JPWO2013054414A1 - 二次電池の制御装置および制御方法 - Google Patents
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Abstract
IGスイッチがオフされた時刻(t1)から二次電池の充放電が停止される。充放電が停止されてから分極が解消するのに要する分極解消時間(Tr)は、二次電池の温度に応じて変化する。IGスイッチのオフから分極解消時間(Tr)に相当する所定時間が経過するまでの間は、周期的に電池電圧が検出されるとともに、電池電圧の推移に基づいて、分極が解消した平衡状態における開放電圧が逐次推定される。IGスイッチのオフから上記所定時間が経過した後にIGスイッチがオンされた場合には、IGオン時における電池電圧の検出値を開放電圧とみなして、二次電池の使用開始時におけるSOCが推定される。IGスイッチのオフから上記所定時間が経過するまでにIGスイッチがオンされた場合には、その時点における開放電圧の推定値を開放電圧とみなして、二次電池の使用開始時におけるSOCが推定される。
Description
この発明は、二次電池の制御装置および制御方法に関し、より特定的には、二次電池の充電状態(SOC:State of Charge)の推定に関する。
一般に、自動車には負荷の電源として再充電可能な二次電池が搭載されている。特に、電気自動車、ハイブリッド自動車、燃料電池車などの、車両駆動用電動機を搭載した電動車両では、当該電動機の電源となる二次電池のSOCは、車両の航続可能距離を左右する。したがって、SOCを正確に推定することが重要となる。
特開2008−167622号公報(特許文献1)には、車両の起動時(バッテリの使用開始時)に、バッテリの開放電圧に基づいて、SOCを算出することが記載されている。さらに、特許文献1には、車両の停止時(バッテリの使用終了時)に算出したSOCを記憶するとともに、SOCの初期値として、車両起動時に測定したバッテリの開放電圧に基づくSOCと、車両の停止時に求めたSOCとを、条件に応じて選択的に使用することが記載されている。
特許文献1にも記載されるように、二次電池の特性として、充放電履歴に依存した動的な出力電圧変化が生じる現象が知られている。たとえば、継続的な放電によって出力電圧が低下する一方で、継続的な充電によって出力電圧が上昇する。このような現象は「分極」とも称される。分極は、バッテリ内部の電極活物質の表面付近および内部の間で充放電に際する化学変化が不均衡になることに起因して生じると考えられる。
特開2008−191103号公報(特許文献2)および特開2008−82887号公報(特許文献3)には、電流が流れないときの電池電圧の測定値の推移から、分極が解消したときの平衡状態における開放電圧を予測するための手法が記載されている。
特開2003−243045号公報(特許文献4)および特開2008−145199号公報(特許文献5)には、補機電装品およびエンジンと接続される二次電池のSOCを検出した開放電圧に基づいて推定することが記載されている。
車両の運転停止後に、短時間で次回の車両運転を開始した場合には、分極が解消される前に、車両起動時の出力電圧が開放電圧として検出される虞がある。このように検出された開放電圧に基づいてSOCを推定すると、分極電圧分だけSOCの推定誤差が発生することが懸念される。
特許文献2および3によれば、二次電池の使用終了から出力電圧の推移を測定することによって、分極が解消した平衡状態での開放電圧を予測することが記載されている。このような開放電圧の予測によって、分極電圧による誤差を抑制して、二次電池の使用開始時におけるSOCを推定することが可能となる。しかしながら、定期的に開放電圧の測定および予測演算を実行するために制御装置を間欠的に起動する必要があるため、二次電池の非使用中(車両停止中)における無用な消費電力が大きくなることが懸念される。
この発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、この発明の目的は、二次電池の分極が解消される特性を反映して、無用な消費電力を増大させることなく使用開始時におけるSOCを正確に推定することである。
この発明のある局面では、二次電池の制御装置は、計時部と、設定部と、開放電圧推定部と、初期値補正部とを含む。計時部は、二次電池の使用終了からの経過時間を測定する。設定部は、二次電池に設けられた検出器によって検出された電池温度に応じて、二次電池の使用終了から分極が解消するまでの所要時間に対応する第1の時間を可変に設定する。開放電圧推定部は、二次電池の非使用期間において、経過時間が第1の時間より短い間、検出器によって検出された電池電圧の推移に基づいて、二次電池の平衡状態での開放電圧の推定値を算出するように構成される。初期値補正部は、二次電池の使用開始時において、経過時間が第1の時間よりも長い場合には、使用開始時点での検出器による電池電圧を開放電圧とみなしてSOCの初期値を算出する一方で、経過時間が第1の時間よりも短い場合には、開放電圧推定部による推定値を開放電圧とみなしてSOCの初期値を算出するように構成される。
好ましくは、制御装置は、経過時間が第1の時間に達するまで、所定周期毎に間欠起動されて開放電圧推定部を動作させる。経過時間が第1の時間に達した後は、二次電池の使用開始まで制御装置の間欠自動は停止される。
また好ましくは、二次電池の制御装置は、SOC推定部をさらに含む。SOC推定部は、二次電池の使用中において、検出器によって検出された電池電流の積算に基づいて、SOCの推定値を逐次算出するように構成される。
この発明の他の局面では、二次電池の制御方法は、二次電池の使用終了からの経過時間を取得するステップと、二次電池に設けられた検出器によって検出された電池温度(Tb)に応じて、二次電池の使用終了から分極が解消するまでの所要時間に対応する第1の時間を可変に設定するステップと、二次電池の非使用期間において、経過時間が第1の時間より短い間、検出器によって検出された電池電圧の推移に基づいて、二次電池の平衡状態での開放電圧の推定値を算出するステップと、二次電池の使用開始時において、経過時間が第1の時間よりも長い場合に、使用開始時点での検出器による電池電圧を開放電圧とみなしてSOCの初期値を算出するステップと、二次電池の使用開始時において、経過時間が第1の時間よりも短い場合に、推定値を開放電圧とみなしてSOCの初期値を算出するステップとを含む。
好ましくは、二次電池の制御方法は、経過時間が第1の時間に達するまで、開放電圧の推定値を算出するステップを実行するために、所定周期毎に制御装置を間欠起動するステップと、経過時間が第1の時間に達した後は、制御装置の間欠起動を停止するステップとをさらに含む。
また好ましくは、二次電池の制御方法は、二次電池の使用中において、検出器によって検出された電池電流の積算に基づいて、SOCの推定値を逐次算出するステップをさらに含む。
この発明によれば、二次電池の非使用期間における無用な消費電力を増大させることなく、二次電池の使用開始時におけるSOCを正確に推定することができる。
以下において、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下では図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は原則として繰返さないものとする。
(システム構成例)
図1は、本発明の実施の形態に従う二次電池の制御装置が搭載された電動車両の概略構成図である。
図1は、本発明の実施の形態に従う二次電池の制御装置が搭載された電動車両の概略構成図である。
図1を参照して、電動車両は、メインバッテリ10と、電力制御ユニット(PCU)20と、平滑コンデンサ22と、モータジェネレータ30と、動力伝達ギヤ40と、駆動輪50と、制御装置100とを備える。
メインバッテリ10は、リチウムイオン電池やニッケル水素電池等の「二次電池」により構成される。メインバッテリ10には、電池センサ15が設けられる。電池センサ15は、メインバッテリ10に配設された図示しない温度センサ、電流センサ、電圧センサ等を包括的に表記するものである。電池センサ15は、電池電圧Vb、電池電流Ibおよび電池温度Tbを検出可能に構成される。
PCU20は、メインバッテリ10の蓄積電力を、モータジェネレータ30を駆動制御するための電力に変換する。たとえば、モータジェネレータ30は永久磁石型の3相同期電動機で構成されて、PCU20は、三相インバータにより構成される。あるいは、PCU20については、メインバッテリ10からの出力電圧を可変制御するコンバータと、コンバータの出力電圧を交流電圧に変換する三相インバータとの組合せによって構成してもよい。
メインバッテリ10とPCU20との間の通電経路には、システムメインリレーSMRが接続される。システムメインリレーSMRは、電動車両の電気システムの起動指令、たとえば、イグニッションスイッチ(IGスイッチ)のオンに応答してオンされる。
システムメインリレーSMRがオンすることによって、メインバッテリ10の使用(充放電)が開始される。一方で、システムメインリレーSMRがオフすることによって、メインバッテリ10の使用(充放電)が終了する。システムメインリレーSMRのオフ期間には、メインバッテリ10は、充放電が停止されて、非使用とされる。
メインバッテリ10は、システムメインリレーSMRを介して、PCU20の電源配線25と接続される。平滑コンデンサ22は、電源配線25に接続されて、直流電圧を平滑する機能を果たす。
モータジェネレータ30の出力トルクは、減速機や動力分割機構によって構成される動力伝達ギヤ40を介して駆動輪50に伝達されて、電動車両を走行させる。
モータジェネレータ30は、電動車両の回生制動動作時には、駆動輪50の回転力によって発電することができる。そしてその発電電力は、PCU20によってメインバッテリ10の充電電力に変換される。
また、モータジェネレータ30の他にエンジン(図示せず)が搭載されたハイブリッド自動車では、このエンジンおよびモータジェネレータ30を協調的に動作させることによって、必要な電動車両の駆動力が発生される。この際には、エンジンの回転による発電電力を用いて、メインバッテリ10を充電することも可能である。すなわち、電動車両は、車両駆動力発生用の電動機を搭載する車両を示すものであり、エンジンおよび電動機により車両駆動力を発生するハイブリッド自動車、エンジンを搭載しない電気自動車、燃料電池車等を含む。
制御装置100は、電動車両の搭載機器を制御する。制御装置100は、図示しないCPU(Central Processing Unit)およびメモリを内蔵した電子制御ユニット(ECU)により構成される。ECUは、当該メモリに記憶されたマップおよびプログラムに基づいて、各センサによる検出値を用いた演算処理を行なうように構成される。あるいは、ECUの少なくとも一部は、電子回路等のハードウェアにより所定の数値・論理演算処理を実行するように構成されてもよい。
図1の構成例では、制御装置100は、運転者の操作に応じて車両が走行するように、システムメインリレーSMRのオンオフ制御信号、および、PCU20の動作を制御するための信号を生成する。たとえば、制御装置100は、モータジェネレータ30が、動作指令(代表的にはトルク指令値)に従って動作するように、PCU20における電力変換動作、具体的には、上述のインバータ(図示せず)あるいは、インバータおよびコンバータ(図示せず)を構成する電力用半導体スイッチング素子のオンオフ動作を制御する。
さらに、制御装置100は、電池センサ15によって検出された電池データ(Vb,Ib,Tbを総称するもの)に基づいて、メインバッテリ10のSOCを推定する。SOC推定値に基づいて、必要に応じて、モータジェネレータ30の出力が制限される。
一般に、二次電池の開放電圧(OCV)とSOCとの間には、図2に示すような、一定の特性関係が存在することが知られている。したがって、二次電池の開放電圧を正確に検出できれば、SOCを正確に推定することができる。
しかしながら、二次電池の出力電圧(電池電圧Vb)には、内部抵抗および分極による電圧変化が含まれる。すなわち、下記の式(1)に示されるように、電池電圧Vbは、開放電圧OCVと、分極電圧Vdynと、内部抵抗Rと電池電流Ibの積による電圧変化との和によって示される。
Vb=OCV+Vdyn−Ib・R …(1)
このため、二次電池の使用中(充放電中)には、内部抵抗および分極電圧によって二次電池の出力電圧が変化するため、電池電圧Vbの検出値から開放電圧を正確に求めることは困難である。したがって、二次電池の使用中には、電池電流Ibの積算値に応じてSOC変化量を推定することによって、SOCを逐次推定することが一般的である。しかしながら、電流積算によるSOC推定では、電流センサの測定誤差(オフセット等)によって推定誤差が生じる虞がある。
このため、二次電池の使用中(充放電中)には、内部抵抗および分極電圧によって二次電池の出力電圧が変化するため、電池電圧Vbの検出値から開放電圧を正確に求めることは困難である。したがって、二次電池の使用中には、電池電流Ibの積算値に応じてSOC変化量を推定することによって、SOCを逐次推定することが一般的である。しかしながら、電流積算によるSOC推定では、電流センサの測定誤差(オフセット等)によって推定誤差が生じる虞がある。
また、二次電池の使用終了後には、電池電流Ib=0となるので、内部抵抗による電圧変化は現れないため、電池電圧Vbに基づいて開放電圧を推定することが容易となる。このため、二次電池の使用開始時において、前回の使用時における電流積算に基づくSOC推定値を、開放電圧に基づいて補正することが可能である。
しかしながら、二次電池の非使用時であっても、電池電圧Vbに分極電圧が含まれている可能性がある。このため、電池電圧Vbの検出値をそのまま開放電圧とみなすと、SOC推定に誤差が生じる可能性がある。
図3には、メインバッテリ10の充放電終了後、すなわち二次電池の非使用中における電池電圧の推移の一例が示される。
図3を参照して、時刻t1において、IGスイッチがオフされるのに応答して、システムメインリレーSMRがオフされる。これにより、メインバッテリ10の使用(充放電)が終了される。したがって、時刻t1以降では、電池電流Ib=0の状態で電池電圧Vbが検出される。
二次電池の使用終了時には、電池電圧Vbに分極電圧が含まれている。図3の例では、分極電圧は電圧上昇方向に発生している。充放電の停止中には、時間経過に伴って分極が徐々に解消される。分極が解消されるのに従って分極電圧が減少することにより、図3の例では、電池電圧Vbは徐々に低下する。
一定の時間Trが経過すると、分極が解消して二次電池は平衡状態となる。したがって、Tr経過後における電池電圧Vbは、分極電圧を含まない開放電圧を示す。以下では、二次電池の使用終了から分極の解消に要する時間Trを「分極解消時間」とも称する。
このため、Tr経過後の時刻t3で測定した電池電圧Vbを開放電圧(OCV)として用いることにより、図2に示した特性関係に従ってSOCを精度良く推定できる。一方で、Trが経過する前の時刻t2における電池電圧Vbを開放電圧とすると、平衡状態の開放電圧よりも高い電圧によってSOCを推定することになる。これにより、SOCの推定誤差が生じる。
このように、二次電池の使用開始時に、開放電圧に基づいてSOCを推定するためには、分極現象を考慮することが重要となる。本実施の形態では、分極解消時間(図3でのTr)が電池温度に応じて変化することを反映して、二次電池のSOCを効率的かつ精度良く推定する。
図4は、本発明の実施の形態による二次電池の制御装置によるSOC推定を説明するための機能ブロック図である。図4に示す各機能ブロックは、当該ブロックに相当する機能を有する回路(ハードウェア)で構成してもよいし、予め設定されたプログラムに従って制御装置100がソフトウェア処理を実行することにより実現してもよい。
図4を参照して、制御装置100は、SOC推定部110と、SOC補正部120と、OCV推定部130と、推定処理時間設定部140と、タイマ150とを含む。
SOC補正部120は、IGスイッチ13のオン(オフからオンへの操作)時、すなわち、二次電池の使用開始時に動作する。SOC補正部120は、二次電池の充放電が開始されるまでに電池センサ15により検出された電池電圧Vbに基づいて、メインバッテリ10の使用開始時におけるSOC初期値(SOCi)を算出する。SOC補正部120は、「初期値補正部」に対応する。
SOC推定部110は、IGスイッチ13のオン期間(オン状態の継続期間)において、電池センサ15によって検出された電池電流Ibに基づいて、メインバッテリ10のSOC推定値(SOC♯)を所定周期で算出する。IGスイッチ13のオン期間には、システムメインリレーSMRがオンされることによって、メインバッテリ10が充放電される。すなわち、SOC推定部110は、二次電池の使用中に動作する。
OCV推定部130は、IGスイッチ13のオフ期間(オフ状態の継続期間)において、電池電圧Vbを周期的に検出することによって、分極解消時における開放電圧(平衡状態)の推定値Vrlを算出する。OCV推定部130は、「開放電圧推定部」に対応する。
タイマ150は、二次電池の非使用期間において、IGスイッチ13のオフ(オンからオフへの操作)からの経過時間Tgを測定する。タイマ150は「計時部」に対応する。タイマ150からは、OCV推定部130による推定処理を所定周期毎に実行するために間欠起動指示が発せられる。二次電池の非使用期間において、制御装置100は、基本的には、消費電力を節約するために停止、あるいは、低電力モード(スリープモード)とされるが、間欠起動指示が発せられると、所定処理を実行するために作動される。
推定処理時間設定部140は、二次電池の非使用期間において、電池センサ15によって検出された電池温度Tbに応じて、OCV推定部130による推定処理を実行する推定処理時間T1を可変に設定する。推定処理時間T1は、「第1の時間」に対応する。
図5には、二次電池の使用中におけるSOC推定のための制御処理を説明するためのフローチャートが示される。図5に示す制御処理は、制御装置100によって所定周期毎に実行される。図5による処理は、図4のSOC推定部110の機能に対応する。
図5を参照して、制御装置100は、ステップS100により、IGスイッチ13のオン時であるか否かを判定する。IGスイッチ13がオンされた制御周期のみステップS100はYES判定とされ、それ以外では、ステップS100はNO判定とされる。
制御装置100は、IGオン時(S100のYES判定時)には、ステップS110により、SOC補正部120によるSOC初期値(SOCi)を取得する。IGオン時以外(S100のNO判定時)には、ステップS110の処理はスキップされる。
制御装置100は、ステップS120により、電池センサ15による電池データを取得する。電池データには、少なくとも電池電流Ibが含まれる。さらに、制御装置100は、ステップS130により、電池データに基づいて、オンラインでのSOC推定を実行する。代表的には、電池電流Ibの積算値に基づいて、当該周期におけるSOC変化量ΔSOCがされる。
さらに、制御装置100は、ステップS140により、オンライン推定に基づいてSOC推定値を更新する。これにより、現在のSOC推定値(SOC♯)が算出される。電流積算に基づくSOC推定では、IGスイッチオン時におけるSOC初期値(SOCi)を起点として、周期毎のΔSOCを逐次加算することによって、SOC推定値(SOC♯)が周期毎に更新される。
なお、二次電池の使用中におけるSOC推定は、電流積算とは異なる手法によって実行されてもよい。ただし、演算手法が簡易である電流積算と、使用開始時における開放電圧に基づく初期値補正処理との組合せによって、効率的に二次電池のSOCを推定することができる。
次に、図6を用いて、二次電池非使用期間における制御処理を説明する。図6に示す制御処理は、間欠起動が停止されるまでの間(FLG=0の間)、所定周期毎に実行される。図6による処理は、図4のOCV推定部130、推定処理時間設定部140およびタイマ150の機能に対応する。
制御装置100は、ステップS210により、タイマ150の出力に基づいて、IGスイッチのオフからの経過時間Tgが取得される。経過時間Tgは、二次電池の充放電終了時からの経過時間に相当する。
制御装置100は、ステップS220により、電池センサ15によって検出された電池温度Tbに基づいて推定処理時間T1を決定する。推定処理時間T1は、図3に示した分極解消時間Trに対応して設定される。
電池温度Tbに応じて、分極解消時間Trは変化する。定性的には、低温時ほど分極が解消するまでに長時間を要する。実機実験等の結果に基づいて予め求められた分極解消時間Trの温度依存性に従って、図8に示すような、電池温度Tbから推定処理時間T1を算出するマップを予め作成することができる。
最も簡便には、IGオフ時の電池温度Tbに基づいて、推定処理時間T1を決定することができる。この場合には、ステップS220は、IGオフ時にのみ実行される。あるいは、IGオフからの電池温度Tbの推移を反映するように、推定処理時間T1を修正するようにしてもよい。
再び図6を参照して、制御装置100は、ステップS230により、経過時間Tgと推定処理時間T1とを比較する。制御装置100は、IGオフから推定処理時間T1が経過するまでの間(S230のNO判定時)には、ステップS240,S250に処理を進める。
制御装置100は、ステップS240では、IGオフ後(二次電池の非使用中)の電池電圧Vbの推移に基づいて、平衡状態での開放電圧の推定値Vrlを算出する。さらに、制御装置100は、ステップS250では、間欠起動を継続するためにフラグFLG=0に維持する。
図7は、ステップS240による開放電圧の推定処理を説明するための概念図である。
図7を参照して、時刻t1にIGスイッチ13がオフされた後、一定周期T毎に電池電圧Vbが測定される。IGオフ時には、分極電圧Vdyn=Vdyn0(初期値)である。分極電圧Vdynは、時間経過に応じて指数関数状に減衰する。したがって、周期T毎での分極電圧の変化は、下記(2)式によって近似される。式(2)中のτは、減衰の時定数である。Vdyn(t)は今回の制御周期における分極電圧を示し、Vdyn(t−T)は前回の制御周期における分極電圧を示す。
図7を参照して、時刻t1にIGスイッチ13がオフされた後、一定周期T毎に電池電圧Vbが測定される。IGオフ時には、分極電圧Vdyn=Vdyn0(初期値)である。分極電圧Vdynは、時間経過に応じて指数関数状に減衰する。したがって、周期T毎での分極電圧の変化は、下記(2)式によって近似される。式(2)中のτは、減衰の時定数である。Vdyn(t)は今回の制御周期における分極電圧を示し、Vdyn(t−T)は前回の制御周期における分極電圧を示す。
Vdyn(t)=Vdyn(t−T)*(1/exp(T/τ)) …(2)
したがって、ステップS240では、電池電圧Vbを測定する毎に、周期間での電圧変化を分極電圧Vdynの変化とみなすことにより、時定数τおよびVdyn0(初期値)を推定することができる。さらに、推定結果を用いて、十分時間が経過して分極が解消したときの開放電圧(平衡状態)の推定値Vrlを求めることができる。たとえば、図7の時刻txでは、時刻t1〜txまでの電圧検出値に基づいて、開放電圧(平衡状態)の推定値Vrlが算出される。Vrlは、ステップS240が実行される毎に更新される。
したがって、ステップS240では、電池電圧Vbを測定する毎に、周期間での電圧変化を分極電圧Vdynの変化とみなすことにより、時定数τおよびVdyn0(初期値)を推定することができる。さらに、推定結果を用いて、十分時間が経過して分極が解消したときの開放電圧(平衡状態)の推定値Vrlを求めることができる。たとえば、図7の時刻txでは、時刻t1〜txまでの電圧検出値に基づいて、開放電圧(平衡状態)の推定値Vrlが算出される。Vrlは、ステップS240が実行される毎に更新される。
再び図6を参照して、制御装置100は、IGオフから推定処理時間T1が経過すると(S230のYES判定時)には、ステップS270に処理を進めて、分極が解消したと判定する。さらに、制御装置100は、ステップS280により、以降の間欠起動を停止するために、フラグFLG=1に設定する。これにより、再びIGスイッチ13がオンされて二次電池の使用が開始されるまで、制御装置100は停止を維持される。
図9には、二次電池の使用開始時におけるSOC補正処理を説明するためのフローチャートが示される。図9に示される制御処理は、IGスイッチ13のオン時に実行される。図9による処理によって、図4のSOC補正部120の機能が実現される。
図9を参照して、制御装置100は、ステップS410により、フラグFLG=1であるか否かを判定する。FLG=1のときには、IGオフから推定処理時間T1が経過しているので、IGオフ中(二次電池の非使用期間)に分極が解消していると判断される。したがって、制御装置100は、FLG=1のとき(S410のYES判定時)には、ステップS420により、現在(IGオン時)における電池電圧Vbを開放電圧OCVとみなして、SOC補正を実行する。すなわち、図2に示した特性関係に照らして、IGオン時の電池電圧Vbに対応するSOCがSOC初期値(SOCi)とされる。
一方、FLG=0のときには、IGオフから推定処理時間T1が経過する前に、すなわち、分極が解消する前に、二次電池の使用が再び開始されたものと判断できる。したがって、IGオン時の電池電圧Vbをそのまま開放電圧とみなしてSOC補正を実行することができない。ただし、図6に示すように、Tg<T1の期間では、電池電圧Vbの最新の検出値に基づいて、開放電圧の推定値Vrlが算出されている。
したがって、制御装置100は、FLG=0のとき(S410のNO判定時)には、ステップS430により、開放電圧(平衡状態)の現在の推定値Vrlを開放電圧OCVとみなして、SOC補正を実行する。すなわち、図2に示した特性関係に照らして、開放電圧(の推定値Vrlに対応するSOCがSOC初期値(SOCi)とされる。
このように、本発明の実施の形態による二次電池の制御装置および制御方法によれば、メインバッテリ10(二次電池)の使用開始時において、分極電圧の影響を排除してSOCを正確に推定することができる。さらに、分極解消時間の温度依存性に従って、推定処理時間T1を電池温度に応じて変化させることにより、開放電圧の推定処理の実行期間を適切かつ最小限に止めることができる。この結果、推定処理時間T1を一律に設定する場合と比較して、制御装置100の不必要な間欠起動を停止することによって消費電力を抑制することができる。
なお、本実施の形態では、二次電池の負荷として電動車両の車両駆動用電動機を例示したが、本発明の適用はこのような構成に限定されるものではない。すなわち、二次電池の使用を開始/終了する機構を有する構成であれば、負荷を特に限定することなく、本発明を適用することが可能である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、二次電池のSOC推定に用いることができる。
10 メインバッテリ、13 IGスイッチ、15 電池センサ、22 平滑コンデンサ、25 電源配線、30 モータジェネレータ、40 動力伝達ギヤ、50 駆動輪、100 制御装置、110 SOC推定部、120 SOC補正部、130 OCV推定部、140 推定処理時間設定部、150 タイマ、FLG フラグ(T1経過)、Ib 電池電流、OCV 開放電圧、SMR システムメインリレー、T 周期、T1 推定処理時間、Tb 電池温度、Tg 経過時間(IGオフ後)、Tr 分極解消時間、Vb 電池電圧、Vdyn 分極電圧、Vrl 開放電圧推定値(平衡状態)。
Claims (6)
- 二次電池(10)の使用終了からの経過時間(Tg)を測定するための計時部(150)と、
前記二次電池に設けられた検出器(15)によって検出された電池温度(Tb)に応じて、前記二次電池の使用終了から分極が解消するまでの所要時間に対応する第1の時間(T1)を可変に設定するための設定部(140)と、
前記二次電池の非使用期間において、前記経過時間が前記第1の時間より短い間、前記検出器によって検出された電池電圧(Vb)の推移に基づいて、前記二次電池の平衡状態での開放電圧の推定値を算出するための開放電圧推定部(130)と、
前記二次電池の使用開始時において、前記経過時間が前記第1の時間よりも長い場合には、使用開始時点での前記検出器による前記電池電圧を前記開放電圧とみなしてSOCの初期値(SOCi)を算出する一方で、前記経過時間が前記第1の時間よりも短い場合には、前記開放電圧推定部による前記推定値を前記開放電圧とみなしてSOCの初期値を算出するための初期値補正部(120)とを備える、二次電池の制御装置。 - 前記制御装置(100)は、前記経過時間(Tg)が前記第1の時間(T1)に達するまで、所定周期(T)毎に間欠起動されて前記開放電圧推定部(130)を動作させ、
前記経過時間が前記第1の時間に達した後は、前記二次電池の使用開始まで前記制御装置の間欠自動は停止される、請求項1記載の二次電池の制御装置。 - 前記二次電池(10)の使用中において、前記検出器(15)によって検出された電池電流(Ib)の積算に基づいて、前記SOCの推定値(SOC♯)を逐次算出するためのSOC推定部(110)をさらに備える、請求項1記載の二次電池の制御装置。
- 二次電池(10)の使用終了からの経過時間(Tg)を取得するステップ(S210)と、
前記二次電池に設けられた検出器(15)によって検出された電池温度(Tb)に応じて、前記二次電池の使用終了から分極が解消するまでの所要時間に対応する第1の時間(T1)を可変に設定するステップ(S220)と、
前記二次電池の非使用期間において、前記経過時間が前記第1の時間より短い間、前記検出器によって検出された電池電圧(Vb)の推移に基づいて、前記二次電池の平衡状態での開放電圧の推定値を算出するステップ(S240)と、
前記二次電池の使用開始時において、前記経過時間が前記第1の時間よりも長い場合に、使用開始時点での前記検出器による前記電池電圧を前記開放電圧とみなしてSOCの初期値(SOCi)を算出するステップ(S420)と、
前記二次電池の使用開始時において、前記経過時間が前記第1の時間よりも短い場合に、前記推定値を前記開放電圧とみなしてSOCの初期値を算出するステップ(S430)とを備える、二次電池の制御方法。 - 前記経過時間(Tg)が前記第1の時間(T1)に達するまで、前記開放電圧の推定値を算出するステップ(S240)を実行するために、所定周期(T)毎に制御装置(100)を間欠起動するステップ(S250)と、
前記経過時間が前記第1の時間に達した後は、前記制御装置の間欠起動を停止するステップ(S280)とをさらに備える、請求項4記載の二次電池の制御方法。 - 前記二次電池(10)の使用中において、前記検出器(15)によって検出された電池電流(Ib)の積算に基づいて、前記SOCの推定値(SOC♯)を逐次算出するステップ(S120−S140)をさらに備える、請求項4記載の二次電池の制御方法。
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