JPWO2013065695A1 - 小径ドリル - Google Patents
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Abstract
溝を合流させる小径ドリルにおいて、合流点付近での切りくずの流出状態を改善することで、穴位置精度を向上し、加工穴の内壁の品位を高め、高能率加工に適応させる。少なくとも2つの溝と、先端に配置された切れ刃と、小径ドリルの外周面を画定する少なくとも2つのマージンと、マージンに接して延在する少なくとも2つの外周凹部と、を備える小径ドリルであって、少なくとも2つの溝が合流点を有する。少なくとも2つの外周凹部のうち、少なくとも1つの外周凹部は、合流点よりも先端側に、少なくとも2つの溝を互いに連通させるための連通部を有する。
Description
本発明は、小径ドリルに関し、特にプリント配線板に穴をあけるのに好適に使用できることがある小径ドリルに関する。
小径ドリル1は、一般に直径3.175mm(1/8インチ)のシャンクを有する。したがって、3.175mm以下の工具径とされることが一般的である。特許文献1は、プリント配線板の穴あけを含む用途に用いるドリルを開示する。このドリルは、先端に配置された切れ刃と、2つの溝とを備える。2つの溝は、後端に向かう途中で合流して、1つの溝となる。ドリルの外周面を画定する2つのマージンが形成される。特許文献1のドリルの目的は、剛性を高めること、および加工される穴の位置精度(以後、穴位置精度とよぶ)を向上することである。
特許文献2は、プリント配線板の穴あけを含む用途に用いるドリルを開示する。このドリルは、先端に配置された切れ刃と、2つの溝とを備える。2つの溝は、後端に向かう途中で合流して、1つの溝となる。特許文献2のドリルの目的も、剛性を高めること、および穴位置精度を向上することである。
特許文献1および2のドリルは、2つの溝が合流しないドリルと比較すると、溝によって除去される体積が少ないため、工具の剛性がより高い。このため、穴位置精度はある程度向上する。しかし、2つの溝を通じて加工穴の外に向けて流れる切りくずが、2つの溝の合流点に集中する。合流点への切りくずの集中の結果として、切りくずが合流点付近で詰まり、加工穴の内壁を傷つけることがあり、さらに、ドリルが折損しやすい。したがって、特許文献1および2のドリルは、切削時の送り速度を低く抑える必要がある。
本発明の目的は、複数の溝を合流させる小径ドリルにおいて、合流点付近での切りくずの流れを改善することにある。
本発明は、少なくとも2つの溝と、先端に配置された切れ刃と、小径ドリルの外周面の一部を画定する少なくとも2つのマージンと、前記マージンに接して延在する少なくとも2つの外周凹部と、を備え、前記少なくとも2つの溝が合流点を有する小径ドリルであって、前記少なくとも2つの外周凹部のうち、少なくとも1つの外周凹部は、前記合流点よりも先端側に、前記少なくとも2つの溝を互いに連通させるための連通部を有することを特徴とする小径ドリルである。
本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1から図9に示されるように、第1の実施形態の小径ドリル1は、概ねらせん形の2つの溝2を備える。2つの溝2は、先端3側から後端8側に向かってねじれながら延びる第1の溝2aと、小径ドリル1の長さの途中で第1の溝2aと合流する第2の溝2bとを含む。2つの溝2は、右ねじれとされる。
第1の溝2aの長さは、小径ドリル1により加工される穴径に対応する工具径(直径)φDmmに応じて適宜調整される。この実施形態では、小径ドリル1の先端3から後端8に向かう方向の第1の溝2aの長さは、約3.5mmとされる。第2の溝2bは、図7に示される合流点5を過ぎて、第1の溝2aとほぼ一体になる位置で終端する。すなわち、第2の溝2bの長さは、先端3から合流点5を過ぎて終端するまでの長さとされる。別構成としては、第2の溝2bは、合流点5を過ぎてから後端8側が、第1の溝2aと並行して延び、単一の溝2と同じように機能するように調整される。具体的には、合流点5よりも後端8側において、第1の溝2aのねじれ角と、第2の溝2bのねじれ角とが同一角度とされる。ここで「合流点」とは、図7に示すように、2つの溝2が合流し、その点よりも後端8側では、あたかも1つの溝のように機能する点のこととする。
先端3から後端8に向かう方向の、先端3から合流点5までの長さLdは、工具剛性が高まりかつ切りくず排出性が高まるように、適宜調整される。この実施形態では、2つの溝2を、それらのねじれ角に差を付与した結果として合流させたものであり、先端3から合流点5までの長さLdは、長さを指定してそれに適合するようにねじれ角を決めたものではない。しかし、工具剛性を低下させないために、長さLdを指定して、それに適合するようにそれぞれの溝2のねじれ角を調整してもよい。
先端3は、2つの切れ刃4を備える。切れ刃4は、2つの主切れ刃であって、溝2の内面に形成されるすくい面と、先端3の端面に形成される主逃げ面との交差稜線である。2つの溝2に隣接して、2つのマージン11が設けられる。マージン11は、その全長に亘って、小径ドリル1の外周面の一部を画定する。本実施形態における「切れ刃」は、マージン11である外周面の副逃げ面とすくい面との交差稜線である副切れ刃をも含む。先端3の端面には、チゼルエッジ10が形成される。一般に、チゼルエッジ10は切れ刃とは呼ばれない。しかし、チゼルエッジ10には、切れ刃のように、小さな粉のような切りくずを生成する機能がある。
小径ドリル1の後端8側には、円柱状または円筒状のシャンク9が形成される。この実施形態では、工具径φDmmは、約φ0.250mmとされる。工具径は加工すべき穴の寸法に合わせて、任意に設定できる。シャンク9のシャンク径(直径)は、約φ3.175mmとされる。
溝2のねじれ角は、特に限定されない。プリント配線板用の小径ドリルの場合、本発明の小径ドリル1の第1の溝2aのねじれ角は、20°以上、かつ70°以下が好ましい。特に、先端3から合流点5までの第1の溝2aのねじれ角は、30°以上、かつ55°以下がより好ましい。図示しないが、この実施形態で、第1の溝2aのねじれ角は約45°とされる。
第2の溝2bのねじれ角は、小径ドリル1の先端3付近では、第1の溝2aのねじれ角と同じ角度とされるのが好適である。先端3付近で第1の溝2aと第2の溝2bとのねじれ角を同じにすると、切れ刃形状やすくい面形状を同一にできるため、切削時のバランスがよい。さらに、小径ドリル1の先端面が再研削されるときに、切れ刃4の形状を一定に保てる。
2つの溝2を合流させるために、任意の位置で第2の溝2bのねじれ角を、先端3付近におけるねじれ角から異ならせることができる。この実施形態では、図1に示す長さLcの位置で、第2の溝2bのねじれ角を変化させる。溝2を合流させるための第2の溝2bのねじれ角は、30°以上、かつ80°以下が好ましく、40°以上、かつ70°以下がより好ましい。図示しないが、この実施形態では、ねじれ角が変化する変化点(長さLcの位置)から合流するまでの第2の溝2bのねじれ角は、約60°とされる。換言すれば、2つの溝2を合流させるには、第1の溝2aのねじれ角よりも、第2の溝2bのねじれ角を10°以上30°以下の範囲で大きくするとよい。この角度差が小さすぎると、2つの溝2が合流するために大きな軸方向長さを要し、工具剛性が減少させられる。反対に、この角度差が大き過ぎると、合流点5で切りくず同士の衝突が急激に起こり、切りくず流出が妨げられる。
第2の溝2bのねじれ角の変化点までの長さLcは、工具径φDに対して次の範囲が好ましい。長さLcは0.1D≦Lc≦4Dの範囲が好ましい。ただし、長さLcの好ましい範囲は、工具径φDによって若干異なる。φDが0.1mm未満のときは、1.5D≦Lc≦4Dの範囲が好ましい。φDが0.1mm以上かつ0.6mm未満のときは、0.5D≦Lc≦3Dの範囲が好ましい。φDが0.6以上かつ1.0mm未満のときは、0.3D≦Lc≦2Dの範囲が好ましい。φDが1.0mm以上のときは、0.1D≦Lc≦Dの範囲が好ましい。なお、この実施形態では、第1の溝2aよりも第2の溝2bのねじれ角を大きくすることにより、2つの溝2を合流させたが、合流させるための方法は、これに限定されない。例えば、第1の溝2aよりも第2の溝2bのねじれ角を小さくして、2つの溝2を合流させることもできる。
この実施形態では、合流してから後端8に向かう溝2のねじれ角は、第1の溝2aのねじれ角と同一角度とされるが、これに限定されない。合流してから後端8に向かう溝2のねじれ角は、第1の溝2aよりも角度の大きな第2の溝2bのねじれ角に合わせてもよい。また、第1の溝2aや第2の溝2bのねじれ角と合わせずに、中間の角度あるいは他の角度に設定されてもよい。この角度は、溝2が合流した後にスムーズに切りくずが排出するように、適宜調整されることができる。この実施形態では、合流してから後端8に向かう溝2のねじれ角を、第1の溝2aのねじれ角に合わせたことで、優れた切りくずの排出性が得られる。
なお一般に、工具径φDmmがφ1.500mm以上の小径ドリル1の場合は、穴位置精度の問題が発生することはほとんどない。すなわち、工具径φDmmがφ1.500mm以上の小径ドリル1は、剛性が十分に高いため、穴位置精度の問題は小さい。本発明は、工具径φDmmが、φ1.500mm未満の小径ドリル1の場合に、特に穴位置精度向上の効果が高い。中でも、工具径φDmmが、φ0.500mm以下の場合に、穴位置精度向上の効果が顕著である。なお、ここでいう穴位置精度の向上は、穴の入り口における位置精度(機械指令位置と加工された穴との位置ずれ)が向上すること、および、穴の曲がりが改善されて穴の出口における位置精度が向上することを含む。
小径ドリル1は、2つの外周凹部6を有する。各外周凹部6は、マージン11のそれぞれに並行し、かつ2つの溝2のそれぞれに隣接している。各外周凹部6は、主切れ刃4の近傍を始端として、終端8に向かう方向に延びる。2つの外周凹部6は、第1の外周凹部6aおよび第2の外周凹部6bを含む。第1の外周凹部6aは、第1の溝2aに隣接して設けられ、第2の外周凹部6bは第2の溝2bに隣接して設けられている。それぞれの外周凹部6は、その幅方向の一端において溝2に、また他端においてマージン11に接続する。
本実施形態では、図1および図8に示されるように、2つの溝2の合流点5(図7に図示されている)よりも先端3側で、少なくとも1つの外周凹部6(すなわち、第1の外周凹部6a)により、2つの溝2が連通する。すなわち、第1の外周凹部6aには、その後端8側の端部に、2つの溝2の間を連通する連通部7が設けられる。参考として、連通部7を設けていない第2の外周凹部6bを示すために、小径ドリル1の反対側が図5および図9に示される。従来の一般的な外周凹部は、この第2の外周凹部6bと同様に、第1の溝2aおよびマージン11と接続しながら、これら第1の溝2aおよびマージン11と略並行して設けられるが、その後端8側の端部は第2の溝2bに届いておらず、したがって2つの溝2を互いに連通しない。これとは対照的に、この実施形態では、外周凹部6は、その一方すなわち第1の外周凹部6aのみに連通部7を設けて2つの溝2を互いに連通させ、他方すなわち第2の外周凹部6bでは2つの溝2を互いに連通させていない。
図10のXI−XI断面位置から、小径ドリル1の後端8側に向かって連通部7をみると、連通部7は図11に示されるように、その幅方向の全体が外周面よりも内側に後退して、切りくずが2つの溝2の間を移動するための空間を提供している。連通部7の深さ(すなわち外周面からの距離)は、外周凹部6の深さとほぼ同一であり、かつ、溝2よりも小さい。合流点5より先端3側で2つの溝2を連通させると、小さな粉状の切りくずが、2つの溝2の間で連通部7を通じて移動する。このため、2つの溝2を流れる切りくず同士が、合流点5よりも先端3側の領域で混ざり合うようになる。また、連通部7の深さが溝2よりも小さいので、連通部7を通過した小さな粉状の切りくずが、大きな切りくずの下にもぐりこんで、潤滑剤のような役割を果たし、大きな切りくずが浮き上がりやすくなるものと考えられる。すなわち、大きな切りくずが少しでも浮き上がれば、小さな粉状の切りくずにのって、浮き上がりが更に促進されるものと考えられる。このため、合流点5付近での切りくず同士の衝突が緩和され、切りくずの合流がよりスムーズになる。
したがって、外周凹部6により2つの溝2を連通させる位置が重要であり、先端3から連通部7までの距離、および先端3から合流点5までの距離を適切に調整する必要がある。外周凹部6を2つ以上設ける場合においても、それぞれの外周凹部6の先端3からの長さが、それぞれ適切に調整される。結果的に、2つ以上の外周凹部6は、先端3からの長さが互いに異なるように形成される。本実施形態では、先端3から後端8へ向かう方向において、第2の外周凹部6bは第1の外周凹部6aよりも長い。
なお、小さな粉状の切りくずと、大きな切りくずとは、生成場所が互いに異なると考えられる。小さな粉状の切りくずは、主にチゼルエッジ10で生成されると考えられる。小さな粉状の切りくずは、チゼルエッジ10から、主逃げ面によって形成された隙間を通り、溝2へ誘導される。大きな切りくずのうちの大部分は、主切れ刃である切れ刃4で生成されると考えられる。すなわち、小径ドリル1の先端3の切れ刃4で、大きな切りくずが生成されるとき、大きな切りくずの下には、小さな切りくずが入り込む余地はない。大きな切りくずを、小さな粉状の切りくずによって浮き上がらせるためには、本実施形態のように、大きな切りくずの下から小さな粉状の切りくずが自由に入り込めるように、2つの溝2を連通することが有効である。なお、この実施形態において「連通」とは、2つの溝2の間を、外周凹部6でつなぐことを意味する。また、連通部7とは、外周凹部6の中で、2つの溝2の間が連通している部分を意味する。
外周凹部6に隣接するマージン11は、加工穴の内壁面に案内されて、穴加工の直進性を保つためのガイドとして機能する。外周凹部6は、溝2を連通させるだけでなく、マージン11の幅を適切に調整する機能をも備えている。マージン11の幅を適切に調整することによって、接触面積が抑制され、小径ドリル1の切削抵抗(回転抵抗および回転軸方向スラスト抵抗)が低減し、切れ味が向上する。
外周凹部6の「長さ」とは、図1および図5に示されるように、先端3から後端8に向かう方向の長さとする。第1の外周凹部6aの長さLaaは、図1に示される。この実施形態で、第1の外周凹部6aの長さLaaは、0.83mmとされる。第2の外周凹部6bの長さLbaは、図5に示される。この実施形態で、第2の外周凹部6bの長さLbaは、0.85mmとされる。このような長さとされると、2つの外周凹部6を互いに同様な研削加工で加工できる。すなわち、研削加工用NCプログラムが共用できるため、作成が容易であり、なおかつ、長さの異なる外周凹部6を形成しやすい。第1の外周凹部6aの長さLaa(図1)よりも、第2の外周凹部6bの長さLba(図5)の方が長いことにより、連通部7よりも下流側の領域において、第2の溝2bと第2の外周凹部6bとから構成される切りくずの流路の断面積が拡張される。このため、第1の溝2aから第2の溝2bに連通部7を通じて移動した切りくずを受け入れることができ、切りくず排出性を高めることができる。
外周凹部6のねじれ角は、第1の溝2aのねじれ角と同じ角度とされるとよい。前述のように、第2の溝2bのねじれ角が、小径ドリル1の先端3付近で、第1の溝2aのねじれ角と同じ角度とされるとき、2つの溝2に隣接するマージン11の幅が、先端3付近で一定になる。外周凹部6のねじれ角は、外周凹部6の全長にわたって、同じ角度にされるとよい。そのような形状は加工が容易である。そのため、それぞれの外周凹部6の長さを適切に調整しやすい。しかし、外周凹部6のねじれ角は、これに限定されない。もちろん、外周凹部6の形状も、マージン11の幅を一定にする、マージン11と並行する形状に限定されない。マージン11の幅を適切に調整でき、2つの溝2を連通させる形状であれば、どのような形状でも構わない。
好適には、小径ドリル1は、先端3での外周直径である工具径φDmmと比較して外周直径が小さいアンダーカット部12(図1参照)を有する。アンダーカット部12は、一般的に、加工穴との摩擦抵抗を軽減し、切削抵抗を低減する機能を有する。本発明の小径ドリル1のアンダーカット部12は、切削抵抗の低減効果に加えて、2つの溝2の合流点5付近での、切りくず流出を改善する効果を増強する。アンダーカット部12により、切りくずが移動できる自由度がさらに広がる。アンダーカット部12によって、溝2の合流点5付近で切りくずが塊になることが抑制され、溝2に沿った加工穴の外への切りくずの排出が促進される。小径ドリル1の先端3から後端8へ向かう方向に関して、2つの外周凹部6の長さは、2つともアンダーカット部12の先端3側端部を越える長さに形成されるとよい。この配置の結果、外周凹部6とアンダーカット部12との相乗効果が高まり、合流点5よりも先端3側での細かな切りくずの往来が、よりスムーズに行なわれる。少なくとも1つの外周凹部6は、合流点5を越えない長さに形成され、且つ外周凹部6により2つの溝2を連通させるのが好適である。合流点5を越えた後は、外周凹部6を短い長さでなくし、小径ドリル1の工具剛性を高めるのが好適である。なお、工具径は、マージン11での外周直径と同じである。アンダーカット部12の前端3側の端部には、段部が形成される。しかし、先端3の近傍とアンダーカット部12とは滑らかな曲面で接続されていてもよく、またアンダーカット部12に代えてあるいはアンダーカット部12に加えて、後端8に向かう従い直径が減少するバックテーパ部を設けても良い。
以上に説明した小径ドリル1は、プリント配線板などの穴あけ専用の工作機械などに着脱自在に装着されて、被加工物に対して相対運動を与えられて、切削加工(穴あけ)を行なう。工作機械には、ボール盤やマシニングセンタなどが用いられても良い。
図12から図14には、第2の実施形態の小径ドリル101が示される。図12から図14において、第1の実施形態の小径ドリル1と同じ部分には、同じ参照番号をつける。第2の実施形態の小径ドリル101は、第1の実施形態の小径ドリル1と比較して、外周凹部6の長さを長くする。すなわち、図12において、第1の外周凹部6aの長さLabは、0.93mmとされる。この長さLabは、第1の実施形態の小径ドリル1の第1の外周凹部6aの長さLaa(図1参照)よりも0.10mm長い。このことにより、連通部7によって形成される2つの溝2の間を連通するための空間は、より大きくなる。第2の外周凹部6bの長さLbbは、1.10mmとされる。
以上詳述したとおり、第1および第2実施形態の小径ドリル1,101では、第1の外周凹部6aが、合流点5よりも先端3側に、2つの溝2a,2bを互いに連通させるための連通部7を有する。このため、切りくずが2つの溝2a,2bの間で連通部7を通じて移動して、合流点5付近での切りくず同士の衝突が緩和される。
また、第1の外周凹部6aの長さLaa(図1)よりも、第2の外周凹部6bの長さLba(図5)の方が長いことにより、第1の外周凹部6aに設けられた連通部7よりも下流側の領域において、第2の溝2bと第2の外周凹部6bとから構成される流路の断面積が拡張される。このため、第1の溝2aから第2の溝2bに連通部7を通じて移動した切りくずを受け入れることができ、切りくず排出性を高めることができる。
図21および図22には、本発明の第1および第2の実施形態を含む、小径ドリルの実験結果が示される。図21の○印は、良好な切りくず排出性を確保できる送り速度を示す。図中の×印は、小径ドリルの折損が発生し、安定的な穴加工ができない送り速度を示す。図中の△印は、折損せずに使用可能であるが、ばりなどが発生し、加工される穴の品位に若干の問題がある送り速度を示す。実験条件は、次の通りである。加工基板は、FR−4(厚さ1.6mmの4層板)を2枚重ねにて加工した。当て板として、アルミ板を使用した。主軸回転数は、160,000min-1(回転毎分)とした。送り速度を、低い方から徐々に高めて小径ドリルが折損するまで実験を行なった。図中の比較品1は、図15から図17に示されるような小径ドリル201である。すなわち、2つの溝を本発明の第1実施形態と同様に合流させているが、外周凹部が2つの溝を連通しない小径ドリルである。図15に示す外周凹部の長さLac、および図17に示す外周凹部の長さLbcは、ともに0.75mmとされた。比較品2は、図18から図20に示すような、外周凹部の長さを第2の実施形態よりもさらに長くした小径ドリル301である。図20に示される外周凹部の長さLbdは、1.54mmとされ、本発明の第2の実施形態より0.44mm長くされた。ただし、図18に示される外周凹部の長さLadは、0.93mmとされ、本発明の第2の実施形態と同じである。すなわち、2つの溝の合流点までの長さとされた。実験の結果として、図21に示されるように、第1および第2の実施形態の小径ドリル1,101は、溝2が合流し、外周凹部が設けられただけの比較品1と比較して、良好な切りくず排出性を確保できる送り速度を、3.6m/minから4.8m/minまで、約33%向上できる。また、折損せずに使用可能な送り速度は、4.4m/minから5.2m/minまで向上できる。なおかつ、図22に示されるように、第1の実施形態の小径ドリル1は、比較品1と比較して、穴位置精度が、送り速度3.6m/min以下では同等であり、送り速度4.0m/min以上では優れている。第2の実施形態の小径ドリル101は、第1の実施形態の小径ドリル1よりは若干劣るが、比較品1と比較して、穴位置精度が、送り速度4.0m/min以上で優れている。しかし、比較品2のように外周凹部の長さを長くすると、図21に示される切りくず排出性は良好であるが、図22に示される穴位置精度が悪化する。これは、外周凹部が長過ぎるため、工具剛性が低下するためと考えられる。
実験結果をまとめると、次の通りである。外周凹部が2つの溝を連通すると、切りくず排出性が向上し、送り速度を向上できる。しかし、外周凹部の長さが長過ぎると、工具剛性が低下して、穴位置精度が悪化する。したがって、外周凹部の長さは、2つの溝を連通し、なおかつできる限り短い長さが好ましい。少なくとも1つの外周凹部の長さは、合流点5を越えない長さに形成されることが望ましい。なお、この穴位置精度の数値は、いわゆる、平均値+3σの数値である。プリント配線板の穴位置精度の判定は、一般に、ホールアナライザ(穴位置座標測定機)を用い、本来の指令された位置からどれだけずれているかを、的の中心座標から測定した穴の中心座標値の分布として表わされる。穴位置精度は、中心からの最大値で表す方法と、ばらつきの平均値に標準偏差σの3倍を足した値(平均値+3σ)で表す方法と、2通りの評価方法が一般的である。ただし、最大値で評価する方法は、例えば表面の傷などの突発的な問題の影響を受けることがある。ここでは、穴位置精度を、平均値+3σの数値で評価する方法を選択した。
本発明は、以上に説明した実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜、構成の変更、追加および削除が可能であることはいうまでもない。例えば、連通部は単一の外周凹部について複数設けてもよい。連通部は複数の外周凹部に設けてもよく、全ての外周凹部に設けてもよい。外周凹部は先端から末端まで連続して延在する必要はなく、断続的であってもよい。溝、外周凹部およびマージンはそれぞれ3つ以上設けてもよい。マージンは、いわゆるダブルマージンを構成するように、単一の外周凹部を挟む両側に延在していてもよく、この場合には連通部は、当該2つのマージンを横切るように形成するのが特に好適である。本発明は、プリント配線板用だけではなく、他の用途、例えば金属の穴あけ加工用のドリルにも適用可能である。
1 小径ドリル
2 溝
2a 第1の溝
2b 第2の溝
3 先端
4 切れ刃
5 合流点
6 外周凹部
6a 第1の外周凹部
6b 第2の外周凹部
7 連通部
8 後端
9 シャンク
10 チゼルエッジ
11 マージン
12 アンダーカット部
2 溝
2a 第1の溝
2b 第2の溝
3 先端
4 切れ刃
5 合流点
6 外周凹部
6a 第1の外周凹部
6b 第2の外周凹部
7 連通部
8 後端
9 シャンク
10 チゼルエッジ
11 マージン
12 アンダーカット部
Claims (7)
- 少なくとも2つの溝(2)と、
先端(3)に配置された切れ刃(4)と、
小径ドリル(1)の外周面の一部を画定する少なくとも2つのマージン(11)と、
前記マージン(11)に接して延在する少なくとも2つの外周凹部(6)と、
を備え、前記少なくとも2つの溝(2)が合流点(5)を有する小径ドリル(1)であって、
前記少なくとも2つの外周凹部(6)のうち、少なくとも1つの外周凹部(6)は、前記合流点(5)よりも先端(3)側に、前記少なくとも2つの溝(2)を互いに連通させるための連通部(7)を有する小径ドリル(1)。 - 前記少なくとも2つの外周凹部(6)は、第1の外周凹部(6a)と第2の外周凹部(6b)とを含み、
前記先端(3)から後端(8)へ向かう方向において、第2の外周凹部(6b)は第1の外周凹部(6a)よりも長く、
前記第1の外周凹部(6a)は前記連通部(7)を有する請求項1に記載の小径ドリル(1)。 - 前記第1の外周凹部(6a)は、前記合流点(5)を越えない長さを有する請求項2に記載の小径ドリル(1)。
- 前記先端(3)での直径に比して直径が小さいアンダーカット部(12)を有する請求項1から3のいずれかに記載の小径ドリル(1)。
- 前記少なくとも2つの前記外周凹部(6)の全ては、前記先端(3)から前記後端(8)へ向かう方向において、前記アンダーカット部(12)の先端(3)側の端部を越える長さを有する請求項4に記載の小径ドリル。
- 少なくとも2つの前記溝(2)のうち、第1の溝(2a)のねじれ角は、先端(3)付近が20°以上60°以下であり、
第2の溝(2b)のねじれ角は、先端(3)付近が20°以上60°以下であり、途中から30°以上80°以下へ変化する請求項1から5のいずれかに記載の小径ドリル(1)。 - 少なくとも2つの前記溝(2)は、前記合流点(5)よりも後端(8)側の領域で、ねじれ角が20°以上80°以下である請求項6に記載の小径ドリル(1)。
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