について一段と詳細に分析できた。
以上の構成によれば、この口腔センサ61では、複数のセンサ本体(この場合、第1センサ本体62a及び第2センサ本体62b)を備え、これら第1センサ本体62a及び第2センサ本体62bを被験者の口腔内に取り付け、第1センサ本体62a及び第2センサ本体62bからそれぞれ3軸方向の外力成分を測定するようにした。これにより口腔センサ61では、上述した第1の実施の形態と同様の効果が得られる他、口腔内の異なる位置で3軸方向の各外力成分がそれぞれ得られ、これら各位置での外力成分を総合的に分析することで、咀嚼及び嚥下時の複雑な舌動作を従来よりも詳細に分析し得る。
また、この実施の形態における口腔センサ61では、舌前方TGaと舌後方TGbに接触するように第1センサ本体62a及び第2センサ本体62bを口腔前後方向xに一列に配置させたことにより、咀嚼及び嚥下時の複雑な舌動作を、舌前方TGaと舌後方TGbとに分けて舌前後での各役割を分析することができる。
なお、上述した実施の形態においては、舌前方TGaと舌後方TGbに接触するように第1センサ本体62a及び第2センサ本体62bを口腔前後方向xに一列に配置させるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、舌右側と舌左側の左右に接触するように複数のセンサ本体を口腔左右方向yに一列に配置させてもよく、また、口腔左右方向y及び口腔前後方向xの両方向に複数のセンサ本体を配置させてもよい。例えば、口腔左右方向yに複数のセンサ本体を設けた場合には、咀嚼及び嚥下時の複雑な舌動作を、舌右側と舌左側とに分けて舌左右での各役割を分析することもできる。
本発明の口腔センサは、例えば食品を被験者が嚥下するとき、舌がどのように動くのかについて詳細に分析することができ、この分析結果を利用して、嚥下困難者や高齢者等が嚥下し易い新たな食品開発や、食品に粘性を与えるトロミ剤の開発を行うことができる。

Claims (7)

  1. 被験者の口腔内に取り付けられ、前記口腔内にて舌から与えられる外力を測定するセンサ本体を備え、
    前記センサ本体は、
    前記舌から与えられる外力により弾性変形可能な弾性体と、
    前記弾性体内に埋設され、該弾性体の変位状態を基に、互いに直交する3軸方向の外力成分を測定するセンサ素子と、
    生体適合性材料からなり、前記弾性体を被覆する被覆膜と
    を備えることを特徴とする口腔センサ。
  2. 前記センサ本体は、前記センサ素子を前記被験者の口腔内に前記弾性体を介在させて取り付ける構成を有する
    ことを特徴とする請求項1記載の口腔センサ。
  3. 前記センサ本体から引き出され、前記センサ素子で得られた測定結果を計測機器に送出する配線体を備え、
    前記配線体も前記生体適合性材料からなる前記被覆膜で被覆されている
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の口腔センサ。
  4. 前記センサ本体は、一方の前記被覆膜を貼付面として前記口腔内の口蓋に貼付し、他方の前記被覆膜を前記舌と接触する接触面として前記舌と対向するように前記口腔内に配置し、
    前記口腔内にて前記舌から与えられる外力により、前記センサ本体の前記貼付面と前記弾性体が変位する
    ことを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項記載の口腔センサ。
  5. 前記センサ素子は、第1方向に変形可能な第1センサ部と、前記第1方向と直交する第2方向に変形可能な第2センサ部と、前記第1方向及び前記第2方向と直交する第3方向に変形可能な第3センサ部とを備え、
    前記第1センサ部、前記第2センサ部及び前記第3センサ部は、変位状態を抵抗値の変化として検知するピエゾ抵抗層をそれぞれ備え、前記舌が動作することにより前記ピエゾ抵抗層に生じる各抵抗値変化を出力信号として前記配線体を介して出力する
    ことを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1項記載の口腔センサ。
  6. 前記第1センサ部、前記第2センサ部及び前記第3センサ部は、互いに隣接するように三角形の頂点の位置関係を持って配置された構成を有し、前記口腔内の所定位置に集約して配置される
    ことを特徴とする請求項5記載の口腔センサ。
  7. 前記センサ素子は、
    前記弾性体が変位しても非変形である一方、温度変化に応じて抵抗値が変位する温度センサ部を備え、前記温度センサ部は温度変化により生じる抵抗値変化を出力信号として送出する
    ことを特徴とする請求項5又は6記載の口腔センサ。
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